JP2021025955A - Fmcwセンサモジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】 安価な部品を利用し、製造工程数を削減して、コストを大幅に低減することができ、良好な特性が得られるFMCWセンサモジュールを提供する。【解決手段】 76GHz帯ミリ波を用いたFMCWセンサモジュールであって、FMCW送受信基板面が、76GHz帯ミリ波を吸収することで透過率を0%とし、熱伝導率が13W/mKである樹脂材で形成された樹脂製保護キャップで覆われており、電源を投入してから出力周波数が安定化するまでの時間が20分以内であるFMCWセンサモジュールとしている。【選択図】 図15
Description
本発明は、FMCW(Frequency Modulated Continuous Wave;周波数変調連続波)センサモジュールに係り、特に安価な部品を利用し、製造工程数を削減して、製造コストを大幅に低減することができ、良好な特性が得られるFMCWセンサモジュールに関する。
[先行技術の説明:図16]
FMCWセンサモジュールは、各種のセンサやレーダー等に用いられ、物体の距離や方向、速度を検出するものである。
FMCWセンサの概略構成について図16を用いて説明する。図16は、FMCWセンサの概略構成図である。
図16に示すように、FMCWセンサは、基本的に、VCO(Voltage Controlled Oscillator;電圧制御発振器)1と、カプラ2と、送信アンテナ3と、受信アンテナ4と、ミキサ5とを備えている。
ミリ波を用いたFMCWセンサには、VCO1にガンダイオードを用いたものがある。
FMCWセンサモジュールは、各種のセンサやレーダー等に用いられ、物体の距離や方向、速度を検出するものである。
FMCWセンサの概略構成について図16を用いて説明する。図16は、FMCWセンサの概略構成図である。
図16に示すように、FMCWセンサは、基本的に、VCO(Voltage Controlled Oscillator;電圧制御発振器)1と、カプラ2と、送信アンテナ3と、受信アンテナ4と、ミキサ5とを備えている。
ミリ波を用いたFMCWセンサには、VCO1にガンダイオードを用いたものがある。
VCO1で生成された所定のチャープ信号は送信アンテナ3から出力され、目標物で反射して受信アンテナ4で受信される。受信信号の周波数は目標物が停止している場合には送信周波数と同じである。
そして、受信信号は、カプラ2で分岐された(受信時の)送信信号と混合されて、周波数差としてIF(Intermediate Frequency;中間周波数)信号が出力される。
このIF信号に基づいて送信から受信までの時間が算出され、目標物までの距離が求められるものである。
そして、受信信号は、カプラ2で分岐された(受信時の)送信信号と混合されて、周波数差としてIF(Intermediate Frequency;中間周波数)信号が出力される。
このIF信号に基づいて送信から受信までの時間が算出され、目標物までの距離が求められるものである。
[従来の保護キャップ]
従来のFMCWセンサモジュールは、VCO1等が搭載されたFMCW送受信基板面を保護するために、アルミニウム製の保護キャップ(以下、アルミ保護キャップと称する)で基板面を覆っている。
アルミ保護キャップは、アルミニウムを切削加工して製造する部品であるため、生産効率が低く高価であり、部品コストが高くなる。
更に、送信側のマイクロストリップ回路から漏れた電波がアルミ保護キャップに反射して、IF信号にノイズとして重畳されるのを防ぐため、アルミ保護キャップ裏面(内側)に電波吸収体を貼る必要がある。
従来のFMCWセンサモジュールは、VCO1等が搭載されたFMCW送受信基板面を保護するために、アルミニウム製の保護キャップ(以下、アルミ保護キャップと称する)で基板面を覆っている。
アルミ保護キャップは、アルミニウムを切削加工して製造する部品であるため、生産効率が低く高価であり、部品コストが高くなる。
更に、送信側のマイクロストリップ回路から漏れた電波がアルミ保護キャップに反射して、IF信号にノイズとして重畳されるのを防ぐため、アルミ保護キャップ裏面(内側)に電波吸収体を貼る必要がある。
[関連技術]
尚、ガンダイオードを用いた従来技術としては、特開2004−281496号公報「ガンダイオード発振器」(特許文献1)がある。
特許文献1には、ガンダイオード発振器において、ガンダイオードやストリップ線路を密閉構造とすることにより、水蒸気等の侵入を防止し、信頼性を向上させることが記載されている。
尚、ガンダイオードを用いた従来技術としては、特開2004−281496号公報「ガンダイオード発振器」(特許文献1)がある。
特許文献1には、ガンダイオード発振器において、ガンダイオードやストリップ線路を密閉構造とすることにより、水蒸気等の侵入を防止し、信頼性を向上させることが記載されている。
上述したように、従来のFMCWセンサモジュールでは、FMCW送受信基板面を保護するための部品としてアルミ保護キャップを用いており、部品自体が高価であると共に、部品の裏面に電波吸収体を貼らなければならず、工程数が増加してしまい、全体としてコストが高くなるという問題点があった。
尚、特許文献1には、FMCW送受信基板面を保護する保護キャップとして、樹脂製の保護キャップを用いることは記載されていない。
本発明は上記実状に鑑みて為されたもので、安価な部品を用い、製造工程数を削減して、コストを大幅に低減することができ、良好な特性が得られるFMCWセンサモジュールを提供することを目的とする。
上記従来例の問題点を解決するための本発明は、76GHz帯ミリ波を用いたFMCWセンサモジュールであって、76GHz帯ミリ波を吸収することで透過率を0%とし、熱伝導率が13W/mK以上である樹脂材で形成された樹脂製保護キャップでFMCW送受信基板面が覆われており、電源を投入してから出力周波数が安定化するまでの時間が20分以内であることを特徴としている。
また、本発明は、上記FMCWセンサモジュールにおいて、樹脂材が、ポリカーボネイトであることを特徴としている。
また、本発明は、上記FMCWセンサモジュールにおいて、76GHz帯ミリ波の周波数信号を生成するガンダイオードを備え、当該ガンダイオードが、FMCW送受信基板面がアルミニウム製の保護キャップで覆われたFMCWセンサモジュールで用いられるガンダイオードに比べ消費電力が低いことを特徴としている。
本発明によれば、76GHz帯ミリ波を用いたFMCWセンサモジュールであって、76GHz帯ミリ波を吸収することで透過率を0%とし、熱伝導率が13W/mK以上である樹脂材で形成された樹脂製保護キャップでFMCW送受信基板面が覆われており、電源を投入してから出力周波数が安定化するまでの時間が20分以内であるFMCWセンサモジュールとしているので、樹脂射出成型で形成できる安価な保護キャップを用いて部品コストを大幅に低減し、キャップ内側に電波吸収体を貼る工程を不要として工程数を削減して、全体のコストを低減でき、更に、筐体温度のばらつきを抑えて良好な特性のセンサモジュールを実現することができる効果がある。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
[実施の形態の概要]
本発明の実施の形態に係るFMCWセンサモジュール(本センサモジュール)は、76GHz帯ミリ波FMCWセンサモジュールであり、76GHz帯ミリ波を吸収することで透過率を0%とし、熱伝導率が13W/mK以上である樹脂材で形成された樹脂製保護キャップでFMCW送受信基板面を覆ったものであり、基板面を保護すると共に、保護キャップを樹脂射出成型で形成して部品コストを大幅に低減し、更に、電波吸収体を貼る工程を不要にして工程数を削減し、全体の製造コストを低減することができるものである。
[実施の形態の概要]
本発明の実施の形態に係るFMCWセンサモジュール(本センサモジュール)は、76GHz帯ミリ波FMCWセンサモジュールであり、76GHz帯ミリ波を吸収することで透過率を0%とし、熱伝導率が13W/mK以上である樹脂材で形成された樹脂製保護キャップでFMCW送受信基板面を覆ったものであり、基板面を保護すると共に、保護キャップを樹脂射出成型で形成して部品コストを大幅に低減し、更に、電波吸収体を貼る工程を不要にして工程数を削減し、全体の製造コストを低減することができるものである。
[実施の形態に係るFMCWセンサモジュール]
本センサモジュールは、76GHz帯ミリ波を用いたFMCWセンサモジュールであり、FMCW送受信基板面を保護するために、従来のアルミ製保護キャップの代わりに樹脂製保護キャップを備えたものである。
本センサモジュールは、76GHz帯ミリ波を用いたFMCWセンサモジュールであり、FMCW送受信基板面を保護するために、従来のアルミ製保護キャップの代わりに樹脂製保護キャップを備えたものである。
[樹脂製保護キャップの材料の選定]
まず、保護キャップに用いられる樹脂材料を選定するための実験を行った。
[76GHz帯透過率確認実験:図1]
保護キャップとして機能するには、本センサモジュールで用いられる76GHz帯(76〜77GHz)ミリ波の帯域を十分遮蔽する特性が必要である。
そこで、材質の異なる9種類の樹脂板サンプルを用意して、76GHz帯ミリ波の透過率を確認する実験を行った。
まず、保護キャップに用いられる樹脂材料を選定するための実験を行った。
[76GHz帯透過率確認実験:図1]
保護キャップとして機能するには、本センサモジュールで用いられる76GHz帯(76〜77GHz)ミリ波の帯域を十分遮蔽する特性が必要である。
そこで、材質の異なる9種類の樹脂板サンプルを用意して、76GHz帯ミリ波の透過率を確認する実験を行った。
実験は、発振器から出力される76GHz帯ミリ波を、アッテネータを介して送信アンテナから出力し、受信アンテナを備えた検波器で測定した。送信アンテナと受信アンテナとの間に樹脂板を配置して、樹脂板なしの場合の検波器出力と樹脂板ありの場合の検波器出力とを比較して、透過率を求めた。アンテナ間の距離は5cm、樹脂板は送信アンテナから2.5cmの位置に設置した。
測定結果を図1に示す。図1は、9種類の樹脂板サンプルの76GHz帯ミリ波の透過率確認実験の結果を示す表である。
図1に示すように、サンプル1〜サンプル9について、それぞれ76.0GHz、76.5GHz、77.0GHzのミリ波の透過率を算出した。サンプル1〜サンプル3はPPE(Poly Phenylene Ethel;ポリフェニレンエーテル)であり、サンプル4〜9はポリカーボネイトである。
図1に示すように、サンプル1〜サンプル9について、それぞれ76.0GHz、76.5GHz、77.0GHzのミリ波の透過率を算出した。サンプル1〜サンプル3はPPE(Poly Phenylene Ethel;ポリフェニレンエーテル)であり、サンプル4〜9はポリカーボネイトである。
図1からわかるように、サンプル1とサンプル5は、76GHz帯ミリ波の透過率が高く、保護キャップ部材としては適していない。
一方、サンプル6、サンプル7、サンプル8は76.0GHz、76.5GHz、77.0GHzのミリ波の透過率がいずれも0%であった。
サンプル6は、長繊維素材を含むポリカーボネイト素材(以下、「長繊維」)、サンプル7は、電磁波を遮蔽する電磁波シールド特性を備えたポリカーボネイト素材(以下、「電磁波シールド」)、サンプル8は、熱伝導が8W(8W/mK)のポリカーボネイト素材(以下、「熱伝導8W」)である。
この実験により、サンプル6,7,8が保護キャップの材料の候補となった。
一方、サンプル6、サンプル7、サンプル8は76.0GHz、76.5GHz、77.0GHzのミリ波の透過率がいずれも0%であった。
サンプル6は、長繊維素材を含むポリカーボネイト素材(以下、「長繊維」)、サンプル7は、電磁波を遮蔽する電磁波シールド特性を備えたポリカーボネイト素材(以下、「電磁波シールド」)、サンプル8は、熱伝導が8W(8W/mK)のポリカーボネイト素材(以下、「熱伝導8W」)である。
この実験により、サンプル6,7,8が保護キャップの材料の候補となった。
[吸収確認実験]
76GHz帯ミリ波の透過率が0%であった3種類のサンプルについて、各樹脂板がミリ波を吸収しているのか、反射しているのかを確認した。
透過率が0%であっても、ミリ波を反射しているのであれば、従来のアルミ製キャップと同様に電波吸収体を貼る必要がある。
76GHz帯ミリ波の透過率が0%であった3種類のサンプルについて、各樹脂板がミリ波を吸収しているのか、反射しているのかを確認した。
透過率が0%であっても、ミリ波を反射しているのであれば、従来のアルミ製キャップと同様に電波吸収体を貼る必要がある。
一般的なFMCWセンサモジュールとコーナーリフレクタとを用いて、送信アンテナから出力した76GHz帯ミリ波をコーナーリフレクタで反射させて受信アンテナで受信し、IF信号を取得し、波形を得た。
受信アンテナの手前に、遮蔽板として、電波吸収体、鉄板、樹脂板(3種類)を設置して、波形を比較した。電波吸収体はミリ波を吸収するリファレンス、鉄板はミリ波を反射するリファレンスとして用いた。
受信アンテナの手前に、遮蔽板として、電波吸収体、鉄板、樹脂板(3種類)を設置して、波形を比較した。電波吸収体はミリ波を吸収するリファレンス、鉄板はミリ波を反射するリファレンスとして用いた。
図示は省略するが、樹脂板のサンプル6,7,8を設置した場合のIF信号波形は、いずれも電波吸収体と同じ傾向の信号波形がみられた。このことから、樹脂板サンプルは76GHz帯ミリ波を吸収しており、サンプル6,7,8は、保護キャップの材料として適切であると考えられる。
[樹脂製保護キャップの利点]
樹脂製の保護キャップは、射出成型により容易に形成することができ、従来のアルミ切削に比べて製造コストを大幅に低減できるものである。また、量産性にも優れている。
また、サンプル6,7,8は、材料自体が76GHz帯ミリ波を十分に吸収する素材であるため、保護キャップの裏面(内側、基板側の面)に電波吸収体を貼る必要はない。
これにより、電波吸収体を貼り付ける工程を無くすことができ、工程数を削減できるものである。
保護キャップ自体の部品コストを安価にし、且つ工程数を削減することで、FMCWセンサモジュールの製造コストを大幅に低減することができるものである。
樹脂製の保護キャップは、射出成型により容易に形成することができ、従来のアルミ切削に比べて製造コストを大幅に低減できるものである。また、量産性にも優れている。
また、サンプル6,7,8は、材料自体が76GHz帯ミリ波を十分に吸収する素材であるため、保護キャップの裏面(内側、基板側の面)に電波吸収体を貼る必要はない。
これにより、電波吸収体を貼り付ける工程を無くすことができ、工程数を削減できるものである。
保護キャップ自体の部品コストを安価にし、且つ工程数を削減することで、FMCWセンサモジュールの製造コストを大幅に低減することができるものである。
尚、保護キャップの材料としてミリ波を反射する素材の樹脂を用いた場合でも、従来のアルミ製保護キャップと同様に、内側に電波吸収体を貼れば保護キャップとして十分機能する。
この場合、工程数を削減することはできないものの、保護キャップ自体の成型を、切削加工ではなく樹脂の射出成型で行うことができるためアルミ保護キャップに比べて安価であり、部品コスト低減の効果は得られるものである。
この場合、工程数を削減することはできないものの、保護キャップ自体の成型を、切削加工ではなく樹脂の射出成型で行うことができるためアルミ保護キャップに比べて安価であり、部品コスト低減の効果は得られるものである。
[サンプル6,7,8を用いた本センサモジュールの評価:図2]
上述した実験で選定されたサンプル6(長繊維)、サンプル7(電磁波シールド)、サンプル8(熱伝導8W)の樹脂を用いて保護キャップを作成して、76GHz帯ミリ波FMCWセンサモジュールの基板面を覆うように取り付け、評価を行った。
評価項目は、電気的特性として、周波数、周波数変調幅、出力、消費電流、IF信号、周波数安定化時間について評価を行い、その他の特性として、距離測定、筐体温度について評価を行った。
上述した実験で選定されたサンプル6(長繊維)、サンプル7(電磁波シールド)、サンプル8(熱伝導8W)の樹脂を用いて保護キャップを作成して、76GHz帯ミリ波FMCWセンサモジュールの基板面を覆うように取り付け、評価を行った。
評価項目は、電気的特性として、周波数、周波数変調幅、出力、消費電流、IF信号、周波数安定化時間について評価を行い、その他の特性として、距離測定、筐体温度について評価を行った。
図2は、サンプル6(長繊維)、サンプル7(電磁波シールド)、サンプル8(熱伝導8W)の樹脂製保護キャップを用いた76GHz帯ミリ波FMCWセンサモジュールの特性評価結果を示す表である。
図2に示すように、電気的特性及び距離測定は、サンプル6(長繊維)、サンプル7(電磁波シールド)、サンプル8(熱伝導8W)のいずれも、従来のアルミ保護キャップ(電波吸収体あり)と差異がなく、良好な特性であることが確認された(〇印で示す)。
一方、筐体温度については、従来に比べて温度の均一性がやや劣り、VCO筐体の温度が1℃〜3℃高くなるという差異が見られた(△印で示す)。
図2に示すように、電気的特性及び距離測定は、サンプル6(長繊維)、サンプル7(電磁波シールド)、サンプル8(熱伝導8W)のいずれも、従来のアルミ保護キャップ(電波吸収体あり)と差異がなく、良好な特性であることが確認された(〇印で示す)。
一方、筐体温度については、従来に比べて温度の均一性がやや劣り、VCO筐体の温度が1℃〜3℃高くなるという差異が見られた(△印で示す)。
これは、アルミニウムに比べて樹脂の熱伝導性が低いことによるものである。しかしながら、VCO1として低電力のガンダイオードを用いることにより、温度上昇を抑えることが可能である。
本FMCWセンサモジュールでは、アルミ保護キャップを装着した従来のFMCWセンサモジュールで用いられるVCOに比べて、低電力のガンダイオードを備えるものとすることが望ましい。
本FMCWセンサモジュールでは、アルミ保護キャップを装着した従来のFMCWセンサモジュールで用いられるVCOに比べて、低電力のガンダイオードを備えるものとすることが望ましい。
これにより、FMCW送受信基板面を保護するために、従来のアルミ製保護キャップ(電波吸収体あり)の代わりに、樹脂製保護キャップを装着した本FMCWセンサモジュールでも、従来のFMCWセンサモジュールと同等の特性が得られるものである。
[放熱特性]
本FMCWセンサモジュールのVCO1として用いられるガンダイオードは、動作時に発熱するため、基板面を覆う樹脂製保護キャップとしては放熱効果が大きいことが望ましい。
そこで、上述した実験で用いたサンプル8(熱伝導8W)よりも熱伝導率が大きい樹脂サンプル(サンプル10)を用いた保護キャップをFMCWセンサモジュールに装着して、再度評価を行った。
本FMCWセンサモジュールのVCO1として用いられるガンダイオードは、動作時に発熱するため、基板面を覆う樹脂製保護キャップとしては放熱効果が大きいことが望ましい。
そこで、上述した実験で用いたサンプル8(熱伝導8W)よりも熱伝導率が大きい樹脂サンプル(サンプル10)を用いた保護キャップをFMCWセンサモジュールに装着して、再度評価を行った。
サンプル10は、上述したサンプル8(熱伝導8W)と同様のポリカーボネイトであるが、熱伝導率を13W/mKとしたものである(以下、「サンプル10(熱伝導13W)」と記載)。
サンプル10(熱伝導13W)の樹脂製保護キャップも、射出成型により安価に形成することができ、部品コストを低減できるものである。また、サンプル10(熱伝導13W)の樹脂も、電波を吸収する特性があるため、キャップ内側に電波吸収体を貼る必要がなく、工程数を削減できるものである。
サンプル10(熱伝導13W)の樹脂製保護キャップも、射出成型により安価に形成することができ、部品コストを低減できるものである。また、サンプル10(熱伝導13W)の樹脂も、電波を吸収する特性があるため、キャップ内側に電波吸収体を貼る必要がなく、工程数を削減できるものである。
[サンプル10の樹脂製保護キャップを装着した本センサモジュールの評価]
サンプル6,7,8の樹脂製保護キャップを装着したモジュールと同様に、サンプル10(熱伝導13W)の樹脂製保護キャップを装着したFMCWセンサモジュールの電気的特性とその他の特性を、従来のアルミ保護キャップ(電波吸収体あり)を装着した場合と比較する評価を行った。
サンプル10(熱伝導13W)の保護キャップは3個作成して、同一のFMCWセンサモジュールの送受信基板面に順に装着したモジュールNo.1〜No.3(便宜的に、「試作品」と称する)について、測定を行った。
サンプル6,7,8の樹脂製保護キャップを装着したモジュールと同様に、サンプル10(熱伝導13W)の樹脂製保護キャップを装着したFMCWセンサモジュールの電気的特性とその他の特性を、従来のアルミ保護キャップ(電波吸収体あり)を装着した場合と比較する評価を行った。
サンプル10(熱伝導13W)の保護キャップは3個作成して、同一のFMCWセンサモジュールの送受信基板面に順に装着したモジュールNo.1〜No.3(便宜的に、「試作品」と称する)について、測定を行った。
[電気的特性(周波数):図3]
図3は、サンプル10(熱伝導13W)の樹脂製保護キャップを装着したFMCWセンサモジュールの周波数の測定結果を示す図であり、(a)はグラフ、(b)は表で示している。
図3に示すように、サンプル10(熱伝導13W)の保護キャップを装着した試作品No.1〜No.3の周波数は、アルミ保護キャップを装着した場合と有意な差異はなかった。
図3は、サンプル10(熱伝導13W)の樹脂製保護キャップを装着したFMCWセンサモジュールの周波数の測定結果を示す図であり、(a)はグラフ、(b)は表で示している。
図3に示すように、サンプル10(熱伝導13W)の保護キャップを装着した試作品No.1〜No.3の周波数は、アルミ保護キャップを装着した場合と有意な差異はなかった。
[電気的特性(周波数変調幅):図4]
図4はサンプル10(熱伝導13W)の樹脂製保護キャップを装着した試作品の周波数変調幅の測定結果を示す図であり、(a)はグラフ、(b)は表で示している。
図4に示すように、3つの試作品の出力周波数の値は、アルミ保護キャップを装着した場合と比較して差異がない。
変調幅は、(b)に示すように、VCCが0〜10Vの場合、0〜15Vの場合、共にアルミ保護キャップを装着した場合と同等である。
図4はサンプル10(熱伝導13W)の樹脂製保護キャップを装着した試作品の周波数変調幅の測定結果を示す図であり、(a)はグラフ、(b)は表で示している。
図4に示すように、3つの試作品の出力周波数の値は、アルミ保護キャップを装着した場合と比較して差異がない。
変調幅は、(b)に示すように、VCCが0〜10Vの場合、0〜15Vの場合、共にアルミ保護キャップを装着した場合と同等である。
[電気的特性(出力):図5]
図5は、サンプル10(熱伝導13W)の樹脂製保護キャップを装着した試作品の出力の測定結果を示す図であり、(a)はグラフ、(b)は表で示している。
出力も、アルミ保護キャップを装着したものと比較して、同等であることがわかる。
[電気的特性(変調時出力):図6]
図6は、サンプル10(熱伝導13W)の樹脂製保護キャップを装着した試作品の変調時出力の測定結果を示す図であり、(a)はグラフ、(b)は表で示している。
図6に示すように、3つの試作品の変調時出力は、アルミ保護キャップを装着したものと、同等である。
図5は、サンプル10(熱伝導13W)の樹脂製保護キャップを装着した試作品の出力の測定結果を示す図であり、(a)はグラフ、(b)は表で示している。
出力も、アルミ保護キャップを装着したものと比較して、同等であることがわかる。
[電気的特性(変調時出力):図6]
図6は、サンプル10(熱伝導13W)の樹脂製保護キャップを装着した試作品の変調時出力の測定結果を示す図であり、(a)はグラフ、(b)は表で示している。
図6に示すように、3つの試作品の変調時出力は、アルミ保護キャップを装着したものと、同等である。
[消費電流:図7]
図7は、サンプル10(熱伝導13W)の樹脂製保護キャップを装着した試作品の消費電流の測定結果を示す図であり、(a)はグラフ、(b)は表で示している。
図7からわかるように、試作品の消費電流は、アルミ保護キャップを装着した場合と同等となっている。
図7は、サンプル10(熱伝導13W)の樹脂製保護キャップを装着した試作品の消費電流の測定結果を示す図であり、(a)はグラフ、(b)は表で示している。
図7からわかるように、試作品の消費電流は、アルミ保護キャップを装着した場合と同等となっている。
[電気的特性の評価データ:図8]
上述した電気的特性の評価データを図8にまとめる。図8は、サンプル10(熱伝導13W)の樹脂製保護キャップを装着した試作品の電気的特性(周波数、周波数変調幅、出力、消費電流)の評価データを示す表である。
図8に示すように、周波数、周波数変調幅、出力、消費電流について、3つの試作品の測定データから、最小値(min.)、最大値(max.)、平均値(avg.)を求め、アルミ保護キャップを装着した場合と平均値(avg.)とを比較した差分(差異)を算出した。
上述した電気的特性の評価データを図8にまとめる。図8は、サンプル10(熱伝導13W)の樹脂製保護キャップを装着した試作品の電気的特性(周波数、周波数変調幅、出力、消費電流)の評価データを示す表である。
図8に示すように、周波数、周波数変調幅、出力、消費電流について、3つの試作品の測定データから、最小値(min.)、最大値(max.)、平均値(avg.)を求め、アルミ保護キャップを装着した場合と平均値(avg.)とを比較した差分(差異)を算出した。
図8の「差異」からわかるように、サンプル10(熱伝導13W)の樹脂製保護キャップを装着したFMCWセンサモジュールの電気的特性は、アルミ保護キャップを装着した場合とほとんど差異がなく、良好な特性が得られた。
[電気的特性(IF信号)測定:図9]
IF信号の測定を行う機器構成を図9に示す。図9は、IF信号の測定ブロック図である。
図9に示すように、FMCWセンサモジュールから50cm離れた位置にコーナーリフレクタを設置して、送信アンテナからの送信波を反射させ、受信アンテナで受信した信号から得られたIF信号を測定する。
IF信号の測定を行う機器構成を図9に示す。図9は、IF信号の測定ブロック図である。
図9に示すように、FMCWセンサモジュールから50cm離れた位置にコーナーリフレクタを設置して、送信アンテナからの送信波を反射させ、受信アンテナで受信した信号から得られたIF信号を測定する。
[IF信号測定結果:図10]
図10は、FMCWセンサモジュールのIF信号の特性を示す波形図であり、(a)はアルミ保護キャップ(電波吸収体あり)装着時、(b)はサンプル10(熱伝導13W)の樹脂製保護キャップ装着時の波形である。
図10(a)(b)に示すように、樹脂製保護キャップを装着した場合でも、IF信号の波形に劣化は見られない。
図10は、FMCWセンサモジュールのIF信号の特性を示す波形図であり、(a)はアルミ保護キャップ(電波吸収体あり)装着時、(b)はサンプル10(熱伝導13W)の樹脂製保護キャップ装着時の波形である。
図10(a)(b)に示すように、樹脂製保護キャップを装着した場合でも、IF信号の波形に劣化は見られない。
[距離とビート信号の測定結果:図11]
更に、距離とビート信号との関係について評価した。
コーナーリフレクタを0.5m〜3.0mの範囲で0.5mステップで移動させて、アルミ保護キャップを装着した場合と、サンプル10(熱伝導13W)の樹脂製保護キャップを装着した場合のビート信号周波数を比較した。
更に、距離とビート信号との関係について評価した。
コーナーリフレクタを0.5m〜3.0mの範囲で0.5mステップで移動させて、アルミ保護キャップを装着した場合と、サンプル10(熱伝導13W)の樹脂製保護キャップを装着した場合のビート信号周波数を比較した。
図11は、距離とビート信号(IF信号)の測定結果を示す図であり、(a)はグラフ、(b)は表で示したものである。
図11(a)(b)に示すように、樹脂製保護キャップを装着した試作品のIF信号周波数及び電力は、アルミ保護キャップを装着した場合と同等である。
図11(a)(b)に示すように、樹脂製保護キャップを装着した試作品のIF信号周波数及び電力は、アルミ保護キャップを装着した場合と同等である。
[周波数安定化時間:図12]
電源を投入してから出力周波数が安定するまでの時間の評価を行った。周波数安定化の目標値は10MHz以下とした。
図12は、周波数安定化時間の測定結果を示す図である。
(a)は、アルミ保護キャップを装着した場合、(b)(c)(d)はサンプル10(熱伝導13W)の樹脂製保護キャップを装着した場合、(e)(f)(g)はサンプル8(熱伝導8W)の樹脂製保護キャップを装着した場合の電源投入後の時間と出力周波数を示している。
いずれの場合も、電源投入後20分以内に周波数が安定しており、周波数ドリフト特性は良好である。尚、サンプル10(熱伝導13W)とサンプル8(熱伝導8W)とは、ほとんど差がない。
電源を投入してから出力周波数が安定するまでの時間の評価を行った。周波数安定化の目標値は10MHz以下とした。
図12は、周波数安定化時間の測定結果を示す図である。
(a)は、アルミ保護キャップを装着した場合、(b)(c)(d)はサンプル10(熱伝導13W)の樹脂製保護キャップを装着した場合、(e)(f)(g)はサンプル8(熱伝導8W)の樹脂製保護キャップを装着した場合の電源投入後の時間と出力周波数を示している。
いずれの場合も、電源投入後20分以内に周波数が安定しており、周波数ドリフト特性は良好である。尚、サンプル10(熱伝導13W)とサンプル8(熱伝導8W)とは、ほとんど差がない。
[筐体温度:図13,図14]
電源投入後の筐体温度の変化について評価を行った。
FMCWセンサモジュールにおいて、VCO筐体と、送受信基板筐体側面と、保護キャップ裏面の3か所に熱電対を取り付けて、温度を測定した。
電源投入後の筐体温度の変化について評価を行った。
FMCWセンサモジュールにおいて、VCO筐体と、送受信基板筐体側面と、保護キャップ裏面の3か所に熱電対を取り付けて、温度を測定した。
図13は、筐体温度の測定データを示す図である。
(a)は、アルミ保護キャップを装着した場合、(b)(c)(d)はサンプル10(熱伝導13W)の樹脂製保護キャップを装着した場合、(e)(f)(g)はサンプル8(熱伝導8W)の樹脂製保護キャップを装着した場合の電源投入後の時間と各部の温度を示している。
樹脂製保護キャップを装着したセンサモジュールは、(a)のアルミ保護キャップを装着したものと比較して筐体各部での温度差が若干大きい。
(a)は、アルミ保護キャップを装着した場合、(b)(c)(d)はサンプル10(熱伝導13W)の樹脂製保護キャップを装着した場合、(e)(f)(g)はサンプル8(熱伝導8W)の樹脂製保護キャップを装着した場合の電源投入後の時間と各部の温度を示している。
樹脂製保護キャップを装着したセンサモジュールは、(a)のアルミ保護キャップを装着したものと比較して筐体各部での温度差が若干大きい。
図14は、筐体温度の測定結果をまとめた表であり、電源投入から30分後の温度と、保護キャップ裏面の温度とVCO筐体の温度との温度差を示している。
図14に示すように、従来のアルミ保護キャップを装着した場合には、保護キャップ裏面の温度とVCO筐体の温度との差は、−1.0℃であったが、サンプル10(熱伝導13W)の樹脂製保護キャップを装着した場合には、温度差が−1.5℃、−1.3℃、−1.7℃と、若干大きくなっている。
また、サンプル8(熱伝導8W)の保護キャップを装着した場合には、温度差が−3.0℃、−1.0℃、−2.8℃と更に大きくなっている。
図14に示すように、従来のアルミ保護キャップを装着した場合には、保護キャップ裏面の温度とVCO筐体の温度との差は、−1.0℃であったが、サンプル10(熱伝導13W)の樹脂製保護キャップを装着した場合には、温度差が−1.5℃、−1.3℃、−1.7℃と、若干大きくなっている。
また、サンプル8(熱伝導8W)の保護キャップを装着した場合には、温度差が−3.0℃、−1.0℃、−2.8℃と更に大きくなっている。
キャップ材料の熱伝導率を比較すると、アルミニウムが236W/mK、サンプル10が13W/mK、サンプル8が8W/mKである。
熱伝導率が大きい方が、筐体各部の温度のばらつきが小さくなることがわかる。
熱伝導率が大きい方が、筐体各部の温度のばらつきが小さくなることがわかる。
[サンプル10(熱伝導13W)の樹脂製キャップを装着した試作品の特性評価結果:図15]
上述した評価結果全体を図15に示す。図15は、サンプル10(熱伝導13W)の樹脂製キャップを用いた76GHz帯ミリ波FMCWセンサモジュールの特性評価結果を示す表である。
図15に示すように、電気的特性及び距離測定では、従来のアルミ保護キャップ(電波吸収体あり)と差異がなく、良好な特性であることが確認された(〇印で示す)。
一方、筐体温度については、従来に比べて温度の均一性がやや劣り、VCO筐体の温度がやや高くなるという差異が見られた(△印で示す)。
上述した評価結果全体を図15に示す。図15は、サンプル10(熱伝導13W)の樹脂製キャップを用いた76GHz帯ミリ波FMCWセンサモジュールの特性評価結果を示す表である。
図15に示すように、電気的特性及び距離測定では、従来のアルミ保護キャップ(電波吸収体あり)と差異がなく、良好な特性であることが確認された(〇印で示す)。
一方、筐体温度については、従来に比べて温度の均一性がやや劣り、VCO筐体の温度がやや高くなるという差異が見られた(△印で示す)。
これは、アルミニウムに比べて樹脂の熱伝導性が低く、放熱効果が低いことによるものである。しかしながら、VCO1として低電力のガンダイオードを用いることにより、温度上昇及びばらつきを抑えることが可能である。
また、サンプル10(熱伝導13W)の筐体温度の特性は、サンプル8(熱伝導8W)の樹脂製保護キャップを用いた場合に比べるとばらつきが小さく、良好な特性であった。
従って、熱伝導率を13W/mKより高くした樹脂であれば、一層放熱特性が良好になることが期待される。
また、サンプル10(熱伝導13W)の筐体温度の特性は、サンプル8(熱伝導8W)の樹脂製保護キャップを用いた場合に比べるとばらつきが小さく、良好な特性であった。
従って、熱伝導率を13W/mKより高くした樹脂であれば、一層放熱特性が良好になることが期待される。
つまり、FMCW送受信基板面を保護するために、従来のアルミ製保護キャップ(電波吸収体あり)の代わりに、サンプル10(熱伝導13W)の樹脂製保護キャップを装着した本FMCWセンサモジュールでも、従来のFMCWセンサモジュールと同等の特性が得られることが明らかとなったものである。
[実施の形態の効果]
本FMCWセンサモジュールによれば、76GHz帯ミリ波を吸収することで透過率を0%とし、熱伝導率が13W/mK以上である樹脂材で形成された樹脂製保護キャップでFMCW送受信基板面を覆った構成としているので、FMCW送受信基板面を保護すると共に、保護キャップを樹脂射出成型で形成して部品コストを大幅に低減することができ、樹脂の熱伝導率を高くすることで従来のアルミ保護キャップを装着した場合と同等の特性を得ることができる効果がある。
本FMCWセンサモジュールによれば、76GHz帯ミリ波を吸収することで透過率を0%とし、熱伝導率が13W/mK以上である樹脂材で形成された樹脂製保護キャップでFMCW送受信基板面を覆った構成としているので、FMCW送受信基板面を保護すると共に、保護キャップを樹脂射出成型で形成して部品コストを大幅に低減することができ、樹脂の熱伝導率を高くすることで従来のアルミ保護キャップを装着した場合と同等の特性を得ることができる効果がある。
また、本FMCWセンサモジュールによれば、樹脂製保護キャップを備え、電源投入後、出力周波数が安定化するまでの時間が20分以内となるFMCWセンサモジュールとしているので、周波数ドリフト特性を良好とし、高精度なセンサモジュールを実現できる効果がある。
本発明は、安価な部品を利用して、製造工程数を削減して、コストを大幅に低減することができ、良好な特性が得られるFMCWセンサモジュールに適している。
1…VCO、 2…カプラ、 3…送信アンテナ、 4…受信アンテナ、 5…ミキサ
Claims (3)
- 76GHz帯ミリ波を用いたFMCWセンサモジュールであって、
76GHz帯ミリ波を吸収することで透過率を0%とし、熱伝導率が13W/mK以上である樹脂材で形成された樹脂製保護キャップでFMCW送受信基板面が覆われており、電源を投入してから出力周波数が安定化するまでの時間が20分以内であることを特徴とするFMCWセンサモジュール。 - 樹脂材が、ポリカーボネイトであることを特徴とする請求項1記載のFMCWセンサモジュール。
- 76GHz帯ミリ波の周波数信号を生成するガンダイオードを備え、
前記ガンダイオードが、FMCW送受信基板面がアルミニウム製の保護キャップで覆われたFMCWセンサモジュールで用いられるガンダイオードに比べ消費電力が低いことを特徴とする請求項1又は2記載のFMCWセンサモジュール。
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- 2019-08-08 JP JP2019145992A patent/JP2021025955A/ja active Pending
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