JP2012069411A - 太陽電池用電極フィルムおよびそれを用いた色素増感型太陽電池 - Google Patents

太陽電池用電極フィルムおよびそれを用いた色素増感型太陽電池 Download PDF

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Abstract

【課題】光透過性、耐熱性および力学的強度に優れた太陽電池用電極フィルムおよびそれを用いた色素増感型太陽電池を提供すること。
【解決手段】基材と導電層と半導体層とがこの順で積層されてなる太陽電池用電極フィルムであって、該基材が示差走査熱量測定(DSC、昇温速度20℃/分)によるガラス転移温度(Tg)が230〜350℃である芳香族ポリエーテル系重合体を含む、太陽電池用電極フィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は、太陽電池用電極用フィルムおよびそれを用いた色素増感型太陽電池に関する。
太陽光発電は単結晶シリコン太陽電池、多結晶シリコン太陽電池、アモルファスシリコン太陽電池、テルル化カドミウムやセレン化インジウム銅等の化合物太陽電池が実用化もしくは主な研究開発の対象となっているが、普及させる上で製造コスト、原材料確保、エネルギーペイバックタイムが長い等の問題点を克服する必要がある。一方、大面積化や低価格化を指向した有機材料を用いた太陽電池もこれまでにも多く提案されているが、変換効率が低く、耐久性も悪いという問題があった。
こうした状況の中で、色素によって増感された半導体微粒子を用いた色素増感型太陽電池は、有機系太陽電池の中で高変換効率を示すため、広く注目されている。
一方で、フィルム型の色素増感型太陽電池の研究も行われており、基材としてはPEN(ポリエチレンナフタレート)フィルム等のポリエステルフィルムなど(特許文献1)が知られている。
特開2005−340063号公報
しかしながら、これらのプラスチックフィルムは、耐熱性に劣っていた。そのため、該フィルム上に導電層および半導体層を成膜することが困難であった。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので、光透過性、耐熱性および力学的強度に優れた太陽電池用電極フィルムおよびそれを用いた色素増感型太陽電池を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定のガラス転移温度を有する芳香族ポリエーテル系重合体を含む基材から得られる太陽電池用電極フィルムが上記課題を解決することができることを見出し本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[9]を提供するものである。
[1] 基材と導電層と半導体層とがこの順で積層されてなる太陽電池用電極フィルムであって、
該基材が示差走査熱量測定(DSC、昇温速度20℃/分)によるガラス転移温度(Tg)が230〜350℃である芳香族ポリエーテル系重合体を含む、太陽電池用電極フィルム。
[2] 前記芳香族系ポリエーテル系重合体が、下記式(1)で表わされる構造単位および下記式(2)で表わされる構造単位からなる群より選ばれる少なくとも一つの構造単位(i)を有する、前記[1]に記載の太陽電池用電極フィルム。
Figure 2012069411
(式(1)中、R1〜R4は、それぞれ独立に炭素数1〜12の1価の有機基を示し、a〜dは、それぞれ0〜4の整数を示す。)
Figure 2012069411
(式(2)中、R1〜R4およびa〜dは、それぞれ前記式(1)中のR1〜R4およびa〜dと同義であり、Yは単結合、−SO2−または>C=Oを示し、R7およびR8は、それぞれ独立にハロゲン原子、炭素数1〜12の1価の有機基またはニトロ基を示し、gおよびhは、それぞれ0〜4の整数を示し、mは0または1を示す。但し、mが0の時、R7はシアノ基ではない。)
[3] 前記芳香族ポリエーテル系重合体が、さらに、下記式(3)で表わされる構造単位および下記式(4)で表わされる構造単位からなる群より選ばれる少なくとも一つの構造単位(ii)を有する、前記[1]または[2]に記載の太陽電池用電極フィルム。
Figure 2012069411
(式(3)中、R5およびR6は、それぞれ独立に炭素数1〜12の1価の有機基を示し、Zは、単結合、−O−、−S−、−SO2−、>C=O、−CONH−、−COO−または炭素数1〜12の2価の有機基を示し、eおよびfは、それぞれ0〜4の整数を示し、nは0または1を示す。)
Figure 2012069411
(式(4)中、R7、R8、Y、m、gおよびhは、それぞれ前記式(2)中のR7、R8、Y、m、gおよびhと同義であり、R5、R6、Z、n、eおよびfは、それぞれ前記式(3)中のR5、R6、Z、n、eおよびfと同義である。)
[4] 前記芳香族ポリエーテル系重合体において、上記構造単位(i)と、上記構造単位(ii)とのモル比が50:50〜100:0である、前記[1]〜[3]のいずれかに記載の太陽電池用電極フィルム。
[5] 前記芳香族ポリエーテル系重合体のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の重量平均分子量が5,000〜500,000である、前記[1]〜[4]のいずれかに記載の太陽電池用電極フィルム。
[6] 前記基材の厚み30μmにおけるJIS K7105透明度試験法による全光線透過率が85%以上である、前記[1]〜[5]のいずれかに記載の太陽電池用電極フィルム。
[7] 前記基材の厚み30μmにおけるYI値(イエローインデックス)が3.0以下である、前記[1]〜[6]のいずれかに記載の太陽電池用電極フィルム。
[8] 色素増感型太陽電池用である、前記[1]〜[7]のいずれかに記載の太陽電池用電極フィルム。
[9]前記[8]に記載の太陽電池用電極フィルムを有する色素増感型太陽電池。
本発明によれば、光透過性、耐熱性および力学的強度に優れる太陽電池用電極フィルムおよび色素増感型太陽電池を提供することができる。
図1は、色素増感型太陽電池の概略断面図の一例を示す。
≪太陽電池用電極フィルム≫
本発明の太陽電池用電極フィルムは、基材と導電層と半導体層とがこの順に積層されてなり、該基材は示差走査熱量測定(DSC、昇温速度20℃/分)によるガラス転移温度(Tg)が230〜350℃である芳香族ポリエーテル系重合体を含む。
上記芳香族ポリエーテル系重合体のガラス転移温度は、好ましくは240〜330℃であり、さらに好ましくは250〜300℃である。なお、「230〜350℃」は、「230℃以上350℃以下」を示す。本発明における同様の記載は同様の意味を示す。
このような芳香族ポリエーテル系重合体を含んでなる基材は、光透過性、耐熱性、耐熱着色性および力学的強度にバランスよく優れるため、太陽電池用電極フィルムに好適に用いられる。また、該基材は、その少なくとも一方の面に導電層および半導体層を形成する際の加熱や熱処理を高温で行うことができるため、光学特性および導電性に優れる太陽電池用電極フィルムを得ることができる。
本発明の太陽電池用電極フィルムは、特に強い光を吸収する場合でも、その光の吸収によるフィルムの温度上昇による損傷や光学特性の劣化が少ない。
なお、本発明において、「耐熱着色性」とは、大気中、高温(230℃)で1時間程度熱処理した際の着色のしにくさをいう。
前記芳香族ポリエーテル系重合体は、主鎖にエーテル結合を形成する反応により得られる重合体であり、下記式(1)で表わされる構造単位(以下「構造単位(1)」ともいう。)および下記式(2)で表わされる構造単位(以下「構造単位(2)」ともいう。)からなる群より選ばれる少なくとも一つの構造単位(i)を有する重合体(以下「重合体(I)」ともいう。)であることが好ましい。重合体が構造単位(i)を有することで、ガラス転移温度が230〜350℃である芳香族ポリエーテルとなる。このような重合体を含む基材は、太陽電池用電極フィルムの製造時および長期の使用環境下で、無色透明性が維持される。
Figure 2012069411
前記式(1)中、R1〜R4は、それぞれ独立に炭素数1〜12の1価の有機基を示し、a〜dは、それぞれ独立に0〜4の整数を示す。
炭素数1〜12の1価の有機基としては、炭素数1〜12の1価の炭化水素基、ならびに酸素原子および窒素原子からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子を含む炭素数1〜12の1価の炭化水素基等を挙げることができる。
炭素数1〜12の1価の炭化水素基としては、炭素数1〜12の直鎖または分岐鎖の炭化水素基、炭素数3〜12の脂環式炭化水素基および炭素数6〜12の芳香族炭化水素基等が挙げられる。
前記炭素数1〜12の直鎖または分岐鎖の炭化水素基としては、炭素数1〜8の直鎖または分岐鎖の炭化水素基が好ましく、炭素数1〜5の直鎖または分岐鎖の炭化水素基がより好ましい。
前記直鎖または分岐鎖の炭化水素基の好適な具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基およびn−ヘプチル基等が挙げられる。
前記炭素数3〜12の脂環式炭化水素基としては、炭素数3〜8の脂環式炭化水素基が好ましく、炭素数3または4の脂環式炭化水素基がより好ましい。
炭素数3〜12の脂環式炭化水素基の好適な具体例としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基およびシクロへキシル基等のシクロアルキル基;シクロブテニル基、シクロペンテニル基およびシクロヘキセニル基等のシクロアルケニル基が挙げられる。当該脂環式炭化水素基の結合部位は、脂環上のいずれの炭素でもよい。
前記炭素数6〜12の芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ビフェニル基およびナフチル基等が挙げられる。当該芳香族炭化水素基の結合部位は、芳香族環上のいずれの炭素でもよい。
酸素原子を含む炭素数1〜12の炭化水素基としては、エーテル結合、カルボニル基およびエステル基を有する炭素数1〜12の炭化水素基等を挙げることができる。
エーテル結合を有する炭素数1〜12の炭化水素基としては、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数2〜12のアルケニルオキシ基、炭素数2〜12のアルキニルオキシ基、炭素数6〜12のアリールオキシ基および炭素数1〜12のアルコキシアルキル基などを挙げることができる。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基、フェノキシ基、プロペニルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基およびメトキシメチル基等が挙げられる。
また、カルボニル基を有する炭素数1〜12の炭化水素基としては、炭素数2〜12のアシル基等を挙げることができる。具体的には、アセチル基、プロピオニル基、イソプロピオニル基およびベンゾイル基等が挙げられる。
エステル基を有する炭素数1〜12の炭化水素基としては、炭素数2〜12のアシルオキシ基等が挙げられる。具体的には、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、イソプロピオニルオキシ基およびベンゾイルオキシ基等が挙げられる。
窒素原子を含む炭素数1〜12の炭化水素基としては、イミダゾール基、トリアゾール基、ベンズイミダゾール基およびベンズトリアゾール基等が挙げられる。
酸素原子および窒素原子を含む炭素数1〜12の炭化水素基としては、具体的には、オキサゾール基、オキサジアゾール基、ベンズオキサゾール基およびベンズオキサジアゾール基等が挙げられる。
Figure 2012069411
前記式(2)中、R1〜R4およびa〜dは、それぞれ前記式(1)中のR1〜R4およびa〜dと同義であり、Yは単結合、−SO2−または>C=Oを示し、R7およびR8は、それぞれ独立にハロゲン原子、炭素数1〜12の1価の有機基またはニトロ基を示し、gおよびhは、それぞれ0〜4の整数を示し、mは0または1を示す。但し、mが0の時、R7はシアノ基ではない。
炭素数1〜12の1価の有機基としては、前記と同様の官能基等を挙げることができる。
前記重合体(I)は、上記構造単位(1)と上記構造単位(2)とのモル比(但し、両者(構造単位(1)+構造単位(2))の合計は100である。)が、光学特性、耐熱性および力学的特性の観点から構造単位(1):構造単位(2)=50:50〜100:0であることが好ましく、構造単位(1):構造単位(2)=70:30〜100:0であることがより好ましく、構造単位(1):構造単位(2)=80:20〜100:0であることがさらに好ましい。
ここで、力学的特性とは、重合体の引張強度、破断伸びおよび引張弾性率等の性質のことをいう。
また、前記重合体(I)は、さらに、下記式(3)で表わされる構造単位、および下記式(4)で表わされる構造単位からなる群より選ばれる少なくとも一つの構造単位(ii)を有してもよい。前記重合体(I)がこのような構造単位(ii)を有すると、該重合体(I)を有する基材の力学的特性が向上するため好ましい。
Figure 2012069411
前記式(3)中、R5およびR6は、それぞれ独立に炭素数1〜12の1価の有機基を示し、Zは、単結合、−O−、−S−、−SO2−、>C=O、−CONH−、−COO−または炭素数1〜12の2価の有機基を示し、eおよびfは、それぞれ0〜4の整数を示し、nは0または1を示す。
炭素数1〜12の1価の有機基としては、前記と同様の官能基等を挙げることができる。
炭素数1〜12の2価の有機基としては、炭素数1〜12の2価の炭化水素基、炭素数1〜12の2価のハロゲン化炭化水素基、酸素原子および窒素原子からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子を含む炭素数3〜12の2価の炭化水素基、ならびに酸素原子および窒素原子からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子を含む炭素数3〜12の2価のハロゲン化炭化水素基等を挙げることができる。
炭素数1〜12の2価の炭化水素基としては、炭素数1〜12の直鎖または分岐鎖の2価の炭化水素基、炭素数3〜12の2価の脂環式炭化水素基および炭素数6〜12の2価の芳香族炭化水素基等が挙げられる。
炭素数1〜12の直鎖または分岐鎖の2価の炭化水素基としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、イソプロピリデン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基およびヘプタメチレン基等が挙げられる。
炭素数3〜12の2価の脂環式炭化水素基としては、シクロプロピレン基、シクロブチレン基、シクロペンチレン基およびシクロへキシレン基等のシクロアルキレン基;シクロブテニレン基、シクロペンテニレン基およびシクロヘキセニレン基等のシクロアルケニレン基などが挙げられる。
炭素数6〜12の2価の芳香族炭化水素基としては、フェニレン基、ナフチレン基およびビフェニレン基等が挙げられる。
炭素数1〜12の2価のハロゲン化炭化水素基としては、炭素数1〜12の直鎖または分岐鎖の2価のハロゲン化炭化水素基、炭素数3〜12の2価のハロゲン化脂環式炭化水素基および炭素数6〜12の2価のハロゲン化芳香族炭化水素基等が挙げられる。
炭素数1〜12の直鎖または分岐鎖の2価のハロゲン化炭化水素基としては、ジフロオロメチレン基、ジクロロメチレン基、テトラフルオロエチレン基、テトラクロロエチレン基、ヘキサフルオロトリメチレン基、ヘキサクロロトリメチレン基、ヘキサフルオロイソプロピリデン基およびヘキサクロロイソプロピリデン基等が挙げられる。
炭素数3〜12の2価のハロゲン化脂環式炭化水素基としては、前記炭素数3〜12の2価の脂環式炭化水素基において例示した基の少なくとも一部の水素原子がフッ素原子、塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子で置換された基等が挙げられる。
炭素数6〜12の2価のハロゲン化芳香族炭化水素基としては、前記炭素数6〜12の2価の芳香族炭化水素基において例示した基の少なくとも一部の水素原子がフッ素原子、塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子で置換された基等が挙げられる。
酸素原子および窒素原子からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子を含む炭素数1〜12の炭化水素基としては、エーテル結合、カルボニル基、エステル基およびアミド基を有する炭素数1〜12の2価の炭化水素基等が挙げられる。
酸素原子および窒素原子からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子を含む炭素数1〜12の2価のハロゲン化炭化水素基としては、具体的には、酸素原子および窒素原子からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子を含む炭素数1〜12の2価の炭化水素基において例示した基の少なくとも一部の水素原子がフッ素原子、塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子で置換された基等が挙げられる。
Figure 2012069411
前記式(4)中、R7、R8、Y、m、gおよびhは、それぞれ前記式(2)中のR7、R8、Y、m、gおよびhと同義であり、R5、R6、Z、n、eおよびfは、それぞれ前記式(3)中のR5、R6、Z、n、eおよびfと同義である。なお、mが0の時、R7はシアノ基ではない。
前記重合体(I)は、前記構造単位(i)と前記構造単位(ii)とのモル比(但し、両者((i)+(ii))の合計は100である。)が、光学特性、耐熱性および力学的特性の観点から(i):(ii)=50:50〜100:0であることが好ましく、(i):(ii)=70:30〜100:0であることがより好ましく、(i):(ii)=80:20〜100:0であることがさらに好ましい。
ここで、力学的特性とは、重合体の引張強度、破断伸びおよび引張弾性率等の性質のことをいう。
前記重合体(I)は、光学特性、耐熱性および力学的特性の観点から前記構造単位(i)および前記構造単位(ii)を全構造単位中70モル%以上含むことが好ましく、全構造単位中95モル%以上含むことがより好ましい。
前記重合体(I)は、例えば、下記式(5)で表わされる化合物(以下「化合物(5)」ともいう。)および下記式(7)で表わされる化合物(以下「化合物(7)」ともいう。)からなる群より選ばれる少なくとも一つの化合物を含む成分(以下「(A)成分」ともいう。)と、下記式(6)で表わされる化合物を含む成分(以下「(B)成分」ともいう。)とを、反応させることにより得ることができる。
Figure 2012069411
前記式(5)中、Xは独立してハロゲン原子を示す。
Figure 2012069411
前記式(7)中、R7、R8、Y、m、gおよびhは、それぞれ前記式(2)中のR7、R8、Y、m、gおよびhと同義であり、Xは、前記式(5)中のXと同義である。但し、mが0の時、R7はシアノ基ではない。
Figure 2012069411
前記式(6)中、Raは、それぞれ独立に水素原子、メチル基、エチル基、アセチル基、メタンスルホニル基またはトリフルオロメチルスルホニル基を示し、この中でも水素原子が好ましい。なお、式(6)中、R1〜R4およびa〜dは、それぞれ独立に前記式(1)中のR1〜R4およびa〜dと同義である。
上記化合物(5)としては、具体的には、2,6−ジフルオロベンゾニトリル、2,5−ジフルオロベンゾニトリル、2,4−ジフルオロベンゾニトリル、2,6−ジクロロベンゾニトリル、2,5−ジクロロベンゾニトリル、2,4−ジクロロベンゾニトリルおよびその反応性誘導体を挙げることができる。特に、反応性および経済性等の観点から、2,6−ジフルオロベンゾニトリル、および2,6−ジクロロベンゾニトリルが好適に用いられる。これらの化合物は2種以上を組み合わせて用いることも可能である。
上記式(6)で表わされる化合物(以下「化合物(6)」ともいう。)としては、具体的には、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3,5−ジフェニル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−シクロヘキシルフェニル)フルオレン、および、その反応性誘導体等が挙げられる。上述の化合物の中でも、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンおよび9,9−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレンが好適に用いられる。これらの化合物は2種以上を組み合わせて用いることも可能である。
上記化合物(7)としては、具体的には、4,4’−ジフルオロベンゾフェノン、4,4’−ジフルオロジフェニルスルホン、2,4’−ジフルオロベンゾフェノン、2,4’−ジフルオロジフェニルスルホン、2,2’−ジフルオロベンゾフェノン、2,2’−ジフルオロジフェニルスルホン、3,3’−ジニトロ−4,4’−ジフルオロベンゾフェノン、3,3’−ジニトロ−4,4’−ジフルオロジフェニルスルホン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ジクロロジフェニルスルホン、2,4’−ジクロロベンゾフェノン、2,4’−ジクロロジフェニルスルホン、2,2’−ジクロロベンゾフェノン、2,2’−ジクロロジフェニルスルホン、3,3’−ジニトロ−4,4’−ジクロロベンゾフェノン、および3,3’−ジニトロ−4,4’−ジクロロジフェニルスルホン等を挙げることができる。これらの化合物は2種以上を組み合わせて用いることも可能である。
化合物(5)および化合物(7)からなる群より選ばれる少なくとも一つの化合物は、(A)成分100モル%中に、80モル%〜100モル%含まれていること好ましく、90モル%〜100モル%含まれていることがより好ましい。
また、(B)成分は、必要に応じて下記式(8)で表わされる化合物を含むことが好ましい。化合物(6)は、(B)成分100モル%中に、80モル%〜100モル%含まれていることが好ましく、90モル%〜100モル%含まれていることがより好ましい。
Figure 2012069411
前記式(8)中、R5、R6、Z、n、eおよびfは、それぞれ前記式(3)中のR5、R6、Z、n、eおよびfと同義であり、Raは、前記式(6)中のRaと同義である。
前記式(8)で表わされる化合物としては、ヒドロキノン、レゾルシノール、2−フェニルヒドロキノン、4,4’−ビフェノール、3,3’−ビフェノール、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,3’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、3,3’−ジヒドロキシベンゾフェノン、1,1’−ビ−2−ナフトール、1,1’−ビ−4−ナフトール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパンおよびその反応性誘導体等が挙げられる。これらの化合物は2種以上を組み合わせて用いることも可能である。
上述の化合物の中でも、反応性および力学的特性の観点から、4,4’−ビフェノールが好適に用いられる。
前記重合体(I)は、より具体的には、以下に示す方法(I')で合成することができる。
(B)成分に含まれる化合物(6)を有機溶媒中でアルカリ金属化合物と反応させて、化合物(6)のアルカリ金属塩を得た後に、得られたアルカリ金属塩と、(A)成分に含まれる化合物(5)および/または化合物(7)とを反応させる。なお、化合物(6)とアルカリ金属化合物との反応を化合物(5)および/または化合物(7)の存在下で行うことで、化合物(6)のアルカリ金属塩と化合物(5)および/または化合物(7)とを反応させることもできる。
反応に使用するアルカリ金属化合物としては、リチウム、カリウムおよびナトリウム等のアルカリ金属;水素化リチウム、水素化カリウムおよび水素化ナトリウム等の水素化アルカリ金属;水酸化リチウム、水酸化カリウムおよび水酸化ナトリウム等の水酸化アルカリ金属;炭酸水素リチウム、炭酸水素カリウムおよび炭酸水素ナトリウム等のアルカリ金属炭酸塩などを挙げることができる。これらは、1種または2種以上を組み合わせて用いることも可能である。
アルカリ金属化合物の使用量は、前記式(6)中の1つの−O−Raに対し通常1〜3倍当量であり、好ましくは1.1〜2倍当量であり、さらに好ましくは1.2〜1.5倍当量である。
また、反応に使用する有機溶媒としては、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、γ−ブチルラクトン、スルホラン、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、ジイソプロピルスルホン、ジフェニルスルホン、ジフェニルエーテル、ベンゾフェノン、ジアルコキシベンゼン(アルコキシ基の炭素数1〜4)およびトリアルコキシベンゼン(アルコキシ基の炭素数1〜4)などを使用することができる。これらの溶媒の中でも、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、スルホラン、ジフェニルスルホンおよびジメチルスルホキシド等の誘電率の高い極性有機溶媒が特に好適に用いられる。
さらに、前記反応の際には、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサン、オクタン、クロロベンゼン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アニソールおよびフェネトールなどの水と共沸する溶媒をさらに用いることもできる。
(A)成分と(B)成分の使用割合は、(A)成分と(B)成分の合計を100モル%とした場合に、(A)成分が好ましくは45モル%以上55モル%以下、より好ましくは50モル%以上52モル%以下、さらに好ましくは50モル%を超えて52モル%以下であり、(B)成分が好ましくは45モル%以上55モル%以下、より好ましくは48モル%以上50モル%以下であり、さらに好ましくは48モル%以上50モル%未満である。
また、反応温度は、好ましくは60℃〜250℃、より好ましくは80℃〜200℃の範囲である。反応時間は、好ましくは15分〜100時間、より好ましくは1時間〜24時間の範囲である。
前記芳香族ポリエーテル系重合体は、TOSOH製HLC−8220型GPC装置(カラム:TSKgelα―M、展開溶剤:テトラヒドロフラン(以下「THF」ともいう。))で測定した、ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が、好ましくは5,000〜500,000、より好ましくは15,000〜400,000、さらに好ましくは30,000〜300,000である。
前記芳香族ポリエーテル系重合体は、熱重量分析法:TGAで測定した熱分解温度が、好ましくは450℃以上、より好ましくは475℃以上、さらに好ましくは490℃以上である。
本発明の太陽電池用電極フィルムに用いられる基材の製造方法としては、特に制限されないが、前記芳香族ポリエーテル系重合体を含む樹脂組成物を基板上に塗布して塗膜を形成し、次いで該塗膜から有機溶媒を除去する方法が挙げられる。
前記樹脂組成物としては、前記の方法(I')で得られた重合体(I)と有機溶媒との混合物をそのまま使用することができる。このような樹脂組成物を用いることで、容易に、安価に基材を製造することができる。
また、前記樹脂組成物は、前記の方法で得られた重合体(I)と有機溶媒との混合物から、重合体(I)を固体分として単離(精製)した後、有機溶媒に再溶解して樹脂組成物を調製することもできる。
前記重合体(I)を固体分として単離(精製)する方法は、例えば、メタノール等の重合体の貧溶媒に重合体を再沈殿させ、その後ろ過し、次いで減圧乾燥すること等により行うことができる。また、前記重合体(I)を溶解する有機溶媒としては、例えば、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンおよびγ−ブチロラクトンが好適に用いられ、塗工性、経済性の観点から、好ましくは、塩化メチレン、N,N−ジメチルアセトアミドおよびN−メチルピロリドンが好適に使用される。これらの溶媒は、1種単独であるいは2種以上を併用することができる。
前記重合体を溶解させた樹脂組成物中の重合体濃度は、重合体の分子量にもよるが、通常、5〜40重量%、好ましくは7〜25重量%である。5重量%未満では、厚膜化し難く、また、ピンホールが生成しやすい恐れがある。一方、40重量%を超えると、樹脂組成物の粘度が高すぎてフィルム化し難く、また、表面平滑性に欠けることがある。
なお、樹脂組成物の粘度は、重合体の分子量や濃度にもよるが、通常、2,000〜100,000mPa・s、好ましくは3,000〜50,000mPa・sである。2,000mPa・s未満では、成膜中の樹脂組成物の滞留性が悪く、基板から流れ落ちてしまうことがある。一方、100,000mPa・sを超えると、粘度が高過ぎて、膜厚の調整が困難となり、基材の成形が困難となることがある。
また、樹脂組成物にはさらに老化防止剤を含有させることができ、老化防止剤を含有することで、得られる基材の耐久性をより向上させることができる。
老化防止剤としては、好ましくは分子量500以上のヒンダードフェノール系化合物を挙げることができる。
本発明で使用することのできる分子量500以上のヒンダードフェノール系化合物としては、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルアニリノ)−3,5−トリアジン、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,1,3−トリス[2−メチル−4−[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]−5−tert−ブチルフェニル]ブタン、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、N,N−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイト、および、3,9−ビス[2−〔3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンなどを挙げることができる。
本発明において、前記芳香族ポリエーテル系重合体100重量部に対して分子量500以上のヒンダードフェノール系化合物は0.01〜10重量部の量で使用することが好ましい。
前記樹脂組成物を基板上に塗布して塗膜を形成する方法としては、ロールコート法、グラビアコート法、スピンコート法およびドクターブレードを用いる方法等が挙げられる。塗膜の厚さは、特に限定されないが、例えば1〜250μmであり、好ましくは2〜150μmであり、より好ましくは5〜125μmである。前記基板としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムおよびSUS板などが挙げられる。
また、塗膜から前記有機溶媒を除去する方法としては、特に制限されないが、例えば、塗膜を加熱する方法が挙げられる。塗膜を加熱することにより、該塗膜中の有機溶媒を蒸発させて除去することができる。前記加熱の条件は、有機溶媒が蒸発すればよく、基板や重合体に応じて適宜決めればよいが、例えば加熱温度が30℃〜300℃であることが好ましく、40℃〜250℃であることがより好ましく、50℃〜230℃であることがさらに好ましい。
また、加熱時間としては、10分〜5時間であることが好ましい。なお、加熱は二段階で行ってもよい。具体的には、30〜80℃の温度で10分〜2時間乾燥後、100℃〜250℃でさらに10分〜2時間加熱するなどである。また、必要に応じて、窒素雰囲気下、もしくは減圧下にて乾燥を行ってもよい。
得られた基材は、基板から剥離して用いることができるし、あるいは剥離せずにそのまま用いることもできる。
前記基材の厚みは、所望の用途に応じて適宜選択されるが、好ましくは1〜250μm、より好ましくは2〜150μm、さらに好ましくは、10〜125μmである。
基材の透明性および太陽電池用電極フィルムの軽量化等を考慮すると、基材の膜厚は薄いことが好ましい。
また、前記基材は、Rigaku社製8230型DSC測定装置(昇温速度20℃/分)によるガラス転移温度(Tg)が、230〜350℃であることが好ましく、240〜330℃であることがより好ましく、250〜300℃であることがさらに好ましい。前記基材が、このようなガラス転移温度を有すると、該基材に導電層および半導体層を形成する際の加熱や熱処理を高温で行うことができるため、特に光学特性および導電性に優れる太陽電池用電極フィルムを容易に製造することができる。
また、前記基材は、厚みが30μmである場合に、JIS K7105透明度試験法における全光線透過率が、85%以上であることが好ましく、88%以上であることがより好ましい。全光線透過率は、ヘイズメーターSC−3H(スガ試験機社製)を用いて測定することができる。
前記基材は、厚みが30μmである場合に、波長400nmにおける光線透過率が、好ましくは70%以上であり、より好ましくは75%以上であり、さらに好ましくは80%以上である。波長400nmにおける光線透過率は、紫外・可視分光光度計V−570(JASCO社製)を用いて測定することができる。
前記基材の透過率がこのような範囲にあることで、特に高い透明性を示す。このため、太陽電池用電極フィルムに好適に用いることができる。
前記基材は、厚みが30μmである場合に、YI値(イエローインデックス)が、3.0以下であることが好ましく、2.5以下であることがより好ましく、2.0以下であることがさらに好ましい。YI値は、スガ試験社製SM−T型色彩測定器を用いて測定することができる。YI値がこのような範囲にあることで、着色のしにくい基材を得ることができ、太陽電池用電極フィルムに好適に用いることができる。
また、前記基材は、厚みが30μmである場合に、熱風乾燥機にて大気中230℃で1時間の加熱を行った後のYI値が3.0以下であることが好ましく、2.5以下であることがより好ましく、2.0以下であることがさらに好ましい。YI値がこのような範囲にあることで、高温下でも着色のしにくい基材を得ることができ、光学特性に優れる太陽電池用電極フィルムを得ることができる。
前記基材は、波長633nmの光に対して、好ましくは1.55〜1.75、より好ましくは1.60〜1.70の屈折率を有する。屈折率は、ヘイズメーターSC−3H(スガ試験機社製)を用いて測定することができる。
前記基材は、引張強度が、50〜200MPaであることが好ましく、80〜150MPaであることがより好ましい。引張強度は、引張試験機5543(INSTRON社製)を用いて測定することができる。
前記基材は、破断伸びが、5〜100%であることが好ましく15〜100%であることがより好ましい。破断伸びは、引張試験機5543(INSTRON社製)を用いて測定することができる。
前記基材は、引張弾性率が、2.5〜4.0GPaであることが好ましく、2.7〜3.7GPaであることがより好ましい。引張弾性率は、引張試験機5543(INSTRON社製)を用いて測定することができる。
前記基材は、Seiko Instruments社製SSC−5200型TMA測定装置を用いて測定した線膨張係数が、好ましくは80ppm/K以下、より好ましくは75ppm/K以下である。
前記基材は、湿度膨張係数が、15ppm/K以下であることが好ましく、12ppm/K以下であることがより好ましい。湿度膨張係数は、MA(SIIナノテクノロジー社製、TMA−SS6100)湿度制御オプションを用いて測定することができる。基材の膨張係数が前記範囲にあると、基材の寸法安定性(環境信頼性)が高いことを示すため、太陽電池用電極フィルムとしてより好適に用いることができる。
<導電層>
前記導電層としては、導電性を示す層であれば特に制限されないが、透明導電層であることが好ましい。前記導電層が透明導電層であると、本発明の太陽電池用電極フィルムの使用される場所が制限されない、対極の材料が制限されない等の点から好ましい。前記透明導電層としては、酸化錫、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化亜鉛、酸化カドミウム、酸化インジウムスズ(ITO)および酸化インジウム亜鉛(IZO)などの金属酸化物層や、これらの金属酸化物を主体とする複合層、金、銀、銅、錫、ニッケル、アルミニウムおよびパラジウムなどの金属層が挙げられる。前記導電層は、膜状(導電膜)であることが好ましい。
導電層の形成方法としては、特に制限されないが真空蒸着法、スパッタリング、イオンプレーティング,CVD法などの公知の方法を挙げることができるが、形成される層の均一性や基材への密着性の観点から、スパッタリング法により層を形成することが好ましい。
導電層を形成する際の温度は、用いる導電層を形成する材料および使用する形成方法に応じて適宜選択すればよいが、好ましくは150〜350℃であり、形成時間は、好ましくは0.1分〜1時間である。スパッタリング法を用いる場合には、具体的には不活性ガス下、180〜300℃、0.1分〜0.5時間の条件で成膜することが好ましい。
また、ポリチオフェン系やポリアニリン系の導電性ポリマーを基材上に塗布し、成膜することで透明導電層を形成しても良い。
前記導電層の厚さは、30Å以上とすることが好ましく、これより薄いと表面抵抗が、1×10-3Ω/□以下となる良好な導電性を有する連続被膜となり難いことがある。一方、厚くしすぎると透明性の低下などをきたすことがあるために、好適な厚さは、50〜2000Å程度である。
本発明の基材は、前記重合体を含むため、ガラス転移温度が高い。そのため、高温加熱が必要な方法であっても、基材上に導電層を形成することができる。
これらの導電層は1層でもよいし、多層から成っていてもよい。
<半導体層>
前記半導体層は、SiやGe等の金属、金属酸化物等の金属化合物、有機半導体材料などを用いて公知の方法により形成することができる。
前記半導体層を形成する方法としては、具体的には、(1)前記導電層上に、金属化合物の粒子等の半導体粒子を含有する懸濁液を塗布し、乾燥・焼成する方法、(2)前記導電層上に所望の原料ガスを用いたCVD法またはMOCVD法などにより半導体膜を成膜する方法、(3)原料固体を用いたPVD法、蒸着法、スパッタリング法またはゾル−ゲル法などにより半導体膜を形成する方法、および、(4)電気化学的酸化還元反応により形成する方法などが挙げられる。
これらの方法では、用いる基材、導電層、半導体材料などに応じて、適宜成膜条件を設定すればよい。
半導体層を構成する金属化合物としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化タングステン、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、硫化カドミウムなどの公知の半導体が挙げられる。これらの半導体は、2種類以上を混合して用いることもできる。これらの中でも、変換効率、安定性、安全性の点から酸化チタンが特に好ましい。このような酸化チタンの例としては、アナターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チタン、無定形酸化チタン、メタチタン酸、オルソチタン酸などの種々の酸化チタン、含酸化チタン複合体などが挙げられ、これらの1種類又は2種類以上が適宜使用可能である。
半導体層は、粒子状、膜状など種々の形態のものを用いることができるが、膜状の半導体層(半導体膜)が好ましい。特に、本発明の太陽電池用電極フィルムを色素増感型太陽電池に用いる場合には、前記半導体膜は、色素を吸着し、また電解質との接触面積を多くするために多孔性であることが好ましい。
多孔性の半導体層を前記導電層上に形成する方法としては、公知の種々の方法を使用することができ、具体的には、上記(1)〜(4)の方法により形成することができる。
かかる半導体層は、通常、図1に示すように導電膜表面に形成される。
前記半導体層の膜厚は、特に限定されるものではないが、好ましくは0.5〜20μmであり、より好ましくは5〜15μmである。
多孔性の半導体膜の膜厚は、特に限定されるものではないが、透過性、変換効率などの観点より、0.5〜20μm程度が望ましい。また変換効率を向上させるためには、膜状の多孔性半導体に、後述する色素をより多く吸着させることが好ましい。このために、多孔性の半導体膜は比表面積が大きなものが望ましく、具体的には10〜200m2/g程度が好ましい。
上述の半導体粒子としては、市販されているもののうち適当な平均粒径、例えば1nm〜500nm程度の平均粒径を有するSiやGe等の金属粒子および金属化合物等の化合物半導体の粒子などが使用可能である。また、この半導体粒子を懸濁させるために使用される溶媒の例としては、エチレングリコールモノメチルエーテルなどのセロソルブ系溶媒、混合溶媒、水などが挙げられる。これらの溶媒は1種単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
さらに、前記懸濁液には、半導体粒子の分散性を向上させる等の目的でさらに、他の添加剤を配合してもよい。
前記懸濁液を塗布する方法としては、スキージ法、スピンコート法、ドクターブレードを用いる方法、スクリーン印刷等が挙げられる。
上述の多孔性の半導体膜の乾燥および焼成は、使用する基材や半導体粒子の種類により、温度、時間、雰囲気などを適宜調整して行う。一般的な例では、大気下または不活性ガス雰囲気下、50〜400℃程度の温度範囲内、好ましくは基材のガラス転移温度より20℃高い温度以下で、10秒から12時間程度行う。この乾燥および焼成は、単一の温度で1回のみ行ってもよく、または温度を変化させて2回以上行うこともできる。
<色素増感型太陽電池>
本発明の色素増感型太陽電池としては、前記太陽電池用電極フィルムおよび色素を有すれば特に制限はされないが、例えば、前記太陽電池用電極フィルムの半導体層に光増感剤として機能する色素(以下、単に「色素」と記す。)を吸着、付着等させ、該色素含有半導体層上に電解質層を設け、該電解質層上に対極を設けた電池が挙げられる。この場合、所望により前記太陽電池用電極フィルムと電解質との間に短絡防止用セパレータ層を積層してもよい。
前記色素は光増感剤として機能し、種々の可視光領域および赤外光領域に吸収を持つものであって、半導体層に強固に吸着させるために、色素分子中にカルボキシル基、アルコキシ基、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルキル基、スルホン酸基、エステル基、メルカプト基、ホスホニル基などのインターロック基を有するものが好ましい。
インターロック基は、励起状態の色素と半導体の導電帯との間の電子移動を容易にする電気的結合を供給するものである。前記色素としては、例えば、ルテニウムビピリジン系色素、アゾ系色素、キノン系色素、キノンイミン系色素、キナクリドン系色素、スクアリリウム系色素、シアニン系色素、メロシアニン系色素、トリフェニルメタン系色素、キサンテン系色素、ポリフィリン系色素、フタロシアニン系色素、ベリレン系色素、インジゴ系色素、ナフタロシアニン系色素などが挙げられ、これらの中でもインターロック基を有する色素が好ましい。
これらの色素は1種単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
また、本発明では特開2000−191729号公報に開示された金属錯体色素および/またはポリメチン色素を好適に使用することができる。使用する色素が金属錯体色素の場合、ルテニウム錯体色素が好ましく、さらに下記式(II)で表される色素が好ましい。
式(II) (Y1pRuBabc
式中、pは0〜2であり、好ましくは2である。Ruはルテニウムを表す。Y1はCl、SCN、H2O、Br、I、CN、NCO、およびSeCNから選択される配位子である。Ba、Bb、Bcはそれぞれ独立に以下のB−1〜B−8から選択される有機配位子である。
Figure 2012069411
ここで、Raはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜12の置換もしくは無置換のアルキル基、炭素数数7〜12の置換もしくは無置換のアラルキル基、または炭素数6〜12の置換もしくは無置換のアリール基を表す。上記のアルキル基、アラルキル基のアルキル部分は直鎖状であっても分岐状であってもよく、アリール基、アラルキル基のアリール部分は単環であっても多環(縮合環、環集合)であってもよい。
本発明に使用する色素がポリメチン色素である場合、下記式(III)または式(IV)で表される色素が好ましい。
Figure 2012069411
式(III)中、RbおよびRfはそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、または複素環基を表し、Rc〜Reはそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、アリール基、ヒドロキシ基、アルコキシ基またはアミノ基を表す。Rb〜Rfは互いに結合して環を形成してもよい。X11およびX12はそれぞれ独立に窒素原子、酸素原子、硫黄原子、セレン原子またはテルル原子を表す。n11およびn13はそれぞれ独立に0〜2の整数を表し、n12は1〜6の整数を表す。式(III)で表される化合物は分子全体の電荷に応じて対イオンを有してもよい。
上記RbおよびRfにおけるアルキル基、アリール基、複素環基は、置換基を有していてもよい。該アルキル基は直鎖であっても分岐鎖であってもよく、アリール基および複素環基は、単環でも、多環(縮合環、環集合)であってもよい。またRb〜Rfによって形成される環は、置換基を有していてもよく、単環であっても縮合環であってもよい。
Figure 2012069411
式(IV)中、Zaは含窒素複素環を形成するに必要な非金属原子群を表す。Rgはアルキル基またはアリール基である。Qは式(IV)で表される化合物がメチン色素を形成するのに必要なメチン基またはポリメチン基を表す。X13は電荷均衡対イオンを表し、n14は分子の電荷を中和するのに必要な0以上10以下の数を表す。
上記のZaで形成される含窒素複素環は、RgやQで表わされる基の他にさらに置換基を有していてもよく、単環であっても縮合環であってもよい。また、Rgにおけるアルキル基、アリール基は置換基を有していてもよく、アルキル基は直鎖であっても分岐鎖であってもよく、アリール基は単環であっても多環(縮合環、環集合)であってもよい。
半導体層上に色素を吸着させる方法としては、例えば導電層上に形成された半導体層を、色素を溶解した溶液に浸漬する方法が挙げられる。
色素を溶解するために用いる溶媒の例としては、エタノール、1−ブタノールなどのアルコール系、アセトンなどのケトン系、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類、アセトニトリルなどの窒素化合物、クロロホルムなどのハロゲン化脂肪族炭化水素、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素、ベンゼンなどの芳香族炭化水素、酢酸エチルなどのエステル類などが挙げられる。これらの溶媒は1種単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。溶液中の色素濃度は、使用する色素および溶媒の種類により適宜調整することができ、吸着量を多くするためには、ある程度高濃度である方が好ましい。例えば、5×10-5モル/リットル以上の濃度が好ましい。
色素を溶解した溶液中に半導体を浸漬する際の、溶液および雰囲気の温度および圧力は特に限定されるものではなく、例としては室温程度かつ大気圧下が挙げられ、浸漬時間は、使用する色素、溶媒の種類、溶液の濃度などにより適宜調整することが好ましい。なお、吸着を効果的に行うには加熱下にて浸漬を行えばよい。
前記電解質としては、水系電解液、有機溶媒電解液、イオン性液体電解液(溶融塩電解液)などを用いることができる。これらの電解液には酸化還元剤を配合することが好ましい。該酸化還元剤としては、I2とヨウ化物との組合せ(ヨウ化物としてはLiI、NaI、KIなどの金属ヨウ化物、あるいはテトラアルキルアンモニウムヨーダイド、ピリジニウムヨーダイド、イミダゾリウムヨーダイドなど第四級アンモニウム化合物のヨウ素塩など);Br2と臭化物との組合せ(臭化物としてはLiBr、NaBr、KBrなどの金属臭化物、あるいはテトラアルキルアンモニウムブロマイド、ピリジニウムブロマイドなど第四級アンモニウム化合物の臭素塩など);フェロシアン酸塩とフェリシアン酸塩との組み合わせやフェロセンとフェリシニウムイオンとの組み合わせ等の金属錯体;ポリ硫化ナトリウム、アルキルチオールとアルキルジスルフィドとの組み合わせ等の硫黄化合物;ビオロゲン色素;ヒドロキノンとキノンとの組み合わせなどを用いることができる。この中でもI2とLiIやピリジニウムヨーダイド、イミダゾリウムヨーダイドなど第四級アンモニウム化合物のヨウ素塩を組み合わせた電解質が太陽電池として高い性能を出す点で好ましい。
有機溶媒電解液の溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどのカーボネート化合物、エチルアルコール、エチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアルキルエーテル、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、ジオキサン、エチレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールジアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールジアルキルエーテル、γ‐ブチロラクトン、α‐メチル‐γ‐ブチロラクトン、β‐メチル‐γ‐ブチロラクトン、γ‐バレロラクトン、3‐メチル‐γ‐バレロラクトン、アセトニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル、ジメチルスルホキシド、スルホラン、3‐メチル‐2‐オキサゾリジノンなどが用いられる。これらは単独で用いてもよいし、また2種以上混合して用いてもよい。
イオン性液体電解液としては、不揮発性と不燃性の点から、溶融塩電解液が最も好ましい。この溶融塩電解液に含まれる溶融塩としては、室温付近において液状となる室温溶融塩が好ましく、アルキルイミダゾリウム塩(例;ジメチルイミダゾリウム、メチルプロピルイミダゾリウム、メチルブチルイミダゾリウム、メチルヘキシルイミダゾリウム)とそのヨウ化物などを挙げることができる。
そのほか電解質として公知のピリジニウム塩、イミダゾリウム塩、トリアゾリウム塩なども用いることができる。
前記電解質に、ポリアクリロニトリルやポリフッ化ビニリデンのようなポリマー、またはオイルゲル化剤を添加することで電解質をゲル化もしくは固体化してもよい。また、前記電解質中で該電解質中に含まれ得るポリマーの架橋反応を行わせることにより電解質をゲル化もしくは固体化して使用することもできる。
オイルゲル化剤の添加によりゲル化する方法としては、分子構造中にアミド構造を有する化合物を用いる方法が好ましく、電解液をゲル化した例(特開平11−185863号公報)、溶融塩電解質をゲル化した例(特開2000−58140号公報)が知られているが、本発明においては、これらの公知方法の中から任意に選んで用いることができる。
前記電解質には、n型半導体、p型半導体などの固体材料を混合して用いることもできる。また、これらの固体材料を太陽電池用電極フィルムと対極との間に挿入し、短絡防止層を形成させることもできる。
前記電解質には、さらに、電荷輸送材料として、本発明の効果を損なわない範囲で、正孔輸送材料を併用することもでき、該正孔輸送材料としては、p型無機化合物半導体が好ましい。このp型無機化合物半導体として好ましいのは一価の銅を含む化合物半導体であり、CuI、CuSCN、CuInSe2、Cu(In,Ga)Se2、CuGaSe2、Cu2O、CuS、CuGaS2、CuInS2、CuAlSe2などが挙げられる。この中でもCuI及びCuSCNが好ましく、CuIが特に好ましい。このほかのp型無機化合物半導体として、GaP、NiO、CoO、FeO、Bi23、MoO2、Cr23などを用いることもできる。これらのp型無機化合物半導体は1種単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明の色素増感型太陽電池には、セパレータ層を含ませることもできる。このセパレータ層は、前記太陽電池用電極フィルムと対極との間に挿入し、フレキシブルな電極である両極が物理的に接触することを防止することを目的とする。
セパレータ層を形成する材料は電気的に絶縁性の材料であり、例えば、フィルム状のセパレータが好適に用いられる。フィルム状のセパレータを用いる場合、フィルムは電解液を透過する多孔性の膜、例えば樹脂フィルム、不織布、紙などの有機材料が用いられる。また、このような多孔性フィルムは表面を親水化処理してできる親水性のフィルムを用いることもできる。このフィルムの厚みは80μm以下であることが必要であり、好ましくは5〜50μm、さらに好ましくは5〜25μmの範囲である。このフィルムとしては、例えば、空孔率が50〜85%のものが好ましく用いられる。
本発明の色素増感型太陽電池の対極は、支持体とその上に形成された導電層からなる導電性のフィルム電極等が用いられる。このような対極(フィルム電極)は、その導電層が前記本発明の太陽電池用電極フィルムの電解質層に接するように配設される。
対極に用いられる支持体はプラスチックフィルムであることが好ましく、前記基材と同様の芳香族系ポリエーテル系重合体以外にも、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、シンジオタクチックポリスチレン(SPS)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリカーボネート(PC)、ポリアリレート(PAr)、ポリスルホン(PSF)、ポリエステルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリイミド(PI)などが用いられる。コストの点で特に好ましいものは、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)である。対極は、用途によって光学的に透明であっても不透明であってもよく、透明な色素増感型太陽電池を作製しようとする場合には対極も透明とする必要がある。
対極の導電層には、白金、金、銀、銅、アルミニウム、マグネシウム、インジウムなどの金属、炭素、インジウム−スズ複合酸化物(ITO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)などの導電性金属酸化物等を導電材料として用いることができる。この中でも白金、ITO、FTOが耐腐食性に優れる点で好ましい。
対極の導電層の表面には、太陽電池用電極フィルムと同様に、集電のための補助リード線を設けることができる。このような補助リード線が設けられた対極を含めて、対極の好ましい表面抵抗の範囲は3Ω/□以下、好ましくは1Ω/□以下である。対極の表面は、電解質層(電解液)との接触に対して化学的に安定な材料で被覆されていることが好ましく、特に炭素材料、導電性高分子、白金、酸化スズ、酸化亜鉛から選ばれる1種以上の材料によって被覆されていることが好ましい。
対極として最も好ましいものは、表面抵抗値が1Ω/□以下の導電性プラスチックフィルムであり、電解質層と接する対極の表面を炭素材料、導電性高分子、白金、酸化スズ、酸化亜鉛から選ばれる1種以上の材料によって被覆したものである。
本発明の色素増感型太陽電池は、用途によって透明としてもよいし、不透明としてもよい。透明電池とする場合は、本発明の太陽電池用電極フィルムの導電層を透明とし、対極を透明とする必要がある。不透明とする場合は、本発明の太陽電池用電極フィルムの導電層を不透明とし、および/または対極を不透明とする。エネルギー変換効率が高く、光吸収率の高い電池の作製においては、対極が不透明であることが好ましい。
また、比較的高い光発電機能と同時に光透過性をもつ電池を作製する場合は、太陽電池が可視光に対して透明性を示すことが好ましい。この場合、波長400nmから800nmの範囲における光透過率の最大値は40%以上であることがさらに好ましい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。
(1)構造分析
下記実施例で得られた重合体の構造分析は、IR(ATR法、FT−IR,6700、NICOLET社製)により行った。
(2)重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mw)および分子量分布
下記実施例で得られた重合体の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mw)および分子量分布は、TOSOH製HLC−8220型GPC装置(カラム:TSKgelα―M、展開溶剤:THFを用いて測定した。
(3)ガラス転移温度(Tg)
下記実施例または比較例で得られた重合体またはフィルムのガラス転移温度は、Rigaku社製8230型DSC測定装置を用いて、昇温速度20℃/minとして測定した。
(3’)熱分解温度
下記実施例または比較例で得られた重合体の熱分解温度を熱重量分析法(TGA:窒素雰囲気下、昇温速度10℃/分、5%重量減少温度)により測定した。
(4)機械的強度
下記実施例または比較例で得られたフィルムの室温における引張強度、破断伸び、引張弾性率を、引張試験機5543(INSTRON社製)を用いて、JIS K7127に準じて測定した。
(5)環境安定性
下記実施例または比較例で得られたフィルムの線膨張係数をSeiko Instruments社製SSC−5200型TMA測定装置を用いて測定した。得られたフィルムを一度280℃まで昇温した後、3℃/minで降温した際の200〜100℃での勾配から線膨張係数を算出した。
下記実施例または比較例で得られたフィルムの湿度膨張係数をMA(SIIナノテクノロジー社製、TMA−SS6100)湿度制御オプションを用いて下記条件にて測定を実施した。
湿度条件:40%RH→70%RH(引張法:加重5g) 温度:23℃
(6)光学特性
下記実施例または比較例で得られたフィルムについて、全光線透過率およびイエローインデックス(YI値)をJIS K7105透明度試験法に準じて測定した。具体的には、基材の全光線透過率をヘイズメーターSC−3H(スガ試験機社製)を用い、YI値を、スガ試験社製SM−T型色彩測定器を用いて測定した(加熱前YI)。
また、下記実施例または比較例で得られた基材(フィルム)を熱風乾燥機にて大気中230℃で1時間の加熱を行った後、YI値をスガ試験社製SM−T型色彩測定器を用いて測定した(加熱後YI)。なお、測定は、JIS Z 8722条件に準じて行った。
下記実施例または比較例で得られた基材(フィルム)の波長400nmにおける光線透過率を紫外・可視分光光度計V−570(JASCO社製)を用いて測定した。
下記実施例または比較例で得られた基材(フィルム)の波長633nmの光に対する屈折率は、ヘイズメーターSC−3H(スガ試験機社製)を用いて測定した。
(7)表面抵抗値
三菱化学(株)製の低抵抗率計「ロレスタ−GP」を用い、下記実施例または比較例で得られた透明導電性フィルムの透明導電膜の表面抵抗値(Ω/□)を測定した。
(8)エネルギー変換効率の測定
色素増感光電極付きフィルムと対極フィルムにクリップで導線を接続し、下記実施例または比較例で得られた色素増感型太陽電池に、ソーラーシミュレーター(ウシオ電機製 ソーラ Mi ni USS−40)を用いて擬似太陽光を照射し、発生した電気を電流電圧測定装置(ADVANTEST R6240A)にて測定した。得られた電圧−電流特性から色素増感型太陽電池の開放電圧(VOC)、短絡電流密度(JSC)、形状因子(FF)、及び変換効率(η)を求めた。
[実施例1]
<樹脂組成物の合成>
3Lの4つ口フラスコに(A)成分:2,6−ジフルオロベンゾニトリル(以下、「DFBN」ともいう。)35.12g(0.253mol)、(B)成分:9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン(以下、「BPFL」ともいう。)70.08g(0.200mol)、レゾルシノール(以下、「RES」ともいう。)5.51g(0.050mol)、炭酸カリウム41.46g(0.300mol)、N,N−ジメチルアセトアミド(以下、「DMAc」ともいう。)443gおよびトルエン111gを添加した。続いて、4つ口フラスコに温度計、撹拌機、窒素導入管付き三方コック、Dean−Stark管および冷却管を取り付けた。
次いで、フラスコ内を窒素置換した後、得られた溶液を140℃で3時間反応させ、生成する水をDean−Stark管から随時取り除いた。水の生成が認められなくなったところで、徐々に温度を160℃まで上昇させ、そのままの温度で6時間反応させた。
室温(25℃)まで冷却後、生成した塩をろ紙で除去し、ろ液をメタノールに投じて再沈殿させ、ろ別によりろ物(残渣)を単離した。得られたろ物を60℃で一晩真空乾燥し、白色粉末(重合体)を得た(収量95.67g、収率95%)。
得られた重合体の物性を表1に示す。得られた重合体の構造分析及び重量平均分子量の測定を行った。結果は、赤外吸収スペクトルの特性吸収が、3035cm-1(C−H伸縮)、2229cm-1(CN)、1574cm-1、1499cm-1(芳香環骨格吸収)、1240cm-1(−O−)であり、重量平均分子量が130,000であった。
<フィルムの作製>
次いで、得られた重合体をDMAcに再溶解し、重合体濃度20質量%の樹脂組成物を得た。該樹脂組成物を、ポリエチレンテレフタラート(PET)からなる基板上にドクターブレードを用いて塗布し、70℃で30分乾燥させ、ついで100℃で30分乾燥してフィルムとした後、PET基板より剥離した。その後、フィルムを金枠に固定し、さらに230℃、2時間乾燥して、膜厚30μmの評価用フィルムを得た。
得られた評価用フィルムの物性を表1に示す。
<透明導電性フィルムの作製>
さらに、スパッタリング装置を用いて、得られた評価用フィルムの片面にアルゴン雰囲気下230℃、5分間の成膜条件下で透明導電膜を形成した。なお、ターゲット材料としてはITOを用いた。得られた透明導電性フィルムの表面抵抗値は、7(Ω/□)であった。
<太陽電池用電極フィルムの作製>
二酸化チタン(日本アエロジル P−25)14g、水30g、アセチルアセトン0.3g、10%希硝酸0.3g、ヒドロキシプロピルセルロース0.3g、および直径0.03mmのジルコニアビーズ40gをガラス容器に入れ、ペイントシェーカーで12時間分散を行った。ジルコニアビーズを取り除き、二酸化チタン分散液を得た。
二酸化チタン分散液をスキージ法で透明導電性フィルムに5mm×5mmの面積で塗布し、透明導電性フィルムのガラス転移温度で5分間焼成を行い、二酸化チタンの膜を得た。得られた二酸化チタン膜の膜厚は10μmであった。
<色素増感型太陽電池用の電極フィルムの作製>
Ru錯体色素N719(Solaronix、ルテニウムビピリジン系色素)を1−ブタノールに溶解し、濃度2×10-4モル/リットルの色素溶液を得た。この色素溶液中に二酸化チタン膜付き透明導電性フィルムを室温で24時間浸漬し、Ru色素が吸着された色素増感光電極付きフィルムを得た。
<色素増感型太陽電池の作製>
0.05Mのヨウ素(0.0630g)、0.1Mのヨウ化リチウム(0.1339g)、0.5Mのtert−ブチルピリジン(0.6761g)をγ−ブチロラクトン(10mL)に溶解させ、電解液を調製した。
対極フィルムとして、Ptを蒸着したARTON(JSR(株)製)を用いた(表面抵抗値3Ω/□)。前記色素増感光電極付きフィルムと対極フィルムの間に厚さ50μmのセパレータ(ハイミランテープ(三井・デュポン ポリケミカル製))を重ね、クリップで固定し120℃で熱圧着することで色素増感光電極付きフィルムと対極フィルムを貼り合わせた。次に対極フィルムに空けた電解液注入口より毛細管現象を利用して前記電解液を0.5ml注入し、余分な電解液をふき取った後、注入口を封止した。このようにして、透明導電性フィルム、Ru色素が吸着された二酸化チタン半導体膜、電解液(セパレータ)、対極フィルム(Pt膜、ARTON)の順に積層された色素増感型太陽電池セルを作製した。得られた色素増感型太陽電池セルの評価結果を表2に示す。
[実施例2]
RESの代わりに2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン11.41g(0.050mol)を使用した以外は、実施例1と同様に行った。得られた重合体、フィルムおよび透明導電性フィルムの物性を表1に、色素増感型太陽電池セルの評価結果を表2に示す。
[実施例3]
(B)成分として、BPFL70.08gおよびRES5.51gの代わりに、BPFL78.84g(0.225mol)および2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン8.41g(0.025mol)を使用した以外は実施例1と同様に行った。得られた重合体、フィルムおよび透明導電性フィルムの物性を表1に、色素増感型太陽電池セルの評価結果を表2に示す。
[実施例4]
(B)成分として、BPFL70.08gおよびRES5.51gの代わりに、9,9−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン125.65g(0.250mol)を使用した以外は実施例1と同様に行った。得られた重合体、フィルムおよび透明導電性フィルムの物性を表1に、色素増感型太陽電池セルの評価結果を表2に示す。
[実施例5]
(B)成分として、BPFL70.08gおよびRES5.51gの代わりに、BPFL87.60g(0.250mol)を使用した以外は実施例1と同様に行った。得られた重合体、フィルムおよび透明導電性フィルムの物性を表1に、色素増感型太陽電池セルの評価結果を表2に示す。
[実施例6]
(B)成分として、BPFL70.08gおよびRES5.51gの代わりに、BPFL78.84g(0.225mol)および1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン6.71g(0.025mol)を使用した以外は実施例1と同様に行った。得られた重合体、フィルムおよび透明導電性フィルムの物性を表1に、色素増感型太陽電池セルの評価結果を表2に示す。
[実施例7]
(A)成分として、DFBN35.12gの代わりに、DFBN28.10g(0.202mol)および4,4−ジフルオロベンゾフェノン11.02g(0.051mol)を用いた以外は実施例5と同様に行った。得られた重合体、フィルムおよび透明導電性フィルムの物性を表1に、色素増感型太陽電池セルの評価結果を表2に示す。
[実施例8]
(A)成分の配合量を、DFBN17.56g(0.126mol)および4,4−ジフルオロベンゾフェノン27.55g(0.126mol)に変更した以外は実施例7と同様に行った。得られた重合体、フィルムおよび透明導電性フィルムの物性を表1に、色素増感型太陽電池セルの評価結果を表2に示す。
[実施例9]
(A)成分として、DFBN35.12gの代わりに、4,4−ジフルオロジフェニルスルホン(DFDS)78.84g(0.250mol)を使用した以外は実施例5と同様に行った。得られた重合体、フィルムおよび透明導電性フィルムの物性を表1に、色素増感型太陽電池セルの評価結果を表2に示す。
[比較例1]
(B)成分として、BPFL70.08gおよびRES5.51gの代わりに、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン84.06g(0.250mol)を使用した以外は、実施例1と同様に重合体と評価用フィルムを得た。得られた重合体および評価用フィルムの物性を表1に示す。
さらに、スパッタリング装置を用いて、得られた評価用フィルムの片面にアルゴン雰囲気下150℃、5分間の成膜条件下で透明導電膜を形成した。なお、ターゲット材料としてはITOを用いた。得られた透明導電性フィルムの表面抵抗値は、15(Ω/□)であった。この透明電極フィルムを用いて、実施例1と同様の方法で色素増感型太陽電池を作製した。色素増感型太陽電池の評価結果を表2に示す。なお、ITOの成膜温度を実施例1と同様に230℃とした場合には、フィルムが変形し均一な透明導電膜が形成されなかった。
[比較例2]
帝人(株)製のポリエチレンナフタレートフィルム:ネオテックスを使用し、評価は実施例1と同様の方法で行った(膜厚125μm)。フィルムの物性を表1に示す。
さらに、スパッタリング装置を用いて、上記フィルムの片面にアルゴン雰囲気下150℃、5分間の成膜条件下で透明導電膜を形成した。なお、ターゲット材料としてはITOを用いた。得られた透明導電性フィルムの表面抵抗値は、21(Ω/□)であった。この透明電極フィルムを用いて、実施例1と同様の方法で色素増感型太陽電池を作製した。色素増感型太陽電池の評価結果を表2に示す。なお、ITOの成膜温度を実施例1と同様に230℃とした場合には、フィルムが変形し均一な透明導電膜が形成されなかった。
Figure 2012069411
Figure 2012069411
上記結果より、本発明の基材は、耐熱性、耐熱着色性に優れることが分かる。また、本発明の基材は耐熱性に優れるため、その少なくとも一方の面に透明導電膜を形成する際の成膜方法が限定されず、表面抵抗値の小さい透明導電性フィルムを得ることができる。また本発明の基材を使用した色素増感型太陽電池は、二酸化チタン半導体膜の焼成温度を飛躍的に高めることが可能となり、エネルギー変換効率の高い色素増感型太陽電池を得ることができる。
11:基材
12:(透明)導電層(膜)
13:(多孔性)半導体層
14:電解質層
15:対極支持体
16:電極層
17:封止剤

Claims (9)

  1. 基材と導電層と半導体層とがこの順で積層されてなる太陽電池用電極フィルムであって、
    該基材が示差走査熱量測定(DSC、昇温速度20℃/分)によるガラス転移温度(Tg)が230〜350℃である芳香族ポリエーテル系重合体を含む、太陽電池用電極フィルム。
  2. 前記芳香族系ポリエーテル系重合体が、下記式(1)で表わされる構造単位および下記式(2)で表わされる構造単位からなる群より選ばれる少なくとも一つの構造単位(i)を有する、請求項1に記載の太陽電池用電極フィルム。
    Figure 2012069411
    (式(1)中、R1〜R4は、それぞれ独立に炭素数1〜12の1価の有機基を示し、a〜dは、それぞれ0〜4の整数を示す。)
    Figure 2012069411
    (式(2)中、R1〜R4およびa〜dは、それぞれ前記式(1)中のR1〜R4およびa〜dと同義であり、Yは単結合、−SO2−または>C=Oを示し、R7およびR8は、それぞれ独立にハロゲン原子、炭素数1〜12の1価の有機基またはニトロ基を示し、gおよびhは、それぞれ0〜4の整数を示し、mは0または1を示す。但し、mが0の時、R7はシアノ基ではない。)
  3. 前記芳香族ポリエーテル系重合体が、さらに、下記式(3)で表わされる構造単位および下記式(4)で表わされる構造単位からなる群より選ばれる少なくとも一つの構造単位(ii)を有する、請求項1または2に記載の太陽電池用電極フィルム。
    Figure 2012069411
    (式(3)中、R5およびR6は、それぞれ独立に炭素数1〜12の1価の有機基を示し、Zは、単結合、−O−、−S−、−SO2−、>C=O、−CONH−、−COO−または炭素数1〜12の2価の有機基を示し、eおよびfは、それぞれ0〜4の整数を示し、nは0または1を示す。)
    Figure 2012069411
    (式(4)中、R7、R8、Y、m、gおよびhは、それぞれ前記式(2)中のR7、R8、Y、m、gおよびhと同義であり、R5、R6、Z、n、eおよびfは、それぞれ前記式(3)中のR5、R6、Z、n、eおよびfと同義である。)
  4. 前記芳香族ポリエーテル系重合体において、上記構造単位(i)と、上記構造単位(ii)とのモル比が50:50〜100:0である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の太陽電池用電極フィルム。
  5. 前記芳香族ポリエーテル系重合体のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の重量平均分子量が5,000〜500,000である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の太陽電池用電極フィルム。
  6. 前記基材の厚み30μmにおけるJIS K7105透明度試験法による全光線透過率が85%以上である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の太陽電池用電極フィルム。
  7. 前記基材の厚み30μmにおけるYI値(イエローインデックス)が3.0以下である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の太陽電池用電極フィルム。
  8. 色素増感型太陽電池用である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の太陽電池用電極フィルム。
  9. 請求項8に記載の太陽電池用電極フィルムを有する色素増感型太陽電池。
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