JP7486308B2 - トリアジン環含有ポリマーならびにこれを含む熱可塑性成形品および光学部品 - Google Patents

トリアジン環含有ポリマーならびにこれを含む熱可塑性成形品および光学部品 Download PDF

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Description

本発明は、トリアジン環含有ポリマーならびにこれを含む熱可塑性成形品および光学部品に関する。
近年、光学材料の研究が盛んに行われている。光学材料として、例えば、カメラ、ビデオカメラ等の各種カメラや、スマートフォン用レンズ等の光学系に使用される光学レンズ用の材料がある。光学レンズ用材料としては、高い屈折率およびアッベ数を有し、かつ耐熱性、光透過性(透明性)、易成形性にも優れた材料が求められている。樹脂製レンズはガラス製レンズに比べて軽量で割れにくく、材料コストが安価であり、レンズ成形に適した射出成形により様々な形状に加工できるという利点を持つ。しかしながら、近年、製品の薄型化やカメラの高画素化へのニーズにこたえるため、素材自体をより高屈折率化することが求められている。
樹脂素材であるポリマーを高屈折率化する方法として、芳香族環、ハロゲン原子、硫黄原子を導入する試みがなされている。中でも、硫黄原子を導入したエピスルフィド樹脂およびチオウレタン樹脂は、屈折率1.7以上となるが、可塑性がないため、実用化範囲が限定されている。
可塑性を有する高屈折な樹脂としてトリアジン環を有するポリマーが多く検討されている。例えば、特許文献1には、トリアジン環を有する繰り返し単位構造を含み、屈折率1.7以上のトリアジン環含有ポリマーが開示されている。
特開2014-162829号公報
しかしながら、特許文献1に記載されるトリアジン環含有ポリマーのうち、特にトリアジンジチオール化合物由来の構成単位を有するポリマーは、イエローインデックス(YI)が高いという問題を有していた。
したがって、本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、トリアジンジチオール化合物由来の構成単位を含むトリアジン環含有ポリマーにおいて、イエローインデックス(YI)を低減させる手段を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の問題を解決すべく、鋭意研究を行った。その結果、トリアジンジチオール化合物由来の構成単位を含むトリアジン環含有ポリマーにおいて、末端のSH基を炭化水素基で封止し、ポリマー中のSH基数を特定の値以下とすることにより、上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の一形態に係るトリアジン環含有ポリマーは、トリアジンジチオール化合物由来の構成単位を含む繰り返し単位を有する。そして、当該トリアジン環含有ポリマーは、末端のSH基の少なくとも一部が炭化水素基で封止されてなり、前記トリアジン環含有ポリマー1gあたりのSH基数が1×1018(個/g)未満であることを特徴とする。
本発明によれば、トリアジンジチオール化合物由来の構成単位を有するトリアジン環含有ポリマーにおいて、イエローインデックス(YI)を低減させることができる。
実施例1および比較例1のポリマーについて、射出成形のショット数とヘーズとの関係を表すグラフである。 実施例1および比較例1のポリマーについて、射出成形のショット数とYIとの関係を表すグラフである。 実施例4で製造したトリアジン環含有ポリマー(P-1c-4)のH-NMRチャートである。 実施例5で製造したトリアジン環含有ポリマー(P-1c-5)のH-NMRチャートである。
以下、本発明の実施形態を説明するが、本発明の技術的範囲は特許請求の範囲の記載に基づいて定められるべきであり、以下の形態のみに制限されない。本明細書において、特記しない限り、操作および物性等の測定は室温(20℃以上25℃以下)/相対湿度40%RH以上50%RH以下の条件で行う。本明細書では、「トリアジン環含有ポリマー」を単に「ポリマー」とも称し、「熱可塑性成形品」を単に「成形品」とも称する。また、本明細書では、「2価の芳香族炭化水素基または2以上の芳香族炭化水素基がアルキレン基、酸素原子(O)、硫黄原子(S)もしくはセレン原子(Se)で連結されてなる2価の芳香族炭化水素連結基」を単に「2価の芳香族炭化水素基等」とも称する。
<トリアジン環含有ポリマー>
本発明の一形態に係るトリアジン環含有ポリマーは、トリアジンジチオール化合物由来の構成単位を含む繰り返し単位を有し、末端のSH基の少なくとも一部が炭化水素基で封止されてなり、前記トリアジン環含有ポリマー1gあたりのSH基数が1×1018(個/g)未満であることを特徴とする。
本発明に係るトリアジン環含有ポリマーは、トリアジンジチオール化合物由来の構成単位を含む繰り返し単位を有する。好ましい一実施形態によると、繰り返し単位は、下記式(2)で表される。ただし、本発明に係るトリアジン環含有ポリマーは、トリアジンジチオール化合物由来の構成単位を含む限りにおいて、本実施形態のみに限定されない。
式(2)中、A(以下、「構成単位A」とも称する)は、それぞれ独立して、下記式(3)で表され、および
B(以下、「構成単位B」とも称する)は、それぞれ独立して、下記式(4)で表される。
式(3)中、Lは、それぞれ独立して、単結合または連結基を表し、ならびに
は、それぞれ独立して、酸素原子(O)、硫黄原子(S)、窒素原子(N)およびセレン原子(Se)からなる群より選択される少なくとも1種の原子を有する基を表す。
式(4)中、Rは、それぞれ独立して、芳香族炭化水素基、または、2以上の芳香族炭化水素基がアルキレン基、酸素原子(O)、硫黄原子(S)もしくはセレン原子(Se)で連結されてなる芳香族炭化水素連結基を表し、
は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、または芳香族炭化水素基を表し、および
yは、それぞれ独立して、0または1を表す。
上記式(2)で表されるトリアジン環含有ポリマーは、トリアジン環を有する構成単位Aと、2価の芳香族炭化水素基等を有する構成単位Bとがチオエーテル結合(-S-)により連結して主鎖を構成する。主鎖にトリアジン環を有するポリマーは高い屈折率を有するが、主鎖にさらに2価の芳香族炭化水素基等を導入することにより、ポリマーの屈折率をさらに向上できると考えられる。また、主鎖に2価の芳香族炭化水素基等を導入したトリアジン環含有ポリマーは、高いガラス転移温度を有するため、環境信頼性が高い。
上記式(2)で表されるトリアジン環含有ポリマーは、下記式(3)で表される構成単位Aを有する。
式(3)中、Lは、それぞれ独立して、単結合または連結基を表す。ここで、Lが単結合であるとは、トリアジンと置換基Rが直接連結することを意味する。また、Lが連結基である場合の連結基としては、本発明の効果を阻害しないものであれば特に制限されないが、炭素原子数1以上6以下のアルキレン基(例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、2-メチルトリメチレン基、1-メチルトリメチレン基、1-エチルエチレン基、1,2-ジメチルエチレン基、1,1-ジメチルエチレン基等)、炭素原子数6以上14以下の2価の芳香族炭化水素基(例えばフェニレン、ナフチレン等)などが挙げられる。これらのうち、屈折率の向上、ヘーズおよびYIの低減などの観点から、Lは、単結合、フェニレン基、メチレン基であることが好ましく、単結合、フェニレン基であることがより好ましく、単結合であることがさらに好ましい。
式(3)中、Rは、それぞれ独立して、酸素原子(O)、硫黄原子(S)、窒素原子(N)およびセレン原子(Se)からなる群より選択される少なくとも1種の原子を有する基を表す。ここで、Rの具体例としては、本発明の効果を阻害しないものであれば特に制限されないが、下記式(5-1)~(5-9)で表される基が好ましく挙げられる。
式(5-1)、(5-6)および(5-8)中、oは、それぞれ独立して、1以上6以下の整数である。屈折率の向上、ヘーズおよびYIの低減などの観点から、oは、それぞれ独立して、好ましくは1以上3以下の整数であり、より好ましくは1または2である。好ましい具体例は、下記の基が挙げられる。
式(5-3)、(5-7)および(5-9)中、pは、それぞれ独立して、1以上6以下の整数である。屈折率の向上、ヘーズおよびYIの低減などの観点から、pは、それぞれ独立して、好ましくは1以上3以下の整数であり、より好ましくは1または2である。好ましい具体例として、下記の基が挙げられる。
式(5-5)中、qは、それぞれ独立して、1以上6以下の整数である。屈折率の向上、ヘーズおよびYIの低減などの観点から、qは、それぞれ独立して、好ましくは1以上3以下の整数であり、より好ましくは1または2である。好ましい具体例として、下記の基が挙げられる。
これらのうち、屈折率の向上、ヘーズおよびYIの低減などの観点から、Rは、それぞれ独立して、式(5-1)~(5-5)で表される基であることがより好ましい。すなわち、本発明の好ましい実施形態では、Rは、それぞれ独立して、式(5-1)~(5-5)で表される基から選択される。より好ましくは式(5-1)、(5-4)および(5-5)で表される基より選択され、さらに好ましくは式(5-1)および(5-5)で表される基より選択され、特に好ましくは式(5-1)で表される基より選択される。
上記式(2)で表されるトリアジン環含有ポリマーは、下記式(4)で表される構成単位Bを有する。
式(3)中、Rは、それぞれ独立して、芳香族炭化水素基、または、2以上の芳香族炭化水素基がアルキレン基、酸素原子(O)、硫黄原子(S)もしくはセレン原子(Se)で連結されてなる芳香族炭化水素連結基を表す。ここで、2価の芳香族炭化水素基としては、本発明の効果を阻害しないものであれば特に制限されないが、下記群から選択される基が好ましく挙げられる。すなわち、本発明の好ましい実施形態では、Rは、それぞれ独立して、下記群から選択される基を表す。
より好ましくは、Rは、それぞれ独立して、下記群から選択される。
さらに好ましくは、Rは、それぞれ独立して、下記群から選択される。
このような芳香族炭化水素由来の基を有することにより、屈折率の向上と、ヘーズおよびYIの低減とを両立することができる。
式(3)中、Rは、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、または芳香族炭化水素基を表す。ここで、アルキル基および芳香族炭化水素基としては、本発明の効果を阻害しないものであれば特に制限されない。アルキル基としては、例えば、炭素数1以上8以下の直鎖または分岐状のアルキル基でありうる。具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、tert-ペンチル基、ネオペンチル基、1,2-ジメチルプロピル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、1,3-ジメチルブチル基、1-イソプロピルプロピル基、1,2-ジメチルブチル基、n-ヘプチル基、1,4-ジメチルペンチル基、3-エチルペンチル基、2-メチル-1-イソプロピルプロピル基、1-エチル-3-メチルブチル基、n-オクチル基、2-エチルヘキシル基、3-メチル-1-イソプロピルブチル基、2-メチル-1-イソプロピル基、1-tert-ブチル-2-メチルプロピル基などが挙げられる。また、芳香族炭化水素基としては、具体的には、ベンゼン、ペンタレン、インデン、ナフタレン、アントラセン、アズレン、ヘプタレン、アセナフタレン、フェナレン、フルオレン、アントラキノン、フェナントレン、ビフェニル、ターフェニル、クォーターフェニル、キンクフェニル、セキシフェニル、トリフェニレン、ピレン、クリセン、ピセン、ペリレン、ペンタフェン、ペンタセン、テトラフェン、ヘキサフェン、ヘキサセン、ルビセン、トリナフチレン、ヘプタフェン、ピラントレン等由来の1価の基が挙げられる。これらのうち、屈折率の向上、ヘーズおよびYIの低減などの観点から、Rは、水素原子、メチル基、フェニル基であることが好ましく、水素原子、メチル基であることがより好ましい。
式(3)中、yは、それぞれ独立して、0または1である。yがいずれも1であると、構成単位Bは、芳香族炭化水素基等の両端に-C(R-基を有することにより、溶媒への溶解性が向上できると考えられる。これにより、例えば、再沈殿による精製を容易に行うことができる。yがいずれも0であると、高い屈折率と熱安定性とをより高い水準で両立できる。
上記式(2)で表されるトリアジン環含有ポリマーは、上記の少なくとも1種の構成単位Aと、少なくとも1種の構成単位Bとから構成される繰り返し単位を含む。ただし、溶媒への溶解性を向上させる観点から、2種以上5種以下の構成単位Aおよび/または2種以上5種以下の構成単位Bを含むものであることが好ましい。より好ましくは、2種の構成単位Aおよび/または2種の構成単位Bを含むものである。すなわち、好ましい実施形態に係るトリアジン環含有ポリマーは、下記式(2-1)で表される繰り返し単位および下記式(2-2)で表される繰り返し単位を有する。
式(2-1)および(2-2)中、A(以下、「構成単位A」とも称する)およびA(以下、「構成単位A」とも称する)は、それぞれ独立して、式(3)で表され、この際、AおよびAは異なり、ならびに
Bは、式(4)で表される。
換言すると、式(2-1)および(2-2)中、A、Aは、それぞれ独立して、上記式(2)中のAと同様の定義であるが、A、Aは異なる(Aの構造がAの構造とは異なるが、双方とも、構成単位Aに包含される)。また、Bは、上記式(2)中のBと同様の定義であり、この際、式(2-1)および(2-2)中のBは同じである(式(2-1)および(2-2)中のBは同じ構造を有する)。
また、好ましい他の実施形態に係るトリアジン環含有ポリマーは、下記式(2-3)で表される繰り返し単位および下記式(2-4)で表される繰り返し単位を有する。
式(2-3)および(2-4)中、Aは、式(3)で表され、ならびに
(以下、「構成単位B」とも称する)およびB(以下、「構成単位B」とも称する)は、それぞれ独立して、式(4)で表され、この際、BおよびBは異なる。
換言すると、式(2-3)および(2-4)中、Aは、上記式(2)中のAと同様の定義であり、この際、式(2-3)および(2-4)中のAは同じである(式(2-3)および(2-4)中のAは同じ構造を有する)。また、B、Bは、それぞれ独立して、上記式(2)中のBと同様の定義であるが、B、Bは異なる(Bの構造がBの構造とは異なるが、双方とも、構成単位Bに包含される)。
また、さらに他の実施形態に係るトリアジン環含有ポリマーは、下記式(2-5)で表される繰り返し単位、下記式(2-6)で表される繰り返し単位、下記式(2-7)で表される繰り返し単位および下記式(2-8)で表される繰り返し単位を有する。
式(2-5)、(2-6)、(2-7)および(2-8)中、AおよびAは、それぞれ独立して、式(3)で表され、この際、AおよびAは異なり、ならびに
およびBは、それぞれ独立して、式(4)で表され、この際、BおよびBは異なる。
換言すると、式(2-5)、(2-6)、(2-7)および(2-8)中、AおよびAは、それぞれ独立して、上記式(2)中のAと同様の定義であるが、AおよびAは異なる(Aの構造がAの構造とは異なるが、双方とも、構成単位Aに包含される)。また、BおよびBは、それぞれ独立して、上記式(2)中のBと同様の定義であるが、BおよびBは異なる(Bの構造がBの構造とは異なるが、双方とも、構成単位Bに包含される)。
上記式(2-1)~(2-8)において、「-A-」および「-A-」は、AとAとが異なる構造を有する以外は上記式(3)における定義と同様であるため、ここでは説明を省略する。同様にして、上記式(2-1)~(2-8)において、「-B-」および「-B-」は、BとBとが異なる構造を有する以外は上記式(4)における定義と同様であるため、ここでは説明を省略する。
このように、2種以上5種以下の構成単位Aおよび/または2種以上5種以下の構成単位Bを含むポリマーは、溶媒への溶解性が優れる。そのため、例えば、再沈殿による精製を行う場合に有利である。
また、2種以上5種以下の構成単位Aを含む実施形態においては、2種以上の構成単位Aのうちの少なくとも1種は式(5-1)、(5-4)および(5-5)で表される基より選択されることが好ましい。より好ましくは式(5-1)および(5-5)で表される基より選択される。2種以上5種以下構成単位Aのうちの少なくとも1種をこれらの基より選択することにより、さらなるヘーズおよびYIの低減効果を発揮することができる。
トリアジン環含有ポリマーが構成単位Aおよび構成単位Aを有する場合の構成単位Aおよび構成単位Aの組み合わせは、本発明の効果を阻害しないものであれば特に制限されない。屈折率の向上、ヘーズおよびYIの低減などの観点から、好ましくは、構成単位Aは式(3)中のRが下記式で表される基である。
また、好ましくは、構成単位Aは式(3)中のRが下記式で表される基である。
より好ましくは、構成単位Aは式(3)中のRが下記式で表される基である。
また、より好ましくは、構成単位Aは式(3)中のRが下記式で表される基である。
さらに好ましくは、構成単位Aは式(3)中のRが下記式で表される基である。
また、さらに好ましくは、構成単位Aは式(3)中のRが下記式で表される基である。
上記好ましい形態において、構成単位Aおよび構成単位Aの存在比は、本発明の効果を阻害しないものであれば特に制限されない。屈折率の向上、ヘーズおよびYIの低減などの観点から、構成単位A(式(3)中、R=-N(フェニル基)(水素原子またはアルキル基))および構成単位A(式(3)中、R=-S(アルキル基)または-S-アルキレン基-フェニル基)の存在比は、構成単位Aおよび構成単位Aの総数を100とした場合に、好ましくは10~90:90~10であり、より好ましくは25~75:75~25である。
トリアジン環含有ポリマーが構成単位Bおよび構成単位Bを有する場合の構成単位Bおよび構成単位Bの組み合わせは、本発明の効果を阻害しないものであれば特に制限されない。屈折率のさらなる向上効果、有機無機複合組成物としたときに無機微粒子含有量を増加させても高い透明性および低いヘーズを示すことなどの観点から、好ましくは、構成単位Bは式(4)中のRが下記式で表される基である。
また、好ましくは、構成単位Bは式(4)中のRが下記式で表される基である。
上記好ましい形態において、構成単位Bおよび構成単位Bの存在比は、本発明の効果を阻害しないものであれば特に制限されない。屈折率の向上、ヘーズおよびYIの低減などの観点から、構成単位B(式(4)中、R=p-フェニレン基)および構成単位B(式(4)中、R=p-ビフェニレン基)の存在比は、構成単位Bおよび構成単位Bの総数を100とした場合に、好ましくは10~90:90~10であり、より好ましくは50~80:50~20である。
本発明に係るトリアジン環含有ポリマーは、式(2)で表される繰り返し単位以外の繰り返し単位(以下、「他の繰り返し単位」とも称する)を含むものであってもよい。しかしながら、本発明の効果を良好に発揮させる観点から、他の繰り返し単位を含まないことが好ましい。他の繰り返し単位を含む場合であっても、繰り返し単位の総数に対する、他の繰り返し単位の数の割合は、10%以下であることが好ましい。より好ましくは、5%以下であり、さらに好ましくは3%以下であり、特に好ましくは1%以下である(下限値0%)。他の繰り返し単位の割合が上記範囲内であれば、屈折率の低下や、射出成形等の成形工程が困難となるのを防ぐことができる。
トリアジン環含有ポリマーが2種以上の繰り返し単位を含む場合、すなわち共重合体である場合、繰り返し単位の配列形態は特に制限されない。当該配列形態は、ブロック状(ブロックコポリマー)であっても、ランダム状(ランダムコポリマー)であっても、または交互に配列して(交互コポリマー)もよい。
本発明に係るトリアジン環含有ポリマーは、末端のSH基の少なくとも一部が炭化水素基で封止されてなる(末端のSH基の少なくとも一部の水素原子が炭化水素基で置換されてなる)。ここで、炭化水素基としては、本発明の効果を阻害しないものであれば特に制限されないが、下記式(1-1)~(1-3)で表される基が好ましく挙げられる。これらは1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
式(1-1)中、mは、それぞれ独立して、1以上6以下の整数を表す。屈折率の向上、ヘーズおよびYIの低減などの観点から、mは、それぞれ独立して、好ましくは1以上3以下の整数であり、より好ましくは1または2である。好ましい具体例として、メチル基、エチル基が挙げられる。
式(1-2)中、Arは、それぞれ独立して、置換されたもしくは非置換の芳香族炭化水素基を表す。ここで、芳香族炭化水素基としては、本発明の効果を阻害しないものであれば特に制限されないが、ベンゼン、ペンタレン、インデン、ナフタレン、アントラセン、アズレン、ヘプタレン、アセナフタレン、フェナレン、フルオレン、アントラキノン、フェナントレン、ビフェニル、ターフェニル、クォーターフェニル、キンクフェニル、セキシフェニル、トリフェニレン、ピレン、クリセン、ピセン、ペリレン、ペンタフェン、ペンタセン、テトラフェン、ヘキサフェン、ヘキサセン、ルビセン、トリナフチレン、ヘプタフェン、ピラントレン等由来の1価の基が挙げられる。これらのうち、屈折率の向上、ヘーズおよびYIの低減などの観点から、Arは、フェニル基、ビフェニル基であることが好ましく、フェニル基であることがより好ましい。
式(1-3)中、nは、それぞれ独立して、1以上6以下の整数を表す。屈折率の向上、ヘーズおよびYIの低減などの観点から、nは、それぞれ独立して、好ましくは1以上3以下の整数であり、より好ましくは1または2である。好ましい具体例として、メチレン基、エチレン基が挙げられる。Arは、それぞれ独立して、置換されたもしくは非置換の芳香族炭化水素基を表す。ここで、芳香族炭化水素基としては、本発明の効果を阻害しないものであれば特に制限されないが、ベンゼン、ペンタレン、インデン、ナフタレン、アントラセン、アズレン、ヘプタレン、アセナフタレン、フェナレン、フルオレン、アントラキノン、フェナントレン、ビフェニル、ターフェニル、クォーターフェニル、キンクフェニル、セキシフェニル、トリフェニレン、ピレン、クリセン、ピセン、ペリレン、ペンタフェン、ペンタセン、テトラフェン、ヘキサフェン、ヘキサセン、ルビセン、トリナフチレン、ヘプタフェン、ピラントレン等由来の1価の基が挙げられる。これらのうち、屈折率の向上、ヘーズおよびYIの低減などの観点から、Arは、フェニル基、ナフチル基であることが好ましく、フェニル基であることがより好ましい。
式(1-2)中のArが置換された芳香族炭化水素基である場合、または、式(1-3)中のArが置換された芳香族炭化水素基である場合における置換基は、本発明の効果を阻害しないものであれば特に制限されない。置換基としては、例えば、炭素数1以上6以下のアルキル基(具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基)が挙げられる。
好ましい一実施形態によると、炭化水素基は、それぞれ独立して、下記群から選択される。
より好ましくは、炭化水素基は、それぞれ独立して、下記群から選択される。
このような炭化水素基でSH基を封止することにより、ヘーズおよびYIを低減することができる。
本発明に係るトリアジン環含有ポリマーは、当該ポリマー1gあたりのSH基数が1×1018(個/g)未満である。本明細書において、SH基数は、後述の実施例に記載のヨウ素標準溶液を用いた滴定により測定された値を採用する。SH基数は、ヘーズおよびYIをさらに低減させる観点から、5×1017(個/g)未満であることが好ましく、2.5×1017(個/g)未満であることがより好ましく、2.0×1017(個/g)未満であることがさらに好ましい。SH基数を低減させることによりポリマーのヘーズおよびYIが低減する理由は定かではないが、酸素等の酸化剤との反応による着色や、ポリマーの分解が生じにくくなることによるものと推測される。また、ケト-エノール互変異性によるチオン体の生成も抑制され、着色が抑えられると考えられる。さらに、本発明に係るトリアジン環含有ポリマーは、射出成形後であっても低いヘーズおよびYIを維持することができる。これは、SH基数の低減によって、射出成形の際の熱に対する安定性が向上したことによると考えられる。
本発明に係るトリアジン環含有ポリマーにおいて、SH基以外の反応基の数については特に制限されない。ただし、加熱時の着色を低減させる等の観点から、SH基以外の反応基の数は少ない方が好ましい。反応基としては、例えば、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基、p-トルエンスルホニル基、トリフルオロメチルスルホニル基、ニトロ基等が挙げられる。これらのSH基以外の反応基の数は、1×1019(個/g)未満であることが好ましく、5×1018(個/g)未満であることがより好ましい。本明細書において、SH基以外の反応基の数は、後述の実施例に記載の燃焼イオンクロマトグラフィーを用いた測定方法や、H-NMR測定を用いた測定方法により求められる。
本発明に係るトリアジン環含有ポリマーの屈折率nは、例えば1.68以上であり、好ましくは1.69以上であり、より好ましくは1.7以上であり、さらに好ましくは1.71以上である。本発明に係るトリアジン環含有ポリマーのヘーズは、例えば4%未満であり、好ましくは3%以下であり、より好ましくは2.5%以下であり、さらに好ましくは2.0以下であり、特に好ましくは1.8以下である。また、本発明に係るトリアジン環含有ポリマーのイエローインデックス(YI)は、例えば3未満であり、好ましくは2以下であり、より好ましくは1以下であり、さらに好ましくは0.7以下である。屈折率n、ヘーズおよびYIが上記範囲内であれば、光学部品に好適な高屈折率の成形品が得られうる。なお、本明細書において、屈折率n、ヘーズおよびYIは、後述の実施例に記載の方法により測定された値を採用する。
本発明に係るトリアジン環含有ポリマーは、ガラス転移温度を有する。すなわち、示差走査熱量測定により得られる示差熱量曲線において変曲点が観察される。このようにガラス転移温度を有する樹脂は、熱可塑性を有し、射出成形により加工することができる。トリアジン環含有ポリマーのガラス転移温度は、好ましくは80℃以上180℃以下であり、より好ましくは90℃以上160℃以下であり、さらに好ましくは100℃以上140℃以下である。ガラス転移温度は、構成単位Aおよび/または構成単位Bの構造を制御することで調整することができる。例えば、式(3)中のRおよび/または式(4)中のRもしくはRに嵩高い構造や剛直な構造を導入することで、ガラス転移温度を高くすることができる。
また、トリアジン環含有ポリマーの重量平均分子量(Mw)は、5,000を超えて1,000,000以下であることが好ましく、さらに好ましくは5,000以上300,000以下であり、特に好ましくは20,000を超えて80,000以下である。重量平均分子量上記の数値範囲内であると、成形品の透過率(透明性)や耐熱性が特に優れたものとなり、また、得られた成形品の機械的強度が優れるという利点がある。重量平均分子量を上記数値範囲内に制御する方法は、特に制限されないが、重合反応時間をコントロールする方法が挙げられる。なお、本明細書において、重量平均分子量は、後述の実施例に記載された方法により測定された値を採用する。
本発明に係るトリアジン環含有ポリマーの製造方法は特に制限されない。一例を挙げると、まず、下記式に示されるように、トリアジンジチオール化合物と、脱離基を有する芳香族化合物とを、相間移動触媒の存在下で反応させて重合体を得る。その後、当該重合体と、封止剤(下記式中ではBzCl)とを、相間移動触媒の存在下で反応させることにより、本発明に係るトリアジン環含有ポリマーを製造することができる。
式中、Rは式(3)中の定義と同じであり、R、Rおよびyは式(4)中の定義と同じであり、Yはそれぞれ独立してハロゲン原子等の脱離基を表す。
Yの具体例としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、トシル基(p-トルエンスルホニル基)、トリフラート基(トリフルオロメチルスルホニル基)、ニトロ基が挙げられる。
トリアジンジチオール化合物としては、特に制限されないが、例えば、2-メチルチオ-1,3,5-トリアジン-4,6-ジチオール、2-エチルチオ-1,3,5-トリアジン-4,6-ジチオール、2-ベンジルチオ-1,3,5-トリアジン-4,6-ジチオール、2-(2’-フェニルエチルチオ)-1,3,5-トリアジン-4,6-ジチオール、2-メトキシ-1,3,5-トリアジン-4,6-ジチオール、2-エトキシ-1,3,5-トリアジン-4,6-ジチオール、2-ベンジルオキシ-1,3,5-トリアジン-4,6-ジチオール、2-アニリノ-1,3,5-トリアジン-4,6-ジチオール、2-(N-メチルアニリノ)-1,3,5-トリアジン-4,6-ジチオール等が例示できる。脱離基を有する芳香族化合物としては、例えば、α,α’-ジブロモ-p-キシレン、α,α’-ジクロロ-p-キシレン、α,α’-ジブロモ-o-キシレン、α,α’-ジクロロ-o-キシレン、α,α’-ジブロモ-m-キシレン、α,α’-ジクロロ-m-キシレン、4,4’-ビス(ブロモメチル)ビフェニル、4,4’-ビス(クロロメチル)ビフェニル、α,α’-ジトシル-p-キシレン等を用いることができる。これらは1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
重合反応の際の、反応に供するトリアジンジチオール化合物と脱離基を有する芳香族化合物との割合は、特に制限されない。好ましくは、トリアジンジチオール化合物におけるSH基1mol当量に対し、脱離基を有する芳香族化合物における脱離基を0.91mol当量以上1.05mol当量以下の割合で反応させる。当該割合は、より好ましくは0.94mol当量以上0.97mol当量以下である。SH基と脱離基とが等モルとなるように反応させた場合、得られる重合体の末端は、SH基と脱離基とが混在した状態となる。この場合、重合体を高温下に曝すと、一の重合体の末端のSH基が、他の重合体の末端の脱離基と反応してゲル化したり、着色等の要因となるため好ましくない。SH基と脱離基とが上記割合となるように反応させることにより、末端にSH基が存在する重合体の割合が高くなる。これにより上記のようなゲル化や着色が抑制できる。
上記と同様に、トリアジン環含有ポリマーの製造方法として、トリアジンジチオール化合物と脱離基を有する芳香族化合物とを、相間移動触媒の存在下で反応させて重合体を得た後、当該重合体と、封止剤(下記式中ではMeSNa)とを、相間移動触媒の存在下で反応させることにより、本発明に係るトリアジン環含有ポリマーを製造することができる。
この際、脱離基を有する芳香族化合物を等モル量より多くすることにより、末端基が全て脱離基Yとなる高分子を合成することが出来る。得られた高分子をワンポットで、別の末端封止基、ナトリウムメチルチオレート等を用いて反応させることにより、反応不活性な高分子が得られる。
末端封止後に、高分子の末端基がどの程度残っているか分析する手段としては、Yがハロゲン基やトリフラート基の場合には、燃焼イオンクロマトグラフ法等により、高分子中に残っているハロゲン原子量を定量することにより、末端基を定量化できる。
但し、各種チオレート等の末端封止試薬はチオール由来の臭気や毒性試薬のため、その後の精製、廃液等に伴う製造コストが掛かるために、製造に不利である。また、求核性のある封止剤は、以下に示すように、トリアジンに連結しているチオエーテル基に対しても反応が進行する(副反応の)可能性がある。この副反応が起こると、反応活性なSH基が生成するため、封止効果が期待出来ない。
そのため、本高分子の重合反応において、SH基を残し封止剤で末端封止を行う方法と、脱離基を残し封止剤で末端封止する、何れの方法においても着色を低減した高分子が得られると思われるが、SH基を残し封止剤で末端封止を行う方法がより好ましい。
また、高分子の分子量を制御する方法は、特に制限されないが、重合反応時間や用いるモノマーのモル比のコントロール、単官能性モノマー(反応停止剤)を反応仕込み時に共存させる等の手法が挙げられる。
分子量が異なる高分子を得るために重合開始時に各種モノマーに加えて反応停止剤を添加すると、添加した反応停止剤の分量に応じて高分子の分子量が低下する。これは、重合反応中に添加した反応停止剤と確率的に反応が起こる結果、以下に示すような重合反応が停止するためである。一例を挙げると、まず、下記式に示されるように、トリアジンジチオール化合物と、脱離基を有する芳香族化合物とを、相間移動触媒の存在下で反応させて重合体を得る。この時、脱離基を有する芳香族化合物として、2個の脱離基を有するモノマーと、1個の脱離基を有するモノマー(反応停止剤)を用い、その仕込み比を変えることにより分子量を制御することが出来る。その後、当該重合体と、封止剤(下記式中ではBzCl)とを、相間移動触媒の存在下で反応させることにより、本発明に係るトリアジン環含有ポリマーを製造することができる。ここで用いる封止剤は、同反応で用いる反応停止剤と同じでも異なっていても構わない。
式中、Rは式(3)中の定義と同じであり、R、Rおよびyは式(4)中の定義と同じであり、R’、R’およびzはそれぞれ先のR、Rおよびyの定義と同じであり、Yはそれぞれ独立してハロゲン原子等の脱離基を表す。
封止剤としては、上記の炭化水素基にハロゲン原子等の脱離基が結合した化合物が使用できる。ここで、脱離基は、上記Yと同様であり、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、トシル基(p-トルエンスルホニル基)、トリフラート基(トリフルオロメチルスルホニル基)、ニトロ基が挙げられる。封止剤の具体例としては、ベンジルクロリド、ベンジルブロミド、2-ブロモエチルベンゼン、ブロモメタン、ヨードメタン、α-クロロ-p-キシレン、α-クロロ-o-キシレン、1-(クロロメチル)ナフタレン等が挙げられる。これらは1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
封止剤の量は、SH基数が所望の範囲内となるように低減できるような量であれば、特に制限されない。好ましくは、トリアジンジチオール化合物と脱離基を有する芳香族化合物の当量差に対して、2倍モル当量~10倍モル当量であり、より好ましくは3倍モル当量~6倍モル当量である。
重合体と封止剤とを反応させる方法も特に制限されない。好ましい一実施形態としては、トリアジンジチオール化合物と脱離基を有する芳香族化合物との反応と、その後の重合体と封止剤との反応とをワンポットで行う方法が挙げられる。すなわち、本発明の好ましい一実施形態に係るトリアジン環含有ポリマーの製造方法は、トリアジンジチオール化合物と、脱離基を有する芳香族化合物とを、相間移動触媒の存在下で反応させる工程1と、前記工程1で得られた反応液に封止剤を添加して反応させる工程2とを有する。ワンポット法を用いて重合体と封止剤とを反応させることにより、重合体を精製した後に封止剤と反応させる方法と比較して、SH基数を顕著に低減させることができる。また、ワンポット法は、製造コストや工程数を削減できるという点でも有利である。なお、ワンポット法によりSH基数が顕著に低減できる理由は定かではないが、本発明者らは、ワンポット法では、高分子末端のSH基が、確実にSNa基となっているために末端封止剤と反応し易い。一方、合成した高分子を一旦取り出すと、高分子末端はSH基となり、末端封止反応を行う際には、高分子末端のSH基と塩基の反応性が低下し、それに伴って末端封止反応の効率も低下するからであると推測している。
また、高分子末端としてチオール基を減らす手法として、上記までのモノマーの比率を反転させ、合成する際に脱離基Yを含むモノマーを等量より多く用いる方法も考えられる。その際、脱離基Yを含むモノマーの等量を調節することにより、分子量も同時に制御することが可能となる。
トリアジンジチオール化合物と脱離基を有する芳香族化合物との反応、および/または、重合体と封止剤との反応に用いる相間移動触媒としては、界面重縮合に用いることができる長鎖アルキル第四級アンモニウム塩、クラウンエーテル等が好ましい。より詳細には、例えば、臭化テトラブチルアンモニウム、臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム等を好ましく用いることができる。
反応系は、水と有機溶媒との二相系を用いることができ、クロロホルム、ジクロロメタン、ベンゾニトリル、ニトロベンゼン等の有機溶媒と水との二相系とするのが好ましい。反応に際しては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の塩基を添加して、-10℃以上100℃以下で1時間以上120時間以下反応させることが好ましい。
上記によって得られたトリアジン環含有ポリマーは、再沈澱法、透析法、限外濾過法、抽出法等の一般的な精製法により精製してもよい。また、得られたトリアジン環含有ポリマーは、ポリマー中に含まれる残溶媒を完全に除去するために、例えば真空下、温度は室温から120℃の範囲で乾燥させてもよい。このように、残溶媒を完全に取り除いたポリマーを用いて、屈折率等の評価を実施する。
<熱可塑性成形品、光学部品>
本発明の他の一形態は、上記のトリアジン環含有ポリマーを含む、熱可塑性成形品に関する。本発明のさらに他の一形態は、上記のトリアジン環含有ポリマーを含む、光学部品に関する。
成形品の形状は、特に制限されず、例えば、レンズ状(球面レンズ、非球面レンズ、フレネルレンズ等)、フィルム状、シート状、板状、棒状、繊維状、プリズム状等の任意の形態であってよい。成形品の製造に際しては、例えば、射出成形法、圧縮成形法、押出成形法、トランスファー成形法、ブロー成形法、加圧成形法、塗布法(スピンコーティング法、ロールコーティング法、カーテンコーティング法、ディップコーティング法、キャスティング成形法等)等の公知の成形方法を利用できる。中でも、本発明に係る組成物は、射出成形に特に適している。成形前に、ヘンシェルミキサー、ニーダ、バンバリーミキサー、押出機等の混練機を用いて原料を混合してもよい。射出成形により成形を行う場合は、例えば、シリンダー温度が150℃以上300℃以下、金型温度が50℃以上100℃以下である。
上記の光学部品は、ディスプレイ(例えば、スマートフォン用ディスプレイ、液晶ディスプレイおよびプラズマディスプレイ等)、撮影装置(例えば、カメラおよびビデオ等)、光ピックアップ、プロジェクタ、光ファイバー通信装置(例えば、光増幅器等)、自動車用ヘッドランプ等における、光を透過する光学部品(パッシブ光学部品)として好適に利用することができる。かようなパッシブ光学部品としては、例えば、レンズ、フィルム、光導波路、プリズム、プリズムシート、パネル、光ディスク、LEDの封止材等を挙げることができる。かような光学部品は、必要に応じて、反射防止層、光線吸収層、ハードコート層、アンチグレア層等の各種の機能層を有していてもよい。
以下、実施例により詳細に本発明を説明するが、これらは何ら本発明を限定するものではない。なお、以下の説明において、特に断りのない限り、「部」はすべて「質量部」を意味する。
<物性値の測定方法>
(数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw))
ポリマーの濃度が0.1質量%となるようにN-メチル-2-ピロリドン(NMP)に溶解させ、孔径0.2μmのポリテトラフルオロエチレン製メンブレンフィルターでろ過したものを測定試料とした。数平均分子量および重量平均分子量の測定は、テトラヒドロフラン(THF)を移動相とし、示差屈折計を検出器とするゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により行った。分子量の標準物質としては、単分散ポリスチレンを使用した。
(屈折率n
重合反応後、再沈殿によりポリマーを精製し、これを試料(固体)として使用した。この試料2gを、200℃、3MPaの条件で圧縮成形し、縦3cm×横3cm、厚さ0.5mmの成形板を作製した。得られた成形板を用いてプリズムカプラ(Model2010、メトリコン社製)で波長473nm、594nm、657nmでの屈折率を測定した。測定した値からC線(656.3nm)、d線(587.6nm)、F線(486.1nm)での屈折率を計算により算出した。d線(587.6nm)での屈折率を屈折率nとした。
(ヘーズ)
ヘーズは、上記の「(屈折率n)」で作製した成形板を用いて、スガ試験機株式会社製Haze Meter NDH5000を用いて測定した。
(イエローインデックス(YI))
イエローインデックスは、上記の「(屈折率n)」で作製した成形板を用いて、コニカミノルタ株式会社製色度計CM-5を用いて測定した。
(加熱試験ならびに透過率測定)
高分子固体(0.2g)を10mLサンプル管に量り取った後にイナートガスオーブン(光洋サーモシステム、NH-9N1)に入れた。そして、窒素雰囲気下(酸素濃度<10ppm)で室温から10℃/分の速度で昇温し、250℃で30分加熱し、室温まで冷却することで加熱サンプルを作製した。
加熱前後のサンプルをN-メチルピロリドンに1wt%となるように希釈・溶解させた。この溶液を用いて、紫外可視吸収スペクトル測定装置(島津、UV-3100PC)により測定を行い、加熱前後の高分子サンプルの400nmの透過率(1cm石英セル使用、N-メチルピロリドン単体を比較対照とする)を求めた。
(SH基数)
ポリマー0.2gをテトラヒドロフラン(THF)50mLに溶解させ、ピリジン1mLを加えた後に、別途調製したヨウ素標準溶液を用いて滴定を行った。この際に用いたヨウ素標準溶液の量をV(mL)とした。ヨウ素標準液は、THF100mLにヨウ素0.05gを溶解させて調製した。また、ブランクとしてTHF50mLのみ用いて滴定を行った。ブランクの滴定に用いたヨウ素標準溶液の量をV(mL)とした。V(mL)V(mL)を差引いた値を、ポリマーの滴定に用いたヨウ素標準溶液量V(mL)とした。ヨウ素1モルに対してSH基2モルが反応することから、ポリマー1g当たりのSH基数を数式1にしたがって算出した。
(塩素原子基数)
(燃焼イオンクロマトグラフィーを用いた評価)
高分子1.00mgを秤量し、イオンクロマトグラフ用前処理 試料燃焼装置(三菱ケミカルアナリテック、AQF-2100H)を用いて1000℃ 1時間燃焼させた。燃焼時に酸化されて得られたガスを溶離液に吸着させた後、イオンクロマトグラフィー測定装置(メトローム、Compact 930 IC Flex)により塩素原子濃度を重量%(ppm)として得た。その値を用いて、以下の式により高分子1g当たりの塩素原子の個数に変換した。
H-NMR測定を用いた評価)
高分子5.00mgを秤量し、重クロロホルムに溶解させた。NMR測定装置(Bruker、300MHz)を用いてH-NMR測定を行った。脱離基を含むクロロメチル基由来のH(水素原子2原子分)とトリアジンのメチル基由来のH(水素原子3原子分)の積分比を比較することにより、高分子1モル中に含まれる塩素原子のモル数を算出できる。これを用いて高分子中1gに含まれる塩素原子の個数を、以下の式により算出した。
[実施例1:トリアジン環含有ポリマー(P-1a)の合成]
500mLフラスコに2-(N-メチルアニリノ)-1,3,5-トリアジン-4,6-ジチオール(MA-1)(20g、0.080mol)を入れ、純水70mLを添加後、10M水酸化ナトリウム水溶液(21.7g、0.16mmol)を添加した。α,α’-ジクロロ-p-キシレン(MB-1)(13.1g、0.077mol)をクロロホルム(70mL)に溶解後、上記水溶液に添加した。臭化テトラブチルアンモニウム1.3gを添加し、50℃で12時間激しく攪拌した。反応液にベンジルクロリド(1.9mL)を加え、さらに50℃で3時間激しく攪拌した。反応液を室温(25℃)まで冷却した後、水を加え、有機層を水で繰り返し洗浄した。その後、有機層をイソプロピルアルコール中に滴下し、再沈殿させることで白色のトリアジン環含有ポリマー(P-1a)を得た。得られたポリマーは数平均分子量43,200、重量平均分子量96,300であった。なお、本例では、2-(N-メチルアニリノ)-1,3,5-トリアジン-4,6-ジチオール(MA-1)100mol%に対し、α,α’-ジクロロ-p-キシレン(MB-1)を96mol%の化学量論比で加えて重合反応を行った。
[実施例2:トリアジン環含有ポリマー(P-1b)の合成]
末端処理において、ベンジルクロリドの代わりに、ヨードメタン(2.0mL)を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で、トリアジン環含有ポリマー(P-1b)を得た。得られたポリマーは数平均分子量42,900、重量平均分子量93,500であった。
[実施例3:トリアジン環含有ポリマー(P-1c)の合成]
末端処理において、ベンジルクロリドの代わりに、α-クロロ-p-キシレン(2.1mL)を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で、トリアジン環含有ポリマー(P-1c)を得た。得られたポリマーは数平均分子量41,500、重量平均分子量88,400であった。
[比較例1:トリアジン環含有ポリマー(P-1)の合成]
末端処理において、ベンジルクロリドを添加しなかったこと以外は、実施例1と同様の方法で、トリアジン環含有ポリマー(P-1)を得た。得られたポリマーは数平均分子量40,300、重量平均分子量88,600であった。
<評価1>
実施例1~3および比較例1で得たトリアジン環含有ポリマーについて、上記測定方法にて、SH基数、ヘーズ、イエローインデックス(YI)を測定した。結果を表1に示す。
表1の結果より、末端処理(ワンポット)を行った実施例1~3は、末端処理を行わなかった比較例1と比べてSH基数が2桁程度低減したことが分かる。また、末端処理(ワンポット)を行った実施例1~3は、末端処理を行わなかった比較例1と比べて、ヘーズが50~55%低減し、YIが73~77%低減した。これらの結果より、ポリマーに含まれるSH基数を少なくすることにより、ヘーズおよびYIが低減することが示された。
[実施例4:トリアジン環含有ポリマー(P-1a’)の合成]
フラスコに比較例1で合成したトリアジン環含有ポリマー(P-1)(10g)を入れ、クロロホルム(100mL)に溶解させた。臭化テトラブチルアンモニウム(0.2g)、水酸化ナトリウム水溶液(1.5mL)、純水(50mL)、ベンジルクロリド(1.5mL)を加え、50℃で12時間攪拌した。反応液を室温(25℃)まで冷却した後、水を加え、有機層を水で繰り返し洗浄した。その後、有機層をイソプロピルアルコール中に滴下し、再沈殿させることで白色のトリアジン環含有高分子(P-1a’)を得た。得られたポリマーは数平均分子量40,400、重量平均分子量88,500であった。
[実施例5:トリアジン環含有ポリマー(P-1b’)の合成]
末端処理において、ベンジルクロリドの代わりに、ヨードメタン(2.0mL)を用いたこと以外は、実施例4と同様の方法で、トリアジン環含有ポリマー(P-1b’)を得た。得られたポリマーは数平均分子量40,200、重量平均分子量87,600であった。
<評価2>
実施例4~5で得たトリアジン環含有ポリマーについて、上記測定方法にて、SH基数、ヘーズ、イエローインデックス(YI)を測定した。結果を表2に示す。
表2の結果より、精製後に末端処理を行った実施例4~5は、表1の末端処理を行わなかった比較例1と比べてSH基数が10%以下まで低減したことが分かる。また、精製後に末端処理を行った実施例4~5は、末端処理を行わなかった比較例1と比べて、ヘーズが45~48%低減し、YIが47~55%低減した。
表1の実施例1~2と表2の実施例4~5とを対比すると、ワンポットで末端処理を行う方法および精製後に末端処理を行う方法の両方で、SH基数が低減され、ヘーズおよびYIを有意に低減させることができた。特に、ワンポットで末端処理を行うことにより、SH基数が大幅な低減され、ヘーズおよびYIを顕著に低減させることができた。
[実施例6:トリアジン環含有ポリマー(P-1c-1)の合成]
30mLフラスコに2-(N-メチルアニリノ)-1,3,5-トリアジン-4,6-ジチオール(MA-1)(1.5g、0.0059mol)を入れ、純水5mLを添加後、10M水酸化ナトリウム水溶液(1.6g、0.0121mmol)を添加した。α,α’-ジクロロ-p-キシレン(MB-1)(0.99g、0.0056mmol)およびα-クロロ-p-キシレン(MB-1’)(0.016mL、0.0001mmol)をクロロホルム(8.5mL)に溶解後、上記水溶液に添加した。臭化テトラブチルアンモニウム0.10gを添加し、50℃で12時間激しく攪拌した。反応液にベンジルクロリド(0.16mL)を加え、さらに50℃で3時間激しく攪拌した。反応液を室温(25℃)まで冷却した後、水を加え、有機層を水で繰り返し洗浄した。その後、有機層をイソプロピルアルコール中に滴下し、再沈殿させることで白色のトリアジン環含有ポリマー(P-1c-1)を得た。得られたポリマーは数平均分子量16,700、重量平均分子量33,300であった。なお、本例では、2-(N-メチルアニリノ)-1,3,5-トリアジン-4,6-ジチオール(MA-1)100mol%に対し、α,α’-ジクロロ-p-キシレン(MB-1)を95mol%、α-クロロ-p-キシレンを2mol%の化学量論比で加えて重合反応を行った。
[実施例7:トリアジン環含有ポリマー(P-1c-2)の合成]
重合反応において、実施例6で用いたα,α’-ジクロロ-p-キシレン(MB-1)とα-クロロ-p-キシレン(MB-1’)の比率を、1,3,5-トリアジン-4,6-ジチオール(MA-1)100mol%に対し、α,α’-ジクロロ-p-キシレン(MB-1)を94mol%、α-クロロ-p-キシレンを4mol%の化学量論比で加えて重合反応を行った以外は、実施例6と同様の方法で、トリアジン環含有ポリマー(P-1c-2)を得た。得られたポリマーは数平均分子量10,400、重量平均分子量21,300であった。
[実施例8:トリアジン環含有ポリマー(P-1c-3)の合成]
重合反応において、実施例6で用いたα,α’-ジクロロ-p-キシレン(MB-1)とα-クロロ-p-キシレン(MB-1’)の比率を、1,3,5-トリアジン-4,6-ジチオール(MA-1)100mol%に対し、α,α’-ジクロロ-p-キシレン(MB-1)を91mol%、α-クロロ-p-キシレンを10mol%の化学量論比で加えて重合反応を行った以外は、実施例6と同様の方法で、トリアジン環含有ポリマー(P-1c-3)を得た。得られたポリマーは数平均分子量4,900、重量平均分子量10,200であった。
[実施例9:トリアジン環含有ポリマー(P-1c-4)の合成]
30mLフラスコに2-(N-メチルアニリノ)-1,3,5-トリアジン-4,6-ジチオール(MA-1)(1.5g、0.0059mol)を入れ、純水5mLを添加後、10M水酸化ナトリウム水溶液(1.6g、0.0121mmol)を添加した。α,α’-ジクロロ-p-キシレン(MB-1)(1.08g、0.0061mmol)をクロロホルム(8.5mL)に溶解後、上記水溶液に添加した。臭化テトラブチルアンモニウム0.10gを添加し、50℃で12時間激しく攪拌した。反応液にベンジルクロリド(0.16mL)を加え、さらに50℃で3時間激しく攪拌した。反応液を室温(25℃)まで冷却した後、水を加え、有機層を水で繰り返し洗浄した。その後、有機層をイソプロピルアルコール中に滴下し、再沈殿させることで白色のトリアジン環含有ポリマー(P-1c-4)を得た。得られたポリマーは数平均分子量3,900、重量平均分子量17,300であった。なお、本例では、2-(N-メチルアニリノ)-1,3,5-トリアジン-4,6-ジチオール(MA-1)100mol%に対し、α,α’-ジクロロ-p-キシレン(MB-1)を103mol%の化学量論比で加えて重合反応を行った。
[実施例10:トリアジン環含有ポリマー(P-1c-5)の合成]
実施例9で用いたα,α’-ジクロロ-p-キシレン(MB-1)を、2-(N-メチルアニリノ)-1,3,5-トリアジン-4,6-ジチオール(MA-1)100mol%に対し、α,α’-ジクロロ-p-キシレン(MB-1)を105mol%の化学量論比に変更した以外は同様の操作を行い、白色のトリアジン環含有ポリマー(P-1c-5)を得た。得られたポリマーは数平均分子量2,400、重量平均分子量9,700であった。
[比較例2:トリアジン環含有ポリマー(P-1-1)の合成]
末端処理において、α-クロロ-p-キシレン(MB-1’)を添加しなかったこと以外は、実施例6と同様の方法で、トリアジン環含有ポリマー(P-1-1)を得た。得られたポリマーは数平均分子量16,000、重量平均分子量33,900であった。
[比較例3:トリアジン環含有ポリマー(P-1-2)の合成]
末端処理において、α-クロロ-p-キシレン(MB-1’)を添加しなかったこと以外は、実施例7と同様の方法で、トリアジン環含有ポリマー(P-1-2)を得た。得られたポリマーは数平均分子量10,100、重量平均分子量20,900であった。
[比較例4:トリアジン環含有ポリマー(P-1-3)の合成]
末端処理において、α-クロロ-p-キシレン(MB-1’)を添加しなかったこと以外は、実施例8と同様の方法で、トリアジン環含有ポリマー(P-1-3)を得た。得られたポリマーは数平均分子量4,700、重量平均分子量9,700であった。
<評価A>
実施例3、6~10、比較例1~4で得たトリアジン環含有ポリマーについて、上記測定方法にて、SH基数、加熱前後の溶液状態の400nmの透過率を測定した。塩素基数については、実施例3、実施例6~8、比較例1~4は燃焼イオンクロマトグラフィーを用いて、実施例9、10についてはH-NMR測定により評価した(図3および4にそれぞれのH-NMRチャートを記載する)。結果を表3に示す。
実施例3、6~10と比較例1~4とを比較すると、高分子末端の塩素基数は同程度である。しかし、実施例では、高分子末端SH基を封止処理した場合には高分子の大小に関わらず、加熱後も高分子溶液の400nmの透過率は加熱前後と殆ど変化しておらず熱ストレスの影響が殆どない。一方、比較例の高分子SH基末端が未処理のポリマーでは、熱ストレス後には透過率が5%以上低下しており、耐熱性が低いことが分かる。さらに、分子量が小さいポリマーにおいては400nmの透過率が更に低下していることから、SH基末端処理が小さな分子量の高分子において顕著な効果を示すことが分かる。一般に、同じモノマー組成であり、分子量が異なる高分子において、高分子の分子量が小さいほど、単位重量当たりの高分子末端基数は増加する。そのため、高分子の分子量が小さくなればなるほど、単位重量当たりの高分子末端のSH基も増加し、それに伴って高分子が黄変しやすくなる。
また、実施例3、9、10のSH基末端処理のポリマーにおいて、高分子末端の塩素基数が増加しても、ポリマーの加熱前後の透過率は殆ど変化していない。しかし、加熱前後の透過率の変化から、光学材料として利用するにはポリマーの塩素基数が少ないポリマーの方がより好ましい。
[実施例11:トリアジン環含有ポリマー(P-2a)の合成]
重合反応において、2-(N-メチルアニリノ)-1,3,5-トリアジン-4,6-ジチオール(MA-1)の代わりに、2-アニリノ-1,3,5-トリアジン-4,6-ジチオール(MA-2)を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で、トリアジン環含有ポリマー(P-2a)を得た。得られたポリマーは数平均分子量32,900、重量平均分子量74,000であった。
[実施例12:トリアジン環含有ポリマー(P-3a)の合成]
重合反応において、α,α’-ジクロロ-p-キシレン(MB-1)の代わりに、4,4’-ビス(クロロメチル)ビフェニル(MB-2)を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で、トリアジン環含有ポリマー(P-3a)を得た。得られたポリマーは数平均分子量25,900、重量平均分子量52,800であった。
[実施例13:トリアジン環含有ポリマー(P-4a)の合成]
重合反応において、α,α’-ジクロロ-p-キシレン(MB-1)の代わりに、4,4’-ビス(クロロメチル)ビフェニル(MB-2)を用いたこと以外は、実施例11と同様の方法で、トリアジン環含有ポリマー(P-4a)を得た。得られたポリマーは数平均分子量21,500、重量平均分子量54,000であった。
[実施例14:トリアジン環含有ポリマー(P-5a)の合成]
重合反応において、2-(N-メチルアニリノ)-1,3,5-トリアジン-4,6-ジチオール(MA-1)の代わりに、2-(N-メチルアニリノ)-1,3,5-トリアジン-4,6-ジチオール(MA-1)および2-アニリノ-1,3,5-トリアジン-4,6-ジチオール(MA-2)を等モルずつ(下記式において、n:m=1:1)用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で、トリアジン環含有ポリマー(P-5a)を得た。得られたポリマーは数平均分子量37,900、重量平均分子量89,400であった。
[実施例15:トリアジン環含有ポリマー(P-6a)の合成]
重合反応において、2-(N-メチルアニリノ)-1,3,5-トリアジン-4,6-ジチオール(MA-1)の代わりに、2-メチルチオ-1,3,5-トリアジン-4,6-ジチオール(MA-3)を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で、トリアジン環含有ポリマー(P-6a)を得た。得られたポリマーは数平均分子量28,300、重量平均分子量60,800であった。
[実施例16:トリアジン環含有ポリマー(P-7a)の合成]
重合反応において、2-(N-メチルアニリノ)-1,3,5-トリアジン-4,6-ジチオール(MA-1)の代わりに、2-メトキシ-1,3,5-トリアジン-4,6-ジチオール(MA-4)を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で、トリアジン環含有ポリマー(P-7a)を得た。得られたポリマーは数平均分子量38,100、重量平均分子量93,300であった。
[実施例17:トリアジン環含有ポリマー(P-8a)の合成]
重合反応において、α,α’-ジクロロ-p-キシレン(MB-1)の代わりに、4,4’-ビス(クロロメチル)ビフェニル(MB-2)を用いたこと以外は、実施例15と同様の方法で、トリアジン環含有ポリマー(P-8a)を得た。得られたポリマーは数平均分子量24,100、重量平均分子量50,900であった。
[実施例18:トリアジン環含有ポリマー(P-9a)の合成]
重合反応において、2-メチルチオ-1,3,5-トリアジン-4,6-ジチオール(MA-3)の代わりに、2-アニリノ-1,3,5-トリアジン-4,6-ジチオール(MA-2)および2-メチルチオ-1,3,5-トリアジン-4,6-ジチオール(MA-3)を等モルずつ(下記式において、n:m=1:1)用いたこと以外は、実施例17と同様の方法で、トリアジン環含有ポリマー(P-9a)を得た。得られたポリマーは数平均分子量28,100、重量平均分子量64,900であった。
[実施例19:トリアジン環含有ポリマー(P-10a)の合成]
重合反応において、2-メチルチオ-1,3,5-トリアジン-4,6-ジチオール(MA-3)の代わりに、2-メチルチオ-1,3,5-トリアジン-4,6-ジチオール(MA-3)および2-メトキシ-1,3,5-トリアジン-4,6-ジチオール(MA-4)を等モルずつ(下記式において、n:m=1:1)用いたこと以外は、実施例17と同様の方法で、トリアジン環含有ポリマー(P-10a)を得た。得られたポリマーは数平均分子量36,700、重量平均分子量80,400であった。
<評価3>
実施例11~19で得たトリアジン環含有ポリマーについて、上記測定方法にて、SH基数、ヘーズ、イエローインデックス(YI)を測定した。これらの結果を実施例1および比較例1の結果と共に表4に示す。
表4の結果より、末端処理(ワンポット)を行った実施例11~19は、末端処理(ワンポット)を行った実施例1と同様に、末端処理を行わなかった比較例1と比べてSH基数が2桁程度低減したことが分かる。また、末端処理(ワンポット)を行った実施例11~19は、末端処理を行わなかった比較例1と比べて、ヘーズが50~60%低減し、YIが70~80%低減した。これらの結果より、構成単位Aおよび構成単位Bの構造にかかわらず、SH基数を少なくすることにより、ヘーズおよびYIが低減することが示された。
<評価4>
実施例1、3、4、比較例1で得たトリアジン環含有ポリマーについて、上記測定方法にて、屈折率を測定した。結果を表5に示す。
表5の結果より、封止剤(末端の官能基)や、末端処理の方法(SH基数)の違いに関わらず、屈折率nは同じであることが分かった。これらの結果より、ポリマーの末端部分の構造は屈折率nに影響を与えないことが示された。
<評価5>
実施例1および比較例1のポリマーを用いて、射出成形によりレンズを成形した。具体的には、各ポリマーを射出成形機(SE30DUZ、住友重機械工業製)を用いて、ノズル温度240℃、金型温度100℃、射出速度50nn/s、保圧100MPaにて連続成形し、レンズを作製した。得られたレンズについて、以下の項目を評価した。
(項目1)
得られたレンズを目視により評価した。
実施例1のポリマーを射出成形してなるレンズには気泡が見られなかったのに対し、比較例1のポリマーを射出成形してなるレンズには一部気泡が見られた。当該気泡は、射出成形時の熱によりポリマーの一部が分解等することで生じたものと考えられる。これらの結果より、末端処理によりSH基数を低減することで、射出成形時の熱に対する安定性が向上することが示された。
(項目2)
射出成形の各ショットで得られたレンズのヘーズおよびYIを上記測定方法に記載された測定装置を用いて測定した。射出成形のショット数と、各ショットで得られたレンズのヘーズおよびYIとの関係を図1および2に示す。なお、図1において、ヘーズは、1ショット目で得られたレンズのヘーズを100とした際の相対値で示す。同様に、図2において、YIは、1ショット目で得られたレンズのYIを100とした際の相対値で示す。
図1および2の結果より、実施例1のポリマーでは、ショット数が増加してもヘーズおよびYIはほとんど上昇しなかった。一方、比較例1のポリマーでは、ショット数の増加に伴い、ヘーズおよびYIが著しく上昇した。ショット数が多くなるにつれ、ポリマーに射出成形時の熱がかかる時間が長くなることから、これらの結果より、末端処理によりSH基数を低減することで、長時間の熱に対しても安定性が向上することが示された。
上記のように、本発明に係るトリアジン環含有ポリマーは、高い屈折率を有しつつ、YIが2以下、ヘーズが3%以下であり、さらに熱にも長時間安定である。よって、本発明に係るトリアジン環含有ポリマーは、優れた光学特性を有し、かつ、連続射出成形が可能であることから、スマートフォン用レンズ等の用途に特に適している。

Claims (7)

  1. トリアジンジチオール化合物由来の構成単位を含む繰り返し単位を有するトリアジン環含有ポリマーであって、
    末端のSH基の少なくとも一部が炭化水素基で封止されてなり、
    前記トリアジン環含有ポリマー1gあたりのSH基数が1×1018(個/g)未満であり、
    前記繰り返し単位は、下記式(2)で表される、トリアジン環含有ポリマー

    前記式(2)中、Aは、それぞれ独立して、下記式(3)で表され、および
    Bは、それぞれ独立して、下記式(4)で表される;

    前記式(3)中、Lは、それぞれ独立して、単結合または連結基を表し、ならびに
    は、それぞれ独立して、酸素原子(O)、硫黄原子(S)、窒素原子(N)およびセレン原子(Se)からなる群より選択される少なくとも1種の原子を有する基を表す;

    前記式(4)中、R は、それぞれ独立して、芳香族炭化水素基、または、2以上の芳香族炭化水素基がアルキレン基、酸素原子(O)、硫黄原子(S)もしくはセレン原子(Se)で連結されてなる芳香族炭化水素連結基を表し、
    は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、または芳香族炭化水素基を表し、および
    yは、それぞれ独立して、0または1を表す
  2. 前記炭化水素基は、それぞれ独立して、下記式(1-1)~(1-3)で表される基から選択される少なくとも1種である、請求項1に記載のトリアジン環含有ポリマー;

    前記式(1-1)中、mは、それぞれ独立して、1以上6以下の整数を表し、
    前記式(1-2)中、Arは、それぞれ独立して、置換されたもしくは非置換の芳香族炭化水素基を表し、
    前記式(1-3)中、nは、それぞれ独立して、1以上6以下の整数を表し、および
    Arは、それぞれ独立して、置換されたもしくは非置換の芳香族炭化水素基を表す。
  3. 前記式(3)中、Lは、単結合を表す、請求項1または2に記載のトリアジン環含有ポリマー。
  4. 前記式(3)中、Rは、それぞれ独立して、下記式(5-1)~(5-5)で表される基から選択される、請求項1~のいずれか1項に記載のトリアジン環含有ポリマー;

    前記式(5-1)中、oは、それぞれ独立して、1以上6以下の整数であり、
    前記式(5-)中、pは、それぞれ独立して、1以上6以下の整数であり、および
    前記式(5-5)中、qは、それぞれ独立して、1以上6以下の整数である。
  5. イエローインデックスが3未満である、請求項1~のいずれか1項に記載のトリアジン環含有ポリマー。
  6. 請求項1~のいずれか1項に記載のトリアジン環含有ポリマーを含む、熱可塑性成形品。
  7. 請求項1~のいずれか1項に記載のトリアジン環含有ポリマーを含む、光学部品。
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