JP2006206780A - 導電性熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
流動性、面衝撃強度、導電性のバランスに優れ、かつ製造工程由来の導電性のばらつきが少なく安定した導電性を発現できる導電性熱可塑性樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】
(A)芳香族ポリカーボネート樹脂(A成分) 10〜90重量部、及び
(B)熱可塑性ポリエステル樹脂(B成分) 10〜90重量部
の合計100重量部に対して、
(C)窒素吸着比表面積が140〜500m2/g、且つ、DBP(ジブチルフタレート)吸収量が100〜300cm3/100gの範囲にある導電性カーボンブラック(C成分)を0.1〜20重量部含有してなる導電性熱可塑性樹脂組成物。
【選択図】 なし
Description
このような自動車外装・外板部品は、通常、着色のために塗装が行われており、塗料の付着効率を向上させる目的で静電塗装が一般的に行われている。静電塗装とは、アースした被塗装物と塗料吹き付け装置に高電圧をかけ、帯電させた塗料粒子を反対極である被塗装物に吹き付けることにより効率よく塗料を付着させる塗装方法である。熱可塑性樹脂は電気絶縁性であるため、静電塗装を行うには導電性の付与が必要であり、さらに、これら自動車外装・外板部品用プラスチックには、従来のプラスチックと比較して耐衝撃性、寸法安定性、流動性、外観などの高いレベルの材料が要求されるようになってきた。また、自動車外装・外板部品用プラスチックに求められる耐衝撃性は、歪み速度との関係でアイゾット衝撃強度やシャルピー衝撃強度との相関性は低く、面衝撃強度の優れた材料が必要とされている。
さらに、特許文献5では、芳香族ポリカーボネートに、特定量の熱可塑性ポリアルキレンテレフタレートと特定のDBP吸油量の導電性カーボンブラックを配合することにより、外観、導電性、アイゾッド衝撃強度に優れた組成物を開示しているが、具体的には、窒素吸着比表面積、DBP吸油量の大きいケッチェンブラックを用いているため、流動性、面衝撃強度、導電性のバランスや導電性のばらつきにおいて十分に満足できるものではなかった。また、該特許文献5の熱可塑性ポリアルキレンテレフタレートの配合量の範囲では、流動性に劣り、また導電性が発現しにくくなるという問題があった。
また、本発明の導電性熱可塑性樹脂組成物は、自動車用外装部品のほか、例えば、電気・電子・OA機器をはじめとした導電性の必要な用途にも好適に使用できる。例えば、半導体に使われるICチップ、ICトレーや、ウエハー、コンピュータに使われるハードディスクの内部部品等は、帯電防止性を付与し、塵やほこりの付着を完全に防止するためや、静電気による誤作動を防止する目的等に使用することができる。また、電磁波シールド性の付与に導電性が要求される用途、例えば、ノートバソコンのハウジング、PDAのハウジング、パチンコ部品の基板、カメラシャッター、携帯電話のハウジング等にも使用することができる。
本発明のA成分である芳香族ポリカーボネート樹脂(以下、A成分と略記することがある)は、芳香族ジヒドロキシ化合物又はこれと少量のポリヒドロキシ化合物と、カーボネート前駆体とを反応させることによって得られる、分岐していてもよい熱可塑性芳香族ポリカーボネート重合体又は共重合体である。芳香族ポリカーボネート樹脂の製造法は、特に限定されるものではなく、従来から知られているホスゲン法(界面重合法)又は溶融法(エステル交換法)等によって製造することができる。
本発明のB成分である熱可塑性ポリエステル樹脂(以下、B成分と略記することがある)は、ジカルボン酸類又はその反応性誘導体からなるジカルボン酸成分と、ジオール類又はそのエステル誘導体からなるジオール成分とを主成分とする、縮合反応により得られる重合体又は共重合体である。熱可塑性ポリエステル樹脂の製造は、常法に従い、チタン、ゲルマニウム、アンチモン等を含有する重縮合触媒の存在下に、加熱しながらジカルボン酸成分とジオール成分とを反応させ、副生する水又は低級アルコールを系外に排出することにより行われる。反応方式としては、バッチ式、連続式のいずれの重合方法をとることも可能であり、固相重合により重合度を上げることも可能である。
他の熱可塑性ポリエステル樹脂の具体例としては、例えばラクトンの開環重合によるポリピバロラクトン樹脂、ポリ(ε−カプロラクトン)樹脂等や、溶融状態で液晶を形成する液晶ポリマー(Thermotropic Liquid Crystal Polymer,TLCP)が挙げられる。この範疇に入り、現在市販されている液晶ポリエステル樹脂としては、イーストマンコタック社のX7G、ダートコ社のXyday(ザイダー)、住友化学社のエコノール、セラニーズ社のベクトラ等が挙げられる。
また、本発明の熱可塑性ポリエステル樹脂は、少量の分岐剤を導入することにより分岐させることができる。分岐剤の種類に制限はないが、トリメシン酸、トリメリチン酸、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
本発明のC成分である導電性カーボンブラック(以下、C成分と略記することがある)は、窒素吸着比表面積が140〜450m2/g、且つ、DBP(ジブチルフタレート)吸収量が100〜300cm3/100gの範囲にあるカーボンブラックである。なお、本発明において、窒素吸着比表面積(単位はm2/g)、DBP吸収量(単位:cm3/100g)は、JIS K6217に準拠して測定されたものである。
本発明では、導電性カーボンブラックの窒素吸着比表面積は、140〜450m2/gの範囲であり、好ましくは150〜400m2/gの範囲であり、より好ましくは200〜350m2/gの範囲である。窒素吸着比表面積が450m2/gより大きいと、所望の導電性を得るための添加量は少なくて済むが、樹脂組成物の流動性や面衝撃強度が低下し、さらに製造工程由来の導電性のばらつきも大きくなる。また、逆に、窒素吸着比表面積が140m2/gより小さいと、所望の導電性を得るために多量に配合する必要があり、流動性や面衝撃強度、外観が悪化する。
また、本発明では、導電性カーボンブラックの窒素吸着比表面積とDBP吸収量の双方を前記最適範囲にすることで、流動性、面衝撃強度、導電性のバランスに優れ、かつ製造工程由来の導電性のばらつきが少なく、安定した導電性を発現できる導電性熱可塑性樹脂組成物を得ることができる。
このような好ましい導電性カーボンブラックとしては、キャボット社製バルカンXC−72、東海カーボン社製のトーカブラック#5500等が市販されている。
本発明に係る導電性熱可塑性樹脂組成物は、前記A成分、B成分、C成分を含有することが必須であるが、該樹脂組成物の耐衝撃性を改良する目的で、さらにD成分としてゴム性重合体(以下、D成分と略記することがある)を含有することが好ましい。ここでゴム性重合体とは、ガラス転移温度が0℃以下、好ましくは−20℃以下であるゴム状重合体、又は、必要に応じ該ゴム状重合体にこれと共重合可能な単量体成分とを共重合した重合体をいう。
本発明に使用されるD成分のゴム性重合体は、一般にポリカーボネート樹脂組成物に配合されて、その機械的特性を改良し得るものであれば特に限定されるものではない。
本発明に係る導電性熱可塑性樹脂組成物は、前記A成分、B成分、C成分を含有することが必須であるが、該樹脂組成物の製造工程由来の導電性を安定化する目的で、さらにE成分としてリン系化合物(以下、E成分と略記することがある)を含有することができる。リン系化合物として本発明で使用されるものは、一般にポリカーボネート樹脂組成物に配合されて、導電性安定化効果のあるものであれば特に限定されるものではないが、下記一般式(I)で表されるリン酸エステル及び/又は下記一般式(II)で表される亜リン酸エステルが好ましく使用されうる。
(式中、Rはアルキル基またはアリール基であり、それぞれ同一であっても異なっていても良い。具体的には、炭素数1〜30程度のアルキル基またはフェニル基、ノニルフェニル基、ステアリルフェニル基、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル基、2,4−ジ−tert−ブチル−メチルフェニル基、トリル等が挙げられ、好ましくはRが炭素数2〜25のアルキル基である。)
上記一般式(II)を満たす亜リン酸エステルの好ましい具体例としては、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ジノニルペンタエリスリトールジホスファイト、ビスノニルフェニルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−イソプロピルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト等が挙げられる。
本発明に係る導電性熱可塑性樹脂組成物は、前記A成分、B成分、C成分を含有することが必須であるが、該樹脂組成物の寸法安定性、耐熱性を改良する目的で、さらにC成分以外のF成分として無機フィラー(以下、F成分と略記することがある)を含有することができる。無機フィラーの具体例を挙げれば、板状フィラーとしては、タルク等の珪酸マグネシウム、カオリン、マイカ、黒鉛、セリサイト、モンモリロナイト、板状炭酸カルシウム、板状アルミナ、ガラスフレーク等があり、針状フィラーとしては、ウォラストナイト等の珪酸カルシウム、モスハイジ、ゾノトライト、チタン酸カルシウム、硼酸アルミニウム、針状炭酸カルシウム、針状酸化チタン、テトラポット型酸化亜鉛等があり、繊維状フィラーとしては、ガラス繊維、炭素繊維等がある。これらの中で、物性バランスの点で好ましいのは、タルク、カオリン、マイカ、ガラスフレーク、ウォラストナイト、ガラス繊維、炭素繊維であり、特にタルク、ウォラストナイトが得られる成形品の表面外観に優れ好ましい。なお、本発明での無機フィラーに成分や形状等の詳細については、例えば「フィラー活用事典」(フィラー研究会編、大成社、1994)等に記載されている。
上記無機フィラーは、無処理のままであってもよいが、樹脂成分との親和性を高めるため、又は樹脂に対する劣化を押さえるために、無機表面処理剤、高級脂肪酸又はそのエステル塩等の誘導体、シランカップリング剤等による表面処理を行ってもよい。
(A)芳香族ポリカーボネート(A成分) 10〜90重量部
(B)熱可塑性ポリエステル(B成分) 10〜90重量部
の合計100重量部に対して、
(C)導電性カーボンブラック(C成分) 0.1〜20重量部
である。
C成分の含有比率は、A成分とB成分の合計100重量部に対し、0.1〜20重量部、好ましくは0.5〜15重量部、より好ましくは1〜10重量部である。C成分が0.1重量部未満では、樹脂組成物の導電性が不足し、C成分が20重量部を超えると、樹脂組成物の流動性や耐衝撃性、外観が悪化する。
また、本発明において、上述のリン系化合物(E成分)を使用する場合のE成分の含有量は、特に限定されないが、A成分とB成分の合計100重量部に対して、好ましくは0.001〜1重量部で、より好ましくは0.01〜0.5重量部である。
このうち、導電性の点からは、C成分以外の成分を予め混合して、溶融混練機の上流部分に一括投入して溶融混練し、続けて溶融混練機の中流以降の部分でC成分を投入(サイドフィード)して溶融混練させて、樹脂組成物を得る方法がより好ましい。
また、F成分が溶融混練により破壊しやすい無機フィラーであるときは、C成分およびF成分以外を上流部分に一括投入し、中流以降でC成分及びF成分を、一括もしくは別々に添加する方法が、導電性や機械物性の点から好ましい。
さらに、C成分を予めA成分の少なくとも一部と溶融混練してなる中間組成物に、A成分の残部、B成分、及び必要ならばD成分、E成分、F成分をともに配合し、溶融混練して樹脂組成物を得るのも、導電性の点で好ましい方法である。この場合もF成分が溶融混連により破壊しやすい無機フィラーであるときは、F成分以外を上流部分に一括投入し、中流以降でF成分を添加する方法が機械物性の面で好ましい。
<A成分>
PC−1:ビスフェノールA型芳香族ポリカーボネート、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製品「ユーピロン(登録商標)S−3000FN」、粘度平均分子量22,500。
PC−2:ビスフェノールA型芳香族ポリカーボネート、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製品「ユーピロン(登録商標)H−4000FN」、粘度平均分子量15,500。
PET−1:ポリエチレンテレフタレート樹脂、三菱化学(株)製品「ノバペックス(登録商標)GG500」、温度30℃のフェノールとテトラクロロエタンとの1対1(重量比)混合液に1重量%の濃度に溶解して測定した固有粘度が0.76dl/g、末端カルボキシル基量15eq/t。
PET−2:ポリエチレンテレフタレート樹脂、三菱レイヨン(株)製品「ダイヤナイトPA200D25」、温度30℃のフェノールとテトラクロロエタンとの1対1(重量比)混合液に1重量%の濃度に溶解して測定した固有粘度が1.09dl/g、末端カルボキシル基量14eq/t。
PBT−1:ポリブチレンテレフタレート樹脂、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製品「ノバデュラン(登録商標)5010」、温度30℃のフェノールとテトラクロロエタンとの1対1(重量比)混合液に1重量%の濃度に溶解して測定した固有粘度が1.09dl/g、末端カルボキシル基量53eq/t。
実施例用導電性カーボンブラック:
CB1:導電性カーボンブラック、東海カーボン(株)製品「トーカブラック#5500」、窒素吸着比表面積253m2/g、DBP吸収量160cm3/100g。
CB2:導電性カーボンブラック、キャボット・スペシャルティ・ケミカル・インク製品「VULCAN XC72」、窒素吸着比表面積256m2/g、DBP吸収量166cm3/100g。
PC/CB2:(マスターバッチ(MB))
二軸押出機(日本製鋼所製、TEX44、L/D=42、バレル数12)を用いて、シリンダー温度280℃、スクリュー回転数300rpmの条件にて、バレル1より上記PC−1/85重量部を押出機にフィードして溶融混練し、さらにバレル7より上記CB2/15重量部を押出機にフィードして溶融混練してマスターバッチを作成した(以下、PC/CB2と略す)。
比較例用導電性カーボンブラック:
CB3:導電性カーボンブラック、ライオン(株)製品「ケッチェンブラックEC」、窒素吸着法比表面積800m2/g、DBP吸収量360cm3/100g。
CB4:導電性カーボンブラック、三菱化学(株)製品「三菱カーボンブラックMA100」、窒素吸着法比表面積110m2/g、DBP吸収量100cm3/100g。
CB5:導電性カーボンブラック、三菱化学(株)製品「三菱カーボンブラック#950」、窒素吸着法比表面積260m2/g、DBP吸収量79cm3/100g。
CB6:導電性カーボンブラック、三菱化学(株)製品「ダイヤブラックSA」、窒素吸着法比表面積137m2/g、DBP吸収量165cm3/100g。
CB7:導電性カーボンブラック、電気化学工業(株)製品「デンカブラック」、窒素吸着法比表面積72m2/g、DBP吸収量164cm3/100g。
ゴム性重合体:ポリブタジエン(コア)/アクリル酸アルキル・メタクリル酸アルキル共重合物(シェル)からなるコア/シェル型グラフト共重合体、ローム・アンド・ハース・ジャパン(株)製品「パラロイドEXL2603」
<E成分>
リン系化合物:化学式:O=P(OH)n(OC18H37)3−n (n=1及び2の混合物)、旭電化工業(株)製品「アデカスタブAX−71」
<F成分>
タルク:圧縮タルク、一次(圧縮前)平均粒子径2.7μm、林化成(株)製品「UPN HST0.5」
(1)実施例1、2、4〜10及び比較例1〜5
A成分、B成分、またD成分、E成分、F成分を添加する場合はD成分、E成分及びF成分を表1及び表2に示す割合にてタンブラーミキサーで均一に混合した後、二軸押出機(日本製鋼所製、TEX30XCT、L/D=42、バレル数12)を用いて、シリンダー温度260℃、スクリュー回転数200rpmにてバレル1より押出機にフィードして溶融混練し、さらにバレル7よりC成分を表1及び表2に示す割合にて押出機に途中フィード(表中、「途中F」と表示)して溶融混練し、樹脂組成物のペレットを作製した。
(2)実施例3
A成分、B成分、C成分を表1に示す割合にてタンブラーミキサーで均一に混合した後、二軸押出機(日本製鋼所製、TEX30XCT、L/D=42、バレル数12)を用いて、シリンダー温度260℃、スクリュー回転数200rpmにてバレル1より押出機にフィードして溶融混練し、樹脂組成物のペレットを作成した。
上記の方法で得られたペレットを、120℃で4時間以上乾燥した後、射出成形機(東芝IS150)を用い、シリンダー温度280℃、金型温度80℃の条件で射出成形して、ASTM試験片、100mmφ円盤状成形品(厚さ3mm)及び平板状成形品(幅150mm×長さ150mm×厚さ3mm)を作成した。
(1)流動性(Q値)
高荷式フローテスターを用いて、280℃、荷重160kgf/cm2の条件下で組成物の単位時間あたりの流出量Q値(単位:cc/s)を測定し、流動性を評価した。なお、オリフィスは直径1mm×長さ10mmのものを使用した。Q値が高いほど、流動性に優れている。
(2)耐衝撃性
a.面衝撃強度
100mmφ円盤状成形品について、ハイレート衝撃試験機(島津製作所製)を用いて、ポンチ径1/2インチ、サポート径3インチ、打ち抜き速度1m/sにて打ち抜き衝撃試験を行った。面衝撃強度(破壊エネルギー、単位:J)が大きい程、耐衝撃性に優れている。
b.Izod衝撃強度
ASTM D256に準拠して、厚み3.2mmのノッチ付き試験片を用いて、23℃においてIzod衝撃強度(単位:J/m)を測定した。
ASTM D696に準拠して線膨張係数(単位:K-1)を測定した。ただし、測定温度範囲は23〜80℃とした。
(4)導電性(体積抵抗率)
平板状成形品(幅150mm×長さ150mm×厚さ3mm)について、図1に示す成形品のゲート付近(1)、中央部(2)、末端部(3)の各部分で長さ50mm×幅10mmに試験片を切断した。切断により生じた長手方向の両端面に銀ペーストを全面塗布し、室温で乾燥した後に、テスターで該両端面間の抵抗値(RL:単位Ω)を測定し、体積抵抗率R(単位:Ωcm)を、次式より算出した。
R=RL×AL/L
(式中、ALは、試験片の断面積(単位:cm2)を、Lは、試験片の長さ(単位:cm)を意味する。)
表1及び表2に用いた組成比と配合方法で樹脂組成物を製造し、上述の評価を行って、結果を表1及び表2に示した。なお、該樹脂組成物の配合量は、実施例、比較例ともに、成形品中央部の導電性が同等になるように、各カーボンブラックを配合した。
(1) 実施例1〜10の組成物は、流動性、面衝撃強度、導電性のバランスに優れ、かつ成形品の部位による導電性のばらつきが少なく、導電安定性にも優れている。
(2) 比較例1〜5の組成物は、C成分の代わりに、本特許規定範囲からはずれる導電性カーボンブラックを用いたため、実施例の組成物と比較して、流動性、面衝撃強度に劣る、つまり流動性、面衝撃強度、導電性のバランスに劣り、また成形品の部位別での導電性のばらつきが大きく、導電安定性に劣る。
Claims (11)
- (A)芳香族ポリカーボネート樹脂(A成分) 10〜90重量部、及び
(B)熱可塑性ポリエステル樹脂(B成分) 10〜90重量部
の合計100重量部に対して、
(C)窒素吸着比表面積が140〜450m2/g、且つ、DBP(ジブチルフタレート)吸収量が100〜300cm3/100gの範囲にある導電性カーボンブラック(C成分)を0.1〜20重量部含有してなる導電性熱可塑性樹脂組成物。 - 導電性カーボンブラック(C成分)が、オイルファーネスカーボンブラックであることを特徴とする、請求項1に記載の導電性熱可塑性樹脂組成物。
- 導電性カーボンブラック(C成分)が、窒素吸着比表面積が200〜350m2/g、且つ、DBP(ジブチルフタレート)吸収量が150〜250cm3/100gの範囲にあることを特徴とする、請求項1または2に記載の導電性熱可塑性樹脂組成物。
- 芳香族ポリカーボネート樹脂(A成分)と熱可塑性ポリエステル樹脂(B成分)の合計100重量部に対して、A成分が50〜80重量部、B成分が20〜50量部であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の導電性熱可塑性樹脂組成物。
- 芳香族ポリカーボネート樹脂(A成分)と熱可塑性ポリエステル樹脂(B成分)の合計100重量部に対して、導電性カーボンブラック(C成分)を0.5〜10重量部含有してなる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の導電性熱可塑性樹脂組成物。
- 熱可塑性ポリエステル樹脂(B成分)が、ポリエチレンテレフタレート樹脂であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の導電性熱可塑性樹脂組成物。
- (D)ゴム性重合体(D成分)を、芳香族ポリカーボネート樹脂(A成分)と熱可塑性ポリエステル樹脂(B成分)の合計100重量部に対して0.5〜30重量部含有してなる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の導電性熱可塑性樹脂組成物。
- (E)下記一般式(I)で表されるリン酸エステル、及び下記一般式(II)で表される亜リン酸エステルからなる群より選ばれた少なくとも一種であるリン系化合物(E成分)を、芳香族ポリカーボネート樹脂(A成分)と熱可塑性ポリエステル樹脂(B成分)の合計100重量部に対して0.001〜1重量部含有してなる、請求項1〜7のいずれか一項に記載の導電性熱可塑性樹脂組成物。
O=P(OH)n(OR)3−n (nは1及び/または2の整数) ・・・(I)
(式中、Rはアルキル基またはアリール基であり、それぞれ同一であっても異なっていても良い。)
- (F)無機フィラー(F成分)を、芳香族ポリカーボネート樹脂(A成分)と熱可塑性ポリエステル樹脂(B成分)の合計100重量部に対して0.5〜50重量部含有してなる、請求項1〜8のいずれか一項に記載の導電性熱可塑性樹脂組成物。
- 予めA成分及びB成分、さらに必要に応じてD成分、E成分、F成分を溶融混練させ、その溶融混練物にC成分を配合し溶融混練させて得られたものであることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の導電性熱可塑性樹脂組成物。
- A成分の一部又は全量とC成分を予め溶融混練した中間組成物Yを製造し、残りのA成分及びB成分、さらに必要に応じてD成分、E成分、F成分に中間組成物Yを配合し溶融混練させて得られたものであることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の導電性熱可塑性樹脂組成物。
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