JP3904473B2 - 含フッ素アリールアミドエーテル重合体及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なアミド結合を有する含フッ素化合物、並びに、ジヒドロキシ化合物と重縮合反応を行うことにより得られる新規な含フッ素アリールアミドエーテル重合体及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、材料革命が世界的規模で進行しているが、プラスチックをはじめとする合成高分子材料がその中心を占めている。プラスチックの需要が急激に上昇した要因としては、プラスチック製品が軽くて丈夫であり、腐らないという利点が挙げられるが、成形加工性やコスト面でも有利であることから、いまや金属材料や無機材料を凌駕している。このような状況の中、次世代の情報化社会やエネルギー開発を支えるにはプラスチック材料が不可欠であり、より高性能な材料が希求されている。
【0003】
このようなプラスチックは、一般的に身の回りの日用品等に広く使われている汎用プラスチック、耐熱性や機械特性に優れるエンジニアリングプラスチック、並びに、このエンジニアプラスチックよりももう一段上の性能を有するスーパーエンジニアプラスチックに分類される。
【0004】
これらのうち、スーパーエンジニアプラスチックは、耐熱性や機械特性で従来のエンジニアリングプラスチックを上回るより高度な性能を指向することを目的としたものであり、電子情報、精密機械や宇宙航空等の広い産業分野における技術革新の担い手になる素材として注目されている。
【0005】
このスーパーエンジニアリングプラスチックは、上述の特性を発現する為、主に芳香族骨格を有する単位を官能基によって繋がれた基本構造を有しており、これらに関連する材料としてアラミド(芳香族ポリアミド)、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルケトンやポリイミドがあり、現在続々と工業化されている。
【0006】
これらの中でも、ポリアリールアミドエーテルは、耐熱性があり良好な成形性、機械的強度を有する重合体である(例えば特開平7−268095)。しかしながら、芳香族ジハライド化合物とビスフェノキシドとの芳香族求核置換反応により合成される場合に高温(180℃〜)を必要とすることや、アミド基に由来してポリマーが吸湿しやすいことから、低吸湿用途への展開が困難であるという問題を抱えている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、耐熱性と低吸湿性とを有する新規なスーパーエンジニアプラスチックである含フッ素アリールアミドエーテル重合体及びその製造方法を提供することを目的とするものである。更に、その原料となる新規なアミド結合を有する含フッ素化合物を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記問題を解決すべく鋭意努力した結果、アミド結合を有する含フッ素化合物とビスフェノキシドとの芳香族求核置換反応を行うことにより、芳香族ジハライド化合物との反応よりもマイルドな条件で、耐熱性を有するアリールアミドエーテル重合体を重合でき、また、アミド基由来の吸湿性の影響を低下させ撥水性を示すことを見出し、これらの知見に基づき本発明を完成するに至った。
【0009】
本発明は、耐熱性等に優れるアリールアミドエーテル重合体が有するベンゼン環にフッ素原子を導入することにより、低吸湿性を可能とし、しかも製造性(重合性)を向上することを可能としたものであり、スーパーエンジニアプラスチック等の分野において、電子情報、精密機械や宇宙航空等の広い産業分野における素材技術として利用することができるものである。
【0010】
すなわち本発明は、下記式(1);
【0011】
【化7】
【0012】
で表されるペンタフルオロベンゾイルアミノ基を複数個有してなるアミド結合を有する含フッ素化合物である。
【0013】
本発明はまた、下記式(3);
【0014】
【化8】
【0015】
(式中、R1及びR2は、同一又は異なって、2価の有機基を表す。mは、同一又は異なって、ベンゼン環に付加しているフッ素原子の数を表し、1〜4の整数である。)で表される繰り返し単位を有する含フッ素アリールアミドエーテル重合体でもある。
【0016】
本発明は更に、上記含フッ素アリールアミドエーテル重合体の製造方法であって、該含フッ素アリールアミドエーテル重合体の製造方法は、下記式(6);
【0017】
【化9】
【0018】
(式中、R1は、2価の有機基を表す。(m+1)は、同一又は異なって、ベンゼン環に付加しているフッ素原子の数を表し、mは1〜4の整数である。)で表されるアミド結合を有する含フッ素化合物と、下記式(7);
HO−R2−OH (7)
(式中、R2は、2価の有機基を表す。)で表されるジヒドロキシ化合物とを塩基性触媒の存在下で重合する含フッ素アリールアミドエーテル重合体の製造方法でもある。
以下に本発明を詳述する。
【0019】
本発明のアミド結合を有する含フッ素化合物は、上記式(1)で表されるペンタフルオロベンゾイルアミノ基を複数個有してなる新規な化合物である。
本発明の好ましい形態としては、式(1)で表されるペンタフルオロベンゾイルアミノ基を2個有してなる化合物や式(1)で表されるペンタフルオロベンゾイルアミノ基を3個有してなる化合物が挙げられ、より好ましい形態としては、式(1)で表されるペンタフルオロベンゾイルアミノ基を2個有してなる化合物である。
上記式(1)で表されるペンタフルオロベンゾイルアミノ基を複数個有してなる化合物としては、式(1)で表されるペンタフルオロベンゾイルアミノ基が有機基により結合された構造を有するものが好ましい。当該有機基としては、炭素数1〜50の基であって、炭素原子が環状に結合した構造や直鎖状に結合した構造を有する基が好適であり、中でも、ベンゼン環等の芳香環を有する基が好適である。なお、式(1)で表されるペンタフルオロベンゾイルアミノ基を2個又は3個有してなる化合物においては、当該有機基の価数が2価又は3価となる。
このような基としては、下記(8−1)〜(8−20)で表される基が好適である。
【0020】
【化10】
【0021】
上記式中において、Y1、Y2、Y3及びY4は、同一又は異なって、置換基を表す。なお、1つのベンゼン環は、0〜4個のY1、Y2、Y3又はY4を置換基として有していることを意味し、該置換基は、例えば、置換基を有していてもよいアルキル基、アルコキシ基が好適である。より好ましくは、炭素数が1〜30であって、置換基を有していてもよいアルキル基、アルコキシ基である。nは、1〜10の整数を表す。
【0022】
本発明のアミド結合を有する含フッ素化合物の好ましい形態としては、式(1)で表されるペンタフルオロベンゾイルアミノ基が芳香環を有する2価の基により結合された構造を有するものが挙げられるが、芳香環を有する2価の基としては、上記(8−1)〜(8−14)で表される基が好適である。より好ましい形態としては、式(1)で表されるペンタフルオロベンゾイルアミノ基がフェニル基により結合された構造を有するもの、すなわち上記式(1)で表されるペンタフルオロベンゾイルアミノ基を2個有してなる下記式(2);
【0023】
【化11】
【0024】
で表される化合物が挙げられる。
本発明のアミド結合を有する含フッ素化合物の製造方法としては、2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾイルクロライドと多価アミン化合物とを反応することによって得ることが好ましい。
上記多価アミン化合物としては、下記式(9);
H2N−R1−NH2 (9)
(式中、R1は、2価の有機基を表す。)で表されるジアミン化合物及び/又は下記式(10);
【0025】
【化12】
【0026】
(式中、R3は、3価の有機基を表す。)で表されるトリアミン化合物が好ましい。
なお、R1における2価の有機基、R3における3価の有機基としては、炭素数1〜50の2価又は3価の基であって、炭素原子が環状に結合した構造や直鎖状に結合した構造を有する基が好適であり、中でも、ベンゼン環等の芳香環を有する基が好適である。このような基としては、上記(8−1)〜(8−20)で表される基が好適である。
【0027】
上記反応において使用される式(9)で表されるジアミン化合物、式(10)で表されるトリアミン化合物としては、下記式(11−1)〜(11−20)で表されるジアミン化合物、トリアミン化合物が好適であるが、上記アミド結合を有する含フッ素化合物を用いて本発明の式(3)で表される繰り返し単位を有する含フッ素アリールアミドエーテル重合体を得る場合には、目的産物である式(3)で表される繰り返し単位を有する含フッ素アリールアミドエーテル重合体の構造に従って選択されることになる。
【0028】
【化13】
【0029】
上記式中において、Y1、Y2、Y3、Y4及びnは、上記と同様である。
本発明において上記アミド結合を有する含フッ素化合物を重合体に組み込む場合には、ペンタフルオロベンゾイルアミノ基を3個以上有してなるものを用いるとゲル化する可能性があるので、式(9)で表されるジアミン化合物を用いることが好ましい。また、特に耐熱性を求める場合には、好ましく使用される式(9)で表されるジアミン化合物は、芳香族ジアミン化合物である。その例としては、例えば、上記式(11−1)〜(11−14)で表されるジアミン化合物が挙げられる。
【0030】
上記反応において、ジアミン化合物の使用量は、2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾイルクロライド1モルあたり、0.3〜0.7モル、好ましくは0.4〜0.6モルである。ジアミン化合物が0.3未満では、2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾイルクロライドが過剰に残り、生産性の面で好ましくない。また、0.7以上では、未反応のジアミン化合物が過剰に残り、生産面で好ましくない。
【0031】
上記反応において使用できる有機溶媒としては特に制限はないが、例えば、ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチルピロリドン(NMP)等が挙げられる。これらの有機溶媒における2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾイルクロライドの濃度は、1〜50質量%であることが好ましい。より好ましくは、5〜30質量%である。また反応は、反応系を攪拌状態に保ちながら、30℃以下の温度で行われることが好ましい。より好ましくは、10℃以下であり、更に好ましくは、5℃以下である。
【0032】
また、酸補足剤として塩基を用いてもよい。用いられる塩基としては、例えば、ピリジン、トリエチルアミン等が挙げられる。
このような反応によって得られる生成物は、水を投入することにより粗成生物として得ることができる。これを必要に応じて、更にメタノールやエタノール等の有機溶媒で再結晶を行い白色結晶として得てもよい。
【0033】
本発明の含フッ素アリールアミドエーテル重合体は、上記式(3)で表される繰り返し単位を有する新規な化合物である。
上記式(3)中において、R1及びR2は、同一又は異なって、2価の有機基を表す。mは、同一又は異なって、ベンゼン環に付加しているフッ素原子の数を表し、1〜4の整数である。より好ましくは3〜4の整数である。なお、式(3)中のベンゼン環においては、4つの水素原子の一部又は全部がフッ素原子に置換された形態となっており、1つのベンゼン環において水素原子とフッ素原子との合計は4である。また、本発明においては、ベンゼン環の水素原子がフッ素原子以外の他の置換基により置換された形態となっていてもよい。
【0034】
上記式(3)中のR1及びR2おいて、当該有機基としては、炭素数1〜50の2価の基であって、炭素原子が環状に結合した構造や直鎖状に結合した構造を有する基が好適であり、中でも、ベンゼン環等の芳香環を有する基が好適である。上記R1としては、上記(8−1)〜(8−17)で表される基が好適である。これらの中でも、R1は、良好な耐熱性を得るために、芳香環を有する構造の2価の有機基を表すことが好ましく、このような基としては、例えば、上記式(8−1)〜(8−14)で表される基が挙げられる。
【0035】
また上記R2としては、下記式(12−1)〜(12−18)で表される基が好適である。
【0036】
【化14】
【0037】
上記式(12−1)〜(12−18)中、Y1、Y2、Y3及びY4は、上記と同様である。これらの中でも、R2は、下記式(13−1)〜(13−12)で表される2価の有機基を表すことが好ましい。
【0038】
【化15】
【0039】
なお、本発明の含フッ素アリールアミドエーテル重合体は、式(3)の構成単位において同一の繰り返し単位により構成されるものであっても、異なる繰り返し単位により構成されるものであってもよい。後者の場合には、その繰り返し単位は、ブロック状であってもランダム状であってもいずれの形態であってもよい。
【0040】
本発明の含フッ素アリールアミドエーテル重合体の好ましい形態としては、上記式(3)中のmが4である下記式(4);
【0041】
【化16】
【0042】
で表される形態が挙げられる。
より好ましくは、上記式(4)中のR1がフェニル基である下記式(5);
【0043】
【化17】
【0044】
で表される形態である。
【0045】
本発明の上記式(3)で表される繰り返し単位を有する新規な含フッ素アリールアミドエーテル重合体の製造方法としては、上記式(6)で表されるアミド結合を有する含フッ素化合物と、上記式(7)で表されるジヒドロキシ化合物とを塩基性触媒の存在下で重合することにより製造する方法が好適である。このような製造方法もまた本発明の一つである。
上記式(6)で表されるアミド結合を有する含フッ素化合物は、下記式に表されるように、フッ素原子が2個以上の任意のフッ素置換ベンゾイルクロライドとジアミン化合物との反応により得ることが好ましい。
【0046】
【化18】
【0047】
上記式中において、R1及びmは、上記と同様である。
本発明の製造方法においては、反応性をよりマイルドな条件にしたりアミド結合の影響を減らしたりするために、好ましくは、フッ素原子が5個(式(6)においてmが4)のものを用いることが好ましい。
【0048】
上記重合反応において使用される上記式(6)で表されるアミド結合を有する含フッ素化合物としては、目的産物である上記式(3)で表される繰り返し単位を有する含フッ素アリールアミドエーテル重合体の構造に従って選択される。式(6)で表されるアミド結合を有する含フッ素化合物を上述したように得る場合、式(3)で表される繰り返し単位を有する含フッ素アリールアミドエーテル重合体は、上記式(11−1)〜(11−17)で表されるようなジアミン化合物由来の2価の有機基を表すこととなり、目的に応じて選択することができる。また、R1は、良好な耐熱性を得るために、芳香族ジアミン由来の2価の有機基を表すことが好ましく、このような基としては、例えば、上記式(8−1)〜(8−14)で表される基が挙げられる。
【0049】
また上記重合において使用される上記式(7)で表されるジヒドロキシ化合物は、目的産物である上記式(3)で表される繰り返し単位を有する含フッ素アリールアミドエーテル重合体の構造に従って選択される。本発明の製造方法においては、式(7)で表されるジヒドロキシ化合物としては、フェノール性水酸基を2個有するジヒドロキシ化合物を用いることが好ましく、この場合においては、式(3)で表される繰り返し単位を有する含フッ素アリールアミドエーテル重合体におけるR2は、フェノール性水酸基を2個有するジヒドロキシ化合物由来の2価の有機基を表すこととなる。
本発明において好ましく使用される式(7)のジヒドロキシ化合物としては、下記式(14−1)〜(14−12)で表される化合物等が挙げられる。
【0050】
【化19】
【0051】
上記重合反応において、式(6)で表されるアミド結合を有する含フッ素化合物及び式(7)で表されるジヒドロキシ化合物は、それぞれ単一の化合物として使用してもよく、2種以上の式(6)で表されるアミド結合を有する含フッ素化合物及び/又は式(7)で表されるジヒドロキシ化合物の混合物の形態で使用してもよい。
【0052】
上記化合物の使用量としては、単一又は複数の式(7)で表されるジヒドロキシ化合物の官能基数1に対して、単一又は複数の式(6)で表されるアミド結合を有する含フッ素化合物の官能基数の範囲を0.1〜2とすることが好ましい。より好ましくは、0.5〜1.3である。
本発明の製造方法においては、式(6)で表されるアミド結合を有する含フッ素化合物と共に、必要により、フルオロベンゾイルアミノ基を3個以上有してなる多官能の化合物を併用することができる。また、式(6)で表されるアミド結合を有する含フッ素化合物の代わりに、フルオロベンゾイルアミノ基を3個以上有してなる多官能の化合物を単独で用いてもよい。これにより、重合体の分子量を向上させることができる。フルオロベンゾイルアミノ基を3個以上有してなる多官能の化合物としては、例えば、式(1)で表されるペンタフルオロベンゾイルアミノ基を3個以上有してなるアミド結合を有する含フッ素化合物が挙げられる。このような場合、多官能の化合物が多いとゲル化のおそれがあるので、多官能の化合物を併用したり単独で用いたりするときには、式(7)で表されるジヒドロキシ化合物の官能基数1に対して、フルオロベンゾイルアミノ基を3個以上有してなる多官能の化合物の官能基数を0.9以下とすることが好ましい。より好ましくは、0.7以下の使用量とすることである。
また式(6)で表されるアミド結合を有する含フッ素化合物と式(7)で表されるジヒドロキシ化合物とを反応させる場合、すなわち2官能のもの同士を反応させる場合には、使用される単一又は複数の式(6)で表されるアミド結合を有する含フッ素化合物のモル数の合計が、単一又は複数の式(7)で表されるジヒドロキシ化合物のモル数の合計に等しい又はほぼ等しいことが好ましい。具体的には、式(7)で表されるジヒドロキシ化合物の使用量は、式(6)で表されるアミド結合を有する含フッ素化合物1モルに対して、0.7〜1.3モルとなるようにすることが好ましい。より好ましくは、0.9〜1.1モルである。
【0053】
上記重合反応において、重合温度は20〜150℃とすることが好ましい。より好ましくは、40〜100℃である。このように低温度で反応することで特別な装置を必要とせず副反応を抑制し、重合体のゲル化を防止することが可能となる。また、反応時間は、使用する原料や溶媒の種類及び割合、反応温度等の条件によって適宜選定すればよいが、好ましくは、1〜24時間である。
【0054】
上記重合反応で使用される有機溶媒としては、例えば、N−メチルピロリドン(NMP)、N−エチルピロリドン等のN−アルキルピロリドンやN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N,N−ジエチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトニトリル、ベンゾニトリル等の極性溶媒が好適に用いられる。これらの中でも特に、N−メチルピロリドン(NMP)やN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)等が好適に使用される。これらの有機溶媒は、単独で又は2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。また必要に応じて、トルエン等の芳香族系の溶媒やシクロヘキサン等を併用することができる。トルエンや他の同様の溶媒を反応の初期段階で使用する際には、フェノキシド生成の際に副生する水を、重合溶媒に関係なく溶媒との共沸物として除去できる。
【0055】
上記極性溶媒の使用量としては特に制限はないが、重合度が充分になるまで、反応容器中の反応系ができるだけ均一に攪拌可能な程度の割合となるように適宜選択できる。例えば、ポリマー固形分が5〜50質量%となるようにすることが好ましい。より好ましくは、10〜40質量%となるような量で用いることが適当である。
【0056】
本発明の製造方法において使用される塩基性触媒(塩基化合物)は、重縮合反応によって生成するフッ化水素を捕集することにより重縮合反応を促進するように作用し、更に2価のフェノール化合物による重縮合反応をより反応性の高いアニオンに変える作用がある。このような塩基性化合物としては、例えば、炭酸カリウム、炭酸リチウム及び炭酸ナトリウム等の炭酸金属塩や炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム及び炭酸水素金属塩が挙げられる。これらの中でも、炭酸カリウム、炭酸リチウムや炭酸ナトリウム等が好ましい。なお、本発明の製造方法においては、これらは単独又は2種以上用いてもよい。
【0057】
また本発明において使用される塩基性化合物の使用量は、例えば、1,4−ビス(2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾイルアミノ)ベンゼンを用いる場合、この化合物1モルに対して、0.5〜5モルとなるようにすることが好ましい。より好ましくは、0.8〜2.0モルであり、特に好ましくは、1.0〜1.5モルである。
【0058】
また本発明の製造方法においては、反応圧力としては特に制限はなく、常圧、加圧のいずれでもよいが、通常は常圧で好適に行える。反応雰囲気としては、特に制限はないが、通常は窒素やアルゴン等の不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
なお、本発明の製造方法においては、必要に応じて本発明の目的を阻害しない範囲で他の成分、例えば、分子量調節剤、分岐剤や反応促進剤等を適宜添加又は共存させてもよい。
【0059】
このようにして得られた含フッ素アリールアミドエーテル重合体は、公知の分離、精製法等の適当な後処理工程によって、反応混合物から分離され、所望の精製割合の重合体として回収できる。例えば、固体状に析出した重合体を、ブレンダー等を用いて粉砕し、次いで水やメタノール等の適当な洗浄液によって充分に洗浄し適宜乾燥する方法等により、重合体を得てもよい。
【0060】
本発明の含フッ素アリールアミドエーテル重合体の製造方法における好ましい形態を反応式として記載すると、下記のようになる。このような形態においては、式(6)で表されるアミド結合を有する含フッ素化合物として、式(2)で表される化合物である2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾイルアミノ基を有する化合物を調製し、これと上記式(7)で表されるジヒドロキシ化合物とを塩基性触媒の存在下で重合することによって重合体が製造されることになる。
【0061】
【化20】
【0062】
本発明の含フッ素アリールアミドエーテル重合体は、フッ素原子を有しないアリールアミドエーテル重合体とほぼ同等の耐熱性や耐炎性等の優れた熱安定性を示し、溶剤への溶解性が改善されて溶解性を示す溶媒の種類が増加するため適用することができる用途の範囲を拡げることができるものである。また、通常のアリールアミドエーテル重合体はアミド基由来の吸湿性を有することになるが、本発明の含フッ素アリールアミドエーテル重合体は、アミド基の近傍にフッ素原子を有していることに起因してアミド基による影響を抑制することができ、その結果として水に対する接触角が大きくなり優れた撥水性を示すことから、吸湿性において優れ、低吸湿性を有する用途に好適に適用することができるものである。更に、アリールアミドエーテル重合体を製造する重合反応においては、通常200℃以上の重合温度が必要であるが、本発明の含フッ素アリールアミドエーテル重合体においては、フッ素原子を有することに起因して通常よりも低温(40〜100℃)で重合反応を行うことが可能である。そして、溶解性を有することから優れた被覆形成性を有するので、電子部品に対する被覆剤として有用であるばかりでなく注形品にも好適であり、電子材料や光学材料等に有用性の高い材料である。
【0063】
【実施例】
以下に実施例を揚げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「重量部」を、「%」は「質量%」を意味するものとする。
【0064】
実施例において、物性の評価は、次のようにして行った。
(1)NMRスペクトルは、Varian製 Unity500(商品名、測定条件:1H−NMR 500MHz、19F−NMR 470MHz)を用いて測定した。4,4’−ジフェニルベンゾフェノンを、19F−NMRの外部標準として使用した。
(2)ガラス転移温度(Tg)は、示差走査型熱量計(Perkin−Elmer社製 DSC−7、商品名)を用いて、昇温速度10℃/minで測定した。
(3)熱安定性は、熱重量測定計(Perkin−Elmer社製 TGA−7、商品名)を用いて、昇温速度20/minで測定した。
(4)溶剤溶解性は、合成したポリマー2mgを各種溶媒2mlに溶解し、25℃での溶解性を目視評価した。
(5)固有粘度は、Ostwald−Fenske粘度計を用いて、ジメチルアセトアミド中0.5dL/gの濃度でかつ25℃で測定した。
【0065】
(実施例1)
1,4−ビス(2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾイルアミノ)ベンゼン(以下、10FAとする)の合成
パラフェニレンジアミン 3.6g、ジメチルアセトアミド(以下、DMAcとする) 93ml、ピリジン5.5gを200mlの三ツ口フラスコに入れ、0℃に冷却した。窒素気流下攪拌しながら、ペンタフルオロベンゾニトリル(以下、PFBCとする) 16.1gを滴下した。滴下終了後、0℃で2時間攪拌し、室温で12時間攪拌した。反応終了後、反応溶液を水中に投入し、粗生成物を析出させた。水で洗浄、乾燥し、エタノールで再結晶して目的物を得た。収率は81%、融点は286℃であった。図1にIRスペクトル、図2、3にNMRの測定結果を示す。
【0066】
(実施例2)
10FAと2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン(以下、6FBAとする)の重縮合体〔F−PEA(6FBA)〕の合成
6FBA 0.20g、炭酸カリウム 0.09g、N−メチル−2−ピロリジノン 2ml及びトルエン 2mlをDean−Stark trapをつけた10mlフラスコに入れた。窒素気流下、攪拌しながら160℃で2時間共沸脱水を行い、6FBAのカリウム塩を合成した。反応終了後、トルエンを180℃1時間蒸留し除去した。反応温度を80℃まで冷却し、10FA(0.3g)を加え4時間重合反応させた。反応終了後、1%酢酸に注加し、得られたポリマーを濾別し、蒸留水で洗浄し減圧蒸留した。収率は95%であった。図4にIRスペクトル、図5、6にNMRの測定結果を示す。
【0067】
(実施例3)
10FAと9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン(以下、HFという)の重縮合体〔F−PEA(HF)〕の合成
実施例2の6FBAの代わりに、HF 0.21gを用い、同様の手法で行った。図7にIRスペクトルを示す。
【0068】
(実施例4)
10FAと3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1(3H)−イソベンゾフラノン(以下、PPという)の重縮合体〔F−PEA(PP)〕の合成
実施例2の6FBAの代わりに、PP 0.19gを用い、同様の手法で行った。図8にIRスペクトルを示す。
【0069】
(実施例5)
10FAと2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下、BAという)の重縮合体〔F−PEA(BA)〕の合成
実施例2の6FBAの代わりに、BA 0.14gを用い、同様の手法で行った。図9にIRスペクトルを示す。
【0070】
(実施例6)
10FAと4,4’−ジヒドロキシフェニルエーテル(以下、DPE)の重縮合体〔F−PEA(DPE)〕の合成
実施例2の6FBAの代わりに、DPE 0.12gを用い、同様の手法で行った。図10にIRスペクトルを示す。
【0071】
(比較例1)
p−フェニレンジアミンと2,2ビス(4−カルボキシフェノキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンの重縮合体〔PEA〕の合成
p−フェニレンジアミン 0.1g、トリエチルアミン 0.2g、リチウムクロライド 0.3gをDMAc 2mlに溶解した。0℃に冷却した後、酸クロリドを加え3時間重合した。その結果、収率90%で粘度0.49dL/gのポリマーを得ることができた。図11にIRスペクトルを示す。
【0072】
実施例2〜6で得られた各重合体の粘度、熱分解温度、Tgを表1に示す。また表2には、フェニルヘキサフルオロプロパン骨格を有するポリマーの接触角及び溶解性について示す。
【0073】
【表1】
【0074】
【表2】
【0075】
【発明の効果】
本発明は上述のような構成であるので、本発明の含フッ素アリールアミドエーテル重合体が耐熱性や耐炎性等の優れた熱安定性を示し、溶解性を示す溶媒が増加するため適用範囲が拡がることとなる。また、撥水性を示すことからアミド基に由来する吸湿能は抑制されており、低吸湿性を有する用途に好適である。更に、溶解性を有することから優れた被覆形成性を有するので、電子部品に対する被覆剤として有用であるばかりでなく注形品にも好適であり、電子材料や光学材料等に有用性の高い材料である。
また本発明のアミド基を有する含フッ素化合物、特には1,4−ビス(2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾイルアミノ)ベンゼンにより、ジヒドロキシ化合物と重縮合反応を行うことによって、高い熱安定性と低吸湿化された優れた新規な含フッ素アリールエーテルアミド重合体を提供できることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1において得られた10FAのIRスペクトルの測定チャートである。
【図2】本発明の実施例1において得られた10FAのNMRの測定チャートである。 図2中において、(a)、(b)は、左上に示した化学式中の特定構造の帰属ピークを表す。
【図3】本発明の実施例1において得られた10FAのNMRの測定チャートである。図3中において、(a)、(b)、(c)は、左上に示した化学式中の特定構造の帰属ピークを表す。
【図4】本発明の実施例2において得られた10FAと6FBAとの重縮合体のIRスペクトルの測定チャートである。
【図5】本発明の実施例2において得られた10FAと6FBAとの重縮合体のNMRの測定チャートである。図5中において、左上に示した化学式中のnは、特定構造単位の繰り返し数を表す。○印は、DMAcの帰属ピークを表す。
【図6】本発明の実施例2において得られた10FAと6FBAとの重縮合体のNMRの測定チャートである。図6中において、(a)、(b)、(c)は、左上に示した化学式中の特定構造の帰属ピークを表す。
【図7】本発明の実施例3において得られた10FAとHFとの重縮合体のIRスペクトルの測定チャートである。
【図8】本発明の実施例4において得られた10FAとPPとの重縮合体のIRスペクトルの測定チャートである。
【図9】本発明の実施例5において得られた10FAとBAとの重縮合体のIRスペクトルの測定チャートである。
【図10】本発明の実施例6において得られた10FAとDPEとの重縮合体のIRスペクトルの測定チャートである。
【図11】本発明の比較例1において得られたp−フェニレンジアミンと2,2ビス(4−カルボキシフェノキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンとの重縮合体のIRスペクトルの測定チャートである。
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