JP2002275281A - ポリイミド樹脂フィルム - Google Patents

ポリイミド樹脂フィルム

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JP2002275281A
JP2002275281A JP2001081504A JP2001081504A JP2002275281A JP 2002275281 A JP2002275281 A JP 2002275281A JP 2001081504 A JP2001081504 A JP 2001081504A JP 2001081504 A JP2001081504 A JP 2001081504A JP 2002275281 A JP2002275281 A JP 2002275281A
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JP
Japan
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polyimide resin
resin film
solvent
mol
aromatic
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Application number
JP2001081504A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Yasuda
浩幸 安田
Yoshiyuki Yamamori
義之 山森
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 比較的低温で短時間の熱処理によって得られ
るポリイミド樹脂フィルムおよびその製造方法を提供す
る。 【解決手段】 芳香族テトラカルボン酸二無水物と、ジ
アミノポリシロキサン、及び芳香族ジアミンもしくは脂
肪族ジアミンとを、溶媒としてフェニルエーテルを用い
て反応させることによって得られたポリイミド樹脂の溶
液を150℃以下で塗工乾燥することによってポリイミ
ド樹脂フィルムを製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリイミド樹脂フ
ィルムに関し、低温短時間による熱処理によって得られ
るポリイミド樹脂フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】有機溶媒に可溶なポリイミド樹脂は、従
来、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを、室温に
て有機溶媒中で反応させ、ポリアミド酸溶液としてか
ら、更に加熱もしくは化学的に閉環することにより得ら
れていた。
【0003】しかし、上記の方法では、テトラカルボン
酸二無水物および前駆体であるポリアミド酸が、N−メ
チル−2−ピロリドン等の沸点の高い極性有機溶媒中に
しか溶解性を示さないため、これらの溶剤中でしかポリ
イミド樹脂を製造できなかった。フィルム材として、こ
の樹脂を用いる場合には、高沸点溶媒を完全に除去する
ために高温で長時間の熱処理か、または低沸点の溶媒に
置換する必要があった。
【0004】そのため、N−メチル−2−ピロリドン等
の極性溶媒より低沸点の溶媒を用いてポリイミド合成が
提案されている。即ち特定のテトラカルボン酸二無水物
と有機ケイ素ジアミン化合物を含有するジアミン成分と
を、アニソールとγ−ブチロラクトンとの混合溶媒中で
反応させることによるポリイミド合成(特開平7−20
7024号公報)が知られている。しかし、溶媒中に沸
点の高いγ−ブチロラクトン(bp=204℃)を含有
しているため、完全に低沸点の溶媒中でのポリイミド合
成とは言い難く、またポリイミド樹脂の溶媒を完全に除
去するためには150℃〜250℃という高温の熱処理
が必要であり、沸点の低いアニソール(bp=155
℃)の特徴が生かし切れず、低温での熱処理によってポ
リイミド樹脂フィルムを製造することはできなかった。
そのため、例えばエレクトロニクス用の接着フィルム等
を製造する場合、接着後の耐熱性を向上させるために、
ポリイミド樹脂の溶液にエポキシ樹脂等、熱硬化性成分
を混合したフィルムの製造を試みた際、フィルム製造過
程で熱硬化性成分がすべて反応してしまい、接着フィル
ムとしての接着性を損なってしまうなどポリイミド樹脂
フィルムのエレクトロニクス用材料としての適用が限定
されてしまっていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記のポリ
イミド樹脂フィルムの製造方法の問題点に鑑み、鋭意検
討の結果なされたもので、低温で短時間の熱処理で得ら
れるポリイミド樹脂フィルムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は、芳香族テ
トラカルボン酸二無水物と、一般式(1)で表されるジ
アミノポリシロキサン、及び芳香族ジアミンもしくは脂
肪族ジアミンとを、一般式(2)で表されるフェニルエ
ーテルを反応溶媒として用いて重合させて得られた一般
式(3)で表される繰り返し単位と一般式(4)で表さ
れる繰り返し単位を有するポリイミド樹脂の溶液を、1
50℃以下で塗工乾燥することによって得られるポリイ
ミド樹脂フィルムである。
【0007】
【化5】
【0008】
【化6】
【0009】
【化7】
【0010】
【化8】
【0011】式中、R1,R2は炭素数1〜4で二価の脂
肪族基または芳香族基、R3,R4,R5,およびR6は一
価の脂肪族基または芳香族基、R7は水素原子または炭
素原子数1〜6の1価の炭化水素基であり、R8は炭素
原子数1〜6の1価の炭化水素基、R9,R10は四価の
脂肪族基または芳香族基、R11は二価の脂肪族または芳
香族基を表し、kは1〜100の整数である。m、nの
割合は各成分合計100モル%中、mが5〜80モル
%、nが20〜95モル%である。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明に用いる一般式(1)で表
されるジアミノポリシロキサンとしては、1,3−ビス
(3−アミノプロピル)テトラメチルシロキサンやα,
ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサ
ン等が挙げられる。これらは一般式(2)で表されるフ
ェニルエーテルに溶解するものであれば良い。
【0013】本発明に用いる芳香族もしくは脂肪族ジア
ミンとしては、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミ
ノビフェニル、4,6−ジメチル−m−フェニレンジア
ミン、2,5−ジメチル−p−フェニレンジアミン、
2,4−ジアミノメシチレン、4,4’−メチレンジ−
o−トルイジン、4,4’−メチレンジアミン−2,6
−キシリジン、4,4’−メチレン−2,6−ジエチル
アニリン、2,4−トルエンジアミン、m−フェニレン
ジアミン、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミ
ノジフェニルプロパン、3,3’−ジアミノジフェニル
プロパン、4,4’−ジアミノジフェニルエタン、3,
3’−ジアミノジフェニルエタン、4,4’−ジアミノ
ジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタ
ン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,
3’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジア
ミノジフェニルスルフォン、3,3’−ジアミノジフェ
ニルスルフォン、4,4’−ジアミノジフェニルエ−テ
ル、3,3’−ジアミノジフェニルエ−テル、ベンジジ
ン、3,3’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメチ
ル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメト
キシベンジジン、ビス(p−アミノシクロヘキシル)メ
タン、ビス(p−β−アミノ−t−ブチルフェニル)エ
−テル、ビス(p−β−メチル−δ−アミノペンチル)
ベンゼン、p−ビス(2−メチル−4−アミノペンチ
ル)ベンゼン、1,5−ジアミノナフタレン、2,6−
ジアミノナフタレン、2,4−ビス(β−アミノ−t−
ブチル)トルエン、2,4−ジアミノトルエン、m−キ
シレン−2,5−ジアミン、p−キシレン−2,5−ジ
アミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジア
ミン、2,6−ジアミノピリジン、2,5−ジアミノピ
リジン、2,5−ジアミノ−1,3,4−オキサジアゾ
−ル、1,4−ジアミノシクロヘキサン、ピペラジン、
メチレンジアミン、エチレンジアミン、テトラメチレン
ジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジ
アミン、2,5−ジメチルヘキサメチレンジアミン、3
−メトキシヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジ
アミン、2,5−ジメチルヘプタメチレンジアミン、3
−メチルヘプタメチレンジアミン、4,4−ジメチルヘ
プタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナ
メチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、
デカメチレンジアミン、1,3−ビス(3−アミノフェ
ノキシ)ベンゼン、2,2−ビス[4−(4−アミノフ
ェノキシ)フェニル]プロパン、1,3−ビス(4−ア
ミノフェノキシ)ベンゼン、ビス−4−(4−アミノフ
ェノキシ)フェニルスルフォン、ビス−4−(3−アミ
ノフェノキシ)フェニルスルフォンなどを挙げることが
できる。中でも、2,2−ビス[4−(4−アミノフェ
ノキシ)フェニル]プロパン、1,3−ビス(3−アミ
ノフェノキシ)ベンゼンが、フェニルエーテルへの溶解
性に関して好ましい。上記のジアミンは、単独で用いて
も良く、2種類以上を組み合わせて用いても良い。
【0014】上記ジアミノポリシロキサンと芳香族もし
くは脂肪族ジアミンとの反応比率は、特に規定しない
が、ジアミノポリシロキサンの反応比率が、ジアミノポ
リシロキサンと芳香族もしくは脂肪族ジアミンの総モル
数に対し、好ましくは5〜95モル%である。5モル%
より低いと、得られるポリイミド樹脂のフェニルエーテ
ルへの溶解性が低下し、作業上問題が生じる可能性があ
る。95モル%より高いとフィルムのガラス転移温度が
著しく低下し、フィルムとしての強度が保てない可能性
がある。
【0015】本発明に用いる芳香族テトラカルボン酸二
無水物としては、3,3',4,4'−ビフェニルテトラカ
ルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ベンゾフェノンテ
トラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、
4,4'−オキシジフタル酸二無水物、エチレングリコー
ルビストリメリット酸二無水物などが挙げられる。中で
も、4,4'−オキシジフタル酸二無水物が、得られるポ
リイミド樹脂のフェニルエーテルへの溶解性に関して好
ましい。上記の芳香族テトラカルボン酸二無水物は、単
独で用いても良く、2種類以上を組み合わせて用いても
良い。
【0016】本発明のポリイミド樹脂組成物の重縮合反
応における酸成分とアミン成分の当量比は、得られるポ
リイミド樹脂の分子量を決定する重要な因子である。ま
た、ポリマーの分子量と物性、特に数平均分子量と機械
的性質の間に相関があることは良く知られている。数平
均分子量が大きいほど機械的性質が優れている。従っ
て、実用的に優れた強度を得るためには、ある程度高分
子量であることが必要である。
【0017】本発明に用いるポリイミド樹脂の製造で
は、酸成分とアミン成分の当量比rが 0.900 ≦ r ≦ 1.06 さらには、 0.975 ≦ r ≦ 1.025 の範囲にあることが、機械的強度および耐熱性の両面か
ら好ましい。ただし、r=[全酸成分の当量数]/[全
アミン成分の当量数]である。rが0.900未満で
は、分子量が低くてフィルムとした場合脆くなる。また
1.06を越えると、未反応のカルボン酸が加熱時に脱
炭酸して、ガス発生や発泡の原因となり好ましくないこ
とがある。ポリイミド樹脂の分子量制御のために、ジカ
ルボン酸無水物あるいはモノアミンを添加することは、
上述の酸/アミンモル比rの範囲内であれば、特にこれ
を妨げない。
【0018】本発明に用いる反応溶媒は、式(2)で表
されるフェニルエーテルである。
【0019】ここで、式(2)で表されるフェニルエー
テルの代表的なものとして、アニソール、フェネトー
ル、メトキシトルエン等が挙げられるが、より低温の熱
処理でポリイミド樹脂フィルムが得られることから、ア
ニソールが最も好ましい。
【0020】この時、共沸用溶媒として上記のフェニル
エーテルと相溶性のある非極性溶媒を混合して使用して
も良い。前記非極性溶媒としては、トルエン、キシレ
ン、ソルベントナフサなどの芳香族炭化水素が好まし
い。混合溶媒における非極性溶媒の割合は、50重量%
以下であることが好ましい。これは非極性溶媒が50重
量%を越える場合は、溶媒の溶解力が低下し、原料であ
るジアミノポリシロキサンと芳香族もしくは脂肪族ジア
ミン、又はポリイミド樹脂が析出する恐れがあるためで
ある。
【0021】上述した成分、配合比によりポリイミド樹
脂を合成する場合、上記成分のジアミノポリシロキサン
と芳香族もしくは脂肪族ジアミンとを、フェニルエーテ
ルを主とする反応溶媒中に仕込み、70〜80℃程度に
加熱し、ジアミノポリシロキサンと芳香族もしくは脂肪
族ジアミンを溶解させる(A液)。さらに、別の反応器
に上記成分のテトラカルボン酸二無水物を、フェニルエ
ーテルを主とする溶媒中に仕込み、還流が起きるまで加
熱昇温を行う(B液)。引き続き、前記A液を、還流中
のB液内に添加して、ポリアミド化と脱水閉環反応を短
時間で進行させ、一般式(3)で表される繰り返し単位
と一般式(4)で表される繰り返し単位とを有するポリ
イミド樹脂の溶液が得られる。イミド化反応によって生
じた水は閉環反応を妨害するため、ディーン・スターク
(Dean−Stark)管などの装置を使用して系外
に排出する。
【0022】本発明のポリイミド樹脂フィルムを得る方
法としては、上記で得られたポリイミド樹脂溶液を、例
えば、ロールや金属シート、又は、ポリエステルシート
などの離型シートの上に、フローコーター、ロールコー
ターなどにより、流延あるいは塗布して、樹脂層からな
るフィルムを形成させ、加熱乾燥後、剥離してポリイミ
ド樹脂フィルムとすることができる。この際の加熱処理
は、通常50〜150℃で行うことができる。熱処理時
間については、通常0.1〜1時間程度で良い。
【0023】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明は、何らこれらに限定されるものではな
い。またフィルムの残溶剤量についてはパージ&トラッ
プ−GC/MS法により測定した。
【0024】[パージ&トラップ−ガスクロマトグラフ
・質量分析(GC/MS)法]試料約50mgをパージ
&トラップの試料管に入れ、流速50mL/分のヘリウ
ムガスで揮発分を追い出しながら、250℃×15分の
加熱条件で試料を加熱する。この時発生した揮発分を−
80℃でトラップし、試料加熱終了後トラップした成分
を急速加熱してGC/MS計に導入する。各発生ガス成
分の定量については、既知濃度のn−デカンのトルエン
希釈溶液を用いて、試料と同じ加熱条件にてパージ&ト
ラップ−GC/MS法測定を行い、各発生ガス成分のピ
ーク面積値を比較することによって各標準試料に対する
換算定量値を、試料重量に対する重量分率として算出す
る。
【0025】「実施例1」三角フラスコに、アニソール
438.50gを入れ、さらに1,3−ビス(3−アミ
ノフェノキシ)ベンゼン43.85g(0.15モル)
とα,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシ
ロキサン(平均分子量837)(式(1)においてk=
9)125.55g(0.15モル)を投入し、70℃
に加熱し、溶解するまで撹拌を行った(A液)。
【0026】次に、乾燥窒素ガス導入管、冷却器、温度
計、滴下ロート、攪拌機を備えた三口フラスコに、アニ
ソール120.55g、トルエン228.35gを入
れ、窒素ガスを流した。次に、酸成分である4,4’−
オキシジフタル酸二無水物93.07g(0.30モ
ル)を投入し、トルエンを満たしたディーン・スターク
管をフラスコに装着し、油浴にて系を還流が発生するま
で加熱した。次に、前記A液を滴下ロートに投入し、フ
ラスコ内に1時間かけて滴下した。その間に発生する水
は、ディーン・スターク管を用いて系外に除いた。3時
間加熱した後、冷却し、目的とするポリイミド樹脂の溶
液を得た。得られたポリイミド樹脂は、東ソー株式会社
製GPC測定装置を用いて、ポリスチレン換算で測定の
ところ、Mw=76100であった。
【0027】次に、市販の離型フィルム(ポリエステル
フィルム)上に、上記ポリイミド樹脂の溶液をロールコ
ーターで、厚みが25μmになるように塗布し、50℃
で2分、90℃で2分、120℃で2分乾燥を行い、離
型フィルムのついたポリイミド樹脂フィルムを得た。得
られたポリイミド樹脂フィルムの残留溶媒量を、パージ
&トラップ−GC/MS法にて測定したところ、溶媒で
あるアニソールの残留量は4ppmであった。
【0028】「実施例2」三角フラスコに、アニソール
574.72gを入れ、さらに2,2−ビス[4−(4
−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン57.47g
(0.14モル)とα,ω−ビス(3−アミノプロピ
ル)ポリジメチルシロキサン(平均分子量837)(式
(1)においてk=9)117.18g(0.14モ
ル)を投入し、70℃に加熱し、溶解するまで撹拌を行
った(A液)。
【0029】次に、乾燥窒素ガス導入管、冷却器、温度
計、滴下ロート、攪拌機を備えた三口フラスコにアニソ
ール115.68g、トルエン94.15gを入れ、窒
素ガスを流した。次に、酸成分である4,4’−オキシ
ジフタル酸二無水物86.86g(0.28モル)を投
入し、トルエンを満たしたディーン・スターク管をフラ
スコに装着し、油浴にて系を還流が発生するまで加熱し
た。次に、前記A液を滴下ロートに投入し、フラスコ内
に1時間かけて滴下した。その間に発生する水は、ディ
ーン・スターク管を用いて系外に除いた。3時間加熱し
た後、冷却し、目的とするポリイミド樹脂の溶液を得
た。得られたポリイミド樹脂は、東ソー株式会社製GP
C測定装置を用いて、ポリスチレン換算で測定のとこ
ろ、Mw=40100であった。
【0030】次に、市販の離型フィルム(ポリエステル
フィルム)上に、上記ポリイミド樹脂の溶液をロールコ
ーターで、厚みが25μmになるように塗布し、50℃
で2分、90℃で2分、120℃で2分乾燥を行い、離
型フィルムのついたポリイミド樹脂フィルムを得た。
【0031】得られたポリイミド樹脂フィルムの残留溶
媒量をパージ&トラップ−GC/MS法にて測定したと
ころ、溶媒であるアニソールの残留量は5ppmであっ
た。
【0032】「実施例3」三角フラスコに、アニソール
438.50gを入れ、さらに1,3−ビス(3−アミ
ノフェノキシ)ベンゼン43.85g(0.15モル)
とα,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシ
ロキサン(平均分子量837)(式(1)においてk=
9)125.55g(0.15モル)を投入し、70℃
に加熱し、溶解するまで撹拌を行った(A液)。
【0033】次に、乾燥窒素ガス導入管、冷却器、温度
計、滴下ロート、攪拌機を備えた三口フラスコに、アニ
ソール348.90gを入れ、窒素ガスを流した。次
に、酸成分である4,4’−オキシジフタル酸二無水物
93.07g(0.30モル)を投入し、ディーン・ス
ターク管をフラスコに装着し、油浴にて系を還流が発生
するまで加熱した。次に、前記A液を滴下ロートに投入
し、フラスコ内に1時間かけて滴下した。その間に発生
する水は、ディーン・スターク管を用いて系外に除い
た。3時間加熱した後、冷却し、目的とするポリイミド
樹脂の溶液を得た。得られたポリイミド樹脂は、東ソー
株式会社製GPC測定装置を用いて、ポリスチレン換算
で測定のところ、Mw=55400であった。
【0034】次に、市販の離型フィルム(ポリエステル
フィルム)上に、上記ポリイミド樹脂の溶液をロールコ
ーターで、厚みが25μmになるように塗布し、50℃
で2分、90℃で2分、120℃で2分乾燥を行い、離
型フィルムのついたポリイミド樹脂フィルムを得た。得
られたポリイミド樹脂フィルムの残留溶媒量を、パージ
&トラップ−GC/MS法にて測定したところ、溶媒で
あるアニソールの残留量は4ppmであった。
【0035】「比較例1」特開平7−207024号公
報記載の実施例1に従い、酸無水物成分として2,2−
ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)パーフルオロプ
ロパン二無水物13.2g(0.03モル)と3,3’
−4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
(0.07モル)、及び溶剤としてγ−ブチロラクトン
66gとアニソール84gを仕込み、これにジアミン成
分として、1,1’−3,3’−テトラメチル−1,3
−ビス(3−アミノプロピル)ジシロキサン7.5g
(0.03モル)、2,2−ビス[4−(4−アミノフ
ェノキシ)フェニル]プロパン28.7g(0.07モ
ル)とを溶解したγ−ブチロラクトン溶液96.2g
を、反応系の温度が50〜60℃となるように加熱しつ
つ、徐々に添加した。以上の仕込みにおいて、溶剤は最
終的にγ−ブチロラクトン60重量%、アニソール40
重量%となるように調製した。滴下終了後、更に室温で
10時間撹拌し、次にフラスコに水分受容器付き還流冷
却器を取り付けた後、反応系を150℃に昇温し、4時
間反応させて脱水閉環を行い、目的とする褐色透明のポ
リイミド樹脂の溶液を得た。得られたポリイミド樹脂
は、東ソー株式会社製GPC測定装置を用いて、ポリス
チレン換算で測定のところ、Mw=44000であっ
た。
【0036】このポリイミド樹脂の溶液を実施例1と同
様にして、離型フィルムのついたポリイミド樹脂フィル
ムを作製し、ポリイミド樹脂フィルムの残留溶媒量をパ
ージ&トラップ−GC/MS法にて測定したところ、溶
媒であるγ−ブチロラクトンの残留量は1000ppm
以上であった。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、低沸点の溶媒中でポリ
イミド樹脂の溶液が得られ、さらにγブチロラクトンな
どの高沸点の溶媒を含有していないため、低温短時間の
熱処理で残留溶媒量の極めて少ないポリイミド樹脂フィ
ルムを得ることができる。そのため、熱処理によって反
応が進行する熱硬化成分等をポリイミド樹脂の溶液内に
添加しても、反応が進行することなくポリイミド樹脂フ
ィルムを得ることができ、高信頼性と耐熱性を要求する
エレクトロニクス用材料等に最適なポリイミド樹脂フィ
ルムを提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA60X AA67X AA75X AA76X AF36Y AF45Y AH12 BA02 BB02 BC01 4J043 PA04 PA08 QB31 RA35 SA06 TA12 TA13 TB01 UA121 UA122 UA131 UA132 UA261 UA262 UA361 UA511 UB011 UB012 UB152 UB301 UB351 VA011 VA012 VA021 VA022 VA031 VA032 VA041 VA042 VA051 VA052 VA061 VA062 ZA41 ZB47

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芳香族テトラカルボン酸二無水物と、一般
    式(1)で表されるジアミノポリシロキサン、及び芳香
    族ジアミンもしくは脂肪族ジアミンとを、一般式(2)
    で表されるフェニルエーテルを反応溶媒として用いて重
    合させて得られた一般式(3)で表される繰り返し単位
    と一般式(4)で表される繰り返し単位を有するポリイ
    ミド樹脂の溶液を、150℃以下で塗工乾燥することに
    よって得られるポリイミド樹脂フィルム。 【化1】 【化2】 【化3】 【化4】 式中、R1,R2は炭素数1〜4で二価の脂肪族基または
    芳香族基、R3,R4,R5,およびR6は一価の脂肪族基
    または芳香族基、R7は水素原子または炭素原子数1〜
    6の1価の炭化水素基であり、R8は炭素原子数1〜6
    の1価の炭化水素基、R9,R10は四価の脂肪族基また
    は芳香族基、R11は二価の脂肪族または芳香族基を表
    し、kは1〜100の整数である。m、nの割合は各成
    分合計100モル%中、mが5〜80モル%、nが20
    〜95モル%である。
  2. 【請求項2】反応溶媒が、共沸用溶媒としてフェニルエ
    ーテルと相溶性のある非極性溶媒を反応溶媒全体に対し
    50重量%以下含有することを特徴とする請求項1記載
    のポリイミド樹脂フィルム。
  3. 【請求項3】式(2)で表されるフェニルエーテルが、
    アニソールであることを特徴とする請求項1記載のポリ
    イミド樹脂フィルム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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