JP4991185B2 - ポリアリールスルホン系重合体及びその製造方法 - Google Patents

ポリアリールスルホン系重合体及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ポリアリールスルホン系重合体及びその製造方法並びにポリアリールスルフィド系重合体に関する。より詳しくは、含フッ素ポリアリール系重合体として高耐熱性等の高い物性と種々の有用な特性を有するポリアリールスルホン系重合体及びその製造方法、並びに、ポリアリールスルホン系重合体等の原料として有用なポリアリールスルフィド系重合体に関する。
含フッ素化合物は、フッ素を含有していることに起因して撥水性が良好であり、また耐熱性等の特性に優れるものであることから、重合体等の形態で各種フィルム、燃料電池用電解質膜やエンジニアリングプラスチック等の原料として幅広い産業分野において利用されている。各種工業用材料の高機能化、高性能化の要求に伴い、近年、様々な産業分野において、これら含フッ素化合物が注目されているが、各種分野において好適に用いることができるものとなるように、更に耐熱性や低吸湿性、溶剤への溶解性、その他の物性等を高めた化合物を開発する余地があった。
従来の含フッ素重合体としては、例えば、含フッ素アリールエーテルケトン重合体が開示されている(例えば、特許文献1及び2参照。)。これらの重合体は、フッ素で置換された芳香環とエーテル構造とを有する単量体単位により構成されるものであり、溶剤に溶解し、耐熱性を有する等の基本性能を発揮することができるとされている。これらの重合体は、フッ素で置換されたベンゼン環とエーテル構造とを有する単量体単位により構成されるものであり、溶剤に溶解し、耐熱性を有する等の基本性能を発揮することができるとされている。しかしながら、フッ素で置換されたベンゼン環を繰り返し単位中に有する直鎖状の含フッ素重合体の中で、フッ素で置換されたベンゼン環と結合して繰り返し単位を構成する2価の基としてエーテル構造以外のものを有する重合体については、これまでに充分な検討はなされていない。すなわち、直鎖状の含フッ素重合体において、エーテル構造以外の2価の基としてどのようなものが適当であるか、またそのような重合体をどのように製造するのかについて検討をおこなう余地があるといえる。このような特性を有する含フッ素重合体において、エーテル構造を有するもの以外にも得ることができれば、含フッ素ポリアリール系重合体として高耐熱性等の高い物性と種々の有用な特性を有する重合体の種類を増やすことができることとなる。また、これまでとは違った手法によって高い性能を有する含フッ素重合体を実現することができる。このような観点から、フッ素で置換されたベンゼン環を繰り返し単位中に有する含フッ素重合体として新たな構造を持つものが求められることになる。
特開2001−64226号公報(第1−2、11頁) 特開2003−82091号公報(第1−2、8頁)
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、高耐熱性、良好な透明性、機械的強度、耐加水分解性、耐UV性(耐光性)、低誘電率、高寸法安定性、高耐放射性に優れる等、種々の優れた基本性能を持ち、しかも高いガラス転移点(Tg)を可能とし、溶媒溶解性が良好であるという優れた特性を発揮し、電子情報材料、精密機械材料、光材料、航空宇宙材料、自動車材料、構造材料等の様々な分野で好適に用いることができるポリアリールスルホン系重合体及びその製造方法、並びに、ポリアリールスルホン系重合体等の原料として有用なポリアリールスルフィド系重合体を提供することを目的とするものである。
本発明者等は、フッ素で置換されたベンゼン環を繰り返し単位中に有する含フッ素重合体について種々検討したところ、フッ素で置換されたベンゼン環を有する構造を2,3,5,6−テトラフルオロ−1,4−フェニレン基によって構成し、これとともに2つのベンゼン環に挟まれたスルホン結合を有する繰り返し単位によって形成される含フッ素ポリアリールスルホン系重合体がこれまでに知られていない特徴的な構造を有している新規な含フッ素重合体であり、含フッ素ポリアリールスルホン系重合体として種々の基本性能を発揮することを見いだした。例えば、高耐熱性、透明性良好、機械的強度、耐加水分解性、耐UV性(耐光性)、低誘電率、高寸法安定性、高耐放射性に優れる等、種々の優れた基本性能を発揮することができる。
またジチオールとフッ素含有単量体とによって、ポリアリールスルホン系重合体の前躯体であるポリアリールスルフィド系重合体を合成するとともに、ポリアリールスルフィド系重合体のスルフィド結合を酸化することによってポリアリールスルホン系重合体を得ることができることも見いだした。これによって、2,3,5,6−テトラフルオロ−1,4−フェニレン基を主鎖骨格に有するポリアリールスルフィド類の酸化によりアミド基、ケトン基、並びに、オキサジアゾール基を含んだ新しい含フッ素ポリアリールスルホン類をを調製することができた。酸化してスルホン結合に変換すると、ガラス転移点(Tg)が上昇することになり、高耐熱性等の特性にとって有利となることがわかった。このようなポリアリールスルホン系重合体は、溶媒溶解性が良好であり、工業的に使用しやすく、電子情報材料、精密機械材料、光材料、航空宇宙材料、自動車材料、構造材料等の様々な分野で好適に用いることができる。
更に、ポリアリールスルフィド系重合体を酸化することによってポリアリールスルホン系重合体を得る場合、含フッ素重合体の鎖が切れて分子量が下がる傾向があるが、反応条件を適切なものとした酸化反応工程に供することにより、分子量を維持したまま、分子内のスルフィド結合をスルホン結合に変換するとことが可能となることも見いだした。
これらの知見によって上記課題をみごと解決することができることに想到し、本発明に到達したものである。
すなわち本発明は、2,3,5,6−テトラフルオロ−1,4−フェニレン基とともにスルホン結合をもつ繰り返し単位を有するポリアリールスルホン系重合体であって、
上記ポリアリールスルホン系重合体は、下記一般式(1)で表される繰り返し単位を有するポリアリールスルホン系重合体である。
Figure 0004991185
式中、Arは、下記化学式(2)、(3)及び(4)からなる群より選択されるいずれかの2価の基を表す。Ar′は、2価の有機基を表す。
Figure 0004991185
以下に本発明を詳述する。
上記一般式(1)中で、Arは上記化学式(2)、(3)及び(4)からなる群より選択されるいずれかの2価の有機基を表すものであるが、上記化学式(2)、(3)及び(4)のいずれであってもよく、複数の種類を含んでもよい。上記一般式(1)中、Ar’は、2価の有機基を表す。上記Ar′は、芳香環を有する構造の2価の有機基であることが好ましく、より好ましくは、芳香環を有する炭素数1〜25の2価の有機基である。更に好ましくは、1個のスルフィド結合又はエーテル結合を介して2個の芳香環が結合した構造を有する炭素数1〜20の2価の有機基である。特に好ましくは、4,4’−チオビスベンゼンチオール(4,4’−thiobisbenzenthiol)、又は、4,4’−チオビス(メルカプトフェニル)エーテル(4,4’−bis[mercaptophenyl]ether)の両端の水素原子が脱落した構造を有する基である。
上記Ar′が芳香環を有することにより、上記ポリアリールスルホン系重合体の耐熱性がより向上する。また、Ar′が3価以上である場合は、上記ポリアリールスルホン系重合体が分岐構造を有することによって、複雑な立体構造を形成し、重合体がゲル化することによって、重合体として望ましい物性を得ることができないおそれがある。
上記ポリアリールスルホン系重合体は、上記一般式(1)で表される繰り返し単位以外の構造を含んでもよいが、上記ポリアリールスルホン系重合体を100質量部としたとき、上記一般式(1)で表される繰り返し単位が、50質量部以上であることが好ましく、より好ましくは80質量部以上、更に好ましくは95質量部以上である。なお、本発明のポリアリールスルホン系重合体においては、上記一般式(1)で表される繰り返し単位の構造は、同一であっても異なっていてもよく、異なる繰り返し単位により構成される場合には、ブロック状、ランダム状等のいずれの形態であってもよい。
本発明はまた、2,3,5,6−テトラフルオロ−1,4−フェニレン基とともにスルホン結合をもつ繰り返し単位を有するポリアリールスルホン系重合体であって、上記ポリアリールスルホン系重合体は、繰り返し単位中の硫黄原子のスルホン化率が95モル%以下であるポリアリールスルホン系重合体でもある。
上記硫黄原子のスルホン化率とは、以下の式によって表される。
(スルホン化率)=(ポリアリールスルホン系重合体中のスルホン化された硫黄原子の数)/(ポリアリールスルホン系重合体中のスルホン化された硫黄原子の数、及び、ポリアリールスルホン系重合体中のスルホン化されていない硫黄原子の数の和)
上記スルホン化率の上限としては、95%以下であることが好ましく、より好ましくは90%以下、更に好ましくは85%以下である。上記スルホン化率の下限としては、10%以上が好ましく、より好ましくは30%以上、更に好ましくは、50%以上である。上記硫黄原子のスルホン化率が10%未満であると、スルホン化による耐熱性の向上が不充分となるおそれがある。また、上記硫黄原子のスルホン化率が95%を超えると、酸化反応時の副反応により分子鎖が切断され、分子量が低下してしまうおそれがある。尚、ポリアリールスルホン系重合体のスルホン化率を上記範囲とするための酸化工程における反応条件については、後述する製造方法において説明する。
本発明はまた、上記ポリアリールスルホン系重合体を製造する方法であって、2,3,5,6−テトラフルオロ−1,4−フェニレン基とともにスルフィド結合をもつ繰り返し単位を有するポリアリールスルフィド系重合体を酸化してポリアリールスルホン系重合体とする工程を含むポリアリールスルホン系重合体の製造方法でもある。
すなわち、本発明のポリアリールスルホン系重合体は、例えば、ポリアリールスルフィド系重合体を酸化して得ることができる。ポリアリールスルフィド系重合体は、後述する一般式(5)で表される繰り返し単位を有するポリアリールスルフィド系重合体を用いることができる。
この製造方法においては、上記ポリアリールスルホン系重合体を製造することができる限り、酸化方法等の製造方法が限定されるものではないが、後述するような製造方法における製造条件とすることによって、上記ポリアリールスルホン系重合体を好適に製造することができることとなる。
本発明は更に、2,3,5,6−テトラフルオロ−1,4−フェニレン基とともにスルホン結合をもつ繰り返し単位を有するポリアリールスルホン系重合体の製造方法であって、上記製造方法は、2,3,5,6−テトラフルオロ−1,4−フェニレン基とともにスルフィド結合をもつ繰り返し単位を有するポリアリールスルフィド系重合体を酸化してポリアリールスルホン系重合体とする工程を含み、上記酸化工程は、ポリアリールスルフィド系重合体を酸化剤を用いて酸化する工程であるポリアリールスルホン系重合体の製造方法でもある。
上記製造方法は、上述した本発明のポリアリールスルホン系重合体を製造する方法として好適であるが、2,3,5,6−テトラフルオロ−1,4−フェニレン基とともにスルホン結合をもつ繰り返し単位を有するポリアリールスルホン系重合体を製造する方法である限り、上述した本発明のポリアリールスルホン系重合体以外の含フッ素重合体の製造方法として用いてもよい。
上記酸化工程は、酸化剤を用いて行うことにより、ポリアリールスルフィド系重合体中に含まれる硫黄原子を充分にスルホン化することができ、それによって、ポリアリールスルホン系重合体の耐熱性を向上させることができる。上記酸化工程においては、一般的な酸化剤を用いればよいが、KMnO、H、HSO等を用いることが好ましい。より好ましくはHであり、更に好ましくはHとCHCOOHの併用である。酸化剤の酸化能力が不足する場合、反応しないか、若しくは、酸素が1つだけ結合したスルフォキサイドが生成するおそれがある。
上記酸化剤の添加量は、酸化剤の種類や単量体の種類に応じて適宜調整することができるが、ポリアリールスルフィド系重合体の硫黄原子に対して1当量以上、100当量以下であることが好ましい。より好ましくは、1当量以上、50当量以下であり、更に好ましくは1当量以上、20当量以下である。上記酸化剤の添加量が1当量未満であると、ポリアリールスルフィド系重合体を充分に酸化することができないおそれがあり、100当量を超えると、ポリアリールスルフィド系重合体が分解されてしまうおそれがある。また、上記酸化剤の添加方法としては、水溶液で加えることが好ましい。
上記酸化工程を行う際は、必要に応じて水及び/又は有機溶剤を用いることができる。上記酸化工程に用いることができる水及び/又は有機溶剤は、ポリアリールスルフィド系重合体に含まれるフッ素原子と反応しないものである限り、特に限定されない。また、上記酸化工程は、減圧下、常圧下又は加圧下のいずれで行われてもよいが、設備面等を考慮すると、常圧下で反応を行うことが好ましい。
上記酸化工程における反応温度は、30〜200℃とすることが好ましく、より好ましくは、30〜150℃である。更に好ましくは、50〜120℃である。上記反応温度が30℃未満であると、上記ポリアリールスルフィド系重合体が有する硫黄原子が充分にスルホン化されず、充分な耐熱性、機械的強度等、好ましい基本性能を有した重合体を得られないおそれがある。また、200℃を超えると、上記ポリアリールスルフィド系重合体が分解し、分子量が下がるおそれがある。
上記酸化工程における、ポリアリールスルフィド系重合体を酸化させる反応を行う時間は、0.5〜48時間とすることが好ましい。より好ましくは0.5〜5時間であり、更に好ましくは0.5〜3時間である。上記反応時間が0.5時間未満であると、ポリアリールスルフィド系重合体に含まれる硫黄原子が充分にスルホン化されないおそれがあり、上記反応時間が48時間を超えると、ポリアリールスルフィド系重合体のスルホン化率が95%を超えるため、好ましい基本性能を有する重合体が得られないおそれがある。
上記酸化工程において、酸化剤、酸化剤の添加量、反応温度、及び、反応時間を上述した条件に適合するものとすることによって、スルホン化率が10%以上、95%以下であるポリアリールスルホン系重合体を得ることができる。
上記酸化工程終了後は、反応溶液を水等に加えた後、沈殿物をろ過により分離し、精製工程を行うことによって得ることができる。また、本発明のポリアリールスルホン系重合体の製造方法は、上記酸化工程以外の工程を含んでもよい。
上記ポリアリールスルホン系重合体の数平均分子量(Mn)としては、要求される特性、用途等に合わせて適宜設定すればよいが、優れた耐水性を有する重合体とすることを考慮する場合、3000以上、50万以下であることが好ましい。より好ましくは、5000以上、50万以下である。更に好ましくは、8000以上、50万以下である。上記数平均分子量が3000未満となると、耐熱性不足となるおそれがあり、50万を超えると、加工性に劣るおそれがある。したがって、上記酸化工程において、ポリアリールスルホン系重合体の数平均分子量を3000〜50万とすることも、本発明の好ましい実施形態の一つである。尚、本発明のポリアリールスルホン系重合体の数平均分子量は、ポリアリールスルホン系重合体の前駆体となる、ポリアリールスルフィド系重合体を共重合によって合成する際の反応条件を適宜変更するすることによって、調整することができる。尚、上記ポリアリールスルホン系重合体数平均分子量は、GPC(東ソー社製、HLC−8120GPC)を用いて、標準サンプルにポリスチレン、展開溶媒にTHFを用いて測定することができる。
本発明はそして、2,3,5,6−テトラフルオロ−1,4−フェニレン基とともにスルフィド結合をもつ繰り返し単位を有するポリアリールスルフィド系重合体であって、上記ポリアリールスルフィド系重合体は、下記一般式(5)で表される繰り返し単位を有するポリアリールスルフィド系重合体でもある。
Figure 0004991185
式中、Arは、下記化学式(2)、(3)及び(4)からなる群より選択されるいずれかの2価の基を表す。Ar′は、2価の有機基を表す。
Figure 0004991185
上記ポリアリールスルフィド系重合体は、上記一般式(5)で表される繰り返し単位を含む単量体、及び、ジチオール化合物を重縮合反応させる工程を含む製造方法によって好適に製造することができるが、特に限定されるものではない。上記一般式(5)中、Arが上記化学式(2)、(3)及び(4)で表される構造を有する単量体はの製造方法としては、例えば、以下の方法が好適である。
上記一般式(5)中、Arの構造が上記化学式(2)で表される繰り返し単位を構成することができる単量体としては、ジパーフルオロオキサジアゾール挙げられる。ジパーフルオロオキサジアゾールは、例えば、パーフルオロベンゾイルクロライドとヒドラジンとを反応させることによって製造することができる。
上記一般式(5)中、Arの構造が上記化学式(3)で表される繰り返し単位を構成することができる単量体としては、4,4’−ビス(2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾイル)ジフェニルエーテルが挙げられる。4,4’−ビス(2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾイル)ジフェニルエーテルは、例えば、2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾイルクロライドとジフェニルエーテルとをフリーデルクラフツ反応させ、更に、反応産物を脱アルキル化反応させることによって製造することができる。
上記一般式(5)中、Arの構造が上記化学式(4)で表される繰り返し単位を構成することができる単量体としては、1,4−ビス(2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾイルアミノ)ベンゼンが挙げられる。1,4−ビス(2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾイルアミノ)ベンゼンは、例えば、2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾニトリルと1,4−ベンゼンジアミンとを反応させることによって製造することができる。
上記単量体ジパーフルオロオキサジアゾールを下記化学式(6)、上記単量体4,4’−ビス(2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾイル)ジフェニルエーテルを下記化学式(7)、上記単量体1,4−ビス(2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾイルアミノ)ベンゼンを下記化学式(8)で示す。
Figure 0004991185
上記ジチオール化合物は、ポリアリールスルフィド系重合体を酸化する上記酸化工程を妨げる構造を有するものでなく、かつ、上記酸化工程において分解されうる構造を有しない限り、特に制限されるものではないが、本発明の最終目的物であるポリアリールスルホン系重合体が直鎖構造となり、充分な耐熱性を有するものとするため、下記一般式(9)
Figure 0004991185
で表される構造を有することが好ましい。上記一般式(9)については、以下に説明する。一般式(9)中、Rは、炭素数1〜150の2価の有機基を表す。Rとして、より好ましくは、炭素数1〜50の2価の有機基である。更に好ましくは、芳香環を有する炭素数1〜25の2価の有機基である。特に好ましくは、2個の芳香環を有し、炭素数1〜12の2価の有機基である。上記一般式(9)で表されるジチオール化合物は、両端にSH基を有するものであるが、分子の両端にそれぞれ1つずつのみのSH基が存在することによって、ポリアリールスルフィド系重合体が直鎖構造を有するものとすることができ、それにより、本発明の最終目的物であるポリアリールスルホン系重合体が直鎖構造を有するものとなり、充分な耐熱性を有するものとすることができる。
上記ジチオール化合物としては、下記一般式(10)及び(11)
Figure 0004991185
で表される構造を有するものがより好ましい。上記一般式(10)及び(11)については、以下に説明する。上記一般式(10)中、R及びRは、上記重縮合反応工程において分岐構造を生じるものでない限り、特に限定されないが、1個の芳香環を有する炭素数1〜10の有機基を表す。R及びRは、それぞれ、同一であっても異なってもよい。また、上記一般式(11)中、R及びRは、上記重縮合反応工程において分岐構造を生じるものでない限り、特に限定されないが、1個の芳香環を有する炭素数1〜10の有機基を表す。R及びRは、それぞれ、同一であっても異なってもよい。
上記ジチオール化合物として、更に好ましくは、下記化学式(12)及び(13)で示される化合物である。
Figure 0004991185
上記重縮合反応工程においては、反応原料の有効利用及び生成物の収率の向上の点から、上記化学式(6)、(7)、及び、(8)で表される単量体と上記ジチオール化合物との比率を適宜設定することが好ましく、上記化学式(6)、(7)、及び、(8)で表される単量体1モルに対するジチオール化合物のモル比を、0.5〜1.5モルとして行うことが好ましい。より好ましくは、上記モル比を0.7〜1.3モルとすることであり、更に好ましくは、0.8〜1.2モルである。上記モル比が、0.5モル以下、または、1.5モル以上であると、上記重縮合反応工程において、重合度が充分にあがらないおそれがある。
上記重縮合反応工程においては、上記化学式(6)、(7)、及び、(8)で表される単量体がフッ素原子を有することに起因して、フッ素を有しない単量体を用いた重合反応に比較して、低温(0〜100℃)で重合反応を行うことが可能である。従来のアリールアミドエーテル重合体を製造する重合反応においては、通常200℃以上の重合温度が必要であり、本発明により、より安価に、かつ、安全に反応工程を行うことが可能となる。
上記反応工程における、上記繰り返し単位の酸化反応の概略図を下記反応式(14)に示した。
Figure 0004991185
上記反応式(14)については、以下に説明する。式中、Arは上記一般式(1)中に含まれるArと同様であり、Ar′は上記一般式(5)中に含まれるAr′と同様である。
nは自然数であり、繰り返しの数を表す。上記反応式(14)からわかるように、本発明の反応工程は、2,3,5,6−テトラフルオロ−1,4−フェニレン基とともにスルフィド結合をもつ繰り返し単位を有するポリアリールスルフィド系重合体を酸化してポリアリールスルホン系重合体とする工程を含むことを特徴とするものである。
上記重縮合反応工程における反応時間は、反応温度等のその他の反応条件、及び、単量体の物性によって適宜調整すればよいが、0.1〜48時間であることが好ましい。より好ましくは0.1〜24時間である。上記反応時間が0.1時間未満であると、単量体が充分に重合しないおそれがあり、反応工程が経済的に非効率なものとなるおそれがある。上記反応時間が48時間を超えるとゲル化するおそれがある。
上記重縮合反応工程においては、上記化学式(6)、(7)、及び、(8)で表される単量体が溶媒への溶解性に優れていることに起因して、様々な溶媒を用いるこができ、アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類;アセトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、メチルエチルケトン(MEK)、シクロヘキサノン等のケトン類;クロロホルム、塩化メチレン、四塩化炭素、クロロエタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン等の炭化水素類;ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、ジフェニルエーテル、ベンジルエーテル、tert−ブチルエーテル等のエーテル類;蟻酸メチル、蟻酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル等のエステル類;N−メチル−2−ピロリジノン(NMP)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルアセアミド等を用いることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、アセトニトリル、メチルイソブチルケトン(MIBK)、メチルエチルケトン(MEK)、N−メチル−2−ピロリジノン(NMP)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)が好ましい。溶媒の量としては、上記反応を効率良く進行できる量であればよいが、上記化学式(6)、(7)、及び、(8)で表される単量体が溶媒中に1〜50質量%となるような量とすることが好ましく、より好ましくは1〜30質量%存在するような量である。
上記重縮合反応工程の終了後は、蒸発等により反応溶液中の溶媒の除去を行い、必要により留出物を洗浄する精製工程を行うことによって、上記ポリアリールスルフィド系重合体が得られることになる。また、反応溶液を重合体の溶解度が低い溶媒中に加えることにより、ポリアリールスルフィド系重合体を固体として沈殿させ、沈殿物を濾過により分離する精製工程を行うことによって得ることができる。このように、ポリアリールスルフィド系重合体合成する際は、上記重縮合反応工程以外の工程を含んでもよい。
本発明のポリアリールスルホン系重合体は、フッ素原子を有しないアリールアミドエーテル重合体とほぼ同等の耐熱性や耐炎性等の優れた熱安定性を示し、溶剤への溶解性が改善されて溶解性を示す溶媒の種類が増加するため適用することができる用途の範囲を拡げることができるものである。また、本発明のポリアリールスルホン系重合体は、芳香環がフッ素原子を有することにより、水に対する接触角が大きくなり優れた撥水性を示すことから、低吸湿性を有する用途に好適に適用することができるものである。
本発明のポリアリールスルホン系重合体は、上述の構成よりなり、耐熱性や耐炎性等の優れた熱安定性を示し、溶解性を示す溶媒が増加するため適用範囲が拡がることとなる。また、ポリアリールスルホン系重合体が撥水性を示すことから、低吸湿性を有する用途に好適である。更に、溶解性を有することから優れた被覆形成性を有するので、電子部品に対する被覆剤として有用であるばかりでなく注形品にも好適であり、電子材料や光学材料等に有用性の高い材料である。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を意味するものとする。
実施例において、物性の評価は、次のようにして行った。
(1)NMRスペクトルは、Varian製 Unity500(商品名、測定条件 H−NMR 500MHz、F−NMR 470MHz)を用いて測定した。
(2)IRスペクトルは、日本分光製 FT/OR−350型フーリエ変換分光光度計を用い、KBr錠剤法で測定した。
(3)溶剤溶解性は、25℃で各種溶媒3mLに合成したポリマー0.1gを加え、10分間攪拌し溶解性を評価した。
(4)熱的特性評価は、島津示差熱熱重量同時測定装置(島津製作所社製)を用いて、ガラス転移温度(Tg)、重量減少温度(5質量%減少、10%質量減少)を測定した。加熱速度は、窒素雰囲気下20℃/分とした。炭化収率は、窒素雰囲気下600℃においての量を測定した。
(5)固有粘度は、Ostwald−Fenske粘度計を用いて、NMP中0.5g/dLの濃度でかつ25℃測定した。
(6)接触角は、自動接触角計DCA−VZ型(協和界面科学社製)を用いて測定した。
実施例1
ポリアリールスルフィド系重合体8F−PSO(BST)の合成
マグネチックスターラーと滴下漏斗を取り付け、窒素気流下、50mLの三口フラスコに10F−oxadiazole(0.2g、0.50mmol)、炭酸カリウム(0.079g、0.58mmol)及びDMF(4.0mL)を仕込んだ。25℃でDMF(2.6mL)に溶かしたBST(0.13g、0.5mmol)をゆっくり滴下し、15分攪拌した。重合終了後、ブレンダーで激しく攪拌している1%酢酸水溶液へ重合溶液を注いだ。析出したポリマーを濾別し、蒸留水、メタノールで洗浄した後、減圧乾燥した。得られたポリマーをNMPに溶解し、メタノール中に投入し再沈殿を行い、ポリアリールスルフィド系重合体8F−PSO(BST)を得た。
8F−PSO(BST)を上記の測定方法で測定したところ、H−NMRスペクトルは図1、F−NMRスペクトルは図2、IRスペクトルは図3のようであった。更に、溶剤溶解性試験の結果を表1に示し、固有粘度、ガラス転移温度(Tg)、重量減少温度、炭化収率、接触角の測定結果を表2に示す。
実施例2
ポリアリールスルホン系重合体8F−PSnO(BST)の合成
実施例1で合成された8F−PSO(BST)(0.20g、0.33mmol)と、30%過酸化水素水溶液(1.5mL)、50%の酢酸水溶液(2.2ml)をフラスコに仕込み、100℃で3時間還流した。反応溶液を水中に投入し、沈殿物をろ過後、メタノールで洗浄して減圧乾燥した。得られたポリマーをNMPに溶解しメタノール中に投入し再沈殿をおこない8F−PSnO(BST)を収率86.8%で得た。
8F−PSnO(BST)を上記の測定方法で測定したところ、H−NMRスペクトルは図4、IRスペクトルは図5のようであった。更に、溶剤溶解性試験の結果を表1に示し、固有粘度、ガラス転移温度(Tg)、重量減少温度、炭化収率、接触角の測定結果を表2に示す。
なお、実施例1で得たポリアリールスルフィド系重合体8F−PSO(BST)を下記化学式(15)、及び、実施例2で得たポリアリールスルホン系重合体8F−PSnO(BST)を下記化学式(16)で示し、それらとともに、実施例2の酸化工程の概略を示す。下記式中、nは繰り返し単位の数を表す。
Figure 0004991185
Figure 0004991185
Figure 0004991185
表1及び2について以下に説明する。表中、HSOは硫酸であり、DMAcとはN,Nジメチルアセトアミドであり、NMPとはN−メチル−2−ピロリジノンであり、CHClはジクロロメタンであり、Tolueneはトルエンである。また、8F−PSO(BST)は実施例1で得られたポリアリールスルフィド系重合体であり、8F−PSnO(BST)は実施例2で得られたポリアリールスルホン系重合体である。
実施例3
ポリアリールスルフィド系重合体8F−PEKS(BST)の合成
10F−oxadiazoleの代わりにBPDEを用いた以外はすべて実施例1と同様にして、ポリアリールスルフィド系重合体8F−PEKS(BST)を得た。
8F−PEKS(BST)を上記の測定方法で測定したところ、H−NMRスペクトルは図6、F−NMRスペクトルは図7、IRスペクトルは図8のようであった。更に、溶剤溶解性試験の結果を表3に示し、固有粘度、ガラス転移温度(Tg)、重量減少温度、炭化収率、接触角の測定結果を表4に示す。
実施例4
ポリアリールスルホン系重合体8F−PEKSn(BST)の合成
実施例3で合成されたF−PEKS(BST)を実施例2と同様にして、ポリアリールスルホン系重合体8F−PEKSn(BST)を収率80.1%で得た。
8F−PEKSn(BST)を上記の測定方法で測定したところ、H−NMRスペクトルは図6、F−NMRスペクトルは図7、IRスペクトルは図9のようであった。更に、溶剤溶解性試験の結果を表3に示し、固有粘度、ガラス転移温度(Tg)、重量減少温度、炭化収率、接触角の測定結果を表4に示す。
なお、実施例3で得たポリアリールスルフィド系重合体8F−PEKS(BST)を下記化学式(17)、及び、実施例4で得たポリアリールスルホン系重合体8F−PEKSn(BST)を下記化学式(18)で示し、それらとともに、実施例4の酸化工程の概略を示す。下記式中、nは繰り返し単位の数を表す。
Figure 0004991185
実施例5
ポリアリールスルフィド系重合体8F−PEKS(BET)の合成
BSTの代わりにBETを用いた以外はすべて実施例3と同様にして、ポリアリールスルフィド系重合体8F−PEKS(BET)を得た。
8F−PEKS(BET)を上記の測定方法で測定したところ、H−NMRスペクトルは図10、F−NMRスペクトルは図11のようであった。更に、溶剤溶解性試験の結果を表3に示し、固有粘度、ガラス転移温度(Tg)、重量減少温度、炭化収率、接触角の測定結果を表4に示す。
実施例6
ポリアリールスルホン系重合体8F−PEKSn(BET)の合成
実施例5で合成された8F−PEKS(BET)を実施例3と同様にして、ポリアリールスルホン系重合体8F−PEKSn(BET)を収率80.5%で得た。
8F−PEKSn(BET)を上記の測定方法で測定し、溶剤溶解性試験の結果を表3に示し、固有粘度、ガラス転移温度(Tg)、重量減少温度、炭化収率、接触角の測定結果を表4に示す。
なお、実施例5で得たポリアリールスルフィド系重合体8F−PEKS(BET)を下記化学式(19)、及び、実施例6で得たポリアリールスルホン系重合体8F−PEKSn(BET)を下記化学式(20)で示し、それらとともに、実施例6の酸化工程の概略を示す。下記式中、nは繰り返し単位の数を表す。
Figure 0004991185
Figure 0004991185
Figure 0004991185
表3及び4について以下に説明する。表中、THFはテトラヒドロフランであり、その他の溶媒は、表1及び表2で説明したものと同様である。また、8F−PEKS(BST)は実施例3で得られたポリアリールスルフィド系重合体であり、8F−PEKSn(BST)は実施例4で得られたポリアリールスルホン系重合体であり、8F−PEKS(BET)は実施例5で得られたポリアリールスルフィド系重合体であり、8F−PEKSn(BET)は実施例6で得られたポリアリールスルホン系重合体である。
比較例1
実施例1で合成された8F−PSO(BST)(0.20g、0.33mmol)と30%過酸化水素水溶液(1.5mL)、50%の酢酸水溶液(2.2mL)をフラスコに仕込み、100℃で5時間還流した。反応溶液を水中に投入し、沈殿物をろ過後、メタノールで洗浄して減圧乾燥した。得られたポリマーをNMPに溶解しメタノール中に投入し再沈殿を行い、8F−PSnO(BST)を収率46.8%で得た。
得られた8F−PSnO(BST)はスルホン化時間を長くしたことにより、固有粘度が測定限界以下までに低下し、収率も著しく低下してしまった。
上述した実施例及び比較例から、次のようにいえることが分かった。
反応条件を調製し、スルホン化率を95%以下とすることで、ポリアリールスルホン系重合体の固有粘度の低下、すなわち分子量の低下を抑制することができ、70%以上という高収率でポリアリールスルホン系重合体を得ることができる。
実施例より、次のようにいえることが分かった。
ポリアリールスルフィド系重合体のスルフィド結合を酸化してスルホン結合にすることで耐熱性が9℃〜97℃と著しく上昇し、175℃〜227℃という非常に高いガラス転移温度を示すことが分かった。また、いずれのポリアリールスルフィド系重合体及びポリアリールスルホン系重合体は、優れた溶剤溶解性と高い熱分解温度を有し、フッ素を含有していることに起因して、高い撥水性を示した。
8F−PSO(BST)のH−NMRスペクトル図である。 8F−PSO(BST)のF−NMRスペクトル図である。 8F−PSO(BST)のIRスペクトル図である。 8F−PSnO(BST)のH−NMRスペクトル図である。 8F−PSnO(BST)のIRスペクトル図である。 8F−PEKS(BST)のH−NMRスペクトル図である。 8F−PEKS(BST)のF−NMRスペクトル図である。 8F−PEKS(BST)のIRスペクトル図である。 8F−PEKSn(BST)のIRスペクトル図である。 8F−PEKS(BET)のH−NMRスペクトル図である。 8F−PEKS(BET)のF−NMRスペクトル図である。

Claims (4)

  1. 2,3,5,6−テトラフルオロ−1,4−フェニレン基とともにスルホン結合をもつ繰り返し単位を有するポリアリールスルホン系重合体であって、
    該ポリアリールスルホン系重合体は、下記一般式(1)で表される繰り返し単位を有し、
    繰り返し単位中の硫黄原子のスルホン化率が10%以上、95%以下であって、
    数平均分子量が3000以上、50万以下である
    ことを特徴とするポリアリールスルホン系重合体。
    Figure 0004991185
    式中、Arは、下記化学式(2)、(3)及び(4)からなる群より選択されるいずれかの2価の基を表す。Ar′は、芳香環を有する炭素数〜25の2価の有機基を表す。
    Figure 0004991185
  2. 前記一般式(1)中のAr′は、1個のスルフィド結合又はエーテル結合を介して2個の芳香環が結合した構造を有する炭素数12〜20の2価の有機基である
    ことを特徴とする請求項1に記載のポリアリールスルホン系重合体。
  3. 請求項1又は2に記載のポリアリールスルホン系重合体の製造方法であって、
    該製造方法は、2,3,5,6−テトラフルオロ−1,4−フェニレン基とともにスルフィド結合をもつ繰り返し単位を有するポリアリールスルフィド系重合体を酸化してポリアリールスルホン系重合体とする工程を含み、
    該酸化工程は、ポリアリールスルフィド系重合体の硫黄原子に対して1当量以上、100当量以下の酸化剤を用い、30〜200℃の反応温度、0.5〜48時間の反応時間でポリアリールスルフィド系重合体を酸化して、
    ポリアリールスルホン系重合体の繰り返し単位中の硫黄原子のスルホン化率を10%以上、95%以下とする工程である
    ことを特徴とするポリアリールスルホン系重合体の製造方法。
  4. 2,3,5,6−テトラフルオロ−1,4−フェニレン基とともにスルフィド結合をもつ繰り返し単位を有するポリアリールスルフィド系重合体であって、
    該ポリアリールスルフィド系重合体は、下記一般式(5)で表される繰り返し単位を有し、
    数平均分子量が3000以上、50万以下である
    ことを特徴とするポリアリールスルフィド系重合体。
    Figure 0004991185
    式中、Arは、下記化学式(2)、(3)及び(4)からなる群より選択されるいずれかの2価の基を表す。Ar′は、芳香環を有する炭素数〜25の2価の有機基を表す。
    Figure 0004991185
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