JP4285738B2 - 電子機器の放熱構造 - Google Patents

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Description

本発明は、発熱型電子部品を実装したプリント基板を内部に備えた電子機器の放熱構造に関し、特に全体の小型化を達成しつつ発熱型電子部品の効率的な放熱を可能にした電子機器の放熱構造に関する。
一般に、電子機器に収容されるプリント基板にはいわゆるLSIと呼ばれる大規模集積回路やパワートランジスタ等の発熱型電子部品(以下、「発熱部品」とする)が実装されている。そのため、電子機器内部に放熱経路を確保する必要がある。そして、この放熱経路は、熱伝導、熱伝達、放射で構成されている。
筐体内には一般に図6に示すような十分な通風路が確保されて、この通風路において空気の流れが生じている。そのため、発熱部品から空気を介して伝達された熱は筐体に設けられた通気孔50cを介して筐体外部に放熱される。具体的には、図6に示すように熱源である発熱部品55で発生した熱は主には発熱部品が収容された筐体内部の空気を介して熱伝達される(図中、発熱部品近傍上方の熱伝達を表す太線矢印参照)。また、発熱部品55で発生した熱の一部は熱伝導によりリード線を経由しプリント基板上に伝わる。プリント基板51に伝えられた熱のほとんどは筐体内部の空気を介して熱伝達されて通気口50cより外部へ放熱されるが、一部は筺体へ熱伝達される。このように、様々な熱伝達経路を経て筺体に達した熱は、筺体表面から外部空気へ熱伝達、放射により放熱される。
一方、発熱部品55で発した熱の残りの一部は、電子機器内部の熱伝導によって筐体50に伝わる(図中、プリント基板51及び支持柱57の熱伝導を表す細線矢印参照)。さらに、熱の残りの一部は放射により筺体へ伝わる(図中、発熱部品55近傍の熱放射矢印参照)。そして、筐体50に達した熱は周囲の空気(筐体50の取り付けられた装置内部空気)を介して熱伝達によって放熱される(図中、筐体上方の熱伝達矢印参照)。
このような電子機器の放熱構造を示した具体的な公知例としては、ファンの回転による筐体内部空気の対流を促進して熱伝達効率を高めたものと、プリント基板から熱伝導体を介して筐体外部に設けた放熱板に熱を伝えて当該放熱板から外気へ放熱する構造のもの(例えば、特許文献1参照)が知られている。
特開平7−106782号公報(第2−3頁、図2)
しかしながら、従来の放熱構造によると以下の問題点があった。
まず、筐体内部空気の熱伝達を利用した従来の放熱構造は、通気による熱伝達を利用して主に放熱しているため、放熱量は筺体内部の気流の流れに左右される。このため、通風路の空間を小さくすると、空気の流れの抵抗が大きくなり通気が妨げられて放熱されなくなる。従って、通風路を確保した構造としなければならず電子機器全体の小型化が図れない。
また、自然空冷技術では、放熱量の基準を温度仕様が一番厳しい部品に合わせる必要があるため、その他の部品では、十分すぎる放熱量となっている。
従って、放熱において基本的なものである自然空冷技術を主に利用した前者の従来における電子機器の放熱構造は、その構造自体が放熱効率を限界まで高めているとは言えず、電子機器の小型化の支障となっていた。
一方、特許文献1に示す構造は、筐体外部の所定位置に設けた一定の放熱面積を有する放熱板に熱伝導体を介して熱を伝えるだけで、筐体を放熱体の一部として積極的に利用しているものではない。また、筐体外部に特別に放熱板を設けているので、電子機器全体の大きさがその分大きくなっている。さらに、当該電子機器を設置する際に放熱板周囲に外気が十分触れる場所に設置しなければならず、設置スペース上の制約を受ける。
本発明の目的は、電子機器全体の構造を小型化でき、かつ常に効率的に放熱可能な電子機器の放熱構造を提供することにある。
上述した課題を解決するために、本発明にかかる電子機器の放熱構造は、
表面に発熱部材を実装すると共にヒートスプレットパターンが印刷されたプリント基板と、前記ヒートスプレットパターンが印刷されたプリント基板を収容する筐体を備えた電子機器の放熱構造において、
前記ヒートスプレットパターンが印刷されたプリント基板の両端縁部を前記筐体内部に支持する弾性体の熱伝導性支持部材が前記筐体内部の所定位置に当該筐体と一定の面積で接触したまま取り付けられ、前記支持部材を介して前記発熱部品からヒートスプレットパターンに熱を伝え、前記筐体までの熱伝導経路を形成したことに加えて、
弾性体の熱伝導性スペーサが、前記発熱部品の前記筐体との対向面の面積に対応する面積で前記発熱電子部品及び前記筐体双方に接触したまま、前記発熱部品と前記筐体との間に介在し、当該スペーサを介して前記発熱部品から前記筐体までの更なる熱伝導経路を形成している。
かかる構成をとることで発熱部品と筐体とを主に熱伝導で接続することができ、発熱部品の熱を筐体内部の空気を介さずに筐体に熱伝導及び放射するので、熱伝達に際して必要とされる筐体内部の通風路を小さくできる。これにより、筐体全体を小さくすることができ、電子機器の小型化を実現することが可能となる。また、筐体全体を発熱体とみなすことができるようになるので、一部に放熱板を備えた電子機器のように設置スペース上の制約を受けることはない。
また、ヒートスプレットパターンがプリント基板上において発熱部品からプリント基板の両端縁部に延在しているので、このヒートスプレットパターンを介して発熱部品の熱をプリント基板の両端縁部まで効率的に伝熱する。
これによって、発熱部品からプリント基板のヒートスプレットパターンに熱を伝えてプリント基板全体に熱を拡散させていく。プリント基板から筺体に主には支持部材から筺体に熱伝導により熱が伝わり、筐体全体が擬似的に発熱体となって外部に放熱させることがきる。これに加えて、副次的にはヒートスプレットパターンを介してプリント基板表面全体から筐体に熱放射や熱伝達により熱が伝わり、外部に放熱させることができる。
また、プリント基板の表面にヒートスプレットパターンが印刷された電子機器の放熱構造に加えて、発熱部品から筐体までを弾性体の熱伝導性スペーサを介して直接結合したことにより、発熱部品から筐体へ直接熱伝導を図ることができる。その結果、プリント基板の表面にヒートスプレットパターンのみが印刷された電子機器の放熱構造よりも更に電子機器内部の温度上昇を抑え、かつ内部温度を均一化することができるので、放熱効率がより一層向上する。
また、弾性体の熱伝導性スペーサが、発熱部品の筐体との対向面の面積に対応する面積で発熱電子部品及び筐体双方に接触したまま、発熱部品と筐体との間に介在し、このスペーサを介して更なる熱伝導経路として発熱部品から筐体まで放熱するので、電子機器全体のさらなる小型化が達成できる。
以上説明したように、本発明にかかる電子機器の放熱構造によると、電子機器の筐体内部の空気が流動せず、内部空気への熱伝達による放熱ができなくても放熱できるため、電子機器の筐体内部空間から通風路をなくしてその分の省スペースを図って全体を小型化できる。また、発熱部品をプリント基板、筐体に接続し、筐体全体を一つの発熱体とみなすことで、発熱部品から直接筐体を介して電子機器外部へ放熱できるので、電子機器内部の温度上昇を抑えつつ内部温度を均一化でき、電子機器の放熱効率が向上する。これによって電子機器内部の空間が小さく内部空気の流動が起こらないような小型化した電子機器、すなわち内部空気の熱伝達による放熱が期待できないような小型電子機器であっても十分放熱することができる。
また、ヒートスプレットパターンがプリント基板上において発熱部品からプリント基板の両端縁部に延在しているので、このヒートスプレットパターンを介して発熱部品の熱をプリント基板の両端縁部まで効率的に伝熱する。
これによって、発熱部品からプリント基板のヒートスプレットパターンに熱を伝えてプリント基板全体に熱を拡散させていく。プリント基板から筺体に主には支持部材から筺体に熱伝導により熱が伝わり、筐体全体が擬似的に発熱体となって外部に放熱させることがきる。これに加えて、副次的にはヒートスプレットパターンを介してプリント基板表面全体から筐体に熱放射や熱伝達により熱が伝わり、外部に放熱させることができる。
以下、本発明の参考実施形態にかかる電子機器の放熱構造について図面に基づいて説明する。
本発明の参考実施形態にかかる電子機器の放熱構造1は、図1に示すように、表面に発熱型の電子部品(以下、単に「発熱部品」という)15を実装したプリント基板11と、プリント基板11を収容する筐体10からなり、プリント基板11を筐体内部に支持する弾性体の支持部材12が筐体内部の所定位置に当該筐体10と一定の面積で接触したまま取り付けられている。
筐体10は例えばアルミニウムなどの熱伝導性に優れた材質からなる上ケース10aと下ケース10bを嵌合した薄型の箱体をなしており、種々の電子部品(図中では発熱部品15のみ図示)が実装されたプリント基板11と、当該プリント基板11を支持する支持部材12を両ケースで挟みこんで収容している。
プリント基板11は筐体10に対応した幅及び奥行きを有し、当該プリント基板11が筐体内部の高さ方向ほぼ中央に位置するように伝熱ゴム等の弾性体でできた支持部材12で支持されている。
プリント基板11に搭載された発熱部品15は、本参考実施形態の場合、LSI(大規模集積回路)であるが、サーミスタ、トライアック等の能動型素子などからなる発熱部品であっても良い。また、プリント基板11には図示した発熱部品15の他にここでは図示しないが抵抗やコンデンサ等の通常の電子部品も多数実装されている。また、発熱部品15にはヒートシンク15aが取り付けられている(図1では簡略的に図示)。一方、プリント基板11の表面にはヒートスプレットパターンや配線パターン(以下、まとめて「ヒートスプレットパターン11a」とする)が印刷されている。なお、ヒートスプレットパターン11aはプリント基板上において発熱部品15からプリント基板11の周囲縁部に延在している。そして、発熱部品15の熱を一旦ヒートシンク15aにためてからヒートスプレットパターン11aを介して基板全体に伝熱するか、直接ヒートスプレットパターン11aを介してプリント基板11の周囲縁部まで効率的に伝熱するようになっている。なお、図1においてはプリント基板11の断面ハッチング部に沿ってヒートスプレットパターン11aが描かれているが、これは説明の都合上模式的にこの構成要素を描いたもので、実際のヒートスプレットパターン11aは優れた熱伝導特性を得られるようにプリント基板上に最適なパターン形状で適宜形成される。
プリント基板11の両端縁部は幅方向全体にわたって上述したように支持部材12を介して筐体10に密着固定されている。支持部材12は、熱伝導性ゴムなどの伝熱性に優れた弾性体からなり、図1に示すように断面各型C字状をなしている。そして、支持部材12の溝部12bにプリント基板11の縁部11bがはめ込まれて支持部材12の溝部12bとプリント基板11の縁部11bとが一定の面積で接触している。また、支持部材12の外壁面はその上下面と一側面が筐体10の上ケース10aと下ケース10bに一定の面積で接触している。なお、支持部材12の溝部12bの溝幅はプリント基板11の厚みよりも小さく、プリント基板11を支持部材12にはめ込むと支持部材12の溝部12bがプリント基板11の側縁に密着するのが好ましい。また、支持部材12の上下面の間隔も筐体内部の高さよりも大きく、支持部材12を上下ケース10a,10bで挟み込んだ際、支持部材12の上下面が筐体10の上ケース10aと下ケース10bに密着するのが好ましい。また、プリント基板11を支持部材12の溝部12bにはめ込んで筐体10に収容したとき、支持部材12の側面が筐体10に密着する程度の寸法関係を各構成要素が有するのが好ましい。これによって、プリント基板11と支持部材12及び支持部材12と筐体10との間に余分な空気層を生じさせることなく十分な密着面積を確保することができ、プリント基板11、支持部材12、筐体10の間に主だった熱伝導経路を形成できる(図1における熱伝導を示す太線矢印参照)。
次に、かかる構造に基づく作用について説明する。上述したように、本参考実施形態にかかる電子機器の放熱構造1は、熱源である発熱部品15からヒートシンク15aやプリント基板11のヒートスプレットパターン11aに熱を伝えてプリント基板全体に熱を拡散させていく。プリント基板11から筺体10に主には支持部材12から筺体10に熱伝導により熱が伝わり、筐体全体が擬似的に発熱体となって外部に放熱する(図1における熱伝導を示す太線矢印参照)。これに加えて、副次的にはプリント基板表面全体から筐体10に熱放射や熱伝達により熱が伝わり、外部に放熱する(図1における熱放射や熱伝達を示す細線矢印参照)。
以上のように、従来の電子機器の放熱構造5における放熱経路と比較して、熱源である発熱部品15と筐体10とを熱伝導で接続し、熱伝導の割合を大きくすることで、従来のように筐体内部における空気の介在のみに依存する熱伝達に頼った放熱構造をとらなくて済むようになる。これは、図中で熱伝達を表す太線矢印で伝熱と放熱が行われている状態から、図1中で熱伝導を表す太線矢印で伝熱と放熱が行われている状態に移行していることからも理解できる。その結果、放熱効率を極限まで高めることができ、電子機器自体の小型化も達成できるようになる。これは、図における筐体全体の大きさに比べて、図1における筐体全体の大きさが小型化していることからも理解できる。
また、筐体全体の大きさを小さくして、プリント基板11と筐体10との間のすき間を狭くすることで、設計上この隙間に放射を遮るものが介在することがなくなり、プリント基板11に伝わった熱が放射する際に放射による放熱効率を低下させなくて済む。
なお、上述の参考実施形態にかかる電子機器の放熱構造は、ヒートスプレットパターン11aや支持部材12を介して発熱部品15から筐体10への伝熱経路を形成すると共に当該支持部材12によってプリント基板11の固定をも兼ねていたが、これに加えて筐体内面を適当な材料で塗装することでプリント基板11からの放射を筐体10に効果的に吸熱するようにしても良い。同様に筐体外面を適当な材料で塗装することで、一旦筐体10に吸熱された熱を筐体外部に効率良く放射するようにしても良い。このような構成をさらに加えることで更なる副次的な放熱効果を得ることが期待できる。
続いて、上述した本発明の参考実施形態にかかる電子機器の放熱構造に基づいた本発明の一実施形態について説明する。なお、上述の参考実施形態と同等の構成については同等の符号を付して詳細な説明を省略する。
上述した参考実施形態に基づいた本発明の一実施形態に関する電子機器の放熱構造2は、上述の参考実施形態に加えて発熱部品15と筺体10との間に熱伝導性を有する弾性体を介在させている点に特徴がある。すなわち、図2に示すように、表面に発熱部品を実装したプリント基板11と、プリント基板11を収容する筐体10を備えた電子機器の放熱構造において、プリント基板11を筐体内部に支持する弾性体の熱伝導性支持部材12が筐体内部の両側に当該筐体10と一定の面積で接触したまま取り付けられ、支持部材12を介して発熱部品15から筐体10までの第1の熱伝導経路を形成する点では上述の参考実施形態にかかる放熱構造と共通している。しかしながら、本実施形態では、これに加えて発熱部品15と筐体10との間に熱伝導性に優れた弾性部材からなるスペーサ17が発熱電子部品15と筐体10の双方と一定の面積で接触したまま介在し、当該スペーサ17を介して発熱部品15から筐体10までの第2の熱伝導経路を形成している。
発熱部品15から当該スペーサ17を介して筐体10へ直接放熱することで、外部への放熱量を増加させプリント基板表面から筐体10への熱伝達の割合を上述の参考実施形態に較べてさらに減少させる。これによって筐体内部の温度上昇をさらに抑えることができる。このようにプリント基板表面全体から筐体10への空気を介在した熱伝達の割合を減らしつつ放熱量を増加させることで、内部空気の流動による熱伝達を利用した放熱への依存度がさらに小さくなるので、電子機器全体のさらなる小型化が達成できる。また、筐体内部温度の均一化といった効果も奏する。
なお、上述の参考実施形態及びこれに基づいた本発明の一実施形態に関する放熱構造においては、図面に示すようにプリント基板11の両端縁部を支持部材12にはめ込む構造を有していたが、必ずしもこれに限定されず、プリント基板11の周囲縁部全体を支持部材12にはめ込むようにしても良い。例えば、矩形形状を有するプリント基板11の4辺の縁部を全て支持部材12にはめ込み、当該支持部材12を筐体10の上ケース10aと下ケース10bで挟むことで熱伝導による放熱効果を更に高めることができる。しかしながら、プリント基板11の両端縁部を支持部材12にはめ込んだ上述の参考実施形態の構成であっても、プリント基板上の部品実装スペースを十分確保しつつ発熱部品15から筐体10まで主だった熱伝導経路を形成できるという点では十分な効果を奏し得る。
続いて、上述した電子機器の放熱構造に関する従来構造と本参考実施形態にかかる放熱構造を比較して本参考実施形態にかかる放熱構造の有用性を確認したので、以下に説明する。この比較試験においては、従来の放熱構造(以下、「これを「本比較例」とする)として、主放熱方式が通気による熱伝達を利用し、放熱経路としては発熱電子部品から内部空気を介して通気口から電子機器筐体外部に放熱する構造を有したものとした。そして、これらの比較試験から本比較例の特徴としては以下の点を有することを裏付けることができた。
(1)通気による伝達が放熱のほとんどを占める。
(2)通気量に放熱性能が左右される。
(3)通気をスムーズにするため十分な空間が必要である。
(4)空気の流れのむらにより温度のバラツキが大きい。
一方、上述した参考実施形態の放熱構造(以下、「これを「本実施例」とする)として、主放熱方式に熱伝導を利用し、放熱経路としては部品からプリント基板及伝熱ゴムでできた支持部材を介して筐体から外部に放熱する構造とした。そして、これらの比較試験から本実施例の特徴としては以下の点を有することを裏付けることができた。
(1)発熱電子部品をプリント基板、筐体に接続し、筐体全体をひとつの発熱体に見立てて電子機器外部への効率的な放熱を図っている。
(2)内部温度が均一化され筐体全体で熱伝達できるため、小型化に向いている。
以下、本実施例と本比較例との比較試験を幾つかの観点から行ったので、この試験内容を具体的に説明する。
まず、放熱対策の例から見た点での両者の比較試験について説明する。
例えば、図3(a)に示すように、電子機器のプリント基板に発熱部品A,B,C,Dが実装され、電子機器を特定の動作条件で動作させたところ、C部品のみが発熱温度の仕様値をオーバーしていた場合を考える。なお、図3(b)は本比較例における放熱構造で放熱したときの各発熱部品の仕様値及び発熱温度を示し、図3(c)は本実施例における放熱構造で放熱したときの各発熱部品の仕様値及び発熱温度を示している。
まず、初期状態としてC部品の仕様値オーバーがt°Cとする。なお、図3においては、各部品の左上がりのハッチング帯域が各部品の許容発熱温度を示す仕様値で、右上がりのハッチング帯域が各部品の実際の発熱温度を示している。従って、発熱部品Cのみがt°Cだけ仕様値より実際の発熱温度が高くなっていることが分かる。
この場合、図3(b)に示すように、本比較例においては、t°C分(図3(b)中の細かいドットのハッチング帯域分)温度下げるように通気風量などの熱伝達を増加させる方策で冷却していた。なお、図3(b)中、細かいドットのハッチング帯域が各部品を一律に冷却する冷却温度t°Cと一致している。
すなわち、本比較例においては、電子機器筐体内部を全体的に冷却し、どの部品もC部品の仕様値オーバーとしてのt°C分、温度を下げていた。そのため、本比較例が自然空冷タイプの場合は電子機器筐体のいたるところに通気口が設けられ、強制空冷タイプの場合は必要以上に大容量のファンを備え、かつ仕様値に関して十分余裕があるD部品に対しては無駄な過剰冷却を行うようになっていた(D部品に関する図3(b)中の余裕分t°C参照)。
一方、本実施例では、C部品の仕様値オーバーがt°Cとすると(図3(c)中の粗いドットのハッチング帯域と細かいドットのハッチング帯域参照)、図3(c)に示すように、t°Cの大半を熱伝導により筐体に放熱して温度を下げるようにしている(図3(c)中の発熱部品Cにのみ示される粗いドットのハッチング帯域参照)。そして、それでも不足する必要冷却分を通気風量などの熱伝達を増加させることで、筐体全体を冷却している(図3(c)中の各発熱部品に示されるわずかな帯域である細かいドットのハッチング帯域参照)。これにより筐体全体の冷却が必要最小限で済み、本比較例のような余分な通気口や明らかに不必要な大容量のファンを備える必要が無くなる。
これは、各発熱部品を一律に冷却すべき図3(c)における細かいハッチング帯域の幅が図3(b)に較べてかなり小さくなっていることからも理解できる。また、発熱部品Dに関する余裕分tが図3(b)における余裕分tよりも小さくなっている。
続いて、第2の比較試験として、図4及び図5に示すように、シミュレーションによる放熱効果の確認を本比較例と本実施例との間で行った。なお、本実施例に関しては、上述の参考実施形態にかかる電子機器の放熱構造を「本実施例1」とし、本実施形態にかかる電子機器の放熱構造を「本実施例2」とした。また、本比較例の放熱構造による電子機器内部の温度分布を図4(a)に示し、本実施例1の放熱構造による電子機器内部の温度分布を図4(b)に示し、本実施例2の放熱構造による電子機器内部の温度分布を図4(c)に示した。また、各エリアは筐体内において特定の温度範囲にある領域を示している。
比較シミュレーション1においては、図4に示すように、発熱部品としてCPUなど一般的なICの温度を比較した。
CPUなどの一般的なICの温度は、本比較例による放熱構造においては通常では74.4°Cとなるが(図4(a)中、エリア1の領域参照)、本実施例1では65.1°C(図4(b)中、エリア2の領域参照)、本実施例2では55.6°Cまで冷却させることができた(図4(c)中、エリア3の領域参照)。従って、一般的なIC程度の発熱部品では本実施例1にかかる放熱構造で十分な放熱効果が得られることが分かった。また、本比較例と較べて本実施例1,2では内部温度の平均化がなされていることが分かった。
続いて、比較シミュレーション2において、図5に示すように、高発熱部品として電源ICの温度を比較した。
この電源ICの場合、本比較例による放熱構造の場合、通常の発熱温度は71.0°Cとなり(図5(a)におけるエリア1’参照)、本実施例1に関する放熱構造では70.6°Cとなったが(図5(b)におけるエリア1”参照)、本実施例2に関する放熱構造では65.4°Cまで放熱させることができた(図5(c)におけるエリア2’参照)。
以上から明らかなように、高発熱部品に関しては本実施例1の放熱構造では放熱量が少なく放熱しきれないが、本実施例2の放熱構造では十分放熱されていることが分かった。そのため、電源ICなどの高発熱部品を放熱する場合、本実施例2の放熱構造の有用性について確認することができた。
なお、比較シミュレーション2においても、本比較例1と較べて本実施例1,2の方が高熱部以外の内部温度の平均化がなされていることが分かった。
以上のように本発明の効果をシミュレーションで比較した結果、本実施例の場合に放熱量の増加が認められることが明らかとなった。すなわち、本実施例1に関する放熱構造によると、高発熱部品の放熱の点では放熱効果が不十分であるが、通常のICでは十分な放熱効果が認められることが分かった。また、本実施例2に関する放熱構造によると、高発熱部品でも放熱の効果が十分認められることが分かった。
本発明は、筐体内部に大規模集積回路(LSI)やトライアック、サイリスタ等の発熱電子部品を備え、かつ全体として小型化を図る必要がある全ての電子機器の放熱構造に適用可能である。
本発明の参考実施形態にかかる電子機器の放熱構造を示した断面図である。 図1に示した電子機器の放熱構造に基づく本発明の一実施形態を示した断面図である。 図1における電子機器の放熱構造の作用を説明するための図である。 比較試験を行ったときの本比較例の温度分布図(図4(a))、本実施例1の温度分布図(図4(b))、本実施例2の温度分布図(図4(c))である。 別の比較試験を行ったときの本比較例と本実施例1,2の温度分布を示す図4に対応する温度分布図である。 従来の電子機器の放熱構造を示した断面図である。
符号の説明
1,2 電子機器の放熱構造
10 筐体
10a 上ケース
10b 下ケース
11 プリント基板
11a ヒートスプレットパターン
12 支持部材
12b 溝部
15 発熱部品
15a ヒートシンク
17 スペーサ

Claims (1)

  1. 表面に発熱部材を実装すると共にヒートスプレットパターンが印刷されたプリント基板と、前記ヒートスプレットパターンが印刷されたプリント基板を収容する筐体を備えた電子機器の放熱構造において、
    前記ヒートスプレットパターンが印刷されたプリント基板の両端縁部を前記筐体内部に支持する弾性体の熱伝導性支持部材が前記筐体内部の所定位置に当該筐体と一定の面積で接触したまま取り付けられ、前記支持部材を介して前記発熱部品からヒートスプレットパターンに熱を伝え、前記筐体までの熱伝導経路を形成したことに加えて、
    弾性体の熱伝導性スペーサが、前記発熱部品の前記筐体との対向面の面積に対応する面積で前記発熱電子部品及び前記筐体双方に接触したまま、前記発熱部品と前記筐体との間に介在し、当該スペーサを介して前記発熱部品から前記筐体までの更なる熱伝導経路を形成したことを特徴とする電子機器の放熱構造。
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