JP2006213766A - 導電性熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】流動性、面衝撃強度、導電性のバランスに優れ、且つ滞留熱安定性にも優れた導電性熱可塑性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】(A)芳香族ポリカーボネート樹脂(A成分)10〜90重量部、および(B)熱可塑性ポリエステル樹脂(B成分)10〜90重量部の合計100重量部に対して、(C)導電性カーボンブラック(C成分)を0.1〜20重量部含有してなる樹脂組成物であって、前記導電性カーボンブラック(C成分)が次の(1)〜(3)の特性を全て満足する導電性熱可塑性樹脂組成物。
(1) 24M4DBP吸収量が130cm/100g以上
(2) 1500℃、30分間加熱により発生した水素量(脱水素量)が1.2mg/g以下
(3) 結晶子サイズLcが10〜17Åの範囲
【選択図】図2

Description

本発明は、導電性カーボンブラックを含有してなる導電性熱可塑性樹脂組成物に関する。更に詳しくは、流動性、面衝撃強度、導電性のバランスに優れ、且つ滞留熱安定性にも優れた導電性熱可塑性樹脂組成物に関するものである。この特性により、自動車用外装部品や電気・電子・OA機器部品、機械部品等に適した導電性熱可塑性樹脂組成物に関するものである。
電気・電子・OA機器部品、機械部品、自動車用部品等において、金属材料に代って多くの樹脂材料が使用されてきており、自動車外装・外板分野に関しては、フェンダー、ドアパネル、リアパネル等の垂直外板において従来の金属材料からプラスチック化への検討が活発に行われている。プラスチック化の利点として、軽量化やデザインの自由度、モジュールアッセンブリー化が可能な点、歩行者保護等が挙げられる。
このような自動車外装・外板部品は、通常、着色のために塗装が行われており、塗料の付着効率を向上させる目的で静電塗装が一般的に行われている。静電塗装とは、アースした被塗装物と塗料吹き付け装置に高電圧をかけ、帯電させた塗料粒子を反対極である被塗装物に吹き付けることにより効率よく塗料を付着させる塗装方法である。
しかしながら、熱可塑性樹脂は電気絶縁性であるため、静電塗装を行うには導電性の付与が必要であり、更に、これら自動車外装・外板部品用プラスチックには、従来のプラスチックと比較して耐衝撃性、寸法安定性、流動性、外観などにおいて高いレベルの材料が要求されるようになってきた。また、自動車外装・外板部品用プラスチックに求められる耐衝撃性は、歪み速度との関係でアイゾット衝撃強度やシャルピー衝撃強度との相関性は低く、面衝撃強度の優れた材料が必要とされている。
他方、例えば、OA機器や電子機器の分野では小型軽量化や、高集積化、高精度化が進み、これに伴い、電気電子部品への塵やほこりの付着を極力低減させることや、静電気障害による誤作動を防止する効果がある導電性樹脂に対する市場からの要求は年々多く且つ厳しくなってきている。例えば、半導体に使われるICチップ、ICトレーや、ウエハー、コンピュータに使われるハードディスクの内部部品等は、その要求が一層厳しく、帯電防止性を付与し、塵やほこりの付着を完全に防止することが必要である。また、電磁波シールド性の付与が必要な部品にも導電性が要求され、このようなものとしては、例えば、ノートパソコンのハウジング、PDAのハウジング、パチンコ部品の基板、カメラシャッター、携帯電話のハウジング等がある。
このような導電性や帯電防止性を要求される部品・用途には、本来電気絶縁性である熱可塑性樹脂は、そのままでは用いることができない。この対策として、熱可塑性樹脂に導電性物質を配合することが広く行われており、特に、少量の導電性物質の添加で高い導電性が発現され、良好な外観が得られることから、導電性カーボンブラックが広く使用されている。
ところで、ポリカーボネート樹脂と熱可塑性ポリエステル樹脂からなるポリマーアロイは、ポリカーボネート樹脂の耐衝撃性、耐熱性、寸法安定性などの優れた特長を活かしつつ、ポリカーボネート樹脂の欠点である耐薬品性や成形加工性が改良された材料であり、自動車部品やその他幅広い分野で使用されている。更に、前述の導電性や帯電防止性が要求される用途においては、ポリカーボネート樹脂と熱可塑性ポリエステル樹脂からなるポリマーアロイに導電性カーボンブラックを配合した樹脂組成物が提案されている(特許文献1〜3)。
すなわち、特許文献1、2では、芳香族ポリカーボネート樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、ゴム状樹脂、カーボンブラックよりなる樹脂組成物が提案され、更に特許文献3では、芳香族ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、ブタジエンゴム状弾性共重合体、カーボンブラックおよび無機フィラーからなる樹脂組成物が提案されており、いずれの文献にも窒素吸着比表面積やDBP吸油量の大きいカーボンブラックが好ましい旨記載されている。
しかしながら、上記のような従来技術では、ケッチェンブラックに代表される窒素吸着比表面積やDBP吸油量の大きい導電性カーボンブラックを用いているため、流動性、面衝撃強度、導電性のバランスにおいて十分に満足できるものではなかった。更に、自動車部品などの大型成形品を製造するにあたり、滞留熱安定性にも優れた樹脂組成物が強く求められているが、上記のような従来技術では滞留熱安定性において必ずしも満足できるものではなかった。
また、特許文献4では、一次粒子径10〜40nm、DBP吸油量20〜175ml/100gのカーボンブラックを用いた耐衝撃性、外観、導電性に優れた導電性樹脂組成物が提案されている。しかしながら、特許文献4では、具体的にポリカーボネートと熱可塑性ポリエステルとのアロイを用いた組成物の開示はなく、開示されている導電性カーボンブラックでは流動性、面衝撃強度、導電性のバランスは十分ではなかった。また、特許文献4には、流動性、面衝撃強度、導電性のバランスや滞留熱安定性に関する具体的記載や言及もなく、熱可塑性樹脂に特定のカーボンブラックを配合することで、耐衝撃性、外観、導電性に優れた組成物を開示しているに過ぎない。
更に、特許文献5では、芳香族ポリカーボネート100重量部に対し、熱可塑性ポリアルキレンテレフタレートを1〜10重量部を配合した樹脂組成物に、DBP吸油量が100〜400ml/100gの導電性カーボンブラックを含有してなる導電性樹脂組成物が提案されている。しかしながら、特許文献5は、芳香族ポリカーボネートに特定量の熱可塑性ポリアルキレンテレフタレートと特定の導電性カーボンブラックを配合することにより、外観、導電性、アイゾッド衝撃強度に優れた組成物に関する技術を開示しているに過ぎず、開示されている組成物においては窒素吸着比表面積、DBP吸油量の大きいケッチェンブラックを用いているため、流動性、面衝撃強度、導電性のバランスや導電性のばらつきにおいて十分に満足できるものではなかった。
特開昭58−136652号公報 特開昭62−185743号公報 特開昭63−132961号公報 特開平8−337678号公報 特2001−323150号公報
本発明の目的は、従来技術の諸欠点を解消し、流動性、面衝撃強度、導電性のバランスに優れ、且つ滞留熱安定性にも優れた導電性熱可塑性樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記の従来の諸欠点を解消した導電性熱可塑性樹脂組成物を提供することを目的として鋭意検討した結果、芳香族ポリカーボネート樹脂と熱可塑性ポリエステル樹脂とのポリマーアロイに特定の物性を有する導電性カーボンブラック、すなわち、水素含有量が少なく、結晶サイズが小さく、且つそのストラクチャーの指標値が大きい導電性カーボンブラックを配合することにより、流動性、面衝撃強度、導電性のバランスに優れ、且つ滞留熱安定性にも優れた導電性熱可塑性樹脂組成物が得られることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は以下を要旨とするものである。
(1) (A)芳香族ポリカーボネート樹脂(A成分) 10〜90重量部、および
(B)熱可塑性ポリエステル樹脂(B成分) 10〜90重量部
の合計100重量部に対して、
(C)導電性カーボンブラック(C成分)を0.1〜20重量部含有してなる樹脂組成物であって、前記導電性カーボンブラック(C成分)が次の(1)〜(3)の特性を全て満足することを特徴とする導電性熱可塑性樹脂組成物。
(1) 24M4DBP吸収量が130cm/100g以上
(2) 1500℃、30分間加熱により発生した水素量(脱水素量)が1.2mg/g以下
(3) 結晶子サイズLcが10〜17Åの範囲
(2) 導電性カーボンブラック(C成分)の窒素吸着比表面積が、150〜300m/gの範囲であることを特徴とする(1)の導電性熱可塑性樹脂組成物。
(3) 導電性カーボンブラック(C成分)のストークスモード径(Dmod)と24M4DBP吸収量との比(Dmod/24M4DBP)が、0.6〜0.9の範囲であることを特徴とする(1)または(2)の導電性熱可塑性樹脂組成物。
(4) 導電性カーボンブラック(C成分)の透過型電子顕微鏡による平均粒子径が、14〜24nmの範囲であることを特徴とする(1)〜(3)の導電性熱可塑性樹脂組成物。
(5) 導電性カーボンブラック(C成分)のCTAB(セチルトリメチルアンモニウムブロマイド)吸着比表面積が、120〜220m/gの範囲であることを特徴とする(1)〜(4)の導電性熱可塑性樹脂組成物。
(6) 導電性カーボンブラック(C成分)のDBP吸収量が、150〜400cm/100gの範囲であることを特徴とする(1)〜(5)の導電性熱可塑性樹脂組成物。
(7) 導電性カーボンブラック(C成分)の次式で定義される含酸素官能基密集度が、3μmol/m以下であることを特徴とする(1)〜(6)の導電性熱可塑性樹脂組成物。
Figure 2006213766
(8) 導電性カーボンブラック(C成分)が、オイルファーネスカーボンブラックであることを特徴とする(1)〜(7)の導電性熱可塑性樹脂組成物。
(9) 芳香族ポリカーボネート樹脂(A成分)と熱可塑性ポリエステル樹脂(B成分)の合計100重量部に対して、A成分が50〜80重量部、B成分が20〜50重量部であることを特徴とする(1)〜(8)の導電性熱可塑性樹脂組成物。
(10) 芳香族ポリカーボネート樹脂(A成分)と熱可塑性ポリエステル樹脂(B成分)の合計100重量部に対して、導電性カーボンブラック(C成分)を0.5〜10重量部含有してなることを特徴とする(1)〜(9)の導電性熱可塑性樹脂組成物。
(11) 熱可塑性ポリエステル樹脂(B成分)が、ポリエチレンテレフタレート樹脂であることを特徴とする(1)〜(10)の導電性熱可塑性樹脂組成物。
(12) (D)ゴム性重合体(D成分)を、芳香族ポリカーボネート樹脂(A成分)と熱可塑性ポリエステル樹脂(B成分)の合計100重量部に対して0.5〜30重量部含有してなることを特徴とする(1)〜(11)の導電性熱可塑性樹脂組成物。
(13) (E)下記一般式(I)で表されるリン酸エステル、および下記一般式(II)で表される亜リン酸エステルからなる群より選ばれた少なくとも1種であるリン系化合物(E成分)を、芳香族ポリカーボネート樹脂(A成分)と熱可塑性ポリエステル樹脂(B成分)の合計100重量部に対して0.001〜1重量部含有してなることを特徴とする(1)〜(12)の導電性熱可塑性樹脂組成物。
O=P(OH)(OR)3−n …(I)
(式中、nは1および/または2の整数、Rはアルキル基またはアリール基であり、n=1の場合、Rはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。)
Figure 2006213766
(式中、R’はアルキル基またはアリール基であり、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。)
(14) (F)無機フィラー(F成分)を、芳香族ポリカーボネート樹脂(A成分)と熱可塑性ポリエステル樹脂(B成分)の合計100重量部に対して0.5〜50重量部含有してなることを特徴とする(1)〜(13)の導電性熱可塑性樹脂組成物。
(15) 組成物が、予めA成分およびB成分更に必要に応じD成分、E成分、F成分を溶融混練し、その溶融混練物にC成分を配合し溶融混練して得られたものであることを特徴とする(1)〜(14)の導電性熱可塑性樹脂組成物。
(16) 組成物が、A成分の一部または全量とC成分を予め溶融混練した中間組成物Yを製造し、A成分の残部とB成分更に必要に応じD成分、E成分、F成分と共に中間組成物Yを溶融混練して得られたものであることを特徴とする(1)〜(14)の導電性熱可塑性樹脂組成物。
(A)芳香族ポリカーボネート樹脂(A成分)および(B)熱可塑性ポリエステル樹脂(B成分)に対して、特定の物性を有する導電性カーボンブラック(C成分)を含有してなる本発明の導電性熱可塑性樹脂組成物は、流動性、面衝撃強度、導電性のバランスに優れ、滞留熱安定性にも優れるという特徴があり、更に寸法安定性、耐熱性などにも優れた樹脂組成物である。
従って、このような特長を有する本発明の導電性熱可塑性樹脂組成物の大きな用途として、バンパー、フェンダー、ドアパネル、トランクリッド、フロントパネル、リアパネル、ルーフパネル、ボンネット、ピラー、サイドモール、ガーニッシュ、ホイールキャップ、ドアハンドル、フードバルジ、フューエルリッド、各種スポイラー等の自動車用外装部品を挙げることができる。
また、本発明の導電性熱可塑性樹脂組成物は、自動車用外装部品のほか、例えば、電気・電子・OA機器をはじめとした導電性の必要な用途にも好適に使用できる。例えば、半導体に使われるICチップ、ICトレーや、ウエハー、コンピュータに使われるハードディスクの内部部品等において、帯電防止性を付与し、塵やほこりの付着を完全に防止するためや静電気による誤作動を防止するために使用することができる。また、電磁波シールド性の付与のために導電性が要求される用途、例えば、ノートバソコンのハウジング、PDAのハウジング、パチンコ部品の基板、カメラシャッター、携帯電話のハウジング等にも使用することができる。
以下に本発明の導電性熱可塑性樹脂組成物の実施の形態を詳細に説明する。
[1]芳香族ポリカーボネート樹脂(A成分)
本発明のA成分である芳香族ポリカーボネート樹脂(以下、「A成分」と略記することがある。)は、芳香族ジヒドロキシ化合物またはこれと少量のポリヒドロキシ化合物と、カーボネート前駆体とを反応させることによって得られる、分岐していてもよい熱可塑性の芳香族ポリカーボネート重合体または共重合体である。
本発明に係る芳香族ポリカーボネート樹脂の製造法は、特に限定されるものではなく、従来から知られているホスゲン法(界面重合法)または溶融法(エステル交換法)等によって製造することができる。
芳香族ジヒドロキシ化合物としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(=ビスフェノールA)、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(=テトラブロモビスフェノールA)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1−トリクロロプロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサクロロプロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン等で例示されるビス(ヒドロキシアリール)アルカン類;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等で例示されるビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類;9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン等で例示されるカルド構造含有ビスフェノール類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルエーテル等で例示されるジヒドロキシジアリールエーテル類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルフィド等で例示されるジヒドロキシジアリールスルフィド類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホキシド等で例示されるジヒドロキシジアリールスルホキシド類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホン等で例示されるジヒドロキシジアリールスルホン類;ハイドロキノン、レゾルシン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル等が挙げられる。
これらの芳香族ジヒドロキシ化合物は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの中で、特に2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(=ビスフェノールA)が耐衝撃性の点から好適に用いられている。
芳香族ジヒドロキシ化合物と反応させるカーボネート前駆体としては、カルボニルハライド、カーボネートエステル、ハロホルメート等が使用され、具体的にはホスゲン;ジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネート等のジアリールカーボネート類;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のジアルキルカーボネート類;二価フェノールのジハロホルメート等が挙げられる。これらのカーボネート前駆体もまた1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
また、A成分の芳香族ポリカーボネート樹脂は、三官能以上の多官能性芳香族化合物を共重合した、分岐した芳香族ポリカーボネート樹脂であってもよい。分岐した芳香族ポリカーボネート樹脂を得るには、フロログルシン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−2、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、2,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−3、1,3,5−トリ(4−ヒドロキシフェニル)べンゼン、1,1,1−トリ(4−ヒドロキシフェニル)エタン等で例示されるポリヒドロキシ化合物類、または、3,3−ビス(4−ヒドロキシアリール)オキシインドール(=イサチンビスフェノール)、5−クロルイサチン、5,7−ジクロルイサチン、5−ブロムイサチン等で、前記芳香族ジヒドロキシ化合物の一部を置換して使用すればよく、その使用量は芳香族ジヒドロキシ化合物に対して0.01〜10モル%の範囲が好ましく、特に好ましいのは0.1〜2モル%である。
上記芳香族ジヒドロキシ化合物とカーボネート前駆体を界面重合法または溶融エステル交換法によって反応させて芳香族ポリカーボネート樹脂を製造するに当っては、必要に応じて末端停止剤を使用してもよい。
界面重合法芳香族ポリカーボネート樹脂の場合、通常、末端停止剤または分子量調節剤が使用される。末端停止剤または分子量調節剤としては、一価のフェノール性水酸基若しくは一価のカルボン酸誘導体構造を有する化合物が挙げられる。一価のフェノール性水酸基を有する化合物としては、例えば、フェノール、アルキルフェノール、ハロゲン化フェノール、アルコキシフェノール、アルコキシカルボニルフェノール等の置換フェノール類が挙げられ、具体的には、フェノール、メチルフェノール、p−n−ブチルフェノール、p−tert−ブチルフェノール、p−tert−オクチルフェノール、アリルフェノール、クミルフェノール、ナフチルフェノール、ナフトール、ブロモフェノール、トリブロモフェノール、トリフルオロフェノール、メトキシフェノール、ブトキシフェノール、メトキシカルボニルフェノール、ブトキシカルボニルフェノール、ドデシロキシカルボニルフェノール、オクタデシロキシカルボニルフェノール等が挙げられる。一価のカルボン酸誘導体構造を有する化合物としては、例えば、カルボン酸、カルボン酸クロライド等が挙げられ、具体的には、酢酸、アクリル酸、ギ酸、プロピオン酸、プロピオル酸、酪酸、イソ酪酸、メタクリル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ピルビン酸、アセト酢酸、グリコール酸、乳酸、グリセリン酸、ヘキサフルオロ酢酸、安息香酸、ナフトエ酸、メチル安息香酸、ブチル安息香酸、ビニル安息香酸、ペンタフルオロ安息香酸、ペンタブロモ安息香酸、メチルナフトエ酸、エチルナフトエ酸等のカルボン酸、および、これらカルボン酸から誘導されるカルボン酸クロライド等が挙げられる。
また、エステル交換法芳香族ポリカーボネート樹脂の場合、通常、原料の芳香族ジヒドロキシ化合物とカーボネート前駆体とのモル比を調節したり、減圧度を調節したりすることによって、その末端のヒドロキシ末端構造の量比が調整できる。また、より積極的な方法として、反応時に別途、末端停止剤を添加する調整方法も周知である。この際の末端停止剤としては、一価フェノール類、一価カルボン酸類、炭酸ジエステル類が挙げられる。一価フェノール類、一価カルボン酸類としては、例えば、炭素数が9以上の一価フェノールや一価カルボン酸が好適に使用され、具体的には、p−プロピルフェノール、o−sec−ブチルフェノール、p−tert−ブチルフェノール、クミルフェノール、tert−オクチルフェノール、フェニルフェノール、ナフチルフェノール、4−ヒドロキシ−p−クオーターフェニル、ブチル安息香酸、オクチル安息香酸、フェニル安息香酸、ナフタレンカルボン酸等が挙げられる。炭酸ジエステル類としては、例えば、上記炭素数9以上の一価フェノールから誘導される炭酸ジエステル類が好適に使用され、具体的には、フェニルブチルフェニルカーボネート、ジ(ブチルフェニル)カーボネート、フェニルクミルフェニルカーボネート、ジ(ノニルフェニル)カーボネート、メチルフェニルナフチルフェニルカーボネート等が挙げられる。
更に、本発明に係る芳香族ポリカーボネート樹脂は、芳香族または脂肪族の二官能性カルボン酸を共重合したポリエステルカーボネートであってもよい。脂肪族の二官能性カルボン酸としては、例えば炭素数8〜20、好ましくは10〜12の脂肪族の二官能性カルボン酸が挙げられる。かかる脂肪族の二官能性のカルボン酸は、直鎖状、分枝状、環状のいずれであってもよい。脂肪族の二官能性のカルボン酸としては、α,ω−ジカルボン酸が好ましく、例えば、セバシン酸(デカン二酸)、ドデカン二酸、テトラデカン二酸、オクタデカン二酸、エイコサン二酸等の直鎖飽和脂肪族ジカルボン酸が好ましく挙げられる。
更に、本発明に係る芳香族ジヒドロキシ化合物としては、ポリオルガノシロキサン単位を共重合したポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の使用も可能である。
本発明に係る芳香族ポリカーボネート樹脂は、上述した各種芳香族ジヒドロキシ化合物の異なる芳香族ポリカーボネート樹脂、分岐成分を含有する分岐芳香族ポリカーボネート樹脂、製造法の異なる芳香族ポリカーボネート樹脂、末端停止剤の異なる芳香族ポリカーボネート樹脂、各種のポリエステルカーボネート、ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体等各種の芳香族ポリカーボネート樹脂の2種以上を混合したものであってもよい。
本発明に係る芳香族ポリカーボネート樹脂の分子量は、溶液粘度から換算した粘度平均分子量[M]で、10,000〜35,000の範囲のものが好ましい。芳香族ポリカーボネートの粘度平均分子量[M]が10,000未満であると、本発明の導電性熱可塑性樹脂組成物から得られる成形品の耐衝撃性が不足する場合があり、35,000を超えると該樹脂組成物自体の成形性が低下するおそれがある。
ここで粘度平均分子量[M]とは、溶媒としてメチレンクロライドを使用し、オストワルド粘度計を用いて温度20℃での極限粘度[η](単位dl/g)を求め、Schnellの粘度式、すなわち、η=1.23×10−40.83、から算出される値を意味する。ここで極限粘度[η]とは各溶液濃度[C](g/dl)での比粘度[ηsp]を測定し、下記式により算出した値である。粘度平均分子量[M]のより好ましい範囲は13,000〜30,000であり、中でも好ましいのは15,000〜28,000である。
Figure 2006213766
また、成形品外観の向上や流動性の向上の目的で、A成分である芳香族ポリカーボネート樹脂は、芳香族ポリカーボネートオリゴマーを含有していてもよい。この芳香族ポリカーボネートオリゴマーの粘度平均分子量[M]は、好ましくは1,500〜9,500であり、より好ましくは2,000〜9,000である。芳香族ポリカーボネートオリゴマーは、芳香族ポリカーボネート樹脂中において30重量%以下の範囲で使用するのが好ましい。
更に、本発明のA成分である芳香族ポリカーボネート樹脂としては、バージン原料だけでなく、使用済みの製品から再生された芳香族ポリカーボネート樹脂、いわゆるマテリアルリサイクルされた芳香族ポリカーボネート樹脂の使用も可能である。使用済みの製品としては、光学ディスク等の光記録媒体、導光板、自動車窓ガラスや自動車ヘッドランプレンズ、風防等の車両透明部材、水ボトル等の容器、メガネレンズ、防音壁やガラス窓、波板等の建築部材等が好ましく挙げられる。また、再生芳香族ポリカーボネート樹脂としては、製品の不適合品、スプルー、ランナー等から得られた粉砕品またはそれらを溶融して得たペレット等も使用可能である。
[2]熱可塑性ポリエステル樹脂(B成分)
本発明のB成分である熱可塑性ポリエステル樹脂(以下、「B成分」と略記することがある。)は、ジカルボン酸類またはその反応性誘導体からなるジカルボン酸成分と、ジオール類またはそのエステル誘導体からなるジオール成分とを主成分とする縮合反応により得られる重合体または共重合体である。
本発明に係る熱可塑性ポリエステル樹脂の製造は、常法に従い、チタン、ゲルマニウム、アンチモン等を含有する重縮合触媒の存在下に、加熱しながらジカルボン酸成分とジオール成分とを反応させ、副生する水または低級アルコールを系外に排出することにより行われる。ここで、バッチ式、連続式のいずれの重合方法をとることも可能であり、固相重合により重合度を上げることも可能である。
ジカルボン酸類としては、芳香族ジカルボン酸および脂肪族ジカルボン酸のいずれでもよいが、耐熱性、寸法安定性等の点から芳香族ジカルボン酸が好ましい。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、4,4’−ビフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’−ビフェニルメタンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルスルホンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルイソプロピリデンジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボン酸、2,5−アントラセンジカルボン酸、2,6−アントラセンジカルボン酸、4,4’−p−ターフェニレンジカルボン酸、2,5−ピリジンジカルボン酸等が挙げられ、これらの置換体(例えば、5−メチルイソフタル酸などのアルキル基置換体など)や反応性誘導体(例えばテレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジエチルなどのアルキルエステル誘導体など)等を用いることもできる。これらのうち、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸及びそれらのアルキルエステル誘導体がより好ましく、テレフタル酸およびそのアルキルエステル誘導体が特に好ましい。これら芳香族ジカルボン酸は、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよく、該芳香族ジカルボン酸と共にアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸等の脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸等の1種以上併用することも可能である。
また、ジオール類としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、トリエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、デカメチレングリコール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール等の脂肪族ジオール類;1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオール、トランス−またはシス−2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール等の脂環族ジオール類;p−キシレンジオール、ビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA−ビス(2−ヒドロキシエチルエーテル)等の芳香族ジオール類等を挙げることができ、これらの置換体も使用することができる。これらのうち、耐熱性、寸法安定性等の点から、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールがより好ましく、エチレングリコールが特に好ましい。これらは1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。また、ジオール成分として、分子量400〜6,000の長鎖ジオール類、すなわちポリエチレングリコール、ポリ−1,3−プロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の1種以上を上記ジオール類と併用して共重合させてもよい。
B成分の熱可塑性ポリエステル樹脂の好適な具体例として、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリプロピレンテレフタレート樹脂(PPT)、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)、ポリへキシレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂(PEN)、ポリブチレンナフタレート樹脂(PBN)、ポリ(1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート)樹脂(PCT)、ポリシクロヘキシルシクロヘキシレート(PCC)等が挙げられ、これらのうち、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)が導電性、寸法安定性に優れ、特に好ましい。
他の熱可塑性ポリエステル樹脂の具体例としては、例えばラクトンの開環重合によるポリピバロラクトン樹脂、ポリ(ε−カプロラクトン)樹脂等や、溶融状態で液晶を形成する液晶ポリマー(Thermotropic Liquid Crystal Polymer;TLCP)が挙げられる。これら範疇に入り現在市販されている液晶ポリエステル樹脂としては、イーストマンコダック社のX7G、ダートコ社のXyday(ザイダー)、住友化学社のエコノール、セラニーズ社のベクトラ等が挙げられる。
また、本発明に係る熱可塑性ポリエステル樹脂は、少量の分岐剤を導入することにより分岐させることもできる。分岐剤の種類に制限はないがトリメシン酸、トリメリチン酸、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
本発明のB成分として特に好適に用いられるポリエチレンテレフタレート樹脂は、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を主成分とし、且つ、ジオール成分としてエチレングリコールを主成分とし、これらの縮合反応によって得られる飽和ポリエステル重合体または共重合体であり、繰り返し単位としてエチレンテレフタレート単位を好ましくは70モル%以上、より好ましくは80モル%以上含む熱可塑性ポリエステル樹脂である。また、ポリエチレンテレフタレート樹脂中には、重合時の副反応生成物であるジエチレングリコールが共重合成分として含まれる。かかるジエチレングリコールの量は、ジオール成分の全量100モル%中、約0.5モル%以上であり、6モル%以下が好ましく、5モル%以下が更に好ましい。
本発明で用いる熱可塑性ポリエステル樹脂の固有粘度は、好ましくは0.4〜1.5dl/gであり、より好ましくは0.5〜1.2dl/gである。ここで固有粘度は、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の溶媒中30℃で測定される。固有粘度が0.4未満であると得られる樹脂組成物の耐衝撃性が低下しやすく、1.5を超えると流動性が低下しやすい。また、熱可塑性ポリエステル樹脂の末端カルボキシル基量は、好ましくは5〜50eq/tであり、より好ましくは10〜30eq/tである。末端カルボキシル基量が5eq/t未満の場合は得られる樹脂組成物の耐熱性、耐衝撃性が低下しやすく、50eq/tを超える場合には耐湿熱性、熱安定性が不十分となりやすい。
更に、本発明のB成分である熱可塑性ポリエステル樹脂としては、バージン原料だけでなく、使用済みの製品から再生された熱可塑性ポリエステル樹脂、いわゆるマテリアルリサイクルされた熱可塑性ポリエステル樹脂の使用も可能である。使用済みの製品としては、容器、フィルム、シート、繊維等が主として挙げられるが、より好適なものはPETボトル等の容器である。また、再生熱可塑性ポリエステル樹脂としては、製品の不適合品、スプルー、ランナー等から得られた粉砕品またはそれらを溶融して得たペレット等も使用可能である。
[3]導電性カーボンブラック(C成分)
本発明は、C成分である導電性カーボンブラック(以下、「C成分」と略記することがある。)の水素含有量を低下させると共に、結晶サイズを小さくし、且つそのストラクチャーの指標値を大きくすることにより、これを配合した導電性熱可塑性樹脂組成物の流動性、面衝撃強度、導電性のバランスが向上し、更には滞留熱安定性を確保しうるという新規な知見に基づいて創案されたものであり、本発明で用いる導電性カーボンブラックは次の3条件を満足する必要がある。
(1) 24M4DBP吸収量が130cm/100g以上
(2) 1500℃、30分間加熱により発生した水素量(脱水素量)が1.2mg/g以下
(3) 結晶子サイズLcが10〜17Åの範囲
更に、本発明のB成分である導電性カーボンブラックは、次の条件を満足するのが好ましい。
(4) 窒素吸着比表面積が150〜300m/g
(5) ストークスモード径(Dmod)と24M4DBP吸収量との比(Dmod/24M4DBP)が0.6〜0.9
(6) 透過型電子顕微鏡による平均粒径が14〜24nm
(7) CTAB(セチルトリメチルアンモニウムブロマイド)吸着比表面積が120〜220m/g
(8) DBP吸収量が150〜400cm/100g
(9) 次式で定義される含酸素官能基密集度が3μmol/m以下
Figure 2006213766
(10) オイルファーネスカーボンブラック
なお、本発明に係る導電性カーボンブラックの特性評価法は次の通りである。
[24M4DBP吸収量、DBP吸収量]
24M4DBP吸収量およびDBP吸収量は、JIS K6217に準拠する(単位はcm/100g)。
[1500℃、30分間加熱により発生した水素量(脱水素量)]
脱水素量は、カーボンブラックを真空中で1500℃で30分間加熱し、この間に発生したガス中の水素量であり、具体的には次のようにして測定される。
1.カーボンブラックを約0.5g精秤し、アルミナ管に入れ、0.01Torr(1.
3Pa)まで減圧した後、減圧系を閉じ、1500℃の電気炉内に30分間保持して
カーボンブラックに存在する酸素化合物や水素化合物を分解・揮発させる。
2.揮発成分は定量吸引ポンプを通じて、一定容積のガス捕集管に採取する。
3.圧力と温度からガス量を求めるとともに、ガスクロマトグラフにて組成分析する。こ
れから水素(H)の発生量(mg)を求め、カーボンブラック1g当たりからの水
素量に換算した値を計算する(単位はmg/g)。
[結晶子サイズLc]
カーボンブラックの結晶子サイズLc(Å)は、X線回折装置を用い、次の式より求められる。
Scherrerの式:結晶子サイズLc=K×λ/β×cosθ
ここで、K:形状因子定数0.9
λ:特性X線の波長 CuKα 1.5418(Å)
β:半価幅(ラジアン)
θ:ピーク位置(度)
具体的な測定装置としては、X線回折装置 RINT−1500型(理学電機社製)を用い、測定条件は管球にCu、管電圧40KV、管電流250mAで実施した。カーボンブラック試料は装置付属の試料板に充填し、測定角度(2θ)10〜60°、測定速度0.5°/分で測定し、ピーク位置と半価幅は装置のシフトにより算出した。測定角度の校正は、X線標準用シリコンを用いた。
[窒素吸着比表面積]
窒素吸着比表面積(N2SA)は、JIS K6217に準拠して定義される(単位はm/g)。
[ストークスモード径(Dmod)およびストークスモード半値幅(D1/2)]
ストークスモード径(Dmod)およびストークスモード半値幅(D1/2)は、以下の測定法で求められる。
(測定法)
界面活性剤(SIGMA CHEMICAL社製「NONDET P−40」)を3滴加えた20容量%エタノール水溶液に、精秤したカーボンブラックを加えて、カーボンブラック濃度が0.01重量%の試料液を調製した。この試料液を超音波洗浄機(LAKOMANUFACTURNG CO.製「ULTRASONIC STIRRING BATH」)を用いて、20分間分散処理することにより、カーボンブラックスラリーとした。一方、遠心沈降式の粒度分布測定装置(BROOK HAVEN INSTRUMENTS社製「BI−DCP PARTICLSIZER」)にスピン液(純水)10ミリリットルを注入し、更にバッファー液(20容量%エタノール水溶液)1ミリリットルを注入した後、前記調製したカーボンブラックスラリー各1ミリリットルを注入し、回転数10000rpmで遠心沈降させ真比重1.78g/cmでストークス相当径を計算し、図1に示すように、ストークス相当径に対して相対的な発生頻度のヒストグラムを作る。ヒストグラムのピークAから直線BをY軸に平行に引き、ヒストグラムのX軸との交点をCとする。このときのCでのストークス直径が、ストークスモード径(Dmod)となる。また、直線Bの中点をFとして、Fを通りX軸に平行に直線Gを引く。直線Gは、ヒストグラムの分布曲線と2点DおよびEで交わる。このとき、DおよびEでの各ストークス直径の差の絶対値が、ストークスモード半値幅(D1/2)である。
[平均粒子径]
平均粒子径は、透過型電子顕微鏡を用い、具体的には次のようにして求めた。
1.カーボンブラック試料を150kHz、0.4kWの超音波分散機により、10分間
クロロホルムに分散させて分散試料を作成した。
2.次に、上記試料をカーボン補強した支持膜に振り掛けて固定する。これを透過型電子
顕微鏡で撮影し、50000〜200000倍に拡大した画像をEndterの装置
を用いてランダムに1000個以上のカーボンブラックの粒子径を測定し、その平均
値を平均粒子径とした。
[CTAB(セチルトリメチルアンモニウムブロマイド)吸着比表面積]
CTAB吸着比表面積は、JIS K6217に準拠して定義される(単位はm/g)。
[含酸素官能基密集度]
(1500℃×30分)CO発生量(以下、単に「CO発生量」と言う)および(1500℃×30分)CO発生量(以下、単に「CO発生量」と言う)は、各々カーボンブラックを真空中で1500℃で30分間加熱し、この間に発生したガス中のCOおよびCO量であり、具体的には次のようにして測定される。
(測定法)
カーボンブラックを約0.5g精秤し、アルミナ管に入れ、0.01Toor(1.3Pa)まで減圧した後、減圧系を閉じ、1500℃の電気炉内に30分間保持してカーボンブラック中に存在する酸素化合物や水素化合物を分解・揮発させる。揮発成分は定量吸引ポンプを通じて、一定容積のガス捕集管に採取する。圧力と温度からガス量を求めるとともに、ガスクロマトグラフにて組成分析する。これから一酸化炭素(CO)および二酸化炭素(CO)の発生量(mg)を求め、カーボンブラック1g当たりからのCOおよびCOに換算した値を計算する(単位はmg/g)。
更に、得られた各ガスの発生量をμmol/gに換算し、次の式により含酸素官能基密集度を求める。
Figure 2006213766
以下に本発明で用いる導電性カーボンブラックの特性値について説明する。
<24M4DBP吸収量>
一般にカーボンブラックは一次粒子が葡萄房状に連なった独特のストラクチャーと称される連鎖体よりなる二次粒子を形成している。この葡萄房状連鎖体の空隙部分等にDBP(ジブチルフタレート)が吸収されるので、24M4DBP吸収量や後述のDBP吸収量はカーボンブラックが有する重要な指標値である。
本発明に係る導電性カーボンブラックは、樹脂組成物の流動性、面衝撃強度、導電性のバランスを向上させるために、24M4DBP吸収量が130cm/100g以上、好ましくは140cm/100g以上、より好ましくは145cm/100g以上である。24M4DBP吸収量が130cm/100g未満では、導電性ネットワークを形成しにくくなり、樹脂組成物とした際に十分な導電性が得られない。ただし、24M4DBP吸収量が高すぎても、樹脂中での分散性が低下するとともに樹脂組成物の流動性、面衝撃強度が低下する場合があり、また生産時の炉の負荷が大きく、経済的でないので、260cm/100g以下が好ましく、より好ましくは200cm/100g以下、更に好ましくは160cm/100g以下である。
<1500℃、30分間加熱により発生した水素量(脱水素量)>
本発明では、導電性カーボンブラックの1500℃で30分間加熱により発生した水素量(以下、「脱水素量」と略す場合がある。)を1.2mg/g以下、好ましくは1.0mg/g以下、より好ましくは0.8mg/g以下にすることにより、樹脂組成物の導電性を高めることができる。脱水素量が1.2mg/gよりも多いと、カーボンブラック表面近傍の結晶発達が不十分で、カーボンブラック造粒、乾燥工程等で酸性官能基が表面に付加しやすくなり、樹脂組成物の導電性が悪くなる。更に、脱水素量が1.2mg/gよりも多いと、樹脂組成物の滞留熱安定性が十分でない場合がある。この滞留熱安定性の低下は、カーボンブラック表面近傍に付加した酸性官能基が樹脂を熱分解するためと推定される。脱水素量は、1.2mg/g以下であれば低い程好ましいが、一般的には工業的な経済性などの理由により、0.1mg/g以上とするのが好ましい。
<結晶子サイズLc>
本発明では、導電性カーボンブラックの結晶子サイズLcを10〜17Åの範囲、好ましくは11〜16Åの範囲とすることで、樹脂組成物の流動性、面衝撃強度、導電性のバランスを高めることができる。結晶子サイズが17Åを超えると、樹脂との混練時に結晶化したグラファイト層でカーボンブラックの切断が起こりやすくなり、ストラクチャーが短くなり、導電性が低下する。また、結晶子サイズが10Åより小さいと十分な導電性が得られない。
<24M4DBP吸収量、脱水素量および結晶子サイズLc>
本発明では、24M4DBP吸収量が130cm/100g以上、脱水素量が1.2mg/g以下、結晶子サイズLcが10〜17Åの範囲の(C)導電性カーボンブラックを(A)芳香族ポリカーボネート樹脂と(B)熱可塑性ポリエステル樹脂に配合することで、流動性、面衝撃強度、導電性のバランスに優れ、更に滞留熱安定性に優れた樹脂組成物を得ることができる。上記規定範囲外の導電性カーボンブラックでは、所望の導電性を得るためにはカーボンブラックの配合量が増え、それに伴い流動性や面衝撃強度が低下し、更に滞留熱安定性も悪化する。また、ケッチェンブラックに代表される24M4DBP吸収量の大きなカーボンブラックでは、所望の導電性を得るためのカーボンブラック配合量は少なくて済むが、流動性や面衝撃強度に劣り、脱水素量が大きいため樹脂組成物の滞留熱安定性は良くない。更に比表面積を大きくするための賦活化により細孔ができ、リン系化合物や酸化防止剤などの各種熱安定剤がカーボンブラックに吸着し易くなるために滞留熱安定性が悪化する場合もある。
<窒素吸着比表面積>
本発明に係る導電性カーボンブラックの窒素吸着比表面積は、大きいほど樹脂組成物の導電性を向上させるが、300m/gを超えると樹脂中への分散性の低下と共に、樹脂組成物の流動性や面衝撃強度が低下する場合がある。本発明では、導電性カーボンブラックの窒素吸着比表面積は、150〜300m/gの範囲が好ましく、より好ましくは200〜290m/gの範囲にすることで、樹脂組成物の流動性、面衝撃強度、導電性のバランスが優れたものとなる。
<ストークスモード径(Dmod)と24M4DBP吸収量との比(Dmod/24M4DBP)>
本発明に係る導電性カーボンブラックは、ストークスモード径(Dmod)と24M4DBP吸収量との比(Dmod/24M4DBP)が0.6〜0.9の範囲にあることが樹脂組成物とした際に流動性、面衝撃強度、導電性のバランスが優れることから好ましい。Dmod/24M4DBPが0.6より小さいと、樹脂組成物中での分散性低下や流動性低下が起こる場合があり、分散性が悪すぎると導電性が低下する場合もある。また、逆に0.9より大きいと、導電性と流動性、機械的強度のバランスが悪化する場合がある。
<平均粒子径>
樹脂組成物の導電性を更に向上させるために、透過型電子顕微鏡によるカーボンブラックの平均粒子径は14〜24nmが好ましく、より好ましくは15〜18nmである。平均粒子径が14nm未満では、カーボンブラックの分散性が低下し、24nmを超えても導電性が低下する。
<CTAB(セチルトリメチルアンモニウムブロマイド)吸着比表面積>
本発明では、導電性カーボンブラックのCTAB吸着比表面積を好ましくは120〜220m/gの範囲、より好ましくは150〜200m/gの範囲にすることにより、樹脂組成物の流動性、面衝撃強度、導電性のバランスを高めることができる。CTAB吸着比表面積が120m/gより小さいと導電性が低下する場合があり、220m/gより大き過ぎると樹脂組成物中での分散性や流動性、面衝撃強度が低下する場合があるのでいずれも好ましくない。
<DBP吸収量>
本発明では、DBP吸収量が150〜400cm/100gの範囲である導電性カーボンブラックが好ましく、より好ましくは150〜230cm/100gの範囲であり、更に好ましくは155〜210cm/100gの範囲である。DBP吸収量が150cm/100gよりも小さいと、樹脂組成物の流動性、面衝撃強度、導電性のバランスが悪く、逆にDBP吸収量が400cm/100gよりも大きいと流動性や面衝撃強度、樹脂組成物中での分散性が低下するのでいずれも好ましくない。
<含酸素官能基密集度>
本発明に係る導電性カーボンブラックは、含酸素官能基密集度が3μmol/m以下であることが好ましい。含酸素官能基密集度とは、カーボンブラック単位表面積当たりの官能基の数を示すものであるため、この数値は低いのが好ましい。この数値が高い場合には、カーボンブラックを含む樹脂組成物の導電性が低下する。なお、この数値は低いほど導電性の観点では好ましいが、あまりに低すぎると分散性が低下して導電性や流動性が却って悪化する恐れがあり、また脱水素量の場合と同様、工業的な経済性などの理由により不利である。従って、含酸素官能基密集度は0.1μmol/m以上とするのが好ましい。
<オイルファーネスカーボンブラック>
本発明に係る導電性カーボンブラックは、上記特性条件を満足するなら、その製造方法は任意であり、例えばオイルファーネス法やアセチレン法、賦活法などが挙げられるが、中でもオイルファーネス法は、安価に、且つ歩留まり良く製造できるので好ましい。
以下、オイルファーネス法によるカーボンブラックの製造法を説明する。
図2は本発明に係る導電性カーボンブラックの製造装置の一例を示す概略構成図である。
この装置は、オイルファーネス法によるカーボンブラック製造装置であって、燃料を燃焼して高温燃焼ガス流を発生させる第1反応帯域Aと、その下流に接続し、カーボンブラック原料を導入する導入ノズルを備えた第2反応帯域Bと、更にその下流に接続しカーボンブラック生成反応を停止させる為に炉内に冷却水等を供給するノズルを備えた第3反応帯域Cとを含む。
まず燃料導入ノズルFから燃料を噴霧状で導入し、これを燃焼用空気導入ノズルGからの燃焼用空気と混合して燃焼させ、高温燃焼ガス流を得る。燃焼ガス流の温度は、1300℃〜2000℃程度である。高温燃焼ガスの発生に用いる燃料は任意だが、例えば重油、軽油、ガソリン、灯油等の液体燃料や、天然ガス、プロパン、水素等の気体燃料が挙げられる。発生した高温燃焼ガス流は、徐々に収斂した形状の製造炉内を通過することによってガス流速が上昇し、炉内の乱流エネルギーが向上する。
第2反応帯域Bで導入されるカーボンブラック原料としては、例えばクレオソート油などの石炭系炭化水素やエチレンボトム油などの石油系炭化水素が挙げられる。カーボンブラック原料の導入位置や原料量を調節して、カーボンブラックの粒子径(一次粒子径)や粒子のつながり度合い(ストラクチャー)を調整することができる。
第2反応帯域Bで生成するカーボンブラックは、第3反応帯域Cにおいて冷却水等と接触させて急冷することにより、カーボンブラック生成反応が停止する。この後、一般的にはバッグフィルターやサイクロン等の捕集装置により、ガスとカーボンブラックを分離してカーボンブラックを得る。なお、得られたカーボンブラックは水等を造粒用媒体として用い、ピン式湿式造粒機等によって約1mm程度の粒にし、ついで回転式乾燥機で乾燥する工程を経ることが一般的である。
本発明に係る導電性カーボンブラック、すなわち24M4DBP吸油量が130cm/100g以上、脱水素量が1.2mg/g以下であり且つ、結晶子サイズLcが10〜17Åであるカーボンブラックを製造するためには、上述の第2帯域Bにおけるカーボンブラック原料導入ノズルD’の位置と、第3反応帯域Cにおける冷却水供給ノズルE’の位置とを調整して炉内におけるカーボンブラックの滞留時間を特定範囲とすることによって、上述した様にカーボンブラックの24M4DBP吸収量と比表面積を特定範囲の値とし、結晶子サイズLcを過大に大きくせず特定の小さな値として、且つカーボンブラック粒子表面の脱水素が進行した状態とすればよい。
本発明に係る導電性カーボンブラックを製造するためには、例えば、上記装置によるカーボンブラックの製造において、炉内温度と滞留時間を調節する。具体的には、炉内温度が1500℃〜2000℃、好ましくは1600℃〜1800℃、カーボンブラックの炉内滞留時間、すなわち原料導入点から反応停止位置までに要する時間が、40ミリ秒〜500ミリ秒、好ましくは50ミリ秒〜200ミリ秒とすればよい。また、炉内温度が1500℃を下回るような低温の場合には、炉内滞留時間が500ミリ秒を超えて5秒以下、好ましくは1秒〜3秒とすればよい。
本発明に係る導電性カーボンブラックは、特に脱水素量が少ないので、炉内での高温燃焼ガス流の温度を1700℃以上の高温とする方法や、カーボンブラック原料供給ノズルよりも下流側で更に炉内に酸素を導入してカーボンブラック表面の水素等を燃焼させ、この反応熱で高温下の滞留時間を長くすることが好ましい。この様な方法によって、カーボンブラックの表面近傍の結晶化とカーボンブラック内部の脱水素が効果的に行えるので好ましい。
[4]ゴム性重合体(D成分)
本発明の導電性熱可塑性樹脂組成物は、前記A成分、B成分、C成分を含有することが必須であるが、該樹脂組成物の耐衝撃性を改良する目的で、更にD成分としてゴム性重合体(以下、「D成分」と略記することがある。)を含有することが好ましい。
ここで、ゴム性重合体とは、ガラス転移温度が0℃以下、好ましくは−20℃以下であるゴム性重合体、または、必要に応じ該ゴム性重合体にこれと共重合可能な単量体成分とを共重合した重合体をいう。本発明に使用されるD成分のゴム性重合体は、一般にポリカーボネート樹脂組成物に配合されて、その機械的特性を改良し得るものであれば特に限定されるものではない。
ゴム性重合体としては、例えば、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ジエン系共重合体(スチレン・ブタジエン共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体、アクリル・ブタジエンゴム等)、エチレンとα−オレフィンとの共重合体(エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・ブテン共重合体、エチレン・オクテン共重合体等)、エチレンと不飽和カルボン酸エステルとの共重合体(エチレン・メタクリレート共重合体、エチレン・ブチルアクリレート共重合体等)、エチレンと脂肪族ビニル化合物との共重合体、エチレンとプロピレンと非共役ジエンとのターポリマー、アクリルゴム(ポリブチルアクリレート、ポリ(2−エチルヘキシルアクリレート)、ブチルアクリレート・2−エチルヘキシルアクリレート共重合体等)、シリコーン系ゴム(ポリオルガノシロキサンゴム;ポリオルガノシロキサンゴムとポリアルキル(メタ)アクリレートゴムとからなるIPN型複合ゴム等)等が挙げられる。これらは1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。なお、「(メタ)アクリレート」は「アクリレート」と「メタクリレート」を意味し、後述の「(メタ)アクリル酸」は「アクリル酸」と「メタクリル酸」を意味する。
かかるゴム性重合体に必要に応じ共重合される単量体成分としては、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物、(メタ)アクリル酸エステル化合物、(メタ)アクリル酸化合物等が好適に挙げられる。その他の単量体成分としては、グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル化合物;マレイミド、N−メチルマレイミド、N−フェニルマレイミド等のマレイミド化合物;マレイン酸、フタル酸、イタコン酸等のα,β−不飽和カルボン酸化合物およびそれらの無水物、例えば無水マレイン酸等を挙げることができる。これらの単量体成分についても、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
本発明の導電性熱可塑性樹脂組成物の耐衝撃性改良には、D成分のゴム性重合体としてはコア/シェル型グラフト共重合体タイプのものが好適である。なかでも、ブタジエン含有ゴム、ブチルアクリレート含有ゴム、シリコーン系ゴムから選ばれる少なくとも1種のゴム性重合体のコア層の周囲に、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、芳香族ビニル化合物から選ばれる少なくとも1種の単量体成分を共重合して形成されたシェル層からなるコア/シェル型グラフト共重合体が特に好ましい。より具体的には、メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン重合体(MBS)、メチルメタクリレート−アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン重合体(MABS)、メチルメタクリレート−ブタジエン重合体(MB)、メチルメタクリレート−アクリルゴム重合体(MA)、メチルメタクリレート−アクリルゴム−スチレン重合体(MAS)、メチルメタクリレート−アクリル・ブタジエンゴム共重合体、メチルメタクリレート−アクリル・ブタジエンゴム−スチレン共重合体、メチルメタクリレート−(アクリル・シリコーンIPN(interpenetrating polymer network)ゴム)重合体等を挙げることができる。
このようなゴム性重合体は、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
その他のゴム性重合体の具体例としては、ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロツク共重合体(SBS)、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン/プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン重合体(ABS)、アクリロニトリル−スチレン−アクリルゴム重合体(ASA)、アクリロニトリル−エチレンプロピレンゴム−スチレン重合体(AES)等を挙げることができる。
[5]リン系化合物(E成分)
本発明の導電性熱可塑性樹脂組成物は、前記A成分、B成分、C成分を含有することが必須であるが、該樹脂組成物の製造工程由来の導電性を安定化する目的で、更にE成分としてリン系化合物(以下、「E成分」と略記することがある。)を含有することができる。
リン系化合物として本発明で使用されるものは、一般にポリカーボネート樹脂組成物に配合されて、導電性安定化効果のあるものであればよく特に限定されるものではないが、下記一般式(I)で表されるリン酸エステルおよび/または下記一般式(II)で表される亜リン酸エステルが好ましく使用される。
O=P(OH)(OR)3−n …(I)
上記(I)式中、nは1および/または2の整数であり、Rはアルキル基またはアリール基であり、n=1の場合、式中に2個あるRはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。具体的には、炭素数1〜30程度のアルキル基またはフェニル基、ノニルフェニル基、ステアリルフェニル基、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル基、2,4−ジ−tert−ブチル−メチルフェニル基、トリル等が挙げられ、好ましくはRは炭素数2〜25のアルキル基である。
Figure 2006213766
上記(II)式中、R’はアルキル基またはアリール基であり、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。具体的には、炭素数1〜30程度のアルキル基またはフェニル基、ノニルフェニル基、ステアリルフェニル基、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル基、2,4−ジ−tert−ブチル−メチルフェニル基、トリル等が挙げられる。
上記一般式(II)を満たす亜リン酸エステルの好ましい具体例としては、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ジノニルペンタエリスリトールジホスファイト、ビスノニルフェニルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−イソプロピルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト等が挙げられる。好ましくは、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトが挙げられ、より好ましくは、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトが挙げられる。
これらのリン系化合物は、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
[6]無機フィラー(F成分)
本発明の導電性熱可塑性樹脂組成物は、前記A成分、B成分、C成分を含有することが必須であるが、該樹脂組成物の寸法安定性、耐熱性を改良する目的で、更にC成分以外の充填材として無機フィラー(以下、「F成分」と略記することがある。)を含有することができる。
無機フィラーの具体例を挙げれば、板状フィラーとしては、タルク等の珪酸マグネシウム、カオリン、マイカ、黒鉛、セリサイト、モンモリロナイト、板状炭酸カルシウム、板状アルミナ、ガラスフレーク等があり、針状フィラーとしては、ウォラストナイト等の珪酸カルシウム、モスハイジ、ゾノトライト、チタン酸カルシウム、硼酸アルミニウム、針状炭酸カルシウム、針状酸化チタン、テトラポット型酸化亜鉛等があり、繊維状フィラーとしては、ガラス繊維、炭素繊維等がある。これらの中で、物性バランスの点で好ましいのは、タルク、カオリン、マイカ、ガラスフレーク、ウォラストナイト、ガラス繊維、炭素繊維であり、特にタルク、ウォラストナイトが得られる成形品の表面外観に優れ好ましい。
なお、本発明で使用しうる無機フィラーの成分や形状等の詳細については、例えば「フィラー活用事典」(フィラー研究会編、大成社、1994)等に記載されている。
これら無機フィラーの平均粒子径としては、板状、針状フィラーの場合は、好ましくは0.1〜20μmであり、より好ましくは0.3〜15μmであり、更に好ましくは0.5〜10μmである。平均粒子径が0.1μm未満では補強効果が不充分となり易く、20μmを超えると成形品の表面外観に悪影響を与えやすいのでいずれも好ましくない。ここで平均粒子径とは、X線透過による液相沈降方式で測定されたD50をいう。このような測定ができる装置としては、Sedigraph粒子径分析器(Micromeritics Instruments社製「モデル5100」)を挙げることができる。
また、繊維状フィラーの平均繊維径としては、好ましくは1〜15μmであり、平均繊維径が1μm未満では補強効果が不充分となり易く、15μmを超えると製品外観に悪影響を与えやすいのでいずれも好ましくない。なお、繊維状フィラーの平均繊維径は、電子顕微鏡写真により容易に測定することができる。
上記無機フィラーは、無処理のままであってもよいが、樹脂成分との親和性を高めるため、または樹脂に対する劣化を押さえるために、無機表面処理剤、高級脂肪酸またはそのエステル塩等の誘導体、シランカップリング剤等による表面処理を行ってもよい。
このような無機フィラーは、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
[7]配合比率
本発明の導電性熱可塑性樹脂組成物において、これを構成するA成分〜C成分の配合比率は、
(A)芳香族ポリカーボネート樹脂(A成分):10〜90重量部
(B)熱可塑性ポリエステル樹脂(B成分):10〜90重量部
の合計100重量部に対して、
(C)導電性カーボンブラック(C成分):0.1〜20重量部
である。
A成分とB成分の含有比率は、A成分およびB成分の合計100重量部中、A成分は10〜90重量部、好ましくは50〜80重量部であり、B成分は10〜90重量部、好ましくは20〜50重量部である。A成分が10重量部未満では得られる樹脂組成物の面衝撃強度などの耐衝撃性や寸法安定性に劣り、90重量部を超えると流動性に劣り導電性も発現しにくくなる。
C成分の含有比率は、A成分とB成分の合計100重量部に対し、0.1〜20重量部、好ましくは0.5〜10重量部、より好ましくは1〜8重量部である。C成分が0.1重量部未満では樹脂組成物の導電性が不足し、C成分が20重量部を超えると樹脂組成物の流動性や耐衝撃性、外観が悪化する。
前述の如く、本発明の導電性熱可塑性樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲において耐衝撃性改良などの目的でゴム性重合体(D成分)を含んでもよい。D成分の含有量は、A成分とB成分の合計100重量部に対して、通常、0.5〜30重量部である。0.5重量部未満では期待される耐衝撃性改良効果が少なく、30重量部を超えると耐熱性、剛性が低下するおそれがある。
また、本発明の導電性熱可塑性樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲において導電性向上、安定化などの目的でリン系化合物(E成分)を含んでもよい。E成分の含有量は、A成分とB成分の合計100重量部に対して、好ましくは0.001〜1重量部で、より好ましくは0.01〜0.5重量部ある。E成分が0.001重量部未満でも1重量部を超えても、導電性向上、安定化効果に劣り、最適範囲が存在する。
本発明の導電性熱可塑性樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲において剛性向上や寸法安定化などの目的で無機フィラー(F成分)を含んでもよい。F成分の含有量としてはA成分とB成分の合計100重量部に対して、好ましくは0.5〜50重量部で、より好ましくは1〜40重量部である。0.5重量部未満では期待される剛性向上や寸法安定化効果が少なく、50重量部を超えると耐衝撃性や外観などが低下する。
[8]他の成分
本発明の導電性熱可塑性樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲において、他の樹脂を含んでいてもよい。他の樹脂としては、例えば、ポリスチレン、耐衝撃性ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体等のスチレン系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリメタクリレート樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂が挙げられる。これらの樹脂は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ただし、本発明においては、芳香族ポリカーボネート樹脂の優れた耐衝撃性、耐熱性、寸法安定性と、熱可塑性ポリエステル樹脂による耐薬品性、成形加工性の向上効果を十分に得るために、他の樹脂を含む場合、その含有量は、芳香族ポリカーボネート樹脂および熱可塑性ポリエステル樹脂の合計100重量部に対して、100重量部以下とすることが好ましい。
更に、本発明の導電性熱可塑性樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲において、上記成分以外に他の各種樹脂添加剤を含有するものであってもよい。各種樹脂添加剤としては、難燃剤、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、可塑剤、離型剤、滑剤、相溶化剤、発泡剤、染顔料等が挙げられ、これらの1種または2種以上を添加含有させることができる。
[9]導電性熱可塑性樹脂組成物の調製方法
本発明の導電性熱可塑性樹脂組成物の調製方法には特に制限はないが、工業的観点からは、溶融混練法が好ましい。溶融混練の代表的な方法として、熱可塑性樹脂について一般に実用されている溶融混練機の使用が挙げられる。例えば、一軸押出機、多軸押出機、バンバリーミキサー、ロール、ブラベンダープラストグラム等を用いる方法が挙げられ、溶融混練機で溶融混練した後、粒状化することにより、本発明の導電性熱可塑性樹脂組成物を得ることができる。
具体的な方法としては、A成分、B成分およびC成分、また必要な場合はD成分、E成分およびF成分を予め混合して、溶融混練機に一括投入し、溶融混練して樹脂組成物を得る方法がある。
組成物の導電性の点からは、C成分以外を予め混合して、溶融混練機の上流部分に一括投入して溶融混練し、続けて溶融混練機の中流以降の部分でC成分を投入して溶融混練させて樹脂組成物を得る方法がより好ましい。また、F成分が溶融混練により破壊しやすい無機フィラーであるときは、C成分およびF成分以外を上流部分に一括投入し、中流以降でC成分およびF成分を一括もしくは別々に添加する方法も、得られる樹脂組成物の導電性や機械物性の点から好ましい。
更に、C成分を予めA成分の少なくとも一部と溶融混練してなる中間組成物Y(以下「Y成分」と称す場合がある。)に、A成分の残部、B成分および必要ならばD成分、E成分、F成分をともに配合し、溶融混練して樹脂組成物を得る方法も、得られる樹脂組成物の導電性の点で好ましい方法である。この場合もF成分が溶融混練により破壊しやすい無機フィラーであるときは、F成分以外を上流部分に一括投入し、中流以降でF成分を添加する方法が得られる樹脂組成物の機械物性の面で好ましい。
また、上記溶融混練法によらずとも、適当な溶媒、例えば、ヘキサン、へプタン、べンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素、およびこれらの誘導体に、上記A成分〜C成分、また必要な場合はD成分、E成分およびF成分を添加し、溶解する成分同士または溶解する成分と不溶解成分を懸濁状態で混合する溶液混合法により、本発明の導電性熱可塑性樹脂組成物を調製することも可能である。
[10]導電性熱可塑性樹脂組成物の成形方法
本発明の導電性熱可塑性樹脂組成物から成形品を製造する方法は、特に限定されるものではなく、熱可塑性樹脂について一般に採用されている成形法、すなわち射出成形法、射出圧縮成形法、中空成形法、押出成形法、シート成形法、熱成形法、回転成形法、積層成形法、プレス成形法等を採用することができる。
以下に本発明を実施例によって詳しく説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、これらの範囲内に限定されるものではない。
実施例および比較例の各樹脂組成物を得るに当たり、次に示す原料を準備した。
<A成分>
PC−1:ビスフェノールA型芳香族ポリカーボネート(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製「ユーピロンS−3000FN」、粘度平均分子量22,500)
PC−2:ビスフェノールA型芳香族ポリカーボネート(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製「ユーピロンH−4000FN」、粘度平均分子量15,500)
<B成分>
PET−1:ポリエチレンテレフタレート樹脂(三菱化学(株)製「ノバペックスGG500」、温度30℃のフェノールとテトラクロロエタンとの1対1(重量比)混合液に1重量%の濃度に溶解して測定した固有粘度が0.76dl/g、末端カルボキシル基量15eq/t)
PET−2:ポリエチレンテレフタレート樹脂(三菱レイヨン(株)製「ダイヤナイトPA200D25」、温度30℃のフェノールとテトラクロロエタンとの1対1(重量比)混合液に1重量%の濃度に溶解して測定した固有粘度が1.09dl/g、末端カルボキシル基量14eq/t)
PBT−1:ポリブチレンテレフタレート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製「ノバデュラン5010」、温度30℃のフェノールとテトラクロロエタンとの1対1(重量比)混合液に1重量%の濃度に溶解して測定した固有粘度が1.09dl/g、末端カルボキシル基量53eq/t)
<C成分>
実施例用導電性カーボンブラック:
図2に示すカーボンブラック製造装置を用い、表1に示す製造条件、および原料油導入位置距離Dや反応停止位置距離E等の炉内装置条件下、カーボンブラック原料油としてクレオソート油、高温燃焼ガス流の燃料として重油を用い、表1に示す導電性カーボンブラックCB1,CB2を製造した。なお、図2中の炉内寸法D1〜D3、L1、D2’は以下の通りとし、第2反応帯域Bでの炉内温度は1750℃とした。
D1=1100mmφ
D2=175mmφ
D3=400mmφ
L1=3300mm
D2’=190mmφ
得られた導電性カーボンブラックの物性を表1に示す。
Figure 2006213766
<Y成分>
PC−1/CB2:
二軸押出機(日本製鋼所製「TEX44」L/D=42、バレル数12)を用いて、シリンダー温度280℃、スクリュー回転数300rpmの条件にて、バレル1より上記PC−1の85重量部を押出機にフィードして溶融混練し、更にバレル7より上記CB2の15重量部を押出機にフィードして溶融混練させてマスターバッチ(以下、「PC−1/CB2」と略す。)を作成した。
<C成分以外>
比較例用導電性カーボンブラック:
比較として、表2に示す市販されている導電性カーボンブラックCB3〜CB8を用いた。
Figure 2006213766
<D成分>
ゴム性重合体:ポリブタジエン(コア)/アクリル酸アルキル・メタクリル酸アルキル共重合物(シェル)からなるコア/シェル型グラフト共重合体(ローム・アンド・ハース・ジャパン(株)製「EXL2603」)
<E成分>
リン系化合物:化学式:O=P(OH)(OC18373−n (n=1および2の混合物)(旭電化工業(株)製「アデカスタブAX−71」)
<F成分>
タルク:圧縮タルク(林化成(株)製「UPN HST0.5」一次(圧縮前)平均粒子径2.7μm)
[組成物の調製]
(1)実施例1、2、4〜10および比較例1〜6(途中F:途中フィード法)
A成分、B成分、またD成分、E成分、F成分を添加する場合はD成分、E成分およびF成分を表3および表4に示す割合にてタンブラーミキサーで均一に混合した後、二軸押出機(日本製鋼所製「TEX30XCT」L/D=42、バレル数12)を用いて、シリンダー温度260℃、スクリュー回転数200rpmにてバレル1より押出機にフィードして溶融混練し、更にバレル7よりC成分を表3および表4に示す割合にて押出機に途中フィードして溶融混練することにより樹脂組成物のペレットを作製した。
(2)実施例3(MB:マスターバッチ法)
A成分、B成分、Y成分を表3に示す割合にてタンブラーミキサーで均一に混合した後、二軸押出機(日本製鋼所製「TEX30XCT」L/D=42、バレル数12)を用いて、シリンダー温度260℃、スクリュー回転数200rpmにてバレル1より押出機にフィードして溶融混練することにより樹脂組成物のペレットを作製した。
[試験片の作製]
上記の方法で得られたペレットを、120℃で4時間以上乾燥した後、射出成形機(東芝IS150)を用い、シリンダー温度280℃、金型温度80℃の条件で射出成形して、ASTM試験片および100mmφ円盤状成形品(厚さ3mm)を作製した。円盤状成形品については、通常成形は1サイクル1分で成形を行い、滞留成形は1サイクル5分で成形を行い、それぞれ5ショット目以降の滞留成形品について評価を行った。
[評価方法]
(1)流動性(Q値)
高荷式フローテスターを用いて、280℃、荷重160kgf/cmの条件下で組成物の単位時間当たりの流出量Q値(単位:cc/s)を測定し、流動性を評価した。なお、オリフィスは直径1mm×長さ10mmのものを使用した。Q値が高いほど、流動性に優れている。
(2)耐衝撃性
a.面衝撃強度
100mmφ円盤状成形品(通常成形品)について、ハイレート衝撃試験機(島津製作所製)を用いて、ポンチ径1/2インチ、サポート径3インチ、打ち抜き速度1m/sにて打ち抜き、衝撃試験を行った。面衝撃強度(破壊エネルギー、単位:J)が大きい程、耐衝撃性に優れている。
b.Izod衝撃強度
ASTM D256に準拠して、厚み3.2mmのノッチ付き試験片を用いて、23℃においてIzod衝撃強度(単位:J/m)を測定した。
(3)寸法安定性(線膨張係数)
ASTM D696に準拠して線膨張係数(単位:K−1)を測定した。ただし、測定温度範囲は23〜80℃とした。
(4)導電性(体積抵抗率)
ASTM2号ダンベル試験片(厚さ3.2mm)の平行部分を長さ50mmとなるように両端を切断し、切断により生じた両端面に銀ペーストを全面塗布し、室温で乾燥した後に、テスターで該両端面間の抵抗値(RL:単位Ω)を測定し、体積抵抗率R(単位:Ωcm)を、次式より算出した。
R=RL×AL/L
(式中、ALは、試験片の断面積(単位:cm)を、Lは、試験片の長さ(単位:cm)を意味する。)
(5)滞留熱安定性
上記円盤状成形品(滞留成形品)の表面外観を目視にて観察し、シルバーストリークによる肌荒れのないものを○、シルバーストリークによる肌荒れのあるものを×、として評価した。
これらの評価結果を表3,4に示す。
Figure 2006213766
Figure 2006213766
[実施例、比較例の考察]
実施例、比較例ともに導電性が同等になるような添加量で各カーボンブラックを配合して比較した結果、以下のことがいえる。
(1)実施例1〜10の組成物は、C成分が本発明の規定の範囲内であり、流動性、面衝撃強度、導電性のバランスに優れ、且つ滞留熱安定性にも優れている。
(2)比較例1〜6の組成物は、C成分が本発明の規定範囲からはずれるため、実施例1〜10の組成物と比較して流動性、面衝撃強度に劣る、つまり流動性、面衝撃強度、導電性のバランスに劣る。
(3)比較例1〜6の組成物は、C成分が本発明の規定範囲からはずれるため、実施例1〜10の組成物と比較して滞留熱安定性にも劣る。
ストークスモード径(Dmod)およびストークスモード半値幅(Dmod)の説明グラフである。 カーボンブラック製造装置の概略構成図である。
符号の説明
A 第1反応帯域
B 第2反応帯域
C 第3反応帯域
D カーボンブラック原料導入位置距離
D’ カーボンブラック原料導入ノズル
E 反応停止位置距離
E’ 冷却水供給ノズル
F 燃料導入ノズル
G 燃料用空気導入ノズル

Claims (16)

  1. (A)芳香族ポリカーボネート樹脂(A成分) 10〜90重量部、および
    (B)熱可塑性ポリエステル樹脂(B成分) 10〜90重量部
    の合計100重量部に対して、
    (C)導電性カーボンブラック(C成分)を0.1〜20重量部含有してなる樹脂組成物であって、前記導電性カーボンブラック(C成分)が次の(1)〜(3)の特性を全て満足することを特徴とする導電性熱可塑性樹脂組成物。
    (1) 24M4DBP吸収量が130cm/100g以上
    (2) 1500℃、30分間加熱により発生した水素量(脱水素量)が1.2mg/g以下
    (3) 結晶子サイズLcが10〜17Åの範囲
  2. 導電性カーボンブラック(C成分)の窒素吸着比表面積が、150〜300m/gの範囲であることを特徴とする請求項1記載の導電性熱可塑性樹脂組成物。
  3. 導電性カーボンブラック(C成分)のストークスモード径(Dmod)と24M4DBP吸収量との比(Dmod/24M4DBP)が、0.6〜0.9の範囲であることを特徴とする請求項1または2に記載の導電性熱可塑性樹脂組成物。
  4. 導電性カーボンブラック(C成分)の透過型電子顕微鏡による平均粒子径が、14〜24nmの範囲であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の導電性熱可塑性樹脂組成物。
  5. 導電性カーボンブラック(C成分)のCTAB(セチルトリメチルアンモニウムブロマイド)吸着比表面積が、120〜220m/gの範囲であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の導電性熱可塑性樹脂組成物。
  6. 導電性カーボンブラック(C成分)のDBP吸収量が、150〜400cm/100gの範囲であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の導電性熱可塑性樹脂組成物。
  7. 導電性カーボンブラック(C成分)の次式で定義される含酸素官能基密集度が、3μmol/m以下であることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の導電性熱可塑性樹脂組成物。
    Figure 2006213766
  8. 導電性カーボンブラック(C成分)が、オイルファーネスカーボンブラックであることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の導電性熱可塑性樹脂組成物。
  9. 芳香族ポリカーボネート樹脂(A成分)と熱可塑性ポリエステル樹脂(B成分)の合計100重量部に対して、A成分が50〜80重量部、B成分が20〜50重量部であることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の導電性熱可塑性樹脂組成物。
  10. 芳香族ポリカーボネート樹脂(A成分)と熱可塑性ポリエステル樹脂(B成分)の合計100重量部に対して、導電性カーボンブラック(C成分)を0.5〜10重量部含有してなることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載の導電性熱可塑性樹脂組成物。
  11. 熱可塑性ポリエステル樹脂(B成分)が、ポリエチレンテレフタレート樹脂であることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1項に記載の導電性熱可塑性樹脂組成物。
  12. (D)ゴム性重合体(D成分)を、芳香族ポリカーボネート樹脂(A成分)と熱可塑性ポリエステル樹脂(B成分)の合計100重量部に対して0.5〜30重量部含有してなることを特徴とする請求項1ないし11のいずれか1項に記載の導電性熱可塑性樹脂組成物。
  13. (E)下記一般式(I)で表されるリン酸エステル、および下記一般式(II)で表される亜リン酸エステルからなる群より選ばれた少なくとも1種であるリン系化合物(E成分)を、芳香族ポリカーボネート樹脂(A成分)と熱可塑性ポリエステル樹脂(B成分)の合計100重量部に対して0.001〜1重量部含有してなることを特徴とする請求項1ないし12のいずれか1項に記載の導電性熱可塑性樹脂組成物。
    O=P(OH)(OR)3−n …(I)
    (式中、nは1および/または2の整数、Rはアルキル基またはアリール基であり、n=1の場合、Rはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。)
    Figure 2006213766
    (式中、R’はアルキル基またはアリール基であり、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。)
  14. (F)無機フィラー(F成分)を、芳香族ポリカーボネート樹脂(A成分)と熱可塑性ポリエステル樹脂(B成分)の合計100重量部に対して0.5〜50重量部含有してなることを特徴とする請求項1ないし13のいずれか1項に記載の導電性熱可塑性樹脂組成物。
  15. 組成物が、予めA成分およびB成分更に必要に応じD成分、E成分、F成分を溶融混練し、その溶融混練物にC成分を配合し溶融混練して得られたものであることを特徴とする請求項1ないし14のいずれか1項に記載の導電性熱可塑性樹脂組成物。
  16. 組成物が、A成分の一部または全量とC成分を予め溶融混練した中間組成物Yを製造し、A成分の残部とB成分更に必要に応じD成分、E成分、F成分と共に中間組成物Yを溶融混練して得られたものであることを特徴とする請求項1ないし14のいずれか1項に記載の導電性熱可塑性樹脂組成物。
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