JP4760034B2 - 導電性ポリカーボネート樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、導電性カーボンブラックを含有してなる導電性ポリカーボネート樹脂組成物に関する。更に詳しくは、流動性、導電性、成形品の外観に優れ、且つ滞留熱安定性にも優れた導電性ポリカーボネート樹脂組成物に関するものである。この特性により、電気・電子・OA機器部品、機械部品、自動車部品等に適した導電性ポリカーボネート樹脂組成物に関するものである。
ポリカーボネート樹脂は、機械的強度、耐熱性、透明性、寸法安定性等に優れた樹脂として、多くの分野で幅広く用いられている。中でも、近年の情報産業の発達により、電気電子部品に用いられるケースが非常に増えてきている。これらOA機器や電子機器の分野では、小型軽量化や、高集積化、高精度化が進み、これに伴い、電気電子部品への塵やほこりの付着を極力低減させることや、静電気障害による誤作動を防止する効果がある導電性樹脂に対する市場からの要求は年々多く且つ厳しくなってきている。例えば、半導体に使われるICチップ、ICトレーや、ウエハー、コンピュータに使われるハードディスクの内部部品等では、その要求が一層厳しく、帯電防止性を付与し、塵やほこりの付着を完全に防止することが必要である。また、電磁波シールド性の付与が必要な部品にも導電性が要求され、このようなものとしては、例えば、ノートパソコンのハウジング、PDAのハウジング、パチンコ部品の基板、カメラシャッター、携帯電話のハウジング等がある。
他方、自動車部品に関しては、フェンダー、ドアパネル、リアパネル等の垂直外板において、従来の金属材料からプラスチック化への検討が活発に行われている。このような自動車部品は、通常、着色のために塗装が行われており、塗料の付着効率を向上させる目的で静電塗装が一般的に行われている。静電塗装とは、アースした被塗装物と塗料吹き付け装置に高電圧をかけ、帯電させた塗料粒子を反対極である被塗装物に吹き付けることにより効率よく塗料を付着させる塗装方法であり、静電塗装を行うには樹脂が導電性を有することが必要である。
しかしながら、ポリカーボネート樹脂を含む合成樹脂は、本来電気を通さない絶縁性であるため、導電性や帯電防止性を要求される部品には、そのままでは用いることができない。この対策として、ポリカーボネート樹脂に導電性カーボンブラックを配合し、導電性や帯電防止性を付与することが行われているが、本来絶縁性であるポリカーボネート樹脂に導電性を付与するには、かなりの量の導電性カーボンブラックを配合する必要があり、カーボンブラックの多量配合のためにポリカーボネート樹脂本来の機械的強度や流動性が大幅に低下し、成形品外観が損なわれるといった問題が生じてくる。
これらの問題を解決するために、DBP吸油量が400ml/100g以上で且つ重金属量含有量が500ppm以下の導電性カーボンブラックを配合した導電性樹脂組成物(特許文献1)や、芳香族ポリカーボネートを主体とする熱可塑性樹脂に吸油量が100〜200ml/100gで且つ比表面積が50〜200m/gの導電性カーボンブラックと吸油量が300ml/100g以上で且つ比表面積が500m/g以上の導電性カーボンブラックとを特定の割合で配合した導電性熱可塑性樹脂組成物(特許文献2)が提案されている。また、特許文献3では、ポリカーボネート樹脂に、ヨウ素吸着量が50〜90g/kg、DBP吸油量が100ml/100g、比表面積が50〜90m/gであるファーネス型カーボンブラックを含有してなる導電性ポリカーボネート樹脂組成物が提案されている。更に、特許文献4では、特定の粘弾性特性を有するポリカーボネート樹脂に導電性カーボンブラックを含有してなるポリカーボネート樹脂組成物が提案されている。
近年、部品の薄肉化が進み、更に流動性と導電性のバランスに優れた導電性ポリカーボネート樹脂組成物が求められているが、上記のような従来技術では、流動性と導電性のバランスにおいて十分に満足できるものではなかった。また、自動車部品などの大型成形品を製造するに当たり、更に、滞留熱安定性にも優れた導電性ポリカーボネート樹脂組成物が強く求められているが、上記のような従来技術では滞留熱安定性において必ずしも満足できるものではなかった。
特許文献5には、一次粒子径10〜40nm、DBP吸油量20〜175ml/100gのカーボンブラックを用いた導電性樹脂組成物が提案されている。しかしながら、特許文献5には、具体的にポリカーボネートを用いた組成物の開示は無く、また、開示されている導電性カーボンブラックでは24M4DBP吸収量が121cm/100gと小さく、流動性と導電性のバランスが十分ではなかった。しかも、特許文献5には、ポリカーボネートに導電性カーボンブラックを配合した際の滞留熱安定性に関する問題点について具体的記載や言及はなされていなかった。
特開昭60−8335号公報 特開平4−342758号公報 特開2004−323551号公報 特開2003−55544号公報 特開平8−337678号公報
本発明の目的は、上記従来技術の諸欠点を解消し、流動性、導電性、成形品の外観に優れ、且つ滞留熱安定性にも優れた導電性ポリカーボネート樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記従来技術の諸欠点を解消した導電性ポリカーボネート樹脂組成物を提供することを目的として鋭意検討した結果、芳香族ポリカーボネート樹脂に特定の物性を有する導電性カーボンブラック、すなわち、水素含有量が少なく、結晶サイズが小さく、且つそのストラクチャーの指標値が大きい導電性カーボンブラックを配合することにより、流動性、導電性、成形品の外観に優れ、且つ滞留熱安定性にも優れた導電性ポリカーボネート樹脂組成物が得られることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は以下を要旨とするものである。
(1) 芳香族ポリカーボネート樹脂(A成分)100重量部に対して、導電性カーボンブラック(B成分)を0.1〜100重量部含有してなる樹脂組成物であって、前記導電性カーボンブラック(B成分)が次の(1)〜(3)の特性を全て満足することを特徴とする導電性ポリカーボネート樹脂組成物。
(1) 24M4DBP吸収量が130cm/100g以上
(2) 1500℃、30分間加熱により発生した水素量(脱水素量)が1.2mg/g以下
(3) 結晶子サイズLcが10〜17Åの範囲
(2) 導電性カーボンブラック(B成分)の窒素吸着比表面積が、150〜300m/gの範囲であることを特徴とする(1)の導電性ポリカーボネート樹脂組成物。
(3) 導電性カーボンブラック(B成分)のストークスモード径(Dmod)と24M4DBP吸収量との比(Dmod/24M4DBP)が、0.6〜0.9の範囲であることを特徴とする(1)または(2)の導電性ポリカーボネート樹脂組成物。
(4) 導電性カーボンブラック(B成分)の透過型電子顕微鏡による平均粒子径が、14〜24nmの範囲であることを特徴とする(1)〜(3)の導電性ポリカーボネート樹脂組成物。
(5) 導電性カーボンブラック(B成分)のCTAB(セチルトリメチルアンモニウムブロマイド)吸着比表面積が、120〜220m/gの範囲であることを特徴とする(1)〜(4)の導電性ポリカーボネート樹脂組成物。
(6) 導電性カーボンブラック(B成分)のDBP吸収量が、150〜400cm/100gの範囲であることを特徴とする(1)〜(5)の導電性ポリカーボネート樹脂組成物。
(7) 導電性カーボンブラック(B成分)の次式で定義される含酸素官能基密集度が、3μmol/m以下であることを特徴とする(1)〜(6)の導電性ポリカーボネート樹脂組成物。
Figure 0004760034
(8) 導電性カーボンブラック(B成分)が、オイルファーネスカーボンブラックであることを特徴とする(1)〜(7)の導電性ポリカーボネート樹脂組成物。
(9) 芳香族ポリカーボネート樹脂(A成分)100重量部に対して、導電性カーボンブラック(B成分)を0.5〜25重量部含有してなることを特徴とする(1)〜(8)の導電性ポリカーボネート樹脂組成物。
(10) 組成物が、予めA成分を溶融し、その溶融物にB成分を配合し溶融混練して得られたものであることを特徴とする(1)〜(9)の導電性ポリカーボネート樹脂組成物。
(11) 組成物が、A成分の一部とB成分とを予め溶融混練して中間組成物Yを製造し、A成分の残部とともに中間組成物Yを溶融混練して得られたものであることを特徴とする(1)〜(9)の導電性ポリカーボネート樹脂組成物。
芳香族ポリカーボネート樹脂(A成分)に対して、特定の物性を有する導電性カーボンブラック(B成分)を含有してなる本発明の導電性ポリカーボネート樹脂組成物は、流動性、導電性、外観に優れ、滞留熱安定性にも優れるという特徴があり、更に、機械的特性、寸法安定性、耐熱性などにも優れた樹脂組成物である。
従って、このような特長を有する本発明の導電性ポリカーボネート樹脂組成物は、電気・電子・OA機器・自動車部品をはじめとした導電性が要求される各種の用途にも好適に使用することができる。例えば、半導体に使われるICチップ、ICトレーや、ウエハー、コンピュータに使われるハードディスクの内部部品等において、帯電防止性を付与し、塵やほこりの付着を完全に防止するためや静電気による誤作動を防止するために使用することができる。また、電磁波シールド性の付与のために導電性が要求される用途、例えば、ノートバソコンのハウジング、PDAのハウジング、パチンコ部品の基板、カメラシャッター、携帯電話のハウジング等にも使用することができる。更に、バンパー、フェンダー、ドアパネル、トランクリッド、フロントパネル、リアパネル、ルーフパネル、ボンネット、ピラー、サイドモール、ガーニッシュ、ホイールキャップ、ドアハンドル、フードバルジ、フューエルリッド、各種スポイラー等の静電塗装される自動車用外装部品等にも好適に使用することができる。
以下に本発明の導電性ポリカーボネート樹脂組成物の実施の形態を詳細に説明する。
[1]芳香族ポリカーボネート樹脂(A成分)
本発明のA成分である芳香族ポリカーボネート樹脂(以下、「A成分」と略記することがある。)は、芳香族ジヒドロキシ化合物またはこれと少量のポリヒドロキシ化合物と、カーボネート前駆体とを反応させることによって得られる、分岐していてもよい熱可塑性の芳香族ポリカーボネート重合体または共重合体である。
本発明に係る芳香族ポリカーボネート樹脂の製造法は、特に限定されるものではなく、従来から知られているホスゲン法(界面重合法)または溶融法(エステル交換法)等によって製造することができる。
芳香族ジヒドロキシ化合物としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(=ビスフェノールA)、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(=テトラブロモビスフェノールA)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1−トリクロロプロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサクロロプロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン等で例示されるビス(ヒドロキシアリール)アルカン類;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等で例示されるビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類;9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン等で例示されるカルド構造含有ビスフェノール類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルエーテル等で例示されるジヒドロキシジアリールエーテル類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルフィド等で例示されるジヒドロキシジアリールスルフィド類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホキシド等で例示されるジヒドロキシジアリールスルホキシド類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホン等で例示されるジヒドロキシジアリールスルホン類;ハイドロキノン、レゾルシン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル等が挙げられる。
これらの芳香族ジヒドロキシ化合物は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの中で、特に2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(=ビスフェノールA)が耐衝撃性の点から好適に用いられている。
芳香族ジヒドロキシ化合物と反応させるカーボネート前駆体としては、カルボニルハライド、カーボネートエステル、ハロホルメート等が使用され、具体的にはホスゲン;ジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネート等のジアリールカーボネート類;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のジアルキルカーボネート類;二価フェノールのジハロホルメート等が挙げられる。これらのカーボネート前駆体もまた1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
また、A成分の芳香族ポリカーボネート樹脂は、三官能以上の多官能性芳香族化合物を共重合した、分岐した芳香族ポリカーボネート樹脂であってもよい。分岐した芳香族ポリカーボネート樹脂を得るには、フロログルシン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−2、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、2,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−3、1,3,5−トリ(4−ヒドロキシフェニル)べンゼン、1,1,1−トリ(4−ヒドロキシフェニル)エタン等で例示されるポリヒドロキシ化合物類、または、3,3−ビス(4−ヒドロキシアリール)オキシインドール(=イサチンビスフェノール)、5−クロルイサチン、5,7−ジクロルイサチン、5−ブロムイサチン等で、前記芳香族ジヒドロキシ化合物の一部を置換して使用すればよく、その使用量は芳香族ジヒドロキシ化合物に対して0.01〜10モル%の範囲が好ましく、特に好ましいのは0.1〜2モル%である。
上記芳香族ジヒドロキシ化合物とカーボネート前駆体を界面重合法または溶融エステル交換法によって反応させて芳香族ポリカーボネート樹脂を製造するに当っては、必要に応じて末端停止剤を使用してもよい。
界面重合法芳香族ポリカーボネート樹脂の場合、通常、末端停止剤または分子量調節剤が使用される。末端停止剤または分子量調節剤としては、一価のフェノール性水酸基若しくは一価のカルボン酸誘導体構造を有する化合物が挙げられる。一価のフェノール性水酸基を有する化合物としては、例えば、フェノール、アルキルフェノール、ハロゲン化フェノール、アルコキシフェノール、アルコキシカルボニルフェノール等の置換フェノール類が挙げられ、具体的には、フェノール、メチルフェノール、p−n−ブチルフェノール、p−tert−ブチルフェノール、p−tert−オクチルフェノール、アリルフェノール、クミルフェノール、ナフチルフェノール、ナフトール、ブロモフェノール、トリブロモフェノール、トリフルオロフェノール、メトキシフェノール、ブトキシフェノール、メトキシカルボニルフェノール、ブトキシカルボニルフェノール、ドデシロキシカルボニルフェノール、オクタデシロキシカルボニルフェノール等が挙げられる。一価のカルボン酸誘導体構造を有する化合物としては、例えば、カルボン酸、カルボン酸クロライド等が挙げられ、具体的には、酢酸、アクリル酸、ギ酸、プロピオン酸、プロピオル酸、酪酸、イソ酪酸、メタクリル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ピルビン酸、アセト酢酸、グリコール酸、乳酸、グリセリン酸、ヘキサフルオロ酢酸、安息香酸、ナフトエ酸、メチル安息香酸、ブチル安息香酸、ビニル安息香酸、ペンタフルオロ安息香酸、ペンタブロモ安息香酸、メチルナフトエ酸、エチルナフトエ酸等のカルボン酸、および、これらカルボン酸から誘導されるカルボン酸クロライド等が挙げられる。
また、エステル交換法芳香族ポリカーボネート樹脂の場合、通常、原料の芳香族ジヒドロキシ化合物とカーボネート前駆体とのモル比を調節したり、減圧度を調節したりすることによって、その末端のヒドロキシ末端構造の量比が調整できる。また、より積極的な方法として、反応時に別途、末端停止剤を添加する調整方法も周知である。この際の末端停止剤としては、一価フェノール類、一価カルボン酸類、炭酸ジエステル類が挙げられる。一価フェノール類、一価カルボン酸類としては、例えば、炭素数が9以上の一価フェノールや一価カルボン酸が好適に使用され、具体的には、p−プロピルフェノール、o−sec−ブチルフェノール、p−tert−ブチルフェノール、クミルフェノール、tert−オクチルフェノール、フェニルフェノール、ナフチルフェノール、4−ヒドロキシ−p−クオーターフェニル、ブチル安息香酸、オクチル安息香酸、フェニル安息香酸、ナフタレンカルボン酸等が挙げられる。炭酸ジエステル類としては、例えば、上記炭素数9以上の一価フェノールから誘導される炭酸ジエステル類が好適に使用され、具体的には、フェニルブチルフェニルカーボネート、ジ(ブチルフェニル)カーボネート、フェニルクミルフェニルカーボネート、ジ(ノニルフェニル)カーボネート、メチルフェニルナフチルフェニルカーボネート等が挙げられる。
更に、本発明に係る芳香族ポリカーボネート樹脂は、芳香族または脂肪族の二官能性カルボン酸を共重合したポリエステルカーボネートであってもよい。脂肪族の二官能性カルボン酸としては、例えば炭素数8〜20、好ましくは10〜12の脂肪族の二官能性カルボン酸が挙げられる。かかる脂肪族の二官能性のカルボン酸は、直鎖状、分枝状、環状のいずれであってもよい。脂肪族の二官能性のカルボン酸としては、α,ω−ジカルボン酸が好ましく、例えば、セバシン酸(デカン二酸)、ドデカン二酸、テトラデカン二酸、オクタデカン二酸、エイコサン二酸等の直鎖飽和脂肪族ジカルボン酸が好ましく挙げられる。
更に、本発明に係る芳香族ジヒドロキシ化合物としては、ポリオルガノシロキサン単位を共重合したポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の使用も可能である。
本発明に係る芳香族ポリカーボネート樹脂は、上述した各種芳香族ジヒドロキシ化合物の異なる芳香族ポリカーボネート樹脂、分岐成分を含有する分岐芳香族ポリカーボネート樹脂、製造法の異なる芳香族ポリカーボネート樹脂、末端停止剤の異なる芳香族ポリカーボネート樹脂、各種のポリエステルカーボネート、ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体等各種の芳香族ポリカーボネート樹脂の2種以上を混合したものであってもよい。
本発明に係る芳香族ポリカーボネート樹脂の分子量は、溶液粘度から換算した粘度平均分子量[M]で、10,000〜35,000の範囲のものが好ましい。芳香族ポリカーボネートの粘度平均分子量[M]が10,000未満であると、本発明の導電性ポリカーボネート樹脂組成物から得られる成形品の耐衝撃性が不足する場合があり、35,000を超えると該樹脂組成物自体の成形性が低下するおそれがある。
ここで粘度平均分子量[M]とは、溶媒としてメチレンクロライドを使用し、オストワルド粘度計を用いて温度20℃での極限粘度[η](単位dl/g)を求め、Schnellの粘度式、すなわち、η=1.23×10−40.83、から算出される値を意味する。ここで極限粘度[η]とは各溶液濃度[C](g/dl)での比粘度[ηsp]を測定し、下記式により算出した値である。粘度平均分子量[M]のより好ましい範囲は13,000〜30,000であり、中でも好ましいのは15,000〜28,000である。
Figure 0004760034
また、成形品外観の向上や流動性の向上の目的で、A成分である芳香族ポリカーボネート樹脂は、芳香族ポリカーボネートオリゴマーを含有していてもよい。この芳香族ポリカーボネートオリゴマーの粘度平均分子量[M]は、好ましくは1,500〜9,500であり、より好ましくは2,000〜9,000である。芳香族ポリカーボネートオリゴマーは、芳香族ポリカーボネート樹脂中において30重量%以下の範囲で使用するのが好ましい。
更に、本発明のA成分である芳香族ポリカーボネート樹脂としては、バージン原料だけでなく、使用済みの製品から再生された芳香族ポリカーボネート樹脂、いわゆるマテリアルリサイクルされた芳香族ポリカーボネート樹脂の使用も可能である。使用済みの製品としては、光学ディスク等の光記録媒体、導光板、自動車窓ガラスや自動車ヘッドランプレンズ、風防等の車両透明部材、水ボトル等の容器、メガネレンズ、防音壁やガラス窓、波板等の建築部材等が好ましく挙げられる。また、再生芳香族ポリカーボネート樹脂としては、製品の不適合品、スプルー、ランナー等から得られた粉砕品またはそれらを溶融して得たペレット等も使用可能である。
[2]導電性カーボンブラック(B成分)
本発明は、B成分である導電性カーボンブラック(以下、「B成分」と略記することがある。)の水素含有量を低下させるとともに、結晶サイズを小さくし、且つそのストラクチャーの指標値を大きくすることにより、これを配合した導電性ポリカーボネート樹脂組成物の導電性および流動性が向上し、更には滞留熱安定性を確保しうるという新規な知見に基づいて創案されたものであり、本発明で用いる導電性カーボンブラックは、次の3条件を満足する必要がある。
(1) 24M4DBP吸収量が130cm/100g以上
(2) 1500℃、30分間加熱により発生した水素量(脱水素量)が1.2mg/g以下
(3) 結晶子サイズLcが10〜17Åの範囲
更に、本発明のB成分である導電性カーボンブラックは、次の条件を満足することが好ましい。
(4) 窒素吸着比表面積が150〜300m/g
(5) ストークスモード径(Dmod)と24M4DBP吸収量との比(Dmod/24M4DBP)が0.6〜0.9
(6) 透過型電子顕微鏡による平均粒径が14〜24nm
(7) CTAB(セチルトリメチルアンモニウムブロマイド)吸着比表面積が120〜220m/g
(8) DBP吸収量が150〜400cm/100g
(9) 次式で定義される含酸素官能基密集度が3μmol/m以下
Figure 0004760034
(10) オイルファーネスカーボンブラック
なお、本発明に係る導電性カーボンブラックの特性評価法は次の通りである。
[24M4DBP吸収量、DBP吸収量]
24M4DBP吸収量およびDBP吸収量は、JIS K6217に準拠する(単位はcm/100g)。
[1500℃、30分間加熱により発生した水素量(脱水素量)]
脱水素量は、カーボンブラックを真空中で1500℃で30分間加熱し、この間に発生したガス中の水素量であり、具体的には次のようにして測定される。
1.カーボンブラックを約0.5g精秤し、アルミナ管に入れ、0.01Torr(1.
3Pa)まで減圧した後、減圧系を閉じ、1500℃の電気炉内に30分間保持して
カーボンブラックに存在する酸素化合物や水素化合物を分解・揮発させる。
2.揮発成分は定量吸引ポンプを通じて、一定容積のガス捕集管に採取する。
3.圧力と温度からガス量を求めるとともに、ガスクロマトグラフにて組成分析する。こ
れから水素(H)の発生量(mg)を求め、カーボンブラック1g当たりからの水
素量に換算した値を計算する(単位はmg/g)。
[結晶子サイズLc]
カーボンブラックの結晶子サイズLc(Å)は、X線回折装置を用い、次の式より求められる。
Scherrerの式:結晶子サイズLc=K×λ/β×cosθ
ここで、K:形状因子定数0.9
λ:特性X線の波長 CuKα 1.5418(Å)
β:半価幅(ラジアン)
θ:ピーク位置(度)
具体的な測定装置としては、X線回折装置 RINT−1500型(理学電機社製)を用い、測定条件は管球にCu、管電圧40KV、管電流250mAで実施した。カーボンブラック試料は装置付属の試料板に充填し、測定角度(2θ)10〜60°、測定速度0.5°/分で測定し、ピーク位置と半価幅は装置のシフトにより算出した。測定角度の校正は、X線標準用シリコンを用いた。
[窒素吸着比表面積]
窒素吸着比表面積(N2SA)は、JIS K6217に準拠して定義される(単位はm/g)。
[ストークスモード径(Dmod)およびストークスモード半値幅(D1/2)]
ストークスモード径(Dmod)およびストークスモード半値幅(D1/2)は、以下の測定法で求められる。
(測定法)
界面活性剤(SIGMA CHEMICAL社製「NONDET P−40」)を3滴加えた20容量%エタノール水溶液に、精秤したカーボンブラックを加えて、カーボンブラック濃度が0.01重量%の試料液を調製した。この試料液を超音波洗浄機(LAKOMANUFACTURNG CO.製「ULTRASONIC STIRRING BATH」)を用いて、20分間分散処理することにより、カーボンブラックスラリーとした。一方、遠心沈降式の粒度分布測定装置(BROOK HAVEN INSTRUMENTS社製「BI−DCP PARTICLSIZER」)にスピン液(純水)10ミリリットルを注入し、更にバッファー液(20容量%エタノール水溶液)1ミリリットルを注入した後、前記調製したカーボンブラックスラリー各1ミリリットルを注入し、回転数10000rpmで遠心沈降させ真比重1.78g/cmでストークス相当径を計算し、図1に示すように、ストークス相当径に対して相対的な発生頻度のヒストグラムを作る。ヒストグラムのピークAから直線BをY軸に平行に引き、ヒストグラムのX軸との交点をCとする。このときのCでのストークス直径が、ストークスモード径(Dmod)となる。また、直線Bの中点をFとして、Fを通りX軸に平行に直線Gを引く。直線Gは、ヒストグラムの分布曲線と2点DおよびEで交わる。このとき、DおよびEでの各ストークス直径の差の絶対値が、ストークスモード半値幅(D1/2)である。
[平均粒子径]
平均粒子径は、透過型電子顕微鏡を用い、具体的には次のようにして求めた。
1.カーボンブラック試料を150kHz、0.4kWの超音波分散機により、10分間
クロロホルムに分散させて分散試料を作成した。
2.次に、上記試料をカーボン補強した支持膜に振り掛けて固定する。これを透過型電子
顕微鏡で撮影し、50000〜200000倍に拡大した画像をEndterの装置
を用いてランダムに1000個以上のカーボンブラックの粒子径を測定し、その平均
値を平均粒子径とした。
[CTAB(セチルトリメチルアンモニウムブロマイド)吸着比表面積]
CTAB吸着比表面積は、JIS K6217に準拠して定義される(単位はm/g)。
[含酸素官能基密集度]
(1500℃×30分)CO発生量(以下、単に「CO発生量」と言う)および(1500℃×30分)CO発生量(以下、単に「CO発生量」と言う)は、各々カーボンブラックを真空中で1500℃で30分間加熱し、この間に発生したガス中のCOおよびCO量であり、具体的には次のようにして測定される。
(測定法)
カーボンブラックを約0.5g精秤し、アルミナ管に入れ、0.01Toor(1.3Pa)まで減圧した後、減圧系を閉じ、1500℃の電気炉内に30分間保持してカーボンブラック中に存在する酸素化合物や水素化合物を分解・揮発させる。揮発成分は定量吸引ポンプを通じて、一定容積のガス捕集管に採取する。圧力と温度からガス量を求めるとともに、ガスクロマトグラフにて組成分析する。これから一酸化炭素(CO)および二酸化炭素(CO)の発生量(mg)を求め、カーボンブラック1g当たりからのCOおよびCOに換算した値を計算する(単位はmg/g)。
更に、得られた各ガスの発生量をμmol/gに換算し、次の式により含酸素官能基密集度を求める。
Figure 0004760034
以下に本発明で用いる導電性カーボンブラックの特性値について説明する。
<24M4DBP吸収量>
一般にカーボンブラックは一次粒子が葡萄房状に連なった独特のストラクチャーと称される連鎖体よりなる二次粒子を形成している。この葡萄房状連鎖体の空隙部分等にDBP(ジブチルフタレート)が吸収されるので、24M4DBP吸収量や後述のDBP吸収量はカーボンブラックが有する重要な指標値である。
本発明に係る導電性カーボンブラックは、樹脂組成物の導電性および流動性を向上させるために、24M4DBP吸収量が130cm/100g以上、好ましくは140cm/100g以上、より好ましくは145cm/100g以上である。24M4DBP吸収量が130cm/100g未満では、導電性ネットワークを形成しにくくなり樹脂組成物とした際に十分な導電性が得られない。ただし、24M4DBP吸収量が高すぎても、樹脂中での分散性が低下する場合があり、また生産時の炉の負荷が大きく、経済的でないので、260cm/100g以下が好ましく、より好ましくは200cm/100g以下、更に好ましくは160cm/100g以下である。
<1500℃、30分間加熱により発生した水素量(脱水素量)>
本発明では、導電性カーボンブラックの1500℃で30分間加熱により発生した水素量(以下、「脱水素量」と略す場合がある。)を1.2mg/g以下、好ましくは1.0mg/g以下、より好ましくは0.8mg/g以下にすることにより、樹脂組成物の導電性を高めることができる。脱水素量が1.2mg/gよりも多いと、カーボンブラック表面近傍の結晶発達が不十分で、カーボンブラック造粒、乾燥工程等で酸性官能基が表面に付加しやすくなり、樹脂組成物の導電性が悪くなる。更に、脱水素量が1.2mg/gよりも多いと、樹脂組成物の滞留熱安定性が十分でない場合がある。この滞留熱安定性の低下は、カーボンブラック表面近傍に付加した酸性官能基が樹脂を熱分解するためと推定される。脱水素量は、1.2mg/g以下であれば低い程好ましいが、一般的には工業的な経済性などの理由により、0.1mg/g以上とするのが好ましい。
<結晶子サイズLc>
本発明では、導電性カーボンブラックの結晶子サイズLcを10〜17Åの範囲、好ましくは11〜16Åの範囲とすることで、樹脂組成物の導電性および流動性の双方を高めることができる。結晶子サイズが17Åを超えると、樹脂との混練時に結晶化したグラファイト層でカーボンブラックの切断が起こりやすくなり、ストラクチャーが短くなり、導電性が低下する。また、結晶子サイズが10Åより小さいと十分な導電性が得られない。
<24M4DBP吸収量、脱水素量および結晶子サイズLc>
本発明では、24M4DBP吸収量が130cm/100g以上、脱水素量が1.2mg/g以下、結晶子サイズLcが10〜17Åの範囲の導電性カーボンブラックを芳香族ポリカーボネート樹脂に配合することで、導電性と流動性のバランスに優れ、更に滞留熱安定性に優れた樹脂組成物を得ることができる。上記規定範囲外の導電性カーボンブラックでは、所望の導電性を得るためにはカーボンブラックの配合量が増え、それに伴い流動性が低下し、更に滞留熱安定性も悪化する。また、ケッチェンブラックに代表される24M4DBP吸収量の大きなカーボンブラックでは、所望の導電性を得るためのカーボンブラック配合量は少なくて済むが、脱水素量が大きいためか樹脂組成物の滞留熱安定性は良くなく、更に比表面積を大きくするための賦活化により細孔ができ、リン化合物や酸化防止剤などの各種熱安定剤がカーボンブラックに吸着し易くすくなるために滞留熱安定性が悪化する場合もある。
<窒素吸着比表面積>
本発明に係る導電性カーボンブラックの窒素吸着比表面積は、大きいほど樹脂組成物の導電性を向上させるが、300m/gを超えると樹脂中への分散性や流動性が低下する場合がある。導電性カーボンブラックの窒素吸着比表面積は、150〜300m/gの範囲が好ましく、より好ましくは200〜290m/gの範囲とすることで、樹脂組成物の導電性と流動性のバランスが優れたものとなる。
<ストークスモード径(Dmod)と24M4DBP吸収量との比(Dmod/24M4DBP)>
本発明に係る導電性カーボンブラックは、ストークスモード径(Dmod)と24M4DBP吸収量との比(Dmod/24M4DBP)が0.6〜0.9の範囲にあることが樹脂組成物とした際に導電性と流動性のバランスが優れることから好ましい。Dmod/24M4DBPが0.6より小さいと、樹脂組成物中での分散性低下や流動性低下が起こる場合があり、分散性が悪すぎると導電性が低下する場合もある。また、逆に0.9より大きいと、導電性と流動性、機械的強度のバランスが悪化する場合がある。
<平均粒子径>
樹脂組成物の導電性を更に向上させるために、透過型電子顕微鏡によるカーボンブラックの平均粒子径は14〜24nmが好ましく、より好ましくは15〜18nmである。平均粒子径が14nm未満では、カーボンブラックの分散性が低下し、24nmを超えても導電性が低下する。
<CTAB(セチルトリメチルアンモニウムブロマイド)吸着比表面積>
本発明では、導電性カーボンブラックのCTAB吸着比表面積を好ましくは120〜220m/gの範囲、より好ましくは150〜200m/gの範囲にすることにより、樹脂組成物の導電性および流動性を高めることができる。CTAB吸着比表面積が120m/gより小さいと導電性が低下する場合があり、220m/gより大き過ぎると樹脂組成物中での分散性や流動性が低下する場合があるのでいずれも好ましくない。
<DBP吸収量>
本発明では、DBP吸収量が150〜400cm/100gの範囲である導電性カーボンブラックが好ましく、より好ましくは150〜230cm/100gの範囲であり、更に好ましくは155〜210cm/100gの範囲である。DBP吸収量が150cm/100gよりも小さいと、樹脂組成物の導電性と流動性のバランスが悪く、逆にDBP吸収量が400cm/100gよりも大きいと流動性や樹脂組成物中での分散性が低下するのでいずれも好ましくない。
<含酸素官能基密集度>
本発明に係る導電性カーボンブラックは、含酸素官能基密集度が3μmol/m以下であることが好ましい。含酸素官能基密集度とは、カーボンブラック単位表面積当たりの官能基の数を示すものであるため、この数値は低いのが好ましい。この数値が高い場合には、カーボンブラックを含む樹脂組成物の導電性が低下する。なお、この数値は低いほど導電性の観点では好ましいが、あまりに低すぎると分散性が低下して導電性や流動性が却って悪化する恐れがあり、また脱水素量の場合と同様、工業的な経済性などの理由により不利である。従って、含酸素官能基密集度は0.1μmol/m以上とするのが好ましい。
<オイルファーネスカーボンブラック>
本発明に係る導電性カーボンブラックは、上記特性条件を満足するなら、その製造方法は任意であり、例えばオイルファーネス法やアセチレン法、賦活法などが挙げられるが、中でもオイルファーネス法は、安価に、且つ歩留まり良く製造できるので好ましい。
以下、オイルファーネス法によるカーボンブラックの製造法を説明する。
図2は本発明に係る導電性カーボンブラックの製造装置の一例を示す概略構成図である。この装置は、オイルファーネス法によるカーボンブラック製造装置であって、燃料を燃焼して高温燃焼ガス流を発生させる第1反応帯域Aと、その下流に接続し、カーボンブラック原料を導入する導入ノズルを備えた第2反応帯域Bと、更にその下流に接続しカーボンブラック生成反応を停止させる為に炉内に冷却水等を供給するノズルを備えた第3反応帯域Cとを含む。
まず燃料導入ノズルFから燃料を噴霧状で導入し、これを燃焼用空気導入ノズルGからの燃焼用空気と混合して燃焼させ、高温燃焼ガス流を得る。燃焼ガス流の温度は、1300℃〜2000℃程度である。高温燃焼ガスの発生に用いる燃料は任意だが、例えば重油、軽油、ガソリン、灯油等の液体燃料や、天然ガス、プロパン、水素等の気体燃料が挙げられる。発生した高温燃焼ガス流は、徐々に収斂した形状の製造炉内を通過することによってガス流速が上昇し、炉内の乱流エネルギーが向上する。
第2反応帯域Bで導入されるカーボンブラック原料としては、例えばクレオソート油などの石炭系炭化水素やエチレンボトム油などの石油系炭化水素が挙げられる。カーボンブラック原料の導入位置や原料量を調節して、カーボンブラックの粒子径(一次粒子径)や粒子のつながり度合い(ストラクチャー)を調整することができる。
第2反応帯域Bで生成するカーボンブラックは、第3反応帯域Cにおいて冷却水等と接触させて急冷することにより、カーボンブラック生成反応が停止する。この後、一般的にはバッグフィルターやサイクロン等の捕集装置により、ガスとカーボンブラックを分離してカーボンブラックを得る。なお、得られたカーボンブラックは水等を造粒用媒体として用い、ピン式湿式造粒機等によって約1mm程度の粒にし、ついで回転式乾燥機で乾燥する工程を経ることが一般的である。
本発明に係る導電性カーボンブラック、すなわち24M4DBP吸油量が130cm/100g以上、脱水素量が1.2mg/g以下であり且つ、結晶子サイズLcが10〜17Åであるカーボンブラックを製造するためには、上述の第2帯域Bにおけるカーボンブラック原料導入ノズルD’の位置と、第3反応帯域Cにおける冷却水供給ノズルE’の位置とを調整して炉内におけるカーボンブラックの滞留時間を特定範囲とすることによって、上述した様にカーボンブラックの24M4DBP吸収量と比表面積を特定範囲の値とし、結晶子サイズLcを過大に大きくせず特定の小さな値として、且つカーボンブラック粒子表面の脱水素が進行した状態とすればよい。
本発明に係る導電性カーボンブラックを製造するためには、例えば、上記装置によるカーボンブラックの製造において、炉内温度と滞留時間を調節する。具体的には、炉内温度が1500℃〜2000℃、好ましくは1600℃〜1800℃、カーボンブラックの炉内滞留時間、すなわち原料導入点から反応停止位置までに要する時間が、40ミリ秒〜500ミリ秒、好ましくは50ミリ秒〜200ミリ秒とすればよい。また、炉内温度が1500℃を下回るような低温の場合には、炉内滞留時間が500ミリ秒を超えて5秒以下、好ましくは1秒〜3秒とすればよい。
本発明に係る導電性カーボンブラックは、特に脱水素量が少ないので、炉内での高温燃焼ガス流の温度を1700℃以上の高温とする方法や、カーボンブラック原料供給ノズルよりも下流側で更に炉内に酸素を導入してカーボンブラック表面の水素等を燃焼させ、この反応熱で高温下の滞留時間を長くすることが好ましい。この様な方法によって、カーボンブラックの表面近傍の結晶化とカーボンブラック内部の脱水素が効果的に行えるので好ましい。
[3]A成分とB成分の配合比
本発明の導電性ポリカーボネート樹脂組成物において、前記A成分とB成分の配合比率は、A成分(芳香族ポリカーボネート)100重量部に対してB成分(導電性カーボンブラック)が0.1〜100重量部の範囲であり、好ましくは0.5〜25重量部の範囲である。B成分の配合量が0.5重量部未満であると導電性が十分ではなく、100重量部を超えると流動性、成形品の外観、機械的強度が悪化するので好ましくない。
[4]他の成分
本発明の導電性ポリカーボネート樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲において、他の樹脂を含んでいてもよい。他の樹脂としては、例えば、ポリスチレン、耐衝撃性ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体等のスチレン系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリメタクリレート樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂が挙げられる。これらの樹脂は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ただし、本発明においては、芳香族ポリカーボネート樹脂の優れた機械的強度、耐熱性、透明性、寸法安定性等を十分に得るために、他の樹脂を含む場合、その含有量は、芳香族ポリカーボネート樹脂100重量部に対して、100重量部以下とすることが好ましい。
更に、本発明の導電性ポリカーボネート樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲において、上記成分以外に他の各種樹脂添加剤を含有するものであってもよい。各種樹脂添加剤としては、フォスファイト系化合物、フォスフェート系化合物などの熱安定剤;ヒンダードフェノール系化合物、チオエーテル系化合物などの酸化防止剤;縮合燐酸エステル系化合物、シリコーン系化合物、金属塩系化合物、ハロゲン系化合物などの難燃剤;ポリエチレンワックス、脂肪酸エステル系化合物などの離型剤;紫外線吸収剤;帯電防止剤;可塑剤;滑剤;相溶化剤;発泡剤;染顔料等が挙げられ、これらの1種または2種以上を添加含有させることができる。
[5]導電性ポリカーボネート樹脂組成物の調製方法
本発明の導電性ポリカーボネート樹脂組成物の調製方法には特に制限はないが、工業的観点からは、溶融混練法が好ましい。溶融混練の代表的な方法として、熱可塑性樹脂について一般に実用されている溶融混練機の使用が挙げられる。例えば、一軸押出機、多軸押出機、バンバリーミキサー、ロール、ブラベンダープラストグラム等を用いる方法が挙げられ、溶融混練機で溶融混練した後、粒状化することにより本発明の導電性ポリカーボネート樹脂組成物を得ることができる。
具体的な方法としては、A成分、B成分を溶融混練機に一括投入し、溶融混練して樹脂組成物を得る方法がある。組成物の導電性の点からは、A成分を溶融混練機の上流部分に投入して溶融混練し、続けて溶融混練機の中流以降の部分でB成分を投入して溶融混練させて樹脂組成物を得る方法がより好ましい。更に、B成分を予めA成分の一部と溶融混練してなる中間組成物Y(以下「Y成分」と称す場合がある。)に、A成分の残部を配合し、溶融混練して樹脂組成物を得る方法も、得られる樹脂組成物の導電性の点で好ましい方法である。
また、上記溶融混練法によらずとも、適当な溶媒、例えば、ヘキサン、へプタン、べンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素、およびこれらの誘導体に、上記A成分、B成分を添加し、溶解する成分同士または溶解する成分と不溶解成分を懸濁状態で混合する溶液混合法により、本発明の導電性ポリカーボネート樹脂組成物を調製することも可能である。
[6]導電性ポリカーボネート樹脂組成物の成形方法
本発明の導電性ポリカーボネート樹脂組成物から成形品を製造する方法は、特に限定されるものではなく、熱可塑性樹脂について一般に採用されている成形法、すなわち射出成形法、射出圧縮成形法、中空成形法、押出成形法、シート成形法、熱成形法、回転成形法、積層成形法、プレス成形法等を採用することができる。
以下に本発明を実施例によって詳しく説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、これらの範囲内に限定されるものではない。
実施例および比較例の各樹脂組成物を得るに当たり、次に示す原料を準備した。
<A成分>
PC:ビスフェノールA型芳香族ポリカーボネート(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製「ユーピロンS−3000FN」,粘度平均分子量22,500)
<B成分>
実施例用導電性カーボンブラック:
図2に示すカーボンブラック製造装置を用い、表1に示す製造条件、および原料油導入位置距離Dや反応停止位置距離E等の炉内装置条件下、カーボンブラック原料油としてクレオソート油、高温燃焼ガス流の燃料として重油を用い、表1に示す導電性カーボンブラックCB1〜CB3を製造した。なお、図2中の炉内寸法D1〜D3、L1、D2’は以下の通りとし、第2反応帯域Bでの炉内温度は1750℃とした。
D1=1100mmφ
D2=175mmφ
D3=400mmφ
L1=3300mm
D2’=190mmφ
得られた導電性カーボンブラックの物性を表1に示す。
Figure 0004760034
<Y成分>
PC/CB3:
二軸押出機(日本製鋼所製「TEX44」L/D=42、バレル数12)を用いて、シリンダー温度280℃、スクリュー回転数300rpmの条件にて、バレル1より上記PCの78重量部を押出機にフィードして溶融混練し、更にバレル7より上記CB3の22重量部を押出機にフィードして溶融混練させてマスターバッチ(以下、「PC/CB3」と略す。)を作成した。
<B成分以外>
比較例用導電性カーボンブラック:
比較として、表2に示す市販されている導電性カーボンブラックCB4〜CB9を用いた。
Figure 0004760034
<その他成分>
熱安定剤:トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト(旭電化工業(株)製「アデカスタブ2112」)
[組成物の調製]
(1)実施例1〜5および比較例1〜6(途中F:途中フィード法)
A成分、および熱安定剤を表3に示す割合にてタンブラーミキサーで均一に混合した後、二軸押出機(日本製鋼所製「TEX30XCT」L/D=42、バレル数12)を用いて、シリンダー温度280℃、スクリュー回転数300rpmにてバレル1より押出機にフィードして溶融混練し、更にバレル7よりB成分(CB1〜CB3)或いはB成分以外(CB4〜CB9)を表3に示す割合にて押出機に途中フィードして溶融混練することにより樹脂組成物のペレットを作製した。
(2)実施例6(MB:マスターバッチ法)
A成分、Y成分(PC/CB3:マスターバッチ)および熱安定剤を表3に示す割合にてタンブラーミキサーで均一に混合した後、二軸押出機(日本製鋼所製「TEX30XCT」L/D=42、バレル数12)を用いて、シリンダー温度280℃、スクリュー回転数300rpmにてバレル1より押出機にフィードして溶融混練することにより樹脂組成物のペレットを作製した。
[試験片の作製]
上記の方法で得られたペレットを、120℃で4時間以上乾燥した後、射出成形機(東芝IS150)を用い、シリンダー温度280℃、金型温度80℃の条件で射出成形して、100mmφ円盤状成形品(厚さ3mm)を作製した。通常成形は1サイクル1分で成形を行い、滞留成形は1サイクル5分で成形を行い、それぞれ5ショット目以降の成形品について評価を行った。
[評価方法]
(1)流動性(Q値)
高荷式フローテスターを用いて、280℃、荷重160kgf/cmの条件下で組成物の単位時間当たりの流出量Q値(単位:cc/s)を測定し、流動性を評価した。なお、オリフィスは直径1mm×長さ10mmのものを使用した。
(2)導電性(表面抵抗値)
上記円盤状成形品(通常成形品)について、三菱化学(株)製のハイレスタを用い、表面抵抗値の測定を行った。
(3)成形品外観
上記円盤状成形品(通常成形品)の表面外観を目視にて観察し、凝集物のないものを○、若干凝集物があるものを△、凝集物が激しいものを×、として評価した。
(4)滞留熱安定性
上記円盤状成形品(滞留成形品)の表面外観を目視にて観察し、シルバーストリークによる肌荒れのないものを○、シルバーストリークによる肌荒れのあるものを×、として評価した。
これらの評価結果を表3に示す。
Figure 0004760034
[実施例、比較例の考察]
実施例、比較例ともに導電性が同等になるような添加量で各カーボンブラックを配合して比較した結果、以下のことがいえる。
(1) 実施例1〜6の組成物は、B成分が本発明の規定の範囲内であり、流動性、導電性、成形品の外観に優れ、且つ滞留熱安定性にも優れている。
(2) 比較例1〜6の組成物は、B成分が本発明の規定範囲からはずれるため、実施例1〜6の組成物と比較して流動性に劣る、つまり流動性と導電性のバランスに劣る。
(3) 比較例1〜6は、B成分が本発明の規定範囲からはずれるため、実施例1〜6の組成物と比較して成形品の外観、滞留熱安定性にも劣る。
ストークスモード径(Dmod)およびストークスモード半値幅(Dmod)の説明グラフである。 カーボンブラック製造装置の概略構成図である。
符号の説明
A 第1反応帯域
B 第2反応帯域
C 第3反応帯域
D カーボンブラック原料導入位置距離
D’ カーボンブラック原料導入ノズル
E 反応停止位置距離
E’ 冷却水供給ノズル
F 燃料導入ノズル
G 燃料用空気導入ノズル

Claims (11)

  1. 芳香族ポリカーボネート樹脂(A成分)100重量部に対して、導電性カーボンブラック(B成分)を0.1〜100重量部含有してなる樹脂組成物であって、前記導電性カーボンブラック(B成分)が次の(1)〜(3)の特性を全て満足することを特徴とする導電性ポリカーボネート樹脂組成物。
    (1) 24M4DBP吸収量が130cm/100g以上
    (2) 1500℃、30分間加熱により発生した水素量(脱水素量)が1.2mg/g以下
    (3) 結晶子サイズLcが10〜17Åの範囲
  2. 導電性カーボンブラック(B成分)の窒素吸着比表面積が、150〜300m/gの範囲であることを特徴とする請求項1記載の導電性ポリカーボネート樹脂組成物。
  3. 導電性カーボンブラック(B成分)のストークスモード径(Dmod)と24M4DBP吸収量との比(Dmod/24M4DBP)が、0.6〜0.9の範囲であることを特徴とする請求項1または2に記載の導電性ポリカーボネート樹脂組成物。
  4. 導電性カーボンブラック(B成分)の透過型電子顕微鏡による平均粒子径が、14〜24nmの範囲であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の導電性ポリカーボネート樹脂組成物。
  5. 導電性カーボンブラック(B成分)のCTAB(セチルトリメチルアンモニウムブロマイド)吸着比表面積が、120〜220m/gの範囲であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の導電性ポリカーボネート樹脂組成物。
  6. 導電性カーボンブラック(B成分)のDBP吸収量が、150〜400cm/100gの範囲であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の導電性ポリカーボネート樹脂組成物。
  7. 導電性カーボンブラック(B成分)の次式で定義される含酸素官能基密集度が、3μmol/m以下であることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の導電性ポリカーボネート樹脂組成物。
    Figure 0004760034
  8. 導電性カーボンブラック(B成分)が、オイルファーネスカーボンブラックであることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の導電性ポリカーボネート樹脂組成物。
  9. 芳香族ポリカーボネート樹脂(A成分)100重量部に対して、導電性カーボンブラック(B成分)を0.5〜25重量部含有してなることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の導電性ポリカーボネート樹脂組成物。
  10. 組成物が、予めA成分を溶融し、その溶融物にB成分を配合し溶融混練して得られたものであることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載の導電性ポリカーボネート樹脂組成物。
  11. 組成物が、A成分の一部とB成分とを予め溶融混練して中間組成物Yを製造し、A成分の残部とともに中間組成物Yを溶融混練して得られたものであることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載の導電性ポリカーボネート樹脂組成物。
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