JP5083083B2 - 導電性樹脂組成物及び導電性樹脂成形品 - Google Patents

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Description

本発明は、導電性及び電磁波シールド性に優れた導電性樹脂組成物と、この導電性樹脂組成物を射出成形してなる導電性樹脂成形品に関する。
近年、OA機器、電子機器の小型軽量化や高精度化といったハードの進歩や、インターネットの普及、IT革命の進行が急速であり、これに伴い、携帯用のOA機器、電子機器、いわゆるモバイル機器の普及がめざましい。携帯端末の代表例としては、ノート型パソコン、電子手帳、携帯電話、PDA等が挙げられるが、今後ますますの多様化、多機能化が予想される。
これらの携帯機器をはじめ、各種のOA機器や電子機器の筐体に対する要求性能として、近年、特に注目されているのが、電磁波シールド性である。即ち、電子機器は、内部の電子部品から電磁波が発生するため、発生した電磁波を機器の外部に漏らさないために、電子機器の筐体には電磁波シールド性が要求される。
この電磁波シールド性の要求に対しては、通常、筐体にメッキを施したり、金属の蒸着を行ったりして対応しているが、筐体の構成材料である樹脂材料自体に電磁波シールド性を持たせることが、製造工程の削減及びコストの低減の点からも望ましい。
しかし、一般に樹脂材料は絶縁性であり、電磁波シールド性はないため、電磁波シールド性を付与するには導電性物質を配合する必要がある。従来、樹脂材料に配合する導電性物質としては、カーボンブラック、炭素繊維、金属繊維、金属で被覆した無機繊維等の導電性物質が用いられている。
しかしながら、金属系繊維などの金属系の物質は、導電性(電磁波シールド性)付与効果には優れるものの、これを配合した樹脂は、耐食性に劣るものとなり、また、機械的強度も不足するという欠点がある。
一方、カーボンブラックや炭素繊維であれば、上述のような金属系物質の問題は少ないものの、多量に配合すると樹脂材料の成形性やその他の物性が損なわれ、少量配合の場合には、十分な導電性(電磁波シールド性)が得られないという欠点がある。即ち、カーボンブラックや炭素繊維の少量配合で十分な導電性(電磁波シールド性)を得るためには、これらを高い分散性で均一に分散させて、樹脂中に導電性のネットワークを形成する必要があるが、カーボンブラックや炭素繊維を樹脂中に均一分散させることは容易ではない。
これに対して、導電性物質としてカーボンナノチューブを配合することも提案されている(例えば特許文献1〜5)。カーボンナノチューブは、カーボンブラックや炭素繊維と比べて高純度であり、それ自体の導電性が高い上に、アスペクト比の大きい極細繊維であるため、導電性ネットワークを形成し易く、少量の配合で高い導電性付与効果を得ることができる。
しかし、カーボンナノチューブはアスペクト比の大きい非直線状の極細繊維であることから、互いに凝集し易く、やはり樹脂中で分散し難いという欠点がある。
特に、電磁波シールド性の付与を目的とする場合、配合したカーボンナノチューブが、導電性ネットワークを形成した上で、その繊維長方向が成形品表面に沿うように配向した状態で存在することが良好な電磁波シールド性を得る上で好ましいが、カーボンナノチューブの配合量を抑えた上で、このような配向性をもたせて樹脂中に均一分散させることは非常に難しく、従来法では十分に満足のゆく結果は得られていない。
特開2003−100147号公報 特開2003−221510号公報 特開2003−238820号公報 特開2004−182842号公報 特開2005−105025号公報
本発明は、上記従来の実状に鑑みてなされたものであって、カーボンナノチューブの配合効果が有効に発揮された、導電性及び電磁波シールド性に優れた導電性樹脂組成物と、この導電性樹脂組成物を成形してなる導電性樹脂成形品を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の2種類の熱可塑性樹脂で形成された共連続構造の一方の樹脂相にカーボンナノチューブを分散させることにより、カーボンナノチューブの分散性、配向性を高め、少ない配合量で優れた導電性と電磁波シールド性を得ることができることを見出した。
本発明はこのような知見に基いて達成されたものであり、以下を要旨とする。
[1] 下記(A)〜(C)成分を含み、(A)成分と(B)成分による少なくとも(A)成分が連続相を構成しうる2相構造が形成された導電性樹脂組成物であって、(C)成分が該2相構造のうち(A)成分で構成される相偏在し、熱可塑性樹脂Aがポリカーボネート樹脂であり、熱可塑性樹脂Bがアクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)またはポリエチレン樹脂(PE樹脂)であり、熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bとの合計における熱可塑性樹脂Aの割合が60〜70体積%であることを特徴とする導電性樹脂組成物。
(A):熱可塑性樹脂(以下「熱可塑性樹脂A」と称す。)
(B):熱可塑性樹脂Aより粘度が小さい熱可塑性樹脂(以下「熱可塑性樹脂B」と称す。)
(C):カーボンナノチュー
[2] [1]において、カーボンナノチューブの含有割合が、0.01〜50重量%であることを特徴とする導電性樹脂組成物
[3] [1]又は2]において、カーボンナノチューブの平均繊維径が1〜200nmで、アスペクト比が5〜1000であることを特徴とする導電性樹脂組成物。
] [1]ないし[]のいずれか1項において、更にカーボンブラックを含むことを特徴とする導電性樹脂組成物。
] [1]ないし[]のいずれかに記載の導電性樹脂組成物を射出成形してなることを特徴とする導電性樹脂成形品。
本発明の導電性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bとで形成された2相構造のうちの粘度が高い熱可塑性樹脂Aの相にカーボンナノチューブが分散されているため、次のような作用機構で、優れた導電性及び電磁波シールド性が得られる。
(1) 2相構造の一方の相にカーボンナノチューブが分散することにより、組成物中でのカーボンナノチューブの凝集が防止され、良好な導電性ネットワークを形成することができる。
(2) 粘度の高い熱可塑性樹脂Aの相にカーボンナノチューブが分散していることにより、成形時に付与される剪断力等により、カーボンナノチューブの凝集物が分散し、また成形時の樹脂の流動方向に配向するため優れた配向性が得られる。
また、本発明に係る2相構造は、共連続構造であることが好ましく、このために、熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bとの合計における熱可塑性樹脂Aの割合は60〜70体積%である(請求項)。
本発明において、導電性樹脂組成物中のカーボンナノチューブの含有割合は、0.01〜50重量%であることが好ましく(請求項)、カーボンナノチューブの平均繊維径は1〜200nmで、アスペクト比(カーボンナノチューブの長さ/カーボンナノチューブの径)は5〜1000程度であることが好ましい(請求項)。
また、本発明の導電性樹脂組成物は、更に無機微粒子を含んでいても良く、この無機微粒子としてはシリカ微粒子が好ましい。また、相構造の相のサイズ(相の厚さ等)との関係から、この無機微粒子は平均一次粒子径が10μm以下であることが好ましく、導電性樹脂組成物中の含有割合は0.01〜30重量%であることが好ましい
発明の導電性樹脂組成物は、更にカーボンブラックを含んでいても良い(請求項)。
本発明の導電性樹脂成形品は、このような本発明の導電性樹脂組成物を射出成形してなり、射出成形工程で樹脂組成物に付与される剪断力でカーボンナノチューブが射出成形方向(樹脂の流動方向と略平行方向)に配向し、また、カーボンナノチューブが熱可塑性樹脂A側に偏在して存在するため、カーボンナノチューブの存在密度(隣接する同士の接触可能性)が高くなり、この結果、良好な電磁波シールド性が得られる。
以下に本発明の導電性樹脂組成物及び導電性樹脂成形品の実施の形態を詳細に説明する。
[物性等の説明]
<粘度>
本発明における粘度とは、280℃における樹脂の粘度(単位:Pa・s)であり、例えば次のようにして測定される。
1mmφ×30mmLのキャピラリーを備える東洋精機製作所製キャピログラフ(機械名:キャピログラフ1C、型式:PMD-C)にて、剪断速度1216s−1における樹脂粘度をISO11443規格に準じて測定する(測定グラフからデーターの値を読み取る)ことにより求められる。
<共連続構造>
本発明の導電性樹脂組成物は、好ましくは後述の熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bとの共連続構造を形成したものである。
ここで、共連続構造とは、熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bの2つの樹脂を混合したポリマーアロイで形成される2相分離構造のうち、両樹脂がそれぞれ連続相を形成したものである。
即ち、樹脂Aと樹脂Bとを混合してなるポリマーアロイは、樹脂Aの割合が多く、樹脂Bの割合が少ないと、樹脂Aよりなる海相中に、樹脂Bの島相が分散した海島構造となる。この場合、樹脂Aは連続相であるが、樹脂Bは島状に分断された非連続相である。この状態から、樹脂Aの配合量を減らし、樹脂Bの配合量を増やしてゆくと、海相と島相とが逆転し、樹脂Bよりなる海相中に、樹脂Aの島相が分散した海島構造となり、この場合、樹脂Bは連続相であるが、樹脂Aは島状に分断された非連続相となる。この樹脂A/樹脂Bの海島構造となる配合割合と樹脂B/樹脂Aの海島構造となる配合割合との間の配合領域において、このポリマーアロイは、樹脂Aも樹脂Bも連続相様であり(両相共に連続相の様に観察され)、両樹脂が連続相を形成しつつ微細に分散したスポンジ様の2相分離構造となる。典型的にはこのような相構造を共連続相と呼んでいる。
本発明における共連続構造についてより詳しく説明するために、図面を用いて説明する。
図1は、熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bから形成された2相構造の共連続構造を示す模式図であり、図2は海島構造を示す模式図である。また、図3は共連続構造の一例の顕微鏡写真であり、図4は海島構造の一例の顕微鏡写真である。
本発明においては、共連続構造を以下の様に定義する。
図1、図2において、A相(熱可塑性樹脂Aで形成される相)と接するB相(熱可塑性樹脂Bで形成される相)の周囲(外周縁部)を任意の数(n)に分割、すなわちn分割(n≧3)する。分割したB相の外周縁部上の点をそれぞれ、X、X・・・・Xとする。任意の点Xi(i=1〜n)を始点として、Xi+1へ引いた線分をベクトルXii+1、同様にXi+1を始点として、Xi+2へ引いた線分をベクトルXi+1i+2とする。ベクトルXii+1とベクトルXi+1i+2が成す角度をθi(0≦θi≦π)とする。同様にベクトルXi+1i+2とベクトルXi+2i+3がなす角度をθi+1(0≦θi≦π)とする。順次得られた角度をθ、θ・・・・θnとし、θ、θ・・・・θnの和Σθi(i=1〜n)を求める。ただし、精度よくΣθi(i=1〜n)を求めるためには、nを十分に大きくする(外周縁部を沢山に分割する)必要がある。そこで、分割数を2倍にした場合の角度(θ、θ・・・)の和Σθi(i=1〜2n)を求め、Σθi(i=1〜2n)−Σθi(i=1〜n)が0.1π以下となるまでnを大きくしていくものとする。
図2の海島構造の場合、nを十分に大きくしても2πに近い値となる。
図1の共連続2相構造において、海島構造の模式図(図2)の場合と同様にΣθi(i=1〜n)を求めると、Σθi(i=1〜n)は7πよりも大きくなる。成形品中心層の電子顕微鏡写真で上述した共連続相構造が25μm×25μmの領域において少なくとも1個以上存在する場合を共連続構造が形成されている、とする。
本発明に云う共連続構造とは上述のような場合を定義する。熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bとの配合比によっては海島構造様を呈する場合もあるが、この場合にも上記定義が適用される。すなわち、熱可塑性樹脂Bが円形、楕円形ではない、相当複雑なランダム形状を呈して、熱可塑性樹脂Aと絡み合ったような状態も、本発明の共連続構造である。
[(A)成分,(B)成分(熱可塑性樹脂)]
本発明は、(A)成分及び(B)成分として、以下の関係を満たす少なくとも2種類の熱可塑性樹脂A,Bを用いることを特徴とする。これにより2層構造、共連続構造となりやすい組成物となる。
>V
:熱可塑性樹脂Aの粘度
:熱可塑性樹脂Bの粘度
また、熱可塑性樹脂Aの粘度に特に制限はないが、熱可塑性樹脂Bの粘度よりも大きいことを特徴とする。
本発明で用いられる熱可塑性樹脂としては、ポリアミド−6、ポリアミド−6,6などのポリアミド樹脂;ポリカーボネート樹脂;熱可塑性ポリエステル樹脂;ポリスチレン樹脂、高衝撃ポリスチレン樹脂(HIPS)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン−アクリルゴム共重合体(ASA樹脂)、アクリロニトリル−エチレンプロピレン系ゴム−スチレン共重合体(AES樹脂)などのスチレン系樹脂;等が挙げられ、本発明では、これらの熱可塑性樹脂の中から、粘度が上記条件を満たし、共連続構造を形成するものを選択して、それぞれ熱可塑性樹脂A、熱可塑性樹脂Bとして用いれば良い。
本発明においてはこのような2相分離構造(特に共連続構造)を発現するような熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bの組み合わせを選択することが重要である。この選択は種々の組み合わせがあるが、特に、ポリカーボネート樹脂(樹脂A)とスチレン系樹脂(樹脂B)との組み合わせが良好な2相分離構造を発現することが確認されている。
本発明において、特に熱可塑性樹脂Aとしては、ポリカーボネート樹脂が好ましく用いられ、特に、粘度が370〜1000Pa・s(280℃、剪断速度1216s−1)程度のポリカーボネート樹脂を用いることが好ましい。
ポリカーボネート樹脂としては、芳香族ポリカーボネート樹脂、脂肪族ポリカーボネート樹脂、芳香族−脂肪族ポリカーボネート樹脂を用いることができるが、中でも芳香族ポリカーボネート樹脂が好ましい。これらのポリカーボネート樹脂は1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
芳香族ポリカーボネート樹脂としては、芳香族ジヒドロキシ化合物をホスゲン又は炭酸のジエステルと反応させることによって得られる熱可塑性芳香族ポリカーボネート重合体又は共重合体が挙げられる。反応に用いる芳香族ジヒドロキシ化合物としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(=ビスフェノールA)、テトラメチルビスフェノールA、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、ハイドロキノン、レゾルシノール、4,4−ジヒドロキシビフェニルなどが挙げられ、好ましくはビスフェノールAが挙げられる。さらに、難燃性をさらに高める目的で上記の芳香族ジヒドロキシ化合物にスルホン酸テトラアルキルホスホニウムが1個以上結合した化合物や、シロキサン構造を有する両末端フェノール性OH基含有のポリマーあるいはオリゴマーを使用することもできる。
本発明で用いる芳香族ポリカーボネート樹脂としては、好ましくは、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンから誘導されるポリカーボネート樹脂、又は2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンと他の芳香族ジヒドロキシ化合物とから誘導されるポリカーボネート共重合体が挙げられる。
ポリカーボネート樹脂の分子量は、溶媒としてメチレンクロライドを用い、温度25℃で測定された溶液粘度より換算した粘度平均分子量で、通常14,000〜30,000の範囲であり、好ましくは15,000〜28,000、より好ましくは16,000〜26,000である。粘度平均分子量が14,000未満では機械的強度が不足し、30,000を超えると成形性に難を生じやすく好ましくない。
このような芳香族ポリカーボネート樹脂の製造方法については、限定されるものでは無く、ホスゲン法(界面重合法)あるいは、溶融法(エステル交換法)等で製造することができる。さらに、溶融法で製造された、末端基のOH基量を調整した芳香族ポリカーボネート樹脂を使用することができる。
さらに、芳香族ポリカーボネート樹脂としては、バージン原料だけでなく、使用済みの製品から再生された芳香族ポリカーボネート樹脂、いわゆるマテリアルリサイクルされた芳香族ポリカーボネート樹脂の使用も可能である。使用済みの製品としては、光学ディスクなどの光記録媒体、導光板、自動車窓ガラスや自動車ヘッドランプレンズ、風防などの車両透明部材、水ボトルなどの容器、メガネレンズ、防音壁やガラス窓、波板などの建築部材などが好ましく挙げられる。また、再生芳香族ポリカーボネート樹脂としては、製品の不適合品、スプルー、又はランナーなどから得られた粉砕品又はそれらを溶融して得たペレットなども使用可能である。
一方、熱可塑性樹脂Aとしてのポリカーボネート樹脂に対して併用する熱可塑性樹脂Bとしては、ポリエステル樹脂、スチレン系樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられるが、特にスチレン系樹脂が好ましい。このポリカーボネート樹脂とスチレン系樹脂の組み合わせが良好な2相構造を形成する。
スチレン系樹脂としては、アクリロニトリルースチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−エチレンプロピレンゴム−スチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン−アクリルゴム共重合体等が挙げられ、より好ましくは、アクリロニトリル−スチレン共重合体である。これらのスチレン系樹脂は、1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
これらスチレン系樹脂の重合方法として塊状重合法や乳化重合法が例示できるが、塊状重合法により重合された樹脂が望ましい。
なお、スチレン系樹脂としては、バージン原料だけでなく、使用済みの製品から再生されたスチレン系樹脂、いわゆるマテリアルリサイクルされたスチレン系樹脂の使用も可能である。使用済みの製品としては、ハウジング等が主として挙げられる。また再生スチレン系樹脂としては、製品の不適合品、スプルー、ランナー等から得られた粉砕品又はそれらを溶融して得たペレット等も使用可能である。
なお、熱可塑性樹脂Bとして用いるポリエステル樹脂のうち、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)としては、ジメチルテレフタレートとエチレングリコールのエステル交換反応、又はテレフタル酸とエチレングリコールの直接エステル化反応のいずれで製造されたものでも良い。ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)としては、ジメチルテレフタレートと1,4−ブタンジオールのエステル交換反応によるDMT法、テレフタル酸と1,4−ブタンジオールの直接重合法のいずれで製造されたものでも良い。
また、該PET、PBTのいずれの場合においても、重縮合反応時に、テレフタル酸又はそのジアルキルエステルと共に、フタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、トリメリット酸やそれらのジアルキルエステル等の二塩基酸、三塩基酸等や、またそれらのジアルキルエステルを使用することができる。これらの使用量は、テレフタル酸又はそのジアルキルエステル100重量部に対して40重量部以下の範囲であることが好ましい。
また、同じく重縮合反応時に、該エチレングリコール、又は1,4−ブタンジオールと共に、他の脂肪族グリコールとして、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ヘキサメチレングリコール等や、脂肪族グリコール以外に例えばシクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、キシレングリコール、2、2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等の他のジオール類や多価アルコール類を併用することができる。これらジオール類又は多価アルコール類の使用量は、脂肪族グリコール100重量部に対して40重量部以下の範
囲であることが好ましい。また、これらの使用量は、テレフタル酸又はそのジアルキルエステル100重量部に対して40重量部以下の範囲であることが好ましい。
ポリエステル樹脂の分子量としては、フェノールとテトラクロロエタンの混合溶媒(重量比=50/50)中、30℃で測定される極限粘度で、好ましくは0.5〜1.8であり、さらに好ましくは0.7〜1.5である。さらに、PET又はPBTとしては、バージン原料だけでなく、使用済みの製品から再生されたPET又はPBT、いわゆるマテリアルリサイクルされたPETとPBTの使用も可能である。使用済みの製品としては、容器、フィルム、シート、繊維等が主として挙げられるが、より好適なものはPETボトル等の容器である。また、再生PET、PBTとしては、製品の不適合品、スプルー、ランナー等から得られた粉砕品又はそれらを溶融して得たペレット等も使用可能である。
本発明においては、熱可塑性樹脂Aとして上述の熱可塑性樹脂の2種以上を併用しても良く、また、熱可塑性樹脂Bとしても上述の熱可塑性樹脂の2種以上を併用しても良い。また、ポリマーアロイの2相構造を形成する熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bを基本組成とし、これに、熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bのいずれにも該当しない熱可塑性樹脂を配合しても良い。
ただし、熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bとを用いることによるポリマーアロイの2相構造として好ましい共連続構造を形成するために、熱可塑性樹脂A及び熱可塑性樹脂Bとして、それぞれ1種類の樹脂を用いることが好ましい。
[(A)成分と(B)成分の配合比]
本発明の導電性樹脂組成物に含まれる(A)成分としての熱可塑性樹脂Aと、(B)成分としての熱可塑性樹脂Bとの割合は、本発明に好適な2相分離構造(共連続構造)を形成するために、適宜調整されることが好ましく、用いる熱可塑性樹脂の種類によっても異なるが、通常、熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bとの合計における熱可塑性樹脂A(2種以上の熱可塑性樹脂Aを用いる場合はその合計)の体積割合が60〜70体積%で、熱可塑性樹脂B(2種以上の熱可塑性樹脂Bを用いる場合はその合計)の体積割合が30〜40体積%である。このような配合比とすることにより、本組成物を溶融混練した場合に、良好な2相構造が形成される。
この範囲よりも熱可塑性樹脂Aが多くても少なくても、ポリマーアロイの2相構造が本発明に好適な共連続構造を形成し得ない場合がある。
なお、上記体積割合は、用いる樹脂の種類によっても異なるが、重量割合として、熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bとの合計における熱可塑性樹脂Aの重量割合が62〜72重量%程度で、熱可塑性樹脂Bの重量割合が28〜38重量%程度の範囲となる。
[(C)成分]
カーボンナノチューブは、通常は、単繊維が絡み合った毛玉状、直線状等の形状を有する中空繊維であると云われており、その製造方法としては、化学的気相成長法、レーザーアブレーション、アーク放電等の種々の方法が提案されている。
チューブの形状も単層、多層が見られ、典型的な単管(パイプ)状、パイプが何層にも重なった多層管状、魚の中骨のように円錐台形状が積み重なったような形状等があるとされている。単管状の場合は直径が1〜5nm程度のものが多く、多層管状や中骨状の場合は10〜50nm程度の径を有するものや、場合によっては径が100nmを超えるものもある。
長さは長尺(径に対して長さが長い)なものであるが、アスペクト比(長さ/直径)は100〜10,000程度とされている。
本発明の導電性樹脂組成物は、(C)成分としてカーボンナノチューブを、熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bとで形成される2相構造のうち、熱可塑性樹脂Aの相中に多く含む。
この「熱可塑性樹脂Aの相中に多く含む」とはカーボンナノチューブが熱可塑性樹脂Aの相中に多く存在(偏在)していることをいう。すなわち、樹脂Aと樹脂Bを選択する際に、樹脂に対するカーボンナノチューブの分散性(親和性)を考慮(経験的考慮)し、カーボンナノチューブが樹脂Aに偏在するように選択することが重要である。
カーボンナノチューブとしては、平均繊維径が1〜200nm、特に10〜100nmで、アスペクト比(繊維長/繊維径の比率を云い、顕微鏡等で観察して得る)が5〜1000、特に100〜1000のものが好ましく、このような高アスペクト比の極細繊維を用い、かつ、カーボンナノチューブを樹脂Aに偏在させることにより、著しく良好な導電性、電磁波シールド性の向上効果を得ることができる。
本発明の導電性樹脂組成物中の(C)成分としてのカーボンナノチューブの含有量は、0.01〜50重量%、特に1〜30重量%、とりわけ3〜20重量%で、熱可塑性樹脂の合計100重量部に対して1〜31重量部、特に3.1〜25重量部であることが好ましい。カーボンナノチューブの含有量が少な過ぎると、カーボンナノチューブを配合したことによる導電性、電磁波シールド性の向上効果を十分に得ることができず、多過ぎると、成形性、機械的特性等が損なわれるおそれがある。
なお、カーボンナノチューブは平均繊維径やアスペクト比など、規格の異なるものの2種以上を併用しても良い。
[その他の成分]
本発明の導電性樹脂組成物は、上記(A)〜(C)成分の他、本発明の目的を損なわない範囲で、以下のようなその他の成分を含有していても良い。
(1)無機微粒子
無機微粒子は、本発明の導電性樹脂組成物において、熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂B中に存在し、顕微鏡で観察すると2相構造の界面部分に多く存在しているように観察される。樹脂の混練、成形時の剪断力により熱可塑性樹脂A,Bをより細かく切断し、これにより、より微細な2相構造を形成する機能を発揮し、カーボンナノチューブの配向性を高める作用を奏するとも考えられる。
無機微粒子として、熱可塑性樹脂Aおよび熱可塑性樹脂Bとの混練時に分解しにくいシリカ微粒子が好ましい。このシリカ微粒子としては、表面処理を行わず、表面に親水性の水酸基を有する通常のシリカであっても、疎水性の官能基、例えばトリメチルシリル基などを表面に有する表面処理シリカであっても良い。
また、無機微粒子は平均一次粒子径が10μm以下、特に300〜2000nmのものが好ましい。無機微粒子の粒子径が大き過ぎると樹脂の成形性や機械的特性に悪影響を及ぼすおそれがあり、小さ過ぎると、無機微粒子を配合したことによる上記効果を十分に得ることができない。
ここで、無機微粒子の平均一次粒子径は、SEMまたはTEMにより2000〜3000個の粒子径を観察し、その累積分布により求めたメジアン径(d−50)に準拠した平均粒径である。ここで述べるメジアン径とは、粉体をある粒子径から2つに分けたとき、大きい側と小さい側が等量となる径のことである。
本発明の導電性樹脂組成物中の無機微粒子の含有量は、0.01〜30重量%、特に1〜15重量%、とりわけ5〜10重量%で、熱可塑性樹脂の合計100重量部に対して3〜30重量部、特に10〜20重量部であることが好ましい。無機微粒子の含有量が少な過ぎると、無機微粒子を配合したことによる上記効果を十分に得ることができず、多過ぎると、成形性、機械的特性等が損なわれるおそれがある。
なお、無機微粒子としては異なる材質、異なる粒径のものを2種以上併用しても良い。
(2)導電性物質
本発明の導電性樹脂組成物には、導電性の更なる改善のために、導電性物質として、カーボンブラック、黒鉛、好ましくはカーボンブラックを配合しても良い。
カーボンブラックとしては、平均粒子径10〜50nm、特に10〜30nmのものが好ましく、かつDBP吸油量100以上のものが好ましい。導電性樹脂組成物中の含有量は、25重量%以下、特に5〜20重量%、とりわけ10〜20重量%で、熱可塑性樹脂の合計100重量部に対して45重量部以下、特に5〜35重量部、とりわけ15〜35重量部であることが好ましい。
カーボンブラックの粒子径が大き過ぎると樹脂の成形性や機械的特性が損なわれるおそれがある。カーボンブラックの粒子径が小さ過ぎると溶融混練時の吐出率が悪化するため、生産性が低くなるおそれがある。また、カーボンブラックの含有量が少な過ぎると、カーボンブラックを配合したことによる導電性の向上効果を十分に得ることができず、多過ぎると、成形性、機械的特性等が損なわれる。
(3) 難燃剤
本発明の導電性樹脂組成物には、難燃性を付与するために難燃剤を配合することができる。
難燃剤としては、組成物の難燃性を向上させるものであれば特に限定されないが、リン酸エステル化合物、有機スルホン酸金属塩、シリコーン化合物等が好適である。これらは、1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
難燃剤の配合量としては、好ましくは導電性樹脂組成物中、リン酸エステル化合物は5〜20重量%、有機スルホン酸金属塩は0.02〜0.2重量%、シリコーン化合物は0.3〜3重量%である。
(4) 滴下防止剤
本発明の導電性樹脂組成物には、燃焼時の滴下防止を目的として、滴下防止剤を配合することができる。滴下防止剤としては好ましくはフッ素樹脂を用いることができる。
ここでフッ素樹脂とは、フルオロエチレン構造を含む重合体、共重合体であり、例えば、ジフルオロエチレン重合体、テトラフルオロエチレン重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレンとフッ素を含まないエチレン系モノマーとの共重合体が挙げられ、好ましくは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)であり、その平均分子量は、500,000以上であることが好ましく、特に好ましくは500,000〜10,000,000である。
本発明で用いることができるポリテトラフルオロエチレンとしては、現在知られているすべての種類のものを用いることができるが、ポリテトラフルオロエチレンのうち、フィブリル形成能を有するものを用いると、さらに高い溶融滴下防止性を付与することができる。フィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレン(PTFE)には特に制限はないが、例えば、ASTM規格において、タイプ3に分類されるものが挙げられる。その具体例としては、例えばテフロン(登録商標)6−J(三井・デュポンフロロケミカル(株)製)、ポリフロンD−1、ポリフロンF−103、ポリフロンF201(ダイキン工業(株)製)、CD076(旭アイシーアイフロロポリマーズ(株)製)等が挙げられる。また、上記タイプ3に分類されるもの以外では、例えばアルゴフロンF5(モンテフルオス(株)製)、ポリフロンMPA、ポリフロンFA−100(ダイキン工業(株)製)等が挙げられる。これらのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。上記のようなフィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレン(PTFE)は、例えばテトラフルオロエチレンを水性溶媒中で、ナトリウム、カリウム、アンモニウムパーオキシジスルフィドの存在下で、1〜100psiの圧力下、温度0〜200℃、好ましくは20〜100℃で重合させることによって得られる。また、溶媒にて分散されたテフロン(登録商標)30−J(三井・デュポンフロロケミカル(株)製)であっても構わない。
また、滴下防止剤は、ポリテトラフルオロエチレン粒子と有機系重合体粒子とからなるポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体であってもよい。有機系重合体粒子を生成するための単量体の具体例としては、スチレン、p−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−クロルスチレン、o−クロルスチレン、p−メトキシスチレン、o−メトキシスチレン、2,4−ジメチルスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系単量体、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ドデシル、メタクリル酸ドデシル、アクリル酸トリドデシル、メタクリル酸トリドデシル、アクリル酸オクタデシル、メタクリル酸オクタデシル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル等の(メタ)アクリル酸エステル系単量体、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル系単量体、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等のビニルエーテル系単量体、酢酸ビニル、酪酸ビニル等のカルボン酸ビニル単量体、エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン系単量体、ブタジエン、イソプレン、ジメチルブタジエン等のジエン系単量体等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。好ましくは、これらの単量体の重合体又は共重合体を2種以上用い、有機系重合体粒子を得ることができる。
滴下防止剤の配合量としては、好ましくは導電性樹脂組成物中0.05〜0.5重量%であり、より好ましくは0.2〜0.5重量%である。
(5) 耐衝撃性改良剤
本発明の導電性樹脂組成物には、衝撃強度向上のために、耐衝撃性改良剤としてエラストマーを配合することができる。
該エラストマーとしては、特に限定されるものではないが、多層構造重合体が好ましい。多層構造重合体としては、例えば、アルキル(メタ)アクリレート系重合体を含むものが挙げられる。これらの多層構造重合体としては、例えば、先の段階の重合体を後の段階の重合体が順次被覆するような連続した多段階シード重合によって製造される重合体であり、基本的な重合体構造としては、ガラス転移温度の低い架橋成分である内核層と組成物のマトリックスとの接着性を改善する高分子化合物から成る最外核層を有する重合体である。これら多層構造重合体の最内核層を形成する成分としては、ガラス転移温度が0℃以下のゴム成分が選択される。これらゴム成分としては、ブタジエン等のゴム成分、スチレン/ブタジエン等のゴム成分、アルキル(メタ)アクリレート系重合体のゴム成分、ポリオルガノシロキサン系重合体とアルキル(メタ)アクリレート系重合体が絡み合って成るゴム成分、あるいはこれらの併用されたゴム成分が挙げられる。さらに、最外核層を形成する成分としては、芳香族ビニル単量体又は非芳香族系単量体あるいはそれらの2種類以上の共重合体が挙げられる。芳香族ビニル単量体としては、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、モノクロルスチレン、ジクロルスチレン、ブロモスチレン等を挙げることができる。これらの中では、特にスチレンが好ましく用いられる。非芳香族系単量体としては、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニルやシアン化ビニリデン等を挙げることができる。これらは1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
耐衝撃性改良剤の配合量としては、好ましくは導電性樹脂組成物中1〜10重量%であり、より好ましくは2〜5重量%である。
(6) 補強材
本発明の導電性樹脂組成物には、弾性率、強度、荷重たわみ温度の向上のために、補強材を添加することができる。
ここで、補強材としては、シリカ、珪藻土、軽石粉、軽石バルーン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、チタン酸カリウム、硫酸バリウム、亜硫酸カルシウム、タルク、クレー、マイカ、ガラス繊維、ガラスフレーク、ガラスビーズ、珪酸カルシウム、モンモリロナイト、ベントナイト、硫化モリブデン、ボロン繊維、炭化珪素繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ホウ酸アルミニウム等を例示できる。これらは1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。特に限定されるものではないが、補強材としてはガラス繊維、ガラスフレーク、タルク、マイカが好ましい。
補強材の配合量としては、好ましくは樹脂成分100重量部に対し、1〜100重量部であり、より好ましくは10〜80重量部である。
(6) その他
本発明の導電性樹脂組成物には、上記の成分以外に、必要に応じて、紫外線吸収剤、酸化防止剤等の安定剤、顔料、染料、滑剤、離型剤等の添加剤をそれぞれ必要量配合しても良い。
[製造方法]
本発明の導電性樹脂組成物を得るための方法としては、特に限定されず、各種混練機、例えば、一軸又は多軸混練機、バンバリーミキサー、ロール、ブラベンダープラストグラム等で、上記成分を所定の配合で混練した後、冷却固化する方法や、適当な溶媒、例えば、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素及びその誘導体に上記成分を添加し、溶解する成分同志、あるいは溶解する成分と不溶解成分を懸濁状態で混ぜる溶液混合法等が用いられる。工業的コストからは溶融混練法が好ましいが、これに限定されるものではない。溶融混練においては、単軸や二軸の押出機を用いることが好ましい。より好ましくは、二軸の押出機を用いるのが良い。
本発明の導電性樹脂組成物を製造する際には、すべての成分を一度に混合しても良く、また、カーボンナノチューブや無機微粒子を、熱可塑性樹脂の一部、又は全部と予め混合したり、熱可塑性樹脂の一部でカーボンナノチューブ及び/又は無機微粒子を被覆したりして、マスターバッチを調製した後、残りの熱可塑性樹脂に配合する方法でも良い。また、カーボンナノチューブや無機微粒子が複数種から構成される場合は、それら全てを同時にマスターバッチにしてもよいし、その一部をマスターバッチにしたり、複数のマスターバッチにしたりしても良い。また、カーボンナノチューブや無機微粒子の分散性に差がある場合は、それらが良く分散する樹脂で、マスターバッチを調製するのが良い。
本発明では、カーボンナノチューブを熱可塑性樹脂Aの相中に存在(偏在)させることから、少なくともカーボンナノチューブについては、これをマスターバッチ化する場合には、熱可塑性樹脂A中に配合してマスターバッチ化することが好ましい。
[成形方法]
本発明の導電性樹脂組成物を用いて導電性樹脂成形品を得る方法は、特に限定されるものでなく、熱可塑性樹脂組成物について一般に用いられている成形法、例えば、射出成形、中空成形、押出成形、シート成形、熱成形、回転成形、積層成形等の成形方法を適用できるが、特に、本発明の導電性樹脂組成物は、射出成形法、押出成形法等のように、成形中に樹脂組成物に剪断力が付与され、この結果、組成物中のカーボンナノチューブが配向するような成型法を採用するのが好ましい。
なお、本発明における2相構造は成形された成型品の組成構造を云っていることは云うまでもないであろう。
[導電性樹脂(電磁波シールド)成形品]
本発明の導電性樹脂組成物を射出成形法等で成形してなる導電性樹脂(電磁波シールド)成形品は、特にOA機器の筐体や電気電子機器の筐体に好適であり、適用される機器としては、例えば、ノート型パソコン、電子手帳、携帯電話、PDA等が挙げられるが、本発明の特徴である電磁波シールド性を最も活かせる用途として、ノート型パソコンの筐体が挙げられる。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に何ら限定されるものではない。
なお、以下の実施例及び比較例において、導電性樹脂組成物の配合成分として用いたものは次の通りである。
<熱可塑性樹脂A>
芳香族ポリカーボネート樹脂(PC):三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製、商品名:ユーピロン(登録商標)、粘度:859Pa・s(280℃、剪断速度:36.5s−1)、467Pa・s(280℃、剪断速度:1216s−1
<熱可塑性樹脂B>
アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS):テクノポリマー(株)製、商品名:SAN−C、粘度=339Pa・s(280℃、剪断速度:36.5s−1)、89.5Pa・s(280℃、剪断速度:1216s−1
高密度ポリエチレン(PE):日本ポリエチレン(株)社製、商品名:ノバテックHD
HJ490、粘度:143Pa・s(280℃、剪断速度:36.5s−1)、60.3Pa・s(280℃、剪断速度:1216s−1
ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET):三菱化学(株)製、商品名:GG500、粘度:150Pa・s(280℃、剪断速度:36.5s−1)、102Pa・s(280℃、剪断速度:1216s−1
ポリアミド樹脂(PA):三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製、商品名:ノバミッド1010J
<(C)成分>
カーボンナノチューブ:多層カーボンナノチューブ、平均繊維径15nm、アスペクト比100〜1000
<(D)成分>
球状シリカa:扶桑化学(株)製、商品名:AEROSIL200、平均一次粒子径約12nm、比表面積(BET法)200±25m2/g、見かけ比重約50g/L
球状シリカb:扶桑化学(株)製、商品名:AEROSILRX200、平均一次粒子径約12nm、比表面積(BET法)140±25m2/g、見かけ比重約50g/L
球状シリカc:扶桑化学(株)製、商品名:クォートロンSP-3F、平均一次粒子径200〜300nm、比表面積(BET法)15m2/g、真比重2.2g/L
球状シリカd:扶桑化学(株)製、商品名:クォートロンSP-1B、平均一次粒子径約1μm、比表面積(BET法)3.4m2/g、真比重2.2g/L
<その他>
カーボンブラック:三菱化学(株)製、商品名#3230、粒子径約23nm(粒子径は、電子顕微鏡により平均直径として算出したもの)、BET比表面積220m2/g、DBP吸油量140cm3/100g
離型剤:クラリアントジャパン(株)製、商品名:LICOWAX PE520POWDER
[表1:実施例1〜2、比較例1〜9]
表1に示す割合にて各成分を配合し、タンブラーミキサーにて均一に混合した後、二軸押出機(日本製鋼所製、TEX30XCT、L/D=42、バレル数12)を用いて、シリンダー温度280℃、スクリュー回転数200rpmにて押出機上流部のバレルより押出機にフィードし、溶融混練させて樹脂組成物のペレットを得た。この樹脂組成物のペレットを用いて以下の(1)〜(2)の評価を行った。
[評価方法]
(1)導電性
体積抵抗率:射出成形機(住友重機械工業製、SH100、型締め力100T)により、樹脂温度(パージ樹脂の実測温度):290℃、金型温度:80℃、金型:縦100mm、横100mm、厚み2mmの条件で射出成形した成形品を抵抗率計((株)アドバンテスト製)にて測定した。体積抵抗率はΩ・cmの単位で表示する。この値は10Ω・cm以下であることが好ましい。
表面抵抗率:射出成形機(住友重機械工業製、SH100、型締め力100T)により、樹脂温度(パージ樹脂の実測温度):290℃、金型温度:80℃、金型:縦100mm、横100mm、厚み2mmの条件で射出成形した成形品を抵抗率計((株)アドバンテスト製)にて測定した。表面抵抗率はΩ/□の単位で表示する。この値は10Ω/□以下であることが好ましい。
(2)電磁波シールド性
射出成形機(住友重機械工業製、SH100、型締め力100T)を用いて、樹脂温度(パージ樹脂の実測温度):290℃、金型温度:80℃にて、金型:縦100mm、横100mm、厚み2mmの成形品を射出成形し、得られた射出成形品を5枚用いて、(株)アドバンテスト製TR−17301AとR3361Aを用いて、周波数500MHzにおける電界波と磁界波のシールド性を測定した。この値は、電気用品安全法による製品試験値によって必要値が決まっていて、また製品から発生する周波数やその強さにも依存するため一概に決められる値ではないが、10dB以上であることが好ましい。
Figure 0005083083
表1から明らかなように、カーボンナノチューブを、特定の熱可塑性樹脂のポリマーアロイに配合することにより、高い電磁波シールド性を有することがわかる。
[表2,3:実施例3〜14、比較例10〜15]
表2,3に示す割合にて各成分を配合し、タンブラーミキサーにて均一に混合した後、二軸押出機(日本製鋼所製、TEX30XCT、L/D=42、バレル数12)を用いて、シリンダー温度280℃、スクリュー回転数200rpmにて押出機上流部のバレルより押出機にフィードし、溶融混練させて樹脂組成物のペレットを得た。この樹脂組成物のペレットを用いて、前述した(1)〜(2)の評価を行った。
なお、実施例3〜14におけるPC樹脂とAS樹脂の配合割合はいずれもPC樹脂68体積%、AS樹脂32体積%であり、PC樹脂:AS樹脂≒7:3(体積比)である。
Figure 0005083083
Figure 0005083083
実施例3〜14と比較例10〜15を比較することにより、特定の熱可塑性樹脂および組成を有するポリマーアロイに、カーボンナノチューブ、更には特定の無機微粒子を配合することにより、導電性及び電磁波シールド性が改善されることが分かる。
なお、実施例3〜14の樹脂組成物のペレットについて、成形片を切削し、そのTEM観察を行うことによりPC樹脂とAS樹脂とで形成される樹脂相を観察したところ、微細な共連続構造が形成されていることが確認された。また。カーボンナノチューブは、その殆ど全量がPC樹脂の相中において、射出成形の方向に配向して分散していた。また、シリカはPCとASの界面に存在することが確認された。
本発明の導電性樹脂組成物は、導電性および電磁波シールド性に優れるため、その工業的有用性は大きい。また、それを用いた成形品は、OA機器、電気・電子部品、精密機器の筐体を始めとする、多くの分野に有用なものである。
共連続2相構造を示す模式図である。 海島構造を示す模式図である。 共連続構造の一例の顕微鏡写真である。 海島構造の一例の顕微鏡写真である。
X:分割したB相の外周縁部上の点
θ:隣り合うベクトルが成す角度

Claims (5)

  1. 下記(A)〜(C)成分を含み、(A)成分と(B)成分による少なくとも(A)成分が連続相を構成しうる2相構造が形成された導電性樹脂組成物であって、(C)成分が該2相構造のうち(A)成分で構成される相偏在し、熱可塑性樹脂Aがポリカーボネート樹脂であり、熱可塑性樹脂Bがアクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)またはポリエチレン樹脂(PE樹脂)であり、熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bとの合計における熱可塑性樹脂Aの割合が60〜70体積%であることを特徴とする導電性樹脂組成物。
    (A):熱可塑性樹脂(以下「熱可塑性樹脂A」と称す。)
    (B):熱可塑性樹脂Aより粘度が小さい熱可塑性樹脂(以下「熱可塑性樹脂B」と称す。)
    (C):カーボンナノチューブ
  2. 請求項1において、カーボンナノチューブの含有割合が、0.01〜50重量%であることを特徴とする導電性樹脂組成物。
  3. 請求項1又は2において、カーボンナノチューブの平均繊維径が1〜200nmで、アスペクト比が5〜1000であることを特徴とする導電性樹脂組成物。
  4. 請求項1ないしのいずれか1項において、更にカーボンブラックを含むことを特徴とする導電性樹脂組成物。
  5. 請求項1ないしのいずれか1項に記載の導電性樹脂組成物を射出成形してなることを特徴とする導電性樹脂成形品。
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