JP2009001620A - 熱可塑性樹脂組成物および樹脂成形品 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物および樹脂成形品 Download PDF

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Abstract

【課題】流動性、耐熱性、耐衝撃性、滞留熱安定性、耐薬品性、耐湿熱性についてバランス良く優れた、熱可塑性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 芳香族ポリカーボネート樹脂(A成分)40〜99重量%と、アンチモン系化合物を重合触媒として用いて製造されたポリエチレンテレフタレート樹脂(B成分)1〜60重量%と(ただし、A成分とB成分の合計は100重量%)、特定の有機リン酸エステル化合物(C成分)0.001〜3重量部とから成る熱可塑性樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、芳香族ポリカーボネート樹脂とポリエチレンテレフタレート樹脂および有機リン酸エステル化合物から成る熱可塑性樹脂組成物に関し、詳しくは、流動性、耐熱性、耐衝撃性、滞留熱安定性、耐薬品性、耐湿熱性についてバランス良く優れた熱可塑性樹脂組成物、およびこれを成形して成る樹脂成形品に関する。
芳香族ポリカーボネート樹脂は、汎用エンジニアリングプラスチックとして透明性、耐衝撃性、耐熱性、寸法安定性などに優れ、その優れた特性から、電気・電子・OA機器部品、機械部品、車輌用部品などの幅広い分野で使用されている。更に、芳香族ポリカーボネート樹脂とポリエステル樹脂から成るポリマーアロイは、芳香族ポリカーボネート樹脂の上記の優れた特長を活かしつつ、芳香族ポリカーボネート樹脂の欠点である耐薬品性や成形加工性(流動性)が改良された材料であり、車輌内装・外装部品、各種ハウジング部材やその他幅広い分野で使用されている。特に、車輌部品に用いられる際は、より高いレベルで外観品質(光沢など)や耐薬品性、耐湿熱性が要求され、かつ、諸物性についてバランス良く優れた材料が必要とされている。
また、芳香族ポリカーボネート樹脂とポリエステル樹脂から成るポリマーアロイは、押出機による溶融混練時や射出成形機内で滞留中に、過度の加熱によりエステル交換反応が過剰に進行し、成形品の外観品質や耐熱性が低下するという問題があり、より滞留熱安定性に優れた材料が求められていた。
上記の滞留熱安定性を解決する手段として、芳香族ポリカーボネート樹脂とゲルマニウム系重合触媒の存在下に製造されたポリエステル樹脂とから成る滞留熱安定性に優れた樹脂組成物(特許文献1、2参照)が提案され、ポリエステル樹脂の製造に用いられた重合触媒が樹脂組成物の滞留熱安定性に大きく影響することが記載されている。しかしながら、芳香族ポリカーボネート樹脂とゲルマニウム系重合触媒の存在下に製造されたポリエステル樹脂からなるポリマーアロイは、耐薬品性や耐湿熱性などにおいて必ずしも満足できるものではなかった。更に、ゲルマニウム系重合触媒の存在下に製造されたポリエステル樹脂は、最も広くかつ一般的に用いられている三酸化アンチモンのごときアンチモン系化合物を重合触媒として用い製造されたポリエステル樹脂と比べ、入手のし易さや価格面での課題もあった。
一方、芳香族ポリカーボネート樹脂とポリエステル樹脂とのポリマーアロイに特定の有機リン酸エステル化合物を配合した樹脂組成物が提案されている(特許文献3〜6)。しかしながら、上記特許文献は、芳香族ポリカーボネート樹脂とアンチモン系化合物を重合触媒として用いて製造されたポリエチレンテレフタレート樹脂とからなる流動性、耐熱性、耐衝撃性、滞留熱安定性、耐薬品性、耐湿熱性についてバランス良く優れた熱可塑性樹脂組成物を開示するものではなかった。
特開昭51−102043号公報 特開平9−143358号公報 特開平3−97752号公報 特開昭54−40854号公報 特開昭54−58754号公報 特開2007−77208号公報
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、その目的は、上記従来技術の諸欠点を解消し、流動性、耐熱性、耐衝撃性、滞留熱安定性、耐薬品性、耐湿熱性についてバランス良く優れた、熱可塑性樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、芳香族ポリカーボネート樹脂とアンチモン系化合物を重合触媒として用いて製造されたポリエチレンレフタレート樹脂とのポリマーアロイにおいて、特定の有機リン酸エステル化合物を含有することによって、流動性、耐熱性、耐衝撃性、滞留熱安定性、耐薬品性、耐湿熱性などの諸樹脂物性についてバランス良く優れた熱可塑性樹脂組成物(以下、単に「樹脂組成物」ということがある。)となることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の要旨は、芳香族ポリカーボネート樹脂(A成分)40〜99重量%と、アンチモン系化合物を重合触媒として用いて製造されたポリエチレンテレフタレート樹脂(B成分)1〜60重量%と(ただし、A成分とB成分の合計は100重量%)、下記一般式(1)、(2)、(3)、(4)及び(5)で表される有機リン酸エステル化合物から成る群より選ばれた少なくとも一種である有機リン酸エステル化合物(C成分)0.001〜3重量部とから成る熱可塑性樹脂組成物に存する。
Figure 2009001620
一般式(1)中、R〜Rはアルキル基またはアリール基であり、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。Mはアルカリ土類金属および亜鉛より選ばれる金属を表す。
Figure 2009001620
一般式(2)中、Rはアルキル基またはアリール基であり、Mはアルカリ土類金属および亜鉛より選ばれる金属を表す。
Figure 2009001620
一般式(3)中、R〜R11はアルキル基またはアリール基であり、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。M’は3価の金属イオンとなる金属原子を表す。
Figure 2009001620
一般式(4)中、R12〜R14は、アルキル基またはアリール基であり、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。M’は3価の金属イオンとなる金属原子を表し、2つのM’はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
Figure 2009001620
一般式(5)中、Rはアルキル基またはアリール基であり、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。nは0〜2の整数を表す。
本発明の第2の要旨は、上記の熱可塑性樹脂組成物を成形して成る樹脂成形品に存する。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、流動性、耐熱性、耐衝撃性、滞留熱安定性、耐薬品性、耐湿熱性の諸物性を同時に満たす、物性バランスの優れた樹脂組成物である。
このような特長を有する本発明の熱可塑性樹脂組成物は、幅広い分野に使用することが可能であり、電気・電子機器部品、OA機器、機械部品、車輌部品、建築部材、各種容器、レジャー用品・雑貨類などの各種用途に有用であり、特に車輌外装・外板部品、車輌内装部品への適用が期待できる。
車輌外装・外板部品としては、アウタードアハンドル、バンパー、フェンダー、ドアパネル、トランクリッド、フロントパネル、リアパネル、ルーフパネル、ボンネット、ピラー、サイドモール、ガーニッシュ、ホイールキャップ、フードバルジ、フューエルリッド、各種スポイラー、モーターバイクのカウルなどが挙げられる。
車輌内装部品としては、インナードアハンドル、センターパネル、インストルメンタルパネル、コンソールボックス、ラゲッジフロアボード、カーナビゲーションなどのディスプレイハウジングなどが挙げられる。
以下、本発明を更に詳細に説明する。尚、本願明細書において「〜」とは、その前後に記載される数値を下限値および上限値として含むことを意味し、また各種化合物が有する「基」は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、置換基を有していてもよいことを含む。
[1]芳香族ポリカーボネート樹脂(A成分):
本発明に用いる芳香族ポリカーボネート樹脂(以下、「A成分」と略記することがある。)とは、原料として、芳香族ジヒドロキシ化合物とカーボネート前駆体とを使用し、または、これらに併せて少量のポリヒドロキシ化合物を使用して得られ、直鎖または分岐の熱可塑性の重合体または共重合体である。
上記の芳香族ジヒドロキシ化合物としては、例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(=ビスフェノールA)、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(=テトラブロモビスフェノールA)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1−トリクロロプロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサクロロプロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン等のビス(ヒドロキシアリール)アルカン類が挙げられる。
また、上記以外の芳香族ジヒドロキシ化合物としては、例えば、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等で例示されるビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類;9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン等で例示されるカルド構造含有ビスフェノール類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルエーテル等で例示されるジヒドロキシジアリールエーテル類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルフィド等で例示されるジヒドロキシジアリールスルフィド類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホキシド等で例示されるジヒドロキシジアリールスルホキシド類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホン等で例示されるジヒドロキシジアリールスルホン類;ハイドロキノン、レゾルシン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル等が挙げられる。
上記の中では、ビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン類が好ましく、特に耐衝撃性の点から、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン[=ビスフェノールA]が好ましい。芳香族ジヒドロキシ化合物は2種類以上を併用してもよい。
前記のカーボネート前駆体としては、例えば、カルボニルハライド、カーボネートエステル、ハロホルメート等が挙げられ、その具体例としては、ホスゲン;ジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネート等のジアリールカーボネート類;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のジアルキルカーボネート類;二価フェノールのジハロホルメート等が挙げられる。これらのカーボネート前駆体は2種類以上を併用してもよい。
また、本発明で使用する芳香族ポリカーボネート樹脂は、三官能以上の多官能性芳香族化合物を共重合した、分岐芳香族ポリカーボネート樹脂であってもよい。三官能以上の多官能性芳香族化合物としては、例えば、フロログルシン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−2、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、2,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−3、1,3,5−トリ(4−ヒドロキシフェニル)べンゼン、1,1,1−トリ(4−ヒドロキシフェニル)エタン等のポリヒドロキシ化合物類の他、3,3−ビス(4−ヒドロキシアリール)オキシインドール(=イサチンビスフェノール)、5−クロロイサチン、5,7−ジクロロイサチン、5−ブロムイサチン等が挙げられる。これらの中では、1,1,1−トリ(4−ヒドロキシフェニル)エタンが好ましい。多官能性芳香族化合物は、前記の芳香族ジヒドロキシ化合物の一部を置換して使用することが出来、その使用量は、芳香族ジヒドロキシ化合物に対し、通常0.01〜10モル%、好ましくは0.1〜2モル%である。
芳香族ポリカーボネート樹脂の製造方法としては、例えば、界面重合法、溶融エステル交換法、ピリジン法、環状カーボネート化合物の開環重合法、プレポリマーの固相エステル交換法などが挙げられる。工業的には、界面重合法または溶融エステル交換法が有利であり、以下、この二つの方法の代表例について説明する。
界面重合法による反応は、例えば、次の様に行うことが出来る。先ず、反応に不活性な有機溶媒とアルカリ水溶液の存在下、通常pHを9以上に保ち、芳香族ジヒドロキシ化合物とホスゲンとを反応させる。この際、必要に応じ、反応系内に分子量調整剤(末端停止剤)や芳香族ジヒドロキシ化合物の酸化防止剤を存在させることが出来る。次いで、第三級アミン、第四級アンモニウム塩などの重合触媒を添加し、界面重合を行う。
反応に不活性な有機溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の塩素化炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素などが挙げられる。また、アルカリ水溶液の調製に使用するアルカリ化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物が挙げられる。
分子量調節剤としては、一価のフェノール性水酸基を有する化合物が挙げられ、その具体例としては、m−メチルフェノール、p−メチルフェノール、m−プロピルフェノール、p−プロピルフェノール、p−tert−ブチルフェノール、p−長鎖アルキル置換フェノール等が挙げられる。分子量調節剤の使用量は、芳香族ジヒドロキシ化合物100モルに対し、通常0.5〜50モル、好ましくは好ましくは1〜30モルである。
重合触媒としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリプロピルアミン、トリヘキシルアミン、ピリジン等の第三級アミン類;トリメチルベンジルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムクロライド、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド等の第四級アンモニウム塩などが挙げられる。
ホスゲン化反応の温度は通常0〜40℃、反応時間は数分(例えば10分)ないし数時間(例えば6時間)である。また、分子量調節剤の添加時期は、ホスゲン化反応以降、重合反応開始時迄の間において、適宜に選択することが出来る。
溶融エステル交換法による反応は、例えば、炭酸ジエステルと芳香族ジヒドロキシ化合物とのエステル交換反応により行う。炭酸ジエステルとしては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ−tert−ブチルカーボネート等の炭酸ジアルキル化合物、ジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネート等の置換ジフェニルカーボネート等が挙げられる。これらの中では、ジフェニルカーボネート又は置換ジフェニルカーボネートが好ましく、特にジフェニルカーボネートが好ましい。
一般に、溶融エステル交換法においてはエステル交換触媒が使用される。エステル交換触媒は、特に制限はないが、アルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物が好ましい。また、補助的に、塩基性ホウ素化合物、塩基性リン化合物、塩基性アンモニウム化合物またはアミン系化合物などの塩基性化合物を併用してもよい。エステル交換反応の温度は通常100〜320℃である。そして、引き続き行われる溶融重縮合反応は、最終的には2mmHg以下の減圧下において、芳香族ヒドロキシ化合物などの副生成物を除去しながら行われる。
溶融重縮合は、バッチ式または連続式の何れの方法でも行うことが出来るが、連続式で行うことが好ましい。溶融エステル交換法に使用する触媒失活剤としては、当該エステル交換反応触媒を中和する化合物、例えばイオウ含有酸性化合物またはそれより形成される誘導体を使用することが好ましい。触媒失活剤の使用量(添加量)は、当該触媒が含有するアルカリ金属に対し、通常0.5〜10当量、好ましくは1〜5当量であり、ポリカーボネートに対し、通常1〜100ppm、好ましくは1〜20ppmである。
また、樹脂の熱安定性、加水分解安定性、色調などに大きな影響を及ぼす芳香族ポリカーボネート樹脂の末端水酸基量は、従来公知の任意の方法によって適宜調整することが出来る。溶融エステル交換法の場合は、炭酸ジエステルと芳香族ジヒドロキシ化合物との混合比率や溶融重縮合反応時の減圧度を調整することにより、所望の分子量および末端水酸基量の芳香族ポリカーボネートを得ることが出来る。溶融エステル交換法の場合は、芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対する、炭酸ジエステルの割合は、通常、等モル量以上、好ましくは1.01〜1.30モルである。末端水酸基量の積極的な調整方法としては、反応時に、別途、末端停止剤を添加する方法が挙げられる。末端停止剤としては、例えば、一価フェノール類、一価カルボン酸類、炭酸ジエステル類が挙げられる。
本発明に使用する芳香族ポリカーボネート樹脂の分子量は、溶液粘度から換算した粘度平均分子量[Mv]として、機械的強度と流動性(成形加工性容易性)の観点から、通常10,000〜50,000、好ましくは12,000〜40,000であり、更に好ましくは14,000〜35,000であり、特に好ましくは16,000〜32,000である。また、粘度平均分子量の異なる2種類以上の芳香族ポリカーボネート樹脂を混合してもよい。更に、必要に応じ、粘度平均分子量が上記の適範囲外である芳香族ポリカーボネート樹脂を混合してもよい。
ここで、粘度平均分子量[Mv]とは、溶媒としてメチレンクロライドを使用し、ウベローデ粘度計を使用し、温度20℃での極限粘度[η](単位dl/g)を求め、Schnellの粘度式:η=1.23×10−4M0.83の式から算出される値を意味する。ここで極限粘度[η]とは各溶液濃度[C](g/dl)での比粘度[ηsp]を測定し、下記式により算出した値である。
Figure 2009001620
本発明に用いる芳香族ポリカーボネート樹脂の末端水酸基濃度は、通常1000ppm以下であり、中でも700ppm以下、更には400ppm以下、特に300ppm以下であることが好ましい。またその下限は、10ppm以上、中でも20ppm以上、更には30ppm以上、特に40ppm以上であることが好ましい。末端水酸基濃度を10ppm以上とすることで、分子量の低下が抑制でき、樹脂組成物の機械的特性がより向上する傾向にある。また末端基水酸基濃度を1000ppm以下にすることで、樹脂組成物の耐熱性、滞留熱安定性が、より向上する傾向にあるので好ましい。
なお、末端水酸基濃度の単位は、芳香族ポリカーボネート樹脂重量に対する、末端水酸基の重量をppmで表示したものであり、測定方法は、四塩化チタン/酢酸法による比色定量(Macromol.Chem.88 215(1965)に記載の方法)である。
また、本発明に使用する芳香族ポリカーボネート樹脂は、成形品外観の向上や流動性の向上を図るため、芳香族ポリカーボネートオリゴマーを含有していてもよい。この芳香族ポリカーボネートオリゴマーの粘度平均分子量[Mv]は、通常1,500〜9,500、好ましくは2,000〜9,000である。芳香族ポリカーボネートオリゴマーの使用量は、芳香族ポリカーボネート樹脂に対し、通常30重量%以下である。
更に、本発明においては、芳香族ポリカーボネート樹脂として、バージン樹脂だけでなく、使用済みの製品から再生された芳香族ポリカーボネート樹脂、所謂マテリアルリサイクルされた芳香族ポリカーボネート樹脂を使用してもよい。使用済みの製品としては、例えば、光学ディスク等の光記録媒体、導光板、自動車窓ガラス・自動車ヘッドランプレンズ・風防などの車両透明部材、水ボトル等の容器、メガネレンズ、防音壁・ガラス窓・波板などの建築部材が挙げられる。また、製品の不適合品、スプルー、ランナー等から得られた粉砕品またはそれらを溶融して得たペレット等も使用可能である。再生された芳香族ポリカーボネート樹脂の使用割合は、バージン樹脂に対し、通常80重量%以下、好ましくは50重量%以下である。
[2]ポリエチレンテレフタレート樹脂(B成分):
本発明に用いるポリエチレンテレフタレート樹脂(以下、「B成分」と略記することがある。)とは、テレフタル酸単位およびエチレングリコール単位がエステル結合した構造を有するポリエステルであり、ジカルボン酸単位の50モル%以上がテレフタル酸単位から成り、ジオール単位の50モル%以上がエチレングリコール単位から成るアンチモン系化合物を重合触媒として用いて製造された重合体である。そして、エチレンテレフタレート単位が構成繰り返し単位の80モル%以上を占めるのが好ましく、90モル%以上を占めるのが更に好ましい。エチレンテレフタレート単位が80モル%未満では、ポリエチレンテレフタレート樹脂としての機械的性質や耐熱性などが劣る。
本発明のポリエチレンテレフタレート樹脂の製造方法は任意であるが、アンチモン系化合物の重合触媒の存在下に、加熱しながらジカルボン酸成分とジオ−ル成分とを反応させ、副生する水または低級アルコ−ルを系外に排出することにより行われる。ここで、この縮合反応はバッチ式、連続式のいずれの重合方法で行ってもよく、固相重合により重合度を上げてもよい。
本発明で使用するポリエチレンテレフタレート樹脂において、共重合させることが出来るテレフタル酸以外のジカルボン酸成分は、特に制限されず、従来公知の任意のものを使用でき、また、その含有量は、ジカルボン酸成分中の割合として、通常20モル%以下、好ましくは15モル%以下、更に好ましくは10モル%以下である。
テレフタル酸以外のジカルボン酸成分として、例えば、テレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、脂環式ジカルボン酸およびこれらのエステル形成性誘導体などが挙げられる。具体的には、フタル酸、イソフタル酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’−ベンゾフェノンジカルボン酸、4,4’−ジフェノキシエタンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸;1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸;マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸などが挙げられる。これらのジカルボン酸成分は、ジカルボン酸として、または、ジカルボン酸エステル、ジカルボン酸ハライド等のジカルボン酸誘導体として、ポリマー骨格に導入できる。
本発明で使用するポリエチレンテレフタレート樹脂において、共重合させることが出来るエチレングリコール以外のジオール成分は、特に限定されず従来公知の任意のものを使用でき、その含有量は、ジオール成分中の割合として、通常20モル%以下、好ましくは15モル%以下、更に好ましくは10モル%以下である。
エチレングリコール以外のジオール成分としては、例えば、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ジブチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール等の脂肪族ジオール;1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,1−シクロヘキサンジメチロール、1,4−シクロヘキサンジメチロール等の脂環式ジオール;キシリレングリコール、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン等の芳香族ジオール等が挙げられる。
本発明で使用するポリエチレンテレフタレート樹脂においては、更に、乳酸、グリコール酸、m−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸、p−β−ヒドロキシエトキシ安息香酸などのヒドロキシカルボン酸;アルコキシカルボン酸、ステアリルアルコール、ベンジルアルコール、ステアリン酸、安息香酸、t−ブチル安息香酸、ベンゾイル安息香酸などの単官能成分、トリカルバリル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、没食子酸、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール等の三官能以上の多官能成分などを共重合成分として使用することが出来る。また、更に、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ(エチレンオキサイド・プロピレンオキサイド)ブロック及び/又はランダム共重合体、ポリエチレンオキシド付加ビスフェノールA、ポリプロピレンオキシド付加ビスフェノールA、ポリテトラヒドロフラン付加ビスフェノールA、ポリテトラメチレングリコール等から誘導されるポリアルキレングリコール単位を高分子鎖に一部共重合させることも出来る。
本発明で使用するポリエチレンテレフタレート樹脂の特徴は、アンチモン系化合物を重合触媒として用いる点に存する。アンチモン系化合物アンチモン系化合物の具体例としては、三酸化アンチモン、酢酸アンチモン、メトキシアンチモン、アンチモン酸ナトリウム等が挙げられ、樹脂組成物の滞留熱安定性の観点から、好ましくは三酸化アンチモンである。重合触媒として用いるアンチモン系化合物の含有量は、ポリエチレンテレフタレート樹脂中のアンチモン原子として、樹脂組成物の滞留熱安定性と重合速度の観点から、好ましくは50〜500ppmであり、より好ましくは100〜400ppmである。アンチモン原子の含有量は、湿式灰化などの方法でポリマー中の金属を回収し、原子発光、原子吸光、Inductively Coupled Pla−sma(ICP)等の方法で測定することが出来る。
本発明に用いるポリエチレンテレフタレート樹脂の固有粘度は、適宜選択して決定すればよいが、通常0.5〜2dL/g、中でも0.7〜1.5dL/g、特には0.95〜1.3dL/gであることが好ましい。固有粘度を0.5dL/g以上、特には0.95dL/g以上とすることで、本発明の樹脂組成物における機械的特性や、滞留熱安定性、耐薬品性、耐湿熱性が向上する傾向にあり好ましい。逆に固有粘度を2dL/g未満、特には1.3dL/g未満とすることで樹脂組成物の流動性が向上する傾向にあり好ましい。
なお上記の固有粘度は、フェノール/テトラクロルエタン(重量比1/1)の混合溶媒を使用し、30℃で測定した値である。
本発明に用いるポリエチレンテレフタレート樹脂の末端カルボキシル基の濃度は、通常1〜60μeq/gであり、中でも3〜50μeq/g、更には5〜40μeq/gであることが好ましい。末端カルボキシル基を60μeq/g以下とすることで、樹脂組成物の機械的特性が向上する傾向にあり、逆に末端カルボキシル基濃度を1μeq/g以上とすることで、樹脂組成物の耐熱性、滞留熱安定性や色相が向上する傾向にあり、好ましい。
なお、ポリエチレンテレフタレート樹脂の末端カルボキシル基濃度は、ベンジルアルコール25mLにポリエチレンテレフタレート樹脂0.5gを溶解し、水酸化ナトリウムの0.01モル/Lベンジルアルコール溶液を使用して滴定することにより求めることができる。
更に、本発明に用いるポリエチレンテレフタレート樹脂は、バージン原料だけでなく、使用済みの製品から再生されたポリエチレンテレフタレート樹脂、いわゆるマテリアルリサイクルされたポリエチレンテレフタレート樹脂の使用も可能である。使用済みの製品としては、容器、フィルム、シート、繊維、製品の不適合品、スプルー、ランナー等が挙げられ、これらから得られた粉砕品またはそれらを溶融して得たペレット等も使用可能である。
[3]有機リン酸エステル化合物(C成分):
本発明に用いる有機リン酸エステル化合物(C成分)は、下記一般式(1)、(2)、(3)、(4)及び下記一般式(5)で表される有機リン酸エステル化合物から成る群より選ばれた少なくとも一種である有機リン酸エステル化合物であり、一般式(1)〜(5)の有機リン酸エステル化合物を二種以上組み合わせて使用してもよい。
Figure 2009001620
一般式(1)中、R〜Rはアルキル基またはアリール基であり、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。Mはアルカリ土類金属および亜鉛より選ばれる金属を表す。
Figure 2009001620
一般式(2)中、Rはアルキル基またはアリール基であり、Mはアルカリ土類金属および亜鉛より選ばれる金属を表す。
Figure 2009001620
一般式(3)中、R〜R11はアルキル基またはアリール基であり、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。M’は3価の金属イオンとなる金属原子を表す。
Figure 2009001620
一般式(4)中、R12〜R14は、アルキル基またはアリール基であり、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。M’は3価の金属イオンとなる金属原子を表し、2つのM’はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
Figure 2009001620
一般式(5)中、Rはアルキル基またはアリール基であり、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。nは0〜2の整数を表す。
一般式(1)〜(4)中、R〜R14は、滞留熱安定性、耐薬品性、耐湿熱性をより向上させる観点から、好ましくは、それぞれ、炭素数1〜30のアルキル基または炭素数6〜30のアリール基であり、より好ましくは、それぞれ、炭素数2〜25のアルキル基であり、特に好ましくは、それぞれ、炭素数6〜23のアルキル基である。また、滞留熱安定性、耐薬品性、耐湿熱性をより向上させる観点から、一般式(1)〜(2)中のMが好ましくは亜鉛であり、一般式(3)〜(4)中のM’が好ましくはアルミニウムである。
また、一般式(5)中、Rは、滞留熱安定性、耐薬品性、耐湿熱性をより向上させる観点から、好ましくは、炭素数2〜25のアルキル基であり、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。nは1又は2である。ここで、アルキル基としては、オクチル基、2−エチルヘキシル基、イソオクチル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、イソデシル基、ドデシル基、トリデシル基、イソトリデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基などが挙げられる。
有機リン酸エステル化合物としては、滞留熱安定性をより向上させる観点からは、好ましくは、前記一般式(1)で表される有機リン酸エステル化合物と前記一般式(2)で表される有機リン酸エステル化合物の混合物、および/または、前記一般式(5)で表される有機リン酸エステル化合物であり、耐湿熱性をより向上させる観点からは、より好ましくは前記一般式(1)で表される有機リン酸エステル化合物と前記一般式(2)で表される有機リン酸エステル化合物の混合物であり、更に好ましくは一般式(1)及び(2)中、R〜Rはそれぞれ炭素数2〜25のアルキル基であり、特に好ましくは前記一般式(1)および前記一般式(2)中のMが亜鉛である。
さらに、滞留熱安定性をより向上させる観点からは、前記一般式(1)で表される有機リン酸エステル化化合物と前記一般式(2)で表される有機リン酸エステル化合物の混合物の重量比は、10/90〜90/10であることが好ましく、より好ましくは20/80〜60/40であり、特に好ましくは30/70〜50/50である。
有機リン酸エステル化合物の具体例として、モノステアリルアシッドホスフェートホスフェートの亜鉛塩と、ジステアリルアシッドホスフェートの亜鉛塩の混合物、モノステアリルアシッドホスフェートホスフェートのアルミニウム塩とジステアリルアシッドホスフェートのアルミニウム塩の混合物、モノステアリルアシッドホスフェートとジステアリルアシッドホスフェートの混合物などが挙げられる。斯かる好ましい有機リン酸エステル化合物は、堺化学工業製「LBT−1830」や「LBT−1813」、城北化学工業製「JP−518Zn」、旭電化工業製「アデカスタブAX−71」として市販されている。
[4]含有比率:
本発明の熱可塑性樹脂組成物においては、これを構成するA成分〜C成分の含有比率は、A成分およびB成分の合計100重量%中、芳香族ポリカーボネート樹脂(A成分)が40〜99重量%、ポリエチレンテレフタレート樹脂(B成分)1〜60重量%であり、このA、B成分の合計100重量部に対して、有機リン酸エステル化合物(C成分)0.001〜3重量部である。
本発明の熱可塑性樹脂組成物においては、A成分およびB成分の合計100重量%中、A成分は中でも51〜95重量%、特に55〜90重量%であることが好ましく、B成分は中でも5〜49重量%、特に10〜45重量%であることが好ましい。A成分を40重量%以上とすることで耐衝撃性が向上する傾向にあり、99重量%未満にすることで流動性や耐薬品性が向上する傾向にある。
またC成分は、A成分とB成分の合計100重量部に対して、中でも0.003〜2重量部、更には0.005〜1重量部、特には0.01〜0.2重量部が好ましい。C成分の含有量が0.001重量部以上とすることで、耐衝撃性、滞留熱安定性、耐薬品性が向上する傾向にあり、3重量部未満にすることで耐衝撃性、滞留熱安定性、耐薬品性、耐湿熱性が向上する傾向にある。
[5]ゴム性重合体(D成分)
本発明の熱可塑性樹脂組成物には、耐衝撃性を向上させる目的でゴム性重合体(以下、「D成分」と略記することがある。)を配合することが好ましい。ゴム性重合体とは、ガラス転移温度が0℃以下、中でも−20℃以下のものを示し、ゴム性重合体にこれと共重合可能な単量体成分とを共重合した重合体をも含む。本発明に用いるゴム性重合体は、一般に芳香族ポリカーボネート樹脂に配合されて、その耐衝撃性を改良し得る、従来公知の任意のものを使用できる。
ゴム性重合体の具体例としては、ポリブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブチルアクリレート、ポリ(2−エチルヘキシルアクリレート)、ブチルアクリレート・2−エチルヘキシルアクリレート共重合体などのポリアルキルアクリレートゴム;ポリオルガノシロキサンゴム等のシリコーン系ゴムの他、ブタジエン−アクリル複合ゴム、ポリオルガノシロキサンゴムとポリアルキルアクリレートゴムとから成るIPN型複合ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、エチレン−αオレフィン系ゴム(エチレン−プロピレンゴム、エチレン−ブテンゴム、エチレン−オクテンゴム等)、エチレン−アクリルゴム、フッ素ゴム等が挙げられる。これらは2種以上を併用してもよい。これらの中では、耐衝撃性の面から、ポリブタジエンゴム、ポリアルキルアクリレートゴム、ポリオルガノシロキサンゴムとポリアルキルアクリレートゴムとから成るIPN型複合ゴム、スチレン−ブタジエンゴムの群から選択される何れか1種が好ましい。
ゴム性重合体と共重合可能な単量体成分の具体例としては、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物、(メタ)アクリル酸エステル化合物、(メタ)アクリル酸化合物、グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル化合物;マレイミド、N−メチルマレイミド、N−フェニルマレイミド等のマレイミド化合物;マレイン酸、フタル酸、イタコン酸などのα,β−不飽和カルボン酸化合物やそれらの無水物(例えば無水マレイン酸など)等が挙げられる。これらの単量体成分は2種以上を併用してもよい。これらの中では、耐衝撃性の面から、好ましくは、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物、(メタ)アクリル酸エステル化合物、(メタ)アクリル酸化合物の群から選択される何れか1種であり、更に好ましくは(メタ)アクリル酸エステル化合物である。(メタ)アクリル酸エステル化合物の具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル等が挙げられる。
本発明に用いるゴム性重合体は、耐衝撃性の点からコア/シェル型グラフト共重合体タイプのものが好ましい。この場合、コア層は、ポリブタジエン含有ゴム、ポリブチルアクリレート含有ゴム、ポリオルガノシロキサンゴムとポリアルキルアクリレートゴムとから成るIPN(interpenetrating polymer network)型複合ゴムの群から選択される少なくとも1種のゴム成分で形成し、シェル層は、(メタ)アクリル酸エステル、アクリロニトリル−スチレン共重合体で形成するのが好ましい。
上記のコア/シェル型グラフト共重合体の好ましい具体例としては、メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン共重合体(MBS)、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体(MB)、メチルメタクリレート−アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(MABS)、メチルメタクリレート−アクリルゴム共重合体(MA)、アクリロニトリル−スチレン−アクリルゴム共重合体(ASA)、メチルメタクリレート−アクリルゴム−スチレン共重合体(MAS)、メチルメタクリレート−アクリル・ブタジエンゴム共重合体、メチルメタクリレート−アクリル・ブタジエンゴム−スチレン共重合体、メチルメタクリレート−(アクリル・シリコーンIPNゴム)共重合体などが挙げられる。これらは2種以上を併用してもよい。
また、上記のコア/シェル型グラフト共重合体の商品としては、例えば、ガンツ化成社製の「スタフィロイドMG1011」、ローム・アンド・ハース・ジャパン社製の「パラロイドEXL2315」、「EXL2602」、「EXL2603」等のEXLシリーズ、「KM330」、「KM336P」等のKMシリーズ、「KCZ201」等のKCZシリーズ、三菱レイヨン社製の「メタブレンS−2001」、「SRK−200」等が挙げられる。
その他のゴム性重合体の具体例としては、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロツク共重合体(SBS)、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン/プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム−スチレン共重合体(ABS)、アクリロニトリル−エチレンプロピレンゴム−スチレン共重合体(AES)等が挙げられる。
ゴム性重合体の含有量は、芳香族ポリカーボネート樹脂とポリエチレンテレフタレート樹脂の合計100重量部に対し、通常1〜40重量部、好ましくは2〜30重量部、更に好ましくは3〜25重量部である。ゴム性重合体の含有量を1重量部以上とすることで耐衝撃性が向上する傾向にあり、40重量部未満とすることで剛性や耐熱性、耐湿熱性が向上する傾向にある。
[6]その他成分:
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、必要に応じて本発明の目的を損なわない範囲において上記A、B、C、D成分以外に他の樹脂や各種樹脂添加剤を含有していてもよい。
他の樹脂としては、例えば、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリスチレン樹脂などのスチレン系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂などのポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリメタクリレート樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。
また、各種樹脂添加剤としては、酸化防止剤、熱安定剤、離型剤、染顔料、強化剤、難燃剤、耐衝撃性改良剤、耐候性改良剤、帯電防止剤、防曇剤、滑剤・アンチブロッキング剤、流動性改良剤、可塑剤、分散剤、防菌剤などが挙げられる。これらは2種以上を併用してもよい。以下、本発明の樹脂組成物に好適な添加剤の一例について具体的に説明する。
酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤が挙げられる。その具体例としては、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオナミド)、2,4−ジメチル−6−(1−メチルペンタデシル)フェノール、ジエチル[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ホスフォエート、3,3’,3’’,5,5’,5’’−ヘキサ−tert−ブチル−a,a’,a’’−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート]、ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン,2,6−ジ−tert−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)フェノール等が挙げられる。これらは2種以上を併用してもよい。
上記の中では、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートが好ましい。これら2つのフェノール系酸化防止剤は,チバ・スペシャルテイ・ケミカルズ社より、「イルガノックス1010」及び「イルガノックス1076」の名称で市販されている。
酸化防止剤の含有量は、芳香族ポリカーボネート樹脂とポリエチレンテレフタレート樹脂の合計100重量部に対し、通常0.001〜1重量部、好ましくは0.01〜0.5重量部である。酸化防止剤の含有量が0.001重量部未満の場合は抗酸化剤としての効果が不十分であり、1重量部を超える場合は効果が頭打ちとなり経済的ではない。
本発明で使用される熱安定剤としては、分子中の少なくとも1つのエステルがフェノール及び/又は炭素数1〜25のアルキル基を少なくとも1つ有するフェノールでエステル化された亜リン酸エステル化合物(a)、亜リン酸(b)及びテトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレン−ジ−ホスホナイト(c)の群から選ばれた少なくとも1種である。
上記の亜リン酸エステル化合物(a)の具体例としては、トリオクチルホスファイト、トリデシルホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス(オクチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、ジデシルモノフェニルホスファイト、ジオクチルモノフェニルホスファイト、ジイソプロピルモノフェニルホスファイト、モノブチルジフェニルホスファイト、モノデシルジフェニルホスファイト、モノオクチルジフェニルホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ジフェニルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト等が挙げられる。これらは、単独でも2種以上の混合して使用してもよい。上記の中で、特にトリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトが好ましい。
熱安定剤の含有量は、芳香族ポリカーボネート樹脂とポリエチレンテレフタレート樹脂の合計100重量部に対し、通常0.001〜1重量部、好ましくは0.01〜0.5重量部である。熱安定剤の含有量が0.001重量部未満の場合は熱安定剤としての効果が不十分であり、1重量部を超える場合は耐加水分解性が悪化する場合がある。
離型剤としては、脂肪族カルボン酸、脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステル、数平均分子量200〜15000の脂肪族炭化水素化合物、ポリシロキサン系シリコーンオイルの群から選ばれる少なくとも1種の化合物があげられる。
脂肪族カルボン酸としては、飽和または不飽和の脂肪族1価、2価または3価カルボン酸を挙げることが出来る。ここで脂肪族カルボン酸とは、脂環式のカルボン酸も包含する。これらの中では、好ましい脂肪族カルボン酸は、炭素数6〜36の1価または2価カルボン酸であり、炭素数6〜36の脂肪族飽和1価カルボン酸が更に好ましい。斯かる脂肪族カルボン酸の具体例としては、パルミチン酸、ステアリン酸、カプロン酸、カプリン酸、ラウリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、メリシン酸、テトラリアコンタン酸、モンタン酸、アジピン酸、アゼライン酸などが挙げられる。
脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステルにおける脂肪族カルボン酸としては、前記脂肪族カルボン酸と同じものが使用できる。一方、アルコールとしては、飽和または不飽和の1価または多価アルコールを挙げることが出来る。これらのアルコールは、フッ素原子、アリール基などの置換基を有していてもよい。これらの中では、炭素数30以下の1価または多価の飽和アルコールが好ましく、炭素数30以下の脂肪族飽和1価アルコール又は多価アルコールが更に好ましい。ここで脂肪族とは、脂環式化合物も含有する。斯かるアルコールの具体例としては、オクタノール、デカノール、ドデカノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、2,2−ジヒドロキシペルフルオロプロパノール、ネオペンチレングリコール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール等が挙げられる。
なお、上記のエステル化合物は、不純物として脂肪族カルボン酸および/またはアルコールを含有していてもよく、複数の化合物の混合物であってもよい。
脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステルの具体例としては、蜜ロウ(ミリシルパルミテートを主成分とする混合物)、ステアリン酸ステアリル、ベヘン酸ベヘニル、ベヘン酸ステアリル、グリセリンモノパルミテート、グリセリンモノステアレート、グリセリンジステアレート、グリセリントリステアレート、ペンタエリスリトールモノパルミテート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトールトリステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート等が挙げられる。
数平均分子量200〜15000の脂肪族炭化水素としては、流動パラフィン、パラフィンワックス、マイクロワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャートロプシュワックス、炭素数3〜12のα−オレフィンオリゴマー等が挙げられる。ここで、脂肪族炭化水素としては、脂環式炭化水素も含まれる。また、これらの炭化水素化合物は部分酸化されていてもよい。これらの中では、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス又はポリエチレンワックスの部分酸化物が好ましく、パラフィンワックス、ポリエチレンワックスが更に好ましい。数平均分子量は、好ましくは200〜5000である。これらの脂肪族炭化水素は単一物質であっても、構成成分や分子量が様々なものの混合物であっても、主成分が上記の範囲内であればよい。
ポリシロキサン系シリコーンオイルとしては、例えば、ジメチルシリコーンオイル、フェニルメチルシリコーンオイル、ジフェニルシリコーンオイル、フッ素化アルキルシリコーン等が挙げられる。これらは2種類以上を併用してもよい。
離型剤の含有量は、芳香族ポリカーボネート樹脂とポリエチレンテレフタレート樹脂の合計100重量部に対し、通常0.001〜2重量部、好ましくは0.01〜1重量部である。離型剤の含有量が0.001重量部未満の場合は離型性の効果が十分でない場合があり、2重量部を超える場合は、耐加水分解性の低下、射出成形時の金型汚染などの問題がある。
無機フィラーの具体例としては、ガラス繊維(チョップドストランド)、ガラス短繊維(ミルドファイバー)、ガラスフレーク、ガラスビーズ等のガラス系フィラー;炭素繊維、炭素短繊維、カーボンナノチューブ、黒鉛などの炭素系フィラー;チタン酸カリウム、ホウ酸アルミニウム等のウィスカー;タルク、マイカ、ウォラストナイト、カオリナイト、ゾノトライト、セピオライト、アタバルジャイト、モンモリロナイト、ベントナイト、スメクタイトなどの珪酸塩化合物;シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム等が挙げられる。これらの中では、ガラス繊維(チョップドストランド)、ガラス短繊維(ミルドファイバー)、ガラスフレーク、タルク、マイカ、ウォラストナイト、カオリナイトが好ましい。これらは2種以上を併用してもよい。
無機フィラーの含有量は、芳香族ポリカーボネート樹脂とポリエチレンテレフタレート樹脂の合計100重量部に対し、通常1〜150重量部、好ましくは3〜100重量部、更に好ましくは5〜60重量部である。無機フィラーの含有量が1重量部未満の場合は補強効果が十分でない場合があり、150重量部を超える場合は、外観や耐衝撃性が劣り、流動性が十分でない場合がある。
紫外線吸収剤の具体例としては、酸化セリウム、酸化亜鉛などの無機紫外線吸収剤の他、ベンゾトリアゾール化合物、ベンゾフェノン化合物、トリアジン化合物などの有機紫外線吸収剤が挙げられる。これらの中では有機紫外線吸収剤が好ましい。特に、ベンゾトリアゾール化合物、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール、2−[4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−5−(オクチロキシ)フェノール、2,2’−(1,4−フェニレン)ビス[4H−3,1−ベンゾキサジン−4−オン]、[(4−メトキシフェニル)−メチレン]−プロパンジオイックアシッド−ジメチルエステルの群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
ベンゾトリアゾール化合物の具体例としては、メチル−3−[3−tert−ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル]プロピオネート−ポリエチレングリコールとの縮合物が挙げられる。また、その他のベンゾトリアゾール化合物の具体例としては、2−ビス(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3−tert−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−tert−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレン−ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2N−ベンゾトリアゾール2−イル)フェノール][メチル−3−[3−tert−ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル]プロピオネート−ポリエチレングリコール]縮合物などが挙げられる。これらは2種以上を併用してもよい。
上記の中では、好ましくは、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール、2−[4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−5−(オクチロキシ)フェノール、2,2’−メチレン−ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2N−ベンゾトリアゾール2−イル)フェノール]である。
紫外線吸収剤の含有量は、芳香族ポリカーボネート樹脂とポリエチレンテレフタレート樹脂の合計100重量部に対し、通常0.01〜3重量部、好ましくは0.1〜1重量部である。紫外線吸収剤の含有量が0.01重量部未満の場合は耐候性の改良効果が不十分の場合があり、3重量部を超える場合はモールドデボジット等の問題が生じる場合がある。
染顔料としては、無機顔料、有機顔料、有機染料などが挙げられる。無機顔料としては、例えば、カーボンブラック、カドミウムレッド、カドミウムイエロー等の硫化物系顔料;群青などの珪酸塩系顔料;亜鉛華、弁柄、酸化クロム、酸化チタン、鉄黒、チタンイエロー、亜鉛−鉄系ブラウン、チタンコバルト系グリーン、コバルトグリーン、コバルトブルー、銅−クロム系ブラック、銅−鉄系ブラック等の酸化物系顔料;黄鉛、モリブデートオレンジ等のクロム酸系顔料;紺青などのフェロシアン系顔料が挙げられる。有機顔料および有機染料としては、銅フタロシアニンブルー、銅フタロシアニングリーン等のフタロシアニン系染顔料;ニッケルアゾイエロー等のアゾ系染顔料;チオインジゴ系、ペリノン系、ペリレン系、キナクリドン系、ジオキサジン系、イソインドリノン系、キノフタロン系などの縮合多環染顔料;アンスラキノン系、複素環系、メチル系の染顔料などが挙げられる。これらは2種以上を併用してもよい。これらの中では、熱安定性の点から、カーボンブラック、酸化チタン、シアニン系、キノリン系、アンスラキノン系、フタロシアニン系化合物などが好ましい。
染顔料の含有量は、芳香族ポリカーボネート樹脂とポリエチレンテレフタレート樹脂の合計100重量部に対し、通常5重量部以下、好ましくは3重量部以下、更に好ましくは2重量部以下である。染顔料の含有量が5重量部を超える場合は耐衝撃性が十分でない場合がある。
難燃剤としては、ハロゲン化ビスフェノールAのポリカーボネート、ブロム化ビスフェノール系エポキシ樹脂、ブロム化ビスフェノール系フェノキシ樹脂、ブロム化ポリスチレンなどのハロゲン系難燃剤、リン酸エステル系難燃剤、ジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホン酸ジカリウム、ジフェニルスルホン−3−スルホン酸カリウム、パーフルオロブタンスルホン酸カリウム等の有機金属塩系難燃剤、ポリオルガノシロキサン系難燃剤などが挙げられるが、リン酸エステル系難燃剤が特に好ましい。
リン酸エステル系難燃剤の具体例としては、トリフェニルホスフェート、レゾルシノールビス(ジキシレニルホスフェート)、ハイドロキノンビス(ジキシレニルホスフェート)、4,4’−ビフェノールビス(ジキシレニルホスフェート)、ビスフェノールAビス(ジキシレニルホスフェート)、レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)、ハイドロキノンビス(ジフェニルホスフェート)、4,4’−ビフェノールビス(ジフェニルホスフェート)、ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)等が挙げられる。これらは2種以上を併用してもよい。これらの中では、レゾルシノールビス(ジキシレニルホスフェート)、ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)が好ましい。
難燃剤の含有量は、芳香族ポリカーボネート樹脂とポリエチレンテレフタレート樹脂の合計100重量部に対し、通常1〜30重量部、好ましくは3〜25重量部、更に好ましくは5〜20重量部である。系難燃剤の含有量が1重量部未満の場合は難燃性が十分でない場合があり、30重量部を超える場合は耐熱性が低下する場合がある。
滴下防止剤としては、例えば、ポリフルオロエチレン等のフッ素化ポリオレフィンが挙げられ、特にフィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレンが好ましい。これは、重合体中に容易に分散し、且つ、重合体同士を結合して繊維状材料を作る傾向を示す。フィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレンはASTM規格でタイプ3に分類される。ポリテトラフルオロエチレンは、固体形状の他、水性分散液形態のものも使用可能である。フィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレンとしては、例えば三井・デュポンフロロケミカル社より、「テフロン(登録商標)6J」又は「テフロン(登録商標)30J」として、ダイキン工業社より「ポリフロン(商品名)」として市販されている。
滴下防止剤の含有量は、芳香族ポリカーボネート樹脂とポリエチレンテレフタレート樹脂の合計100重量部に対し、通常0.02〜4重量部、好ましくは0.03〜3重量部である。滴下防止剤の配合量が5重量部を超える場合は成形品外観の低下が生じる場合がある。
[7]樹脂組成物の製造方法および成形品の製造方法:
本発明の樹脂組成物は、前記A〜C成分の他に、樹脂や添加剤などを、従来公知の任意の方法を適宜選択して、製造することができる。
具体的には例えば、A〜D成分および必要に応じて配合される添加成分を、タンブラーやヘンシェルミキサーなどの各種混合機を用い予め混合した後、バンバリーミキサー、ロール、ブラベンダー、単軸混練押出機、二軸混練押出機、ニーダーなどで溶融混練し、樹脂組成物を製造することができる。また、各成分を予め混合せずに、または、一部の成分のみ予め混合してフィダーを用いて押出機に供給して溶融混練して樹脂組成物を製造することもできる。
本発明の樹脂組成物から成形品を製造する方法は、特に限定されるものではなく、熱可塑性樹脂について一般に採用されている成形法、すなわち一般的な射出成形法、超高速射出成形法、射出圧縮成形法、二色成形法、ガスアシストなどの中空成形法、断熱金型を用いた成形法、急速加熱金型を用いた成形法、発泡成形(超臨界流体も含む)、インサート成形、IMC(インモールドコーティング成形)成形法、押出成形法、シート成形法、熱成形法、回転成形法、積層成形法、プレス成形法などを採用することができる。また、ホットランナー方式を用いた成形法を選択することもできる。
また、本発明においては、廃棄物低減などの環境負荷低減やコスト低減の観点から、樹脂組成物から成形品を製造する際に、製品の不適合品、スプルー、ランナー、使用済みの製品などのリサイクル原料をバージン材料と混合してリサイクル、いわゆるマテリアルリサイクルすることができる。この際、リサイクル原料は、粉砕して使用することが成形品を製造する際に不具合を少なくできるので好ましい。リサイクル原料の含有比率は、リサイクル原料とバージン原料の合計100重量%中、70重量%以下であることが好ましく、より好ましくは50重量%以下、さらに好ましくは30重量%以下である。
以下に実施例を示し、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例および比較例において、配合量は重量部を意味する。
実施例および比較例の各樹脂組成物を得るに当たり、次に示す原料を準備した。
<芳香族ポリカーボネート樹脂>
芳香族ポリカーボネート樹脂(1):界面重合法で製造されたビスフェノールA型芳香族ポリカーボネート(三菱エンジニアリングプラスチックス社製「ユーピロンE−2000FN」、粘度平均分子量28,000、末端水酸基濃度=150ppm)
芳香族ポリカーボネート樹脂(2):界面重合法で製造されたビスフェノールA型芳香族ポリカーボネート(三菱エンジニアリングプラスチックス社製「ユーピロンS−3000FN」、粘度平均分子量21,500、末端水酸基濃度=150ppm)
<ポリエチレンテレフタレート樹脂>
ポリエチレンテレフタレート樹脂(1):三酸化アンチモンを用いて製造されたポリエチレンテレフタレート樹脂(三菱化学社製「ノバペックスGS900」、アンチモン原子含有量230ppm、固有粘度1.07dL/g、末端カルボキシル基濃度23μeq/g)
ポリエチレンテレフタレート樹脂(2):三酸化アンチモンを用いて製造されたポリエチレンテレフタレート樹脂(三菱化学社製「ノバペックスGM700」、アンチモン原子含有量230ppm、固有粘度0.85dL/g、末端カルボキシル基濃度27μeq/g)
ポリエチレンテレフタレート樹脂(3):ニ酸化ゲルマニウムを用いて製造されたポリエチレンテレフタレート樹脂(三菱レイヨン社製「ダイヤナイトPA200」、ゲルマニウム原子含有量57ppm、固有粘度1.07dL/g、末端カルボキシル基濃度12μeq/g)
<有機リン酸エステル化合物>
有機リン酸エステル化合物(1):ジステアリルアシッドホスフェートの亜鉛塩とモノステアリルアシッドホスフェートの亜鉛塩の混合物(城北化学工業社製「JP−518Zn」、ジステアリルアシッドホスフェートの亜鉛塩とモノステアリルアシッドホスフェートの亜鉛塩の重量比33/67)
有機リン酸エステル化合物(2):ジステアリルアシッドホスフェートの亜鉛塩とモノステアリルアシッドホスフェートの亜鉛塩の混合物(堺化学工業社製「LBT−1830」、ジステアリルアシッドホスフェートの亜鉛塩とモノステアリルアシッドホスフェートの亜鉛塩の重量比25/75)
有機リン酸エステル化合物(3):ジステアリルアシッドホスフェートのアルミニウム塩とモノステアリルアシッドホスフェートのアルミニウム塩の混合物(堺化学工業社製「LBT−1813」、ジステアリルアシッドホスフェートのアルミニウム塩とモノステアリルアシッドホスフェートのアルミニウム塩の重量比25/75)
有機リン酸エステル化合物(4):モノステアリルアシッドホスフェートとジステアリルアシッドホスフェートの混合物(旭電化工業社製「アデカスタブAX−71」)
<ゴム性重合体>
ゴム性重合体(1):ポリブタジエン・ポリスチレン共重合物(コア)/アクリル酸アルキル・メタクリル酸アルキル共重合物(シェル)から成るコア/シェル型グラフト共重合体(ロ−ム・アンド・ハ−ス・ジャパン社製「パラロイドKCZ201N」)
ゴム性重合体(2):ポリアクリル酸アルキル(コア)/アクリロニトリル−スチレン共重合体(シェル)から成るコア/シェル型グラフト共重合体(ガンツ化成社製「スタフィロイドMG1011」)
ゴム性重合体(3):ポリブタジエン(コア)/アクリル酸アルキル・メタクリル酸アルキル共重合物(シェル)からなるコア/シェル型グラフト共重合体(ローム・アンド・ハース・ジャパン社製「EXL2603」)
<その他成分>
熱安定剤: トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト(旭電化工業社製「アデカスタブAS2112」)
カーボンブラック:オイルファーネスカーボンブラック(三菱化学社製「#1000」)
[樹脂組成物の調製]
表1〜表2に示す各成分を表1〜表2に示す割合にてタンブラーミキサーで均一に混合した後、二軸押出機(日本製鋼所社製、TEX30XCT、L/D=42、バレル数12)を用いて、シリンダー温度280℃、スクリュー回転数200rpm、吐出量20kg/hにてバレル1より押出機にフィードし溶融混練することにより樹脂組成物のペレットを作製した。
[試験片の作製]
上記の方法で得られたペレットを、120℃で6時間以上乾燥した後、射出成形機(名機製作所製「M150AII−SJ型」)を用いて、シリンダー温度280℃、金型温度80℃、成形サイクル55秒の条件で、通常成形を行い、試験片(ASTM試験片および平板状成形品(90mm×50mm×3mm厚))を作製した。さらに、成形サイクル5分に変更した以外は上記と同様にして滞留成形を行い、5ショット目以降につき試験片(ASTM試験片および平板状成形品(90mm×50mm×3mm厚))を作製した。
[評価方法]
(1)流動性(Q値):
樹脂組成物のペレットを110℃で6時間以上乾燥した後、高荷式フローテスターを用いて、280℃、荷重160kgf/cmの条件下で組成物の単位時間あたりの流出量Q値(単位:cc/s)を測定し、流動性を評価した。なお、オリフィスは直径1mm×長さ10mmのものを使用した。Q値が高いほど、流動性に優れていることを示す。
(2)耐衝撃性(Izod衝撃強度):
ASTM D256に準拠して、厚み3.2mmの通常成形のノッチ付き試験片を用いて、23℃においてIzod衝撃強度(単位:J/m)を測定した。
(3)耐熱性(熱変形温度):
ASTM D648に準拠して、通常成形のASTM試験片を用いて、1.8MPaにて熱変形温度(単位:℃)を測定した。
(4)滞留熱安定性:
(a)表面外観;目視:
上記の滞留成形で作製した試験片の表面外観を目視にて観察し、シルバーストリークによる肌荒れの全くないものを◎、シルバーストリークによる肌荒れが僅かにあるものを○、シルバーストリークによる肌荒れが顕著にあるものを×として評価した。
(b)表面外観;光沢度:
上記の滞留成形で作製した平板状成形品について、グロスメーター(日本電色工業社製、VG2000型)を用い、測定角度60°で光沢度を測定した。光沢度が大きいほど光沢感に優れている。
(c)耐熱性(熱変形温度):
上記の滞留成形で作製したASTM試験片について、ASTM D648に準拠して、1.8MPaにて熱変形温度(単位:℃)を測定した。
(5)耐薬品性(クラック発生度合):
通常成形のASTM引張試験片(厚さ3.2mm)に変形率1%の撓みを負荷した状態で、試験薬品を塗布し、室温下1時間後に目視でクラック発生度合を評価した。試験薬品として、市販のレギュラーガソリンを使用した。なお、クラック発生度合は、試験片10本中にクラックの発生した本数の割合により評価した。
(6)耐湿熱性(破断伸び保持率):
通常成形のASTM引張試験片(厚さ3.2mm)を75℃95%RHにて1000時間湿熱処理した後、引張試験を行い、処理していないものに対する破断伸び保持率にて評価した。
[実施例1〜10、比較例1〜7]
表1〜表2に記載の各々の樹脂組成物を製造し、上述の方法により評価した。結果を表1〜表2に示す。
Figure 2009001620
Figure 2009001620
表1〜表2に示した結果から、以下のことが判る。本発明の実施例1〜10に記載の樹脂組成物は、流動性、耐熱性、耐衝撃性、滞留熱安定性、耐薬品性、耐湿熱性のバランスに優れている。
これに対し、比較例1、4に記載の樹脂組成物は、C成分を含有していないため、実施例の樹脂組成物と比較して耐熱性、滞留熱安定性、耐薬品性に劣る。また、比較例2、3、5、6の樹脂組成物は、B成分が本特許規定の範囲外であり、実施例の組成物と比較して耐薬品性、耐湿熱性に劣る。

Claims (9)

  1. 芳香族ポリカーボネート樹脂(A成分)40〜99重量%と、アンチモン系化合物を重合触媒として用いて製造されたポリエチレンテレフタレート樹脂(B成分)1〜60重量%と(ただし、A成分とB成分の合計は100重量%)、下記一般式(1)、(2)、(3)、(4)及び(5)で表される有機リン酸エステル化合物から成る群より選ばれた少なくとも一種である有機リン酸エステル化合物(C成分)0.001〜3重量部とから成る熱可塑性樹脂組成物。
    Figure 2009001620
    (一般式(1)中、R〜Rはアルキル基またはアリール基であり、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。Mはアルカリ土類金属および亜鉛より選ばれる金属を表す。)
    Figure 2009001620
    (一般式(2)中、Rはアルキル基またはアリール基であり、Mはアルカリ土類金属および亜鉛より選ばれる金属を表す。)
    Figure 2009001620
    (一般式(3)中、R〜R11はアルキル基またはアリール基であり、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。M’は3価の金属イオンとなる金属原子を表す。)
    Figure 2009001620
    (一般式(4)中、R12〜R14は、アルキル基またはアリール基であり、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。M’は3価の金属イオンとなる金属原子を表し、2つのM’はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。)
    Figure 2009001620
    (一般式(5)中、Rはアルキル基またはアリール基であり、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。nは0〜2の整数を表す。)
  2. 有機リン酸エステル化合物が、前記一般式(1)で表される有機リン酸エステル化合物と前記一般式(2)で表される有機リン酸エステル化合物の混合物および/または前記一般式(5)で表される有機リン酸エステル化合物であり、かつ、前記一般式(1)、前記一般式(2)及び前記一般式(5)中のR〜R、Rがそれぞれ炭素数2〜25のアルキル基である請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  3. 有機リン酸エステル化合物が、前記一般式(1)で表される有機リン酸エステル化合物と前記一般式(2)で表される有機リン酸エステル化合物の混合物であり、前記一般式(1)及び前記一般式(2)中のMが亜鉛である請求項2に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  4. 芳香族ポリカーボネート樹脂(A成分)の配合量が55〜90重量%であり、ポリエチレンテレフタレート樹脂(B成分)の配合量が10〜45重量%(ただし、A成分とB成分の合計は100重量%)である請求項1〜3の何れかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
  5. ポリエチレンテレフタレート樹脂の固有粘度が、0.95〜1.3dL/gである請求項1〜4の何れかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
  6. C成分の含有量が、A成分とB成分の合計100重量部に対して0.01〜0.2重量部である請求項1〜5の何れかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
  7. 更に、芳香族ポリカーボネート樹脂とポリエチレンテレフタレート樹脂の合計100重量部に対してゴム性重合体(D成分)を1〜40重量部含有する請求項1〜6の何れかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
  8. ゴム性重合体がコア/シェル型グラフト共重合体である請求項7に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  9. 請求項1〜8の何れかに記載の熱可塑性樹脂組成物を成形して成る樹脂成形品。
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