JP2011018680A - ポリカーボネート樹脂組成物、ポリカーボネート樹脂成形品及び電磁波吸収体 - Google Patents

ポリカーボネート樹脂組成物、ポリカーボネート樹脂成形品及び電磁波吸収体 Download PDF

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Takashi Yoshino
崇史 吉野
Yutaka Shiraishi
豊 白石
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Abstract

【課題】特定の誘電損失材料を用いることにより、低充填量で優れた電磁波吸収性能を発
揮するポリカーボネート樹脂組成物を提供する。
【解決手段】ポリカーボネート樹脂と誘電損失材料とを含むポリカーボネート樹脂組成物。該誘電損失材料は、IEC62333−1および2規格のRda値が、以下の条件(i)及び(ii)を満たす。
(i) ポリカーボネート樹脂89.8質量%と、該誘電損失材料10質量%と、離型剤0.2質量%とからなるポリカーボネート樹脂組成物の射出成形試験片の、周波数3〜4GHzにおける最大Rda値が1dB以上。
(ii) ポリカーボネート樹脂79.8質量%と、該誘電損失材料20質量%と、離型剤0.2質量%とからなるポリカーボネート樹脂組成物の射出成形試験片の、周波数2〜3GHzにおける最大Rda値が1dB以上。
【選択図】図1

Description

本発明は、周波数4GHz以下の電磁波に対して良好な電磁波吸収性能を発揮する電磁波吸収材料を提供することができるポリカーボネート樹脂組成物と、このポリカーボネート樹脂組成物を射出成形してなるポリカーボネート樹脂成形品と、このポリカーボネート樹脂成形品よりなる電磁波吸収体に関する。
本発明の電磁波吸収体は、OA、電気・電子部品、精密機器部品の筐体をはじめとして、電磁波の伝播防止が要求される用途に工業的に極めて有用である。
近年、IT化社会の急速な発展に伴い、電子機器の高速処理化が進み、LSIやマイクロプロセッサーなどICの動作周波数は上昇し、通信分野では光ファイバーを用いた高速通信網が使用され、次世代マルチメディア移動通信おいては具体的に2GHz、ITS(Intelligent Tranport System)の分野ではETS(自動料金収受システム)における5.8GHz、車間距離を測定して運転者に伝える走行支援道路システム(AHS)の自動車搭載レーダーでは76GHzといった周波数の電磁波が使用され、今後は、更に高周波の電磁波の利用範囲が拡大することが予想される。電磁波は周波数の上昇に伴いノイズを放出しやすく、一方において、電子機器の小型化、高密度化による電子機器内部のノイズ環境の悪化による誤動作が生じ、このような高周波の電磁波の利用状況において、人体へ及ぼす悪影響も問題となってきている。
かかる電磁波の防止材としては、電磁波遮断体と電磁波吸収体がある。電磁波遮断体には一般的に金属材料が使用され、例えば、電磁波を嫌う精密機器などが設置された部屋の壁材などには、金属板を用いて、室内への電磁波の侵入を防止している。
一方、電磁波吸収体は、入射してきた電磁波を熱エネルギーに変換することにより、透過あるいは反射される電磁波の強度を大幅に減衰させるものである。従来、電子機器用途の電磁波吸収体としては、形状の自由度や、軽量化の点から、表面を導電処理し、あるいは樹脂に導電材を混合して成形したプラスチック製の筐体が用いられている。また、導電材粉末を樹脂、ゴム或いは塗料等のマトリックス中に分散させた複合材料のシートや塗膜を、電磁波を吸収したい部位に貼付または形成することで電磁波吸収性能を付与したものも多く用いられている。この導電材としては、主にフェライトや黒鉛(例えば、特許文献1)が使用されている。
しかしながら、フェライトは比重が大きいため、これを配合した複合材料が重くなるという欠点があり、移動を伴う通信機器などに多量に使用する場合には、本体が重くなり、当該通信機器の機動性に問題が生じる。
一方、黒鉛については、比重が比較的小さいため、フェライトに見られるような前記の問題は生じないが、粉末が嵩高いために、マトリックスへの充填量を増大させることが困難であり、充填量を多くすることができない結果、黒鉛の配合による電磁波吸収性能の向上効果にも制限があるという問題がある。特許文献1には、黒鉛を用いた電磁波吸収体として、波源から吸収体までの距離が、電磁波の波長よりも十分小さい近傍界用のものが開示されている。しかしながら、当該特許は、電子機器に電波吸収体を貼り付けることにより電磁波を抑制する作用に関しては記載されているものの、筐体としての用途を考慮した場合に必要である射出成型用材料として適した組成に関しては、特に記載されていない。また電子機器の筐体として重要である難燃性に関する記載も明記されていない。
特開2005−11878号公報
本発明は、上記従来の実状に鑑みてなされたものであり、特定の誘電損失材料を用いることにより、低充填量で優れた電磁波吸収性能を発揮し、かつ4GHz以下の任意の周波数において優れた電磁波吸収性能を有する射出成型用ポリカーボネート樹脂組成物を提供することを目的とする。さらに、リン系難燃剤を充填することにより、電子機器の筐体として重要な難燃性に優れた射出成型用ポリカーボネート樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の物性を有する誘電損失材料を用いることにより、電磁波吸収に必要な充填量を低減することができ、また充填量を調節することにより、目的に応じて周波数4GHz以下での電磁波吸収性能を制御することができることを見出した。
本発明はこのような知見に基いて達成されたものであり、以下を要旨とする。
[1]ポリカーボネート樹脂と誘電損失材料とを含むポリカーボネート樹脂組成物であって、該誘電損失材料は、該誘電損失材料とポリカーボネート樹脂と離型剤とからなる熱可塑性樹脂組成物を射出成形して作製された100mm×100mm×1mm(厚さ)の試験片について、IEC62333−1および2規格に基づき、IEC645/06にて示されるアンテナを用いて0.1〜6GHzの周波数におけるRda値の測定を行った場合、その最大値が、以下の条件(i)及び(ii)を満たすことを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物。
(i) ポリカーボネート樹脂89.8質量%と、該誘電損失材料10質量%と、離型剤0.2質量%とからなるポリカーボネート樹脂組成物よりなる試験片の、周波数3〜4GHzにおける最大Rda値が1dB以上である。
(ii) ポリカーボネート樹脂79.8質量%と、該誘電損失材料20質量%と、離型剤0.2質量%とからなるポリカーボネート樹脂組成物よりなる試験片の、周波数2〜3GHzにおける最大Rda値が1dB以上である。
[2] [1]において、該誘電損失材料が黒鉛であることを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物。
[3] [2]において、該黒鉛が扁平黒鉛であることを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物。
[4] [2]又は[3]において、該黒鉛が、粉末コークスに対して1000℃以上での熱処理を施してなる黒鉛であることを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物。
[5] [1]ないし[4]のいずれかにおいて、該誘電損失材料を1〜50質量%含むことを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物。
[6] [1]ないし[5]のいずれかにおいて、更に難燃剤を含むことを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物。
[7] [1]ないし[6]のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物を射出成形してなることを特徴とするポリカーボネート樹脂成形品。
[8]
前記成形品が、箱状であることを特徴とするポリカーボネート樹脂成形品
[9] [7]および[8]に記載のポリカーボネート樹脂成形品よりなることを特徴とする電磁波吸収体。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、誘電損失材料として、上述の特定の方法で測定された物性値が特定の条件を満たす誘電損失材料を配合したことにより、誘電損失材料の低充填量で、周波数4GHz以下において優れた電磁波吸収性能を発揮し、またその充填量を調節することにより、目的に応じた電磁波吸収性能の制御も可能であることから、用途に応じて要求される周波数において優れた電磁波吸収性能を有する電磁波吸収体を提供することができる。
本発明において、誘電損失材料としては黒鉛、特に扁平黒鉛が好ましく(請求項2,3)、とりわけ、粉末コークスに対して1000℃以上での熱処理を施してなる黒鉛が好適であり(請求項4)、このような熱処理黒鉛であれば、4GHz以下の任意の周波数において、低充填量で優れた電磁波吸収性能を得ることができる。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物中のこのような誘電損失材料の含有量は、1〜50質量%であることが好ましい(請求項5)。
また、本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、更に難燃剤を含んでいても良い(請求項6)。
本発明のポリカーボネート樹脂成形品は、このような本発明のポリカーボネート樹脂組成物を射出成形してなり、射出成形工程でポリカーボネート樹脂組成物に付与される剪断力で、黒鉛、好ましくは扁平黒鉛等の誘電損失材料が射出成形方向(樹脂の流動方向と略平行方向)に配向するため、良好な電磁波吸収性能が得られる。
本発明の電磁波吸収体はこのような本発明のポリカーボネート樹脂成形品よりなるものであり、電磁波吸収性能に優れる。
Rda値の測定方法を示す模式図である 黒鉛AのSEM写真である。 黒鉛BのSEM写真である。 黒鉛CのSEM写真である。 黒鉛DのSEM写真である。 実施例1,3,7及び比較例1(黒鉛A〜Dによる試験片I)の電磁波吸収特性を示すグラフである。 実施例2,4,8及び比較例2(黒鉛A〜Dによる試験片II)の電磁波吸収特性を示すグラフである。 実施例3〜6,9〜11の樹脂組成物の電磁波吸収特性を示すグラフである。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する。
[ポリカーボネート樹脂組成物]
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、ポリカーボネート樹脂と特定の誘電損失材料とを含むものである。
{誘電損失材料}
本発明のポリカーボネート樹脂組成物に含有される誘電損失材料は、この誘電損失材料とポリカーボネート樹脂と離型剤とからなるポリカーボネート樹脂組成物を射出成形して作製された100mm×100mm×1mm(厚さ)の試験片について、IEC62333−1および2規格に基づき、IEC645/06にて示されるアンテナを用いて0.1〜6GHzの周波数におけるRda値の測定を行った場合、その最大値が、以下の条件(i)及び(ii)を満たすことを特徴とする。
(i) ポリカーボネート樹脂89.8質量%と、該誘電損失材料10質量%と、離型剤0.2質量%とからなるポリカーボネート樹脂組成物よりなる試験片の、周波数3〜4GHzにおける最大Rda値が1dB以上である。
(ii) ポリカーボネート樹脂79.8質量%と、該誘電損失材料20質量%と、離型剤0.2質量%とからなるポリカーボネート樹脂組成物よりなる試験片の、周波数2〜3GHzにおける最大Rda値が1dB以上である。
<Rda値>
本発明におけるRda(Intra−decoupling ratio)値とは、国際電気標準会議(IEC)により定められたIEC62333−1および2規格に準じて測定した近傍界での電磁波吸収性能を示す値であり、次式により定義される。
Rda値は、高い程、電磁波吸収性能が優れていることを示している。
Rda=S21R−S21M [dB]
(S21R:試験片なしの伝送係数、S21M:試験片ありの伝送係数、
伝送係数S21=伝送信号/入射信号)
このRdaの測定方法は、具体的には、図1に示す通りであり、アンテナ1A,1Bから3.0mmの距離dに、試験片2を配し、電源3でアンテナ1A,1B間に電圧を印加して磁界Mを形成し、この試験片2が存在しない場合の伝送係数S21Rと、この試験片2を配置した場合の伝送係数S21Mとの差で、Rda値が求められる。
より具体的には、試験片のない状態で電圧を印加して、入射信号に対する伝送信号の比から試験片なしの伝送係数S21Rを求め、次いで、図1に示すように試験片2を配置したときの入射信号に対する伝送信号の比から試験片ありの伝送係数S21Mを求め、これらの値を上記式に代入してRda値を求める。
なお、アンテナ1Aおよび1Bは、測定目標とする周波数および、扱い易さなどを考慮し、IEC62333−2にて定義されたアンテナ(IEC645/06)を用いた。
このRda値の測定に用いる試験片は厚さ1mmで、IEC62333−2規格に準じるためには板面の面積が40mm×40mm以上であれば良いが、本発明においては、以下のようにして作製された板面の面積が100mm×100mmで厚さ1mmの平板状の試験片を用いる。
また、Rda値の測定には、具体的には、近磁界用ノイズ抑制シート評価システム・イントラ・デカップリングレシオ測定システム(IEC規格No:IEC62333−2)を用いて、10MHz〜4GHzの周波数における磁界波のRda値を測定する。
<試験片の作製方法>
本発明において、Rda値の測定で用いる試験片は、以下に記載する射出成形法で作製される。
ポリカーボネート樹脂、具体的には下記のポリカーボネート樹脂と、離型剤、具体的には下記の離型剤とを、試験片毎に以下に示す割合で配合し、タンブラーミキサーにて均一に混合した後、二軸押出機(日本製鋼所製「TEX30HSST」、L/D=42、バレル数12)を用いて、シリンダー温度280℃、スクリュー回転数200rpm、吐出率10kg/hにて押出機上流部のバレルより押出機にフィードし、溶融混練させて樹脂組成物のペレットを得る。
芳香族ポリカーボネート樹脂:三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製 商品名:ユーピロン(登録商標)S−3000、粘度平均分子量21,000
離型剤:クラリアントジャパン(株)製 商品名「LICOWAX PE520POWDER」
(試験片Iの配合)
ポリカーボネート樹脂:89.8質量%
誘電損失材料:10質量%
離型剤:0.2質量%
(試験片IIの配合)
ポリカーボネート樹脂:79.8質量%
誘電損失材料:20質量%
離型剤:0.2質量%
溶融混練させて得られた樹脂組成物のペレットを、射出成形機(住友重機械工業製「SH100」、型締め力:100T)を用いて、シリンダー温度310℃、金型温度120℃、最大射出率82cm/sにて、金型(縦100mm×横100mm×厚み1mm)に射出成形してRda値測定用の試験片I,IIを得る。
<電磁波吸収性能>
本発明で用いる誘電損失材料は、上述の誘電損失材料を10質量%含む樹脂組成物を射出成形して得られた試験片Iにおいては、周波数3〜4GHzにおける最大Rda値(以下「最大Rda値I」と称す。)が1dB以上で(条件(i))、誘電損失材料を20質量%含む樹脂組成物を射出成形して得られた試験片IIにおいては、周波数2〜3GHzにおける最大Rda値(以下「最大Rda値II」と称す。)が1dB以上である(条件(ii))ことを特徴とする。
各試験片の最大Rda値が1dB未満では、本発明で目的とする電磁波吸収性能に優れたポリカーボネート樹脂組成物を実現し得ない。
上記最大Rda値I及び最大Rda値IIの好ましい値は1dB以上、特に1.5dB以上である。この値は大きい程好ましい。
即ち、本発明に係る誘電損失材料は、少ない充填量で高い電磁波吸収性能を発揮するため、10質量%又は20質量%という少量配合であっても、上述のような優れた電磁波吸収性能を示す。
<好適例>
本発明において用いる誘電損失材料は、上述のような最大Rda値I,IIを示すことができるものであれば良く、特に制限はないが、黒鉛、特に扁平黒鉛、とりわけ、コークス粉末を1000℃以上の温度で熱処理してなる熱分解黒鉛であることが好ましい。そのような黒鉛を用いた場合に、特に上述のような最大Rda値I,IIがともに1.5dB以上の優れた電磁波吸収性能を実現できる。
ここで、「扁平」とは、鱗片状ないしフレーク状の形状であるものを言い、本発明では、鱗片ないしフレークの面状部分の面積と厚さの比(面積/厚さ)で扁平度を表した場合、この扁平度が大きいものほど好ましい。
本発明において誘電損失材料として好適に用いられる黒鉛、特に扁平黒鉛の平均粒子径は、カタログ値であるが、30μm以上、特に40μm以上であることが好ましい。この平均粒子径が小さすぎると少ない充填量で良好な電磁波吸収性能を得るという本発明の目的を達成し得ない。ただし、平均粒子径が過度に大きい黒鉛を製造ないし入手することは困難であり、通常、その上限は300μm以下である。
また、黒鉛の粒子径と厚みとの比で求められるアスペクト比が大きいことが、少ない充填量で高い電磁波吸収性能を得る上で好ましく、このアスペクト比は21以上、特に30以上であることが好ましい。ただし、アスペクト比が大きすぎると、黒鉛同士の絡み合いにより、分散不良が生じる場合があるため、アスペクト比は50以下であることが好ましい。
ここで、黒鉛のアスペクト比は、SEM(走査電子顕微鏡)観察において、成形品を用いて20〜40個のサンプルについて粒子径(ここで粒子径とは、黒鉛を2枚の平行な板で挟んだ場合、この平行な板の間隔が最も大きくなる部位の径をさす)と厚み(ここで厚みとは、黒鉛を2枚の平行な板で挟んだ場合、この平行な板の間隔が最も小さくなる部位の径をさす。)を測定し、それぞれの平均値から、平均粒子径/平均厚みの比を算出することにより求められる。
本発明においては、扁平黒鉛の中でも、粉末コークスを1,000℃以上3500℃以下で熱処理した熱分解黒鉛を用いることが好ましい。ここで熱処理が不十分ある場合、4GHz以下の任意の周波数において、少量で十分な電磁波吸収性能を得ることが困難となる可能性が大きい。
<配合量>
本発明のポリカーボネート樹脂組成物中の誘電損失材料としての黒鉛、好ましくは扁平黒鉛、より好ましくは上述の熱分解黒鉛の配合量(充填量)は、必要とされる電波吸収周波数に応じて適宜選択すれば良いが、0.5GHz〜6GHzの場合の配合量は、好ましくは1〜50質量%、より好ましくは1〜40質量%、さらに好ましくは5〜40質量%、特に好ましくは10〜40質量%であり、ポリカーボネート樹脂100質量部に対する誘電損失材料の配合量としては、好ましくは1〜100質量部、より好ましくは1〜70質量部、特に好ましくは10〜70質量部である。
誘電損失材料の配合量が少な過ぎると、6GHz以下で必要とされる電磁波吸収性能を得ることができない場合があり、多過ぎると樹脂組成物の混練が困難となり組成物を調製し得ない場合がある。
なお、誘電損失材料は、材質、形状、物性等の異なるものを2種以上併用しても良い。
{ポリカーボネート樹脂}
本発明のポリカーボネート樹脂組成物に用いられるポリカーボネート樹脂としては、芳香族ポリカーボネート樹脂、脂肪族ポリカーボネート樹脂、芳香族−脂肪族ポリカーボネート樹脂を用いることができるが、中でも芳香族ポリカーボネート樹脂が好ましい。これらのポリカーボネート樹脂は1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
芳香族ポリカーボネート樹脂としては、芳香族ジヒドロキシ化合物をホスゲン又は炭酸のジエステルと反応させることによって得られる熱可塑性芳香族ポリカーボネート重合体又は共重合体が挙げられる。反応に用いる芳香族ジヒドロキシ化合物としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(=ビスフェノールA)、テトラメチルビスフェノールA、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、ハイドロキノン、レゾルシノール、4,4−ジヒドロキシビフェニルなどが挙げられ、好ましくはビスフェノールAが挙げられる。さらに、難燃性をさらに高める目的で上記の芳香族ジヒドロキシ化合物にスルホン酸テトラアルキルホスホニウムが1個以上結合した化合物や、シロキサン構造を有する両末端フェノール性OH基含有のポリマーあるいはオリゴマーを使用することもできる。
本発明で用いる芳香族ポリカーボネート樹脂としては、好ましくは、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンから誘導されるポリカーボネート樹脂、又は2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンと他の芳香族ジヒドロキシ化合物とから誘導されるポリカーボネート共重合体が挙げられる。
ポリカーボネート樹脂の分子量は、溶媒としてメチレンクロライドを用い、温度25℃で測定された溶液粘度より換算した粘度平均分子量で、通常14,000〜30,000の範囲であり、好ましくは15,000〜28,000、より好ましくは16,000〜26,000である。粘度平均分子量が14,000未満では機械的強度が不足し、30,000を超えると成形性に難を生じやすく好ましくない。
このような芳香族ポリカーボネート樹脂の製造方法については、限定されるものでは無く、ホスゲン法(界面重合法)あるいは、溶融法(エステル交換法)等で製造することができる。さらに、溶融法で製造された、末端基のOH基量を調整した芳香族ポリカーボネート樹脂を使用することができる。
さらに、芳香族ポリカーボネート樹脂としては、バージン原料だけでなく、使用済みの製品から再生された芳香族ポリカーボネート樹脂、いわゆるマテリアルリサイクルされた芳香族ポリカーボネート樹脂の使用も可能である。使用済みの製品としては、光学ディスクなどの光記録媒体、導光板、自動車窓ガラスや自動車ヘッドランプレンズ、風防などの車両透明部材、水ボトルなどの容器、メガネレンズ、防音壁やガラス窓、波板などの建築部材などが好ましく挙げられる。また、再生芳香族ポリカーボネート樹脂としては、製品の不適合品、スプルー、又はランナーなどから得られた粉砕品又はそれらを溶融して得たペレットなども使用可能である。
本発明においては、ポリカーボネート樹脂に、ポリアミド−6、ポリアミド−6,6などのポリアミド樹脂;熱可塑性ポリエステル樹脂;ポリスチレン樹脂、高衝撃ポリスチレン樹脂(HIPS)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン−アクリルゴム共重合体(ASA樹脂)、アクリロニトリル−エチレンプロピレン系ゴム−スチレン共重合体(AES樹脂)などのスチレン系樹脂の熱可塑性樹脂の2種以上を併用しても良い。また、ポリマーアロイの2相構造を形成する2種の熱可塑性樹脂を基本組成としても良い。
{その他の成分}
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、上記熱可塑性樹脂及び誘電損失材料の他、本発明の目的を損なわない範囲で、以下のようなその他の成分を含有していても良い。
(1) 難燃剤
本発明のポリカーボネート樹脂組成物には、難燃性を付与するために難燃剤を配合することができる。
電磁波吸収体等としての用途においては、多くの場合、難燃性も要求されることから、ポリカーボネート樹脂組成物に難燃剤を配合することは好ましい。
難燃剤としては、組成物の難燃性を向上させるものであれば特に限定されないが、例えば、ハロゲン化ビスフェノールAのポリカーボネート、ブロム化ビスフェノール系エポキシ樹脂、ブロム化ビスフェノール系フェノキシ樹脂、ブロム化ポリスチレンなどのハロゲン系難燃剤、リン酸エステル系難燃剤、有機スルホン酸金属塩系難燃剤、シリコーン系難燃剤等が挙げられる。
これらは単独で、又は2種以上を任意の割合で併用してもよく、中でも環境汚染の可能性が極めて低い有機金属塩系難燃剤や、シリコーン系難燃剤が好ましい。
あるいは、射出成型時に必要な溶融樹脂の流動性を考慮した場合、リン酸エステル系難燃剤が好ましい。
また、これらの難燃剤に、無機化合物系難燃助剤を併用しても良く、無機化合物系難燃助剤としては、タルク、マイカ、カオリン、クレー、シリカ粉末、ヒュームドシリカ、ガラスフレーク等の1種又は2種以上が挙げられる。
難燃剤の配合量は、適宜選択して決定すればよいが、少なすぎると難燃効果が不十分となり、逆に多すぎても耐熱性や機械物性が低下する場合があるので、通常、ポリカーボネート樹脂組成物中の難燃剤の含有量は、例えば、リン酸エステル系難燃剤であれば5〜20質量%、有機スルホン酸金属塩系難燃剤であれば0.02〜0.2質量%、シリコーン化合物系難燃剤であれば0.3〜3質量%である。
これらの難燃剤に無機化合物系難燃助剤を併用する場合、無機化合物系難燃助剤の配合量が少な過ぎると十分な配合効果が得られず、多過ぎると耐熱性や機械物性が低下することから、ポリカーボネート樹脂組成物中の無機化合物系難燃助剤の含有量は1〜10質量%であって、併用する難燃剤に対して10〜50質量%程度とすることが好ましい。
(2) 滴下防止剤
本発明のポリカーボネート樹脂組成物には、燃焼時の滴下防止を目的として、滴下防止剤を配合することができる。滴下防止剤としては好ましくはフッ素樹脂を用いることができる。
ここでフッ素樹脂とは、フルオロエチレン構造を含む重合体、共重合体であり、例えば、ジフルオロエチレン重合体、テトラフルオロエチレン重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレンとフッ素を含まないエチレン系モノマーとの共重合体が挙げられ、好ましくは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)であり、その平均分子量は、500,000以上であることが好ましく、特に好ましくは500,000〜10,000,000である。
本発明で用いることができるポリテトラフルオロエチレンとしては、現在知られているすべての種類のものを用いることができるが、ポリテトラフルオロエチレンのうち、フィブリル形成能を有するものを用いると、さらに高い溶融滴下防止性を付与することができる。フィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレン(PTFE)には特に制限はないが、例えば、ASTM規格において、タイプ3に分類されるものが挙げられる。その具体例としては、例えばテフロン(登録商標)6−J(三井・デュポンフロロケミカル(株)製)、ポリフロンD−1、ポリフロンF−103、ポリフロンF201(ダイキン工業(株)製)、CD076(旭アイシーアイフロロポリマーズ(株)製)等が挙げられる。また、上記タイプ3に分類されるもの以外では、例えばアルゴフロンF5(モンテフルオス(株)製)、ポリフロンMPA、ポリフロンFA−100(ダイキン工業(株)製)等が挙げられる。これらのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。上記のようなフィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレン(PTFE)は、例えばテトラフルオロエチレンを水性溶媒中で、ナトリウム、カリウム、アンモニウムパーオキシジスルフィドの存在下で、1〜100psiの圧力下、温度0〜200℃、好ましくは20〜100℃で重合させることによって得られる。また、溶媒にて分散されたテフロン(登録商標)30−J(三井・デュポンフロロケミカル(株)製)であっても構わない。
また、滴下防止剤は、ポリテトラフルオロエチレン粒子と有機系重合体粒子とからなるポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体であってもよい。有機系重合体粒子を生成するための単量体の具体例としては、スチレン、p−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−クロルスチレン、o−クロルスチレン、p−メトキシスチレン、o−メトキシスチレン、2,4−ジメチルスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系単量体、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ドデシル、メタクリル酸ドデシル、アクリル酸トリドデシル、メタクリル酸トリドデシル、アクリル酸オクタデシル、メタクリル酸オクタデシル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル等の(メタ)アクリル酸エステル系単量体、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル系単量体、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等のビニルエーテル系単量体、酢酸ビニル、酪酸ビニル等のカルボン酸ビニル単量体、エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン系単量体、ブタジエン、イソプレン、ジメチルブタジエン等のジエン系単量体等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。好ましくは、これらの単量体の重合体又は共重合体を2種以上用い、有機系重合体粒子を得ることができる。
滴下防止剤の配合量としては、好ましくはポリカーボネート樹脂組成物中の含有量として0.05〜0.5質量%であり、より好ましくは0.2〜0.5質量%である。
(3) 耐衝撃性改良剤
本発明のポリカーボネート樹脂組成物には、衝撃強度向上のために、耐衝撃性改良剤としてエラストマーを配合することができる。
該エラストマーとしては、特に限定されるものではないが、多層構造重合体が好ましい。多層構造重合体としては、例えば、アルキル(メタ)アクリレート系重合体を含むものが挙げられる。これらの多層構造重合体としては、例えば、先の段階の重合体を後の段階の重合体が順次被覆するような連続した多段階シード重合によって製造される重合体であり、基本的な重合体構造としては、ガラス転移温度の低い架橋成分である内核層と組成物のマトリックスとの接着性を改善する高分子化合物から成る最外核層を有する重合体である。これら多層構造重合体の最内核層を形成する成分としては、ガラス転移温度が0℃以下のゴム成分が選択される。これらゴム成分としては、ブタジエン等のゴム成分、スチレン/ブタジエン等のゴム成分、アルキル(メタ)アクリレート系重合体のゴム成分、ポリオルガノシロキサン系重合体とアルキル(メタ)アクリレート系重合体が絡み合って成るゴム成分、あるいはこれらの併用されたゴム成分が挙げられる。さらに、最外核層を形成する成分としては、芳香族ビニル単量体又は非芳香族系単量体あるいはそれらの2種類以上の共重合体が挙げられる。芳香族ビニル単量体としては、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、モノクロルスチレン、ジクロルスチレン、ブロモスチレン等を挙げることができる。これらの中では、特にスチレンが好ましく用いられる。非芳香族系単量体としては、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニルやシアン化ビニリデン等を挙げることができる。これらは1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
耐衝撃性改良剤の配合量としては、好ましくはポリカーボネート樹脂組成物中の含有量として1〜10質量%であり、より好ましくは2〜5質量%である。
(4) 補強材
本発明のポリカーボネート樹脂組成物には、弾性率、強度、荷重たわみ温度の向上のために、補強材を添加することができる。
ここで、補強材としては、シリカ、珪藻土、軽石粉、軽石バルーン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、チタン酸カリウム、硫酸バリウム、亜硫酸カルシウム、タルク、クレー、マイカ、ガラス繊維、ガラスフレーク、ガラスビーズ、珪酸カルシウム、モンモリロナイト、ベントナイト、硫化モリブデン、ボロン繊維、炭化珪素繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ホウ酸アルミニウム等を例示できる。これらは1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。特に限定されるものではないが、補強材としてはガラス繊維、ガラスフレーク、タルク、マイカが好ましい。
補強材の配合量としては、好ましくは樹脂成分100質量部に対し、1〜100質量部であり、より好ましくは10〜80質量部である。
(5) 離型剤
本発明のポリカーボネート樹脂組成物には、射出成形時の金型離型性を良好なものとするために離型剤を配合することができる。
離型剤としては例えば、脂肪族カルボン酸やそのアルコールエステル、数平均分子量200〜15000の脂肪族炭化水素化合物、ポリシロキサン系シリコーンオイル等が挙げられる。
脂肪族カルボン酸としては、飽和または不飽和の、鎖式又は環式の、脂肪族1〜3価のカルボン酸が挙げられる。これらの中でも炭素数6〜36の、1価又は2価カルボン酸が好ましく、特に炭素数6〜36の脂肪族飽和1価カルボン酸が好ましい。この様な脂肪族カルボン酸としては、具体的には例えばパルミチン酸、ステアリン酸、カプロン酸、カプリン酸、ラウリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、メリシン酸、テトラリアコンタン酸、モンタン酸、アジピン酸、アゼライン酸等が挙げられる。
脂肪族カルボン酸エステルにおける脂肪族カルボン酸成分は、上述の脂肪族カルボン酸と同義である。一方、脂肪族カルボン酸エステルのアルコール成分としては、飽和または不飽和の、鎖式又は環式の、1価または多価アルコールが挙げられる。これらはフッ素原子、アリール基等の換基を有していてもよく、中でも炭素数30以下の、1価または多価飽和アルコールが好ましく、特に炭素数30以下、飽和脂肪族の、1価または多価アルコールが好ましい。
この様なアルコール成分としては、具体的には例えばオクタノール、デカノール、ドデカノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、2,2−ジヒドロキシペルフルオロプロパノール、ネオペンチレングリコール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール等が挙げられる。尚、この脂肪族カルボン酸エステルは、不純物として脂肪族カルボン酸及び/またはアルコールを含有していてもよく、更には複数の脂肪族カルボン酸エステルの混合物でもよい。
脂肪族カルボン酸エステルの具体例としては、蜜ロウ(ミリシルパルミテートを主成分とする混合物)、ステアリン酸ステアリル、ベヘン酸ベヘニル、ベヘン酸ステアリル、グリセリンモノパルミテート、グリセリンモノステアレート、グリセリンジステアレート、グリセリントリステアレート、ペンタエリスリトールモノパルミテート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトールトリステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート等が挙げられる。
数平均分子量200〜15000の脂肪族炭化水素としては、流動パラフィン、パラフィンワックス、マイクロワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャ−トロプシュワックス、炭素数3〜12のα−オレフィンオリゴマー等が挙げられる。ここで脂肪族炭化水素とは、脂環式炭化水素も含まれる。またこれらの炭化水素化合物は、部分酸化されていてもよい。
これら脂肪族炭化水素の中でも、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス又はポリエチレンワックスの部分酸化物が好ましく、特にパラフィンワックスやポリエチレンワックスが好ましい。数平均分子量は中でも200〜5000であることが好ましい。これらの脂肪族炭化水素は単独で、又は2種以上を任意の割合で併用しても、主成分が上記の範囲内であればよい。
ポリシロキサン系シリコーンオイルとしては、例えばジメチルシリコーンオイル、フェニルメチルシリコーンオイル、ジフェニルシリコーンオイル、フッ素化アルキルシリコーン等が挙げられ、これらは一種または任意の割合で二種以上を併用してもよい。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物の離型剤の含有量は適宜選択して決定すればよいが、少なすぎると離型効果が十分に発揮されず、逆に多すぎても樹脂の耐加水分解性の低下や、射出成形時の金型汚染等が生ずる場合がある。よって離型剤の配合量は、樹脂成分100質量部に対して0.001〜2質量部であり、中でも0.01〜1質量部であることが好ましい。
(6) その他
本発明のポリカーボネート樹脂組成物には、上記の成分以外に、必要に応じて、紫外線吸収剤、酸化防止剤等の安定剤、顔料、染料、滑剤等の添加剤をそれぞれ必要量配合しても良い。
{製造方法}
本発明のポリカーボネート樹脂組成物を得るための方法としては、特に限定されず、各種混練機、例えば、一軸又は多軸混練機、バンバリーミキサー、ロール、ブラベンダープラストグラム等で、上記成分を所定の配合で混練した後、冷却固化する方法や、適当な溶媒、例えば、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素及びその誘導体に上記成分を添加し、溶解する成分同志、あるいは溶解する成分と不溶解成分を懸濁状態で混ぜる溶液混合法等が用いられる。工業的コストからは溶融混練法が好ましいが、これに限定されるものではない。溶融混練においては、単軸や二軸の押出機を用いることが好ましい。より好ましくは、二軸の押出機を用いるのが良い。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物を製造する際には、すべての成分を一度に混合しても良く、また、黒鉛等の誘電損失材料を、ポリカーボネート樹脂の一部、又は全部と予め混合したり、ポリカーボネート樹脂の一部で黒鉛等の誘電損失材料を被覆したりして、マスターバッチを調製した後、残りのポリカーボネート樹脂に配合する方法でも良い。また、誘電損失材料が複数種から構成される場合は、それら全てを同時にマスターバッチにしてもよいし、その一部をマスターバッチにしたり、複数のマスターバッチにしたりしても良い。また、誘電損失材料の分散性に差がある場合は、それらが良く分散する樹脂で、マスターバッチを調製するのが良い。
{成形方法}
本発明のポリカーボネート樹脂組成物を用いてポリカーボネート樹脂成形品を得る方法は、特に限定されるものでなく、ポリカーボネート樹脂組成物について一般に用いられている成形法、例えば、射出成形、中空成形、押出成形、シート成形、熱成形、回転成形、積層成形等の成形方法を適用できるが、特に、本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、射出成形法、押出成形法等のように、成形中に樹脂組成物に剪断力が付与され、この結果、組成物中の黒鉛等の誘電損失材料が配向するような成形法を採用するのが好ましい。
[ポリカーボネート樹脂成形品]
本発明のポリカーボネート樹脂成形品は、上述の本発明のポリカーボネート樹脂組成物を射出成形法で成形してなるものであり、特に、電磁波吸収体として有用である。
本発明のポリカーボネート樹脂成形品よりなる電磁波吸収体は、特にOA機器の筐体や電気電子機器の筐体に好適であり、適用される機器としては、例えば、ノート型パソコン、電子手帳、携帯電話、PDA等が挙げられるが、本発明の特徴である電磁波吸収性能を最も活かせる用途として、ノート型パソコンの筐体が挙げられる。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に何ら限定されるものではない。
[配合成分]
以下の実施例及び比較例において、ポリカーボネート樹脂組成物の配合成分として用いたものは次の通りである。
<ポリカーボネート樹脂>
芳香族ポリカーボネート樹脂(PC樹脂):三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製 商品名:ユーピロン(登録商標)S−3000、粘度平均分子量21,000
<黒鉛>
黒鉛A:伊藤黒鉛工業(株)製 商品名「Z−50」(鱗片状黒鉛(扁平黒鉛)、平均粒子径45μm、アスペクト比41(混練および成形後の測定値)、固定炭素量98.8質量%、自然より産出されたもの)
黒鉛B:伊藤黒鉛工業(株)製 商品名「PC99−300M」(熱分解黒鉛(扁平黒鉛)、平均粒子径50μm、アスペクト比33(混練および成形後の測定値)、固定炭素量98.7質量%、コークス粉を空気中3000℃で熱処理したもの)
黒鉛C:伊藤黒鉛工業(株)製 商品名「SG−BL40」(球状黒鉛(扁平黒鉛)、平均粒子径42μm、アスペクト比17(混練および成形後の測定値)、固定炭素量98.8質量%、鱗片状黒鉛を球状化したもの)
黒鉛D:伊藤黒鉛工業(株)製 商品名「AGB−604」(人造黒鉛(粒状)、平均粒子径40μm、アスペクト比1.2(混練および成形後の測定値)、固定炭素量99.0質量%、黒鉛電極を粉砕したもの)
<その他>
離型剤:クラリアントジャパン(株)製 商品名「LICOWAX
PE520POWDER」
難燃剤1:大八化学工業(株)製 商品名「PX200」
難燃剤2:(株)トーケムプロダクツ製 商品名「KFBS」
難燃助剤1:林化成(株)製 商品名「ミクロンホワイト5000S」
難燃助剤2:三井デュポンフロロケミカル(株)製 商品名「テフロン(登録商標)6−J」
[黒鉛の物性評価]
<SEM写真>
図2〜図5に、黒鉛A〜DのSEM写真を示す。図2〜5から明らかなように、黒鉛A及びBが最も扁平度が大きく、黒鉛Dが最も扁平度が小さい。
<Rda値>
黒鉛A〜Dについて、各々前述の方法で試験片IのRda値と試験片IIのRda値を測定した結果は、後述の実施例1〜4,7,8及び比較例1,2の結果を示す図6,7の通りであり、黒鉛A〜Dのうち、扁平状の黒鉛A〜Cが本発明に係る条件(i),(ii)を満たし、本発明で用いる誘電損失材料に該当することが分かる。
[実施例1〜8、比較例1,2]
表1に示す割合にて各成分を配合し、タンブラーミキサーにて均一に混合した後、二軸押出機(日本製鋼所製TEX30HSST、L/D=42、バレル数12)を用いて、シリンダー温度280℃、スクリュー回転数200rpm、吐出率10kg/hにて押出機上流部のバレルより押出機にフィードし、溶融混練させて樹脂組成物のペレットを得た。この樹脂組成物のペレットを用いて以下の(1)〜(3)の評価を行い、結果を表1及び図6〜8に示した。
(1)機械物性
射出成形機(住友重機械工業製「SG75MII」、型締め力75T)により、シリンダー温度290℃、金型温度110℃の条件で、それぞれ、以下の評価試験用の試験片を射出成形にて作製し、以下の方法で評価試験を行った。
(1−1)引張試験:ISO527−1及びISO527−2に従って測定した。
(1−2)荷重たわみ温度:ISO75−1およびISO75−2に従って荷重1.80MPaの条件で測定した。
(2)流動特性
メルトマスフローレート(MFR)(g/10min):ISO1133に従って、温度300℃、荷重2.16kgの条件で測定した。
(3)電磁波吸収特性
射出成形機(住友重機械工業製「SH100」、型締め力100T)を用いて、シリンダー温度310℃、最大射出率82cm/s、金型温度120℃にて、金型(縦100mm、横100mm、厚み1mm)に射出成形し、得られた射出成形品3枚を用いて、その平均値を算出した。近磁界用ノイズ抑制シート評価システム・イントラ・デカップリングレシオ測定システム(IEC規格No:IEC62333−1および2)により、10MHz〜4GHzの周波数における磁界波のRda値を測定した。この値は、製品から発生する周波数やその強さにも依存するため一概に決められる値ではないが、1dB以上であることが好ましい。
Figure 2011018680
図6より、扁平度が大きい黒鉛をポリカーボネート樹脂に配合することにより、3〜4GHzの周波数において、Rda値が1dB以上の高い電磁波吸収性を有することが分かる。
また、図7より、扁平度が大きい黒鉛をポリカーボネート樹脂に配合することにより、2〜3GHzの周波数において、Rda値が1dB以上の高い電磁波吸収性を有することが分かる。
また、表1より、扁平度が大きい黒鉛を用いることにより、弾性率が大きく向上することが分かる。
[実施例9〜11]
黒鉛Bの配合量を変え、表2に示す樹脂組成物配合としたこと以外は、実施例3〜6と同様にして樹脂組成物を調製し、同様に電磁波吸収特性を調べ、結果を実施例3〜6の結果と共に図8に示した。
Figure 2011018680
図8より、特定量の黒鉛をポリカーボネート樹脂に配合することにより、吸収する電磁波の周波数を制御することができ、黒鉛の配合量の増加に伴い、電磁波の吸収周波数が低周波数へシフトすることが分かる。特に、扁平度が大きい黒鉛、とりわけ熱処理を加えた黒鉛を用いた場合に、低周波数において電磁波吸収性能が良好であることから、このような黒鉛を用いた場合に、4GHz以下のある任意の周波数において、低充填量で高い電磁波吸収性能を発現することが分かる。
[実施例12〜16]
難燃剤と難燃助剤を用い、表3に示す樹脂組成物配合としたこと以外は、実施例4と同様にして樹脂組成物を調製した。得られた樹脂組成物について、前述の「(2)流動特性」の測定方法に従って測定したMFRは、表3に示す通りであった。
<難燃性の評価>
得られた樹脂組成物と実施例4の樹脂組成物を用いて、125mm×13mm×1.58mm厚さの射出成形品を作製し、これらの試験片の各々に対して、下記方法で難燃性の評価を行い、結果を表3に示した。
アンダーライターズラボラトリーズインコーポレーションのUL−94「材料分類のた
めの燃焼試験」(以下、UL−94)に示される試験方法に従って、厚さが1/16イン
チの5本の試験片について試験し、その結果に基づいてUL−94規格のV−0、V−1
およびV−2のいずれかの等級に評価した。該試験片は、射出成形機(日本製鋼所製、J
50、型締め力50T)を用い、樹脂温度(パージ樹脂の実測温度)290℃、金型温度
80℃の条件で射出成形した。UL−94についての各等級基準は、概略以下のとおりである。
(i) V−0:10秒接炎後の燃焼時間が10秒以下であり、5本のトータル燃焼時間
が50秒以下かつ、全試験片とも脱脂綿に着火するような微粒炎を落下しない。
(ii)V−1:10秒接炎後の燃焼時間が30秒以下であり、5本のトータル燃焼時間
が250秒以下、かつ、全試験片とも脱脂綿に着火するような微粒炎を落下しない。
(iii)V−2:10秒接炎後の燃焼時間が30秒以下であり、5本のトータル燃焼時
間が250秒以下、かつ、これらの試験片から落下した微粒炎から脱脂綿に着火する。
(iv)NG:上記いずれの燃焼時間にも該当せず、燃焼し続けた場合。
表3に示すように、実施例4の樹脂組成物および実施例16の樹脂組成物は、上記燃焼試験においてNGであったが、難燃剤1を用いた実施例12と実施例13の樹脂組成物ではV−1、実施例14と実施例15の樹脂組成物ではV−0となり、難燃性は格段に向上した。
<電磁波吸収特性の評価>
実施例13及び実施例14の樹脂組成物について、射出成形機(住友重機械工業製「SH100」、型締め力100T)を用いて、シリンダー温度280℃、最大射出率14cm/s、金型温度100℃にて、金型(縦100mm、横100mm、厚み3mm)に射出成形し、成形片を1mmに切削した後に、前述の「(3)電磁波吸収特性」の測定方法に従って、電磁波吸収特性の評価を行ったところ、実施例4における場合と同様の結果が得られ、難燃剤及び難燃助剤の配合で黒鉛による電磁波吸収特性は何ら影響を受けることがないことが確認された。
<成形収縮率の評価>
実施例4の樹脂組成物と実施例13の樹脂組成物について、上述の電磁波吸収特性の評価で用いた射出成形機を用いて、同様の方法により得られた厚み3mmのプレートを、23℃、50%RHにて48時間調湿した後の成形収縮率を測定した。測定は、ゲートから樹脂の流動方向(平行)と垂直方向について行った。
結果を表3に示す。
表3の実施例13と実施例4の比較から明らかなように、難燃剤1を充填した実施例13においては、収縮率が減少し成形品の寸法精度が大きく向上していることが分かる。
また、実施例13においては、実施例4と比較してMFRの値が向上し、流動性も向上していることがわかる。
Figure 2011018680
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、電磁波吸収性能に優れるため、その工業的有用性は非常に大きく、本発明のポリカーボネート樹脂組成物を用いたポリカーボネート樹脂成形品は、OA機器、電気・電子部品、精密機器の筐体を始めとする、各種の電磁波吸収体として、幅広い分野に有用である。
1A,1B アンテナ
2 試験片
3 電源

Claims (9)

  1. ポリカーボネート樹脂と誘電損失材料とを含むポリカーボネート樹脂組成物であって、該誘電損失材料は、該誘電損失材料とポリカーボネート樹脂と離型剤とからなる熱可塑性樹脂組成物を射出成形して作製された100mm×100mm×1mm(厚さ)の試験片について、IEC62333−1および2規格に基づき、IEC645/06にて示されるアンテナを用いて0.1〜6GHzの周波数におけるRda値の測定を行った場合、その最大値が、以下の条件(i)及び(ii)を満たすことを特徴とする射出成型用ポリカーボネート樹脂組成物。
    (i) ポリカーボネート樹脂89.8質量%と、該誘電損失材料10質量%と、離型剤0.2質量%とからなるポリカーボネート樹脂組成物よりなる試験片の、周波数3〜4GHzにおける最大Rda値が1dB以上である。
    (ii) ポリカーボネート樹脂79.8質量%と、該誘電損失材料20質量%と、離型剤0.2質量%とからなるポリカーボネート樹脂組成物よりなる試験片の、周波数2〜3GHzにおける最大Rda値が1dB以上である。
  2. 請求項1において、該誘電損失材料が黒鉛であることを特徴とする射出成型用ポリカーボネート樹脂組成物。
  3. 請求項2において、該黒鉛が扁平黒鉛であることを特徴とする射出成型用ポリカーボネート樹脂組成物。
  4. 請求項2又は3において、該黒鉛が、粉末コークスに対して1000℃以上での熱処理を施してなる黒鉛であることを特徴とする射出成型用ポリカーボネート樹脂組成物。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項において、該誘電損失材料を1〜50質量%含むことを特徴とする射出成型用ポリカーボネート樹脂組成物。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項において、更に難燃剤を含むことを特徴とする射出成型用ポリカーボネート樹脂組成物。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂組成物を射出成形してなることを特徴とするポリカーボネート樹脂成形品。
  8. 前記成形品が、箱状であることを特徴とするポリカーボネート樹脂成形品。
  9. 請求項7および8に記載のポリカーボネート樹脂成形品よりなることを特徴とする電磁波吸収体。
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