JP5804460B2 - ビナフチル骨格を有するポリ(アリーレンチオエーテル) - Google Patents

ビナフチル骨格を有するポリ(アリーレンチオエーテル) Download PDF

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Description

本発明は、ビナフチル骨格を主鎖中に有するポリ(アリーレンチオエーテル)に関する。
デジタルカメラや携帯電話等に搭載される固体撮像素子等の光電変換素子は、CCD(Charge Coupled Device)やMOS(Metal Oxide Semiconductor)のような受光部(光電変換機構)を、複数二次元的に配列させた構造を有する。このような光電変換素子は、従来よりも素数を増すことが求められてきている。即ち、光電変換素子は、ますます各画素の微細化が進められている。
また、CCD又はCMOSイメージセンサーといった光学部品にはより高い屈折率を有する材料が求められている。このような用途に用いる材料として硫黄原子を含有するポリイミドやチタニアを含有する材料が提案されている(例えば、特許文献1、2)。
一方、硫黄原子を高い含有率で有するポリマーは高屈折率で加工が容易であることが期待され、例えば、非特許文献1には硫黄原子を高含率で有する非晶性ポリフェニレンスルフィドが示されている。
特開2008−091744号公報 特開2008−274234号公報
J. Polym. Sci. Part A: Polym. Chem. 2009, 47, 2453.
近年、高屈折率プラスチックレンズ、特にCCDやCMOSイメージセンサー用耐熱性高屈折率プラスチックレンズの開発が盛んに行われている。しかし、高屈折率、高透明性、低複屈折、さらに溶解性に優れたポリマーの開発は非常に少ない。
本発明の目的は、各種有機溶剤への高い溶解性、高屈折率、高透明性、低複屈折を有する材料を提供することである。
本発明者らは、溶解性の向上を目指して、ねじれ構造を有するビナフチル構造を主鎖中に導入したポリ(アリーレンチオエーテル)を合成し、その特性について検討したところ、各種有機溶剤への高い溶解性、高屈折率、高透明性、低複屈折を示すことを見出し、本発明を完成させた。
本発明によれば、以下のポリ(アリーレンチオエーテル)が提供される。
1.ビナフチル骨格を主鎖中に有するポリ(アリーレンチオエーテル)。
2.さらにチアンスレン骨格を主鎖中に有する1に記載のポリ(アリーレンチオエーテル)。
3.下記式(1)で表される構造単位を主鎖中に有する、2に記載のポリ(アリーレンチオエーテル)。
Figure 0005804460
[式中、Xは、
Figure 0005804460
であり、
Yは、芳香族環、硫黄原子を含む複素脂肪族環及び硫黄原子を含む複素芳香族環からなる群から選択される1以上の2価の基であり、
nは、0〜3の整数である。]
4.前記式(1)で表される構造単位が、下記式(1−A)及び式(1−B)のいずれか一方又は両方である、3に記載のポリ(アリーレンチオエーテル)。
Figure 0005804460
本発明によれば、各種有機溶剤への高い溶解性、高屈折率、高透明性、低複屈折を有する材料が提供できる。
合成例1で合成した1,1−ビナフチル−4,4−ジフルオライド(4,4’−DFBN)のH−NMRチャートである。 合成例2で合成した1,1’−ビナフチル−4,4’−ジチオール(4,4’−BNDT)のH−NMRチャートである。 実施例2で合成した4,4’−BPPTから作製したフィルムの紫外−可視スペクトルである。 実施例2で合成した4,4’−BPPTのTG曲線である。 実施例2で合成した4,4’−BPPTのDSC測定のサーモグラムである。
本発明のポリ(アリーレンチオエーテル)(以下、本発明のPPTという)は、ビナフチル骨格を主鎖中に有することを特徴とする。
ビナフチル骨格は、2つのナフタレン環が同一平面上になく、ナフタレン環同士がねじれた構造(ねじれ構造)をとっている。ナフタレン環のような嵩高い骨格を有している化合物はベンゼン環同士のパッキングを阻害することによって各種溶媒に対する高い溶解性を示すことが期待される。
本発明のPPTは、嵩高いビナフチル骨格を有することで各種溶媒への溶解性が高く、同時に高屈折率、高透明性、低複屈折及び高い耐熱性を有する。本発明のポリ(アリーレンチオエーテル)は、高屈折率プラスチックレンズ、特にCCDやCMOSイメージセンサー用耐熱性高屈折率プラスチックレンズに必要とされる光学特性及び熱特性を有している。
ここで、本発明のポリ(アリーレンチオエーテル)のアリーレン基の具体例としては、チアンスレン、ジフェニルスルホン、チオビスベンゼン、9,9−ビスフェニルフルオレン等の芳香環から、水素原子が2個離脱して生じた2価の基を挙げることができる。
本発明のPPTは、さらにチアンスレン骨格を主鎖中に有することが好ましい。
本発明のPPTは、下記式(1)で表される構造単位を主鎖中に有することが好ましい。
Figure 0005804460
式中、Xは、下記構造式で表されるビナフチレン基であり、好ましくは無置換のビナフチレン基である。
Figure 0005804460
式中、Yは、芳香族環、硫黄原子を含む複素脂肪族環及び硫黄原子を含む複素芳香族環からなる群から選択される1以上の2価の基であり、好ましくは2価の芳香族環基であり、より好ましくはフェニレン基又はナフチレン基である。
nは、0〜3の整数であり、好ましくは0又は1であり、特に好ましくは0である。
本発明のPPTは、上記式(1)で表される構造単位が、下記式(1−A)(以下、4,4’−BPPTという)及び式(1−B)(以下、2,2’−BPPTという)のいずれか一方又は両方であることがより好ましい。
Figure 0005804460
本発明のPPTは、上記式(1)、式(1−A)及び/又は(1−B)で表される構造単位を、例えば、5〜500個有することができ、10〜100個有することが好ましい。
本発明のPPTは、上記式(1)、式(1−A)及び/又は(1−B)で表されるビナフチル骨格を有する構造単位の他に、必要に応じてビナフチル骨格を有さない構造単位を有していてもよい。この場合、上記式(1)、式(1−A)及び/又は(1−B)で表される構造単位の数は、全繰り返し単位中の50%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましく、100%であることが特に好ましい。上記式(1−A)及び/又は(1−B)で表される構造単位の割合が多い方が屈折率が高く、また各種有機溶媒に対する溶解性が高い。
上記式(1)、式(1−A)及び/又は(1−B)で表されるビナフチル骨格を有さない構造単位としては、本発明の効果を損なうことが無い限り特に限定されないが、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環及びビフェニル環等の芳香族環、硫黄原子を含む複素環及び複素芳香族環、並びにチオエーテル基等を含む構造単位が挙げられる。
本発明のPPTの数平均分子量(Mn)は、1,500〜100,000の範囲内であることが好ましく、1,800〜50,000の範囲内であることがより好ましい。
重量平均分子量(Mw)は、2,000〜120,000の範囲内であることが好ましく、2,200〜60,000の範囲内であることがより好ましい。
分子量が上記範囲内であれば、取り扱い易い粘度であり、また有機溶媒への溶解性が良好である。
本発明のPPTの固有粘度は、0.1〜1.0dL/gの範囲内であることが好ましく、0.15〜0.8dL/gの範囲内であることがより好ましい。固有粘度が上記範囲内であれば、基板への塗布性や基板に設けられた凹凸形状に対する追随性を確保できるため取り扱いが容易となる。
本発明のPPTの硫黄含量は、10〜50重量%の範囲内であることが好ましく、20〜40重量%の範囲内であることがより好ましい。硫黄含量が高いことにより高い屈折率が得られるが、硫黄含量が50重量%を超えるPPTを得ようとすれば、特殊な導入法が必要となり、合成が煩雑となるおそれがある。硫黄原子の含有量は、例えば、繰り返し単位の化学構造から算出することができる。また、ポリアリーレンスルフィドにおける硫黄原子の含有量は、一般的な元素分析によっても測定することができる。
本発明のPPTは、1,1,2,2−テトラクロロエタン(TCE)、N−メチルピロリドン(NMP)、N,N’−ジメチルプロピレン尿素(DMPU)といった有機溶媒に溶解性を示し、例えば、スピンコート工程等の溶液プロセスへの適合性が高い。
本発明のPPTは、633nmにおいて1.776と高い屈折率を有し、かつビナフチル骨格の嵩高い構造のため複屈折が0.0049と小さく、光学歪みの小さい高屈折率フィルムが得られる。
上記式(1)で表される構造単位を有する本発明のPPTは、ビナフチルジチオール化合物と芳香族ジハロゲン化合物との重縮合反応(方法1)、又はジハロゲノビナフタレン化合物と芳香族ジチオール化合物との重縮合反応(方法2)により得ることができる。
いずれの重縮合反応も、炭酸カリウム及びN,N’−ジメチルプロピレン尿素(DMPU)の存在下で行うことができる。
具体的には、上記式(1−A)又は(1−B)で表される構造単位を有する本発明のPPTを方法1で製造する場合は、下記スキームのようにビナフチルジチオール(BNDT)と2,7−ジフルオロチアンスレン(DFT)とを重合させる。
Figure 0005804460
方法2で製造する場合は、下記スキームのようにジフルオロビナフタレン(DFBN)と2,7−チアンスレンジチオール(TDT)とを重合させればよい。
Figure 0005804460
原料単量体である4,4’−ジフルオロ−1,1’−ビナフチル(4,4’−DFBN)、1,1’−ビナフチル−4,4’−ジチオール(4,4’−BNDT)、1,1’−ビナフチル−2,2’−ジチオール(2,2’−BNDT)及び2,2’−ジフルオロ−1,1’−ビナフチル(2,2’−DFBN)は公知化合物であり、公知の方法(例えば、WO2010/101204、Tetrahedron Vol.50,No.11,pp.3463−3472,1994等)に従って合成することができる。
本発明のPPTの好ましい例である4,4’−BPPT及び2,2’−BPPTの具体的な合成方法は、実施例1〜3に記載する。
以下、合成例、実施例を挙げて本発明をより具体的に記載するが、本発明はこれらの合成例、実施例によって何ら限定されるものではない。
合成例及び実施例で使用した測定方法、測定機器及び測定条件は下記の通りである。
・核磁気共鳴吸収スペクトル測定(H−NMR):BrukerDPX300スペクトロメーターH−NMR(300MHz)
・数平均分子量(M)及び重量平均分子量(M)測定:2つのポリスチレンゲルカラム(TSK GELS GMHHR−M、東ソー社製)を備えるJASCO PU−2080 Plus(JASCO社製)でのゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で決定した。
0.01MのLiBrを含有するDMFを、標準ポリスチレンサンプルによって校正された流速1.0mL/分の溶媒として用いた。
・固有粘度測定:生成物を、温度30℃のDMPUに溶解し、0.5g/dLの溶液を調製した後、オストワルド粘度計(Sibata No.2)で通過時間tを測定し、次式により粘度[η]inhを求めた。
Figure 0005804460
・硫黄含量:重合体の構造に基づいて算出した。
・示差走査熱量分析測定(DSC):SEIKOINSTRUMENTSInc.EXSTAR6000DSC6200、昇温速度30℃/分、窒素気流下
・熱重量/示差熱分析測定(TG/DTA):SEIKOINSTRUMENTSInc.EXSTAR6000TG/DTA6300、昇温速度10℃/分、窒素気流下
・紫外−可視光吸収スペクトル測定(UV−visible):JASCOV−560 紫外可視吸光光度計
・屈折率測定:MetriconPC−2000prismcoupler、測定波長633nm
合成例1:1,1−ビナフチル−4,4−ジフルオライド(4,4’−DFBN)の合成
Figure 0005804460
(1)4,4’−ジアミノ−1,1’−ビナフチル(BNDA)の合成
1−ナフチルアミン塩酸塩12.00g(66.8mmol)、12mol dm−1の塩酸を6mL、脱イオン水170mLをフラスコに加え、氷浴に浸した。この溶液に10%希硫酸を77mL加え、次いで0.960moldm−1の亜硝酸ナトリウム水溶液80mLを少しずつ加えた。得られた褐色液体の不溶部分をろ過により除去し、ろ液を回収した。フラスコに移したろ液を、再び氷浴に移し、2.70mol dm−3の酢酸ナトリウム水溶液100mLを加え、次いで1.25mol dm−3の亜硫酸ナトリウム水溶液70mLを少しずつ加えた。反応溶液を1〜5℃に維持したまま10分間撹拌し、析出した赤褐色固体DA7−1(中間物質)を回収した。
IR(KBr),ν(cm−1):3047(Ar−H),1581(ArC−C)
H NMR(300MHz,CDCl,δ,ppm,25℃):9.04,9.07(d,J=9,ArH,2H),7.95−8.04(m,ArH,6H),7.58−7.71(m,ArH,6H)
合成したDA7−1をフラスコに移し、200mLのエタノールに溶解させ、氷浴に移した。この溶液に、40.3325gの塩化スズ(II)を12mol dm−1塩酸100mLに溶解させた溶液を少しずつ加えた。そのまま10分間撹拌した後に、塩酸をさらに100mL加え、生成物を完全に析出させた。析出物をろ過により回収し、20wt%水酸化ナトリウム100mL中に加え2時間撹拌し、中和した。生成物をろ過により回収し、ピリジンとエタノールにより再結晶することで褐色固体BNDAを得た。(5.81g,61%,m.p.266℃)
IR(KBr),ν(cm−1):3397(N−H),1627(N−H)
HNMR(300MHz,DMSO−d,δ,ppm,40℃):8.11,8.14(d,J=9,ArH,2H),7.30−7.36(m,ArH,2H),7.19,7.20(d,J=3,ArH,4H),7.10,7.12(d,J=9,ArH,2H),6.77,6.80(d,J=9,ArH,2H)
(2)4,4’−ジフルオロ−1,1’−ビナフチル(4,4’−DFBN)の合成
200mLビーカーにBNDA(0.80g,2.82mmol)、濃塩酸(30mL)、水(30mL)を加え氷浴中で攪拌した。そこにNaNO(0.83g,12.0mmol)を少しずつ加え反応溶液が均一になるまで攪拌した。その後NaBF(1.10g,10.0mmol)を加え、室温で1時間反応させ、析出した固体をろ過、乾燥させた。乾燥させた固体とクロロベンゼン(12mL)を30mLの丸底フラスコに加え、135℃で1時間反応させた。反応溶液はシリカゲルカラムクロマトグラフィを用いて精製し(ヘキサン)、その後ヘキサンを溶媒として再結晶を行い、収率49%で白色の針状結晶を得た。生成物のH−NMRチャートを図1に示す。
H−NMR(300MHz,DMSO−d,ppm,40℃):7.24(d,2H),7.47(m,2H),7.64(m,6H),8.18(d,2H).
合成例2:1,1’−ビナフチル−4,4’−ジチオール(4,4’−BNDT)の合成
Figure 0005804460
(1)4,4’−ジメトキシ−1,1’−ビナフチルの合成
窒素雰囲気下、一口なすフラスコに三方コックを取り付けた反応容器中で、1−メトキシナフタレン(7.9g,50mmol)をニトロベンゼン(25mL)に溶かした。そこへ、1当量の塩化鉄(III)(8.1g,50mmol)をニトロベンゼン(30mL)に溶かした溶液を氷冷却しながらゆっくりと滴下し、滴下後室温で2時間攪拌を行った。反応溶液をメタノール/希塩酸水溶液に再沈殿し、沈殿物を吸引濾過で回収し、メタノールと純水で数回洗浄し、80℃で10時間減圧乾燥し、白色の粉末状の4,4’−ジメトキシ−1,1’−ビナフチルを得た。
Yield:7.58g(96%)
H NMR(CDCl,δ,ppm):8.36(2H,m),7.46(2H,t),7.37(4H,m),7.31(2H,d),6.93(2H,d)
(2)1,1’−ビナフチル−4,4’−ジオール(4,4’−BNDO)の合成
一口なすフラスコに三方コックとディーンスタークを取り付けた反応容器中で、4,4’−ジメトキシ−1,1’−ビナフチル(0.943g,3mmol)をNMP(20mL)に溶かした。溶かした後、空冷し、一つのメトキシ基に対して2.5当量のNaS(1.17g,15mmol)を加えた。窒素雰囲気下で160℃、20時間攪拌を行った。反応液を希塩酸溶液に再沈殿し、沈殿物をろ過で回収し、純水で数回洗浄し、80℃で10時間減圧乾燥し、白色の粉末固体を得た。得られた粉末固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(アセトン:ヘキサン=1:4vol%)により精製を行った。
Yield:0.644g(75%)
H NMR(DMSO−d,δ,ppm):10.2(2H,s),8.23(2H,d),7.42(2H,t),7.28(2H,t),7.23(2H,d),7.17(2H,d),6.98(2H,d)
(3)O,O’−1,1’−ビナフチル−4,4’−ジイルビス(ジメチルカルバモチオエート)(O−BNDC)の合成
50mLの二口丸底フラスコに4,4’−BNDO(8.13g,28.4mmol)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)(8.25g,73.5mmol)を加え、窒素置換する。その後NMP(25mL)を加え、そこにジメチルチオカルバモイルクロリド(8.04g,65.0mmol)を徐々に滴下する。反応溶液をオイルバスで50℃、2時間反応させ水に再沈澱する。析出した固体をろ過し、シリカゲルカラムクロマトグラフィを用いて精製を行い(CHCl:ヘキサン=4:1vol%)収率80%でO,O’−1,1’−ビナフチル−4,4’−ジイルビス(ジメチルカルバモチオエート)(O−BNDC)を得た。
H−NMR(300MHz,CDCl,ppm):3.06(s,6H),3.25(s,6H),3.15(s,6H),7.27−7.56(m,8H),7.89(d,2H),8.43(d,2H).
(4)S,S’−1,1’−ビナフチル−4,4’−ジイルビス(ジメチルカルバモチオエート)(S−BNDC)の合成
50mLの二口丸底フラスコにO−BNDC(5.05g,10.9mmol)、ビフェニルエーテル(20mL)を加え、窒素置換する。反応溶液をオイルバスで260℃、4時間反応させた。反応溶液はシリカゲルカラムクロマトグラフィを用いて精製をおこない(CHCl)収率83%でS,S’−1,1’−ビナフチル−4,4’−ジイルビス(ジメチルカルバモチオエート)(S−BNDC)を得た。
H−NMR(300MHz,DMSO−d,ppm,40℃):3.11(s,12H),7.15(d,2H),7.31(m,2H),7.45(d,2H),7.52(m,2H),7.80(d,2H),8.26(d,2H).
(5)1,1’−ビナフチル−4,4’−ジチオール(4,4’−BNDT)の合成
100mLの二口丸底フラスコにS−BNDC(4.70g,10.2mmol)、メタノール(20mL)、THF(35mL)を加え、窒素置換する。S−BNDCが溶解するまで70℃で攪拌し、その後KOH(5.0g)を加え9時間反応させた。反応溶液に水とクロロホルムを加え抽出し、水相に酸性になるまで塩酸を加え1時間攪拌し、析出した固体をろ過、乾燥させ収率44%で1,1’−ビナフチル−4,4’−ジチオール(4,4’−BNDT)を得た。生成物のH−NMRチャートを図2に示す。
H−NMR(300MHz,CDCl,ppm):3.70(s,2H),7.30−7.40(m,6H),7.56(m,2H),7.67(d,2H),8.27(d,2H).
合成例3:1,1’−ビナフチル−2,2’−ジチオール(2,2’−BNDT)の合成
Figure 0005804460
(1)O,O’−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルビス(ジメチルカルバモチオエート)
(中間体1)の合成
窒素雰囲気下、水素化ナトリウム(4.4g,110mmol;60%オイルディスパージョン)を入れた反応容器に脱水したDMF(100mL)を加えた懸濁液を0℃に冷却し、そこへ1,1’−ビナフチル−2,2’−ジオール(2,2’−BNDO)(14.3g、50mmol)を加えた。この混合液を室温まで昇温し、1時間攪拌した。その後、ジメチルチオカルバモイルクロリド(13.6g,110mmol)を加え、85℃で2時間攪拌した。反応終了を薄層クロマトグラフィー(TLC)で確認し、室温に冷却した後、1重量%水酸化カリウム溶液(300mL)を加え、生じた白色沈殿を濾別し、濾別した固体を水で洗浄し、減圧下乾燥した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(クロロホルム又はヘキサン/酢酸エチル)で精製し、次いでクロロホルム及びヘキサンから再結晶を行い、O,O’−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルビス(ジメチルカルバモチオエート)(中間体1)を収率88%(20.2g)で得た。
(2)S,S’−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルビス(ジメチルカルバモチオエート)(中間体2)の合成
反応容器に中間体1(8.0g,17.3mmol)を入れ、260℃にて300W出力のマイクロウェーブを20分間照射した。反応終了をTLCで確認した後、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(クロロホルム又はヘキサン/酢酸エチル)で精製し、S,S’−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルビス(ジメチルカルバモチオエート)(中間体2)を収率75%(5.97g)で得た。
(3)1,1’−ビナフチル−2,2’−ジチオール(2,2’−BNDT)の合成
窒素雰囲気下、還流管を装着した反応容器に水素化リチウムアルミニウム(0.68g,18mmol)を加えた。反応容器を0℃に冷却した後、脱水したテトラヒドロフラン(THF)(10mL)を加えた。次いで、中間体2(1.38g,3.0mmol)のTHF溶液(10mL)を滴下した。滴下後、0℃で12時間攪拌した後、さらに50℃で12時間攪拌した。反応終了をTLCで確認し、0℃に冷却した後に激しく攪拌しながら飽和硫酸ナトリウム水溶液を注意深く滴下した。滴下後0℃で30分間攪拌した後、Celite(登録商標;セライト・コーポレーション社製)で濾過し、残渣をジエチルエーテルで洗浄した後、併せた有機層を減圧留去した。得られた濃縮液をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(クロロホルム又はヘキサン/酢酸エチル)で精製し、1,1’−ビナフチル2,2’−ジチオール(2,2’−BNDT)を収率95%(0.907g)で得た。
実施例1:4,4’−BNDTと2,7−ジフルオロチアンスレン(DFT)との重合による4,4’−BPPTの合成1
Figure 0005804460
20mLの丸底フラスコに4,4−BNDT(0.3mmol)、DFT(0.3mmol)、KCO(0.72mmol)、DMPU(0.5mL)、トルエン(5.0mL)を加え、ディーン・スターク・トラップを取り付け窒素置換した。140℃で1時間トルエンを共沸させ、その後トルエンを除去した。室温まで空冷した後、ディーン・スターク・トラップを取り除き再び窒素置換し、180℃で24時間反応させた。反応終了後、反応溶液をメタノール溶液に再沈澱させ、析出した固体をろ過、乾燥させ白色の固体を得た。
得られた重合体のMn/Mwは1900/2300であった。
実施例2:4,4’−DFBNと2,7−チアンスレンジチオール(TDT)との重合による4,4’−BPPTの合成2
Figure 0005804460
20mLの丸底フラスコに4,4’−DFBN(1mmol)、TDT(1mmol)、KCO(2.4mmol)、DMPU(3.0mL)、トルエン(5.0mL)を加え、ディーン・スターク・トラップを取り付け窒素置換した。140℃で1時間トルエンを共沸させ、その後トルエンを除去した。室温まで空冷した後、ディーン・スターク・トラップを取り除き再び窒素置換し、180℃で24時間反応させた。反応終了後、反応溶液をメタノール溶液に再沈澱させ、析出した固体をろ過、乾燥させ白色の固体を収率88%で得た。
H−NMR(300MHz,トリフルオロ酢酸2滴を含有するCDCl,ppm):8.42,7.74,7.1−7.5.
得られた4,4’−BPPTの粘度測定により求めた固有粘度([η]inh)0.22dL/gであった。
実施例3:2,2’−BNDTとDFTとの重合による2,2’−BPPTの合成1
Figure 0005804460
20mlの丸底フラスコに2,2’−BNDT(0.3mmol)、DFT(0.3mmol)、KCO(0.72mmol)、DMPU(0.5mL)、トルエン(5.0mL)を加え、ディーン・スターク・トラップを取り付け窒素置換した。140℃で1時間トルエンを共沸させ、その後トルエンを除去した。室温まで空冷した後、ディーン・スターク・トラップを取り除き再び窒素置換し、180℃で24時間反応させる。反応終了後、反応溶液をメタノール溶液に再沈澱させ、析出した固体をろ過、乾燥させ白色の固体を得た(89%)。
得られた重合体のMn/Mwは1800/2100であった。
<溶解性の評価>
実施例2で得られた4,4’−BPPTの各種有機溶媒への溶解性の評価結果を表1に示す。
(評価条件)4,4’−BPPTを各溶媒に10wt%になるように加え、溶媒の沸点近くあるいは約150℃に加熱した後、室温で10分放置した後の溶解度を目視で下記基準に従って判定した。
−:一部溶解
+:溶解
Figure 0005804460
<光学特性の評価>
実施例2で合成した4,4’−BPPTのN,N’−ジメチルプロピレン尿素(DMPU)溶液を調製し、その溶液をガラス基板上にキャストし、室温から250℃まで窒素雰囲気下で徐々に加熱することで4,4’−BPPTのフィルムを作製した。得られた4,4’−BPPTフィルムの光学特性を表2にまとめた。
また、図3に膜厚1μmに補正した4,4’−BPPTのフィルムの紫外−可視スペクトルを示す。
Figure 0005804460
4,4’−BPPTは、嵩高い構造のため複屈折が0.0049と非常に小さくなっており、400nmにおける透過率は85%と高い透明性を有している。またビナフチル基を有しており、硫黄含有量の高い4,4’−BPPTフィルムの屈折率は1.776と高い値を示している。
<熱特性の評価>
4,4’−BPPTのTG曲線を図4に、DSC測定のサーモグラムを図5に示す。4,4’−BPPTの窒素雰囲気下での5%重量減少温度(T5%)は483℃、ガラス転移温度(T)も235℃と非常に高い熱安定性を示した。
本発明のポリ(アリーレンチオエーテル)は、テトラクロロエチレン(TCE)、N−メチルピロリドン(NMP)及びN,N’−ジメチルプロピレン尿素(DMPU)等の各種有機溶媒に可溶であり、屈折率が高く、熱安定性が高いことがわかる。
本発明のポリ(アリーレンチオエーテル)は、各種有機溶媒に可溶であり、屈折率が高く、嵩高い構造のため複屈折が小さく、さらに熱安定性も高いため、高屈折率プラスチックレンズ、特にCCDやCMOSイメージセンサー用耐熱性高屈折率プラスチックレンズ用の材料として有用である。

Claims (3)

  1. ビナフチル骨格及びチアンスレン骨格を主鎖中に有するポリ(アリーレンチオエーテル)。
  2. 下記式(1)で表される構造単位を主鎖中に有する、請求項に記載のポリ(アリーレンチオエーテル)。
    Figure 0005804460
    [式中、Xは、
    Figure 0005804460
    であり、
    Yは、芳香族環、硫黄原子を含む複素脂肪族環及び硫黄原子を含む複素芳香族環からなる群から選択される1以上の2価の基であり、
    nは、0〜3の整数である。]
  3. 前記式(1)で表される構造単位が、下記式(1−A)及び式(1−B)のいずれか一方又は両方である、請求項に記載のポリ(アリーレンチオエーテル)。
    Figure 0005804460
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