JP2015017797A - 大口径ドットサイト装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】重機関銃の機関部上端に着脱され、両眼視を可能とし、視差を最小化することにより、迅速かつ正確な照準が可能な大口径ドットサイト照準装置を提供する。
【解決手段】前方に形成された保護窓と、保護窓の後ろに形成された反射鏡と、反射鏡に光を照射するLEDと、LEDの先端に位置し、LEDから照射された光を投光させてドット像を形成する投光レチクルを有する照明部と、下部に形成された固定グリルとを備えるドットサイト照準装置であって、固定グリルによって重機関銃用マウントに着脱され、反射鏡の幅Xと使用者の両眼との間の距離Yは、X>Yの関係を満足する。
【選択図】図4
【解決手段】前方に形成された保護窓と、保護窓の後ろに形成された反射鏡と、反射鏡に光を照射するLEDと、LEDの先端に位置し、LEDから照射された光を投光させてドット像を形成する投光レチクルを有する照明部と、下部に形成された固定グリルとを備えるドットサイト照準装置であって、固定グリルによって重機関銃用マウントに着脱され、反射鏡の幅Xと使用者の両眼との間の距離Yは、X>Yの関係を満足する。
【選択図】図4
Description
本発明は、重機関銃に装着されて使用される照準装置に関し、より詳細には、両眼視が可能な大口径ドットサイト装置に関する。
小銃または重機関銃の特性は、迅速に照準射撃ができるかと、正確に標的を照準できるかによって左右される。一般に、小銃または重機関銃の照準は、照尺と照星の照準線整列によってなされる。銃身の終端に位置する照星と銃器本体の上部に位置する照尺との照準線整列による照準は、その銃器を使用する使用者の実力によって正確な射撃が可能なようにする。
しかし、照尺と照星だけで照準する場合、小さい振動や震えにも照準線整列が難しくなり、近距離射撃や緊迫な状況で迅速に照準することが難しい。
すなわち、このような照準射撃の方法では、目標捕捉および確認、照準線整列、照準などの複雑な過程と時間が求められ、照星と照尺自体が非常に小さくて、これを正確に整列するにおいて、小さい震えにも敏感に反応するだけでなく、過度に照準線整列に集中すると、標的や前方の状況よりは、照星と照尺自体に視線が集中され、射撃または緊急状況の対処に必要な視野が狭まる困難があった。
したがって、このような照準線整列の困難に対処し、照準の正確性を高めるために、望遠レンズを装着した照準装置が提案された。しかし、望遠レンズを装着した光学式照準器の場合にも、望遠レンズを使用することによって倍率が上がると、同様に小さい震えにも敏感な反応をみせるため、迅速な照準には、依然として多くの困難があった。
結局、このような問題を解決するために、光学式照準器に無倍率または低倍率レンズを使用し、複雑な照準線をなくし、簡単に照準点のみを用いるドットサイト装置が提案された。
光学式無倍率(低倍率)ドットサイト照準装置は、簡単かつ迅速に照準が可能であり、緊急な状況や近距離において極めて有用である。具体的には、従来の照準線整列にかかっていた時間を節約することができ、照準自体もドット(dot)像を標的に位置させることで十分であり、したがって、視野を確保する余裕も有することができる。つまり、迅速かつ正確に照準することができ、情況判断に必要な周辺への視野も確保することができる。
しかし、従来のドットサイト照準装置の場合、照準鏡を片目のみで凝視しなければならない単眼視照準装置であったため、照準に長い時間がかかるだけでなく、視覚的な問題も内包している。
具体的には、図1のように、従来のドットサイト装置1では、固定グリル11によって、小銃の鏡筒整列用端子3にドットサイト照準装置1の内部を整列した後、LED光源5から出た光を反射鏡7で反射させて、単眼で物体を確認した。一般に、反射鏡7の前面(照準装置の内方)は、LEDから照射された光を反射できるようにコーティングされており、その前後面の曲面は、球面であって、同じ曲率を有する。
保護窓9を介して無倍率で凝視することになる目標点に、反射鏡7を介して反射されたドット像が照準されることで、使用者は、LEDからのドット像が目標物と一致するときに射撃することにより、照準を容易にすることができる。
さらに具体的に説明すると、ドットサイト装置1の内部に位置したLED光源5から照射された光は、反射鏡7に反射されて観測者の目に平行に入射される。この平行度は、銃身の弾丸発射軸と一致しなければならない。ドットサイト装置1の平行度と銃身の弾丸発射軸とが一致しなければ、使用者がLED光源5から照射された光のドットを射撃目標点に一致させても目標物に命中させることができないため、ドットサイト装置1の平行度を銃身の弾丸発射軸と一致させるために、垂直および水平調整機能を有する鏡筒整列用端子3を操作して、内部鏡筒の光軸を銃身の弾丸発射軸と一致させる。
しかし、この場合には、図2に示すように、反射鏡の幅が使用者の瞳孔間の距離より大きくなければ、両眼の重ね合わせによって、確保可能な両眼視野が存在しなくなり、このような状態で外部物体を反射鏡を介してみると、両眼視による外部物体の情報獲得が不可能となる。したがって、両眼のうち、優勢な目によって外部物体を注視するようになるか、複視として物体を眺めるようになるが、この場合には、安定疲労が誘発されて、外部物体の情報を正確に読み出すことができなくなる。
また、これを解決するために、単に照準鏡、すなわち、保護鏡と反射鏡との大きさのみを大きくすれば、図2に示すように、反射鏡周辺部の収差増加による反射鏡自体の視差(parallax)が発生し、ドットサイト装置の平行度と銃身の弾丸発射軸とが一致しなくなる問題が生じる。視差の発生は、当然目標物に対する命中度を低下させる。図2は、一般的な球面(spherical surface)反射面での反射光が互いに並んでいない視差を示している。
さらに、従来のドットサイト装置によれば、図1に示すように、目標物までの距離に関係なく、同一な光軸に沿ってLEDから照射された光が反射鏡で反射されて目標物にドット像が結ばれる。しかし、弾丸が発射されると、目標物に命中するまで重力が作用し続けるため、目標物が遠くにあるほど、弾道が変わることになる。従来のドットサイト装置によれば、このような距離による弾道変化を反映するために、ドットサイト装置本体の光軸と銃身の発射軸との平行度を機構的に調整して使用したため、目標物までの距離がいきなり変わる場合には、迅速に対応できないという問題があった。
さらにまた、LED光源部から照射されて出た光は、1つのレチクルを使用するため、全ての目的物に対して常に同一なドットが形成される。しかし、重機関銃の目標物は、近距離・対人用射撃と対戦車射撃、および対航空機射撃の場合に、全て各々の特徴があり、例えば、航空機に対する射撃をする場合は、航空機の移動速度までも勘案して照準し射撃しなければならない。したがって、従来のドットサイト装置によれば、射撃対象の特性を勘案した正確な照準射撃が困難であるという問題があった。
本発明は、上記のような従来技術の問題を解決するために提案されたものであって、その目的は、両眼視が可能な大口径のドットサイト照準装置を提供することにある。
また、本発明の目的は、反射鏡を介した視差の発生を防止できる大口径ドットサイト照準装置を提供することにある。
また、本発明の目的は、目標物までの距離によって弾道の変化を迅速に反映して照準できるドットサイト照準装置を提供することにある。
さらに、本発明の目的は、目標物によって、その特性に合うレチクルを使用したドット像を用いて、迅速に照準することができるドットサイト照準装置を提供することにある。
一方、本発明の技術的目的は、これに限定されるものではなく、本発明の技術分野における通常の知識を有した者であれば、本発明の権利範囲内で様々な目的として本発明を利用することができる。
そこで、上記の目的を達成するための本発明は、前方に形成された保護窓と、保護窓の後ろに形成された反射鏡と、反射鏡に光を照射するLEDと、前記LEDの先端に位置し、LEDから照射された光を投光させてドット像を形成する投光レチクルを有する照明部と、下部に形成された固定グリルとを備えるドットサイト装置であって、固定グリルによって重機関銃用マウントに着脱され、反射鏡の幅Xと使用者の両眼との間の距離Yは、X>Yの関係を満足する。
また、本発明は、照明部に連接するレチクル選択部をさらに備え、投光レチクルは、レチクル選択部から延長され、照明部を貫通するレチクル回転軸上に形成されてレチクル選択部を回転させることにより、レチクル回転軸を中心として回転可能であり、レチクル回転軸から所定距離離れた位置に複数の対象別投光レチクルがレチクル回転軸を中心として形成されており、目標物によってレチクル選択部を回転させて、前記目標物に対応する投光レチクルを選択することもできる。
また、本発明は、照明部に連接するレチクル選択部をさらに備え、投光レチクルは、レチクル選択部から延長され、照明部を貫通するレチクル回転軸上に形成されてレチクル選択部を回転させることにより、レチクル回転軸を中心として回転可能であり、レチクル回転軸を中心として複数の距離別投光レチクルが形成されており、複数の距離別投光レチクルは、対応する弾着点までの距離が遠いほど、回転軸に近く形成されており、目標物との距離によって、レチクル選択部を回転させて対応する距離別投光レチクルを選択することもできる。
さらに、本発明は、レチクル回転軸が、レチクル回転連結軸の周りに、弾着点との距離に対応する複数の凹凸が形成された凹凸部を有する照明部側回転軸と、一端に凹凸部のうち所望の凹凸と連接する凸部を有し、他端に投光レチクルが連結されたレチクル選択部側回転軸とを備え、レチクル選択部を引張って照明部側回転軸とレチクル選択部側回転軸とを分離した後、レチクル選択部を回転させて、照明部側回転軸の凹凸部のうち所望の弾着点との距離に対応する凹凸にレチクル選択部側回転軸の凸部が連接するように選択することもできる。
さらに、本発明に係るドットサイト装置は、上板と下板とで構成され、上板は、保護窓と、反射鏡と、照明部とを備え、下板は、下部に形成された固定グリルと、側面に設けられる弾道調整摘みと、上板と下板とを連結して零点を設定する上下クリック調節ボルトと、下板に形成された弾道調整本体収容部に収容されて、側面から貫通する上下板連結回転軸に上下クリック調節ボルトの下板側端部が上側から固定されることにより、上板と連結される弾道調整本体と、弾道調整本体の一端の弾道調整軸接触部上に位置する弾道調整部を備え、下板を貫通して弾道調整摘みに連結される弾道調整軸と、弾道調整本体の他端と下板とを側面から貫通して連結する弾道調整本体と下板との連結軸と、連結軸を基準として弾道調整軸接触部側の下板上面に形成されたバネ部とを備え、バネ部は、バネを収容して上板と下板とが互いに押し出すようにし、弾道調整本体は、上下板連結回転軸を中心として回転可能であり、弾道調整軸は、弾道調整本体の弾道調整軸接触部の上面に接触し、弾着点までの距離に対応して、弾道調整軸の中心からの法線距離が相違した複数の接触面を有する弾道調整部を備え、弾道調整部は、弾道調整摘みを回転させることにより、所望の弾着点までの距離に対応する接触面が弾道調整軸接触部と接触されるようにすることもできる。
さらにまた、本発明において反射鏡は、ダブレット(doublet)からなり、反射鏡の第1の面および第3の面は球面を形成し、第2の面はLED反射面を形成し、第1の面および第3の面の曲率半径は、
また、本発明の反射鏡において第2の面は、コーニック係数を含む非球面であってもよい。
本発明によれば、両眼視が可能な重機関銃用の大口径のドットサイト装置を提供できるという長所がある。
また、本発明によれば、距離補正を勘案して、迅速に目標物を照準できるので、目標物の距離別差異を考慮して射撃可能であるという長所がある。
本発明の明細書において具体的に記載されていない効果であるといえども、本発明の技術的特徴によって期待される暫定的な効果は、本発明の明細書に記載されたものと同様に扱われるということを言い添える。
添付した図面によって、本発明の実施形態がさらに明確に説明されるであろう。ただし、本発明の実施形態は、これに限定されるものではなく、本発明の権利範囲もこれによって制限されない。
以下、添付した図面を参照して、本発明の好ましい実施形態について詳しく説明する。
図3は、従来のドットサイト照準装置の反射鏡15を両眼13で注視したときの視覚的な問題を示したものである。同図に示すように、両眼間の距離Yより反射鏡の幅Xが同じであるか、より小さい場合には、前述したように、複視(diplopia)などの発生により安定疲労を誘発し、両眼を介して習得する外部情報を歪めるようになる。
本発明の場合には、図4に示すように、両眼間の距離Yより反射鏡の幅Xがより大きい。したがって、右側の目の視野「A」と左側の目の視野「B」とがほぼ一致するようになり、外部情報がこの右側の目の視野「A」と左側の目の視野「B」との共通領域で獲得される。すなわち、両眼を同時に使用して外部物体の情報を獲得するため、単眼視に対する両眼視の長所である立体視が可能であり、距離感を維持できるようになる。
以下、本発明に係る大口径ドットサイト照準装置の様々な実施形態を図面とともに説明する。ただし、本発明の権利範囲は、説明する実施形態によって制限されず、本発明の属する技術分野において自明な設計変更など、単なる置き換えによっても制限され得ない。
(第1の実施形態)
図5および図6は、本発明の第1の実施形態に係るレチクル選択部を装着したドットサイト照準装置を示した図である。
図5および図6は、本発明の第1の実施形態に係るレチクル選択部を装着したドットサイト照準装置を示した図である。
ドットサイト照準装置2は、固定グリル23を重機関銃用マウント(図示せず)に固定し、固定ボルト25で固定され、上下クリック調節ボルト17と左右クリック調節ボルト45(図13参照)とを用いて零点が調整される。使用者は、保護窓27と反射鏡16とを介して外部の目的物を確認する。照明部19内のLED光源から照射された光は、反射鏡にドット像を形成して反射され、反射された光は、使用者の目に入射されて、使用者がドット像を認識できるようにする。LED光源は、調節スイッチ31によってLED明るさの調節が可能である。また、LED光源は、バッテリケース29に内臓されたバッテリによって作動することもでき、外部の電源から電源の供給を受けて作動するか、外部の電源を用いてバッテリを充電することもできる。
図7は、本発明に係るドットサイト照準装置の照明部19と反射鏡16との作用原理を概略的に示した図である。
照明部19内には、LEDなどを用いた照明装置33が設けられ、光源としての役割を果たす。LEDなどを用いた照明装置33から照射された光は、照明装置の前方に設置された回転式投光レチクル35の投光レチクルを通過して反射鏡16に照射される。反射鏡に照射された光は、反射されて使用者の目に入るようになり、使用者は、投光レチクル状のドットを認識するようになる。
図8は、レチクル選択部21と照明部19との作動原理をさらに具体的に示した図である。回転式投光レチクル35は、照明部19に連接して設けられたレチクル選択部21から延長され、照明部19を貫通するレチクル回転軸37上に形成されており、レチクル選択部21を回してレチクル回転軸37が回転すると、共に回転する。したがって、使用者は、レチクル選択部21を回転させて、回転式投光レチクル35に形成された様々な形のレチクルのうち、所望のレチクルを選択することができる。
実施例1
図9は、回転式投光レチクル35の一実施例を示した図である。回転式投光レチクル35上には、中心軸37’を基準として同一な半径を有するレチクル回転線40に沿って様々なレチクル39A〜39Fが形成されている。例えば、動く車両とか、ヘリコプタ、戦闘機などを照準射撃するためには、対人射撃の場合とは異なり、物体の移動速度などを考慮して照準しなければならない。したがって、これを考慮してドット像を形成しなければならない。対物用ドット像は、一般的に近距離、遠距離、および対空用に大別され、また、人馬用、戦車用、ヘリコプタ用、戦闘機用などに互いに異なるドット像が用いられる。本発明に係る回転式投光レチクル35には、これを反映して人馬用遠距離レチクル39A、人馬用近距離レチクル39B、停止された車両および戦車用レチクル39C、移動車両および戦車用レチクル39D、対空用ヘリコプタレチクル39E、対空用戦闘機レチクル39Fなどがレチクル回転線40に沿って放射状に形成されている。
図9は、回転式投光レチクル35の一実施例を示した図である。回転式投光レチクル35上には、中心軸37’を基準として同一な半径を有するレチクル回転線40に沿って様々なレチクル39A〜39Fが形成されている。例えば、動く車両とか、ヘリコプタ、戦闘機などを照準射撃するためには、対人射撃の場合とは異なり、物体の移動速度などを考慮して照準しなければならない。したがって、これを考慮してドット像を形成しなければならない。対物用ドット像は、一般的に近距離、遠距離、および対空用に大別され、また、人馬用、戦車用、ヘリコプタ用、戦闘機用などに互いに異なるドット像が用いられる。本発明に係る回転式投光レチクル35には、これを反映して人馬用遠距離レチクル39A、人馬用近距離レチクル39B、停止された車両および戦車用レチクル39C、移動車両および戦車用レチクル39D、対空用ヘリコプタレチクル39E、対空用戦闘機レチクル39Fなどがレチクル回転線40に沿って放射状に形成されている。
回転式投光レチクル35の中心軸37’の部分は、レチクル回転軸37が通過する部分であって、回転式投光レチクル35は、レチクル回転軸37上に固定されており、レチクル回転軸37が回転することにより共に回転する。したがって、使用者は、レチクル選択部21を回転させて、目標物に適したドット像を形成するレチクルを迅速に選択することができるので、迅速かつ正確な照準射撃が可能である。
実施例2
図10は、本発明に係る回転式投光レチクル35の他の実施例を示した図である。撃発された弾丸は、目標物に到達するまで重力の影響を受け続けるようになる。したがって、目標物までの距離が遠いほど、本来の照準された地点とは異なる地点に到達することになるため、命中率を高めようとすれば、目標物までの距離を考慮して、照準時にこれを補正しなければならない。
図10は、本発明に係る回転式投光レチクル35の他の実施例を示した図である。撃発された弾丸は、目標物に到達するまで重力の影響を受け続けるようになる。したがって、目標物までの距離が遠いほど、本来の照準された地点とは異なる地点に到達することになるため、命中率を高めようとすれば、目標物までの距離を考慮して、照準時にこれを補正しなければならない。
重力を考慮すると、目標物までの距離が遠いほど、銃身が上を向かなければならない。したがって、図10に示された本発明の回転式投光レチクル35には、これを反映して照準基準線41を基準として目標物までの距離が遠いほど、レチクル39’A〜39’Fが中心軸37’に近く形成されている。
例えば、照準基準線41が100mの距離にある目標物に対する基準線であるとすれば、射撃者から100mの距離にある目標物に対するレチクル39’Aは照準基準線41上に形成され、射撃者から200mの距離にある目標物に対するレチクル39’Bは照準基準線41から予め調整された距離の分だけ中心軸37’の方に形成される。また、400mの距離にある目標物に対するレチクル39’C、800mの距離にある目標物に対するレチクル39’D、1200mの距離にある目標物に対するレチクル39’E、1600m前の目標物に対するレチクル39’Fなども予め調整された距離の分だけ中心軸37’の方に形成されている。
回転式投光レチクル35の中心軸37’の部分は、レチクル回転軸37が通過する部分であって、回転式投光レチクル35は、レチクル回転軸37上に固定されており、レチクル回転軸37が回転することにより共に回転する。したがって、使用者は、レチクル選択部21を回転させて、目標物までの距離を考慮して適したドット像を形成するレチクルを迅速に選択することができるので、迅速かつ正確な照準射撃が可能である。
上記実施例1および実施例2では、回転式投光レチクル35の回転中心軸37’が回転式投光レチクル35の中心にあるものと説明したが、上述した2つの実施例において、回転中心軸37’を回転式投光レチクル35の中心を外れた位置に形成してもよい。すなわち、目標物までの距離を考慮して、予め回転中心軸37’を遠くにある目標物に使用するレチクルに近い位置に置いてもよい。
(第2の実施形態)
反射鏡の幅を使用者の両眼間の距離より大きくして、立体視、すなわち、距離感を維持させるためには、ドットの虚像も両眼注視距離に結像されて初めて目標物と目標物に照準されたドットとを安定疲労なしで正確に凝視できるようになる。
反射鏡の幅を使用者の両眼間の距離より大きくして、立体視、すなわち、距離感を維持させるためには、ドットの虚像も両眼注視距離に結像されて初めて目標物と目標物に照準されたドットとを安定疲労なしで正確に凝視できるようになる。
両眼注視時、両眼注視点にドットを作るためには、すなわち、反射鏡によるレチクルの像が両眼注視点に位置されるようにするためには、照明部、具体的には、点光源の役割を果たすレチクルを前後方に移動させて位置変化を与えなければならない。
例えば、100mレチクルと、200mレチクルと、400mレチクルとの3つの場合において、照明部の点光源を反射鏡方向から反射鏡の焦点方向への微細に位置移動させる手段が必要である。人間の目が立体感を感じることのできる立体視の距離は、ヘルムホルツ(Hermann von Helmholtz)によると240m程度であるため、800m、1200m、1600mレチクルは、400mレチクルと同様に、反射鏡から反射後のドット像(image)が目の前に無限に配置されるように、反射鏡の焦点の位置を合わせてもよい。
反射鏡の焦点がfmmであるとき、zmレチクルの反射鏡の焦点から反射鏡の方への移動量sを計算する式は、下記の式(2)のとおりであり、計算例は表1のとおりである。
上記の表1は、実際の焦点距離229mmである反射鏡で、レチクル種類別の反射鏡の焦点から反射鏡の方への移動量を計算したものである。
これを反映してレチクルを移動させるために、図11に示すようなレチクル回転軸37を考慮することができる。
本実施形態に係るレチクル回転軸37は、レチクル回転軸の連結軸58と、連結軸58の周りに、照明部19内の前面から延長された照明部側回転軸65とレチクル選択部側回転軸67とを備える。レチクル選択部側回転軸67の後方には回転式投光レチクルが取り付けられている。照明部側回転軸65の一端には、図示しているように、円周に沿って凹凸61a〜61cが形成されている。この凹凸の大きさは、上記の表に記載されたレチクル別移動距離に対応する。照明部側回転軸65と連接するようになるレチクル選択部側回転軸67の一端には、凸部63が形成されている。
使用者がレチクル選択部21を引張ると、照明部側回転軸65とレチクル 選択部側回転軸67が離隔し、レチクル選択部21を回転させることにより、レチクル選択部側回転軸67が回転するにしたがって凸部63が共に回転する。凸部63が所望のレチクル移動距離に該当する凹凸部と連接するようになる対応位置にきたとき、レチクル選択部21を解放すると、凸部63と凹凸部61とが連接するようになる。
したがって、使用者は、迅速に距離に対応するドット像の立体視補正をすることができるので、迅速かつ正確に照準射撃することができる。
(第3の実施形態)
図12および図13は、本発明のさらに他の実施形態によって弾道を調整できるドットサイト照準装置を示した図である。
図12および図13は、本発明のさらに他の実施形態によって弾道を調整できるドットサイト照準装置を示した図である。
本実施形態では、レチクル選択部の代わりに、弾道調整摘み43を回転させて弾道を調整する。本実施形態によって弾道を調整できるドットサイト照準装置について、図面を参照して説明する。
図12および図13の上板4の下部には、図14に示された下板6が配置される。
図14に示すように、弾道調整本体47の上部には、上下クリック調節ボルト17が収容される溝があり、側面中央には、上下板連結回転軸49が挿入される。弾道調整本体47の上面から収容された上下クリック調節ボルト17は、上下板連結回転軸49の中央部の溝に固定される。上下板連結回転軸49によって上下クリック調節ボルト17と連結された弾道調整本体47は、下板6に形成された弾道調整本体収容部55に収容され、側面を貫通する弾道調整本体と下板を連結する連結軸59とによって下板6と連結される。
したがって、上下クリック調節ボルト17は、上下板連結回転軸49を中心として回転可能であり、弾道調整本体47は、連結軸59を中心として回転可能である。
また、弾道調整本体47は、上板に固定された上下クリック調節ボルト17を介して上板4と連結され、連結軸59によって下板6と連結される。
弾道調整軸51は、下板6を貫通し、弾道調整本体47の弾道調整軸接触部48の上を通って弾道調整摘み43に連結される。弾道調整軸51の弾道調整部53は、弾道調整本体47の弾道調整軸接触部48と面接触する。
図14に示すように、下板6の上面には、連結軸59に沿って弾道調整本体収容部55の付近にバネ部57が形成されており、バネ部57内には、バネが収容されて上板4と下板6とに互いに押し出す力が作用されるようにする。
図15および図16を参照し、本実施形態によって弾道を調整するための構成を詳しく説明する。
図15に示すように、弾道調整軸51の弾道調整部53は、弾道調整本体47の弾道調整軸接触部48の上に面接触し、横切って通る。図15のA−B線に沿った断面図が図16に示されている。弾道調整部53は、弾道調整軸51の回転中心60からの法線距離が相違した複数の接触面53a〜53eからなっている。
バネ部57のバネが上板と下板とを互いに押し出しているので、上下クリック調節ボルト17によって上板4と連結された弾道調整本体47は、下板から押し出される上板4の方に引張られる力を受ける。すなわち、連結軸59を中心として上板4の方に回転する力を受け続ける。したがって、このとき、弾道調整部53で弾道調整軸接触部48と面接触していた接触面が変更されると、上板4と下板6との間の距離が変更される。
例えば、弾道調整本体47の弾道調整軸接触部48が回転中心から法線距離が長い接触面53dと接触していたが、法線距離が短い接触面53aと接触すれば、上板4と下板6との間の距離が近くなり、その反対の場合は、上板4と下板6との間の距離が遠くなる。
下板6の場合は、重機関銃用マウントに固定されているので、上述した上板4と下板6との間の距離変化は、固定された下板6を基準として上板4の微細な傾き変化で実現される。弾道調整部53の各接触面53a〜53eは、距離別補正角度を予め計算して、補正角に対応する法線距離に形成されている。したがって、弾道調整摘み43を回転させて、当該接触面を選択すると、上板4の傾きが目標物との距離に対応して変わるようになり、傾きが変わった上板4の反射鏡および保護窓を介して目標物を照準すると、第1の実施形態の実施例2と同一な距離別補正効果を得ることができる。
(第4の実施形態)
本発明は、大口径の反射鏡を使用するドットサイト照準装置であるため、前述したような、収差が異なる視差の問題を解決する必要性がある。
本発明は、大口径の反射鏡を使用するドットサイト照準装置であるため、前述したような、収差が異なる視差の問題を解決する必要性がある。
図17は、本発明のさらに他の実施形態を示し、本実施形態では、LEDと反射面との間の距離を200mmに、中心厚さを4.0mmに設定した。
LEDドットは、R2面から反射されて出るが、入射するときにR1面を通り、R2面で反射してから、改めてR1面を通って観測者の目に入射される。すなわち、R1面を2回通り、R2面を1回通るため、設計における自由度がさらに与えられる。これにより、視差を最も最小化できるようになる。
このとき、外部目標点が観測者の目に結像されるとき、倍率の発生を減らすために、アフォーカル(afocal)システムになるように構成した。これによる構成は、下記の式(1)を利用して第1の面および第3の面の曲率半径に適用する。
ダブレット(doublet)の第1の面と第3の面との中心間の距離(中心厚さ)をd、第1の面の曲率半径をR1、第3の面の曲率半径をR3とし、材質の屈折率をnとするとき、次のような式(1)が成立されるようにした。
このとき、D1は第1の面の屈折力、D2は第3の面の屈折力を意味する。本実施形態によって、視差は、百分率で80%以上の改善効果があった。
また、図18のように、第2の面がコーニック(conic)係数を含む非球面であったとき、視差は最も最小化され、このとき、視差は、上記図17の実施形態より90%以上が改善されるという効果があった。
下記の3つのグラフは、各々基準の単一反射面である場合と、ダブレット(doublet)反射面である場合(2つのレンズ間の反射面が球面)と、ダブレット(doublet)反射面でありながら、2つのレンズ間の反射面としてコーニック非球面を採択した場合との子午光線(Tangential ray)収差度を表わしている。それぞれレンズ傾き角が-2.0度である。
上記の各々のグラフのうち、1つ目のグラフは球面収差を表わすが、これがx軸と一致されると、視差のない状態となる。既存の単一反射面である場合の最大収差値は0.02mmであり、ダブレット(Doublet)の中間面を球面反射面として採択した場合の最大収差値は0.004mmであり、ダブレット(Doublet)の中間面をコーニック非球面反射面として採択した場合の最大収差値は0.0004mmである。したがって、全体領域の中心での50%空間を有効空間とすれば、既存の単一反射面である場合と、ダブレット(Doublet)の中間面を球面反射面として採択した場合との比較では、少なくとも80%以上の改善効果(球面収差量(y軸)のx軸(LED光線が反射する有効空間)に対する積分値の比較で)があり、ダブレット(Doublet)の中間面を球面反射面として採択した場合と、ダブレット(Doublet)の中間面をコーニック非球面反射面として採択した場合との比較では、少なくとも90%以上の改善効果があるものと計算される。
本発明の請求の範囲に記載されている事項から決められる権利範囲は、上述した実施形態およびその実施例によって縮小されたり、制限されたりしない。
本発明によれば、両眼視が可能な重機関銃用の大口径のドットサイト装置を提供できるという長所がある。
また、本発明によれば、距離補正を勘案して、迅速に目標物を照準できるので、目標物の距離別差異を考慮して射撃可能であるという長所がある。
2…ドットサイト装置
16…反射鏡
19…照明部
23…固定グリル
33…照明装置
16…反射鏡
19…照明部
23…固定グリル
33…照明装置
Claims (7)
- ドットサイト装置において、
光を照射する照明部と、
前記照明部が照射した光の少なくとも一部をレチクルに反射して像を形成する反射部と、
前記ドットサイト装置の一部に形成され、ドットサイト装置をマウントを介して着脱するとき使用される連結手段と、
ドットサイト装置の零点を設定するため使用される第1調整機構と、
前記第1の調整機構とは別途に配置され、弾道経路を調整するため使用される第2調整機構を含むドットサイト装置。 - 前記第2調整機構は、前記ドットサイト装置の零点が設定された状態で、前記弾道経路を調整するように前記第1調整機構に連結されていることを特徴とする請求項1に記載のドットサイト装置。
- 前記第1調整機構は、
前記ドットサイト装置の零点を上下方向に調整する第1制御機構と、
前記ドットサイト装置の零点を左右方向に調整する第2制御機構からなることを特徴とする請求項1に記載のドットサイト装置。 - 前記第2調整機構は、前記連結手段に対する前記反射部の傾きを調整することを特徴とする請求項1に記載のドットサイト装置。
- 前記反射部は上板と連結され、
前記連結手段は下板と連結され、
前記第2調整機構は、前記下板に対する前記上板の傾きを調整することを特徴とする請求項4に記載のドットサイト装置。 - 前記第2調整機構は、複数の部分に含まれており、前記複数の部分の各々は、目標物までの選択された距離によって、予め設定された弾道経路の調整に対応することを特徴とする請求項1に記載のドットサイト装置。
- 前記第2調整機構は、
前記反射素子と連結された上板と、
前記連結手段と連結された下板と、
複数の傾き部分を含んでおり、前記複数の傾き部分の各々は、選択される場合に、予め設定された目標物までの距離によって、前記下板に対する前記上板の傾きを設定することを特徴とする請求項1に記載のドットサイト装置。
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