JPH07310434A - 補強材配設用部材およびそれを用いた施工法 - Google Patents

補強材配設用部材およびそれを用いた施工法

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JPH07310434A
JPH07310434A JP6129637A JP12963794A JPH07310434A JP H07310434 A JPH07310434 A JP H07310434A JP 6129637 A JP6129637 A JP 6129637A JP 12963794 A JP12963794 A JP 12963794A JP H07310434 A JPH07310434 A JP H07310434A
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JP
Japan
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reinforcing
reinforcing material
main frame
fitting portion
thermoplastic resin
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Application number
JP6129637A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Ikeda
宏 池田
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Polyplastics Co Ltd
Original Assignee
Polyplastics Co Ltd
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Publication date
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  • Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)
  • Reinforcement Elements For Buildings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 鉄筋などの補強材を簡便かつ効率よく配設
し、法面や急傾斜面での施工性を高める。 【構成】 複数の支持フレーム部6に連設した主フレー
ム部2a,2bに、補強材7を嵌入するため、バネ弾性
を有するリング状嵌入部3a,3bを形成することによ
り、補強材配設用部材1を構成する。前記嵌入部は、外
方側又は側方側が幅狭に開口した開口部4a,4bを有
している。前記補強材配設用部材1は、バネ弾性変形可
能な熱可塑性樹脂組成物、例えば、ポリアセタールなど
を含む樹脂組成物で形成できる。このような補強材配設
用部材1を型枠内に配設し、嵌入部に補強材を嵌入して
配設し、前記型枠内にモルタル又はコンクリートを打設
することにより、法面などを施工する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、斜面や傾斜地などにお
いて、鉄筋などの補強材を配設して型枠にセメントモル
タルを打設する上で有用な補強材配設用部材およびそれ
を用いた施工法に関する。
【0002】
【従来の技術】道路や家屋に隣設する斜面や傾斜地など
の法面を安定化、保護、又は緑化するため、種々の法面
工法が採用されている。例えば、土木工事などにおい
て、法面の補修には、フリーフレーム工法、コアフレー
ム工法、ハンチフレーム工法、フレクションフレーム工
法などの種々の工法が採用されている。これらの方法で
は、紙製又はプラスチック製ダンボールや金網で構成さ
れた型枠を配設し、型枠内で配筋用部材により鉄筋を配
筋し、吹き付けによりモルタルまたはコンクリートを打
設している。
【0003】特開昭58−176318号公報には、金
属板を断面コ字状に折曲げた法枠フレームを、開口部を
法面に向けて、アンカーで法面に固定し、前記フレーム
の中空部にモルタルを打設することが提案されている。
また、この文献には、前記法枠フレーム内に補強筋を配
設してもよいことが記載されている。しかし、この方法
では、法枠フレームの開口部が法面に臨んでいるため、
法枠フレームの中空部内に補強筋を簡便かつ効率よく配
設することが困難である。
【0004】図3は従来の配筋用部材を用いた施工法を
説明するための概略正面図である。
【0005】前記配筋用部材21は、鋼棒で形成され、
かつ両端部に折曲げ片23が形成された一対の主フレー
ム22と、この一対の主フレーム22を横断して溶接に
より取付けられた一対の支持フレーム24とで構成され
ている。
【0006】このような配筋用部材21は、型枠27内
に配設し、主フレーム22と支持フレーム24との交差
部に、鉄筋25を配し、この鉄筋25を、それぞれ番線
26の巻き付け操作により手作業で固定している。な
お、主フレーム22の折曲げ片23は、固定具28によ
り型枠27に取外し可能に固定されている。
【0007】しかし、このような配筋用部材を用いる
と、鉄筋と配筋用部材とを、番線により巻回しながら配
設する必要があるので、番線による固定作業が煩雑化す
るだけでなく、配筋効率ひいては施工効率が大きく低下
する。また、鋼棒で形成された配筋用部材は重量が大き
いため、この部材の配設作業性および鉄筋に対する前記
交差部の位置決め作業性も低下する。特に、法面や急傾
斜面を施工する場合には、作業効率が著しく低下する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、軽量で、しかも鉄筋などの補強材を簡単な操作で効
率よく配設できる補強材配設用部材を提供することにあ
る。
【0009】本発明の他の目的は、法面や急傾斜面であ
っても、補強材を円滑に配設でき、法面での施工性に優
れる補強材配設用部材およびそれを用いた施工法を提供
することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するため鋭意検討の結果、バネ弾性及び耐クリー
プ性が高く、バネ弾性変形可能な熱可塑性樹脂を用いて
嵌入部を形成すると、スナップ式に鉄筋を嵌入部に容易
に嵌入して配設できることを見いだし、本発明を完成し
た。
【0011】すなわち、本発明の補強材配設用部材は、
補強材を配設するための主フレームを有する部材であっ
て、前記主フレームに前記補強材が嵌入可能な嵌入部が
形成されているとともに、前記部材がバネ弾性を有する
熱可塑性樹脂組成物で形成されている。前記補強材配設
用部材は、例えば、主フレーム部に連設して形成された
複数の支持フレーム部と、前記主フレーム部に形成さ
れ、かつ外方側又は側方側が幅狭に開口した少なくとも
1つの半リング状嵌入部とで構成することができる。
【0012】また、補強材配設用部材は、複数の支持フ
レーム部と、これらの支持フレーム部に連設して形成さ
れた主フレーム部と、前記支持フレーム部及び主フレー
ム部のうち少なくともいずれか一方のフレーム部に形成
され、かつ外方側又は側方側に幅狭に開口した開口部を
有する少なくとも1つの嵌入部とで構成されていてもよ
い。この場合、少なくともリング状嵌入部は、バネ弾性
変形可能な熱可塑性樹脂組成物で形成できる。
【0013】なお、嵌入部の開口部には、内方に狭まる
傾斜案内面を形成してもよい。また、バネ弾性を有する
熱可塑性樹脂組成物には、例えば、ポリアセタール又は
ポリアルキレンテレフタレートなどを含む組成物が含ま
れる。
【0014】本発明の方法では、型枠内に前記補強材配
設用部材を配設し、この部材の嵌入部に補強材を嵌入
し、前記型枠内にモルタル又はコンクリートを打設する
ことにより、例えば、法面などを施工することができ
る。
【0015】
【作用】前記補強材配設用部材を用いると、主フレーム
に形成された嵌入部に、鉄筋などの補強材を嵌入するだ
けで配設できる。その際、前記部材がバネ弾性を有する
熱可塑性樹脂組成物で形成されているので、補強材の嵌
入に伴なって、嵌入部がバネ弾性変形し、容易に嵌入で
きる。そのため、法面を施工する場合であっても、補強
材の配設作業が容易である。ポリアセタール又はポリア
ルキレンテレフタレートなどを含む熱可塑性樹脂組成物
を用いると、バネ弾性が高いので、一体成形により嵌入
性および補強材の固定性に優れた部材を得ることができ
る。
【0016】複数の支持フレーム部と、外方側又は側方
側が幅狭に開口した半リング状嵌入部が形成された主フ
レーム部とで構成された補強材配設用部材は、主フレー
ム部の外方又は側方からリング状嵌入部に補強材を嵌入
でき、補強材の配設作業性が高い。また、開口部が幅狭
に形成されているので、補強剤を強固に保持できる。嵌
入部の開口部に、内方に狭まる傾斜案内面が形成されて
いる場合には、傾斜案内部を利用して補強材を円滑に嵌
入できる。
【0017】さらに、複数の支持フレーム部及び/又は
主フレーム部に、開口部を有する嵌入部が形成された部
材では、嵌入部をバネ弾性変形可能な熱可塑性樹脂組成
物で形成することにより、前記と同様にして補強材を配
設できる。
【0018】
【実施例】以下に、必要に応じて添付図面を参照しつ
つ、本発明の実施例をより詳細に説明する。
【0019】図1は本発明の補強材配設用部材の施工状
態を説明するための一例を示す概略正面図である。
【0020】この補強材配設用部材1は、両端部に折曲
げ片5を有する一対の主フレーム部2a,2bと、これ
らの主フレーム部間に連設された複数の支持フレーム部
6とを備えている。前記主フレーム部2a,2bには、
補強材7を保持しつつ配設するため、半リング状嵌入部
3a,3bが形成されている。すなわち、一方の主フレ
ーム部2aの両側部側に形成された半リング状嵌入部3
aには、上部外方側に幅狭の開口部4aが形成され、他
方の主フレーム部2bの両側部に形成された半リング状
嵌入部3bには、内方側部に幅狭の開口部4bが形成さ
れている。
【0021】なお、施工状態において上部に位置する主
フレーム部2aの半リング状嵌入部3aは、互いに対向
して湾曲して主フレーム部2aから突出した一対の弾性
湾曲突片と、湾曲突片の内面に形成された湾曲凹面とで
構成されており、弾性湾曲突片の先端部は互いに狭まっ
ている。また、施工状態において下部に位置する主フレ
ーム部2bの半リング状嵌入部3bは、この主フレーム
部2bから湾曲して突出し、先端部が主フレーム部2b
側に湾曲した湾曲片を備えている。
【0022】そして、前記補強材配設用部材1は、ポリ
アセタールやポリブチレンテレフタレートなどの熱可塑
性樹脂を含み、かつバネ弾性を有する組成物を用いて、
射出成形などの慣用の方法で一体に成形されている。な
お、前記主フレーム2a,2bの折曲げ片5は、固定具
9などの固定手段により型枠8に着脱可能に固定する場
合が多い。
【0023】このような補強材配設用部材1を用いる
と、番線の巻回操作により鉄筋などを固定する必要がな
く、型枠8内に配した前記部材1の半リング状嵌入部3
a,3bに鉄筋などの補強材7をスナップ式に簡単に嵌
入できる。その際、嵌入部3a,3bが半リング状であ
るため、バネ弾性を高め、補強材7の配設作業性を高め
ることができる。なお、施工状態において下部に位置す
る主フレーム部2bの嵌入部3bが側方へ開口している
ので、嵌入された補強材7の脱落を防止することができ
る。
【0024】そのため、法面や急斜面などに適用して
も、補強材7を簡単な操作で簡便かつ効率よく配設で
き、前記型枠8内にモルタル又はコンクリートを打設す
ることにより、円滑に施工できる。さらに、型枠8の長
手手方向に沿って、複数の補強材配設用部材1を並設し
て補強材7を嵌入する場合、並設された複数の補強材配
設用部材1の嵌入部3aに、補強材7を押圧するだけで
同時に嵌入できる。そのため、個々の配筋用部材にそれ
ぞれ番線を巻き付けて捩る操作により鉄筋を配設する従
来の方法に比べて、補強材を円滑かつ効率よく配設でき
る。特に、作業性の悪い方面や急斜面での作業性を著し
く改善できる。
【0025】前記バネ弾性変形可能な熱可塑性樹脂組成
物には、(1)樹脂自体がバネ弾性変形可能である熱可
塑性樹脂単独又はその組成物、(2)樹脂自体はバネ弾
性変形性に乏しいものの、外部改質によりバネ弾性変形
性が付与されている熱可塑性樹脂組成物が含まれる。
【0026】前者(1)の範疇に属する熱可塑性樹脂に
は、弾性変形可能であり、かつバネ弾性の高い種々の熱
可塑性樹脂、例えば、ポリアセタール、ポリアルキレン
テレフタレート(例えば、ポリエチレンテレフタレート
やポリブチレンテレフタレートなど)、ポリアミド(例
えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、ナイ
ロン11、ナイロン12、ナイロン610、ナイロン6
12など)、ポリカーボネート、ゴム変性スチレン系樹
脂(例えば、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエ
ン−スチレン共重合体など))などが含まれる。好まし
い熱可塑性樹脂には、例えば、ポリアセタールおよびポ
リブチレンテレフタレートが含まれる。ポリアセタール
は、ポリアセタールホモポリマー、ポリアセタールコポ
リマーのいずれも使用でき、コポリマーの主鎖は大部分
がオキシメチレン鎖で構成されていてもよいるまた、ポ
リアセタールを、架橋やグラフト重合などにより変性し
た変性ポリアセタールも使用でき、変性手段としては、
架橋剤、グラフト重合可能な変性剤などを用いた公知又
は慣用の方法が採用できる。
【0027】前記熱可塑性樹脂の分子量は、弾性変形性
及び成形性などを損わない範囲であればよく、例えば、
1×104 〜500×104 、好ましくは2×104
100×104 程度である。
【0028】これらの熱可塑性樹脂は一種又は二種以上
混合して使用できるとともに、後述するように外部改質
剤により改質し、バネ弾性などの特性をさらに向上させ
て使用することもできる。
【0029】後者(2)の範疇に属する熱可塑性樹脂と
しては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチ
レン−プロピレン共重合体などのオレフィン系ポリマ
ー、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合
体(AS樹脂)などのスチレン系ポリマー、熱可塑性ポ
リウレタン、ポリフェニレンオキサイド、変性ポリフェ
ニレンオキサイドなどのポリエーテル樹脂、ポリフェニ
レンサルファイド、ポリスルホン、ポリサルホン、ポリ
エーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリ
エーテルアミド、ポリエーテルイミドなどが例示され
る。これらの熱可塑性樹脂は一種又は二種以上使用する
ことができる。
【0030】これらの熱可塑性樹脂のなかで、ポリプロ
ピレン、ポリアミド、ポリエーテル、ポリフェニレンサ
ルファイドなどの熱可塑性樹脂を使用する場合が多い。
【0031】これらの熱可塑性樹脂のバネ弾性、嵌入部
への嵌入性は、外部改質剤(添加剤)の添加により改善
することができる。例えば、バネ弾性は、充填剤や強化
繊維の添加により改善でき、嵌入部への嵌入性、摺動性
などは、潤滑剤の添加により改善でき、充填剤の種類に
よっては嵌入性が改善される場合がある。なお、複数の
特性を改善するため、二種以上の添加剤を組合わせて使
用できる。
【0032】さらに、前記外部改質剤、特に充填剤や強
化繊維を添加することにより、補強材配設用部材の膨脹
係数(例えば、線膨脹係数など)を調整し、補強材の膨
脹係数に合致又は近似させることができる。そのため、
モルタルやコンクリートを打設して施工しても、膨脹係
数の相違によるクラックや割れの発生を抑制できる。
【0033】外部改質剤の使用量は、熱可塑性樹脂の種
類に応じて、射出成形などにより得られた部材の機械的
強度などを損わない範囲、例えば、熱可塑性樹脂100
重量部に対して0.1〜200重量部、好ましくは1〜
100重量部程度の範囲から選択できる。
【0034】充填剤としては、例えば、シリカ、マイ
カ、タルク、カオリン、ケイソウ土、ガラスビーズ、炭
酸カルシウム、硫酸マグネシウム、酸化チタン、アルミ
ナなどが例示でき、これらの充填剤は一種又は二種以上
使用できる。
【0035】充填剤の使用量は、熱可塑性樹脂100重
量部に対して、例えば、1〜100重量部、好ましくは
2〜50重量部、さらに好ましくは5〜30重量部程度
である場合が多い。
【0036】強材繊維としては、熱可塑性樹脂の種類に
応じて、熱可塑性樹脂よりも高い弾性率を有する繊維状
物質が使用できる。このような強化繊維としては、例え
ば、無機繊維(例えば、ガラス繊維、炭素繊維、セラミ
ック繊維、ホィスカー、鉱物繊維など);金属繊維(例
えば、ステンレス、黄銅など);有機繊維(例えば、超
高分子量ポリエチレン、ポリオキシメチレン、ポリビニ
ルアルコール、液晶性芳香族ポリエステル、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどの
ポリエステル、ポリ−p−フェニレンテレフタルアミ
ド、ポリ−m−フェニレンイソフタルアミドなどの芳香
族ポリアミド(アラミド)、ポリフェニレンベンゾチア
ゾール、ポリアクリロニトリルなどの高分子繊維、ジュ
ートなどのセルロース繊維など)から適当に選択でき
る。強化繊維は一種又は二種以上組合せて使用できる。
強化繊維の繊維径は、適当に選択でき、例えば、5〜3
0μm程度である。強化繊維は、例えば、繊維長0.0
1〜3mm程度の短繊維であってもよく、繊維長3〜5
0mm程度の長繊維であってもよい。
【0037】これらの強化繊維のうち、ガラス繊維、炭
素繊維、セラミック繊維などの無機繊維、金属繊維、芳
香族ポリエステルや芳香族ポリアミド繊維などの弾性率
の高い繊維を使用する場合が多い。強化繊維の弾性率
は、1×103 〜20×104kgf/mm2 、好まし
くは5×103 〜10×104 kgf/mm2 程度であ
る。
【0038】強化繊維の使用量は、例えば、熱可塑性樹
脂100重量部に対して、0.5〜50重量部、好まし
くは1〜40重量部、さらに好ましくは2〜30重量部
程度である場合が多い。
【0039】潤滑剤は、液体潤滑剤や固体潤滑剤のいず
れであってもよく、例えば、潤滑油、フッ素樹脂、ポリ
アミドなどの有機潤滑剤、二硫化モリブデン、グラファ
イト、窒化ホウ素、フッ化黒鉛などの無機潤滑剤などが
例示できる。これらの潤滑剤は、単独で又は二種以上組
合せて使用できる。
【0040】潤滑剤の使用量は、例えば、熱可塑性樹脂
100重量部に対して0.5〜30重量部、好ましくは
1〜25重量部程度である場合が多い。
【0041】バネ弾性の高い熱可塑性樹脂組成物は、前
記(1)の範疇に属する熱可塑性樹脂、この熱可塑性樹
脂と強化繊維とを含む樹脂組成物、または前記(2)の
範疇に属する熱可塑性樹脂と強化繊維とを含む樹脂組成
物で構成する場合が多い。
【0042】前記熱可塑性樹脂は、成形加工性、機械的
特性などを損わない範囲で、必要に応じて種々の添加
剤、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの劣化防止
剤、帯電防止剤、潤滑剤、可塑剤、離型剤、難燃剤、難
燃助剤、結晶化促進剤、染料や顔料などの着色剤などを
含んでいてもよい。
【0043】前記バネ弾性を有する熱可塑性樹脂の縦弾
性率は、例えば、0.5×102 〜10×102 kgf
/mm2 、好ましくは1×102 〜10×102 kgf
/mm2 程度である。
【0044】前記バネ弾性を有する熱可塑性樹脂組成物
の曲げ弾性率は、例えば5×102〜30×102 kg
f/mm2 、好ましくは7×102 〜20×102 kg
f/mm2 程度である。
【0045】主フレームには、少なくとも1つの嵌入部
が形成されていればよく、嵌入部の構造は、補強材が配
設可能である限り、特に制限されない。例えば、嵌入部
は、補強材の断面形状に応じて、断面三角形、四角形な
どの断面多角形状、断面楕円状、断面円形状の凹面を有
していてもよい。また、嵌入部での補強材の回動などを
規制するため、嵌入部の凹面を粗面に形成したり凹凸加
工してもよい。
【0046】補強材配設用部材は、複数の支持フレーム
部と、これらの支持フレーム部に連設して形成された主
フレーム部とを備え、前記主フレーム部に、バネ弾性変
形可能な嵌入部が形成されていればよい。図2は本発明
の補強材配設用部材の他の例を示す概略正面図である。
【0047】この例では、補強材配設用部材11は、両
端部に折曲げ片16が形成された主フレーム部12a,
12bと、これらの主レーム部を連設するための支持フ
レーム部17とを有しており、施工状態において上部に
位置する前記主フレーム12aの長手方向の中央部に嵌
入部13aが形成されている。さらに、この例では支持
フレーム部17、すなわち、施工状態において両側部に
位置するフレーム部の長手方向の中央部にも嵌入部13
bが形成されている。
【0048】施工状態において上部に位置する前記主フ
レーム部12aの嵌入部13aは、近接する弾性突起片
と、この突起片間の基部側に形成され、補強材7を収容
保持するための湾曲凹面とを有しており、嵌入部13a
のうち上部の開口部14aには、内方が狭まる方向に傾
斜した案内面15aが形成されている。また、支持フレ
ーム部17の嵌入部13bは、開口部14bにおいて側
部外方側が幅狭の傾斜案内面15bが形成されている点
を除いて、上記嵌入部13aと同様に形成されている。
【0049】このような部材11を用いると、主フレー
ム部12aに鉄筋などの補強材7を配設できることに加
えて、両側部の嵌入部13bを利用して、型枠の両側部
にも補強材7を配設することができる。その際、外方が
拡がる方向に傾斜した案内面15a,15bを利用し
て、嵌入部13a,13bに補強材7を円滑に配設する
ことができる。
【0050】なお、嵌入部は主フレーム部に形成されて
いればよく、支持フレーム部に嵌入部を形成する必要は
ない。また、施工状態において下部に位置する主フレー
ム部には、側方へ開口した嵌入部に限らず、主フレーム
部から下方又は上方へ開口した開口部を有する嵌入部を
形成してもよい。さらに、施工状態において下部に位置
する主フレーム部は必ずしも必要ではない。また、主フ
レームの折曲げ片も必ずしも必要ではない。
【0051】嵌入部は、補強材の配設位置に応じて、主
フレーム部及び/又は支持フレーム部の適所に形成でき
る。嵌入部の数は、特に制限されないが、主フレーム部
において、1〜3程度である場合が多い。
【0052】前記の実施例においては、主フレーム部、
支持フレーム部および嵌入部を射出成形などにより一体
に形成しているが、少なくとも前記嵌入部がバネ弾性変
形可能な熱可塑性樹脂組成物で形成されていればよい。
この場合、嵌入部は、主フレーム部及び/又は支持フレ
ーム部、特に主フレーム部に対してスライド可能なリン
グ部材またはスライド部材に形成してもよい。このよう
なリング部材またはスライド部材と嵌入部とで構成され
た嵌入部材を用いると、主フレーム部における補強材の
配設位置を、スライド操作により容易に変更できる。な
お、生産性、経済性などの点から、前記実施例のよう
に、主フレーム部、支持フレーム部および嵌入部を射出
成形などにより一体に成形する場合が多い。
【0053】型枠に沿って長手方向に配設される主筋の
みならず、型枠の幅方向に配力鉄筋などの補強材を配設
するため、前記主フレーム部及び/又は支持フレーム部
からは、主フレーム部及び支持フレーム部で形成される
面から突出する方向(図中、紙面の前後方向)に開口し
た嵌入部を形成してもよい。この場合、前記主フレーム
部及び/又は支持フレーム部の軸線に対して直交する方
向(すなわち施工状態において、型枠の長手方向)に延
出フレームを形成し、この延出フレームに嵌入部を形成
してもよい。また、型枠に対して補強材配設用部材を固
定するための固定手段の種類は、特に制限されない。固
定手段は、型枠及び補強材配設用部材に対して着脱可能
であってもよく、取外し不能であってもよい。
【0054】本発明の施工法では、所定の施工箇所に配
設された型枠内に前記補強材配設用部材を配設し、この
部材の嵌入部に補強材を嵌入することにより、補強材を
配設する。その際、前記のように、補強材を嵌入部にス
ナップ式という簡単な操作で装着できるので、補強材の
配設作業効率を高めることができる。そして、前記型枠
内にモルタル又はコンクリートを打設することにより、
道路や家屋に隣設する斜面や傾斜地などの法面を安定化
したり、保護したり、又は緑化できる。なお、補強材配
設用部材はモルタル又はコンクリートの打設により、構
造体内に埋設される。
【0055】本発明の補強材配設用部材を用いる施工法
は、法面に限らず、平地などにも適用できるが、補強材
の配設作業性、施工性が損われ易い法面や急斜面などの
施工に好適である。
【0056】型枠の種類、補強材の種類、およびモルタ
ル又はコンクリート種類とその打設方法などは特に制限
されない。例えば、型枠としては、段ボールなどの紙、
プラスチックなどに限らず、木枠なども使用でき、補強
材としては、鉄筋に限らず、樹脂含浸した補強繊維束な
ども使用できる。また、モルタル又はコンクリートの水
硬性物質としては、例えば、ポルトランドセメント、早
強ポルトランドセメント、アルミナセメント、焼きセッ
コウなどの自硬性セメント;石灰スラグセメント、高炉
セメントなどの水硬性セメント;混合セメントなどのセ
メントが使用できる。モルタル又はコンクリートは、水
とともに、必要に応じて、砂、ケイ砂、パーライトなど
の骨材、着色剤、硬化剤、凝結遅延剤、硬化促進剤、ナ
フタレンスルホン酸ナトリウムなどの減水剤、凝固剤、
増粘剤、発泡剤、合成樹脂エマルジョンなどの防水剤、
可塑剤などの種々の添加剤を含んでいてもよい。
【0057】なお、法面の施工において、モルタルやコ
ンクリートの打設は吹き付けなどにより行なう場合が多
い。また、型枠に対して補強材配設用部材を固定するた
めの固定手段は、打設したモルタル又はコンクリート内
に埋設してもよく、施工後に型枠および補強材配設用部
材から取外してもよい。
【0058】
【発明の効果】本発明の補強材配設用部材は、バネ弾性
を有する熱可塑性樹脂組成物で形成できるので、軽量で
あるだけでなく、鉄筋などの補強材を簡単な操作で効率
よく配設できる。また、嵌入操作が容易であるため、法
面や急傾斜面であっても、補強材を円滑に配設でき、法
面での施工性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の補強材配設用部材の施工状態を
説明するための一例を示す概略正面図である。
【図2】図2は本発明の補強材配設用部材の他の例を示
す概略正面図である。
【図3】図3は従来の配筋用部材を用いた施工法を説明
するための概略正面図である。
【符号の説明】
1,11…補強材配設用部材 2a,2b,12a,12b…主フレーム部 6,17…支持フレーム部 3a,3b,13a,13b…嵌入部 4a,4b,14a,14b…開口部 7…補強材 15a,15b…案内面

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 補強材を配設するための主フレームを有
    する部材であって、前記主フレームに前記補強材が嵌入
    可能な嵌入部が形成されているとともに、前記部材がバ
    ネ弾性を有する熱可塑性樹脂組成物で形成されている補
    強材配設用部材。
  2. 【請求項2】 主フレーム部に連設して形成された複数
    の支持フレーム部と、前記主フレーム部に形成され、か
    つ外方側又は側方側が幅狭に開口した少なくとも1つの
    半リング状嵌入部とで構成されている請求項1記載の補
    強材配設用部材。
  3. 【請求項3】 補強材を配設するための部材であって、
    複数の支持フレーム部と、これらの支持フレーム部に連
    設して形成された主フレーム部と、前記支持フレーム部
    及び主フレーム部のうち少なくともいずれか一方のフレ
    ーム部に形成され、かつ外方側又は側方側に幅狭に開口
    した開口部を有する少なくとも1つの嵌入部とで構成さ
    れ、少なくとも前記嵌入部が、バネ弾性変形可能な熱可
    塑性樹脂組成物で形成されている補強材配設用部材。
  4. 【請求項4】 嵌入部の開口部に、内方が狭まる方向に
    傾斜した案内面が形成されている請求項2又は3記載の
    補強材配設用部材。
  5. 【請求項5】 熱可塑性樹脂組成物がポリアセタール、
    ポリアルキレンテレフタレート又はポリアミドを含む請
    求項1〜4のいずれかの項に記載の補強材配設用部材。
  6. 【請求項6】 請求項1〜請求項5のいずれかの項に記
    載の補強材配設用部材を型枠内に配設し、この部材の嵌
    入部に補強材を嵌入し、前記型枠内にモルタル又はコン
    クリートを打設する施工法。
  7. 【請求項7】 法面に施工する請求項6記載の施工法。
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