JP2014507402A - Gipレセプター活性を示すグルカゴンアナローグ - Google Patents
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Abstract
Description
本出願は、米国仮特許出願61/426,285号(2010年12月22日出願)及び米国仮特許出願61/514,609号(2011年8月3日出願)(両出願とも参照により本出願にその全体が含まれる)の優先権を主張する。
電子的に提出した資料の参照による包含
本明細書と同時に提出され、以下のように特定されるコンピュータ読み出し可能なヌクレオチド/アミノ酸配列表は、参照によりその全体が本明細書に含まれる:190キロバイトACII(テキスト)ファイル、名称“DOCS-1756766-v1-45700A_SeqListing.txt”、2011年12月16日作成。
インクレチンホルモン、グルカゴン様ペプチド1(GLP-1)及びグルコース依存インスリン親和性ペプチド(GIP)は天然に存在するペプチドホルモンである。GLP-1及びGIPはともに、インスリン合成及び分泌をグルコース依存態様で刺激し、低血糖症を生じない(例えば以下を参照されたい:Nauck et al., J. Clin. Endocrinol. Metab. 76:912-917, 1993及びIrwin et al., Regul. Pept. 153:70-76, 2009)。
GLP-1は糖尿病の補助療法として有効であることが示され、体重減少を伴う。しかしながら、GIP標的化療法について不確かなことは、糖尿病及び肥満治療の成功が、このホルモンの作用に拮抗することにより(例えばGIPレセプター拮抗作用を介して)又はGIPの作用を模倣若しくは強化することにより達成されるのか否かということである。
本来のグルカゴンはGIPレセプターを活性化せず、さらに通常はGLP-1レセプターにおける本来のGLP-1の活性の約1%を有する。いくつかの実施態様では、前記ペプチドは、本来のヒトグルカゴン(配列番号:1)のアミノ酸配列を土台にしているが、配列番号:1と対比して1つ以上の位置で異なる構造を含むグルカゴンアナローグであり、前記相違又は改変は、GIPレセプターにおける前記アナローグのアゴニスト活性を強化する。そのようなグルカゴンアナローグは、本来のグルカゴンのアゴニスト活性よりも強い、いくつかの特徴では本来のGIPのアゴニスト活性よりも強いアゴニスト活性をGIPレセプターで有するであろう。いくつかの又はいずれかの実施態様では、GIPアゴニストは少なくとも0.1%のGIPパーセンテージポテンシーを有する。本開示のいくつかの又はいずれかの特徴では、グルカゴンアナローグはさらに別に、グルカゴンレセプター及びGLP-1レセプターの一方又は両方においてアゴニスト活性を示す。したがって、GIPアゴニスト、GIP-GLP1コアゴニスト、GIP-グルカゴンコアゴニスト、及びGIP-GLP1-グルカゴントリアゴニストが本明細書で提供される。
本開示のいくつかの実施態様では、グルカゴンアナローグは以下を含む:(i)1位のイミダゾール側鎖を含むアミノ酸、(ii)2位のDPP-IV保護アミノ酸、(iii)場合によって9、10、12、16、20、又は37−43位の任意の位置の、本来のものではないアシル又はアルキル基を含むアミノ酸(場合によって前記本来のものではないアシル又はアルキル基はスペーサーを介してそのようなアミノ酸に結合される)、(iv)16、17、18、19、20又は21位の1つ以上にアルファヘリックス安定化アミノ酸、及び(v)配列番号:1と対比して10まで(例えば1、2、3、4、5、6、7、8又は9まで)のまた別のアミノ酸の改変。例示的実施態様では、グルカゴンアナローグは以下を含む:(i)1位のイミダゾール側鎖を含むアミノ酸、(ii)2位のDPP-IV保護アミノ酸、場合によってアミノイソ酪酸、(iii)場合によって9、10、12、16、20、又は37−43位の任意の位置に、本来のものではないアシル又はアルキル基を含むアミノ酸(場合によって前記本来のものではないアシル又はアルキル基はスペーサーを介してそのようなアミノ酸に結合される)、(iv)20位のアルファアルファ二置換アミノ酸、及び(v)配列番号:1と対比して10まで(例えば1、2、3、4、5、6、7、8又は9まで)のまた別のアミノ酸の改変。また別の例示的実施態様では、グルカゴンアナローグは以下を含む:(i)1位のイミダゾール側鎖を含むアミノ酸、(ii)2位のDPP-IV保護アミノ酸、場合によってアミノイソ酪酸、(iii)場合によって9、10、12、16、20、又は37−43位の任意の位置に、本来のものではないアシル又はアルキル基を含むアミノ酸(場合によって前記本来のものではないアシル又はアルキル基はスペーサーを介してそのようなアミノ酸に結合される)、(iv)16−21位の1つ以上に、場合によって16位にアルファヘリックス安定性アミノ酸、ここで前記アナローグは20位にアルファヘリックス安定化アミノ酸を含まない、及び(v)配列番号:1と対比して10まで(例えば1、2、3、4、5、6、7、8又は9まで)のまた別のアミノ酸の改変。例示的実施態様では、グルカゴンアナローグが親水性成分を欠くとき、前記グルカゴンアナローグは、少なくとも0.1%(例えば少なくとも1%、少なくとも10%、少なくとも20%)のGIPパーセンテージポテンシーを示す。例示的実施態様では、グルカゴンアナローグは、GIPレセプターと対比してGLP-1レセプターに対して100倍未満(例えば50倍未満、25倍未満、10倍未満)の選択性を有する。例示的実施態様では、グルカゴンアナローグは、GIPレセプターにおけるそのEC50の100倍以内(例えば50倍以内、25倍以内、10倍以内)であるEC50をGLP-1レセプターで示す。
いくつかの実施態様では、GIPアゴニストペプチドは以下の配列のアミノ酸配列を含む:配列番号:27−33、35−41、43−46、76−80、83−87、89及び90のいずれか、又は配列番号:48、52、53、及び74のいずれか、又は配列番号:50、51、54、56、58−60、62−66、68−70、72、73、75、81、82、88及び92のいずれか。いくつかの実施態様では、GIPアゴニストペプチドは、配列番号:27−33、35−41、43−46、76−80、83−87、89及び90のいずれか、又は配列番号:48、52、53、及び74のいずれか、又は配列番号:50、51、54、56、58−60、62−66、68−70、72、73、75、81、82、88及び92のいずれかを含む親配列を土台にした構造を含むが、本明細書でさらに述べるように、1つ以上の位置で親配列とは相違する。
したがって、本発明は、配列番号:28の配列を含むか、本質的に前記から成るか、又は前記から成るペプチドを提供する。さらにまた提供されるものは、配列番号:37の配列を含むか、本質的に前記から成るか、又は前記から成るペプチドである。本発明はさらに配列番号:89の配列を含むか、本質的に前記から成るか、又は前記から成るペプチドを提供する。本発明はさらに、配列番号:180の配列を含むか、本質的に前記から成るか、又は前記から成るペプチドを提供する。本発明はさらにまた、配列番号:31の配列を含むか、本質的に前記から成るか、又は前記から成るペプチドを提供する。
HX2X3GTFTSDX10SKYLDX16RX18AX20X21FVQWLX27X28X29GPSSGX35PPPS(配列番号:184)
式中、
X2はAIBであり;
X3はGln又はGlnアナローグであり;
X10はTyr又はC12からC18のアシル又はアルキル基と共有結合したアミノ酸であり;
X16は任意のアミノ酸、場合によってGly、Pro及びSer以外の任意のアミノ酸であり;
X18はArg又はAlaであり;
X20は陰性荷電アミノ酸又は中性荷電アミノ酸、場合によってAIB又はGlnであり;
X21は酸性アミノ酸、場合によってAsp又はGluであり;
X27はLeu、Ala、Nle、又はMetであり;
X28はAla又は酸性アミノ酸(場合によってAsp又はGlu)であり;
X29はAla又はGlyであり;
X35はAla又は塩基性アミノ酸(場合によってArg又はLys)であり;
ここで、X28が酸性アミノ酸であるとき、X35は塩基性アミノ酸であり;
ここで、X10がTyrであるとき、ペプチドは、C12からC18のアシル又はアルキル基と共有結合したアミノ酸を40位に含み、さらに場合によって前記ペプチドは41位にGlyを含み、
ここで、ペプチドのC-末端アミノ酸はアミド化される。
本発明はまた、配列番号:184と対比して3つまでのアミノ酸改変を有する配列番号:184の配列を含むペプチドを提供し、ここで前記アナローグは、ヒトGIPレセプター、ヒトGLP-1レセプター及びヒトグルカゴンレセプターの各々でアゴニスト活性を示す。
HX2QGTFTSDX10SKYLDX16RX18AX20X21FVQWLX27X28X29GPSSGAPPPS(配列番号:185)
式中、
X2はAIBであり;
X10はTyr又はC12からC18のアシル又はアルキル基と共有結合したアミノ酸であり;
X16はGlu、アルファアルファ二置換アミノ酸、Lysであるか、又は
X18はArg又はAlaであり;
X20はAIB又はGlnであり;
X21はAsp又はGluであり;
X27はLeu、Nle、又はMetであり;
X28はAla、Asp又はGluであり;
X29はGly又はThrであり;さらに
ここで、X10がTyrであるとき、ペプチドは、C12からC18のアシル又はアルキル基と共有結合したアミノ酸を40位に含み、さらに場合によってペプチドは41位にGlyを含み、
ここで、ペプチドのC-末端アミノ酸はアミド化される。
本発明はさらに、配列番号:185と対比して3つまでのアミノ酸改変を有する配列番号:185の配列を含むペプチドを提供し、ここで前記アナローグは、ヒトGIPレセプター、ヒトGLP-1レセプター及びヒトグルカゴンレセプターの各々でアゴニスト活性を示す。
HX2X3GTFTSDX10SKYLDX16RX18AX20X21FVQWLX27X28X29(配列番号:186)
式中、
X2はAIBであり;
X3はGln又はGlnアナローグであり;
X10はTyr又はC10からC26のアシル又はアルキル基と共有結合したアミノ酸であり;
X16は任意のアミノ酸、場合によってGly、Pro及びSer以外の任意のアミノ酸であり;
X18はArg又はAlaであり;
X20は陰性荷電アミノ酸又は中性荷電アミノ酸、場合によってAIB又はGlnであり;
X21は酸性アミノ酸、場合によってAsp又はGluであり;
X27はLeu、Ala、Nle、又はMetであり;
X28はAla又は酸性アミノ酸(場合によってAsp又はGlu)であり;
X29はAla、Gly又はThrであり;さらに
ここで、ペプチドは、C10からC26のアシル又はアルキル基と共有結合したアミノ酸を場合によって10位に含み、さらにペプチドのC-末端アミノ酸はアミド化される。
さらにまた提供されるものは、配列番号:186と対比して3つまでのアミノ酸改変を有する配列番号:186の配列を含むペプチドであり、ここで前記アナローグは、ヒトGIPレセプター、ヒトGLP-1レセプター及びヒトグルカゴンレセプターの各々でアゴニスト活性を示す。
HX2QGTFTSDX10SKYLDX16RX18AX20X21FVQWLX27X28X29(配列番号:187)
式中、
X2はAIBであり;
X10はTyr又はC10からC26のアシル又はアルキル基と共有結合したアミノ酸であり;
X16はGlu、アルファアルファ二置換アミノ酸、又はLysであるか;
X18はArg又はAlaであり;
X20は陰性荷電アミノ酸又は中性荷電アミノ酸、場合によってAIB又はGlnであり;
X21はAsp又はGluであり;
X27はLeu、Ala、Nle、又はMetであり;
X28はAla、Asp又はGluであり;
X29はGly又はThrであり;さらに
ここで、ペプチドは、C12からC18のアシル又はアルキル基と共有結合したアミノ酸を場合によって10位に含み、さらにペプチドのC-末端アミノ酸はアミド化される。
本発明はまた、配列番号:187と対比して3つまでのアミノ酸改変を有する配列番号:187を提供し、ここで前記アナローグは、ヒトGIPレセプター、ヒトGLP-1レセプター及びヒトグルカゴンレセプターの各々でアゴニスト活性を示す。
本発明はさらに、本明細書に記載の配列番号:184、185、186及び187のいずれかのアナローグを提供するが、X3又は3位のアミノ酸は、Gln若しくはGlnアナローグ又はグルカゴン活性を低下させるアミノ酸(本明細書に記載されるものを含む)である。例示的な実施態様では、グルカゴン活性を低下させるアミノ酸は、酸性、塩基性又は疎水性アミノ酸(例えばGlu、Orn又はNle)である。場合によって3位のアミノ酸はGluである。
(a)1位のイミダゾール側鎖を含むアミノ酸、
(b)16位の式IVのアミノ酸:
式中、nは1から7であり、R1及びR2の各々はそれぞれ別個に、H、C1−C18アルキル、(C1−C18アルキル)OH、(C1−C18アルキル)NH2、(C1−C18アルキル)SH、(C0−C4アルキル)(C3−C6)シクロアルキル、(C0−C4アルキル)(C2−C5複素環式)、(C0−C4アルキル)(C6−C10アリール)R7、及び(C1−C4アルキル)(C3−C9ヘテロアリール)から成る群から選択され、R7はH又はOHであり、場合によって式IVのアミノ酸の側鎖は遊離アミノ基を含み、
(c)20位のα,α二置換アミノ酸、
(d)配列番号:1と対比してまた別の10までのアミノ酸改変、
ここで、アナローグが親水性成分を欠くとき、グルカゴンアナローグは、GIPレセプターにおいて本来のGIPの少なくとも0.1%の活性を示し、前記グルカゴンアナローグは、GIPレセプターと対比してヒトGLP-1レセプターに対して100倍未満の選択性を有する。
さらに本明細書で提供されるものは、本開示のGIPアゴニストの2つ以上を含むダイマー及びマルチマーである。本開示のGIPアゴニストペプチドを含む連結物及び連結物の成分はさらに別に本明細書で提供される。いくつかの特徴では、連結物は、異種ペプチドと融合された本開示のGIPアゴニストペプチドを含む融合ペプチドである。本開示はまた、GIPアゴニストペプチド、ダイマー、マルチマー又は本開示の連結物(又は前記の組合せ)を含むキットを提供する。
GIPアゴニストペプチド、ダイマー、マルチマー又は本開示の連結物(又は前記の組合せ)及び医薬的に許容できる担体、希釈剤又は賦形剤を含む医薬組成物もさらに本開示によって提供される。医薬組成物は、好ましくは無菌的であり、非経口的な投与に適切である。前記医薬組成物は、糖尿病若しくは肥満、又は糖尿病若しくは肥満に付随する症状を治療及び予防する方法での使用が意図される。したがって、例示的実施態様では、本開示は、体重増加を低下させるか又は体重減少を誘発する方法、糖尿病若しくは肥満を治療若しくは予防する方法、及び腸管の一時的麻痺を誘発する方法を提供する。本ペプチドアナローグ及び前記を含む医薬組成物の更なる適用は以下の説明で提供される。
本開示は、GIPレセプターでアゴニスト活性を示す、GIPアゴニストペプチド(例えば本来のヒトグルカゴン(配列番号:1)のアナローグ(“グルカゴンアナローグ”とも称される)、配列番号:27−33、35−41、43−46、76−80、83−87、89及び90のいずれか、又は配列番号:48、52、53、及び74のいずれか、又は配列番号:50、51、54、56、58−60、62−66、68−70、72、73、75、81、82、88及び92のいずれかのアナローグ、配列番号:184−199のいずれかのアナローグ)を提供する。本明細書で用いられる“ペプチド”という用語は、2つ以上のアミノ酸及び典型的には100アミノ酸未満又は50アミノ酸未満の配列を包含する。前記アミノ酸は、天然に存在するか若しくはコードされるものでも、又は天然に存在しないか若しくはコードされないものでもよい。天然に存在しないアミノ酸は、in vivoで天然に存在しないが、それでも本明細書に記載のペプチド構造物に取り込まれ得るアミノ酸が該当する。本明細書で用いられる“コードされない”とは、以下の20アミノ酸のいずれかのL異性体ではないアミノ酸を指す:Ala、Cys、Asp、Glu、Phe、Gly、His、Ile、Lys、Leu、Met、Asn、Pro、Gln、Ser、Thr、Val、Trp、Tyr。“GIPアゴニストペプチド”という用語は、GIPレセプターと結合し、GIPレセプターの下流シグナルを活性化する化合物を指す。GIPアゴニストペプチドは、GIPレセプターで任意の活性レベル(例えば絶対的な活性レベル又は相対的な活性レベル)、GIPレセプターに対する選択性、又は本明細書に記載するGIPパーセンテージポテンシーを有することができる(例えば、“GIPレセプター活性”の表題のセクションを参照されたい)。しかしながら、この用語は、GIPレセプターでのみ活性を有すると化合物を限定するものとして解されるべきではない。そうではなく、本開示のGIPアゴニストペプチドは、本明細書でさらに考察するように他のレセプターでさらに別の活性を示すことができる。例えば、GIPアゴニストペプチドは、GLP-1レセプター及び/又はグルカゴンレセプターでアゴニスト活性を示すことができる。
GIPレセプターで活性
いくつかの又はいずれかの実施態様では、本開示のペプチドは、GIPレセプター活性化のためにナノモル範囲のEC50を示す。例示的実施態様では、GIPレセプターにおける本ペプチドのEC50は1000nM未満、900nM未満、800nM未満、700nM未満、600nM未満、500nM未満、400nM未満、300nM未満、200nM未満である。いくつかの実施態様では、GIPレセプターにおける本ペプチドのEC50は、約100nM以下、例えば約75nM以下、約50nM以下、約25nM以下、約10nM以下、約5nM以下、又は約1nM以下である。いくつかの又はいずれかの実施態様では、本開示のペプチドは、GIPレセプター活性化のためにピコモル範囲のEC50を示す。例示的実施態様では、GIPレセプターにおけるGIPアゴニストペプチドのEC50は1000pM未満、900pM未満、800pM未満、700pM未満、600pM未満、500pM未満、400pM未満、300pM未満、200pM未満である。いくつかの実施態様では、GIPレセプターにおける本ペプチドのEC50は、約100pM以下、例えば約75pM以下、約50pM以下、約25pM以下、約10pM以下、約5pM以下、又は約1pM以下である。本明細書で用いられる“約”という用語は、記載の値又は値の範囲より10%高いか又は低いことを意味するが、このより広い定義にのみ全ての値又は値の範囲を当てはめようとするものではない。“約”という用語が先行する各値又は値の範囲はまた、具体的に記載された絶対的な値又は値の範囲を包含しようとするものである。
いくつかの又はいずれかの実施態様では、本開示のペプチド(例えばグルカゴンアナローグ、配列番号:27−33、35−41、43−46、76−80、83−87、89及び90のいずれか、又は配列番号:48、52、53、及び74のいずれか、又は配列番号:50、51、54、56、58−60、62−66、68−70、72、73、75、81、82、88及び92のいずれかのアナローグ)は、本来のヒトグルカゴンと比較してGIPレセプターにおける活性の強化を示す。本来のグルカゴン(配列番号:1)はGIPレセプターを活性化せず、本来のグルカゴン(配列番号:1)は、GIPレセプターにおける本来のGIPの活性の本質的に0%(例えば0.001%未満、0.0001%未満)を示す。本来のグルカゴンと対比してGIPレセプターにおけるペプチドの相対的活性は、(本開示のペプチドのEC50/本来のグルカゴンのEC50)の逆比x100%として計算される。
本来のGIPと比較したGIPレセプターにおけるペプチドの相対的活性は、(本開示のペプチドのEC50/本来のGIPのEC50)の逆比x100%(本明細書ではまた“GIPパーセンテージポテンシー”と称される値)として計算される。
本開示のいくつかの実施態様では、本開示のペプチドは、本来のGIPの活性よりも高い、GIPレセプターにおける活性を示す。例示的な実施態様では、GIPアゴニストペプチドは、少なくとも又は約125%、少なくとも又は約150%、少なくとも又は約175%、少なくとも又は約200%、少なくとも又は約300%、少なくとも又は約400%、少なくとも又は約500%、少なくとも又は約600%、少なくとも又は約700%、少なくとも又は約800%、少なくとも又は約900%、少なくとも又は約1000%のGIPパーセンテージポテンシーを示す。いくつかの実施態様では、本明細書に記載するGIPアゴニストペプチドは、1000%を超えない、又は10,000%を超えないGIPパーセンテージポテンシーを示す。
いくつかの特徴では、本開示のペプチドは、約0.001から約10,000パーセント、又は約0.01から約10,000パーセント、又は約0.1から約10,000パーセント、又は約1から約10,000パーセント、又は約0.001から約5000パーセント、又は約0.01から約5000パーセント、又は約0.1から約5000パーセント、又は約0.1から約1000パーセントの範囲内のGIPパーセンテージポテンシーを示す。
いくつかの又はいずれかの実施態様では、本開示のペプチドは、前記がGIPレセプター及びGIPレセプターと異なる第二のレセプターを活性化するかぎりにおいてコアゴニストである。
GP1/GPL-1コアゴニスト
例示すれば、いくつかの特徴で、本開示のペプチドはGIPレセプター及びGLP-1レセプターの両方で活性を示す(“GLP-1/GIPレセプターコアゴニスト”)。いくつかの特徴では、本ペプチドは、GLP-1及びGIPレセプターで活性を示すが、グルカゴン活性は、例えば3位のアミノ酸改変によって顕著に低下又は破壊される。例えば、この位置における酸性、塩基性又は疎水性アミノ酸(グルタミン酸、オルニチン、ノルロイシン)による置換はグルカゴン活性を低下させる。いくつかの又はいずれかの実施態様では、GIPアゴニストペプチドは、本来のグルカゴンのグルカゴンレセプターにおける活性の約10%以下(例えば約5%以下、又は約1%以下、又は約0.1%以下)を示す。
いくつかの又はいずれかの実施態様では、本開示のペプチドのGIPレセプターにおけるEC50は、GLP-1レセプターにおけるそのEC50と約50倍以下、約40倍以下、約30倍以下、約20倍以下、又は約10倍以下、又は約5倍以下の違いがある。例えば、GIPレセプターにおけるEC50は、GLP-1レセプターにおけるEC50よりも10倍高いか又は10倍低いことがある。いくつかの又はいずれかの実施態様では、本開示のペプチドのGIPパーセンテージポテンシーは、そのGLP-1パーセンテージポテンシーと約50倍、40倍、30倍、20倍、10倍又は5倍未満の違いがある(より高いか又は低い)。
いくつかの又はいずれかの実施態様では、本開示のペプチドは、本来のヒトグルカゴンと比較してGLP-1レセプターにおける活性の強化を示す。本来のグルカゴンは、GLP-1レセプターで本来のGLP-1の活性の約1%を有する。本来のグルカゴンと対比して、GLP-1レセプターにおけるペプチドの相対的活性は、(本開示のペプチドのEC50/本来のグルカゴンのEC50)の逆比x100%として計算される。
本来のGLP-1と対比して、GLP-1レセプターにおけるペプチドの相対的活性は、(本開示のペプチドのEC50/本来のGLP-1のEC50)の逆比x100%(本明細書では“GLP-1パーセンテージポテンシー”と称される値)として計算される。
本開示のいくつかの実施態様では、本開示のペプチドは、本来のGLP-1の活性よりも高いGLP-1レセプターにおける活性を示す。例示的実施態様では、本開示のペプチドは、少なくとも又は約125%、少なくとも又は約150%、少なくとも又は約175%、少なくとも又は約200%、少なくとも又は約300%、少なくとも又は約400%、少なくとも又は約500%、少なくとも又は約600%、少なくとも又は約700%、少なくとも又は約800%、少なくとも又は約900%、少なくとも又は約1000%のGLP-1パーセンテージポテンシーを示す。いくつかの実施態様では、本開示のペプチドは、1000%を超えない又は10,000%を超えないGLP-1パーセンテージポテンシーを示す。
別の例示として、いくつかの特徴における本開示のペプチドは、GIPレセプター及びグルカゴンレセプターの両方で活性を示す(“グルカゴン/GIPレセプターコアゴニスト”)。いくつかの実施態様では、GLP-1活性は、例えば7位のアミノ酸の改変、例えばIleによる置換、C-末端から27位若しくは28位までのアミノ酸の欠失(27又は28アミノ酸が得られる)、又は前記の組合せによって顕著に低下又は破壊された。いくつかの実施態様では、本開示のペプチドは、GLP-1レセプターにおける本来のGLP-1の活性の約10%以下(例えば約5%以下又は約1%以下又は約0.1%以下)を示すペプチドである。
いくつかの又はいずれかの実施態様では、本開示のペプチドのGIPレセプターにおけるEC50は、グルカゴンレセプターにおけるそのEC50と約50倍以下、約40倍以下、約30倍以下、約20倍以下、又は約10倍以下、又は約5倍以下の違いがある(より高いか又は低い)。いくつかの又はいずれかの実施態様では、本開示のペプチドのGIPパーセンテージポテンシーは、そのグルカゴンパーセンテージポテンシーと約50、40、30、20、10、又は5倍以下の違いがある(より高いか又は低い)。
いくつかの実施態様では、本開示のペプチドは、本来のヒトグルカゴンと比較してグルカゴンレセプターにおける活性の強化を示す。本来のグルカゴンと対比して、グルカゴンレセプターにおけるペプチドの相対的活性は、(本開示のペプチドのEC50/本来のグルカゴンのEC50)の逆比x100%(本明細書では“グルカゴンパーセンテージポテンシー”と称される値)として計算される。
本開示のいくつかの実施態様では、本開示のペプチドは、本来のグルカゴンの活性よりも高いグルカゴンレセプターにおける活性を示す。例示的実施態様では、本開示のペプチドは、少なくとも又は約125%、少なくとも又は約150%、少なくとも又は約175%、少なくとも又は約200%、少なくとも又は約300%、少なくとも又は約400%、少なくとも又は約500%、少なくとも又は約600%、少なくとも又は約700%、少なくとも又は約800%、少なくとも又は約900%、少なくとも又は約1000%のグルカゴンパーセンテージポテンシーを示す。いくつかの実施態様では、本開示のペプチドは、1000%を超えない又は10,000%を超えないグルカゴンパーセンテージポテンシーを示す。
いくつかの実施態様では、本開示のペプチドは、GIPレセプター以外の2つ以上のレセプターで活性を示す。したがって、本開示は、いくつかの特徴でGIPトリアゴニストペプチドを提供する。いくつかの特徴では、本開示のペプチドは、グルカゴンレセプター、GIPレセプター及びGLP-1レセプターの各々で活性を示す(“グルカゴン/GIP/GLP-1トリアゴニスト”)。
いくつかの実施態様では、本開示のペプチドのGIPレセプターにおけるEC50は、本開示のペプチドの(a)GLP-1レセプター、(b)グルカゴンレセプター、又はその両方におけるEC50よりも50倍以下、20倍以下、又は10倍以下の違いがある(より高いか又は低い)。いくつかの実施態様では、本開示のペプチドのGIPレセプターにおけるEC50は、GLP-1レセプターにおけるそのEC50と約40倍、約30倍、約20倍の違いがあり(より高いか又は低い)、さらに場合によってグルカゴンレセプターにおけるそのEC50と約50倍以内の違いがある。いくつかの実施態様では、本開示のペプチドのGIPパーセンテージポテンシーは、(a)そのGLP-1パーセンテージポテンシー、(b)そのグルカゴンパーセンテージポテンシー又はその両方と約50倍、20倍又は10倍以下の違いがある(より高いか又は低い)。いくつかの実施態様では、本開示のペプチドのGIPパーセンテージポテンシーは、そのGLP-1パーセンテージポテンシーと約40倍、約30倍、約20倍以内の違いがあり(より高いか又は低い)、さらに場合によってそのグルカゴンパーセンテージポテンシーと約50倍以内の違いがある。いくつかの実施態様では、本開示のペプチドは、GIPレセプターと対比してヒトGLP-1レセプターに対し少なくとも100倍の選択性はもたない。例示的実施態様では、GIPレセプターと対比して本開示のペプチドのヒトGLP-1レセプターに対する選択性は、100倍未満(例えば約90倍以下、約80倍以下、約70倍以下、約60倍以下、約50倍以下、約40倍以下、約30倍以下、約20倍以下、約10倍以下、約5倍以下)である。
いくつかの実施態様では、本開示のペプチドは、GIPレセプターでのみ活性を示し、他のいずれのレセプター(例えばGLP-1レセプター、グルカゴンレセプター)でも活性を示さない。例示的実施態様では、本開示のペプチドはGIPレセプターで活性を示し、グルカゴン活性及びGLP-1活性は、例えば3位及び7位のアミノ酸の改変によって顕著に低下又は破壊されている。いくつかの実施態様では、本開示のペプチドは、約10%以下(例えば約5%以下又は約1%以下又は約0.1%以下)のGLP-1パーセンテージポテンシーを示すペプチドである。いくつかの実施態様では、本開示のペプチドは、約10%以下(例えば約5%以下又は約1%以下又は約0.1%以下)のグルカゴンパーセンテージポテンシーを示すペプチドである。
連結物の活性
いくつかの又はいずれかの実施態様では、本開示のペプチドが本明細書にさらに記載するように異種成分(例えば親水性成分)と連結されるとき、本開示のペプチドは、前記が遊離状態又は非連結型である時よりも活性の低下を示す(例えばより低いパーセンテージポテンシー又はより高いEC50)。したがって、前述の絶対的活性レベル(例えばGIPパーセンテージポテンシー、GLP-1パーセンテージポテンシー又はグルカゴンパーセンテージポテンシーであるが、相対的比率ではない)のいずれかが連結型(例えばPEG化型)に適用されるとき、そのような絶対的活性レベルは、約10倍、20倍、30倍、40倍、50倍又は100倍低下することが考えられ、さらにそのような活性レベルの倍数的低下は本開示の範囲内と考えられる。逆に、連結されていないとき、本開示のペプチドは、異種成分と連結されているときの本開示のペプチドのポテンシーよりも約10倍、約20倍、約30倍、約40倍、約50倍、約100倍以上高いGIPパーセンテージポテンシーを示す。
グルカゴンアナローグ
いくつかの実施態様では、本開示のペプチドは、本来のヒトグルカゴン(配列番号:1)と構造的に類似し、例えば本来のヒトグルカゴンのアナローグである(本明細書ではまた“グルカゴンアナローグ”又は“グルカゴンのペプチドアナローグ”と称される)。本明細書で用いられるように、“グルカゴンアナローグ”及び“グルカゴンのペプチドアナローグ”などという用語は、本来のヒトグルカゴンと構造的に類似するペプチドを指し、さらにこれらの用語は、当該ペプチドがグルカゴンレセプターを活性化することを必ずしも暗示しない。
いくつかの又はいずれかの実施態様では、本開示のペプチドは、配列番号:1のアミノ酸配列を土台にしたアミノ酸配列を含む本来のヒトグルカゴン(配列番号:1)のアナローグであるが、前記グルカゴンアナローグは、1つ以上(例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15及びいくつかの例では16以上(例えば17、18、19、20、21、22、23、24、25など))の指定の又は任意のアミノ酸改変を含むので配列番号:1とは異なる。いくつかの又はいずれかの実施態様では、本開示のペプチドは、本来のヒトグルカゴン配列(配列番号:1)と対比して、合計して1、2まで、3まで、4まで、5まで、6まで、7まで、8まで、9まで又は10までのさらに別のアミノ酸改変(例えば指定のアミノ酸改変に加えて)を含む。例えば、(a)1位のイミダゾール側鎖を含むアミノ酸、(b)2位のDPP-IV保護アミノ酸、(c)9、10、12、16、20又は37−43位のいずれかにアシル化アミノ酸又はアルキル化アミノ酸、(d)16、17、18、19、20及び21位の1つ以上にアルファヘリックス安定化アミノ酸、及び(e)配列番号:1と比較して10までのさらに別のアミノ酸改変を含むグルカゴン(配列番号:1)のアナローグに関して、本開示は、(a)−(d)に指定したアミノ酸改変に加えて10までのさらに別のアミノ酸改変を有する、(a)−(d)を含むグルカゴンアナローグを提供する。いくつかの又はいずれかの実施態様では、前記改変は、本明細書に記載した改変のいずれか、例えばアシル化、アルキル化、PEG化、C-末端切端、1、2、3、7、10、12、15、16、17、18、19、20、21、23、24、27、28及び29位の1つ以上におけるアミノ酸の置換である。
いくつかの又はいずれかの実施態様では、アミノ酸置換は保存的アミノ酸置換、例えば2、5、7、10、11、12、13、14、16、17、18、19、20、21、24、27、28又は29位の1つ以上におけるアミノ酸の保存的置換である。本明細書で用いられる“保存的アミノ酸置換”という用語は、本明細書では、あるアミノ酸の類似の特性(例えばサイズ、荷電、疎水性、親水性及び/又は芳香族性)を有する別のアミノ酸による置換と定義され、以下の5つのグループの1つの中での交換が含まれる:
I.小さな脂肪族の非極性又はわずかに極性の残基、Ala、Ser、Thr、Pro、Gly;
II.極性の陰性荷電残基並びのそれらのアミド及びエステル、Asp、Asn、Glu、システイン酸及びホモシステイン酸;
III.極性の陽性荷電残基、His、Arg、Lys、オルニチン(Orn);
IV.大きな脂肪族の非極性残基、Met、Leu、Ile、Val、Cys、ノルロイシン(Nle)、ホモシステイン;
V.大きな芳香族残基、Phe、Tyr、Trp、アセチルフェニルアラニン。
本明細書で用いられる“荷電アミノ酸”という用語は、生理学的pHの水溶液中で陰性荷電(すなわち脱プロトン化)又は陽性荷電(すなわちプロトン化)を有する側鎖を含むアミノ酸を指す。例えば、陰性荷電アミノ酸には、アスパラギン酸、グルタミン酸、システイン酸、ホモシステイン酸及びホモグルタミン酸が含まれ、一方、陽性荷電アミノ酸には、アルギニン、リジン及びヒスチジンが含まれる。荷電アミノ酸には、20のコードアミノ酸の中の荷電アミノ酸の他に非定形的又は天然に存在しない又はコードされないアミノ酸が含まれる。本明細書で用いられる“酸性アミノ酸”という用語は、アミノ酸のアルファカルボン酸以外の第二の酸性成分(例えば側鎖のカルボン酸基又はスルホン酸基を含む)を含むアミノ酸を指す。
いくつかの実施態様では、本開示のペプチドは、本来のヒトグルカゴン(配列番号:1)のアミノ酸配列と少なくとも25%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施態様では、本開示のペプチドは、配列番号:1と少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%の配列同一性であるか、又は90%より高い配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施態様では、上記に記載の%配列同一性を有するここに開示したペプチドのアミノ酸配列は、ここに開示するペプチドの完全長のアミノ酸配列である。いくつかの実施態様では、上記に記載の%配列同一性を有する本開示のペプチドのアミノ酸配列は、ここに開示するペプチドのほんの一部分である。いくつかの実施態様では、ここに開示するペプチドは、連続する少なくとも5アミノ酸(例えば少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10アミノ酸)の参照アミノ酸配列に対して約A%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、ここで参照アミノ酸配列は、配列番号:1のC位のアミノ酸で始まり、配列番号:1のD位のアミノ酸で終わり、ここでAは25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99であり、Cは1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27又は28であり、Dは5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27又は28である。前述のパラメーターの任意の及び全ての可能な組合せが想定され、以下が含まれる(ただしこれらに限定されない):例えばAが90%で、C及びDは1及び27、又は6及び27、又は8及び27、又は10及び27、又は12及び27、又は16及び27である。
前述の記載にしたがえば、いくつかの特徴では、本開示のペプチドは、配列番号:1を土台にするアミノ酸配列を含む本来のヒトグルカゴン(配列番号:1)のアナローグであり、前記配列は、GIP活性、グルカゴン活性、及び/又はGLP-1活性に影響を与えるか、安定性を強化するか(例えばDPP-IVプロテアーゼに対する耐性を改善することによるペプチドの分解を低下させることによって)、可溶性を強化するか、半減期を延長するか、作用の開始を遅らせるか、GIP、グルカゴン又はGLP-1レセプターにおける作用の持続時間を延長するか、又は前記の任意の組合せのために1つ以上のアミノ酸改変を含む。他の改変に加えて、そのようなアミノ酸の改変はさらに下記に記載され、これらの改変のいずれも個々に又は組み合わせて利用できる。
いくつかの又はいずれかの実施態様にしたがえば、グルカゴン(配列番号:1)のアナローグであるGIPアゴニストペプチドは、本来のものではないアシル基を含むアミノ酸(どのように調製されたか否かにかかわらず(例えば先にアシル化されたアミノ酸のペプチドへの取り込み又は合成後のペプチドのアシル化による)本明細書では“アシル化アミノ酸”と称される)を含む。いくつかの又はいずれかの特徴では、アシル化アミノ酸は、グルカゴンアナローグの9、10、12、13、14、16、17、20、37、38、39、40、41、42又は43位のいずれかに位置する。例示的な特徴では、アシル化アミノ酸は、グルカゴンアナローグの9、10、12、16、20又は40位のいずれか、又は10、13、14、16、17又は40位のいずれかに位置する。例示的な特徴では、アシル化アミノ酸は、10、14及び40位のいずれか1つ以上に位置する。例示的な特徴では、アシル化アミノ酸は、当該ペプチドアナローグの10、12又は16位のいずれかに位置する。
いくつかの実施態様のアシル化アミノ酸は、(i)循環中の半減期の延長、(ii)作用の開始の遅延、(iii)作用の持続時間の延長、(iv)プロテアーゼ(例えばDPP-IV)に対する耐性の改善、及び(v)GIPレセプター、GLP-1レセプター及びグルカゴンレセプターのいずれか1つ以上におけるポテンシーの増加の1つ以上をGIPアゴニストペプチドに獲得させる。
いくつかの実施態様では、アシル基はGIPアゴニストペプチドのアミノ酸に直接的に連結される。ある実施態様にしたがえば、GIPアゴニストペプチドは、エステル、チオエステル又はアミド結合を介してペプチドに結合されるアシル基を含む。
具体的な特徴では、GIPアゴニストペプチドは、当該GIPアゴニストペプチドのアミノ酸の側鎖のアミン、ヒドロキシル、又はチオールの直接アシル化によりアシル基を含む。いくつかの実施態様では、アシル化は、GIPアゴニストペプチドの9、10、12、13、14、16、17、20又は40位(例えば10、14及び40位のいずれか1つ)に存在する。これに関して、GIPアゴニストペプチドは、配列番号:1のアミノ酸配列、又は本明細書に記載のアミノ酸改変の1つ以上を含むその改変アミノ酸を含み、ここでGIPアゴニストペプチドの9、10、12、13、14、16、17、20及び40位(例えば10、14及び40位のいずれか1つ)のアミノ酸の少なくとも1つは、アミン、ヒドロキシル又はチオール側鎖を含むアミノ酸である。
式中、nは1から4である。
いくつかの実施態様では、式Iのアミノ酸は、nが4(Lys)又はnが3(Orn)のアミノ酸である。いくつかの実施態様では、アミン側鎖を含むアミノ酸はアミン側鎖を含む芳香族アミノ酸である。例示的な特徴では、アミン側鎖を含む芳香族アミノ酸は、4-アミノ-フェニルアラニン(4-アミノPhe)、p-アミノフェニルグリシン、p-アミノホモフェニルアラニン又は3-アミノチロシンである。例示的な特徴では、アミン側鎖を含む芳香族アミノ酸は4-アミノ-Pheである。
式中nは1から4である。
いくつかの例示的な実施態様では、式IIIのアミノ酸は、nが1(Cys)のアミノ酸である。
また別の実施態様では、アシル基はスペーサーを介してGIPアゴニストペプチドのアミノ酸と連結され、ここでスペーサーはGIPアゴニストペプチドのアミノ酸とアシル基との間に位置する。いくつかの実施態様では、GIPアゴニストペプチドは、当該ペプチドとアシル基との間にスペーサーを含む。いくつかの実施態様では、GIPアゴニストペプチドはスペーサーと共有結合し、スペーサーはアシル基と共有結合する。
いくつかの実施態様では、スペーサーは、アミン、ヒドロキシル若しくはチオール側鎖を含むアミノ酸、又はアミン、ヒドロキシル若しくはチオール側鎖を含むアミノ酸を含むジペプチド若しくはトリペプチドである。スペーサーが結合するアミノ酸は、スペーサーとの結合を許容する成分を含む任意のアミノ酸(例えば一又は二α-置換アミノ酸)であり得る。例えば、側鎖NH2、-OH、又は-COOHを含むアミノ酸(例えばLys、Orn、Ser、Asp又はGlu)が適切である。この点に関しては、いくつかの特徴のGIPアゴニストペプチドは、配列番号:1のアミノ酸配列、又は本明細書に記載のアミノ酸改変の1つ以上を含むその改変アミノ酸配列を含み、ここで9、10、12、13、14、16、17、20及び37−43位(例えば10、14又は40位)のアミノ酸の少なくとも1つは、アミン、ヒドロキシル又はカルボキシレート側鎖を含むアミノ酸である。
いくつかの実施態様では、スペーサーは、アミン、ヒドロキシル又はチオール側鎖を含むアミノ酸であるか、又はアミン、ヒドロキシル又はチオール側鎖を含むジペプチド又はトリペプチドである。
アシル基がアミノ酸スペーサーのアミン側鎖を介して結合する事例では、スペーサーはアミン側鎖を含むアミノ酸、例えば式Iのアミノ酸(例えばLya又はOrn)である。この事例では、スペーサーのアミノ酸のアルファアミン及びアミン側鎖の両方がアシル基と結合することが可能で、その結果GIPアゴニストペプチドは二アシル化される。本発明の実施態様はそのような二アシル化分子を含む。いくつかの実施態様では、アシル基は4-アミノ-Phe、p-アミノフェニルグリシン、p-アミノホモフェニルアラニン又は3-アミノチロシンと結合する。
アシル基がスペーサーのチオール基を介して結合するとき、当該アミノ酸又はジペプチド若しくはトリペプチドの一方のアミノ酸は式IIIのアミノ酸であり得る。具体的な例示的実施態様では当該アミノ酸はCysである。
いくつかの実施態様では、スペーサーは親水性二官能性スペーサーである。例示的な実施態様では、親水性二官能性スペーサーは、2つ以上の反応基、例えばアミン、ヒドロキシル、チオール及びカルボキシル基又は前記の任意の組合せを含む。例示的実施態様では、親水性二官能性スペーサーはヒドロキシル基及びカルボキシレートを含む。他の実施態様では、親水性二官能性スペーサーはアミン基及びカルボキシレートを含む。他の実施態様では、親水性二官能性スペーサーはチオール基及びカルボキシレートを含む。具体的な実施態様では、スペーサーはアミノポリ(アルキルオキシ)カルボキシレートを含む。これに関しては、スペーサーは、例えばNH2(CH2CH2O)n(CH2)mCOOHを含むことができ、式中、mは1から6の任意の整数であり、nは2から12の任意の整数である(例えば8-アミノ-3,6-ジオキサオクタン酸、前記はペプチドインターナショナル社(Peptides International, Inc., Louisville, KY)から市場で入手できる)。
いくつかの実施態様では、二官能性スペーサーは、カルボキシレート基の間に1−7の炭素原子の非分枝メチレンを含むジカルボン酸ではない。いくつかの実施態様では、二官能性スペーサーは、カルボキシレート基の間に1−7の炭素原子の非分枝メチレンを含むジカルボン酸である。
具体的な実施態様のスペーサー(例えばアミノ酸、ジペプチド、トリペプチド、親水性二官能性スペーサー又は疎水性二官能性スペーサー)は、長さが3から10原子(例えば6から10原子、例えば6、7、8、9又は10原子)である。より具体的な実施態様では、スペーサーは長さが約3から10原子(例えば6から10原子)であり、アシル基がC12からC18の脂肪アシル基(例えばC14脂肪アシル基、C16脂肪アシル基)であり、したがってスペーサー及びアシル基の全長は14から28原子、例えば約14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27又は28原子である。いくつかの実施態様では、スペーサー及びアシル基の長さは17−28原子(例えば19から26、19から21原子)である。
いくつかの例示的な実施態様では、GIPアゴニストペプチドは、スペーサーのアミン、ヒドロキシル又はチオールのアシル化によりアシル基を含み、前記スペーサーは、9、10、12、13、14、16、17、20又は37−43位(例えば10、14及び40位の任意の1つ以上)のアミノ酸又はGIPアゴニストペプチドのC-末端アミノ酸の側鎖と結合する。
さらにより具体的な実施態様では、アシル基は、ペプチドアナローグの9、10、12、13、14、16、17、20又は37−43位(例えば10、14及び40位の任意の1つ以上)のいずれかのアミノ酸と結合し、スペーサーとアシル基との長さは14から28原子である。9、10、12、13、14、16、17、20又は37−43位(例えば10、14及び40位の任意の1つ以上)のいずれかのアミノ酸は、いくつかの特徴では、式Iのアミノ酸、例えばLys又は式Iに関連する二置換アミノ酸である。より具体的な実施態様では、ペプチドアナローグは、分子内架橋(例えば分子内共有結合架橋)を欠く。例えば、グルカゴンアナローグは、1つ以上のアルファアルファ二置換アミノ酸(例えばAIB)を、アナローグのアルファヘリックスを安定化させるために含むグルカゴンアナローグである。
アシル化アミノ酸のアシル基は任意のサイズ、例えば任意の長さの炭素鎖であることができ、線状でも分枝していてもよい。いくつかの具体的な実施態様では、アシル基はC4からC30脂肪酸である。例えば、アシル基は、C4脂肪酸、C6脂肪酸、C8脂肪酸、C10脂肪酸、C12脂肪酸、C14脂肪酸、C16脂肪酸、C18脂肪酸、C20脂肪酸、C22脂肪酸、C24脂肪酸、C26脂肪酸、C28脂肪酸又はC30脂肪酸のいずれかであり得る。いくつかの実施態様では、アシル基はC8からC20脂肪酸、例えばC14脂肪酸又はC16脂肪酸である。
また別の実施態様では、アシル基は胆汁酸である。胆汁酸は任意の適切な胆汁酸であってもよく、コール酸、ケノデオキシコール酸、デオキシコール酸、リトコール酸、タウロコール酸、グリココール酸及びコレステロール酸が含まれるが、ただしこれらに限定されない。
例示的な実施態様では、アシル基はコハク酸又はコハク酸誘導体である。本明細書で用いられる“コハク酸誘導体”とは、置換コハク酸又は置換環式コハク酸(すなわち無水コハク酸)又は置換膨張環無水コハク酸(すなわち-C(O)-O-C(O)-成分及び3から5の追加の炭素を含む6−8員環)を含む化合物を意味し、ここで、置換コハク酸、置換環式コハク酸(すなわち無水コハク酸)又は置換膨張環無水コハク酸は1つ以上のアルキル鎖又は1つ以上の官能化炭素鎖で置換される。
式中、R及びR’の各々はそれぞれ別個にH、線状若しくは分枝C4−C30炭素鎖、又は線状若しくは分枝C4−C30官能化炭素鎖である。例示的な実施態様では、R及び/又はR’はC4−C30アルキル鎖を含む炭素鎖である。例えば前記アルキル基は、C4アルキル、C6アルキル、C8アルキル、C10アルキル、C12アルキル、C14アルキル、C16アルキル、C18アルキル、C20アルキル、C22アルキル、C24アルキル、C26アルキル、C28アルキル又はC30アルキルのいずれかであり得る。いくつかの実施態様では、アルキル基はC8からC20アルキル、例えばC14アルキル又はC16アルキルである。例示的な特徴では、官能化炭素鎖は官能基(カルボキシル、スルフヒドリル、アミン、ケチル、スルホキシル又はアミドを含むが、ただしこれらに限定されない)を含む。
式中、R及びR’の各々はそれぞれ別個にH、線状若しくは分枝C4−C30炭素鎖、又は線状若しくは分枝C4−C30官能化炭素鎖である。例示的な実施態様では、R及び/又はR’はC4−C30アルキル鎖を含む炭素鎖である。例えば前記アルキル基は、C4アルキル、C6アルキル、C8アルキル、C10アルキル、C12アルキル、C14アルキル、C16アルキル、C18アルキル、C20アルキル、C22アルキル、C24アルキル、C26アルキル、C28アルキル又はC30アルキルのいずれかであり得る。いくつかの実施態様では、アルキル基はC8からC20アルキル、例えばC14アルキル又はC16アルキルである。例示的な特徴では、官能化炭素鎖は官能基(カルボキシル、スルフヒドリル、アミン、ケチル、スルホキシル又はアミドを含むが、ただしこれらに限定されない)を含む。
式中、R及びR’の各々はそれぞれ別個にH、線状若しくは分枝C4−C30炭素鎖、又は線状若しくは分枝C4−C30官能化炭素鎖である。例示的な実施態様では、R及び/又はR’はC4−C30アルキル鎖を含む炭素鎖である。例えば前記アルキル基は、C4アルキル、C6アルキル、C8アルキル、C10アルキル、C12アルキル、C14アルキル、C16アルキル、C18アルキル、C20アルキル、C22アルキル、C24アルキル、C26アルキル、C28アルキル又はC30アルキルのいずれかであり得る。いくつかの実施態様では、アルキル基はC8からC20アルキル、例えばC14アルキル又はC16アルキルである。例示的な特徴では、官能化炭素鎖は官能基(カルボキシル、スルフヒドリル、アミン、ケチル、スルホキシル又はアミドを含むが、ただしこれらに限定されない)を含む。
式中、R及びR’の各々はそれぞれ別個にH、線状若しくは分枝C4−C30炭素鎖、又は線状若しくは分枝C4−C30官能化炭素鎖である。例示的な実施態様では、R及び/又はR’はC4からC30アルキル鎖を含む炭素鎖である。例えば前記アルキル基は、C4アルキル、C6アルキル、C8アルキル、C10アルキル、C12アルキル、C14アルキル、C16アルキル、C18アルキル、C20アルキル、C22アルキル、C24アルキル、C26アルキル、C28アルキル又はC30アルキルのいずれかであり得る。いくつかの実施態様では、アルキル基はC8からC20アルキル、例えばC14アルキル又はC16アルキルである。例示的な特徴では、官能化炭素鎖は官能基(カルボキシル、スルフヒドリル、アミン、ケチル、スルホキシル又はアミドを含むが、ただしこれらに限定されない)を含む。
式中、R及びR’の各々はそれぞれ別個にH、線状若しくは分枝C4−C30炭素鎖、又は線状若しくは分枝C4−C30官能化炭素鎖である。例示的な実施態様では、R及び/又はR’はC4からC30アルキル鎖を含む炭素鎖である。例えば前記アルキル基は、C4アルキル、C6アルキル、C8アルキル、C10アルキル、C12アルキル、C14アルキル、C16アルキル、C18アルキル、C20アルキル、C22アルキル、C24アルキル、C26アルキル、C28アルキル又はC30アルキルのいずれかであり得る。いくつかの実施態様では、アルキル基はC8からC20アルキル、例えばC14アルキル又はC16アルキルである。例示的な特徴では、官能化炭素鎖は官能基(カルボキシル、スルフヒドリル、アミン、ケチル、スルホキシル又はアミドを含むが、ただしこれらに限定されない)を含む。
式中、nは1から4であり、2つの非カルボニル炭素の間に少なくとも1つのC=C二重結合が存在し、さらに
R及びR’の各々はそれぞれ別個にH、線状若しくは分枝C4−C30炭素鎖、又は線状若しくは分枝C4−C30官能化炭素鎖である。例示的な実施態様では、R及び/又はR’はC4−C30アルキル鎖を含む炭素鎖である。例えば前記アルキル基は、C4アルキル、C6アルキル、C8アルキル、C10アルキル、C12アルキル、C14アルキル、C16アルキル、C18アルキル、C20アルキル、C22アルキル、C24アルキル、C26アルキル、C28アルキル又はC30アルキルのいずれかであり得る。いくつかの実施態様では、アルキル基はC8からC20アルキル、例えばC14アルキル又はC16アルキルである。例示的な特徴では、官能化炭素鎖は官能基(カルボキシル、スルフヒドリル、アミン、ケチル、スルホキシル又はアミドを含むが、ただしこれらに限定されない)を含む。
ペプチドのアミン、ヒドロキシル及びチオールを介してアシル基をペプチドに結合させる適切な方法は当業界で公知である。例えば以下を参照されたい:実施例1(アミンを介するアシル化の方法);Miller, Biochem Biophys Res Commun 218: 377-382 (1996); Shimohigashi and Stammer, Int J Pept Protein Res 19: 54-62 (1982); and Previero et al., Biochim Biophys Acta 263: 7-13 (1972)(ヒドロキシルを介するアシル化の方法);及びSan and Silvius, J Pept Res 66: 169-180 (2005)(チオールを介するアシル化の方法);Bioconjugate Chem.“Chemical Modifications of Proteins: History and Applications” pages 1, 2-12 (1990); Hashimoto et al., Pharmacuetical Res.“Synthesis of Palmitoyl Derivatives of Insulin and their Biological Activity”Vol. 6, No:2 pp.171-176(1989)。
いくつかの実施態様では、GIPアゴニストペプチドは、当該アゴニストペプチドによる長鎖アルカンのアシル化によってアシル化されたアミノ酸を含む。具体的な特徴では、長鎖アルカンは、GIPアゴニストペプチドのカルボキシル基又はその活性化型と反応する、アミン、ヒドロキシ又はチオール基(例えばオクタデシルアミン、テトラデカノール及びヘキサデカンチオール)を含む。GIPアゴニストペプチドのカルボキシル基又はその活性化型は、GIPアゴニストペプチドのアミノ酸(例えばグルタミン酸、アスパラギン酸)の側鎖部分であるか、又はペプチド骨格の部分であり得る。
本明細書で用いられるように、“カルボキシル基の活性型”という用語は、一般式R(C=O)X(式中Xは脱離基でRはグルカゴンアナローグ又はスペーサーである)を有するカルボキシル基を指す。例えば、カルボキシル基の活性型にはアシルクロリド、無水物、及びエステルが含まれる(ただしこれらに限定されない)。いくつかの実施態様では、活性化カルボキシル基は、N-ヒドロキシスクシンイミドエステル(NHS)脱離基をもつエステルである。
長鎖アルカンがグルカゴンアナローグ又はスペーサーによってアシル化されるこれらの特徴に関しては、長鎖アルカンは任意のサイズが可能で、任意の長さの炭素鎖を含むことができる。長鎖アルカンは線状でも分枝でもよい。例示的な特徴では、長鎖アルカンはC4からC30アルカンである。例えば長鎖アルカンは、C4アルカン、C6アルカン、C8アルカン、C10アルカン、C12アルカン、C14アルカン、C16アルカン、C18アルカン、C20アルカン、C22アルカン、C24アルカン、C26アルカン、C28アルカン又はC30アルカンのいずれかであり得る。いくつかの実施態様では、長鎖アルカンはC8からC20アルカン、例えばC14アルカン、C16アルカン又はC18アルカンである。
さらにまた、いくつかの実施態様では、GIPアゴニストペプチドのアミン、ヒドロキシル又はチオール基はコレステロール酸でアシル化される。具体的な実施態様では、GIPアゴニストペプチドは、アルキル化デスアミノCysスペーサー(すなわちアルキル化3-メルカプトプロピオン酸スペーサー)を介してコレステロール酸と結合される。
アシル基が、コハク酸、コハク酸誘導体、マレイン酸又はマレイン酸誘導体であるとき、ペプチドは、GIPアゴニストペプチド又はスペーサーのアミン、ヒドロキシル又はチオール基と、式V、式VI、式VII、式VIII、式IX又は式Xのコハク酸、コハク酸誘導体、マレイン酸又はマレイン酸誘導体との反応によってスクシノイル化/マレオイル化される。スクシノイル化の方法は本明細書に記載される。
いくつかの又はいずれかの実施態様のペプチドは、9、10、12、13、14、16、17、20又は37−43位(例えば10、14及び40位のいずれか1つ以上)以外の位置にアシル化アミノ酸を含む。アシル化アミノ酸の位置はGIPアゴニストペプチド内の任意の位置であり得るが、前記位置には、1−29位のいずれか、C-末端から29番目のアミノ酸(例えば30、31、32、33、34、35、36、44、45、46、47などの位置、C-末端伸長部内の位置又はC-末端のアミノ酸)の位置が含まれ、場合によって9、10、12、13、14、16、17、20又は37−43 位のいずれかに(例えば10、14及び40位のいずれか1つ以上に)第二のアシル化アミノ酸を伴うが、ただし当該ペプチドアナローグのGIPアゴニスト活性が、強化されないとしても維持されることを条件とする。非限定的な例には、5、7、11、13、14、17、18、19、21、24、27、28又は29位が含まれる。
前述の記載と一致して、例示的な特徴でグルカゴンアナローグは2つ(又は3つ以上)のアシル化アミノ酸を含み、2つのアシル基が存在するときは二重アシル化ペプチド又は二アシル化ペプチドと考えることができる。例示的特徴では、アシル化アミノ酸の全てが、9、10、12、13、14、16、17、20又は37−43 位の2つの位置に(例えば10、14及び40位のいずれか1つ以上に)位置する。例示的特徴では、アシル化は10、14及び40位の2つで生じる。例示的特徴では、ペプチドは、10位に第一のアシル化アミノ酸及び40位に第二のアシル化アミノ酸を含む。
例示的特徴では(この特徴ではアルキル基は線状構造で配置される)、グルカゴンアナローグは第一のアシル基と直接結合する1つのアシル化アミノ酸(ペプチド骨格の部分である)を含み、前記は続いてスペーサーと結合し、前記は続いて第二のアシル基と結合する。
二重アシル化化合物の例示的構造は図5Aに示されている。
アシル化アミノ酸を含むGIPアゴニストペプチドは場合によってさらに親水性成分を含む。いくつかの又はいずれかの実施態様では、前記親水性成分は、ポリエチレングリコール(PEG)鎖を含む。親水性成分の取り込みは、任意の適切な手段、例えば本明細書に記載の方法のいずれかにより達成される。これに関しては、GIPアゴニストペプチドは、本明細書に記載の改変のいずれかを含む配列番号:1を含むことができる。前記改変では、9、10、12、13、14、16、17、20又は37−43 位のいずれか(例えば10、14及び40位の1つ以上)のアミノ酸の少なくとも1つがアシル化アミノ酸であり、さらに16、17、21、24又は29位のアミノ酸、C-末端伸長部内の位置のアミノ酸、又はC-末端アミノ酸の少なくとも1つがCys、Lys、Orn、ホモ-Cys又はAc-Pheであり、前記の側鎖が親水性成分(例えばPEG)と共有結合する。いくつかの実施態様では、GIPアゴニストペプチドの9、10、12、13、14、16、17、20又は37−43 位のいずれか(例えば10、14及び40位の1つ以上)のアミノ酸はアシル基と結合し(場合によってスペーサーを介して)、さらに当該アミノ酸は親水性成分とさらに結合するか、又はCys、Lys、Orn、ホモ-Cys又はAc-Pheとさらに結合し、前記は親水性成分と結合する。
いくつかの特徴では、いくつかの実施態様のGIPアゴニストペプチドは、親水性成分が結合する同じアミノ酸の位置でアシル化されるか、又は異なるアミノ酸の位置でアシル化される。非限定的な例は、9、10、12、13、14、16、17、20又40位(例えば10、14及び40位の1つ以上)でのアシル化及びグルカゴンアナローグのC-末端部分の1つ以上の位置(例えば24、28又は29位)、C-末端伸長部内(例えば37−43)又はC-末端(例えばC-末端Cysの添加による)でのPEG化を含む。
いくつかの具体的な実施態様では、アシル化アミノ酸を含むGIPアゴニストペプチドは、分子内架橋(例えば分子内共有結合架橋、例えばラクタム架橋)を欠く。
いくつかの又はいずれかの実施態様にしたがえば、グルカゴン(配列番号:1)のアナローグであるGIPアゴニストペプチドは、本来のものではないアルキル基を含むアミノ酸を含む(前記アミノ酸は、それがどのように調製されたかにかかわらず(例えば先にアルキル化したアミノ酸の取り込み又は合成後のペプチドのアルキル化による)、本明細書では“アルキル化アミノ酸”と称される)。いくつか又はいずれかの特徴では、アルキル化アミノ酸は、9、10、12、13、14、16、17、20、37、38、39、40、41、41又は43 位のいずれか(例えば10、14及び40位の1つ以上に)に位置する。例示的特徴では、アルキル化アミノ酸は、9、10、12、16、20若しくは40位のいずれかに、又は10、13、14、16、17若しくは40位のいずれかに位置する。例示的特徴では、アルキル化アミノ酸は、10、12、16若しくは40位のいずれかに、又は10、12若しくは16位のいずれかに位置する。例示的特徴では、アルキル化アミノ酸は10、14及び40位のいずれか1つ以上に位置する。
いくつかの実施態様のアルキル化アミノ酸は、(i)循環中の半減期の延長、(ii)作用の開始の遅延、(iii)作用の持続時間の延長、(iv)プロテアーゼ(例えばDPP-IV)に対する耐性の改善、及び(v)GIPレセプター、GLP-1レセプター及びグルカゴンレセプターのいずれか1つ以上におけるポテンシーの増加の上記(i)−(v)の1つ以上をGIPアゴニストペプチドに獲得させる。
いくつかの実施態様では、アルキル基はGIPアゴニストペプチドのアミノ酸に直接的に結合される。ある実施態様にしたがえば、GIPアゴニストペプチドは、エーテル、チオエーテル又はアミン結合を介してペプチドに結合するアルキル基を含む。
具体的な特徴では、GIPアゴニストペプチドは、当該アゴニストペプチドのアミノ酸の側鎖のアミン、ヒドロキシル又はチオールの直接アルキル化によるアルキル基を含む。いくつかの又はいずれかの実施態様では、アルキル基は、アミン、ヒドロキシル又はチオールと活性化アルキル基との反応によってGIPアゴニストペプチドのアミノ酸に結合する。いくつかの特徴のアルキル基は、脱離基(例えばハロゲン、スルホネートエステル、ピリジルチオール、アンモニウム塩又はフェノキシル)により活性化される。
いくつかの又はいずれかの実施態様では、アルキル化アミノ酸は、9、10、12、13、14、16、17、20又は40位の1つ(例えば10、14及び40位のいずれか1つ)又は10、12又は16位の1つに位置する。これに関しては、GIPアゴニストペプチドは、配列番号:1のアミノ酸配列又はその改変アミノ酸配列(本明細書に記載のアミノ酸改変の1つ以上を含む)を含み、ここで9、10、12、13、14、16、17、20及び40位(例えば10、14及び40位のいずれか1つ)のアミノ酸の少なくとも1つは、アミン、ヒドロキシル又はチオール側鎖を含むアミノ酸である。
他の実施態様では、ヒドロキシル側鎖を含むアミノ酸は式IIのアミノ酸である。いくつかの例示的実施態様では、式IIのアミノ酸は、nが1(Ser)のアミノ酸である。例示的特徴では、式IIのアミノ酸は、nが2(ホモセリン)のアミノ酸である。同様な例示的実施態様では、ヒドロキシル側鎖を含むアミノ酸はThr又はホモスレオニンである。同様な例示的実施態様では、ヒドロキシル側鎖を含むアミノ酸は、ヒドロキシル側鎖を含む芳香族アミノ酸である。例示的特徴では、ヒドロキシル側鎖を含むアミノ酸は、チロシン、ホモチロシン、メチル-チロシン又は3-アミノチロシンである。
さらに他の実施態様では、チオール側鎖を含むアミノ酸は、式IIIのアミノ酸である。いくつかの例示的な実施態様では、式IIIのアミノ酸はnが1(Cys)のアミノ酸である。いくつかの又はいずれかの実施態様では、式IIIのアミノ酸は、アルキル基(例えば非官能化又は官能化炭素鎖)と共有結合する。例示的な特徴では、アミノ酸はS-パルミチル-アルキル化(すなわちS-パルミテート-アルキル化)され、前記アミノ酸では、Cys残基の硫黄原子はパルミテートのβ炭素と共有結合する。他の実施態様では、式IIIのアミノ酸は、Cys残基の硫黄原子を介してCnアセテートのβ炭素と共有結合する(この場合nは4から30の整数である)。S-パルミチルアルキレートとするための種々の方法の例は図6及び7に示される。
さらに他の実施態様では、アミン、ヒドロキシル又はチオール側鎖を含むアミノ酸は、式I、式II又は式IIIのアミノ酸のアルファ炭素と結合する水素が第二の側鎖で置換されるという点を除いて、式I、式II又は式IIIの同じ構造を含む二置換アミノ酸である。
また別の実施態様では、本来のものではないアルキル基は、スペーサーを介してGIPアゴニストペプチドのアミノ酸に結合され、ここで前記スペーサーはGIPアゴニストペプチドと本来のものではないアルキル基との間に位置する。いくつかの実施態様では、GIPアゴニストペプチドはスペーサーと共有結合し、前記スペーサーは本来のものではないアルキル基と共有結合する。
例示的な実施態様では、グルカゴンアナローグは改変されてスペーサーのアミン、ヒドロキシル又はチオールのアルキル化により本来のものではないアルキル基を含み、当該スペーサーは、9、10、12、13、14、16、17、20又は37−43位の1つ(例えば10、14及び40位のいずれか1つ)のアミノ酸の側鎖と結合する。例示的な実施態様では、アルキル基は、スペーサーのアミン、ヒドロキシル又はチオールと脱離基(例えばハロゲン、スルホネートエステル、ピリジルチオール、アンモニウム塩、フェノキシル)を有するアルキル基との反応によりスペーサーと結合する。スペーサーが結合するアミノ酸は、スペーサーとの結合を許容する成分を含む任意のアミノ酸であり得る。例えば、側鎖NH2、-OH又は-COOH(例えばLys、Orn、Ser、Asp又はGlu)を含むアミノ酸が適切である。これに関しては、アルキル化グルカゴンアナローグは配列番号:1の改変アミノ酸配列を含み、前記改変配列は本明細書に記載のアミノ酸改変の1つ以上を含み、9、10、12、13、14、16、17、20又は37−43位(例えば10、14及び40位のいずれか1つ)のアミノ酸の少なくとも1つが、アミン、ヒドロキシル又はカルボキシレート側鎖を含む任意のアミノ酸に改変されてある。
いくつかの実施態様では、スペーサーは、アミン、ヒドロキシル若しくはチオール側鎖を含むアミノ酸、又はアミン、ヒドロキシル若しくはチオール側鎖を含むアミノ酸を含むジペプチド又はトリペプチドである。
アルキル基がスペーサーのアミン基を介して結合されるとき、いくつかの特徴では前記アルキル基は、スペーサーのアミノ酸のアルファアミンを介して又はアミン側鎖を介して結合される。アルキル基がアルファアミンを介して結合される事例では、スペーサーのアミノ酸は任意のアミノ酸であり得る。例えばスペーサーのアミノ酸は、疎水性アミノ酸、例えばGly、Ala、Val、Leu、Ile、Trp、Met、Phe、Tyr、6-アミノヘキサン酸、5-アミノ吉草酸、7-アミノヘプタン酸及び8-アミノオクタン酸である。また別にいくつかの特徴では、スペーサーのアミノ酸は酸性残基、例えばAsp、Glu、ホモグルタミン酸、ホモシステイン酸、システイン酸、ガンマ-グルタミン酸である。
アルキル基がスペーサーのヒドロキシル基を介して結合するとき、当該アミノ酸又はジペプチド若しくはトリペプチドの当該アミノ酸の1つは式IIのアミノ酸であり得る。具体的な例示的実施態様ではアミノ酸はSerである。同様な例示的実施態様では、アルキル基はThr又はホモスレオニンと結合する。同様な例示的実施態様では、アルキル基は、ヒドロキシル側鎖を含む芳香族アミノ酸(例えばチロシン、ホモチロシン、メチルチロシン又は3-アミノチロシン)のヒドロキシルを介して結合する。
他の実施態様では、スペーサーは二官能性スペーサーで、前記スペーサーは、(i)アルキル基と反応する、アミン、ヒドロキシル又はチオールを含む脱離基を含む第一の末端、及び(ii)グルカゴンアナローグのアミノ酸の側鎖と反応する官能基を含む第二の末端を含む。例示的特徴では、グルカゴンアナローグのアミノ酸は、式Iのアミノ酸(例えばLys)又は式IIのアミノ酸(例えばSer)であり、前記アミノ酸はカルボン酸又はカルボン酸誘導体で官能化される。また別の例示的特徴では、グルカゴンアナローグのアミノ酸は式IIIのアミノ酸であり、前記アミノ酸はハロアセトアミド、マレイミド又はジスルフィドで官能化される。いくつかの実施態様では、グルカゴンアナローグのアミノ酸はカルボキシレート側鎖を含むアミノ酸(例えばGlu、Asp)で、アミン、ヒドロキシル又はチオールで官能化される。
例示的実施態様では、スペーサーは、構造[-O-CH2-CH2-]nを含む小さなポリエチレングリコール成分(PEG)を含み、式中nは2から16(例えば2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16)である。そのような小さなPEGは本明細書では“ミニPEG”と称される。例示的特徴では、ミニPEGは1つ以上の官能基を含む官能化ミニPEGである。適切な官能基には、アミン、ヒドロキシル、チオール及びカルボキシル基又は前記の任意の組合せが含まれるが、ただしこれらに限定されない。例示的特徴では、ミニPEGは、構造{[-O-CH2-CH2-]n-COO-}を含むミニPEG酸であり、式中nは上記に定義したとおりである。例示的特徴では、ミニPEGは、構造{-N- CH2- CH2-[-O-CH2-CH2-]n}を含むアミドミニPEGであり、式中nは上記で定義したとおりである。例示的特徴では、ミニPEGは、構造{-N-CH2-CH2-[-O-CH2-CH2-]n-COO-}を含むアミドミニPEGであり、式中nは上記で定義したとおりである。アミノ酸をミニPEGでアルキル化するときに使用される適切な試薬は、販売業者(例えばペプチドインターナショナル社(Louisville, KY))から市場で入手できる。
いくつかの実施態様では、二官能性スペーサーは、1−7炭素原子の非分枝メチレンをカルボキシレート基の間に含むジカルボン酸ではない。いくつかの実施態様では、二官能性スペーサーは、1−7炭素原子の非分枝メチレンをカルボキシレート基の間に含むジカルボン酸である。
具体的な実施態様のスペーサー(例えばアミノ酸、ジペプチド、トリペプチド、親水性二官能性スペーサー又は疎水性二官能性スペーサー)は、長さが3から10原子(例えば6から10原子、例えば6、7、8、9又は10原子)である。より具体的な実施態様では、スペーサーは長さが約3から10原子(例えば6から10原子)であり、本来のものではないアルキル基はC12からC18アルキル、例えばC14アルキル、C16アルキルであり、したがってスペーサーとアルキル基の全長は14から28原子(例えば約14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27又は28原子)である。
いくつかの例示的な実施態様では、GIPアゴニストペプチドは、スペーサーのアミン、ヒドロキシル又はチオールのアルキル化によりアルキル基を含み、前記スペーサーは、9、10、12、13、14、16、17、20又は37−43位(例えば10、14及び40位の任意の1つ以上)のアミノ酸又はGIPアゴニストペプチドのC-末端アミノ酸の側鎖と結合する。
さらにより具体的な実施態様では、アルキル基は、ペプチドアナローグの9、10、12、13、14、16、17、20又は37−43位(例えば10、14及び40位の任意の1つ以上)のいずれかのアミノ酸と結合し、スペーサーとアルキル基との長さは14から28原子である。9、10、12、13、14、16、17、20又は37−43位(例えば10、14及び40位の任意の1つ以上)のいずれかのアミノ酸は、いくつかの特徴では、式Iのアミノ酸(例えばLys)又は式Iに関連する二置換アミノ酸である。より具体的な実施態様では、ペプチドアナローグは、分子内架橋(例えば分子内共有結合架橋)を欠く。例えば、グルカゴンアナローグは、1つ以上のアルファアルファ二置換アミノ酸(例えばAIB)を、アナローグのアルファヘリックスを安定化させるために含むグルカゴンアナローグであり得る。
アルキル化アミノ酸の本来のものではないアルキル基は、任意のサイズ、例えば任意の長さの炭素鎖であることができ、さらに線状又は分枝であり得る。いくつかの具体的な実施態様では、アルキル基はC4からC30アルキルである。例えばアルキル基は、C4アルキル、C6アルキル、C8アルキル、C10アルキル、C12アルキル、C14アルキル、C16アルキル、C18アルキル、C20アルキル、C22アルキル、C24アルキル、C26アルキル、C28アルキル又はC30アルキルのいずれかであり得る。いくつかの実施態様では、アルキル基はC8からC20アルキル、例えばC14アルキル又はC16アルキルである。
例示的な実施態様では、アルキル化アミノ酸の本来のものではないアルキル基は、任意の長さの官能化された線状又は分枝炭素鎖である。いくつかの具体的な実施態様では、炭素鎖はC4からC30アルキルである。例えばアルキル基は、C4アルキル、C6アルキル、C8アルキル、C10アルキル、C12アルキル、C14アルキル、C16アルキル、C18アルキル、C20アルキル、C22アルキル、C24アルキル、C26アルキル、C28アルキル又はC30アルキルのいずれかであり得る。いくつかの実施態様では、アルキル基はC8からC20アルキル、例えばC14アルキル又はC16アルキルである。例示的な特徴では、官能化炭素鎖は、官能基(カルボキシ、スルフヒドリル、アミン、ケチル、スルホキシル又はアミンを含むが、ただしこれらに限定されない)を含む。
アルキル基をアミノ酸に結合させる方法は当業界では公知である。例えば、脱離基で活性化されたアルキル基は、求核側鎖(例えばアミン、ヒドロキシル又はチオールを含む側鎖)を含むアミノ酸と反応させることができる。例示的特徴の脱離基は、ハロゲン、スルホネートエステル、ピリジルチオール、アンモニウム塩又はフェノキシルである。
例示的な実施態様では、アルキル基と結合するアミノ酸はCys残基であり、硫黄原子がアルキル化、例えば“S-アルキル化”される。例示的な実施態様では、Cysの硫黄は、構造-Cx-COOHのカルボキシ官能化炭素鎖を含むアルキル基の脱離基と反応する。前記式中、xは整数、場合によって4−30の整数(例えば4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30)であり、カルボキシ炭素はアルファ炭素であり、Cxの炭素の各々はベータ、ガンマ、デルタ、エプシロンなどと称され、ベータ炭素はアルファ炭素と結合する。例えば、xが4のとき、本来のものではないアルキル基は以下のように表されるであろう:Cε-Cδ-C-Cβ-CαOOH。例示的な実施態様では、カルボキシ官能化炭素鎖は、カルボキシ炭素以外の炭素(すなわちCxの炭素の1つ)を介して結合する。例示的な特徴では、カルボキシ官能化炭素鎖は、アルキル化アミノ酸の側鎖とカルボキシ官能化炭素鎖のベータ、ガンマ、デルタ又はエプシロン炭素を介して結合する。また別の実施態様では、カルボキシ官能化炭素鎖は、アルキル化アミノ酸と結合したスペーサーの側鎖と、カルボキシ官能化炭素鎖のベータ、ガンマ、デルタ又はエプシロン炭素を介して結合する。例示的な特徴では、カルボキシ官能化炭素鎖は、アルキル化アミノ酸の側鎖とカルボキシ官能化炭素鎖のベータ炭素を介して結合する。また別の実施態様では、カルボキシ官能化炭素鎖は、アルキル化アミノ酸と結合したスペーサーの側鎖と、カルボキシ官能化炭素鎖のベータ炭素を介して結合する。
例示的な特徴では、脱離基は、ハロゲン(例えばヨウ素、臭素、塩素、フッ素)、スルホネートエステル(例えばトシレート、トリフレート又はフルオロスルホネート)、ピリジルチオール、アンモニウム塩、ジアゾニウム塩、ナイトレート、ホスフェート又はフェノキシルである。
具体的な特徴では、アルキル基は、ヨウ素脱離基及び合計16の炭素(カルボキシレートの炭素を含む)を含むカルボキシ官能化炭素鎖を含む。そのようなヨードカルボン酸によるアルキル化は“S-パルミチルアルキル化”と称することができ、前記は“S-パルミテートアルキル化”と同義語である。S-パルミチルアルキル化の更なる具体化は本明細書の実施例1及び20で提供される。
いくつかの特徴のペプチドは、9、10、12、13、14、16、17、20又は37−43位(例えば10、14及び40位のいずれか1つ以上)以外の位置にアルキル化アミノ酸を含む。アルキル化アミノ酸の位置はGIPアゴニストペプチド内の任意の位置であり得るが、前記位置には、1−29位のいずれか、C-末端から29番目のアミノ酸(例えば30、31、32、33、34、35、36、44、45、46、47位など、C-末端伸長部内の位置又はC-末端のアミノ酸)の位置が含まれ、場合によって9、10、12、13、14、16、17、20又は37−43 位のいずれかに(例えば10、14及び40位のいずれか1つ以上に)第二のアルキル化アミノ酸を伴うが、ただし当該ペプチドアナローグのGIPアゴニスト活性が、強化されないとしても維持されることを条件とする。非限定的な例には、5、7、11、13、14、17、18、19、21、24、27、28又は29位が含まれる。
前述の記載と一致して、例示的な特徴でグルカゴンアナローグは2つ(又は3つ以上)のアルキル化アミノ酸を含む。例示的特徴では、アルキル化アミノ酸の全てが、9、10、12、13、14、16、17、20又は37−43 位の2つの位置に(例えば10、14及び40位のいずれか1つ以上に)位置する。例示的特徴では、ペプチドは、10位に第一のアルキル化アミノ酸及び40位に第二のアルキル化アミノ酸を含む。
例示的特徴では(この特徴ではアルキル基は線状構造で配置される)、グルカゴンアナローグは第一のアルキル基と直接結合する1つのアルキル化アミノ酸(ペプチド骨格の部分である)を含み、前記は続いてスペーサーと結合し、前記は続いて第二のアルキル基と結合する。
二重アルキル化化合物の例示的構造は、図5Aに示す二重アシル化化合物から誘導される。
アルキル化アミノ酸を含むGIPアゴニストペプチドは場合によってさらに親水性成分を含む。いくつかの又はいずれかの実施態様では、前記親水性成分は、ポリエチレングリコール(PEG)鎖を含む。親水性成分の取り込みは、任意の適切な手段、例えば本明細書に記載の方法のいずれかにより達成される。これに関しては、GIPアゴニストペプチドは、本明細書に記載の改変のいずれかを含む配列番号:1を含むことができる。前記改変では、9、10、12、13、14、16、17、20又は37−43 位のいずれか(例えば10、14及び40位のいずれか1つ以上)のアミノ酸の少なくとも1つがアルキル化アミノ酸を含み、さらに16、17、21、24又は29位のアミノ酸、C-末端伸長部内の位置のアミノ酸、又はC-末端アミノ酸の少なくとも1つがCys、Lys、Orn、ホモ-Cys又はAc-Pheであり、前記の側鎖が親水性成分(例えばPEG)と共有結合する。いくつかの実施態様では、GIPアゴニストペプチドの9、10、12、13、14、16、17、20又は37−43 位のいずれか(例えば10、14及び40位のいずれか1つ以上)のアミノ酸はアルキル基と結合し(場合によってスペーサーを介して)、さらに当該アミノ酸は親水性成分とさらに結合するか、又はCys、Lys、Orn、ホモ-Cys又はAc-Pheとさらに結合し、前記は親水性成分と結合する。
また別に、アルキル化グルカゴンアナローグはスペーサーを含むことができ、スペーサーはアルキル化されかつ改変されて親水性成分を含む。適切なスペーサーの非限定例には、Cys、Lys、Orn、ホモ-Cys及びAc-Pheから成る群から選択される1つ以上のアミノ酸を含むスペーサーが含まれる。
いくつかの特徴では、いくつかの実施態様のGIPアゴニストペプチドは、親水性成分が結合する同じアミノ酸の位置でアルキル化されるか、又は異なるアミノ酸の位置でアルキル化される。非限定的な例は、9、10、12、13、14、16、17、20又40位(例えば10、14及び40位のいずれか1つ以上)でのアルキル化及びグルカゴンアナローグのC-末端部分の1つ以上の位置(例えば24、28又は29位)、C-末端伸長部内(例えば37−43)又はC-末端(例えばC-末端Cysの添加による)でのPEG化を含む。
アルキル基が追加される実施態様
具体的な実施態様では、アルキル化アミノ酸を含むGIPアゴニストペプチドは、分子内架橋(例えば分子内共有結合架橋、例えばラクタム架橋)を欠く。
特定の理論に拘束されないが、グルカゴンアナローグのGIPアゴニストペプチドは、ヘリックス構造、例えばアルファヘリックスを含む。いくつかの又はいずれかの実施態様では、GIPアゴニストペプチドは、アルファヘリックス構造を安定化させるアミノ酸を含む。したがって、いくつかの特徴では、GIPアゴニストペプチドは、1つ以上のアルファヘリックス安定化アミノ酸を含む。本明細書で用いられるように、“アルファヘリックス推進アミノ酸”という用語は、“アルファヘリックス安定化アミノ酸”という用語と互換的に用いられ、GIPアゴニストペプチドのアルファヘリックス(前記はアゴニストペプチドの一部分である)に安定性の増進を提供するアミノ酸を指す。アルファヘリックス推進アミノ酸は当業界で公知である。例えば以下を参照されたい:Lyu et al., Proc Natl Acad Sci U.S.A. 88: 5317-5320, 1991;Branden & Tooze, Introduction to Protein Structure, Garland Publishing, New York, NY, 1991;Fasman, Prediction of Protein Structure and the Principles of Protein Conformation, ed. Fasman, Plenum, NY, 1989。本明細書の目的に適切なアルファヘリックス推進アミノ酸には、アラニン、ノルバリン、ノルロイシン、アルファアミノ酪酸、アルファアミノイソ酪酸(AIB)、ロイシン、イソロイシン、バリンなどが含まれるが、ただし前記に限定されない。いくつかの実施態様では、アルファヘリックス推進アミノ酸は、天然に存在するタンパク質で見出されるアルファヘリックスの部分である任意のアミノ酸で、Leu、Phe、Ala、Met、Gly、Ile、Ser、Asn、Glu、Asp、Lys、Argである。
例示的実施態様では、アルファヘリックス推進アミノ酸は、グリシン又はアラニンと比較してより強い安定性をアルファヘリックスに提供する。例示的実施態様では、アルファヘリックス推進アミノ酸はアルファアルファ二置換アミノ酸、例えばAIBである。
本開示のいくつかの又はいずれかの実施態様では、GIPアゴニストペプチドは、本来のグルカゴン(配列番号:1)と同様なアミノ酸配列を含み、さらに少なくとも1つのアルファヘリックス推進アミノ酸を当該ペプチドアナローグの16−21位の1つ以上(例えば16、17、18、19、20、21位の1つ以上)に含む。いくつかの又はいずれかの実施態様では、ペプチドアナローグは、16、17、20及び21位の1つ、2つ、3つ又は全てにアルファヘリックス推進アミノ酸を含む。
いくつかの又はいずれかの実施態様では、アルファヘリックス推進アミノ酸はアルファアルファ二置換アミノ酸である。具体的な実施態様では、アルファアルファ二置換アミノ酸は、R1及びR2を含み、その各々はアルファ炭素に結合し、ここでR1及びR2の各々はそれぞれ別個に、C1−C4アルキル(場合によってヒドロキシル、アミド、チオール、ハロで置換される)から成る群から選択されるか、又はR1及びR2はそれらが結合するアルファ炭素と一緒になって環を形成する(例えばC3−C8環)。例示的な実施態様では、R1及びR2の各々は、メチル、エチル、プロピル及びn-ブチルから成る群から選択されるか、又はR1及びR2は一緒になってシクロオクタン又はシクロヘプタン(例えば1-アミノシクロオクタン-1-カルボン酸)を形成する。例示的な実施態様では、R1及びR2は同じものである。他の実施態様では、R1はR2と異なる。例示的な特徴では、R1及びR2の各々はC1−C4アルキルである。いくつかの特徴では、R1及びR2の各々はC1又はC2アルキルである。例示的な実施態様では、R1及びR2の各々はメチルであり、したがってアルファアルファ二置換アミノ酸はアルファ-アミノイソ酪酸(AIB)である。他の例示的実施態様では、アルファアルファ二置換アミノ酸はACPCである。
いくつかの例示的な実施態様では、アルファヘリックス推進アミノ酸は、分子内架橋を介してGIPアゴニストペプチドの別のアミノ酸と結合するアミノ酸である。そのような実施態様では、分子内架橋を介して結合するこれら2つのアミノ酸の各々はアルファヘリックス推進アミノ酸と考えられる。例示的な実施態様では、GIPアゴニストペプチドは1つ又は2つの分子内架橋を含む。例示的な実施態様では、GIPアゴニストペプチドは、少なくとも1つの他のアルファヘリックス推進アミノ酸(例えばアルファアルファ二置換アミノ酸)との協力下にある1つの分子内架橋を含む。
いくつかの実施態様では、分子内架橋は、GIPアゴニストペプチドの2つの部分を非共有結合(例えばファンデルワールス力、水素結合、イオン結合、疎水性相互作用、双極-双極相互作用などを含む)を介して結びつける架橋である。これに関しては、グルカゴンアナローグは分子内非共有結合架橋を含む。いくつかの実施態様では、分子内非共有結合架橋は塩架橋である。
いくつかの実施態様では、分子内架橋は、GIPアゴニストペプチドの2つの部分を共有結合により結び付ける架橋である。これに関しては、GIPアゴニストペプチドは分子内共有結合架橋を含む。
他の実施態様では、分子内架橋は、2アミノ酸離れた2つのアミノ酸の間で形成される(例えばj位のアミノ酸とj+3位のアミノ酸、ここでjは12から26の間の任意の整数(例えば12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、123、24、25及び26)である)。いくつかの具体的な実施態様では、jは17である。具体的な実施態様(j位とj+3位のアミノ酸が分子内架橋によって結合される)では、リンカーのサイズは約6原子又は約5−7原子である。
さらに他の実施態様では、分子内架橋は、6アミノ酸離れた2つのアミノ酸の間で形成される(例えばk位のアミノ酸とk+7位のアミノ酸、ここでkは12から22の間の任意の整数(例えば12、13、14、15、16、17、18、19、20、21及び22)である)。いくつかの具体的な実施態様では、kは12、13又は17である。例示的な実施態様では、kは17である。
結合(共有結合又は非共有結合)して6原子結合架橋を形成することができるアミノ酸対合の例にはOrnとAsp、Gluと式Iのアミノ酸(式中nは2)、及びホモグルタミン酸と式Iのアミノ酸(式中nは1)が含まれ、ここで式Iは下記である:
式中、nは1から4である。
いくつかの実施態様では、分子内非共有結合架橋は疎水性架橋である。ある実施態様にしたがえば、アナローグのアルファヘリックスは、j位とj+3位又はi位とi+4位に疎水性アミノ酸を取り込むことによって安定化される。例えば、iはTyrでi+4はVal又はLeuのどちらか;iはPheでi+4はMet;又はiはPheでi+4はIleであり得る。本明細書の目的のためには、上記のアミノ酸対合は逆にでき、したがってi位に示したアミノ酸はまた別にi+4に位置することができ、一方i+4のアミノ酸はi位に位置することができることは理解されよう。さらに、適切なアミノ酸対合をjとj+3のために形成できることもまた理解されよう。
いくつかの実施態様では、分子内共有結合架橋はラクタム環又はラクタム架橋である。ラクタム環のサイズはアミノ酸側鎖の長さにしたがって変動することがあり、ある実施態様では、ラクタムは、オルニチンの側鎖をアスパラギン酸の側鎖に結合させることによって形成される。ラクタム架橋及び前記を作成する方法は当業界で公知である。例えば以下(Houston, Jr., et al., J Peptide Sci 1: 274-282, 2004)及び本明細書の実施例1を参照されたい。いくつかの実施態様では、アナローグは、配列番号:1の改変配列及びiとi+4の間のラクタム架橋を含む(iは上記に定義したとおりである)。いくつかの実施態様では、GIPアゴニストペプチドは以下の2つのラクタム架橋を含む:1つは16位のアミノ酸と20位のアミノ酸の間、もう1つは17位のアミノ酸と21位のアミノ酸の間。いくつかの実施態様では、GIPアゴニストペプチドは1つのラクタム架橋及び1つの塩架橋を含む。さらに別の例示的な実施態様は、本明細書の“実施例”のセクションに記載される。さらに別の実施態様は、場合によってラクタム架橋を伴う以下の対合を含む:12位のGluと16位のLys;12位の本来のLysと16位のGlu;16位のGluと20位のLys;16位のLysと20位のGlu;20位のGluと24位のLys;20位のLysと24位のGlu;24位のGluと28位のLys;24位のLysと28位のGlu。
いくつかの実施態様では、分子内共有結合架橋はラクトンである。ラクトン架橋を作成する適切な方法は当業界では公知である。例えば以下を参照されたい:Sheehan et al., J Am Chem Soc 95: 875-879, 1973。
いくつかの実施態様では、i位とi+7位の2つのGlu残基の間のα,ω-ジアミノアルカン鎖(例えば1,4-ジアミノプロパン及び1,5-ジアミノペンタン)を用いてアナローグのアルファヘリックスを安定化させる。そのような鎖は、ジアミノアルカン鎖の長さに応じて長さが9原子以上の架橋の形成をもたらす。そのような鎖により架橋されたペプチドを生成する適切な方法は当業界で報告されている。例えば以下を参照されたい:Phelan et al., J. Am. Chem. Soc. 119: 455-460, 1997。
さらに他の実施態様では、ジスルフィド架橋が、アナローグのアルファヘリックスの1つ又は2つのターンを架橋するために用いられる。また別には、一方又は両方の硫黄原子がメチレン基で置換され同配体の大環形成をもたらす改変ジスルフィド架橋がアナローグのアルファヘリックスの安定化に用いられる。ジスルフィド架橋を有する改変ペプチド又は硫黄による環化の適切な方法は例えば以下に記載されている:Jackson et al., J. Am. Chem. Soc. 113: 9391-9392, 1991;及びRudinger and Jost, Experientia 20: 570-571, 1964。
GIPアゴニストペプチドのアルファヘリックスはまた別に他のペプチド環化手段を介して安定化できる。前記手段は以下で概説されている:Davies, J. Peptide. Sci. 9: 471-501, 2003。アルファヘリックスは、アミド架橋、チオエーテル架橋、チオエステル架橋、尿素架橋、カルバメート架橋、スルホンアミド架橋などの形成を介して安定化できる。例えば、チオエステル架橋はC-末端とCys残基の側鎖との間で形成できる。また別には、チオエステルは、チオール(Cys)及びカルボン酸(例えばAsp、Glu)を有するアミノ酸の側鎖を介して形成できる。別の方法では、架橋剤によって、例えばジカルボン酸(例えばスベリン酸(オクタンジオン酸(octanedioic acid))など)、アミノ酸側鎖の2つの官能基(例えば遊離アミノ、ヒドロキシル、チオール基及び前記の組合せ)の間に結合を導入できる。
以下で提供されるものは、本開示のグルカゴンアナローグに関する追加事項である。本明細書で考察するように、以下に記載するアミノ酸の位置は、配列番号:1のアミノ酸の番号付与に対応して言及される。さらにまた、以下の記載は本来のヒトグルカゴン(配列番号:1)と対比して、例えば配列番号:1の改変が考察されるが、これらの記載は、(i)そのような改変が本開示のペプチドの全てに存在することを必ずしも意味せず、さらに(ii)本開示のペプチドを作製する方法のみが本来のヒトグルカゴンを用いて開始可能であること及び当該配列を改変可能であることを必ずしも意味しない。そうではなくて、以下の記載は、本開示のグルカゴンアナローグのいくつかの実施態様を説明するために提供され、本開示のペプチドは、“ペプチドの製造方法”という表題のセクションでさらに説明するように、出発材料として本来のヒトグルカゴンを利用することなくde novoに製造することができる。
いくつかの実施態様では、グルカゴンアナローグは、配列番号:1と対比して1位にアミノ酸改変を含む。例えばグルカゴンアナローグは、1位にHisではないアミノ酸を含む。例示的な特徴では、グルカゴンアナローグは1位に大きな芳香族アミノ酸を含む。例示的な実施態様では、大きな芳香族アミノ酸は、Tyr、Phe、アミノ-Phe(例えば4-アミノ-Phe)、クロロ-Phe、スルホ-Phe、4-ピリジル-Ala、メチル-Tyr、又は3-アミノTyrである。
式中、R1及びR2の各々はそれぞれ別個に、H、(C1-6)アルキル、O(C1-6)アルキル、(C1-6)アルキル-OH、F、及び少なくとも1つのHがFで置換されている(C1-C6)アルキルから成る群から選択される。
さらに他の特徴では、1位のアミノ酸は、本明細書に記載するように、DPP-IV保護アミノ酸である。いくつかの特徴では、DPP-IV保護アミノ酸はHisの誘導体である。
いくつかの実施態様では、本開示のペプチドは2位にDPP-IV保護アミノ酸を含む。本明細書で用いられるように、“DPP-IV保護アミノ酸”という用語は、ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP-IV)切断に対し本開示のペプチドの実質的な耐性を達成するアミノ酸を指す。いくつかの特徴では、DPP-IV保護アミノ酸はD-セリン、D-アラニン、バリン、グリシン、N-メチルセリン、N-メチルアラニン又はアルファ、アミノイソ酪酸(AIB)の1つである。いくつかの特徴では、DPP-IV保護アミノ酸はα,α-二置換アミノ酸である。いくつかの特徴では、α,α-二置換アミノ酸はR1及びR2を含み(その各々はアルファ炭素に結合する)、ここでR1及びR2の各々はそれぞれ別個に、C1−C4アルキル(場合によってヒドロキシル、アミド、チオール、ハロで置換される)から成る群から選択されるか、又はR1及びR2はそれらが結合するアルファ炭素と一緒になって環を形成する。いくつかの特徴では、α,α-二置換アミノ酸は、AIB又は1-アミノシクロプロパン-1-カルボキシレート(ACPC)である。
本明細書で用いられる“C1-Cnアルキル”(nは1から6であり得る)という用語は1から指定の数の炭素原子を有する分枝又は線状アルキル基を表す。典型的な C1-C6アルキルにはメチル、エチル、n-プロピル、iso-プロピル、ブチル、iso-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシルなどが含まれるが、ただしこれらに限定されない。
例示的実施態様では、DPP-IV保護アミノ酸はSerのD-異性体(D-Ser)又はその保存的アミノ酸置換である。例えば、DPP-IV保護アミノ酸は-(C1-C4アルキル)OHの側鎖構造を含むことができる。場合によって、側鎖構造が-(C3アルキル)OH又は-(C4アルキル)OHを含むとき、炭素鎖は直鎖でも分枝していてもよい。
例示的な特徴では、DPP-IV保護アミノ酸がD-Serで、1位のアミノ酸がHisであるとき、GIPアゴニストペプチドは、異種成分、例えば親水性成分(例えばPEG)と連結されない。本開示の他の特徴では、DPP-IV保護アミノ酸はD-セリンではない。
いくつかの実施態様では、グルカゴンアナローグは、3位に酸性、塩基性又は疎水性アミノ酸残基を含む。いずれの特定の理論にも拘束されないが、そのようなグルカゴンアナローグはグルカゴンレセプター活性の低下を示す。いくつかの実施態様では、酸性、塩基性又は疎水性アミノ酸はグルタミン酸、オルニチン、ノルロイシンである。例えばグルタミン酸、オルニチン又はノルロイシンで置換されたグルカゴンアナローグは、いくつかの特徴では、当該グルカゴンレセプターで本来のグルカゴンの活性の約10%以下、例えば約1−10%、又は約0.1−10%、又は約0.1%より高いが約10%より低い活性を有する。いくつかの実施態様では、グルカゴンアナローグは、本来のグルカゴンの活性の約0.5%、約1%又は約7%を示す。
式中、R1はC0-3アルキル又はC0-3ヘテロアルキルであり;R2はNHR4又はC1-3アルキルであり;R3はC1-3アルキルであり;R4はH又はC1-3アルキルであり;XはNH、O又はSであり;さらにYはNHR4、SR3又はOR3である。いくつかの実施態様では、XはNHであるか、又はYはNHR4である。いくつかの実施態様では、R1はC0-2アルキル又はC1ヘテロアルキルである。いくつかの実施態様では、R2はNHR4又はC1アルキルである。いくつかの実施態様では、R4はH又はC1アルキルである。例示的な実施態様では、構造Iの側鎖を含むアミノ酸は、R1がCH2-SでありXがNHであり、さらにR2がCH3 である場合(アセトアミドメチル-システイン、C(Acm));R1がCH2であり、XがNHであり、さらにR2がCH3である場合(アセチルジアミノブタン酸、Dab(Ac));R1がC0アルキルであり、XがNHであり、R2がNHR4であり、さらにR4がHである場合(カルバモイルジアミノプロパン酸、Dap(尿素));又はR1がCH2-CH2であり、XがNHであり、さらにR2がCH3である場合(アセチルオルニチン、Orn(Ac))に提供される。例示的な実施態様では、構造IIの側鎖を含むアミノ酸は、R1がCH2であり、YがNHR4であり、さらにR4がCH3である場合(メチルグルタミン、Q(Me))に提供される。例示的な実施態様では、構造IIIの側鎖を含むアミノ酸は、R1がCH2であり、さらにR4がHである場合(メチオニン-スルホキシド、M(O))に提供される。具体的な実施態様では、3位のアミノ酸はDab(Ac)で置換される。
いくつかの実施態様では、グルカゴンアナローグは、配列番号:1と対比して7位のアミノ酸の改変を含み、例えばグルカゴンアナローグは、Thr以外のアミノ酸を7位に含む。いくつかの特徴では、7位のアミノ酸は大きな脂肪族アミノ酸、例えばIle、Leu、Alaなどである。特定の理論に拘束されないが、7位にそのようなアミノ酸を含むグルカゴンアナローグは、GLP-1レセプターで劇的な活性の低下を示すと考えられる。
9位:
いくつかの実施態様では、グルカゴンアナローグは、配列番号:1と対比して9位のアミノ酸の改変を含み、例えばグルカゴンアナローグは、9位にAsp以外のアミノ酸を含む。いくつかの実施態様では、グルカゴンアナローグは、Asp以外の陰性荷電アミノ酸、例えばGlu、ホモグルタミン酸、システイン酸、ホモシステイン酸を含む。いくつかの特徴では、9位のアミノ酸は、本明細書で考察するようにアシル化アミノ酸又はアルキル化アミノ酸である。
10位:
いくつかの実施態様では、グルカゴンアナローグは、配列番号:1と対比して10位のアミノ酸の改変を含み、例えばグルカゴンアナローグは、Tyr以外のアミノ酸を10位に含む。いくつかの特徴では、10位のアミノ酸はTrpである。特定の理論に拘束されないが、10位にそのようなアミノ酸を含むグルカゴンアナローグは、10位にTyrを有する対応するペプチドと比較して、GIPレセプター、GLP-1レセプター及び/又はグルカゴンレセプターにおいて活性の低下を示さないと考えられる。
いくつかの実施態様では、グルカゴンアナローグは、本明細書で考察するように、アシル化アミノ酸又はアルキル化アミノ酸を含む。
いくつかの実施態様では、グルカゴンアナローグは、配列番号:1と対比して12位のアミノ酸の改変を含み、例えばグルカゴンアナローグは、Lys以外のアミノ酸を12位に含む。いくつかの特徴では、12位のアミノ酸は大きな脂肪族の非極性アミノ酸、場合によってイソロイシンである。いくつかの特徴では、12位のアミノ酸はArgである。特定の理論に拘束されないが、大きな脂肪族の非極性アミノ酸、例えばIleを含むグルカゴンアナローグは、GIPレセプターで活性の強化を示す。いくつかの実施態様では、グルカゴンアナローグは、本明細書で考察するように、アシル化アミノ酸又はアルキル化アミノ酸を含む。
15位:
いくつかの実施態様では、グルカゴンアナローグは、配列番号:1と対比して15位のアミノ酸の改変を含み、例えばグルカゴンアナローグは、Asp以外のアミノ酸を15位に含む。いくつかの特徴では、15位のアミノ酸は欠失するか、又はグルタミン酸、ホモグルタミン酸、システイン酸又はホモシステイン酸である。特定の理論に拘束されないが、そのようなグルカゴンアナローグは、時間の経過中に、特に酸性又はアルカリ性緩衝液(例えば5.5から8の範囲内のpHの緩衝液)中で、例えばアナローグの分解又は切断を減少させることによって安定性の改善を示す。いくつかの実施態様では、前記改変を含むグルカゴンアナローグは、25℃で24時間後に最初のアナローグの少なくとも75%、80%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%を保持する。
いくつかの実施態様では、グルカゴンアナローグは、配列番号:1と対比して16位のアミノ酸の改変を含み、例えばグルカゴンアナローグは、Ser以外のアミノ酸を16位に含む。いくつかの実施態様では、16位のアミノ酸は、グルタミン酸、又は4原子の長さの側鎖を有する別の陰性荷電アミノ酸、また別にはグルタミン、ホモグルタミン酸又はホモシステイン酸いずれか1つ、又は少なくとも1つの異原子(例えばN、O、S、P)を含む側鎖を有し、さらに側鎖の長さが約4(又は3−5)原子である荷電アミノ酸である。いくつかの実施態様では、グルカゴンアナローグは、16位にグルタミン酸、グルタミン、ホモグルタミン酸、ホモシステイン酸、スレオニン又はグリシンから成る群から選択されるアミノ酸を含むか、又はグルタミン酸、グルタミン、ホモグルタミン酸、ホモシステイン酸から成る群から選択されるアミノ酸を含む。
特定の理論に拘束されないが、そのようなグルカゴンアナローグは、時間の経過中に、特に酸性又はアルカリ性緩衝液(例えば5.5から8の範囲内のpHの緩衝液)中で、例えばペプチドの分解を減少させることによって安定性の強化を示す。そのようなグルカゴンアナローグは、Asp15-Ser16ペプチド結合の切断に対する感受性を低下させる。
いくつかの実施態様では、16位のアミノ酸は陰性荷電アミノ酸で、場合によって20位のアルファヘリックス推進アミノ酸(アルファアルファ二置換アミノ酸又はAIB)と協力する。そのようなグルカゴンアナローグはGIP活性を示す。
また別の実施態様では、グルカゴンアナローグは、Thr又は上記に記載するようにアルファヘリックス推進アミノ酸を16位に含む。いくつかの実施態様では、アルファヘリックス推進アミノ酸はAIB又はGluである。
式中、nは、1から16、又は1から10、又は1から7、又は 1から6、又は2から6、又は2若しくは3若しくは4若しくは5であり、R1及びR2の各々は、それぞれ別個にH、C1-C18アルキル、(C1-C18 アルキル)OH、(C1-C18アルキル)NH2、(C1-C18アルキル)SH、(C0-C4アルキル)(C3-C6)シクロアルキル、(C0-C4アルキル)(C2-C5複素環)、(C0-C4アルキル)(C6-C10アリール)R7、及び(C1-C4アルキル)(C3-C9ヘテロアリール)から成る群から選択され、ここでR7はH又はOH、Lysである。
さらに別の実施態様では、16位のアミノ酸は、本明細書の“連結物”の表題のセクションに記載されているように、異種成分と連結した側鎖を含むアミノ酸である。
いくつかの実施態様では、グルカゴンアナローグは、配列番号:1と対比して17位及び18位のどちらか又は両方にアミノ酸改変を含み、17位及び18位の二塩基性Arg-Arg部位が除去される。いくつかの実施態様では、グルカゴンアナローグは、17位及び18位の一方又は両方でArg以外のアミノ酸を含む。いずれの特定の理論にも拘束されないが、二塩基性部位の除去はグルカゴンアナローグのin vivo有効性を改善すると考えられる。いくつかの特徴では、17位のアミノ酸は塩基性アミノ酸ではない。いくつかの特徴では、17位のアミノ酸は脂肪族アミノ酸である。いくつかの実施態様では、17位のアミノ酸は、本明細書に記載の別のアミノ酸、例えば疎水性成分を含むアミノ酸、アルファヘリックス推進アミノ酸で置換される。いくつかの実施態様では、アルファヘリックス推進アミノ酸は、j+3又はi+4のアミノ酸と分子内非共有結合架橋を形成する。いくつかの実施態様では、17位のアミノ酸はGlnである。
いくつかの特徴では、18位のアミノ酸は塩基性アミノ酸ではない。いくつかの特徴では、18位のアミノ酸は脂肪族アミノ酸である。いくつかの実施態様では、18位のアミノ酸は小さな脂肪族アミノ酸、例えばAlaである。
いくつかの具体的な特徴では、18位のアミノ酸は小さな脂肪族アミノ酸、例えばAlaであり、17位のアミノ酸はArgである。他の特徴では、18位のアミノ酸は小さな脂肪族アミノ酸、例えばAlaであり、さらに17位のアミノ酸はGlnである。
いくつかの特徴では、17位のアミノ酸は、本明細書の“連結物”の表題のセクションに記載されているように、異種成分と連結した側鎖を含むアミノ酸である。
いくつかの実施態様では、グルカゴンアナローグは、配列番号:1と対比して20位にアミノ酸改変を含む。例えば20位のアミノ酸はGln以外のアミノ酸である。いくつかの特徴では、20位のアミノ酸は、上記に記載のアルファヘリックス推進アミノ酸である。いくつかの特徴では、20位のアミノ酸は、アルファアルファ二置換アミノ酸、例えばAIB、ACPCである。いくつかの実施態様では、アルファヘリックス推進アミノ酸は、j−3又はi−4のアミノ酸と分子内非共有結合架橋を形成する、
いくつかの具体的な実施態様では、アミノ酸は、荷電されているか又は水素結合の能力を有する側鎖をもち、さらに長さが少なくとも約5(又は4−6)原子である疎水性アミノ酸、例えばリジン、シトルリン、アルギニン又はオルニチンである。他の特徴では、20位のアミノ酸はSer、Thr、Ala又はAIBである。
いくつかの特徴では、20位のアミノ酸は、本明細書で考察されるようにアシル化アミノ酸又はアルキル化アミノ酸である。
いくつかの特徴では、20位のアミノ酸は、本明細書の“連結物”の表題のセクションに記載されているように、異種成分と連結した側鎖を含むアミノ酸である。
特定の理論に拘束されないが、そのようなグルカゴンアナローグは、GLP-1レセプター及び/又はGIPレセプターでの活性の強化を示すか、又はGlnの脱アミド化により生じる分解の低下を示し、及び/又は安定の強化を示す。
いくつかの実施態様では、グルカゴンアナローグは、配列番号:1と対比して21位にアミノ酸改変を含む。例えば21位のアミノ酸はAsp以外のアミノ酸である。例示的な特徴では、21位のアミノ酸はSer、Thr、Ala又はAIBである。他の特徴では、21位のアミノ酸はLys、Arg、Orn又はシトルリンである。いくつかの特徴では、21位のアミノ酸はGlu、ホモグルタミン酸又はホモシステイン酸である。いくつかの特徴では、21位のアミノ酸は、本明細書の“連結物”の表題のセクションに記載されているように、異種成分と連結した側鎖を含むアミノ酸である。
いくつかの実施態様では、21位のアミノ酸はアルファヘリックス推進アミノ酸である。いくつかの実施態様では、アルファヘリックス推進アミノ酸は、j−3又はi−4と分子内非共有結合架橋を形成する。
特定の理論に拘束されないが、そのようなグルカゴンアナローグは、Aspの脱水による分解によって生じる分解の低下を示し、環状スクシンイミド中間体を形成してその後のイソアスパルテートへの異性化をもたらすか、及び/又は安定性の増加を示す。
23位:
いくつかの特徴では、グルカゴンアナローグは、配列番号:1と対比して23位にアミノ酸改変を含む。いくつかの特徴では、23位のアミノ酸はVal以外のアミノ酸(Ileを含むがただし前記に限定されない)である。
24位:
いくつかの特徴では、グルカゴンアナローグは、配列番号:1と対比して24位にアミノ酸改変を含む。いくつかの特徴では、24位のアミノ酸はGln以外のアミノ酸、例えばAla、Asn、Cysである。いくつかの特徴では、24位のアミノ酸は、本明細書の“連結物”の表題のセクションに記載されているように、異種成分と連結した側鎖を含むアミノ酸である。
いくつかの特徴では、グルカゴンアナローグは、配列番号:1と対比して27位にアミノ酸改変を含む。いくつかの特徴では、27位のアミノ酸はMet以外のアミノ酸である。いくつかの実施態様では、グルカゴンアナローグは、ペプチドの酸化的分解を防ぐアミノ酸を27位に含む。いくつかの特徴では、27位のアミノ酸は、メチオニンスルホキシド、ロイシン、イソロイシン又はノルロイシンである。いくつかの具体的な実施態様では、27位のアミノ酸はロイシン又はノルロイシンである。
他の特徴では、27位のアミノ酸は、脂肪族アミノ酸(例えばGly、Ala、Val、Leu、Ile)、又は本明細書に記載の式IVのアミノ酸(例えばLys)である。例示的な実施態様では、27位のアミノ酸はVal又はLysである。特定の理論に拘束されないが、そのようなアミノ酸改変はグルカゴン活性を低下させる。
28位:
いくつかの特徴では、グルカゴンアナローグは、配列番号:1と対比して28位にアミノ酸改変を含む。いくつかの特徴では、28位のアミノ酸はAsn以外のアミノ酸である。いくつかの特徴では、28位のアミノ酸はAla、Ser、Thr又はAIBである。いくつかの特徴では、28位のアミノ酸は、荷電アミノ酸、例えば本明細書でさらに説明するように陰性荷電アミノ酸である。“荷電C-末端”の表題のセクションを参照されたい。いくつかの特徴では、28位のアミノ酸はAspである。
例示的な特徴では、28位のアミノ酸は、本明細書に記載の式IVのアミノ酸である。例示的実施態様のアミノ酸はLysである。いずれの特定の理論にも拘束されないが、そのようなアミノ酸改変はグルカゴン活性を低下させる。
29位:
いくつかの特徴では、グルカゴンアナローグは、配列番号:1と対比して29位にアミノ酸改変を含む。いくつかの特徴では、29位のアミノ酸はThr以外のアミノ酸である。いくつかの特徴では、29位のアミノ酸はGlyである。いくつかの特徴では、29位のアミノ酸はAlaである。
いくつかの特徴では、29位のアミノ酸は、本明細書の“連結物”の表題のセクションに記載されているように、異種成分と連結した側鎖を含むアミノ酸である。
いくつかの実施態様では、グルカゴンアナローグは、配列番号:1と対比して、当該アナローグのC-末端部分に荷電アミノ酸を導入する、1つ以上のアミノ酸置換及び/又はアミノ酸付加を含む。いくつかの実施態様では、そのような改変は安定性及び可溶性を強化する。本明細書で用いられる“荷電アミノ酸”又は“荷電残基”という用語は、生理学的pHの水溶液中で陽性荷電若しくは陰性荷電(すなわち脱プロトン化)又は陽性荷電(すなわちプロトン化)を有する側鎖を含むアミノ酸を指す。いくつかの特徴では、荷電アミノ酸改変を導入するこれらのアミノ酸置換及び/又はアミノ酸付加は、配列番号:1のC-末端から27位の位置で生じる。いくつかの実施態様では、1つ、2つ又は3つの(及びいくつかの事例では4つ以上の)荷電アミノ酸が、C-末端部分内(例えばC-末端から27位までの位置)に導入される。いくつかの実施態様にしたがえば、28位及び/又は29位の本来のアミノ酸が荷電アミノ酸で置換され、及び/又はさらに別の実施態様では1つから3つの荷電アミノ酸がまた当該アナローグのC-末端に付加される。例示的な実施態様では、荷電アミノ酸の1つ、2つ又は全てが陰性荷電を有する。いくつかの実施態様の陰性荷電アミノ酸は、アスパラギン酸、グルタミン酸、システイン酸、ホモシステイン酸又はホモグルタミン酸である。いくつかの特徴では、これらの改変は可溶性又は安定性を高める。いくつかの特徴では、30位は荷電アミノ酸ではない。特定の理論に拘束されないが、荷電アミノ酸(例えば陰性荷電アミノ酸、例えばGlu)はGIP活性を低下させる。
いくつかの実施態様にしたがえば、本明細書で開示するグルカゴンアナローグは、C-末端の1つ又は2つのアミノ酸の切断によって改変される。そのような改変グルカゴンペプチドは、グルカゴンレセプター及びGLP-1レセプターで同様な活性及びポテンシーを保持する。これに関しては、本グルカゴンペプチドは、本来のグルカゴンアナローグ(配列番号:1)のアミノ酸1−27又は1−28(場合によって本明細書に記載の追加の改変のいずれかを有する)を含むことができる。
中性荷電のC-末端:
いくつかの実施態様では、グルカゴンアナローグは、配列番号:1と対比して、中性荷電基(例えばアミド又はエステル)をアルファカルボキシレートの代わりにC-末端に含む。いずれの特定の理論にも拘束されないが、例示的特徴におけるそのような改変は、当該グルカゴンアナローグのGLP-1レセプターでの活性を高める。したがって、いくつかの実施態様では、グルカゴンアナローグは、アミド化ペプチドであり、したがってC-末端残基はアミノ酸のアルファカルボキシレートの代わりにアミドを含む。本明細書で用いられる、ペプチド又はアナローグについて一般的に言及するとき、改変されたアミノ末端、カルボキシ末端又はアミノ及びカルボキシ末端の両方を有するペプチドを包含することを意図する。例えば、末端のカルボン酸の代わりにアミド基を含むアミノ酸鎖は、標準的なアミノ酸と称されるアミノ酸配列に包含されることが意図される。
本開示のいくつかの実施態様では、グルカゴンアナローグは、29位のアミノ酸に融合した1−21アミノ酸のC-末端伸長を含む。C-末端伸長は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20又は21アミノ酸を含む。いくつかの特徴では、C-末端伸長は、下記の“連結物”のセクションに記載する異種ペプチドのいずれかである。例えば、いくつかの特徴では、伸長はTrpケージ構造を形成するアミノ酸配列を含み、例えば伸長はGPSSGAPPPS(配列番号:5)のアミノ酸配列又はその保存的置換配列を含む。また別の特徴では、1から21アミノ酸の伸長は少なくとも1つの荷電アミノ酸を含む。例示的な特徴では、伸長はX1-X2のアミノ酸配列を含み、ここでX1は荷電アミノ酸であり、X2は小さな脂肪族アミノ酸である。いくつかの特徴では、X1は陽性荷電アミノ酸(例えばArg)である。いくつかの特徴では、伸長はArg-Glyを含む。
いくつかの実施態様では、伸長は、配列番号:5(GPSSGAPPPS)、配列番号:6(GGPSSGAPPPS)、配列番号:7(KRNRNNIA)又は配列番号:8(KRNR)のアミノ酸配列を含む。具体的な特徴では、アミノ酸配列は、グルカゴンアナローグのC-末端アミノ酸(例えば29位のアミノ酸)を介して結合される。いくつかの実施態様では、配列番号:5−8のいずれかのアミノ酸配列はグルカゴンアナローグのアミノ酸29とペプチド結合により結合される。いくつかの具体的な実施態様では、グルカゴンアナローグの29位のアミノ酸はGlyであり、前記Glyは配列番号:5−8のいずれかのアミノ酸配列の1つと融合する。
例示的な特徴では、グルカゴンアナローグは、当業界でTrpケージとして公知の構造を形成する伸長を含む(例えば以下を参照されたい:Paschek et al., Proc Natl Acad Sci USA 105 (46): 17754-17759, 2008)。いくつかの特徴では、伸長は、GPSSGAPPPS(配列番号:5)又はGGPSSGAPPPS(配列番号:6)又はGPSSGRPPPS(配列番号:183)、又は1つ、2つ、若しくは3つの保存的アミノ酸置換を有する前述の配列の1つの配列を含む。例示的な特徴では、伸長が配列番号:183のアミノ酸配列を含むとき、28位のアミノ酸は陰性荷電アミノ酸(例えばAsp又はGlu)である。
他の改変:
配列番号:1に対比して、本開示のグルカゴンアナローグのさらに他の改変の記載は本出願を通して見出される。上記の列挙は包括的なものではなく、単なる例示である。
いくつかの実施態様では、本明細書に記載するグルカゴンアナローグは、グリコシル化、アミド化、カルボキシル化、リン酸化、エステル化、N-アシル化、環化(例えばジスルフィド架橋による)されるか、又は塩に変換され(例えば酸性塩、塩基性付加塩)、及び/又はダイマー化、マルチマー化又は重合化され、又は連結される。
本開示のグルカゴンアナローグは、国際特許出願PCT US2009/47447(2009年6月16日出願);米国特許出願61/073,274(2008年6月17日出願);米国特許出願61/078,171(2008年7月3日出願);米国特許出願61/090,448(2008年8月20日);米国特許出願61/151,349(2009年2月10日);米国特許出願61/187,578(2009年6月16日);国際特許出願PCT/US2010-038825(2010年6月16日出願)(前記文献の内容はその全体が参照により本明細書に含まれる)に記載されたGIPレセプターアゴニスト活性を示すグルカゴンアナローグとは構造的に別個である。したがって、いずれかの又は全ての実施態様で、本開示のグルカゴンアナローグは、国際特許出願PCT/US2009/47447(2009年6月17日出願、さらにWO2010/011439として公開)、米国特許出願61/073,274(2008年6月17日出願)、米国特許出願61/078,171(2008年7月3日出願)、;米国特許出願61/090,448(2008年8月20日);米国特許出願61/151,349(2009年2月10日);米国特許出願61/187,578(2009年6月16日);国際特許出願PCT/US2010-038825(2010年6月16日出願、さらにWO2010/148089として公開)、米国特許出願61/298,812(2010年1月27日出願)、又は国際特許出願PCT/US2011/022608(2011年1月26日出願、さらにWO2011/094337として公開)に記載されたグルカゴンアナローグ又はペプチドのいずれでもない。例示的な実施態様では、本開示のペプチド、グルカゴンペプチド、又はグルカゴンアナローグは、WO2010/011439の配列番号:1−262、WO2010/148089の配列番号:1−680、又はPCT/US2011/022608の配列番号:1−1318のペプチドの任意の1つでもなく又はそのいずれでもない(すなわち前記は除外される)。
例示的な実施態様では、本開示のペプチドは、(i)イミダゾール側鎖を含む1位のアミノ酸、(ii)2位のDPP-IV保護アミノ酸、(iii)場合によって9、10、12、16、20又は37−43位のいずれかに、アシル化アミノ酸又はアルキル化アミノ酸(場合によって前記アシル基又はアルキル基はスペーサーを介してアミノ酸に結合される)、(iv)16−21位の1つ以上にアルファヘリックス安定化アミノ酸、及び(v)配列番号:1と対比して10までのさらに別のアミノ酸改変を含むグルカゴン(配列番号:1)のアナローグであり、ここで、グルカゴンアナローグが異種成分、例えば親水性成分(例えばPEG)と連結されないとき、当該グルカゴンアナローグは、GIPレセプターで本来のGIP活性の少なくとも又は約0.1%(例えば少なくとも又は約1%、少なくとも又は約10%、少なくとも又は約50%、少なくとも又は約80%、少なくとも又は約100%、少なくとも又は約500%)を示す。
式中、R1及びR2の各々はそれぞれ別個に、H、(C1-6)アルキル、O(C1-6)アルキル、(C1-6)アルキル-OH、F、及び少なくとも1つのHがFで置換されている(C1-C6)アルキルから成る群から選択される。
いくつかの特徴ではグルカゴンアナローグは、16、17、18、19、20又は21位のいずれかにアルファヘリックス安定化アミノ酸を含む。いくつかの特徴では、グルカゴンアナローグは、16、17、18、19、20又は21位の1つ、2つ、3つ、4つ、5つ又は全てにアルファヘリックス安定化アミノ酸を含む。例示的な特徴では、グルカゴンアナローグは、16、17、20及び21位にアルファヘリックス安定化アミノ酸を含む。いくつかの特徴では、グルカゴンアナローグは、16及び20位にアルファヘリックス安定化アミノ酸を含む。また別の或いは追加の特徴では、グルカゴンアナローグは、17及び21位にアルファヘリックス安定化アミノ酸を含む。
したがって、例示的な実施態様では、グルカゴンアナローグは、(i)イミダゾール側鎖を含む1位のアミノ酸、(ii)2位のDPP-IV保護アミノ酸、(iii)場合によって9、10、12、16、20又は37−43位のいずれかに、本来のものではないアシル基又はアルキル基を含むアミノ酸(場合によって前記本来のものではないアシル基又はアルキル基はスペーサーを介してそのようなアミノ酸に結合される)、(iv)20位のアルファアルファ二置換アミノ酸、及び(v)配列番号:1と対比して10まで(例えば1、2、3、4、5、6、7、8又は9)のさらに別のアミノ酸改変を含む。
例示的な実施態様では、グルカゴンアナローグが20位にアルファアルファ二置換アミノ酸を含むとき、当該α,α-二置換アミノ酸は、その各々がアルファ炭素と結合するR1及びR2を含み、ここでR1及びR2の各々は、それぞれ別個にC1-C4アルキル(場合によってヒドロキシル、アミド、チオール、ハロで置換される)から成る群から選択されるか、又はR1及びR2は、それらが結合しているアルファ炭素と一緒になって環を形成する。例示的な実施態様では、20位のα,α-二置換アミノ酸はAIBである。さらにまた例示的な実施態様では、グルカゴンアナローグが20位にアルファアルファ二置換アミノ酸を含むとき、16位のアミノ酸はAIB以外のアルファヘリックス安定化アミノ酸である。例示的な特徴では、16位のアミノ酸は、荷電アミノ酸、場合によって陰性荷電アミノ酸(例えばGlu又はAsp)、又は陽性荷電アミノ酸(例えばLys又はOrn)である。
追加の実施態様では、グルカゴンアナローグが20位にアルファヘリックス安定化アミノ酸を含まないとき、さらに16、17、18、19又は21位の1つ以上がアルファヘリックス安定化アミノ酸であるとき、グルカゴンアナローグは、(i)当該ペプチドアナローグのC-末端から29位のアミノ酸に1から21アミノ酸の伸長を含むか、又は(ii)10、12又は16位にアシル化アミノ酸又はアルキル化アミノ酸が存在する。いくつかの特徴では、グルカゴンアナローグは、当該ペプチドアナローグのC-末端から29位のアミノ酸に1から21アミノ酸の伸長を含み、さらに場合によって29位のアミノ酸はGlyである。いくつかの特徴では、1から21アミノ酸の伸長は本明細書に記載したもののいずれかである。例えば、“C-末端の伸長”の表題のセクションを参照されたい。いくつかの特徴では、伸長は、Trpケージ構造を形成するアミノ酸配列を含む。例えば伸長は、アミノ酸配列GPSSGAPPPS(配列番号:5)又はその保存的置換配列を含む。また別の特徴では、1から21アミノ酸の伸長は少なくとも1つの荷電アミノ酸を含む。例示的特徴では、伸長はX1-X2のアミノ酸配列を含み、ここでX1は荷電アミノ酸であり、X2は小さな脂肪族アミノ酸である。いくつかの特徴では、X1は陽性荷電アミノ酸(例えばArg)である。いくつかの特徴では、伸長はArg-Glyを含む。
例示的実施態様では、アシルは
例示的な特徴では、グルカゴンアナローグは、C-末端から29位のアミノ酸に1から21アミノ酸の伸長を含み、いくつかの特徴では、伸長はTrpケージとして当業界で公知の構造を形成する。いくつかの特徴では、伸長は、アミノ酸配列GPSSGAPPPS(配列番号:5)若しくはGGPSSGAPPPS(配列番号:6)若しくはGPSSGRPPPS(配列番号:183)又は1つ、2つ又は3つの保存的アミノ酸置換を有する前述の配列の1つを含む。また別の特徴では、伸長は、少なくとも1つの荷電アミノ酸を含む。例えば伸長はX1-X2のアミノ酸配列を含み、ここでX1は荷電アミノ酸(例えば陽性荷電アミノ酸(例えばArg))及びX2は小さな脂肪族アミノ酸である。いくつかの特徴では、伸長はArg-Glyを含む。
いくつかの実施態様では、アシル化アミノ酸又はアルキル化アミノ酸は、アミン側鎖を含む芳香族アミノ酸である。例示的な特徴では、アミン側鎖を含む芳香族アミノ酸は4-アミノ-フェニルアラニン(4-アミノPhe)、p-アミノフェニルグリシン、p-アミノホモフェニルアラニン又は3-アミノチロシンである。例示的な特徴では、アミン側鎖を含む芳香族アミノ酸は4-アミノ-Pheである。例示的な特徴では、アシル化アミノ酸又はアルキル化アミノ酸は式IIのアミノ酸であり、nは2である(ホモセリン)。例示的な特徴では、アシル化アミノ酸又はアルキル化アミノ酸はThr又はホモスレオニンである。例示的な実施態様では、アシル化アミノ酸又はアルキル化アミノ酸は、ヒドロキシル側鎖を含む芳香族アミノ酸であり、前記にはチロシン、ホモチロシン、メチル-チロシン又は3-アミノチロシンが含まれるが、ただし前記に限定されない。
いくつかの特徴では、アシル化アミノ酸又はアルキル化アミノ酸は、スペーサーを介してアシル基又はアルキル基に結合する。いくつかの特徴では、スペーサーは長さが3から10原子である。いくつかの特徴では、スペーサーは一アミノ酸又はジペプチドであり、いくつかの特徴では、スペーサーは1つ又は2つの酸性アミノ酸残基、例えばGluを含む。いくつかの特徴では、スペーサー及びアシル基は長さが約14から約28原子である。いくつかの特徴では、スペーサーはLysを含む。いくつかの特徴では、スペーサーは、2つのCys、ガンマ-Glu及びLysの組合せ又は2つのガンマ-Glu残基を含む。
具体的な特徴では、スペーサーはCys残基であり、前記はアルキル基(例えば非官能化又は官能化炭素鎖)と共有結合する。例示的特徴では、Cys残基は、場合によってS-パルミチルアルキル化(すなわちS-パルミテートアルキル化)され、ここでCys残基は、ペプチド骨格の部分であるLys残基に結合する。また別の実施態様では、スペーサーはCysを含むジペプチドであり、前記はアルキル基と共有結合する。例示的特徴では、CysはS-パルミチルアルキル化され、さらにCysはスペーサーの別のアミノ酸と結合し、前記は続いて例えばLys残基(ペプチド骨格の部分である)と結合する。
例示的特徴では、スペーサーは、構造[-O-CH2-CH2-]nを含む小さなポリエチレングリコール成分(PEG)を含む(式中、nは2から16(例えば2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16)の整数である)。
アルキル化アミノ酸に関しては、いくつかの特徴における本来のものではないアルキル基は、-Cx-COOHの構造のカルボキシ-官能化炭素鎖であり、式中xは整数、場合によって4−30の間の整数(例えば4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30)である。
例示的な特徴では、ペプチド又はグルカゴンアナローグは2つ以上のアシル基又はアルキル基を含む。これに関しては、ペプチド又はグルカゴンアナローグは、二アシル化又は二重アシル化ペプチドであり得る。2つ以上のアシル基又はアルキル基は、場合によって介在スペーサーを用いて線状構造で編成できる。2つ以上のアシル基又はアルキル基は、本明細書に記載するように分枝構造で編成できる。例示的な特徴では、2つのアシル基又はアルキル基はLysスペーサー残基と結合する。
また別の或いは追加の特徴では、グルカゴンアナローグは、27位に、28位に又は27位と28位の両方にアミノ酸改変を含む。例えば、いくつかの特徴では、27位のアミノ酸はLeu、Nle、Val又はLysであり、及び/又は29位のアミノ酸はいくつかの特徴ではGly又はThrである。
本明細書に記載のグルカゴンアナローグは本明細書でさらに考察するように、配列番号:1と対比して追加のアミノ酸改変、例えば10(例えば0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10)までの追加のアミノ酸改変を含むことができる。例示的な特徴では、グルカゴンアナローグは以下の1つ以上を含む:
a)ペプチドアナローグの1位にDPP-IV保護アミノ酸;
b)3位に酸性アミノ酸、場合によってGlu;
c)7位にIle;
d)12位にIle又はArg;
e)15位に酸性アミノ酸、場合によってGlu;
f)18位に脂肪族アミノ酸、場合によってAla;
g)21位に酸性アミノ酸、場合によってGlu;
h)24位にAsn、Ala又はAIB;
i)27位に脂肪族アミノ酸、場合によってAla又はLeu又はNle;
j)28位に酸性アミノ酸、場合によってGlu、又は脂肪族アミノ酸、場合によってAla;
k)29位に脂肪族アミノ酸、場合によってAla;
l)C-末端でアミド化。
配列番号:31の配列を含むペプチドはもまた本発明によって提供される。例示的特徴では、ペプチドは配列番号:31から成る。
本発明はさらに配列番号:37の配列を含むペプチドを提供する。例示的特徴では、ペプチドは配列番号:37から成る。
本発明はさらにまた配列番号:89の配列を含むペプチドを提供する。例示的特徴では、ペプチドは配列番号:89から成る。
本発明はさらにまた配列番号:95の配列を含むペプチドを提供する。例示的特徴では、ペプチドは配列番号:95から成る。
本発明はさらにまた配列番号:130の配列を含むペプチドを提供する。例示的特徴では、ペプチドは配列番号:130から成る。
さらにまた、配列番号:31を含むペプチドが本明細書で提供される。例示的特徴では、ペプチドは配列番号:180から成る。
HX2X3GTFTSDX10SKYLDX16RX18AX20X21FVQWLX27X28X29GPSSGX35PPPS(配列番号:184)
式中、
X2はAIBであり;
X3はGln又はGlnアナローグであり;
X10はTyr又はC12からC18のアシル又はアルキル基に共有結合したアミノ酸であり;
X16は任意のアミノ酸、場合によってGly、Pro及びSer以外の任意のアミノ酸であり;
X18はArg又はAlaであり;
X20は陰性荷電アミノ酸又は中性荷電アミノ酸、場合によってAIB又はGlnであり;
X21は酸性アミノ酸、場合によってAsp又はGluであり;
X27はLeu、Ala、Nle、又はMetであり;
X28はAla又は酸性アミノ酸(場合によってAsp又はGlu)であり;
X29はAla又はGlyであり;
X35はAla又は塩基性アミノ酸(場合によってArg又はLys)であり;
ここで、X28が酸性アミノ酸であるとき、X35は塩基性アミノ酸であり;
ここで、X10がTyrであるとき、ペプチドは、C12からC18のアシル又はアルキル基に共有結合したアミノ酸を40位に含み、さらに場合によってペプチドは41位にGlyを含み、
ここで、ペプチドのC-末端アミノ酸はアミド化される。
例示的特徴では、配列番号:184のX20はGlnであり、場合によって16位のアミノ酸は陰性荷電アミノ酸(例えばGlu)である。例示的特徴では、配列番号:184のX18はAlaであり、当該ペプチドはE16、R17、A17、A19及びQ20を含む。
また別の例示的な特徴では、配列番号:184のX20はAIBである。場合によって、配列番号:184のX16はAIB以外の任意のアミノ酸である。
さらにまた例示的特徴では、(i)配列番号:184のX28は酸性アミノ酸(場合によってAsp又はGlu)で、さらに配列番号:184のX35は塩基性アミノ酸(場合によってArg又はLys)であり、(ii)配列番号:184のX27、X28及びX29のただ1つがAlaであり、(iii)ペプチドはC-末端にアミド化Glyを含む。
本発明はまた、配列番号:184と対比して、3つまでのアミノ酸改変(例えば保存的置換)を有する配列番号:184の配列を含むペプチドを提供し、ここでアナローグは、ヒトGIPレセプター、ヒトGLP-1レセプター及びヒトグルカゴンレセプターの各々でアゴニスト活性を示す。例示的実施態様では、グルカゴンアナローグのヒトGIPレセプター、ヒトGLP-1レセプター及びヒトグルカゴンレセプターの各々における活性(例えばEC50)は、互いの活性の100倍以内(例えば50倍以内、25倍以内、10倍以内)である。
HX2QGTFTSDX10SKYLDX16RX18AX20X21FVQWLX27X28X29GPSSGAPPPS(配列番号:185)
式中、
X2はAIBであり;
X10はTyr又はC12からC18のアシル又はアルキル基に共有結合したアミノ酸であり;
X16はGlu、アルファアルファ二置換アミノ酸、Lysであるか、又は
X18はArg又はAlaであり;
X20はAIB又はGlnであり;
X21はAsp又はGluであり;
X27はLeu、Nle、又はMetであり;
X28はAla、Asp又はGluであり;
X29はGly又はThrであり;さらに
ここで、X10がTyrであるとき、ペプチドは、C12からC18のアシル又はアルキル基に共有結合したアミノ酸を40位に含み、さらに場合によってペプチドは41位にGlyを含み、
ここで、ペプチドのC-末端アミノ酸はアミド化される。
本発明はまた、配列番号:185と対比して、3つまでのアミノ酸改変(例えば保存的置換)を有する配列番号:185の配列を含むペプチドを提供し、ここでアナローグは、ヒトGIPレセプター、ヒトGLP-1レセプター及びヒトグルカゴンレセプターの各々でアゴニスト活性を示す。例示的実施態様では、グルカゴンアナローグのヒトGIPレセプター、ヒトGLP-1レセプター及びヒトグルカゴンレセプターの各々における活性(例えばEC50)は、互いの活性の100倍以内(例えば50倍以内、25倍以内、10倍以内)である。
HX2X3GTFTSDX10SKYLDX16RX18AX20X21FVQWLX27X28X29GPSSGX35PPPS(配列番号:196)
式中、
X2はAIBであり;
X3はGln又はGlnアナローグ、又はグルカゴンアナローグの活性を低下させるアミノ酸(場合によってGlu)であり;
X10はTyr又はC12からC18のアシル又はアルキル基と共有結合したアミノ酸であり;
X16は任意のアミノ酸、場合によってGly、Pro及びSer以外の任意のアミノ酸であり;
X18はArg又はAlaであり;
X20は陰性荷電アミノ酸又は中性荷電アミノ酸、場合によってAIB又はGlnであり;
X21は酸性アミノ酸、場合によってAsp又はGluであり;
X27はLeu、Ala、Nle、又はMetであり;
X28はAla又は酸性アミノ酸(場合によってAsp又はGlu)であり;
X29はAla又はGlyであり;
X35はAla又は塩基性アミノ酸(場合によってArg又はLys)であり;
ここで、X10がTyrであるとき、ペプチドは、C12からC18のアシル又はアルキル基に共有結合したアミノ酸を40位に含み、さらに場合によって、ペプチドはGlyを41位に含み、さらに
ペプチドのC-末端アミノ酸はアミド化される。
グルカゴン活性を低下させる追加のアミノ酸は本明細書に記載されている。“3位:”の表題のセクションを参照されたい。例示的特徴では、X3は、酸性、塩基性又は疎水性アミノ酸(例えばグルタミン酸、オルニチン、ノルロイシン)である。例示的特徴では、、X3はGluである。
HX2X3GTFTSDX10SKYLDX16RX18AX20X21FVQWLX27X28X29(配列番号:186)
式中、
X2はAIBであり;
X3はGln又はGlnアナローグであり;
X10はTyr又はC10からC26のアシル又はアルキル基と共有結合したアミノ酸であり;
X16は任意のアミノ酸、場合によってGly、Pro及びSer以外の任意のアミノ酸であり;
X18はArg又はAlaであり;
X20は陰性荷電アミノ酸又は中性荷電アミノ酸、場合によってAIB又はGlnであり;
X21は酸性アミノ酸、場合によってAsp又はGluであり;
X27はLeu、Ala、Nle、又はMetであり;
X28はAla又は酸性アミノ酸(場合によってAsp又はGlu)であり;
X29はAla、Gly又はThrであり;さらに
ここで、ペプチドは、C10からC26のアシル又はアルキル基に共有結合したアミノ酸を場合によって10位に含み、さらにペプチドのC-末端アミノ酸はアミド化される。
例示的特徴では、配列番号:186のX20はAIBである。例示的特徴では、X29はThrであり、ペプチドはGPSSGAPPPS(配列番号:5)を含まない。いくつかの特徴では、配列番号:186のX20はAIBであり、X16はAIB以外のアミノ酸である。
例示的特徴では、X20はGlnである。いくつかの特徴では、X16は陰性荷電アミノ酸、場合によってGluである。例示的特徴では、X18はAlaであり、場合によってペプチドはE16、R17、A18、A19及びQ20を含む。
例示的な特徴では、ペプチドは配列番号:186を含み、X2はAIBであり、X3はGlnであり、X10はC10からC26のアシル又はアルキル基と共有結合したアミノ酸であり、X18はArg又はAlaであり、X20はAIB又はGlnであり、X21はAsp又はGluであり、X29はGlyであり、さらにC-末端はアミド化され、ここで29位のGlyはGPSSGAPPPSと融合し、Lys又はLys-GLYが後に続き、ここでLysはC10−C26アシル基と共有結合する。
本発明はまた、配列番号:186と対比して、3つまでのアミノ酸改変(例えば保存的置換)を有する配列番号:186の配列を含むペプチドを提供し、ここでアナローグは、ヒトGIPレセプター、ヒトGLP-1レセプター及びヒトグルカゴンレセプターの各々でアゴニスト活性を示す。例示的実施態様では、グルカゴンアナローグのヒトGIPレセプター、ヒトGLP-1レセプター及びヒトグルカゴンレセプターの各々における活性(例えばEC50)は、互いの活性の100倍以内(例えば50倍以内、25倍以内、10倍以内)である。
HX2QGTFTSDX10SKYLDX16RX18AX20X21FVQWLX27X28X29(配列番号:187)
式中、
X2はAIBであり;
X10はTyr又はC10からC26のアシル又はアルキル基と共有結合したアミノ酸であり;
X16はGlu、アルファアルファ二置換アミノ酸、又はLysであり;
X18はArg又はAlaであり;
X20は陰性荷電アミノ酸又は中性荷電アミノ酸、場合によってAIB又はGlnであり;
X21はAsp又はGluであり;
X27はLeu、Ala、Nle、又はMetであり;
X28はAla、Asp又はGluであり;
X29はGly又はThrであり;さらに
ここで、ペプチドは、C12からC18のアシル又はアルキル基と共有結合したアミノ酸を場合によって10位に含み、さらにペプチドのC-末端アミノ酸はアミド化される。
本発明はまた、配列番号:187と対比して、3つまでのアミノ酸改変(例えば保存的置換)を有する配列番号:187の配列を含むペプチドを提供し、ここでアナローグは、ヒトGIPレセプター、ヒトGLP-1レセプター及びヒトグルカゴンレセプターの各々でアゴニスト活性を示す。例示的実施態様では、グルカゴンアナローグのヒトGIPレセプター、ヒトGLP-1レセプター及びヒトグルカゴンレセプターの各々における活性(例えばEC50)は、互いの活性の100倍以内(例えば50倍以内、25倍以内、10倍以内)である。
HX2X3GTFTSDX10SKYLDX16RX18AX20X21FVQWLX27X28X29(配列番号:198)
式中、
X2はAIBであり;
X3はGln又はGlnアナローグ、又はグルカゴン活性を低下させるアミノ酸(例えばGlu)であり;
X10はTyr又はC10からC26のアシル又はアルキル基と共有結合したアミノ酸であり;
X16は任意のアミノ酸、場合によってGly、Pro及びSer以外の任意のアミノ酸であり;
X18はArg又はAlaであり;
X20は陰性荷電アミノ酸又は中性荷電アミノ酸、場合によってAIB又はGlnであり;
X21は酸性アミノ酸、場合によってAsp又はGluであり;
X27はLeu、Ala、Nle、又はMetであり;
X28はAla又は酸性アミノ酸(場合によってAsp又はGlu)であり;
X29はAla、Gly又はThrであり;さらに
ここで、ペプチドは、C10からC26のアシル又はアルキル基と共有結合したアミノ酸を場合によって10位に含み、さらにペプチドのC-末端アミノ酸はアミド化される。
グルカゴン活性を低下させる追加のアミノ酸は本明細書に記載されている。“3位:”の表題のセクションを参照されたい。例示的特徴では、X3は、酸性、塩基性又は疎水性アミノ酸(例えばグルタミン酸、オルニチン、ノルロイシン)である。例示的特徴では、、X3はGluである。
本発明は配列番号:184を含むペプチドを提供する。本発明は配列番号:185を含むペプチドを提供する。本発明は配列番号:196を含むペプチドを提供する。本発明は配列番号:186を含むペプチドを提供する。本発明は配列番号:187を含むペプチドを提供する。本発明は配列番号:198を含むペプチドを提供する。
(a)イミダゾール側鎖を含む1位のアミノ酸
(b)16位の下記式IVのアミノ酸:
(式中、nは1から7であり、R1及びR2の各々はそれぞれ別個に、H、C1−C18アルキル、(C1−C18アルキル)OH、(C1−C18アルキル)NH2、(C1−C18アルキル)SH、(C0−C4アルキル)(C3−C6)シクロアルキル、(C0−C4アルキル)(C2−C5複素環式)、(C0−C4アルキル)(C6−C10アリール)R7、及び(C1−C4アルキル)(C3−C9ヘテロアリール)から成る群から選択され、R7はH又はOHであり、場合によって式IVのアミノ酸の側鎖は遊離アミノ基を含む)、
(c)20位のα,α-二置換アミノ酸、
(d)配列番号:1と対比して10までの追加のアミノ酸改変、
を含むグルカゴン(配列番号:1)のアナローグであって、
ここで、前記アナローグが親水性成分を欠くとき、グルカゴンアナローグは、GIPレセプターにおいて本来のGIPの少なくとも0.1%の活性を示し、前記グルカゴンアナローグは、GIPレセプターと対比してヒトGLP-1レセプターに対して100倍未満の選択性を有する。
(a)イミダゾール側鎖を含む1位のアミノ酸
(b)16位の下記式IVのアミノ酸:
(式中、nは1から7であり、R1及びR2の各々はそれぞれ別個に、H、C1−C18アルキル、(C1−C18アルキル)OH、(C1−C18アルキル)NH2、(C1−C18アルキル)SH、(C0−C4アルキル)(C3−C6)シクロアルキル、(C0−C4アルキル)(C2−C5複素環式)、(C0−C4アルキル)(C6−C10アリール)R7、及び(C1−C4アルキル)(C3−C9ヘテロアリール)から成る群から選択され、R7はH又はOHであり、場合によって式IVのアミノ酸の側鎖は遊離アミノ基を含む)、
(c)20位のα,α-二置換アミノ酸、
(d)配列番号:1と対比して10までの追加のアミノ酸改変
の1つ以上を含み、ここで、前記アナローグが異種成分、例えば親水性成分(例えばPEG)を欠くとき、グルカゴンアナローグは、GIPレセプターで本来のGIPの活性の少なくとも又は約0.1%(例えば少なくとも又は約1%、少なくとも又は約10%、少なくとも又は約50%、少なくとも又は約80%、少なくとも又は約100%、少なくとも又は約500%)を示す。例示的特徴では、前記ペプチドは、GLP-1レセプターにおけるそのEC50の100倍未満(例えば約90倍以下、約80倍以下、約70倍以下、約60倍以下、約50倍以下、約40倍以下、約30倍以下、約20倍以下、約15倍以下、約10倍以下、約5倍以下)、場合によってグルカゴンレセプターにおけるそのEC50の100倍未満(例えば約90倍以下、約80倍以下、約70倍以下、約60倍以下、約50倍以下、約40倍以下、約30倍以下、約20倍以下、約15倍以下、約10倍以下、約5倍以下)であるGIPレセプターにおけるEC50を有する。
式中、R1及びR2の各々はそれぞれ別個に、H、(C1-6)アルキル、O(C1-6)アルキル、(C1-6)アルキル-OH、F、及び少なくとも1つのHがFで置換されている(C1-C6)アルキルから成る群から選択される。
例示的特徴では、グルカゴンアナローグは、16位に(b)の式IVのアミノ酸を含み、前記はホモLys、Lys、Orn、又は2,4-ジアミノ酪酸(Dab)である。
例示的特徴では、20位のアミノ酸(例えばα,α-二置換アミノ酸)は、R1及びR2を含み(その各々はアルファ炭素に結合する)、ここでR1及びR2の各々はそれぞれ別個に、C1−C4アルキル(場合によってヒドロキシル、アミド、チオール、ハロで置換される)から成る群から選択されるか、又はR1及びR2はそれらが結合するアルファ炭素と一緒になって環を形成する。例示的な特徴では、20位のα,α-二置換アミノ酸はAIBである。他の例示的な特徴では、20位のα,α-二置換アミノ酸はACPCである。
i. 2位のDPP-IV保護アミノ酸、場合によってAIB又はD-Ser;
ii. 12位の大きい脂肪族の非極性アミノ酸、場合によってIle;
iii. 17位のArg以外のアミノ酸、場合によってGln;
iv. 18位の小さな脂肪族アミノ酸、場合によってAla;
v. 21位のAsp以外のアミノ酸、場合によってGlu;
vi. 24位のGln以外のアミノ酸、場合によってAsn又はAla;
vii. 27位のMet以外のアミノ酸、場合によってLeu;
viii.28位のAsn以外のアミノ酸、場合によってAla;
ix. 29位のThr以外のアミノ酸、場合によってGly;及び
x. C-末端から29位のアミノ酸に1から21アミノ酸の伸長
例示的な特徴では、グルカゴンアナローグは、GPSSGAPPPS又はGPSSGAPPPSCの伸長を含む。
例示的な特徴では、1位にHis、16位にLys及び20位にAIBを含むグルカゴンアナローグは、17-18位のGln-Alaを含まない。
他の例示的実施態様では、グルカゴンアナローグは、配列番号:48、52、53及び74のいずれかのアミノ酸配列を含む。そのようなグルカゴンアナローグは、配列番号:27−33、35−41、43−46、76−80、83−87、89及び90のグルカゴンアナローグと構造が類似するが、ただし前者のグルカゴンアナローグ(配列番号:48、52、53及び74)はアシル化アミノ酸又はアルキル化アミノ酸を含まないという点を除く。
いくつかの実施態様では、GIPアゴニストペプチドは、配列番号:27−33、35−41、43−46、76−80、83−87、89、90、94−100、102−112、120−124及び127−131のいずれか、又は配列番号:48、52、53及び74のいずれか、又は配列番号:50、51、54、56、58−60、62−66、68−70、72、73、75、81、82、88、92、114−119、125、126及び133のいずれかのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施態様では、GIPアゴニストペプチドは、配列番号:28、29、31、37−41、79、80、89、90、95、130、145−152、155−167、171、176、177、180、203−207、212及び230のいずれかのアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施態様では、GIPアゴニストペプチドは、配列番号:27−33、35−41、43−46、76−80、83−87、89、90、94−100、102−112、120−124及び127−131のいずれか、又は配列番号:48、52、53及び74のいずれか、又は配列番号:50、51、54、56、58−60、62−66、68−70、72、73、75、81、82、88、92、114−119、125、126及び133のいずれか、又は配列番号:28、29、31、37−41、79、80、89、90、95、130、145−152、155−167、171、176、177、180、203−207、212及び230のいずれかのアミノ酸配列を含む親配列を土台とする構造を含むが、ただし1つ以上の位置で親配列とは相違する。
いくつかの実施態様では、本開示のペプチドは、親配列(配列番号:27−33、35−41、43−46、76−80、83−87、89、90、94−100、102−112、120−124及び127−131のいずれか、又は配列番号:48、52、53及び74のいずれか、又は配列番号:50、51、54、56、58−60、62−66、68−70、72、73、75、81、82、88、92、114−119、125、126及び133のいずれか、又は配列番号:28、29、31、37−41、79、80、89、90、95、130、145−152、155−167、171、176、177、180、203−207、212及び230のいずれかを含む)のアミノ酸配列と少なくとも25%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施態様では、本開示のペプチドは、親配列と少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%又は90%を超える配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施態様では、上記に記載の%配列同一性を有する本開示のペプチドのアミノ酸配列は、本開示のペプチドの完全長のアミノ酸配列である。いくつかの実施態様では、上記に記載の%配列同一性を有する本開示のペプチドのアミノ酸配列は、本開示のペプチドの完全長のアミノ酸配列の単に一部分である。いくつかの実施態様では、本開示のペプチドは、親配列の連続する少なくとも5アミノ酸(例えば少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10アミノ酸)の参照アミノ酸配列と、約A%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、ここで参照アミノ酸配列は、配列番号:1のC位のアミノ酸で始まり、配列番号:1のD位のアミノ酸で終わり、ここで、Aは25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99であり、Cは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27又は28であり、Dは5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28又は29である。前述のパラメーターの任意の又は全て可能な組合せが想定され、前記には例えばAが90%でC及びDが、1及び27、又は6及び27、又は8及び27、又は10及び27、又は12及び27、又は16及び27であるものが含まれるが、ただしこれらに限定されない。
開示のグルカゴンアナローグは当業界で公知の方法によって入手できる。ペプチドをde novoで合成する適切な方法は例えば以下に記載されている:Chan et al., Fmoc Solid Phase Peptide Synthesis, Oxford University Press, Oxford, United Kingdom, 2005;Peptide and Protein Drug Analysis, ed. Reid, R., Marcel Dekker, Inc., 2000;Epitope Mapping, ed. Westwood et al., Oxford University Press, Oxford, United Kingdom, 2000;及び米国特許5,449,752号。本開示のペプチドを製造するさらに別の例示的方法は実施例1で示される。
いくつかの実施態様では、本明細書に記載のペプチドは、例えば以下の企業によって商業的に合成される:シンペップ社(Synpep, Dublin, CA)、ペプチドテクノロジーズ社 (Peptide Technologies Corp., Gaithersburg, MD)、及びマルチプルペプチドシステムズ社( Multiple Peptide Systems, San Diego, CA)。これに関しては、当該ペプチドは合成、組換え、単離及び/又は精製することができる。
さらにまた、本開示のアナローグがコードされないアミノ酸又は非天然アミノ酸を全く含まない事例では、グルカゴンアナローグは、アナローグのアミノ酸配列をコードする核酸を用い組換えによって標準的な組換え方法で製造できる。例えば以下を参照されたい:Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual. 3rd ed., Cold Spring Harbor Press, Cold Spring Harbor, NY 2001;及びAusubel et al., Current Protocols in Molecular Biology, Greene Publishing Associates and John Wiley & Sons, NY, 1994。
いくつかの実施態様では、本開示のグルカゴンアナローグは精製される。本明細書で用いられる“精製される”という用語は、ある分子又は化合物を、いくつかの特徴では本来の又は天然の環境で当該分子又は化合物に通常は付随する夾雑物を実質的に含まない形態で単離することに関し、さらにもともとの組成物の他の成分から分離された結果として純度が増加することを意味する。精製されたペプチド又は化合物には、例えば核酸分子、脂質及び炭水化物、又はペプチドの化学合成中に用いられた又は生成された他の出発材料又は中間体を実質的に含まないペプチドが含まれる。“純度”は相対的な用語であり、必ずしも絶対的純度又は絶対的濃縮又は絶対的選別と解されるべきではないと理解される。いくつかの特徴では、純度は、少なくとも又は約50%、少なくとも又は約60%、少なくとも又は約70%、少なくとも又は約80%、少なくとも又は約90%(例えば少なくとも又は約91%、少なくとも又は約92%、少なくとも又は約93%、少なくとも又は約94%、少なくとも又は約95%、少なくとも又は約96%、少なくとも又は約97%、少なくとも又は約98%、少なくとも又は約99%)であるか、又は約100%である。
本発明はさらに、異種成分と連結された本明細書に記載の1つ以上のグルカゴンアナローグを含む連結物を提供する。本明細書で用いられるように、“異種成分”という用語は“連結成分”という用語と同義語であり、本明細書に記載のグルカゴンアナローグと異なる任意の分子(化学的又は生化学的分子、天然に存在しない又はコードされない分子)を指す。本明細書に記載のアナローグのいずれかに連結され得る例示的な連結成分には、異種ペプチド又はポリペプチド(例えば血漿タンパク質を含む)、標的へ誘導する薬剤、免疫グロブリン又はその成分(例えば可変領域、CDR又はFc領域)、診断用標識(例えば放射性同位元素、発蛍光団又は酵素標識)、ポリマー(水溶性ポリマーを含む)又は他の治療用若しくは診断用薬剤が含まれるが、ただしこれらに限定されない。いくつかの実施態様では、本発明のアナローグ及び血漿タンパク質を含む連結物が提供され、ここで血漿タンパク質は、アルブミン、トランスフェリン、フィブリノゲン及びグロブリンから成る群から選択される。いくつかの実施態様では、連結物の血漿タンパク質成分はアルブミン又はトランスフェリンである。いくつかの特徴では、連結物は、本明細書に記載の1つ以上のグルカゴンアナローグ及び以下の1つ以上をを含む:ペプチド(グルカゴンレセプター及び/又はGLP-1レセプターに対して活性な本明細書に記載のグルカゴンアナローグとは全く異なる)、ポリペプチド、核酸分子、抗体若しくはそのフラグメント、ポリマー、量子片、小分子、毒素、診断用薬剤、炭水化物、アミノ酸。
いくつかの具体的な特徴では、伸長は一アミノ酸又はジペプチドである。具体的な実施態様では、伸長は、荷電アミノ酸(例えば陰性荷電アミノ酸(例えばGlu)、陽性荷電アミノ酸)、親水性成分を含むアミノ酸から成る群から選択されるアミノ酸を含む。いくつかの特徴では、伸長はGly、Glu、Cys、Gly-Gly、Gly-Gluである。
いくつかの実施態様では、伸長は、配列番号:5(GPSSGAPPPS)、配列番号:6(GGPSSGAPPPS)、配列番号:7(KRNRNNIA)、又は配列番号:8(KRNR)のアミノ酸配列を含む。具体的な特徴では、前記アミノ酸配列は、グルカゴンアナローグのC-末端アミノ酸(例えば29位のアミノ酸)を介して結合される。いくつかの実施態様では、配列番号:5−8のいずれかのアミノ酸配列は、ペプチド結合を介してグルカゴンアナローグのアミノ酸29と結合する。いくつかの具体的な実施態様では、グルカゴンアナローグの29位のアミノ酸はGlyであり、前記Glyは配列番号:5−8のいずれかのアミノ酸配列の1つに融合される。
いくつかの特徴では、ポリマーは以下である:生物粘着性ポリマー、例えば以下に記載の生物侵食性ヒドロゲル(H. S. Sawhney, C. P. Pathak and J. A. Hubbell in Macromolecules, 1993, 26, 581-587(前記文献の教示は本明細書に含まれる))、ポリヒアルロン酸、カゼイン、ゼラチン、グルチン、多価無水物、ポリアクリル酸、アルギネート、キトサン、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(エチルメタクリレート)、ポリ(ブチルメタクリレート)、ポリ(イソブチルメタクリレート)、ポリ(ヘキシルメタクリレート)、ポリ(イソデシルメタクリレート)、ポリ(ラウリルメタクリレート)、ポリ(フェニルメタクリレート)、ポリ(メチルアクリレート)、ポリ(イソプロピルアクリレート)、ポリ(イソブチルアクリレート)、及びポリ(オクタデシルアクリレート)。
具体的な実施態様では、ポリマーはポリアルキレングリコールであり、例えばポリエチレングリコール(PEG)が含まれる。
いくつかの実施態様では、異種成分は脂質である。いくつかの実施態様では、脂質は、脂肪酸、エイコサノイド、プロスタグランジン、ロイコトリエン、トロンボキサン、N-アシルエタノールアミン、グリセロリピド(例えば一置換、二置換、三置換グリセロール)、グリセロホスホリピド、(例えばホスファチジルコリン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン)、スフィンゴリピド(例えばスフィンゴシン、セラミド)、ステロール脂質(例えばステロイド、コレステロール)、プレノール脂質、サッカロリピド又はポリケチド、油、ロウ、コレステロール、ステロール、脂溶性ビタミン、モノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド、リン脂質である。
いくつかの実施態様では、異種成分は、非共有結合又は共有結合を介して本開示のアナローグと結合する。例示的特徴では、異種成分は、リンカーを介して本開示のアナローグと結合する。リンカー結合は、化学的な共有結合、物理的な力(例えば静電力、水素力、イオン力、ファンデルワールス力、又は疎水性若しくは親水性相互作用)によって達成され得る。多様な非共有結合系を用いることができ、前記には、ビオチン-アビジン、リガンド/レセプター、酵素/基質、核酸/核酸結合タンパク質、脂質/脂質結合タンパク質、細胞粘着分子パートナー、又は互いに親和性を有する前記の任意の結合パートナー又はフラグメントが含まれる。
システイニル残基は、α-ハロアセテート(及び対応するアミン)、例えばクロル酢酸、クロルアセトアミドともっとも一般的に反応して、カルボキシメチル又はカルボキシアミドメチル誘導体を生じる。システイニル残基はまた以下との反応によって誘導される:ブロモトリフルオロアセトン、アルファ-ブロモ-β-(5-イミドゾイル)プロピオン酸、クロロアセチルホスフェート、N-アルキルマレイミド、3-ニトロ-2-ピリジルジスルフィド、メチル2-ピリジルジスルフィド、p-クロルメルクリベンゾエート、2-クロルメルクリ-4-ニトロフェノール、又はクロロ-7-ニトロベンゾ-2-オキサ-1,3-ジアゾール。
リシニル及びアミノ末端残基はコハク酸又は他のカルボン酸無水物と反応させる。これらの薬剤による誘導は、リシニル残基の荷電を逆転させる効果がある。アルファ-アミドを含む残基を誘導する他の適切な試薬には、イミドエステル(例えばメチルピコリンイミデート、ピリドキサルリン酸、ピリドキサール、クロロボロハイドライド、トリニトロベンゼンスルホン酸、O-メチルイソウレア、2,4-ペンタンジオン)、及びグリオキシレートによるトランスアミナーゼ触媒反応が含まれる。
アルギニル残基は、1つ又はいくつかの通常的な試薬、とりわけフェニルグリオキサール、2,3-ブタンジオン、1,2-シクロヘキサンジオン、及びニンヒドリンとの反応によって改変される。アルギニン残基の誘導には、グアニジン官能基の高いpKaのために反応をアルカリ条件下で実施することが要求される。さらにまた、これらの試薬は、アルギニンエプシロン-アミノ基と同様にリジンの基と反応することができる。
チロシル残基の特異的な改変は、チロシル残基にスペクトル標識を導入するという具体的な関心にしたがって、芳香族ジアゾニウム化合物又はテトラニトロメタンと反応させることによって実施できる。もっとも一般的には、N-アセチルイミジゾール及びテトラニトロメタンを用いて、それぞれO-アセチルチロシル種及び3-ニトロ誘導体を形成する。
他の改変には、プロリン及びリジンのヒドロキシル化、セリル及びスレオニル残基のヒドロキシル基のリン酸化、リジン、アルギニン及びヒスチジン側鎖のアルファ-アミノ基のメチル化(T. E. Creighton, Proteins: Structure and Molecular Properties, W.H. Freeman & Co., San Francisco, pp. 79-86, 1983)、アスパラギン又はグルタミンの脱アミド化、N-末端アミンのアセチル化、及び/又はC-末端カルボン酸基のアミド化又はエステル化が含まれる。
別のタイプの共有結合改変は、化学的又は酵素的にグリコシドを当該アナローグにカップリングすることを必要とする。糖は、(a)アルギニン及びヒスチジンに、(b)遊離カルボキシル基に、(c)遊離スルフヒドリル基(例えばシステインのそれ)に、(d)遊離ヒドロキシル基(例えばセリン、スレオニン又はヒドロキシプロリンのそれ)に、(e)芳香族残基(例えばチロシン又はトリプトファンのそれ)に、又は(f)グルタミンのアミン基に結合させることができる。これらの方法は以下に記載されている:WO87/05330(1987年9月11日公開);及びAplin and Wriston, CRC Crit. Rev. Biochem., pp. 259-306, 1981。
いくつかの実施態様では、連結物は、グルカゴンアナローグを異種成分と結びつけるリンカーを含む。いくつかの特徴では、リンカーは、1から約60原子、又は1から約30原子より長い、2から5原子、2から10原子、5から10原子、又は10から20原子の長さの原子の鎖を含む。いくつかの特徴では、鎖の原子は全て炭素原子である。いくつかの実施態様では、リンカーの骨格の鎖の原子は、C、O、N又はSから成る群から選択される。鎖の原子及びリンカーは、より可溶性の連結物を提供するためにそれらの期待される可溶性(親水性)にしたがって選択できる。いくつかの実施態様では、リンカーは、標的組織又は器官で見出される酵素又は他の触媒又は加水分解条件による切断に付される官能基を提供する。いくつかの実施態様では、リンカーの長さは、立体障害の潜在力を減じるために十分に長い。リンカーが共有結合又はペプチジル結合であり、連結物がポリペプチドである場合は、全連結物は融合タンパク質である。そのようなペプチジルリンカーは任意の長さであり得る。例示的なリンカーは、長さが約1から50アミノ酸、5から50、3から5,5から10、5から15、又は長さが10から30アミノ酸である。そのような融合タンパク質は、また別に当業者に公知の組み換え遺伝子操作方法によって製造できる。
上記に特記したように、いくつかの実施態様では、アナローグは免疫グロブリン又はその部分(例えば可変領域、CDR又はFc領域)と連結、例えば融合される。公知の免疫グロブリン(Ig)にはIgG、IgA、IgE、IgD又はIgMが含まれる。Fc領域はIg重鎖のC-末端領域であり、前記は、例えば再循環(半減期の延長をもたらす)、抗体依存細胞媒介細胞傷害(ADCC)及び補体依存細胞傷害(CDC)のような活性を発揮するFcレセプターとの結合に必要である。
例えば、いくつかの定義にしたがえば、ヒトIgG重鎖のFc領域は重鎖のCys226からC-末端に伸びる。“ヒンジ領域”は、一般的にはヒトIgG1のGlu216からPro230に及ぶ(他のIgGアイソタイプのヒンジ領域は、システイン結合に必要なシステインのアラインメントによってIgG1配列を用いてアラインメントできる)。IgGのFc領域は2つの定常ドメイン(CH2及びCH3)を含む。ヒトIgG Fc領域のCH2ドメインは通常アミノ酸231からアミノ酸341に及び。ヒトIgG Fc領域のCH3ドメインはアミノ酸342から447に及ぶ。免疫グロブリン又は免疫グロブリンフラグメント若しくは領域のアミノ酸の番号付与に関してはいずれもKabatらの論文に依拠する(Kabat et al. 1991, Sequences of Proteins of Immunological Interest, U.S. Department of Public Health, Bethesda, Md)。関連する実施態様では、Fc領域は、免疫グロブリン重鎖に由来する本来の又は改変されたCH1以外の定常領域、例えばIgG及びIgAのCH2及びCH3、又はIgEのCH3及びCH4を含むことができる。
適切な連結成分にはFcRn結合部位を含む免疫グロブリン配列の部分を含む。FcRn(サルベージレセプター)は免疫グロブリンを再循環させさらに血液循環へそれらを戻すために必要である。FcRnレセプターと結合するIgGのFc部分のこの領域はX-線結晶学に基づいて記載されている(Burmeister et al. 1994, Nature 372:379)。FcとFcRnとの主要な接触領域はCH2とCH3ドメインの結合部近くにある。Fc-FcRN接触はいずれも単一Ig重鎖内に存在する。主要な接触部位は、CH2ドメインのアミノ酸残基248、250−257、272、285、288、290−291、308−311及び314、並びにCH3ドメインのアミノ酸残基385−387、428、及び433−436を含む。
アミノ酸改変は免疫グロブリンのFc領域に対して実施できる。そのような変種Fc領域は、Fc領域のCH3ドメイン(前記342−447)に少なくとも1つのアミノ酸改変及び/又はFc領域のCH2ドメイン(前記231−341)に少なくとも1つのアミノ酸改変を含む。FcRnに対して親和性の増加を付与すると考えられる変異には、T256A、T307A、E380A及びN434Aが含まれる(Shields et al. 2001, J. Biol. Chem. 276:6591)。他の改変は、FcRnに対する親和性を顕著に低下させることなく、FcγRI、FcγRIIA、FcγRIIB、及び/又はFcγRIIAとFc領域との結合を低下させることができる。例えば、Fc領域の297位のAsnのAla又は別のアミノ酸による置換は、高度に保存されたN-グリコシル化部位を除去し、さらに同時に発生するFc領域の半減期の延長とともに免疫原性の低下を、FcγRとの結合の低下と同様にもたらすことができる(Routledge et al. 1995, Transplantation 60:847;Friend et al. 1999, Transplantation 68:1632;Shields et al. 1995, J. Biol. Chem. 276:6591)。FcγRとの結合を低下させる、IgG1の233−236位のアミノ酸改変が実施されている(Ward and Ghetie 1995, Therapeutic Immunology 2:77;及びArmour et al. 1999, Eur. J. Immunol. 29:2613)。いくつかの例示的なアミノ酸置換は米国特許7,355,008号及び7,381,408号に記載されている(前記文献の各々は参照によりその全体が本明細書に含まれる)。
本明細書に記載するグルカゴンアナローグは、本来のグルカゴンと対比して高い生物学的活性を維持しながら、生理学的pHの水溶液中でのその溶解性及び安定性を改善するためにさらに改変することができる。親水性成分(例えばPEG基)は、活性化ポリマー分子とタンパク質を反応させるために用いられる適切な任意の条件下でアナローグに結合させることができる。当業界で公知の任意の手段を用いることができる。前記手段には、アシル化、還元的アルキル化、ミカエル添加、チオールアルキル化を介する手段、又はPEG成分上の反応基(例えばアルデヒド、アミノ、エステル、チオール、α-ハロアセチル、マレイミド又はヒドラジノ基)と標的化合物上の反応基(例えばアルデヒド、アミノ、エステル、チオール、α-ハロアシル、マレイミド又はヒドラジノ基)との化学選択的連結/結合が含まれる。水溶性ポリマーを1つ以上のタンパク質に結合させるために用いることができる活性基には、スルホン、マレイミド、スルフヒドリル、チオール、トリフレート、トレシレート、アジジリン、オキシラン、5-ピリジル及びアルファ-ハロゲン化アシル基(例えばアルファ-ヨード酢酸、アルファ-ブロモ酢酸、アルファ-クロロ酢酸)が含まれるが、ただしこれらに限定されない。還元的アルキル化によってアナローグに結合される場合は、選択されるポリマーは、重合度を制御できるようにただ1つの反応性アルデヒドを有するべきである。例えば以下を参照されたい:Kinstler et al., Adv. Drug. Delivery Rev. 54: 477-485, 2002;Roberts et al., Adv. Drug Delivery Rev. 54: 459-476, 2002;及びZalipsky et al., Adv. Drug Delivery Rev. 16: 157-182, 1995。
適切な親水性成分には以下が含まれる:ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチル化ポリオール(例えばPOG)、ポリオキシエチル化ソルビトール、ポリオキシエチル化グルコース、ポリオキシエチル化グリセロール(POG)、ポリオキシアルキレン、ポリエチレングリコールプロピオンアルデヒド、エチレングリコール/プロピレングリコールコポリマー、モノメトキシ-ポリエチレングリコール、モノ-(C1−C10)アルコキシ-又はアリールオキシ-ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロース、ポリアセタール、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン、ポリ-1,3-ジオキソラン、ポリ-1,3,6-トリオキサン、エチレン/無水マレイン酸コポリマー、ポリ(β-アミノ酸)(ホモポリマー又はランダムコポリマー)、ポリ(n-ビニルピロリドン)ポリエチレングリコール、プロピレングリコールホモポリマー(PPG)及び他のポリアルキレンオキシド、ポリプロピレンオキシド/エチレンオキシドコポリマー、コロン酸又は他の多糖類ポリマー、フィコール又はデキストラン及び前記の混合物。デキストランはグルコースサブユニットの多糖類ポリマーであり、もっぱらα1-6結合によって結合される。多くの分子量範囲(例えば約1kDから約100kD、又は約5、10、15若しくは20kDから約20、30、40、50、60、70、80又は90kD)のデキストランが利用可能である。線状又は分枝ポリマーが意図される。得られた連結物の調製物は本質的に単分散であることも又は多分散であることもあり、アナローグ当たり約0.5、0.7、1、1.2、1.5又は2ポリマー成分を有し得る。
いくつかの又はいずれかの実施態様では、グルカゴンアナローグは、親水性成分に当該グルカゴンアナローグのアミノ酸の側鎖と当該親水性成分との間の共有結合を介して連結される。いくつかの又はいずれかの実施態様では、グルカゴンアナローグは、C-末端伸長内の16、17、21、24又は29位のアミノ酸、又はC-末端アミノ酸、又はこれらの位置の組合せのアミノ酸の側鎖を介して親水性成分と連結される。いくつかの特徴では、親水性成分と共有結合するアミノ酸(例えば親水性成分を含むアミノ酸)は、Cys、Lys、Orn、ホモCys又はAc-Pheであり、アミノ酸の側鎖は親水性成分(例えばPEG)と共有結合する。
いくつかの又はいずれかの実施態様では、本開示の連結物は、化学的PEGと同様な伸長立体構造を形成することができる付属アナローグ(例えば組換えPEG(rPEG)分子、例えば国際特許出願公開公報WO2009/023270号及び米国特許出願公開公報US20080286808号に記載されているもの)に融合された、GIPレセプター活性を有するグルカゴンアナローグを含む。いくつかの特徴のrPEG分子は、1つ以上のグリシン、セリン、グルタミン酸、アスパラギン酸、アラニン又はプロリンを含むポリペプチドである。いくつかの特徴では、rPEGは、ホモポリマー、例えばポリ-グリシン、ポリ-セリン、ポリ-グルタミン酸、ポリ-アスパラギン酸、ポリ-アラニン又はポリ-プロリンである。他の実施態様では、rPEGは、2つのタイプの反復アミノ酸、例えばポリ(Gly-Ser)、ポリ(Gly-Glu)、ポリ(Gly-Ala)、ポリ(Gly-Asp)、ポリ(Gly-Pro)、ポリ(Ser-Glu)などを含む。いくつかの特徴では、rPEGは、3つの異なるタイプのアミノ酸、例えばポリ(Gly-Ser-Glu)を含む。具体的な特徴では、rPEGはグルカゴン及び/又はGLP-1アゴニストアナローグの半減期を延長する。いくつかの特徴では、rPEGは、正味の陽性又は陰性荷電を含む。いくつかの特徴のrPEGは二次構造を欠く。いくつかの実施態様では、rPEGは長さが10アミノ酸以上であり、いくつかの実施態様では、長さが約40から約50アミノ酸である。いくつかの特徴の付属ペプチドは、本開示のアナローグのN-又はC-末端にペプチド結合を介して、又はプロテイナーゼ切断部位に融合されるか、又は前記は本開示のアナローグのループに挿入される。いくつかの特徴のrPEGはアフィニティータグを含むか、又は前記は5kDaより大きいPEGと結合される。いくつかの実施態様では、rPEGは、本開示のアナローグに流体力学半径の増加、血清半減期の延長、プロテアーゼ耐性の増加、又は安定性の増加を付与し、さらにいくつかの特徴では、免疫原性の低下を当該アナローグに付与する。
本発明はさらに、本開示のアナローグのマルチマー又はダイマー(ホモ-若しくはヘテロ-マルチマー又はダイマーを含む)を提供する。2つ以上のアナローグを標準的な結合剤及び当業者に公知の方法を用いて一緒に結合させることができる。例えば、特にシステイン、リジン、オルニチン、ホモシステイン又はアセチルフェニルアラニン残基で置換されたアナローグについては、二官能性チオール架橋剤及び二官能性アミン架橋剤の使用により2つのペプチドの間でダイマーを形成できる。ダイマーはホモダイマーでもよく、或いはヘテロダイマーでもよい。例示的な実施態様では、2つ(又は3つ以上)のアナローグを結合させるリンカーはPEG、例えば5kDaのPEG、20kDaのPEGである。いくつかの実施態様では、リンカーはジスルフィド結合である。例えば、ダイマーの各モノマーはCys残基(例えば末端のCys又は内部に位置するCys)を含むことができ、各Cys残基の硫黄原子はジスルフィド結合の形成に参加する。例示的な特徴では、ダイマーの各モノマーはチオエーテル結合を介して結合される。例示的な特徴では、1つのモノマーのLys残基のエプシロンアミンはCys残基と結合し、前記は、他のモノマーのLys残基のエプシロンアミンと化学的成分を介して結合する。そのようなチオエーテル結合のダイマーを製造する方法は本明細書でさらに説明される。いくつかの特徴では、モノマーは、末端アミノ酸(例えばN-末端又はC-末端アミノ酸)を介して、内部のアミノ酸を介して、又は少なくとも1つのモノマーの末端アミノ酸及び少なくとも1つの他のモノマーの内部のアミノ酸を介して結合される。具体的な特徴では、モノマーはN-末端アミノ酸を介して結合されない。いくつかの特徴では、マルチマーのモノマーは、“尾対尾”の向きで結合し、この向きでは各モノマーのC-末端アミノ酸が一緒に結合する。
本発明によってさらに提供されるものは、本明細書に記載するペプチド及びアナローグのプロドラッグである。本明細書に用いられるように、“プロドラッグ”は、完全な薬理学的作用を示す前に化学的改変を受ける任意の化合物と定義される。
例示的実施態様では、プロドラッグはアミド系ペプチドプロドラッグであり、前記は国際特許出願公開公報WO/2010/071807(2010年6月24日公開)に記載されたものと類似する。そのようなプロドラッグは、作用の開始を遅らせ、さらに薬剤の半減期を延長することが意図される。作用の開始の遅延は、プロドラッグの活性化の前に当該プロドラッグの全身的分布を可能にするという利点がある。したがって、プロドラッグの投与は、投与時のピーク活性によって引き起こされる合併症を排除し、親薬剤の治療インデックスを高める。
例示的特徴では、プロドラッグは構造A-B-Qを含み、式中、Qは本明細書に記載のペプチド又はアナローグであり、Aはアミノ酸又はオキシ酸であり、Bは、A-BとQのアミンとの間のアミド結合を介してQと結合したN-アルキル化アミノ酸であり、ここでA、B又はA-Bが結合するQのアミノ酸は、非コードアミノ酸であり、さらにQからA-Bが化学的に切断される半減期(t1/2)は、生理学的条件下のPBS中で少なくとも約1時間から約1週間である。本明細書で用いられる“オキシ酸”という用語は、改変されてアルファ炭素のアミノ基がヒドロキシル基で置換されてあるアミノ酸を指す。
式中、
R1、R2、R4及びR8はそれぞれ別個にH、C1-C18アルキル、C2-C18アルケニル、(C1-C18アルキル)OH、(C1-C18アルキル)SH、(C2-C3アルキル)SCH3、(C1-C4アルキル)CONH2、(C1-C4アルキル)COOH、(C1-C4アルキル)NH2、(C1-C4アルキル)NHC(NH2 +)NH2、(C0-C4アルキル)(C3-C6シクロアルキル)、(C0-C4アルキル)(C2-C5複素環)、(C0-C4アルキル)(C6-C10アリール)R7、(C1-C4アルキル)(C3-C9ヘテロアリール)、及びC1-C12アルキル(A)(W1)C1-C12アルキルから成る群から選択され、ここでW1はN、S及びOから成る群から選択される異種原子であるか、又はR1及びR2は、それらが結合する原子と一緒になってC3-C12シクロアルキル又はアリールを形成するか、又はR4及びR8は、それらが結合する原子と一緒になってC3-C6シクロアルキルを形成し;
R3は、C1-C18アルキル、(C1-C18アルキル)OH、(C1-C18アルキル)NH2、(C1-C18アルキル)SH、(C0-C4アルキル)(C3-C6)シクロアルキル、(C0-C4アルキル)(C2-C5複素環)、(C0-C4アルキル)(C6-C10アリール)R7、及び(C1-C4アルキル)(C3-C9ヘテロアリール)から成る群から選択されるか、又はR4及びR3は、それらが結合する原子と一緒になって4、5又は6員の複素環を形成し;
R5はNHR6又はOHであり;
R6はH、C1-C8アルキルであるか、又はR6及びR2は、それらが結合する原子と一緒になって4、5又は6員の複素環を形成し;さらに
R7はH及びOHから成る群から選択される。
式中、
R1、R2、R4及びR8は、それぞれ別個にH、C1-C18アルキル、C2-C18アルケニル、(C1-C18アルキル)OH、(C1-C18アルキル)SH、(C2-C3アルキル)SCH3、(C1-C4アルキル)CONH2、(C1-C4アルキル)COOH、(C1-C4アルキル)NH2、(C1-C4アルキル)NHC(NH2 +)NH2、(C0-C4アルキル)(C3-C6シクロアルキル)、(C0-C4アルキル)(C2-C5複素環)、(C0-C4アルキル)(C6-C10アリール)R7、(C1-C4アルキル)(C3-C9ヘテロアリール)、及びC1-C12アルキル(W1)C1-C12 アルキルから成る群から選択され、ここでW1は、N、S及びOから成る群から選択される異種原子であるか、又はR1及びR2は、それらが結合する原子と一緒になってC3-C12シクロアルキルを形成するか;又はR4及びR8は、それらが結合する原子と一緒になってC3-C6シクロアルキルを形成し;
R3は、C1-C18アルキル、(C1-C18アルキル)OH、(C1-C18アルキル)NH2、(C1-C18アルキル)SH、(C0-C4アルキル)(C3-C6)シクロアルキル、(C0-C4アルキル)(C2-C5複素環)、(C0-C4)(C6-C10アリール)R7、及び(C1-C4アルキル)(C3-C9ヘテロアリール) から成る群から選択されるか、又はR4及びR3は、それらが結合する原子と一緒になって4、5又は6員の複素環を形成し;
R5はNHR6又はOHであり;
R6はH又はC1-C8アルキルであるか、又はR6及びR1は、それらが結合する原子と一緒になって4、5又は6員の複素環を形成し;さらに
R7は、水素、C1-C18アルキル、C2-C18アルケニル、(C0-C4アルキル)CONH2、(C0-C4アルキル)COOH、(C0-C4アルキル)NH2、(C0-C4アルキル)OH及びハロから成る群から選択される。
いくつかの実施態様では、ジペプチドプロドラッグエレメントは式Iの構造を有し、
式中、
R1及びR8は、それぞれ別個にH又はC1-C8アルキルであり;
R2及びR4は、それぞれ別個にH、C1-C8アルキル、C2-C8アルケニル、(C1-C4アルキル)OH、(C1-C4アルキル)SH、(C2-C3アルキル)SCH3、(C1-C4アルキル)CONH2、(C1-C4アルキル)COOH、(C1-C4アルキル)NH2、(C1-C4アルキル)NHC(NH2 +)NH2、(C0-C4アルキル)(C3-C6シクロアルキル)、(C0-C4アルキル)(C2-C5複素環)、(C0-C4アルキル)(C6-C10アリール)R7、及びCH2(C3-C9ヘテロアリール)から成る群から選択されるか、又はR1及びR2は、それらが結合する原子と一緒になってC3-C12シクロアルキル又はアリールを形成し;
R5はNHR6であり;さらに
R6はH又はC1-C8アルキルである。
R1及びR8は、それぞれ別個にH又はC1-C8アルキルであり;
R2及びR4は、それぞれ別個にH、C1-C8アルキル、C2-C8アルケニル、(C1-C4アルキル)OH、(C1-C4アルキル)SH、(C2-C3アルキル)SCH3、(C1-C4アルキル)CONH2、(C1-C4アルキル)COOH、(C1-C4アルキル)NH2、(C1-C4アルキル)NHC(NH2 +)NH2、(C0-C4アルキル)(C3-C6シクロアルキル)、(C0-C4アルキル)(C2-C5複素環)、(C0-C4アルキル)(C6-C10アリール)R7、及びCH2(C3-C9ヘテロアリール)から成る群から選択されるか、又はR1及びR2は、それらが結合する原子と一緒になってC3-C12シクロアルキルを形成し;
R3はC1-C18アルキルであり;
R5はNHR6であり;
R6はH又はC1-C8アルキルであり;さらに
R7は、水素、C1-C18アルキル、C2-C18アルケニル、(C0-C4アルキル)CONH2、(C0-C4アルキル)COOH、(C0-C4アルキル)NH2、(C0-C4アルキル)OH及びハロから成る群から選択される。
式中、
R1及びR2は、それぞれ別個にC1-C18アルキル又はアリールであるか;又はR1及びR2は-(CH2)p(式中pは2−9)を介して結合され;
R3はC1-C18アルキルであり;
R4及びR8は各々水素であり;さらに
R5はアミンである。
式中、
R1及びR2は、それぞれ別個にC1-C18アルキル又は(C0-C4アルキル)(C6-C10アリール)R7であるか;又はR1及びR2は-(CH2)p(式中pは2−9)を介して結合され;
R3はC1-C18アルキルであり;
R4及びR8は各々水素であり;
R5はNH2であり;さらに
R7は、水素、C1-C18アルキル、C2-C18アルケニル、(C0-C4アルキル)CONH2、(C0-C4アルキル)COOH、(C0-C4アルキル)NH2、(C0-C4アルキル)OH及びハロから成る群から選択される。
式中、
R1及びR2は、それぞれ別個に水素、C1-C18アルキル及びアリールから成る群から選択されるか;又はR1及びR2は-(CH2)p(式中pは2−9)を介して結合され;
R3はC1-C18アルキルであるか、又はR3及びR4は、それらが結合する原子と一緒になって4−12員の複素環を形成し;
R4及びR8は、それぞれ別個に水素、C1-C8アルキル及びアリールから選択され;さらに
R5はアミンであり;
ただしR1及びR2の両方が水素であることはなく、さらにR4又はR8の1つが水素であることを条件とする。
R1及びR2は、それぞれ別個にH、C1-C18アルキル、(C1-C18アルキル)OH、(C1-C4アルキル)NH2、及び(C0-C4アルキル)(C6-C10アリール)R7から成る群から選択されるか、又はR1及びR2は、-(CH2)p(式中pは2−9)を介して結合され;
R3はC1-C18アルキルであるか、又はR3及びR4は、それらが結合する原子と一緒になって4−12員の複素環を形成し;
R4及びR8は、それぞれ別個にH、C1-C8アルキル及び(C0-C4アルキル)(C6-C10アリール)R7から成る群から選択され;
R5はNH2であり;さらに
R7は、水素、C1-C18アルキル、C2-C18アルケニル、(C0-C4アルキル)CONH2、(C0-C4アルキル)COOH、(C0-C4アルキル)NH2、(C0-C4アルキル)OH及びハロから成る群から選択され;
ただしR1及びR2の両方が水素であることはなく、さらにR4又はR8の少なくとも1つが水素であることを条件とする。
R1及びR2は、それぞれ別個にH、C1-C8アルキル及び(C1-C4アルキル)NH2から成る群から選択されるか、又はR1及びR2は、-(CH2)p(式中pは2−9)を介して結合され;
R3はC1-C8アルキルであるか、又はR3及びR4は、それらが結合する原子と一緒になって4−6員の複素環を形成し;
R4はH及びC1-C8アルキルから成る群から選択され;さらに
R5はNH2であり;
ただしR1及びR2の両方が水素であることはないことを条件とする。
R1及びR2は、それぞれ別個に水素、C1-C8アルキル及び(C1-C4アルキル)NH2から成る群から選択され;
R3はC1-C6アルキルであり;
R4は水素であり;さらに
R5はNH2であり;
ただしR1及びR2の両方が水素であることはないことを条件とする。
式中、
R1及びR2は、それぞれ別個に水素、C1-C8アルキル、(C1-C4アルキル)NH2から成る群から選択されるか、又はR1及びR2は、(CH2)p(式中pは2−9)を介して結合され;
R3はC1-C8アルキルであり;
R4は(C0-C4アルキル)(C6-C10アリール)R7であり;
R5はNH2であり;さらに
R7は、水素、C1-C8アルキル及び(C0-C4アルキル)OHから成る群から選択され;
ただしR1及びR2の両方が水素であることはないことを条件とする。
式中、
R1は水素、C1-C8アルキル及びアリールから成る群から選択され;
R3はC1-C18アルキルであり;
R4及びR8は各々水素であり;さらに
R5は、アミン若しくはN-置換アミン又はヒドロキシルであり;
ただしR1がアルキル又はアリールである場合、R1及びR5は、それらが結合する原子と一緒になって4−11員の複素環を形成することを条件とする。
式中、
R1は水素、C1-C8アルキル及び(C0-C4アルキル)(C6-C10アリール)R7から成る群から選択され;
R3はC1-C18アルキルであり;
R4及びR8は各々水素であり;
R5はNHR6又はOHであり;
R6はH、C1-C8アルキルであるか、又はR6及びR1は、それらが結合する原子と一緒になって4、5又は6員の複素環を形成し;さらに
R7は、水素、C1-C18アルキル、C2-C18アルケニル、(C0-C4アルキル)CONH2、(C0-C4アルキル)COOH、(C0-C4アルキル)NH2、(C0-C4アルキル)OH、及びハロから成る群から選択され、
ただしR1がアルキル又は(C0-C4アルキル)(C6-C10アリール)R7である場合、R1及びR5は、それらが結合する原子と一緒になって4−11員の複素環を形成することを条件とする。
R1及びR2はそれぞれ別個にC1-C8アルキル又はアリールであるか、又はR1及びR2は、(CH2)p(式中pは2−9)を介して結合され;
R3はC1-C18アルキルであり;
R4及びR8は各々水素であり;さらにR5はアミンである。
式中、
R1及びR2は、それぞれ別個にC1-C8アルキル又は(C0-C4アルキル)(C6-C10アリール)R7であるか、又はR1及びR2は、-(CH2)p-(式中pは2−9)を介して結合され;
R3はC1-C18アルキルであり;
R4及びR8は各々水素であり;
R5はNH2であり;さらに
R7は、水素、C1-C18アルキル、C2-C18アルケニル、(C0-C4アルキル)CONH2、(C0-C4アルキル)COOH、(C0-C4アルキル)NH2、(C0-C4アルキル)OH及びハロから成る群から選択される。
式中、
R1及びR2は、それぞれ別個に水素、C1-C8アルキル及びアリールから成る群から選択されるか、又はR1及びR2は、-(CH2)p(式中pは2−9)を介して結合され;
R3はC1-C18アルキルであるか、又はR3及びR4は、それらが結合する原子と一緒になって4−12員の複素環を形成し;
R4及びR8は、それぞれ別個にC1-C18アルキル又はアリールであり;さらに
R5はアミン又はN-置換アミンであり;
ただしR1及びR2の両方が水素であることはなく、R4又はR8の1つは水素であることを条件とする。
R1及びR2は、それぞれ別個に水素、C1-C8アルキル及び (C0-C4アルキル)(C6-C10アリール)R7から成る群から選択されるか、又はR1及びR2は-(CH2)p(式中pは2−9)を介して結合され;
R3は、C1-C18アルキルであるか、又はR3及びR4は、それらが結合する原子と一緒になって4−12員の複素環を形成し;
R4及びR8は、それぞれ別個に水素、C1-C18アルキル又は(C0-C4アルキル)(C6-C10アリール)R7であり;
R5はNHR6であり;
R6はH又はC1-C8アルキルであるか、又はR6及びR2は、それらが結合する原子と一緒になって4、5又は6員の複素環を形成し;さらに
R7は、水素、C1-C18アルキル、C2-C18アルケニル、(C0-C4アルキル)CONH2、(C0-C4アルキル)COOH、(C0-C4アルキル)NH2、(C0-C4アルキル)OH及びハロから成る群から選択され;
ただしR1及びR2の両方が水素であることはなく、R4又はR8の少なくとも1つは水素であることを条件とする。
式中、
R1及びR2は、それぞれ別個に水素、C1-C18アルキル及びアリールから成る群から選択され;
R3は、C1-C18アルキルであり;
R4及びR8は各々水素であり;さらに
R5はアミン若しくはN-置換アミン又はヒドロキシルであり;
ただしR1及びR2の両方がそれぞれ別個にアルキル又はアリールである場合、R1又はR2のどちらかは-(CH2)p(式中pは2−9)を介してR5に結合されることを条件とする。
式中、
R1は、水素、C1-C18アルキル及び(C0-C4アルキル)(C6-C10アリール)R7から選択され;
R3はC1-C18アルキルであり;
R4及びR8は各々水素であり;
R5はNHR6又はOHであり;
R6はH又はC1-C8アルキルであるか、又はR6及びR1は、それらが結合する原子と一緒になって4、5又は6員の複素環を形成し;さらに
R7は、水素、C1-C18アルキル、C2-C18アルケニル、(C0-C4アルキル)CONH2、(C0-C4アルキル)COOH、(C0-C4アルキル)NH2、(C0-C4アルキル)OH及びハロから選択され;
ただしR1及びR2の両方がそれぞれ別個にアルキル又は(C0-C4アルキル)(C6-C10アリール)R7である場合、R1又はR2のどちらかは(CH2)p(式中pは2−9)を介してR5に結合されることを条件とする。
式中、nは1−4から選択される整数である。いくつかの実施態様ではnは3又は4であり、いくつかの実施態様では内部アミノ酸はリジンである。いくつかの実施態様では、ジペプチドプロドラッグエレメントは、本明細書に記載のペプチド又はアナローグの12、16、17、18、20、28又は29位に位置するアミノ酸の側鎖上の一級アミンと結合する。いくつかの実施態様では、12、16、17、18、20、28又は29位のアミノ酸は以下の式IIの構造を含む:
式中、nは1−4から選択される整数であり、さらにジペプチドプロドラッグエレメントはアミド結合を介してアミノ酸側鎖と結合する。いくつかの実施態様ではnは4であり、アミノ酸は20位に位置する。
式中、
R1及びR2は、それぞれ別個にC1-C18アルキル及びアリールであり;
R3は、C1-C18アルキルであるか、又は又はR3及びR4は、それらが結合する原子と一緒になって4−12員の複素環を形成し;
R4及びR8は、それぞれ別個に水素、C1-C18アルキル及びアリールから成る群から選択され;さらにR5はアミン又はヒドロキシルである。
式中、
R1及びR2は、それぞれ別個にC1-C18アルキル又は(C0-C4アルキル)(C6-C10アリール)R7であり;
R3は、C1-C18アルキルであるか、又はR3及びR4は、それらが結合する原子と一緒になって4−12員の複素環を形成し;
R4及びR8は、それぞれ別個に水素、C1-C18アルキル及び(C0-C4アルキル)(C6-C10アリール)R7から成る群から選択され;
R5はNH2又はOHであり;
R7は、水素、C1-C18アルキル、C2-C18アルケニル、(C0-C4アルキル)CONH2、(C0-C4アルキル)COOH、(C0-C4アルキル)NH2、(C0-C4アルキル)OH及びハロから成る群から選択される。
式中、
R1は、水素、C1-C18アルキル及びアリールから成る群から選択されるか、又はR1及びR2は-(CH2)p(式中pは2−9)を介して結合され;
R3はC1-C18アルキルであるか、又はR3及びR4は、それらが結合する原子と一緒になって4−6員の複素環を形成し;
R4及びR8は、それぞれ別個に水素、C1-C18アルキル及びアリールから成る群から選択され;
R5はアミン又はN-置換アミンである。
式中、
R1は、水素、C1-C18アルキル、(C1-C18アルキル)OH、(C1-C4アルキル)NH2、及び(C0-C4アルキル)(C6-C10アリール)R7から成る群から選択され;
R3はC1-C18アルキルであるか、又はR3及びR4は、それらが結合する原子と一緒になって4−6員の複素環を形成し;
R4及びR8は、それぞれ別個に水素、C1-C18アルキル及び(C0-C4アルキル)(C6-C10アリール)R7から成る群から選択され;
R5はNHR6であり;
R6はH又はC1-C8アルキルであるか、又はR6及びR1は、それらが結合する原子と一緒になって4、5又は6員の複素環を形成し;さらに
R7は、水素、C1-C18アルキル、C2-C18アルケニル、(C0-C4アルキル)CONH2、(C0-C4アルキル)COOH、(C0-C4アルキル)NH2、(C0-C4アルキル)OH及びハロから成る群から選択される。
式中、
R1及びR2は、それぞれ別個に水素、C1-C8アルキル、及びアリールから成る群から選択され;
R3はC1-C18アルキルであるか、又はR3及びR4は、それらが結合する原子と一緒になって4−6員の複素環を形成し;
R4及びR8は各々水素であり;されに
R5は、アミン、N-置換アミン及びヒドロキシルから成る群から選択される。
式中、
R1及びR2は、それぞれ別個に水素、C1-C8アルキル、(C1-C4アルキル)COOH、及び(C0-C4アルキル)(C6-C10アリール)R7から成る群から選択されるか、又はR1及びR5は、それらが結合する原子と一緒になって4−11員の複素環を形成し;
R3はC1-C18アルキルであるか、又はR3及びR4は、それらが結合する原子と一緒になって4−6員の複素環を形成し;
R4は水素であるか、又はR3と一緒に4−6員の複素環を形成し;
R8は水素であり:
R5はNHR6又はOHであり;
R6はH又はC1-C8アルキルであるか、又はR6及びR1は、それらが結合する原子と一緒になって4、5又は6員の複素環を形成し;さらに
R7は、水素、C1-C18アルキル、C2-C18アルケニル、(C0-C4アルキル)CONH2、(C0-C4アルキル)COOH、(C0-C4アルキル)NH2、(C0-C4アルキル)OH及びハロから成る群から選択される。
式中、
R1は、H及びC1-C8アルキルから成る群から選択され;
R2及びR4は、それぞれ別個にH、C1-C8アルキル、C2-C8アルケニル、(C1-C4アルキル)OH、(C1-C4アルキル)SH、(C2-C3アルキル)SCH3、(C1-C4アルキル)CONH2、(C1-C4アルキル)COOH、(C1-C4アルキル)NH2、(C1-C4アルキル)NHC(NH2 +)NH2、(C0-C4アルキル)(C3-C6シクロアルキル)、 (C0-C4アルキル)(C6-C10アリール)R7、CH2(C5-C9ヘテロアリール)から成る群から選択されるか、又はR1及びR2は、それらが結合する原子と一緒になってC3-C12シクロアルキルを形成し;
R3は、C1-C8アルキル、(C3-C6)シクロアルキルから成る群から選択されるか、又はR4及びR3は、それらが結合する原子と一緒になって5又は6員の複素環を形成し;
R5はNHR6又はOHであり;
R6はHであるか、又はR6及びR2は、それらが結合する原子と一緒になって5又は6員の複素環を形成し;さらに
R7はH及びOHから成る群から選択される。
いくつかの実施態様では、R1はH又はC1-C8アルキルであり、R2は、H、C1-C6アルキル、CH2OH、(C1-C4アルキル)NH2、(C3-C6シクロアルキル)及び CH2(C6アリール)R7から成る群から選択されるか、又はR6及びR2は、それらが結合する原子と一緒になって5員の複素環を形成し、R3はC1-C6アルキルであり、さらにR4は、水素、C1-C4アルキル、C3-C6シクロアルキル、(C1-C4アルキル)OH、(C1-C4アルキル)SH及び(C0-C4アルキル)(C6アリール)R7から成る群から選択されるか、又はR3及びR4はそれらが結合する原子と一緒になって5員の複素環を形成する。さらに別の実施態様では、R8はCH3であり、R5はNHR6である。さらにまた別の実施態様では、R3及びR4はそれらが結合する原子と一緒になって5員の複素環を形成し、さらにR5はNHR6である。
式中、
R1はH及びC1-C8アルキルから成る群から選択され;
R2及びR4は、それぞれ別個にH、C1-C8アルキル、C2-C8アルケニル、(C1-C4アルキル)OH、(C1-C4アルキル)SH、(C2-C3アルキル)SCH3、(C1-C4アルキル)CONH2、(C1-C4アルキル)COOH、(C1-C4アルキル)NH2、(C1-C4アルキル)NHC(NH2 +)NH2、(C0-C4アルキル)(C3-C6シクロアルキル)、 (C0-C4アルキル)(C6-C10アリール)R7、CH2(C5-C9ヘテロアリール)から成る群から選択されるか、又はR1及びR2は、それらが結合する原子と一緒になってC3-C12シクロアルキルを形成し;
R3は、C1-C8アルキル、(C3-C6)シクロアルキルから成る群から選択されるか、又はR4及びR3は、それらが結合する原子と一緒になって5又は6員の複素環を形成し;
R5はNHR6又はOHであり;
R6はHであるか、又はR6及びR2は、それらが結合する原子と一緒になって5又は6員の複素環を形成し;さらに
R7は、水素、C1-C18アルキル、C2-C18アルケニル、(C0-C4アルキル)CONH2、(C0-C4アルキル)COOH、(C0-C4アルキル)NH2、(C0-C4アルキル)OH及びハロから成る群から選択される。
いくつかの実施態様では、R1はH又はC1-C8アルキルであり、R2は、H、C1-C6アルキル、CH2OH、(C1-C4アルキル)NH2、(C3-C6シクロアルキル)及び CH2(C6アリール)R7から成る群から選択されるか、又はR6及びR2は、それらが結合する原子と一緒になって5員の複素環を形成し、R3はC1-C6アルキルであり、さらにR4は、H、C1-C4アルキル、C3-C6シクロアルキル、(C1-C4アルキル)OH、(C1-C4アルキル)SH及び(C0-C4アルキル)(C6アリール)R7から成る群から選択されるか、又はR3及びR4はそれらが結合する原子と一緒になって5員の複素環を形成する。さらに別の実施態様では、R8はCH3であり、R5はNHR6であり、さらにまた別の実施態様では、R3及びR4はそれらが結合する原子と一緒になって5員の複素環を形成し、さらにR5はNHR6である。
塩:
いくつかの実施態様では、グルカゴンアナローグは塩、例えば医薬的に許容できる塩の形態である。本明細書で用いられる“医薬的に許容できる塩”という用語は、親化合物の生物学的活性を保持し、かつ生物学的に又は他の態様で好ましくない活性をもたない塩を指す。そのような塩は、アナローグの最終的な単離及び精製時にin situで調製するか、又は遊離塩基を適切な酸と反応させることによって別個に調製することができる。本明細書に開示する化合物の多くが、アミノ基及び/又はカルボキシル基又は前記に類似する基の存在のために酸性塩及び/又は塩基性塩を形成することができる。
さらに、塩基性窒素含有基が、より低級なハロゲン化アルキル(例えばメチル、エチル、プロピル及びブチルクロリド、ブロミド及びヨウ化物;長鎖ハロゲン化物(例えばデシル、ラウリル、ミリスチル及びステアリルクロリド、ブロミド及びヨウ化物);ハロゲン化アリールアルキル(例えばベンジル及びフェネチルブロミド及び他のもの)として本開示のアナローグを用いて四級化される。
いくつかの実施態様にしたがえば、医薬組成物が本開示のグルカゴンアナローグ(又は医薬的に許容できるその塩)及び医薬的に許容できる担体を含む、当該医薬組成物が提供される。本明細書で用いられるように、“医薬的に許容できる担体”という用語は、任意の標準的な医薬担体、例えばリン酸緩衝食塩水溶液、水、エマルジョン(例えば油/水又は水/油エマルジョン)及び多様なタイプの湿潤剤を含む。前記用語はまた、米連邦政府の規制局によって承認された、或いは米国局方で動物(ヒトを含む)の使用のために列挙された任意の薬剤を包含する。
医薬組成物は医薬的に許容できる任意の成分を含むことができ、前記成分には例えば以下が含まれる:酸性化剤、添加剤、吸着剤、エアロゾル発射薬、空気置換剤、アルカリ化剤、抗固化剤、抗凝固剤、抗菌剤、抗酸化剤、防腐剤、塩基、基剤、緩衝剤、キレート剤、被覆剤、着色剤、乾燥剤、洗剤、希釈剤、消毒剤、崩壊剤、分散剤、溶解促進剤、染料、保湿剤、乳化剤、エマルジョン安定化剤、充填剤、フィルム形成剤、香り強化剤、香料、顆粒化剤、湿潤剤、滑沢剤、粘膜吸着剤、軟膏基剤、油性賦形剤、有機基剤、錠剤用基剤、色素、可塑剤、研磨剤、保存料、分離剤、皮膚浸透剤、可溶化剤、溶媒、安定化剤、座薬基剤、表面活性剤、サーファクタント、懸濁剤、甘味剤、治療薬剤、膨張剤、張度調整剤、毒性調整剤、粘性増強剤、水分吸収剤、水混合性補助剤、軟水化剤、又は湿潤化剤。
いくつかの実施態様では、医薬的に許容できる成分は以下から成る群から選択される:糖(例えばグルコース、シュクロース、トレハロース、ラクトース、フルクトース、マルトース、デキストラン、グリセリン、デキストラン、メリビオース、メレジトース、ラフィノース、マンノトリオース、スタキオース、マルトース、ラクツロース、マルツロース若しくはイソマルツロース、又は前記の組合せ)、糖アルコール(例えば、グリコール、グリセロール、エリトリトール、スレイトール、アラビトール、キシリトール、リビトール、マンニトール、ソルビトール、ダルシトール、イディトール、イソマルト、マルチトール、ラクチトール又はグルシトール、又は前記の組合せ)、塩(例えば塩化ナトリウム)、乳化剤又は界面活性剤(例えばポリソルベート、例えばポリオキシエチレン20ソルビタンモノオレエート、又は他のエチレンオキシドとプロピレンオキシドとのブロックコポリマー)、溶解保護剤、及び前記の混合物。例えば、賦形剤(例えば糖又は糖アルコール)は、約20mg/mLから約40mg/mL、又は25から45mg/mL、例えば35mg/mLの濃度で存在する。
投与経路に関する以下の考察は例示的実施態様を単に詳述するために提供され、いかなる態様においても当該範囲を限定するものと解されるべきではない。
経口投与に適切な処方物は、(a)流動溶液、例えば希釈剤(例えば水、食塩水又はオレンジジュース)に溶解された有効量の本開示のアナローグ;(b)カプセル、サシェ、錠剤、ロゼンジ及びトローチ(各々は予め定められた量の活性成分を固体又は顆粒として含む);(c)散剤;(d)適切な液体中の懸濁物;及び(e)適切なエマルジョンから成り得る。液体処方物は、希釈剤、例えば水及びアルコール(例えばエタノール、ベンジルアルコール及びポリエチレンアルコール)を含むことができ、医薬的に許容できる界面活性剤が添加されることも又は添加されないこともある。カプセル形は、例えば界面活性剤、滑沢剤及び不活性な充填剤(例えばラクトース、シュクロース、リン酸カルシウム及びトウモロコシデンプン)を含む、通常の硬質又は軟質ゼラチン外皮タイプであり得る。錠剤形は、1つ以上のラクトース、シュクロース、マンニトール、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、アルギン酸、微晶質セルロース、アラビアゴム、ゼラチン、グアーゴム、二酸化シリコンコロイド、クロスカルメロースナトリウム、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸及び他の賦形剤、着色剤、希釈剤、緩衝剤、崩壊剤、湿潤剤、保存料、香料及び他の薬理学的に適合し得る賦形剤を含むことができる。ロゼンジ形は、香料(通常はシュクロース及びアラビアゴム又はトラガカントゴム)中に本開示のアナローグを含むことができ、或いは当業界で公知の賦形剤をさらに含む不活性な基剤(例えばゼラチン及びグリセリン、又はシュクロース及びアラビアゴム、エマルジョン、ゲルなど)中に本開示のアナローグを含む香錠である。
経口投与に適切な処方物には、水性及び非水性の等張無菌的注射溶液(抗酸化剤、緩衝剤、制菌剤、及び当該処方物を対象のレシピエントの血液と等張にする溶質を含むことができる)、並びに水性及び非水性の無菌的懸濁物(懸濁剤、可溶化剤、膨張剤、安定化剤及び保存料を含むことができる)が含まれる。“非経口”という用語は、食事性通路を通過しないいくつかの他の経路(例えば皮下、筋肉内、脊髄内又は静脈内経路)によることを意味する。本開示のアナローグは、生理学的に許容できる希釈剤とともに医薬担体(例えば無菌的液体又は液体混合物)中で投与され得る。前記医薬担体は、水、食塩水、デキストロース水及び関連する糖の溶液、アルコール(例えばエタノール又はヘキサデシルアルコール)、グリコール(例えばプロピレングリコール又はポリエチレングリコール)、ジメチルスルホキシド、グリセロール、ケタール(例えば2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-メタノール)、エーテル、ポリ(エチレングリコール)400、油、脂肪酸、脂肪酸エステル又はグリセリド、又はアセチル化脂肪酸グリセリド(医薬的に許容できる界面活性剤(例えば石鹸又は洗剤)が添加されることも添加されないこともある)、懸濁剤(例えばペクチン、カルボマー、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、又はカルボキシメチルセルロース)、又は乳化剤及び他の医薬アジュバントを含む。
非経口処方物で使用される適切な石鹸には脂肪アルカリ金属、アンモニウム及びトリエタノールアミン塩が含まれ、適切な洗剤には、(a)陽イオン性洗剤、例えばハロゲン化ジメチルジアルキルアンモニウム及びハロゲン化アルキルピリジニウム、(b)陰イオン性洗剤、例えばアルキル、アリール及びオレフィンスルホネート、アルキル、オレフィン、エーテル及びモノグリセリドスルフェート、並びにスルホスクシネート、(c)非イオン性洗剤、例えば脂肪アミンオキシド、脂肪酸アルカノールアミド、及びポリオキシエチレンポリプロピレンコポリマー、(d)両性洗剤、例えばアルキル-β-アミノプロピオネート、及び2-アルキル-イミダゾリン四級アンモニウム塩、及び(e)前記の混合物が含まれる。
注射可能な処方物は本発明のとおりである。注射可能な組成物の有効な医薬担体の要件は当業者には周知である(例えば以下を参照されたい:Pharmaceutics and Pharmacy Practice, J. B. Lippincott Company, Philadelphia, PA, Banker and Chalmers, eds., pages 238-250, 1982及びASHP Handbook on Injectable Drugs, Toissel, 4th ed., pages 622-630, 1986)。
さらにまた、本開示のアナローグは、多様な基剤(例えば乳化基剤又は水溶性基剤)と混合することによって直腸投与用の座薬にすることができる。膣投与に適切な処方物は、活性成分に加えて適切なことが当業界で判明している担体を含む、ペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、泡又はスプレー処方物として提供できる。
本開示のアナローグは、上記に記載した医薬組成物の他に、封入複合体(例えばシクロデキストリン封入複合体又はリポソーム)として処方できることは当業者には理解されよう。
本開示のアナローグは、GIPレセプターアゴニズム、GIP/GLP-1レセプターコアゴニズム、GIP/グルカゴンレセプターコアゴニズム又はGIP/GLP-1/グルカゴンレセプタートリアゴニズムが役割を果たす疾患又は症状の治療で有用であると考えられる。本開示の目的のためには、本開示のアナローグの量又は用量は、合理的な時間枠にわたって対象者又は動物で治療的または予防的応答を達成するために十分であるべきである。例えば、本開示のアナローグの用量は、本明細書に記載するように細胞のcAMP分泌を刺激するために十分であるか、又は哺乳動物の血中グルコースレベル、脂肪レベル、食物摂取レベル若しくは体重を投与の時点から約1から4ヶ月、1から4時間又は1から4週間又はそれより長く、例えば5から20週より長く低下させるために十分であるべきである。例示的な実施態様では、前記期間はさらに長くあることができよう。用量は、本開示の個々のアナローグの有効性及び当該動物(例えばヒト)の症状、或いは治療されるべき動物(例えばヒト)の体重によって決定されるであろう。
投与される用量を決定する多くのアッセイが当業界では公知である。本明細書の目的のためには、本開示のアナローグのある用量を動物(各哺乳動物セットに種々の用量のアナローグが投与される)に投与したとき、血中グルコースレベルが低下する程度を比較する工程を含むアッセイを用いて、哺乳動物に投与されるべき出発用量を決定することができよう。一定の用量を投与したとき血中グルコースレベルが低下する程度を、当業界で公知の方法(例えば実施例11として本明細書に記載した方法を含む)によってアッセイすることができる。
いくつかの実施態様では、医薬組成物は、患者への投与に適切な純度で本明細書に開示の任意のアナローグを含む。いくつかの実施態様では、アナローグは、少なくとも約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、又は約99%の純度レベルを有し、さらに医薬的に許容できる希釈剤、担体及び賦形剤を有する。いくつかの特徴の医薬組成物は、本開示のアナローグを少なくともAの濃度で含み、ここでAは約0.001mg/mL、約0.01mg/mL、約1mg/mL、約0.5mg/mL、約1mg/mL、約2mg/mL、約3mg/mL、約4mg/mL、約5mg/mL、約6mg/mL、約7mg/mL、約8mg/mL、約9mg/mL、約10mg/mL、約11mg/mL、約12mg/mL、約13mg/mL、約14mg/mL、約15mg/mL、約16mg/mL、約17mg/mL、約18mg/mL、約19mg/mL、約20mg/mL、約21mg/mL、約22mg/mL、約23mg/mL、約24mg/mL、約25mg/mL以上である。いくつかの実施態様では、医薬組成物は多くともBの濃度で当該アナローグを含み、ここでBは約30mg/mL、約25mg/mL、約24mg/mL、約23mg/mL、約22mg/mL、約21mg/mL、約20mg/mL、約19mg/mL、約18mg/mL、約17mg/mL、約16mg/mL、約15mg/mL、約14mg/mL、約13mg/mL、約12mg/mL、約11mg/mL、約10mg/mL、約9mg/mL、約8mg/mL、約7mg/mL、約6mg/mL、約5mg/mL、約4mg/mL、約3mg/mL、約2mg/mL、約1mg/mL又は約0.1mg/mLである。いくつかの実施態様では、組成物はAからBmg/mL、例えば約0.001から約30.0mg/mLの範囲の濃度でアナローグを含むことができる。
本開示のアナローグは多くの態様で改変することができ、したがって当該改変により本開示のアナローグの治療的又は予防的有効性が高められることは当業者には容易に理解されるであろう。例えば、本開示のアナローグは、直接的に又はリンカーを介して間接的に標的誘導成分と連結することができる。化合物(例えば本明細書に記載のグルカゴンアナローグ)を標的誘導成分に連結する方法は当業界で公知である。例えば以下を参照されたい:Wadhwa et al., J Drug Targeting, 3, 111-127 (1995) 及び米国特許5,087,616号。本明細書で用いられる“標的誘導成分”という用語は、細胞表面レセプターを特異的に認識して前記と結合する任意の分子又は因子を指し、したがって標的誘導成分は、当該レセプター(グルカゴンレセプター、GLP-1レセプター)がその表面に発現されている細胞集団へ本開示のアナローグのデリバリーを指令する。標的誘導成分には、抗体若しくはそのフラグメント、ペプチド、ホルモン、成長因子、サイトカイン、及び細胞表面レセプターと結合する他の任意の天然又は非天然リガンドが含まれるが、ただしこれらに限定されない(前記細胞表面レセプターは、例えば上皮増殖因子レセプター(EGFR)、T細胞レセプター(TCR)、B細胞レセプター(BCR)、CD28、血小板由来増殖因子レセプター(PDGF)、ニコチン酸アセチルコリンレセプター(nAChR)などである)。本明細書で用いられる“リンカー”は、2つの別個の物質を互いに結合させる結合、分子又は分子の基である。リンカーは2つの物質の最適な面間隔を提供することができ、さらに2つの物質が互いに分離されることを可能にする柔軟な結合を提供することができる。柔軟な結合は光切断可能基、酸不安定成分、塩基不安定成分及び酵素切断可能基を含む。いくつかの実施態様における“リンカー”という用語は、本開示のアナローグと標的誘導成分とを架橋する任意の因子又は分子を指す。本開示のアナローグの機能にとって不要である本開示のアナローグ上の部位が、リンカー及び/又は標的誘導成分を結合させるために理想的な部位であることは、当業者には理解されよう。ただし前記は、いったん本開示のアナローグに結合したら、リンカー及び/又は標的誘導成分は本開示のアナローグの機能、すなわち糖尿病又は肥満を治療するために細胞のcAMP分泌を刺激する能力に干渉しないことを条件とする。
また別には、本明細書に記載するグルカゴンアナローグは、前記を投与された身体内に前記アナローグが放出される態様が時間及び身体内の位置に関して制御されるように、デポット形に改変することができる(例えば米国特許4,450,150号を参照されたい)。本開示のアナローグのデポット形は、例えば、本開示のアナローグ及び有孔性又は無孔性物質(例えばポリマー)を含む移植可能な組成物であり、前記組成物では、本開示のアナローグは当該物質によって被包化されてあるか、又は物質全体に拡散されてあるか、及び/又は無孔性物質の分解によって拡散される。続いてこのデポットを体内の所望の場所に移植し、本開示のアナローグは予め定められた速度で当該移植物から放出される。
例示的特徴の医薬組成物は、任意のタイプのin vivo放出プロフィールを有するように改変される。いくつかの特徴では、医薬組成物は、即時放出、制御放出、持続放出、延長放出、遅延放出又は二相性放出処方物である。制御放出のためのペプチドを処方する方法は当業界で公知である。例えば以下を参照されたい:Qian et al., J Pharm 374: 46-52, 2009;及び国際特許出願公開公報WO2008/130158、 WO2004/033036、WO2000/032218及びWO1999/040942。
本組成物はさらに、例えばミセル若しくはリポソーム又はいくつかの他の被包化形を含むことができ、或いは延長放出形で投与して長期貯蔵及び/又はデリバリー効果を提供することができる。本開示の医薬処方物は、例えば以下を含む任意のレジメンにしたがって投与することができる:毎日(1日1回、1日2回、1日3回、1日4回、1日5回、1日6回)、1週間に3回、1週間に2回、2日毎、3日毎、4日毎、5日毎、6日毎、毎週、2週間毎、3週間毎、毎月、2カ月毎。
本明細書に記載のグルカゴンアナローグは単独で又は他の治療薬剤(任意の疾患又は本明細書に記載の症状の治療又は予防を目的とする)と一緒に投与できる。例えば、本明細書に記載のグルカゴンアナローグは、抗糖尿病薬又は抗肥満薬と一緒に共投与(同時又は連続的)することができる。当業界で公知又は研究中の抗糖尿病薬には以下が含まれる:インスリン、レプチン、ペプチドYY(PYY)、膵ペプチド(PP)、線維芽細胞増殖因子21(FGF21)、Y2Y4レセプターアゴニスト、スルホニルウレア、例えばトルブタミド(Orinase)、アセトヘキサミド(Dymelor)、トラザミド(Tolinase)、クロロプロパミド(Diabinese)、グリピジド(Glucotrol)、グリブリド(Diabeta、Micronase、Glynase)、グリメピリド(Amaryl)、又はグリクラジド(Diamicron);メグリチニド、例えばレパグリニド(Prandin)又はナテグリニド(Starlix);ビグアニド、例えばメトフォルミン(Glucophage)又はフェンホルミン;チアゾリジンジオン、例えばロシグリタゾン(Avandia)、ピオグリタゾン(Actos)又はトログリタゾン(Rezulin)、又は他のPPARγ阻害物質;炭水化物消化を阻害するアルファグリコシダーゼ阻害剤、例えばミグリトール(Glyset)、アカルボース(Precose/Glucobay);エクセナチド(Byetta)又はプラムリンチド;ジペプチジルペプチダーゼ-4(DPP-4)阻害剤、例えばビルダグリプチン又はシタグリプチン;SGLT(ナトリウム依存グルコーストランスポーター1)阻害剤;グルコキナーゼアクチベーター(GKA);グルカゴンレセプターアンタゴニスト(GRA);又はFBPase(フルクトース1,6-ビスホスファターゼ)阻害剤。
いくつかの実施態様の本明細書記載のペプチドは、非アルコール性脂肪肝症又はNASHの治療用薬剤と共投与される。非アルコール性脂肪肝症の治療に用いられる薬剤には、ウルソデオキシコール酸(a.k.a., Actigall、URSO及びUrsodiol)、メトフォルミン(Glucophage)、ロシグリタゾン(Avandia)、クロフィブレート、ゲミフィブロジル、ポリミキシンB及びベテインが含まれる。
いくつかの実施態様の本明細書に記載のペプチドは、神経変性疾患、例えばパーキンソン病の治療用薬剤と共投与される。抗パーキンソン病薬剤は当業界で公知であり、以下が含まれる(ただしこれらに限定されない):レボドーパ、カルビドーパ、抗コリン作動性薬、ブロモクリプチン、プラミペキソール及びロピニロール、アマンタジン及びラサギリン。
前述の記載から、本発明はさらにまた、これら他の治療薬剤の1つをさらに含む組成物及びキットを提供する。追加される治療薬剤は、本開示のアナローグと同時に又は連続して投与できる。いくつかの特徴では、本アナローグは追加の治療薬剤の前に投与されるが、他の特徴ではアナローグは追加の治療薬剤の後で投与される。
本明細書で初めて提供される情報を基にして、本開示の組成物(例えば関連する医薬組成物)は、例えば、GIPレセプター、GLP-1レセプター又は両レセプターにおける活性の欠如が当該疾患又は症状の開始及び/又は進行の要因である、ある疾患又は症状の治療に有用であることが推定される。したがって、本開示は、ある疾患又は症状を患者で治療又は予防する方法を提供する(ここで前記疾患又は症状は、GIPレセプター活性化及び/又はGLP-1レセプター活性化の欠如が当該疾患又は症状の開始及び/又は進行と密接に関係する疾患又は症状である)。本方法は、本明細書に記載の組成物又は連結物を、前記疾患又は症状の治療又は予防に有効な量で患者に提供する工程を含む。
いくつかの実施態様では、当該疾患又は症状は代謝症候群である。代謝症候群(メタボリックシンドロームX、インスリン耐性症候群又はリーベン症候群としても知られている)は、5千万のアメリカ人が罹患している疾患である。代謝症候群は、典型的には少なくとも3つ以上の以下の危険因子の集合を特徴とする:(1)異常な肥満(腹部及び腹部周辺の過剰な脂肪組織)、(2)アテローム形成性異常脂肪血症(動脈壁のプラーク沈着を亢進する高トリグリセリド、低HDLコレステロール及び高LDLコレステロールを含む血中脂肪異常)、(3)血圧上昇、(4)インスリン耐性又はグルコース不耐性、(5)前血栓状態(例えば血中の高フィブリノゲン又はプラスミノゲンアクチベーター阻害剤-1)、及び(6)前炎症性状態(例えば血中のC-反応性タンパク質の増加)。他の危険因子には加齢、ホルモン不均衡及び遺伝的素因が含まれ得る。
2001年の米国コレステロール教育プログラムにおける成人治療会議(ATP III)にしたがえば、同一個体における以下の特徴の任意の3つによって代謝症候群の基準が満たされる:(a)腹部肥満(腰回りが男性で102cm、女性で88cmを超える);(b)血清トリグリセリド(150mg/dL以上);(c)HDLコレステロール(男性で40mg/dL以下、女性で50mg/dL以下):(d)血圧(130/85以上);及び(e)絶食時血糖(110mg/dL以上)。世界保健機関(WHO)にしたがえば、高いインスリンレベル(絶食時血糖の上昇又は食後グルコース単独上昇)を示し、下記の基準の少なくとも2つを有する個体は代謝症候群の基準を満たす:(a)腹部肥満(ウェスト対ヒップ比が0.9を超え、体容積指数は少なくとも30kg/m2、又はウェストの測定値が93.98cm(37インチ)を超える);(b)少なくとも150mg/dLのトリグリセリドレベル又は35mg/dLより低いHDLコレステロールを示すコレステロールパネル;(c)140/90以上の血圧、又は高血圧治療中(Mathur, Ruchi, “Metabolic Syndrome,” ed. Shiel, Jr., William C., MedicineNet.com, May 11, 2009)。
特定の理論には拘束されないが、本明細書に記載の組成物及び連結物は代謝症候群の治療に有用である。したがって、本発明は、代謝症候群を予防若しくは治療するか、又はその危険因子の1つ、2つ若しくは3つ以上を患者で減少させる方法を提供し、前記方法は、本明細書に記載の組成物を代謝症候群又はその危険因子を予防又は治療するために有効な量で対象者に提供する工程を含む。
いくつかの実施態様では、前記方法は高血糖症状を治療する。例示的特徴では、高血糖症状は糖尿病であり、真性糖尿病I型、真性糖尿病II型、又は妊娠性糖尿病(インスリン依存性又は非依存性)である。いくつかの特徴では、前記方法は、1つ以上の糖尿病合併症(腎臓障害、網膜症及び血管疾患を含む)を緩和することによって高血糖症状を治療する。
肥満は他の疾患の開始又は進行と密接に関係するので、肥満を治療する方法は、さらに肥満に付随する合併症(血管疾患(冠状動脈疾患、卒中、末梢血管疾患、虚血再灌流などを含む)、II型糖尿病の開始、高脂血症及び筋肉骨格性疾患を含む)の治療にも有用である。したがって、本開示は、これら肥満に付随する合併症を治療又は予防する方法を提供する。
いくつかの実施態様では、当該疾患又は症状は非アルコール性脂肪肝症(NAFLD)である。NAFLDは、単純脂肪肝(脂肪症)から非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、肝硬変(肝臓の不可逆性進行性瘢痕形成)へ至る広域の肝臓疾患を指す。一般的にNAFLDの全病期が肝臓の細胞(肝細胞)における脂肪の蓄積(脂肪浸潤)を示す。単純脂肪肝は、肝臓細胞におけるある種のタイプの脂肪(トリグリセリド)の異常な蓄積であり、炎症又は瘢痕形成は伴わない。NASHでは、脂肪蓄積は、肝臓の様々な程度の炎症(肝炎)及び瘢痕形成(線維症)を伴う。炎症細胞は肝臓細胞を破壊する能力を有する(肝細胞の壊死)。“脂肪性肝炎”及び“脂肪性壊死”という用語では、脂肪性は脂肪の浸潤を指し、肝炎は肝臓の炎症を指し、壊死は肝臓細胞の破壊を指す。NASHは最終的に肝臓の瘢痕形成(線維症)、続いて不可逆性の進行性瘢痕形成(肝硬変)に至る。NASHによって引き起こされる肝硬変は、NAFLDスペクトルにおける最終の最重篤期である(Mendler, Michel, “Fatty Liver: Nonalcoholic Fatty Liver Disease (NAFLD) and Nonalcoholic Steatohepatitis (NASH),” ed. Schoenfield, Leslie J., MedicineNet.com, August 29, 2005)
いずれの特定の理論にも拘束されないが、本明細書に記載の組成物及び連結物は、アルコール性肝疾患、NAFLD又はその任意の病期(例えば脂肪症、脂肪性肝炎、肝炎、肝臓の炎症、NASH、肝硬変)又は前記の合併症の治療に有用である。したがって、本開示はアルコール性肝疾患、NAFLD又はその任意の病期を対象者で予防又は治療する方法を提供し、前記方法は、アルコール性肝疾患、NAFLD又はその任意の病期の予防又は治療に有効な量で本明細書に記載の組成物を対象者に提供する工程を含む。そのような治療方法は以下の1つ、2つ又は3つ以上を低下させることを含む:肝臓の脂肪含有量、肝硬変の発生率又は進行、肝細胞癌の発生率、炎症徴候(例えば異常な肝酵素レベル(例えばアスパルテートアミノトランスフェラーゼAST及び/又はアラニンアミノトランスフェラーゼALT又はLDH)、血清フェリチンの上昇、血清ビリルビンの上昇)、及び/又は線維症の徴候(例えばTGF-ベータレベルの上昇)。例示的な実施態様では、単純な脂肪肝(脂肪症)からさらに進行し、炎症又は肝炎の徴候を示す患者の治療に本組成物が用いられる。そのような方法は、例えばAST及び/又はALTレベルの低下をもたらすことができる。
本明細書で用いられる、グルカゴンペプチドの“有効な”量又は“治療的に有効な量”は、所望の作用を提供するために無害であるが十分な量のペプチドを指す。例えば、所望される1つの作用は、例えば血中グルコースレベルの増加により測定されるように低血糖症の予防又は治療であろう。本開示のグルカゴンペプチドのまた別の所望の作用は、正常に近い血中グルコースレベルへの変化によって測定されるように高血糖症の治療、又は例えば体重の低下によって測定されるように体重減少/体重増加の誘発、又は体重増加の予防若しくは減少、又は体脂肪分布の正常化を含むであろう。“有効な”量は、個体の年齢及び一般的健康状態、並びに投与経路などにしたがって対象者毎に変動するであろう。したがって、正確な“有効量”を特定することはいつも可能であるとは限らない。しかしながら、任意の個体例における適切な“有効量”は、日常的な実験を用いて当業者は決定することができる。
上記の治療方法に関して、患者は任意の宿主である。いくつかの実施態様では、宿主は哺乳動物である。本明細書で用いられるように、“哺乳動物”は、哺乳動物クラスの任意の脊椎動物を指し、任意の単孔類動物及び胎盤動物が含まれる(ただしこれらに限定されない)。いくつかの実施態様では、前記哺乳動物は、ネズミ目の哺乳動物(例えばマウス及びハムスター)、及びウサギ目の哺乳動物(例えばウサギ)の1つである。例示的実施態様では、前記哺乳動物はネコ目(ネコ及びイヌを含む)に由来する。例示的実施態様では、前記哺乳動物は、ウシ目(ウシ及びブタを含む)又はウマ目(ウマを含む)に由来する。いくつかの事例では、前記哺乳動物は、サル目、セボイド目、シモイド目(サル)であるか、又はアンスロポイド目(ヒト及び類人猿)である。具体的な実施態様では、前記哺乳動物はヒトである。
本開示のグルカゴンアナローグは、ある実施態様にしたがえばキットの部分として提供できる。したがって、いくつかの実施態様では、グルカゴンアナローグをその必要がある患者に投与するためのキットが提供され、ここで当該キットは本明細書に記載のグルカゴンアナローグを含む。
ある実施態様では、キットは対象動物にグルカゴンアナローグを投与するための装置とともに提供される。いくつかの実施態様では、装置は、注射筒、ジェットインジェクター又は注射針の無い注入器である。キットは、又別に或いはさらに付け加えて1つ以上の容器を含み、前記容器は、例えばバイアル、チューブ、ビン、一又は多チャンバー付きの予め充填されたシリンジ、カートリッジ、輸液ポンプ(体外用又は移植用)、ジェットインジェクター、予め充填されたペン装置などで、場合によって凍結乾燥形又は溶液としてグルカゴンアナローグを含む。いくつかの実施態様では、キットは使用のための指示を含む。ある実施態様にしたがえば、前記キットの装置はエーロゾル適用装置であり、前記装置で組成物はエーロゾル装置内で予めパッケージされている。別の実施態様では、キットは注射筒及び針を含み、ある実施態様では無菌的なグルカゴンアナローグが当該注射筒内に予めパッケージされている。
いくつかの実施態様では、キットは使用のための指示を含む。いくつかの実施態様では、前記指示は本明細書に記載した方法のいずれかにしたがって使用するための指示を含む。前記指示はさらにまた健康的な食事を維持するための指示及び/又は運動プログラムのための指示を含むことができる。前記指示は、冊子の形態又は電子的形態(例えばコンピュータで読み出すことができる指示を含む保存装置)であってもよい。
以下の実施例は本発明を単に詳述するために提供され、いかなる態様においてもその範囲を限定するものではない。
グルカゴンのペプチドフラグメントの合成:
材料:
本明細書の実施例に記載したペプチドは特段の記載がなければ全てアミド化した。
MBHA樹脂(4-メチルベンゾヒドリルアミンポリスチレン樹脂)をペプチド合成の際に用いた。MBHA樹脂、100−180メッシュ、1%DVB架橋ポリスチレン(0.7−1.0mmol/gローディング)、Boc保護及びFmoc保護アミノ酸は、ミッドウェストバイオテク(Midwest Biotech)から購入した。Boc保護アミノ酸を用いる固相ペプチド合成は以下の合成装置で実施した(Applied Biosystem 430Aペプチド合成装置)。Fmoc保護アミノ酸合成は以下の合成装置で実施した(Applied Biosystems Model 433ペプチド合成装置)。
これらのアナローグの合成は以下の装置で実施した(Applied Biosystem Model 430Aペプチド合成装置)。合成ペプチドは、2mmolのBoc保護アミノ酸を含むカートリッジに連続的にアミノ酸を付加することによって構築した。具体的には、合成はBoc DEPBT活性化一カップリングを用いて実施した。カップリング工程の最後に、ペプチジル樹脂をTFAで処理してN-末端Boc保護基を除去した。前記をジメチルホルムアミド(DMF)で繰り返し洗浄し、この反復サイクルを所望数のカップリング工程について繰り返した。アッセンブリーの後、側鎖保護基(Fmoc)を20%のピペリジン処理によって除去し、アシル化はDICを用いて実施した。全合成の最後にペプチジル樹脂をジクロロメタン(DCM)を用いて乾燥させ、ペプチドは無水HFを用いて樹脂から切り離した。
ラクタム化のためには、直交保護基をGlu及びLys(例えばGlu(Fm)、Lys(Fmoc))のために選択した。保護基除去後及びHF切断前に、以前に記載されたように環状化を実施した(例えば国際特許出願公開公報WO2008/101017号を参照されたい)。
ペプチジル樹脂を無水フッ化水素(HF)で処理し、前記によって典型的には約350mgの粗脱保護ペプチドが得られた(収量約50%)。具体的には、ペプチジル樹脂(30mgから200mg)を切断のためにHF反応容器に入れた。500μLのp-クレゾールをカルボニウムイオンスカベンジャーとして前記容器に添加した。この容器をHF系に結合させメタノール/ドライアイス混合物中に沈めた。この容器を真空ポンプで空にし、10mLのHFを容器に滴下した。前記ペプチジル樹脂とHFの反応混合物を1時間0℃で攪拌し、その後真空にしてHFを迅速に除去した(10−15分)。容器を注意して取り出し、約35mLのエーテルを充填させてペプチドを沈殿させ、さらにp-クレゾール及びHF処理から生じた小分子の有機保護基を抽出した。テフロンフィルターを用いてこの混合物をろ過し、これを2回繰り返して全ての過剰なクレゾールを除去した。このろ液は廃棄した。沈殿したペプチドを約20mLの10%酢酸(aq)に溶解した。このろ液(所望のペプチドを含む)を収集して凍結乾燥した。
溶解した粗ペプチドを分析用HPLCで以下の条件下で分析した:4.6x30mm Xterra C8、1.50mL/分、220nm、A緩衝液は0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)/10%アクリロニトリル(CAN)、B緩衝液は0.1%TFA/100%CAN、グラジエントは5−95%Bで15分。抽出物を2倍に水で希釈し、2.2x25cmのVydac C4調製用逆相カラムにロードし、Waters HPLC系でアセトニトリルグラジエント(A緩衝液は0.1%TFA/10%CAN、B緩衝液は0.1%TFA/10%CAN、グラジエントは0−100%のB、流速15.00mL/分で120分)を用いて溶出させた。精製ペプチドのHPLC分析は95%を超える純度を示し、エレクトロスプレーイオン化質量スペクトル分析を用いてペプチドの実体を確認した。
アシル化ペプチドは以下のように調製した。ペプチドは以下の合成装置のどちらかを用いて固相樹脂上で合成した(CS Bio 4886ペプチド合成装置又はApplied Biosystems 430Aペプチド合成装置)。in situ中和反応を文献(Schnolzer et al., Int. J. Peptide Protein Res. 40: 180-193, 1992)に記載されたように用いた。アシル化ペプチドのためには、アシル化されるべき標的アミノ酸(配列番号:3のアミノ酸位置番号付けに対応して例えば10位)をNε-FMOCリジン残基で置換した。反応終了N-末端BOC保護ペプチドのDMF中の20%ピペリジンによる30分間の処理によってFMOC/ホルミル基が除去された。遊離εアミノLys残基とのカップリングは、10倍モル過剰のFMOC保護スペーサーアミノ酸(例えばFMOC-Glu-OtBu)又はアシル鎖のどちらか、及びPyBOP又はDEPBTカップリング試薬のDMF/N,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)中のカップリングによって達成された。その後のスペーサーアミノ酸のFMOC基の除去に続いてアシル鎖とのカップリングが繰り返された。100%のTFAによる最終処理によっていずれの側鎖保護基もさらにN-末端BOC基も除去された。ペプチド樹脂を5%DIEA/DMFで中和し、乾燥させ、続いてHF/p-クレゾール(95:5)を用いて1時間、0℃で支持体から切断した。エーテル抽出に続いて、5%酢酸(HOAc)溶液を用いて粗ペプチドの溶媒化物を形成させた。この溶液のサンプルが正しい分子量のペプチドを含んでいることをESI-MSによって立証した。10%アセトニトリル(CH3CN)/0.1%TFAから100%CH3CN/0.1%TFAの線状グラジエントを用いRP-HPLCによって適切なペプチドを精製した。Vydac C18(22mmx250mm)タンパク質カラムを精製に用いた。アシル化ペプチドアナローグは、一般的には緩衝液比20:80で溶出を完了した。該当部分を一緒にプールし、分析用RP-HPLCで純度についてチェックした。純粋な分画を凍結乾燥して白色の固形ペプチドを得た。
ペプチドがラクタム架橋及びアシル化されるべき標的残基を含んでいたら、アシル化は当該アミノ酸のペプチド骨格への添加時に上記に記載したように実行される。
二重アシル化ペプチド(グルカゴンAib2 E16 A18 L27 D28 Cex K40(C16γE-K-γEC12)G41-アミド、配列番号:211のアミノ酸配列を有する)の合成例は図5Bに示され、下記でさらに述べる。
0.28g(0.2mmole)のmbha樹脂(Midwest Biotech)を反応容器に入れ、Bocアミノ酸のDEPBT/DIEA活性化一カップリングを用いてCSBio336合成装置で以下の配列を作成した:
Boc-HaibQGTFTSDYSKYLDERAAQDFVQWLLDGGPSSGAPPPSK(Fmoc)G-mbha樹脂
このBoc保護ペプチド樹脂を手動反応容器に移し、室温で10分間20%ピペリジン/DMFで処理した。この樹脂をろ過し、DMFで3回洗浄し、Fmoc Lys(ivDde)-OH(EMD-Novabiochem)の活性化溶液を添加した(前記は、4.0mLの0.5M DEPBT/DMF及び0.35ml(2mmole)のDIEAに2mmoleのFmoc Lys(ivDde)を溶解させることによって先に調製してあった)。
前記ペプチド樹脂を室温で16時間混合し、続いてろ過し、DMFで洗浄し、さらに20%ピペリジン/DMFで10分間処理した。この樹脂をろ過しDMFで数回洗浄し、さらにFmoc Glu-OBzlの活性化溶液を添加した(前記は、4.0mLの0.5M DEPBT/DMF及び0.35mlのDIEAに2mmoleのFmoc Glu-OBzlを溶解させることによって先に調製してあった)。この反応物を室温で1時間混合し、続いてろ過し、樹脂をDMFで洗浄した。20%のピペリジン/DMFでもう1回処理した後、樹脂をDMFで数回洗浄し、パルミチン酸の活性化溶液を添加して、40位の側鎖Lysのα-アミンのアシル化を完了させた(前記溶液は、4.0mLの0.5M DEPBT/DMFに2mmoleのパルミチン酸を溶解させ0.35mlのDIEAを添加することによって先に調製してあった)。前記反応物を1時間混合した。
分画83−86を一緒にして凍結し、さらに凍結乾燥して配列番号:211のペプチド(22.3mg)を純度90%+で得た。理論的分子量=5202.9、ESI実験質量=5202.0
スクシノイル化ペプチドは以下のように調製した。ペプチドは以下のどちらかの合成装置(CS Bio 4886ペプチド合成装置又はApplied Biosystems 430Aペプチド合成装置)を用いて、固相樹脂上で合成される。in situ中和反応を文献(Schnolzer et al., Int. J. Peptide Protein Res. 40: 180-193, 1992)の記載にしたがって用いる。スクシノイル化ペプチドのためには、アシル化されるべき標的アミノ酸(配列番号:3のアミノ酸位置番号付けに対応して例えば10位)をNε-FMOCリジン残基で置換する。DMF中の20%ピペリジンによる反応終了N-末端BOC保護ペプチドの10分間の処理によってFMOC/ホルミル基が除去された。樹脂をろ過し、DMF/DCMで洗浄してDCMに再懸濁させた。遊離ε-アミノLysとのカップリングは、10倍モル過剰の無水n-ヘキサデシルコハク酸を4-ジメチルアミノピリジンと一緒にカップリングすることによって達成される。樹脂を一晩混合し、ろ過してDCMで洗浄し、さらに50%のTFA/DCMで処理していずれの側鎖保護基もさらにN-末端BOC基も除去する。ペプチド樹脂を5%DIEA/DMFで中和し、乾燥させ、続いてHF/p-クレゾール(95:5)を用い0℃で1時間支持体から切断する。エーテル抽出に続いて、5%のHOAc溶液を用いて粗ペプチドの溶媒化物を生成する。この溶液のサンプルをHPLC分析で立証する。精製のために、残存する酢酸溶液を10x250mmアンバークロムXT20カラムにロードする。水性TFA/アセトニトリルグラジエントを実施し、その間に分画を収集して214nmのUVでモニターする。純粋な分画を凍結乾燥して固体のペプチドを得る。
スクシニル化ペプチド(グルカゴンAib2 E16 A18 L27 D28 Cex K40(C16スクシニル)G41-アミド、配列番号:156のアミノ酸配列を有する)の合成例は図3Cに示され、下記でさらに述べる。
0.28g(0.2mmole)のmbha樹脂(Midwest Biotech)を反応容器に入れ、DEPBT/DIEA活性化一カップリングを用いてCSBio336合成装置で以下の配列を作成した:
Boc-HaibQGTFTSDYSKYLDERAAQDFVQWLLDGGPSSGAPPPSK(Fmoc)G-mbha樹脂
Boc保護ペプチド樹脂の約1/3を手動反応容器に移し、室温で10分間20%ピペリジン/DMFで処理した。この樹脂をろ過し、DMFで3回、ジクロロメタンで2回洗浄し、10mLのDCMに再懸濁した。324mg(1mmole)の無水n-ヘキサデシルコハク酸(TCI)を2−3mg の4-ジメチルアミノピリジン(Aldrich)と一緒に添加した。
この樹脂を室温で一晩混合し、その後ろ過してDCMで2回洗浄し、さらに50%TFA/DCMで1−2分間処理した。この樹脂をろ過しDCMで数回洗浄し、さらに5%DIEA/DCMで洗浄することによって中和しHF反応容器に移した。5mLの液体フッ化水素及び0.5mLのp-クレゾールスカベンジャーを用いてHF切断を実施した。氷浴で1時間攪拌した後、HFを真空中で除去し、樹脂をエチルエーテル中に懸濁させた。この懸濁物を半融ガラスロートを用いてろ過し、固体をエーテルで洗浄し、さらにペプチドを15mLの50%酢酸水溶液で抽出した。HPLCで分析(4.6x50mm Zorbax SB-C8(1ml/分、45°C)、214nm、A=0.1%TFA、B=0.1%TFA/90%ACN、グラジエントは10分かけて30%Bから90%Bへ)した後、精製のために切断抽出物を21.2x250mmアンバークロムXT20カラムにロードした。水性TFA/アセトニトリルグラジエントを実施し、その間に分画を収集しUV吸収をモニターする。分画55−56を単一化合物と認定し、これを凍結しさらに凍結乾燥させた。32.5mgを純度90%+(DLS-027-68B)で回収した。理論的分子量=4720.3、ESI実験質量=54717.0。
アルキル化(例えばS-アルキル化)ペプチド(グルカゴンAib2 E16 A18 L27 D29 Cex Cys40(S-2パルミチル)アミド、配列番号:164のアミノ酸配列を有する)の合成例は図6に示され、下記でさらに述べる。
0.28g(0.2mmole)のmbha樹脂(Midwest Biotech)をCSBio反応容器に入れ、Bocアミノ酸のDEPBT/DIEA活性化一カップリングを用いてCSBio336合成装置で以下の配列を作成した:
HaibQGTFTSDYSKYLDERAAQDFVQWLLDGGPSSGAPPPSC-アミド
ペプチド樹脂をHF反応容器に移し、10mLの液体フッ化水素及び1mLのp-クレゾールスカベンジャーを氷浴中で1時間用いてHF切断を実施した。HFを蒸発させた後、残留物をエチルエーテルに懸濁し、ペプチド及び樹脂を半融ガラスロートでろ過した。エーテルで洗浄し迅速に風乾した後、ペプチドを50%酢酸水溶液で抽出した。HPLCで分析(4.6x50mm Zorbax SB-C8(1ml/分、45°C)、214nm、A=0.1%TFA、B=0.1%TFA/90%ACN、10分かけて30%から90%Bへ)した後、精製のために切断抽出物を水で3−4倍に希釈し、22.2x250mmアンバークロムXT20カラムにaq TFA/CANグラジエントを用いてロードした。最初のプールを同じカラムを用いて再精製し、79mg(純度95%)を得た。理論的分子量=4313.7、ESI実験質量=4312.0。
上記の遊離チオールペプチドの16mg(3.7μmole)を1mLのメタノールに懸濁し、さらに窒素流の下で攪拌しつつ1mLのメタノール(MeOH)中の1.5μLのテトラメチルグアニジンを、続いて0.5mgのテトラヒドロフラン(THF)中の3mg(7.8μmole)の2-ヨードヘキサデカン酸(2-ヨードパルミチン酸)を添加した。2-ヨードヘキサデカン酸は、2-ブロモヘキサデカン酸をアセトン(DLS-027-52)中のヨウ化カリウムで処理することによって先に調製してあった。アルキル化反応物を水浴中で10分間温め、その間に溶媒の大半は蒸発した。残留物を酢酸水溶液に溶解し、HPLCで分析し、出発ペプチドよりも疎水性であることが判明した。精製のために、残留する酢酸溶液を10x250mmアンバークロムXT20カラムにロードした。水性TFA/ACNグラジエントを実施し、その間に分画を収集し、さらに214nmでUVモニターする。分画64−68を一緒にし、凍結乾燥させて純度90%+の物質6.1mg(配列番号:164のペプチド)を得た。理論的分子量=4568.1、MALDI実験質量=4568.79。
ペプチドがC-末端にCys残基の代わりにLys残基を含むときは、最初に骨格Lysを用いてペプチドを生成できる。N-アルキル化されるべき標的アミノ酸残基はNε-FMOCリジン残基で置換される。反応完了N-末端BOC保護ペプチドをDMF中の20%ピペリジンにより処理することによって、Lys残基からFMOC/ホルミル基が除去される。Cys残基は遊離ε-アミノLys残基とカップリングされる。続いて上記に記載したようにCys残基を2-ヨードパルミチン酸と反応させてアルキル化する。
ミニPEGスペーサー(配列番号:89のアミノ酸配列を有する配列をもつペプチド)によるアシル化ペプチドの合成例は下記でさらに述べる。
0.28g(0.2mmole)の4-メチルベンゾヒドリルアミン(mbha)樹脂(Midwest Biotech, Inc., Fishers, IN)を反応容器に入れ、Bocアミノ酸及び3-(ジエトキシホスホリルオキシ)-3H-benzo[d][1,2,3]トリアジン-4-オン/N,N-ジイソプロピルエチルアミン(DEPBT/DIEA)活性化一カップリングを用いてCSBio336合成装置で以下の配列を作成した:
Boc-HaibQGTFTSDYSKYLDERAAQDFVQWLLDGGPSSGAPPPSK(Fmoc)G-mbha。
Boc保護ペプチド樹脂の約1/3を手動反応容器に移し、室温で10分間20%ピペリジン/ジメチルホルムアミドで処理した。この樹脂をろ過し、ジメチルホルムアミド(DMF)で数回洗浄し、FmocアミドPEG4の活性化溶液を添加した(前記は487.5mg(1.0mmole)のN-FmocアミドdPEG4酸(Peptides International, Louisville, KY)を2.0mL(0.5M)のDEPBT/DMFに溶解し、さらに0.175mLのジイソプロピルエチルアミン(1mmole)を添加することによって先に調製してあった)。この反応物を室温で約1時間混合した。
この樹脂をろ過しDMFで洗浄し、再度20%ピペリジン/DMFで処理した。樹脂をろ過し、DMFで数回洗浄し、さらにFmoc Glu-OBzlの活性化溶液を添加した(前記は、2.0mLの0.5M DEPBT/DMFに470mgの1mmoleのFmoc Glu-γ-OBzl(Aapptec, Louisville, KY)を溶解し、さらに0.175mLのDIEA(1mmole)を添加することによって先に調製してあった)。この反応物を室温で1時間混合した。
このペプチド樹脂を再度ろ過してDMFで洗浄し、さらに20%のピペリジン/DMFで10分間処理した。樹脂をろ過し、DMFで数回洗浄し、パルミチン酸の活性化溶液を添加した(前記溶液は2.0mLの0.5M DEPBT/DMFに256mgの1mmoleパルミチン酸(Sigma-Aldrich, St.Louis, MO)を溶解し、さらに0.175mLのDIEA(1mmole)を添加することによって先に調製してあった)。前記反応物を1時間混合した。
異なるN-FmocアミドdPEG酸を用いて同じ方法を繰り返した。ある事例では、N-FmocアミドdPEG4酸(Peptides International, Louisville, KY)を用いた。アセチル化ペプチドの構造は図12A−12Cに示されている。
ジスルフィドダイマーペプチドの合成例は以下に記載する。
0.28g(0.2mmole)のmbha樹脂(Midwest Biotech)をCSBio反応容器に入れ、Bocアミノ酸及びDEPBT/DIEA活性化一カップリングを用いてCSBio336合成装置で以下の配列を作成した:Boc-HaibQGTFTSDYSKYLDERAAQDFVQWLLDGGPSSGAPPPSK(Fmoc)G-アミド
Boc保護ペプチド樹脂を手動反応容器に移し、室温で10分間20%ピペリジン/DMFで処理した。この樹脂をろ過し、DMFで完全に洗浄し、Fmoc Cys(Trt)の活性化溶液でアシル化した(前記溶液は1.17mg(2mmole)のFmoc Cys(Trt)-OH(Aapptec)を4.0mL(0.5M)のDEPBT/DMFに溶解し、さらに0.35mLのジイソプロピルエチルアミン(2mmole)を添加することによって先に調製してあった)。この反応物を室温で2時間混合し、ろ過しDMFで洗浄し、さらに同じ方法を用いてFmoc Glu-OBzlを、続いてパルミチン酸を添加した。
最後に、樹脂をろ過し、DMFで、続いてジクロロメタンで洗浄しさらに50%のTFA/DCMで1−2分間処理した。5%のDIEA/DCMで中和した後、ペプチドをHF反応容器に移し、10mLの液体フッ化水素及び1mLのp-クレゾールスカベンジャーを用いて氷浴中で1時間HF切断を実施した。HFを蒸発させた後、残留物をエチルエーテルに懸濁し、ペプチド及び樹脂を半融ガラスロートでろ過した。エチルエーテルで洗浄し迅速に風乾した後、ペプチドを50%酢酸水溶液で抽出した。HPLCで分析した後(4.6x50mm Zorbax SB-C8, 1ml/分、45°C、 214nm、A=0.1%TFA、B=0.1%TFA/90%CAN、10分間かけて30%Bから90%B)、精製のために、切断抽出物を水で3−4倍に稀釈し、21.2x250mmアンバークロムXT20カラムに水性TFA/アセトニトリルグラジエントを用いてロードした。精製分画64−68を一緒にして凍結し、さらに凍結乾燥させて58.7mgの物質(HPLC純度90%+)を得た。DLS-027-97A 理論的分子量=4866.48、ESI実験質量=4864.0
HaibQGTFTSDYSKYLDERAAQDFVQWLLDGGPSSGAPPPSK(Cys(SH)γE-C16)G-アミド
上記のペプチド18.6mg(3.8μmole)を2.0mL(3M)のグアニジン/0.05Mトリス(pH8.5)及び1mLのジメチルスルホキシドに溶解させた。この反応物を室温で空気に曝して攪拌した。6時間後、HPLC分析は、出発ペプチドと比較してより多くの疎水性ピークの存在を示した。
反応混合物を20mLの0.1%TFAで稀釈し、10x250mmアンバークロムXT20カラムにロードした。精製は0.1%TFA/アセトニトリルグラジエントを用いて実施し、その間に220nmのUV吸収をモニターした。分画68−72を一緒にし凍結乾燥して5.5mgの精製ダイマーを得た。
HPLC純度は90%+であった。理論的分子量=9743.99、MALDI実験質量=9745.1。 DLS-027-98B。得られたダイマーの構造は図9Aに示されている。
チオエーテルダイマーの合成例は以下に記載する。
0.28g(0.2mmole)のmbha樹脂(Midwest Biotech)を反応容器に入れ、DEPBT/DIEA活性化一カップリングを用いてCSBio336合成装置で以下の配列を作成した:
Boc-HaibQGTFTSDYSKYLDERAAQDFVQWLLDGGPSSGAPPPSK(Fmoc)G-mbha
Boc保護ペプチド樹脂の1/3を手動反応容器に移し、室温で10分間20%ピペリジン/DMFで処理した。数回DMFで洗浄後、Boc Dap(Fmoc)の活性化溶液を添加した(前記溶液は426mg(1mmole)のBoc Dap(Fmoc)-OH(Chem-Impex)を2.0mL(0.5M)のDEPBT/DMFに溶解し、さらに0.175mLのDIEA(1mmole)を添加することによって先に調製してあった)。この反応物を室温で2時間混合し、ろ過しDMFで洗浄し、さらに20%ピペリジン/DMFで上記のように再処理した。DMFで洗浄後、樹脂をブロモ酢酸の活性化溶液でアシル化した(前記活性化溶液は、139mg(1mmole)のブロモ酢酸(Aldrich)を2.0mL(0.5M)のDEPBT/DMFに溶解し、さらに0.175mLのDIEAを添加することによって先に調製してあった)。この反応物を室温で1−2時間混合し、続いてろ過し、さらにDMFで続いてDCMで洗浄した。ペプチドを50%のTFA/DCMで2分間処理し、続いてろ過し、DCMで洗浄し、さらに5%のDIEA/DCMで中和した。反応完了ペプチド樹脂をHF反応容器に移し、5mLの液体フッ化水素/0.5mLのp-クレゾールを用いてHF切断を実施した。氷浴中で1時間攪拌した後、HFを蒸発させ、残留物をエチルエーテルに懸濁した。ペプチド/樹脂混合物を半融ガラスロートでろ過し、エーテルで洗浄した。ペプチドを50%酢酸水溶液で抽出し、粗生成物をHPLCで分析した:4.6x50mm Zorbax SB-C8, 1ml/分、45°C、214nm、A=0.1%TFA、B=0.1%TFA/90%CAN、グラジエントは10分間かけて30%Bから90%B)。精製のために、切断抽出物を21.2x250mmアンバークロムXT20カラムにロードし、水性TFA/アセトニトリルグラジエントを用いて精製を実施し、その間UV吸収を220nmでモニターした。分画48−53を一緒にして凍結し、さらに凍結乾燥させて、K40(Dap-BrAcetyl)を有する配列番号:89のペプチド(18mg)(純度90%+)を得た。理論的分子量=4602.8、ESI実験質量=4616.0
HaibQGTFTSDYSKYLDERAAQDFVQWLLDGGPSSGAPPPSK(Dap-BrAcetyl)G-アミド
上記のK40(Dap-BrAcetyl)ペプチド15mg(3.2μmole)及び配列番号:89K40(Cys γE-C16)の15mgを3.0mLの7M尿素/0.05Mトリス(pH8.6)に溶解し、室温で混合し、その間反応の進行をHPLCでモニターした。30分後に出発物質の大半がピークの還元を示し、一方新しいピークは主要成分であった。反応混合物を25mLの0.1%TFAで稀釈し、精製のために10x250mmアンバークロムXT20カラムにロードした。水性TFA/アセトニトリルグラジエントを実施し、その間220nmでUV吸収をモニターした。分画57−61を一緒にして凍結し、さらに凍結乾燥して7.1mgのチオエーテルダイマーを得た。HPLC純度は90%+であった。理論的分子量=9401.4、MALDI実験質量=9402.8。ダイマーの構造は図9Bに示されている。
ペプチドのPEG化のために、40kDaのメトキシポリ(エチレングリコール)ヨードアセトアミド(NOF)を等モル濃度のペプチド(7M尿素、50mMトリス-HCl緩衝液)と反応させた。ペプチド及びPEGの両方を清澄溶液として溶解させるために必要とされる最少量の溶媒を用いる(2−3mgのペプチドを用いる反応には一般的に2mL未満)。室温での激しい攪拌を4−6時間実施し、反応はRP-HPLCで分析した。PEG化生成物は、保持時間が低下し出発物質とは全く異なるようであった。精製は、最初のペプチド精製に用いた条件と同様の条件でVydac C4カラムで実施した。溶出は50:50の緩衝液比あたりで生じた。純粋なPEG化ペプチド分画を見つけて凍結乾燥させた。収量は、反応毎に変動するが50%を超えた。
質量スペクトルは、標準的なESIイオン供給源によるSciex API-IIIエレクトロスプレー四極質量分析計を用いて入手した。用いたイオン化条件は以下のとおりである:陽イオンモードのESI;イオンスプレー電圧、3.9kV;オリフィス電位、60V。使用したネブライジング及びカーテンガスは9L/分の流速の窒素であった。質量スペクトルは、0.5Th/工程及び2msec残存時間で600−1800Thompsonから記録した。サンプル(約1mg/mL)は、1%酢酸を含む50%アセトニトリル水溶液に溶解し、外部シリンジポンプにより5μL/分の速度で導入した。
ペプチドをESIMSによってPBS溶液中で分析するときは、ペプチドはまず初めに、0.6μLのC4樹脂を含むZipTip固相抽出チップを用い製造業者(Millipore Corporation, Billerica, MA)の提供する指示に従い脱塩した(全世界ウェブのミリポアウェブサイト(millipore.com/catalogue.nsf/docs/C5737)を参照されたい)。
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)及びMALDI分析を用いてリン酸緩衝食塩水(PBS)緩衝液(pH7.2)におけるこれらの粗ペプチドの相対的な変換速度の概算を得るために、これらの粗ペプチドを用いて予備的分析を実施した。粗ペプチドサンプルはPBS緩衝液に1mg/mLの濃度で溶解させた。得られた溶液の1mLを1.5mLのHPLCバイアルに保存し、続いてこのバイアルに栓をして37℃でインキュベートした。100μLのアリコットを種々の時点でバイアルから抜きとり、室温に冷却してHPLCで分析した。
HPLC分析は、ベックマンシステムゴールド(Beckman System Gold)クロマトグラフィー系を用い214nmでUV検出装置により実施した。HPLC分析は150mmx4.6mmのC18 Vydacカラムで実施した。流速は1mL/分であった。溶媒Aは蒸留水に0.1%のTFAを含み、溶媒Bは90%のCH3CNに0.1%のTFAを含んでいた。線状グラジエントを用いた(15分で40%から70%B)。データを収集し、ピークシンプル(Peak Simple)クロマトグラフィーソフトを用いて分析した。
加水分解の初速を用いて、対応するプロドラッグの分解の速度定数を測定した。プロドラッグ及びドラッグの濃度をそれらのピーク面積からそれぞれ概算した。種々の時間間隔でプロドラッグ濃度のロガリズムをプロットすることによって、プロドラッグの一次分解速度を決定した。このプロットの勾配は速度定数“K”を提供する。続いて、種々のプロドラッグの分解の半減期を、t1/2=0.693/kの式を用いて計算した。
cAMPを誘発するグルカゴンアナローグの能力をホタルルシフェラーゼ系レポーターアッセイで測定した。レセプター(グルカゴンレセプター、GLP-1レセプター又はGIPレセプター)及びcAMP応答エレメント結合ルシフェラーゼ遺伝子を同時にトランスフェクトしたHEK293細胞を、0.25%のウシ成長血清(Bovine Growth Serum;HyClone, Logan, UT)補充DMEM(Invitrogen, Carlsbad, CA)で16時間培養することによって血清を枯渇させ、続いて96ウェルのポリ-D-リジン被覆“バイオコート(Biocoat)”プレート(BD Biosciences, San Jose, CA)で、グルカゴン、GLP-1、GIP又は新規なグルカゴンアナローグのいずれかの連続希釈とともに37℃、5%CO2で5時間インキュベートした。インキュベーション終了時に、100マイクロリットルのLucLiteルミネッセンス基質試薬(Perkin-Elmer, Wellesley, MA)を各ウェルに添加した。このプレートをざっと揺すり、暗所で10分間インキュベートし、MicroBeta-1450液体シンチレーションカウンター(Perkin-Elmer, Wellesley, MA)で発光を測定した。50%有効濃度をオリジン(Origin)ソフトウェア(OriginLab, Northampton, MA.)を用いて計算した。
各グルカゴンアナローグを水又はPBSに溶解し、初期HPLC分析を実施する。pH(4、5、6、7)を調製した後、サンプルを規定の時間37℃でインキュベートし、HPLCで再度分析してペプチドの完全性を決定する。問題の個々のペプチドの濃度を決定し、初期分析と比較して完全性維持パーセントを計算する。
グルカゴン(又はアナローグ)の溶液(1mg/mL又は3mg/mL)を0.01NのHClで調製する。100μLのストック溶液を0.01NのHClで1mLに稀釈し、UV吸収(276nm)を決定する。200−250μLの0.1N Na2HPO4(pH9.2)を用いて、残りのストック溶液のpHをpH7に調節する。この溶液を一晩4℃で静置し、続いて遠心沈殿を実施する。続いて100μLの上清を0.01NのHClで1mLに稀釈し、UV吸収を決定する(デュープリケートにて)。
体積の増加について初期吸収の読みを修正し、以下の計算を用いてパーセント溶解性を決定する:
最終的吸収/初期吸収x100=%溶解性
ペプチドとグルカゴンレセプターとの親和性を、シンチレーションプロクシミティーアッセイ技術を用いる競合結合アッセイで測定する。96ウェルの白色/透明底プレート(Corning Inc., Acton, MA)で、シンチレーションプロクシミティアッセイ緩衝液(0.05Mトリス-HCl(pH7.5)、0.15MのNaCl、0.1%w/vウシ血清アルブミン)で作成したペプチドの3倍段階希釈を、0.05nMの(3-[125I]-ヨードチロシル)Tyr10グルカゴン(Amersham Biosciences, Piscataway, NJ)(ウェル当たり1−6mg)、ヒトグルカゴンレセプターを過剰発現する細胞から調製した形質膜フラグメント、及び1mg/ウェルのポリエチレンイミン処理コムギ胚芽アグルチニンA型シンチレーションプロクシミティアッセイビーズ(Amersham Biosciences, Piscataway, NJ)と混合する。ロータリーシェーカーにより800rpmで5分間攪拌し、プレートを室温で12時間インキュベートし、続いてMicroBeta1450液体シンチレーションカウンター(Perkin-Elmer, Wellesley, MA)で値を読み取る。非特異的結合(NSB)の放射能は、試験サンプルの最高濃度より4倍高い濃度の“コールド”の本来のリガンドを含むウェルで測定され、総結合放射能は競合物質を含まないウェルで検出される。パーセント特異的結合は以下のように計算される:
%特異的結合=((結合−NSB)/(総結合−NSB))x100
IC50値はオリジンソフトウェア(OriginLab, Northampton, MA)を用いて決定した。
GLP-1レセプター(GLP-1R)、グルカゴンレセプター(GR)及びGIPレセプター(GIPR)におけるEC50は表1に提供される。
一般的に、20位にAIBを含むか、又は16位のGlu及びC-末端伸長の組合せを含むペプチドアナローグは、GIPレセプターで極めて強力な活性を示した。さらにまた、2位にAIBを含むペプチドアナローグは、一般的に、2位にd-Serを含む対応するペプチドアナローグと比較してGIPレセプターでより強い活性を示した(例えば配列番号:2と3又は配列番号:5と6でGIPレセプターにおけるEC50を比較されたい)。
配列番号:28、37−39及び134の1つのアミノ酸配列を有する、GIPレセプターで活性を示すグルカゴンアナローグのin vivo活性を食事誘発肥満(DIO)マウスで試験し、グルカゴンアゴニストアナローグ又は賦形剤投与マウスにおけるin vivo活性と比較した。各マウス試験グループを19匹のマウスで構成し、各マウスの皮下に10nmol/kg用量のペプチド又はベヒクルコントロールを注射した。体重及び飼料摂取は投与後0、1、3、5及び7日目に測定し、一方、絶食時血中グルコースレベルは0及び7日目に測定した。0及び7日目に血中グルコースレベルを測定する前に、マウスを6時間絶食させた。投与後5日目に、追加で随意血中グルコースレベルを測定した。
GIPレセプター活性グルカゴンアナローグを注射した全てのマウスが、ベヒクルコントロール投与マウスと比較して、投与後7日で顕著な体重減少を示した(約11%から約27%の減少)。さらにまた、GIPレセプター活性グルカゴンアナローグを注射したマウスの全てが、投与後7日で血中グルコースレベルの実質的低下を示した(約43%から約65%の低下)。
GIPレセプター活性グルカゴンアナローグのin vivo活性を分析するために、別の実験を雄のdb/dbマウスで実施した。この試験では、20nmol/kg用量のGIPレセプター活性グルカゴンアナローグ(配列番号:28、31、37、135及び136の配列を有する)を皮下注射によりマウスに投与した。コントロールマウスグループにはベヒクルコントロールを投与した。血中グルコースレベルは、投与前並びに投与後1、2、4、8、24、48及び72時間後にアッセイした。体重は投与前及び投与後72時間に測定した。DIOマウス実験で認められた結果と一致して、GIPレセプター活性グルカゴンアナローグを投与したマウスの全てが、ベヒクルコントロールグループと比較して実質的な体重減少を示した(約2%から約5%の減少)。さらにまた、GIPレセプター活性グルカゴンアナローグを投与したマウスの全てが血中グルコースレベルの低下を示した。
グルカゴンアナンローグを本質的に実施例1に記載したように生成し、表6にこれらの構造を示す。グルカゴンレセプター、GLP-1レセプター及びGIPレセプターの各々における活性について、実施例2に記載したようにこれらのグルカゴンアナローグを試験する。
図2に示すように、アシル化ペプチドを注射したマウスの体重は、7日目に少なくとも5%の総体重の減少を示した。
図4に示すように、これらのペプチドの1つを投与されたマウスは、ベヒクルコントロールと比較して7日の間に体重減少を示した。ペプチドの注射を受けたマウスは7日目に総体重の少なくとも5%の減少を示し、そのうちの2匹は7日目に総体重の少なくとも10%の減少を示した。
本質的に実施例2に記載したように、2つのアシル化を保持するペプチドをグルカゴンレセプター、GLP-1レセプター及びGIPレセプターの各々におけるin vitro活性について試験し、結果を表12に示す。
図5Eに示すように、ペプチド注射を受けたマウスは、ベヒクルコントロールを注射されたマウスと比較してこの試験の7日目に体重減少を示した。
図5Fに示すように、血中グルコースレベルは、ベヒクルコントロールを注射されたマウスと比較してペプチド注射を受けたマウスで低下した。
これらのペプチドを、本質的に実施例2に記載したようにグルカゴンレセプター、GLP-1レセプター及びGIPレセプターの各々におけるin vitro活性について試験した。各ペプチドの各レセプターにおけるEC50が下記の表13に示されている。
被検ペプチドには、ガンマグルタミン酸スペーサーを有するアシル化ペプチド、2つのガンマグルタミン酸のジペプチドスペーサーを有するアシル化ペプチド、C16-スクシニル化ペプチド、以下の構造(-O-CH2-CH2-)n(式中nは2)を含むミニPEGスペーサーを有するアシル化ペプチド、以下の構造(-O-CH2-CH2-)n(式中nは4)を含むミニPEGスペーサーを有するアシル化ペプチド、以下の構造(-O-CH2-CH2-)n(式中nは8)を含むミニPEGスペーサーを有するアシル化ペプチド、S-パルミチルアルキル化ペプチド(ここでLysは骨格残基で、CysはLysとアシル基との間のスペーサーである)、及びS-パルミチルアルキル化ペプチド(ここでLysは骨格残基で、ガンマグルタミン酸CysはLysとアシル基との間のジペプチドスペーサーである)が含まれていた。体重及び飼料摂取は0、1、3、5及び7日目に測定し、一方、血中グルコース測定は0及び7日目に実施した。
図8に示すように、被検ペプチドの多くが、7日目に測定したとき体重の総変化で少なくとも5%の減少を示した。
得られた生成物の構造は図9A及び9Bに示されている。
これらのホモダイマーを、本質的に実施例2に記載したようにグルカゴンレセプター、GLP-1レセプター及びGIPレセプターの各々におけるin vitro活性について試験した。各ペプチドの各レセプターにおけるEC50が下記の表14に示されている。
図10に示すように、体重は、表15のペプチドを投与された全ての動物で減少した。19日目に測定した飼料摂取は、ベヒクルコントロールを投与されたマウスと比較して、表15のペプチドを投与された全ての動物で低下した。図11に示すように、インスリンレベル(21日目に測定)もまた、ベヒクルと比較してペプチド投与動物で低下した。顕著なことには、最高値の重量減少を示したマウスはまた最低インスリンレベルを示したマウスであった。
本発明の記述の中で(特に下記請求の範囲の中で)“a”及び“an”、及び“the”という用語、並びに同様な該当用語は、本明細書で特段の指示がなければ又は文脈により明瞭な矛盾が生じなければ、単数及び複数の両方を含むと解されるべきである。“comprising”、“having”、“including”及び“containing”という用語は、特段の指定がなければ限度がない用語と解されるべきである(すなわち「〜を含むが、ただしこれらに限定されない」を意味する)。
本明細書の値に関する範囲の列挙は、特段の指示がなければ、当該範囲内に含まれるそれぞれ別個の値及び各終末点を個々に言及するための便法として供することを単に意図しているにすぎず、それぞれ別個の値及び終末点は、前記が個々に本明細書に列挙されたかのように本明細書に含まれる。
本明細書に記載に全ての方法が、特段の指示がなければ又は文脈により明瞭な矛盾が生じなければ、任意の適切な順序で実施され得る。本明細書で提供される任意の及び全ての例示又は例示的用語(例えば“such as”)の使用は、本発明を単により良好に例示することを目的とし、特段に規定されなければ本発明の範囲を限定しようとするものではない。本明細書の用語はいずれも、任意の非必須成分を本発明の実施に必須なものと同じように示していると解されるべきではない。
本発明の好ましい実施態様(本発明の実施のために本発明者らが知った最良の態様を含む)が本明細書に記載されている。これら好ましい実施態様の変型は、前述の記載を読むときに当業者には明らかとなろう。本発明者らはそのような変型を適切なものとして当業者が利用することを予想し、さらに本発明者らは、本発明が本明細書に具体的に記載した態様以外の態様で実施されることを意図する。したがって、本発明には、適用される法律によって許容されるように、本明細書に添付した特許請求の範囲に列挙した主題の改変物及び等価物の全てが含まれる。さらにまた、上記に記載した成分のその全ての可能な変型における任意の組み合わせが、本明細書で特段に指示されなければ又は文脈により明瞭な矛盾が生じなければ本発明に包含される。
Claims (136)
- 以下の(a)−(e)を含む、グルカゴン(配列番号:1)のアナローグ:
(a)1位のイミダゾール側鎖を含むアミノ酸、
(b)2位のDPP-IV保護アミノ酸、場合によってAIB;
(c)9、10、12、16、20、又は37−43位の任意の位置の、アシル化アミノ酸又はアルキル化アミノ酸、場合によって前記アシル又はアルキル基はスペーサーを介して前記アミノ酸に結合されてある;
(d)20位のアルファアルファ二置換アミノ酸;及び
(e)配列番号:1と対比して10までのまた別のアミノ酸の改変;
ここで、グルカゴンアナローグが親水性成分を欠くとき、前記グルカゴンアナローグは、少なくとも0.1%のGIPパーセンテージポテンシーを示し、ここでGIPレセプターと対比してヒトGLP-1レセプターに対して100倍未満の選択性を有する。 - α,α-二置換アミノ酸がR1及びR2を含み、その各々がアルファ炭素と結合し、R1及びR2の各々が、場合によってヒドロキシル、アミド、チオール、ハロで置換されてあるC1−C4アルキルから成る群からそれぞれ別個に選択されるか、又はR1及びR2は、それらが結合しているアルファ炭素と一緒になって環を形成する、請求項1に記載のグルカゴンアナローグ。
- 20位のα,α-二置換アミノ酸がAIBである、請求項2に記載のグルカゴンアナローグ。
- 16位のアミノ酸が、AIB以外のアルファヘリックス安定化アミノ酸である、請求項1から3のいずれか1項に記載のグルカゴンアナローグ。
- 16位のアミノ酸が荷電アミノ酸、場合によって陰性荷電アミノ酸又は陽性荷電アミノ酸である、請求項4に記載のグルカゴンアナローグ。
- 荷電アミノ酸がGlu又はLysである、請求項5に記載のグルカゴンアナローグ。
- 以下の(a)−(e)を含む、グルカゴン(配列番号:1)のアナローグ:
(a)1位のイミダゾール側鎖を含むアミノ酸、
(b)2位のDPP-IV保護アミノ酸、場合によってAIB;
(c)9、10、12、16、20、又は37−43位の任意の位置の、アシル化アミノ酸又はアルキル化アミノ酸、場合によって前記アシル又はアルキル基はスペーサーを介して前記アミノ酸に結合されてある;
(d)16−21位の1つ以上の位置のアルファヘリックス安定化アミノ酸、場合によって16位にアルファヘリックス安定化アミノ酸を含む場合、前記アナローグは20位にアルファヘリックス安定化アミノ酸を含まない;及び
(e)配列番号:1と対比して10までのまた別のアミノ酸の改変;
ここで、グルカゴンアナローグが親水性成分を欠くとき、前記グルカゴンアナローグは、少なくとも0.1%のGIPパーセンテージポテンシーを示し、ここでGIPレセプターと対比してヒトGLP-1レセプターに対して100倍未満の選択性を有する。 - 16位のアルファヘリックス安定化アミノ酸を含み、場合によって前記アルファヘリックス安定化アミノ酸が陰性荷電アミノ酸又はアルファアルファ二置換アミノ酸である、請求項7に記載のグルカゴンアナローグ。
- 陰性荷電アミノ酸がGluである、請求項8に記載のグルカゴンアナローグ。
- α,α-二置換アミノ酸がR1及びR2を含み、その各々がアルファ炭素と結合し、R1及びR2の各々が、場合によってヒドロキシル、アミド、チオール、ハロで置換されてあるC1−C4アルキルから成る群からそれぞれ別個に選択されるか、又はR1及びR2は、それらが結合しているアルファ炭素と一緒になって環を形成する、請求項8に記載のグルカゴンアナローグ。
- α,α-二置換アミノ酸がAIBである、請求項10に記載のグルカゴンアナローグ。
- 18位の小さな脂肪族アミノ酸、場合によってAla及び17位のArgを含む、請求項7から11のいずれか1項に記載のグルカゴンアナローグ。
- 配列番号:1と比較してアナローグが20位で改変されない、請求項7から12のいずれか1項に記載のグルカゴンアナローグ。
- (i)C-末端から29位のアミノ酸に1から21のアミノ酸の伸長を含むか、又は(ii)アシル化アミノ酸又はアルキル化アミノ酸が10、12又は16位に位置する、請求項1から13のいずれかに記載のグルカゴンアナローグ。
- 1位のアミノ酸がHis又はHis誘導体である、請求項1から14のいずれか1項に記載のグルカゴンアナローグ。
- 2位のアミノ酸がアルファアルファ二置換アミノ酸である、請求項1から15のいずれか1項に記載のグルカゴンアナローグ。
- α,α-二置換アミノ酸がR1及びR2を含み、その各々がアルファ炭素と結合し、R1及びR2の各々が、場合によってヒドロキシル、アミド、チオール、ハロで置換されてあるC1−C4アルキルから成る群からそれぞれ別個に選択されるか、又はR1及びR2は、それらが結合しているアルファ炭素と一緒になって環を形成する、請求項16に記載のグルカゴンアナローグ。
- 2位のα,α-二置換アミノ酸がAIBである、請求項17に記載のグルカゴンアナローグ。
- C-末端から29位のアミノ酸に1から21のアミノ酸の伸長を含む、請求項1から18のいずれかに記載のグルカゴンアナローグ。
- 29位のアミノ酸がGlyである、請求項19に記載のグルカゴンアナローグ。
- 伸長がTrpケージ構造を形成するアミノ酸配列を含む、請求項19又は20に記載のグルカゴンアナローグ。
- 伸長がGPSSGAPPPS(配列番号:5)のアミノ酸配列又はその保存的置換配列を含む、請求項21に記載のグルカゴンアナローグ。
- 伸長が少なくとも1つの荷電アミノ酸を含む、請求項19又は20に記載のグルカゴンアナローグ。
- 伸長がX1-X2のアミノ酸配列を含み、ここでX1が荷電アミノ酸であり、さらにX2が小さな脂肪族アミノ酸である、請求項23に記載のグルカゴンアナローグ。
- X1が陽性荷電アミノ酸である、請求項24に記載のグルカゴンアナローグ。
- X1がArgである、請求項25に記載のグルカゴンアナローグ。
- 伸長がArg-Glyを含む、請求項26に記載のグルカゴンアナローグ。
- (i)本来のものではないアシル又はアルキル基を含むアミノ酸が10位に位置するか、又は(ii)グルカゴンアナローグが、C-末端から29位のアミノ酸に1から21のアミノ酸の伸長及び37−43位のいずれか、場合によって40位のアシル化アミノ酸又はアルキル化アミノ酸を含む、請求項14を除く請求項1から27のいずれかに記載のグルカゴンアナローグ。
- アシル化アミノ酸又はアルキル化アミノ酸が14位に存在する、請求項1から27に記載のグルカゴンアナローグ。
- アシル基又はアルキル基のアミノ酸がアミノ-Phe又はTyrと結合される、請求項1から29に記載のグルカゴンアナローグ。
- アシル基又はアルキル基が、長さが3から10原子のスペーサーを介してアミノ酸と結合される、請求項1から31のいずれかに記載のグルカゴンアナローグ。
- スペーサーが一アミノ酸又はジペプチドである、請求項1から32のいずれかに記載のグルカゴンアナローグ。
- スペーサーが1つ又は2つの酸性アミノ酸残基を含む、請求項33のグルカゴンアナローグ。
- アシル化アミノ酸又はアルキル化アミノ酸がスペーサーを介してアシル基又はアルキル基と結合され、スペーサーとアシル基の全長が約14から約28原子の長さである、請求項1から34のいずれかに記載のグルカゴンアナローグ。
- アシル化アミノ酸又はアルキル化アミノ酸がC12からC18脂肪アシル基に結合される、請求項1から35のいずれかに記載のグルカゴンアナローグ。
- アシル基がC14又はC16脂肪アシル基である、請求項36に記載のグルカゴンアナローグ。
- C-末端から27位のアミノ酸までに少なくとも1つの荷電アミノ酸を含む、請求項1から37のいずれかに記載のグルカゴンアナローグ。
- 28位に荷電アミノ酸を含む、請求項38に記載のグルカゴンアナローグ。
- 荷電アミノ酸が陰性荷電アミノ酸である、請求項38又は39に記載のグルカゴンアナローグ。
- 陰性荷電アミノ酸がAspである、請求項40に記載のグルカゴンアナローグ。
- 荷電アミノ酸が陽性荷電アミノ酸である、請求項38又は39に記載のグルカゴンアナローグ。
- 28位の式Iのアミノ酸がLysである、請求項43に記載のグルカゴンアナローグ。
- 27位、29位、又は27位及び29位の両方にアミノ酸改変を含む、請求項1から44のいずれかに記載のグルカゴンアナローグ。
- 27位のアミノ酸がLeu、Nle、Val又はLysである、請求項45に記載のグルカゴンアナローグ。
- 29位のアミノ酸がGly又はThrである、請求項45又は46に記載のグルカゴンアナローグ。
- 以下の1つ以上を含む、請求項1から47のいずれかに記載のグルカゴンアナローグ:
i.1位のDPP-IV保護アミノ酸;
ii.3位の酸性アミノ酸、場合によってGlu;
iii.7位のIle;
iv.12位のIle又はArg;
v.15位の酸性アミノ酸、場合によってGlu;
vi.18位の脂肪族アミノ酸、場合によってAla;
vii.21位の酸性アミノ酸、場合によってGlu;
viii.24位のAsn、Ala、又はAIB;
ix.27位の脂肪族アミノ酸、場合によってAla又はLeu又はNle;
x.28位の酸性アミノ酸、場合によってGlu、又は脂肪族アミノ酸、場合によってAla;
xi.29位の脂肪族アミノ酸、場合によってAla;
xii.C-末端のアミド化。 - 配列番号:184−199のいずれかのアミノ酸配列を含む、請求項1から48のいずれかに記載のグルカゴンアナローグ。
- 配列番号:28、29、31、37−41、79、80、89、90、95、130、145−152、155−167、171、176、177、180、203−207、212及び230のいずれかを含む、請求項1から48のいずれか1項に記載のグルカゴンアナローグ。
- 配列番号:28、37、89、95、130、171及び180のいずれかのアミノ酸配列を含む、請求項50に記載のグルカゴンアナローグ。
- 以下の配列を含むペプチド:
(a)配列番号:184
HX2X3GTFTSDX10SKYLDX16RX18AX20X21FVQWLX27X28X29GPSSGX35PPPS(配列番号:184)
式中、
X2はAIBであり;
X3はGln又はGlnアナローグであり;
X10はTyr又はC12からC18のアシル又はアルキル基に共有結合したアミノ酸であり;
X16は任意のアミノ酸、場合によってGly、Pro及びSer以外の任意のアミノ酸であり;
X18はArg又はAlaであり;
X20は陰性荷電アミノ酸又は中性荷電アミノ酸、場合によってAIB又はGlnであり;
X21は酸性アミノ酸、場合によってAsp又はGluであり;
X27はLeu、Ala、Nle、又はMetであり;
X28はAla又は酸性アミノ酸(場合によってAsp又はGlu)であり;
X29はAla又はGlyであり;
X35はAla又は塩基性アミノ酸(場合によってArg又はLys)であり;
ここで、X28が酸性アミノ酸であるとき、X35は塩基性アミノ酸であり;
ここで、X10がTyrであるとき、ペプチドは、C12からC18のアシル又はアルキル基に共有結合したアミノ酸を40位に含み、さらに場合によってペプチドは41位にGlyを含み、
ここで、ペプチドのC-末端アミノ酸はアミド化されるか;又は
(b)配列番号:184と対比して3つまでのアミノ酸改変を有する配列番号:184、
ここで、前記ペプチドは、ヒトGIPレセプター、ヒトGLP-1レセプター及びヒトグルカゴンレセプターの各々でアゴニスト活性を示す。 - X10がTyrであり、ペプチドが、C12からC18のアシル又はアルキル基に共有結合したアミノ酸を40位に含み、さらにペプチドが場合によって41位にGlyを含む、請求項52に記載のペプチド。
- X10がC12−C18のアシル又はアルキル基に共有結合したアミノ酸である、請求項52又は53に記載のペプチド。
- X20がGlnである、請求項52から54のいずれか1項に記載のペプチド。
- 16位のアミノ酸が陰性荷電アミノ酸、場合によってGluである、請求項55に記載のペプチド。
- X18がAlaである、請求項56に記載のペプチド。
- X20がAIBである、請求項52から54のいずれか1項に記載のペプチド。
- X16がAIB以外の任意のアミノ酸である、請求項58に記載のペプチド。
- (i)X28が酸性アミノ酸、場合によってAsp又はGluであり、さらにX35が塩基性アミノ酸、場合によってArg又はLysであり、(ii)X27、X28及びX29のただ1つがAlaであり、(iii)ペプチドがアミド化されたGlyをC-末端に含む、請求項52から59のいずれか1項に記載のペプチド。
- 3つまでのアミノ酸改変が保存的置換である、請求項52から60のいずれか1項に記載のペプチド。
- 以下の配列を含むペプチド:
(a)配列番号:185
HX2QGTFTSDX10SKYLDX16RX18AX20X21FVQWLX27X28X29GPSSGAPPPS(配列番号:185)
式中、
X2はAIBであり;
X10はTyr又はC12からC18のアシル又はアルキル基に共有結合したアミノ酸であり;
X16はGlu、アルファアルファ二置換アミノ酸、Lysであるか、又は
X18はArg又はAlaであり;
X20はAIB又はGlnであり;
X21はAsp又はGluであり;
X27はLeu、Nle、又はMetであり;
X28はAla、Asp又はGluであり;
X29はGly又はThrであり;さらに
ここで、X10がTyrであるとき、ペプチドは、C12からC18のアシル又はアルキル基に共有結合したアミノ酸を40位に含み、さらに場合によってペプチドは41位にGlyを含み、
ここで、ペプチドのC-末端アミノ酸はアミド化されるか、又は
(b)配列番号:185と対比して3つまでのアミノ酸改変を有する配列番号:185の配列、ここで、前記ペプチドは、ヒトGIPレセプター、ヒトGLP-1レセプター及びヒトグルカゴンレセプターの各々でアゴニスト活性を示す。 - 3つまでのアミノ酸改変が保存的置換である、請求項62に記載のペプチド。
- 以下を含むペプチド:
(a)配列番号:186
HX2X3GTFTSDX10SKYLDX16RX18AX20X21FVQWLX27X28X29(配列番号:186)
式中、
X2はAIBであり;
X3はGln又はGlnアナローグであり;
X10はTyr又はC10からC26のアシル又はアルキル基と共有結合したアミノ酸であり;
X16は任意のアミノ酸、場合によってGly、Pro及びSer以外の任意のアミノ酸であり;
X18はArg又はAlaであり;
X20は陰性荷電アミノ酸又は中性荷電アミノ酸、場合によってAIB又はGlnであり;
X21は酸性アミノ酸、場合によってAsp又はGluであり;
X27はLeu、Ala、Nle、又はMetであり;
X28はAla又は酸性アミノ酸(場合によってAsp又はGlu)であり;
X29はAla、Gly又はThrであり;さらに
ここで、ペプチドは、C10からC26のアシル又はアルキル基に共有結合したアミノ酸を場合によって10位に含み、さらにペプチドのC-末端アミノ酸はアミド化されるか、又は
(b)配列番号:186と対比して3つまでのアミノ酸改変を有する配列番号:186、
ここで、前記ペプチドは、ヒトGIPレセプター、ヒトGLP-1レセプター及びヒトグルカゴンレセプターの各々でアゴニスト活性を示す。 - X20がAIBである、請求項64に記載のペプチド。
- X29がThrであり、さらにペプチドがGPSSGAPPPS(配列番号:5)を含まない、請求項65に記載のペプチド。
- X16がAIB以外のアミノ酸である、請求項65又は66に記載のペプチド。
- X20がGlnである、請求項64に記載のペプチド。
- 16位のアミノ酸が陰性荷電アミノ酸、場合によってGluである、請求項68に記載のペプチド。
- X18がAlaである、請求項69に記載のペプチド。
- C-末端から29位のアミノ酸に1から21のアミノ酸の伸長を含む、請求項66を除く請求項64から70のいずれか1項に記載のペプチド。
- 29位のアミノ酸がGlyである、請求項71に記載のペプチド。
- 伸長が、アミノ酸配列GPSSGAPPPS(配列番号:5)又はその保存的置換配列を含むか、或いは伸長が配列X1-X2を含み、ここでX1は荷電アミノ酸でありX2は小さな脂肪族アミノ酸であり、場合によってX1は陽性荷電アミノ酸である、請求項71または72に記載のペプチド。
- 陽性荷電アミノ酸がArgである、請求項73に記載のペプチド。
- 伸長がArg-Glyを含むか、又は前記から成る、請求項74に記載のペプチド。
- 伸長が、Lys又はLys-Glyがその後に続くアミノ酸配列GPSSGAPPPS(配列番号:5)を含み、ここで前記LysがC10からC26のアシル基に共有結合される、請求項73に記載のペプチド。
- 配列番号:186を含み、X2がAIBであり、X3がGlnであり、X10がC10からC26のアシル基又はアルキル基と共有結合されてあるアミノ酸であり、X18がArg又はAlaであり、X20がAIB又はGlnであり、X21がAsp又はGluであり、X29がGlyであり、さらにC-末端のアミノ酸がアミド化され、ここで29位のGlyが、Lys又はLys-Glyがその後に続くアミノ酸配列GPSSGAPPPSと融合され、ここでLysがC10−C26アシル基に共有結合される、請求項64に記載のペプチド。
- 3つまでのアミノ酸改変が保存的置換である、請求項64から77のいずれか1項に記載のペプチド。
- 以下を含むペプチド:
(a)配列番号:187の配列
HX2QGTFTSDX10SKYLDX16RX18AX20X21FVQWLX27X28X29(配列番号:187)
式中、
X2はAIBであり;
X10はTyr又はC10からC26のアシル又はアルキル基と共有結合したアミノ酸であり;
X16はGlu、アルファアルファ二置換アミノ酸、又はLysであり;
X18はArg又はAlaであり;
X20は陰性荷電アミノ酸又は中性荷電アミノ酸、場合によってAIB又はGlnであり;
X21はAsp又はGluであり;
X27はLeu、Ala、Nle、又はMetであり;
X28はAla、Asp又はGluであり;
X29はGly又はThrであり;さらに
ここで、ペプチドは、C12からC18のアシル又はアルキル基に共有結合されたアミノ酸を場合によって10位に含み、さらにペプチドのC-末端アミノ酸はアミド化されるか;又は
(b)配列番号:187と対比して3つまでのアミノ酸改変を有する配列番号:187、
ここで、前記ペプチドは、ヒトGIPレセプター、ヒトGLP-1レセプター及びヒトグルカゴンレセプターの各々でアゴニスト活性を示す。 - 3つまでのアミノ酸改変が保存的置換である、請求項80に記載のペプチド。
- 配列番号:188の配列、又は配列番号:188と対比して3つまでのアミノ酸改変を有する配列番号:188の配列を含むペプチドであって、前記ペプチドが、ヒトGIPレセプター及びヒトGLP-1レセプターの各々でアゴニスト活性を示す、前記ペプチド。
- 配列番号:189の配列、又は配列番号:189と対比して3つまでのアミノ酸改変を有する配列番号:189の配列を含むペプチドであって、前記ペプチドが、ヒトGIPレセプター及びヒトGLP-1レセプターの各々でアゴニスト活性を示す、前記ペプチド。
- 配列番号:190の配列、又は配列番号:190と対比して3つまでのアミノ酸改変を有する配列番号:190の配列を含むペプチドであって、前記ペプチドが、ヒトGIPレセプター及びヒトGLP-1レセプターの各々でアゴニスト活性を示す、前記ペプチド。
- 配列番号:191の配列、又は配列番号:191と対比して3つまでのアミノ酸改変を有する配列番号:191の配列を含むペプチドであって、前記ペプチドが、ヒトGIPレセプター及びヒトGLP-1レセプターの各々でアゴニスト活性を示す、前記ペプチド。
- 配列番号:192の配列、又は配列番号:192と対比して3つまでのアミノ酸改変を有する配列番号:192の配列を含むペプチドであって、前記ペプチドがヒトGIPレセプター及びヒトGLP-1レセプターの各々でアゴニスト活性を示し、さらに場合によって前記ペプチドがヒトグルカゴンレセプターでアゴニスト活性を示す、前記ペプチド。
- 配列番号:193の配列、又は配列番号:193と対比して3つまでのアミノ酸改変を有する配列番号:193の配列を含むペプチドであって、前記ペプチドがヒトGIPレセプター及びヒトGLP-1レセプターの各々でアゴニスト活性を示し、場合によって前記ペプチドがヒトグルカゴンレセプターでアゴニスト活性を示す、前記ペプチド。
- 配列番号:194の配列、又は配列番号:194と対比して3つまでのアミノ酸改変を有する配列番号:194の配列を含むペプチドであって、前記ペプチドがヒトGIPレセプター及びヒトGLP-1レセプターの各々でアゴニスト活性を示し、場合によって前記ペプチドがヒトグルカゴンレセプターでアゴニスト活性を示す、前記ペプチド。
- 配列番号:195の配列、又は配列番号:195と対比して3つまでのアミノ酸改変を有する配列番号:195の配列を含むペプチドであって、前記ペプチドがヒトGIPレセプター及びヒトGLP-1レセプターの各々でアゴニスト活性を示し、場合によって前記ペプチドがヒトグルカゴンレセプターでアゴニスト活性を示す、前記ペプチド。
- C12−C18脂肪アシル基又はアルキル基が、場合によってスペーサーを介して結合される、C14からC16脂肪アシル基又はアルキル基である、請求項52から88のいずれか1項に記載のペプチド。
- C12からC18のアシル基又はアルキル基に共有結合されるアミノ酸が、C12からC18のアシル基又はアルキル基に共有結合されたLys又はアミノ-Phe又はTyr又はCysである、請求項52から89のいずれか1項に記載のペプチド。
- スペーサーが一アミノ酸又はジペプチドであり、場合によってスペーサーが1つ又は2つの酸性アミノ酸残基を含む、請求項52から90のいずれか1項に記載のペプチド。
- 配列番号:28の配列を含むペプチド。
- 配列番号:37の配列を含むペプチド。
- 配列番号:89の配列を含むペプチド。
- 配列番号:171の配列を含むペプチド。
- 配列番号:180の配列を含むペプチド。
- 以下の(a)−(d)を含む、GIPアゴニスト活性を有するグルカゴン(配列番号:1)のアナローグ:
(a)1位のイミダゾール側鎖を含むアミノ酸、
(b)16位に下記の式IVのアミノ酸、
式中、nは1から7であり、R1及びR2の各々はそれぞれ別個に、H、C1−C18アルキル、(C1−C18アルキル)OH、(C1−C18アルキル)NH2、(C1−C18アルキル)SH、(C0−C4アルキル)(C3−C6)シクロアルキル、(C0−C4アルキル)(C2−C5複素環式)、(C0−C4アルキル)(C6−C10アリール)R7、及び(C1−C4アルキル)(C3−C9ヘテロアリール)から成る群から選択され、R7はH又はOHであり、場合によって式IVのアミノ酸の側鎖は遊離アミノ基を含み、
(c)20位のα,α二置換アミノ酸、
(d)配列番号:1と対比してまた別の10までのアミノ酸改変、
ここで、アナローグが親水性成分を欠くとき、グルカゴンアナローグは、GIPレセプターにおいて本来のGIPの少なくとも0.1%の活性を示し、前記グルカゴンアナローグは、GIPレセプターと対比してヒトGLP-1レセプターに対して100倍未満の選択性を有する。 - 1位のアミノ酸がHis又はHis誘導体である、請求項97に記載のグルカゴンアナローグ。
- (b)の式IVのアミノ酸がホモLys、Lys、Orn又は2,4-ジアミノ酪酸(Dab)である、請求項97又は98に記載のグルカゴンアナローグ。
- α,α-二置換アミノ酸がR1及びR2を含み、その各々がアルファ炭素と結合し、R1及びR2の各々が、場合によってヒドロキシル、アミド、チオール、ハロで置換されてあるC1−C4アルキルから成る群からそれぞれ別個に選択されるか、又はR1及びR2は、それらが結合しているアルファ炭素と一緒になって環を形成する、請求項97から99のいずれかに記載のグルカゴンアナローグ。
- 20位のα,α-二置換がAIBである、請求項100に記載のグルカゴンアナローグ。
- 以下の1つ以上を含む、請求項97から101のいずれかに記載のグルカゴンアナローグ:
a.2位のDPP-IV保護アミノ酸、場合によってAIB又はD-Ser;
b.12位の大きな脂肪族の非極性アミノ酸、場合によってIle;
c.17位のArg以外のアミノ酸、場合によってGln;
d.18位の小さな脂肪族アミノ酸、場合によってAla;
e.21位のAsp以外のアミノ酸、場合によってGlu;
f.24位のGln以外のアミノ酸、場合によってAsn又はAla;
g.27位のMet以外のアミノ酸、場合によってLeu;
h.28位のAsn以外のアミノ酸、場合によってAla;
i.29位のThr以外のアミノ酸、場合によってGly;
j.C-末端から29位のアミノ酸に1から21のアミノ酸の伸長;及び
k.配列番号:48、52、53及び74のいずれかに示すアミノ酸配列。 - 親の配列と対比して3つまでのアミノ酸改変を有する親配列を含むアナローグであって、親配列が、配列番号:27−33、35−41、43−46、76−80、83−87、89、90、94−100、102−112、120−124及び127−131のいずれか、又は配列番号:48、52、53、及び74のいずれか、又は配列番号:50、51、54、56、58−60、62−66、68−70、72、73、75、81、82、88、92、114−119、125、126及び133のいずれかであり、アミノ酸の改変が以下から成る群から選択される、前記アナローグ:
a.2位のDPP-IV保護アミノ酸、場合によってAIB又はD-Ser;
b.12位の大きな脂肪族の非極性アミノ酸、場合によってIle;
c.17位のArg以外のアミノ酸、場合によってGln;
d.18位の小さな脂肪族アミノ酸、場合によってAla;
e.21位のAsp以外のアミノ酸、場合によってGlu;
f.24位のGln以外のアミノ酸、場合によってAsn又はAla;
g.27位のMet以外のアミノ酸、場合によってLeu;
h.28位のAsn以外のアミノ酸、場合によってAla;
i.29位のThr以外のアミノ酸、場合によってGly;
j.C-末端から29位のアミノ酸に1から21のアミノ酸の伸長;及び
k.配列番号:48、52、53及び74のいずれかに示すアミノ酸配列。 - グルカゴンアナローグが、GIPレセプターと対比してヒトGLP-1レセプターに対して100倍未満の選択性を有する、請求項1から103のいずれか1項に記載のグルカゴンアナローグ又はペプチド。
- GIPレセプターにおけるグルカゴンアナローグのEC50が、GLP-1レセプターにおけるそのEC50の約50倍以内である、請求項1から104のいずれか1項に記載のグルカゴンアナローグ又はペプチド。
- GIPレセプターにおけるグルカゴンアナローグのEC50が、GLP-1レセプターにおけるそのEC50の約40倍以内である、請求項1から105のいずれか1項に記載のグルカゴンアナローグ又はペプチド。
- GIPレセプターにおけるグルカゴンアナローグのEC50が、GLP-1レセプターにおけるそのEC50の約30倍以内である、請求項1から106のいずれか1項に記載のグルカゴンアナローグ又はペプチド。
- GIPレセプターにおけるグルカゴンアナローグのEC50が、GLP-1レセプターにおけるそのEC50の約20倍以内である、請求項1から107のいずれか1項に記載のグルカゴンアナローグ又はペプチド。
- GIPレセプターにおけるグルカゴンアナローグのEC50が、GLP-1レセプターにおけるそのEC50の約10倍以内である、請求項1から108のいずれか1項に記載のグルカゴンアナローグ又はペプチド。
- GIPレセプターにおけるグルカゴンアナローグのEC50が、GLP-1レセプターにおけるそのEC50の約5倍以内である、請求項1から109のいずれか1項に記載のグルカゴンアナローグ又はペプチド。
- グルカゴンアナローグが少なくとも1%のGIPパーセンテージポテンシーを示す、請求項1から110のいずれか1項に記載のグルカゴンアナローグ又はペプチド。
- GIPパーセンテージポテンシーが少なくとも10%である、請求項111に記載のグルカゴンアナローグ又はペプチド。
- GIPパーセンテージポテンシーが15%より高いか又は20%より高い、請求項112に記載のグルカゴンアナローグ又はペプチド。
- GIPパーセンテージポテンシーが少なくとも50%である、請求項113に記載のグルカゴンアナローグ又はペプチド。
- GIPパーセンテージポテンシーが100%より高いか又は約100%である、請求項114に記載のグルカゴンアナローグ又はペプチド。
- グルカゴンアナローグが少なくとも1%のGLP-1パーセンテージポテンシーを示す、請求項1から115のいずれか1項に記載のグルカゴンアナローグ又はペプチド。
- GLP-1パーセンテージポテンシーが少なくとも10%である、請求項116に記載のグルカゴンアナローグ又はペプチド。
- GLP-1パーセンテージポテンシーが少なくとも50%である、請求項117に記載のグルカゴンアナローグ又はペプチド。
- GLP-1パーセンテージポテンシーが100%より高いか又は約100%である、請求項118に記載のグルカゴンアナローグ又はペプチド。
- GIPパーセンテージポテンシーがGLP-1パーセンテージポテンシーよりも10倍以内高いか又は低い、請求項1から119のいずれか1項に記載のグルカゴンアナローグ又はペプチド。
- グルカゴンパーセンテージポテンシーが少なくとも1%である、請求項1から120のいずれか1項に記載のグルカゴンアナローグ又はペプチド。
- グルカゴンパーセンテージポテンシーが少なくとも10%である、請求項121に記載のグルカゴンアナローグ又はペプチド。
- グルカゴンパーセンテージポテンシーが少なくとも50%である、請求項122に記載のグルカゴンアナローグ又はペプチド。
- グルカゴンパーセンテージポテンシーが100%より高いか又は約100%である、請求項123に記載のグルカゴンアナローグ又はペプチド。
- GIPパーセンテージポテンシーが、グルカゴンパーセンテージポテンシーよりも10倍以内高いか又は低い、請求項1から124のいずれか1項に記載のグルカゴンアナローグ又はペプチド。
- 請求項1から125のいずれか1項に記載のグルカゴンアナローグ又はペプチドの2つ以上を含むダイマー又はマルチマー。
- 請求項1から126のいずれか1項に記載のグルカゴンアナローグ又はペプチド及び連結成分を含む連結物。
- グルカゴンアナローグが異種ペプチドアナローグと融合される、請求項127に記載の連結物。
- 請求項1から128のいずれか1項に記載のグルカゴンアナローグ若しくはペプチド、請求項126に記載のダイマー若しくはマルチマー、請求項127若しくは128に記載の連結物、又は前記の組合せ、及び医薬的に許容できる担体、希釈剤又は賦形剤を含む、医薬組成物。
- 請求項129に記載の医薬組成物を、体重増加の低下又は体重減少の誘発に有効な量でその必要がある患者に投与する工程を含む、その必要がある対象者で体重増加を低下させるか又は体重減少を誘発する方法。
- 有効な量が、その必要がある対象者で肥満を治療するためである、請求項130に記載の方法。
- 請求項129に記載の医薬組成物を、血中グルコースレベルを低下させるために有効な量でその必要がある患者に投与する工程を含む、糖尿病を治療する方法。
- 請求項129に記載の医薬組成物を、腸管の一時的麻痺を誘発するために有効な量でその必要がある患者に投与する工程を含む、その必要がある対象者で腸管の一時的麻痺を誘発する方法。
- 糖尿病治療、体重増加の低下若しくは体重減少の誘発、又は腸管の一時的麻痺の誘発のための医薬の製造における、請求項1から133のいずれか1項に記載のグルカゴンアナローグ若しくはペプチド、請求項126に記載のダイマー若しくはマルチマー、請求項127若しくは128に記載の連結物、又は前記の組合せの使用。
- 糖尿病若しくは肥満の治療、体重増加の低下若しくは体重減少の誘発、又は腸管の一時的麻痺の誘発のための、請求項1から134のいずれか1項に記載のグルカゴンアナローグ若しくはペプチド、請求項126に記載のダイマー若しくはマルチマー、請求項127若しくは128に記載の連結物、又は前記の組合せの使用。
- 本明細書に記載のペプチド、場合によってグルカゴンアナローグ。
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