JP2015026621A - 放熱部材及び発熱体の放熱構造 - Google Patents

放熱部材及び発熱体の放熱構造 Download PDF

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Abstract

【課題】重量が重く、成形加工性が悪いという従来の金属製放熱部材の欠点を解決する。
【解決手段】板状の金属板2よりなるベース部の一辺部の近傍領域に、基層3Aとこの基層3Aから突設されたフィン(起立部)3Bとを有する高熱伝導性樹脂部3が積層一体化された放熱部材1。高熱伝導性樹脂部3は熱伝導率0.5W/m・K以上の高熱伝導性樹脂組成物よりなる。金属板2の受熱部2Xを電池等の発熱体に当接し、発熱体からの熱を金属板2を経てフィン3Bから放熱する。本発明の放熱部材は、少なくともその放熱部である起立部、即ち、一般に放熱効率を高めるために微細かつ複雑な形状とされる部分が、高熱伝導性樹脂組成物で構成されるため、この部分を射出成形等により容易に所望の形状に成形することができる。少なくとも一部を樹脂製とすることにより放熱部材の軽量化を図ることもできる。
【選択図】図3

Description

本発明は放熱部材及び発熱体の放熱構造に係り、特に、電池モジュール等の発熱体の発熱を効率的に放熱させて局部過熱を防止するための放熱部材と、この放熱部材を用いた発熱体の放熱構造に関する。
本発明はまた、この放熱部材を備える電池モジュールに関する。
近年、環境改善及び環境保護に対する意識の高まりの中で、二酸化炭素、その他有害物質を含む燃焼機関からの排気ガスの排出規制や省エネルギー化を受けて、自動車業界ではガソリン等の化石燃料を使用する従来の自動車に替えて、電気自動車(EV)やハイブリッド電気自動車(HEV)の市場導入を促進する動きが活発になっている。
電気自動車やハイブリッド電気自動車用の電池電源としては、電池体積及び重量当たりの電力貯蔵密度が大きいことから、一般にリチウムイオン電池やニッケル水素電池等の二次電池が搭載されている。
これらの電池電源は、電力を発生させる最小単位のセル(即ち、単電池)では数V程度の起電力しか発生しないため、車載用として使用する場合には、この単電池を複数個直列に接続して発生電圧を上げて使用することになる(以下、この単電池群を「電池モジュール」と称する)。
このような電池モジュールを構成する各単電池は、その充放電に伴って少なからぬ発熱を生じ、電池モジュール全体としての発熱量は相当に大きなものとなるが、各単電池の充放電効率及び長期的な寿命の確保のために、単電池は適切な温度に管理する必要がある。例えば、単電池間の温度のばらつきが大きいと、内部抵抗や化学反応に差が生じ、その結果として電池モジュール全体としての充放電効率の低下や寿命低下の原因となる。
また、電池モジュールをハイブリッド車に適用する場合、エンジン、モータ及び電池と頻繁にエネルギーの授受を行なうために、電池モジュールには高頻度かつ急速な充放電能力が要求される。また、この際、電極及びそのリード部分の電流密度が大きくなり、その結果として発熱量が増大することから、この発熱を効率よく放熱させて単電池を所定の温度範囲に納める必要がある。
従来、電池モジュールにおける各単電池からの発熱を放散させて電池モジュールの温度上昇を防止するために、電池モジュールや電池モジュールを構成する単電池間に放熱板が設けられている。この放熱板は、例えば、隣接する単電池に介挿され、単電池からの発熱を受熱する受熱部と、この受熱部から伝播する熱を放散するための、電池モジュールから外方に突出する放熱フィン部とで構成され、受熱部からの熱が放熱フィン部を経て電池モジュール外へ放散されることで、電池モジュールの温度上昇が防止される(例えば特許文献1)。
この放熱板は、電池モジュールや単電池からの熱を効率的に受熱して放熱フィンへ効率的に伝熱させるために、熱伝導性に優れた材質で構成されることが重要であり、従って、従来の放熱板はアルミニウム、銅等の高熱伝導性の金属で構成されている。
特開2001−143769号公報
しかしながら、金属材料よりなる放熱板では、次のような問題がある。
(1) 樹脂に比べて重量が大きいため、機器の重量を増加させる。
(2) 放熱板のうち、特に、放熱フィン部分は放熱効率を高めるために、微細かつ複雑な形状とされるが、金属材料では、成形加工性が悪く、微細かつ複雑な形状を有する放熱フィン部分の成形が困難である。
また、以下の理由により受熱部についても成形が困難である場合がある。
即ち、電池モジュールや単電池からの発熱を効率的に受熱するためには、放熱板の電池モジュールまたは単電池との当接面は単電池表面の形状に倣う形状を有し、この当接面を電池モジュール表面や単電池表面と十分に密着させる必要があるが、単電池表面(単電池の筐体の表面)には、一般に、内部構造に由来する凹凸や、リブとしての凹凸が形成された複雑な凹凸面であり、金属をこのような凹凸面に密着するように加工することは困難である。
本発明は上記従来の問題点を解決する放熱部材と、この放熱部材を用いた発熱体の放熱構造と、この放熱部材を備える電池モジュールを提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、放熱部材の少なくとも放熱部を高熱伝導性の合成樹脂で成形することにより、上記課題を解決することができることを見出した。
本発明はこのような知見に基いて達成されたものであり、以下を要旨とする。
[1] 発熱体の熱を放熱するための放熱部材であって、ベース部と、該ベース部から突設された複数の起立部とを有し、発熱体から該ベース部を経て伝播した熱を該起立部から放熱する放熱部材において、少なくとも該起立部が、熱伝導率0.5W/m・K以上の高熱伝導性樹脂組成物で構成されていることを特徴とする放熱部材。
[2] [1]において、前記ベース部は板状であり、前記起立部は板状の該ベース部の双方の板面に設けられていることを特徴とする放熱部材。
[3] [2]において、前記起立部は前記板状のベース部の一辺部の近傍領域に設けられていることを特徴とする放熱部材。
[4] [3]において、前記ベース部の前記一辺部の近傍領域以外の領域を、発熱体に直接当接させることにより、又はシール材を介して発熱体に当接させることにより、該発熱体からの熱を受熱することを特徴とする放熱部材。
[5] [4]において、前記ベース部は、板状の金属板と、該金属板の前記一辺部の近傍領域に積層一体化された前記高熱伝導性樹脂組成物製の基層とからなり、該基層から前記起立部が突設されていることを特徴とする放熱部材。
[6] [3]ないし[5]のいずれかにおいて、前記起立部は前記一辺部の延在方向と平行方向に延在していることを特徴とする放熱部材。
[7] [6]において、前記起立部は、前記一辺部の延在方向と平行方向に延在する板状のフィンであることを特徴とする放熱部材。
[8] [1]において、前記ベース部は板状であり、前記起立部は板状の該ベース部の一方の板面に設けられていることを特徴とする放熱部材
[9] [8]において、前記起立部は該一方の板面の略全体に設けられていることを特徴とする放熱部材。
[10] [8]又は[9]において、前記ベース部の他方の板面を、発熱体に直接当接させることにより、又はシール材を介して発熱体に当接させることにより、該発熱体からの熱を受熱することを特徴とする放熱部材。
[11] [10]において、前記ベース部が前記高熱伝導性樹脂組成物で構成されていることを特徴とする放熱部材。
[12] [10]又は[11]において、前記発熱体の前記放熱部材との当接面は非平坦形状であり、前記ベース部の該発熱体との当接面は該発熱体の非平坦形状に倣う非平坦形状とされていることを特徴とする放熱部材。
[13] [1]において、前記ベース部は筒状であり、前記起立部は該ベース部の外周面から放射方向に突設されていることを特徴とする放熱部材。
[14] [13]において、前記起立部は円環板状であり、板面を筒状の前記ベース部の筒軸心方向に対し直交方向としており、複数枚の起立部が該筒軸心方向に間隔をおいて設置されていることを特徴とする放熱部材。
[15] [13]において、前記起立部は平板状であり、複数枚の起立部が板面を筒状の前記ベース部の筒軸心方向かつ放射方向に配向させ、該ベース部の周方向に間隔をおいて設けられていることを特徴とする放熱部材。
[16] [13]において、前記起立部は、それぞれ複数枚の第1の板状部と第2の板状部とを交差させた格子状であり、該第1の板状部は円環板状であり、板面を筒状の前記ベース部の筒軸心方向に対し直交方向としており、該第1の板状部は該筒軸心方向に間隔をおいて設置されており、第2の板状部は、板面を筒状の前記ベース部の筒軸心方向かつ放射方向に配向させ、該ベース部の周方向に間隔をおいて設けられていることを特徴とする放熱部材。
[17] [1]において、前記ベース部は筒状であり、前記起立部は、該ベース部から突設されたフランジ部と、該フランジ部から、ベース部の筒軸心方向と平行方向に突設された複数のピンとからなることを特徴とする放熱部材。
[18] [1]ないし[17]のいずれかにおいて、前記発熱体が電池であることを特徴とする放熱部材。
[19] [1]ないし[18]のいずれかに記載の放熱部材のベース部を発熱体の発熱部に当接させてなることを特徴とする発熱体の放熱構造。
[20] [1]ないし[18]のいずれかに記載の放熱部材のベース部を、シール材を介して発熱体の発熱部に当接させてなることを特徴とする発熱体の放熱構造。
[21] [19]又は[20]において、前記放熱部材の前記起立部に沿って冷媒を流通させるための流路を形成する流路形成部材を備えたことを特徴とする発熱体の放熱構造。
[22] [19]ないし[21]のいずれかにおいて、前記放熱部材が請求項3ないし7のいずれか1項に記載された放熱部材であり、前記金属板の前記一辺部の近傍領域以外の領域が発熱体で挟まれていることを特徴とする発熱体の放熱構造。
[23] [1]ないし[18]のいずれかに記載の放熱部材と電池とを備える電池モジュール。
本発明の放熱部材は、少なくともその放熱部である起立部、即ち、一般に放熱効率を高めるために微細かつ複雑な形状とされる部分が、高熱伝導性樹脂組成物で構成されるため、この部分を射出成形等により容易に所望の形状に成形することができる。
また、このように少なくとも一部を樹脂製とすることにより放熱部材の軽量化を図ることもできる。
請求項2ないし7、特に請求項5ないし7の放熱部材であれば、例えば、ベース部の起立部の形成されていない領域、具体的には金属板の起立部非形成領域を電池間に挟んで放熱板付き電池モジュールを組み立てることができる。
請求項8ないし12の放熱部材であれば、ベース部の起立部の形成されていない側の板面を電池表面に当接させて放熱させることができる。
本発明の放熱部材は、各種の発熱体の放熱構造に有用であるが、特に電池ないし電池モジュールの放熱構造として有用である。
本発明の第1態様に係る放熱部材の実施の形態を示す斜視図である。 第1図のII−II線に沿う断面の拡大図である。 第1図の放熱部材を用いた電池の放熱構造の一例を示す断面斜視図である。 第3図の放熱構造の各図の寸法を示す模式図である。 第1図の放熱部材を用いた放熱構造の他の例を示す断面図である。 本発明の第2態様に係る放熱部材の実施の形態を示す斜視図である。 第6図のVII−VII線に沿う断面の拡大図である。 第2態様の放熱部材を用いた放熱構造を示す断面図である。 本発明に係る起立部の形状の例を示す斜視図である。 本発明の第1態様に係る放熱部材の他の実施の形態を示す断面図である。 第1態様に係る放熱部材の斜視図である。 第1態様に係る放熱部材の斜視図である。 第1態様に係る放熱部材の斜視図である。 第1態様に係る放熱部材の斜視図である。 第2態様に係る放熱部材の斜視図である。 第15図の放熱部材の側面図である。 第2態様に係る放熱部材の斜視図である。 第17図の放熱部材の正面図である。 第2態様に係る放熱部材の斜視図である。 第2態様に係る放熱部材の斜視図である。 第20図の放熱部材の正面図である。 第12図の放熱部材の寸法図である。 第13図の放熱部材の寸法図である。 第11図の放熱部材の寸法図である。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する。
[放熱部材]
本発明の放熱部材は、ベース部と、該ベース部から突設された複数の起立部とを有し、発熱体から該ベース部を経て伝播した熱を該起立部から放熱する放熱部材であって、少なくとも該起立部が、熱伝導率0.5W/m・K以上の高熱伝導性樹脂組成物で構成されていることを特徴とする。
本発明において、高熱伝導性樹脂組成物の熱伝導率とは当該高熱伝導性樹脂組成物を用いて、成形温度(樹脂温度)300℃、金型温度80℃の条件にて、射出成形することにより得られた射出成形品の樹脂組成物の流動方向の熱伝導率である。
なお、以下において、高熱伝導性樹脂組成物で構成された部分を「高熱伝導性樹脂部」と称す場合がある。この高熱伝導性樹脂組成物については後述する。
本発明の放熱部材は、具体的には、ベース部が板状であり、起立部がこの板状のベース部の双方の板面に設けられている放熱部材(以下、「本発明の第1態様」と称す。)と、ベース部が板状であり、起立部が板状のベース部の一方の板面に設けられている放熱部材(以下、「本発明の第2態様」と称す。)とに大別される。
[第1態様]
本発明の第1態様の放熱部材は、好ましくは、起立部が板状のベース部の一辺部の近傍領域にのみ設けられており、ベース部の一辺部の近傍領域以外の領域を発熱体に直接又は所定の熱伝導率を有するシール材を介して接触させることにより該発熱体からの熱を受熱し、受熱した熱を起立部から放熱する。
以下に、この第1態様の放熱部材の好適態様を第1図〜第5図を参照して説明する。
第1図は第1態様の放熱部材の実施の形態を示す斜視図であり、第2図は第1図のII−II線に沿う断面の拡大図、第3図は、この放熱部材を電池に取り付けた放熱構造を示す断面斜視図であり、第4図は第3図の放熱構造の各部の寸法を示す模式図である。第5図は、第1態様の放熱部材を用いた放熱構造の他の例を示す断面図である。
第1図の放熱部材1は、ベース部の主要部分である板状の金属板2と、この金属板2の一辺部の近傍領域に一体的に設けられた高熱伝導性樹脂部3とを有する。この高熱伝導性樹脂部3は、金属板2の一辺部の近傍領域と、該一辺部の端面に積層形成された基層3Aと、この基層3Aから突設された起立部としての板状のフィン3Bとを有する。
この実施の形態では、金属板2と基層3Aとによりベース部が構成されている。なお、金属板2の代わりに高熱伝導性樹脂組成物製の板を用いてもよい。その場合、高熱伝導性樹脂組成物の該板を高熱伝導性樹脂部3と一体に成形しても良い。
第1図の放熱部材1において、フィン3Bは、金属板2の板面に対して略垂直方向に突設されており、また、金属板2の一辺部の延在方向と平行方向に延在するように、金属板2の両板面に3枚ずつ設けられている。
この放熱部材1は、金属板2の前記一辺部の近傍領域を金型内に配置し、高熱伝導性樹脂組成物をこの金型内に射出充填して高熱伝導性樹脂部3を一体成形するインサート成形により製造される。
金属板2には、第2図に示す如く、この射出成形時に高熱伝導性樹脂組成物が流入することにより金属板2の両面に積層された基層3A同士の連結部3Cを形成するための貫通孔2Aが設けられている。この貫通孔2Aの形成箇所や個数には特に制限はなく、1個のみでもよく、2個以上が複数箇所に設けられていてもよい。貫通孔2Aの金属板2への正対視形状は、円形でも楕円形でもよく、角部に丸みを設けた矩形・長方形でもよい。この場合、貫通孔2Aは、その正対視形状の長軸方向が、射出成形時の樹脂の流動方向にほぼ平行となるように設られるのが好ましい。
また、フィン3Bは、射出成形時の型抜き性(離型性)を良くするために、基層3A側の基端側3aから先端側3bに向けて次第に厚さが小さくなるようにテーパーが設けられていると共に、基端側3aの基層3Aとのコーナー部3cは、放熱部材の製造時や使用時に、フィン3Bに荷重がかかった際の応力集中による割れを防止するべく、応力緩和のための丸み(R)がつけられている。
金属板2や高熱伝導性樹脂部3の寸法には特に制限はなく、発熱体の大きさに応じて寸法は適宜決定される。例えば、電池モジュール用途においては、次のような寸法であることが好ましい。
金属板2は、第3図の如く、高熱伝導性樹脂部3の形成領域以外の領域(以下、「受熱部」と称す。)2Xを、電池等の発熱体に当接させて発熱体からの熱を受熱する面となるように用いられる。そのため、金属板2は、受熱部2Xが、放熱対象となる発熱体の発熱面の大きさとほぼ同等となるように設計される。例えば電池用途においては、金属板2の寸法は、板面の大きさが、第1図及び第2図の通り、幅W=50〜500mm、受熱部2Xの縦方向長さL=50〜500mm、Lと高熱伝導性樹脂部3への埋入部長さLとの合計長さL+L=60〜600mm、厚さ0.2〜5mm程度とすることが好ましい。金属板2の厚さについては、過度に薄過ぎると発熱体からの熱を効率的に伝熱させることができず、また、機械的強度が不足することにより、取り扱い性が悪くなる。金属板2の厚さが厚過ぎると形成される放熱構造の重量が増えると共に厚さが増し、構造体の小型軽量化の面で好ましくない。
なお、金属板は、多孔性のパンチングプレート状の板でもよいし、金属繊維を編んだ金属網状物であってもよい。
また、高熱伝導性樹脂部3の連結部3Cを形成するための貫通孔2Aの直径(平均径)は、小さ過ぎると射出成形時の樹脂流れが悪く、大き過ぎると金属板2の強度が損なわれるため1〜20mm、特に2〜10mm程度とすることが好ましい。
高熱伝導性樹脂部3の寸法についても、放熱対象の発熱体や適用箇所により異なるが、金属板2から伝播した熱を効率的に放熱するためには、後述の冷媒との接触で効率的に冷却されることが重要であり、そのためには、所定の空間内に形成されるフィンの合計の表面積、即ち、後述の冷媒との接触面積ができるだけ大きくなるように設計することが好ましい。
フィン3Bの寸法は、第2図における各部の寸法として、例えば以下の範囲とすることが好ましい。
フィン3Bの先端側の厚さd:0.1〜5mm、特に0.5〜3mm
フィン3Bの基端側の厚さd:0.5〜8mm、特に1〜5mm
隣接するフィン3B,3Bの間隔d:0.5〜50mm、特に1〜20mm
フィン3Bの突設高さh:3〜50mm、特に5〜25mm
基層3Aの厚さd:0.5〜5mm、特に1〜3mm
フィン3Bのコーナー部3cの曲率半径R:0.05〜2mm、特に0.1〜1mm
フィン3Bの厚さが薄過ぎると十分な熱伝導性及び放熱性が得られず、また、機械的強度が不足して取り扱い時に折れ易くなる。厚さが厚過ぎると限られた空間に多数のフィンを形成し得ず、放熱効率が悪くなる。
隣接するフィンの間隔が小さ過ぎると、後述の冷媒の流通抵抗が大きくなり、必要な流速を得るためのエネルギーが増すと共に、冷却効率も悪くなり、この結果、放熱効率が劣るものとなる。逆に、この間隔が大き過ぎると、所定の空間に形成できるフィンの数が少なくなり、やはり放熱効率が悪くなる。
フィン3Bの突出高さhについては、例えば電池モジュール用途において、後述の如く、金属板2を電池間に介装させて用いる場合、一般的には電池の厚さ以下である。従って、放熱効率の面から、この上限の範囲において、フィン3Bの突出高さhはなるべく高くすることが好ましく、通常、電池厚さの20〜100%、好ましくは30〜50%の高さとすることが好ましい。
また、基層3Aの厚さdは、フィン3Bの基端側の厚さdよりも厚いことが好ましい。即ち、基層3Aの厚さdをフィン3Bの基端側の厚さdよりも厚くすることにより、射出成形時に高熱伝導性樹脂組成物が金型内を流動して、基層部形成部からフィン形成部に流入する際に、その流路幅が狭くなることにより、高熱伝導性樹脂組成物中の繊維状の高熱伝導性充填材がフィンの突出高さ方向に配向するようになる。これにより、フィン3Bの基端側から先端側へ向けて優れた熱伝導効率が得られ、放熱効率が向上する。
上記効果を有効に得るために、基層3Aの厚さdは、フィン3Bの基端側の厚さdの1〜10倍、好ましくは1.1〜5倍程度であることが好ましい。
また、フィンの表面積を大きく確保した上で、射出成形時の型抜き性を良好とするために、フィン3Bのテーパー((基端側の厚さd−先端側の厚さd)/(2×突出高さh))は、1/100〜1/10程度であることが好ましい。
フィン3Bは、その表面積をなるべく大きくすると共に、フィン3Bの表面で後述の冷媒の乱流を起こして放熱効率を高めるために、表面粗さが高いことが好ましく、例えば、表面粗さRaが0.2μm以上であることが好ましい。後述の高熱伝導性充填材を配合した樹脂組成物の射出成形によれば、充填材が成形面の表層に存在することで、上述のような表面粗さの成形面を形成することができる。このような高熱伝導性充填材配合樹脂組成物により形成される表面粗さとしては、通常Raは0.5〜50μm程度が好ましい。
なお、表面粗さは、後述の実施例の項に記載される方法で測定される。
フィン3Bが形成される高熱伝導性樹脂部3の長さLは、過度に短いと、十分な放熱効率を得るだけの数のフィンを形成し得ず、過度に長いと全体の放熱構造が大きくなり、小型化を図ることができなくなることから、5〜100mm、特に10〜100mm程度とすることが好ましい。
なお、放熱部材1は、フィン3Bが金属板2の片面に3枚ずつ、合計6枚形成されているが、フィンの数には特に制限はなく、金属板の片面に2枚以下であっても4枚以上形成されていてもよい。通常、表面積の大きなフィンを、放熱構造を大型化させることなく、良好な放熱効率が得られるように形成する上では、金属板の片面に2〜50枚程度形成することが好ましい。
また、放熱部材1の起立部は、板状のフィン形状とされているが、起立部の形状には特に制限はなく、第9図(a)に示す一方向に延在する板状の起立部31を互いに所定の間隔で平行に形成したもの(放熱部材1のフィンはこの態様に相当する。)、第9図(b)に示すように、短冊状の起立部32を千鳥配置としたもの、第9図(c)に示すように、円柱状の起立部33を配列したもの、第9図(d)に示すような矩形波形状の起立部34、第9図(e)に示すように、部分的に厚さが異なり、表面に段差が形成された起立部35等、様々な形状の起立部を、様々な配置で設けることができる。また、異なる形状の起立部を適宜組み合わせて設けてもよい。特に、第9図(b)〜(e)のような起立部であれば、冷媒の熱伝達率が高まる乱流を生じさせやすく、優れた冷却効果及び放熱効果が期待される。
なお、いずれの起立部も、射出成形時の型抜き性向上のために基端側から先端側に向けて幅ないし径が小さくなるようにテーパが設けられている。
第9図(a)〜(e)の根元部(第9図中の31A〜35A)にはフィン3Bと同様に、Rがつけられている。好ましいRは0.05〜2mm、特に好ましくは0.1〜1mmである。
また、第9図(a),(b),(d),(e)の側面のエッジ部分(第9図中の31B、32B、34B、35B)はRを有する形状が好ましい。Rは流体が流れてくる位置にあればよいが、側面部分すべてにR(丸み)を設けてもよい。好ましいRは0.05〜2mm、特に好ましくは0.1〜1mmである。Rをつけることで流体の流動抵抗を下げることができる。
第11図(a)は、第9図(b)の起立部32を備えた放熱部材1’の斜視図、第11図(b)はその一部の拡大図である。放熱部材1と同様に、金属板2の上端に高熱伝導性樹脂部3’が設けられている。この高熱伝導性樹脂部3’は、前記高熱伝導性樹脂部3において、起立部3Bの代りに第9図(b)の起立部32を基層3Aから立設したものであり、その他の構成は放熱部材1と同様である。
放熱部材1を電池等の発熱体に取り付けて放熱構造を形成する場合、第3図及び第4図に示すように、放熱部材1の金属板2の受熱部2X部分が電池10等の発熱体の発熱面に当接するようにして放熱部材1を2つの電池10,10間に配置する。この際、前述の如く、電池10の筐体11の表面は、内部構造に由来する凹凸やリブとしての凹凸が形成されているため、この筐体11の凹凸と金属板2との間にシール材12を介在させることが好ましい。このシール材については後述する。
電池10,10間から突出する高熱伝導性樹脂部3には、冷媒を流通させるための流路形成部材としての断面コ字形のカバー20を被せる。このカバー20の内壁面とフィン3Bとの間及びフィン3B,3B間に、フィン3Bの延在方向に冷媒が流れることで、フィン3Bが冷却され、金属板2の受熱部2Xを経て伝播した電池10の熱が、高熱伝導性樹脂部3の基層3Aを経て、フィン3Bから効率的に放熱される。
カバー20の材質については特に制限はなく、樹脂製であっても金属製であっても良い。
カバー20の厚さについても、必要な強度を得た上で、小型軽量化が図れるように適宜決定される。通常、樹脂製のカバーであれば1〜5mm程度、金属製のカバーであれば0.2〜3mm程度である。
カバー20の側壁内面20Aとフィン3Bの先端との間隔Dや、放熱部材1の上端1Aとカバー20の天井面20Bとの間隔Dは、過度に大きいと、冷媒がフィン3B,3B間を流れず、高熱伝導性樹脂部3の周囲部分に多く流れるようになり、冷却効率が悪くなることから、D,Dは、過度に大きくならないように設計する。カバー20の側壁内面20Aとフィン3Bの先端とは当接されていてもよく(即ち、D=0)、また、カバー20の天井面20Bと放熱部材1の上端1Aについてもこれらが当接されていてもよい(即ち、D=0)、また、温度上昇による高熱伝導性樹脂部3部分の線膨張を見込んでこれらの間隔を設けるようにしてもよい。
なお、冷媒としては通常空気が用いられ、必要に応じてカバー20の一端側の開口には、空気の送風機又は吸引機が設けられる。この空気の流通流速については後述する。
なお、冷媒の流路形成部材としてのカバーは、1個の放熱部材毎に設けるものに限らず、第5図に示すように、複数個の放熱部材1を覆うように設けてもよい。この第5図において、第1〜4図と同一機能を奏する部材には同一符号を付してあり、その個々の説明は省略する。
本発明の第1態様に係る放熱部材及びこれを用いた構造の更に異なる実施の形態を第10図を参照して説明する。第10図は、本発明の第1態様に係る放熱部材の他の実施の形態を示す断面図である。
第10図において、41,51は本発明の第1態様に係る放熱部材、10は発熱体(電池)であり、11はその筐体、20はカバーである。
第10図の放熱部材41において、42は金属板であり、43は高熱伝導性樹脂部、43Aは基層、43Bは起立部(フィン)、42Aは高熱伝導性樹脂部の連結部43Cを形成するための貫通孔である。
この放熱部材41は、金属板42の板面に、起立部(フィン)43Bの基端側に入り込む板状の突起(突条)42Bが設けられており、また、金属板42の上端部において、金属板42の両板面の基層43Aの連結部がなく、金属板42の上端面が表出している点が、第1図〜第4図に示す放熱部材1と異なり、その他の同様の構成とされている。従って、放熱部材41の金属板42、高熱伝導性樹脂部43、基層43A、起立部(フィン)43B、貫通孔42Aは、それぞれ、放熱部材1の金属板2、高熱伝導性樹脂部3、基層3A、起立部(フィン)3B、貫通孔2Aに対応し、その寸法等については、前述の放熱部材1における説明が適用される。
なお、上端に基層43A,43A同士の連結部がないことから、金属板42に貫通孔42Aを複数個設け、連結部43Cの数を多くして、この連結部43Cにより、基層43Aと金属板42との密着性を高めている。
この放熱部材41では、金属板42の突条42Bが、フィン43Bの基端側に入り込んでいることにより、金属板42からフィン43Bへの熱の伝導性が高められると共に、金属板42と高熱伝導性樹脂部43との密着性が良好となり、更にはフィン43Bの補強効果も得られる。
なお、突条42Bの先端部は丸み(R)を有していた方が良い。そうすることにより、42B先端部に接する樹脂部分の応力集中による割れを防止することができる。好ましいRは0.05〜2mm、特に好ましくは0.1〜1mmである。
第10図の放熱部材51において、52は金属板であり、53は高熱伝導性樹脂部、53Aは基層、53Bは起立部(フィン)、52Aは高熱伝導性樹脂部の連結部53Cを形成するための貫通孔である。
この放熱部材51は、金属板52の両板面を凹凸面52Hとした点、及び放熱部材41と同様に金属板52の上端部において金属板52の両板面の基層53Aの連結部をなくし、金属板52の上端面を表出させている点が、第1図〜第4図に示す放熱部材1と異なり、その他は同様の構成とされている。従って、放熱部材51の金属板52、高熱伝導性樹脂部53、基層53A、起立部(フィン)53B、貫通孔52Aは、それぞれ、放熱部材1の金属板2、高熱伝導性樹脂部3、基層3A、起立部(フィン)3B、貫通孔2Aに対応し、その寸法等については、前述の放熱部材1における説明が適用される。
なお、上端に基層53A,53A同士の連結部がないことから、金属板52に貫通孔52Aを複数個設け、連結部53Cの数を多くして、この連結部53Cにより、基層53Aと金属板52との密着性を高めている。
この放熱部材51では、金属板52の表面が凹凸面52Hとされていることにより、金属板52と高熱伝導性樹脂部53との接触面積が増え、金属板53から基層53Bへの熱の伝導性が高められると共に、金属板52と高熱伝導性樹脂部53との密着性が良好となる。
なお、凹凸面52Hの凸先端部(山部分)および凹先端部(谷部分)は丸み(R)を有していた方が良い。そうすることにより、金属板52の凹凸面52Hに接する樹脂部分の応力集中による割れを防止することができる。好ましいRは0.05〜2mm、特に好ましくは0.1〜1mmである。
また、第10図において、放熱部材41と放熱部材51とは、放熱部材41のフィン43Bが放熱部材51のフィン53B同士の間に入り込み、放熱部材51のフィン53Bが放熱部材41のフィン53B同士の間に入り込むように、隣接する放熱部材の起立部(フィン)が互い違いに入り込んだ放熱構造とされている。
このように、放熱部材41,51を入り組ませて設置することにより、第5図に示す放熱構造に比べて、発熱体10の厚さに対して、フィンの高さ(第2図のh)を高くすることができ、フィンの表面積を大きくして放熱効率を高めることができる。ただし、この場合には、フィン同士の間に形成される空気の流通用流路が狭くなることにより、流通抵抗の増大、空気流量の低減が起こるため、この放熱構造においては、フィンの枚数、間隔を調整し、流路断面積を十分に確保するように設計することが重要である。この放熱部材41,51においても、金属板42,52と基層43A,53とによってベース部が構成されている。金属板42,52を高熱伝導性樹脂組成物板としてもよく、この場合、高熱伝導性樹脂組成物板を高熱伝導性樹脂部42,53と一体に成形してもよい。
第1図〜第5図の放熱部材1では、各起立部(フィン)3Bはいずれも高さhが等しいものとなっていたが、第12図及び第13図の放熱部材61,71のように、起立部(フィン63Bが各図の上端側(金属板2の一辺側)から下端に向って高さが徐々に大きくなるように構成してもよい。
放熱部材61,71は、放熱部材1と同じく金属板2と、高熱伝導性樹脂部63,73とからなる。高熱伝導性樹脂部63,73は、基層63A,73Aと、該基層63A,73Aの両側から立設された起立部(フィン)63B,73Bとを有している。起立部63B,73Bは、各図の上端側のものほど高さが小さくなっており、全体としてツリー状となっている。なお、上端側の最も高さの小さい起立部の高さは、下端側の最も高さの大きい起立部の高さの5〜50%特に10〜30%程度が好ましい。それらの間の起立部は、各起立部の先端が最上端の起立部の先端と、最下端の起立部の先端とを結ぶ線分の上にほぼ位置することが好ましい。
このように下端側の起立部ほど高さを大きくするのは、下端側の起立部ほど金属板2からの伝熱量が多いからである。
なお、第12図の放熱部材61では基層63Aが上下方向において等厚みとなっているが、第13図の放熱部材71では基層73Aが下側ほど厚みが大きくなるテーパ形状となっている。このように下側ほど厚みを大きくすることにより、基層73Aの下側の強度が大きくなる。
基層部を下側ほど厚みが大きくなる構成は、第1図〜第5図のように各起立部の高さが等しいタイプの放熱部材にも適用できる。第14図はその一例を示す斜視図である。この放熱部材1’’は、金属板2と高熱伝導性樹脂部3’’とを組み合わせたものであり、高熱伝導性樹脂部3’’の基層3A’’は下側ほど厚みが大きくなる構成を有している。放熱部材1’’のその他の構成は放熱部材1と同じであり、基層3A’’の両面からそれぞれ等高さにて起立部(フィン)3Bが立設されている。
なお、第12図〜第14図の実施の形態においても、金属板2と基層63A,73A,3A’’とによってベース部が構成されている。金属板2を高熱伝導性樹脂組成物板としてもよく、この場合、高熱伝導性樹脂組成物板を高熱伝導性樹脂部63,73,3’’と一体としてもよい。
[第2態様]
本発明の第2態様の放熱部材は、好ましくは、板状のベース部の一方の板面に、その略全領域にわたって起立部が設けられており、起立部が設けられていない側のベース部の板面を発熱体に直接又は所定の熱伝導率を有するシール材を介して当接させることにより、該発熱体からの熱を受熱し、受熱した熱を起立部から放熱する。
以下にこの第2態様の放熱部材の好適態様を第6図〜第8図を参照して説明する。
第6図は、第2態様の放熱部材の実施の形態を示す斜視図であり、第7図は第6図のVII−VII線に沿う断面図、第8図はこのような放熱部材を用いた放熱構造を示す断面図である。ただし、第8図において、起立部であるフィンの数は第6,7図とは異なる。
この放熱部材4は、板状のベース部4Aとこの高熱伝導性樹脂部4Aの一方の板面に突設された起立部としての板状のフィン4Bとを有する。
第6,7図において、フィン4Bはベース部4Aの一方の板面に、ベース部4Aの板面に対して略垂直方向に突設されており、また、ベース部2Aの一辺の延在方向と平行方向に延在するように9枚が互いに平行に設けられている。
この放熱部材4は、高熱伝導性樹脂組成物の射出成形により、ベース部4Aとフィン4Bとが一体的に成形されている。
また、フィン4Bは、前述の第1態様のフィン3Bと同様に射出成形時の型抜き性(離型性)を良くするために、ベース部4A側の基端側4aから先端側4bに向けて次第に厚さが小さくなるようにテーパーが設けられていると共に、基端側4aのベース部4Aとのコーナー部4cは、放熱部材の製造時や使用時に、フィン4Bに荷重がかかった際の応力集中による割れを防止するべく、応力緩和のための丸み(R)がつけられている。
この放熱部材4の寸法には特に制限はなく、発熱体の大きさに応じて寸法は適宜決定される。例えば、電池モジュール用途においては、次のような寸法であることが好ましい。
ベース部4Aは、後述の如く、フィン4Bの形成面と反対側の面4X(以下、「受熱面」と称す。)が、電池等の発熱体に当接されて発熱体からの熱を受熱する面とするため、放熱対象となる発熱体の発熱面の大きさとほぼ同等となるように設計される。例えば電池用途においては、ベース部4Aの板面の大きさは、30〜500mm×30〜500mm程度で、厚さ(第7図のd14)が1〜5mm程度とすることが好ましい。ベース部4Aの板面の大きさは、上述の如く、発熱体の発熱面の寸法と同等となるように設計されるが、厚さについては、過度に薄過ぎると発熱体からの熱を効率的にフィン4Bに伝熱させることができず、また機械的強度が不足することにより、取り扱い性が悪くなる。
ベース部4Aの厚さが厚過ぎると形成される放熱構造の重量が増えると共に厚さが増し、構造体の小型軽量化の面で好ましくない。
フィン4Bについても、放熱対象の発熱体や適用箇所により異なるが、ベース部4Aから伝播した熱を効率的に放熱するためには、後述の冷媒との接触で効率的に冷却されることが重要であり、そのためには、所定の空間内に形成されるフィンの合計の表面積、即ち、後述の冷媒との接触面積ができるだけ大きくなるように設計することが好ましい。
フィン4Bの寸法は、第7図における各部の寸法として、例えば以下の範囲とすることが好ましい。
フィン4Bの先端側の厚さd11:0.1〜5mm、特に0.5〜3mm
フィン4Bの基端側の厚さd12:0.5〜8mm、特に1〜5mm
隣接するフィン4B,4Bの間隔d13:0.5〜50mm、特に1〜20mm
フィン4Bの突設高さh11:3〜100mm、特に5〜50mm
フィン4Bのコーナー部4cの曲率半径R:0.05〜2mm、特に0.1〜1mm
フィン4Bの厚さが薄過ぎると十分な熱伝導性及び放熱性が得られず、また、機械的強度が不足して取り扱い時に折れ易くなる。厚さが厚過ぎると限られた空間に多数のフィンを形成し得ず、放熱効率が悪くなる。
隣接するフィンの間隔が小さ過ぎると、後述の冷媒の流通抵抗が大きくなり、必要な流速を得るためのエネルギーが増すと共に、冷却効率も悪くなり、この結果、放熱効率が劣るものとなる。逆に、この間隔が大き過ぎると、所定の空間に形成できるフィンの数が少なくなり、やはり放熱効率が悪くなる。
フィン4Bの突出高さh11が低過ぎると、フィン4Bの表面積を大きくして、放熱効率を十分に高めることができず、高過ぎると放熱構造が大型化する。
また、ベース部4Aの厚さd14は、フィン4Bの基端側の厚さd12よりも厚いことが好ましい。即ち、ベース部4Aの厚さd14をフィン4Bの基端側の厚さd12よりも厚くすることにより、射出成形時に高熱伝導性樹脂組成物が金型内を流動して、ベース部形成部からフィン形成部に流入する際に、その流路幅が狭くなることにより、高熱伝導性樹脂組成物中の繊維状の高熱伝導性充填材がフィンの突出高さ方向に延在するように流動するようになる。これにより、フィン4Bの基端側から先端側へ向けて優れた熱伝導効率が得られ、放熱効率が向上する。
上記効果を有効に得るために、ベース部4Aの厚さd14は、フィン4Bの基端側の厚さd12の1〜10倍、好ましくは1.1〜5倍程度であることが好ましい。
また、フィンの表面積を大きく確保した上で、射出成形時の型抜き性を良好とするために、フィン4Bのテーパー((基端側の厚さd12−先端側の厚さd11)/(2×突出高さh11))は、1/100〜1/10程度であることが好ましい。
フィン4Bは、その第1態様におけるフィン3Bと同様、その表面積をなるべく大きくすると共に、フィンの表面で後述の冷媒の乱流を起こして放熱効率を高めるために、表面粗さが高いことが好ましく、例えば、表面粗さRaが0.2μm以上、特に0.5〜50μmであることが好ましい。
なお、第6,7図において、放熱部材4は、フィン4Bがベース部4Aの片面に9枚形成されているが、フィンの数には特に制限はなく、8枚以下であっても、10枚以上形成されていてもよい。例えば、第8図に示すように4枚であってもよい。通常、表面積の大きなフィンを、放熱構造を大型化させることなく、良好な放熱効率が得られるように形成する上では、フィンは、ベース部4Aの幅W11の100mmあたり3〜50枚程度形成することが好ましい。
また、放熱部材4の起立部は、板状のフィン形状とされているが、起立部の形状には特に制限はなく、第9図(a)〜(e)に示す起立部等、様々な形状の起立部を、様々な配置及び組み合わせで設けることができる。
放熱部材4を電池等の発熱体に取り付けて放熱構造を形成する場合、第8図に示すように、放熱部材4のベース部4Aの受熱面4X部分が電池10等の発熱体の発熱面に当接するようにして放熱部材4を配置する。この際、前述の如く、電池10の筐体の表面は、内部構造に由来する凹凸やリブとしての凹凸が形成されているため、この筐体の凹凸と放熱部材4のベース部4Aとの間にシール材12を介在させることが好ましい。このシール材については後述する。
或いは、ベース部4Aは、射出成形時に電池10の発熱体の表面の凹凸形状に倣う凹凸形状を形成しておき、電池10の発熱体表面と密接に当接されるようにすることもできる。この際、樹脂の射出成形であれば、容易に、この凹凸形状を形成することができる。
放熱部材4の上には、冷媒を流通させるための流路形成部材としての断面コ字形のカバー20を被せてもよい。このカバー20の内壁面とフィン4Bとの間及びフィン4B,4B間に、フィン4Bの延在方向に冷媒が流れることで、フィン4Bが冷却され、ベース部4の受熱面4Xを経て受熱した電池10の熱が、ベース部4Aを経て、フィン4Bから効率的に放熱される。
カバー20の材質については特に制限はなく、樹脂製であっても金属製であっても良い。
カバー20の厚さについても、必要な強度を得た上で、小型軽量化が図れるように適宜決定される。通常、樹脂製のカバーであれば1〜5mm程度、金属製のカバーであれば0.2〜3mm程度である。
カバー20の側壁内面20Aとフィン4Bの基端側側面との間隔D11や、フィン4Bの先端とカバー20の天井面20Bとの間隔D12は、過度に大きいと、冷媒がフィン4B,4B間を流れず、放熱部材4の周囲部分に多く流れるようになり、冷却効率が悪くなることから、D11,D12は、過度に大きくならないように設計する。カバー20の天井面20Bとフィン4Bの先端とは当接されていてもよい(即ち、D12=0)。また、温度上昇によるフィン4Bの線膨張を見込んでこの間隔を設けるようにしてもよい。
なお、冷媒としては通常空気が用いられ、必要に応じてカバー20の一端側の開口には、空気の送風機又は吸引機が設けられる。この空気の流通流速については後述する。
第6図〜第7図では、ベース部4Aは平板状であるが、ベース部は筒状、半筒状などであってもよい。ベース部を筒状とした放熱部材の一例について第15図〜第21図を参照して説明する。
第15,16図の放熱部材80は、円筒形のベース部81から複数板の円環板状の起立部82(82a〜82n)を放射方向に立設したものである。各起立部82は、板面を円筒形ベース部81の筒軸心線方向と直交方向としている。各起立部82同士の間隔は一定である。筒軸心方向一端側(図の右端側)の起立部82aとそれに隣接する起立部82bの起立高さ(直径)は同一であるが、3番目の起立部82cから他端側(左端側)の起立部82nにかけて直径が徐々に大きくなっている。最左端の起立部82nの外周縁からは左方に短い筒形環状部83が突設されている。
この放熱部材80のベース部81の内孔に対して、パイプ状又は中実棒状の発熱部材が挿入され、必要に応じシール部材によって発熱部材の外周面とベース部81の内周面とを密着させる。通常の場合、発熱部材は第15,16図の左方へ長く突出するように配置さされる。
なお、第15,16図では、起立部82の高さを異ならせているが、同一としてもよい。
第17,18図の放熱部材90は、円筒形のベース部91の外周面から複数枚の三角形板状の起立部(フィン)92を放射方向に立設したものである。各起立部92は、板面を筒状ベース部91の軸心線方向と平行方向としている。起立部92は、ベース部91の筒軸心方向一端側(先端側)において高さ(ベース部91の外周面から放射方向への起立高さ)が最も小さく、他端側(後端側)において高さが最も大きくなっている。ベース部91の該他端側にはフランジ部93が設けられており、各起立部92の他端側は該フランジ部93に連なっている。フランジ部93の外周からは、前記放熱部材80の筒形環状部83と同様の筒形環状部93aが後方に突設されている。なお、このフランジ部93及び筒形環状部93aも起立部の一部を構成している。
第19図の放熱部材100は、円筒状のベース部101の外周から格子状の起立部102を立設したものである。この起立部102は、第15,16図の放熱部材80の円環板状の起立部82よりなる第1の板状部と、第17,18図の三角形板状の起立部92よりなる第2の板状部とを組み合わせた形状のものである。起立部102は、第17,18図の放熱部材90と同様に設けられたフランジ部93に連なっている。フランジ部93の外周からは筒形環状部93aが後方に突設されている。
第20,21図の放熱部材110は、円筒状のベース部111と、該ベース部111の後端側から突設されたフランジ部93と、該フランジ部93の板面から突設された多数のピン112と、フランジ部93の外周から後方に突設された筒形環状部93aとを有している。フランジ部93及び筒形環状部93aの構成は、前記と同じである。
ピン112は、筒形環状部93aとは逆方向にベース部111の先端側に向ってフランジ部93から突設されている。各ピン112のピン軸方向は、ベース部111の筒軸心線方向と平行方向となっている。
この実施の形態では、ピン112は、フランジ部93の内周側において周方向に配列された第1列と、外周側において周方向に配列された第3列と、それらの間において周方向に配列された第2列との3列構成となっている。そして、第1列のピンの長さが最も長く、第3列のピンが最も短く、第2列の長さはその中間となっている。ただし、ピンの列の数や高さはこれに限定されない。また、各ピン112は、基端側すなわちフランジ部93側が太く、先端側ほど細いテーパピン形であるが、これに限定されない。
この実施の形態では、フランジ部93と筒形環状部93aと、ピン112とによって起立部が構成されている。
[高熱伝導性樹脂組成物]
以下に本発明で用いる高熱伝導性樹脂組成物について説明する。
本発明の放熱部材の少なくとも前記起立部を構成する高熱伝導性樹脂組成物とは、熱伝導率が0.5W/m・K以上のものである。この高熱伝導性樹脂組成物の熱伝導率が0.5W/m・K未満では、発熱体から受熱部を経て伝播される熱を効率的に放熱することができず、十分な放熱効率を得ることができない。
高熱伝導性樹脂組成物の熱伝導率は高い程好ましく、好ましくは1W/m・K以上、より好ましくは3W/m・K以上、特に好ましくは5W/m・K以上である。ただし、後述のように樹脂に高熱伝導性充填材を配合することにより調製される高熱伝導性樹脂組成物としては、その熱伝導率は好ましくは50W/m・K以下、より好ましくは40W/m・K以下、特に好ましくは30W/m・K以下である。熱伝導率が50W/m・Kより大きい場合、樹脂組成物中に高熱伝導性充填材を多く配合することとなり、射出成形時に樹脂組成物が固化しやすく、充填不良を起こすので好ましくない。
本発明で用いる高熱伝導性樹脂組成物は、特に高熱伝導性充填材を配合したポリカーボネート樹脂組成物よりなることが好ましい。
そのポリカーボネート樹脂としては、芳香族ポリカーボネート樹脂、脂肪族ポリカーボネート樹脂、芳香族−脂肪族ポリカーボネート樹脂を用いることができるが、中でも芳香族ポリカーボネート樹脂が好ましい。該芳香族ポリカーボネート樹脂は、芳香族ジヒドロキシ化合物をホスゲン又は炭酸のジエステルと反応させることによって得られる熱可塑性芳香族ポリカーボネート重合体又は共重合体である。
該芳香族ジヒドロキシ化合物としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(=ビスフェノールA)、テトラメチルビスフェノールA、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−P−ジイソプロピルベンゼン、ハイドロキノン、レゾルシノール、4,4−ジヒドロキシビフェニルなどが挙げられ、好ましくはビスフェノールAが挙げられる。さらに、難燃性をさらに高める目的で上記の芳香族ジヒドロキシ化合物にスルホン酸テトラアルキルホスホニウムが1個以上結合した化合物や、シロキサン構造を有する両末端フェノール性OH基含有のポリマーあるいはオリゴマーを使用することができる。
本発明で用いる芳香族ポリカーボネート樹脂としては、好ましくは、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンから誘導されるポリカーボネート樹脂、又は2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンと他の芳香族ジヒドロキシ化合物とから誘導されるポリカーボネート共重合体が挙げられる。さらに2種以上のポリカーボネート樹脂を併用してもよい。
該ポリカーボネート樹脂の分子量は、溶媒としてメチレンクロライドを用い、温度25℃で測定された溶液粘度より換算した粘度平均分子量で、14,000〜30,000の範囲であり、好ましくは15,000〜28,000、より好ましくは16,000〜26,000である。粘度平均分子量が14,000未満では機械的強度が不足し、30,000を越えると成形性に難を生じやすく好ましくない。
このような芳香族ポリカーボネート樹脂の製造方法については、限定されるものでは無く、ホスゲン法(界面重合法)あるいは、溶融法(エステル交換法)等で製造することができる。さらに、溶融法で製造された、末端基のOH基量を調整した芳香族ポリカーボネート樹脂を使用することができる。
芳香族ポリカーボネート樹脂としては、バージン原料だけでなく、使用済みの製品から再生された芳香族ポリカーボネート樹脂、いわゆるマテリアルリサイクルされた芳香族ポリカーボネート樹脂の使用も可能である。使用済みの製品としては、光学ディスクなどの光記録媒体、導光板、自動車窓ガラスや自動車ヘッドランプレンズ、風防などの車両透明部材、水ボトルなどの容器、メガネレンズ、防音壁やガラス窓、波板などの建築部材などが好ましく挙げられる。また、再生芳香族ポリカーボネート樹脂としては、製品の不適合品、スプルー、又はランナーなどから得られた粉砕品又はそれらを溶融して得たペレットなども使用可能である。
一方、高熱伝導性充填材としては、具体的には炭素繊維、黒鉛や窒化ホウ素などの熱伝導性粉体、板状黒鉛等が挙げられる。
高熱伝導性充填材を配合したポリカーボネート樹脂組成物としては、前述の熱伝導率を満たすものであればよく、特に制限はないが、例えば、本出願人より先に特許出願された以下のようなものが挙げられる。
<高熱伝導性ポリカーボネート樹脂組成物1>
(A)ポリカーボネート系樹脂100質量部に対し、(B)黒鉛化されてなる炭素繊維であって、長さ方向の熱伝導率が100W/m・K以上、かつ繊維平均径5〜20μmの炭素繊維5質量部以上40質量部未満、及び(C)平均粒子径が1〜500μmの黒鉛粉体5質量部以上100質量部以下を含有する樹脂組成物(特開2007−91985号公報)。
ここで(B)黒鉛化されてなる炭素繊維としては、好ましくは長さ方向の熱伝導率が400W/m・K以上のものである。
(B)黒鉛化されてなる炭素繊維の熱伝導率が上記範囲を外れた場合は、低充填率において十分な熱伝導性を得ることが出来ない。該炭素繊維は、例えば、特開2000−143826号公報に記載されている、通常2〜20mmにカットされた炭素短繊維(チョップドストランド)を嵩密度450〜800g/lで収束してなり、次いで黒鉛化されてなる炭素短繊維収束体が好ましいものとして挙げられる。該炭素短繊維収束体は、炭素繊維をサイジング剤で収束させた後、所定の長さに切断して、黒鉛化処理することにより、サイジング剤の含有量を0.1重量%以下にしたものである。該黒鉛化処理の条件としては、例えば、不活性ガス雰囲気中、2800℃〜3300℃で加熱する方法が挙げられる。また、他の方法としては、連続した繊維(ロービング)を黒鉛化処理した後、所定の長さにカットして用いることも可能である。炭素繊維の平均繊維径は画像解析装置(例えば(株)東芝製、画像処理R&Dシステム TOSPIX−i)等で測定でき、5〜20μmである。5μm未満ではポリカーボネート樹脂へ混合充填した時の熱伝導性が低下したり、成形品のそりが大きくなったりするなどの問題を生じやすく、20μmを越えると寸法安定性が低下し、良外観が出にくい。また、サイジング剤の含有量は0.1重量%より多いと、熱伝導率の低下を招きやすい。炭素繊維の配合量は40質量部未満であり、これより多いと成形加工性や寸法安定性が低下し、そりが大きくなる。更に、該配合量が5質量部未満であると、十分な熱伝導率が得られない。該配合量としては、好ましくは10質量部以上40質量部未満であり、より好ましくは15質量部以上35質量部以下である。
更に(B)炭素繊維としては、好ましくは長繊維状のものを使用するのがよい。例えば、繊維長1〜30mm、好ましくは2〜20mmのものを用いる。長繊維状のものを使用することは、熱伝導性の改善、及び成形品のそりの低減の点等で効果的である。
この高熱伝導性ポリカーボネート樹脂組成物1では、熱伝導性、成形加工性を高め、成形品のそりを少なくするために、(C)平均粒子径が1〜500μmの黒鉛粉体を5質量部以上100質量部以下を併用する。(C)黒鉛粉体の平均粒子径は、JIS Z8825−1に準拠してレーザー回折法により測定し、JIS Z8819−2に準拠して平均粒子径を求めた値を指す。この値が500μmを超えた場合や、含有量として100質量部を超えた場合は、成形加工性が低下する。(C)黒鉛粉体の平均粒子径が1μm未満でも、配合時に飛散するなど、取り扱いが困難であり、樹脂組成物中に均一に分散させるのも困難である。さらに、含有量として5質量部未満であると、十分な熱伝導性が得られない。(C)黒鉛粉体の平均粒子径は、5〜100μmであるのが好ましい。また、該(B)の炭素繊維の量が少ない場合は、(C)黒鉛粉体の量を比較的多めにして、所定の熱伝導率が得られるように、適宜調整する。例えば、(B)炭素繊維の量が5質量部以上25質量部以下の場合は、(C)黒鉛粉体の量は20質量部以上100質量部以下が好ましく、より好ましくは20質量部以上80質量部以下である。(B)炭素繊維の量が25質量部以上40質量部未満の場合は、(C)黒鉛粉体の量を5質量部以上40質量部以下とすることが好ましく、より好ましくは5質量部以上20質量部以下とするのが好ましい。
<高熱伝導性ポリカーボネート樹脂組成物2>
(A)ポリカーボネート系樹脂100質量部に対し、(B)芳香族ポリカーボネートオリゴマー1質量部以上40質量部以下、(C)黒鉛化されてなる炭素繊維であって、長さ方向の熱伝導率が100W/m・K以上、かつ繊維平均径5〜20μmの炭素繊維5質量部以上40質量部未満、及び(D)熱伝導率が10W/m・K以上で平均粒子径が1〜500μmの熱伝導性粉体(但し、窒化ホウ素を除く)5質量部以上100質量部以下を含有する樹脂組成物(特開2007−99798号公報)。
ここで、(C)黒鉛化されてなる炭素繊維は、前述の高熱伝導性ポリカーボネート樹脂組成物1における(B)黒鉛化されてなる炭素繊維と同様であり、その好ましい配合量も同等である。
(B)芳香族ポリカーボネートオリゴマーとしては、ビスフェノールA(BPA)をホスゲンまたは炭酸ジエステルとを適当な分子量調節剤を用いて反応させることによって得られるものである。また、ビスフェノールAの一部を他の二価のフェノールで置き換えた共重合型のものであってもよく、他の二価フェノールとしては上記芳香族ポリカーボネート樹脂で説明した二価フェノールが用いられる。
末端停止剤または分子量調節剤としては、一価のフェノール性水酸基を有する化合物や芳香族カルボン酸基を有する化合物等が挙げられ、通常のフェノール、p−t−ブチルフェノール、2,3,6−トリブロモフェノール等の他に、長鎖アルキルフェノール、脂肪族カルボン酸クロライド、脂肪族カルボン酸、ヒドロキシ安息香酸等が挙げられる。芳香族ポリカーボネートオリゴマーは、一種でも、または二種類を混合して使用してもよい。かかる芳香族ポリカーボネートオリゴマーは、重合度1では成形時に成形品からブリードアウトしやすく、他方重合度が大きくなると満足する流動性、表面平滑性が得られ難くなるため、好ましくは重合度2〜15である。芳香族ポリカーボネートオリゴマーの配合量は、高熱伝導性ポリカーボネート樹脂組成物2中の(A)ポリカーボネート系樹脂100質量部に対して1質量部以上40質量部以下である。1質量部未満では、充分な流動性と表面平滑性は得られにくく、40質量部を超えると、機械的特性を低下させる。より好ましい配合量は(A)ポリカーボネート系樹脂100質量部に対して2質量部以上30質量部以下である。
高熱伝導性ポリカーボネート樹脂組成物2では、熱伝導性、成形加工性を高め、成形品のそりを少なくするために、(D)熱伝導率が10W/m・K以上で平均粒子径が1〜500μmの熱伝導性粉体(但し、窒化ホウ素を除く)5質量部以上100質量部以下を併用する。(D)成分の例には、炭素系粉体、ケイ素系粉体、ホウ素系粉体(但し、窒化ホウ素を除く)、金属元素の少なくとも一種の炭化物、酸化物、及び窒化物、並びに金属単体の粉末及び繊維が含まれる。(D)成分としてより好ましくは、炭素繊維(上記(C)成分の範疇に含まれないもの)、黒鉛、金属被覆炭素繊維、金属被覆黒鉛、金属被覆ガラス、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、炭化ホウ素、窒化ケイ素、炭化ケイ素、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、金属繊維及び金属粉末からなる群の1つ又は2つ以上からなる熱伝導性粉末が挙げられる。中でも、黒鉛粉体が好ましい。その他、好ましい粉体としては、ケイ素、マグネシウム及びアルミニウム、ホウ素から選ばれる少なくとも一種の炭化物、酸化物、及び窒化物である。前記(D)成分の平均粒子径は、JIS Z8825−1に準拠し、レーザー回折法により測定し、JIS Z8819−2に準拠して求めた値である。この値が500μmを超えた場合や、含有量として100質量部を超えた場合は、成形加工性が低下する。該(D)成分の平均粒子径が1μm未満でも、配合時に飛散するなど、取り扱いが困難であり、樹脂組成物中に均一に分散させるのも困難である。該(D)成分の平均粒子径は、5〜100μmであるのが好ましい。さらに、含有量として5質量部未満であると、十分な熱伝導性が得られない。該(C)の炭素繊維の量が少ない場合は、(D)の熱伝導性粉体の量を比較的多めにして、所定の熱伝導率が得られるように、適宜調整する。例えば、(C)の炭素繊維の量が5質量部以上25質量部以下の場合は、(D)の熱伝導性粉体の量は20質量部以上100質量部以下が好ましく、より好ましくは20質量部以上80質量部以下である。(C)の炭素繊維の量が25質量部以上40質量部未満の場合は、(D)の熱伝導性粉体の量を5質量部以上40質量部以下とすることが好ましく、より好ましくは5質量部以上20質量部以下とするのが好ましい。
<高熱伝導性ポリカーボネート樹脂組成物3>
(A)ポリカーボネート系樹脂100質量部に対し、(B)芳香族ポリカーボネートオリゴマー1質量部以上40質量部以下、(C)黒鉛化されてなる炭素繊維であって、長さ方向の熱伝導率が100W/m・K以上、かつ繊維平均径5〜20μmの炭素繊維5質量部以上40質量部未満、及び(D)平均粒子径が1〜500μmの窒化ホウ素5質量部以上100質量部以下含有する樹脂組成物(特開2007−99799号公報)。
ここで、(B)芳香族ポリカーボネートオリゴマーとしては、高熱伝導性ポリカーボネート樹脂組成物2における(B)芳香族ポリカーボネートオリゴマーと同様のものを用いることができ、その好適な配合量も同等である。
また、(C)黒鉛化されてなる炭素繊維は、前述の高熱伝導性ポリカーボネート樹脂組成物1における(B)黒鉛化されてなる炭素繊維と同様であり、その好ましい配合量も同等である。
高熱伝導性ポリカーボネート樹脂組成物3では、絶縁性を付与すると共に、熱伝導性、成形加工性を高め、成形品のそりを少なくするために、(A)ポリカーボネート系樹脂100質量部に対して、(D)平均粒子径が1〜500μmの窒化ホウ素を5質量部以上100質量部以下用いる。前記(D)成分の平均粒子径は、JIS Z8825−1に準拠し、レーザー回折法により測定し、JIS Z8819−2に準拠して求めた値である。この値が500μmを超えた場合や、含有量として100質量部を超えると成型加工性が低下する。該(D)成分の平均粒子径が1μm未満でも、配合時に飛散するなど、取り扱いが困難であり、樹脂中に均一に分散させるのも困難である。さらに、含有量として5質量部未満であると、十分な熱伝導性と絶縁性が得られない。また、(D)成分の含有量の好ましい範囲は、併用する(C)成分の含有量によって変動し、(C)成分と等質量部以上とするのが好ましい。(C)成分の含有量未満であると、十分な熱伝導性と絶縁性が得られない場合がある。また、(C)成分である炭素繊維の含有量が少ない場合は、(D)成分である窒化ホウ素の含有量を比較的多めにして、所定の熱伝導率が得られるように、適宜調整するのも好ましい。例えば、(C)の炭素繊維の量が5質量部以上25質量部以下の場合は、(D)の窒化ホウ素の量は20質量部以上100質量部以下が好ましく、より好ましくは20質量部以上80質量部以下である。(C)の炭素繊維の量が25質量部以上40質量部未満の場合は、(D)の窒化ホウ素の量を5質量部以上40質量部以下とすることが好ましく、より好ましくは5質量部以上20質量部以下とするのが好ましい。
なお、窒化ホウ素には、c−BN(閃亜鉛鉱構造)、w−BN(ウルツ鉱構造)、h−BN(六方晶構造)、r−BN(菱面体晶構造)など、複数の安定構造が知られている。本発明では、いずれの窒化ホウ素を用いてもよいが、中でも、六方晶構造の窒化ホウ素を用いるのが好ましい。また、窒化ホウ素には、球状のものと鱗片状のものがあり、いずれも用いることができるが、鱗片状のものを用いると、より絶縁性に優れた成形品が得られるとともに、機械的特性が良好となるので好ましい。また、鱗片状の窒化ホウ素粉体の平均粒子径は、一般的には1〜50μmであり、かかる範囲の平均粒子径の粉体を用いるのも好ましい。但し、窒化ホウ素の比重及び平均粒子径はこの範囲に限定されるものではない。
また、該窒化ホウ素の熱伝導率が、10W/m・K以上であるのが好ましい。
<高熱伝導性ポリカーボネート樹脂組成物4>
(A)熱可塑性樹脂、好ましくはポリカーボネート樹脂と(B)黒鉛とを含む熱可塑性樹脂組成物であって、該(B)黒鉛のアスペクト比が20〜50で、平均粒子径が10〜200μmであり、かつ固定炭素量が98質量%以上である樹脂組成物(特願2009−162853)。
ここで言う平均粒子径とは、SEM(走査電子顕微鏡)観察において、100個のサンプルについて粒子径(ここで粒子径とは、黒鉛を2枚の平行な板で挟んだ場合、この平行な板の間隔が最も大きくなる部位の径(板の間隔の長さ)をさす)を測定して得られた値の平均値である。この平均粒子径が小さすぎると、溶融混練時に空気中に舞うなど大気汚染の問題が生じたり、樹脂組成物の溶融粘度が著しく増加して流動性が低下する事がある。ただし、平均粒子径が大き過ぎると、溶融混練時時に黒鉛を含む粉体がホッパー内でブリッジするなどの供給不良が生じたり、成形品の外観不良が生じる場合があり、また、平均粒子径が過度に大きい黒鉛を製造ないし入手することは困難である。より好ましい(B)黒鉛の平均粒子径は20〜200μmである。
また、黒鉛の粒子径と厚みとの比で求められるアスペクト比が20より小さいと、黒鉛が、射出成形工程にて、成形品内で、成形品厚み方向と黒鉛厚み方向とが一致するように配向するが、その場合、成形品厚み方向と垂直な面方向への黒鉛の熱伝導率への寄与が少なくなり、より高い熱伝導性を得ることができない。このため、このアスペクト比は20より大きく、特に25以上、とりわけ30以上であることが好ましい。ただし、アスペクト比が大きすぎると、黒鉛同士の絡み合いにより、分散不良が生じる場合があるため、アスペクト比は50以下、好ましくは45以下である。
ここで、黒鉛のアスペクト比は、SEM(走査電子顕微鏡)観察において、100個のサンプルについて厚み(ここで厚みとは、黒鉛を2枚の平行な板で挟んだ場合、この平行な板の間隔が最も小さくなる部位の径(板の間隔の長さ)をさす)を測定して得られた値の平均値を平均厚みとし、上述の平均粒子径に対して、平均粒子径/平均厚みの比を算出することにより求められる。
また、高熱伝導性ポリカーボネート樹脂組成物4で用いる(B)黒鉛は、JIS M8511に準じて測定される固定炭素量が98質量%以上、好ましくは98.5質量%以上、より好ましくは99質量%以上であることにより、優れた熱伝導性を得ることができる。
高熱伝導性ポリカーボネート樹脂組成物4においては、上述のような物性を有する黒鉛の中でも、粉末コークスを1000℃以上で熱処理した熱分解黒鉛を用いることが好ましい。ここで熱処理が不十分ある場合、高い熱伝導性を得ることができない場合がある。この熱処理条件としては、好ましくは、温度1000〜3500℃で、不活性ガス中にて処理して得たものが好ましい。
このような熱処理を施した熱分解黒鉛は、不純物が少なく、黒鉛自体の熱伝導率も高い上に、樹脂の分解を抑制するため好適である。
高熱伝導性ポリカーボネート樹脂組成物4中の(B)黒鉛の含有量は、好ましくは1〜50質量%、より好ましくは1〜40質量%、さらに好ましくは5〜40質量%、特に好ましくは10〜40質量%である。
(B)黒鉛の含有量が少な過ぎると必要とされる熱伝導性を得ることができない場合があり、多過ぎると樹脂組成物の混練が困難となり組成物を調製し得ない場合がある。
なお、(B)黒鉛は、材質、形状、物性等の異なるものを2種以上併用してもよい。
<高熱伝導性ポリカーボネート樹脂組成物5>
(A)熱可塑性樹脂、好ましくはポリカーボネート樹脂20質量%以上85質量%以下と、(B)見掛け密度0.16g/cm以上の板状黒鉛5質量%以上30質量%以下と、(C)電気絶縁性を有する充填材(以下「絶縁性充填材」と称す。)10質量%以上60質量%以下を含む樹脂組成物(特願2009−162852)。
ここで使用する(B)黒鉛は、見掛け密度が0.16g/cm以上の板状黒鉛であり、好ましくは、天然鱗状黒鉛、天然鱗片状黒鉛、熱分解黒鉛、キッシュ黒鉛から選ばれるものが挙げられる。
(B)黒鉛の見掛け密度が0.16g/cm未満では、(A)熱可塑性樹脂や(C)絶縁性充填材との見掛け密度の差が大き過ぎて、樹脂組成物製造時に分離し易く、生産性が低下し、得られた樹脂組成物の品質のバラツキが大きくなるので好ましくない。(B)黒鉛の見掛け密度は、好ましくは0.18g/cm以上であり、さらに好ましくは0.20g/cm以上である。なお、この見掛け密度の上限は通常0.5g/cm程度である。なお、見掛け密度はメスシリンダーに30mlの黒鉛を自然落下状態で充填し、その重量を測定する事で求めることができる。
高熱伝導性ポリカーボネート樹脂組成物5で使用する(B)黒鉛の固定炭素含有率は、好ましくは97質量%以上、さらに好ましくは98質量%以上である。(B)黒鉛の灰分含有率は、好ましくは2質量%以下、さらに好ましくは1質量%以下である。また、(B)黒鉛の揮発分含有率は、好ましくは1.5質量%以下であり、さらに好ましくは1.0質量%以下である。黒鉛の固定炭素、灰分及び揮発分含有率が上記範囲から外れた場合、樹脂組成物の熱伝導率や溶融熱安定性が低下することがある。
高熱伝導性ポリカーボネート樹脂組成物5で使用する(B)黒鉛の平均粒径は、重量平均で3〜100μmであることが好ましく、5〜80μmであることがより好ましく、5〜60μmであることがさらに好ましい。平均粒径3μm未満の黒鉛は、押出機などを用いて溶融混練する場合、スクリューへの喰い込みが悪く、計量不安定となり、生産性が低下する。黒鉛の平均粒径が100μmを超えると、成形品の表面平滑性や分散性が劣るので好ましくない。
また、高熱伝導性ポリカーボネート樹脂組成物5で用いる(B)黒鉛は、板状形状を有する黒鉛であるが、ここで板状とは、板面の面積に対して厚みの薄い薄片状ないし鱗片状のものをさし、好ましくは、平均厚み/平均粒径が2〜20であるようなものである。
この(B)黒鉛の平均粒径及び平均厚みは、溶融混練前の平均粒径及び平均厚みであり、通常はカタログ値を用いるが、開示されていない場合は、ISO13320のレーザー法で測定したメジアン粒径(D50値と表示することもある)によって求めた値を平均粒径とし、黒鉛をエポキシ樹脂で固め、研磨した後、研磨面をSEM(走査型電子顕微鏡)で観察し、100個の厚みの平均値を平均厚みとする。
高熱伝導性ポリカーボネート樹脂組成物5で使用する(B)黒鉛は、その特性を損なわない限りにおいて、(A)熱可塑性樹脂との親和性を増すために、表面処理、例えばエポキシ処理、ウレタン処理、酸化処理等が施されていてもよい。
高熱伝導性ポリカーボネート樹脂組成物5は、(B)黒鉛と共に、(C)絶縁性充填材を含み、これにより、優れた熱伝導性と絶縁性を兼ね備えることができる。
即ち、高熱伝導性ポリカーボネート樹脂組成物5においては、(B)黒鉛を含むことにより熱伝導性が得られるが、この(B)黒鉛が板状黒鉛であり、かつ、(C)絶縁性充填材と共存することにより、成形時に板状の(B)黒鉛の配向が(C)絶縁性充填材により促進され、この結果、板状黒鉛による熱伝導性が高められる。また、絶縁性の(C)絶縁性充填材を含むことで、絶縁性も付与される。更には、(C)絶縁性充填材を含むことで、表面平滑性、寸法安定性が良好となり、得られる成形品の硬度が高くなることにより、耐チョーク性が改善されるという効果も奏される。
高熱伝導性ポリカーボネート樹脂組成物5で用いる(C)絶縁性充填材は、粒子状、板状、繊維状のいずれであってもよいが、好ましくは、板状又は繊維状であり、特に好ましくは板状である。
板状の(C)絶縁性充填材としては、薄片状、鱗片状のタルク、マイカ、クレー、カオリン、ガラスフレーク等が例示され、特に好ましくはガラスフレークである。
繊維状の(C)絶縁性充填材としてはガラス繊維、ウァラスト繊維等が例示され、好ましくはガラス繊維である。
これらの絶縁性充填材は、1種を単独で用いても良く、2種以上を併用してもよい。
ガラスフレークは、厚さ3〜7μm、粒子径10〜4000μmの板状無定形ガラスであり、無機質としてのガラスの特性と、その形状から得られる特性により、独特の効果が奏される。使用されるガラスは、Cガラスと、Eガラスがあり、EガラスはNaO或いはKO等がCガラスに比べて少ないので、Eガラスを使用したガラスフレークが好ましく使用される。ガラスフレークとしては、例えば、市販品である日本電気硝子(株)のREFG−101等が使用されるが、その平均粒子径は600μm、平均厚み3〜7μmである。平均粒子径が他の添加剤と比べて大きいガラスフレークは、その添加量が増えると外観不良の原因となることから、配合量を調整する必要がある。
ガラス繊維としては、成形品中にて平均繊維径5〜20μm、平均繊維長さ30〜200μm程度のものが好ましい。
高熱伝導性ポリカーボネート樹脂組成物5で使用する(C)絶縁性充填材は、その特性を損なわない限りにおいて(A)熱可塑性樹脂との親和性を増すために、表面処理、例えばエポキシ処理、ウレタン処理、酸化処理等が施されていてもよい。
高熱伝導性ポリカーボネート樹脂組成物5の上記(A)〜(C)成分の配合割合は、(A)熱可塑性樹脂が20質量%以上85質量%以下、(B)黒鉛が5質量%以上30質量%以下、(C)絶縁性充填材が10質量%以上60質量%以下である。
(A)成分が20質量%未満では表面平滑性や成形加工性が低下し、85質量%を超えると熱伝導性や寸法安定性が低下する。(B)成分が5質量%未満では熱伝導性が低下し、40質量%を超えると成形加工性や絶縁性が低下する。(C)成分が10質量%未満では寸法安定性や熱伝導性が低下し、60質量%を超えると成形加工性や表面平滑性が低下する。
より好ましい配合割合は、
(A)熱可塑性樹脂 55〜85質量%
(B)黒鉛 10〜30質量%
(C)絶縁性充填材 5〜15質量%
である。
(B)成分と(C)成分の配合割合は、組成物中の(C)成分の含有量Cと(B)成分の含有量Bとの関係が、C=aBで表されるとき、aの値が1以上2以下であることが好ましい。aの値が1未満となるような配合量比では絶縁性が低下し、2を超えると熱伝導性が低下する。aはより好ましくは1.2〜1.8である。
なお、高熱伝導性ポリカーボネート樹脂組成物5において、上述の(A)成分、(B)成分及び(C)成分を含むことによる効果を確実に得る上で、樹脂組成物中の(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計の合計量は80質量%以上であることが好ましい。
また、高熱伝導性ポリカーボネート樹脂組成物5において、(B)黒鉛の平均粒径R1と、(C)絶縁性充填材の平均粒径R2の関係が、R2=bR1で表されるとき、bの値が0.1以上15未満であることが好ましい。bの値が0.1未満となるような粒径比では、(C)成分による(B)成分の配向促進作用が弱く、熱伝導性が低下する。bが15を超えても(C)成分が障壁となって熱伝導性が低下する。bはより好ましくは0.5〜15である。
ここで、(C)絶縁性充填材の平均粒径は、(C)絶縁性充填材が繊維状充填材の場合は、樹脂組成物又はその成形品を高温下で燃焼させた残渣(例えばポリカーボネート樹脂であれば600℃下で4時間)や、有機溶媒(例えばポリカーボネートであればクロロホルム)等で樹脂を溶解、除去した残渣を、比重差などを利用して分離するなどして得られた(C)絶縁性充填材を、プレパラート上に分散配置させた後に光学顕微鏡にて観察し、無作為に100個程度の該充填材について、その充填材の長さを測定し、平均した値である。
また、(C)絶縁性充填材が粒状又は板状充填材の場合、樹脂組成物又はその成形品を高温下で燃焼させた残渣(例えばポリカーボネート樹脂であれば600℃下で4時間)や、有機溶媒(例えばポリカーボネートであればクロロホルム)等で樹脂を溶解、除去した残渣を、比重差などを利用して分離するなどして得られた(C)絶縁性充填材を、プレパラート上に分散配置させた後に光学顕微鏡にて観察し、無作為に100個程度の該充填材について、その充填材の最小外接円の直径を測定し、平均した値である。
<その他の成分>
本発明で用いる高熱伝導性樹脂組成物(以下「本発明に係る樹脂組成物」と称す場合がある。)は、本発明の目的を損なわない範囲で、以下のようなその他の成分を含有していてもよい。
(1) 難燃剤
本発明に係る樹脂組成物には、難燃性を付与するために難燃剤を配合することができる。
電池モジュール用放熱部材等としての用途においては、多くの場合、難燃性も要求されることから、難燃剤を配合することは好ましい。
難燃剤としては、樹脂組成物の難燃性を向上させるものであれば特に限定されないが、例えば、ハロゲン化ビスフェノールAのポリカーボネート、ブロム化ビスフェノール系エポキシ樹脂、ブロム化ビスフェノール系フェノキシ樹脂、ブロム化ポリスチレンなどのハロゲン系難燃剤、リン酸エステル系難燃剤、有機スルホン酸金属塩系難燃剤、シリコーン系難燃剤等が挙げられる。
これらは単独で、又は2種以上を任意の割合で併用してもよい。
難燃剤としては、中でも難燃化効果が高く、流動性向上効果があり、金型腐食が生じにくいことから、リン酸エステル系難燃剤が好ましい。
特に、このリン酸エステル系難燃剤としては、下記の一般式(1)で表されるリン酸エステル系化合物が好ましい。
Figure 2015026621
(式中、R、R、R及びRは、各々独立に、炭素数1〜6のアルキル基又はアルキル基で置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基を示し、p、q、r及びsは、各々独立に0又は1であり、tは、1〜5の整数であり、Xは、アリーレン基を示す。)
上記一般式(1)において、R〜R12のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。また、Xのアリーレン基としては、フェニレン基、ナフチレン基が挙げられる。
tが0の場合、一般式(1)で表される化合物はリン酸エステルであり、tが0より大きい場合は縮合リン酸エステル(混合物を含む)である。本目的には縮合リン酸エステルが好適に用いられる。
上記一般式(1)で表されるリン酸エステル系難燃剤としては、具体的には、トリメチルフォスフェート、トリエチルフォスフェート、トリブチルフォスフェート、トリオクチルフォスフェート、トリブトキシエチルフォスフェート、トリフェニルフォスフェート、トリクレジルフォスフェート、トリクレジルフェニルフォスフェート、オクチルジフェニルフォスフェート、ジイソプロピルフェニルフォスフェート、トリス(クロルエチル)フォスフェート、トリス(ジクロルプロピル)フォスフェート、トリス(クロルプロピル)フォスフェート、ビス(2,3−ジブロモプロピル)フォスフェート、ビス(2,3−ジブロモプロピル)−2,3−ジクロルフォスフェート、ビス(クロルプロピル)モノオクチルフォスフェート、ビスフェノールAテトラフェニルフォスフェート、ビスフェノールAテトラクレジルジフォスフェート、ビスフェノールAテトラキシリルジフォスフェート、ヒドロキノンテトラフェニルジフォスフェート、ヒドロキノンテトラクレジルフォスフェート、ヒドロキノンテトラキシリルジフォスフェート等の種々のものが例示される。これらのうち好ましくは、トリフェニルフォスフェート、ビスフェノールAテトラフェニルフォスフェート、レゾルシノールテトラフェニルフォスフェート、レゾルシノールテトラ−2,6−キシレノールフォスフェート等が挙げられる。
これらのリン酸エステル系難燃剤は、これを配合することにより、組成物の難燃性を向上させると共に、粘度を低減し、たとえば前述の高熱伝導ポリカーボネート樹脂組成物4調整時の混練工程で(B)黒鉛が破砕されてそのアスペクト比や粒径が変化することによる(B)黒鉛本来の熱伝導性付与効果が損なわれることを防止することができ、好ましい。
難燃剤の配合量は、適宜選択して決定すればよいが、少なすぎると難燃効果が不十分となり、逆に多すぎても耐熱性や機械物性が低下する場合があるので、通常、本発明に係る樹脂組成物中の難燃剤の含有量は、例えば、リン酸エステル系難燃剤であれば5〜20質量%、有機スルホン酸金属塩系難燃剤であれば0.02〜0.2質量%、シリコーン化合物系難燃剤であれば0.3〜3質量%である。
また、これらの難燃剤に、無機化合物系難燃助剤を併用しても良く、無機化合物系難燃助剤としては、タルク、マイカ、カオリン、クレー、シリカ粉末、ヒュームドシリカ、ガラスフレーク等の1種又は2種以上が挙げられる。
これらの難燃剤に無機化合物系難燃助剤を併用する場合、無機化合物系難燃助剤の配合量が少な過ぎると十分な配合効果が得られず、多過ぎると耐熱性や機械物性が低下することから、本発明に係る樹脂組成物中の無機化合物系難燃助剤の含有量は1〜20質量%とすることが好ましく、更に好ましくは3〜10質量%である。
(2) 滴下防止剤
本発明に係る樹脂組成物には、燃焼時の滴下防止を目的として、滴下防止剤を配合することができる。滴下防止剤としては好ましくはフッ素樹脂を用いることができる。
ここでフッ素樹脂とは、フルオロエチレン構造を含む重合体ないしは共重合体であり、例えば、ジフルオロエチレン重合体、テトラフルオロエチレン重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレンとフッ素を含まないエチレン系モノマーとの共重合体が挙げられ、好ましくは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)であり、その平均分子量は、500,000以上であることが好ましく、特に好ましくは500,000〜10,000,000である。
本発明で用いることができるポリテトラフルオロエチレンとしては、現在知られているすべての種類のものを用いることができるが、ポリテトラフルオロエチレンのうち、フィブリル形成能を有するものを用いると、さらに高い溶融滴下防止性を付与することができる。フィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレン(PTFE)には特に制限はないが、例えば、ASTM規格において、タイプ3に分類されるものが挙げられる。その具体例としては、例えばテフロン(登録商標)6−J(三井・デュポンフロロケミカル(株)製)、ポリフロンD−1、ポリフロンF−103、ポリフロンF201(ダイキン工業(株)製)、CD076(旭アイシーアイフロロポリマーズ(株)製)等が挙げられる。また、上記タイプ3に分類されるもの以外では、例えばアルゴフロンF5(モンテフルオス(株)製)、ポリフロンMPA、ポリフロンFA−100(ダイキン工業(株)製)等が挙げられる。これらのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。上記のようなフィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレン(PTFE)は、例えばテトラフルオロエチレンを水性溶媒中で、ナトリウム、カリウム、アンモニウムパーオキシジスルフィドの存在下で、1〜100psiの圧力下、温度0〜200℃、好ましくは20〜100℃で重合させることによって得られる。また、溶媒にて分散されたテフロン(登録商標)30−J(三井・デュポンフロロケミカル(株)製)であっても構わない。
また、滴下防止剤は、ポリテトラフルオロエチレン粒子と有機系重合体粒子とからなるポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体であってもよい。有機系重合体粒子を生成するための単量体の具体例としては、スチレン、p−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−クロルスチレン、o−クロルスチレン、p−メトキシスチレン、o−メトキシスチレン、2,4−ジメチルスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系単量体、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ドデシル、メタクリル酸ドデシル、アクリル酸トリドデシル、メタクリル酸トリドデシル、アクリル酸オクタデシル、メタクリル酸オクタデシル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル等の(メタ)アクリル酸エステル系単量体、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル系単量体、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等のビニルエーテル系単量体、酢酸ビニル、酪酸ビニル等のカルボン酸ビニル単量体、エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン系単量体、ブタジエン、イソプレン、ジメチルブタジエン等のジエン系単量体等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。好ましくは、これらの単量体の重合体又は共重合体を2種以上用い、有機系重合体粒子を得ることができる。
滴下防止剤の配合量としては、好ましくは本発明に係る樹脂組成物中の含有量として0.01〜1質量%であり、より好ましくは0.1〜0.5質量%である。
(3) 耐衝撃性改良剤
本発明に係る樹脂組成物には、衝撃強度向上のために、耐衝撃性改良剤としてエラストマーを配合することができる。
該エラストマーとしては、特に限定されるものではないが、多層構造重合体が好ましい。多層構造重合体としては、例えば、アルキル(メタ)アクリレート系重合体を含むものが挙げられる。これらの多層構造重合体としては、例えば、先の段階の重合体を後の段階の重合体が順次被覆するような連続した多段階シード重合によって製造される重合体であり、基本的な重合体構造としては、ガラス転移温度の低い架橋成分である内核層と組成物のマトリックスとの接着性を改善する高分子化合物から成る最外核層を有する重合体である。これら多層構造重合体の最内核層を形成する成分としては、ガラス転移温度が0℃以下のゴム成分が選択される。これらゴム成分としては、ブタジエン等のゴム成分、スチレン/ブタジエン等のゴム成分、アルキル(メタ)アクリレート系重合体のゴム成分、ポリオルガノシロキサン系重合体とアルキル(メタ)アクリレート系重合体が絡み合って成るゴム成分、あるいはこれらの併用されたゴム成分が挙げられる。さらに、最外核層を形成する成分としては、芳香族ビニル単量体又は非芳香族系単量体あるいはそれらの2種類以上の共重合体が挙げられる。芳香族ビニル単量体としては、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、モノクロルスチレン、ジクロルスチレン、ブロモスチレン等を挙げることができる。これらの中では、特にスチレンが好ましく用いられる。非芳香族系単量体としては、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニルやシアン化ビニリデン等を挙げることができる。これらは1種を単独で用いても良く、2種以上を併用してもよい。
耐衝撃性改良剤の配合量としては、好ましくは本発明に係る樹脂組成物中の含有量として1〜10質量%であり、より好ましくは2〜5質量%である。
(4) 補強材
本発明に係る樹脂組成物には、弾性率、強度、荷重たわみ温度の向上のために、補強材を添加することができる。
ここで、補強材としては、シリカ、珪藻土、軽石粉、軽石バルーン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、チタン酸カリウム、硫酸バリウム、亜硫酸カルシウム、タルク、クレー、マイカ、ガラス繊維、ガラスフレーク、ガラスビーズ、珪酸カルシウム、モンモリロナイト、ベントナイト、硫化モリブデン、ボロン繊維、炭化珪素繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ホウ酸アルミニウム等を例示できる。これらは1種を単独で用いても良く、2種以上を併用してもよい。特に限定されるものではないが、補強材としてはガラス繊維、ガラスフレーク、タルク、マイカが好ましい。
補強材の配合量としては、好ましくは本発明に係る樹脂組成物中の樹脂成分100質量部に対し1〜100質量部であり、より好ましくは10〜80質量部である。
(5) 離型剤
本発明に係る樹脂組成物には、射出成形時の金型離型性を良好なものとするために離型剤を配合することができる。
離型剤としては例えば、脂肪族カルボン酸やそのアルコールエステル、数平均分子量200〜15000の脂肪族炭化水素化合物、ポリシロキサン系シリコーンオイル等が挙げられる。
脂肪族カルボン酸としては、飽和又は不飽和の、鎖式又は環式の、脂肪族1〜3価のカルボン酸が挙げられる。これらの中でも炭素数6〜36の、1価又は2価カルボン酸が好ましく、特に炭素数6〜36の脂肪族飽和1価カルボン酸が好ましい。この様な脂肪族カルボン酸としては、具体的には例えばパルミチン酸、ステアリン酸、カプロン酸、カプリン酸、ラウリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、メリシン酸、テトラリアコンタン酸、モンタン酸、アジピン酸、アゼライン酸等が挙げられる。
脂肪族カルボン酸エステルにおける脂肪族カルボン酸成分は、上述の脂肪族カルボン酸と同義である。一方、脂肪族カルボン酸エステルのアルコール成分としては、飽和又は不飽和の、鎖式又は環式の、1価又は多価アルコールが挙げられる。これらはフッ素原子、アリール基等の換基を有していてもよく、中でも炭素数30以下の、1価又は多価飽和アルコールが好ましく、特に炭素数30以下、飽和脂肪族の、1価又は多価アルコールが好ましい。
このようなアルコール成分としては、具体的には例えばオクタノール、デカノール、ドデカノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、2,2−ジヒドロキシペルフルオロプロパノール、ネオペンチレングリコール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール等が挙げられる。尚、この脂肪族カルボン酸エステルは、不純物として脂肪族カルボン酸及び/又はアルコールを含有していてもよく、更には複数の脂肪族カルボン酸エステルの混合物でもよい。
脂肪族カルボン酸エステルの具体例としては、蜜ロウ(ミリシルパルミテートを主成分とする混合物)、ステアリン酸ステアリル、ベヘン酸ベヘニル、ベヘン酸ステアリル、グリセリンモノパルミテート、グリセリンモノステアレート、グリセリンジステアレート、グリセリントリステアレート、ペンタエリスリトールモノパルミテート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトールトリステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート等が挙げられる。
数平均分子量200〜15000の脂肪族炭化水素としては、流動パラフィン、パラフィンワックス、マイクロワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャ−トロプシュワックス、炭素数3〜12のα−オレフィンオリゴマー等が挙げられる。ここで脂肪族炭化水素とは、脂環式炭化水素も含まれる。またこれらの炭化水素化合物は、部分酸化されていてもよい。
これら脂肪族炭化水素の中でも、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス又はポリエチレンワックスの部分酸化物が好ましく、特にパラフィンワックスやポリエチレンワックスが好ましい。数平均分子量は中でも200〜5000であることが好ましい。これらの脂肪族炭化水素は単独で、又は2種以上を任意の割合で併用しても、主成分が上記の範囲内であればよい。
ポリシロキサン系シリコーンオイルとしては、例えばジメチルシリコーンオイル、フェニルメチルシリコーンオイル、ジフェニルシリコーンオイル、フッ素化アルキルシリコーン等が挙げられ、これらは一種又は任意の割合で二種以上を併用してもよい。
本発明に係る樹脂組成物の離型剤の含有量は適宜選択して決定すればよいが、少なすぎると離型効果が十分に発揮されず、逆に多すぎても樹脂の耐加水分解性の低下や、射出成形時の金型汚染等が生ずる場合がある。よって離型剤の配合量は、本発明に係る樹脂組成物中の樹脂成分100質量部に対して0.001〜2質量部であり、中でも0.01〜1質量部であることが好ましい。
(6) その他
本発明に係る樹脂組成物には、上記の成分以外に、必要に応じて、紫外線吸収剤、酸化防止剤等の安定剤、顔料、染料、滑剤等の添加剤をそれぞれ必要量配合してもよい。
[金属板]
第1態様における金属板2や、第2態様におけるベース部4Aの受熱面側に必要に応じて設けられる金属板としては、高熱伝導性の銅、アルミニウム、鉄、亜鉛等或いはこれらの合金が好ましく用いられる。特に、銅は安価であることから好ましく、アルミニウムは軽量で発錆の問題がないことから好ましい。
[シール材]
放熱部材の前記受熱部又は受熱面と発熱体との間にシール材を介在させる場合、そのシール材としては、受熱部と発熱体との間隙が極めて狭い場合は、高熱伝導率である必要はなく、両面テープ、通常の接着剤、グリース、ゴムなどを用いることができる。
受熱部と発熱体との間隙が広い場合は、熱伝導率が0.5W/m・K以上の高熱伝導性のものが好ましく、具体的には金属粉、黒鉛、アルミナ、窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウムなどの高熱伝導性充填材を含有した樹脂、ゴム、ポリウレタン、グリースなどが用いられる。
これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
[空気の流速]
本発明の放熱部材のベース部を発熱体の発熱部に直接又は上述のシール材を介して当接させることにより発熱体の熱を放熱される本発明の放熱構造において、放熱部材の起立部に沿って流通させる冷媒である空気の流通速度は、速い程冷却効果が高いことから、送風機や吸引機等の動力、放熱部材の起立部の耐圧性等を勘案した上で高く設計することが好ましい。この空気の流速(フィン通過直後)は0.5m/sec以上が好ましく、特に1m/sec以上が好ましく、とりわけ2m/sec以上が好ましい。ただし、送風機や吸引機等の動力、放熱部材の起立部の耐圧性等の面から、この流速は通常30m/sec以下とされる。
なお、空気の温度は常温(20〜30℃程度)でよいが、場合によっては、冷却効率を高めるために冷却した空気を用いてもよい。
[用途]
本発明の放熱部材及び放熱構造は、各種の発熱体の放熱対策に有効であるが、特に電気自動車やハイブリッド電気自動車の電池モジュールに好適である。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
以下の実施例及び比較例で放熱部材の製造に用いた樹脂組成物の配合及び熱伝導率と、この樹脂組成物を用いる射出成形で得られる成形品の表面について、表面粗さ計(東京精密社製「サーフコム3000A−STD−3DF」)で、JIS B0601に準拠して測定した表面粗さRaは以下の通りである。
なお、樹脂組成物の熱伝導率は、各樹脂組成物を用いて、成形温度(樹脂温度)300℃、金型温度80℃の条件にて、射出成形することにより得られた射出成形品について測定した樹脂組成物の流動方向の熱伝導率である。
<ポリカーボネート樹脂組成物I(比較例放熱部材用低熱伝導配合、以下「PCI」と記す。)>
樹脂組成物配合:
ポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス社製「ユーピロン(登録商標)S−3000」、粘度平均分子量21,000)
樹脂組成物の熱伝導率:0.2W/m・K
成形品のRa:0.02μm
<ポリカーボネート樹脂組成物II(実施例放熱部材用高熱伝導配合、以下「PCII」と記す。)>
樹脂組成物配合:
ポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス社製「ユーピロン(登録商標)S−3000」、粘度平均分子量21,000):94質量%
黒鉛化された炭素繊維(ピッチ系)(三菱樹脂製「ダイヤリードK223HG」):2質量%
鱗片状黒鉛(西村黒鉛工業社製「PB90]):4質量%
樹脂組成物の熱伝導率:0.5W/m・K
成形品のRa:0.2μm
<ポリカーボネート樹脂組成物III(実施例放熱部材用高熱伝導配合、以下「PCIII」と記す。)>
樹脂組成物配合:
ポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス社製「ユーピロン(登録商標)S−3000」、粘度平均分子量21,000):82質量%
黒鉛化された炭素繊維(ピッチ系)(三菱樹脂製「ダイヤリードK223HG」):8質量%
鱗片状黒鉛(西村黒鉛工業社製「PB90]):10質量%
樹脂組成物の熱伝導率:4W/m・K
成形品のRa:0.6μm
<ポリカーボネート樹脂組成物IV(実施例放熱部材用高熱伝導配合、以下「PCIV」と記す。)>
樹脂組成物配合:
ポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス社製「ユーピロン(登録商標)S−3000」、粘度平均分子量21,000):65質量%
黒鉛化された炭素繊維(ピッチ系)(三菱樹脂製「ダイヤリードK223HG」):15質量%
鱗片状黒鉛(西村黒鉛工業社製「PB90]):20質量%
樹脂組成物の熱伝導率:8W/m・K
成形品のRa:0.8μm
<ポリカーボネート樹脂組成物V(実施例放熱部材用高熱伝導配合、以下「PCV」と記す。)>
樹脂組成物配合:
ポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス社製「ユーピロン(登録商標)S−3000」、粘度平均分子量21,000):60質量%
黒鉛化された炭素繊維(ピッチ系)(三菱樹脂製「ダイヤリードK223HG」):30質量%
鱗片状黒鉛(西村黒鉛工業社製「PB90]):10質量%
樹脂組成物の熱伝導率:20W/m・K
成形品のRa:1.1μm
[本発明の第1態様の実施例、比較例及び参考例]
<実施例1〜4、比較例1>
第1図〜第5図に示す放熱部材1を製造した。
金属板2として厚さ2mm、幅100mm、長さ100mmのアルミニウム板(熱伝導率237W/m・K)を用意し、このアルミニウム板の辺縁部から18mmの内側の位置に、辺に沿って直径3mmの連結部形成用の貫通孔を2ヶ所に60mmの間隔で設けた。
このアルミニウム板の開孔形成側の辺縁部の近傍領域を射出成形用の金型内に設置し、各ポリカーボネート樹脂組成物を射出成形し、アルミニウム板と一体化した高熱伝導性樹脂部3を形成した。
アルミニウム板の貫通孔には、ポリカーボネート樹脂組成物が入り込み、連結部が形成され、アルミニウム板2と高熱伝導性樹脂部3とは密着に一体成形された。
フィン3Bの枚数はアルミニウム板2の片面に3枚ずつ合計6枚であり、高熱伝導性樹脂部の寸法は、第2図における各部の寸法で次の通りである。
フィン3Bの高さh:9mm
フィン3Bの先端側厚さd:1.4mm
フィン3Bの基端側厚さd:2mm
フィン3B,3Bの間隔d:4mm
基層3Aの厚さd:2.5mm
基層3Aの長さL:22mm
また、アルミニウム板2の受熱部2Xの面積は80mm×100mmである。
各放熱部材を、第3図及び第4図に示すように、電池10を模した発熱体(発熱面の面積80mm×100mm,厚さ3mm,発熱量片面で1.25W)の間にシール材を介して挟み、密着させた。
シール材としては、高熱伝導性ラムダ・ゲルシート(Taica社製、COH−4000t、熱伝導率6.5W/m・K)を用いた。アルミニウム板2の高熱伝導性樹脂部3形成部と反対側の短辺(下端)の中央部には、温度センサを設けた。
また、放熱部材1のフィン3B部分は、カバー20で覆った。
このカバーはポリカーボネート製(厚さ1mm)であり、第4図のDは1mm、Dは1mmであった。
このカバー20の一端側から常温(23℃)の空気を4m/secの流速で流し、温度センサで温度を計測した。温度センサの温度は計測開始から通常30分で安定するので、測定は放熱実験開始から100分後とし、100分後の計測温度を調べた。
この値は低い程放熱部材の放熱効果が高いことを示し、60℃以下、好ましくは55℃以下、さらに好ましくは50℃以下が実用上好ましい。
<参考例1>
高熱伝導性樹脂部3をアルミニウム製としたこと以外は実施例1と同形状の放熱部材を作製し、同様に放熱実験を行った。
結果を表1に示す。
Figure 2015026621
<実施例5〜8、比較例2、参考例2>
金属板として、厚さ0.5mmのアルミニウム板を用い、基層3Aの厚さdを3.25mmにしたこと以外は、それぞれ実施例1〜4、比較例1、参考例1と同様にして放熱部材を製造し、同様に放熱実験を行って結果を表2に示した。
Figure 2015026621
<実施例9〜12、比較例3、参考例3>
金属板として、アルミニウム板の代りに銅板を用いたこと以外は、それぞれ実施例1〜4、比較例1、参考例1と同様にして放熱部材を製造し、同様に放熱実験を行って結果を表3に示した。
Figure 2015026621
<実施例13〜16、比較例4、参考例4>
空気の流速を6m/secとしたこと以外は、それぞれ実施例1〜4、比較例1、参考例1と同様にして放熱部材を製造し、同様に放熱実験を行って結果を表4に示した。
Figure 2015026621
<実施例17〜20、比較例5、参考例5>
フィンの形成間隔dを2mmとし、フィンをアルミニウム板の片面に5枚ずつ形成したこと以外は、それぞれ実施例1〜4、比較例1、参考例1と同様にして放熱部材を製造し、同様に放熱実験を行って結果を表5に示した。
Figure 2015026621
<実施例21>
基層厚さdを1.5mm、フィン3Bの高さhを10mmとした以外は、実施例3と同様にして放熱部材を製造し、同様に放熱実験を行った。
100分後の計測温度は53℃であった。
この放熱部材では、炭素繊維の配向が起立部(フィン)の延材方向と平行になったため、実施例3に比べて熱は逃げにくかったものと思われる。
<参考例6>
ベース部2を、金属板のかわりにポリカーボネート樹脂組成物IVで成形した板にしたこと以外は実施例19と同様にして放熱部材を製造し、同様に放熱実験を行った。
100分後の計測温度は173℃であった。
この放熱部材では、受熱部の熱伝導率が低すぎるため、放熱性の劣るものとなったと考えられる。
<実施例22>
ベース部2を、金属板のかわりにポリカーボネート樹脂組成物Vで成形した板にしたこと以外は実施例20と同様にして放熱部材を製造し、同様に放熱実験を行った。100分後の計測温度は67℃であった。
以上の結果より次のことが分かる。
熱伝導率が0.5W/m・K以上のポリカーボネート樹脂組成物を用いて放熱部を形成した実施例1〜21では、この部分をそれぞれアルミニウムで形成した参考例1〜5と比べて大きな放熱効率の低下もなく、優れた放熱性が得られる。
表1と表2の対比より、金属板は厚い方が放熱効率が高くなることが分かる。
表1と表3の対比より、金属板としてはアルミニウム板の方が放熱効率の面で好ましいことが分かる。
表1と表4の対比より、空気の流速は大きい方が高い放熱効率が得られることが分かる。
表1と表5の対比より、フィンの枚数が多い方が放熱効率が高くなることが分かる。
実施例3と実施例21の対比より、基層の厚さがフィンの基端部の厚さより厚い方が好ましいことが分かる。
[本発明の第2態様の実施例、比較例及び参考例]
<実施例23〜26、比較例7>
第6図〜第8図に示す放熱部材1を製造した。
各ポリカーボネート樹脂組成物を射出成形することにより、第7図に示す各部の寸法が以下の通りとなる放熱部材4を製造した(ただし、フィン4Bの数は4枚)。
フィン4Bの先端部の厚さd11:1.2mm
フィン4Bの基端部の厚さd12:2mm
フィン4Bの高さh11:13mm
フィン4B,4Bの間隔d13:8.4mm
ベース部4Aの厚さd14:2.5mm
ベース部4Bの幅W11:50mm
ベース部4Bの長さ:150mm
この放熱部材4のベース部4Aのフィン4Bを形成した面と反対側の受熱面4Xに、電池10を模した発熱体(発熱面の面積50mm×150mm,厚さ3mm、発熱量7.5W)を、シール材を介して密着させた。シール材としては、実施例1で用いたものと同様のものを用いた。
空気の出口側で、受熱面の端部中央の発熱体との間に温度センサを差し込んだ。
また、フィン4B側をカバー20で覆った。このカバーの材質及び厚さは実施例1で用いたものと同様であり、第8図のD11は4.2mm、D12は1mmである。
このカバー20の一端側から常温(23℃)の空気を4m/secの流速で流し、温度センサの温度を計測し、実施例1と同様に放熱実験開始から100分後の温度を計測した。
この値は低い程放熱部材の放熱効果が高いことを示し、60℃以下、好ましくは55℃以下、さらに好ましくは50℃以下が実用上好ましい。
<参考例7>
ポリカーボネート樹脂組成物の代わりにアルミニウム板で実施例23と同形状の放熱部材を作製し、同様に放熱実験を行った。
結果を表6に示す。
Figure 2015026621
<実施例27〜30、比較例8、参考例8>
空気の流速を6m/secとしたこと以外は、それぞれ実施例23〜26、比較例7、参考例7と同様にして放熱部材を製造し、同様に放熱実験を行って結果を表7に示した。
Figure 2015026621
<実施例31〜34、比較例9、参考例9>
フィンの形成間隔を2mm、カバー20の側壁内面20Aとフィン4Bの基端側側面との間隔D11を1mmとし、フィンを12枚形成したこと以外は、それぞれ実施例23〜26、比較例7、参考例7と同様にして放熱部材を製造し、同様に放熱実験を行って結果を表8に示した。
Figure 2015026621
<実施例35〜38、比較例10、参考例10>
空気の流速を6m/secとしたこと以外は、それぞれ実施例31〜34、比較例9、参考例9と同様にして放熱部材を製造し、同様に放熱実験を行って結果を表9に示した。
Figure 2015026621
<実施例39〜42、比較例11、参考例11>
カバー20の高さを高くして、カバー天井面とフィン上端との間隔D12を15mmとしたこと以外は、それぞれ実施例31〜34、比較例9、参考例9と同様にして放熱部材を製造し、同様に放熱実験を行って結果を表10に示した。
Figure 2015026621
<実施例43〜46、比較例12、参考例12>
フィンの高さh11を27mm、フィンの先端部の厚さd11を0.6mmとし、カバー天井面とフィン上端との間隔D12を1mmとしたこと以外は、それぞれ実施例39〜42、比較例11、参考例11と同様にして放熱部材を製造し、同様に放熱実験を行って結果を表11に示した。
Figure 2015026621
表6〜11より次のことが分かる。
表6と表7、表8と表9の対比より、空気の流速は大きい方が放熱効率が高くなることが分かる。
表6と表8、表7と表9の対比より、フィンの枚数が多い方が放熱効率が高くなることが分かる。
表8と表10の対比より、空気の流路が大き過ぎると放熱効率が低下することが分かる。
表8と表11の対比より、フィンの高さが高い方が放熱効率が高いことが分かる。
<実施例47〜49、比較例13、参考例13>
比較例1、実施例2,3,4及び参考例1において、高熱伝導性樹脂部として第12図、第22図に示すものを用いた他は同様にして測定を行い、結果を表12に示した。なお、第22図は第12図に寸法を記入したものであり、構成は第12図と同一である。起立部63Bは、いずれも基端部から先端部まで同一厚さの平板状である。
Figure 2015026621
<実施例50〜52、比較例14、参考例14>
比較例14、実施例50〜52及び参考例14において、高熱伝導性樹脂部として第13図、第23図に示すものを用いた他は同様にして測定を行い、結果を表13に示した。なお、第23図は第13図に寸法を記入したものであり、構成は第13図と同一である。起立部73Bは、いずれも基端部から先端部まで同一厚さの平板状である。基層部73Aは、図示の通り、上部ほど肉厚が小さくなるテーパ形状である。
Figure 2015026621
<実施例53>
高熱伝導性樹脂部を第11図及び第24図に示す形状のものとしたこと以外は、実施例3と同様にして放熱部材を製造し、同様に放熱実験を行った。
100分後の計測温度は48℃であった。なお、第24図(a)は第11図に寸法を記入したものであり、構成は第11図と同一である。第24図(b)は第24図(a)のB矢視図である。
1,1’,1’’ 放熱部材
2 ベース部(金属板)
2X 受熱部
3,3’,3’’ 高熱伝導性樹脂部
3A,3A’’ 基層
3B 起立部(フィン)
4 放熱部材
4A ベース部
4B 起立部(フィン)
10 発熱体(電池)
11 筐体
12 シール材
20 カバー
31,32,33,34,35 起立部
41,51,61,71,80,90,100,110 放熱部材
42,52,81,91,101,111 ベース部(金属板)
43,53,63,73 高熱伝導性樹脂部
43A,53A,63A,73A 基層
43B,53B,63B,73B,82,92,102,112 起立部(フィン)
93 フランジ部
[1] 発熱体の熱を放熱するための放熱部材であって、ベース部と、該ベース部から突設された複数の起立部とを有し、発熱体から該ベース部を経て伝播した熱を該起立部から放熱する放熱部材において、少なくとも該起立部が、熱伝導率0.5W/m・K以上の高熱伝導性樹脂組成物で構成されており、前記ベース部は筒状であり、前記起立部は、該ベース部から突設されたフランジ部と、該フランジ部から、ベース部の筒軸心方向と平行方向に突設された複数のピンとからなることを特徴とする放熱部材。
] [1]において、前記発熱体が電池であることを特徴とする放熱部材。
] [1]又は2]に記載の放熱部材のベース部を発熱体の発熱部に当接させてなることを特徴とする発熱体の放熱構造。
] [1]又は2]に記載の放熱部材のベース部を、シール材を介して発熱体の発熱部に当接させてなることを特徴とする発熱体の放熱構造。
] []又は[]において、前記放熱部材の前記起立部に沿って冷媒を流通させるための流路を形成する流路形成部材を備えたことを特徴とする発熱体の放熱構造。
] []ないし[]のいずれかにおいて、前記放熱部材が請求項3ないし7のいずれか1項に記載された放熱部材であり、前記金属板の前記一辺部の近傍領域以外の領域が発熱体で挟まれていることを特徴とする発熱体の放熱構造。
] [1]又は2]に記載の放熱部材と電池とを備える電池モジュール。

Claims (23)

  1. 発熱体の熱を放熱するための放熱部材であって、ベース部と、該ベース部から突設された複数の起立部とを有し、発熱体から該ベース部を経て伝播した熱を該起立部から放熱する放熱部材において、
    少なくとも該起立部が、熱伝導率0.5W/m・K以上の高熱伝導性樹脂組成物で構成されていることを特徴とする放熱部材。
  2. 請求項1において、前記ベース部は板状であり、前記起立部は板状の該ベース部の双方の板面に設けられていることを特徴とする放熱部材。
  3. 請求項2において、前記起立部は前記板状のベース部の一辺部の近傍領域に設けられていることを特徴とする放熱部材。
  4. 請求項3において、前記ベース部の前記一辺部の近傍領域以外の領域を、発熱体に直接当接させることにより、又はシール材を介して発熱体に当接させることにより、該発熱体からの熱を受熱することを特徴とする放熱部材。
  5. 請求項4において、前記ベース部は、板状の金属板と、該金属板の前記一辺部の近傍領域に積層一体化された前記高熱伝導性樹脂組成物製の基層とからなり、該基層から前記起立部が突設されていることを特徴とする放熱部材。
  6. 請求項3ないし5のいずれか1項において、前記起立部は前記一辺部の延在方向と平行方向に延在していることを特徴とする放熱部材。
  7. 請求項6において、前記起立部は、前記一辺部の延在方向と平行方向に延在する板状のフィンであることを特徴とする放熱部材。
  8. 請求項1において、前記ベース部は板状であり、前記起立部は板状の該ベース部の一方の板面に設けられていることを特徴とする放熱部材
  9. 請求項8において、前記起立部は該一方の板面の略全体に設けられていることを特徴とする放熱部材。
  10. 請求項8又は9において、前記ベース部の他方の板面を、発熱体に直接当接させることにより、或いはシール材を介して発熱体に当接させることにより、該発熱体からの熱を受熱することを特徴とする放熱部材。
  11. 請求項10において、前記ベース部が前記高熱伝導性樹脂組成物で構成されていることを特徴とする放熱部材。
  12. 請求項10又は11において、前記発熱体の前記放熱部材との当接面は非平坦形状であり、前記ベース部の該発熱体との当接面は該発熱体の非平坦形状に倣う非平坦形状とされていることを特徴とする放熱部材。
  13. 請求項1において、前記ベース部は筒状であり、前記起立部は該ベース部の外周面から放射方向に突設されていることを特徴とする放熱部材。
  14. 請求項13において、前記起立部は円環板状であり、板面を筒状の前記ベース部の筒軸心方向に対し直交方向としており、複数枚の起立部が該筒軸心方向に間隔をおいて設置されていることを特徴とする放熱部材。
  15. 請求項13において、前記起立部は平板状であり、複数枚の起立部が板面を筒状の前記ベース部の筒軸心方向かつ放射方向に配向させ、該ベース部の周方向に間隔をおいて設けられていることを特徴とする放熱部材。
  16. 請求項13において、前記起立部は、それぞれ複数枚の第1の板状部と第2の板状部とを交差させた格子状であり、
    該第1の板状部は円環板状であり、板面を筒状の前記ベース部の筒軸心方向に対し直交方向としており、該第1の板状部は該筒軸心方向に間隔をおいて設置されており、
    第2の板状部は、板面を筒状の前記ベース部の筒軸心方向かつ放射方向に配向させ、該ベース部の周方向に間隔をおいて設けられていることを特徴とする放熱部材。
  17. 請求項1において、前記ベース部は筒状であり、前記起立部は、該ベース部から突設されたフランジ部と、該フランジ部から、ベース部の筒軸心方向と平行方向に突設された複数のピンとからなることを特徴とする放熱部材。
  18. 請求項1ないし17のいずれか1項において、前記発熱体が電池であることを特徴とする放熱部材。
  19. 請求項1ないし18のいずれか1項に記載の放熱部材のベース部を発熱体の発熱部に当接させてなることを特徴とする発熱体の放熱構造。
  20. 請求項1ないし18のいずれか1項に記載の放熱部材のベース部を、シール材を介して発熱体の発熱部に当接させてなることを特徴とする発熱体の放熱構造。
  21. 請求項19又は20において、前記放熱部材の前記起立部に沿って冷媒を流通させるための流路を形成する流路形成部材を備えたことを特徴とする発熱体の放熱構造。
  22. 請求項19ないし21のいずれか1項において、前記放熱部材が請求項3ないし7のいずれか1項に記載された放熱部材であり、前記金属板の前記一辺部の近傍領域以外の領域が発熱体で挟まれていることを特徴とする発熱体の放熱構造。
  23. 請求項1ないし18のいずれか1項に記載の放熱部材と電池とを備える電池モジュール。
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