JP6741255B2 - 放熱構造 - Google Patents

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Description

本発明は、発熱体から生じる熱を放熱する、放熱構造に関する。
近年、電子機器の中には発熱密度の高いデバイス(LED素子、レーザーダイオード、CPU等の発熱体)が多数実装されている。これらのデバイスの信頼性を確保するためには、放熱対策が重要となる。一般的な放熱対策として、発熱体から熱を吸収して空気中へ放熱するヒートシンクが用いられる。ヒートシンクは、熱伝導率の高い材料(銅、アルミニウム及びその合金等)からなり、発熱体の近傍に配置される。
ヒートシンクにおいては、吸収した熱をいかに効率良く大量に放熱できるかが重要である。そのため、ヒートシンクにフィンと呼ばれる板状や剣山状の突起形状を多数設け、流体(空気)に接する表面積を広くし、対流熱伝達による伝熱量を増加させている。
ヒートシンクを備える製品には、その使用形態や動作環境・仕様などから、あるエリアにおける温度を一定以下に抑制したい場合が多々ある。例えば、「ユーザーが触れる可能性がある筐体表面は、火傷しない温度まで」、「ユーザーが使用時に触れる箇所(ハンドルや操作パネル等)は、不快に感じられない温度まで」、「高熱に弱いデバイスやチップが存在するエリアは、それらの耐熱温度以下まで」といったような場合が挙げられる。
特許文献1には、熱源を収納するケースに凹部を設け、当該凹部上に遮断膜を配置することにより、凹部内に熱源による高温空気層から遮断された空気層を形成して、ケース表面温度の均一化を図る技術が提案されている。
特開2007−273529号公報
ここで、複数のフィンが形成されたヒートシンクの、空気中への放熱形態について説明する。発熱体から吸収した熱はヒートシンク全体に拡散し、フィンにも熱が伝わる。複数のフィンのそれぞれの温度は、発熱体の位置や当該フィンに至るまでの形状(断面積)、距離等によって異なる。一般的に、発熱体に近いフィンほど温度が高くなる。フィンを含むヒートシンクは、周辺空気へ対流熱伝達によって放熱する。
ヒートシンクの熱を受けて温められた空気は浮力により上昇し、鉛直方向上層の温度が相対的に高く鉛直方向下層の温度が相対的に低い状態の空気層が形成される。また、水平方向においては、各フィンの温度差がそのまま伝熱先である空気の温度差に影響する。よって、この状態の空気に接触し熱が伝わる筐体等の部品においても同様に、鉛直方向では上方の温度が高く下方の温度が低く、水平方向では発熱体に近い位置の温度が高く遠い位置の温度が低いという関係性を有することになる。
筐体を介して外部空気へと放熱する構成を考えた場合、筐体表面内において相対的な低温領域が存在した状態は、その領域においてまだ放熱できる余地を残した非効率な状態である。また、相対的な高温領域では上述した抑制目標の上限を超える過剰な放熱状態となる場合があり、最適な放熱状態になっているとは言い難い。本開示の目的は、上述した課題を解決する放熱構造を提供することにある。
本発明の一態様に係る放熱構造は、少なくとも一つの発熱体と、前記発熱体により加熱される部品と、前記発熱体が接触する平板状のベース体と、前記ベース体から立設され、前記発熱体から前記ベース体へ伝えられた熱を前記部品へとさらに伝える複数の伝熱体とを有するヒートシンクとを備え、複数の前記伝熱体のそれぞれが前記部品へと伝える熱量が、前記部品の目標温度分布に応じて調整されている。
本発明によれば、放熱効率をより高めると共に、最適な温度分布状態を提供することが可能な放熱構造を提供することができる。
実施の形態1に係る放熱構造を示す斜視図である。 図1のII側から見た側面図である。 実施の形態1に係る放熱構造の温度分布を示す図である。 実施の形態1に係る放熱構造の温度分布を示す図である。 実施の形態1に係る放熱構造の他の例を示す側面図である。 実施の形態2に係る放熱構造を示す斜視図である。 図6のVII側から見た側面図である。 実施の形態3に係る放熱構造を示す側面図である。 実施の形態4に係る放熱構造を示す側面図である。 実施の形態5に係る放熱構造を示す側面図である。 比較例の放熱構造を示す正面図である。 図11のXII−XII断面図である。 図11のXIII−XIII断面図である。 比較例の放熱構造の温度分布を示す図である。 比較例の放熱構造の温度分布を示す図である。 比較例の放熱構造の温度分布を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。説明の明確化のため、以下の記載及び図面は、適宜、省略、及び簡略化がなされている。なお、各図面において、同一の要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略されている。
本発明は、発熱体から生じる熱を放熱する、放熱構造に関する。実施の形態に係る放熱構造は、放熱を目的とするヒートシンクを含む。このヒートシンクは、一般的な対流熱伝達による空気中への放熱経路のみならず、筐体など隣接する部品への放熱経路を有する。実施の形態に係る放熱構造によれば、関連する各部品の温度分布や空気層の温度分布に合わせて、これらの経路を組み合わせて調整することにより、放熱効率をより高めると共に、製品にとって最適な温度分布状態・放熱状態を提供する。実施の形態において、ヒートシンクは、形態によらず、熱の伝導・拡散・放熱の機能・役割を有する構造物全般を指すものとする。
以下、実施の形態に係る放熱構造を用いた自然空冷構造を有する装置について説明する。なお、以下の実施の形態では、特定分野の機器に特定せずに、構造を可能な限り簡略化した形態にて説明する。
まず、比較例に係る放熱構造の問題点について説明する。図11は、比較例の放熱構造を示す図である。図12は図11のXII−XII断面図であり、図13は図11のXIII−XIII断面図である。図14〜16はそれぞれ図11〜13に対応し、比較例の放熱構造の温度分布を示している。
図11〜13に示すように、比較例に係る放熱構造は、発熱体1、ヒートシンク2、筐体3を含む。発熱体1、ヒートシンク2は、筐体内に設けられている。ヒートシンク2は、ベース体5と複数の伝熱体であるフィン2Aa、2Ab、2Ac、2Ad、2Ae、2Ba、2Bb、2Bc、2Bd、2Be、2Ca、2Cb、2Cc、2Cd、2Ceを有している。比較例では、複数のフィンはすべて同じ大きさの平板状であり、等間隔に配置されている。筐体3は、ヒートシンク2からの、装置内部空気4a、煙突内部空気4bを介した熱移動及び輻射による熱移動によってその温度が上昇し、装置外部空気4cへと放熱する。
物質間の熱移動においては、互いの温度差が大きいほど伝熱量が大きくなる。即ち、移動元が高温であればあるほど、移動先への伝熱量が大きくなり、移動先も高温になる。ヒートシンク2のベース体5及び複数のフィン2Aa〜2Ae、2Ba〜2Be、2Ca〜2Ceは、発熱体1との相対距離が近いほど高温になり(ヒートシンク内の熱伝導)、煙突内部空気4bへの伝熱量(対流熱伝達)と筐体3への伝熱量(輻射)も大きくなる。
煙突6内部においては、煙突効果によって上方ほど空気の流速が速くなっている。空気の流速が速いほどヒートシンク2のベース体5及びフィン2Aa〜2Ae、2Ba〜2Be、2Ca〜2Ceから煙突内部空気4bへの伝熱量(対流熱伝達)及び煙突内部空気4bから筐体3への伝熱量(対流熱伝達)が大きくなる。また、煙突内部空気4bから筐体3への伝熱(対流熱伝達)や筐体3から装置外部空気4cへの伝熱(対流熱伝達)は、上述の通り移動元が高温であるほど大きくなる。
図14〜16において、上記の各熱移動による温度分布状態を簡易的に表現するため、便宜上、空気4の温度を「4低」「4中」「4高」の3つの温度帯、筐体3の温度を「3低」「3中」「3高」の3つの温度帯として示す。図14〜16に示すように、鉛直方向(y方向)においては上方域が高温・下方域が低温の状態となり、水平方向(x方向、z方向)においては発熱体1との相対距離が近いほど高温の状態となる。
筐体3は、使用形態や安全上の配慮により装置毎に表面の許容温度が定められていることが一般的である。また、筐体3は、内部の熱を最終的に装置外部空気4cへ熱移動させる放熱体としての役割をも担っている。そのため、仮に「3中」の温度を許容される筐体3の目標温度とした場合、「3高」エリアでは許容限界を超えている一方で、「3低」エリアではまだ放熱できる余地があるという、非効率的な状態になっている。このような問題を解決すべく、本発明者らは以下の発明を考案した。
実施の形態1
実施の形態1に係る放熱構造について、図1、2を参照して説明する。図1は、実施の形態1に係る放熱構造を示す図である。図2は、図1のII側から見た側面図である。なお、側面図において、フィン2Aa、2Ab、2Ac、2Ad、2Aeをフィン2Aと表記し、フィン2Ba、2Bb、2Bc、2Bd、2Beをフィン2Bと表記し、フィン2Ca、2Cb、2Cc、2Cd、2Ceをフィン2Cと表記している。
図1に示すように、実施の形態に係る放熱構造10Aは、発熱体1、ヒートシンク2、筐体3を含む。発熱体1、ヒートシンク2は、筐体内に設けられている。図1において、放熱構造10Aの横方向をx方向とし、縦方向をy方向とし、高さ方向をz方向とする。y方向が鉛直方向であり、x方向、z方向が水平方向である。
発熱体1は、装置内部に配置され、自ら発熱する部品である。発熱体1は、例えば、基板上に実装された電子部品やモータのようなデバイス等、多岐に渡る。通常、装置内には複数の発熱体が存在するが、ここでは簡略化のため一つの発熱体1のみが設けられている例について説明する。
ヒートシンク2は発熱体1から吸熱し、空気を介して放熱する部品である。ヒートシンク2は、ベース体5と複数の伝熱体であるフィン2Aa、2Ab、2Ac、2Ad、2Ae、2Ba、2Bb、2Bc、2Bd、2Be、2Ca、2Cb、2Cc、2Cd、2Ceを有している。ベース体5は、平板状の部材である。発熱体1は、ベース体5の一方の面に接触している。図1に示す例では、発熱体1とベース体5とは直接接触しているが、これに限定されない。例えば、発熱体1とベース体5との間に、伝熱性のシートやグリス等を挟む形態をとることも可能である。
複数のフィンは、ベース体5の他方の面からz方向に向かって立設されている。図1に示す例では、15本の平板状のフィンが行列状に等間隔で配置されている。最下行にはフィン2Aa、2Ab、2Ac、2Ad、2Aeがx方向に並ぶように配置され、中間行にはフィン2Ba、2Bb、2Bc、2Bd、2Beがx方向に並ぶように配置され、最上行にはフィン2Ca、2Cb、2Cc、2Cd、2Ceがx方向に並ぶように配置されている。これら複数のフィンは、一般的な対流熱伝達による空気中への放熱を行うとともに、発熱体1からベース体5へと伝えられた熱を筐体3へとさらに伝える役割を果たす。
なお、フィン2Aa〜2Ae、2Ba〜2Be、2Ca〜2Ceは、幅・長さ・高さ・間隔・本数などの設計パラメーターにより個々のフィンやヒートシンク2全体としての放熱効率を変動させることが可能である。ここでは簡略化のために、フィン2Aa〜2Ae、2Ba〜2Be、2Ca〜2Ceそれぞれの幅及び長さは等しく、高さのみが以下に説明するように異なる平板状のフィンが等間隔に配置されているものとする。
筐体3は、装置の外装であり、発熱体1及びヒートシンク2を収納する。筐体3は、発熱体1からの熱がヒートシンク2や空気を介して移動することにより主に加熱される部品である。筐体3は、通常複数の部品で構成・組立されているが、ここでは便宜上一体の構成要素として示している。効率的に自然空冷を行うため、筐体3には吸気及び排気の穴が設けられていることが望ましい。吸排気穴を設けることによって筐体の内部により大きな対流を発生させて放熱を促すことができる。しかし、本発明の効果を得る上で重要なのは、吸排気穴の有無ではなく対流の有無である。発熱体1によって温度差が発生する以上、全く対流が起こらない状態は一般環境下ではあり得ないことから、吸排気穴はなくても構わない。
図2に示すように、放熱構造10Aは、筐体3の一部とヒートシンク2とに囲まれ、y方向(鉛直方向)の通気孔(吸熱孔)として機能する煙突状の中空構造(以下、煙突6と表記する)を有している。実施の形態では、装置設置環境下において一般的に存在する空気4を、便宜上、装置内部空気4a、煙突内部空気4b、装置外部空気4cという3つの構成要素として示す。なお、装置内部、煙突内部、装置外部は、筐体3上の吸排気穴によって繋がっていたり、装置内の構造物によって分断されている場合がある。
ここで、実施の形態に係る放熱構造10Aの放熱動作について説明する。まず、発熱体1の熱は、部品間の熱伝導によりヒートシンク2のベース体5に伝わり、複数のフィン2Aa〜2Ae、2Ba〜2Be、2Ca〜2Ceに移動する。装置内部空気4aは、発熱体1やベース体5からの対流熱伝達によって温められた結果、上層域が高温・下層域が低温状態となる自然対流を形成する。
一方、煙突内部空気4bは、ヒートシンク2のベース体5及びフィン2Aa〜2Ae、2Ba〜2Be、2Ca〜2Ceからの対流熱伝達によって温められる。これにより、煙突内部空気4bが装置外部空気4cよりも高温となり、上昇気流が生じる。相対的に高温となった煙突内部空気4bは、所謂煙突効果により鉛直方向上方への排気が促進され、通常の自然対流状態よりも早く上昇する。なお、煙突効果自体は一般的によく知られた現象であり、密度や浮力等の原理説明は割愛する。
発熱体1からの伝熱によって高温となっているフィンの周囲には温度境界層が形成されており、煙突内部空気4bにおいて当該フィンに近い層ほどより高温になっている。筐体3にフィンが近づくほど高温の空気層も近づくことになるため、筐体3とフィンとの間の距離が短い箇所における筐体3への伝熱量は増加する。逆に、筐体3からフィンが遠ざかるほど、筐体3への伝熱量は低下する。
そこで、実施の形態1では、複数のフィンのそれぞれが筐体3へと伝える熱量が、筐体3の目標温度分布に応じて調整されている。実施の形態1では、複数のフィンのそれぞれの高さを変更することにより、フィンと筐体3との間の距離が調整され、当該フィンがベース体5から筐体3に伝える熱量が調整される。
図2に示すように、実施の形態1では各フィンの高さに差を設けている。具体的には、フィン2Ac、2Bb、2Bd、2Ca、2Ceに対してフィン2Aa、2Ab、2Ad、2Ae、2Ba、2Beを相対的に高く、フィン2Bc、2Cb、2Cc、2Cdを相対的に低くしている。
筐体3において、フィンを高くしたエリア近傍の温度は相対的に上昇し、フィンを低くしたエリア近傍の温度は相対的に下降することになる。また、煙突効果を含む自然対流の状態においては各フィンから空気4への伝熱量を増減させることにもなるため、上方へ至る熱量も相対的に変動する。これにより、発熱体1の配置や空気4の対流によって温度差が生じていた筐体3の温度分布を、より均一的に調整することが可能となる。
図3、4に、実施の形態1に係る放熱構造の温度分布を示す。図3、4において、上記の各熱移動による温度分布状態を簡易的に表現するため、便宜上、空気4の温度を「4低」「4中」「4高」の3つの温度帯、筐体3の温度を「3低」「3中」「3高」の3つの温度帯として示す。図3、4に示すように、実施の形態1に係る放熱構造を採用することにより、筐体3表面の多くが「中」の温度となるよう調整することができ、目標とされる上限温度を超えない範囲でヒートシンク2及び筐体3の放熱体としての性能を大幅に高めることが可能となる。
実施の形態に係る放熱構造は、関連する各部品の温度分布や空気層の温度分布に合わせて、より効率的な温度分布になるよう調整する。実施の形態1においては、筐体3の表面を適切な温度帯に均一化したことが効率的な温度分布への調整に相当する。また、実施の形態1の筐体3では、過剰な高温(目標温度オーバー)となっている領域を単に下げることのみならず、あえて低温領域にも熱を回して放熱を促している。これにより、筐体全体としての放熱量を増加・最適化させることができ、放熱構造10Aを適用した箇所以外(例えば、筐体内部の発熱体1など)の温度低下にも寄与する。
また、実施の形態の放熱構造10Aにおいて、ヒートシンク2に元々存在するフィンの高さを変更することにより、フィンがベース体5から筐体3へと伝える熱量を調整していることも大きな特徴の一つである。上述したように、ヒートシンクという機能部品の放熱性能を高める上では、フィン等の突起形状を設けることが一般的である。これらの突起形状は、煙突効果を含む自然対流の状態において、突起自体の形状や高さ・長さによって個々のフィンの放熱効率を変動させることが可能であると共に、突起形状の間隔や本数を調整することよって任意エリアや全体の放熱効率を変動させることもできる。
このような既知の調整パラメーターに対し、ヒートシンク2の主な放熱先である対流方向だけではなく、それ以外(本実施例においては筐体3の側面)への伝熱量を調整するパラメーターを追加することにより、対流方向及び対流方向以外への伝熱バランスをより細やかに調整することが可能となり、その装置にとって最適な温度分布を提供することができるようになる。また、実施の形態では、元々存在する突起形状を用いて調整を行っているため、適用に当たり、新規形状追加による部品型費や材料費の増加等の追加コストがほとんど発生しない。
また、ヒートシンク上の突起形状による伝熱調整方法は、実施の形態1のようなフィンの高さ調整によるフィンと筐体3との間の空間距離調整だけとは限らない。例えば、同じ空間距離であっても伝熱先に隣接する突起の頂上の面積によって伝熱量が変わるため、当該突起の頂上面積を調整パラメーターとすることも可能である。もちろん、それらの調整方法を複合させ、より細かく温度調整することも可能である。
図1、2に示す例では、対流方向以外の伝熱方法は、筐体3への空気を介した対流熱伝達によるものであるが、これに限定されない。例えば、図1、2に示す例と同様に筐体3への伝熱量を調整する場合に、図5に示すように、ヒートシンク2上のフィン2Aと筐体3を直接接触させて部品間の熱伝導により調整を行うことも可能である。この場合、直接接触させても、ヒートシンク2上の筐体3と接触するフィンが本来発揮する空気に対する放熱自体はほとんど阻害されない。
実施の形態2
実施の形態2に係る放熱構造10Bについて、図6、7を参照して説明する。図6は、実施の形態2に係る放熱構造を示す斜視図であり、図7は図6のVII側から見た側面図である。実施の形態1ではフィンと筐体3との間の空間距離をヒートシンク2側で調整したが、実施の形態2では筐体3側で行う。実施の形態2では、フィン2Aa〜2Ae、2Ba〜2Be、2Ca〜2Ceは、同じ大きさの平板状であり、等間隔に設けられているものとする。
図6に示すように、筐体3には、凸部3a、凸部3b、凹部3c、近壁3d、近壁3e、遠壁3fが設けられている。これらは、フィン2Aa〜2Ae、2Ba〜2Be、2Ca〜2Ceと、筐体3との間の空間距離を調整する距離調整部である。凸部3aは、フィン2Baに対向する位置に設けられている。凸部3bは、フィン2Beに対向する位置に設けられている。凹部3cは、フィン2Bcに対向する位置に設けられている。
また、近壁3d、3eは、筐体3の外壁そのものをフィンに近くなるように調整した箇所であり、遠壁3fは、筐体3の外壁そのものをフィンから遠ざかるように調整した箇所である。近壁3dは、フィン2Aa、2Abに対抗する位置に設けられており、近壁3eは、フィン2Ad、2Aeに対向する位置に設けられている。遠壁3fは、フィン2Cb、2Cd、2Ceに対向する位置に設けられている。このように、筐体3に距離調整部を設けることにより、製品にとって最適な温度分布状態・放熱状態を提供することができる。
なお、筐体3とフィンとの間の空間距離は、必ずしも一方の部品要素のみで調整する必要はなく、部品要素の双方で調整することが可能である。例えば、空間距離を狭める場合、ヒートシンク2のフィンの高さを高くするとともに、筐体3側に凸部を設けても構わない。
実施の形態3
実施の形態3に係る放熱構造10Cについて、図8を参照して説明する。図8は、実施の形態3に係る放熱構造の側面図である。なお、図8において、フィン2A、2B、2Cは実施の形態1と同様であり、フィン2Dはフィン2Da、2Db、2Dc、2Dd、2Deを含み、フィン2Eはフィン2Ea、2Eb、2Ec、2Ed、2Eeを含み、フィン2Fはフィン2Fa、2Fb、2Fc、2Fd、2Feを含むものとする。
実施の形態3では、フィン2A、2B、2Cがベース体5の煙突内部空気4b側に設けられ、フィン2D、2E、2Fがベース体5の装置内部空気4a側に設けられている。すなわち、複数のフィンが、ベース体5の発熱体1が接触する第1面と、第1面と反対側に位置する第2面の両面のそれぞれに、ベース体5を挟んで対向するように形成されている。具体的には、フィン2Aa〜2Aeに対応する位置にフィン2Da〜2Deが設けられ、フィン2Ba〜2Beに対応する位置にフィン2Ea〜2Eeが設けられ、フィン2Ca〜2Ceに対応する位置にフィン2Fa〜2Feが設けられている。
各フィン2D、2E、2Fの高さは、ベース体5を挟んで対向する各フィン2A、2B、2Cと同様に差が設けられている。例えば、フィン2Ac、2Bb、2Bd、2Ca、2Ceに対してフィン2Aa、2Ab、2Ad、2Ae、2Ba、2Beを相対的に高く、フィン2Bc、2Cb、2Cc、2Cdを相対的に低くし、フィン2Dc、2Eb、2Ed、2Fa、2Feに対してフィン2Da、2Db、2Dd、2De、2Da、2Deを相対的に高く、フィン2Ec、2Fb、2Fc、2Fdを相対的に低くすることができる。
実施の形態3におけるフィンからの伝熱方向は、筐体3側の一方向だけでなく、装置内部空気4a側の二方向へ伝熱する。これにより、より効率よく放熱を行うことが可能であるとともに、目標とされる温度分布状態を実現することが可能となる。なお、ヒートシンク2による伝熱方向は空間上のすべての方向の中から任意の方向を適宜選択することが可能である。
実施の形態4
実施の形態4に係る放熱構造10Dについて、図9を参照して説明する。図9は、実施の形態4に係る放熱構造の側面図である。実施の形態4では、ヒートシンク2とヒートシンク8の二つのヒートシンクが設けられている。ヒートシンク2のベース体5は発熱体1に接し、ヒートシンク8のベース体9は煙突6に接する。なお、図9において、フィン2A、2B、2Cは実施の形態1と同様であり、フィン8Aは、フィン8Aa、8Ab、8Ac、8Ad、8Aeを含み、フィン8Bはフィン8Ba、8Bb、8Bc、8Bd、8Beを含み、フィン8Cは、フィン8Ca、8Cb、8Cc、8Cd、8Ceを含むものとする。
複数のフィンは、ヒートシンク2とヒートシンク8の両方にそれぞれ形成される。フィン8Aa〜8Ae、フィン8B〜8Be、フィン8Ca〜8Ceは、それぞれ、フィン2Aa〜2Ae、2Ba〜2Be、2Ca〜2Ceに対応する位置に形成されている。フィン8Aa〜8Ae、フィン8B〜8Be、フィン8Ca〜8Ceの高さは、それぞれ、フィン2Aa〜2Ae、2Ba〜2Be、2Ca〜2Ceと同様に調整されている。
ここで、放熱構造10Dの放熱動作について説明する。実施の形態4に係る放熱構造では、まずヒートシンク2のフィンから、ヒートシンク8へ装置内部空気4aを介して伝熱する。さらに、ヒートシンク8上のフィン8A、8B、8Dから筐体3へと煙突内部空気4bを介して伝熱する。このように、複数のヒートシンク2、8を用いて、段階的に温度分布を調整するといった構造形態を採用することも可能である。
実施の形態5
本発明に係る放熱構造は、筐体とフィンといった2つの部品要素間に限定されるものではなく、一つの装置の中に複数存在していても構わない。また、本発明に係る放熱構造を、複数部品間や多層間に跨って適用することも可能である。例えば、図10に示すように、フィン2A、2Bは筐体3へ、フィン2Cは内部フレーム7へと煙突内部空気4bを介して伝熱させる構成をとることも可能である。
以上説明したように、実施の形態によれば、ヒートシンク2の伝熱体から隣接する部品への伝熱量を調整することで、放熱効率をより高めると共に、最適な温度分布状態を提供することが可能な放熱構造を提供することができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。実施の形態では発熱体を一つに簡略化し、一般的な空気の自然対流による上層域高温・下層域低温の温度分布状態の装置に対して実施の形態に係る放熱構造を適用しているが、適用対象は必ずしもその状態に限定したものではない。実際の装置における空気の対流や各部品の温度分布は、発熱体の数・配置・発熱量や内部構造・吸排気穴などにより非常に複雑且つ多岐に渡るが、それらの要因によって異なる個々の温度分布状態(高温〜低温の温度ムラ)に対して、実施の形態に係る放熱構造により適宜調整し効率的な対処が可能である。
また、ヒートシンクのフィンの形状は、実施の形態のような平板状に限定されない。例えば、フィンは、剣山のような円柱状でもよいし、より複雑な形状であっても構わない。実施の形態に係る伝熱構造において、対流方向及び対流方向以外への伝熱バランスをより細やかに調整するように、ヒートシンクの突起形状を適宜決定することができる。例えば、ヒートシンクの突起形状は、対流方向への伝熱をそれほど妨げないように(空気の流れを極端に遮らないように)、場合によっては対流方向への伝熱をほとんど遮り対流方向以外へより多く伝熱させるように、幅広く調整することができる。
また、上述の実施の形態では、筐体3を均一な温度とすることを目的としたが、これに限定されない。例えば、人体接触の危険が無い任意のエリアにあえて熱を集中させて高温にするといった調整も可能であるし、逆に、ユーザー操作箇所や高熱に弱いデバイスなど低温にしたい任意のエリアに対して熱が及ばないようにするといった調整も可能である。また、目標温度分布を実現する対象も、筐体に限定されない。
また、実施の形態に係る放熱構造は、所謂自然対流構造だけではなく、ファン等を用いた強制対流構造に対しても適用可能である。さらに、本実施の形態に係る放熱構造が適用される部品要素の材質は問わない。材質により熱伝導率や輻射率といった熱移動に関わる物性値は異なるが、それぞれの材質に応じて、ヒートシンクの伝熱体から隣接する部品へ伝わる熱量を調整することが可能である。上述した各実施の形態は、すべて複合することが可能である。本実施の形態に係る放熱構造は、分野を問わず、内部に発熱体を有し空冷を行う全ての装置・製品に適用可能である。
1 発熱体
2 ヒートシンク
3 筐体
4 空気
5 ベース体
6 煙突
7 内部フレーム
8 ヒートシンク
9 ベース体
10 放熱構造
20 放熱構造
2Aa、2Ab、2Ac、2Ad、2Ae、2Ba、2Bb、2Bc、2Bd、2Be、2Ca、2Cb、2Cc、2Cd、2Ce フィン
3a 凸部
3b 凸部
3c 凹部
3d 近壁
3e 近壁
3f 遠壁
4a 装置内部空気
4b 煙突内部空気
4c 装置外部空気
8A、8B、8C フィン

Claims (9)

  1. 少なくとも一つの発熱体と、
    前記発熱体により空気を介して加熱される部品と、
    前記発熱体が接触する平板状のベース体と、前記ベース体から立設され、前記発熱体から前記ベース体へ伝えられた熱を前記部品へとさらに伝える複数の伝熱体とを有するヒートシンクと、
    を備え、
    複数の前記伝熱体のそれぞれが前記部品へと伝える熱量が、前記部品の目標温度分布に応じて調整されている、
    放熱構造。
  2. 前記伝熱体が前記ベース体から前記部品へと伝える熱量は、前記伝熱体と前記部品との間の距離、前記伝熱体の前記部品に隣接する面の面積の少なくとも一つを調整することにより調整される、
    請求項1に記載の放熱構造。
  3. 前記伝熱体は、フィンであり、
    前記フィンの高さを変更することにより、当該フィンが前記ベース体から前記部品に伝える熱量が調整される、
    請求項1又は2に記載の放熱構造。
  4. 複数の前記フィンのうちの一部は、前記部品に接触している、
    請求項3に記載の放熱構造。
  5. 前記部品に設けられ、前記フィンと前記部品との間の距離を調整する距離調整部をさらに備える、
    請求項3又は4に記載の放熱構造。
  6. 複数の前記伝熱体は、前記ベース体の前記発熱体が接触する第1面と、前記第1面の反対側に位置する第2面の両面にそれぞれ形成されている、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の放熱構造。
  7. 前記部品は、筐体であり、
    前記発熱体及び前記ヒートシンクは、前記筐体内に設けられている、
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の放熱構造。
  8. 前記筐体の一部と前記ヒートシンクとに囲まれて形成された煙突をさらに備えることで、煙突効果を発生させる、
    請求項7に記載の放熱構造。
  9. 前記ヒートシンクは、前記発熱体に接する第1ヒートシンクと前記煙突に接する第2ヒートシンクとを含み、
    複数の前記伝熱体は、前記第1ヒートシンク、前記第2ヒートシンクの両方にそれぞれ形成される、
    請求項8に記載の放熱構造。
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