JP2020029544A - トリアジン環含有ポリマー並びにこれを含む熱可塑性成形品及び光学部品 - Google Patents
トリアジン環含有ポリマー並びにこれを含む熱可塑性成形品及び光学部品 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2020029544A JP2020029544A JP2018157557A JP2018157557A JP2020029544A JP 2020029544 A JP2020029544 A JP 2020029544A JP 2018157557 A JP2018157557 A JP 2018157557A JP 2018157557 A JP2018157557 A JP 2018157557A JP 2020029544 A JP2020029544 A JP 2020029544A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- triazine ring
- containing polymer
- group
- average molecular
- polymer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08G—MACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
- C08G75/00—Macromolecular compounds obtained by reactions forming a linkage containing sulfur with or without nitrogen, oxygen, or carbon in the main chain of the macromolecule
- C08G75/02—Polythioethers
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08L—COMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
- C08L81/00—Compositions of macromolecular compounds obtained by reactions forming in the main chain of the macromolecule a linkage containing sulfur with or without nitrogen, oxygen or carbon only; Compositions of polysulfones; Compositions of derivatives of such polymers
- C08L81/02—Polythioethers; Polythioether-ethers
-
- G—PHYSICS
- G02—OPTICS
- G02B—OPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
- G02B1/00—Optical elements characterised by the material of which they are made; Optical coatings for optical elements
- G02B1/04—Optical elements characterised by the material of which they are made; Optical coatings for optical elements made of organic materials, e.g. plastics
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Polymers & Plastics (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- General Physics & Mathematics (AREA)
- Optics & Photonics (AREA)
- Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)
Abstract
【課題】高屈折率を有し、射出成形等の成形工程に適するトリアジン環含有ポリマーを提供する。【解決手段】下記式(1):式中、R1はそれぞれ独立して炭素数1〜5のアルキル基を表し、R2はそれぞれ独立して1つ以上の芳香族炭化水素基を有する2価の基を表す;で表される繰り返し単位を含み、数平均分子量が20000超50000以下である、トリアジン環含有ポリマー。【選択図】なし
Description
本発明は、トリアジン環含有ポリマー並びにこれを含む熱可塑性成形品及び光学部品に関する。
近年、光学材料の研究が盛んに行われており、カメラ、ビデオカメラ等の各種カメラや、スマートフォン用レンズ等の光学系に使用される光学レンズ用の材料として、高い屈折率を有し、かつ耐熱性、光透過性(透明性)、易成形性にも優れた材料の開発が求められている。樹脂製レンズはガラス製レンズに比べて軽量で割れにくく、材料コストが安く、レンズ成形に適した射出成形により様々な形状に加工できるという利点を持つ。しかしながら、近年、製品の薄型化やカメラの高画素化へのニーズにこたえるため、素材自体を高屈折率化することが求められている。
樹脂素材であるポリマーを高屈折率化する方法として、芳香族環、ハロゲン原子、硫黄原子を導入する試みがなされている。中でも、硫黄原子を導入したエピスルフィド樹脂及びチオウレタン樹脂は、屈折率1.7以上となるが、可塑性がないため、実用化範囲が限定されている。
可塑性を有する高屈折な樹脂としてトリアジン環を有するポリマーが多く検討されている。例えば、特許文献1及び2には、トリアジン環を有する繰り返し単位構造を含み、屈折率1.7以上のトリアジン環含有ポリマーが開示されている。
しかしながら、特許文献1及び2に記載されるトリアジン環含有ポリマーは、ガラス転移温度(Tg)が高いこと、及び、溶融時の粘度が高いことから、射出成形等による成形加工が困難であるという問題を有していた。
したがって、本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、高屈折率を有し、射出成形等の成形工程に適するトリアジン環含有ポリマーを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の問題を解決すべく、鋭意研究を行った。その結果、トリアジン環含有ポリマーの主鎖及び側鎖の構造及び数平均分子量(Mn)を特定の範囲に制御することにより、上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の一形態に係るトリアジン環含有ポリマーは、下記式(1):
式中、R1はそれぞれ独立して炭素数1〜5のアルキル基を表し、R2はそれぞれ独立して1つ以上の芳香族炭化水素基を有する2価の基を表す;
で表される繰り返し単位を含み、数平均分子量が20000超50000以下であることを特徴とする。
で表される繰り返し単位を含み、数平均分子量が20000超50000以下であることを特徴とする。
本発明によれば、高屈折率を有し、射出成形等の成形工程に適するトリアジン環含有ポリマーを提供することができる。
以下、本発明の実施形態を説明するが、本発明の技術的範囲は特許請求の範囲の記載に基づいて定められるべきであり、以下の形態のみに制限されない。本明細書において、範囲を示す「X〜Y」は「X以上Y以下」を意味する。また、特記しない限り、操作および物性等の測定は室温(20〜25℃)/相対湿度40〜50%RHの条件で行う。本明細書では、「トリアジン環含有ポリマー」を単に「ポリマー」とも称し、「熱可塑性成形品」を単に「成形品」とも称する。
本発明の一形態に係るトリアジン環含有ポリマーは、下記式(1):
式中、R1はそれぞれ独立して炭素数1〜5のアルキル基を表し、R2はそれぞれ独立して1つ以上の芳香族炭化水素基を有する2価の基を表す;で表される繰り返し単位を含むことを特徴とする。
トリアジン環含有ポリマーの側鎖のNはフェニル基と結合している。また、主鎖はチオエーテル結合(−S−)により連結されている。側鎖のフェニル基及び主鎖のチオエーテル結合は、ポリマーの高屈折率化に寄与していると考えられる。また、側鎖にフェニル基を導入することにより、ポリマーのガラス転移温度を射出成形に好適な範囲(例えば80〜200℃)とすることが可能となる。
側鎖のNに結合する炭素数1〜5のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、sec−ペンチル基、3−ペンチル基、tert−ペンチル基、シクロペンチル基といった、直鎖、分岐鎖及び環状のアルキル基が挙げられる。中でも、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、炭素数1〜3のアルキル基がより好ましく、メチル基又はエチル基がさらに好ましく、メチル基が最も好ましい。上記アルキル基を有することにより、水素原子を有する場合と比較して、ガラス転移温度を低下させ、また、溶融時の粘度を低下させることができる。さらに、上記アルキル基を有することにより、これ以外の基を有する場合と比較して、溶媒への溶解性を向上させることができる。
ポリマーの主鎖に位置する1つ以上の芳香族炭化水素基を有する2価の基(R2)としては、1つ以上の芳香族炭化水素基からなる2価の基;1つ以上の芳香族炭化水素基と、1つ以上の脂肪族炭化水素基と、が組み合わされてなる2価の基;1つ以上の芳香族炭化水素基と、1つ以上の脂肪族炭化水素基と、1つ以上の−S−又は−O−と、が組み合わされてなる2価の基等が挙げられる。具体例としては、下記に示される基が挙げられる。
ポリマーの主鎖に、上記の1つ以上の芳香族炭化水素基を有する2価の基を導入することにより、ポリマーを高屈折率化させると共に、ポリマーのガラス転移温度を射出成形に好適な範囲(例えば80〜200℃)とすることが可能となる。
好ましい一形態によると、トリアジン環含有ポリマーは下記繰り返し単位を含む。
トリアジン環含有ポリマーは、式(1)で表される繰り返し単位以外の繰り返し単位(以下、「他の繰り返し単位」とも称する)を含むものであってもよいが、本発明の効果を良好に発揮させる観点から、他の繰り返し単位を含まないことが好ましい。他の繰り返し単位を含む場合であっても、繰り返し単位の総数に対する、他の繰り返し単位の数の割合は、10%以下であることが好ましく、5%以下であることがより好ましく、3%以下であることがさらに好ましく、1%以下であることが特に好ましい(下限値0%)。他の繰り返し単位の割合が上記範囲であれば、屈折率の低下や、射出成形等の成形工程が困難となるのを防ぐことができる。
トリアジン環含有ポリマーが2種以上の繰り返し単位を含む場合、すなわち共重合体である場合、繰り返し単位の配列形態は特に制限されず、ランダム状又はブロック状であり得る。
トリアジン環含有ポリマーの数平均分子量(Mn)は、必須に20000超50000以下であり、好ましくは20500以上49000以下であり、より好ましくは21000以上48000以下である。数平均分子量が20000以下であると粘度が低くなりすぎ、逆に数平均分子量が50000超であると粘度が高くなりすぎることから、射出成形等の成形加工性が低下する。一方、数平均分子量が上記の数値範囲内であると成形品の透過率(透明性)や耐熱性が特に優れたものとなり、また、得られた成形品の機械的強度が優れるという利点がある。数平均分子量を上記数値範囲内に制御する方法は、特に制限されないが、重合反応時間を10分から40時間の間でコントロールすることにより値を調整することができる。なお、本明細書において、数平均分子量は、後述の実施例に記載された方法により測定された値を採用する。
トリアジン環含有ポリマーの屈折率ndは、例えば1.65以上であり、好ましくは1.7以上である。上記範囲であれば、光学部品に好適な高屈折率の成形品が得られうる。トリアジン環含有ポリマーのアッベ数νdは、例えば15以上であり、好ましくは18以上である。なお、本明細書において、屈折率nd及びアッベ数νdは、後述の実施例に記載の方法により測定された値を採用する。
トリアジン環含有ポリマーは、ガラス転移温度を有する。すなわち、示差走査熱量測定により得られる示差熱量曲線において変曲点が観察される。このようにガラス転移温度を有する樹脂は、熱可塑性を有し、射出成形により加工することができる。トリアジン環含有ポリマーのガラス転移温度は、好ましくは80℃以上200℃以下であり、より好ましくは100℃以上180℃以下である。ガラス転移温度は、式(1)に示される繰り返し単位の構造を制御することで調整することができる。例えば、式(1)中のR2に嵩高い構造や剛直な構造を導入することで、ガラス転移温度を高くすることができる。なお、本明細書において、ガラス転移温度は、後述の実施例に記載された方法により測定された値を採用する。
トリアジン環含有ポリマーの溶融状態の粘度は、好ましくは100Pa・s以上100000Pa・s未満であり、より好ましくは1000Pa・s以上50000Pa・s以下であり、さらに好ましくは6000Pa・s以上30000Pa・s以下である。溶融状態での粘度が上記数値範囲内であると、射出成形等の成形加工性に優れる。なお、本明細書において、ポリマーの溶融状態の粘度は、後述の実施例に記載された方法により測定された値を採用する。
トリアジン環含有ポリマーは、公知の方法を用いて合成することができる。例えば、下記式に示されるように、トリアジンジチオール化合物と、ジハロゲン化された芳香族化合物とを、相間移動触媒の存在下に反応させることにより、製造することができる。
式中、R1及びR2は式(1)中の定義と同じであり、Yはハロゲン原子を表す。
Yのハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子が挙げられる。
トリアジンジチオール化合物としては、例えば、特に制限されないが、例えば2−N−メチルアニリノ−1,3,5−トリアジン−4,6−ジチオール、2−N−エチルアニリノ−1,3,5−トリアジン−4,6−ジチオール、2−N−n−プロピルアニリノ−1,3,5−トリアジン−4,6−ジチオール、2−N−イソプロピルアニリノ−1,3,5−トリアジン−4,6−ジチオール等が例示できる。ジハロゲン化された芳香族化合物としては、例えば、α,α’−ジブロモ−p−キシレン、α,α’−ジクロロ−p−キシレン、α,α’−ジブロモ−o−キシレン、α,α’−ジクロロ−o−キシレン、α,α’−ジブロモ−m−キシレン、α,α’−ジクロロ−m−キシレン、4,4’−ビス(ブロモメチル)ビフェニル、4,4’−ビス(クロロメチル)ビフェニル等を用いることができる。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
トリアジンジチオール化合物とジハロゲン化された芳香族化合物との反応に用いる相間移動触媒としては、界面重縮合に用いることができる長鎖アルキル第四級アンモニウム塩、クラウンエーテル等が好ましく、例えば臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム等をより好ましく用いることができる。
反応系は、水と有機溶媒との二相系を用いることができ、クロロホルム、ジクロロメタン、ベンゾニトリル、ニトロベンゼン等の有機溶媒と水との二相系とするのが好ましい。反応に際しては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の塩基を添加して、−10℃以上100℃以下で2時間以上120時間以下で行うのが好ましい。
上記によって得られたトリアジン環含有ポリマーは、再沈澱法、透析法、限外濾過法、抽出法等の一般的な精製法により精製してもよい。
<熱可塑性成形品、光学部品>
本発明の他の一形態は、上記のトリアジン環含有ポリマーを含む、熱可塑性成形品に関する。本発明のさらに他の一形態は、上記のトリアジン環含有ポリマーを含む、光学部品に関する。
本発明の他の一形態は、上記のトリアジン環含有ポリマーを含む、熱可塑性成形品に関する。本発明のさらに他の一形態は、上記のトリアジン環含有ポリマーを含む、光学部品に関する。
成形品の形状は、特に制限されず、例えば、レンズ状(球面レンズ、非球面レンズ、フレネルレンズ等)、フィルム状、シート状、板状、棒状、繊維状、プリズム状等の任意の形態であってよい。成形品の製造に際しては、例えば、射出成形法、圧縮成形法、押出成形法、トランスファー成形法、ブロー成形法、加圧成形法、塗布法(スピンコーティング法、ロールコーティング法、カーテンコーティング法、ディップコーティング法、キャスティング成形法等)等の公知の成形方法を利用できる。中でも、本発明に係る組成物は、射出成形に特に適している。成形前に、ヘンシェルミキサー、ニーダ、バンバリーミキサー、押出機等の混練機を用いて原料を混合してもよい。射出成形により成形を行う場合は、例えば、シリンダー温度が150℃以上300℃以下、金型温度が50℃以上100℃以下である。
上記の光学部品は、ディスプレイ(例えば、スマートフォン用ディスプレイ、液晶ディスプレイ及びプラズマディスプレイ等)、撮影装置(例えば、カメラ及びビデオ等)、光ピックアップ、プロジェクタ、光ファイバー通信装置(例えば、光増幅器等)、自動車用ヘッドランプ等における、光を透過する光学部品(パッシブ光学部品)として好適に利用することができる。かようなパッシブ光学部品としては、例えば、レンズ、フィルム、光導波路、プリズム、プリズムシート、パネル、光ディスク、LEDの封止材等を挙げることができる。かような光学部品は、必要に応じて、反射防止層、光線吸収層、ハードコート層、アンチグレア層等の各種の機能層を有していてもよい。
以下、実施例により詳細に本発明を説明するが、これらは何ら本発明を限定するものではない。なお、以下の説明において、特に断りのない限り、「部」はすべて「質量部」を意味する。
<物性値の測定方法>
(数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw))
ポリマーの濃度が0.1質量%となるようにテトラヒドロフラン(THF)に溶解させ、孔径0.2μmのポリテトラフルオロエチレン製メンブレンフィルターでろ過したものを測定試料とした。数平均分子量及び重量平均分子量の測定は、テトラヒドロフランを移動相とし、示差屈折計を検出器とするゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により行った。分子量の標準物質としては、単分散ポリスチレンを使用した。
(数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw))
ポリマーの濃度が0.1質量%となるようにテトラヒドロフラン(THF)に溶解させ、孔径0.2μmのポリテトラフルオロエチレン製メンブレンフィルターでろ過したものを測定試料とした。数平均分子量及び重量平均分子量の測定は、テトラヒドロフランを移動相とし、示差屈折計を検出器とするゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により行った。分子量の標準物質としては、単分散ポリスチレンを使用した。
(ガラス転移温度(Tg))
示差走査熱量計(DSC)を用いて昇温速度10℃/分で300℃まで昇温して10分間保持したサンプルを、降温速度10℃/分で25℃まで冷却して10分間保持した後、昇温速度10℃/分で300℃まで昇温して測定を行った。測定終了後は10℃/分で室温(25℃)まで冷却した。
示差走査熱量計(DSC)を用いて昇温速度10℃/分で300℃まで昇温して10分間保持したサンプルを、降温速度10℃/分で25℃まで冷却して10分間保持した後、昇温速度10℃/分で300℃まで昇温して測定を行った。測定終了後は10℃/分で室温(25℃)まで冷却した。
(屈折率nd及びアッベ数νd)
ポリマー2gを、200℃、10MPaの条件で5分間圧縮成形し、縦3cm×横3cm、厚さ0.5mmの成形板を作製した。得られた成形板を用いてプリズムカプラ(Model2010、メトリコン社製)で波長473nm、594nm、657nmでの屈折率を測定した。測定した値からC線(656.3nm)、d線(587.6nm)、F線(486.1nm)での屈折率を計算により算出した。それら3波長での屈折率の値を用いて、アッベ数νdを算出した。
ポリマー2gを、200℃、10MPaの条件で5分間圧縮成形し、縦3cm×横3cm、厚さ0.5mmの成形板を作製した。得られた成形板を用いてプリズムカプラ(Model2010、メトリコン社製)で波長473nm、594nm、657nmでの屈折率を測定した。測定した値からC線(656.3nm)、d線(587.6nm)、F線(486.1nm)での屈折率を計算により算出した。それら3波長での屈折率の値を用いて、アッベ数νdを算出した。
(レオロジーの測定)
ポリマーの溶融状態での粘度は、レオメーター(MCR302、アントンパール社製)を用いて、窒素雰囲気下、250℃、せん断速度0.1(1/s)で測定した。
ポリマーの溶融状態での粘度は、レオメーター(MCR302、アントンパール社製)を用いて、窒素雰囲気下、250℃、せん断速度0.1(1/s)で測定した。
<トリアジン環含有ポリマーの合成>
[実施例1]
500mL滴下ロートを備えた2Lの三口フラスコに、塩化シアヌル200g(1.08mol)、テトラヒドロフラン1Lを入れ、氷浴で0℃に冷却した。N−メチルアニリン116.23g(1.08mol)のテトラヒドロフラン300mL溶液を滴下ロートより120分かけて滴下した。滴下終了後、炭酸ナトリウム115gを溶解した水溶液300mLを添加し、30分撹拌した。上層のテトラヒドロフラン層を取り出し、溶媒を減圧留去することで、2−N−メチルアニリノ−4,6−ジクロロトリアジン263g(収率95%)を得た。
[実施例1]
500mL滴下ロートを備えた2Lの三口フラスコに、塩化シアヌル200g(1.08mol)、テトラヒドロフラン1Lを入れ、氷浴で0℃に冷却した。N−メチルアニリン116.23g(1.08mol)のテトラヒドロフラン300mL溶液を滴下ロートより120分かけて滴下した。滴下終了後、炭酸ナトリウム115gを溶解した水溶液300mLを添加し、30分撹拌した。上層のテトラヒドロフラン層を取り出し、溶媒を減圧留去することで、2−N−メチルアニリノ−4,6−ジクロロトリアジン263g(収率95%)を得た。
続いて、窒素導入管及び200mL滴下ロートを備えた1Lの三口フラスコに、2−N−メチルアニリノ−4,6−ジクロロトリアジン100g(392mmol)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)350mL、蒸留水50mLを入れ、氷浴で0℃に冷却した。一硫化水素ナトリウム(純度65%、和光純薬工業社製)103gを純水200mLに溶解させた溶液を滴下ロートより120分かけて滴下した。滴下終了後、オイルバスを用いて、反応溶液を90℃に昇温し、60分撹拌した。反応液を3Lの蒸留水に滴下して希釈した後、1Nの塩酸水溶液を添加することで、pHを3.0以下にし、固体を析出させた。濾過により固体を回収し、純水で洗浄することで、目的とする2−N−メチルアニリノ−1,3,5−トリアジン−4,6−ジチオール83.4g(収率85%)を得た。
2Lビーカーに2−N−メチルアニリノ−1,3,5−トリアジン−4,6−ジチオール102.1g(408mmol)を入れ、純水350mLを添加後、10M NaOH水溶液82mLを添加し、50℃に加熱した。α,α’−ジクロロ−p−キシレン70g(400mmol)をクロロホルム500mLに溶解後、前記水溶液に添加した。臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム7.43gを添加し、50℃で3時間激しく撹拌した。反応液をメタノール中に滴下し、沈殿させることで白色のトリアジン環含有ポリマー(2)を得た。得られたポリマーは数平均分子量45000、重量平均分子量90000であった。
[実施例2]
実施例1の重合反応において、α,α’−ジクロロ−p−キシレンの代わりに、4,4’−ビス(クロロメチル)ビフェニルを用いた以外は、実施例1と同様にして、目的とする白色のトリアジン環含有ポリマー(3)を得た。得られたポリマーは数平均分子量25000、重量平均分子量60000であった。
実施例1の重合反応において、α,α’−ジクロロ−p−キシレンの代わりに、4,4’−ビス(クロロメチル)ビフェニルを用いた以外は、実施例1と同様にして、目的とする白色のトリアジン環含有ポリマー(3)を得た。得られたポリマーは数平均分子量25000、重量平均分子量60000であった。
[比較例1]
実施例1の重合反応において、α,α’−ジクロロ−p−キシレンの代わりに、1,4−ジブロモブタンを用いた以外は、実施例1と同様にして、白色のトリアジン環含有ポリマー(4)を得た。得られたポリマーは数平均分子量20000、重量平均分子量52000であった。
実施例1の重合反応において、α,α’−ジクロロ−p−キシレンの代わりに、1,4−ジブロモブタンを用いた以外は、実施例1と同様にして、白色のトリアジン環含有ポリマー(4)を得た。得られたポリマーは数平均分子量20000、重量平均分子量52000であった。
[比較例2]
実施例1の重合反応において、2−N−メチルアニリノ−1,3,5−トリアジン−4,6−ジチオールの代わりに、2−ジブチルアミノ−1,3,5−トリアジン−4,6−ジチオールを用いた以外は、実施例1と同様にして、目的とする白色のトリアジン環含有ポリマー(5)を得た。得られたポリマーは数平均分子量50000、重量平均分子量120000であった。
実施例1の重合反応において、2−N−メチルアニリノ−1,3,5−トリアジン−4,6−ジチオールの代わりに、2−ジブチルアミノ−1,3,5−トリアジン−4,6−ジチオールを用いた以外は、実施例1と同様にして、目的とする白色のトリアジン環含有ポリマー(5)を得た。得られたポリマーは数平均分子量50000、重量平均分子量120000であった。
[比較例3]
実施例1の合成反応において、N−メチルアニリンの代わりにアニリンを用いた以外は、実施例1と同様にして、目的とする白色のトリアジン環含有ポリマー(6)を得た。得られたポリマーは数平均分子量40000、重量平均分子量78000、ガラス転移温度125℃であった。
実施例1の合成反応において、N−メチルアニリンの代わりにアニリンを用いた以外は、実施例1と同様にして、目的とする白色のトリアジン環含有ポリマー(6)を得た。得られたポリマーは数平均分子量40000、重量平均分子量78000、ガラス転移温度125℃であった。
[比較例4]
実施例1の合成反応において、N−メチルアニリンの代わりにジフェニルアミンを用いた以外は、実施例1と同様にして、目的とする白色のトリアジン環含有ポリマー(7)を得た。得られたポリマーは数平均分子量15000、重量平均分子量40000であり、テトラヒドロフラン(THF)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、クロロホルム等の溶媒に不溶であった。
実施例1の合成反応において、N−メチルアニリンの代わりにジフェニルアミンを用いた以外は、実施例1と同様にして、目的とする白色のトリアジン環含有ポリマー(7)を得た。得られたポリマーは数平均分子量15000、重量平均分子量40000であり、テトラヒドロフラン(THF)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、クロロホルム等の溶媒に不溶であった。
<評価1>
(ガラス転移温度(Tg))
実施例1及び2並びに比較例1及び2で得たトリアジン環含有ポリマーについて、上記測定方法にて、屈折率(nd、587.6nm)、アッベ数νd、ガラス転移温度、溶融状態の粘度を測定した。溶融状態の粘度は、100000Pa・s未満であるものを○とし、100000Pa・s以上であるものを×として評価した。結果を表1に示す。
(ガラス転移温度(Tg))
実施例1及び2並びに比較例1及び2で得たトリアジン環含有ポリマーについて、上記測定方法にて、屈折率(nd、587.6nm)、アッベ数νd、ガラス転移温度、溶融状態の粘度を測定した。溶融状態の粘度は、100000Pa・s未満であるものを○とし、100000Pa・s以上であるものを×として評価した。結果を表1に示す。
表1に示されるように、側鎖アミノ基が3級であり、修飾基としてフェニル基及びアルキル基を有すること、かつ、主鎖のリンカー構造に芳香族炭化水素基を1つ以上有することで、ガラス転移温度を80〜200℃の範囲内にすることが可能となる。
<評価2>
実施例1及び比較例3で得たトリアジン環含有ポリマーについて、上記測定方法にて、溶融状態での粘度を測定した。結果を図1に示す。
実施例1及び比較例3で得たトリアジン環含有ポリマーについて、上記測定方法にて、溶融状態での粘度を測定した。結果を図1に示す。
図1に示されるように、比較例3のトリアジン環含有ポリマー(6)は、溶融時の粘度が著しく高く、射出成形できないものであった。これは、側鎖のNH基が分子内及び分子間で水素結合を形成することによるものと考えられる。一方、側鎖アミノ基が3級であり、修飾基としてフェニル基及びアルキル基を有する実施例1のトリアジン環含有ポリマー(2)は、溶融時の粘度も低いことから射出成形に適したものであった。
<評価3>
実施例1で合成したポリマーと同じ分子構造を有するポリマーで、数平均分子量の異なるものを合成し、粘度及び射出成形性を評価した。射出成形性は、射出ノズル部の温度250℃で成形した際に、射出可能で、成形物が取り出せたものを「○」、射出成形が不可能であるか成形物が取り出せなかったものを「×」として評価した。結果を表2に示す。
実施例1で合成したポリマーと同じ分子構造を有するポリマーで、数平均分子量の異なるものを合成し、粘度及び射出成形性を評価した。射出成形性は、射出ノズル部の温度250℃で成形した際に、射出可能で、成形物が取り出せたものを「○」、射出成形が不可能であるか成形物が取り出せなかったものを「×」として評価した。結果を表2に示す。
表2に示されるように、数平均分子量が20000超50000以下であるトリアジン環含有ポリマーは、射出成形に適したものであった。
上記のように、本発明に係るトリアジン環含有ポリマーは、屈折率が高く、成形性に優れるため、スマートフォン用レンズ等の用途に特に適している。
Claims (6)
- 下記式(1):
で表される繰り返し単位を含み、
数平均分子量が20000超50000以下である、トリアジン環含有ポリマー。 - 前記R2はそれぞれ独立して下記に示される基:
- ガラス転移温度が100℃以上180℃以下である、請求項1又は2に記載のトリアジン環含有ポリマー。
- 前記式(1)中、R1はメチル基であり、R2はそれぞれ独立して下記に示される基:
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載のトリアジン環含有ポリマーを含む、熱可塑性成形品。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載のトリアジン環含有ポリマーを含む、光学部品。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018157557A JP2020029544A (ja) | 2018-08-24 | 2018-08-24 | トリアジン環含有ポリマー並びにこれを含む熱可塑性成形品及び光学部品 |
KR1020190072259A KR20200023173A (ko) | 2018-08-24 | 2019-06-18 | 트리아진 환 함유 폴리머 및 이를 포함하는 열가소성 성형품 및 광학 부품 |
US16/549,885 US11180612B2 (en) | 2018-08-24 | 2019-08-23 | Triazine ring-containing polymer, and thermoplastic article and optical component including the same |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018157557A JP2020029544A (ja) | 2018-08-24 | 2018-08-24 | トリアジン環含有ポリマー並びにこれを含む熱可塑性成形品及び光学部品 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020029544A true JP2020029544A (ja) | 2020-02-27 |
Family
ID=69623884
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018157557A Pending JP2020029544A (ja) | 2018-08-24 | 2018-08-24 | トリアジン環含有ポリマー並びにこれを含む熱可塑性成形品及び光学部品 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2020029544A (ja) |
KR (1) | KR20200023173A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020029542A (ja) * | 2018-08-24 | 2020-02-27 | 三星電子株式会社Samsung Electronics Co.,Ltd. | 有機無機複合組成物、ならびにこれを含む成形品および光学部品 |
JP2020186303A (ja) * | 2019-05-13 | 2020-11-19 | 株式会社サムスン日本研究所 | トリアジン環含有ポリマーならびにこれを含む熱可塑性成形品および光学部品 |
US11851529B2 (en) | 2019-05-13 | 2023-12-26 | Samsung Electronics Co., Ltd. | Triazine ring-containing polymer, and thermoplastic article and optical part including same |
JP7418244B2 (ja) | 2020-02-28 | 2024-01-19 | 三星電子株式会社 | トリアジン環含有ポリマーならびにこれを含む熱可塑性成形品、射出成形品および光学部品 |
-
2018
- 2018-08-24 JP JP2018157557A patent/JP2020029544A/ja active Pending
-
2019
- 2019-06-18 KR KR1020190072259A patent/KR20200023173A/ko not_active Application Discontinuation
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020029542A (ja) * | 2018-08-24 | 2020-02-27 | 三星電子株式会社Samsung Electronics Co.,Ltd. | 有機無機複合組成物、ならびにこれを含む成形品および光学部品 |
JP7191590B2 (ja) | 2018-08-24 | 2022-12-19 | 三星電子株式会社 | 有機無機複合組成物、ならびにこれを含む成形品および光学部品 |
JP2020186303A (ja) * | 2019-05-13 | 2020-11-19 | 株式会社サムスン日本研究所 | トリアジン環含有ポリマーならびにこれを含む熱可塑性成形品および光学部品 |
US11851529B2 (en) | 2019-05-13 | 2023-12-26 | Samsung Electronics Co., Ltd. | Triazine ring-containing polymer, and thermoplastic article and optical part including same |
JP7470340B2 (ja) | 2019-05-13 | 2024-04-18 | 三星電子株式会社 | トリアジン環含有ポリマーならびにこれを含む熱可塑性成形品および光学部品 |
JP7418244B2 (ja) | 2020-02-28 | 2024-01-19 | 三星電子株式会社 | トリアジン環含有ポリマーならびにこれを含む熱可塑性成形品、射出成形品および光学部品 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
KR20200023173A (ko) | 2020-03-04 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2020029544A (ja) | トリアジン環含有ポリマー並びにこれを含む熱可塑性成形品及び光学部品 | |
JP6429267B2 (ja) | 重合体 | |
US11932729B2 (en) | Polybenzimidazole, precursor polyamide thereof, and method for producing same | |
JP6976694B2 (ja) | 有機無機複合組成物、ならびにこれを含む成形品および光学部品 | |
JP2015209511A (ja) | 重合体組成物、重合体ペレット、成形体及びフィルム | |
US11312840B2 (en) | Organic-inorganic hybrid composition, and article and optical component including the same | |
US11180612B2 (en) | Triazine ring-containing polymer, and thermoplastic article and optical component including the same | |
US11851529B2 (en) | Triazine ring-containing polymer, and thermoplastic article and optical part including same | |
JP7470340B2 (ja) | トリアジン環含有ポリマーならびにこれを含む熱可塑性成形品および光学部品 | |
Suzuki et al. | Synthesis of High Refractive Index Poly (thioether sulfone) s With High Abbe's Number Derived from 2, 5-is (sulfanylmethyl)-l, 4-dithiane | |
CN104781306B (zh) | 聚缩甲醛树脂共聚物及制造方法 | |
JP2007308693A (ja) | 高屈折率線状重合体及びその製造方法 | |
WO2002072670A1 (fr) | Elements optiques et (co)polymere poly(thio)ester contenant du soufre | |
US11827750B2 (en) | Triazine ring-containing polymer, and thermoplastic resin, article, and optical part including same | |
JP2020186304A (ja) | トリアジン環含有ポリマー、並びにこれを含む熱可塑性樹脂および光学部品 | |
JP7418244B2 (ja) | トリアジン環含有ポリマーならびにこれを含む熱可塑性成形品、射出成形品および光学部品 | |
JP4905991B2 (ja) | 高アッベ数を有する高屈折率材料 | |
JP5429930B2 (ja) | 高アッベ数及び優れた耐熱性を有する高屈折率材料 | |
JP7486308B2 (ja) | トリアジン環含有ポリマーならびにこれを含む熱可塑性成形品および光学部品 | |
JP2020090585A (ja) | フェニルセレノ基含有ポリマー並びにこれを含む熱可塑性成形品及び光学部品 | |
US11814482B2 (en) | Triazine ring-containing polymer, and thermoplastic article and optical part including same | |
KR20200131755A (ko) | 트리아진 고리를 함유하는 폴리머 및 이를 포함하는 열가소성 성형품 및 광학 부품 | |
KR102323832B1 (ko) | 이소소르비드를 포함하는 가교된 폴리글루타르이미드 및 이의 제조방법 | |
JP2005041950A (ja) | 溶融可能な含フッ素ポリアリールエーテル並びにその成形物及び成形方法 | |
JP2011032428A (ja) | 包接化合物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20180925 |
|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711 Effective date: 20210322 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20210322 |