JPH069888A - 精密成形用組成物 - Google Patents

精密成形用組成物

Info

Publication number
JPH069888A
JPH069888A JP18894192A JP18894192A JPH069888A JP H069888 A JPH069888 A JP H069888A JP 18894192 A JP18894192 A JP 18894192A JP 18894192 A JP18894192 A JP 18894192A JP H069888 A JPH069888 A JP H069888A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thermoplastic
fiber
weight
pts
parts
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP18894192A
Other languages
English (en)
Inventor
Michiya Okamura
道也 岡村
Tomohiro Kaniwa
知弘 加庭
Tetsuo Konno
哲郎 今野
Takeshi Hatakeyama
武 畠山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Petrochemical Co Ltd filed Critical Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
Priority to JP18894192A priority Critical patent/JPH069888A/ja
Publication of JPH069888A publication Critical patent/JPH069888A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 精密電子部品のハウジング部材に使用可能な
熱可塑性エンジニアリングプラスチック組成物を得る。 【構成】 熱可塑性ポリアルキレンテレフタレートと熱
可塑性ポリカーボネートに導電性カーボンブラックを配
合したマスターバッチを熱可塑性エンジニアリングプラ
スチックと各種強化繊維を配合し、溶融混練してハウジ
ング部材用組成物とする。 【効果】 ハウジング部材の成形において、強化繊維
は、カーボンブラックを包含する網目状ポリマードメイ
ンにより配向が乱され、成形収縮率の異方性が小さくな
り寸法精度の良好なハウジング部材を成形することがで
きる。またこの場合得られたハウジング部材は、機械的
特性が良好となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は精密成形用組成物に関
し、特に情報、映像機器等の精密電子部品分野のハウジ
ング部材等に要求される寸法精度、機械的特性、精密成
形性、外観等の性能を満たす組成物に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ファクシミリ、プリンター、ビデオカメ
ラ等の情報、映像機器においては、軽量化、省エネルギ
ー化、低価格化の目的から、従来板金類が用いられてい
た部材の一部をエンジニアリングプラスチックにて代替
することが試みられている。例えば高度の寸法精度が必
要なところには、非晶性樹脂であるポリカーボネート樹
脂、ポリフェニレンエーテル樹脂にガラス繊維を配合し
た繊維強化樹脂材料が提案されている。
【0003】このような繊維強化樹脂材料の場合、金属
部品と同等の高寸法精度を得ようとすると、相当量のガ
ラス繊維を配合しなくてはならない。しかしながら、実
際には、このようなガラス繊維の配合量の増加は、ガラ
ス繊維の分散を悪化させ、ひいては強化樹脂の寸法精度
をも悪化させてしまう。
【0004】また、成形性を改良するために、各種の低
分子化合物、 ABS、ポリブチレンテレフタレート等を配
合する試みが行われているが、機械的強度(例えば、ネ
ジ締め付け時のセルフタップ強度、衝撃強度)等が低下
し、市場で満足する要求性能には不十分である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的はこのよ
うな事情のもとで、従来では金属部品しか使用できなか
った部品を、熱可塑性エンジニアリング複合材料の成形
で代替するために、アルミ合金並みの寸法精度で、優れ
た機械的強度を有し、且つ成形加工性が容易なハウジン
グ部材用組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、カーボンブ
ラックを含有した溶融混練物を予め作り、これを熱可塑
性エンジニアリングプラスチックと強化繊維に配合して
溶融成形することにより、前記目的が達成されることを
見い出して、本発明を完成するに至った
【0007】すなわち、本発明は、熱可塑性ポリアルキ
レンテレフタレート10〜50重量部、熱可塑性芳香族ポリ
カーボネート15〜80重量部及び導電性カーボンブラック
10〜35重量部を溶融混練し、この混練物の 2〜80重量部
及び下記の(a)〜(c)の各成分から選ばれた少なく
とも 1種の繊維10〜280 重量部を熱可塑性エンジニアリ
ングプラスチック100 重量部に配合して溶融混練してな
ることを特徴とする精密成形用組成物である。(a)平
均直径が 3〜15μm で、平均長が0.05〜13mmのガラス繊
維(b)平均直径が 3〜20μm で、平均長が0.03〜15mm
の炭素繊維(c)平均直径が 0.1〜1 μm で、平均長が
5〜120 μm のチタン酸カリウム繊維。
【0008】(熱可塑性エンジニアリングプラスチッ
ク)本発明で用いる熱可塑性エンジニアリングプラスチ
ックは、一般に射出成形加工に共せられているものであ
れば特に制限はなく、例えばポリアミド、ポリエステ
ル、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリエーテル
スルフォン、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレン
スルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、AS樹脂、AB
S 樹脂、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリフ
ェニレンエーテル等を挙げることができる。
【0009】これらの中で特に好ましいものとしては、
ポリカーボネート、ポリエステル、ポリフェニレンスル
フィド、ポリフェニレンエーテルが挙げられる。
【0010】(熱可塑性ポリアルキレンテレフタレー
ト)本発明で用いる熱可塑性ポリアルキレンテレフタレ
ートのアルキレン成分を構成するグリコール成分として
は、エチレングリコール、トリエチレングリコール、1,
4-ブタンジオール、ヘキサメチレングリコール、ネオペ
ンチルグリコール、2,2,4,4-テトラメチレングリコール
などの脂肪族ジオキシ化合物を挙げることができる。中
でも好ましいジオキシ化合物は、エチレングリコール及
びブチレングリコールであるが、その40モル%まで他の
ジオキシ化合物を用いた混合物も好ましい。
【0011】熱可塑性ポリアルキレンテレフタレートの
テレフタル酸成分としてはテレフタル酸のみからなるも
のが最も好ましいが、一部を芳香族ジカルボン酸、例え
ばイソフタル酸で置き換えてもよい。
【0012】上記のポリアルキレンテレフタレートで好
ましいのは、ポリエチレンテレフタレート(PET)及びポ
リブチレンテレフタレート(PBT)であり、特に好ましい
のはPBT であるが、これらのポリアルキレンテレフタレ
ートは、適当なものを市販品の中から選択して入手する
ことができる。
【0013】(熱可塑性芳香族ポリカーボネート)本発
明で用いる熱可塑性芳香族ポリカーボネートは、炭酸エ
ステルを構成するジヒドロキシ化合物の少なくとも大部
分が二個のフェノール性水酸基を有するものからなるも
のである。このような二価フェノールとしては、具体的
にはビスフェノール類を挙げることができ、中でもビス
フェノール Aが好ましい。
【0014】芳香族ポリカーボネートは上記のような二
価フェノールを、カーボネートプリカーサーであるホス
ゲン、ビスクロロホーメート、炭酸ジエステル等と反応
させることにより製造されるが、適当なものを市販品の
中から選択して入手することができる。
【0015】(導電性カーボンブラック)本発明で用い
る導電性カーボンブラックとしては、高導電性のアセチ
レンブラックやオイルファーネスブラックのほかに、低
導電性であっても量を多く用いるとで満足な導電性を示
すサーマルブラックやチャンネルブラックも含まれる。
【0016】このカーボンブラックは、少量の添加量で
組成物に必要な導電性を付与できるものが望ましいこと
から、アセチレンブラック及びオイルファーネスブラッ
ク、特に不純物が少なく、また導電性が優れているオイ
ルファーネスブラックが好ましいが、その中で、特に X
CF(Extra Conductive Black)、 SCF(Super Conductive
Furnace Black)、CF(Conductive Furnace Black)及び S
AF(Super Abrasion Furnace Black)が好適に使用でき
る。中でもN2吸着による BET式比表面積が 850m2/g以
上、特に900m2/g 以上のものが好ましい。XCF としては
ケッチェンブラックインターナショナル社の「ケッチェ
ンブラックEC」(商標名)、キャボット社の「バルカン
XC-72」(商標名)等があり、SCF としてはキャボット
社の「バルカンSC」(商標名)、「バルカン P」(商標
名)やデグッサ社「コーラックス L」(商標名)等があ
り、CFとしてはキャボット社の「バルカン C」(商標
名)、コロンビア社の「コンダクテックスSC」(商標
名)等があり、また、SAF としては旭カーボン社の「旭
#9」(商標名)、三菱化成社の「ダイヤブラック A」
(商標名)、キャボット社の「バルカン 9」(商標名)
等がある。これらは併用してもよい。
【0017】(ガラス繊維)本発明で用いる繊維成分の
一つであるガラス繊維は、平均直径が 3〜15μm 、好ま
しくは 5〜12μm 、平均長は0.05〜10mm、好ましくは
0.1〜6mm のものである。平均直径がこの範囲をはずれ
たものは、樹脂組成物の十分な機械的強度が得られず、
また、平均長がこの範囲をはずれたものは、十分な寸法
精度が得られない。
【0018】このようなガラス繊維を用いることによ
り、例えば、射出成形に供した後の成形体中において、
配合されたガラス繊維は多少短くなり、平均長が0.05〜
10mmのガラス繊維で分散しており、発明の効果が最もよ
く奏されるものとなる。
【0019】ガラス繊維は、熱可塑性エンジニアリング
プラスチックとの接着性、親和性を目的とした、表面処
理成分を含んでいてもよく、その付着量は0.01〜0.6 重
量%程度のものが一般的である。
【0020】このガラス繊維は、市販品の中から適宜選
ぶことができるが、製造する場合は、例えば、ブッシン
グ(採糸炉)にてマーブル(所定寸法のガラス玉)を加
熱軟化し、該炉テーブルの多数のノズルから流下させ、
この素地を高速度で延伸しながら、集束剤塗布装置で浸
漬して集束剤を付着させて集束し、乾燥して回転ドラム
で巻き取る方法で製造される。このときのノズル径の寸
法と延伸条件を選択してガラス繊維の平均直径を決め
る。
【0021】また、該ガラス繊維の形態はロービング、
チョップドストランド、ストランド等何れでもよく、ま
た、いわゆるミルドファイバー、ガラスバウダーと称せ
られるストランドの粉砕品でもよいが、樹脂との混合作
業性上チョップドストランドが好ましい。原料ガラスの
組成は、無アルカリのものが好ましく、例の一つに Eガ
ラスがある。
【0022】(炭素繊維)本発明で用いる繊維成分の一
つである炭素繊維は、一般のチョップド炭素繊維が使用
されるが、本発明の組成物のような高度な機械的特性、
寸法特性が要求される場合には、PAN (ポリアクリロニ
トリル)法で製造されたものが好ましい。
【0023】この炭素繊維の平均直径は 3〜20μm 、好
ましくは 3〜10μm で、その平均長は0.03〜60mm、好ま
しくは 0.5〜30mmである。この範囲外のものでは樹脂組
成物の機械的強度、寸法精度が低下し、好ましくない。
【0024】炭素繊維の炭素組成は95%以上であるもの
が好ましい。このような炭素繊維を使用することによ
り、例えば射出成形に供した後の成形体中において、平
均長が多少短くなり、0.03〜15mm、好ましくは0.03〜5m
m の炭素繊維で分散しており、機械的特性、寸法特性の
性能のバランスが良好なものとなる。
【0025】こ炭素繊維は、熱可塑性エンジニアリング
プラスチックとの接着性、親和性を目的とした、表面処
理成分を含んでいてもよく、その付着量は 2〜8 重量%
程度のものが一般的である。
【0026】(チタン酸カリウム)本発明で用いる繊維
成分の一つであるチタン酸カリウムは、平均繊維長が 5
〜120 μm 、好ましくは10〜70μm で、その平均径は
0.1〜1.0 μm 、好ましくは0.3〜0.7 μm の微細な白色
針状の単結晶繊維である。この範囲以外のものでは、樹
脂組成物の機械的強度、寸法精度が満足に得られない。
【0027】このチタン酸カリウム繊維は、接着性を高
めるため公知の表面処理を行うことができる。具体的に
はアミノシラン系、エポキシシラン系、チタネート系の
表面処理剤であり、特にアミノシラン系表面処理剤が良
好である。
【0028】(配合量)本発明において、上記各必須成
分の配合割合は次の通りである。
【0029】熱可塑性エンジニアリングプラスチック 1
00重量部に対し、熱可塑性ポリアルキレンテレフタレー
ト10〜50重量部、好ましくは15〜45重量部、熱可塑性芳
香族ポリカーボネート15〜80重量部、好ましくは25〜70
重量部、導電性カーボンブラック10〜35重量部、好まし
くは15〜30重量部、炭素繊維、ガラス繊維及び又はチタ
ン酸カリウム繊維10〜280 重量部、好ましくは11〜200
重量部である。
【0030】上記各成分の配合量がこの範囲を外れた場
合は次のような問題があり、それぞれ精密電子部品用ハ
ウジング部材に適応できなくなる。
【0031】すなわち熱可塑性ポリアルキレンテレフタ
レートの配合量が低過ぎると、成形加工性が低下し、高
過ぎると、衝撃強度が低下する。熱可塑性芳香族ポリカ
ーボネートの配合量が低過ぎると、衝撃強度が低下し、
高過ぎると、成形加工性が低下する。
【0032】導電性カーボンブラックの配合量が低過ぎ
ると、系の粘度が低下し強化繊維の配向が強くなり、寸
法精度の異方性が大きくなる。また高過ぎると、樹脂組
成物が脆くなる。
【0033】強化フィラーのガラス繊維、炭素繊維、チ
タン酸カリウムの配合は、配合量が低過ぎると、寸法精
度及び機械的強度の向上効果が期待されず、高過ぎると
成形性加が悪くなり、強化フィラーの分散不良が生じ衝
撃強度が低下し、外観が悪化する。
【0034】(付加成分)本発明においては発明の効果
を著しく損なわない範囲でこれら必須成分のほかに付加
成分を配合することができる。
【0035】付加的成分としては、上記成分以外の各種
フィラー、例えば、炭酸カルシウム(重質、軽質、膠
質)、タルク、マイカ、シリカ、アルミナ、水酸化アル
ミニウム、水酸化マグネシウム、硫化バリウム、酸化亜
鉛、ゼオライト、ウォラストナイト、けいそう土、ガラ
スビーズ、ベントナイト、モンモリロナイト、アスベス
ト、中空ガラス球、黒鉛、二硫化モリブデン、酸化チタ
ン、アルミニウム繊維、スチレンスチール繊維、黄銅繊
維、アルミニウム粉末、木粉、モミ殻等のほか、上記必
須成分以外の熱可塑性樹脂、例えばポリプロピレン、ポ
リエチレン(高密度、中密度、低密度、直鎖状低密
度)、プロピレン・エチレン- ブロック又はランダム共
重合体、無水マレイン酸、変性ポリオレフィン;ゴム又
はラテックス成分、例えばエチレン・プロピレン共重合
体、スチレン・ブタジエンゴム、スチレン・ブタジエン
・スチレン- ブロック共重合体又はその水素添加誘導
体、ポリブタジエン、ポリイソブチレン;熱硬化性樹
脂、例えばポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹
脂、不飽和ポリエステル樹脂;その他の添加剤、例えば
酸化防止剤(フェノール系、いおう系等)、滑剤、有
機、無機系の各種顔料、紫外線吸収剤、帯電防止剤、分
散剤、中和剤、発泡剤、可塑剤、銅害防止剤、難燃剤、
架橋剤、流れ改良剤等を挙げることができる。
【0036】これらの付加的成分の添加は物性バランス
や成形品表面特性(耐表面受傷性、光沢、ウエルド外
観、シルバーストリーク、フローマーク等)、印刷性、
塗装性、接着性、メッキ性、成形加工性、耐久性等の向
上に有効である。
【0037】(組成物の製造)本発明の組成物の製造に
際しては、先ず、あらかじめ熱可塑性ポリアルキレンテ
レフタレートと熱可塑性芳香族ポリカーボイネートに導
電性カーボブラックを配合し、溶融混練することが重要
である。
【0038】これらの成分をあらかじめ溶融混練せず
に、同時に熱可塑性エンジニアリングプラスチックス及
び強化繊維と配合して溶融混練した場合には、導電性カ
ーボンブラックがポリマー中に包含された網目状ポリマ
ードメインが形成されず、成形収縮率の異方性が大きく
なり、寸法精度が劣り、精密電子部品への実用化が困難
となる。
【0039】混練は、熱可塑性ポリアルキレンテレフタ
レート、熱可塑性芳香族ポリカーボネート、導電性カー
ボンブラックからなる組成物を一軸押出機、二軸押出
機、バンバリーミキサー、ロール、ブラベンダー・ブラ
ストグラフ、ニーダー等の通常の混練機を用いて行なう
ことができる。
【0040】次いで得られた混練物を、所望により各種
強化繊維を併用して熱可塑性エンジニアリングプラスチ
ックスに所定量を混ぜて再度上記に述べた混練機を用い
て混練してペレット状にする。
【0041】本発明の組成物は通常ペレットの形で、目
的とするハウジング部材への成形加工に用いられる。
【0042】
【実施例】以下、実施例により、本発明を説明する。
【0043】(カーボンマスターバッチ B-1)メルトフ
ロレート(MFR)が 4.8g/10分の熱可塑性芳香族ポリカー
ボネート50重量部、 MFRが 4.2g/10分のポリブチレンテ
レフタレート30重量部及び BET比表面積が70m2/gのアセ
チレンブラック(商品名デンカブラック)20重量部を、
ベント付二軸押出機で混練してペレット化した。以下こ
れをカーボンマスターバッチ B-1とする。
【0044】(カーボンマスターバッチ B-2)メルトフ
ロレート(MFR)が 4.8g/10分の熱可塑性芳香族ポリカー
ボネート60重量部、 MFRが 4.2g/10分のポリブチレンテ
レフタレート30重量部及び BET比表面積が860m2/g のオ
イルファーネスブラック(商品名ケッチェンブラックE
C)10重量部をベント付き二軸押出機で混練してペレッ
ト化した。以下これをカーボンマスターバッチ B-2とす
る。
【0045】実施例1〜5上記のカーボンマスターバッ
チと平均直径 3mmの PAN法炭素繊維、平均直径10μm で
平均長 3.0mmのガラス繊維、平均直径 0.8μm で平均長
60μm のチタン酸カリウムの各々に熱可塑性エンジニア
リングプラスチックスとしてポリカーボネートを表1に
示す割合で配合し、ベント付二軸押出機で溶融混練して
ペレット化した。
【0046】得られたペレットをスクリューインライン
式射出成形機を用いて試験片を成形し、各種の物性を評
価した。評価結果は表1に示す。
【0047】比較例1〜4表1に示す組成を混合し、ベ
ント付二軸押出機で溶融混練してペレット化し、実施例
と同様に評価した。評価結果は表1に示す。
【0048】なお、マスターバッチを用いない同時混練
の場合の熱可塑性ポリアルキレンテレフタレート及び熱
可塑性芳香族ポリカーボネートは、それぞれマスターバ
ッチに用いたものと同じである。
【0049】評価に用いた試験方法及び精密電子部品の
ハウジング部材に要求されている実用性能を以下に示
す。
【0050】(1)曲げ強度:ASTM D790 、実用性能:
1400kg以上。(2)アイゾット衝撃強度:ASTM D256 、
実用性能:6kg・cm/cm 以上。(3)寸法精度:線膨張係
数の横/縦比(異方性)をもって寸法精度の尺度とし
た。測定法:ASTM D696 、昇温速度: 2℃/分、温度範
囲: 23〜100 ℃、測定機:真空理工(株)製、実用性
能:異方性1.4 以下。
【0051】
【表1】
【0052】
【発明の効果】一般に熱可塑性エンジニアリングプラス
チックスにアスペクト比が50以上の通常の強化繊維を配
合し溶融混練しペレット化した後、目的とするハウジン
グ部材を成形した場合、強化繊維の配向が強いために、
寸法精度の異方性が大きくなるため、精密電子部品には
実用化できにくいものとなる。
【0053】本発明の効果の一つは、ハウジング部材の
成形において、強化繊維は、カーボンブラックを包含す
る網目状ポリマードメインにより配向が乱される効果を
生じ、成形収縮の異方性が小さくなる現象を認めた。こ
の網目状ポリマードメインの形成は、あらかじめ熱可塑
性ポリアルキレンテレフタレートと熱可塑性芳香族ポリ
カーボイネートに導電性カーボブラックを配合し、溶融
混練することにより得られる。
【0054】一方、これらの成分をあらかじめ溶融混練
せずに、同時に熱可塑性エンジニアリングプラスチック
スと配合して溶融混練した場合には、導電性カーボンブ
ラックがポリマー中に包含されないため、網目状ポリマ
ドメインが形成されず、成形収縮率の異方性が大きくな
り、精密電子部品への実用化が困難となる。
【0055】また、導電性カーボンブラックの表面は、
極めて化学活性に富み、カルボキシル基、水酸基、カル
ボニル基等の官能基が存在し、容易にフリーラジカルが
固定されていることが知られている。一般的に導電性カ
ーボンブラックを配合した熱可塑性樹脂のアイゾット衝
撃強度値が低いのは、導電性カーボンブラックの官能基
とフリーラジカルによりポリマーが分子切断されるため
と考えられる。従って、導電性カーボンブラックの官能
基とフリーラジカルを取り除くためには、導電性カーボ
ンブラックが選択的に包含されるポリマーによって導電
性カーボンブラックを埋め込んでしまうことが望まし
い。
【0056】本発明のもう一つの効果としては、熱可塑
性ポリアルキレンテレフタレートは導電性カーボンブラ
ックの官能基との相溶化の傾向が強いため、第二ポリマ
ーとして熱可塑性芳香族ポリカーボネートを併用したと
き、導電性カーボンブラックは熱可塑性ポリアルキレン
テレフタレートへ選択分散される。したがって、予め導
電性カーボンブラックを熱可塑性ポアルキレンテレフタ
レートと熱可塑性芳香族ポリカーボネートに配合し溶融
混練した混練物を作り、それと熱可塑性エンジニアリン
グプラスチックスとを再度溶融混練することにより、熱
可塑性エンジニアリングプラスチックスの機械的特性の
低下が少なくなる。
【0057】本発明の組成物は、以上の効果及び本発明
の特定成分の配合割合により、従来金属でしか対応でき
なかった複写機、プリンター等の高度の寸法精度が要求
されるハウジング部材への成形利用が可能となった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 67/02 LPE 8933−4J 69/00 LPR 9363−4J (72)発明者 畠山 武 三重県四日市市東邦町1番地 三菱油化株 式会社四日市事業所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性ポリアルキレンテレフタレート
    10〜50重量部、熱可塑性芳香族ポリカーボネート15〜80
    重量部及び導電性カーボンブラック10〜35重量部を溶融
    混練し、この混練物の 2〜80重量部及び下記の(a)〜
    (c)の各成分から選ばれた少なくとも 1種の繊維10〜
    280 重量部を熱可塑性エンジニアリングプラスチック10
    0 重量部に配合して溶融混練してなることを特徴とする
    精密成形用組成物。(a)平均直径が 3〜15μm で、平
    均長が0.05〜13mmのガラス繊維(b)平均直径が 3〜20
    μm で、平均長が0.03〜15mmの炭素繊維(c)平均直径
    が 0.1〜1 μm で、平均長が 5〜120 μm のチタン酸カ
    リウム繊維。
JP18894192A 1992-06-24 1992-06-24 精密成形用組成物 Pending JPH069888A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18894192A JPH069888A (ja) 1992-06-24 1992-06-24 精密成形用組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18894192A JPH069888A (ja) 1992-06-24 1992-06-24 精密成形用組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH069888A true JPH069888A (ja) 1994-01-18

Family

ID=16232590

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP18894192A Pending JPH069888A (ja) 1992-06-24 1992-06-24 精密成形用組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH069888A (ja)

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07310434A (ja) * 1994-05-18 1995-11-28 Polyplastics Co 補強材配設用部材およびそれを用いた施工法
US5662368A (en) * 1995-06-22 1997-09-02 Aisin Seiki Kabushiki Kaisha Automobile seat
WO1998021281A1 (fr) * 1996-11-14 1998-05-22 Kawasaki Steel Corporation Moulage en resine thermoplastique electroconductrice armee de fibre de verre longue et procede d'elaboration
JP2001026708A (ja) * 1999-07-16 2001-01-30 Teijin Chem Ltd 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物
JP2005120322A (ja) * 2003-10-20 2005-05-12 Mitsubishi Engineering Plastics Corp 導電性熱可塑性樹脂組成物
JP2005120323A (ja) * 2003-10-20 2005-05-12 Mitsubishi Engineering Plastics Corp 導電性熱可塑性樹脂組成物
JP2006206780A (ja) * 2005-01-28 2006-08-10 Mitsubishi Chemicals Corp 導電性熱可塑性樹脂組成物
KR100706653B1 (ko) * 2006-12-27 2007-04-13 제일모직주식회사 열전도성 수지 조성물 및 플라스틱 성형품
KR100871436B1 (ko) * 2007-08-01 2008-12-03 제일모직주식회사 폴리카보네이트/폴리에스테르계 수지 조성물의 제조방법 및이에 따른 수지 조성물
JP2009161671A (ja) * 2008-01-08 2009-07-23 Teijin Chem Ltd 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物
JP2014214181A (ja) * 2013-04-23 2014-11-17 帝人株式会社 導電性ポリカーボネート樹脂組成物

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07310434A (ja) * 1994-05-18 1995-11-28 Polyplastics Co 補強材配設用部材およびそれを用いた施工法
US5662368A (en) * 1995-06-22 1997-09-02 Aisin Seiki Kabushiki Kaisha Automobile seat
WO1998021281A1 (fr) * 1996-11-14 1998-05-22 Kawasaki Steel Corporation Moulage en resine thermoplastique electroconductrice armee de fibre de verre longue et procede d'elaboration
JP2001026708A (ja) * 1999-07-16 2001-01-30 Teijin Chem Ltd 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物
JP2005120322A (ja) * 2003-10-20 2005-05-12 Mitsubishi Engineering Plastics Corp 導電性熱可塑性樹脂組成物
JP2005120323A (ja) * 2003-10-20 2005-05-12 Mitsubishi Engineering Plastics Corp 導電性熱可塑性樹脂組成物
JP2006206780A (ja) * 2005-01-28 2006-08-10 Mitsubishi Chemicals Corp 導電性熱可塑性樹脂組成物
KR100706653B1 (ko) * 2006-12-27 2007-04-13 제일모직주식회사 열전도성 수지 조성물 및 플라스틱 성형품
KR100871436B1 (ko) * 2007-08-01 2008-12-03 제일모직주식회사 폴리카보네이트/폴리에스테르계 수지 조성물의 제조방법 및이에 따른 수지 조성물
WO2009017287A1 (en) * 2007-08-01 2009-02-05 Cheil Industries Inc. Method of manufacturing polycarbonate/ polyester resin composition and composition manufactured therefrom
JP2009161671A (ja) * 2008-01-08 2009-07-23 Teijin Chem Ltd 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物
JP2014214181A (ja) * 2013-04-23 2014-11-17 帝人株式会社 導電性ポリカーボネート樹脂組成物

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2883128B2 (ja) 導電性熱可塑性樹脂組成物
US5373046A (en) Process for producing a resin compound
EP0112197A1 (en) Synergistic effect of metal flake and metal or metal coated fiber on EMI shielding effectiveness of thermoplastics
WO2002028971A1 (en) Polyphenyleneoxide-based composite resin composition for ic tray
JPH069888A (ja) 精密成形用組成物
JPH0662837B2 (ja) 難燃性ポリブチレンテレフタレート組成物
WO2022110663A1 (zh) 一种低烟密度含卤阻燃增强pbt/pet复合物及其制备方法和应用
WO2022110664A1 (zh) 一种低烟密度无卤阻燃增强pbt/pet复合物及其制备方法和应用
JPH05255520A (ja) 摺動部材の製造方法
JPH0570677A (ja) 導電性樹脂組成物
JP2005120322A (ja) 導電性熱可塑性樹脂組成物
JPH04153257A (ja) 導電性ポリカーボネート樹脂組成物
JPH069819A (ja) 電磁波遮蔽用樹脂組成物
JP3164696B2 (ja) ポリアセタール樹脂組成物
JP2006206780A (ja) 導電性熱可塑性樹脂組成物
WO2020189681A1 (ja) ポリカーボネート樹脂組成物及びその製造方法、マスターバッチペレット、並びに成形体
JP3051156B2 (ja) 半導電性樹脂組成物からなる電子写真装置用ベルト
JPH04306256A (ja) 樹脂組成物
JPH0570688A (ja) 強化ポリアリーレンサルフアイド樹脂組成物及びその成形品
JP3859966B2 (ja) 半導電性樹脂組成物及び成形品
JP2919510B2 (ja) ポリカーボネート組成物
JP3054340B2 (ja) ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物
JPH07113037A (ja) ポリエステル樹脂組成物
JPH08143764A (ja) 低臭気ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物
JP3487997B2 (ja) ポリカーボネート樹脂組成物