JP2014507402A - Gipレセプター活性を示すグルカゴンアナローグ - Google Patents

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Abstract

本明細書で提供されるものは、GIPレセプターで強力な活性を示し、したがって糖尿病及び肥満の治療に使用することが意図されるグルカゴンアナローグである。例示的実施態様では、本開示のグルカゴンアナローグは、ナノモル又はピコモル範囲のEC50をGIPレセプターで示す。

Description

関連出願の相互引用
本出願は、米国仮特許出願61/426,285号(2010年12月22日出願)及び米国仮特許出願61/514,609号(2011年8月3日出願)(両出願とも参照により本出願にその全体が含まれる)の優先権を主張する。
電子的に提出した資料の参照による包含
本明細書と同時に提出され、以下のように特定されるコンピュータ読み出し可能なヌクレオチド/アミノ酸配列表は、参照によりその全体が本明細書に含まれる:190キロバイトACII(テキスト)ファイル、名称“DOCS-1756766-v1-45700A_SeqListing.txt”、2011年12月16日作成。
本明細書で提供されるものは、GIPレセプターで強力な活性を示し、したがって糖尿病及び肥満の治療に使用することが意図されるグルカゴンアナローグである。例示的実施態様では、本開示のグルカゴンアナローグは、GIPレセプターにおいてナノモル又はピコモル範囲のEC50を示す。
米国糖尿病協会の米国糖尿病現状報告書(National Diabetes Fact Sheet of the Americann Diabetes Association)の最新のデータによれば、米国の2,360万人の小児及び成人が糖尿病に罹患している。20歳以上の国民で毎年160万件の新規糖尿病が診断される。最近発表された研究(Journal of the American Medical Association)によれば、米国の2/3を超える成人が体重過多又は肥満であり(Flegal et al., JAMA 303(3):235-241, 2010)、前記集団の1/3を超えるものが肥満である。
インクレチンホルモン、グルカゴン様ペプチド1(GLP-1)及びグルコース依存インスリン親和性ペプチド(GIP)は天然に存在するペプチドホルモンである。GLP-1及びGIPはともに、インスリン合成及び分泌をグルコース依存態様で刺激し、低血糖症を生じない(例えば以下を参照されたい:Nauck et al., J. Clin. Endocrinol. Metab. 76:912-917, 1993及びIrwin et al., Regul. Pept. 153:70-76, 2009)。
GLP-1は糖尿病の補助療法として有効であることが示され、体重減少を伴う。しかしながら、GIP標的化療法について不確かなことは、糖尿病及び肥満治療の成功が、このホルモンの作用に拮抗することにより(例えばGIPレセプター拮抗作用を介して)又はGIPの作用を模倣若しくは強化することにより達成されるのか否かということである。
本明細書で提供されるものはペプチドであり、前記は、その必要がある(例えば糖尿病又は肥満がある)対象者の治療での使用が意図されるGIPアゴニストペプチドである。
本来のグルカゴンはGIPレセプターを活性化せず、さらに通常はGLP-1レセプターにおける本来のGLP-1の活性の約1%を有する。いくつかの実施態様では、前記ペプチドは、本来のヒトグルカゴン(配列番号:1)のアミノ酸配列を土台にしているが、配列番号:1と対比して1つ以上の位置で異なる構造を含むグルカゴンアナローグであり、前記相違又は改変は、GIPレセプターにおける前記アナローグのアゴニスト活性を強化する。そのようなグルカゴンアナローグは、本来のグルカゴンのアゴニスト活性よりも強い、いくつかの特徴では本来のGIPのアゴニスト活性よりも強いアゴニスト活性をGIPレセプターで有するであろう。いくつかの又はいずれかの実施態様では、GIPアゴニストは少なくとも0.1%のGIPパーセンテージポテンシーを有する。本開示のいくつかの又はいずれかの特徴では、グルカゴンアナローグはさらに別に、グルカゴンレセプター及びGLP-1レセプターの一方又は両方においてアゴニスト活性を示す。したがって、GIPアゴニスト、GIP-GLP1コアゴニスト、GIP-グルカゴンコアゴニスト、及びGIP-GLP1-グルカゴントリアゴニストが本明細書で提供される。
例示的実施態様では、GIPレセプターと対比してヒトGLP-1レセプターに対する本開示のGIPアゴニストペプチドの選択性は100倍未満である。いくつかの又はいずれかの実施態様では、GIPアゴニストペプチドは、グルカゴンパーセンテージポテンシー及び/又はGLP-1パーセンテージポテンシーの20倍又は10倍以内相違する(高い又は低い)GIPパーセンテージポテンシーを有する。
本開示のいくつかの実施態様では、グルカゴンアナローグは以下を含む:(i)1位のイミダゾール側鎖を含むアミノ酸、(ii)2位のDPP-IV保護アミノ酸、(iii)場合によって9、10、12、16、20、又は37−43位の任意の位置の、本来のものではないアシル又はアルキル基を含むアミノ酸(場合によって前記本来のものではないアシル又はアルキル基はスペーサーを介してそのようなアミノ酸に結合される)、(iv)16、17、18、19、20又は21位の1つ以上にアルファヘリックス安定化アミノ酸、及び(v)配列番号:1と対比して10まで(例えば1、2、3、4、5、6、7、8又は9まで)のまた別のアミノ酸の改変。例示的実施態様では、グルカゴンアナローグは以下を含む:(i)1位のイミダゾール側鎖を含むアミノ酸、(ii)2位のDPP-IV保護アミノ酸、場合によってアミノイソ酪酸、(iii)場合によって9、10、12、16、20、又は37−43位の任意の位置に、本来のものではないアシル又はアルキル基を含むアミノ酸(場合によって前記本来のものではないアシル又はアルキル基はスペーサーを介してそのようなアミノ酸に結合される)、(iv)20位のアルファアルファ二置換アミノ酸、及び(v)配列番号:1と対比して10まで(例えば1、2、3、4、5、6、7、8又は9まで)のまた別のアミノ酸の改変。また別の例示的実施態様では、グルカゴンアナローグは以下を含む:(i)1位のイミダゾール側鎖を含むアミノ酸、(ii)2位のDPP-IV保護アミノ酸、場合によってアミノイソ酪酸、(iii)場合によって9、10、12、16、20、又は37−43位の任意の位置に、本来のものではないアシル又はアルキル基を含むアミノ酸(場合によって前記本来のものではないアシル又はアルキル基はスペーサーを介してそのようなアミノ酸に結合される)、(iv)16−21位の1つ以上に、場合によって16位にアルファヘリックス安定性アミノ酸、ここで前記アナローグは20位にアルファヘリックス安定化アミノ酸を含まない、及び(v)配列番号:1と対比して10まで(例えば1、2、3、4、5、6、7、8又は9まで)のまた別のアミノ酸の改変。例示的実施態様では、グルカゴンアナローグが親水性成分を欠くとき、前記グルカゴンアナローグは、少なくとも0.1%(例えば少なくとも1%、少なくとも10%、少なくとも20%)のGIPパーセンテージポテンシーを示す。例示的実施態様では、グルカゴンアナローグは、GIPレセプターと対比してGLP-1レセプターに対して100倍未満(例えば50倍未満、25倍未満、10倍未満)の選択性を有する。例示的実施態様では、グルカゴンアナローグは、GIPレセプターにおけるそのEC50の100倍以内(例えば50倍以内、25倍以内、10倍以内)であるEC50をGLP-1レセプターで示す。
本出願を通して、具体的なアミノ酸の位置を数によって指示する(例えば28位)場合はいずれも、本来のグルカゴン(配列番号:1)の当該位置又はその任意のアナローグの対応するアミノ酸の位置を指す。例えば、本明細書で“28位”という指示は、グルカゴンアナローグ(配列番号:1の最初のアミノ酸が欠落している)の対応する27位を意味するであろう。同様に、本明細書で“28位”という指示は、グルカゴンアナローグ(配列番号:1のN-末端の前に1つのアミノ酸が付加されている)の対応する29位を意味するであろう。
いくつかの実施態様では、GIPアゴニストペプチドは以下の配列のアミノ酸配列を含む:配列番号:27−33、35−41、43−46、76−80、83−87、89及び90のいずれか、又は配列番号:48、52、53、及び74のいずれか、又は配列番号:50、51、54、56、58−60、62−66、68−70、72、73、75、81、82、88及び92のいずれか。いくつかの実施態様では、GIPアゴニストペプチドは、配列番号:27−33、35−41、43−46、76−80、83−87、89及び90のいずれか、又は配列番号:48、52、53、及び74のいずれか、又は配列番号:50、51、54、56、58−60、62−66、68−70、72、73、75、81、82、88及び92のいずれかを含む親配列を土台にした構造を含むが、本明細書でさらに述べるように、1つ以上の位置で親配列とは相違する。
したがって、本発明は、配列番号:28の配列を含むか、本質的に前記から成るか、又は前記から成るペプチドを提供する。さらにまた提供されるものは、配列番号:37の配列を含むか、本質的に前記から成るか、又は前記から成るペプチドである。本発明はさらに配列番号:89の配列を含むか、本質的に前記から成るか、又は前記から成るペプチドを提供する。本発明はさらに、配列番号:180の配列を含むか、本質的に前記から成るか、又は前記から成るペプチドを提供する。本発明はさらにまた、配列番号:31の配列を含むか、本質的に前記から成るか、又は前記から成るペプチドを提供する。
本発明は配列番号:184の配列を含む以下のペプチドを提供する:
HX2X3GTFTSDX10SKYLDX16RX18AX20X21FVQWLX27X28X29GPSSGX35PPPS(配列番号:184)
式中、
X2はAIBであり;
X3はGln又はGlnアナローグであり;
X10はTyr又はC12からC18のアシル又はアルキル基と共有結合したアミノ酸であり;
X16は任意のアミノ酸、場合によってGly、Pro及びSer以外の任意のアミノ酸であり;
X18はArg又はAlaであり;
X20は陰性荷電アミノ酸又は中性荷電アミノ酸、場合によってAIB又はGlnであり;
X21は酸性アミノ酸、場合によってAsp又はGluであり;
X27はLeu、Ala、Nle、又はMetであり;
X28はAla又は酸性アミノ酸(場合によってAsp又はGlu)であり;
X29はAla又はGlyであり;
X35はAla又は塩基性アミノ酸(場合によってArg又はLys)であり;
ここで、X28が酸性アミノ酸であるとき、X35は塩基性アミノ酸であり;
ここで、X10がTyrであるとき、ペプチドは、C12からC18のアシル又はアルキル基と共有結合したアミノ酸を40位に含み、さらに場合によって前記ペプチドは41位にGlyを含み、
ここで、ペプチドのC-末端アミノ酸はアミド化される。
本発明はまた、配列番号:184と対比して3つまでのアミノ酸改変を有する配列番号:184の配列を含むペプチドを提供し、ここで前記アナローグは、ヒトGIPレセプター、ヒトGLP-1レセプター及びヒトグルカゴンレセプターの各々でアゴニスト活性を示す。
本発明はさらにまた配列番号:185の配列を含む以下のペプチドを提供する:
HX2QGTFTSDX10SKYLDX16RX18AX20X21FVQWLX27X28X29GPSSGAPPPS(配列番号:185)
式中、
X2はAIBであり;
X10はTyr又はC12からC18のアシル又はアルキル基と共有結合したアミノ酸であり;
X16はGlu、アルファアルファ二置換アミノ酸、Lysであるか、又は
X18はArg又はAlaであり;
X20はAIB又はGlnであり;
X21はAsp又はGluであり;
X27はLeu、Nle、又はMetであり;
X28はAla、Asp又はGluであり;
X29はGly又はThrであり;さらに
ここで、X10がTyrであるとき、ペプチドは、C12からC18のアシル又はアルキル基と共有結合したアミノ酸を40位に含み、さらに場合によってペプチドは41位にGlyを含み、
ここで、ペプチドのC-末端アミノ酸はアミド化される。
本発明はさらに、配列番号:185と対比して3つまでのアミノ酸改変を有する配列番号:185の配列を含むペプチドを提供し、ここで前記アナローグは、ヒトGIPレセプター、ヒトGLP-1レセプター及びヒトグルカゴンレセプターの各々でアゴニスト活性を示す。
さらにまた提供されるものは、配列番号:186の配列を含む以下のペプチドである:
HX2X3GTFTSDX10SKYLDX16RX18AX20X21FVQWLX27X28X29(配列番号:186)
式中、
X2はAIBであり;
X3はGln又はGlnアナローグであり;
X10はTyr又はC10からC26のアシル又はアルキル基と共有結合したアミノ酸であり;
X16は任意のアミノ酸、場合によってGly、Pro及びSer以外の任意のアミノ酸であり;
X18はArg又はAlaであり;
X20は陰性荷電アミノ酸又は中性荷電アミノ酸、場合によってAIB又はGlnであり;
X21は酸性アミノ酸、場合によってAsp又はGluであり;
X27はLeu、Ala、Nle、又はMetであり;
X28はAla又は酸性アミノ酸(場合によってAsp又はGlu)であり;
X29はAla、Gly又はThrであり;さらに
ここで、ペプチドは、C10からC26のアシル又はアルキル基と共有結合したアミノ酸を場合によって10位に含み、さらにペプチドのC-末端アミノ酸はアミド化される。
さらにまた提供されるものは、配列番号:186と対比して3つまでのアミノ酸改変を有する配列番号:186の配列を含むペプチドであり、ここで前記アナローグは、ヒトGIPレセプター、ヒトGLP-1レセプター及びヒトグルカゴンレセプターの各々でアゴニスト活性を示す。
本発明は配列番号:187の配列を含む以下のペプチドを提供する:
HX2QGTFTSDX10SKYLDX16RX18AX20X21FVQWLX27X28X29(配列番号:187)
式中、
X2はAIBであり;
X10はTyr又はC10からC26のアシル又はアルキル基と共有結合したアミノ酸であり;
X16はGlu、アルファアルファ二置換アミノ酸、又はLysであるか;
X18はArg又はAlaであり;
X20は陰性荷電アミノ酸又は中性荷電アミノ酸、場合によってAIB又はGlnであり;
X21はAsp又はGluであり;
X27はLeu、Ala、Nle、又はMetであり;
X28はAla、Asp又はGluであり;
X29はGly又はThrであり;さらに
ここで、ペプチドは、C12からC18のアシル又はアルキル基と共有結合したアミノ酸を場合によって10位に含み、さらにペプチドのC-末端アミノ酸はアミド化される。
本発明はまた、配列番号:187と対比して3つまでのアミノ酸改変を有する配列番号:187を提供し、ここで前記アナローグは、ヒトGIPレセプター、ヒトGLP-1レセプター及びヒトグルカゴンレセプターの各々でアゴニスト活性を示す。
本発明はさらに、本明細書に記載の配列番号:184、185、186及び187のいずれかのアナローグを提供するが、X3又は3位のアミノ酸は、Gln若しくはGlnアナローグ又はグルカゴン活性を低下させるアミノ酸(本明細書に記載されるものを含む)である。例示的な実施態様では、グルカゴン活性を低下させるアミノ酸は、酸性、塩基性又は疎水性アミノ酸(例えばGlu、Orn又はNle)である。場合によって3位のアミノ酸はGluである。
さらにまた本明細書で提供されるものは、以下を含む、GIPアゴニスト活性を有するグルカゴン(配列番号:1)のアナローグである:
(a)1位のイミダゾール側鎖を含むアミノ酸、
(b)16位の式IVのアミノ酸:
Figure 2014507402
[式IV]
式中、nは1から7であり、R1及びR2の各々はそれぞれ別個に、H、C1−C18アルキル、(C1−C18アルキル)OH、(C1−C18アルキル)NH2、(C1−C18アルキル)SH、(C0−C4アルキル)(C3−C6)シクロアルキル、(C0−C4アルキル)(C2−C5複素環式)、(C0−C4アルキル)(C6−C10アリール)R7、及び(C1−C4アルキル)(C3−C9ヘテロアリール)から成る群から選択され、R7はH又はOHであり、場合によって式IVのアミノ酸の側鎖は遊離アミノ基を含み、
(c)20位のα,α二置換アミノ酸、
(d)配列番号:1と対比してまた別の10までのアミノ酸改変、
ここで、アナローグが親水性成分を欠くとき、グルカゴンアナローグは、GIPレセプターにおいて本来のGIPの少なくとも0.1%の活性を示し、前記グルカゴンアナローグは、GIPレセプターと対比してヒトGLP-1レセプターに対して100倍未満の選択性を有する。
さらに本明細書で提供されるものは、本開示のGIPアゴニストの2つ以上を含むダイマー及びマルチマーである。本開示のGIPアゴニストペプチドを含む連結物及び連結物の成分はさらに別に本明細書で提供される。いくつかの特徴では、連結物は、異種ペプチドと融合された本開示のGIPアゴニストペプチドを含む融合ペプチドである。本開示はまた、GIPアゴニストペプチド、ダイマー、マルチマー又は本開示の連結物(又は前記の組合せ)を含むキットを提供する。
GIPアゴニストペプチド、ダイマー、マルチマー又は本開示の連結物(又は前記の組合せ)及び医薬的に許容できる担体、希釈剤又は賦形剤を含む医薬組成物もさらに本開示によって提供される。医薬組成物は、好ましくは無菌的であり、非経口的な投与に適切である。前記医薬組成物は、糖尿病若しくは肥満、又は糖尿病若しくは肥満に付随する症状を治療及び予防する方法での使用が意図される。したがって、例示的実施態様では、本開示は、体重増加を低下させるか又は体重減少を誘発する方法、糖尿病若しくは肥満を治療若しくは予防する方法、及び腸管の一時的麻痺を誘発する方法を提供する。本ペプチドアナローグ及び前記を含む医薬組成物の更なる適用は以下の説明で提供される。
配列番号:28のペプチド(白丸)、配列番号:37のペプチド(白四角)、配列番号:38のペプチド(白逆三角)又は配列番号:39のペプチド(白ダイヤ)の5nmol/kgを注射するか、又はベヒクルコントロール(白三角)を注射したマウスの体重の、最初の注射から時間の関数としてのグラフを表す。 ベヒクルコントロール又は以下のペプチドの1つを注射したマウスの体重(7日目に測定)の総変化(%)のグラフを示す:配列番号:138のペプチド(このペプチドは40位のLysのC16脂肪アシル基に直接結合される)、配列番号:143のペプチド(このペプチドは10位の4-アミノ-Phe残基でガンマ-Glu-ガンマ-Gluジペプチドスペーサーを介してアシル化される)、配列番号:144のペプチド(このペプチドは10位の4-アミノ-PheでC16-スクシノイル化される)、配列番号:139のペプチド(このペプチドは40位のLys(41位のGlyがその後に続く)のC16脂肪アシル基に直接結合される)、配列番号:140のペプチド(このペプチドは40位のLys(41位のGlyがその後に続く)でC16スクシノイル化される)、配列番号:141のペプチド(このペプチドは40位のLys(41位のGlyがその後に続く)でベータ-Alaスペーサーを介してC16スクシノイル化される)、又は配列番号:142のペプチド(このペプチドは40位のLys(41位のGlyがその後に続く)のC18脂肪アシル基に直接結合される)。 3A−3Cはスクシノイル基を含むアシル化ペプチドに関する。図3Aは、種々のアシル化アミノ酸残基の化学構造を示す。左から右に、(i)C16脂肪酸で直接アシル化されたLys残基、(ii)ガンマ-グルタミン酸スペーサーを介してC16脂肪酸でアシル化されたLys残基、(iii)(ガンマ-グルタミン酸-ガンマ-グルタミン酸)ジペプチドスペーサーを介してC16脂肪酸でアシル化されたLys残基、(iv)C16スクシノイルでアシル化されたLys残基。図3Bは、3つの例示的な無水コハク酸の構造を示す。図3Cは、配列番号:156の合成模式図を示す。 ベヒクルコントロール(白逆三角)又は以下のペプチドを注射したマウスの体重の変化(%)のグラフである:配列番号:152のペプチド(白三角)(このペプチドはガンマグルタミン酸スペーサーを介してC16脂肪アシル基と共有結合した16位のLys残基を含む)、配列番号:28のペプチド(白六角)(このペプチドはガンマGluを介してC16脂肪アシル基と共有結合した10位のLys残基を含む)、配列番号:89(このペプチドはガンマGlu-ガンマGluを介してC16脂肪アシル基と共有結合した40位のLys残基を含む)、配列番号:145のペプチド(白丸)(このペプチドはガンマGlu-ガンマGluジペプチドスペーサーを介してC16脂肪アシル基と共有結合した40位の4-アミノPheを含む)、又は配列番号:148のペプチド(白ダイヤ)(このペプチドはガンマGluスペーサーを介してC16脂肪アシル基と共有結合した10位の4-アミノPheを含む)。 5A−5Fは二重アシル化ペプチドに関する。図5Aは以下の3タイプの二重アシル化化合物を示す:(1)2つのアシル基を含む分枝構造にある一サイト、(2)2つのアシル基を含む線状構造にある一サイト、及び(3)ガンマGluスペーサーを介して脂肪アシル基に各々が連結された二サイト。図5Bは、種々のサイズの2つのアシル基を含む分枝構造のペプチドの合成模式図を示す。図5Cは、同じサイズの2つのアシル基を含む分枝構造のペプチドの合成模式図を示す。図5Dは、2つのアシル基を含む線状構造のペプチドの合成模式図を示す。図5Eは、ペプチド注射又はベヒクルコントロール注射を受けたマウスの実験で7日目に測定した体重の変化(%)のグラフを示す。図5Fは、ペプチド注射又はベヒクルコントロール注射を受けたマウスの実験で7日目に測定した血中グルコースレベル(mg/dL)の変化のグラフを示す。 Cys残基(ペプチド骨格の部分である)のS-パルミチルアルキル化を示す。 Cys残基(アシル化スペーサーの部分である)のS-パルミチルアルキル化の2つのタイプを示す。一つのタイプ(枠内の左の構造)では、Cysはペプチド骨格のLys残基と結合され、CysはS-パルミチルアルキル化される。別のタイプ(枠内の右の構造)では、Cysはジペプチドスペーサー(ガンマGlu-Cys)(当該ガンマGluはペプチド骨格Lysに結合される)の部分であり、CysはS-パルミチルアルキル化される。 ベヒクルコントロール又は以下の異なる9つのアシル化ペプチドの1つを注射したマウスで7日目に測定した体重の変化(%)のグラフを示す:配列番号:155、配列番号:156、配列番号:158、配列番号:164、配列番号:89、配列番号:159、配列番号:157、配列番号:165、配列番号:166。 9A及び9Bは、2つのペプチド(少なくとも1つはアシル基を含む)を含むダイマーに関する。図9Aは、各々のペプチドが40位にLys残基を含む、ホモダイマーの構造を示す。各Lys残基はエプシロンNH2基を介してCys残基と共有結合される。各Cys残基はガンマGlu残基とペプチド結合し、前記は順にC16脂肪アシル基と結合される。各Cys残基の硫黄原子はジスルフィド架橋を形成する。図9Bは、チオエーテル結合を介して連結されるホモダイマーの構造を示す。各ペプチドは40位のLys残基を含む。上のペプチドのLysはCys残基と結合され、前記はガンマGlu残基とペプチド結合し、前記は順にC16脂肪アシル基と結合する。Cys残基の硫黄は、チオエーテル結合を介して化学成分と連結され、前記は順に下のペプチドのLys残基と結合される。 ベヒクルコントロール又は以下のペプチドを注射したマウスの体重の変化(%)の注射後時間の関数としてのグラフを示す:配列番号:28のペプチド(1又は3nmol/kg)、配列番号:89のペプチド(1又は3nmol/kg)、配列番号:138のペプチド(3nmol/kg)、又は配列番号:171のペプチド(3nmol/kg)。 ベヒクルコントロール又は以下のペプチドを注射したマウスの21日目に測定したインスリンレベルのグラフを示す:配列番号:28のペプチド(1又は3nmol/kg)、配列番号:89のペプチド(1又は3nmol/kg)、配列番号:138のペプチド(3nmol/kg)、又は配列番号:171のペプチド(3nmol/kg)。 12A−12Cはアシル化ペプチドを集めたものである。前記ペプチドの各々は、“ミニPEG”スペーサーを介してアシル基と共有結合させたアシル化アミノ酸を含む。図12Aは配列番号:157のアシル化ペプチドを示し、12Bは配列番号:158のアシル化ペプチドを示し、さらに12Cは配列番号:159のアシル化ペプチドを示す。
詳細な説明
本開示は、GIPレセプターでアゴニスト活性を示す、GIPアゴニストペプチド(例えば本来のヒトグルカゴン(配列番号:1)のアナローグ(“グルカゴンアナローグ”とも称される)、配列番号:27−33、35−41、43−46、76−80、83−87、89及び90のいずれか、又は配列番号:48、52、53、及び74のいずれか、又は配列番号:50、51、54、56、58−60、62−66、68−70、72、73、75、81、82、88及び92のいずれかのアナローグ、配列番号:184−199のいずれかのアナローグ)を提供する。本明細書で用いられる“ペプチド”という用語は、2つ以上のアミノ酸及び典型的には100アミノ酸未満又は50アミノ酸未満の配列を包含する。前記アミノ酸は、天然に存在するか若しくはコードされるものでも、又は天然に存在しないか若しくはコードされないものでもよい。天然に存在しないアミノ酸は、in vivoで天然に存在しないが、それでも本明細書に記載のペプチド構造物に取り込まれ得るアミノ酸が該当する。本明細書で用いられる“コードされない”とは、以下の20アミノ酸のいずれかのL異性体ではないアミノ酸を指す:Ala、Cys、Asp、Glu、Phe、Gly、His、Ile、Lys、Leu、Met、Asn、Pro、Gln、Ser、Thr、Val、Trp、Tyr。“GIPアゴニストペプチド”という用語は、GIPレセプターと結合し、GIPレセプターの下流シグナルを活性化する化合物を指す。GIPアゴニストペプチドは、GIPレセプターで任意の活性レベル(例えば絶対的な活性レベル又は相対的な活性レベル)、GIPレセプターに対する選択性、又は本明細書に記載するGIPパーセンテージポテンシーを有することができる(例えば、“GIPレセプター活性”の表題のセクションを参照されたい)。しかしながら、この用語は、GIPレセプターでのみ活性を有すると化合物を限定するものとして解されるべきではない。そうではなく、本開示のGIPアゴニストペプチドは、本明細書でさらに考察するように他のレセプターでさらに別の活性を示すことができる。例えば、GIPアゴニストペプチドは、GLP-1レセプター及び/又はグルカゴンレセプターでアゴニスト活性を示すことができる。
本開示のペプチドの活性
GIPレセプターで活性
いくつかの又はいずれかの実施態様では、本開示のペプチドは、GIPレセプター活性化のためにナノモル範囲のEC50を示す。例示的実施態様では、GIPレセプターにおける本ペプチドのEC50は1000nM未満、900nM未満、800nM未満、700nM未満、600nM未満、500nM未満、400nM未満、300nM未満、200nM未満である。いくつかの実施態様では、GIPレセプターにおける本ペプチドのEC50は、約100nM以下、例えば約75nM以下、約50nM以下、約25nM以下、約10nM以下、約5nM以下、又は約1nM以下である。いくつかの又はいずれかの実施態様では、本開示のペプチドは、GIPレセプター活性化のためにピコモル範囲のEC50を示す。例示的実施態様では、GIPレセプターにおけるGIPアゴニストペプチドのEC50は1000pM未満、900pM未満、800pM未満、700pM未満、600pM未満、500pM未満、400pM未満、300pM未満、200pM未満である。いくつかの実施態様では、GIPレセプターにおける本ペプチドのEC50は、約100pM以下、例えば約75pM以下、約50pM以下、約25pM以下、約10pM以下、約5pM以下、又は約1pM以下である。本明細書で用いられる“約”という用語は、記載の値又は値の範囲より10%高いか又は低いことを意味するが、このより広い定義にのみ全ての値又は値の範囲を当てはめようとするものではない。“約”という用語が先行する各値又は値の範囲はまた、具体的に記載された絶対的な値又は値の範囲を包含しようとするものである。
レセプター(例えばGIPレセプター)活性化のためのペプチドのEC50を決定する適切な方法は当業界で公知である。ある例示的なin vitroアッセイは本明細書の実施例2に記載されている(前記アッセイでは、ルシフェラーゼ活性によって表されるcAMP誘発がGIPレセプターを過剰発現するHEK293細胞で測定される)。
いくつかの又はいずれかの実施態様では、本開示のペプチド(例えばグルカゴンアナローグ、配列番号:27−33、35−41、43−46、76−80、83−87、89及び90のいずれか、又は配列番号:48、52、53、及び74のいずれか、又は配列番号:50、51、54、56、58−60、62−66、68−70、72、73、75、81、82、88及び92のいずれかのアナローグ)は、本来のヒトグルカゴンと比較してGIPレセプターにおける活性の強化を示す。本来のグルカゴン(配列番号:1)はGIPレセプターを活性化せず、本来のグルカゴン(配列番号:1)は、GIPレセプターにおける本来のGIPの活性の本質的に0%(例えば0.001%未満、0.0001%未満)を示す。本来のグルカゴンと対比してGIPレセプターにおけるペプチドの相対的活性は、(本開示のペプチドのEC50/本来のグルカゴンのEC50)の逆比x100%として計算される。
本来のGIPと比較したGIPレセプターにおけるペプチドの相対的活性は、(本開示のペプチドのEC50/本来のGIPのEC50)の逆比x100%(本明細書ではまた“GIPパーセンテージポテンシー”と称される値)として計算される。
本開示のいくつかの又はいずれかの実施態様では、本開示のペプチドは、少なくとも又は約0.1%のGIPパーセンテージポテンシーを示す。例示的な実施態様では、本ペプチドは、GIPレセプターにおける本来のGIPの活性の少なくとも又は約0.5%、少なくとも又は約1%、少なくとも又は約5%、少なくとも又は約10%、少なくとも又は約20%、少なくとも又は約30%、少なくとも又は約40%、少なくとも又は約50%、少なくとも又は約60%、少なくとも又は約70%、少なくとも又は約80%、少なくとも又は約90%、少なくとも又は約100%を示す。
本開示のいくつかの実施態様では、本開示のペプチドは、本来のGIPの活性よりも高い、GIPレセプターにおける活性を示す。例示的な実施態様では、GIPアゴニストペプチドは、少なくとも又は約125%、少なくとも又は約150%、少なくとも又は約175%、少なくとも又は約200%、少なくとも又は約300%、少なくとも又は約400%、少なくとも又は約500%、少なくとも又は約600%、少なくとも又は約700%、少なくとも又は約800%、少なくとも又は約900%、少なくとも又は約1000%のGIPパーセンテージポテンシーを示す。いくつかの実施態様では、本明細書に記載するGIPアゴニストペプチドは、1000%を超えない、又は10,000%を超えないGIPパーセンテージポテンシーを示す。
いくつかの特徴では、本開示のペプチドは、約0.001から約10,000パーセント、又は約0.01から約10,000パーセント、又は約0.1から約10,000パーセント、又は約1から約10,000パーセント、又は約0.001から約5000パーセント、又は約0.01から約5000パーセント、又は約0.1から約5000パーセント、又は約0.1から約1000パーセントの範囲内のGIPパーセンテージポテンシーを示す。
コアゴニスト
いくつかの又はいずれかの実施態様では、本開示のペプチドは、前記がGIPレセプター及びGIPレセプターと異なる第二のレセプターを活性化するかぎりにおいてコアゴニストである。
GP1/GPL-1コアゴニスト
例示すれば、いくつかの特徴で、本開示のペプチドはGIPレセプター及びGLP-1レセプターの両方で活性を示す(“GLP-1/GIPレセプターコアゴニスト”)。いくつかの特徴では、本ペプチドは、GLP-1及びGIPレセプターで活性を示すが、グルカゴン活性は、例えば3位のアミノ酸改変によって顕著に低下又は破壊される。例えば、この位置における酸性、塩基性又は疎水性アミノ酸(グルタミン酸、オルニチン、ノルロイシン)による置換はグルカゴン活性を低下させる。いくつかの又はいずれかの実施態様では、GIPアゴニストペプチドは、本来のグルカゴンのグルカゴンレセプターにおける活性の約10%以下(例えば約5%以下、又は約1%以下、又は約0.1%以下)を示す。
いくつかの又はいずれかの実施態様では、本開示のペプチドのGIPレセプターにおけるEC50は、GLP-1レセプターにおけるそのEC50と約50倍以下、約40倍以下、約30倍以下、約20倍以下、又は約10倍以下、又は約5倍以下の違いがある。例えば、GIPレセプターにおけるEC50は、GLP-1レセプターにおけるEC50よりも10倍高いか又は10倍低いことがある。いくつかの又はいずれかの実施態様では、本開示のペプチドのGIPパーセンテージポテンシーは、そのGLP-1パーセンテージポテンシーと約50倍、40倍、30倍、20倍、10倍又は5倍未満の違いがある(より高いか又は低い)。
したがって、本開示のペプチドは、GIPレセプターと対比してヒトGLP-1レセプターに対し100倍未満の選択性を有する。本明細書で用いられるように、第二のレセプターと対比して第一のレセプターに対する分子の“選択性”という用語は、以下の比率、すなわち第一のレセプターにおける当該分子のEC50で割った第二のレセプターにおける分子のEC50を意味する。例えば、第一のレセプターで1nMのEC50及び第二のレセプターで100nMのEC50を有する分子は、第二のレセプターと対比して第一のレセプターに対し100倍の選択性を有する。例示的実施態様では、GIPレセプターと対比してGLP-1レセプターに対する本開示のペプチドの選択性は、100倍未満(例えば約90倍以下、約80倍以下、約70倍以下、約60倍以下、約50倍以下、約40倍以下、約30倍以下、約20倍以下、約10倍以下、約5倍以下)である。
いくつかの又はいずれかの実施態様では、本開示のペプチドは、本来のヒトグルカゴンと比較してGLP-1レセプターにおける活性の強化を示す。本来のグルカゴンは、GLP-1レセプターで本来のGLP-1の活性の約1%を有する。本来のグルカゴンと対比して、GLP-1レセプターにおけるペプチドの相対的活性は、(本開示のペプチドのEC50/本来のグルカゴンのEC50)の逆比x100%として計算される。
本来のGLP-1と対比して、GLP-1レセプターにおけるペプチドの相対的活性は、(本開示のペプチドのEC50/本来のGLP-1のEC50)の逆比x100%(本明細書では“GLP-1パーセンテージポテンシー”と称される値)として計算される。
本開示のいくつかの又はいずれかの実施態様では、本開示のペプチドは、少なくとも又は約0.1%のGLP-1パーセンテージポテンシーを示す。例示的な実施態様では、本ペプチドは、少なくとも又は約0.5%、少なくとも又は約1%、少なくとも又は約5%、少なくとも又は約10%、少なくとも又は約20%、少なくとも又は約30%、少なくとも又は約40%、少なくとも又は約50%、少なくとも又は約60%、少なくとも又は約70%、少なくとも又は約80%、少なくとも又は約90%、少なくとも又は約100%のGLP-1パーセンテージポテンシーを示す。
本開示のいくつかの実施態様では、本開示のペプチドは、本来のGLP-1の活性よりも高いGLP-1レセプターにおける活性を示す。例示的実施態様では、本開示のペプチドは、少なくとも又は約125%、少なくとも又は約150%、少なくとも又は約175%、少なくとも又は約200%、少なくとも又は約300%、少なくとも又は約400%、少なくとも又は約500%、少なくとも又は約600%、少なくとも又は約700%、少なくとも又は約800%、少なくとも又は約900%、少なくとも又は約1000%のGLP-1パーセンテージポテンシーを示す。いくつかの実施態様では、本開示のペプチドは、1000%を超えない又は10,000%を超えないGLP-1パーセンテージポテンシーを示す。
GIP/グルカゴンコアゴニスト
別の例示として、いくつかの特徴における本開示のペプチドは、GIPレセプター及びグルカゴンレセプターの両方で活性を示す(“グルカゴン/GIPレセプターコアゴニスト”)。いくつかの実施態様では、GLP-1活性は、例えば7位のアミノ酸の改変、例えばIleによる置換、C-末端から27位若しくは28位までのアミノ酸の欠失(27又は28アミノ酸が得られる)、又は前記の組合せによって顕著に低下又は破壊された。いくつかの実施態様では、本開示のペプチドは、GLP-1レセプターにおける本来のGLP-1の活性の約10%以下(例えば約5%以下又は約1%以下又は約0.1%以下)を示すペプチドである。
いくつかの又はいずれかの実施態様では、本開示のペプチドのGIPレセプターにおけるEC50は、グルカゴンレセプターにおけるそのEC50と約50倍以下、約40倍以下、約30倍以下、約20倍以下、又は約10倍以下、又は約5倍以下の違いがある(より高いか又は低い)。いくつかの又はいずれかの実施態様では、本開示のペプチドのGIPパーセンテージポテンシーは、そのグルカゴンパーセンテージポテンシーと約50、40、30、20、10、又は5倍以下の違いがある(より高いか又は低い)。
いくつかの実施態様では、本開示のペプチドは、本来のヒトグルカゴンと比較してグルカゴンレセプターにおける活性の強化を示す。本来のグルカゴンと対比して、グルカゴンレセプターにおけるペプチドの相対的活性は、(本開示のペプチドのEC50/本来のグルカゴンのEC50)の逆比x100%(本明細書では“グルカゴンパーセンテージポテンシー”と称される値)として計算される。
本開示のいくつかの実施態様では、本開示のペプチドは、少なくとも又は約0.1%のグルカゴンパーセンテージポテンシーを示す。例示的実施態様では、本ペプチドは、少なくとも又は約0.5%、少なくとも又は約1%、少なくとも又は約5%、少なくとも又は約10%、少なくとも又は約20%、少なくとも又は約30%、少なくとも又は約40%、少なくとも又は約50%、少なくとも又は約60%、少なくとも又は約70%、少なくとも又は約80%、少なくとも又は約90%、少なくとも又は約100%のグルカゴンパーセンテージポテンシーを示す。
本開示のいくつかの実施態様では、本開示のペプチドは、本来のグルカゴンの活性よりも高いグルカゴンレセプターにおける活性を示す。例示的実施態様では、本開示のペプチドは、少なくとも又は約125%、少なくとも又は約150%、少なくとも又は約175%、少なくとも又は約200%、少なくとも又は約300%、少なくとも又は約400%、少なくとも又は約500%、少なくとも又は約600%、少なくとも又は約700%、少なくとも又は約800%、少なくとも又は約900%、少なくとも又は約1000%のグルカゴンパーセンテージポテンシーを示す。いくつかの実施態様では、本開示のペプチドは、1000%を超えない又は10,000%を超えないグルカゴンパーセンテージポテンシーを示す。
トリアゴニスト
いくつかの実施態様では、本開示のペプチドは、GIPレセプター以外の2つ以上のレセプターで活性を示す。したがって、本開示は、いくつかの特徴でGIPトリアゴニストペプチドを提供する。いくつかの特徴では、本開示のペプチドは、グルカゴンレセプター、GIPレセプター及びGLP-1レセプターの各々で活性を示す(“グルカゴン/GIP/GLP-1トリアゴニスト”)。
いくつかの実施態様では、本開示のペプチドのGIPレセプターにおけるEC50は、本開示のペプチドの(a)GLP-1レセプター、(b)グルカゴンレセプター、又はその両方におけるEC50よりも50倍以下、20倍以下、又は10倍以下の違いがある(より高いか又は低い)。いくつかの実施態様では、本開示のペプチドのGIPレセプターにおけるEC50は、GLP-1レセプターにおけるそのEC50と約40倍、約30倍、約20倍の違いがあり(より高いか又は低い)、さらに場合によってグルカゴンレセプターにおけるそのEC50と約50倍以内の違いがある。いくつかの実施態様では、本開示のペプチドのGIPパーセンテージポテンシーは、(a)そのGLP-1パーセンテージポテンシー、(b)そのグルカゴンパーセンテージポテンシー又はその両方と約50倍、20倍又は10倍以下の違いがある(より高いか又は低い)。いくつかの実施態様では、本開示のペプチドのGIPパーセンテージポテンシーは、そのGLP-1パーセンテージポテンシーと約40倍、約30倍、約20倍以内の違いがあり(より高いか又は低い)、さらに場合によってそのグルカゴンパーセンテージポテンシーと約50倍以内の違いがある。いくつかの実施態様では、本開示のペプチドは、GIPレセプターと対比してヒトGLP-1レセプターに対し少なくとも100倍の選択性はもたない。例示的実施態様では、GIPレセプターと対比して本開示のペプチドのヒトGLP-1レセプターに対する選択性は、100倍未満(例えば約90倍以下、約80倍以下、約70倍以下、約60倍以下、約50倍以下、約40倍以下、約30倍以下、約20倍以下、約10倍以下、約5倍以下)である。
GLP-1アゴニスト作用及びグルカゴンアゴニスト作用のないGIPアゴニスト作用
いくつかの実施態様では、本開示のペプチドは、GIPレセプターでのみ活性を示し、他のいずれのレセプター(例えばGLP-1レセプター、グルカゴンレセプター)でも活性を示さない。例示的実施態様では、本開示のペプチドはGIPレセプターで活性を示し、グルカゴン活性及びGLP-1活性は、例えば3位及び7位のアミノ酸の改変によって顕著に低下又は破壊されている。いくつかの実施態様では、本開示のペプチドは、約10%以下(例えば約5%以下又は約1%以下又は約0.1%以下)のGLP-1パーセンテージポテンシーを示すペプチドである。いくつかの実施態様では、本開示のペプチドは、約10%以下(例えば約5%以下又は約1%以下又は約0.1%以下)のグルカゴンパーセンテージポテンシーを示すペプチドである。
連結物の活性
いくつかの又はいずれかの実施態様では、本開示のペプチドが本明細書にさらに記載するように異種成分(例えば親水性成分)と連結されるとき、本開示のペプチドは、前記が遊離状態又は非連結型である時よりも活性の低下を示す(例えばより低いパーセンテージポテンシー又はより高いEC50)。したがって、前述の絶対的活性レベル(例えばGIPパーセンテージポテンシー、GLP-1パーセンテージポテンシー又はグルカゴンパーセンテージポテンシーであるが、相対的比率ではない)のいずれかが連結型(例えばPEG化型)に適用されるとき、そのような絶対的活性レベルは、約10倍、20倍、30倍、40倍、50倍又は100倍低下することが考えられ、さらにそのような活性レベルの倍数的低下は本開示の範囲内と考えられる。逆に、連結されていないとき、本開示のペプチドは、異種成分と連結されているときの本開示のペプチドのポテンシーよりも約10倍、約20倍、約30倍、約40倍、約50倍、約100倍以上高いGIPパーセンテージポテンシーを示す。
本開示のペプチドの構造
グルカゴンアナローグ
いくつかの実施態様では、本開示のペプチドは、本来のヒトグルカゴン(配列番号:1)と構造的に類似し、例えば本来のヒトグルカゴンのアナローグである(本明細書ではまた“グルカゴンアナローグ”又は“グルカゴンのペプチドアナローグ”と称される)。本明細書で用いられるように、“グルカゴンアナローグ”及び“グルカゴンのペプチドアナローグ”などという用語は、本来のヒトグルカゴンと構造的に類似するペプチドを指し、さらにこれらの用語は、当該ペプチドがグルカゴンレセプターを活性化することを必ずしも暗示しない。
いくつかの又はいずれかの実施態様では、本開示のペプチドは、配列番号:1のアミノ酸配列を土台にしたアミノ酸配列を含む本来のヒトグルカゴン(配列番号:1)のアナローグであるが、前記グルカゴンアナローグは、1つ以上(例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15及びいくつかの例では16以上(例えば17、18、19、20、21、22、23、24、25など))の指定の又は任意のアミノ酸改変を含むので配列番号:1とは異なる。いくつかの又はいずれかの実施態様では、本開示のペプチドは、本来のヒトグルカゴン配列(配列番号:1)と対比して、合計して1、2まで、3まで、4まで、5まで、6まで、7まで、8まで、9まで又は10までのさらに別のアミノ酸改変(例えば指定のアミノ酸改変に加えて)を含む。例えば、(a)1位のイミダゾール側鎖を含むアミノ酸、(b)2位のDPP-IV保護アミノ酸、(c)9、10、12、16、20又は37−43位のいずれかにアシル化アミノ酸又はアルキル化アミノ酸、(d)16、17、18、19、20及び21位の1つ以上にアルファヘリックス安定化アミノ酸、及び(e)配列番号:1と比較して10までのさらに別のアミノ酸改変を含むグルカゴン(配列番号:1)のアナローグに関して、本開示は、(a)−(d)に指定したアミノ酸改変に加えて10までのさらに別のアミノ酸改変を有する、(a)−(d)を含むグルカゴンアナローグを提供する。いくつかの又はいずれかの実施態様では、前記改変は、本明細書に記載した改変のいずれか、例えばアシル化、アルキル化、PEG化、C-末端切端、1、2、3、7、10、12、15、16、17、18、19、20、21、23、24、27、28及び29位の1つ以上におけるアミノ酸の置換である。
本明細書で用いられる“アミノ酸改変”は、(i)配列番号:1のアミノ酸の種々のアミノ酸(天然に存在するか若しくはコードされる、又はコードされない若しくは天然に存在しないアミノ酸)による置換、(ii)配列番号:1へのアミノ酸(天然に存在するか若しくはコードされる、又はコードされない若しくは天然に存在しないアミノ酸)の付加、又は(iii)配列番号:1の1つ以上のアミノ酸の欠失を指す。
いくつかの又はいずれかの実施態様では、アミノ酸置換は保存的アミノ酸置換、例えば2、5、7、10、11、12、13、14、16、17、18、19、20、21、24、27、28又は29位の1つ以上におけるアミノ酸の保存的置換である。本明細書で用いられる“保存的アミノ酸置換”という用語は、本明細書では、あるアミノ酸の類似の特性(例えばサイズ、荷電、疎水性、親水性及び/又は芳香族性)を有する別のアミノ酸による置換と定義され、以下の5つのグループの1つの中での交換が含まれる:
I.小さな脂肪族の非極性又はわずかに極性の残基、Ala、Ser、Thr、Pro、Gly;
II.極性の陰性荷電残基並びのそれらのアミド及びエステル、Asp、Asn、Glu、システイン酸及びホモシステイン酸;
III.極性の陽性荷電残基、His、Arg、Lys、オルニチン(Orn);
IV.大きな脂肪族の非極性残基、Met、Leu、Ile、Val、Cys、ノルロイシン(Nle)、ホモシステイン;
V.大きな芳香族残基、Phe、Tyr、Trp、アセチルフェニルアラニン。
また別の実施態様では、アミノ酸置換は保存的アミノ酸置換ではなく、例えば非保存的アミノ酸置換である。
本明細書で用いられる“荷電アミノ酸”という用語は、生理学的pHの水溶液中で陰性荷電(すなわち脱プロトン化)又は陽性荷電(すなわちプロトン化)を有する側鎖を含むアミノ酸を指す。例えば、陰性荷電アミノ酸には、アスパラギン酸、グルタミン酸、システイン酸、ホモシステイン酸及びホモグルタミン酸が含まれ、一方、陽性荷電アミノ酸には、アルギニン、リジン及びヒスチジンが含まれる。荷電アミノ酸には、20のコードアミノ酸の中の荷電アミノ酸の他に非定形的又は天然に存在しない又はコードされないアミノ酸が含まれる。本明細書で用いられる“酸性アミノ酸”という用語は、アミノ酸のアルファカルボン酸以外の第二の酸性成分(例えば側鎖のカルボン酸基又はスルホン酸基を含む)を含むアミノ酸を指す。
いくつかの実施態様では、本開示のペプチドは、本来のヒトグルカゴン(配列番号:1)のアミノ酸配列と少なくとも25%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施態様では、本開示のペプチドは、配列番号:1と少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%の配列同一性であるか、又は90%より高い配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施態様では、上記に記載の%配列同一性を有するここに開示したペプチドのアミノ酸配列は、ここに開示するペプチドの完全長のアミノ酸配列である。いくつかの実施態様では、上記に記載の%配列同一性を有する本開示のペプチドのアミノ酸配列は、ここに開示するペプチドのほんの一部分である。いくつかの実施態様では、ここに開示するペプチドは、連続する少なくとも5アミノ酸(例えば少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10アミノ酸)の参照アミノ酸配列に対して約A%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、ここで参照アミノ酸配列は、配列番号:1のC位のアミノ酸で始まり、配列番号:1のD位のアミノ酸で終わり、ここでAは25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99であり、Cは1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27又は28であり、Dは5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27又は28である。前述のパラメーターの任意の及び全ての可能な組合せが想定され、以下が含まれる(ただしこれらに限定されない):例えばAが90%で、C及びDは1及び27、又は6及び27、又は8及び27、又は10及び27、又は12及び27、又は16及び27である。
本明細書に記載する本来のヒトグルカゴン(配列番号:1)のアナローグは任意の数のアミノ酸のペプチド骨格を含むことができ、すなわち任意のペプチド長であり得る。いくつかの実施態様では、本明細書に記載のペプチドは配列番号:1と同じ長さで、すなわち長さが29アミノ酸である。いくつかの実施態様では、ここに開示のペプチドは長さが29アミノ酸より長い。例えばここに開示のペプチドは、本明細書でさらに説明するように、1−21アミノ酸のC-末端伸長を含む。したがって、いくつかの実施態様の本開示のペプチドは、長さが30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49又は50アミノ酸である。いくつかの実施態様では、ここに開示のペプチドは長さが50アミノ酸までである。いくつかの実施態様では、ここに開示のペプチドは、別のペプチドとの融合のために長さが29アミノ酸より長い(例えば50アミノ酸より長い(例えば長さが少なくとも又は約60、少なくとも又は約70、少なくとも又は約80、少なくとも又は約90、少なくとも又は約100、少なくとも又は約150、少なくとも又は約200、少なくとも又は約250、少なくとも又は約300、少なくとも又は約350、少なくとも又は約400、少なくとも又は約450、少なくとも又は約500))。他の実施態様では、ここに開示のペプチドは長さが29アミノ酸より短い(例えば28、27、26、25、24、23アミノ酸)。
前述の記載にしたがえば、いくつかの特徴では、本開示のペプチドは、配列番号:1を土台にするアミノ酸配列を含む本来のヒトグルカゴン(配列番号:1)のアナローグであり、前記配列は、GIP活性、グルカゴン活性、及び/又はGLP-1活性に影響を与えるか、安定性を強化するか(例えばDPP-IVプロテアーゼに対する耐性を改善することによるペプチドの分解を低下させることによって)、可溶性を強化するか、半減期を延長するか、作用の開始を遅らせるか、GIP、グルカゴン又はGLP-1レセプターにおける作用の持続時間を延長するか、又は前記の任意の組合せのために1つ以上のアミノ酸改変を含む。他の改変に加えて、そのようなアミノ酸の改変はさらに下記に記載され、これらの改変のいずれも個々に又は組み合わせて利用できる。
本来のものではないアシル基を含むアミノ酸
いくつかの又はいずれかの実施態様にしたがえば、グルカゴン(配列番号:1)のアナローグであるGIPアゴニストペプチドは、本来のものではないアシル基を含むアミノ酸(どのように調製されたか否かにかかわらず(例えば先にアシル化されたアミノ酸のペプチドへの取り込み又は合成後のペプチドのアシル化による)本明細書では“アシル化アミノ酸”と称される)を含む。いくつかの又はいずれかの特徴では、アシル化アミノ酸は、グルカゴンアナローグの9、10、12、13、14、16、17、20、37、38、39、40、41、42又は43位のいずれかに位置する。例示的な特徴では、アシル化アミノ酸は、グルカゴンアナローグの9、10、12、16、20又は40位のいずれか、又は10、13、14、16、17又は40位のいずれかに位置する。例示的な特徴では、アシル化アミノ酸は、10、14及び40位のいずれか1つ以上に位置する。例示的な特徴では、アシル化アミノ酸は、当該ペプチドアナローグの10、12又は16位のいずれかに位置する。
いくつかの実施態様のアシル化アミノ酸は、(i)循環中の半減期の延長、(ii)作用の開始の遅延、(iii)作用の持続時間の延長、(iv)プロテアーゼ(例えばDPP-IV)に対する耐性の改善、及び(v)GIPレセプター、GLP-1レセプター及びグルカゴンレセプターのいずれか1つ以上におけるポテンシーの増加の1つ以上をGIPアゴニストペプチドに獲得させる。
直接的アシル化
いくつかの実施態様では、アシル基はGIPアゴニストペプチドのアミノ酸に直接的に連結される。ある実施態様にしたがえば、GIPアゴニストペプチドは、エステル、チオエステル又はアミド結合を介してペプチドに結合されるアシル基を含む。
具体的な特徴では、GIPアゴニストペプチドは、当該GIPアゴニストペプチドのアミノ酸の側鎖のアミン、ヒドロキシル、又はチオールの直接アシル化によりアシル基を含む。いくつかの実施態様では、アシル化は、GIPアゴニストペプチドの9、10、12、13、14、16、17、20又は40位(例えば10、14及び40位のいずれか1つ)に存在する。これに関して、GIPアゴニストペプチドは、配列番号:1のアミノ酸配列、又は本明細書に記載のアミノ酸改変の1つ以上を含むその改変アミノ酸を含み、ここでGIPアゴニストペプチドの9、10、12、13、14、16、17、20及び40位(例えば10、14及び40位のいずれか1つ)のアミノ酸の少なくとも1つは、アミン、ヒドロキシル又はチオール側鎖を含むアミノ酸である。
いくつかの実施態様では、アミン側鎖を含むアミノ酸は下記の式Iのアミノ酸である:
Figure 2014507402
[式I]
式中、nは1から4である。
いくつかの実施態様では、式Iのアミノ酸は、nが4(Lys)又はnが3(Orn)のアミノ酸である。いくつかの実施態様では、アミン側鎖を含むアミノ酸はアミン側鎖を含む芳香族アミノ酸である。例示的な特徴では、アミン側鎖を含む芳香族アミノ酸は、4-アミノ-フェニルアラニン(4-アミノPhe)、p-アミノフェニルグリシン、p-アミノホモフェニルアラニン又は3-アミノチロシンである。例示的な特徴では、アミン側鎖を含む芳香族アミノ酸は4-アミノ-Pheである。
他の実施態様では、ヒドロキシル側鎖を含むアミノ酸は下記の式IIのアミノ酸である:
Figure 2014507402
[式II]
式中nは1から4である。
いくつかの例示的な実施態様では、式IIのアミノ酸は、nが1(Ser)のアミノ酸である。例示的な特徴では、式IIのアミノ酸は、nが2(ホモセリン)のアミノ酸である。類似の例示的な実施態様では、ヒドロキシル側鎖を含むアミノ酸はThr又はホモスレオニンである。類似の例示的実施態様では、ヒドロキシル側鎖を含むアミノ酸はヒドロキシル側鎖を含む芳香族アミノ酸である。例示的な特徴では、ヒドロキシル側鎖を含む芳香族アミノ酸はチロシン、ホモチロシン、メチルチロシン又は3-アミノチロシンである。
さらに他の実施態様では、チオール側鎖を含むアミノ酸は下記の式IIIのアミノ酸である:
Figure 2014507402
[式III]
式中nは1から4である。
いくつかの例示的な実施態様では、式IIIのアミノ酸は、nが1(Cys)のアミノ酸である。
さらに他の実施態様では、アミン、ヒドロキシル又はチオール側鎖を含むアミノ酸は、式I、式II又は式IIIの同じ構造を含む二置換アミノ酸であるが、ただし式I、式II又は式IIIのアミノ酸のアルファ炭素と結合する水素は第二の側鎖で置き換えられるという点を除く
アシル化スペーサー
また別の実施態様では、アシル基はスペーサーを介してGIPアゴニストペプチドのアミノ酸と連結され、ここでスペーサーはGIPアゴニストペプチドのアミノ酸とアシル基との間に位置する。いくつかの実施態様では、GIPアゴニストペプチドは、当該ペプチドとアシル基との間にスペーサーを含む。いくつかの実施態様では、GIPアゴニストペプチドはスペーサーと共有結合し、スペーサーはアシル基と共有結合する。
いくつかの実施態様では、スペーサーは、アミン、ヒドロキシル若しくはチオール側鎖を含むアミノ酸、又はアミン、ヒドロキシル若しくはチオール側鎖を含むアミノ酸を含むジペプチド若しくはトリペプチドである。スペーサーが結合するアミノ酸は、スペーサーとの結合を許容する成分を含む任意のアミノ酸(例えば一又は二α-置換アミノ酸)であり得る。例えば、側鎖NH2、-OH、又は-COOHを含むアミノ酸(例えばLys、Orn、Ser、Asp又はGlu)が適切である。この点に関しては、いくつかの特徴のGIPアゴニストペプチドは、配列番号:1のアミノ酸配列、又は本明細書に記載のアミノ酸改変の1つ以上を含むその改変アミノ酸配列を含み、ここで9、10、12、13、14、16、17、20及び37−43位(例えば10、14又は40位)のアミノ酸の少なくとも1つは、アミン、ヒドロキシル又はカルボキシレート側鎖を含むアミノ酸である。
いくつかの実施態様では、スペーサーは、アミン、ヒドロキシル又はチオール側鎖を含むアミノ酸であるか、又はアミン、ヒドロキシル又はチオール側鎖を含むジペプチド又はトリペプチドである。
アシル基がスペーサーのアミン基を介して結合するとき、いくつかの特徴のアシル基は、スペーサーアミノ酸のアルファアミン又はアミン側鎖を介して結合する。アシル基がアルファアミンを介して結合する事例では、スペーサーのアミノ酸は任意のアミノ酸であり得る。例えば、スペーサーのアミノ酸は、疎水性アミノ酸、例えばGly、Ala、Val、Leu、Ile、Trp、Met、Phe、Tyr、6-アミノヘキサン酸、5-アミノ吉草酸、7-アミノヘプタン酸及び8-アミノオクタン酸である。また別にいくつかの特徴では、スペーサーのアミノ酸は酸性残基、例えばAsp、Glu、ホモグルタミン酸、ホモシステイン酸、ガンマグルタミン酸である。
アシル基がアミノ酸スペーサーのアミン側鎖を介して結合する事例では、スペーサーはアミン側鎖を含むアミノ酸、例えば式Iのアミノ酸(例えばLya又はOrn)である。この事例では、スペーサーのアミノ酸のアルファアミン及びアミン側鎖の両方がアシル基と結合することが可能で、その結果GIPアゴニストペプチドは二アシル化される。本発明の実施態様はそのような二アシル化分子を含む。いくつかの実施態様では、アシル基は4-アミノ-Phe、p-アミノフェニルグリシン、p-アミノホモフェニルアラニン又は3-アミノチロシンと結合する。
アシル基がスペーサーのヒドロキシル基を介して結合するとき、当該アミノ酸又はジペプチド若しくはトリペプチドの一方のアミノ酸は式IIのアミノ酸であり得る。具体的な例示的実施態様ではアミノ酸はSerである。同様な例示的実施態様では、アシル基はThr又はホモスレオニンと結合する。同様な例示的実施態様では、アシル基は、ヒドロキシル側鎖を含む芳香族アミノ酸(例えばチロシン、ホモチロシン、メチルチロシン又は3-アミノチロシン)のヒドロキシルを介して結合する。
アシル基がスペーサーのチオール基を介して結合するとき、当該アミノ酸又はジペプチド若しくはトリペプチドの一方のアミノ酸は式IIIのアミノ酸であり得る。具体的な例示的実施態様では当該アミノ酸はCysである。
いくつかの実施態様では、スペーサーは親水性二官能性スペーサーである。例示的な実施態様では、親水性二官能性スペーサーは、2つ以上の反応基、例えばアミン、ヒドロキシル、チオール及びカルボキシル基又は前記の任意の組合せを含む。例示的実施態様では、親水性二官能性スペーサーはヒドロキシル基及びカルボキシレートを含む。他の実施態様では、親水性二官能性スペーサーはアミン基及びカルボキシレートを含む。他の実施態様では、親水性二官能性スペーサーはチオール基及びカルボキシレートを含む。具体的な実施態様では、スペーサーはアミノポリ(アルキルオキシ)カルボキシレートを含む。これに関しては、スペーサーは、例えばNH2(CH2CH2O)n(CH2)mCOOHを含むことができ、式中、mは1から6の任意の整数であり、nは2から12の任意の整数である(例えば8-アミノ-3,6-ジオキサオクタン酸、前記はペプチドインターナショナル社(Peptides International, Inc., Louisville, KY)から市場で入手できる)。
例示的実施態様では、スペーサーは、[-O-CH2-CH2-]nの構造を含む小さなポリエチレングリコール成分(PEG)を含む(式中、nは2から16の間の整数(例えば2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16)である)。そのような小さなPEGは本明細書では“ミニPEG”と称される。例示的な特徴では、ミニPEGは1つ以上の官能基を含む官能化ミニPEGである。適切な官能基には、アミン、ヒドロキシル、チオール及びカルボキシル基又は前記の任意の組合せが含まれるが、ただしこれらに限定されない。例示的特徴では、ミニPEGは、{[-O-CH2-CH2-]n-COO-}の構造を含むミニPEG酸であり、式中nは上記のように定義される。例示的な特徴では、ミニPEGは、{-N- CH2- CH2-[-O-CH2-CH2-]n}の構造を含むアミドミニPEGであり、式中nは上記のように定義される。例示的な特徴では、ミニPEGは、{-N- CH2- CH2-[-O-CH2-CH2-]n-COO-}の構造を含むアミドミニPEGであり、式中nは上記のように定義される。ミニPEGによるアミノ酸のアシル化で用いられる適切な試薬は、販売業者(例えばペプチドインターナショナル社(Louisville, KY))から市場で入手できる。さらにまた、ミニPEGによるアミノ酸のアシル化に適切な技術は本明細書に記載される(実施例1を参照されたい)。
いくつかの実施態様では、スペーサーは疎水性二官能性スペーサーである。疎水性二官能性スペーサーは当業界で公知である。例えば以下を参照されたい:Bioconjugate Techniques, G. T. Hermanson(Academic Press, San Diego, CA, 1996)(前記文献は参照により本明細書に含まれる)。例示的実施態様では、疎水性二官能性スペーサーは、2つ以上の反応基、例えばアミン、ヒドロキシル、チオール及びカルボキシル基又は前記の任意の組合せを含む。例示的実施態様では、疎水性二官能性スペーサーはヒドロキシル基及びカルボキシレートを含む。他の実施態様では、疎水性二官能性スペーサーは、アミン基及びカルボキシレートを含む。他の実施態様では、疎水性二官能性スペーサーは、チオール基及びカルボキシレートを含む。カルボキシレート及びヒドロキシル基又はチオール基を含む適切な疎水性二官能性スペーサーは当業界で公知であり、例えば8-ヒドロキシオクタン酸及び8-メルカプトオクタン酸が含まれる。
いくつかの実施態様では、二官能性スペーサーは、カルボキシレート基の間に1−7の炭素原子の非分枝メチレンを含むジカルボン酸ではない。いくつかの実施態様では、二官能性スペーサーは、カルボキシレート基の間に1−7の炭素原子の非分枝メチレンを含むジカルボン酸である。
具体的な実施態様のスペーサー(例えばアミノ酸、ジペプチド、トリペプチド、親水性二官能性スペーサー又は疎水性二官能性スペーサー)は、長さが3から10原子(例えば6から10原子、例えば6、7、8、9又は10原子)である。より具体的な実施態様では、スペーサーは長さが約3から10原子(例えば6から10原子)であり、アシル基がC12からC18の脂肪アシル基(例えばC14脂肪アシル基、C16脂肪アシル基)であり、したがってスペーサー及びアシル基の全長は14から28原子、例えば約14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27又は28原子である。いくつかの実施態様では、スペーサー及びアシル基の長さは17−28原子(例えば19から26、19から21原子)である。
前述の実施態様のいくつか又はいずれかにしたがえば、二官能性スペーサーは、長さが3から10原子のアミノ酸骨格を含む合成アミノ酸又は天然に存在するアミノ酸である(本明細書に記載のアミノ酸のいずれかが含まれるが、ただしそれらに限定されない)(例えば6-アミノヘキサン酸、5-アミノ吉草酸、7-アミノヘプタン酸及び8-アミノオクタン酸)。また別に、スペーサーは、長さが3から10原子(例えば6から10原子)のペプチド骨格を有するジペプチド又はトリペプチドスペーサーであり得る。ジペプチド又はトリペプチドスペーサーの各アミノ酸は、当該ジペプチド又はトリペプチド他のアミノ酸と同じでも又は異なっていてもよく、それぞれ別個に天然に存在するか又はコードされるアミノ酸及び/又はコードされないか又は天然に存在しないアミノ酸から成る群から選択でき、前記は以下を含む:例えば天然に存在するアミノ酸(Ala、Cys、Asp、Glu、Phe、Gly、His、Ile、Lys、Leu、Met、Asn、Pro、Arg、Ser、Thr、Val、Trp、Tyr)のD又はL異性体のいずれか、又は天然に存在しないか又はコードされないアミノ酸の任意のD又はL異性体で以下から成る群から選択されるもの:β-アラニン(β-Ala)、N-α-メチルアラニン(Me-Ala)、アミノ酪酸(Abu)、γ-アミノ酪酸(γ-Abu)、アミノヘキサン酸(ε-Ahx)、アミノイソ酪酸(Aib)、アミノメチルピロールカルボン酸、アミノピペリジンカルボン酸、アミノセリン(Ams)、アミノテトラヒドロピラン-4-カルボン酸、アルギニンN-メトキシ-N-メチルアミド、β-アスパラギン酸(β-Asp)、アゼチジンカルボン酸、3-(2-ベンゾチアゾリル)アラニン、α-tert-ブチルグリシン、2-アミノ-5-ウレイド-n-吉草酸(シトルリン、Cit)、β-シクロヘキシルアラニン(Cha)、アセトアミドメチル-システイン、ジアミノブタン酸(Dab)、ジアミノプロピオン酸(Dpr)、ジヒドロキシフェニルアラニン(DOPA)、ジメチルチアゾリジン(DMTA)、γ-グルタミン酸(γ-Glu)、ホモセリン(Hse)、ヒドロキシプロリン(Hyp)、イソロイシンN-メトキシ-N-メチルアミド、メチル-イソロイシン(MeIle)、イソニペコチン酸(Isn)、メチルロイシン(MeLeu)、メチルリジン、ジメチルリジン、トリメチルリジン、メタノプロリン、メチオニンスルホキシド(Met(O))、メチオニンスルホン(Met(O2))、ノルロイシン(Nle)、メチルノルロイシン(Me-Nle)、ノルバリン(Nva)、オルニチン(Orn)、パラアミノ安息香酸(PABA)、ペニシラミン(Pen)、メチルフェニルアラニン(MePhe)、4-クロロフェニルアラニン(Phe(4-Cl))、4-フルオロフェニルアラニン(Phe(4-F))、4-ニトロフェニルアラニン(Phe(4-NO2))、4-シアノフェニルアラニン(Phe(4-CN))、フェニルグリシン(Phg),ピペリジニルアラニン、ピペリジニルグリシン、3,4-デヒドロプロリン、ピロリジニルアラニン、サルコシン(Sar)、セレノシステイン(Sec)、O-ベンジル-ホスホセリン、4-アミノ-3-ヒドロキシ-6-メチルヘプタン酸(Sta)、4-アミノ-5-シクロヘキシル-3-ヒドロキシペンタン酸(ACHPA)、4-アミノ-3-ヒドロキシ-5-フェニルペンタン酸(AHPPA)、1,2,3,4-テトラヒドロ-イソキノリン-3-カルボン酸(Tic)、テトラヒドロピラングリシン、チエニルアラニン(Thi)、O-ベンジル-ホスホチロシン、O-ホスホチロシン、メトキシチロシン、エトキシチロシン、O-(ビス-ジメチルアミノ-ホスホノ)-チロシン、チロシンスルフェートテトラブチルアミン、メチルバリン(MeVal)及びアルキル化3-メルカプトプロピオン酸。例示的特徴では、スペーサーはCys残基又はLys残基である。
いくつかの実施態様では、スペーサーは全体として陰性荷電を含み、例えば1つ又は2つの陰性荷電アミノ酸を含む。いくつかの実施態様では、ジペプチドは一般構造A-Bのジペプチドのいずれでもない(ここでAはGly、Gln、Ala、Arg、Asp、Asn、Ile、Leu、Val、Phe及びProから成る群から選択され、BはLys、His、Trpから成る群から選択される)。いくつかの実施態様では、ジペプチドスペーサーのアミノ酸はAla、β-Ala、Leu、Pro、γ-アミノ酪酸、Glu及びγ-Gluから成る群から選択される。
いくつかの例示的な実施態様では、GIPアゴニストペプチドは、スペーサーのアミン、ヒドロキシル又はチオールのアシル化によりアシル基を含み、前記スペーサーは、9、10、12、13、14、16、17、20又は37−43位(例えば10、14及び40位の任意の1つ以上)のアミノ酸又はGIPアゴニストペプチドのC-末端アミノ酸の側鎖と結合する。
さらにより具体的な実施態様では、アシル基は、ペプチドアナローグの9、10、12、13、14、16、17、20又は37−43位(例えば10、14及び40位の任意の1つ以上)のいずれかのアミノ酸と結合し、スペーサーとアシル基との長さは14から28原子である。9、10、12、13、14、16、17、20又は37−43位(例えば10、14及び40位の任意の1つ以上)のいずれかのアミノ酸は、いくつかの特徴では、式Iのアミノ酸、例えばLys又は式Iに関連する二置換アミノ酸である。より具体的な実施態様では、ペプチドアナローグは、分子内架橋(例えば分子内共有結合架橋)を欠く。例えば、グルカゴンアナローグは、1つ以上のアルファアルファ二置換アミノ酸(例えばAIB)を、アナローグのアルファヘリックスを安定化させるために含むグルカゴンアナローグである。
アシル基
アシル化アミノ酸のアシル基は任意のサイズ、例えば任意の長さの炭素鎖であることができ、線状でも分枝していてもよい。いくつかの具体的な実施態様では、アシル基はC4からC30脂肪酸である。例えば、アシル基は、C4脂肪酸、C6脂肪酸、C8脂肪酸、C10脂肪酸、C12脂肪酸、C14脂肪酸、C16脂肪酸、C18脂肪酸、C20脂肪酸、C22脂肪酸、C24脂肪酸、C26脂肪酸、C28脂肪酸又はC30脂肪酸のいずれかであり得る。いくつかの実施態様では、アシル基はC8からC20脂肪酸、例えばC14脂肪酸又はC16脂肪酸である。
また別の実施態様では、アシル基は胆汁酸である。胆汁酸は任意の適切な胆汁酸であってもよく、コール酸、ケノデオキシコール酸、デオキシコール酸、リトコール酸、タウロコール酸、グリココール酸及びコレステロール酸が含まれるが、ただしこれらに限定されない。
例示的な実施態様では、アシル基はコハク酸又はコハク酸誘導体である。本明細書で用いられる“コハク酸誘導体”とは、置換コハク酸又は置換環式コハク酸(すなわち無水コハク酸)又は置換膨張環無水コハク酸(すなわち-C(O)-O-C(O)-成分及び3から5の追加の炭素を含む6−8員環)を含む化合物を意味し、ここで、置換コハク酸、置換環式コハク酸(すなわち無水コハク酸)又は置換膨張環無水コハク酸は1つ以上のアルキル鎖又は1つ以上の官能化炭素鎖で置換される。
例示的特徴では、コハク酸誘導体は以下の式Vの構造を含む:
Figure 2014507402
[式V]
式中、R及びR’の各々はそれぞれ別個にH、線状若しくは分枝C4−C30炭素鎖、又は線状若しくは分枝C4−C30官能化炭素鎖である。例示的な実施態様では、R及び/又はR’はC4−C30アルキル鎖を含む炭素鎖である。例えば前記アルキル基は、C4アルキル、C6アルキル、C8アルキル、C10アルキル、C12アルキル、C14アルキル、C16アルキル、C18アルキル、C20アルキル、C22アルキル、C24アルキル、C26アルキル、C28アルキル又はC30アルキルのいずれかであり得る。いくつかの実施態様では、アルキル基はC8からC20アルキル、例えばC14アルキル又はC16アルキルである。例示的な特徴では、官能化炭素鎖は官能基(カルボキシル、スルフヒドリル、アミン、ケチル、スルホキシル又はアミドを含むが、ただしこれらに限定されない)を含む。
例示的な特徴では、コハク酸誘導体は以下の式VIの構造を含む無水コハク酸を含む:
Figure 2014507402
[式VI]
式中、R及びR’の各々はそれぞれ別個にH、線状若しくは分枝C4−C30炭素鎖、又は線状若しくは分枝C4−C30官能化炭素鎖である。例示的な実施態様では、R及び/又はR’はC4−C30アルキル鎖を含む炭素鎖である。例えば前記アルキル基は、C4アルキル、C6アルキル、C8アルキル、C10アルキル、C12アルキル、C14アルキル、C16アルキル、C18アルキル、C20アルキル、C22アルキル、C24アルキル、C26アルキル、C28アルキル又はC30アルキルのいずれかであり得る。いくつかの実施態様では、アルキル基はC8からC20アルキル、例えばC14アルキル又はC16アルキルである。例示的な特徴では、官能化炭素鎖は官能基(カルボキシル、スルフヒドリル、アミン、ケチル、スルホキシル又はアミドを含むが、ただしこれらに限定されない)を含む。
例示的な特徴では、コハク酸誘導体は無水コハク酸誘導体であり、以下の式VIIのものを含む:
Figure 2014507402
[式VII]
式中、R及びR’の各々はそれぞれ別個にH、線状若しくは分枝C4−C30炭素鎖、又は線状若しくは分枝C4−C30官能化炭素鎖である。例示的な実施態様では、R及び/又はR’はC4−C30アルキル鎖を含む炭素鎖である。例えば前記アルキル基は、C4アルキル、C6アルキル、C8アルキル、C10アルキル、C12アルキル、C14アルキル、C16アルキル、C18アルキル、C20アルキル、C22アルキル、C24アルキル、C26アルキル、C28アルキル又はC30アルキルのいずれかであり得る。いくつかの実施態様では、アルキル基はC8からC20アルキル、例えばC14アルキル又はC16アルキルである。例示的な特徴では、官能化炭素鎖は官能基(カルボキシル、スルフヒドリル、アミン、ケチル、スルホキシル又はアミドを含むが、ただしこれらに限定されない)を含む。
式V−VIのR及びR’のただ1つがHであるとき、アシル化アミノ酸は“Cxスクシノイル”と称される。本明細書で用いられるように、“Cxスクシノイル”(xは整数である)という用語は、Rがy個の炭素のアルキル鎖でありy=x−1であり、さらにyがスクシノイル成分の炭素を含まない構造を指す。例えば、RがC15アルキル基でありR’がHである式VIの構造はC16スクシノイルと称される。例えば、図3AはC16スクシノイルLysを示し、ここでLysはアミンでスクシノイル化されてある。式V−VIのR及びR’がどちらもHでないとき、このアシル化アミノ酸は“Cx,Cx’スクシノイル”と称される。本明細書で用いられるように、“Cx,Cx’スクシノイル”(x及びx’は整数である)という用語は、Rがy個の炭素のアルキル鎖であり、R’がy’個の炭素のアルキル鎖であり、y’=x’−1である構造を指す。例えば、式VIの構造(RはC15アルキル基でR’はC13アルキル基である)はC16,C14スクシノイルと称される。コハク酸誘導体が置換膨張環無水コハク酸であり、式VIIのRもR’もHでないとき、このアシル化アミノ酸は“Cx,Cx’-n-スクシノイル”と称される。本明細書で用いられるように、“Cx,Cx’-n-スクシノイル”(x、x’及びnは整数)という用語は、Rがy個の炭素のアルキル鎖であり、R’がy’個の炭素のアルキル鎖であり、さらに無水コハク酸の環がn個の炭素によって膨張する構造を指す。例えば、式VIIの構造(R及びR’がC15アルキル基でn=2である)は、C16,C16-2-スクシノイルと称される。
例示的な実施態様では、アシル基はマレイン酸又はマレイン酸誘導体である。本明細書で用いられる“マレイン酸誘導体”とは、置換マレイン酸又は置換環式マレイン酸(すなわち無水マレイン酸)又は置換膨張環無水マレイン酸(すなわち-C(O)-O-C(O)-成分及び追加の3−5の炭素を含む6−8員環)を含む化合物を意味し、ここで前記置換マレイン酸又は置換環式マレイン酸(すなわち無水マレイン酸)又は置換膨張環無水マレイン酸は、1つ以上のアルキル鎖又は1つ以上の官能化炭素鎖で置換される。
例示的特徴では、マレイン酸誘導体は下記の式VIIIの構造を含む:
Figure 2014507402
[式VIII]
式中、R及びR’の各々はそれぞれ別個にH、線状若しくは分枝C4−C30炭素鎖、又は線状若しくは分枝C4−C30官能化炭素鎖である。例示的な実施態様では、R及び/又はR’はC4からC30アルキル鎖を含む炭素鎖である。例えば前記アルキル基は、C4アルキル、C6アルキル、C8アルキル、C10アルキル、C12アルキル、C14アルキル、C16アルキル、C18アルキル、C20アルキル、C22アルキル、C24アルキル、C26アルキル、C28アルキル又はC30アルキルのいずれかであり得る。いくつかの実施態様では、アルキル基はC8からC20アルキル、例えばC14アルキル又はC16アルキルである。例示的な特徴では、官能化炭素鎖は官能基(カルボキシル、スルフヒドリル、アミン、ケチル、スルホキシル又はアミドを含むが、ただしこれらに限定されない)を含む。
例示的な特徴では、マレイン酸誘導体は以下の式IXの構造を含む無水マレイン酸を含む:
Figure 2014507402
[式IX]
式中、R及びR’の各々はそれぞれ別個にH、線状若しくは分枝C4−C30炭素鎖、又は線状若しくは分枝C4−C30官能化炭素鎖である。例示的な実施態様では、R及び/又はR’はC4からC30アルキル鎖を含む炭素鎖である。例えば前記アルキル基は、C4アルキル、C6アルキル、C8アルキル、C10アルキル、C12アルキル、C14アルキル、C16アルキル、C18アルキル、C20アルキル、C22アルキル、C24アルキル、C26アルキル、C28アルキル又はC30アルキルのいずれかであり得る。いくつかの実施態様では、アルキル基はC8からC20アルキル、例えばC14アルキル又はC16アルキルである。例示的な特徴では、官能化炭素鎖は官能基(カルボキシル、スルフヒドリル、アミン、ケチル、スルホキシル又はアミドを含むが、ただしこれらに限定されない)を含む。
例示的な特徴では、マレイン酸誘導体は無水マレイン酸誘導体であり、以下の式Xのものを含む:
Figure 2014507402
[式X]
式中、nは1から4であり、2つの非カルボニル炭素の間に少なくとも1つのC=C二重結合が存在し、さらに
R及びR’の各々はそれぞれ別個にH、線状若しくは分枝C4−C30炭素鎖、又は線状若しくは分枝C4−C30官能化炭素鎖である。例示的な実施態様では、R及び/又はR’はC4−C30アルキル鎖を含む炭素鎖である。例えば前記アルキル基は、C4アルキル、C6アルキル、C8アルキル、C10アルキル、C12アルキル、C14アルキル、C16アルキル、C18アルキル、C20アルキル、C22アルキル、C24アルキル、C26アルキル、C28アルキル又はC30アルキルのいずれかであり得る。いくつかの実施態様では、アルキル基はC8からC20アルキル、例えばC14アルキル又はC16アルキルである。例示的な特徴では、官能化炭素鎖は官能基(カルボキシル、スルフヒドリル、アミン、ケチル、スルホキシル又はアミドを含むが、ただしこれらに限定されない)を含む。
式VIII−IXのR及びR’のただ1つがHであるとき、アシル化アミノ酸は“Cxマレオイル”と称される。本明細書で用いられるように、“Cxマレオイル”(xは整数である)という用語は、Rがy個の炭素のアルキル鎖でありy=x−1であり、さらにyがマレオイル成分の炭素を含まない構造を指す。例えば、RがC15アルキル基でありR’がHである式IXの構造はC16マレオイルと称される。式VIII−IXのR及びR’がどちらもHでないとき、このアシル化アミノ酸は“Cx,Cx’マレオイル”と称される。本明細書で用いられるように、“Cx,Cx’マレオイル”(x及びx’は整数である)という用語は、Rがy個の炭素のアルキル鎖であり、R’がy’個の炭素のアルキル鎖であり、y’=x’−1である構造を指す。例えば、式IXの構造(RはC15アルキル基でR’はC13アルキル基である)はC16,C14マレオイルと称される。マレイン酸誘導体が置換膨張環無水マレイン酸であり、式XのRもR’もHでないとき、このアシル化アミノ酸は“Cx,Cx’-n-マレオイル”と称される。本明細書で用いられるように、“Cx,Cx’-n-マレオイル”(x、x’及びnは整数)という用語は、Rがy個の炭素のアルキル鎖であり、R’がy’個の炭素のアルキル鎖であり、さらに無水マレイン酸の環がn個の炭素によって膨張する構造を指す。例えば、式Xの構造(R及びR’がC15アルキル基でn=2である)は、C16,C16-2-マレオイルと称される。
アシル基を結合させる方法
ペプチドのアミン、ヒドロキシル及びチオールを介してアシル基をペプチドに結合させる適切な方法は当業界で公知である。例えば以下を参照されたい:実施例1(アミンを介するアシル化の方法);Miller, Biochem Biophys Res Commun 218: 377-382 (1996); Shimohigashi and Stammer, Int J Pept Protein Res 19: 54-62 (1982); and Previero et al., Biochim Biophys Acta 263: 7-13 (1972)(ヒドロキシルを介するアシル化の方法);及びSan and Silvius, J Pept Res 66: 169-180 (2005)(チオールを介するアシル化の方法);Bioconjugate Chem.“Chemical Modifications of Proteins: History and Applications” pages 1, 2-12 (1990); Hashimoto et al., Pharmacuetical Res.“Synthesis of Palmitoyl Derivatives of Insulin and their Biological Activity”Vol. 6, No:2 pp.171-176(1989)。
いくつかの実施態様では、GIPアゴニストペプチドは、当該アゴニストペプチドによる長鎖アルカンのアシル化によってアシル化されたアミノ酸を含む。具体的な特徴では、長鎖アルカンは、GIPアゴニストペプチドのカルボキシル基又はその活性化型と反応する、アミン、ヒドロキシ又はチオール基(例えばオクタデシルアミン、テトラデカノール及びヘキサデカンチオール)を含む。GIPアゴニストペプチドのカルボキシル基又はその活性化型は、GIPアゴニストペプチドのアミノ酸(例えばグルタミン酸、アスパラギン酸)の側鎖部分であるか、又はペプチド骨格の部分であり得る。
例示的実施態様では、GIPアゴニストペプチドは、当該アゴニストペプチドに結合したスペーサーによる長鎖アルカンのアシル化によりアシル基を含む。具体的な特徴では、長鎖アルカンは、スペーサーのカルボキシル基又はその活性化型と反応する、アミン、ヒドロキシ又はチオール基を含む。カルボキシル基又はその活性化型を含む適切なスペーサーは本明細書に記載されてあり、例えば、二官能性スペーサー(例えばアミノ酸、ジペプチド、トリペプチド)、親水性二官能性スペーサー及び疎水性二官能性スペーサーが含まれる。
本明細書で用いられるように、“カルボキシル基の活性型”という用語は、一般式R(C=O)X(式中Xは脱離基でRはグルカゴンアナローグ又はスペーサーである)を有するカルボキシル基を指す。例えば、カルボキシル基の活性型にはアシルクロリド、無水物、及びエステルが含まれる(ただしこれらに限定されない)。いくつかの実施態様では、活性化カルボキシル基は、N-ヒドロキシスクシンイミドエステル(NHS)脱離基をもつエステルである。
長鎖アルカンがグルカゴンアナローグ又はスペーサーによってアシル化されるこれらの特徴に関しては、長鎖アルカンは任意のサイズが可能で、任意の長さの炭素鎖を含むことができる。長鎖アルカンは線状でも分枝でもよい。例示的な特徴では、長鎖アルカンはC4からC30アルカンである。例えば長鎖アルカンは、C4アルカン、C6アルカン、C8アルカン、C10アルカン、C12アルカン、C14アルカン、C16アルカン、C18アルカン、C20アルカン、C22アルカン、C24アルカン、C26アルカン、C28アルカン又はC30アルカンのいずれかであり得る。いくつかの実施態様では、長鎖アルカンはC8からC20アルカン、例えばC14アルカン、C16アルカン又はC18アルカンである。
さらにまた、いくつかの実施態様では、GIPアゴニストペプチドのアミン、ヒドロキシル又はチオール基はコレステロール酸でアシル化される。具体的な実施態様では、GIPアゴニストペプチドは、アルキル化デスアミノCysスペーサー(すなわちアルキル化3-メルカプトプロピオン酸スペーサー)を介してコレステロール酸と結合される。
アシル基が、コハク酸、コハク酸誘導体、マレイン酸又はマレイン酸誘導体であるとき、ペプチドは、GIPアゴニストペプチド又はスペーサーのアミン、ヒドロキシル又はチオール基と、式V、式VI、式VII、式VIII、式IX又は式Xのコハク酸、コハク酸誘導体、マレイン酸又はマレイン酸誘導体との反応によってスクシノイル化/マレオイル化される。スクシノイル化の方法は本明細書に記載される。
追加のアシル基
いくつかの又はいずれかの実施態様のペプチドは、9、10、12、13、14、16、17、20又は37−43位(例えば10、14及び40位のいずれか1つ以上)以外の位置にアシル化アミノ酸を含む。アシル化アミノ酸の位置はGIPアゴニストペプチド内の任意の位置であり得るが、前記位置には、1−29位のいずれか、C-末端から29番目のアミノ酸(例えば30、31、32、33、34、35、36、44、45、46、47などの位置、C-末端伸長部内の位置又はC-末端のアミノ酸)の位置が含まれ、場合によって9、10、12、13、14、16、17、20又は37−43 位のいずれかに(例えば10、14及び40位のいずれか1つ以上に)第二のアシル化アミノ酸を伴うが、ただし当該ペプチドアナローグのGIPアゴニスト活性が、強化されないとしても維持されることを条件とする。非限定的な例には、5、7、11、13、14、17、18、19、21、24、27、28又は29位が含まれる。
前述の記載と一致して、例示的な特徴でグルカゴンアナローグは2つ(又は3つ以上)のアシル化アミノ酸を含み、2つのアシル基が存在するときは二重アシル化ペプチド又は二アシル化ペプチドと考えることができる。例示的特徴では、アシル化アミノ酸の全てが、9、10、12、13、14、16、17、20又は37−43 位の2つの位置に(例えば10、14及び40位のいずれか1つ以上に)位置する。例示的特徴では、アシル化は10、14及び40位の2つで生じる。例示的特徴では、ペプチドは、10位に第一のアシル化アミノ酸及び40位に第二のアシル化アミノ酸を含む。
さらに別の例示的実施態様では、グルカゴンアナローグは、ペプチド骨格のただ1つのアミノ酸に結合した2つの(又は3つ以上の)アシル基を含む。前記ペプチドは、2つのアシル基が存在するときは二重アシル化ペプチド又は二アシル化ペプチドと考えることができる。この2つの(又は3つ以上の)アシル基は同じアシル基でも異なるアシル基でもよく、前記は分枝又は線状構造で配置される。例えば、分枝構造を達成するために、当該グルカゴンアナローグは、少なくとも3つの官能基(その少なくとも2つは各々アシル基と共有結合し、その1つはペプチド骨格のアシル化アミノ酸と結合する)を含むスペーサーと結合する1つのアシル化アミノ酸(ペプチド骨格の部分である)を含むことができる。例示的特徴では、分枝構造は、例えば、脂肪アシル基との直接結合又はスペーサーを介する脂肪アシル基との間接結合のために2つのアミン残基(側鎖アミン及びアルファアミン)を含むLys残基を介して達成できる。例示的特徴では、追加のスペーサーは、ペプチド骨格のアミノ酸と少なくとも3つの官能基を含むスペーサーとの間に配置できる。例えば、ペプチド骨格のアミノ酸は第一のスペーサーと(例えばその側鎖を介して)結合させることができ、前記は続いて第二のスペーサーに結合する。ここで、前記第二のスペーサーは少なくとも3つの官能基(その少なくとも2つは各々アルキル基と共有結合し、その1つは第一のスペーサーと結合する)を含む。
例示的特徴では(この特徴ではアルキル基は線状構造で配置される)、グルカゴンアナローグは第一のアシル基と直接結合する1つのアシル化アミノ酸(ペプチド骨格の部分である)を含み、前記は続いてスペーサーと結合し、前記は続いて第二のアシル基と結合する。
二重アシル化化合物の例示的構造は図5Aに示されている。
親水性成分及びアシル基
アシル化アミノ酸を含むGIPアゴニストペプチドは場合によってさらに親水性成分を含む。いくつかの又はいずれかの実施態様では、前記親水性成分は、ポリエチレングリコール(PEG)鎖を含む。親水性成分の取り込みは、任意の適切な手段、例えば本明細書に記載の方法のいずれかにより達成される。これに関しては、GIPアゴニストペプチドは、本明細書に記載の改変のいずれかを含む配列番号:1を含むことができる。前記改変では、9、10、12、13、14、16、17、20又は37−43 位のいずれか(例えば10、14及び40位の1つ以上)のアミノ酸の少なくとも1つがアシル化アミノ酸であり、さらに16、17、21、24又は29位のアミノ酸、C-末端伸長部内の位置のアミノ酸、又はC-末端アミノ酸の少なくとも1つがCys、Lys、Orn、ホモ-Cys又はAc-Pheであり、前記の側鎖が親水性成分(例えばPEG)と共有結合する。いくつかの実施態様では、GIPアゴニストペプチドの9、10、12、13、14、16、17、20又は37−43 位のいずれか(例えば10、14及び40位の1つ以上)のアミノ酸はアシル基と結合し(場合によってスペーサーを介して)、さらに当該アミノ酸は親水性成分とさらに結合するか、又はCys、Lys、Orn、ホモ-Cys又はAc-Pheとさらに結合し、前記は親水性成分と結合する。
また別に、アシル化グルカゴンアナローグはスペーサーを含むことができ、スペーサーはアシル化されかつ改変されて親水性成分を含む。適切なスペーサーの非限定例には、Cys、Lys、Orn、ホモ-Cys及びAc-Pheから成る群から選択される1つ以上のアミノ酸を含むスペーサーが含まれる。
いくつかの特徴では、いくつかの実施態様のGIPアゴニストペプチドは、親水性成分が結合する同じアミノ酸の位置でアシル化されるか、又は異なるアミノ酸の位置でアシル化される。非限定的な例は、9、10、12、13、14、16、17、20又40位(例えば10、14及び40位の1つ以上)でのアシル化及びグルカゴンアナローグのC-末端部分の1つ以上の位置(例えば24、28又は29位)、C-末端伸長部内(例えば37−43)又はC-末端(例えばC-末端Cysの添加による)でのPEG化を含む。
いくつかの具体的な実施態様では、アシル化アミノ酸を含むGIPアゴニストペプチドは、分子内架橋(例えば分子内共有結合架橋、例えばラクタム架橋)を欠く。
本来のものではないアルキル基を含むアミノ酸
いくつかの又はいずれかの実施態様にしたがえば、グルカゴン(配列番号:1)のアナローグであるGIPアゴニストペプチドは、本来のものではないアルキル基を含むアミノ酸を含む(前記アミノ酸は、それがどのように調製されたかにかかわらず(例えば先にアルキル化したアミノ酸の取り込み又は合成後のペプチドのアルキル化による)、本明細書では“アルキル化アミノ酸”と称される)。いくつか又はいずれかの特徴では、アルキル化アミノ酸は、9、10、12、13、14、16、17、20、37、38、39、40、41、41又は43 位のいずれか(例えば10、14及び40位の1つ以上に)に位置する。例示的特徴では、アルキル化アミノ酸は、9、10、12、16、20若しくは40位のいずれかに、又は10、13、14、16、17若しくは40位のいずれかに位置する。例示的特徴では、アルキル化アミノ酸は、10、12、16若しくは40位のいずれかに、又は10、12若しくは16位のいずれかに位置する。例示的特徴では、アルキル化アミノ酸は10、14及び40位のいずれか1つ以上に位置する。
いくつかの実施態様のアルキル化アミノ酸は、(i)循環中の半減期の延長、(ii)作用の開始の遅延、(iii)作用の持続時間の延長、(iv)プロテアーゼ(例えばDPP-IV)に対する耐性の改善、及び(v)GIPレセプター、GLP-1レセプター及びグルカゴンレセプターのいずれか1つ以上におけるポテンシーの増加の上記(i)−(v)の1つ以上をGIPアゴニストペプチドに獲得させる。
直接的アルキル化
いくつかの実施態様では、アルキル基はGIPアゴニストペプチドのアミノ酸に直接的に結合される。ある実施態様にしたがえば、GIPアゴニストペプチドは、エーテル、チオエーテル又はアミン結合を介してペプチドに結合するアルキル基を含む。
具体的な特徴では、GIPアゴニストペプチドは、当該アゴニストペプチドのアミノ酸の側鎖のアミン、ヒドロキシル又はチオールの直接アルキル化によるアルキル基を含む。いくつかの又はいずれかの実施態様では、アルキル基は、アミン、ヒドロキシル又はチオールと活性化アルキル基との反応によってGIPアゴニストペプチドのアミノ酸に結合する。いくつかの特徴のアルキル基は、脱離基(例えばハロゲン、スルホネートエステル、ピリジルチオール、アンモニウム塩又はフェノキシル)により活性化される。
いくつかの又はいずれかの実施態様では、アルキル化アミノ酸は、9、10、12、13、14、16、17、20又は40位の1つ(例えば10、14及び40位のいずれか1つ)又は10、12又は16位の1つに位置する。これに関しては、GIPアゴニストペプチドは、配列番号:1のアミノ酸配列又はその改変アミノ酸配列(本明細書に記載のアミノ酸改変の1つ以上を含む)を含み、ここで9、10、12、13、14、16、17、20及び40位(例えば10、14及び40位のいずれか1つ)のアミノ酸の少なくとも1つは、アミン、ヒドロキシル又はチオール側鎖を含むアミノ酸である。
いくつかの実施態様では、アミン側鎖を含むアミノ酸は式Iのアミノ酸である。いくつかの実施態様では、式Iのアミノ酸は、nが4(Lys)又はnが3(Orn)のアミノ酸である。いくつかの実施態様では、アミン側鎖を含むアミノ酸はアミン側鎖を含む芳香族アミノ酸である。例示的特徴では、アミン側鎖を含む芳香族アミノ酸は、4-アミノ-フェニルアラニン(4-アミノPhe)、p-アミノフェニルグリシン、p-アミノホモフェニルアラニン、又は3-アミノチロシンである。例示的特徴では、アミン側鎖を含む芳香族アミノ酸は4-アミノ-Pheである。
他の実施態様では、ヒドロキシル側鎖を含むアミノ酸は式IIのアミノ酸である。いくつかの例示的実施態様では、式IIのアミノ酸は、nが1(Ser)のアミノ酸である。例示的特徴では、式IIのアミノ酸は、nが2(ホモセリン)のアミノ酸である。同様な例示的実施態様では、ヒドロキシル側鎖を含むアミノ酸はThr又はホモスレオニンである。同様な例示的実施態様では、ヒドロキシル側鎖を含むアミノ酸は、ヒドロキシル側鎖を含む芳香族アミノ酸である。例示的特徴では、ヒドロキシル側鎖を含むアミノ酸は、チロシン、ホモチロシン、メチル-チロシン又は3-アミノチロシンである。
さらに他の実施態様では、チオール側鎖を含むアミノ酸は、式IIIのアミノ酸である。いくつかの例示的な実施態様では、式IIIのアミノ酸はnが1(Cys)のアミノ酸である。いくつかの又はいずれかの実施態様では、式IIIのアミノ酸は、アルキル基(例えば非官能化又は官能化炭素鎖)と共有結合する。例示的な特徴では、アミノ酸はS-パルミチル-アルキル化(すなわちS-パルミテート-アルキル化)され、前記アミノ酸では、Cys残基の硫黄原子はパルミテートのβ炭素と共有結合する。他の実施態様では、式IIIのアミノ酸は、Cys残基の硫黄原子を介してCnアセテートのβ炭素と共有結合する(この場合nは4から30の整数である)。S-パルミチルアルキレートとするための種々の方法の例は図6及び7に示される。
さらに他の実施態様では、アミン、ヒドロキシル又はチオール側鎖を含むアミノ酸は、式I、式II又は式IIIのアミノ酸のアルファ炭素と結合する水素が第二の側鎖で置換されるという点を除いて、式I、式II又は式IIIの同じ構造を含む二置換アミノ酸である。
アルキル化スペーサー
また別の実施態様では、本来のものではないアルキル基は、スペーサーを介してGIPアゴニストペプチドのアミノ酸に結合され、ここで前記スペーサーはGIPアゴニストペプチドと本来のものではないアルキル基との間に位置する。いくつかの実施態様では、GIPアゴニストペプチドはスペーサーと共有結合し、前記スペーサーは本来のものではないアルキル基と共有結合する。
例示的な実施態様では、グルカゴンアナローグは改変されてスペーサーのアミン、ヒドロキシル又はチオールのアルキル化により本来のものではないアルキル基を含み、当該スペーサーは、9、10、12、13、14、16、17、20又は37−43位の1つ(例えば10、14及び40位のいずれか1つ)のアミノ酸の側鎖と結合する。例示的な実施態様では、アルキル基は、スペーサーのアミン、ヒドロキシル又はチオールと脱離基(例えばハロゲン、スルホネートエステル、ピリジルチオール、アンモニウム塩、フェノキシル)を有するアルキル基との反応によりスペーサーと結合する。スペーサーが結合するアミノ酸は、スペーサーとの結合を許容する成分を含む任意のアミノ酸であり得る。例えば、側鎖NH2、-OH又は-COOH(例えばLys、Orn、Ser、Asp又はGlu)を含むアミノ酸が適切である。これに関しては、アルキル化グルカゴンアナローグは配列番号:1の改変アミノ酸配列を含み、前記改変配列は本明細書に記載のアミノ酸改変の1つ以上を含み、9、10、12、13、14、16、17、20又は37−43位(例えば10、14及び40位のいずれか1つ)のアミノ酸の少なくとも1つが、アミン、ヒドロキシル又はカルボキシレート側鎖を含む任意のアミノ酸に改変されてある。
いくつかの実施態様では、スペーサーは、アミン、ヒドロキシル若しくはチオール側鎖を含むアミノ酸、又はアミン、ヒドロキシル若しくはチオール側鎖を含むアミノ酸を含むジペプチド又はトリペプチドである。スペーサーが結合するアミノ酸は、スペーサーとの結合を許容する成分を含む任意のアミノ酸(例えば一又は二アルファ置換アミノ酸)であり得る。例えば、側鎖NH2、-OH又は-COOH(例えばLys、Orn、Ser、Asp又はGlu)を含むアミノ酸が適切である。これに関しては、いくつかの特徴のGIPアゴニストペプチドは配列番号:1のアミノ酸配列又はその改変アミノ酸配列を含み、前記改変アミノ酸配列は本明細書に記載のアミノ酸改変の1つ以上を含み、9、10、12、13、14、16、17、20及び37−43位(例えば10、14及び40位のいずれか1つ)のアミノ酸の少なくとも1つが、アミン、ヒドロキシル又はカルボキシレート側鎖を含むアミノ酸である。
いくつかの実施態様では、スペーサーは、アミン、ヒドロキシル若しくはチオール側鎖を含むアミノ酸、又はアミン、ヒドロキシル若しくはチオール側鎖を含むアミノ酸を含むジペプチド又はトリペプチドである。
アルキル基がスペーサーのアミン基を介して結合されるとき、いくつかの特徴では前記アルキル基は、スペーサーのアミノ酸のアルファアミンを介して又はアミン側鎖を介して結合される。アルキル基がアルファアミンを介して結合される事例では、スペーサーのアミノ酸は任意のアミノ酸であり得る。例えばスペーサーのアミノ酸は、疎水性アミノ酸、例えばGly、Ala、Val、Leu、Ile、Trp、Met、Phe、Tyr、6-アミノヘキサン酸、5-アミノ吉草酸、7-アミノヘプタン酸及び8-アミノオクタン酸である。また別にいくつかの特徴では、スペーサーのアミノ酸は酸性残基、例えばAsp、Glu、ホモグルタミン酸、ホモシステイン酸、システイン酸、ガンマ-グルタミン酸である。
アルキル基がアミノ酸スペーサーのアミン側鎖を介して結合する事例では、スペーサーは、アミン側鎖を含むアミノ酸、例えば式Iのアミノ酸(例えばLys又はOrn)である。この事例では、スペーサーのアミノ酸のアルファアミン及びアミン側鎖の両方がアルキル基と結合することが可能で、したがってGIPアゴニストペプチドは二アルキル化される。本発明の実施態様はそのような二アルキル化分子を含む。いくつかの実施態様では、アルキル基は、4-アミノ-Phe、p-アミノフェニルグリシン、p-アミノホモフェニルアラニン又は3-アミノチロシンと結合する。
アルキル基がスペーサーのヒドロキシル基を介して結合するとき、当該アミノ酸又はジペプチド若しくはトリペプチドの当該アミノ酸の1つは式IIのアミノ酸であり得る。具体的な例示的実施態様ではアミノ酸はSerである。同様な例示的実施態様では、アルキル基はThr又はホモスレオニンと結合する。同様な例示的実施態様では、アルキル基は、ヒドロキシル側鎖を含む芳香族アミノ酸(例えばチロシン、ホモチロシン、メチルチロシン又は3-アミノチロシン)のヒドロキシルを介して結合する。
アルキル基がスペーサーのチオール基を介して結合するとき、当該アミノ酸又はジペプチド若しくはトリペプチドの当該アミノ酸の1つは式IIIのアミノ酸であり得る。具体的な例示的実施態様ではアミノ酸はCysである。アルキル基がスペーサーのチオール基を介して結合するとき、当該アミノ酸又はジペプチド若しくはトリペプチドの当該アミノ酸の1つは式IIIのアミノ酸であり得る。具体的な例示的実施態様ではアミノ酸はCysである。例示的な実施態様では、スペーサーはCys残基であり、前記残基は、アルキル基、例えば非官能化又は官能化炭素鎖と共有結合する。例示的な特徴では、Cys残基は場合によってS-パルミチル-アルキル化(すなわちS-パルミテート-アルキル化)され、ここでは、Cys残基は、ペプチド骨格の部分であるLys残基と結合する。また別の実施態様では、スペーサーはCys残基を含むジペプチドであり、前記残基はアルキル基と共有結合する。例示的特徴では、CysはS-パルミチルアルキル化され、さらにCysはスペーサーの別のアミノ酸と結合し、前記は続いて例えばLys残基(ペプチド骨格の部分である)と結合する。S-パルミチルアルキル化のさらに別の具体化は、本明細書の実施例20で提供される。
他の実施態様では、スペーサーは二官能性スペーサーで、前記スペーサーは、(i)アルキル基と反応する、アミン、ヒドロキシル又はチオールを含む脱離基を含む第一の末端、及び(ii)グルカゴンアナローグのアミノ酸の側鎖と反応する官能基を含む第二の末端を含む。例示的特徴では、グルカゴンアナローグのアミノ酸は、式Iのアミノ酸(例えばLys)又は式IIのアミノ酸(例えばSer)であり、前記アミノ酸はカルボン酸又はカルボン酸誘導体で官能化される。また別の例示的特徴では、グルカゴンアナローグのアミノ酸は式IIIのアミノ酸であり、前記アミノ酸はハロアセトアミド、マレイミド又はジスルフィドで官能化される。いくつかの実施態様では、グルカゴンアナローグのアミノ酸はカルボキシレート側鎖を含むアミノ酸(例えばGlu、Asp)で、アミン、ヒドロキシル又はチオールで官能化される。
いくつかの又はいずれかの実施態様では、スペーサーは親水性二官能性スペーサーである。例示的実施態様では、親水性二官能性スペーサーは、2つ以上の反応基、例えばアミン、ヒドロキシル、チオール、及びカルボキシル基又は前記の任意の組合せを含む。例示的実施態様では、親水性二官能性スペーサーはヒドロキシル基及びカルボキシレートを含む。他の実施態様では、親水性二官能性スペーサーはアミン基及びカルボキシレートを含む。他の実施態様では、親水性二官能性スペーサーはチオール基及びカルボキシレートを含む。具体的な実施態様では、スペーサーはアミノポリ(アルキルオキシ)カルボキシレートを含む。これに関しては、スペーサーは例えばNH2(CH2CH2O)n(CH2)mCOOHを含むことができ、式中、mは1から6の任意の整数で、nは2から12の任意の整数であり、例えば8-アミノ-3,6-ジオキサオクタン酸である(前記はペプチドインターナショナル社(Peptides International, Inc., Louisville, KY)から市場で入手できる)。
例示的実施態様では、スペーサーは、構造[-O-CH2-CH2-]nを含む小さなポリエチレングリコール成分(PEG)を含み、式中nは2から16(例えば2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16)である。そのような小さなPEGは本明細書では“ミニPEG”と称される。例示的特徴では、ミニPEGは1つ以上の官能基を含む官能化ミニPEGである。適切な官能基には、アミン、ヒドロキシル、チオール及びカルボキシル基又は前記の任意の組合せが含まれるが、ただしこれらに限定されない。例示的特徴では、ミニPEGは、構造{[-O-CH2-CH2-]n-COO-}を含むミニPEG酸であり、式中nは上記に定義したとおりである。例示的特徴では、ミニPEGは、構造{-N- CH2- CH2-[-O-CH2-CH2-]n}を含むアミドミニPEGであり、式中nは上記で定義したとおりである。例示的特徴では、ミニPEGは、構造{-N-CH2-CH2-[-O-CH2-CH2-]n-COO-}を含むアミドミニPEGであり、式中nは上記で定義したとおりである。アミノ酸をミニPEGでアルキル化するときに使用される適切な試薬は、販売業者(例えばペプチドインターナショナル社(Louisville, KY))から市場で入手できる。
いくつかの実施態様では、スペーサーは疎水性二官能性スペーサーである。疎水性二官能性スペーサーは当業界で公知である。例えば以下を参照されたい:Bioconjugate Techniques, G. T. Hermanson, Academic Press, San Diego, CA, 1996(前記文献は参照によりその全体が本明細書に含まれる)。例示的実施態様では、疎水性二官能性スペーサーは2つ以上の反応基、例えばアミン、ヒドロキシル、チオール及びカルボキシル基又は前記の任意の組合せを含む。例示的実施態様では、疎水性二官能性スペーサーはヒドロキシル基及びカルボキシレートを含む。他の実施態様では、疎水性二官能性スペーサーはアミン基及びカルボキシレートを含む。他の実施態様では、疎水性二官能性スペーサーはチオール基及びカルボキシレートを含む。カルボキシレート及びヒドロキシル基又はチオール基を含む適切な疎水性二官能性スペーサーは当業界では公知で、例えば8-ヒドロキシオクタン酸及び8-メルカプトオクタン酸が含まれる。
いくつかの実施態様では、二官能性スペーサーは、1−7炭素原子の非分枝メチレンをカルボキシレート基の間に含むジカルボン酸ではない。いくつかの実施態様では、二官能性スペーサーは、1−7炭素原子の非分枝メチレンをカルボキシレート基の間に含むジカルボン酸である。
具体的な実施態様のスペーサー(例えばアミノ酸、ジペプチド、トリペプチド、親水性二官能性スペーサー又は疎水性二官能性スペーサー)は、長さが3から10原子(例えば6から10原子、例えば6、7、8、9又は10原子)である。より具体的な実施態様では、スペーサーは長さが約3から10原子(例えば6から10原子)であり、本来のものではないアルキル基はC12からC18アルキル、例えばC14アルキル、C16アルキルであり、したがってスペーサーとアルキル基の全長は14から28原子(例えば約14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27又は28原子)である。
前述の実施態様のいくつか又はいずれかにしたがえば、二官能性スペーサーは、長さが3から10原子のアミノ酸骨格を含む、合成アミノ酸又は天然に存在するアミノ酸(本明細書に記載の任意のアミノ酸が含まれるが、ただしこれらに限定されない)であり得る(例えば6-アミノヘキサン酸、5-アミノ吉草酸、7-アミノヘプタン酸及び8-アミノオクタン酸)。また別には、スペーサーは、長さが3から10原子(例えば6から10原子)のペプチド骨格を有するジペプチド又はトリペプチドスペーサーであり得る。ジペプチド又はトリペプチドスペーサーの各アミノ酸は、当該ジペプチド又はトリペプチドの他のアミノ酸と同じでも異なっていてもよく、さらにそれぞれ別個に天然に存在するか又はコードされるアミノ酸及び/又はコードされないか又は天然に存在しないアミノ酸から成る群から選択でき、前記には以下が含まれる:例えば、天然に存在するアミノ酸(Ala、Cys、Asp、Glu、Phe、Gly、His、Ile、Lys、Leu、Met、Asn、Pro、Arg、Ser、Thr、Val、Trp、Tyr)のD又はL異性体のいずれか、又は以下から成る群から選択される天然に存在しないか又はコードされないアミノ酸のD又はL異性体のいずれか:β-アラニン(β-Ala)、N-α-メチル-アラニン(Me-Ala)、アミノ酪酸(Abu)、γ-アミノ酪酸(γ-Abu)、アミノヘキサン酸、(ε-Ahx)、アミノ酪酸(Aib)、アミノメチールピロールカルボン酸、アミノピペリジンカルボン酸、アミノセリン(Ams)、アミノテトラヒドロピラン-4-カルボン酸、アルギニンN-メトキシ-N-メチルアミド、β-アスパラギン酸(β-Asp)、アゼチジンカルボン酸、3-(2-ベンゾチアゾリル)アラニン、α-tert-ブチルグリシン、2-アミノ-5-ウレイド-n-吉草酸(シトルリン、Cit)、β-シクロヘキシルアラニン(Cha)、アセトアミドメチル-システイン、ジアミノブタン酸(Dab)、ジアミノプロピオン酸(Dpr)、ジヒドロキシフェニルアラニン(DOPA)、ジメチルチアゾリジン(DMTA)、γグルタミン酸(γ-Glu)、ホモセリン(Hse)、ヒドロキシプロリン(Hyp)、イソロイシンN-メトキシ-N-メチルアミド、メチル-イソロイシン(MeIle)、イソニペコチン酸(Isn)、メチルロイシン(MeLeu)、メチルリジン、ジメチルリジン、トリメチルリジン、メタノプロリン、メチオニンスルホキシド(Met(O))、メチオニンスルホン(Met(O2))、ノルロイシン(Nle)、メチルノルロイシン(Me-Nle)、ノルバリン(Nva)、オルニチン(Orn)、パラアミノ安息香酸(PABA)、ペニシラミン(Pen)、メチルフェニルアラニン(MePhe)、4-クロロフェニルアラニン(Phe(4-Cl))、4-フルオロフェニルアラニン(Phe(4-F))、4-ニトロフェニルアラニン(Phe(4-NO2))、4-シアノフェニルアラニン(Phe(4-CN))、フェニルグリシン(Phg),ピペリジニルアラニン、ピペリジニルグリシン、3,4-デヒドロプロリン、ピロリジニルアラニン、サルコシン(Sar)、セレノシステイン(Sec)、O-ベンジル-ホスホセリン、4-アミノ-3-ヒドロキシ-6-メチルヘプタン酸(Sta)、4-アミノ-5-シクロヘキシル-3-ヒドロキシペンタン酸(ACHPA)、4-アミノ-3-ヒドロキシ-5-フェニルペンタン酸(AHPPA)、1,2,3,4-テトラヒドロ-イソキノリン-3-カルボン酸(Tic)、テトラヒドロピラングリシン、チエニルアラニン(Thi)、O-ベンジル-ホスホチロシン、O-ホスホチロシン、メトキシチロシン、エトキシチロシン、O-(ビス-ジメチルアミノ-ホスホノ)-チロシン、チロシンスルフェートテトラブチルアミン、メチルバリン(MeVal)及びアルキル化3-メルカプトプロピオン酸。例示的特徴では、スペーサーはCys残基又である。
いくつかの実施態様では、スペーサーは全体として陰性荷電を含み、例えば1つ以上の陰性荷電アミノ酸を含む。いくつかの実施態様では、ジペプチドは一般構造A-Bのジペプチドのいずれでもない(ここでAはGly、Gln、Ala、Arg、Asp、Asn、Ile、Leu、Val、Phe及びProから成る群から選択され、BはLys、His、Trpから成る群から選択される)。いくつかの実施態様では、ジペプチドスペーサーのアミノ酸はAla、β-Ala、Leu、Pro、γ-アミノ酪酸、Glu及びγ-Gluから成る群から選択される。
いくつかの例示的な実施態様では、GIPアゴニストペプチドは、スペーサーのアミン、ヒドロキシル又はチオールのアルキル化によりアルキル基を含み、前記スペーサーは、9、10、12、13、14、16、17、20又は37−43位(例えば10、14及び40位の任意の1つ以上)のアミノ酸又はGIPアゴニストペプチドのC-末端アミノ酸の側鎖と結合する。
さらにより具体的な実施態様では、アルキル基は、ペプチドアナローグの9、10、12、13、14、16、17、20又は37−43位(例えば10、14及び40位の任意の1つ以上)のいずれかのアミノ酸と結合し、スペーサーとアルキル基との長さは14から28原子である。9、10、12、13、14、16、17、20又は37−43位(例えば10、14及び40位の任意の1つ以上)のいずれかのアミノ酸は、いくつかの特徴では、式Iのアミノ酸(例えばLys)又は式Iに関連する二置換アミノ酸である。より具体的な実施態様では、ペプチドアナローグは、分子内架橋(例えば分子内共有結合架橋)を欠く。例えば、グルカゴンアナローグは、1つ以上のアルファアルファ二置換アミノ酸(例えばAIB)を、アナローグのアルファヘリックスを安定化させるために含むグルカゴンアナローグであり得る。
アルキル基
アルキル化アミノ酸の本来のものではないアルキル基は、任意のサイズ、例えば任意の長さの炭素鎖であることができ、さらに線状又は分枝であり得る。いくつかの具体的な実施態様では、アルキル基はC4からC30アルキルである。例えばアルキル基は、C4アルキル、C6アルキル、C8アルキル、C10アルキル、C12アルキル、C14アルキル、C16アルキル、C18アルキル、C20アルキル、C22アルキル、C24アルキル、C26アルキル、C28アルキル又はC30アルキルのいずれかであり得る。いくつかの実施態様では、アルキル基はC8からC20アルキル、例えばC14アルキル又はC16アルキルである。
例示的な実施態様では、アルキル化アミノ酸の本来のものではないアルキル基は、任意の長さの官能化された線状又は分枝炭素鎖である。いくつかの具体的な実施態様では、炭素鎖はC4からC30アルキルである。例えばアルキル基は、C4アルキル、C6アルキル、C8アルキル、C10アルキル、C12アルキル、C14アルキル、C16アルキル、C18アルキル、C20アルキル、C22アルキル、C24アルキル、C26アルキル、C28アルキル又はC30アルキルのいずれかであり得る。いくつかの実施態様では、アルキル基はC8からC20アルキル、例えばC14アルキル又はC16アルキルである。例示的な特徴では、官能化炭素鎖は、官能基(カルボキシ、スルフヒドリル、アミン、ケチル、スルホキシル又はアミンを含むが、ただしこれらに限定されない)を含む。
例示的実施態様では、本来のものではないアルキル基は、構造-Cx-COOHの官能化炭素鎖である。式中、xは整数、場合によって4−30の整数(例えば4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30)であり、カルボキシ炭素はアルファ炭素であり、Cxの炭素の各々はベータ、ガンマ、デルタ、エプシロンなどと称され、ベータ炭素はアルファ炭素に結合する。例えば、xが4のとき、本来のものではないアルキル基は以下のように表されるであろう:Cε-Cδ-C-Cβ-CαOOH。例示的な実施態様では、カルボキシ官能化炭素鎖は、カルボキシ炭素以外の炭素(すなわちCxの炭素の1つ)を介して結合する。例示的な特徴では、カルボキシ官能化炭素鎖は、アルキル化アミノ酸の側鎖とカルボキシ官能化炭素鎖のベータ、ガンマ、デルタ又はエプシロン炭素を介して結合する。また別の実施態様では、カルボキシ官能化炭素鎖は、アルキル化アミノ酸と結合したスペーサーの側鎖と、カルボキシ官能化炭素鎖のベータ、ガンマ、デルタ又はエプシロン炭素を介して結合する。例示的な特徴では、カルボキシ官能化炭素鎖は、アルキル化アミノ酸の側鎖とカルボキシ官能化炭素鎖のベータ炭素を介して結合する。また別の実施態様では、カルボキシ官能化炭素鎖は、アルキル化アミノ酸と結合したスペーサーの側鎖と、カルボキシ官能化炭素鎖のベータ炭素を介して結合する。
アルキル基を結合させる方法
アルキル基をアミノ酸に結合させる方法は当業界では公知である。例えば、脱離基で活性化されたアルキル基は、求核側鎖(例えばアミン、ヒドロキシル又はチオールを含む側鎖)を含むアミノ酸と反応させることができる。例示的特徴の脱離基は、ハロゲン、スルホネートエステル、ピリジルチオール、アンモニウム塩又はフェノキシルである。
例示的な実施態様では、アルキル基と結合するアミノ酸はCys残基であり、硫黄原子がアルキル化、例えば“S-アルキル化”される。例示的な実施態様では、Cysの硫黄は、構造-Cx-COOHのカルボキシ官能化炭素鎖を含むアルキル基の脱離基と反応する。前記式中、xは整数、場合によって4−30の整数(例えば4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30)であり、カルボキシ炭素はアルファ炭素であり、Cxの炭素の各々はベータ、ガンマ、デルタ、エプシロンなどと称され、ベータ炭素はアルファ炭素と結合する。例えば、xが4のとき、本来のものではないアルキル基は以下のように表されるであろう:Cε-Cδ-C-Cβ-CαOOH。例示的な実施態様では、カルボキシ官能化炭素鎖は、カルボキシ炭素以外の炭素(すなわちCxの炭素の1つ)を介して結合する。例示的な特徴では、カルボキシ官能化炭素鎖は、アルキル化アミノ酸の側鎖とカルボキシ官能化炭素鎖のベータ、ガンマ、デルタ又はエプシロン炭素を介して結合する。また別の実施態様では、カルボキシ官能化炭素鎖は、アルキル化アミノ酸と結合したスペーサーの側鎖と、カルボキシ官能化炭素鎖のベータ、ガンマ、デルタ又はエプシロン炭素を介して結合する。例示的な特徴では、カルボキシ官能化炭素鎖は、アルキル化アミノ酸の側鎖とカルボキシ官能化炭素鎖のベータ炭素を介して結合する。また別の実施態様では、カルボキシ官能化炭素鎖は、アルキル化アミノ酸と結合したスペーサーの側鎖と、カルボキシ官能化炭素鎖のベータ炭素を介して結合する。
例示的な特徴では、脱離基は、ハロゲン(例えばヨウ素、臭素、塩素、フッ素)、スルホネートエステル(例えばトシレート、トリフレート又はフルオロスルホネート)、ピリジルチオール、アンモニウム塩、ジアゾニウム塩、ナイトレート、ホスフェート又はフェノキシルである。
具体的な特徴では、アルキル基は、ヨウ素脱離基及び合計16の炭素(カルボキシレートの炭素を含む)を含むカルボキシ官能化炭素鎖を含む。そのようなヨードカルボン酸によるアルキル化は“S-パルミチルアルキル化”と称することができ、前記は“S-パルミテートアルキル化”と同義語である。S-パルミチルアルキル化の更なる具体化は本明細書の実施例1及び20で提供される。
追加のアルキル基
いくつかの特徴のペプチドは、9、10、12、13、14、16、17、20又は37−43位(例えば10、14及び40位のいずれか1つ以上)以外の位置にアルキル化アミノ酸を含む。アルキル化アミノ酸の位置はGIPアゴニストペプチド内の任意の位置であり得るが、前記位置には、1−29位のいずれか、C-末端から29番目のアミノ酸(例えば30、31、32、33、34、35、36、44、45、46、47位など、C-末端伸長部内の位置又はC-末端のアミノ酸)の位置が含まれ、場合によって9、10、12、13、14、16、17、20又は37−43 位のいずれかに(例えば10、14及び40位のいずれか1つ以上に)第二のアルキル化アミノ酸を伴うが、ただし当該ペプチドアナローグのGIPアゴニスト活性が、強化されないとしても維持されることを条件とする。非限定的な例には、5、7、11、13、14、17、18、19、21、24、27、28又は29位が含まれる。
前述の記載と一致して、例示的な特徴でグルカゴンアナローグは2つ(又は3つ以上)のアルキル化アミノ酸を含む。例示的特徴では、アルキル化アミノ酸の全てが、9、10、12、13、14、16、17、20又は37−43 位の2つの位置に(例えば10、14及び40位のいずれか1つ以上に)位置する。例示的特徴では、ペプチドは、10位に第一のアルキル化アミノ酸及び40位に第二のアルキル化アミノ酸を含む。
さらに別の例示的実施態様では、グルカゴンアナローグは、ペプチド骨格の1つのアミノ酸に結合する追加のアルキル基を含む。この2つ(又は3つ以上)のアルキル基は同じアルキル基でも異なるアルキル基でもよく、分枝又は線状構造で配置される。例えば、分枝構造を達成するために、当該グルカゴンアナローグは、少なくとも3つの官能基(その少なくとも2つは各々アルキル基と共有結合し、その1つはペプチド骨格のアルキル化アミノ酸と結合する)を含むスペーサーと結合する1つのアルキル化アミノ酸(ペプチド骨格の部分である)を含むことができる。例示的特徴では、分枝構造は、例えば、脂肪アルキル基との直接結合又はスペーサーを介する脂肪アルキル基との間接結合のために2つのアミン基(側鎖アミン及びアルファアミン)を含むLys残基を介して達成できる。例示的特徴では、追加のスペーサーは、ペプチド骨格のアミノ酸と少なくとも3つの官能基を含むスペーサーとの間に配置できる。例えば、ペプチド骨格のアミノ酸は第一のスペーサーと(例えばその側鎖を介して)結合させることができ、前記は続いて第二のスペーサーに結合する。ここで、前記第二のスペーサーは少なくとも3つの官能基(その少なくとも2つは各々アルキル基と共有結合し、その1つは第一のスペーサーと結合する)を含む。
例示的特徴では(この特徴ではアルキル基は線状構造で配置される)、グルカゴンアナローグは第一のアルキル基と直接結合する1つのアルキル化アミノ酸(ペプチド骨格の部分である)を含み、前記は続いてスペーサーと結合し、前記は続いて第二のアルキル基と結合する。
二重アルキル化化合物の例示的構造は、図5Aに示す二重アシル化化合物から誘導される。
親水性成分及びアルキル基
アルキル化アミノ酸を含むGIPアゴニストペプチドは場合によってさらに親水性成分を含む。いくつかの又はいずれかの実施態様では、前記親水性成分は、ポリエチレングリコール(PEG)鎖を含む。親水性成分の取り込みは、任意の適切な手段、例えば本明細書に記載の方法のいずれかにより達成される。これに関しては、GIPアゴニストペプチドは、本明細書に記載の改変のいずれかを含む配列番号:1を含むことができる。前記改変では、9、10、12、13、14、16、17、20又は37−43 位のいずれか(例えば10、14及び40位のいずれか1つ以上)のアミノ酸の少なくとも1つがアルキル化アミノ酸を含み、さらに16、17、21、24又は29位のアミノ酸、C-末端伸長部内の位置のアミノ酸、又はC-末端アミノ酸の少なくとも1つがCys、Lys、Orn、ホモ-Cys又はAc-Pheであり、前記の側鎖が親水性成分(例えばPEG)と共有結合する。いくつかの実施態様では、GIPアゴニストペプチドの9、10、12、13、14、16、17、20又は37−43 位のいずれか(例えば10、14及び40位のいずれか1つ以上)のアミノ酸はアルキル基と結合し(場合によってスペーサーを介して)、さらに当該アミノ酸は親水性成分とさらに結合するか、又はCys、Lys、Orn、ホモ-Cys又はAc-Pheとさらに結合し、前記は親水性成分と結合する。
また別に、アルキル化グルカゴンアナローグはスペーサーを含むことができ、スペーサーはアルキル化されかつ改変されて親水性成分を含む。適切なスペーサーの非限定例には、Cys、Lys、Orn、ホモ-Cys及びAc-Pheから成る群から選択される1つ以上のアミノ酸を含むスペーサーが含まれる。
いくつかの特徴では、いくつかの実施態様のGIPアゴニストペプチドは、親水性成分が結合する同じアミノ酸の位置でアルキル化されるか、又は異なるアミノ酸の位置でアルキル化される。非限定的な例は、9、10、12、13、14、16、17、20又40位(例えば10、14及び40位のいずれか1つ以上)でのアルキル化及びグルカゴンアナローグのC-末端部分の1つ以上の位置(例えば24、28又は29位)、C-末端伸長部内(例えば37−43)又はC-末端(例えばC-末端Cysの添加による)でのPEG化を含む。
アルキル基が追加される実施態様
具体的な実施態様では、アルキル化アミノ酸を含むGIPアゴニストペプチドは、分子内架橋(例えば分子内共有結合架橋、例えばラクタム架橋)を欠く。
アルファヘリックスの安定化及びアルファヘリックス安定化アミノ酸
特定の理論に拘束されないが、グルカゴンアナローグのGIPアゴニストペプチドは、ヘリックス構造、例えばアルファヘリックスを含む。いくつかの又はいずれかの実施態様では、GIPアゴニストペプチドは、アルファヘリックス構造を安定化させるアミノ酸を含む。したがって、いくつかの特徴では、GIPアゴニストペプチドは、1つ以上のアルファヘリックス安定化アミノ酸を含む。本明細書で用いられるように、“アルファヘリックス推進アミノ酸”という用語は、“アルファヘリックス安定化アミノ酸”という用語と互換的に用いられ、GIPアゴニストペプチドのアルファヘリックス(前記はアゴニストペプチドの一部分である)に安定性の増進を提供するアミノ酸を指す。アルファヘリックス推進アミノ酸は当業界で公知である。例えば以下を参照されたい:Lyu et al., Proc Natl Acad Sci U.S.A. 88: 5317-5320, 1991;Branden & Tooze, Introduction to Protein Structure, Garland Publishing, New York, NY, 1991;Fasman, Prediction of Protein Structure and the Principles of Protein Conformation, ed. Fasman, Plenum, NY, 1989。本明細書の目的に適切なアルファヘリックス推進アミノ酸には、アラニン、ノルバリン、ノルロイシン、アルファアミノ酪酸、アルファアミノイソ酪酸(AIB)、ロイシン、イソロイシン、バリンなどが含まれるが、ただし前記に限定されない。いくつかの実施態様では、アルファヘリックス推進アミノ酸は、天然に存在するタンパク質で見出されるアルファヘリックスの部分である任意のアミノ酸で、Leu、Phe、Ala、Met、Gly、Ile、Ser、Asn、Glu、Asp、Lys、Argである。
例示的実施態様では、アルファヘリックス推進アミノ酸は、グリシン又はアラニンと比較してより強い安定性をアルファヘリックスに提供する。例示的実施態様では、アルファヘリックス推進アミノ酸はアルファアルファ二置換アミノ酸、例えばAIBである。
アルファヘリックス:アルファヘリックス推進アミノ酸の位置
本開示のいくつかの又はいずれかの実施態様では、GIPアゴニストペプチドは、本来のグルカゴン(配列番号:1)と同様なアミノ酸配列を含み、さらに少なくとも1つのアルファヘリックス推進アミノ酸を当該ペプチドアナローグの16−21位の1つ以上(例えば16、17、18、19、20、21位の1つ以上)に含む。いくつかの又はいずれかの実施態様では、ペプチドアナローグは、16、17、20及び21位の1つ、2つ、3つ又は全てにアルファヘリックス推進アミノ酸を含む。
アルファヘリックス:アルファアルファ二置換アミノ酸
いくつかの又はいずれかの実施態様では、アルファヘリックス推進アミノ酸はアルファアルファ二置換アミノ酸である。具体的な実施態様では、アルファアルファ二置換アミノ酸は、R1及びR2を含み、その各々はアルファ炭素に結合し、ここでR1及びR2の各々はそれぞれ別個に、C1−C4アルキル(場合によってヒドロキシル、アミド、チオール、ハロで置換される)から成る群から選択されるか、又はR1及びR2はそれらが結合するアルファ炭素と一緒になって環を形成する(例えばC3−C8環)。例示的な実施態様では、R1及びR2の各々は、メチル、エチル、プロピル及びn-ブチルから成る群から選択されるか、又はR1及びR2は一緒になってシクロオクタン又はシクロヘプタン(例えば1-アミノシクロオクタン-1-カルボン酸)を形成する。例示的な実施態様では、R1及びR2は同じものである。他の実施態様では、R1はR2と異なる。例示的な特徴では、R1及びR2の各々はC1−C4アルキルである。いくつかの特徴では、R1及びR2の各々はC1又はC2アルキルである。例示的な実施態様では、R1及びR2の各々はメチルであり、したがってアルファアルファ二置換アミノ酸はアルファ-アミノイソ酪酸(AIB)である。他の例示的実施態様では、アルファアルファ二置換アミノ酸はACPCである。
いくつかの特徴では、本明細書に記載するGIPアゴニストペプチドは1つ以上のアルファアルファ二置換アミノ酸を含み、GIPアゴニストペプチドは特に分子内共有結合架橋(例えばラクタム)を欠いている。なぜならば、アルファアルファ二置換アミノ酸は、共有結合架橋が存在しなくてもアルファヘリックスを安定化させることができるからである。いくつかの特徴では、GIPアゴニストペプチドは、C-末端(12−29位の辺り)に1つ以上のアルファアルファ二置換アミノ酸を含む。いくつかの又はいずれかの実施態様では、GIPアゴニストペプチドの16、17、18、19、20、21、24又は29位の1つ、2つ、3つ、4つ又は5つ以上、又はGIPアゴニストペプチドの16、17、18、19、20又は21位の1つ、2つ、3つ、4つ、5つ又は全てが、α,α-二置換アミノ酸(例えばアミノイソ酪酸(AIB))で置換される(α,α-二置換アミノ酸は、同じ基で又はメチル、エチル、プロピル、及びn-ブチルから選択される異なる基で二置換されているか、或いはシクロオクタン又はシクロヘプタン(例えば1-アミノシクロオクタン-1-カルボン酸)で二置換されたアミノ酸である)。例えば、AIBによる20位の置換は、分子内架橋、例えば分子内非共有結合架橋(例えば塩架橋)又は分子内共有結合架橋(例えばラクタム)が存在しなくてもGIP活性を強化する。いくつかの又はいずれかの実施態様では、16、20、21又は24位の1つ、2つ、3つ又は4つ以上がAIBで置換される。例示的な実施態様では、本来のヒトグルカゴン(配列番号:1)の2、16及び20位に対応するアミノ酸の1つ、2つ又は全てが、アルファアルファ二置換アミノ酸(例えばAIB)で置換される。例示的な特徴では、グルカゴンアナローグは、2及び16位に又は2及び20位にAIBを含む。他の例示的な特徴では、グルカゴンアナローグは2位にD-Ser及び16位又は20位にAIBを含む。
アルファヘリックス:分子内架橋
いくつかの例示的な実施態様では、アルファヘリックス推進アミノ酸は、分子内架橋を介してGIPアゴニストペプチドの別のアミノ酸と結合するアミノ酸である。そのような実施態様では、分子内架橋を介して結合するこれら2つのアミノ酸の各々はアルファヘリックス推進アミノ酸と考えられる。例示的な実施態様では、GIPアゴニストペプチドは1つ又は2つの分子内架橋を含む。例示的な実施態様では、GIPアゴニストペプチドは、少なくとも1つの他のアルファヘリックス推進アミノ酸(例えばアルファアルファ二置換アミノ酸)との協力下にある1つの分子内架橋を含む。
いくつかの実施態様では、分子内架橋は、GIPアゴニストペプチドの2つの部分を非共有結合(例えばファンデルワールス力、水素結合、イオン結合、疎水性相互作用、双極-双極相互作用などを含む)を介して結びつける架橋である。これに関しては、グルカゴンアナローグは分子内非共有結合架橋を含む。いくつかの実施態様では、分子内非共有結合架橋は塩架橋である。
いくつかの実施態様では、分子内架橋は、GIPアゴニストペプチドの2つの部分を共有結合により結び付ける架橋である。これに関しては、GIPアゴニストペプチドは分子内共有結合架橋を含む。
いくつかの実施態様では、分子内架橋(例えば分子内非共有結合架橋、分子内共有結合架橋)は、3アミノ酸離れた2つのアミノ酸の間で形成される(例えばi位のアミノ酸とi+4位のアミノ酸、ここでiは12から25の間の任意の整数(例えば12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、123、24及び25)である)。より具体的には、アミノ酸対、12と16,16と20、20と24又は24と28(i=12、16、20又は24のアミノ酸対)の側鎖が互いに結合し、したがってアルファヘリックスを安定させる。また別には、iは17であり得る。いくつかの具体的な実施態様では、GIPアゴニストペプチドは、アミノ酸17と21の間で分子内架橋を含む。いくつかの具体的な実施態様では、GIPアゴニストペプチドは、16位と20位又は12位と16位のアミノ酸の間での分子内架橋、及び17位と21位のアミノ酸の間での第二の分子内架橋を含む。1つ以上の分子内架橋を含むGIPアゴニストペプチドが本明細書では意図される。具体的な実施態様(i位とi+4位のアミノ酸が分子内架橋によって結合される)では、リンカーのサイズは約8原子又は約7−9原子である。
他の実施態様では、分子内架橋は、2アミノ酸離れた2つのアミノ酸の間で形成される(例えばj位のアミノ酸とj+3位のアミノ酸、ここでjは12から26の間の任意の整数(例えば12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、123、24、25及び26)である)。いくつかの具体的な実施態様では、jは17である。具体的な実施態様(j位とj+3位のアミノ酸が分子内架橋によって結合される)では、リンカーのサイズは約6原子又は約5−7原子である。
さらに他の実施態様では、分子内架橋は、6アミノ酸離れた2つのアミノ酸の間で形成される(例えばk位のアミノ酸とk+7位のアミノ酸、ここでkは12から22の間の任意の整数(例えば12、13、14、15、16、17、18、19、20、21及び22)である)。いくつかの具体的な実施態様では、kは12、13又は17である。例示的な実施態様では、kは17である。
アルファヘリックス:分子内架橋に関与するアミノ酸
結合(共有結合又は非共有結合)して6原子結合架橋を形成することができるアミノ酸対合の例にはOrnとAsp、Gluと式Iのアミノ酸(式中nは2)、及びホモグルタミン酸と式Iのアミノ酸(式中nは1)が含まれ、ここで式Iは下記である:
Figure 2014507402
[式I]
式中、nは1から4である。
結合して7原子結合架橋を形成できるアミノ酸対合の例には、Orn-Glu(ラクタム環);Lys-Asp(ラクタム);又はホモSer-ホモGlu(ラクトン)が含まれる。8原子リンカーを形成することができるアミノ酸対合の例には、Lys-Glu(ラクタム);ホモLys-Asp(ラクタム);Orn-ホモGlu(ラクタム);4-アミノPhe-Asp(ラクタム);又はTyr-Asp(ラクトン)が含まれる。9原子リンカーを形成することができるアミノ酸対合の例には、ホモLys-Glu(ラクタム);Lys-ホモGlu(ラクタム);4-アミノPhe-Glu(ラクタム);又はTyr-Glu(ラクトン)が含まれる。これらアミノ酸の側鎖のいずれも追加の化学基でさらに別に置換され得るが、ただしアルファヘリックスの三次元構造が破壊されない場合に限られる。当業者は、同様なサイズで所望の効果を有する安定化構造を作り出すまた別の対合或いはまた別のアミノ酸アナローグ(化学的に改変された誘導体を含む)を想定できよう。例えば、ホモシステイン-ホモシステインジスルフィド架橋は長さが6原子であり、所望の効果を提供するためにさらに改変することができる。
共有結合が存在しない場合でも、上記に記載したアミノ酸対合(又は当業者が想定できる同様な対合)はまた、非共有結合を介して(例えば塩架橋又は水素結合相互作用の形成を介して)、アルファヘリックスに更なる安定性を提供できる。したがって、以下の間で塩架橋を形成することができる:OrnとGlu;LysとAsp;ホモセリンとホモグルタメート;LysとGlu;AspとArg;ホモLysとAsp;Ornとホモグルタメート;4-アミノPheとAsp;TyrとAsp;ホモLysとGlu;LysとホモGlu;4-アミノPheとGlu;又はTyrとGlu。いくつかの実施態様では、アナローグは以下のアミノ酸対合のいずれかの間に塩架橋を含む:OrnとGlu;LysとAsp;LysとGlu;AspとArg;ホモLysとAsp;Ornとホモグルタメート;ホモLysとGlu;及びLysとホモGlu。塩架橋は、反対に荷電した側鎖の他方の対との間で形成され得る。例えば以下を参照されたい:Kallenbach et al., Role of the Peptide Bond in Protein Structure and Folding, in The Amide Linkage: Structural Significance in Chemistry, Biochemistry, and Materials Science, John Wiley & Sons, Inc., 2000。
いくつかの実施態様では、分子内非共有結合架橋は疎水性架橋である。ある実施態様にしたがえば、アナローグのアルファヘリックスは、j位とj+3位又はi位とi+4位に疎水性アミノ酸を取り込むことによって安定化される。例えば、iはTyrでi+4はVal又はLeuのどちらか;iはPheでi+4はMet;又はiはPheでi+4はIleであり得る。本明細書の目的のためには、上記のアミノ酸対合は逆にでき、したがってi位に示したアミノ酸はまた別にi+4に位置することができ、一方i+4のアミノ酸はi位に位置することができることは理解されよう。さらに、適切なアミノ酸対合をjとj+3のために形成できることもまた理解されよう。
アルファヘリックス:分子内共有結合架橋
いくつかの実施態様では、分子内共有結合架橋はラクタム環又はラクタム架橋である。ラクタム環のサイズはアミノ酸側鎖の長さにしたがって変動することがあり、ある実施態様では、ラクタムは、オルニチンの側鎖をアスパラギン酸の側鎖に結合させることによって形成される。ラクタム架橋及び前記を作成する方法は当業界で公知である。例えば以下(Houston, Jr., et al., J Peptide Sci 1: 274-282, 2004)及び本明細書の実施例1を参照されたい。いくつかの実施態様では、アナローグは、配列番号:1の改変配列及びiとi+4の間のラクタム架橋を含む(iは上記に定義したとおりである)。いくつかの実施態様では、GIPアゴニストペプチドは以下の2つのラクタム架橋を含む:1つは16位のアミノ酸と20位のアミノ酸の間、もう1つは17位のアミノ酸と21位のアミノ酸の間。いくつかの実施態様では、GIPアゴニストペプチドは1つのラクタム架橋及び1つの塩架橋を含む。さらに別の例示的な実施態様は、本明細書の“実施例”のセクションに記載される。さらに別の実施態様は、場合によってラクタム架橋を伴う以下の対合を含む:12位のGluと16位のLys;12位の本来のLysと16位のGlu;16位のGluと20位のLys;16位のLysと20位のGlu;20位のGluと24位のLys;20位のLysと24位のGlu;24位のGluと28位のLys;24位のLysと28位のGlu。
いくつかの実施態様では、分子内共有結合架橋はラクトンである。ラクトン架橋を作成する適切な方法は当業界では公知である。例えば以下を参照されたい:Sheehan et al., J Am Chem Soc 95: 875-879, 1973。
いくつかの実施態様では、オレフィンメタセシスを用い、全ての炭化水素架橋系を利用しながらアナローグのアルファヘリックスの1つ又は2つのターンを架橋する。本事例のGIPアゴニストペプチドは、種々の長さのオレフィン側鎖を有し、jとj+3又はiとi+4でR又はSのどちらかの立体配置を有するα-メチル化アミノ酸を含む。いくつかの実施態様では、オレフィン側鎖は(CH2)nを含む(nは1から6の任意の整数である)。いくつかの実施態様では、8原子の架橋の長さのためにはnは3である。いくつかの実施態様では、6原子の架橋の長さのためにはnは2である。オレフィン架橋を含む例示的なGIPアゴニストペプチドは、配列番号:17として本明細書に記載されている。そのような分子内架橋を形成する適切な方法は当業界で報告されている。例えば以下を参照されたい:Schafmeister et al., J. Am. Chem. Soc. 122: 5891-5892, 2000;及びWalensky et al., Science 305: 1466-1470, 2004。また別の実施態様では、アナローグは、隣接するヘリックスターンに位置するO-アリルSer残基を含み、前記残基は、ルテニウム触媒環閉鎖メタセシスを介して一緒に架橋される。架橋のそのような方法は、例えば以下に記載されている:Blackwell et al., Angew, Chem., Int. Ed. 37: 3281-3284, 1998。
具体的な特徴では、非天然のチオ-ジアラニンアミノ酸、ランチオニン(システインのペプチド模倣体として広く採用されてきた)の使用が、アルファヘリックスの1つのターンを架橋するために利用される。ランチオニンによる環形成の適切な方法は当業界では公知である。例えば以下を参照されたい:Matteucci et al., Tetrahedron Letters 45: 1399-1401, 2004;Mayer et al., J. Peptide Res. 51: 432-436 (1998);Polinsky et al., J. Med. Chem. 35: 4185-4194, 1992;Osapay et al., J. Med. Chem. 40: 2241-2251, 1997;Fukase et al., Bull. Chem. Soc. Jpn. 65: 2227-2240, 1992;Harpp et al., J. Org. Chem. 36: 73-80, 1971;Goodman and Shao, Pure Appl. Chem. 68: 1303-1308, 1996;及びOsapay and Goodman, J. Chem. Soc. Chem. Commun. 1599-1600, 1993。
いくつかの実施態様では、i位とi+7位の2つのGlu残基の間のα,ω-ジアミノアルカン鎖(例えば1,4-ジアミノプロパン及び1,5-ジアミノペンタン)を用いてアナローグのアルファヘリックスを安定化させる。そのような鎖は、ジアミノアルカン鎖の長さに応じて長さが9原子以上の架橋の形成をもたらす。そのような鎖により架橋されたペプチドを生成する適切な方法は当業界で報告されている。例えば以下を参照されたい:Phelan et al., J. Am. Chem. Soc. 119: 455-460, 1997。
さらに他の実施態様では、ジスルフィド架橋が、アナローグのアルファヘリックスの1つ又は2つのターンを架橋するために用いられる。また別には、一方又は両方の硫黄原子がメチレン基で置換され同配体の大環形成をもたらす改変ジスルフィド架橋がアナローグのアルファヘリックスの安定化に用いられる。ジスルフィド架橋を有する改変ペプチド又は硫黄による環化の適切な方法は例えば以下に記載されている:Jackson et al., J. Am. Chem. Soc. 113: 9391-9392, 1991;及びRudinger and Jost, Experientia 20: 570-571, 1964。
さらに他の実施態様では、アナローグのアルファヘリックスは、jとj+3又はiとi+4に位置する2つのHis又はHisとCysの対による金属原子の結合を介して安定化される。金属原子は、例えばRu(III)、Cu(II)、Zn(II)又はCd(II)であり得る。そのような金属結合によるアルファヘリックス安定化の方法は当業界で公知である。例えば以下を参照されたい:Andrews and Tabor, Tetrahedron 55: 11711-11743, 1999;Ghadiri et al., J. Am. Chem. Soc. 112: 1630-1632, 1990;及びGhadiri et al., J. Am. Chem. Soc. 119: 9063-9064, 1997。
GIPアゴニストペプチドのアルファヘリックスはまた別に他のペプチド環化手段を介して安定化できる。前記手段は以下で概説されている:Davies, J. Peptide. Sci. 9: 471-501, 2003。アルファヘリックスは、アミド架橋、チオエーテル架橋、チオエステル架橋、尿素架橋、カルバメート架橋、スルホンアミド架橋などの形成を介して安定化できる。例えば、チオエステル架橋はC-末端とCys残基の側鎖との間で形成できる。また別には、チオエステルは、チオール(Cys)及びカルボン酸(例えばAsp、Glu)を有するアミノ酸の側鎖を介して形成できる。別の方法では、架橋剤によって、例えばジカルボン酸(例えばスベリン酸(オクタンジオン酸(octanedioic acid))など)、アミノ酸側鎖の2つの官能基(例えば遊離アミノ、ヒドロキシル、チオール基及び前記の組合せ)の間に結合を導入できる。
追加事項
以下で提供されるものは、本開示のグルカゴンアナローグに関する追加事項である。本明細書で考察するように、以下に記載するアミノ酸の位置は、配列番号:1のアミノ酸の番号付与に対応して言及される。さらにまた、以下の記載は本来のヒトグルカゴン(配列番号:1)と対比して、例えば配列番号:1の改変が考察されるが、これらの記載は、(i)そのような改変が本開示のペプチドの全てに存在することを必ずしも意味せず、さらに(ii)本開示のペプチドを作製する方法のみが本来のヒトグルカゴンを用いて開始可能であること及び当該配列を改変可能であることを必ずしも意味しない。そうではなくて、以下の記載は、本開示のグルカゴンアナローグのいくつかの実施態様を説明するために提供され、本開示のペプチドは、“ペプチドの製造方法”という表題のセクションでさらに説明するように、出発材料として本来のヒトグルカゴンを利用することなくde novoに製造することができる。
1位:
いくつかの実施態様では、グルカゴンアナローグは、配列番号:1と対比して1位にアミノ酸改変を含む。例えばグルカゴンアナローグは、1位にHisではないアミノ酸を含む。例示的な特徴では、グルカゴンアナローグは1位に大きな芳香族アミノ酸を含む。例示的な実施態様では、大きな芳香族アミノ酸は、Tyr、Phe、アミノ-Phe(例えば4-アミノ-Phe)、クロロ-Phe、スルホ-Phe、4-ピリジル-Ala、メチル-Tyr、又は3-アミノTyrである。
他の例示的な実施態様では、グルカゴンアナローグは、イミダゾール側鎖を含むアミノ酸を1位に含む。例示的な特徴では、1位のアミノ酸は下記の式Aの構造を含む:
Figure 2014507402
[式A]
式中、R1及びR2の各々はそれぞれ別個に、H、(C1-6)アルキル、O(C1-6)アルキル、(C1-6)アルキル-OH、F、及び少なくとも1つのHがFで置換されている(C1-C6)アルキルから成る群から選択される。
例示的な特徴では、1位のアミノ酸は、グルカゴン(配列番号:1)の本来の残基、L-ヒスチジン(His)であるか、又はHisの誘導体(His誘導体)、例えばアルファ原子が改変されているHisの誘導体である。例示的特徴のHis誘導体は、D-ヒスチジン、デスアミノヒスチジン、ヒドロキシル-ヒスチジン、アセチル-ヒスチジン、ホモ-ヒスチジン、N-メチルヒスチジン、アルファ-メチルヒスチジン、イミダゾール酢酸又はアルファアルファジメチルイミダゾール酢酸(DMIA)である。
さらに他の特徴では、1位のアミノ酸は、本明細書に記載するように、DPP-IV保護アミノ酸である。いくつかの特徴では、DPP-IV保護アミノ酸はHisの誘導体である。
2位:
いくつかの実施態様では、本開示のペプチドは2位にDPP-IV保護アミノ酸を含む。本明細書で用いられるように、“DPP-IV保護アミノ酸”という用語は、ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP-IV)切断に対し本開示のペプチドの実質的な耐性を達成するアミノ酸を指す。いくつかの特徴では、DPP-IV保護アミノ酸はD-セリン、D-アラニン、バリン、グリシン、N-メチルセリン、N-メチルアラニン又はアルファ、アミノイソ酪酸(AIB)の1つである。いくつかの特徴では、DPP-IV保護アミノ酸はα,α-二置換アミノ酸である。いくつかの特徴では、α,α-二置換アミノ酸はR1及びR2を含み(その各々はアルファ炭素に結合する)、ここでR1及びR2の各々はそれぞれ別個に、C1−C4アルキル(場合によってヒドロキシル、アミド、チオール、ハロで置換される)から成る群から選択されるか、又はR1及びR2はそれらが結合するアルファ炭素と一緒になって環を形成する。いくつかの特徴では、α,α-二置換アミノ酸は、AIB又は1-アミノシクロプロパン-1-カルボキシレート(ACPC)である。
本明細書で用いられる“C1-Cnアルキル”(nは1から6であり得る)という用語は1から指定の数の炭素原子を有する分枝又は線状アルキル基を表す。典型的な C1-C6アルキルにはメチル、エチル、n-プロピル、iso-プロピル、ブチル、iso-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシルなどが含まれるが、ただしこれらに限定されない。
例示的実施態様では、DPP-IV保護アミノ酸はSerのD-異性体(D-Ser)又はその保存的アミノ酸置換である。例えば、DPP-IV保護アミノ酸は-(C1-C4アルキル)OHの側鎖構造を含むことができる。場合によって、側鎖構造が-(C3アルキル)OH又は-(C4アルキル)OHを含むとき、炭素鎖は直鎖でも分枝していてもよい。
例示的な特徴では、DPP-IV保護アミノ酸がD-Serで、1位のアミノ酸がHisであるとき、GIPアゴニストペプチドは、異種成分、例えば親水性成分(例えばPEG)と連結されない。本開示の他の特徴では、DPP-IV保護アミノ酸はD-セリンではない。
3位:
いくつかの実施態様では、グルカゴンアナローグは、3位に酸性、塩基性又は疎水性アミノ酸残基を含む。いずれの特定の理論にも拘束されないが、そのようなグルカゴンアナローグはグルカゴンレセプター活性の低下を示す。いくつかの実施態様では、酸性、塩基性又は疎水性アミノ酸はグルタミン酸、オルニチン、ノルロイシンである。例えばグルタミン酸、オルニチン又はノルロイシンで置換されたグルカゴンアナローグは、いくつかの特徴では、当該グルカゴンレセプターで本来のグルカゴンの活性の約10%以下、例えば約1−10%、又は約0.1−10%、又は約0.1%より高いが約10%より低い活性を有する。いくつかの実施態様では、グルカゴンアナローグは、本来のグルカゴンの活性の約0.5%、約1%又は約7%を示す。
いくつかの実施態様では、グルカゴンアナローグは、3位に配列番号:1の本来のアミノ酸(例えばグルタミン)を含むか、又はグルタミンアナローグを含む。特定の理論に拘束されないが、グルタミンアナローグを含むそのようなグルカゴンアナローグは、当該グルカゴンレセプターにおける活性の実質的な低下を示さず、さらにいくつかの事例では、グルタミンアナローグを含むグルカゴンアナローグは、グルカゴンレセプター活性を強化する。いくつかの実施態様では、3位のグルタミンアナローグは、下記の構造I、II又はIIIの側鎖を含むアミノ酸を含む:
Figure 2014507402
構造I
Figure 2014507402
構造II
Figure 2014507402
構造III
式中、R1はC0-3アルキル又はC0-3ヘテロアルキルであり;R2はNHR4又はC1-3アルキルであり;R3はC1-3アルキルであり;R4はH又はC1-3アルキルであり;XはNH、O又はSであり;さらにYはNHR4、SR3又はOR3である。いくつかの実施態様では、XはNHであるか、又はYはNHR4である。いくつかの実施態様では、R1はC0-2アルキル又はC1ヘテロアルキルである。いくつかの実施態様では、R2はNHR4又はC1アルキルである。いくつかの実施態様では、R4はH又はC1アルキルである。例示的な実施態様では、構造Iの側鎖を含むアミノ酸は、R1がCH2-SでありXがNHであり、さらにR2がCH3 である場合(アセトアミドメチル-システイン、C(Acm));R1がCH2であり、XがNHであり、さらにR2がCH3である場合(アセチルジアミノブタン酸、Dab(Ac));R1がC0アルキルであり、XがNHであり、R2がNHR4であり、さらにR4がHである場合(カルバモイルジアミノプロパン酸、Dap(尿素));又はR1がCH2-CH2であり、XがNHであり、さらにR2がCH3である場合(アセチルオルニチン、Orn(Ac))に提供される。例示的な実施態様では、構造IIの側鎖を含むアミノ酸は、R1がCH2であり、YがNHR4であり、さらにR4がCH3である場合(メチルグルタミン、Q(Me))に提供される。例示的な実施態様では、構造IIIの側鎖を含むアミノ酸は、R1がCH2であり、さらにR4がHである場合(メチオニン-スルホキシド、M(O))に提供される。具体的な実施態様では、3位のアミノ酸はDab(Ac)で置換される。
7位:
いくつかの実施態様では、グルカゴンアナローグは、配列番号:1と対比して7位のアミノ酸の改変を含み、例えばグルカゴンアナローグは、Thr以外のアミノ酸を7位に含む。いくつかの特徴では、7位のアミノ酸は大きな脂肪族アミノ酸、例えばIle、Leu、Alaなどである。特定の理論に拘束されないが、7位にそのようなアミノ酸を含むグルカゴンアナローグは、GLP-1レセプターで劇的な活性の低下を示すと考えられる。
9位:
いくつかの実施態様では、グルカゴンアナローグは、配列番号:1と対比して9位のアミノ酸の改変を含み、例えばグルカゴンアナローグは、9位にAsp以外のアミノ酸を含む。いくつかの実施態様では、グルカゴンアナローグは、Asp以外の陰性荷電アミノ酸、例えばGlu、ホモグルタミン酸、システイン酸、ホモシステイン酸を含む。いくつかの特徴では、9位のアミノ酸は、本明細書で考察するようにアシル化アミノ酸又はアルキル化アミノ酸である。
10位:
いくつかの実施態様では、グルカゴンアナローグは、配列番号:1と対比して10位のアミノ酸の改変を含み、例えばグルカゴンアナローグは、Tyr以外のアミノ酸を10位に含む。いくつかの特徴では、10位のアミノ酸はTrpである。特定の理論に拘束されないが、10位にそのようなアミノ酸を含むグルカゴンアナローグは、10位にTyrを有する対応するペプチドと比較して、GIPレセプター、GLP-1レセプター及び/又はグルカゴンレセプターにおいて活性の低下を示さないと考えられる。
いくつかの実施態様では、グルカゴンアナローグは、本明細書で考察するように、アシル化アミノ酸又はアルキル化アミノ酸を含む。
12位:
いくつかの実施態様では、グルカゴンアナローグは、配列番号:1と対比して12位のアミノ酸の改変を含み、例えばグルカゴンアナローグは、Lys以外のアミノ酸を12位に含む。いくつかの特徴では、12位のアミノ酸は大きな脂肪族の非極性アミノ酸、場合によってイソロイシンである。いくつかの特徴では、12位のアミノ酸はArgである。特定の理論に拘束されないが、大きな脂肪族の非極性アミノ酸、例えばIleを含むグルカゴンアナローグは、GIPレセプターで活性の強化を示す。いくつかの実施態様では、グルカゴンアナローグは、本明細書で考察するように、アシル化アミノ酸又はアルキル化アミノ酸を含む。
15位:
いくつかの実施態様では、グルカゴンアナローグは、配列番号:1と対比して15位のアミノ酸の改変を含み、例えばグルカゴンアナローグは、Asp以外のアミノ酸を15位に含む。いくつかの特徴では、15位のアミノ酸は欠失するか、又はグルタミン酸、ホモグルタミン酸、システイン酸又はホモシステイン酸である。特定の理論に拘束されないが、そのようなグルカゴンアナローグは、時間の経過中に、特に酸性又はアルカリ性緩衝液(例えば5.5から8の範囲内のpHの緩衝液)中で、例えばアナローグの分解又は切断を減少させることによって安定性の改善を示す。いくつかの実施態様では、前記改変を含むグルカゴンアナローグは、25℃で24時間後に最初のアナローグの少なくとも75%、80%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%を保持する。
16位:
いくつかの実施態様では、グルカゴンアナローグは、配列番号:1と対比して16位のアミノ酸の改変を含み、例えばグルカゴンアナローグは、Ser以外のアミノ酸を16位に含む。いくつかの実施態様では、16位のアミノ酸は、グルタミン酸、又は4原子の長さの側鎖を有する別の陰性荷電アミノ酸、また別にはグルタミン、ホモグルタミン酸又はホモシステイン酸いずれか1つ、又は少なくとも1つの異原子(例えばN、O、S、P)を含む側鎖を有し、さらに側鎖の長さが約4(又は3−5)原子である荷電アミノ酸である。いくつかの実施態様では、グルカゴンアナローグは、16位にグルタミン酸、グルタミン、ホモグルタミン酸、ホモシステイン酸、スレオニン又はグリシンから成る群から選択されるアミノ酸を含むか、又はグルタミン酸、グルタミン、ホモグルタミン酸、ホモシステイン酸から成る群から選択されるアミノ酸を含む。
特定の理論に拘束されないが、そのようなグルカゴンアナローグは、時間の経過中に、特に酸性又はアルカリ性緩衝液(例えば5.5から8の範囲内のpHの緩衝液)中で、例えばペプチドの分解を減少させることによって安定性の強化を示す。そのようなグルカゴンアナローグは、Asp15-Ser16ペプチド結合の切断に対する感受性を低下させる。
いくつかの実施態様では、16位のアミノ酸は陰性荷電アミノ酸で、場合によって20位のアルファヘリックス推進アミノ酸(アルファアルファ二置換アミノ酸又はAIB)と協力する。そのようなグルカゴンアナローグはGIP活性を示す。
また別の実施態様では、グルカゴンアナローグは、Thr又は上記に記載するようにアルファヘリックス推進アミノ酸を16位に含む。いくつかの実施態様では、アルファヘリックス推進アミノ酸はAIB又はGluである。
いくつかの特徴では、16位のアミノ酸は陽性荷電アミノ酸、例えば下記の式IVである:
Figure 2014507402
[式IV]
式中、nは、1から16、又は1から10、又は1から7、又は 1から6、又は2から6、又は2若しくは3若しくは4若しくは5であり、R1及びR2の各々は、それぞれ別個にH、C1-C18アルキル、(C1-C18 アルキル)OH、(C1-C18アルキル)NH2、(C1-C18アルキル)SH、(C0-C4アルキル)(C3-C6)シクロアルキル、(C0-C4アルキル)(C2-C5複素環)、(C0-C4アルキル)(C6-C10アリール)R7、及び(C1-C4アルキル)(C3-C9ヘテロアリール)から成る群から選択され、ここでR7はH又はOH、Lysである。
いくつかの実施態様では、グルカゴンアナローグは、本明細書で考察するように、アシル化アミノ酸又はアルキル化アミノ酸を含む。
さらに別の実施態様では、16位のアミノ酸は、本明細書の“連結物”の表題のセクションに記載されているように、異種成分と連結した側鎖を含むアミノ酸である。
17及び18位:
いくつかの実施態様では、グルカゴンアナローグは、配列番号:1と対比して17位及び18位のどちらか又は両方にアミノ酸改変を含み、17位及び18位の二塩基性Arg-Arg部位が除去される。いくつかの実施態様では、グルカゴンアナローグは、17位及び18位の一方又は両方でArg以外のアミノ酸を含む。いずれの特定の理論にも拘束されないが、二塩基性部位の除去はグルカゴンアナローグのin vivo有効性を改善すると考えられる。いくつかの特徴では、17位のアミノ酸は塩基性アミノ酸ではない。いくつかの特徴では、17位のアミノ酸は脂肪族アミノ酸である。いくつかの実施態様では、17位のアミノ酸は、本明細書に記載の別のアミノ酸、例えば疎水性成分を含むアミノ酸、アルファヘリックス推進アミノ酸で置換される。いくつかの実施態様では、アルファヘリックス推進アミノ酸は、j+3又はi+4のアミノ酸と分子内非共有結合架橋を形成する。いくつかの実施態様では、17位のアミノ酸はGlnである。
いくつかの特徴では、18位のアミノ酸は塩基性アミノ酸ではない。いくつかの特徴では、18位のアミノ酸は脂肪族アミノ酸である。いくつかの実施態様では、18位のアミノ酸は小さな脂肪族アミノ酸、例えばAlaである。
いくつかの具体的な特徴では、18位のアミノ酸は小さな脂肪族アミノ酸、例えばAlaであり、17位のアミノ酸はArgである。他の特徴では、18位のアミノ酸は小さな脂肪族アミノ酸、例えばAlaであり、さらに17位のアミノ酸はGlnである。
いくつかの特徴では、17位のアミノ酸は、本明細書の“連結物”の表題のセクションに記載されているように、異種成分と連結した側鎖を含むアミノ酸である。
20位:
いくつかの実施態様では、グルカゴンアナローグは、配列番号:1と対比して20位にアミノ酸改変を含む。例えば20位のアミノ酸はGln以外のアミノ酸である。いくつかの特徴では、20位のアミノ酸は、上記に記載のアルファヘリックス推進アミノ酸である。いくつかの特徴では、20位のアミノ酸は、アルファアルファ二置換アミノ酸、例えばAIB、ACPCである。いくつかの実施態様では、アルファヘリックス推進アミノ酸は、j−3又はi−4のアミノ酸と分子内非共有結合架橋を形成する、
いくつかの具体的な実施態様では、アミノ酸は、荷電されているか又は水素結合の能力を有する側鎖をもち、さらに長さが少なくとも約5(又は4−6)原子である疎水性アミノ酸、例えばリジン、シトルリン、アルギニン又はオルニチンである。他の特徴では、20位のアミノ酸はSer、Thr、Ala又はAIBである。
いくつかの特徴では、20位のアミノ酸は、本明細書で考察されるようにアシル化アミノ酸又はアルキル化アミノ酸である。
いくつかの特徴では、20位のアミノ酸は、本明細書の“連結物”の表題のセクションに記載されているように、異種成分と連結した側鎖を含むアミノ酸である。
特定の理論に拘束されないが、そのようなグルカゴンアナローグは、GLP-1レセプター及び/又はGIPレセプターでの活性の強化を示すか、又はGlnの脱アミド化により生じる分解の低下を示し、及び/又は安定の強化を示す。
21位:
いくつかの実施態様では、グルカゴンアナローグは、配列番号:1と対比して21位にアミノ酸改変を含む。例えば21位のアミノ酸はAsp以外のアミノ酸である。例示的な特徴では、21位のアミノ酸はSer、Thr、Ala又はAIBである。他の特徴では、21位のアミノ酸はLys、Arg、Orn又はシトルリンである。いくつかの特徴では、21位のアミノ酸はGlu、ホモグルタミン酸又はホモシステイン酸である。いくつかの特徴では、21位のアミノ酸は、本明細書の“連結物”の表題のセクションに記載されているように、異種成分と連結した側鎖を含むアミノ酸である。
いくつかの実施態様では、21位のアミノ酸はアルファヘリックス推進アミノ酸である。いくつかの実施態様では、アルファヘリックス推進アミノ酸は、j−3又はi−4と分子内非共有結合架橋を形成する。
特定の理論に拘束されないが、そのようなグルカゴンアナローグは、Aspの脱水による分解によって生じる分解の低下を示し、環状スクシンイミド中間体を形成してその後のイソアスパルテートへの異性化をもたらすか、及び/又は安定性の増加を示す。
23位:
いくつかの特徴では、グルカゴンアナローグは、配列番号:1と対比して23位にアミノ酸改変を含む。いくつかの特徴では、23位のアミノ酸はVal以外のアミノ酸(Ileを含むがただし前記に限定されない)である。
24位:
いくつかの特徴では、グルカゴンアナローグは、配列番号:1と対比して24位にアミノ酸改変を含む。いくつかの特徴では、24位のアミノ酸はGln以外のアミノ酸、例えばAla、Asn、Cysである。いくつかの特徴では、24位のアミノ酸は、本明細書の“連結物”の表題のセクションに記載されているように、異種成分と連結した側鎖を含むアミノ酸である。
27位:
いくつかの特徴では、グルカゴンアナローグは、配列番号:1と対比して27位にアミノ酸改変を含む。いくつかの特徴では、27位のアミノ酸はMet以外のアミノ酸である。いくつかの実施態様では、グルカゴンアナローグは、ペプチドの酸化的分解を防ぐアミノ酸を27位に含む。いくつかの特徴では、27位のアミノ酸は、メチオニンスルホキシド、ロイシン、イソロイシン又はノルロイシンである。いくつかの具体的な実施態様では、27位のアミノ酸はロイシン又はノルロイシンである。
他の特徴では、27位のアミノ酸は、脂肪族アミノ酸(例えばGly、Ala、Val、Leu、Ile)、又は本明細書に記載の式IVのアミノ酸(例えばLys)である。例示的な実施態様では、27位のアミノ酸はVal又はLysである。特定の理論に拘束されないが、そのようなアミノ酸改変はグルカゴン活性を低下させる。
28位:
いくつかの特徴では、グルカゴンアナローグは、配列番号:1と対比して28位にアミノ酸改変を含む。いくつかの特徴では、28位のアミノ酸はAsn以外のアミノ酸である。いくつかの特徴では、28位のアミノ酸はAla、Ser、Thr又はAIBである。いくつかの特徴では、28位のアミノ酸は、荷電アミノ酸、例えば本明細書でさらに説明するように陰性荷電アミノ酸である。“荷電C-末端”の表題のセクションを参照されたい。いくつかの特徴では、28位のアミノ酸はAspである。
例示的な特徴では、28位のアミノ酸は、本明細書に記載の式IVのアミノ酸である。例示的実施態様のアミノ酸はLysである。いずれの特定の理論にも拘束されないが、そのようなアミノ酸改変はグルカゴン活性を低下させる。
29位:
いくつかの特徴では、グルカゴンアナローグは、配列番号:1と対比して29位にアミノ酸改変を含む。いくつかの特徴では、29位のアミノ酸はThr以外のアミノ酸である。いくつかの特徴では、29位のアミノ酸はGlyである。いくつかの特徴では、29位のアミノ酸はAlaである。
いくつかの特徴では、29位のアミノ酸は、本明細書の“連結物”の表題のセクションに記載されているように、異種成分と連結した側鎖を含むアミノ酸である。
荷電C-末端:
いくつかの実施態様では、グルカゴンアナローグは、配列番号:1と対比して、当該アナローグのC-末端部分に荷電アミノ酸を導入する、1つ以上のアミノ酸置換及び/又はアミノ酸付加を含む。いくつかの実施態様では、そのような改変は安定性及び可溶性を強化する。本明細書で用いられる“荷電アミノ酸”又は“荷電残基”という用語は、生理学的pHの水溶液中で陽性荷電若しくは陰性荷電(すなわち脱プロトン化)又は陽性荷電(すなわちプロトン化)を有する側鎖を含むアミノ酸を指す。いくつかの特徴では、荷電アミノ酸改変を導入するこれらのアミノ酸置換及び/又はアミノ酸付加は、配列番号:1のC-末端から27位の位置で生じる。いくつかの実施態様では、1つ、2つ又は3つの(及びいくつかの事例では4つ以上の)荷電アミノ酸が、C-末端部分内(例えばC-末端から27位までの位置)に導入される。いくつかの実施態様にしたがえば、28位及び/又は29位の本来のアミノ酸が荷電アミノ酸で置換され、及び/又はさらに別の実施態様では1つから3つの荷電アミノ酸がまた当該アナローグのC-末端に付加される。例示的な実施態様では、荷電アミノ酸の1つ、2つ又は全てが陰性荷電を有する。いくつかの実施態様の陰性荷電アミノ酸は、アスパラギン酸、グルタミン酸、システイン酸、ホモシステイン酸又はホモグルタミン酸である。いくつかの特徴では、これらの改変は可溶性又は安定性を高める。いくつかの特徴では、30位は荷電アミノ酸ではない。特定の理論に拘束されないが、荷電アミノ酸(例えば陰性荷電アミノ酸、例えばGlu)はGIP活性を低下させる。
C-末端切断:
いくつかの実施態様にしたがえば、本明細書で開示するグルカゴンアナローグは、C-末端の1つ又は2つのアミノ酸の切断によって改変される。そのような改変グルカゴンペプチドは、グルカゴンレセプター及びGLP-1レセプターで同様な活性及びポテンシーを保持する。これに関しては、本グルカゴンペプチドは、本来のグルカゴンアナローグ(配列番号:1)のアミノ酸1−27又は1−28(場合によって本明細書に記載の追加の改変のいずれかを有する)を含むことができる。
中性荷電のC-末端:
いくつかの実施態様では、グルカゴンアナローグは、配列番号:1と対比して、中性荷電基(例えばアミド又はエステル)をアルファカルボキシレートの代わりにC-末端に含む。いずれの特定の理論にも拘束されないが、例示的特徴におけるそのような改変は、当該グルカゴンアナローグのGLP-1レセプターでの活性を高める。したがって、いくつかの実施態様では、グルカゴンアナローグは、アミド化ペプチドであり、したがってC-末端残基はアミノ酸のアルファカルボキシレートの代わりにアミドを含む。本明細書で用いられる、ペプチド又はアナローグについて一般的に言及するとき、改変されたアミノ末端、カルボキシ末端又はアミノ及びカルボキシ末端の両方を有するペプチドを包含することを意図する。例えば、末端のカルボン酸の代わりにアミド基を含むアミノ酸鎖は、標準的なアミノ酸と称されるアミノ酸配列に包含されることが意図される。
C-末端の伸長:
本開示のいくつかの実施態様では、グルカゴンアナローグは、29位のアミノ酸に融合した1−21アミノ酸のC-末端伸長を含む。C-末端伸長は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20又は21アミノ酸を含む。いくつかの特徴では、C-末端伸長は、下記の“連結物”のセクションに記載する異種ペプチドのいずれかである。例えば、いくつかの特徴では、伸長はTrpケージ構造を形成するアミノ酸配列を含み、例えば伸長はGPSSGAPPPS(配列番号:5)のアミノ酸配列又はその保存的置換配列を含む。また別の特徴では、1から21アミノ酸の伸長は少なくとも1つの荷電アミノ酸を含む。例示的な特徴では、伸長はX1-X2のアミノ酸配列を含み、ここでX1は荷電アミノ酸であり、X2は小さな脂肪族アミノ酸である。いくつかの特徴では、X1は陽性荷電アミノ酸(例えばArg)である。いくつかの特徴では、伸長はArg-Glyを含む。
いくつかの実施態様では、伸長は、配列番号:5(GPSSGAPPPS)、配列番号:6(GGPSSGAPPPS)、配列番号:7(KRNRNNIA)又は配列番号:8(KRNR)のアミノ酸配列を含む。具体的な特徴では、アミノ酸配列は、グルカゴンアナローグのC-末端アミノ酸(例えば29位のアミノ酸)を介して結合される。いくつかの実施態様では、配列番号:5−8のいずれかのアミノ酸配列はグルカゴンアナローグのアミノ酸29とペプチド結合により結合される。いくつかの具体的な実施態様では、グルカゴンアナローグの29位のアミノ酸はGlyであり、前記Glyは配列番号:5−8のいずれかのアミノ酸配列の1つと融合する。
例示的な特徴では、グルカゴンアナローグは、当業界でTrpケージとして公知の構造を形成する伸長を含む(例えば以下を参照されたい:Paschek et al., Proc Natl Acad Sci USA 105 (46): 17754-17759, 2008)。いくつかの特徴では、伸長は、GPSSGAPPPS(配列番号:5)又はGGPSSGAPPPS(配列番号:6)又はGPSSGRPPPS(配列番号:183)、又は1つ、2つ、若しくは3つの保存的アミノ酸置換を有する前述の配列の1つの配列を含む。例示的な特徴では、伸長が配列番号:183のアミノ酸配列を含むとき、28位のアミノ酸は陰性荷電アミノ酸(例えばAsp又はGlu)である。
他の改変:
配列番号:1に対比して、本開示のグルカゴンアナローグのさらに他の改変の記載は本出願を通して見出される。上記の列挙は包括的なものではなく、単なる例示である。
いくつかの実施態様では、本明細書に記載するグルカゴンアナローグは、グリコシル化、アミド化、カルボキシル化、リン酸化、エステル化、N-アシル化、環化(例えばジスルフィド架橋による)されるか、又は塩に変換され(例えば酸性塩、塩基性付加塩)、及び/又はダイマー化、マルチマー化又は重合化され、又は連結される。
除外されるペプチド
本開示のグルカゴンアナローグは、国際特許出願PCT US2009/47447(2009年6月16日出願);米国特許出願61/073,274(2008年6月17日出願);米国特許出願61/078,171(2008年7月3日出願);米国特許出願61/090,448(2008年8月20日);米国特許出願61/151,349(2009年2月10日);米国特許出願61/187,578(2009年6月16日);国際特許出願PCT/US2010-038825(2010年6月16日出願)(前記文献の内容はその全体が参照により本明細書に含まれる)に記載されたGIPレセプターアゴニスト活性を示すグルカゴンアナローグとは構造的に別個である。したがって、いずれかの又は全ての実施態様で、本開示のグルカゴンアナローグは、国際特許出願PCT/US2009/47447(2009年6月17日出願、さらにWO2010/011439として公開)、米国特許出願61/073,274(2008年6月17日出願)、米国特許出願61/078,171(2008年7月3日出願)、;米国特許出願61/090,448(2008年8月20日);米国特許出願61/151,349(2009年2月10日);米国特許出願61/187,578(2009年6月16日);国際特許出願PCT/US2010-038825(2010年6月16日出願、さらにWO2010/148089として公開)、米国特許出願61/298,812(2010年1月27日出願)、又は国際特許出願PCT/US2011/022608(2011年1月26日出願、さらにWO2011/094337として公開)に記載されたグルカゴンアナローグ又はペプチドのいずれでもない。例示的な実施態様では、本開示のペプチド、グルカゴンペプチド、又はグルカゴンアナローグは、WO2010/011439の配列番号:1−262、WO2010/148089の配列番号:1−680、又はPCT/US2011/022608の配列番号:1−1318のペプチドの任意の1つでもなく又はそのいずれでもない(すなわち前記は除外される)。
例示的な実施態様では、本開示のペプチド、グルカゴンペプチド、又はグルカゴンアナローグは、国際特許出願WO2010/011439の以下の配列番号のペプチドの任意の1つでもなく又はそのいずれでもない(すなわち前記は除外される):配列番号:1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191、192、193、194、195、196、197、198、199、200、201、202、203、204、205、206、207、208、209、210、211、212、213、214、215、216、217、218、219、220、221、222、223、224、225、226、227、228、229、230、231、232、233、234、235、236、237、238、239、240、241、242、243、244、245、246、247、248、249、250、251、252、253、254、255、256、257、258、259、260、261及び/又は262。
例示的な実施態様では、本開示のペプチド、グルカゴンペプチド、又はグルカゴンアナローグは、国際特許出願WO 2010/148089の以下の配列番号のペプチドの任意の1つでもなく又はそのいずれでもない(すなわち前記は除外される):配列番号:1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191、192、193、194、195、196、197、198、199、200、201、202、203、204、205、206、207、208、 209、210、211、212、213、214、215、216、217、218、219、220、221、222、223、224、225、226、227、228、229、230、231、232、233、234、235、236、237、238、239、240、241、242、243、244、245、246、247、248、249、250、251、252、253、254、255、256、257、258、259、260、261、262、263、264、265、266、267、268、269、270、271、272、273、274、275、276、277、278、279、280、281、282、283、284、285、286、287、288、289、290、291、292、293、294、295、296、297、298、299、300、301、302、303、304、305、306、307、308、309、310、311、312、313、314、315、316、317、318、319、320、321、322、323、324、325、326、327、328、329、330、331、332、333、334、335、336、337、338、339、340、341、342、343、344、345、346、347、348、349、350、351、352、353、354、355、356、357、358、359、360、361、362、363、364、365、366、367、368、369、370、371、372、373、374、375、376、377、378、379、380、381、382、383、384、385、386、387、388、389、390、391、392、393、394、395、396、397、398、399、400、401、402、403、404、405、406、407、408、409、410、411、412、413、414、415、416、417、418、419、420、421、422、423、424、425、426、427、428、429、430、431、432、433、434、435、436、437、438、439、440、441、442、443、444、445、446、447、448、449、450、451、452、453、454、455、456、457、458、459、460、461、462、463、464、465、466、467、468、469、470、471、472、473、474、475、476、477、478、479、480、481、482、483、484、485、486、487、488、489、490、491、492、493、494、495、496、497、498、499、500、501、502、503、504、505、506、507、508、509、510、511、512、513、514、515、516、517、518、519、520、521、522、523、524、525、526、527、528、529、530、531、532、533、534、535、536、537、538、539、540、541、542、543、544、545、546、547、548、549、550、551、552、553、554、555、556、557、558、559、560、561、562、563、564、565、566、567、568、569、570、571、572、573、574、575、576、577、578、579、580、581、582、583、584、585、586、587、588、589、590、591、592、593、594、595、596、597、598、599、600、601、602、603、604、605、606、607、608、609、610、611、612、613、614、615、616、617、618、619、620、621、622、623、624、625、626、627、628、629、630、631、632、633、634、635, 636, 637, 638, 639, 640, 641, 642, 643, 644, 645, 646, 647, 648, 649, 650, 651、652、653、654、655、656、657、658、659、660、661、662、663、664、665、666、667、668、669、670、671、672、673、674、675、676、677、678、679及び/又は680。例示的な実施態様では、本開示のペプチド、グルカゴンペプチド、又はグルカゴンアナローグは、国際特許出願WO 2010/148089の配列番号:657, 658, 659, 660, 661, 662, 663, 664, 665, 666, 667, 668, 669(前記は本明細書では配列番号:219−229としてそれぞれ表される)のペプチドの任意の1つでもなく又はそのいずれでもない(すなわち前記は除外される)。
例示的な実施態様では、本開示のペプチド、グルカゴンペプチド、又はグルカゴンアナローグは、国際特許出願WO2011/094337の以下の配列番号のペプチドの任意の1つでもなく又はそのいずれでもない(すなわち前記は除外される):配列番号:1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191、192、193、194、195、196、197、198、199、200、201、202、203、204、205、206、207、208、209、210、211、212、213、214、215、216、217、218、219、220、221、222、223、224、225、226、227、228、229、230、231、232、233、234、235、236、237、238、239、240、241、242、243、244、245、246、247、248、249、250、251、252、253、254、255、256、257、258、259、260、261、262、263、264、265、266、267、268、269、270、271、272、273、274、275、276、277、278、279、280、281、282、283、284、285、286、287、288、289、290、291、292、293、294、295、296、297、298、299、300、301、302、303、304、305、306、307、308、309、310、311、312、313、314、315、316、317、318、319、320、321、322、323、324、325、326、327、328、329、330、331、332、333、334、335、336、337、338、339、340、341、342、343、344、345、346、347、348、349、350、351、352、353、354、355、356、357、358、359、360、361、362、363、364、365、366、367、368、369、370、371、372、373、374、375、376、377、378、379、380、381、382、383、384、385、386、387、388、389、390、391、392、393、394、395、396、397、398、399、400、401、402、403、404、405、406、407、408、409、410、411、412、413、414、415、416、417、418、419、420、421、422、423、424、425、426、427、428、429、430、431、432、433、434、435、436、437、438、439、440、441、442、443、444、445、446、447、448、449、450、451、452、453、454、455、456、457、458、459、460、461、462、463、464、465、466、467、468、469、470、471、472、473、474、475、476、477、478、479、480、481、482、483、484、485、486、487、488、489、490、491、492、493、494、495、496、497、498、499、500、501、502、503、504、505、506、507、508、509、510、511、512、513、514、515、516、517、518、519、520、521、522、523、524、525、526、527、528、529、530、531、532、533、534、535、536、537、538、539、540、541、542、543、544、545、546、547、548、549、550、551、552、553、554、555、556、557、558、559、560、561、562、563、564、565、566、567、568、569、570、571、572、573、574、575、576、577、578、579、580、581、582、583、584、585、586、587、588、589、590、591、592、593、594、595、596、597、598、599、600、601、602、603、604、605、606、607、608、609、610、611、612、613、614、615、616、617、618、619、620、621、622、623、624、625、626、627、628、629、630、631、632、633、634、635、636、637、638、639、640、641、642、643、644、645、646、647、648、649、650、651、652、653、654、655、656、657、658、659、660、661、662、663、664、665、666、667、668、669、670、671、672、673、674、675、676、677、678、679、680、681、682、683、684、685、686、687、688、689、690、691、692、693、694、695、696、697、698、699、700、701、702、703、704、705、706、707、708、709、710、711、712、713、714、715、716、717、718、719、720、721、722、723、724、725、726、727、728、729、730、731、732、733、734、735、736、737、738、739、740、741、742、743、744、745、746、747、748、749、750、751、752、753、754、755、756、757、758、759、760、761、762、763、764、765、766、767、768、769、770、771、772、773、774、775、776、777、778、779、780、781、782、783、784、785、786、787、788、789、790、791、792、793、794、795、796、797、798、799、800、801、802、803、804、805、806、807、808、809、810、811、812、813、814、815、816、817、818、819、820、821、822、823、824、825、826、827、828、829、830、831、832、833、834、835、836、837、838、839、840、841、842、843、844、845、846、847、848、849、850、851、852、853、854、855、856、857、858、859、860、861、862、863、864、865、866、867、868、869、870、871、872、873、874、875、876、877、878、879、880、881、882、883、884、885、886、887、888、889、890、891、892、893、894、895、896、897、898、899、900、901、902、903、904、905、906、907、908、909、910、911、912、913、914、915、916、917、918、919、920、921、922、923、924、925、926、927、928、929、930、931、932、933、934、935、936、937、938、939、940、941、942、943、944、945、946、947、948、949、950、951、952、953、954、955、956、957、958、959、960、961、962、963、964、965、966、967、968、969、970、971、972、973、974、975、976、977、978、979、980、981、982、983、984、985、986、987、988、989、990、991、992、993、994、995、996、997、998、999、1000、1001、1002、1003、1004、1005、1006、1007、1008、1009、1010、1011、1012、1013、1014、1015、1016、1017、1018、1019、1020、1021、1022、1023、1024、1025、1026、1027、1028、1029、1030、1031、1032、1033、1034、1035、1036、1037、1038、1039、1040、1041、1042、1043、1044、1045、1046、1047、1048、1049、1050、1051、1052、1053、1054、1055、1056、1057、1058、1059、1060、1061、1062、1063、1064、1065、1066、1067、1068、1069、1070、1071、1072、1073、1074、1075、1076、1077、1078、1079、1080、1081、1082、1083、1084、1085、1086、1087、1088、1089、1090、1091、1092、1093、1094、1095、1096、1097、1098、1099、1100、1101、1102、1103、1104、1105、1106、1107、1108、1109、1110、1111、1112、1113、1114、1115、1116、1117、1118、1119、1120、1121、1122、1123、1124、1125、1126、1127、1128、1129、1130、1131、1132、1133、1134、1135、1136、1137、1138、1139、1140、1141、1142、1143、1144、1145、1146、1147、1148、1149、1150、1151、1152、1153、1154、1155、1156、1157、1158、1159、1160、1161、1162、1163、1164、1165、1166、1167、1168、1169、1170、1171、1172、1173、1174、1175、1176、1177、1178、1179、1180、1181、1182、1183、1184、1185、1186、1187、1188、1189、1190、1191、1192、1193、1194、1195、1196、1197、1198、1199、1200、1201、1202、1203、1204、1205、1206、1207、1208、1209、1210、1211、1212、1213、1214、1215、1216、1217、1218、1219、1220、1221、1222、1223、1224、1225、1226、1227、1228、1229、1230、1231、1232、1233、1234、1235、1236、1237、1238、1239、1240、1241、1242、1243、1244、1245、1246、1247、1248、1249、1250、1251、1252、1253、1254、1255、1256、1257、1258、1259、1260、1261、1262、1263、1264、1265、1266、1267、1268、1269、1270、1271、1272、1273、1274、1275、1276、1277、1278、1279、1280、1281、1282、1283、1284、1285、1286、1287、1288、1289、1290、1291、1292、1293、1294、1295、1296、1297、1298、1299、1300、1301、1302、1303、1304、1305、1306、1307、1308、1309、1310、1311、1312、1313、1314、1315、1316、1317及び/又は1318。
例示的実施態様
例示的な実施態様では、本開示のペプチドは、(i)イミダゾール側鎖を含む1位のアミノ酸、(ii)2位のDPP-IV保護アミノ酸、(iii)場合によって9、10、12、16、20又は37−43位のいずれかに、アシル化アミノ酸又はアルキル化アミノ酸(場合によって前記アシル基又はアルキル基はスペーサーを介してアミノ酸に結合される)、(iv)16−21位の1つ以上にアルファヘリックス安定化アミノ酸、及び(v)配列番号:1と対比して10までのさらに別のアミノ酸改変を含むグルカゴン(配列番号:1)のアナローグであり、ここで、グルカゴンアナローグが異種成分、例えば親水性成分(例えばPEG)と連結されないとき、当該グルカゴンアナローグは、GIPレセプターで本来のGIP活性の少なくとも又は約0.1%(例えば少なくとも又は約1%、少なくとも又は約10%、少なくとも又は約50%、少なくとも又は約80%、少なくとも又は約100%、少なくとも又は約500%)を示す。
本明細書に記載のグルカゴンアナローグは本明細書に記載の任意の活性プロフィールを含むことができる。例えば“本開示のペプチドの活性”の表題のセクションを参照されたい。例示的な特徴では、グルカゴンアナローグは、少なくとも又は約1%、少なくとも又は約10%、少なくとも又は約50%、少なくとも又は約90%、少なくとも又は約100%、少なくとも又は約300%、或いは少なくとも又は約500%のGIP%パーセンテージポテンシーを示す。いくつかの特徴では、グルカゴンアナローグはまた、少なくとも又は約1%、少なくとも又は約10%、少なくとも又は約50%、少なくとも又は約90%、少なくとも又は約100%、少なくとも又は約300%、或いは少なくとも又は約500%のGLP-1パーセンテージポテンシーを示す。また別の若しくは追加される特徴では、グルカゴンアナローグは、少なくとも又は約1%、少なくとも又は約10%、少なくとも又は約50%、少なくとも又は約90%、少なくとも又は約100%のグルカゴンパーセンテージポテンシーを示す。したがって、グルカゴンアナローグがGIPアゴニストペプチドと考えられるとき、当該グルカゴンアナローグはさらにまたGIP-GLP1コアゴニスト、GIP-グルカゴンコアゴニスト、又はGIP-GLP1-グルカゴントリアゴニストと考えることができる。例えば、本ペプチドは、ヒトGIPレセプター、ヒトGLP-1レセプター、及びヒトグルカゴンレセプターの各々でアゴニスト活性を示し、ここで、当該ペプチドは、GLP-1レセプターにおけるそのEC50の100倍以内(例えば50倍、40倍、30倍、20倍、15倍、10倍、又は前記未満)であり、さらにグルカゴンレセプターにおけるそのEC50の100倍以内(例えば50倍、40倍、30倍、20倍、15倍、10倍、又は前記未満)であるGIPレセプターにおけるEC50を示す。
例示的な実施態様では、グルカゴンアナローグは、イミダゾール側鎖を含む1位のアミノ酸を含む。例示的な特徴では、1位のアミノ酸は下記の式Aの構造を含む:
Figure 2014507402
[式A]
式中、R1及びR2の各々はそれぞれ別個に、H、(C1-6)アルキル、O(C1-6)アルキル、(C1-6)アルキル-OH、F、及び少なくとも1つのHがFで置換されている(C1-C6)アルキルから成る群から選択される。
例示的な特徴では、1位のアミノ酸は、グルカゴン(配列番号:1)の本来の残基、L-ヒスチジン(His)であるか、又はHisの誘導体(His誘導体)、例えばアルファ原子が改変されているHisの誘導体である。本明細書で用いられるように、“His誘導体”という用語は、少なくとも1つの炭素原子と結合した、イミダゾール(例えば式Aを含む)又は置換イミダゾールを含む化学的成分を指す。例示的な実施態様では、His誘導体は、アルファアミン、アルファ炭素又はアルファカルボキシレートが別の化学的成分で置換されるという点を除いて、ヒスチジンの構造と同様な構造を含む。例示的な実施態様では、His誘導体は、アルファ炭素に結合した水素原子が別の化学的成分(例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ヒドロキシル、メトキシ、エトキシなど)で置換されるアルファ置換ヒスチジンである。いくつかの特徴のHis誘導体は、D-ヒスチジン、デスアミノヒスチジン、ヒドロキシル-ヒスチジン、アセチル-ヒスチジン、ホモ-ヒスチジン、N-メチルヒスチジン、アルファ-メチルヒスチジン、イミダゾール酢酸、アルファアルファジメチルイミダゾール酢酸(DMIA)である。
いくつかの特徴では、2位のDPP-IV保護アミノ酸は、D-セリン、D-アラニン、バリン、グリシン、N-メチルセリン、N-メチルアラニン又はアルファアミノイソ酪酸(AIB)の1つである。いくつかの特徴では、DPP-IV保護アミノ酸は、D-Ser若しくはその保存的アミノ酸置換、又はα,α-二置換アミノ酸である。いくつかの特徴では、α,α-二置換アミノ酸は、その各々がアルファ炭素と結合するR1及びR2を含み、ここでR1及びR2は、それぞれ別個にC1-C4アルキル(場合によってヒドロキシル、アミド、チオール、ハロで置換される)から成る群から選択されるか、又はR1及びR2は、それらが結合しているアルファ炭素と一緒になって環を形成する。いくつかの特徴では、α,α-二置換アミノ酸はAIBである。例示的な特徴では、DPP-IV保護アミノ酸がD-Serであるとき、GIPアゴニストペプチドは異種成分、例えば親水性成分(例えばPEG)と連結されない。本開示の他の特徴では、DPP-IV保護アミノ酸はD-セリンではない。
いくつかの特徴ではグルカゴンアナローグは、16、17、18、19、20又は21位のいずれかにアルファヘリックス安定化アミノ酸を含む。いくつかの特徴では、グルカゴンアナローグは、16、17、18、19、20又は21位の1つ、2つ、3つ、4つ、5つ又は全てにアルファヘリックス安定化アミノ酸を含む。例示的な特徴では、グルカゴンアナローグは、16、17、20及び21位にアルファヘリックス安定化アミノ酸を含む。いくつかの特徴では、グルカゴンアナローグは、16及び20位にアルファヘリックス安定化アミノ酸を含む。また別の或いは追加の特徴では、グルカゴンアナローグは、17及び21位にアルファヘリックス安定化アミノ酸を含む。
いくつかの特徴では、グルカゴンアナローグが2位にアルファヘリックス安定化アミノ酸を含むとき、20位のアミノ酸は、アルファアルファ二置換アミノ酸である。例示的な特徴では、α,α-二置換アミノ酸は、その各々がアルファ炭素と結合するR1及びR2を含み、ここでR1及びR2の各々は、それぞれ別個にC1-C4アルキル(場合によってヒドロキシル、アミド、チオール、ハロで置換される)から成る群から選択されるか、又はR1及びR2は、それらが結合しているアルファ炭素と一緒になって環を形成する。いくつかの特徴では、α,α-二置換アミノ酸は1-アミノシクロプロパン-1-カルボキシレート(ACPC)である。いくつかの特徴では、20位のα,α-二置換アミノ酸はAIBである。場合によって、いくつの特徴では、20位のアミノ酸がアルファアルファ二置換アミノ酸であるとき、16位のアミノ酸は、AIB以外のアルファヘリックス安定化アミノ酸である。例示的な特徴では、16位のアミノ酸は、荷電アミノ酸(例えば陽性荷電アミノ酸、陰性荷電アミノ酸)である。いくつかの特徴では、20位のアミノ酸がアルファアルファ二置換アミノ酸であるとき、16位のアミノ酸は、式IVの陽性荷電アミノ酸(例えばLys)であるか、又は陰性荷電アミノ酸(例えばGlu)である。いくつかの特徴では、20位のアミノ酸がアルファアルファ二置換アミノ酸であるとき、16位のアミノ酸は中性荷電アミノ酸、例えばSer、Ala、Glyである。
したがって、例示的な実施態様では、グルカゴンアナローグは、(i)イミダゾール側鎖を含む1位のアミノ酸、(ii)2位のDPP-IV保護アミノ酸、(iii)場合によって9、10、12、16、20又は37−43位のいずれかに、本来のものではないアシル基又はアルキル基を含むアミノ酸(場合によって前記本来のものではないアシル基又はアルキル基はスペーサーを介してそのようなアミノ酸に結合される)、(iv)20位のアルファアルファ二置換アミノ酸、及び(v)配列番号:1と対比して10まで(例えば1、2、3、4、5、6、7、8又は9)のさらに別のアミノ酸改変を含む。
例示的な実施態様では、グルカゴンアナローグが、20位にアルファアルファ二置換アミノ酸を含むとき、さらにグルカゴンアナローグが親水性成分を欠くとき、当該グルカゴンアナローグは、少なくとも0.1%(例えば少なくとも1%、少なくとも10%、少なくとも20%)のGIPパーセンテージポテンシーを示す。例示的な実施態様では、グルカゴンアナローグは、GIPレセプターと対比して100倍未満(例えば約90倍以下、約80倍以下、約70倍以下、約60倍以下、約50倍以下、約40倍以下、約30倍以下、約20倍以下、約15倍以下、約10倍以下、約5倍以下)のヒトGLP-1レセプターに対する選択性を有する。例示的な特徴では、本ペプチドは、GLP-1レセプターにおけるそのEC50の100倍未満(例えば約90倍以下、約80倍以下、約70倍以下、約60倍以下、約50倍以下、約40倍以下、約30倍以下、約20倍以下、約15倍以下、約10倍以下、約5倍以下)、場合によってグルカゴンレセプターにおけるそのEC50の100倍未満(例えば約90倍以下、約80倍以下、約70倍以下、約60倍以下、約50倍以下、約40倍以下、約30倍以下、約20倍以下、約15倍以下、約10倍以下、約5倍以下)であるGIPレセプターにおけるEC50を有する。
例示的な実施態様では、グルカゴンアナローグが20位にアルファアルファ二置換アミノ酸を含むとき、当該α,α-二置換アミノ酸は、その各々がアルファ炭素と結合するR1及びR2を含み、ここでR1及びR2の各々は、それぞれ別個にC1-C4アルキル(場合によってヒドロキシル、アミド、チオール、ハロで置換される)から成る群から選択されるか、又はR1及びR2は、それらが結合しているアルファ炭素と一緒になって環を形成する。例示的な実施態様では、20位のα,α-二置換アミノ酸はAIBである。さらにまた例示的な実施態様では、グルカゴンアナローグが20位にアルファアルファ二置換アミノ酸を含むとき、16位のアミノ酸はAIB以外のアルファヘリックス安定化アミノ酸である。例示的な特徴では、16位のアミノ酸は、荷電アミノ酸、場合によって陰性荷電アミノ酸(例えばGlu又はAsp)、又は陽性荷電アミノ酸(例えばLys又はOrn)である。
また別の実施態様では、グルカゴンアナローグは20位のアルファヘリックス安定化アミノ酸を含まず、16、17、18、19又は21位の1つ以上がアルファヘリックス安定化アミノ酸である。いくつかの特徴では、アルファヘリックス安定化アミノ酸は16位に位置する。いくつかの実施態様では、アルファヘリックス安定化アミノ酸は、陰性荷電アミノ酸(例えばGlu)、陽性荷電アミノ酸(例えば式IVの構造を含む(例えばLys))、又はアルファアルファ二置換アミノ酸である。いくつかの特徴では、α,α-二置換アミノ酸は、その各々がアルファ炭素と結合するR1及びR2を含み、ここでR1及びR2の各々は、それぞれ別個にC1-C4アルキル(場合によってヒドロキシル、アミド、チオール、ハロで置換される)から成る群から選択されるか、又はR1及びR2は、それらが結合しているアルファ炭素と一緒になって環を形成する。具体的な特徴では、16位のα,α-二置換アミノ酸はAIBである。
追加の実施態様では、グルカゴンアナローグが20位にアルファヘリックス安定化アミノ酸を含まないとき、さらに16、17、18、19又は21位の1つ以上がアルファヘリックス安定化アミノ酸であるとき、グルカゴンアナローグは、(i)当該ペプチドアナローグのC-末端から29位のアミノ酸に1から21アミノ酸の伸長を含むか、又は(ii)10、12又は16位にアシル化アミノ酸又はアルキル化アミノ酸が存在する。いくつかの特徴では、グルカゴンアナローグは、当該ペプチドアナローグのC-末端から29位のアミノ酸に1から21アミノ酸の伸長を含み、さらに場合によって29位のアミノ酸はGlyである。いくつかの特徴では、1から21アミノ酸の伸長は本明細書に記載したもののいずれかである。例えば、“C-末端の伸長”の表題のセクションを参照されたい。いくつかの特徴では、伸長は、Trpケージ構造を形成するアミノ酸配列を含む。例えば伸長は、アミノ酸配列GPSSGAPPPS(配列番号:5)又はその保存的置換配列を含む。また別の特徴では、1から21アミノ酸の伸長は少なくとも1つの荷電アミノ酸を含む。例示的特徴では、伸長はX1-X2のアミノ酸配列を含み、ここでX1は荷電アミノ酸であり、X2は小さな脂肪族アミノ酸である。いくつかの特徴では、X1は陽性荷電アミノ酸(例えばArg)である。いくつかの特徴では、伸長はArg-Glyを含む。
したがって、また別の例示的実施態様では、グルカゴンアナローグは、(i)イミダゾール側鎖を含む1位のアミノ酸、(ii)2位のDPP-IV保護アミノ酸、場合によってアミノイソ酪酸、(iii)場合によって9、10、12、16、20又は37−43位のいずれかに、本来のものではないアシル基又はアルキル基を含むアミノ酸(場合によって前記本来のものではないアシル基又はアルキル基はスペーサーを介してそのようなアミノ酸に結合される)、(iv)16−21位の1つ以上に、場合によって16位に(この場合にはアナローグは20位にアルファヘリックス安定化アミノ酸を含まない)アルファヘリックス安定化アミノ酸、及び(v)配列番号:1と対比して10まで(例えば1、2、3、4、5、6、7、8又は9)のさらに別のアミノ酸改変を含む。例示的な特徴では、アナローグは20位にアルファアルファ二置換アミノ酸(場合によってAIB、又は以下から成る群から選択されるアルファヘリックス安定化アミノ酸:Leu、Phe、Ala、Met、Gly、Ile、Ser、Asn、Glu、Asp、Lys及びArg)を含まない。例示的な特徴では、グルカゴンアナローグは、配列番号:1と対比して20位で改変されず、したがってこの位置におけるグルカゴンの本来のアミノ酸であるGlnを有する。
例示的な実施態様では、グルカゴンアナローグが16−21位の1つ以上にアルファヘリックス安定化アミノ酸を含むとき、場合によって16位にアルファヘリックス安定化アミノ酸を含みアナローグが20位にアルファヘリックス安定化アミノ酸を含まないとき、さらにグルカゴンアナローグが親水性成分を欠くとき、当該グルカゴンアナローグは、少なくとも0.1%(例えば少なくとも1%、少なくとも10%、少なくとも20%)のGIPパーセンテージポテンシーを示す。例示的な実施態様では、グルカゴンアナローグは、GIPレセプターと対比して、100倍未満(例えば約90倍以下、約80倍以下、約70倍以下、約60倍以下、約50倍以下、約40倍以下、約30倍以下、約20倍以下、約15倍以下、約10倍以下、約5倍以下)のヒトGLP-1レセプターに対する選択性を有する。例示的な特徴では、本ペプチドは、GLP-1レセプターにおけるそのEC50の100倍未満(例えば約90倍以下、約80倍以下、約70倍以下、約60倍以下、約50倍以下、約40倍以下、約30倍以下、約20倍以下、約15倍以下、約10倍以下、約5倍以下)、場合によってグルカゴンレセプターにおけるそのEC50の100倍未満(例えば約90倍以下、約80倍以下、約70倍以下、約60倍以下、約50倍以下、約40倍以下、約30倍以下、約20倍以下、約15倍以下、約10倍以下、約5倍以下)であるGIPレセプターにおけるEC50を有する。
例示的な特徴では、グルカゴンアナローグが16−21位の1つ以上にアルファヘリックス安定化アミノ酸を含み、さらにアナローグが20位にアルファヘリックス安定化アミノ酸を含まないとき、グルカゴンアナローグは、場合によって16位にアルファヘリックス安定化アミノ酸を含み、ここでアルファヘリックス安定化アミノ酸は、陰性荷電アミノ酸(例えばGlu又はAsp)又はアルファアルファ二置換アミノ酸である。16位のα,α-二置換アミノ酸は、その各々がアルファ炭素と結合するR1及びR2を含み、ここでR1及びR2の各々は、それぞれ別個にC1-C4アルキル(場合によってヒドロキシル、アミド、チオール、ハロで置換される)から成る群から選択されるか、又はR1及びR2は、それらが結合しているアルファ炭素と一緒になって環を形成する。例示的な特徴では、16位のアミノ酸はAIBである。例示的な特徴では、グルカゴンアナローグは、18位に小さな脂肪族アミノ酸(場合によってAla)及び17位にArgを含む。例示的な特徴では、グルカゴンアナローグは、16位から20位として配列ERAAQ(配列番号:200)を、又は16位から21位としてERAAQD(配列番号:201)を含む。
例示的特徴では、グルカゴンアナローグは、本来のものではないアシル基又はアルキル基を含むアミノ酸を9、10、12、16、20位のいずれか1つに含む。例示的な特徴では、グルカゴンアナローグは、C12からC18アシル基又はアルキル基に共有結合したアミノ酸を9、10、12、13、14、16、17、及び20位のいずれか1つ以上に含む。例示的な特徴では、グルカゴンアナローグは、C12からC18アシル基又はアルキル基に共有結合したアミノ酸を10、14位のいずれか1つ以上に含む。いくつかの特徴では、グルカゴンアナローグは、アシル化アミノ酸又はアルキル化アミノ酸を10、12、又は16位に含む。例示的特徴では、アシル化アミノ酸又はアルキル化アミノ酸は14位に存在する。いくつかの特徴では、グルカゴンアナローグは、C-末端から29位のアミノ酸に1から21アミノ酸の伸長を含み、37−43位のいずれか(例えば37、38、39、40、41、42、43)に本来のものではないアシル基又はアルキル基を含むアミノ酸を含む。いくつかの特徴では、本来のものではないアシル基又はアルキル基を含むアミノ酸は40位に存在する。
例示的実施態様では、アシルは
例示的な特徴では、グルカゴンアナローグは、C-末端から29位のアミノ酸に1から21アミノ酸の伸長を含み、いくつかの特徴では、伸長はTrpケージとして当業界で公知の構造を形成する。いくつかの特徴では、伸長は、アミノ酸配列GPSSGAPPPS(配列番号:5)若しくはGGPSSGAPPPS(配列番号:6)若しくはGPSSGRPPPS(配列番号:183)又は1つ、2つ又は3つの保存的アミノ酸置換を有する前述の配列の1つを含む。また別の特徴では、伸長は、少なくとも1つの荷電アミノ酸を含む。例えば伸長はX1-X2のアミノ酸配列を含み、ここでX1は荷電アミノ酸(例えば陽性荷電アミノ酸(例えばArg))及びX2は小さな脂肪族アミノ酸である。いくつかの特徴では、伸長はArg-Glyを含む。
例示的な特徴では、アシル化アミノ酸又はアルキル化アミノ酸は、式Iの構造(場合によってLys)、式IIの構造(場合によってCys)又は式IIIの構造(場合によってSer)を含む。場合によっていくつかの特徴では、アシル化アミノ酸又はアルキル化アミノ酸は式Iの構造(例えばLys)を含む。
いくつかの実施態様では、アシル化アミノ酸又はアルキル化アミノ酸は、アミン側鎖を含む芳香族アミノ酸である。例示的な特徴では、アミン側鎖を含む芳香族アミノ酸は4-アミノ-フェニルアラニン(4-アミノPhe)、p-アミノフェニルグリシン、p-アミノホモフェニルアラニン又は3-アミノチロシンである。例示的な特徴では、アミン側鎖を含む芳香族アミノ酸は4-アミノ-Pheである。例示的な特徴では、アシル化アミノ酸又はアルキル化アミノ酸は式IIのアミノ酸であり、nは2である(ホモセリン)。例示的な特徴では、アシル化アミノ酸又はアルキル化アミノ酸はThr又はホモスレオニンである。例示的な実施態様では、アシル化アミノ酸又はアルキル化アミノ酸は、ヒドロキシル側鎖を含む芳香族アミノ酸であり、前記にはチロシン、ホモチロシン、メチル-チロシン又は3-アミノチロシンが含まれるが、ただし前記に限定されない。
例示的な特徴では、グルカゴンアナローグは、Cx-スクシノイルと共有結合したアミノ酸を含み、ここでxは10から26の整数、場合によって12から18の整数である。例示的特徴では、Cx-スクシノイルはスペーサーを介してペプチド又はグルカゴンアナローグに結合する。スペーサーは本明細書に記載したものの任意の1つであり得る。
いくつかの特徴では、アシル化アミノ酸又はアルキル化アミノ酸は、スペーサーを介してアシル基又はアルキル基に結合する。いくつかの特徴では、スペーサーは長さが3から10原子である。いくつかの特徴では、スペーサーは一アミノ酸又はジペプチドであり、いくつかの特徴では、スペーサーは1つ又は2つの酸性アミノ酸残基、例えばGluを含む。いくつかの特徴では、スペーサー及びアシル基は長さが約14から約28原子である。いくつかの特徴では、スペーサーはLysを含む。いくつかの特徴では、スペーサーは、2つのCys、ガンマ-Glu及びLysの組合せ又は2つのガンマ-Glu残基を含む。
具体的な特徴では、スペーサーはCys残基であり、前記はアルキル基(例えば非官能化又は官能化炭素鎖)と共有結合する。例示的特徴では、Cys残基は、場合によってS-パルミチルアルキル化(すなわちS-パルミテートアルキル化)され、ここでCys残基は、ペプチド骨格の部分であるLys残基に結合する。また別の実施態様では、スペーサーはCysを含むジペプチドであり、前記はアルキル基と共有結合する。例示的特徴では、CysはS-パルミチルアルキル化され、さらにCysはスペーサーの別のアミノ酸と結合し、前記は続いて例えばLys残基(ペプチド骨格の部分である)と結合する。
例示的特徴では、スペーサーは、構造[-O-CH2-CH2-]nを含む小さなポリエチレングリコール成分(PEG)を含む(式中、nは2から16(例えば2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16)の整数である)。
アシル化アミノ酸に関しては、いくつかの特徴のアシル基はC12からC18(例えばC12、C13、C14、C15、C16、C17、C18)の脂肪アシル基である。いくつかの特徴では、アシル基はC14又はC16脂肪アシル基である。また別の特徴では、アシル基はコハク酸又はコハク酸誘導体(例えば式V、VI又はVIIのコハク酸誘導体)である。また別の特徴では、アシル基はマレイン酸又はマレイン酸誘導体(例えば式VIII、IX又はXのマレイン酸誘導体)である。
アルキル化アミノ酸に関しては、いくつかの特徴における本来のものではないアルキル基は、-Cx-COOHの構造のカルボキシ-官能化炭素鎖であり、式中xは整数、場合によって4−30の間の整数(例えば4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30)である。
例示的な特徴では、ペプチド又はグルカゴンアナローグは2つ以上のアシル基又はアルキル基を含む。これに関しては、ペプチド又はグルカゴンアナローグは、二アシル化又は二重アシル化ペプチドであり得る。2つ以上のアシル基又はアルキル基は、場合によって介在スペーサーを用いて線状構造で編成できる。2つ以上のアシル基又はアルキル基は、本明細書に記載するように分枝構造で編成できる。例示的な特徴では、2つのアシル基又はアルキル基はLysスペーサー残基と結合する。
本開示のいくつかの特徴では、グルカゴンアナローグは、C-末端から27位のアミノ酸までに少なくとも1つの荷電アミノ酸を含む。例えば、いくつかの特徴では、グルカゴンアナローグは、28位に荷電アミノ酸(例えば陰性荷電アミノ酸)を含む。いくつかの特徴では、陰性荷電アミノ酸はAspである。また別の特徴では、28位のアミノ酸は陽性荷電アミノ酸であり、例えば、陽性荷電アミノ酸は式Iのアミノ酸(例えばLys)である。
また別の或いは追加の特徴では、グルカゴンアナローグは、27位に、28位に又は27位と28位の両方にアミノ酸改変を含む。例えば、いくつかの特徴では、27位のアミノ酸はLeu、Nle、Val又はLysであり、及び/又は29位のアミノ酸はいくつかの特徴ではGly又はThrである。
本明細書に記載のグルカゴンアナローグは本明細書でさらに考察するように、配列番号:1と対比して追加のアミノ酸改変、例えば10(例えば0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10)までの追加のアミノ酸改変を含むことができる。例示的な特徴では、グルカゴンアナローグは以下の1つ以上を含む:
a)ペプチドアナローグの1位にDPP-IV保護アミノ酸;
b)3位に酸性アミノ酸、場合によってGlu;
c)7位にIle;
d)12位にIle又はArg;
e)15位に酸性アミノ酸、場合によってGlu;
f)18位に脂肪族アミノ酸、場合によってAla;
g)21位に酸性アミノ酸、場合によってGlu;
h)24位にAsn、Ala又はAIB;
i)27位に脂肪族アミノ酸、場合によってAla又はLeu又はNle;
j)28位に酸性アミノ酸、場合によってGlu、又は脂肪族アミノ酸、場合によってAla;
k)29位に脂肪族アミノ酸、場合によってAla;
l)C-末端でアミド化。
前述の記載にしたがえば、例示的特徴のグルカゴンアナローグは、配列番号:27−33、35−41,43−46、76−80、83−87、89及び90のいずれか、又は配列番号:94−100、102−112、120−112、120−124、127−131のいずれかのアミノ酸配列を含む。例示的特徴では、グルカゴンアナローグは、配列番号:94−100、102−112、120―124、127−131のいずれかを含むか、又は前記のいずれかから成る。例示的特徴では、グルカゴンアナローグは、配列番号:28、29、31、37−41、43−46、76−80、83−87、89及び90いずれかを含むか、又は前記のいずれかから成る。例示的特徴では、グルカゴンアナローグは、配列番号:28、29、31、37−41、79、80、89、90、95、130、145-152、155−167、171、176、177、180、203−207、212及び203のいずれかを含むか、又は前記のいずれかから成る。例示的特徴では、グルカゴンアナローグは配列番号:27を含むか、又は前記から成る。例示的特徴では、グルカゴンアナローグは配列番号:30を含むか、又は前記から成る。例示的特徴では、グルカゴンアナローグは配列番号:32を含むか、又は前記から成る。例示的特徴では、グルカゴンアナローグは配列番号:33を含むか、又は前記から成る。例示的特徴では、グルカゴンアナローグは配列番号:35を含むか、又は前記から成る。例示的特徴では、グルカゴンアナローグは配列番号:36を含むか、又は前記から成る。例示的特徴では、グルカゴンアナローグは配列番号:28を含むか、又は前記から成る。例示的特徴では、グルカゴンアナローグは配列番号:37を含むか、又は前記から成る。例示的特徴では、グルカゴンアナローグは配列番号:89を含むか、又は前記から成る。例示的特徴では、グルカゴンアナローグは配列番号:31を含むか、又は前記から成る。例示的特徴では、グルカゴンアナローグは配列番号:180を含むか、又は前記から成る。
本発明はさらに配列番号:28の配列を含むペプチドを提供する。例示的特徴では、ペプチドは配列番号:28から成る。
配列番号:31の配列を含むペプチドはもまた本発明によって提供される。例示的特徴では、ペプチドは配列番号:31から成る。
本発明はさらに配列番号:37の配列を含むペプチドを提供する。例示的特徴では、ペプチドは配列番号:37から成る。
本発明はさらにまた配列番号:89の配列を含むペプチドを提供する。例示的特徴では、ペプチドは配列番号:89から成る。
本発明はさらにまた配列番号:95の配列を含むペプチドを提供する。例示的特徴では、ペプチドは配列番号:95から成る。
本発明はさらにまた配列番号:130の配列を含むペプチドを提供する。例示的特徴では、ペプチドは配列番号:130から成る。
さらにまた、配列番号:31を含むペプチドが本明細書で提供される。例示的特徴では、ペプチドは配列番号:180から成る。
本発明は、以下の配列番号:184の配列を含むペプチドを提供する:
HX2X3GTFTSDX10SKYLDX16RX18AX20X21FVQWLX27X28X29GPSSGX35PPPS(配列番号:184)
式中、
X2はAIBであり;
X3はGln又はGlnアナローグであり;
X10はTyr又はC12からC18のアシル又はアルキル基に共有結合したアミノ酸であり;
X16は任意のアミノ酸、場合によってGly、Pro及びSer以外の任意のアミノ酸であり;
X18はArg又はAlaであり;
X20は陰性荷電アミノ酸又は中性荷電アミノ酸、場合によってAIB又はGlnであり;
X21は酸性アミノ酸、場合によってAsp又はGluであり;
X27はLeu、Ala、Nle、又はMetであり;
X28はAla又は酸性アミノ酸(場合によってAsp又はGlu)であり;
X29はAla又はGlyであり;
X35はAla又は塩基性アミノ酸(場合によってArg又はLys)であり;
ここで、X28が酸性アミノ酸であるとき、X35は塩基性アミノ酸であり;
ここで、X10がTyrであるとき、ペプチドは、C12からC18のアシル又はアルキル基に共有結合したアミノ酸を40位に含み、さらに場合によってペプチドは41位にGlyを含み、
ここで、ペプチドのC-末端アミノ酸はアミド化される。
例示的特徴では、配列番号:184のX10はTyrであり、ペプチドは、C12からC18のアシル又はアルキル基に共有結合したアミノ酸を40位に含み、さらに場合によってペプチドは41位にGlyを含む。例示的特徴では、配列番号:184のX10は、C12−C18アシル又はアルキル基に共有結合したアミノ酸である。
例示的特徴では、配列番号:184のX20はGlnであり、場合によって16位のアミノ酸は陰性荷電アミノ酸(例えばGlu)である。例示的特徴では、配列番号:184のX18はAlaであり、当該ペプチドはE16、R17、A17、A19及びQ20を含む。
また別の例示的な特徴では、配列番号:184のX20はAIBである。場合によって、配列番号:184のX16はAIB以外の任意のアミノ酸である。
さらにまた例示的特徴では、(i)配列番号:184のX28は酸性アミノ酸(場合によってAsp又はGlu)で、さらに配列番号:184のX35は塩基性アミノ酸(場合によってArg又はLys)であり、(ii)配列番号:184のX27、X28及びX29のただ1つがAlaであり、(iii)ペプチドはC-末端にアミド化Glyを含む。
本発明はまた、配列番号:184と対比して、3つまでのアミノ酸改変(例えば保存的置換)を有する配列番号:184の配列を含むペプチドを提供し、ここでアナローグは、ヒトGIPレセプター、ヒトGLP-1レセプター及びヒトグルカゴンレセプターの各々でアゴニスト活性を示す。例示的実施態様では、グルカゴンアナローグのヒトGIPレセプター、ヒトGLP-1レセプター及びヒトグルカゴンレセプターの各々における活性(例えばEC50)は、互いの活性の100倍以内(例えば50倍以内、25倍以内、10倍以内)である。
本発明はさらに以下の配列番号:185の配列を含むペプチドを提供する:
HX2QGTFTSDX10SKYLDX16RX18AX20X21FVQWLX27X28X29GPSSGAPPPS(配列番号:185)
式中、
X2はAIBであり;
X10はTyr又はC12からC18のアシル又はアルキル基に共有結合したアミノ酸であり;
X16はGlu、アルファアルファ二置換アミノ酸、Lysであるか、又は
X18はArg又はAlaであり;
X20はAIB又はGlnであり;
X21はAsp又はGluであり;
X27はLeu、Nle、又はMetであり;
X28はAla、Asp又はGluであり;
X29はGly又はThrであり;さらに
ここで、X10がTyrであるとき、ペプチドは、C12からC18のアシル又はアルキル基に共有結合したアミノ酸を40位に含み、さらに場合によってペプチドは41位にGlyを含み、
ここで、ペプチドのC-末端アミノ酸はアミド化される。
本発明はまた、配列番号:185と対比して、3つまでのアミノ酸改変(例えば保存的置換)を有する配列番号:185の配列を含むペプチドを提供し、ここでアナローグは、ヒトGIPレセプター、ヒトGLP-1レセプター及びヒトグルカゴンレセプターの各々でアゴニスト活性を示す。例示的実施態様では、グルカゴンアナローグのヒトGIPレセプター、ヒトGLP-1レセプター及びヒトグルカゴンレセプターの各々における活性(例えばEC50)は、互いの活性の100倍以内(例えば50倍以内、25倍以内、10倍以内)である。
本発明はまた以下の配列番号:196の配列を含むペプチドを提供する:
HX2X3GTFTSDX10SKYLDX16RX18AX20X21FVQWLX27X28X29GPSSGX35PPPS(配列番号:196)
式中、
X2はAIBであり;
X3はGln又はGlnアナローグ、又はグルカゴンアナローグの活性を低下させるアミノ酸(場合によってGlu)であり;
X10はTyr又はC12からC18のアシル又はアルキル基と共有結合したアミノ酸であり;
X16は任意のアミノ酸、場合によってGly、Pro及びSer以外の任意のアミノ酸であり;
X18はArg又はAlaであり;
X20は陰性荷電アミノ酸又は中性荷電アミノ酸、場合によってAIB又はGlnであり;
X21は酸性アミノ酸、場合によってAsp又はGluであり;
X27はLeu、Ala、Nle、又はMetであり;
X28はAla又は酸性アミノ酸(場合によってAsp又はGlu)であり;
X29はAla又はGlyであり;
X35はAla又は塩基性アミノ酸(場合によってArg又はLys)であり;
ここで、X10がTyrであるとき、ペプチドは、C12からC18のアシル又はアルキル基に共有結合したアミノ酸を40位に含み、さらに場合によって、ペプチドはGlyを41位に含み、さらに
ペプチドのC-末端アミノ酸はアミド化される。
グルカゴン活性を低下させる追加のアミノ酸は本明細書に記載されている。“3位:”の表題のセクションを参照されたい。例示的特徴では、X3は、酸性、塩基性又は疎水性アミノ酸(例えばグルタミン酸、オルニチン、ノルロイシン)である。例示的特徴では、、X3はGluである。
さらにまた以下の配列番号:186の配列を含むペプチドが提供される:
HX2X3GTFTSDX10SKYLDX16RX18AX20X21FVQWLX27X28X29(配列番号:186)
式中、
X2はAIBであり;
X3はGln又はGlnアナローグであり;
X10はTyr又はC10からC26のアシル又はアルキル基と共有結合したアミノ酸であり;
X16は任意のアミノ酸、場合によってGly、Pro及びSer以外の任意のアミノ酸であり;
X18はArg又はAlaであり;
X20は陰性荷電アミノ酸又は中性荷電アミノ酸、場合によってAIB又はGlnであり;
X21は酸性アミノ酸、場合によってAsp又はGluであり;
X27はLeu、Ala、Nle、又はMetであり;
X28はAla又は酸性アミノ酸(場合によってAsp又はGlu)であり;
X29はAla、Gly又はThrであり;さらに
ここで、ペプチドは、C10からC26のアシル又はアルキル基に共有結合したアミノ酸を場合によって10位に含み、さらにペプチドのC-末端アミノ酸はアミド化される。
例示的特徴では、配列番号:186のX20はAIBである。例示的特徴では、X29はThrであり、ペプチドはGPSSGAPPPS(配列番号:5)を含まない。いくつかの特徴では、配列番号:186のX20はAIBであり、X16はAIB以外のアミノ酸である。
例示的特徴では、X20はGlnである。いくつかの特徴では、X16は陰性荷電アミノ酸、場合によってGluである。例示的特徴では、X18はAlaであり、場合によってペプチドはE16、R17、A18、A19及びQ20を含む。
いくつかの特徴では、配列番号:186のペプチドは、C-末端から29位のアミノ酸に1から21アミノ酸の伸長を含み、場合によって29位のアミノ酸はGlyである。例示的特徴では、伸長は、GPSSGAPPPS(配列番号:5)又はその保存的置換配列を含むか、又は伸長は配列X1-X2を含み、ここでX1は荷電アミノ酸であり、X2は小さな脂肪族アミノ酸であり、場合によってX1は陽性荷電アミノ酸である。いくつかの特徴では、陽性荷電アミノ酸はArgであり、さらにペプチドは場合によってArg-Glyを含むか又は前記から成る。ある種の特徴では、伸長は、アミノ酸配列GPSSGAPPPS(配列番号:5)とその後に続くLys又はLys-Glyを含み、ここでLysはC10からC26のアシル基に共有結合する。
例示的な特徴では、ペプチドは配列番号:186を含み、X2はAIBであり、X3はGlnであり、X10はC10からC26のアシル又はアルキル基と共有結合したアミノ酸であり、X18はArg又はAlaであり、X20はAIB又はGlnであり、X21はAsp又はGluであり、X29はGlyであり、さらにC-末端はアミド化され、ここで29位のGlyはGPSSGAPPPSと融合し、Lys又はLys-GLYが後に続き、ここでLysはC10−C26アシル基と共有結合する。
本発明はまた、配列番号:186と対比して、3つまでのアミノ酸改変(例えば保存的置換)を有する配列番号:186の配列を含むペプチドを提供し、ここでアナローグは、ヒトGIPレセプター、ヒトGLP-1レセプター及びヒトグルカゴンレセプターの各々でアゴニスト活性を示す。例示的実施態様では、グルカゴンアナローグのヒトGIPレセプター、ヒトGLP-1レセプター及びヒトグルカゴンレセプターの各々における活性(例えばEC50)は、互いの活性の100倍以内(例えば50倍以内、25倍以内、10倍以内)である。
本発明は以下の配列番号:187の配列を含むペプチドを提供する:
HX2QGTFTSDX10SKYLDX16RX18AX20X21FVQWLX27X28X29(配列番号:187)
式中、
X2はAIBであり;
X10はTyr又はC10からC26のアシル又はアルキル基と共有結合したアミノ酸であり;
X16はGlu、アルファアルファ二置換アミノ酸、又はLysであり;
X18はArg又はAlaであり;
X20は陰性荷電アミノ酸又は中性荷電アミノ酸、場合によってAIB又はGlnであり;
X21はAsp又はGluであり;
X27はLeu、Ala、Nle、又はMetであり;
X28はAla、Asp又はGluであり;
X29はGly又はThrであり;さらに
ここで、ペプチドは、C12からC18のアシル又はアルキル基と共有結合したアミノ酸を場合によって10位に含み、さらにペプチドのC-末端アミノ酸はアミド化される。
本発明はまた、配列番号:187と対比して、3つまでのアミノ酸改変(例えば保存的置換)を有する配列番号:187の配列を含むペプチドを提供し、ここでアナローグは、ヒトGIPレセプター、ヒトGLP-1レセプター及びヒトグルカゴンレセプターの各々でアゴニスト活性を示す。例示的実施態様では、グルカゴンアナローグのヒトGIPレセプター、ヒトGLP-1レセプター及びヒトグルカゴンレセプターの各々における活性(例えばEC50)は、互いの活性の100倍以内(例えば50倍以内、25倍以内、10倍以内)である。
本発明は以下の配列番号:198の配列を含むペプチドを提供する:
HX2X3GTFTSDX10SKYLDX16RX18AX20X21FVQWLX27X28X29(配列番号:198)
式中、
X2はAIBであり;
X3はGln又はGlnアナローグ、又はグルカゴン活性を低下させるアミノ酸(例えばGlu)であり;
X10はTyr又はC10からC26のアシル又はアルキル基と共有結合したアミノ酸であり;
X16は任意のアミノ酸、場合によってGly、Pro及びSer以外の任意のアミノ酸であり;
X18はArg又はAlaであり;
X20は陰性荷電アミノ酸又は中性荷電アミノ酸、場合によってAIB又はGlnであり;
X21は酸性アミノ酸、場合によってAsp又はGluであり;
X27はLeu、Ala、Nle、又はMetであり;
X28はAla又は酸性アミノ酸(場合によってAsp又はGlu)であり;
X29はAla、Gly又はThrであり;さらに
ここで、ペプチドは、C10からC26のアシル又はアルキル基と共有結合したアミノ酸を場合によって10位に含み、さらにペプチドのC-末端アミノ酸はアミド化される。
グルカゴン活性を低下させる追加のアミノ酸は本明細書に記載されている。“3位:”の表題のセクションを参照されたい。例示的特徴では、X3は、酸性、塩基性又は疎水性アミノ酸(例えばグルタミン酸、オルニチン、ノルロイシン)である。例示的特徴では、、X3はGluである。
本発明は配列番号:184を含むペプチドを提供する。本発明は配列番号:185を含むペプチドを提供する。本発明は配列番号:196を含むペプチドを提供する。本発明は配列番号:186を含むペプチドを提供する。本発明は配列番号:187を含むペプチドを提供する。本発明は配列番号:198を含むペプチドを提供する。
さらにまた、本明細書で提供されるものは、GIPアゴニスト活性を有し、
(a)イミダゾール側鎖を含む1位のアミノ酸
(b)16位の下記式IVのアミノ酸:
Figure 2014507402
[式IV]
(式中、nは1から7であり、R1及びR2の各々はそれぞれ別個に、H、C1−C18アルキル、(C1−C18アルキル)OH、(C1−C18アルキル)NH2、(C1−C18アルキル)SH、(C0−C4アルキル)(C3−C6)シクロアルキル、(C0−C4アルキル)(C2−C5複素環式)、(C0−C4アルキル)(C6−C10アリール)R7、及び(C1−C4アルキル)(C3−C9ヘテロアリール)から成る群から選択され、R7はH又はOHであり、場合によって式IVのアミノ酸の側鎖は遊離アミノ基を含む)、
(c)20位のα,α-二置換アミノ酸、
(d)配列番号:1と対比して10までの追加のアミノ酸改変、
を含むグルカゴン(配列番号:1)のアナローグであって、
ここで、前記アナローグが親水性成分を欠くとき、グルカゴンアナローグは、GIPレセプターにおいて本来のGIPの少なくとも0.1%の活性を示し、前記グルカゴンアナローグは、GIPレセプターと対比してヒトGLP-1レセプターに対して100倍未満の選択性を有する。
例示的実施態様では、GIPアゴニスト活性を有するグルカゴン(配列番号:1)のアナローグは、
(a)イミダゾール側鎖を含む1位のアミノ酸
(b)16位の下記式IVのアミノ酸:
Figure 2014507402
[式IV]
(式中、nは1から7であり、R1及びR2の各々はそれぞれ別個に、H、C1−C18アルキル、(C1−C18アルキル)OH、(C1−C18アルキル)NH2、(C1−C18アルキル)SH、(C0−C4アルキル)(C3−C6)シクロアルキル、(C0−C4アルキル)(C2−C5複素環式)、(C0−C4アルキル)(C6−C10アリール)R7、及び(C1−C4アルキル)(C3−C9ヘテロアリール)から成る群から選択され、R7はH又はOHであり、場合によって式IVのアミノ酸の側鎖は遊離アミノ基を含む)、
(c)20位のα,α-二置換アミノ酸、
(d)配列番号:1と対比して10までの追加のアミノ酸改変
の1つ以上を含み、ここで、前記アナローグが異種成分、例えば親水性成分(例えばPEG)を欠くとき、グルカゴンアナローグは、GIPレセプターで本来のGIPの活性の少なくとも又は約0.1%(例えば少なくとも又は約1%、少なくとも又は約10%、少なくとも又は約50%、少なくとも又は約80%、少なくとも又は約100%、少なくとも又は約500%)を示す。例示的特徴では、前記ペプチドは、GLP-1レセプターにおけるそのEC50の100倍未満(例えば約90倍以下、約80倍以下、約70倍以下、約60倍以下、約50倍以下、約40倍以下、約30倍以下、約20倍以下、約15倍以下、約10倍以下、約5倍以下)、場合によってグルカゴンレセプターにおけるそのEC50の100倍未満(例えば約90倍以下、約80倍以下、約70倍以下、約60倍以下、約50倍以下、約40倍以下、約30倍以下、約20倍以下、約15倍以下、約10倍以下、約5倍以下)であるGIPレセプターにおけるEC50を有する。
例示的実施態様では、グルカゴンアナローグは、1位に下記式Aの構造を含むアミノ酸を含む:
Figure 2014507402
[式A]
式中、R1及びR2の各々はそれぞれ別個に、H、(C1-6)アルキル、O(C1-6)アルキル、(C1-6)アルキル-OH、F、及び少なくとも1つのHがFで置換されている(C1-C6)アルキルから成る群から選択される。
例示的な特徴では、1位のアミノ酸は、グルカゴン(配列番号:1)の本来の残基、L-ヒスチジン(His)であるか、又はHisの誘導体(His誘導体)、例えばD-ヒスチジン、デスアミノヒスチジン、ヒドロキシル-ヒスチジン、アセチル-ヒスチジン、ホモ-ヒスチジン、N-メチルヒスチジン、アルファ-メチルヒスチジン、イミダゾール酢酸、又はアルファアルファジメチルイミダゾール酢酸(DMIA)である。
例示的特徴では、グルカゴンアナローグは、16位に(b)の式IVのアミノ酸を含み、前記はホモLys、Lys、Orn、又は2,4-ジアミノ酪酸(Dab)である。
例示的特徴では、20位のアミノ酸(例えばα,α-二置換アミノ酸)は、R1及びR2を含み(その各々はアルファ炭素に結合する)、ここでR1及びR2の各々はそれぞれ別個に、C1−C4アルキル(場合によってヒドロキシル、アミド、チオール、ハロで置換される)から成る群から選択されるか、又はR1及びR2はそれらが結合するアルファ炭素と一緒になって環を形成する。例示的な特徴では、20位のα,α-二置換アミノ酸はAIBである。他の例示的な特徴では、20位のα,α-二置換アミノ酸はACPCである。
例示的な特徴では、グルカゴンアナローグは、配列番号:1と対比して10までの追加の改変を含む。例示的な特徴では、グルカゴンアナローグは、配列番号:1と対比して、2、12、17、18、21、24、27、28及び29位の1つ以上にアミノ酸置換を含む。例示的な特徴では、グルカゴンアナローグは以下の1つ以上を含む:
i. 2位のDPP-IV保護アミノ酸、場合によってAIB又はD-Ser;
ii. 12位の大きい脂肪族の非極性アミノ酸、場合によってIle;
iii. 17位のArg以外のアミノ酸、場合によってGln;
iv. 18位の小さな脂肪族アミノ酸、場合によってAla;
v. 21位のAsp以外のアミノ酸、場合によってGlu;
vi. 24位のGln以外のアミノ酸、場合によってAsn又はAla;
vii. 27位のMet以外のアミノ酸、場合によってLeu;
viii.28位のAsn以外のアミノ酸、場合によってAla;
ix. 29位のThr以外のアミノ酸、場合によってGly;及び
x. C-末端から29位のアミノ酸に1から21アミノ酸の伸長
例示的な特徴では、グルカゴンアナローグは、GPSSGAPPPS又はGPSSGAPPPSCの伸長を含む。
例示的な特徴では、1位にHis、16位にLys及び20位にAIBを含むグルカゴンアナローグは、17-18位のGln-Alaを含まない。
他の例示的実施態様では、グルカゴンアナローグは、配列番号:48、52、53及び74のいずれかのアミノ酸配列を含む。そのようなグルカゴンアナローグは、配列番号:27−33、35−41、43−46、76−80、83−87、89及び90のグルカゴンアナローグと構造が類似するが、ただし前者のグルカゴンアナローグ(配列番号:48、52、53及び74)はアシル化アミノ酸又はアルキル化アミノ酸を含まないという点を除く。
さらに他の例示的実施態様では、グルカゴンアナローグは、配列番号:50、51、54、56、58−60、62−66、68−70、72、73、75、81、82、88及び92のいずれか、又は配列番号:114−119、125、126及び133のいずれか、又は配列番号:139−144、150−153、208、210及び211のいずれかのアミノ酸配列を含む。そのようなグルカゴンアナローグは、1位に大きな芳香族アミノ酸、例えばTyrを含む。
いくつかの実施態様では、GIPアゴニストペプチドは、配列番号:27−33、35−41、43−46、76−80、83−87、89、90、94−100、102−112、120−124及び127−131のいずれか、又は配列番号:48、52、53及び74のいずれか、又は配列番号:50、51、54、56、58−60、62−66、68−70、72、73、75、81、82、88、92、114−119、125、126及び133のいずれかのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施態様では、GIPアゴニストペプチドは、配列番号:28、29、31、37−41、79、80、89、90、95、130、145−152、155−167、171、176、177、180、203−207、212及び230のいずれかのアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施態様では、GIPアゴニストペプチドは、配列番号:27−33、35−41、43−46、76−80、83−87、89、90、94−100、102−112、120−124及び127−131のいずれか、又は配列番号:48、52、53及び74のいずれか、又は配列番号:50、51、54、56、58−60、62−66、68−70、72、73、75、81、82、88、92、114−119、125、126及び133のいずれか、又は配列番号:28、29、31、37−41、79、80、89、90、95、130、145−152、155−167、171、176、177、180、203−207、212及び230のいずれかのアミノ酸配列を含む親配列を土台とする構造を含むが、ただし1つ以上の位置で親配列とは相違する。
いくつかの又はいずれかの実施態様では、本開示のペプチドは、配列番号:27−33、35−41、43−46、76−80、83−87、89、90、94−100、102−112、120−124及び127−131のいずれか、又は配列番号:48、52、53及び74のいずれか、又は配列番号:50、51、54、56、58−60、62−66、68−70、72、73、75、81、82、88、92、114−119、125、126及び133のいずれか、又は配列番号:28、29、31、37−41、79、80、89、90、95、130、145−152、155−167、171、176、177、180、203−207、212及び230のいずれかを含む親配列のアナローグ(親配列のアミノ酸配列を土台にしたアミノ酸配列を含む)であるが、しかしながらアナローグのアミノ酸配列が1つ以上(例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15)、及びいくつかの事例では16以上(例えば17、18、19、20、21、22、23、24、25など)の特定の又は随意のアミノ酸改変を含むので親配列とは相違する。いくつかの又はいずれかの実施態様では、本開示のペプチドは、配列番号:27−33、35−41、43−46、76−80、83−87、89、90、94−100、102−112、120−124及び127−131のいずれか、又は配列番号:48、52、53及び74のいずれか、又は配列番号:50、51、54、56、58−60、62−66、68−70、72、73、75、81、82、88、92、114−119、125、126及び133のいずれか、又は配列番号:28、29、31、37−41、79、80、89、90、95、130、145−152、155−167、171、176、177、180、203−207、212及び230のいずれかを含む親配列と対比して、合計して1つ、2つまで、3つまで、4つまで、5つまで、6つまで、7つまで、8つまで、9つまで又は10までの追加のアミノ酸改変を含む。いくつかの又はいずれかの実施態様では、改変は、グルカゴンアナローグに関して本明細書に記載した改変のいずれかであり、例えばアシル化、アルキル化、PEG化、C-末端の切断、1、2、3、7、10、12、15、16、17、18、19、20、21、23、24、27、28及び29位の1つ以上におけるアミノ酸の置換である。
いくつかの又はいずれかの実施態様では、改変は、アミノ酸の置換又は取換え(例えば保存的アミノ酸置換)である。いくつかの特徴では、保存的置換は、2、5、7、10、11、12、13、14、16、17、18、19、20、21、24、27、28又は29位の1つ以上におけるアミノ酸の取換えである。また別の実施態様では、アミノ酸置換は保存的置換ではない。例えばアミノ酸置換は非保存的アミノ酸置換である。
いくつかの実施態様では、本開示のペプチドは、親配列(配列番号:27−33、35−41、43−46、76−80、83−87、89、90、94−100、102−112、120−124及び127−131のいずれか、又は配列番号:48、52、53及び74のいずれか、又は配列番号:50、51、54、56、58−60、62−66、68−70、72、73、75、81、82、88、92、114−119、125、126及び133のいずれか、又は配列番号:28、29、31、37−41、79、80、89、90、95、130、145−152、155−167、171、176、177、180、203−207、212及び230のいずれかを含む)のアミノ酸配列と少なくとも25%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施態様では、本開示のペプチドは、親配列と少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%又は90%を超える配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施態様では、上記に記載の%配列同一性を有する本開示のペプチドのアミノ酸配列は、本開示のペプチドの完全長のアミノ酸配列である。いくつかの実施態様では、上記に記載の%配列同一性を有する本開示のペプチドのアミノ酸配列は、本開示のペプチドの完全長のアミノ酸配列の単に一部分である。いくつかの実施態様では、本開示のペプチドは、親配列の連続する少なくとも5アミノ酸(例えば少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10アミノ酸)の参照アミノ酸配列と、約A%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、ここで参照アミノ酸配列は、配列番号:1のC位のアミノ酸で始まり、配列番号:1のD位のアミノ酸で終わり、ここで、Aは25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99であり、Cは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27又は28であり、Dは5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28又は29である。前述のパラメーターの任意の又は全て可能な組合せが想定され、前記には例えばAが90%でC及びDが、1及び27、又は6及び27、又は8及び27、又は10及び27、又は12及び27、又は16及び27であるものが含まれるが、ただしこれらに限定されない。
本明細書に記載の配列番号:27−33、35−41、43−46、76−80、83−87、89及び90のいずれか、又は配列番号:48、52、53及び74のいずれか、又は配列番号:50、51、54、56、58−60、62−66、68−70、72、73、75、81、82、88及び92のいずれか、又は配列番号:28、29、31、37−41、79、80、89、90、95、130、145−152、155−167、171、176、177、180、203−207、212及び230のいずれかを含む親配列のアナローグは、任意の数のアミノ酸のペプチド骨格を含むことができ、すなわち長さが任意のペプチドであり得る。いくつかの実施態様では、本明細書に記載のペプチドは配列番号:1と同じ長さ、すなわち長さが29アミノ酸であり得る。いくつかの実施態様では、本開示のペプチドは長さが29アミノ酸より長い。例えば、本開示のペプチドは、さらに本明細書に記載するように1−21アミノ酸のC-末端伸長を含む。したがって、いくつかの実施態様における本開示のペプチドは、長さが30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49又は50アミノ酸である。いくつかの実施態様では本開示のペプチドは、長さが50アミノ酸までである。いくつかの実施態様では本開示のペプチドは、別のペプチドとの融合のために、長さが29アミノ酸より長い(例えば、長さが少なくとも又は約60、少なくとも又は約70、少なくとも又は約80、少なくとも又は約90、少なくとも又は約100、少なくとも又は約150、少なくとも又は約200、少なくとも又は約250、少なくとも又は約300、少なくとも又は約350、少なくとも又は約400、少なくとも又は約450、少なくとも又は約500アミノ酸)。他の実施態様では、本開示のペプチドは、長さが29アミノ酸より短い(例えば28、27、26、25、24、23アミノ酸)。
前述の記載にしたがえば、いくつかの特徴では、本開示のペプチドは、配列番号:27−33、35−41、43−46、76−80、83−87、89、90、94−100、102−112、120−124及び127−131のいずれか、又は配列番号:48、52、53及び74のいずれか、又は配列番号:50、51、54、56、58−60、62−66、68−70、72、73、75、81、82、88、92、114−119、125、126及び133のいずれか、又は配列番号:28、29、31、37−41、79、80、89、90、95、130、145−152、155−167、171、176、177、180、203−207、212及び230のいずれかを含む親配列のアナローグであり、前記アナローグの配列は、GIP活性、グルカゴン活性及び/又はGLP-1活性に影響を与え、安定性を例えば当該ペプチドの分解を低下させることによって(例えばDPP-IVプロテアーゼに対する耐性を改善することによって)強化し、溶解性を強化し、半減期を延長し、作用の開始を遅らせ、GIP、グルカゴン若しくはGLP-1レセプターにおける作用の持続時間を延長し、又は前述の作用の任意の組合せを生じる1つ以上のアミノ酸の改変を含む。他の改変に加えて、そのようなアミノ酸の改変はグルカゴンアナローグに関して本明細書にさらに記載され、これらの改変のいずれも個々に又は組み合わせて適用することができる。
ペプチドを製造する方法
開示のグルカゴンアナローグは当業界で公知の方法によって入手できる。ペプチドをde novoで合成する適切な方法は例えば以下に記載されている:Chan et al., Fmoc Solid Phase Peptide Synthesis, Oxford University Press, Oxford, United Kingdom, 2005;Peptide and Protein Drug Analysis, ed. Reid, R., Marcel Dekker, Inc., 2000;Epitope Mapping, ed. Westwood et al., Oxford University Press, Oxford, United Kingdom, 2000;及び米国特許5,449,752号。本開示のペプチドを製造するさらに別の例示的方法は実施例1で示される。
いくつかの実施態様では、本明細書に記載のペプチドは、例えば以下の企業によって商業的に合成される:シンペップ社(Synpep, Dublin, CA)、ペプチドテクノロジーズ社 (Peptide Technologies Corp., Gaithersburg, MD)、及びマルチプルペプチドシステムズ社( Multiple Peptide Systems, San Diego, CA)。これに関しては、当該ペプチドは合成、組換え、単離及び/又は精製することができる。
さらにまた、本開示のアナローグがコードされないアミノ酸又は非天然アミノ酸を全く含まない事例では、グルカゴンアナローグは、アナローグのアミノ酸配列をコードする核酸を用い組換えによって標準的な組換え方法で製造できる。例えば以下を参照されたい:Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual. 3rd ed., Cold Spring Harbor Press, Cold Spring Harbor, NY 2001;及びAusubel et al., Current Protocols in Molecular Biology, Greene Publishing Associates and John Wiley & Sons, NY, 1994。
いくつかの実施態様では、本開示のグルカゴンアナローグは単離される。本明細書で用いられる“単離される”という用語は、その天然の環境から取り出されてあることを意味する。例示的な実施態様では、アナローグは組換えによる方法で製造され、アナローグは宿主細胞から単離される。
いくつかの実施態様では、本開示のグルカゴンアナローグは精製される。本明細書で用いられる“精製される”という用語は、ある分子又は化合物を、いくつかの特徴では本来の又は天然の環境で当該分子又は化合物に通常は付随する夾雑物を実質的に含まない形態で単離することに関し、さらにもともとの組成物の他の成分から分離された結果として純度が増加することを意味する。精製されたペプチド又は化合物には、例えば核酸分子、脂質及び炭水化物、又はペプチドの化学合成中に用いられた又は生成された他の出発材料又は中間体を実質的に含まないペプチドが含まれる。“純度”は相対的な用語であり、必ずしも絶対的純度又は絶対的濃縮又は絶対的選別と解されるべきではないと理解される。いくつかの特徴では、純度は、少なくとも又は約50%、少なくとも又は約60%、少なくとも又は約70%、少なくとも又は約80%、少なくとも又は約90%(例えば少なくとも又は約91%、少なくとも又は約92%、少なくとも又は約93%、少なくとも又は約94%、少なくとも又は約95%、少なくとも又は約96%、少なくとも又は約97%、少なくとも又は約98%、少なくとも又は約99%)であるか、又は約100%である。
連結物
本発明はさらに、異種成分と連結された本明細書に記載の1つ以上のグルカゴンアナローグを含む連結物を提供する。本明細書で用いられるように、“異種成分”という用語は“連結成分”という用語と同義語であり、本明細書に記載のグルカゴンアナローグと異なる任意の分子(化学的又は生化学的分子、天然に存在しない又はコードされない分子)を指す。本明細書に記載のアナローグのいずれかに連結され得る例示的な連結成分には、異種ペプチド又はポリペプチド(例えば血漿タンパク質を含む)、標的へ誘導する薬剤、免疫グロブリン又はその成分(例えば可変領域、CDR又はFc領域)、診断用標識(例えば放射性同位元素、発蛍光団又は酵素標識)、ポリマー(水溶性ポリマーを含む)又は他の治療用若しくは診断用薬剤が含まれるが、ただしこれらに限定されない。いくつかの実施態様では、本発明のアナローグ及び血漿タンパク質を含む連結物が提供され、ここで血漿タンパク質は、アルブミン、トランスフェリン、フィブリノゲン及びグロブリンから成る群から選択される。いくつかの実施態様では、連結物の血漿タンパク質成分はアルブミン又はトランスフェリンである。いくつかの特徴では、連結物は、本明細書に記載の1つ以上のグルカゴンアナローグ及び以下の1つ以上をを含む:ペプチド(グルカゴンレセプター及び/又はGLP-1レセプターに対して活性な本明細書に記載のグルカゴンアナローグとは全く異なる)、ポリペプチド、核酸分子、抗体若しくはそのフラグメント、ポリマー、量子片、小分子、毒素、診断用薬剤、炭水化物、アミノ酸。
いくつかの特徴では、異種成分は、本明細書に記載のグルカゴンアナローグとは全く異なるペプチドであり、連結物は融合ペプチド又はキメラペプチドである。いくつかの特徴では、異種成分は1−21アミノ酸のペプチド伸長である。具体的な実施態様では、伸長は、グルカゴンアナローグのC-末端(例えば29位のアミノ酸)と結合する。
いくつかの具体的な特徴では、伸長は一アミノ酸又はジペプチドである。具体的な実施態様では、伸長は、荷電アミノ酸(例えば陰性荷電アミノ酸(例えばGlu)、陽性荷電アミノ酸)、親水性成分を含むアミノ酸から成る群から選択されるアミノ酸を含む。いくつかの特徴では、伸長はGly、Glu、Cys、Gly-Gly、Gly-Gluである。
いくつかの実施態様では、伸長は、配列番号:5(GPSSGAPPPS)、配列番号:6(GGPSSGAPPPS)、配列番号:7(KRNRNNIA)、又は配列番号:8(KRNR)のアミノ酸配列を含む。具体的な特徴では、前記アミノ酸配列は、グルカゴンアナローグのC-末端アミノ酸(例えば29位のアミノ酸)を介して結合される。いくつかの実施態様では、配列番号:5−8のいずれかのアミノ酸配列は、ペプチド結合を介してグルカゴンアナローグのアミノ酸29と結合する。いくつかの具体的な実施態様では、グルカゴンアナローグの29位のアミノ酸はGlyであり、前記Glyは配列番号:5−8のいずれかのアミノ酸配列の1つに融合される。
いくつかの実施態様では、異種成分はポリマーである。いくつかの実施態様では、ポリマーは以下から成る群から選択される:ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアルキレン及びその誘導体(ポリアルキレングリコール、ポリアルキレンオキシド、ポリアルキレンテレフタレートを含む)、アクリル酸及びメタクリル酸エステルのポリマー(ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(エチルメタクリレート)、ポリ(ブチルメタクリレート)、ポリ(イソブチルメタクリレート)、ポリ(ヘキシルメタクリレート)、ポリ(イソデシルメタクリレート)、ポリ(ラウリルメタクリレート)、ポリ(フェニルメタクリレート)、ポリ(メチルアクリレート)、ポリ(イソプロピルアクリレート)、ポリ(イソブチルアクリレート)、及びポリ(オクタデシルアクリレート)を含む)、ポリビニルポリマー(ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、ポリビニルエステル、ハロゲン化ポリビニル、ポリ(ビニルアセテート)及びポリビニルピロリドンを含む)、ポリグリコリド、ポリシロキサン、ポリウレタン及びそのコポリマー、セルロース(アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、セルロースエーテル、セルロースエステル、ニトロセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートフタレート、カルボキシエチルセルロース、セルローストリアセテート及び硫酸セルロースナトリウム塩を含む)、ポリプロピレン、ポリエチレン(ポリ(エチレングリコール)、ポリ(エチレンオキシド)及びポリ(エチレンテレフタレート)を含む)及びポリスチレン。
いくつかの特徴では、ポリマーは生物分解性ポリマーであり以下が含まれる:合成の生物分解性ポリマー(例えば乳酸及びグリコール酸のポリマー、多価無水物、ポリ(オルト)エステル、ポリウレタン、ポリ(ブチック酸)、ポリ(吉草酸)及びポリ(ラクチド-コカプロラクトン))及び天然の生物分解性ポリマー(例えばアルギネート及び他の多糖類(デキストラン及びセルロースを含む)、コラーゲン、その化学的誘導体(化学基(例えばアルキル、アルキレン)の置換、付加、ヒドロキシル化、酸化及び当業者に日常的に実施される他の改変)、アルブミン及び他の親水性タンパク質(例えばゼイン及び他のプロラミン)及び疎水性タンパク質)の他に前記の任意のコポリマー又は混合物。一般的には、これらの物質は、酵素的加水分解又はin vivoでの水への曝露によって、又は表面侵食又はバルク侵食によって分解する。
いくつかの特徴では、ポリマーは以下である:生物粘着性ポリマー、例えば以下に記載の生物侵食性ヒドロゲル(H. S. Sawhney, C. P. Pathak and J. A. Hubbell in Macromolecules, 1993, 26, 581-587(前記文献の教示は本明細書に含まれる))、ポリヒアルロン酸、カゼイン、ゼラチン、グルチン、多価無水物、ポリアクリル酸、アルギネート、キトサン、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(エチルメタクリレート)、ポリ(ブチルメタクリレート)、ポリ(イソブチルメタクリレート)、ポリ(ヘキシルメタクリレート)、ポリ(イソデシルメタクリレート)、ポリ(ラウリルメタクリレート)、ポリ(フェニルメタクリレート)、ポリ(メチルアクリレート)、ポリ(イソプロピルアクリレート)、ポリ(イソブチルアクリレート)、及びポリ(オクタデシルアクリレート)。
いくつかの実施態様では、ポリマーは水溶性ポリマー又は親水性ポリマーである。親水性ポリマーは、本明細書の“親水性成分”にさらに記載される。適切な水溶性ポリマーは当業界で公知であり、例えば以下が含まれる:ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC;Klucel)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC;Methocel)、ニトロセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルブチルセルロース、ヒドロキシプロピルペンチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース(Ethocel)、ヒドロキシエチルセルロース、種々のアルキルセルロース及びヒドロキシアルキルセルロース、種々のセルロースエーテル、セルロースアセテート、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、酢酸ビニル/クロトン酸コポリマー、ポリヒドロキシアルキルメタクリレート、ヒドロキシメチルメタクリレート、メタクリル酸コポリマー、ポリメタクリル酸、ポリメチルメタクリレート、無水マレイン酸/メチルビニルエーテルコポリマー、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム及びカルシウム、ポリアクリル酸、酸性カルボキシポリマー、カルボキシポリメチレン、カルボキシビニルポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンコポリマー、ポリメチルビニルエーテルコマレイン酸無水物、カルボキシメチルアミド、メタクリル酸カリウムジビニルベンゼンコポリマー、ポリオキシエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、並びに前記の誘導体、塩及び組合せ。
具体的な実施態様では、ポリマーはポリアルキレングリコールであり、例えばポリエチレングリコール(PEG)が含まれる。
いくつかの実施態様では、異種成分は炭水化物である。いくつかの実施態様では、炭水化物は、単糖類(例えばグルコース、ガラクトース、フルクトース)、二糖類(例えばシュクロース、ラクトース、マルトース)、オリゴ糖(例えばラフィノース、スタキオース)、又は多糖類(例えばデンプン、アミラーゼ、アミロペクチン、セルロース、キチン、カロース、ラミナリン、キシラン、マンナン、フコイダン又はガラクトマンナン)である。
いくつかの実施態様では、異種成分は脂質である。いくつかの実施態様では、脂質は、脂肪酸、エイコサノイド、プロスタグランジン、ロイコトリエン、トロンボキサン、N-アシルエタノールアミン、グリセロリピド(例えば一置換、二置換、三置換グリセロール)、グリセロホスホリピド、(例えばホスファチジルコリン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン)、スフィンゴリピド(例えばスフィンゴシン、セラミド)、ステロール脂質(例えばステロイド、コレステロール)、プレノール脂質、サッカロリピド又はポリケチド、油、ロウ、コレステロール、ステロール、脂溶性ビタミン、モノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド、リン脂質である。
いくつかの実施態様では、異種成分は、非共有結合又は共有結合を介して本開示のアナローグと結合する。例示的特徴では、異種成分は、リンカーを介して本開示のアナローグと結合する。リンカー結合は、化学的な共有結合、物理的な力(例えば静電力、水素力、イオン力、ファンデルワールス力、又は疎水性若しくは親水性相互作用)によって達成され得る。多様な非共有結合系を用いることができ、前記には、ビオチン-アビジン、リガンド/レセプター、酵素/基質、核酸/核酸結合タンパク質、脂質/脂質結合タンパク質、細胞粘着分子パートナー、又は互いに親和性を有する前記の任意の結合パートナー又はフラグメントが含まれる。
いくつかの実施態様のグルカゴンアナローグは、アナローグの標的アミノ酸残基を、これら標的アミノ酸の選択された側鎖又はN-若しくはC-末端残基と反応する能力を有する誘導有機物質と反応させることによって直接的共有結合を介して連結成分と結合される。アナローグ又は連結成分の反応基には、例えばアルデヒド、アミノ、エステル、チオール、α-ハロアセチル、マレイミド又はヒドラジノ基が含まれる。誘導物質には、例えばマレイミドベンゾイルスルホスクシンイミドエステル(システイン残基を介する連結)、N-ヒドロキシスクシンイミド(リジン残基を介する)、グルタールアルデヒド、無水コハク酸、又は当業界で公知の他の物質が含まれる。また別には、連結成分は、中間担体(例えば多糖類又はポリペプチド担体)を介して間接的にアナローグと結合させることができる。多糖類担体の例にはアミノデキストランが含まれる。適切なポリペプチド担体の例には、ポリリジン、ポリグルタミン酸、ポリアスパラギン酸、前記のコポリマー、及びこれらアミノ酸と他のもの(例えばセリン)との混合ポリマーが含まれ、生成されるロード保持担体に所望の溶解性特性を付与する。
システイニル残基は、α-ハロアセテート(及び対応するアミン)、例えばクロル酢酸、クロルアセトアミドともっとも一般的に反応して、カルボキシメチル又はカルボキシアミドメチル誘導体を生じる。システイニル残基はまた以下との反応によって誘導される:ブロモトリフルオロアセトン、アルファ-ブロモ-β-(5-イミドゾイル)プロピオン酸、クロロアセチルホスフェート、N-アルキルマレイミド、3-ニトロ-2-ピリジルジスルフィド、メチル2-ピリジルジスルフィド、p-クロルメルクリベンゾエート、2-クロルメルクリ-4-ニトロフェノール、又はクロロ-7-ニトロベンゾ-2-オキサ-1,3-ジアゾール。
ヒスチジル残基は、ジエチルピロカルボネートとの反応(pH7.0)によって誘導できる(なぜならば、この薬剤はヒスチジル側鎖に対し比較的特異的だからである)。パラ-ブロモフェナシルブロミドもまた有用で、反応は好ましくは0.1Mのカコジル酸ナトリウム(pH6.0)中で実施される。
リシニル及びアミノ末端残基はコハク酸又は他のカルボン酸無水物と反応させる。これらの薬剤による誘導は、リシニル残基の荷電を逆転させる効果がある。アルファ-アミドを含む残基を誘導する他の適切な試薬には、イミドエステル(例えばメチルピコリンイミデート、ピリドキサルリン酸、ピリドキサール、クロロボロハイドライド、トリニトロベンゼンスルホン酸、O-メチルイソウレア、2,4-ペンタンジオン)、及びグリオキシレートによるトランスアミナーゼ触媒反応が含まれる。
アルギニル残基は、1つ又はいくつかの通常的な試薬、とりわけフェニルグリオキサール、2,3-ブタンジオン、1,2-シクロヘキサンジオン、及びニンヒドリンとの反応によって改変される。アルギニン残基の誘導には、グアニジン官能基の高いpKaのために反応をアルカリ条件下で実施することが要求される。さらにまた、これらの試薬は、アルギニンエプシロン-アミノ基と同様にリジンの基と反応することができる。
チロシル残基の特異的な改変は、チロシル残基にスペクトル標識を導入するという具体的な関心にしたがって、芳香族ジアゾニウム化合物又はテトラニトロメタンと反応させることによって実施できる。もっとも一般的には、N-アセチルイミジゾール及びテトラニトロメタンを用いて、それぞれO-アセチルチロシル種及び3-ニトロ誘導体を形成する。
カルボキシル側鎖基(アスパルチル又はグルタミル)はカルボジイミド(R-N=C=N-R’)との反応によって選択的に改変される(式中、R及びR’は異なるアルキル基、例えば1-シクロヘキシル-3-(2-モルフォリニル-4-エチル)カルボジイミド又は1-エチル-3-(4-アゾニア-4,4-ジメチルペンチル)カルボジイミドである)。さらにまた、アスパルチル及びグルタミル残基は、アンモニウムイオンとの反応によりアスパラギニル及びグルタミニル残基に変換される。
他の改変には、プロリン及びリジンのヒドロキシル化、セリル及びスレオニル残基のヒドロキシル基のリン酸化、リジン、アルギニン及びヒスチジン側鎖のアルファ-アミノ基のメチル化(T. E. Creighton, Proteins: Structure and Molecular Properties, W.H. Freeman & Co., San Francisco, pp. 79-86, 1983)、アスパラギン又はグルタミンの脱アミド化、N-末端アミンのアセチル化、及び/又はC-末端カルボン酸基のアミド化又はエステル化が含まれる。
別のタイプの共有結合改変は、化学的又は酵素的にグリコシドを当該アナローグにカップリングすることを必要とする。糖は、(a)アルギニン及びヒスチジンに、(b)遊離カルボキシル基に、(c)遊離スルフヒドリル基(例えばシステインのそれ)に、(d)遊離ヒドロキシル基(例えばセリン、スレオニン又はヒドロキシプロリンのそれ)に、(e)芳香族残基(例えばチロシン又はトリプトファンのそれ)に、又は(f)グルタミンのアミン基に結合させることができる。これらの方法は以下に記載されている:WO87/05330(1987年9月11日公開);及びAplin and Wriston, CRC Crit. Rev. Biochem., pp. 259-306, 1981。
いくつかの実施態様では、グルカゴンアナローグは、当該グルカゴンアナローグのアミノ酸の側鎖と異種成分との間の共有結合を介して異種成分と連結される。いくつかの実施態様では、グルカゴンアナローグは、16、17、21、24若しくは29位のアミノ酸、C-末端伸長内の位置のアミノ酸、又はC-末端のアミノ酸、又はこれらの位置の組合せに存在するアミノ酸の側鎖を介して異種成分と連結される。いくつかの特徴では、異種成分と共有結合するアミノ酸(例えば異種成分を含むアミノ酸)はCys、Lys、Orn、ホモ-Cys、又はAc-Pheであり、これらのアミノ酸の側鎖は異種成分と共有結合する。
いくつかの実施態様では、連結物は、グルカゴンアナローグを異種成分と結びつけるリンカーを含む。いくつかの特徴では、リンカーは、1から約60原子、又は1から約30原子より長い、2から5原子、2から10原子、5から10原子、又は10から20原子の長さの原子の鎖を含む。いくつかの特徴では、鎖の原子は全て炭素原子である。いくつかの実施態様では、リンカーの骨格の鎖の原子は、C、O、N又はSから成る群から選択される。鎖の原子及びリンカーは、より可溶性の連結物を提供するためにそれらの期待される可溶性(親水性)にしたがって選択できる。いくつかの実施態様では、リンカーは、標的組織又は器官で見出される酵素又は他の触媒又は加水分解条件による切断に付される官能基を提供する。いくつかの実施態様では、リンカーの長さは、立体障害の潜在力を減じるために十分に長い。リンカーが共有結合又はペプチジル結合であり、連結物がポリペプチドである場合は、全連結物は融合タンパク質である。そのようなペプチジルリンカーは任意の長さであり得る。例示的なリンカーは、長さが約1から50アミノ酸、5から50、3から5,5から10、5から15、又は長さが10から30アミノ酸である。そのような融合タンパク質は、また別に当業者に公知の組み換え遺伝子操作方法によって製造できる。
連結物:Fcの融合:
上記に特記したように、いくつかの実施態様では、アナローグは免疫グロブリン又はその部分(例えば可変領域、CDR又はFc領域)と連結、例えば融合される。公知の免疫グロブリン(Ig)にはIgG、IgA、IgE、IgD又はIgMが含まれる。Fc領域はIg重鎖のC-末端領域であり、前記は、例えば再循環(半減期の延長をもたらす)、抗体依存細胞媒介細胞傷害(ADCC)及び補体依存細胞傷害(CDC)のような活性を発揮するFcレセプターとの結合に必要である。
例えば、いくつかの定義にしたがえば、ヒトIgG重鎖のFc領域は重鎖のCys226からC-末端に伸びる。“ヒンジ領域”は、一般的にはヒトIgG1のGlu216からPro230に及ぶ(他のIgGアイソタイプのヒンジ領域は、システイン結合に必要なシステインのアラインメントによってIgG1配列を用いてアラインメントできる)。IgGのFc領域は2つの定常ドメイン(CH2及びCH3)を含む。ヒトIgG Fc領域のCH2ドメインは通常アミノ酸231からアミノ酸341に及び。ヒトIgG Fc領域のCH3ドメインはアミノ酸342から447に及ぶ。免疫グロブリン又は免疫グロブリンフラグメント若しくは領域のアミノ酸の番号付与に関してはいずれもKabatらの論文に依拠する(Kabat et al. 1991, Sequences of Proteins of Immunological Interest, U.S. Department of Public Health, Bethesda, Md)。関連する実施態様では、Fc領域は、免疫グロブリン重鎖に由来する本来の又は改変されたCH1以外の定常領域、例えばIgG及びIgAのCH2及びCH3、又はIgEのCH3及びCH4を含むことができる。
適切な連結成分にはFcRn結合部位を含む免疫グロブリン配列の部分を含む。FcRn(サルベージレセプター)は免疫グロブリンを再循環させさらに血液循環へそれらを戻すために必要である。FcRnレセプターと結合するIgGのFc部分のこの領域はX-線結晶学に基づいて記載されている(Burmeister et al. 1994, Nature 372:379)。FcとFcRnとの主要な接触領域はCH2とCH3ドメインの結合部近くにある。Fc-FcRN接触はいずれも単一Ig重鎖内に存在する。主要な接触部位は、CH2ドメインのアミノ酸残基248、250−257、272、285、288、290−291、308−311及び314、並びにCH3ドメインのアミノ酸残基385−387、428、及び433−436を含む。
いくつかの連結成分はFcγR結合部位を含むことがあり、又は含まないことがある。FcγRはADCC及びCDCに必要である。FcγRと直接接触するFc領域内の位置の例は、アミノ酸234−239(下部ヒンジ領域)、アミノ酸265−269(B/Cループ)、アミノ酸297−299(C’/Eループ)、及びアミノ酸327−332(F/G)ループである(Sondermann et al., Nature 406: 267-273, 2000)。IgEの下部ヒンジ領域もまたFcRI結合で示唆されている(Henry, et al., Biochemistry 36, 15568-15578, 1997)。IgAレセプター結合に必要な残基は以下の論文に記載されている(Lewis et al., J Immunol. 175:6694-701, 2005)。IgEレセプター結合に必要なアミノ酸残基は以下に記載されている(Sayers et al., J Biol Chem. 279(34):35320-5, 2004)。
アミノ酸改変は免疫グロブリンのFc領域に対して実施できる。そのような変種Fc領域は、Fc領域のCH3ドメイン(前記342−447)に少なくとも1つのアミノ酸改変及び/又はFc領域のCH2ドメイン(前記231−341)に少なくとも1つのアミノ酸改変を含む。FcRnに対して親和性の増加を付与すると考えられる変異には、T256A、T307A、E380A及びN434Aが含まれる(Shields et al. 2001, J. Biol. Chem. 276:6591)。他の改変は、FcRnに対する親和性を顕著に低下させることなく、FcγRI、FcγRIIA、FcγRIIB、及び/又はFcγRIIAとFc領域との結合を低下させることができる。例えば、Fc領域の297位のAsnのAla又は別のアミノ酸による置換は、高度に保存されたN-グリコシル化部位を除去し、さらに同時に発生するFc領域の半減期の延長とともに免疫原性の低下を、FcγRとの結合の低下と同様にもたらすことができる(Routledge et al. 1995, Transplantation 60:847;Friend et al. 1999, Transplantation 68:1632;Shields et al. 1995, J. Biol. Chem. 276:6591)。FcγRとの結合を低下させる、IgG1の233−236位のアミノ酸改変が実施されている(Ward and Ghetie 1995, Therapeutic Immunology 2:77;及びArmour et al. 1999, Eur. J. Immunol. 29:2613)。いくつかの例示的なアミノ酸置換は米国特許7,355,008号及び7,381,408号に記載されている(前記文献の各々は参照によりその全体が本明細書に含まれる)。
連結物:親水性成分:
本明細書に記載するグルカゴンアナローグは、本来のグルカゴンと対比して高い生物学的活性を維持しながら、生理学的pHの水溶液中でのその溶解性及び安定性を改善するためにさらに改変することができる。親水性成分(例えばPEG基)は、活性化ポリマー分子とタンパク質を反応させるために用いられる適切な任意の条件下でアナローグに結合させることができる。当業界で公知の任意の手段を用いることができる。前記手段には、アシル化、還元的アルキル化、ミカエル添加、チオールアルキル化を介する手段、又はPEG成分上の反応基(例えばアルデヒド、アミノ、エステル、チオール、α-ハロアセチル、マレイミド又はヒドラジノ基)と標的化合物上の反応基(例えばアルデヒド、アミノ、エステル、チオール、α-ハロアシル、マレイミド又はヒドラジノ基)との化学選択的連結/結合が含まれる。水溶性ポリマーを1つ以上のタンパク質に結合させるために用いることができる活性基には、スルホン、マレイミド、スルフヒドリル、チオール、トリフレート、トレシレート、アジジリン、オキシラン、5-ピリジル及びアルファ-ハロゲン化アシル基(例えばアルファ-ヨード酢酸、アルファ-ブロモ酢酸、アルファ-クロロ酢酸)が含まれるが、ただしこれらに限定されない。還元的アルキル化によってアナローグに結合される場合は、選択されるポリマーは、重合度を制御できるようにただ1つの反応性アルデヒドを有するべきである。例えば以下を参照されたい:Kinstler et al., Adv. Drug. Delivery Rev. 54: 477-485, 2002;Roberts et al., Adv. Drug Delivery Rev. 54: 459-476, 2002;及びZalipsky et al., Adv. Drug Delivery Rev. 16: 157-182, 1995。
具体的な特徴では、チオールを有するアナローグのアミノ酸残基は、親水性成分(例えばPEG)により改変される。いくつかの実施態様では、チオールは、ミカエル添加反応でマレイミド活性化PEGにより改変され、以下に示すチオエーテル結合を含むPEG化アナローグを生じる:
Figure 2014507402
いくつかの実施態様では、チオールは、求核置換反応でハロアセチル活性化PEGにより改変され、チオエーテル結合を含むPEG化アナローグを生じる。
適切な親水性成分には以下が含まれる:ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチル化ポリオール(例えばPOG)、ポリオキシエチル化ソルビトール、ポリオキシエチル化グルコース、ポリオキシエチル化グリセロール(POG)、ポリオキシアルキレン、ポリエチレングリコールプロピオンアルデヒド、エチレングリコール/プロピレングリコールコポリマー、モノメトキシ-ポリエチレングリコール、モノ-(C1−C10)アルコキシ-又はアリールオキシ-ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロース、ポリアセタール、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン、ポリ-1,3-ジオキソラン、ポリ-1,3,6-トリオキサン、エチレン/無水マレイン酸コポリマー、ポリ(β-アミノ酸)(ホモポリマー又はランダムコポリマー)、ポリ(n-ビニルピロリドン)ポリエチレングリコール、プロピレングリコールホモポリマー(PPG)及び他のポリアルキレンオキシド、ポリプロピレンオキシド/エチレンオキシドコポリマー、コロン酸又は他の多糖類ポリマー、フィコール又はデキストラン及び前記の混合物。デキストランはグルコースサブユニットの多糖類ポリマーであり、もっぱらα1-6結合によって結合される。多くの分子量範囲(例えば約1kDから約100kD、又は約5、10、15若しくは20kDから約20、30、40、50、60、70、80又は90kD)のデキストランが利用可能である。線状又は分枝ポリマーが意図される。得られた連結物の調製物は本質的に単分散であることも又は多分散であることもあり、アナローグ当たり約0.5、0.7、1、1.2、1.5又は2ポリマー成分を有し得る。
いくつかの又はいずれかの実施態様では、グルカゴンアナローグは、親水性成分に当該グルカゴンアナローグのアミノ酸の側鎖と当該親水性成分との間の共有結合を介して連結される。いくつかの又はいずれかの実施態様では、グルカゴンアナローグは、C-末端伸長内の16、17、21、24又は29位のアミノ酸、又はC-末端アミノ酸、又はこれらの位置の組合せのアミノ酸の側鎖を介して親水性成分と連結される。いくつかの特徴では、親水性成分と共有結合するアミノ酸(例えば親水性成分を含むアミノ酸)は、Cys、Lys、Orn、ホモCys又はAc-Pheであり、アミノ酸の側鎖は親水性成分(例えばPEG)と共有結合する。
連結物:rPEG:
いくつかの又はいずれかの実施態様では、本開示の連結物は、化学的PEGと同様な伸長立体構造を形成することができる付属アナローグ(例えば組換えPEG(rPEG)分子、例えば国際特許出願公開公報WO2009/023270号及び米国特許出願公開公報US20080286808号に記載されているもの)に融合された、GIPレセプター活性を有するグルカゴンアナローグを含む。いくつかの特徴のrPEG分子は、1つ以上のグリシン、セリン、グルタミン酸、アスパラギン酸、アラニン又はプロリンを含むポリペプチドである。いくつかの特徴では、rPEGは、ホモポリマー、例えばポリ-グリシン、ポリ-セリン、ポリ-グルタミン酸、ポリ-アスパラギン酸、ポリ-アラニン又はポリ-プロリンである。他の実施態様では、rPEGは、2つのタイプの反復アミノ酸、例えばポリ(Gly-Ser)、ポリ(Gly-Glu)、ポリ(Gly-Ala)、ポリ(Gly-Asp)、ポリ(Gly-Pro)、ポリ(Ser-Glu)などを含む。いくつかの特徴では、rPEGは、3つの異なるタイプのアミノ酸、例えばポリ(Gly-Ser-Glu)を含む。具体的な特徴では、rPEGはグルカゴン及び/又はGLP-1アゴニストアナローグの半減期を延長する。いくつかの特徴では、rPEGは、正味の陽性又は陰性荷電を含む。いくつかの特徴のrPEGは二次構造を欠く。いくつかの実施態様では、rPEGは長さが10アミノ酸以上であり、いくつかの実施態様では、長さが約40から約50アミノ酸である。いくつかの特徴の付属ペプチドは、本開示のアナローグのN-又はC-末端にペプチド結合を介して、又はプロテイナーゼ切断部位に融合されるか、又は前記は本開示のアナローグのループに挿入される。いくつかの特徴のrPEGはアフィニティータグを含むか、又は前記は5kDaより大きいPEGと結合される。いくつかの実施態様では、rPEGは、本開示のアナローグに流体力学半径の増加、血清半減期の延長、プロテアーゼ耐性の増加、又は安定性の増加を付与し、さらにいくつかの特徴では、免疫原性の低下を当該アナローグに付与する。
連結物:マルチマー:
本発明はさらに、本開示のアナローグのマルチマー又はダイマー(ホモ-若しくはヘテロ-マルチマー又はダイマーを含む)を提供する。2つ以上のアナローグを標準的な結合剤及び当業者に公知の方法を用いて一緒に結合させることができる。例えば、特にシステイン、リジン、オルニチン、ホモシステイン又はアセチルフェニルアラニン残基で置換されたアナローグについては、二官能性チオール架橋剤及び二官能性アミン架橋剤の使用により2つのペプチドの間でダイマーを形成できる。ダイマーはホモダイマーでもよく、或いはヘテロダイマーでもよい。例示的な実施態様では、2つ(又は3つ以上)のアナローグを結合させるリンカーはPEG、例えば5kDaのPEG、20kDaのPEGである。いくつかの実施態様では、リンカーはジスルフィド結合である。例えば、ダイマーの各モノマーはCys残基(例えば末端のCys又は内部に位置するCys)を含むことができ、各Cys残基の硫黄原子はジスルフィド結合の形成に参加する。例示的な特徴では、ダイマーの各モノマーはチオエーテル結合を介して結合される。例示的な特徴では、1つのモノマーのLys残基のエプシロンアミンはCys残基と結合し、前記は、他のモノマーのLys残基のエプシロンアミンと化学的成分を介して結合する。そのようなチオエーテル結合のダイマーを製造する方法は本明細書でさらに説明される。いくつかの特徴では、モノマーは、末端アミノ酸(例えばN-末端又はC-末端アミノ酸)を介して、内部のアミノ酸を介して、又は少なくとも1つのモノマーの末端アミノ酸及び少なくとも1つの他のモノマーの内部のアミノ酸を介して結合される。具体的な特徴では、モノマーはN-末端アミノ酸を介して結合されない。いくつかの特徴では、マルチマーのモノマーは、“尾対尾”の向きで結合し、この向きでは各モノマーのC-末端アミノ酸が一緒に結合する。
プロドラッグ
本発明によってさらに提供されるものは、本明細書に記載するペプチド及びアナローグのプロドラッグである。本明細書に用いられるように、“プロドラッグ”は、完全な薬理学的作用を示す前に化学的改変を受ける任意の化合物と定義される。
例示的実施態様では、プロドラッグはアミド系ペプチドプロドラッグであり、前記は国際特許出願公開公報WO/2010/071807(2010年6月24日公開)に記載されたものと類似する。そのようなプロドラッグは、作用の開始を遅らせ、さらに薬剤の半減期を延長することが意図される。作用の開始の遅延は、プロドラッグの活性化の前に当該プロドラッグの全身的分布を可能にするという利点がある。したがって、プロドラッグの投与は、投与時のピーク活性によって引き起こされる合併症を排除し、親薬剤の治療インデックスを高める。
例示的特徴では、プロドラッグは構造A-B-Qを含み、式中、Qは本明細書に記載のペプチド又はアナローグであり、Aはアミノ酸又はオキシ酸であり、Bは、A-BとQのアミンとの間のアミド結合を介してQと結合したN-アルキル化アミノ酸であり、ここでA、B又はA-Bが結合するQのアミノ酸は、非コードアミノ酸であり、さらにQからA-Bが化学的に切断される半減期(t1/2)は、生理学的条件下のPBS中で少なくとも約1時間から約1週間である。本明細書で用いられる“オキシ酸”という用語は、改変されてアルファ炭素のアミノ基がヒドロキシル基で置換されてあるアミノ酸を指す。
いくつかの実施態様では、ジペプチドプロドラッグエレメントは下記の式Iの一般構造を有する:
Figure 2014507402

式中、
R1、R2、R4及びR8はそれぞれ別個にH、C1-C18アルキル、C2-C18アルケニル、(C1-C18アルキル)OH、(C1-C18アルキル)SH、(C2-C3アルキル)SCH3、(C1-C4アルキル)CONH2、(C1-C4アルキル)COOH、(C1-C4アルキル)NH2、(C1-C4アルキル)NHC(NH2 +)NH2、(C0-C4アルキル)(C3-C6シクロアルキル)、(C0-C4アルキル)(C2-C5複素環)、(C0-C4アルキル)(C6-C10アリール)R7、(C1-C4アルキル)(C3-C9ヘテロアリール)、及びC1-C12アルキル(A)(W1)C1-C12アルキルから成る群から選択され、ここでW1はN、S及びOから成る群から選択される異種原子であるか、又はR1及びR2は、それらが結合する原子と一緒になってC3-C12シクロアルキル又はアリールを形成するか、又はR4及びR8は、それらが結合する原子と一緒になってC3-C6シクロアルキルを形成し;
R3は、C1-C18アルキル、(C1-C18アルキル)OH、(C1-C18アルキル)NH2、(C1-C18アルキル)SH、(C0-C4アルキル)(C3-C6)シクロアルキル、(C0-C4アルキル)(C2-C5複素環)、(C0-C4アルキル)(C6-C10アリール)R7、及び(C1-C4アルキル)(C3-C9ヘテロアリール)から成る群から選択されるか、又はR4及びR3は、それらが結合する原子と一緒になって4、5又は6員の複素環を形成し;
R5はNHR6又はOHであり;
R6はH、C1-C8アルキルであるか、又はR6及びR2は、それらが結合する原子と一緒になって4、5又は6員の複素環を形成し;さらに
R7はH及びOHから成る群から選択される。
他の実施態様では、ジペプチドプロドラッグエレメントは下記の式Iの一般式を有する:
Figure 2014507402

式中、
R1、R2、R4及びR8は、それぞれ別個にH、C1-C18アルキル、C2-C18アルケニル、(C1-C18アルキル)OH、(C1-C18アルキル)SH、(C2-C3アルキル)SCH3、(C1-C4アルキル)CONH2、(C1-C4アルキル)COOH、(C1-C4アルキル)NH2、(C1-C4アルキル)NHC(NH2 +)NH2、(C0-C4アルキル)(C3-C6シクロアルキル)、(C0-C4アルキル)(C2-C5複素環)、(C0-C4アルキル)(C6-C10アリール)R7、(C1-C4アルキル)(C3-C9ヘテロアリール)、及びC1-C12アルキル(W1)C1-C12 アルキルから成る群から選択され、ここでW1は、N、S及びOから成る群から選択される異種原子であるか、又はR1及びR2は、それらが結合する原子と一緒になってC3-C12シクロアルキルを形成するか;又はR4及びR8は、それらが結合する原子と一緒になってC3-C6シクロアルキルを形成し;
R3は、C1-C18アルキル、(C1-C18アルキル)OH、(C1-C18アルキル)NH2、(C1-C18アルキル)SH、(C0-C4アルキル)(C3-C6)シクロアルキル、(C0-C4アルキル)(C2-C5複素環)、(C0-C4)(C6-C10アリール)R7、及び(C1-C4アルキル)(C3-C9ヘテロアリール) から成る群から選択されるか、又はR4及びR3は、それらが結合する原子と一緒になって4、5又は6員の複素環を形成し;
R5はNHR6又はOHであり;
R6はH又はC1-C8アルキルであるか、又はR6及びR1は、それらが結合する原子と一緒になって4、5又は6員の複素環を形成し;さらに
R7は、水素、C1-C18アルキル、C2-C18アルケニル、(C0-C4アルキル)CONH2、(C0-C4アルキル)COOH、(C0-C4アルキル)NH2、(C0-C4アルキル)OH及びハロから成る群から選択される。
いくつかの実施態様では、R8はH及びNHR6である。
いくつかの実施態様では、ジペプチドプロドラッグエレメントは式Iの構造を有し、
式中、
R1及びR8は、それぞれ別個にH又はC1-C8アルキルであり;
R2及びR4は、それぞれ別個にH、C1-C8アルキル、C2-C8アルケニル、(C1-C4アルキル)OH、(C1-C4アルキル)SH、(C2-C3アルキル)SCH3、(C1-C4アルキル)CONH2、(C1-C4アルキル)COOH、(C1-C4アルキル)NH2、(C1-C4アルキル)NHC(NH2 +)NH2、(C0-C4アルキル)(C3-C6シクロアルキル)、(C0-C4アルキル)(C2-C5複素環)、(C0-C4アルキル)(C6-C10アリール)R7、及びCH2(C3-C9ヘテロアリール)から成る群から選択されるか、又はR1及びR2は、それらが結合する原子と一緒になってC3-C12シクロアルキル又はアリールを形成し;
R5はNHR6であり;さらに
R6はH又はC1-C8アルキルである。
他の実施態様では、ジペプチドプロドラッグエレメントは式Iの構造を有し、式中、
R1及びR8は、それぞれ別個にH又はC1-C8アルキルであり;
R2及びR4は、それぞれ別個にH、C1-C8アルキル、C2-C8アルケニル、(C1-C4アルキル)OH、(C1-C4アルキル)SH、(C2-C3アルキル)SCH3、(C1-C4アルキル)CONH2、(C1-C4アルキル)COOH、(C1-C4アルキル)NH2、(C1-C4アルキル)NHC(NH2 +)NH2、(C0-C4アルキル)(C3-C6シクロアルキル)、(C0-C4アルキル)(C2-C5複素環)、(C0-C4アルキル)(C6-C10アリール)R7、及びCH2(C3-C9ヘテロアリール)から成る群から選択されるか、又はR1及びR2は、それらが結合する原子と一緒になってC3-C12シクロアルキルを形成し;
R3はC1-C18アルキルであり;
R5はNHR6であり;
R6はH又はC1-C8アルキルであり;さらに
R7は、水素、C1-C18アルキル、C2-C18アルケニル、(C0-C4アルキル)CONH2、(C0-C4アルキル)COOH、(C0-C4アルキル)NH2、(C0-C4アルキル)OH及びハロから成る群から選択される。
本開示にしたがって生成されたプロドラッグの半減期は、ジペプチドプロドラッグエレメントの置換基、その位置、及び前記が結合しているアミノ酸によって決定される。例えば、プロドラッグは本明細書に記載のペプチド又はアナローグを含むことができ、ここでジペプチドプロドラッグエレメントは、本明細書に記載のペプチド又はアナローグのN-末端アミノ酸のアルファアミノ基を介して結合する。この実施態様では、例えば約1時間のt1/2を有するプロドラッグは、以下の構造を有するジペプチドプロドラッグエレメントを含む:
Figure 2014507402

式中、
R1及びR2は、それぞれ別個にC1-C18アルキル又はアリールであるか;又はR1及びR2は-(CH2)p(式中pは2−9)を介して結合され;
R3はC1-C18アルキルであり;
R4及びR8は各々水素であり;さらに
R5はアミンである。
他の実施態様では、例えば約1時間のt1/2を有するプロドラッグは、以下の構造を有するジペプチドプロドラッグエレメントを含む:
Figure 2014507402

式中、
R1及びR2は、それぞれ別個にC1-C18アルキル又は(C0-C4アルキル)(C6-C10アリール)R7であるか;又はR1及びR2は-(CH2)p(式中pは2−9)を介して結合され;
R3はC1-C18アルキルであり;
R4及びR8は各々水素であり;
R5はNH2であり;さらに
R7は、水素、C1-C18アルキル、C2-C18アルケニル、(C0-C4アルキル)CONH2、(C0-C4アルキル)COOH、(C0-C4アルキル)NH2、(C0-C4アルキル)OH及びハロから成る群から選択される。
さらにまた、本明細書に記載のペプチド又はアナローグのN-末端アルファアミノ酸と結合するジペプチドプロドラッグエレメントを有し、さらに例えば約6から約24時間のt1/2を有するプロドラッグは、以下の構造を有するジペプチドプロドラッグエレメントを含む:
Figure 2014507402

式中、
R1及びR2は、それぞれ別個に水素、C1-C18アルキル及びアリールから成る群から選択されるか;又はR1及びR2は-(CH2)p(式中pは2−9)を介して結合され;
R3はC1-C18アルキルであるか、又はR3及びR4は、それらが結合する原子と一緒になって4−12員の複素環を形成し;
R4及びR8は、それぞれ別個に水素、C1-C8アルキル及びアリールから選択され;さらに
R5はアミンであり;
ただしR1及びR2の両方が水素であることはなく、さらにR4又はR8の1つが水素であることを条件とする。
いくつかの実施態様では、本明細書に記載のペプチド又はアナローグのN-末端アルファアミノ酸と結合するジペプチドプロドラッグエレメントを有し、さらに例えば約12から約72時間のt1/2を有するプロドラッグ、又はいくつかの実施態様では約12から約48時間のt1/2を有するプロドラッグは、以下の構造を有するジペプチドプロドラッグエレメントを含む:
Figure 2014507402
式中、
R1及びR2は、それぞれ別個にH、C1-C18アルキル、(C1-C18アルキル)OH、(C1-C4アルキル)NH2、及び(C0-C4アルキル)(C6-C10アリール)R7から成る群から選択されるか、又はR1及びR2は、-(CH2)p(式中pは2−9)を介して結合され;
R3はC1-C18アルキルであるか、又はR3及びR4は、それらが結合する原子と一緒になって4−12員の複素環を形成し;
R4及びR8は、それぞれ別個にH、C1-C8アルキル及び(C0-C4アルキル)(C6-C10アリール)R7から成る群から選択され;
R5はNH2であり;さらに
R7は、水素、C1-C18アルキル、C2-C18アルケニル、(C0-C4アルキル)CONH2、(C0-C4アルキル)COOH、(C0-C4アルキル)NH2、(C0-C4アルキル)OH及びハロから成る群から選択され;
ただしR1及びR2の両方が水素であることはなく、さらにR4又はR8の少なくとも1つが水素であることを条件とする。
いくつかの実施態様では、本明細書に記載のペプチド又はアナローグのN-末端アミノ酸と結合するジペプチドプロドラッグエレメントを有し、さらに例えば約12から約72時間のt1/2を有するプロドラッグ、又はいくつかの実施態様では約12から約48時間のt1/2を有するプロドラッグは、以下の構造を有するジペプチドプロドラッグエレメントを含む:
Figure 2014507402
式中、
R1及びR2は、それぞれ別個にH、C1-C8アルキル及び(C1-C4アルキル)NH2から成る群から選択されるか、又はR1及びR2は、-(CH2)p(式中pは2−9)を介して結合され;
R3はC1-C8アルキルであるか、又はR3及びR4は、それらが結合する原子と一緒になって4−6員の複素環を形成し;
R4はH及びC1-C8アルキルから成る群から選択され;さらに
R5はNH2であり;
ただしR1及びR2の両方が水素であることはないことを条件とする。
他の実施態様では、本明細書に記載のペプチド又はアナローグのN-末端アミノ酸と結合するジペプチドプロドラッグエレメントを有し、さらに例えば約12から約72時間のt1/2を有するプロドラッグ、又はいくつかの実施態様では約12から約48時間のt1/2を有するプロドラッグは、以下の構造を有するジペプチドプロドラッグエレメントを含む:
Figure 2014507402
式中、
R1及びR2は、それぞれ別個に水素、C1-C8アルキル及び(C1-C4アルキル)NH2から成る群から選択され;
R3はC1-C6アルキルであり;
R4は水素であり;さらに
R5はNH2であり;
ただしR1及びR2の両方が水素であることはないことを条件とする。
いくつかの実施態様では、本明細書に記載のペプチド又はアナローグのN-末端アミノ酸と結合するジペプチドプロドラッグエレメントを有し、さらに例えば約12から約72時間のt1/2を有するプロドラッグ、又はいくつかの実施態様では約12から約48時間のt1/2を有するプロドラッグは、以下の構造を有するジペプチドプロドラッグエレメントを含む:
Figure 2014507402

式中、
R1及びR2は、それぞれ別個に水素、C1-C8アルキル、(C1-C4アルキル)NH2から成る群から選択されるか、又はR1及びR2は、(CH2)p(式中pは2−9)を介して結合され;
R3はC1-C8アルキルであり;
R4は(C0-C4アルキル)(C6-C10アリール)R7であり;
R5はNH2であり;さらに
R7は、水素、C1-C8アルキル及び(C0-C4アルキル)OHから成る群から選択され;
ただしR1及びR2の両方が水素であることはないことを条件とする。
さらにまた、本明細書に記載のペプチド又はアナローグのN-末端アルファアミノ酸と結合するジペプチドプロドラッグエレメントを有し、さらに例えば約72から約168時間のt1/2を有するプロドラッグが提供され、ここで前記ジペプチドプロドラッグエレメントは以下の構造を有する:
Figure 2014507402

式中、
R1は水素、C1-C8アルキル及びアリールから成る群から選択され;
R3はC1-C18アルキルであり;
R4及びR8は各々水素であり;さらに
R5は、アミン若しくはN-置換アミン又はヒドロキシルであり;
ただしR1がアルキル又はアリールである場合、R1及びR5は、それらが結合する原子と一緒になって4−11員の複素環を形成することを条件とする。
いくつかの実施態様では、ジペプチドプロドラッグエレメントは以下の構造を有する:
Figure 2014507402

式中、
R1は水素、C1-C8アルキル及び(C0-C4アルキル)(C6-C10アリール)R7から成る群から選択され;
R3はC1-C18アルキルであり;
R4及びR8は各々水素であり;
R5はNHR6又はOHであり;
R6はH、C1-C8アルキルであるか、又はR6及びR1は、それらが結合する原子と一緒になって4、5又は6員の複素環を形成し;さらに
R7は、水素、C1-C18アルキル、C2-C18アルケニル、(C0-C4アルキル)CONH2、(C0-C4アルキル)COOH、(C0-C4アルキル)NH2、(C0-C4アルキル)OH、及びハロから成る群から選択され、
ただしR1がアルキル又は(C0-C4アルキル)(C6-C10アリール)R7である場合、R1及びR5は、それらが結合する原子と一緒になって4−11員の複素環を形成することを条件とする。
いくつかの実施態様では、ジペプチドプロドラッグエレメントは、本明細書に記載のペプチド又はアナローグの内部アミノ酸の側鎖アミンと結合する。この実施態様では、例えば約1時間のt1/2を有するプロドラッグは以下の構造を有し:
Figure 2014507402
式中、
R1及びR2はそれぞれ別個にC1-C8アルキル又はアリールであるか、又はR1及びR2は、(CH2)p(式中pは2−9)を介して結合され;
R3はC1-C18アルキルであり;
R4及びR8は各々水素であり;さらにR5はアミンである。
いくつかの実施態様では、例えば約1時間のt1/2を有するプロドラッグは以下の構造を有し:
Figure 2014507402

式中、
R1及びR2は、それぞれ別個にC1-C8アルキル又は(C0-C4アルキル)(C6-C10アリール)R7であるか、又はR1及びR2は、-(CH2)p-(式中pは2−9)を介して結合され;
R3はC1-C18アルキルであり;
R4及びR8は各々水素であり;
R5はNH2であり;さらに
R7は、水素、C1-C18アルキル、C2-C18アルケニル、(C0-C4アルキル)CONH2、(C0-C4アルキル)COOH、(C0-C4アルキル)NH2、(C0-C4アルキル)OH及びハロから成る群から選択される。
さらにまた、例えば約6から約24時間のt1/2を有し、さらに内部のアミノ酸側鎖と結合するジペプチドプロドラッグエレメントを有するプロドラッグは、以下の構造を有するジペプチドプロドラッグエレメントを含む:
Figure 2014507402

式中、
R1及びR2は、それぞれ別個に水素、C1-C8アルキル及びアリールから成る群から選択されるか、又はR1及びR2は、-(CH2)p(式中pは2−9)を介して結合され;
R3はC1-C18アルキルであるか、又はR3及びR4は、それらが結合する原子と一緒になって4−12員の複素環を形成し;
R4及びR8は、それぞれ別個にC1-C18アルキル又はアリールであり;さらに
R5はアミン又はN-置換アミンであり;
ただしR1及びR2の両方が水素であることはなく、R4又はR8の1つは水素であることを条件とする。
いくつかの実施態様では、例えば約12から約72時間のt1/2を有し、又はいくつかの実施態様では約12から約48時間のt1/2を有し、さらに内部のアミノ酸側鎖と結合するジペプチドプロドラッグエレメントを有するプロドラッグは、以下の構造を有するジペプチドプロドラッグエレメントを含む:
Figure 2014507402
式中、
R1及びR2は、それぞれ別個に水素、C1-C8アルキル及び (C0-C4アルキル)(C6-C10アリール)R7から成る群から選択されるか、又はR1及びR2は-(CH2)p(式中pは2−9)を介して結合され;
R3は、C1-C18アルキルであるか、又はR3及びR4は、それらが結合する原子と一緒になって4−12員の複素環を形成し;
R4及びR8は、それぞれ別個に水素、C1-C18アルキル又は(C0-C4アルキル)(C6-C10アリール)R7であり;
R5はNHR6であり;
R6はH又はC1-C8アルキルであるか、又はR6及びR2は、それらが結合する原子と一緒になって4、5又は6員の複素環を形成し;さらに
R7は、水素、C1-C18アルキル、C2-C18アルケニル、(C0-C4アルキル)CONH2、(C0-C4アルキル)COOH、(C0-C4アルキル)NH2、(C0-C4アルキル)OH及びハロから成る群から選択され;
ただしR1及びR2の両方が水素であることはなく、R4又はR8の少なくとも1つは水素であることを条件とする。
さらにまた、例えば約72から約168時間のt1/2を有し、さらに本明細書に記載のペプチド又はアナローグの内部のアミノ酸側鎖と結合するジペプチドプロドラッグエレメントを有するプロドラッグが提供され、ここで前記ジペプチドプロドラッグエレメントは以下の構造を有する:
Figure 2014507402

式中、
R1及びR2は、それぞれ別個に水素、C1-C18アルキル及びアリールから成る群から選択され;
R3は、C1-C18アルキルであり;
R4及びR8は各々水素であり;さらに
R5はアミン若しくはN-置換アミン又はヒドロキシルであり;
ただしR1及びR2の両方がそれぞれ別個にアルキル又はアリールである場合、R1又はR2のどちらかは-(CH2)p(式中pは2−9)を介してR5に結合されることを条件とする。
いくつかの実施態様では、例えば約72から約168時間のt1/2を有し、さらに本明細書に記載のペプチド又はアナローグの内部のアミノ酸側鎖と結合するジペプチドプロドラッグエレメントを有するプロドラッグが提供され、ここで前記ジペプチドプロドラッグエレメントは以下の構造を有する:
Figure 2014507402

式中、
R1は、水素、C1-C18アルキル及び(C0-C4アルキル)(C6-C10アリール)R7から選択され;
R3はC1-C18アルキルであり;
R4及びR8は各々水素であり;
R5はNHR6又はOHであり;
R6はH又はC1-C8アルキルであるか、又はR6及びR1は、それらが結合する原子と一緒になって4、5又は6員の複素環を形成し;さらに
R7は、水素、C1-C18アルキル、C2-C18アルケニル、(C0-C4アルキル)CONH2、(C0-C4アルキル)COOH、(C0-C4アルキル)NH2、(C0-C4アルキル)OH及びハロから選択され;
ただしR1及びR2の両方がそれぞれ別個にアルキル又は(C0-C4アルキル)(C6-C10アリール)R7である場合、R1又はR2のどちらかは(CH2)p(式中pは2−9)を介してR5に結合されることを条件とする。
いくつかの実施態様では、ジペプチドプロドラッグエレメントは、本明細書に記載のペプチド又はアナローグの内部アミノ酸の側鎖アミンと結合し、ここで前記内部アミノ酸は以下の式IIの構造を有する:
Figure 2014507402

式中、nは1−4から選択される整数である。いくつかの実施態様ではnは3又は4であり、いくつかの実施態様では内部アミノ酸はリジンである。いくつかの実施態様では、ジペプチドプロドラッグエレメントは、本明細書に記載のペプチド又はアナローグの12、16、17、18、20、28又は29位に位置するアミノ酸の側鎖上の一級アミンと結合する。いくつかの実施態様では、12、16、17、18、20、28又は29位のアミノ酸は以下の式IIの構造を含む:
Figure 2014507402

式中、nは1−4から選択される整数であり、さらにジペプチドプロドラッグエレメントはアミド結合を介してアミノ酸側鎖と結合する。いくつかの実施態様ではnは4であり、アミノ酸は20位に位置する。
さらに別の実施態様では、ジペプチドプロドラッグエレメントは、そのペプチド又はアナローグと芳香族アミノ酸のアリール基に存在するアミン基を介して結合する。いくつかの実施態様では、芳香族アミノ酸は本明細書に記載のペプチド又はアナローグの内部アミノ酸であるが、しかしながら前記芳香族アミノ酸はまたN-末端アミノ酸でもよい。いくつかの実施態様では、芳香族アミノ酸は、アミノ-Phe、アミノ-ナフチルアラニン、アミノトリプトファン、アミノ-フェニル-グリシン、アミノ-ブロモ-Phe及びアミノチロシンから成る群から選択される。いくつかの実施態様では、ジペプチドプロドラッグエレメントとアミド結合を形成する一級アミンは、アリール基上にパラ位で存在する。いくつかの実施態様では、芳香族アミンは以下の式IIIの構造を含む:
Figure 2014507402

式中、nは1−3の整数である。
ジペプチドプロドラッグエレメントが、芳香族アミノ酸のアリール基に存在するアミンを介して当該ペプチド又はアナローグと結合する実施態様では、例えば約1時間のt1/2を有するプロドラッグは以下のジペプチド構造を有する:
Figure 2014507402

式中、
R1及びR2は、それぞれ別個にC1-C18アルキル及びアリールであり;
R3は、C1-C18アルキルであるか、又は又はR3及びR4は、それらが結合する原子と一緒になって4−12員の複素環を形成し;
R4及びR8は、それぞれ別個に水素、C1-C18アルキル及びアリールから成る群から選択され;さらにR5はアミン又はヒドロキシルである。
いくつかの実施態様では、ジペプチドプロドラッグエレメントは、本明細書に記載のペプチド又はアナローグと芳香族アミノ酸のアリール基に存在するアミンを介して結合し、例えば約1時間のt1/2を有するプロドラッグは以下のジペプチド構造を有する:
Figure 2014507402

式中、
R1及びR2は、それぞれ別個にC1-C18アルキル又は(C0-C4アルキル)(C6-C10アリール)R7であり;
R3は、C1-C18アルキルであるか、又はR3及びR4は、それらが結合する原子と一緒になって4−12員の複素環を形成し;
R4及びR8は、それぞれ別個に水素、C1-C18アルキル及び(C0-C4アルキル)(C6-C10アリール)R7から成る群から選択され;
R5はNH2又はOHであり;
R7は、水素、C1-C18アルキル、C2-C18アルケニル、(C0-C4アルキル)CONH2、(C0-C4アルキル)COOH、(C0-C4アルキル)NH2、(C0-C4アルキル)OH及びハロから成る群から選択される。
さらにまた、芳香族アミノ酸を介して結合するジペプチドプロドラッグエレメントを有し、さらに例えば約6から約24時間のt1/2を有するプロドラッグが提供され、ここで前記ジペプチドは以下の構造を含む:
Figure 2014507402

式中、
R1は、水素、C1-C18アルキル及びアリールから成る群から選択されるか、又はR1及びR2は-(CH2)p(式中pは2−9)を介して結合され;
R3はC1-C18アルキルであるか、又はR3及びR4は、それらが結合する原子と一緒になって4−6員の複素環を形成し;
R4及びR8は、それぞれ別個に水素、C1-C18アルキル及びアリールから成る群から選択され;
R5はアミン又はN-置換アミンである。
いくつかの実施態様では、芳香族アミノ酸を介して結合するジペプチドプロドラッグエレメントを有し、さらに例えば約6から約24時間のt1/2を有するプロドラッグが提供され、ここで前記ジペプチドは以下の構造を含む:
Figure 2014507402

式中、
R1は、水素、C1-C18アルキル、(C1-C18アルキル)OH、(C1-C4アルキル)NH2、及び(C0-C4アルキル)(C6-C10アリール)R7から成る群から選択され;
R3はC1-C18アルキルであるか、又はR3及びR4は、それらが結合する原子と一緒になって4−6員の複素環を形成し;
R4及びR8は、それぞれ別個に水素、C1-C18アルキル及び(C0-C4アルキル)(C6-C10アリール)R7から成る群から選択され;
R5はNHR6であり;
R6はH又はC1-C8アルキルであるか、又はR6及びR1は、それらが結合する原子と一緒になって4、5又は6員の複素環を形成し;さらに
R7は、水素、C1-C18アルキル、C2-C18アルケニル、(C0-C4アルキル)CONH2、(C0-C4アルキル)COOH、(C0-C4アルキル)NH2、(C0-C4アルキル)OH及びハロから成る群から選択される。
さらにまた、芳香族アミノ酸を介して結合するジペプチドプロドラッグエレメントを有し、さらに例えば約72から約168時間のt1/2を有するプロドラッグが提供され、ここで前記ジペプチドは以下の構造を含む:
Figure 2014507402

式中、
R1及びR2は、それぞれ別個に水素、C1-C8アルキル、及びアリールから成る群から選択され;
R3はC1-C18アルキルであるか、又はR3及びR4は、それらが結合する原子と一緒になって4−6員の複素環を形成し;
R4及びR8は各々水素であり;されに
R5は、アミン、N-置換アミン及びヒドロキシルから成る群から選択される。
いくつかの実施態様では、芳香族アミノ酸を介して結合するジペプチドプロドラッグエレメントを有し、さらに例えば約72から約168時間のt1/2を有するプロドラッグが提供され、ここで前記ジペプチドは以下の構造を含む:
Figure 2014507402

式中、
R1及びR2は、それぞれ別個に水素、C1-C8アルキル、(C1-C4アルキル)COOH、及び(C0-C4アルキル)(C6-C10アリール)R7から成る群から選択されるか、又はR1及びR5は、それらが結合する原子と一緒になって4−11員の複素環を形成し;
R3はC1-C18アルキルであるか、又はR3及びR4は、それらが結合する原子と一緒になって4−6員の複素環を形成し;
R4は水素であるか、又はR3と一緒に4−6員の複素環を形成し;
R8は水素であり:
R5はNHR6又はOHであり;
R6はH又はC1-C8アルキルであるか、又はR6及びR1は、それらが結合する原子と一緒になって4、5又は6員の複素環を形成し;さらに
R7は、水素、C1-C18アルキル、C2-C18アルケニル、(C0-C4アルキル)CONH2、(C0-C4アルキル)COOH、(C0-C4アルキル)NH2、(C0-C4アルキル)OH及びハロから成る群から選択される。
いくつかの実施態様では、ジペプチドプロドラッグエレメントは、芳香族アミノ酸のアリール置換基として存在する一級アミンを介して芳香族アミノ酸と結合し、ここで前記芳香族アミノ酸は、本明細書に記載のペプチド又はアナローグの10、13、22又は25位(本来のグルカゴンの番号付けを基準にする、例えば配列番号:1を参照されたい)に位置する。いくつかの実施態様では、芳香族アミノ酸と結合するジペプチドプロドラッグエレメントは、本明細書に記載のペプチド又はアナローグの22位に位置する。
いくつかの実施態様にしたがえば、ジペプチドプロドラッグエレメントは、本明細書に記載のペプチド又はアナローグ(例えばグルカゴン関連ペプチド、又はオステオカルシン並びに前記のアナローグ、誘導体及び連結物を含む)のN-末端アミンに結合され、ここで前記ジペプチドプロドラッグエレメントは以下の構造を含む:
Figure 2014507402

式中、
R1は、H及びC1-C8アルキルから成る群から選択され;
R2及びR4は、それぞれ別個にH、C1-C8アルキル、C2-C8アルケニル、(C1-C4アルキル)OH、(C1-C4アルキル)SH、(C2-C3アルキル)SCH3、(C1-C4アルキル)CONH2、(C1-C4アルキル)COOH、(C1-C4アルキル)NH2、(C1-C4アルキル)NHC(NH2 +)NH2、(C0-C4アルキル)(C3-C6シクロアルキル)、 (C0-C4アルキル)(C6-C10アリール)R7、CH2(C5-C9ヘテロアリール)から成る群から選択されるか、又はR1及びR2は、それらが結合する原子と一緒になってC3-C12シクロアルキルを形成し;
R3は、C1-C8アルキル、(C3-C6)シクロアルキルから成る群から選択されるか、又はR4及びR3は、それらが結合する原子と一緒になって5又は6員の複素環を形成し;
R5はNHR6又はOHであり;
R6はHであるか、又はR6及びR2は、それらが結合する原子と一緒になって5又は6員の複素環を形成し;さらに
R7はH及びOHから成る群から選択される。
いくつかの実施態様では、R1はH又はC1-C8アルキルであり、R2は、H、C1-C6アルキル、CH2OH、(C1-C4アルキル)NH2、(C3-C6シクロアルキル)及び CH2(C6アリール)R7から成る群から選択されるか、又はR6及びR2は、それらが結合する原子と一緒になって5員の複素環を形成し、R3はC1-C6アルキルであり、さらにR4は、水素、C1-C4アルキル、C3-C6シクロアルキル、(C1-C4アルキル)OH、(C1-C4アルキル)SH及び(C0-C4アルキル)(C6アリール)R7から成る群から選択されるか、又はR3及びR4はそれらが結合する原子と一緒になって5員の複素環を形成する。さらに別の実施態様では、R8はCH3であり、R5はNHR6である。さらにまた別の実施態様では、R3及びR4はそれらが結合する原子と一緒になって5員の複素環を形成し、さらにR5はNHR6である。
別の実施態様にしたがえば、ジペプチドプロドラッグエレメントは、本明細書に記載のペプチド又はアナローグのN-末端アミンに結合され、ここで前記ジペプチドプロドラッグエレメントは以下の構造を含む:
Figure 2014507402

式中、
R1はH及びC1-C8アルキルから成る群から選択され;
R2及びR4は、それぞれ別個にH、C1-C8アルキル、C2-C8アルケニル、(C1-C4アルキル)OH、(C1-C4アルキル)SH、(C2-C3アルキル)SCH3、(C1-C4アルキル)CONH2、(C1-C4アルキル)COOH、(C1-C4アルキル)NH2、(C1-C4アルキル)NHC(NH2 +)NH2、(C0-C4アルキル)(C3-C6シクロアルキル)、 (C0-C4アルキル)(C6-C10アリール)R7、CH2(C5-C9ヘテロアリール)から成る群から選択されるか、又はR1及びR2は、それらが結合する原子と一緒になってC3-C12シクロアルキルを形成し;
R3は、C1-C8アルキル、(C3-C6)シクロアルキルから成る群から選択されるか、又はR4及びR3は、それらが結合する原子と一緒になって5又は6員の複素環を形成し;
R5はNHR6又はOHであり;
R6はHであるか、又はR6及びR2は、それらが結合する原子と一緒になって5又は6員の複素環を形成し;さらに
R7は、水素、C1-C18アルキル、C2-C18アルケニル、(C0-C4アルキル)CONH2、(C0-C4アルキル)COOH、(C0-C4アルキル)NH2、(C0-C4アルキル)OH及びハロから成る群から選択される。
いくつかの実施態様では、R1はH又はC1-C8アルキルであり、R2は、H、C1-C6アルキル、CH2OH、(C1-C4アルキル)NH2、(C3-C6シクロアルキル)及び CH2(C6アリール)R7から成る群から選択されるか、又はR6及びR2は、それらが結合する原子と一緒になって5員の複素環を形成し、R3はC1-C6アルキルであり、さらにR4は、H、C1-C4アルキル、C3-C6シクロアルキル、(C1-C4アルキル)OH、(C1-C4アルキル)SH及び(C0-C4アルキル)(C6アリール)R7から成る群から選択されるか、又はR3及びR4はそれらが結合する原子と一緒になって5員の複素環を形成する。さらに別の実施態様では、R8はCH3であり、R5はNHR6であり、さらにまた別の実施態様では、R3及びR4はそれらが結合する原子と一緒になって5員の複素環を形成し、さらにR5はNHR6である。
医薬組成物、使用及びキット
塩:
いくつかの実施態様では、グルカゴンアナローグは塩、例えば医薬的に許容できる塩の形態である。本明細書で用いられる“医薬的に許容できる塩”という用語は、親化合物の生物学的活性を保持し、かつ生物学的に又は他の態様で好ましくない活性をもたない塩を指す。そのような塩は、アナローグの最終的な単離及び精製時にin situで調製するか、又は遊離塩基を適切な酸と反応させることによって別個に調製することができる。本明細書に開示する化合物の多くが、アミノ基及び/又はカルボキシル基又は前記に類似する基の存在のために酸性塩及び/又は塩基性塩を形成することができる。
医薬的に許容できる酸付加塩は無機及び有機酸から調製できる。代表的な酸付加塩には以下が含まれる(ただしこれらに限定されない):酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、クエン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩、樟脳スルホン酸塩、ジグルコン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミスルホン酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、フマール酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシエタンスルホン酸塩(イソチオネート)、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバリン酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、リン酸塩、グルタミン酸塩、重炭酸塩、p-トルエンスルホン酸塩及びウンデカン酸塩。無機酸から誘導される塩には、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩などが含まれる。有機酸から誘導される塩には酢酸塩、プロピオン酸塩、グリコール酸塩、ピルビン酸塩、シュウ酸塩、リンゴ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、フマール酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、安息香酸塩、桂皮酸塩、マンデリン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、サリチル酸塩などが含まれる。医薬的に許容できる酸付加塩を生成するために用いることができる酸の例には、例えば無機酸(例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸及びリン酸)及び有機酸(例えばシュウ酸、マレイン酸、コハク酸及びクエン酸)が含まれる。
塩基付加塩は、サリチル酸の供給源の最終的な単離及び精製時にin situで調製するか、或いはカルボン酸含有成分を、適切な塩基(例えば医薬的に許容できる金属陽イオンの水酸化物、炭酸塩又は重炭酸塩)又はアンモニア若しくは有機一級、二級若しくは三級アミンと反応させることによって調製することができる。医薬的に許容できる塩には以下が含まれる(ただしこれらに限定されない):アルカリ金属又はアルカリ土類金属を土台にする陽イオン(例えばリチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、及びアルミニウム塩など)、及び無毒な四級アンモニア及びアミン陽イオン(とりわけアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアンモニウム、ジメチルアンモニウム、トリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、ジエチルアンモニウム及びエチルアンモニウムが含まれる)。塩基付加塩の生成に有用な他の代表的な有機アミンには、例えばエチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペリジン、ピペラジンなどが含まれる。有機塩基から誘導される塩には、一級、二級及び三級アミンの塩が含まれるが、ただしこれらに限定されない。
さらに、塩基性窒素含有基が、より低級なハロゲン化アルキル(例えばメチル、エチル、プロピル及びブチルクロリド、ブロミド及びヨウ化物;長鎖ハロゲン化物(例えばデシル、ラウリル、ミリスチル及びステアリルクロリド、ブロミド及びヨウ化物);ハロゲン化アリールアルキル(例えばベンジル及びフェネチルブロミド及び他のもの)として本開示のアナローグを用いて四級化される。
処方物:
いくつかの実施態様にしたがえば、医薬組成物が本開示のグルカゴンアナローグ(又は医薬的に許容できるその塩)及び医薬的に許容できる担体を含む、当該医薬組成物が提供される。本明細書で用いられるように、“医薬的に許容できる担体”という用語は、任意の標準的な医薬担体、例えばリン酸緩衝食塩水溶液、水、エマルジョン(例えば油/水又は水/油エマルジョン)及び多様なタイプの湿潤剤を含む。前記用語はまた、米連邦政府の規制局によって承認された、或いは米国局方で動物(ヒトを含む)の使用のために列挙された任意の薬剤を包含する。
医薬組成物は医薬的に許容できる任意の成分を含むことができ、前記成分には例えば以下が含まれる:酸性化剤、添加剤、吸着剤、エアロゾル発射薬、空気置換剤、アルカリ化剤、抗固化剤、抗凝固剤、抗菌剤、抗酸化剤、防腐剤、塩基、基剤、緩衝剤、キレート剤、被覆剤、着色剤、乾燥剤、洗剤、希釈剤、消毒剤、崩壊剤、分散剤、溶解促進剤、染料、保湿剤、乳化剤、エマルジョン安定化剤、充填剤、フィルム形成剤、香り強化剤、香料、顆粒化剤、湿潤剤、滑沢剤、粘膜吸着剤、軟膏基剤、油性賦形剤、有機基剤、錠剤用基剤、色素、可塑剤、研磨剤、保存料、分離剤、皮膚浸透剤、可溶化剤、溶媒、安定化剤、座薬基剤、表面活性剤、サーファクタント、懸濁剤、甘味剤、治療薬剤、膨張剤、張度調整剤、毒性調整剤、粘性増強剤、水分吸収剤、水混合性補助剤、軟水化剤、又は湿潤化剤。
いくつかの実施態様では、医薬組成物は以下の成分の任意の1つ又は組合せを含む:アラビアゴム、アセスルフェームカリウム(acesulfame potassium)、クエン酸アセチルトリブチル、クエン酸アセチルトリエチル、寒天、アルコール、無水アルコール、変性アルコール、希アルコール、アレウリチック酸(aleuritic acid)、アルギン酸、脂肪族ポリエステル、アルミナ、水酸化アルミニウム、ステアリン酸アルミニウム、アミロペクチン、α‐アミロース、アスコルビン酸、アスコルビルパルミテート、アスパルテーム、制菌注射水、ベントナイト、ベントナイトマグマ、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、安息香酸、ベンジルアルコール、ベンジルベンゾエート、ブロノポール、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、ブチルパラベン、ブチルパラベンナトリウム、アルギン酸カルシウム、アスコルビン酸カルシウム、炭酸カルシウム、シクラミン酸カルシウム、二塩基性無水リン酸カルシウム、二塩基性リン酸カルシウム無水物、三塩基性リン酸カルシウム、プロピオン酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、ソルビン酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、硫酸カルシウム、半脱水硫酸カルシウム、カノーラ油、カルボマー、二酸化炭素、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、β-カロチン、カラジーナン、ヒマシ油、水素添加ヒマシ油、陽イオン性乳化ワックス、酢酸セルロース、セルロースアセテートフタレート、エチルセルロース、微晶質セルロース、粉末セルロース、ケイ化微晶質セルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、セトステアリルアルコール、セトリミド、セチルアルコール、クロロヘキシジン、クロロブタノール、クロロクレゾール、コレステロール、酢酸クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン、塩酸クロルヘキシジン、クロロジフルオロエタン(HCFC)、クロロジフルオロメタン、クロロフルオロカーボン(CFC)、クロロフェノキシエタノール、クロロキシレノール、コーンシロップ固形物、無水クエン酸、クエン酸一水化物、カカオ脂、着色剤、トウモロコシ油、綿実油、クレゾール、o-クレゾール、p-クレゾール、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、シクラミン酸、シクロデキストリン、デキストレート、デキストリン、デキストロース、デキストロース無水物、ジアゾリジニルウレア、フタール酸ジブチル、セバシン酸ジブチル、ジエタノールアミン、フタール酸ジエチル、ジフロロエタン(HFC)、ジメチル-β-シクロデキストリン、シクロデキストリン型化合物(例えばCaptisol(商標))、ジメチルエーテル、フタール酸ジメチル、二カリウムエデンテート、二ナトリウムエデンテート、リン酸水素二ナトリウム、ドクセートカルシウム、ドクセートカリウム、ドクセートナトリウム、没食子酸ドデシル、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミド、エデト酸カルシウム二ナトリウム、エデト酸、エグルミン、エチルアルコール、エチルセルロース、没食子酸エチル、ラウリン酸エチル、エチルマルトール、オレイン酸エチル、エチルパラベン、エチルパラベンカリウム、エチルパラベンナトリウム、エチルバニリン、フルクトース、フルクトース液、粉砕フルクトース、発熱因子フリーフルクトース、粉末フルクトース、フマール酸、ゼラチン、グルコース、液体グルコース、飽和植物脂肪酸のグリセリド混合物、グリセリン、ベヘン酸グリセリル、モノオレイン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、自己乳化モノステアリン酸グリセリル、パルミトステアリン酸グリセリル、グリセリン、グリコール、グリコフロール、グアーゴム、ヘプタフルオロプロパン(HFC)、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド、高フルクトースシロップ、ヒト血清アルブミン、炭水化物(HC)、希塩酸、水素添加植物油II型、ヒドロキシエチルセルロース、2-ヒドロキシエチル-β-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピルセルロース、低置換ヒドロキシプロピルセルロース、2-ヒドロキシプリピル-β-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、イミドウレア、インジゴカルミン、イオン交換剤、酸化鉄、イソプロピルアルコール、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、等張食塩水、カオリン、乳酸、ラクチトール、ラクトース、ラノリン、ラノリナルコール、無水ラノリン、レシチン、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、炭酸マグネシウム、ノルマル炭酸マグネシウム、無水炭酸マグネシウム、炭酸マグネシウム水酸化物、水酸化マグネシウム、ラウリル硫酸マグネシウム、酸化マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、三ケイ酸マグネシウム、無水三ケイ酸マグネシウム、リンゴ酸、麦芽、マルチトール、マルチトール溶液、マルトデキストリン、マルトール、マルトース、マンニトール、中鎖トリグリセリド、メグルミン、メンソール、メチルセルロース、メタクリル酸メチル、オレイン酸メチル、メチルパラベン、メチルパラベンカリウム、メチルパラベンナトリウム、微晶質セルロース及びカルボキシメチルセルロースナトリウム、鉱物油、軽鉱物油、鉱物油及びラノリンアルコール、油、オリーブ油、モノエタノールアミン、モントモリロナイト、没食子酸オクチル、オレイン酸、パルミチン酸、パラフィン、落花生油、ワセリン、ワセリン及びラノリンアルコール、医薬用光滑剤、フェノール、液化フェノール、フェノキシエタノール、フェノキシプロパノール、フェニルエチルアルコール、酢酸フェニル水銀、ホウ酸フェニル水銀、硝酸フェニル水銀、ポラクリリン、ポラクリリンカリウム、ポロキサマー、ポリデキストロース、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリアクリレート、ポリエチレン-ポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリメタクリレート、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンステアレート、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、アルギン酸カリウム、安息香酸カリウム、重炭酸カリウム、重亜硫酸カリウム、塩化カリウム、クエン酸カリウム、クエン酸カリウム無水物、リン酸水素カリウム、メタ重亜硫酸カリウム、一塩基リン酸カリウム、プロピオン酸カリウム、ソルビン酸カリウム、ポビドン、プロパノール、プロピオン酸、炭酸プロピレン、プロピレングリコール、プロピレングリコールアルギネート、没食子酸プロピル、プロピルパラベン、プロピルパラベンカリウム、プロピルパラベンナトリウム、硫酸プロタミン、ナタネ油、リンゲル溶液、サッカリン、サッカリンアンモニウム、サッカリンカルシウム、サッカリンナトリウム、ベニバナ油、サポナイト、血清蛋白質、ゴマ油、コロイドケイ酸、コロイドシリコンジオキシド、アルギン酸ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム無水物、クエン酸ナトリウム二水化物、塩化ナトリウム、シクラミン酸ナトリウム、エデト酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム二塩基物、リン酸ナトリウム三塩基物、プロピオン酸ナトリウム無水物、プロピオン酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、グリコール酸ナトリウムデンプン、ステアリルフマール酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビタンエステル(ソルビタン脂肪エステル)、ソルビトール、ソルビトール溶液70%、ダイズ油、スペルマセチワックス、デンプン、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、プレゼラチン化デンプン、滅菌可能トウモロコシデンプン、ステアリン酸、精製ステアリン酸、ステアリルアルコール、シュクロース、圧縮性砂糖、製菓業者用砂糖、砂糖球、転化糖、シュガータブ(Sugartab)、サンセットイェロー(Sunset Yellow)FCF、合成パラフィン、タルク、酒石酸、タルタジン、テトラフルオロエタン(HFC)、テオブロマ油、チメロサール、二酸化チタン、アルファトコフェノール、酢酸トコフェリル、アルファトコフェリル酸スクシネート、ベータ-トコフェロール、デルタ-トコフェロール、ガンマ-トコフェロール、トラガカント、クエン酸トリブチル、トリエタノールアミン、クエン酸トリエチル、トリメチル-β-シクロデキストリン、トリメチルテトラデシルアンモニウムブロミド、トリス緩衝剤、エデト酸三ナトリウム、バニリン、I型水素添加植物油、水、軟水、硬水、二酸化炭素フリー水、発熱因子フリー水、注射用水、吸入用滅菌水、注射用滅菌水、灌注用滅菌水、ワックス、陰イオン性乳化ワックス、カルナウバワックス、陽イオン性乳化ワックス、セチルエステル、微晶質ワックス、非イオン性乳化ワックス、座薬用ワックス、白蝋、黄蝋、白色ワセリン、羊毛脂、キサンタンゴム、キシリトール、ゼイン、プロピオン酸亜鉛、亜鉛塩、ステアリン酸亜鉛、又は以下の文献中の任意の賦形剤:Handbook of Pharmaceutical Excipients, Third Edition, A. H. Kibbe (Pharmaceutical Press, London, UK, 2000、前記文献は参照によりその全体が本明細書に含まれる)。医薬的に許容できる組成物の処方で用いられる多様な成分、及びその調製のための公知の技術は以下の文献で開示されている(Remington’s Pharmaceutical Sciences, Sixteenth Edition, E. W. Martin, Mack Publishing Co., Easton, Pa., 1980、前記文献は参照によりその全体が本明細書に含まれる)。通常的薬剤が本医薬組成物に関して不適合である場合を除いて、医薬組成物におけるその使用が意図される。補充的活性成分もまた本組成物に取り込むことができる。
いくつかの実施態様では、前述の成分は当該医薬組成物に任意の濃度で、例えば少なくともAで存在し得る。ここでAは、0.0001%w/v、0.001%w/v、0.01%w/v、0.1%w/v、1%w/v、2%w/v、5%w/v、10%w/v、20%w/v、30%w/v、40%w/v、50%w/v、60%w/v、70%w/v、80%w/v、又は90%w/vである。いくつかの実施態様では、前述の成分は当該医薬組成物に任意の濃度で、例えば多くともBで存在し得る。ここでBは、90%w/v、80%w/v、70%w/v、60%w/v、50%w/v、40%w/v、30%w/v、20%w/v、10%w/v、5%w/v、2%w/v、1%w/v、0.1%w/v、0.01%w/v、0.001%w/v、又は0.0001%w/vである。他の実施態様では、前述の成分は当該医薬組成物に任意の濃度範囲で、例えば約Aから約Bで存在し得る。いくつかの実施態様では、Aは0.0001%でBは90%である。
いくつかの実施態様では、医薬的に許容できる成分は以下から成る群から選択される:糖(例えばグルコース、シュクロース、トレハロース、ラクトース、フルクトース、マルトース、デキストラン、グリセリン、デキストラン、メリビオース、メレジトース、ラフィノース、マンノトリオース、スタキオース、マルトース、ラクツロース、マルツロース若しくはイソマルツロース、又は前記の組合せ)、糖アルコール(例えば、グリコール、グリセロール、エリトリトール、スレイトール、アラビトール、キシリトール、リビトール、マンニトール、ソルビトール、ダルシトール、イディトール、イソマルト、マルチトール、ラクチトール又はグルシトール、又は前記の組合せ)、塩(例えば塩化ナトリウム)、乳化剤又は界面活性剤(例えばポリソルベート、例えばポリオキシエチレン20ソルビタンモノオレエート、又は他のエチレンオキシドとプロピレンオキシドとのブロックコポリマー)、溶解保護剤、及び前記の混合物。例えば、賦形剤(例えば糖又は糖アルコール)は、約20mg/mLから約40mg/mL、又は25から45mg/mL、例えば35mg/mLの濃度で存在する。
医薬組成物は、生理学的に適合し得るpHを達成するように処方できる。いくつかの実施態様では、医薬組成物のpHは、処方物及び投与経路にしたがって、少なくとも5、少なくとも5.5、少なくとも6、少なくとも6.5、少なくとも7、少なくとも7.5、少なくとも8、少なくとも8.5、少なくとも9、少なくとも9.5、少なくとも10、少なくとも10.5からpH11まで(pH11を含む)、例えば4から7、又は4.5から5.5の間である。例示的な実施態様では、医薬組成物は緩衝剤を含み、生理学的に適合し得るpHを達成することができる。緩衝剤には所望のpHで緩衝することができる任意の化合物、例えばリン酸緩衝剤(例えばPBS)、トリエタノールアミン、トリス、ビシン、TAPS、トリシン、HEPES、TES、MOPS、PIPES、カコジレート、MES、酢酸、クエン酸、コハク酸、ヒスチジン又は他の医薬的に許容できる緩衝剤が含まれる。例示的な実施態様では、緩衝剤の強度は、少なくとも0.5mM、少なくとも1mM、少なくとも5mM、少なくとも10mM、少なくとも20mM、少なくとも30mM、少なくとも40mM、少なくとも50mM、少なくとも60mM、少なくとも70mM、少なくとも、少なくとも80mM、少なくとも90mM、少なくとも100mM、少なくとも120mM、少なくとも150mM、又は少なくとも200mMである。いくつかの実施態様では、緩衝剤の強度は300mMを超えない(例えば多くとも200mM、多くとも100mM、多くとも90mM、多くとも80mM、多くとも70mM、多くとも60mM、多くとも50mM、多くとも40mM、多くとも30mM、多くとも20mM、多くとも10mM、多くとも5mM、多くとも1mM)。例えば、緩衝剤の濃度は約2mMから約100mM、又は約10mMから約50mMであり得る。
投与経路:
投与経路に関する以下の考察は例示的実施態様を単に詳述するために提供され、いかなる態様においても当該範囲を限定するものと解されるべきではない。
経口投与に適切な処方物は、(a)流動溶液、例えば希釈剤(例えば水、食塩水又はオレンジジュース)に溶解された有効量の本開示のアナローグ;(b)カプセル、サシェ、錠剤、ロゼンジ及びトローチ(各々は予め定められた量の活性成分を固体又は顆粒として含む);(c)散剤;(d)適切な液体中の懸濁物;及び(e)適切なエマルジョンから成り得る。液体処方物は、希釈剤、例えば水及びアルコール(例えばエタノール、ベンジルアルコール及びポリエチレンアルコール)を含むことができ、医薬的に許容できる界面活性剤が添加されることも又は添加されないこともある。カプセル形は、例えば界面活性剤、滑沢剤及び不活性な充填剤(例えばラクトース、シュクロース、リン酸カルシウム及びトウモロコシデンプン)を含む、通常の硬質又は軟質ゼラチン外皮タイプであり得る。錠剤形は、1つ以上のラクトース、シュクロース、マンニトール、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、アルギン酸、微晶質セルロース、アラビアゴム、ゼラチン、グアーゴム、二酸化シリコンコロイド、クロスカルメロースナトリウム、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸及び他の賦形剤、着色剤、希釈剤、緩衝剤、崩壊剤、湿潤剤、保存料、香料及び他の薬理学的に適合し得る賦形剤を含むことができる。ロゼンジ形は、香料(通常はシュクロース及びアラビアゴム又はトラガカントゴム)中に本開示のアナローグを含むことができ、或いは当業界で公知の賦形剤をさらに含む不活性な基剤(例えばゼラチン及びグリセリン、又はシュクロース及びアラビアゴム、エマルジョン、ゲルなど)中に本開示のアナローグを含む香錠である。
本開示のアナローグは、単独であれ他の適切な成分と一緒であれ、肺経由投与でデリバーでき、さらに吸入により投与されるエーロゾル処方物にすることができる。これらのエーロゾル処方物は、許容できる加圧発射薬(例えばジクロロジフルオロメタン、プロパン、窒素など)中に配置することができる。それらはまた、非加圧調製物用(例えばネブライザー又は噴霧器用)医薬として処方できる。そのような噴霧処方物はまた粘膜に噴霧するために用いることができる。いくつかの実施態様では、アナローグは、ブレンド散剤として又はミクロ粒子若しくはナノ粒子として処方される。適切な肺処方物は当業界で公知である。例えば以下を参照されたい:Qian et al., Int J Pharm 366: 218-220 (2009);Adjei and Garren, Pharmaceutical Research, 7(6): 565-569 (1990);Kawashima et al., J Controlled Release 62(1-2): 279-287 (1999);Liu et al., Pharm Res 10(2): 228-232 (1993);国際特許出願公開公報WO2007/133747号及びWO2007/141411号。
経口投与に適切な処方物には、水性及び非水性の等張無菌的注射溶液(抗酸化剤、緩衝剤、制菌剤、及び当該処方物を対象のレシピエントの血液と等張にする溶質を含むことができる)、並びに水性及び非水性の無菌的懸濁物(懸濁剤、可溶化剤、膨張剤、安定化剤及び保存料を含むことができる)が含まれる。“非経口”という用語は、食事性通路を通過しないいくつかの他の経路(例えば皮下、筋肉内、脊髄内又は静脈内経路)によることを意味する。本開示のアナローグは、生理学的に許容できる希釈剤とともに医薬担体(例えば無菌的液体又は液体混合物)中で投与され得る。前記医薬担体は、水、食塩水、デキストロース水及び関連する糖の溶液、アルコール(例えばエタノール又はヘキサデシルアルコール)、グリコール(例えばプロピレングリコール又はポリエチレングリコール)、ジメチルスルホキシド、グリセロール、ケタール(例えば2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-メタノール)、エーテル、ポリ(エチレングリコール)400、油、脂肪酸、脂肪酸エステル又はグリセリド、又はアセチル化脂肪酸グリセリド(医薬的に許容できる界面活性剤(例えば石鹸又は洗剤)が添加されることも添加されないこともある)、懸濁剤(例えばペクチン、カルボマー、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、又はカルボキシメチルセルロース)、又は乳化剤及び他の医薬アジュバントを含む。
非経口処方物で用いることができる油には、ワセリン、動物性、植物性又は合成油が含まれる。油の具体例には落花生油、大豆油、ごま油、綿実油、トウモロコシ油、オリーブ油、ワセリン及び鉱物油が含まれる。非経口処方物で使用される適切な脂肪酸にはオレイン酸、ステアリン酸及びイソステアリン酸が含まれる。オレイン酸エチル及びミリスチン酸イソプロピルは適切な脂肪酸エステルの例である。
非経口処方物で使用される適切な石鹸には脂肪アルカリ金属、アンモニウム及びトリエタノールアミン塩が含まれ、適切な洗剤には、(a)陽イオン性洗剤、例えばハロゲン化ジメチルジアルキルアンモニウム及びハロゲン化アルキルピリジニウム、(b)陰イオン性洗剤、例えばアルキル、アリール及びオレフィンスルホネート、アルキル、オレフィン、エーテル及びモノグリセリドスルフェート、並びにスルホスクシネート、(c)非イオン性洗剤、例えば脂肪アミンオキシド、脂肪酸アルカノールアミド、及びポリオキシエチレンポリプロピレンコポリマー、(d)両性洗剤、例えばアルキル-β-アミノプロピオネート、及び2-アルキル-イミダゾリン四級アンモニウム塩、及び(e)前記の混合物が含まれる。
非経口処方物は、典型的には本開示のアナローグの重量で約0.5%から約25%を溶液中に含むであろう。保存量及び緩衝剤を用いることができる。注射部位の刺激を最小限にするか又は排除するために、そのような組成物は、親水性-親油性バランスが約12から約17の1つ以上の非イオン性界面活性剤を含むことができる。そのような処方物中の界面活性剤の量は、典型的には重量で約5%から約15%の範囲であろう。適切な界面活性剤にはポリエチレングリコールソルビタン脂肪エステル、例えばソルビタンモノオレエート及び疎水性塩基を有するエチレンオキシドの高分子量アダクツ(プロプレンオキシドとプロピレングリコールとの縮合によって形成される)が含まれる。非経口処方物は、容器(例えばアンプル及びバイアル)に封入されたユニットドース又はマルチドースとして提供でき、さらに凍結乾燥状態(無菌的な液状賦形剤(例えば注射用の水)の使用直前の添加のみが要求される)で保存することができる。以前に記載した種類の無菌的粉末、顆粒及び錠剤から即席の注射溶液及び懸濁液を調製できる。
注射可能な処方物は本発明のとおりである。注射可能な組成物の有効な医薬担体の要件は当業者には周知である(例えば以下を参照されたい:Pharmaceutics and Pharmacy Practice, J. B. Lippincott Company, Philadelphia, PA, Banker and Chalmers, eds., pages 238-250, 1982及びASHP Handbook on Injectable Drugs, Toissel, 4th ed., pages 622-630, 1986)。
さらにまた、本開示のアナローグは、多様な基剤(例えば乳化基剤又は水溶性基剤)と混合することによって直腸投与用の座薬にすることができる。膣投与に適切な処方物は、活性成分に加えて適切なことが当業界で判明している担体を含む、ペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、泡又はスプレー処方物として提供できる。
本開示のアナローグは、上記に記載した医薬組成物の他に、封入複合体(例えばシクロデキストリン封入複合体又はリポソーム)として処方できることは当業者には理解されよう。
用量:
本開示のアナローグは、GIPレセプターアゴニズム、GIP/GLP-1レセプターコアゴニズム、GIP/グルカゴンレセプターコアゴニズム又はGIP/GLP-1/グルカゴンレセプタートリアゴニズムが役割を果たす疾患又は症状の治療で有用であると考えられる。本開示の目的のためには、本開示のアナローグの量又は用量は、合理的な時間枠にわたって対象者又は動物で治療的または予防的応答を達成するために十分であるべきである。例えば、本開示のアナローグの用量は、本明細書に記載するように細胞のcAMP分泌を刺激するために十分であるか、又は哺乳動物の血中グルコースレベル、脂肪レベル、食物摂取レベル若しくは体重を投与の時点から約1から4ヶ月、1から4時間又は1から4週間又はそれより長く、例えば5から20週より長く低下させるために十分であるべきである。例示的な実施態様では、前記期間はさらに長くあることができよう。用量は、本開示の個々のアナローグの有効性及び当該動物(例えばヒト)の症状、或いは治療されるべき動物(例えばヒト)の体重によって決定されるであろう。
投与される用量を決定する多くのアッセイが当業界では公知である。本明細書の目的のためには、本開示のアナローグのある用量を動物(各哺乳動物セットに種々の用量のアナローグが投与される)に投与したとき、血中グルコースレベルが低下する程度を比較する工程を含むアッセイを用いて、哺乳動物に投与されるべき出発用量を決定することができよう。一定の用量を投与したとき血中グルコースレベルが低下する程度を、当業界で公知の方法(例えば実施例11として本明細書に記載した方法を含む)によってアッセイすることができる。
本開示のアナローグの用量はまた、本開示の個々のアナローグの投与に付随するかもしれない任意の副作用の存在、性質及び程度によって決定されるであろう。典型的には、主治医は、多様な因子、例えば年齢、体重、一般的健康状態、食事、性別、投与されるべき本開示のアナローグ、投与経路、及び治療される症状の重篤度を考慮しつつ、各患者を治療するべき本開示のアナローグの投薬量を決定するであろう。例示であり本発明を限定しようとするものではないが、本開示のアナローグの用量は、治療される対象者の体重1kg当たり毎日約0.0001から約1g、約0.0001から約0.001g/kg体重/日、又は約0.01mgから約1g/kg体重/日であり得る。例示的な実施態様では、用量は、1週間の全用量として約1mgから約40mg、又は約4mgから約30mg、又は約4から約20mg、又は約10から約20mg、又は約12mgから約30mgであり得る。
いくつかの実施態様では、医薬組成物は、患者への投与に適切な純度で本明細書に開示の任意のアナローグを含む。いくつかの実施態様では、アナローグは、少なくとも約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、又は約99%の純度レベルを有し、さらに医薬的に許容できる希釈剤、担体及び賦形剤を有する。いくつかの特徴の医薬組成物は、本開示のアナローグを少なくともAの濃度で含み、ここでAは約0.001mg/mL、約0.01mg/mL、約1mg/mL、約0.5mg/mL、約1mg/mL、約2mg/mL、約3mg/mL、約4mg/mL、約5mg/mL、約6mg/mL、約7mg/mL、約8mg/mL、約9mg/mL、約10mg/mL、約11mg/mL、約12mg/mL、約13mg/mL、約14mg/mL、約15mg/mL、約16mg/mL、約17mg/mL、約18mg/mL、約19mg/mL、約20mg/mL、約21mg/mL、約22mg/mL、約23mg/mL、約24mg/mL、約25mg/mL以上である。いくつかの実施態様では、医薬組成物は多くともBの濃度で当該アナローグを含み、ここでBは約30mg/mL、約25mg/mL、約24mg/mL、約23mg/mL、約22mg/mL、約21mg/mL、約20mg/mL、約19mg/mL、約18mg/mL、約17mg/mL、約16mg/mL、約15mg/mL、約14mg/mL、約13mg/mL、約12mg/mL、約11mg/mL、約10mg/mL、約9mg/mL、約8mg/mL、約7mg/mL、約6mg/mL、約5mg/mL、約4mg/mL、約3mg/mL、約2mg/mL、約1mg/mL又は約0.1mg/mLである。いくつかの実施態様では、組成物はAからBmg/mL、例えば約0.001から約30.0mg/mLの範囲の濃度でアナローグを含むことができる。
標的照準形:
本開示のアナローグは多くの態様で改変することができ、したがって当該改変により本開示のアナローグの治療的又は予防的有効性が高められることは当業者には容易に理解されるであろう。例えば、本開示のアナローグは、直接的に又はリンカーを介して間接的に標的誘導成分と連結することができる。化合物(例えば本明細書に記載のグルカゴンアナローグ)を標的誘導成分に連結する方法は当業界で公知である。例えば以下を参照されたい:Wadhwa et al., J Drug Targeting, 3, 111-127 (1995) 及び米国特許5,087,616号。本明細書で用いられる“標的誘導成分”という用語は、細胞表面レセプターを特異的に認識して前記と結合する任意の分子又は因子を指し、したがって標的誘導成分は、当該レセプター(グルカゴンレセプター、GLP-1レセプター)がその表面に発現されている細胞集団へ本開示のアナローグのデリバリーを指令する。標的誘導成分には、抗体若しくはそのフラグメント、ペプチド、ホルモン、成長因子、サイトカイン、及び細胞表面レセプターと結合する他の任意の天然又は非天然リガンドが含まれるが、ただしこれらに限定されない(前記細胞表面レセプターは、例えば上皮増殖因子レセプター(EGFR)、T細胞レセプター(TCR)、B細胞レセプター(BCR)、CD28、血小板由来増殖因子レセプター(PDGF)、ニコチン酸アセチルコリンレセプター(nAChR)などである)。本明細書で用いられる“リンカー”は、2つの別個の物質を互いに結合させる結合、分子又は分子の基である。リンカーは2つの物質の最適な面間隔を提供することができ、さらに2つの物質が互いに分離されることを可能にする柔軟な結合を提供することができる。柔軟な結合は光切断可能基、酸不安定成分、塩基不安定成分及び酵素切断可能基を含む。いくつかの実施態様における“リンカー”という用語は、本開示のアナローグと標的誘導成分とを架橋する任意の因子又は分子を指す。本開示のアナローグの機能にとって不要である本開示のアナローグ上の部位が、リンカー及び/又は標的誘導成分を結合させるために理想的な部位であることは、当業者には理解されよう。ただし前記は、いったん本開示のアナローグに結合したら、リンカー及び/又は標的誘導成分は本開示のアナローグの機能、すなわち糖尿病又は肥満を治療するために細胞のcAMP分泌を刺激する能力に干渉しないことを条件とする。
制御放出処方物:
また別には、本明細書に記載するグルカゴンアナローグは、前記を投与された身体内に前記アナローグが放出される態様が時間及び身体内の位置に関して制御されるように、デポット形に改変することができる(例えば米国特許4,450,150号を参照されたい)。本開示のアナローグのデポット形は、例えば、本開示のアナローグ及び有孔性又は無孔性物質(例えばポリマー)を含む移植可能な組成物であり、前記組成物では、本開示のアナローグは当該物質によって被包化されてあるか、又は物質全体に拡散されてあるか、及び/又は無孔性物質の分解によって拡散される。続いてこのデポットを体内の所望の場所に移植し、本開示のアナローグは予め定められた速度で当該移植物から放出される。
例示的特徴の医薬組成物は、任意のタイプのin vivo放出プロフィールを有するように改変される。いくつかの特徴では、医薬組成物は、即時放出、制御放出、持続放出、延長放出、遅延放出又は二相性放出処方物である。制御放出のためのペプチドを処方する方法は当業界で公知である。例えば以下を参照されたい:Qian et al., J Pharm 374: 46-52, 2009;及び国際特許出願公開公報WO2008/130158、 WO2004/033036、WO2000/032218及びWO1999/040942。
本組成物はさらに、例えばミセル若しくはリポソーム又はいくつかの他の被包化形を含むことができ、或いは延長放出形で投与して長期貯蔵及び/又はデリバリー効果を提供することができる。本開示の医薬処方物は、例えば以下を含む任意のレジメンにしたがって投与することができる:毎日(1日1回、1日2回、1日3回、1日4回、1日5回、1日6回)、1週間に3回、1週間に2回、2日毎、3日毎、4日毎、5日毎、6日毎、毎週、2週間毎、3週間毎、毎月、2カ月毎。
併用:
本明細書に記載のグルカゴンアナローグは単独で又は他の治療薬剤(任意の疾患又は本明細書に記載の症状の治療又は予防を目的とする)と一緒に投与できる。例えば、本明細書に記載のグルカゴンアナローグは、抗糖尿病薬又は抗肥満薬と一緒に共投与(同時又は連続的)することができる。当業界で公知又は研究中の抗糖尿病薬には以下が含まれる:インスリン、レプチン、ペプチドYY(PYY)、膵ペプチド(PP)、線維芽細胞増殖因子21(FGF21)、Y2Y4レセプターアゴニスト、スルホニルウレア、例えばトルブタミド(Orinase)、アセトヘキサミド(Dymelor)、トラザミド(Tolinase)、クロロプロパミド(Diabinese)、グリピジド(Glucotrol)、グリブリド(Diabeta、Micronase、Glynase)、グリメピリド(Amaryl)、又はグリクラジド(Diamicron);メグリチニド、例えばレパグリニド(Prandin)又はナテグリニド(Starlix);ビグアニド、例えばメトフォルミン(Glucophage)又はフェンホルミン;チアゾリジンジオン、例えばロシグリタゾン(Avandia)、ピオグリタゾン(Actos)又はトログリタゾン(Rezulin)、又は他のPPARγ阻害物質;炭水化物消化を阻害するアルファグリコシダーゼ阻害剤、例えばミグリトール(Glyset)、アカルボース(Precose/Glucobay);エクセナチド(Byetta)又はプラムリンチド;ジペプチジルペプチダーゼ-4(DPP-4)阻害剤、例えばビルダグリプチン又はシタグリプチン;SGLT(ナトリウム依存グルコーストランスポーター1)阻害剤;グルコキナーゼアクチベーター(GKA);グルカゴンレセプターアンタゴニスト(GRA);又はFBPase(フルクトース1,6-ビスホスファターゼ)阻害剤。
当業界で公知又は研究中の抗肥満薬には以下が含まれる:食欲抑制剤(フェネチルアミン型刺激剤を含む)、フェンテルミン(場合によってフェンフルラミン又はデクスフェンフルラミンと一緒に)、ジエチルプロピオン(Tenuate(商標))、フェンジメトラジン(Prelu-2(商標)、Bontril(商標))、ベンゾフェタミン(Didrex(商標))、シブチラミン(Meridia(商標)、Reductil(商標));リモナバント(Acomplia(商標))、他のカンナビノイドレセプターアンタゴニスト;オキシントモデュリン;フロキセチンヒドロクロリド(Prozac);クシメキサ(トピラメート及びフェンタミン)、エクスカリア(ブプロピオン及びゾニサミド)又はコントレーブ(ブオウロピオン及びナルトレキソン);又はリパーゼ阻害剤(XENICAL(Orlistat)又はクレチリスタット(ATL-962としても知られている)に類似する)、又はGT 389-255。
いくつかの実施態様の本明細書記載のペプチドは、非アルコール性脂肪肝症又はNASHの治療用薬剤と共投与される。非アルコール性脂肪肝症の治療に用いられる薬剤には、ウルソデオキシコール酸(a.k.a., Actigall、URSO及びUrsodiol)、メトフォルミン(Glucophage)、ロシグリタゾン(Avandia)、クロフィブレート、ゲミフィブロジル、ポリミキシンB及びベテインが含まれる。
いくつかの実施態様の本明細書に記載のペプチドは、神経変性疾患、例えばパーキンソン病の治療用薬剤と共投与される。抗パーキンソン病薬剤は当業界で公知であり、以下が含まれる(ただしこれらに限定されない):レボドーパ、カルビドーパ、抗コリン作動性薬、ブロモクリプチン、プラミペキソール及びロピニロール、アマンタジン及びラサギリン。
前述の記載から、本発明はさらにまた、これら他の治療薬剤の1つをさらに含む組成物及びキットを提供する。追加される治療薬剤は、本開示のアナローグと同時に又は連続して投与できる。いくつかの特徴では、本アナローグは追加の治療薬剤の前に投与されるが、他の特徴ではアナローグは追加の治療薬剤の後で投与される。
使用:
本明細書で初めて提供される情報を基にして、本開示の組成物(例えば関連する医薬組成物)は、例えば、GIPレセプター、GLP-1レセプター又は両レセプターにおける活性の欠如が当該疾患又は症状の開始及び/又は進行の要因である、ある疾患又は症状の治療に有用であることが推定される。したがって、本開示は、ある疾患又は症状を患者で治療又は予防する方法を提供する(ここで前記疾患又は症状は、GIPレセプター活性化及び/又はGLP-1レセプター活性化の欠如が当該疾患又は症状の開始及び/又は進行と密接に関係する疾患又は症状である)。本方法は、本明細書に記載の組成物又は連結物を、前記疾患又は症状の治療又は予防に有効な量で患者に提供する工程を含む。
いくつかの実施態様では、当該疾患又は症状は代謝症候群である。代謝症候群(メタボリックシンドロームX、インスリン耐性症候群又はリーベン症候群としても知られている)は、5千万のアメリカ人が罹患している疾患である。代謝症候群は、典型的には少なくとも3つ以上の以下の危険因子の集合を特徴とする:(1)異常な肥満(腹部及び腹部周辺の過剰な脂肪組織)、(2)アテローム形成性異常脂肪血症(動脈壁のプラーク沈着を亢進する高トリグリセリド、低HDLコレステロール及び高LDLコレステロールを含む血中脂肪異常)、(3)血圧上昇、(4)インスリン耐性又はグルコース不耐性、(5)前血栓状態(例えば血中の高フィブリノゲン又はプラスミノゲンアクチベーター阻害剤-1)、及び(6)前炎症性状態(例えば血中のC-反応性タンパク質の増加)。他の危険因子には加齢、ホルモン不均衡及び遺伝的素因が含まれ得る。
代謝症候群は、冠状動脈心疾患及び血管プラークの沈着に関連する他の異常(例えば卒中及び末梢血管性疾患(アテローム硬化症性心脈管疾患(ASCVD)と称される))のリスク上昇と密接に関係する。代謝症候群の患者は、その初期状態のインスリン耐性からASCVDのリスクがさらに高まった完全進行型(full blown)糖尿病II型に進行する可能性がある。いずれの特定の理論にも拘束されないが、インスリン耐性、代謝症候群及び血管疾患の間の関係は、1つ以上の同時に発生する病理メカニズムを巻き込む可能性がある。前記メカニズムにはインスリン刺激血管拡張の障害、酸化性ストレス増加によるNO利用性の低下(インスリン耐性に付随する)、及び脂肪細胞由来ホルモン(例えばアジポネクチンの異常)が含まれる(Lteif and Mather, Can. J. Cardiol. 20 (suppl. B):66B-76B, 2004)。
2001年の米国コレステロール教育プログラムにおける成人治療会議(ATP III)にしたがえば、同一個体における以下の特徴の任意の3つによって代謝症候群の基準が満たされる:(a)腹部肥満(腰回りが男性で102cm、女性で88cmを超える);(b)血清トリグリセリド(150mg/dL以上);(c)HDLコレステロール(男性で40mg/dL以下、女性で50mg/dL以下):(d)血圧(130/85以上);及び(e)絶食時血糖(110mg/dL以上)。世界保健機関(WHO)にしたがえば、高いインスリンレベル(絶食時血糖の上昇又は食後グルコース単独上昇)を示し、下記の基準の少なくとも2つを有する個体は代謝症候群の基準を満たす:(a)腹部肥満(ウェスト対ヒップ比が0.9を超え、体容積指数は少なくとも30kg/m2、又はウェストの測定値が93.98cm(37インチ)を超える);(b)少なくとも150mg/dLのトリグリセリドレベル又は35mg/dLより低いHDLコレステロールを示すコレステロールパネル;(c)140/90以上の血圧、又は高血圧治療中(Mathur, Ruchi, “Metabolic Syndrome,” ed. Shiel, Jr., William C., MedicineNet.com, May 11, 2009)。
本明細書の目的のためには、2001年の米国コレステロール教育プログラム成人治療会議又はWHOによって示された基準の一方又は両方の基準を満たすならば、当該個体は代謝症候群に罹患していると考えられる。
特定の理論には拘束されないが、本明細書に記載の組成物及び連結物は代謝症候群の治療に有用である。したがって、本発明は、代謝症候群を予防若しくは治療するか、又はその危険因子の1つ、2つ若しくは3つ以上を患者で減少させる方法を提供し、前記方法は、本明細書に記載の組成物を代謝症候群又はその危険因子を予防又は治療するために有効な量で対象者に提供する工程を含む。
いくつかの実施態様では、前記方法は高血糖症状を治療する。例示的特徴では、高血糖症状は糖尿病であり、真性糖尿病I型、真性糖尿病II型、又は妊娠性糖尿病(インスリン依存性又は非依存性)である。いくつかの特徴では、前記方法は、1つ以上の糖尿病合併症(腎臓障害、網膜症及び血管疾患を含む)を緩和することによって高血糖症状を治療する。
いくつかの特徴では、当該疾患又は症状は肥満である。いくつかの特徴では、肥満は薬剤誘発肥満である。いくつかの特徴では、前記方法は、患者で体重増加を予防若しくは緩和するか、又は体重減少を増進させることによって肥満を治療する。いくつかの特徴では、前記方法は、食欲を低下させるか、食物の摂取を減少させるか、患者の脂肪レベルを低下させるか、又は胃腸管系における食物の移動速度を低下させることによって肥満を治療する。
肥満は他の疾患の開始又は進行と密接に関係するので、肥満を治療する方法は、さらに肥満に付随する合併症(血管疾患(冠状動脈疾患、卒中、末梢血管疾患、虚血再灌流などを含む)、II型糖尿病の開始、高脂血症及び筋肉骨格性疾患を含む)の治療にも有用である。したがって、本開示は、これら肥満に付随する合併症を治療又は予防する方法を提供する。
いくつかの実施態様では、当該疾患又は症状は非アルコール性脂肪肝症(NAFLD)である。NAFLDは、単純脂肪肝(脂肪症)から非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、肝硬変(肝臓の不可逆性進行性瘢痕形成)へ至る広域の肝臓疾患を指す。一般的にNAFLDの全病期が肝臓の細胞(肝細胞)における脂肪の蓄積(脂肪浸潤)を示す。単純脂肪肝は、肝臓細胞におけるある種のタイプの脂肪(トリグリセリド)の異常な蓄積であり、炎症又は瘢痕形成は伴わない。NASHでは、脂肪蓄積は、肝臓の様々な程度の炎症(肝炎)及び瘢痕形成(線維症)を伴う。炎症細胞は肝臓細胞を破壊する能力を有する(肝細胞の壊死)。“脂肪性肝炎”及び“脂肪性壊死”という用語では、脂肪性は脂肪の浸潤を指し、肝炎は肝臓の炎症を指し、壊死は肝臓細胞の破壊を指す。NASHは最終的に肝臓の瘢痕形成(線維症)、続いて不可逆性の進行性瘢痕形成(肝硬変)に至る。NASHによって引き起こされる肝硬変は、NAFLDスペクトルにおける最終の最重篤期である(Mendler, Michel, “Fatty Liver: Nonalcoholic Fatty Liver Disease (NAFLD) and Nonalcoholic Steatohepatitis (NASH),” ed. Schoenfield, Leslie J., MedicineNet.com, August 29, 2005)
アルコール性肝疾患又はアルコール誘発肝疾患は、過剰なアルコール消費に関連する又は前記によって引き起こされる、以下の3つの病理学的に別個の肝疾患を包含する:脂肪肝(脂肪症)、慢性又は急性肝炎、及び肝硬変。アルコール性肝炎は、軽度の肝炎(極端な試験的検査で疾患がわずかに示される)から合併症(例えば黄疸(ビリルビン保持によって引き起こされる黄色皮膚))を伴う重度の肝機能障害、肝性脳障害(肝不全によって引き起こされる神経学的機能障害)、復水(腹腔の液体貯留)、食道静脈瘤出血(食道の静脈瘤)、異常な血液凝固及び昏睡までの範囲を有する。組織学的には、アルコール性肝炎は、肝細胞の膨張性変性、好中球及び時にマロリー小体(細胞内の介在性フィラメントタンパク質の異常な凝集物)を伴う炎症を示す特徴的な外観を有する。肝硬変は、解剖学的には線維症と合併した肝臓内の広範囲に分散した結節を特徴とする(Worman, Howard J., “Alcoholic Liver Disease”, Columbia University Medical Center website)。
いずれの特定の理論にも拘束されないが、本明細書に記載の組成物及び連結物は、アルコール性肝疾患、NAFLD又はその任意の病期(例えば脂肪症、脂肪性肝炎、肝炎、肝臓の炎症、NASH、肝硬変)又は前記の合併症の治療に有用である。したがって、本開示はアルコール性肝疾患、NAFLD又はその任意の病期を対象者で予防又は治療する方法を提供し、前記方法は、アルコール性肝疾患、NAFLD又はその任意の病期の予防又は治療に有効な量で本明細書に記載の組成物を対象者に提供する工程を含む。そのような治療方法は以下の1つ、2つ又は3つ以上を低下させることを含む:肝臓の脂肪含有量、肝硬変の発生率又は進行、肝細胞癌の発生率、炎症徴候(例えば異常な肝酵素レベル(例えばアスパルテートアミノトランスフェラーゼAST及び/又はアラニンアミノトランスフェラーゼALT又はLDH)、血清フェリチンの上昇、血清ビリルビンの上昇)、及び/又は線維症の徴候(例えばTGF-ベータレベルの上昇)。例示的な実施態様では、単純な脂肪肝(脂肪症)からさらに進行し、炎症又は肝炎の徴候を示す患者の治療に本組成物が用いられる。そのような方法は、例えばAST及び/又はALTレベルの低下をもたらすことができる。
GLP-1及びエクセンジン-4はいくつかの神経保護作用を有することが示された。本開示はまた、以下を含む(ただしこれらに限定されない)神経変性疾患の治療における本明細書に記載の組成物の使用を提供する:アルツハイマー病、パーキンソン病、多発性硬化症、筋委縮性側索硬化症、他の脱髄関連疾患、老年痴呆、皮質下痴呆、動脈硬化性痴呆、エイズ関連痴呆、又は他の痴呆、中枢神経系の癌、外傷性脳損傷、脊髄損傷、卒中若しくは脳虚血、脳血管炎、てんかん、ハンチントン病、ツレット症候群、ギャン-バレー症候群、ウィルソン病、ピック病、神経炎症性疾患、脳炎、ウイルス性、真菌性又は細菌性の脳脊髄炎若しくは髄膜炎、又は他の中枢神経系の感染、プリオン病、小脳性運動失調、小脳変性、脊髄小脳変性症候群、フリートライヒ運動失調、毛細血管拡張性運動失調、脊髄性筋栄養異常、進行性核上性麻痺、ジストニー、痙性、振せん、色素性網膜炎、線条体黒質の変性、ミトコンドリア性脳筋障害、ニューロンセロイド脂褐素沈着症、肝性脳障害、腎性脳傷害、代謝性脳障害、毒素誘発脳障害、及び放射線誘発脳損傷。
いくつかの実施態様では、本組成物は、患者、例えば非経口的栄養補給又は完全非経口栄養補給を受ける患者への病院設定の非経口的栄養物投与と一緒に用いられる。非限定的な例には以下が含まれる:外科手術の患者、昏睡患者、消化管障害又は胃腸管の機能喪失(例えば以下に起因する:外科的切除、閉塞又は吸収能力の障害、クローン病、潰瘍性大腸炎、胃腸管の閉塞、胃腸管フィステル、急性膵炎、腸の虚血、胃腸管の大手術、ある種の先天的胃腸管異常、長引く下痢、又は外科手術による短縮腸症候群)を有する患者、ショック患者、及び治癒過程にある患者で、しばしば種々の脂質、電解質、鉱物、ビタミン及びアミノ酸の多様な組合せとともに炭水化物の非経口的投与を受ける者。本明細書に記載のGIPアゴニストペプチド及びグルカゴンアンタゴニストを含む組成物、並びに非経口栄養組成物は同時に、異なる時に、それぞれの前後に投与することができるが、ただし非経口的栄養組成物が消化されるときに本組成物が所望の生物学的作用をあらわすことを条件とする。例えば、非経口栄養物は1日に1回、2回又は3回投与できるが、本組成物は2日に1回、1週間に3回、1週間に2回、1週間に1回、2週間毎に1回、3週間毎に1回、1ヶ月に1回投与される。
本明細書で用いられるように、“治療する”という用語は、個々の疾患若しくは症状の予防、又は個々の疾患若しくは症状に付随する徴候の軽減、及び/又は当該徴候の予防又は排除を含む。例えば、本明細書で用いられる“糖尿病を治療する”という用語は、一般的には血中グルコースレベルを正常レベルの方向に変化させることを指し、さらに与えられた状況にしたがって血中グルコースレベルの増加又は低下を含むことができる。
本明細書で用いられる、グルカゴンペプチドの“有効な”量又は“治療的に有効な量”は、所望の作用を提供するために無害であるが十分な量のペプチドを指す。例えば、所望される1つの作用は、例えば血中グルコースレベルの増加により測定されるように低血糖症の予防又は治療であろう。本開示のグルカゴンペプチドのまた別の所望の作用は、正常に近い血中グルコースレベルへの変化によって測定されるように高血糖症の治療、又は例えば体重の低下によって測定されるように体重減少/体重増加の誘発、又は体重増加の予防若しくは減少、又は体脂肪分布の正常化を含むであろう。“有効な”量は、個体の年齢及び一般的健康状態、並びに投与経路などにしたがって対象者毎に変動するであろう。したがって、正確な“有効量”を特定することはいつも可能であるとは限らない。しかしながら、任意の個体例における適切な“有効量”は、日常的な実験を用いて当業者は決定することができる。
対象動物:
上記の治療方法に関して、患者は任意の宿主である。いくつかの実施態様では、宿主は哺乳動物である。本明細書で用いられるように、“哺乳動物”は、哺乳動物クラスの任意の脊椎動物を指し、任意の単孔類動物及び胎盤動物が含まれる(ただしこれらに限定されない)。いくつかの実施態様では、前記哺乳動物は、ネズミ目の哺乳動物(例えばマウス及びハムスター)、及びウサギ目の哺乳動物(例えばウサギ)の1つである。例示的実施態様では、前記哺乳動物はネコ目(ネコ及びイヌを含む)に由来する。例示的実施態様では、前記哺乳動物は、ウシ目(ウシ及びブタを含む)又はウマ目(ウマを含む)に由来する。いくつかの事例では、前記哺乳動物は、サル目、セボイド目、シモイド目(サル)であるか、又はアンスロポイド目(ヒト及び類人猿)である。具体的な実施態様では、前記哺乳動物はヒトである。
キット:
本開示のグルカゴンアナローグは、ある実施態様にしたがえばキットの部分として提供できる。したがって、いくつかの実施態様では、グルカゴンアナローグをその必要がある患者に投与するためのキットが提供され、ここで当該キットは本明細書に記載のグルカゴンアナローグを含む。
ある実施態様では、キットは対象動物にグルカゴンアナローグを投与するための装置とともに提供される。いくつかの実施態様では、装置は、注射筒、ジェットインジェクター又は注射針の無い注入器である。キットは、又別に或いはさらに付け加えて1つ以上の容器を含み、前記容器は、例えばバイアル、チューブ、ビン、一又は多チャンバー付きの予め充填されたシリンジ、カートリッジ、輸液ポンプ(体外用又は移植用)、ジェットインジェクター、予め充填されたペン装置などで、場合によって凍結乾燥形又は溶液としてグルカゴンアナローグを含む。いくつかの実施態様では、キットは使用のための指示を含む。ある実施態様にしたがえば、前記キットの装置はエーロゾル適用装置であり、前記装置で組成物はエーロゾル装置内で予めパッケージされている。別の実施態様では、キットは注射筒及び針を含み、ある実施態様では無菌的なグルカゴンアナローグが当該注射筒内に予めパッケージされている。
いくつかの実施態様では、キットは使用のための指示を含む。いくつかの実施態様では、前記指示は本明細書に記載した方法のいずれかにしたがって使用するための指示を含む。前記指示はさらにまた健康的な食事を維持するための指示及び/又は運動プログラムのための指示を含むことができる。前記指示は、冊子の形態又は電子的形態(例えばコンピュータで読み出すことができる指示を含む保存装置)であってもよい。
以下の実施例は本発明を単に詳述するために提供され、いかなる態様においてもその範囲を限定するものではない。
以下は本開示のペプチドアナローグを合成する例示的方法を提供する。
グルカゴンのペプチドフラグメントの合成:
材料:
本明細書の実施例に記載したペプチドは特段の記載がなければ全てアミド化した。
MBHA樹脂(4-メチルベンゾヒドリルアミンポリスチレン樹脂)をペプチド合成の際に用いた。MBHA樹脂、100−180メッシュ、1%DVB架橋ポリスチレン(0.7−1.0mmol/gローディング)、Boc保護及びFmoc保護アミノ酸は、ミッドウェストバイオテク(Midwest Biotech)から購入した。Boc保護アミノ酸を用いる固相ペプチド合成は以下の合成装置で実施した(Applied Biosystem 430Aペプチド合成装置)。Fmoc保護アミノ酸合成は以下の合成装置で実施した(Applied Biosystems Model 433ペプチド合成装置)。
ペプチド合成(Bocアミノ酸/HF切断):
これらのアナローグの合成は以下の装置で実施した(Applied Biosystem Model 430Aペプチド合成装置)。合成ペプチドは、2mmolのBoc保護アミノ酸を含むカートリッジに連続的にアミノ酸を付加することによって構築した。具体的には、合成はBoc DEPBT活性化一カップリングを用いて実施した。カップリング工程の最後に、ペプチジル樹脂をTFAで処理してN-末端Boc保護基を除去した。前記をジメチルホルムアミド(DMF)で繰り返し洗浄し、この反復サイクルを所望数のカップリング工程について繰り返した。アッセンブリーの後、側鎖保護基(Fmoc)を20%のピペリジン処理によって除去し、アシル化はDICを用いて実施した。全合成の最後にペプチジル樹脂をジクロロメタン(DCM)を用いて乾燥させ、ペプチドは無水HFを用いて樹脂から切り離した。
ラクタム化のためには、直交保護基をGlu及びLys(例えばGlu(Fm)、Lys(Fmoc))のために選択した。保護基除去後及びHF切断前に、以前に記載されたように環状化を実施した(例えば国際特許出願公開公報WO2008/101017号を参照されたい)。
ペプチジル樹脂のHF処理:
ペプチジル樹脂を無水フッ化水素(HF)で処理し、前記によって典型的には約350mgの粗脱保護ペプチドが得られた(収量約50%)。具体的には、ペプチジル樹脂(30mgから200mg)を切断のためにHF反応容器に入れた。500μLのp-クレゾールをカルボニウムイオンスカベンジャーとして前記容器に添加した。この容器をHF系に結合させメタノール/ドライアイス混合物中に沈めた。この容器を真空ポンプで空にし、10mLのHFを容器に滴下した。前記ペプチジル樹脂とHFの反応混合物を1時間0℃で攪拌し、その後真空にしてHFを迅速に除去した(10−15分)。容器を注意して取り出し、約35mLのエーテルを充填させてペプチドを沈殿させ、さらにp-クレゾール及びHF処理から生じた小分子の有機保護基を抽出した。テフロンフィルターを用いてこの混合物をろ過し、これを2回繰り返して全ての過剰なクレゾールを除去した。このろ液は廃棄した。沈殿したペプチドを約20mLの10%酢酸(aq)に溶解した。このろ液(所望のペプチドを含む)を収集して凍結乾燥した。
溶解した粗ペプチドを分析用HPLCで以下の条件下で分析した:4.6x30mm Xterra C8、1.50mL/分、220nm、A緩衝液は0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)/10%アクリロニトリル(CAN)、B緩衝液は0.1%TFA/100%CAN、グラジエントは5−95%Bで15分。抽出物を2倍に水で希釈し、2.2x25cmのVydac C4調製用逆相カラムにロードし、Waters HPLC系でアセトニトリルグラジエント(A緩衝液は0.1%TFA/10%CAN、B緩衝液は0.1%TFA/10%CAN、グラジエントは0−100%のB、流速15.00mL/分で120分)を用いて溶出させた。精製ペプチドのHPLC分析は95%を超える純度を示し、エレクトロスプレーイオン化質量スペクトル分析を用いてペプチドの実体を確認した。
ペプチドアシル化:
アシル化ペプチドは以下のように調製した。ペプチドは以下の合成装置のどちらかを用いて固相樹脂上で合成した(CS Bio 4886ペプチド合成装置又はApplied Biosystems 430Aペプチド合成装置)。in situ中和反応を文献(Schnolzer et al., Int. J. Peptide Protein Res. 40: 180-193, 1992)に記載されたように用いた。アシル化ペプチドのためには、アシル化されるべき標的アミノ酸(配列番号:3のアミノ酸位置番号付けに対応して例えば10位)をNε-FMOCリジン残基で置換した。反応終了N-末端BOC保護ペプチドのDMF中の20%ピペリジンによる30分間の処理によってFMOC/ホルミル基が除去された。遊離εアミノLys残基とのカップリングは、10倍モル過剰のFMOC保護スペーサーアミノ酸(例えばFMOC-Glu-OtBu)又はアシル鎖のどちらか、及びPyBOP又はDEPBTカップリング試薬のDMF/N,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)中のカップリングによって達成された。その後のスペーサーアミノ酸のFMOC基の除去に続いてアシル鎖とのカップリングが繰り返された。100%のTFAによる最終処理によっていずれの側鎖保護基もさらにN-末端BOC基も除去された。ペプチド樹脂を5%DIEA/DMFで中和し、乾燥させ、続いてHF/p-クレゾール(95:5)を用いて1時間、0℃で支持体から切断した。エーテル抽出に続いて、5%酢酸(HOAc)溶液を用いて粗ペプチドの溶媒化物を形成させた。この溶液のサンプルが正しい分子量のペプチドを含んでいることをESI-MSによって立証した。10%アセトニトリル(CH3CN)/0.1%TFAから100%CH3CN/0.1%TFAの線状グラジエントを用いRP-HPLCによって適切なペプチドを精製した。Vydac C18(22mmx250mm)タンパク質カラムを精製に用いた。アシル化ペプチドアナローグは、一般的には緩衝液比20:80で溶出を完了した。該当部分を一緒にプールし、分析用RP-HPLCで純度についてチェックした。純粋な分画を凍結乾燥して白色の固形ペプチドを得た。
ペプチドがラクタム架橋及びアシル化されるべき標的残基を含んでいたら、アシル化は当該アミノ酸のペプチド骨格への添加時に上記に記載したように実行される。
二重アシル化又は二アシル化は以下のように調製される。ペプチドは以下のどちらかの合成装置(CS Bio 4886ペプチド合成装置又はApplied Biosystems 430Aペプチド合成装置)を用いて、固相樹脂上で合成される。in situ中和反応を文献(Schnolzer et al., Int. J. Peptide Protein Res. 40: 180-193, 1992)に記載されたように用いる。二部位二重アシル化ペプチドのためには、アシル化されるべき標的アミノ酸(配列番号:3のアミノ酸位置番号付けに対応して例えば10及び40位)をNε-FMOCリジン残基で置換する。DMF中の20%ピペリジンによる反応終了N-末端BOC保護ペプチドの30分間の処理によってFMOC/ホルミル基が除去される。遊離εアミノLys残基とのカップリングは、10倍モル過剰のFMOC保護スペーサーアミノ酸(例えばFMOC-Glu-OtBu)又はアシル鎖のどちらか、及びPyBOP又はDEPBTカップリング試薬のDMF/DIEA中のカップリングによって達成される。その後のスペーサーアミノ酸のFMOC基の除去に続いてアシル鎖とのカップリングが繰り返される。100%のTFAによる最終処理によっていずれの側鎖保護基もさらにN-末端BOC基も除去される。ペプチド樹脂を5%DIEA/DMFで中和し、乾燥させ、続いてHF/p-クレゾール(95:5)を用い0℃で1時間支持体から切断する。エーテル抽出に続いて、5%のHOAc溶液を用いて粗ペプチドの溶媒化物を生成する。この溶液のサンプルが正しい分子量のペプチドを含んでいることをESI-MSによって立証する。10%のCH3CN/0.1%TFAから100%CH3CN/0.1%TFAの線状グラジエントを用いRP-HPLCによって適切なペプチドを精製する。Vydac C18(22mmx250mm)タンパク質カラムを精製に用いる。アシル化ペプチドアナローグは、一般的には緩衝液比20:80によって溶出を完了する。該当部分を一緒にプールし、分析用RP-HPLCで純度についてチェックする。純粋な分画を凍結乾燥して白色の固体ペプチドを得る。
一部位分枝二重アシル化は以下のように調製される。ペプチドは以下のどちらかの合成装置(CS Bio 4886ペプチド合成装置又はApplied Biosystems 430Aペプチド合成装置)を用いて、固相樹脂上で合成される。in situ中和反応を文献(Schnolzer et al., Int. J. Peptide Protein Res. 40: 180-193, 1992)に記載されたように用いる。アシル化ペプチドのためには、アシル化されるべき標的アミノ酸(配列番号:3のアミノ酸位置番号付けに対応して例えば10位)をNε-FMOCリジン残基で置換する。DMF中の20%ピペリジンによる反応終了N-末端BOC保護ペプチドの30分間の処理によってFMOC/ホルミル基が除去される。C-末端を介するLys残基とのカップリングは、10倍モル過剰のε-アミノ及びFMOC保護スペーサーアミノ酸(例えばFMOC-Lys(FMOC)-OH)並びにPyBOP又はDEPBTカップリング試薬をDMF/DIEA中でカップリングすることによって達成される。その後のスペーサーアミノ酸のFMOC基の除去に続いて、ε-アミノとα-アミノ基の各々をアシル鎖とカップリングさせる。100%のTFAによる最終処理によっていずれの側鎖保護基もさらにN-末端BOC基も除去される。ペプチド樹脂を5%DIEA/DMFで中和し、乾燥させ、続いてHF/p-クレゾール(95:5)を用い0℃で1時間支持体から切断する。エーテル抽出に続いて、5%のHOAc溶液を用いて粗ペプチドの溶媒化物を生成する。この溶液のサンプルが正しい分子量のペプチドを含んでいることをESI-MSによって立証する。10%のCH3CN/0.1%TFAから100%CH3CN/0.1%TFAの線状グラジエントを用いRP-HPLCによって適切なペプチドを精製する。Vydac C18(22mmx250mm)タンパク質カラムを精製に用いた。アシル化ペプチドアナローグは、一般的には緩衝液比20:80によって溶出を完了する。該当部分を一緒にプールし、分析用RP-HPLCで純度についてチェックする。純粋な分画を凍結乾燥して白色の固体ペプチドを得る。
一部位線状二重アシル化は以下のように調製する。ペプチドは以下のどちらかの合成装置(CS Bio 4886ペプチド合成装置又はApplied Biosystems 430Aペプチド合成装置)を用いて、固相樹脂上で合成される。in situ中和反応を文献(Schnolzer et al., Int. J. Peptide Protein Res. 40: 180-193, 1992)に記載されたように用いる。アシル化ペプチドのためには、アシル化されるべき標的アミノ酸(配列番号:3のアミノ酸位置番号付けに対応して例えば10位)をNε-FMOCリジン残基で置換する。DMF中の20%ピペリジンによる反応終了N-末端BOC保護ペプチドの30分間の処理によってFMOC/ホルミル基が除去される。遊離εアミノLys残基とのカップリングは、10倍モル過剰のFMOC保護スペーサーアミノ酸(例えばFMOC-Glu-OtBu)又はアシル鎖のどちらか、及びPyBOP又はDEPBTカップリング試薬のDMF/DIEA中のカップリングによって達成される。その後のスペーサーアミノ酸のFMOC基の除去に続いて、脂肪酸テールの末端において保護アミノ酸(例えばFmocNH-(CH2)11-COOH)で官能化したアシル鎖とカップリングさせる。得られた一アシル化アミノ酸をDMF中の20%ピペリジンで処理してFMOC保護基を除去し、続いてアシル鎖を用いてカップリングする。100%のTFAによる最終処理によっていずれの側鎖保護基もさらにN-末端BOC基も除去される。ペプチド樹脂を5%DIEA/DMFで中和し、乾燥させ、続いてHF/p-クレゾール(95:5)を用い0℃で1時間支持体から切断する。エーテル抽出に続いて、5%のHOAc溶液を用いて粗ペプチドの溶媒化物を生成する。この溶液のサンプルが正しい分子量のペプチドを含んでいることをESI-MSによって立証する。10%のCH3CN/0.1%TFAから100%CH3CN/0.1%TFAの線状グラジエントを用いRP-HPLCによって適切なペプチドを精製する。Vydac C18(22mmx250mm)タンパク質カラムを精製に用いる。アシル化ペプチドアナローグは、一般的には緩衝液比20:80によって溶出を完了する。該当部分を一緒にプールし、分析用RP-HPLCで純度についてチェックする。純粋な分画を凍結乾燥して白色の固体ペプチドを得る。
二部位又は一部位二重アシル化の事例では、ペプチドにカップリングされるべき2つのアシル鎖は同じでも異なっていてもよい。2つのアシル鎖が異なる場合は、アシル化されるべき標的アミノ酸は2つの異なる保護基で置換される:例えばNε-FMOCリジン残基及びNε-ivDdeリジン残基(二部位二重アシル化)又はFMOC Lys(ivDde)-OH(一部位二重アシル化、852082 Novabiochem)。DMF中の20%ピペリジンによる反応終了N-末端BOC保護ペプチドの30分間の処理によってFMOC/ホルミル基が除去される。遊離εアミノLys残基はアシル基又はスペーサーアミノ酸を用いてカップリングされ、続いてアシル基にカップリングされる。得られた一アシル化ペプチドを2%ヒドラジン/DMFで処理して(ivDde)保護基を除去する。遊離アミノLys残基をアシル基又はスペーサーアミノ酸のどちらかを用いてカップリングさせ、続いてアシル基にカップリングされる。二重アシル化ペプチドを上記に記載したように単離する。
二重アシル化ペプチド(グルカゴンAib2 E16 A18 L27 D28 Cex K40(C16γE-K-γEC12)G41-アミド、配列番号:211のアミノ酸配列を有する)の合成例は図5Bに示され、下記でさらに述べる。
0.28g(0.2mmole)のmbha樹脂(Midwest Biotech)を反応容器に入れ、Bocアミノ酸のDEPBT/DIEA活性化一カップリングを用いてCSBio336合成装置で以下の配列を作成した:
Boc-HaibQGTFTSDYSKYLDERAAQDFVQWLLDGGPSSGAPPPSK(Fmoc)G-mbha樹脂
このBoc保護ペプチド樹脂を手動反応容器に移し、室温で10分間20%ピペリジン/DMFで処理した。この樹脂をろ過し、DMFで3回洗浄し、Fmoc Lys(ivDde)-OH(EMD-Novabiochem)の活性化溶液を添加した(前記は、4.0mLの0.5M DEPBT/DMF及び0.35ml(2mmole)のDIEAに2mmoleのFmoc Lys(ivDde)を溶解させることによって先に調製してあった)。
前記ペプチド樹脂を室温で16時間混合し、続いてろ過し、DMFで洗浄し、さらに20%ピペリジン/DMFで10分間処理した。この樹脂をろ過しDMFで数回洗浄し、さらにFmoc Glu-OBzlの活性化溶液を添加した(前記は、4.0mLの0.5M DEPBT/DMF及び0.35mlのDIEAに2mmoleのFmoc Glu-OBzlを溶解させることによって先に調製してあった)。この反応物を室温で1時間混合し、続いてろ過し、樹脂をDMFで洗浄した。20%のピペリジン/DMFでもう1回処理した後、樹脂をDMFで数回洗浄し、パルミチン酸の活性化溶液を添加して、40位の側鎖Lysのα-アミンのアシル化を完了させた(前記溶液は、4.0mLの0.5M DEPBT/DMFに2mmoleのパルミチン酸を溶解させ0.35mlのDIEAを添加することによって先に調製してあった)。前記反応物を1時間混合した。
ペプチド樹脂をろ過しDMFで洗浄し、室温で15分間2%ヒドラジン/DMFで処理し、さらにDMFで数回洗浄した。Fmoc Glu-OBzlの活性化溶液を添加し(上記と同じ)、反応物を室温で1時間混合した。この樹脂をε-リジンアミンにおける最後のアシル化のために3つの部分に分けた。この事例では、1つの部分にドデカン酸の活性化溶液を添加した。以前に2.0mLの0.5M DEPBT/DMFに1mmoleのドデカン酸(Aldrich)を溶解させて調製したもの及び0.175mlのDIEAを添加した。前記反応物を1時間混合し、ろ過し、DMF続いてジクロロメタンで洗浄した。50%のTFA/DCMによる処理でN-末端Boc基を除去し、5%のDIEA/DCMで中和した後、スカベンジャーとしてp-クレゾールを用いて氷浴中で1時間HF切断を実施した。HFを蒸発させた後、残留物をエチルエーテルに懸濁し、ペプチド/樹脂の混合物をろ過し、エーテルで洗浄した。ペプチドを酢酸水溶液で抽出し、HPLCで分析した(4.6x50mm Zorbax SB-C8、1ml/分、45°C、214nm (0.5A) A=0.1%TFA、B=0.1%TFA/90%CAN)。精製のために、残存する切断抽出物を21.2x250mmアンバークロム(Amberchrom)XT20カラムにロードし、ファルマシア(Pharmacia)FPLCで0.1%TFA/アセトニトリルグラジエントを実施した。
分画83−86を一緒にして凍結し、さらに凍結乾燥して配列番号:211のペプチド(22.3mg)を純度90%+で得た。理論的分子量=5202.9、ESI実験質量=5202.0
スクシノイル化によるペプチドのアシル化:
スクシノイル化ペプチドは以下のように調製した。ペプチドは以下のどちらかの合成装置(CS Bio 4886ペプチド合成装置又はApplied Biosystems 430Aペプチド合成装置)を用いて、固相樹脂上で合成される。in situ中和反応を文献(Schnolzer et al., Int. J. Peptide Protein Res. 40: 180-193, 1992)の記載にしたがって用いる。スクシノイル化ペプチドのためには、アシル化されるべき標的アミノ酸(配列番号:3のアミノ酸位置番号付けに対応して例えば10位)をNε-FMOCリジン残基で置換する。DMF中の20%ピペリジンによる反応終了N-末端BOC保護ペプチドの10分間の処理によってFMOC/ホルミル基が除去された。樹脂をろ過し、DMF/DCMで洗浄してDCMに再懸濁させた。遊離ε-アミノLysとのカップリングは、10倍モル過剰の無水n-ヘキサデシルコハク酸を4-ジメチルアミノピリジンと一緒にカップリングすることによって達成される。樹脂を一晩混合し、ろ過してDCMで洗浄し、さらに50%のTFA/DCMで処理していずれの側鎖保護基もさらにN-末端BOC基も除去する。ペプチド樹脂を5%DIEA/DMFで中和し、乾燥させ、続いてHF/p-クレゾール(95:5)を用い0℃で1時間支持体から切断する。エーテル抽出に続いて、5%のHOAc溶液を用いて粗ペプチドの溶媒化物を生成する。この溶液のサンプルをHPLC分析で立証する。精製のために、残存する酢酸溶液を10x250mmアンバークロムXT20カラムにロードする。水性TFA/アセトニトリルグラジエントを実施し、その間に分画を収集して214nmのUVでモニターする。純粋な分画を凍結乾燥して固体のペプチドを得る。
スクシニル化ペプチド(グルカゴンAib2 E16 A18 L27 D28 Cex K40(C16スクシニル)G41-アミド、配列番号:156のアミノ酸配列を有する)の合成例は図3Cに示され、下記でさらに述べる。
0.28g(0.2mmole)のmbha樹脂(Midwest Biotech)を反応容器に入れ、DEPBT/DIEA活性化一カップリングを用いてCSBio336合成装置で以下の配列を作成した:
Boc-HaibQGTFTSDYSKYLDERAAQDFVQWLLDGGPSSGAPPPSK(Fmoc)G-mbha樹脂
Boc保護ペプチド樹脂の約1/3を手動反応容器に移し、室温で10分間20%ピペリジン/DMFで処理した。この樹脂をろ過し、DMFで3回、ジクロロメタンで2回洗浄し、10mLのDCMに再懸濁した。324mg(1mmole)の無水n-ヘキサデシルコハク酸(TCI)を2−3mg の4-ジメチルアミノピリジン(Aldrich)と一緒に添加した。
この樹脂を室温で一晩混合し、その後ろ過してDCMで2回洗浄し、さらに50%TFA/DCMで1−2分間処理した。この樹脂をろ過しDCMで数回洗浄し、さらに5%DIEA/DCMで洗浄することによって中和しHF反応容器に移した。5mLの液体フッ化水素及び0.5mLのp-クレゾールスカベンジャーを用いてHF切断を実施した。氷浴で1時間攪拌した後、HFを真空中で除去し、樹脂をエチルエーテル中に懸濁させた。この懸濁物を半融ガラスロートを用いてろ過し、固体をエーテルで洗浄し、さらにペプチドを15mLの50%酢酸水溶液で抽出した。HPLCで分析(4.6x50mm Zorbax SB-C8(1ml/分、45°C)、214nm、A=0.1%TFA、B=0.1%TFA/90%ACN、グラジエントは10分かけて30%Bから90%Bへ)した後、精製のために切断抽出物を21.2x250mmアンバークロムXT20カラムにロードした。水性TFA/アセトニトリルグラジエントを実施し、その間に分画を収集しUV吸収をモニターする。分画55−56を単一化合物と認定し、これを凍結しさらに凍結乾燥させた。32.5mgを純度90%+(DLS-027-68B)で回収した。理論的分子量=4720.3、ESI実験質量=54717.0。
ペプチドのアルキル化(例えばS-アルキル化):
アルキル化(例えばS-アルキル化)ペプチド(グルカゴンAib2 E16 A18 L27 D29 Cex Cys40(S-2パルミチル)アミド、配列番号:164のアミノ酸配列を有する)の合成例は図6に示され、下記でさらに述べる。
0.28g(0.2mmole)のmbha樹脂(Midwest Biotech)をCSBio反応容器に入れ、Bocアミノ酸のDEPBT/DIEA活性化一カップリングを用いてCSBio336合成装置で以下の配列を作成した:
HaibQGTFTSDYSKYLDERAAQDFVQWLLDGGPSSGAPPPSC-アミド
ペプチド樹脂をHF反応容器に移し、10mLの液体フッ化水素及び1mLのp-クレゾールスカベンジャーを氷浴中で1時間用いてHF切断を実施した。HFを蒸発させた後、残留物をエチルエーテルに懸濁し、ペプチド及び樹脂を半融ガラスロートでろ過した。エーテルで洗浄し迅速に風乾した後、ペプチドを50%酢酸水溶液で抽出した。HPLCで分析(4.6x50mm Zorbax SB-C8(1ml/分、45°C)、214nm、A=0.1%TFA、B=0.1%TFA/90%ACN、10分かけて30%から90%Bへ)した後、精製のために切断抽出物を水で3−4倍に希釈し、22.2x250mmアンバークロムXT20カラムにaq TFA/CANグラジエントを用いてロードした。最初のプールを同じカラムを用いて再精製し、79mg(純度95%)を得た。理論的分子量=4313.7、ESI実験質量=4312.0。
上記の遊離チオールペプチドの16mg(3.7μmole)を1mLのメタノールに懸濁し、さらに窒素流の下で攪拌しつつ1mLのメタノール(MeOH)中の1.5μLのテトラメチルグアニジンを、続いて0.5mgのテトラヒドロフラン(THF)中の3mg(7.8μmole)の2-ヨードヘキサデカン酸(2-ヨードパルミチン酸)を添加した。2-ヨードヘキサデカン酸は、2-ブロモヘキサデカン酸をアセトン(DLS-027-52)中のヨウ化カリウムで処理することによって先に調製してあった。アルキル化反応物を水浴中で10分間温め、その間に溶媒の大半は蒸発した。残留物を酢酸水溶液に溶解し、HPLCで分析し、出発ペプチドよりも疎水性であることが判明した。精製のために、残留する酢酸溶液を10x250mmアンバークロムXT20カラムにロードした。水性TFA/ACNグラジエントを実施し、その間に分画を収集し、さらに214nmでUVモニターする。分画64−68を一緒にし、凍結乾燥させて純度90%+の物質6.1mg(配列番号:164のペプチド)を得た。理論的分子量=4568.1、MALDI実験質量=4568.79。
ペプチドがC-末端にCys残基の代わりにLys残基を含むときは、最初に骨格Lysを用いてペプチドを生成できる。N-アルキル化されるべき標的アミノ酸残基はNε-FMOCリジン残基で置換される。反応完了N-末端BOC保護ペプチドをDMF中の20%ピペリジンにより処理することによって、Lys残基からFMOC/ホルミル基が除去される。Cys残基は遊離ε-アミノLys残基とカップリングされる。続いて上記に記載したようにCys残基を2-ヨードパルミチン酸と反応させてアルキル化する。
“ミニPEG”スペーサーによるペプチドのアシル化:
ミニPEGスペーサー(配列番号:89のアミノ酸配列を有する配列をもつペプチド)によるアシル化ペプチドの合成例は下記でさらに述べる。
0.28g(0.2mmole)の4-メチルベンゾヒドリルアミン(mbha)樹脂(Midwest Biotech, Inc., Fishers, IN)を反応容器に入れ、Bocアミノ酸及び3-(ジエトキシホスホリルオキシ)-3H-benzo[d][1,2,3]トリアジン-4-オン/N,N-ジイソプロピルエチルアミン(DEPBT/DIEA)活性化一カップリングを用いてCSBio336合成装置で以下の配列を作成した:
Boc-HaibQGTFTSDYSKYLDERAAQDFVQWLLDGGPSSGAPPPSK(Fmoc)G-mbha。
Boc保護ペプチド樹脂の約1/3を手動反応容器に移し、室温で10分間20%ピペリジン/ジメチルホルムアミドで処理した。この樹脂をろ過し、ジメチルホルムアミド(DMF)で数回洗浄し、FmocアミドPEG4の活性化溶液を添加した(前記は487.5mg(1.0mmole)のN-FmocアミドdPEG4酸(Peptides International, Louisville, KY)を2.0mL(0.5M)のDEPBT/DMFに溶解し、さらに0.175mLのジイソプロピルエチルアミン(1mmole)を添加することによって先に調製してあった)。この反応物を室温で約1時間混合した。
この樹脂をろ過しDMFで洗浄し、再度20%ピペリジン/DMFで処理した。樹脂をろ過し、DMFで数回洗浄し、さらにFmoc Glu-OBzlの活性化溶液を添加した(前記は、2.0mLの0.5M DEPBT/DMFに470mgの1mmoleのFmoc Glu-γ-OBzl(Aapptec, Louisville, KY)を溶解し、さらに0.175mLのDIEA(1mmole)を添加することによって先に調製してあった)。この反応物を室温で1時間混合した。
このペプチド樹脂を再度ろ過してDMFで洗浄し、さらに20%のピペリジン/DMFで10分間処理した。樹脂をろ過し、DMFで数回洗浄し、パルミチン酸の活性化溶液を添加した(前記溶液は2.0mLの0.5M DEPBT/DMFに256mgの1mmoleパルミチン酸(Sigma-Aldrich, St.Louis, MO)を溶解し、さらに0.175mLのDIEA(1mmole)を添加することによって先に調製してあった)。前記反応物を1時間混合した。
最後に、ペプチド樹脂をろ過しDMFで、続いてジクロロメタンで洗浄し、N-末端Boc基を除去するために50%のTFA/DCMで処理した。1−2分後、樹脂をろ過し、数回DCMで続いて5%のDIEA/DCMで洗浄した。風乾したペプチド樹脂をHF反応容器に移し、5mLの液体フッ化水素及び0.5mLのp-クレゾールスカベンジャーを用いてHF切断を実施した。氷浴中で1時間混合した後、HFを真空中で除去し、残留物をエチルエーテルに懸濁した。ペプチド/樹脂の混合物を半融ガラスロートでろ過し、エチルエーテルで洗浄し、迅速に風乾した。ペプチドを10mLの50%酢酸水溶液で抽出し、HPLCで分析した(4.6x50mm Zorbax SB-C8、1ml/分、45°C、214nm、A=0.1%TFA、B=0.1%TFA/90%CAN、グラジエントは10分間かけて30%Bから90%B)。精製のために、残存する粗抽出物を水で3Xに稀釈し、22.2x250mmアンバークロムXT20カラムに水性TFA/ACNグラジエントを用いてロードした。最初の精製プールを同じカラムで再精製し、19mgの生成物(純度90%+)を得た。理論的質量=5010.6、ESI実験質量=5008.0。
異なるN-FmocアミドdPEG酸を用いて同じ方法を繰り返した。ある事例では、N-FmocアミドdPEG4酸(Peptides International, Louisville, KY)を用いた。アセチル化ペプチドの構造は図12A−12Cに示されている。
ペプチドのダイマー化−ジスルフィドダイマー化:
ジスルフィドダイマーペプチドの合成例は以下に記載する。
0.28g(0.2mmole)のmbha樹脂(Midwest Biotech)をCSBio反応容器に入れ、Bocアミノ酸及びDEPBT/DIEA活性化一カップリングを用いてCSBio336合成装置で以下の配列を作成した:Boc-HaibQGTFTSDYSKYLDERAAQDFVQWLLDGGPSSGAPPPSK(Fmoc)G-アミド
Boc保護ペプチド樹脂を手動反応容器に移し、室温で10分間20%ピペリジン/DMFで処理した。この樹脂をろ過し、DMFで完全に洗浄し、Fmoc Cys(Trt)の活性化溶液でアシル化した(前記溶液は1.17mg(2mmole)のFmoc Cys(Trt)-OH(Aapptec)を4.0mL(0.5M)のDEPBT/DMFに溶解し、さらに0.35mLのジイソプロピルエチルアミン(2mmole)を添加することによって先に調製してあった)。この反応物を室温で2時間混合し、ろ過しDMFで洗浄し、さらに同じ方法を用いてFmoc Glu-OBzlを、続いてパルミチン酸を添加した。
最後に、樹脂をろ過し、DMFで、続いてジクロロメタンで洗浄しさらに50%のTFA/DCMで1−2分間処理した。5%のDIEA/DCMで中和した後、ペプチドをHF反応容器に移し、10mLの液体フッ化水素及び1mLのp-クレゾールスカベンジャーを用いて氷浴中で1時間HF切断を実施した。HFを蒸発させた後、残留物をエチルエーテルに懸濁し、ペプチド及び樹脂を半融ガラスロートでろ過した。エチルエーテルで洗浄し迅速に風乾した後、ペプチドを50%酢酸水溶液で抽出した。HPLCで分析した後(4.6x50mm Zorbax SB-C8, 1ml/分、45°C、 214nm、A=0.1%TFA、B=0.1%TFA/90%CAN、10分間かけて30%Bから90%B)、精製のために、切断抽出物を水で3−4倍に稀釈し、21.2x250mmアンバークロムXT20カラムに水性TFA/アセトニトリルグラジエントを用いてロードした。精製分画64−68を一緒にして凍結し、さらに凍結乾燥させて58.7mgの物質(HPLC純度90%+)を得た。DLS-027-97A 理論的分子量=4866.48、ESI実験質量=4864.0
HaibQGTFTSDYSKYLDERAAQDFVQWLLDGGPSSGAPPPSK(Cys(SH)γE-C16)G-アミド
上記のペプチド18.6mg(3.8μmole)を2.0mL(3M)のグアニジン/0.05Mトリス(pH8.5)及び1mLのジメチルスルホキシドに溶解させた。この反応物を室温で空気に曝して攪拌した。6時間後、HPLC分析は、出発ペプチドと比較してより多くの疎水性ピークの存在を示した。
反応混合物を20mLの0.1%TFAで稀釈し、10x250mmアンバークロムXT20カラムにロードした。精製は0.1%TFA/アセトニトリルグラジエントを用いて実施し、その間に220nmのUV吸収をモニターした。分画68−72を一緒にし凍結乾燥して5.5mgの精製ダイマーを得た。
HPLC純度は90%+であった。理論的分子量=9743.99、MALDI実験質量=9745.1。 DLS-027-98B。得られたダイマーの構造は図9Aに示されている。
ペプチドのダイマー化−チオエーテルダイマー化:
チオエーテルダイマーの合成例は以下に記載する。
0.28g(0.2mmole)のmbha樹脂(Midwest Biotech)を反応容器に入れ、DEPBT/DIEA活性化一カップリングを用いてCSBio336合成装置で以下の配列を作成した:
Boc-HaibQGTFTSDYSKYLDERAAQDFVQWLLDGGPSSGAPPPSK(Fmoc)G-mbha
Boc保護ペプチド樹脂の1/3を手動反応容器に移し、室温で10分間20%ピペリジン/DMFで処理した。数回DMFで洗浄後、Boc Dap(Fmoc)の活性化溶液を添加した(前記溶液は426mg(1mmole)のBoc Dap(Fmoc)-OH(Chem-Impex)を2.0mL(0.5M)のDEPBT/DMFに溶解し、さらに0.175mLのDIEA(1mmole)を添加することによって先に調製してあった)。この反応物を室温で2時間混合し、ろ過しDMFで洗浄し、さらに20%ピペリジン/DMFで上記のように再処理した。DMFで洗浄後、樹脂をブロモ酢酸の活性化溶液でアシル化した(前記活性化溶液は、139mg(1mmole)のブロモ酢酸(Aldrich)を2.0mL(0.5M)のDEPBT/DMFに溶解し、さらに0.175mLのDIEAを添加することによって先に調製してあった)。この反応物を室温で1−2時間混合し、続いてろ過し、さらにDMFで続いてDCMで洗浄した。ペプチドを50%のTFA/DCMで2分間処理し、続いてろ過し、DCMで洗浄し、さらに5%のDIEA/DCMで中和した。反応完了ペプチド樹脂をHF反応容器に移し、5mLの液体フッ化水素/0.5mLのp-クレゾールを用いてHF切断を実施した。氷浴中で1時間攪拌した後、HFを蒸発させ、残留物をエチルエーテルに懸濁した。ペプチド/樹脂混合物を半融ガラスロートでろ過し、エーテルで洗浄した。ペプチドを50%酢酸水溶液で抽出し、粗生成物をHPLCで分析した:4.6x50mm Zorbax SB-C8, 1ml/分、45°C、214nm、A=0.1%TFA、B=0.1%TFA/90%CAN、グラジエントは10分間かけて30%Bから90%B)。精製のために、切断抽出物を21.2x250mmアンバークロムXT20カラムにロードし、水性TFA/アセトニトリルグラジエントを用いて精製を実施し、その間UV吸収を220nmでモニターした。分画48−53を一緒にして凍結し、さらに凍結乾燥させて、K40(Dap-BrAcetyl)を有する配列番号:89のペプチド(18mg)(純度90%+)を得た。理論的分子量=4602.8、ESI実験質量=4616.0
HaibQGTFTSDYSKYLDERAAQDFVQWLLDGGPSSGAPPPSK(Dap-BrAcetyl)G-アミド
上記のK40(Dap-BrAcetyl)ペプチド15mg(3.2μmole)及び配列番号:89K40(Cys γE-C16)の15mgを3.0mLの7M尿素/0.05Mトリス(pH8.6)に溶解し、室温で混合し、その間反応の進行をHPLCでモニターした。30分後に出発物質の大半がピークの還元を示し、一方新しいピークは主要成分であった。反応混合物を25mLの0.1%TFAで稀釈し、精製のために10x250mmアンバークロムXT20カラムにロードした。水性TFA/アセトニトリルグラジエントを実施し、その間220nmでUV吸収をモニターした。分画57−61を一緒にして凍結し、さらに凍結乾燥して7.1mgのチオエーテルダイマーを得た。HPLC純度は90%+であった。理論的分子量=9401.4、MALDI実験質量=9402.8。ダイマーの構造は図9Bに示されている。
ペプチドのPEG化:
ペプチドのPEG化のために、40kDaのメトキシポリ(エチレングリコール)ヨードアセトアミド(NOF)を等モル濃度のペプチド(7M尿素、50mMトリス-HCl緩衝液)と反応させた。ペプチド及びPEGの両方を清澄溶液として溶解させるために必要とされる最少量の溶媒を用いる(2−3mgのペプチドを用いる反応には一般的に2mL未満)。室温での激しい攪拌を4−6時間実施し、反応はRP-HPLCで分析した。PEG化生成物は、保持時間が低下し出発物質とは全く異なるようであった。精製は、最初のペプチド精製に用いた条件と同様の条件でVydac C4カラムで実施した。溶出は50:50の緩衝液比あたりで生じた。純粋なPEG化ペプチド分画を見つけて凍結乾燥させた。収量は、反応毎に変動するが50%を超えた。
質量分析を用いる分析:
質量スペクトルは、標準的なESIイオン供給源によるSciex API-IIIエレクトロスプレー四極質量分析計を用いて入手した。用いたイオン化条件は以下のとおりである:陽イオンモードのESI;イオンスプレー電圧、3.9kV;オリフィス電位、60V。使用したネブライジング及びカーテンガスは9L/分の流速の窒素であった。質量スペクトルは、0.5Th/工程及び2msec残存時間で600−1800Thompsonから記録した。サンプル(約1mg/mL)は、1%酢酸を含む50%アセトニトリル水溶液に溶解し、外部シリンジポンプにより5μL/分の速度で導入した。
ペプチドをESIMSによってPBS溶液中で分析するときは、ペプチドはまず初めに、0.6μLのC4樹脂を含むZipTip固相抽出チップを用い製造業者(Millipore Corporation, Billerica, MA)の提供する指示に従い脱塩した(全世界ウェブのミリポアウェブサイト(millipore.com/catalogue.nsf/docs/C5737)を参照されたい)。
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分析:
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)及びMALDI分析を用いてリン酸緩衝食塩水(PBS)緩衝液(pH7.2)におけるこれらの粗ペプチドの相対的な変換速度の概算を得るために、これらの粗ペプチドを用いて予備的分析を実施した。粗ペプチドサンプルはPBS緩衝液に1mg/mLの濃度で溶解させた。得られた溶液の1mLを1.5mLのHPLCバイアルに保存し、続いてこのバイアルに栓をして37℃でインキュベートした。100μLのアリコットを種々の時点でバイアルから抜きとり、室温に冷却してHPLCで分析した。
HPLC分析は、ベックマンシステムゴールド(Beckman System Gold)クロマトグラフィー系を用い214nmでUV検出装置により実施した。HPLC分析は150mmx4.6mmのC18 Vydacカラムで実施した。流速は1mL/分であった。溶媒Aは蒸留水に0.1%のTFAを含み、溶媒Bは90%のCH3CNに0.1%のTFAを含んでいた。線状グラジエントを用いた(15分で40%から70%B)。データを収集し、ピークシンプル(Peak Simple)クロマトグラフィーソフトを用いて分析した。
加水分解の初速を用いて、対応するプロドラッグの分解の速度定数を測定した。プロドラッグ及びドラッグの濃度をそれらのピーク面積からそれぞれ概算した。種々の時間間隔でプロドラッグ濃度のロガリズムをプロットすることによって、プロドラッグの一次分解速度を決定した。このプロットの勾配は速度定数“K”を提供する。続いて、種々のプロドラッグの分解の半減期を、t1/2=0.693/kの式を用いて計算した。
本実施例では本開示のペプチドの生物学的活性を試験する例示的方法を述べる。本方法はcAMP合成をアッセイすることを必要とする。
cAMPを誘発するグルカゴンアナローグの能力をホタルルシフェラーゼ系レポーターアッセイで測定した。レセプター(グルカゴンレセプター、GLP-1レセプター又はGIPレセプター)及びcAMP応答エレメント結合ルシフェラーゼ遺伝子を同時にトランスフェクトしたHEK293細胞を、0.25%のウシ成長血清(Bovine Growth Serum;HyClone, Logan, UT)補充DMEM(Invitrogen, Carlsbad, CA)で16時間培養することによって血清を枯渇させ、続いて96ウェルのポリ-D-リジン被覆“バイオコート(Biocoat)”プレート(BD Biosciences, San Jose, CA)で、グルカゴン、GLP-1、GIP又は新規なグルカゴンアナローグのいずれかの連続希釈とともに37℃、5%CO2で5時間インキュベートした。インキュベーション終了時に、100マイクロリットルのLucLiteルミネッセンス基質試薬(Perkin-Elmer, Wellesley, MA)を各ウェルに添加した。このプレートをざっと揺すり、暗所で10分間インキュベートし、MicroBeta-1450液体シンチレーションカウンター(Perkin-Elmer, Wellesley, MA)で発光を測定した。50%有効濃度をオリジン(Origin)ソフトウェア(OriginLab, Northampton, MA.)を用いて計算した。
本実施例では本開示のペプチドの安定性をアッセイする例示的な方法を述べる。
各グルカゴンアナローグを水又はPBSに溶解し、初期HPLC分析を実施する。pH(4、5、6、7)を調製した後、サンプルを規定の時間37℃でインキュベートし、HPLCで再度分析してペプチドの完全性を決定する。問題の個々のペプチドの濃度を決定し、初期分析と比較して完全性維持パーセントを計算する。
本実施例ではペプチドの可溶性をアッセイする例示的な方法を述べる。
グルカゴン(又はアナローグ)の溶液(1mg/mL又は3mg/mL)を0.01NのHClで調製する。100μLのストック溶液を0.01NのHClで1mLに稀釈し、UV吸収(276nm)を決定する。200−250μLの0.1N Na2HPO4(pH9.2)を用いて、残りのストック溶液のpHをpH7に調節する。この溶液を一晩4℃で静置し、続いて遠心沈殿を実施する。続いて100μLの上清を0.01NのHClで1mLに稀釈し、UV吸収を決定する(デュープリケートにて)。
体積の増加について初期吸収の読みを修正し、以下の計算を用いてパーセント溶解性を決定する:
最終的吸収/初期吸収x100=%溶解性
本実施例では、レセプターとの結合についてペプチドをアッセイする例示的な方法を述べる。
ペプチドとグルカゴンレセプターとの親和性を、シンチレーションプロクシミティーアッセイ技術を用いる競合結合アッセイで測定する。96ウェルの白色/透明底プレート(Corning Inc., Acton, MA)で、シンチレーションプロクシミティアッセイ緩衝液(0.05Mトリス-HCl(pH7.5)、0.15MのNaCl、0.1%w/vウシ血清アルブミン)で作成したペプチドの3倍段階希釈を、0.05nMの(3-[125I]-ヨードチロシル)Tyr10グルカゴン(Amersham Biosciences, Piscataway, NJ)(ウェル当たり1−6mg)、ヒトグルカゴンレセプターを過剰発現する細胞から調製した形質膜フラグメント、及び1mg/ウェルのポリエチレンイミン処理コムギ胚芽アグルチニンA型シンチレーションプロクシミティアッセイビーズ(Amersham Biosciences, Piscataway, NJ)と混合する。ロータリーシェーカーにより800rpmで5分間攪拌し、プレートを室温で12時間インキュベートし、続いてMicroBeta1450液体シンチレーションカウンター(Perkin-Elmer, Wellesley, MA)で値を読み取る。非特異的結合(NSB)の放射能は、試験サンプルの最高濃度より4倍高い濃度の“コールド”の本来のリガンドを含むウェルで測定され、総結合放射能は競合物質を含まないウェルで検出される。パーセント特異的結合は以下のように計算される:
%特異的結合=((結合−NSB)/(総結合−NSB))x100
IC50値はオリジンソフトウェア(OriginLab, Northampton, MA)を用いて決定した。
1位に少なくともTyr、2位にAIB(DPP-IV耐性のため)、16位にLys、20位にAIB、並びに27−29位にLeu、Ala及びGlyを含む以下のペプチドを、本質的に実施例1に記載したように生成し、GLP-1レセプター、グルカゴンレセプター及びGIPレセプターの各々におけるアゴニスト活性について、本質的に実施例2に記載したようにin vitroで試験した。
GLP-1レセプター(GLP-1R)、グルカゴンレセプター(GR)及びGIPレセプター(GIPR)におけるEC50は表1に提供される。
表1
Figure 2014507402
相対的活性は本来のホルモンの活性と対比したペプチドの活性である。
追加のペプチドmt-395(配列番号:15)、mt-396(配列番号:16)、mt-397(配列番号:17)及びmt-398(配列番号:18)(前記はmt-263の構造を土台にしていた)を本質的に実施例1に記載したように生成し、本質的に実施例2に記載したようにin vitroで試験した。GLP-1R、GR及びGIPRの各々におけるEC50は表2に示されている。
表2
Figure 2014507402
相対的活性は本来のホルモンの活性と対比したペプチドの活性である。
1位にTyr、2位にAIB(DPP-IV耐性のため)、16位にGlu及び20位にLys(ラクタムによって16位と20位の間が架橋される)、27−29位にLeu-Ala-Gly、並びに30−39位にGPSSGAPPPSを含むさらに別のペプチドを、本質的に実施例1に記載したように生成し、GLP-1R、GR及びGIPRの各々におけるアゴニスト活性について本質的に実施例2に記載したように試験した。ラクタムを欠く他のペプチドも生成し試験した。活性アッセイの結果は表3に示されている。
表3
Figure 2014507402
相対的活性は本来のホルモンの活性と対比したペプチドの活性である。
本開示の例示的ペプチドアナローグを本質的に実施例1に記載したように生成した。ペプチドアナローグの各々は本来のグルカゴン(配列番号:1)を土台にしたアミノ酸配列を含み、1位に本来のHis、2位にDPP-IV保護アミノ酸、10位にアシル化アミノ酸、ペプチドアナローグ16−21位内に1つ以上のアルファヘリックス安定化アミノ酸、及び他の改変を有していた。全てのペプチドをC-末端でアミド化した。続いてこのペプチドを、実施例2に記載したように、グルカゴン、GLP-1及びGIPレセプターの各々における活性について試験した。異なる多数の活性アッセイのそれぞれの結果は表4に示されている。
表4
Figure 2014507402
CEX=GPSSGAPPPS(配列番号:5)
アシル=C16アシル
表4のペプチドアナローグのそれぞれが、グルカゴン、GLP-1及びGIPレセプターの各々で強力な活性を示した。特に、ペプチドアナローグのそれぞれが、GIPレセプターで0.5nM未満のEC50を示し、さらにペプチドアナローグの大半がGIPレセプターで0.1nM未満のEC50を示した。これらのペプチドアナローグはまたGLP-1レセプターで強力な活性を示した(各ペプチドアナローグは0.008nM以下のEC50を示した)。3位にGluを欠くペプチドアナローグはグルカゴンレセプターで強力な活性を示し、前記ペプチドアナローグの各々が0.03nM未満のEC50を示した。
一般的に、20位にAIBを含むか、又は16位のGlu及びC-末端伸長の組合せを含むペプチドアナローグは、GIPレセプターで極めて強力な活性を示した。さらにまた、2位にAIBを含むペプチドアナローグは、一般的に、2位にd-Serを含む対応するペプチドアナローグと比較してGIPレセプターでより強い活性を示した(例えば配列番号:2と3又は配列番号:5と6でGIPレセプターにおけるEC50を比較されたい)。
本開示の例示的アナローグを本質的に実施例1に記載したように生成した。これらのペプチドアナローグは構造が類似し、1位に本来のHis、2位にDPP-IV保護アミノ酸、及び16位にアルファヘリックス安定化アミノ酸を含んでいた(ただしアセチル化アミノ酸が出現する位置はこのペプチドアナローグセットの中で変動した)。全てのペプチドをC-末端でアミド化した。続いて、実施例2に記載したように、グルカゴン、GLP-1及びGIPレセプターの各々における活性についてこのペプチドを試験した。多数の異なる活性アッセイのそれぞれの結果が、生成及び試験したペプチドのいくつかについて表5に示されている。
表5
Figure 2014507402
表5に示すように、9位及び12位の任意の位置にアシル化アミノ酸を含むペプチドアナローグは、配列番号:42の非アシル化ペプチドアナローグと比較してGIP活性の改善を示した。しかしながら、生成及び試験を実施したアシル化ペプチドアナローグの全てがGIP活性の改善を示したわけではなかった。9位及び12位以外の位置でアシル化したペプチドアナローグの1つはGIPレセプターでの活性の低下を示した。
本実施例では本開示の例示的グルカンアナローグのin vivo活性について述べる。
配列番号:28、37−39及び134の1つのアミノ酸配列を有する、GIPレセプターで活性を示すグルカゴンアナローグのin vivo活性を食事誘発肥満(DIO)マウスで試験し、グルカゴンアゴニストアナローグ又は賦形剤投与マウスにおけるin vivo活性と比較した。各マウス試験グループを19匹のマウスで構成し、各マウスの皮下に10nmol/kg用量のペプチド又はベヒクルコントロールを注射した。体重及び飼料摂取は投与後0、1、3、5及び7日目に測定し、一方、絶食時血中グルコースレベルは0及び7日目に測定した。0及び7日目に血中グルコースレベルを測定する前に、マウスを6時間絶食させた。投与後5日目に、追加で随意血中グルコースレベルを測定した。
GIPレセプター活性グルカゴンアナローグを注射した全てのマウスが、ベヒクルコントロール投与マウスと比較して、投与後7日で顕著な体重減少を示した(約11%から約27%の減少)。さらにまた、GIPレセプター活性グルカゴンアナローグを注射したマウスの全てが、投与後7日で血中グルコースレベルの実質的低下を示した(約43%から約65%の低下)。
GIPレセプター活性グルカゴンアナローグのin vivo活性を分析するために、別の実験を雄のdb/dbマウスで実施した。この試験では、20nmol/kg用量のGIPレセプター活性グルカゴンアナローグ(配列番号:28、31、37、135及び136の配列を有する)を皮下注射によりマウスに投与した。コントロールマウスグループにはベヒクルコントロールを投与した。血中グルコースレベルは、投与前並びに投与後1、2、4、8、24、48及び72時間後にアッセイした。体重は投与前及び投与後72時間に測定した。DIOマウス実験で認められた結果と一致して、GIPレセプター活性グルカゴンアナローグを投与したマウスの全てが、ベヒクルコントロールグループと比較して実質的な体重減少を示した(約2%から約5%の減少)。さらにまた、GIPレセプター活性グルカゴンアナローグを投与したマウスの全てが血中グルコースレベルの低下を示した。
本実施例ではさらに別の例示的ペプチドの構造を述べる。
グルカゴンアナンローグを本質的に実施例1に記載したように生成し、表6にこれらの構造を示す。グルカゴンレセプター、GLP-1レセプター及びGIPレセプターの各々における活性について、実施例2に記載したようにこれらのグルカゴンアナローグを試験する。
表6
Figure 2014507402

Figure 2014507402

Figure 2014507402
本質的に実施例1に記載したようにグルカゴンアナローグを生成し、表7にこれらアナローグの構造を示す。グルカゴンレセプター、GLP-1レセプター及びGIPレセプターの各々における活性について、実施例2に記載したようにこれらのグルカゴンアナローグを試験する。
表7
Figure 2014507402
本質的に実施例1に記載したようにグルカゴンアナローグを生成し、表8にこれらアナローグの構造を示す。これらアナローグの完全な記述は配列表に示され、各々の配列番号は表8に提供されている。前記グルカゴンアナローグを、本質的に実施例2に記載したようにグルカゴンレセプター、GLP-1レセプター及びGIPレセプターの各々における活性について試験する。
表8
Figure 2014507402
これらペプチドのin vivo活性を試験するために、DIOマウスの皮下に表8のペプチド(本来のペプチドは除く)を5又は10nmol/kgのどちらかで月曜日、水曜日及び金曜日毎に4週間注射した。マウスには高脂肪の糖尿病誘発性飼料を与えた。図1に示すように、これらペプチドの1つを投与されたマウスの体重は、ベヒクルコントロールと比較して低下した。
配列番号:1(本来のグルカゴン)のアミノ酸配列を含む、1位にTyr、2位にAIB、3位にGlu、12位にIle、16位にLys、17位にGln、18位にAla、20位にAIB、21位にGlu、24位にAsn、27位にLeu、28位にAla、29位にGly、その後に続くアミノ酸配列GPSSGSPPPS(配列番号:5)及びC-末端アミド化を有するアシル化ペプチドを、本質的に実施例1に記載したように生成した。これらのペプチドは、アシル化のタイプ、アシル化スペーサーのタイプ及び/又はアシル化アミノ酸の位置が異なっていた。種々のアシル化残基が図3に示されている。続いてこれらのペプチドを、本質的に実施例2に記載したようにグルカゴンレセプター、GLP-1レセプター及びGIPレセプターの各々におけるin vitro活性について試験した。表9は各ペプチドの構造及び活性の要旨である。
表9
Figure 2014507402

Figure 2014507402
表9に列挙したペプチドのin vivo活性を、DIOマウス(各々平均体重49.0g)に10nmol/kgの用量で月曜日、水曜日及び金曜日に1週間注射することによって試験した。マウスの体重及び飼料摂取は0、2、4、6及び7日目に測定し、一方、血中グルコースレベルは0及び7日目に測定した。
図2に示すように、アシル化ペプチドを注射したマウスの体重は、7日目に少なくとも5%の総体重の減少を示した。
本来のグルカゴン(配列番号:1)のアミノ酸配列を含む、2位にAIB、16位にGlu(16位がアシル化されるときを除く)、18位にAla、27位にLeu、28位にAsp、29位にGly、その後に続くアミノ酸配列GPSSGSPPPS(配列番号:5)及びC-末端アミド化を有するアシル化ペプチドを、本質的に実施例1に記載したように生成した。これらのペプチドは、アシル化のタイプ、アシル化スペーサーのタイプ及び/又はアシル化アミノ酸の位置が異なっていた。続いてこれらのペプチドを、本質的に実施例2に記載したようにグルカゴンレセプター、GLP-1レセプター及びGIPレセプターの各々におけるin vitro活性について試験した。表10は各ペプチドの構造及び活性の要旨である。
Figure 2014507402
表10から選び出したペプチド(配列番号:145、148及び152のペプチド)並びに配列番号:28及び89のペプチドを、高脂肪糖尿病誘発性飼料で飼育したDIOマウス(最初の平均体重が58.0g)でin vivo活性について試験した。10nmol/kg(最初の平均体重のkg当たり)の用量で前記ペプチドを0及び3日目に皮下に注射した。マウスの体重及び飼料摂取は0、1、3、5及び7日目に測定し、一方、血中グルコースレベルは0及び7日目に測定した。
図4に示すように、これらのペプチドの1つを投与されたマウスは、ベヒクルコントロールと比較して7日の間に体重減少を示した。ペプチドの注射を受けたマウスは7日目に総体重の少なくとも5%の減少を示し、そのうちの2匹は7日目に総体重の少なくとも10%の減少を示した。
本質的に実施例1に記載したように、“ミニPEG”スペーサーを含むアシル化ペプチドを生成した。図12は、これらアシル化ペプチドの構造の模式図を表す。本質的に実施例2に記載したように、ミニPEGスペーサーを含むペプチドをグルカゴンレセプター、GLP-1レセプター及びGIPレセプターの各々におけるin vitro活性について試験し、スペーサーを含まないか、又はEスペーサーを含むアシル化ペプチドの活性と比較した。この実験の全てのペプチドが、本来のグルカゴン(配列番号:1)のアミノ酸配列を含み、2位にAIB、16位にGlu、18位にAla、28位にLeu、28位にAsp、29位にGly、その後に続くアミノ酸配列GPSSGSPPPSK(配列番号:5)(ここでKはアシル化アミノ酸)及びC-末端アミド化を有していた。表11は各ペプチドの構造及び活性の要旨である。
Figure 2014507402
二重アシル化ペプチドを生成した。2つのペプチドが、分枝構造で2つのアシル化を保持する1つの一アシル化アミノ酸残基を含んでいた(一方のペプチドは10位に分枝アシル化を有し、第二のペプチドは40位に分枝アシル化を有していた)。図5(上段)は、分枝構造で2つのアシル化を保持する一アシル化Lys残基の構造を示す。別の事例では、ペプチドは線状構造で2つのアシル化を保持する1つのアシル化アミノ酸残基を含んでいた。図5A(中段)は、線状構造でEスペーサーを介してC16アシル化に結合したC12アシル化を保持する一アシル化Lys残基の構造を示す。さらに別の事例では、2つのアシル化アミノ酸残基を含んでいた(1つは10位にもう1つは40位に)。図5(下段)は、各々がEスペーサーを介してC16アシル化を保持するアシル化Lys残基の構造を示す。括弧内は、11−39位の骨格アミノ酸を介してLys残基が結合されることを示している。
本質的に実施例2に記載したように、2つのアシル化を保持するペプチドをグルカゴンレセプター、GLP-1レセプター及びGIPレセプターの各々におけるin vitro活性について試験し、結果を表12に示す。
表12
Figure 2014507402
0日目に、表12のペプチド並びに2つのダイマー(実施例22及び図9に記載)及び2つのさらに別のペプチド(配列番号:28のペプチド及び配列番号:89のペプチド)を、DIOマウスの皮下に10nmol/kgの用量で1回注射した。このDIOマウスには注射前に糖尿病誘発性飼料が与えられ、これらマウスの平均体重は60gであった。マウスの体重及び飼料摂取は0、1、3、5及び7日目に測定し、一方、絶食時血中グルコースレベルは0及び7日目に測定した。
図5Eに示すように、ペプチド注射を受けたマウスは、ベヒクルコントロールを注射されたマウスと比較してこの試験の7日目に体重減少を示した。
図5Fに示すように、血中グルコースレベルは、ベヒクルコントロールを注射されたマウスと比較してペプチド注射を受けたマウスで低下した。
ペプチドを3つの異なる態様でS-アルキル化した。第一の態様では、S-パルミチルアルキル化Cys残基はペプチド骨格の部分であった。アルキル化Cys残基は40位に位置していた。前記構造は図6(下段)に示され、配列番号:64として配列表に列挙されている。第二の態様では、S-パルミチルアルキル化Cys残基はLys残基に結合し、このLys残基はペプチドの40位に位置していた。得られた構造は図7に示され(Cys-S-パルミチン酸)、配列番号:165として配列表に列挙される。第三の態様では、S-パルミチルアルキル化Cys残基はスペーサー残基(ガンマ-グルタミン酸)と結合し、前記は次にペプチドの40位に位置するLys残基と結合する。得られた構造は図7に示され(γE-Cys-S-パルミチン酸)、配列番号:166として配列表に列挙されている。これらS-アルキル化ペプチドを実施例1に記載したように生成した。
これらのペプチドを、本質的に実施例2に記載したようにグルカゴンレセプター、GLP-1レセプター及びGIPレセプターの各々におけるin vitro活性について試験した。各ペプチドの各レセプターにおけるEC50が下記の表13に示されている。
表13
Figure 2014507402
以前の実施例から選別したペプチドのin vivo活性を、DIOマウスに10nmol/kg体重で皮下注射することによって試験した。前記マウスの平均体重は60gで、各グループに付き8匹のマウスが含まれていた。
被検ペプチドには、ガンマグルタミン酸スペーサーを有するアシル化ペプチド、2つのガンマグルタミン酸のジペプチドスペーサーを有するアシル化ペプチド、C16-スクシニル化ペプチド、以下の構造(-O-CH2-CH2-)n(式中nは2)を含むミニPEGスペーサーを有するアシル化ペプチド、以下の構造(-O-CH2-CH2-)n(式中nは4)を含むミニPEGスペーサーを有するアシル化ペプチド、以下の構造(-O-CH2-CH2-)n(式中nは8)を含むミニPEGスペーサーを有するアシル化ペプチド、S-パルミチルアルキル化ペプチド(ここでLysは骨格残基で、CysはLysとアシル基との間のスペーサーである)、及びS-パルミチルアルキル化ペプチド(ここでLysは骨格残基で、ガンマグルタミン酸CysはLysとアシル基との間のジペプチドスペーサーである)が含まれていた。体重及び飼料摂取は0、1、3、5及び7日目に測定し、一方、血中グルコース測定は0及び7日目に実施した。
図8に示すように、被検ペプチドの多くが、7日目に測定したとき体重の総変化で少なくとも5%の減少を示した。
3つのホモダイマーを生成した(各ホモダイマーは配列番号:167の2つのペプチドを含んでいた)。配列番号:167の各ペプチドのC-末端Lys残基(40位に存在する)はアミド化され(アルファカルボキシレートを含む代わりに)、このLys残基のエプシロンNH2基はCys残基とペプチド結合し、前記は続いてガンマグルタミン酸残基と結合していた。このガンマグルタミン酸残基はC16アシル基と結合した。ダイマーの各々半分は、ジスルフィド結合又はチオエーテル結合を介して他方の半分と結合した。実施例1はホモダイマーの合成を詳細に記載している。
得られた生成物の構造は図9A及び9Bに示されている。
これらのホモダイマーを、本質的に実施例2に記載したようにグルカゴンレセプター、GLP-1レセプター及びGIPレセプターの各々におけるin vitro活性について試験した。各ペプチドの各レセプターにおけるEC50が下記の表14に示されている。
Figure 2014507402
DIOマウス(各グループに付き8匹の動物、平均体重は54g)の皮下に、下記の表に記した4ペプチドの1つを1nmol/kg/日又は3nmol/kg/日で注射するか、又はベヒクルコントロールを毎日投与した。前記の構造及びグルカゴンレセプター、GLP-1レセプター及びGIPレセプターの各々における前記のin vitro活性は表15に提供される。
表15
Figure 2014507402
体重及び飼料摂取は、0日目(最初の投与の日)から始めて毎日測定した。身体組成は0及び19日目に測定し、一方、随意の血中グルコースは0、7、14及び20日目に測定した。ipGTT(1g/kg)は、20日目のグルコース注射後0、15、20、60、120分後に測定した。剖検(肝臓及び膵臓)及び最後の採血を22日目(一晩の絶食後)に測定した。
図10に示すように、体重は、表15のペプチドを投与された全ての動物で減少した。19日目に測定した飼料摂取は、ベヒクルコントロールを投与されたマウスと比較して、表15のペプチドを投与された全ての動物で低下した。図11に示すように、インスリンレベル(21日目に測定)もまた、ベヒクルと比較してペプチド投与動物で低下した。顕著なことには、最高値の重量減少を示したマウスはまた最低インスリンレベルを示したマウスであった。
実施例21で評価した体重低下能力を示すペプチドをさらに別の変異実験のために選別した。前記変異実験では、ペプチドのC-末端側の半分の中のアミノ酸がいくつかの態様の1つで改変された。第一の態様では、配列番号:89の配列を有するペプチドを、27、28又は29位のアミノ酸がアラニン残基で置換されるように改変した。別の態様では、配列番号:28の配列を有するペプチドを、28位にGlu及び35位にArgを有するように改変した。これら2つのアミノ酸の間の塩架橋は、当該ペプチドのC-末端部分内のTrpケージ構造を安定化させる塩架橋を形成するであろうと考えられた。最後に、配列番号:28の配列を有するペプチドを、C-末端アミノ酸としてGlyを含むように改変した。前記ペプチドを、配列番号:89のペプチド又は配列番号:28のペプチドと類似するように見える他のペプチドとともに、本質的に実施例2に記載したようにグルカゴンレセプター、GLP-1レセプター及びGIPレセプターの各々におけるin vitro活性について試験し、結果を表16に提供する。
表16
Figure 2014507402
本質的に実施例1に記載したようにペプチドを生成し、本質的に本明細書に記載したようにグルカゴンレセプター、GLP-1レセプター及びGIPレセプターの各々におけるin vitro活性について試験した。各ペプチドの構造及びEC50値(nM)を下記表17に提供する。
表17
Figure 2014507402
本明細書に引用した全ての参考文献(刊行物、特許出願及び特許を含む)は、あたかも各参考文献が参照により本明細書に含まれるようにそれぞれ個々に及び具体的に提示され、その全体が本明細書に示されたかのように同程度に参照により本明細書に含まれる。
本発明の記述の中で(特に下記請求の範囲の中で)“a”及び“an”、及び“the”という用語、並びに同様な該当用語は、本明細書で特段の指示がなければ又は文脈により明瞭な矛盾が生じなければ、単数及び複数の両方を含むと解されるべきである。“comprising”、“having”、“including”及び“containing”という用語は、特段の指定がなければ限度がない用語と解されるべきである(すなわち「〜を含むが、ただしこれらに限定されない」を意味する)。
本明細書の値に関する範囲の列挙は、特段の指示がなければ、当該範囲内に含まれるそれぞれ別個の値及び各終末点を個々に言及するための便法として供することを単に意図しているにすぎず、それぞれ別個の値及び終末点は、前記が個々に本明細書に列挙されたかのように本明細書に含まれる。
本明細書に記載に全ての方法が、特段の指示がなければ又は文脈により明瞭な矛盾が生じなければ、任意の適切な順序で実施され得る。本明細書で提供される任意の及び全ての例示又は例示的用語(例えば“such as”)の使用は、本発明を単により良好に例示することを目的とし、特段に規定されなければ本発明の範囲を限定しようとするものではない。本明細書の用語はいずれも、任意の非必須成分を本発明の実施に必須なものと同じように示していると解されるべきではない。
本発明の好ましい実施態様(本発明の実施のために本発明者らが知った最良の態様を含む)が本明細書に記載されている。これら好ましい実施態様の変型は、前述の記載を読むときに当業者には明らかとなろう。本発明者らはそのような変型を適切なものとして当業者が利用することを予想し、さらに本発明者らは、本発明が本明細書に具体的に記載した態様以外の態様で実施されることを意図する。したがって、本発明には、適用される法律によって許容されるように、本明細書に添付した特許請求の範囲に列挙した主題の改変物及び等価物の全てが含まれる。さらにまた、上記に記載した成分のその全ての可能な変型における任意の組み合わせが、本明細書で特段に指示されなければ又は文脈により明瞭な矛盾が生じなければ本発明に包含される。

Claims (136)

  1. 以下の(a)−(e)を含む、グルカゴン(配列番号:1)のアナローグ:
    (a)1位のイミダゾール側鎖を含むアミノ酸、
    (b)2位のDPP-IV保護アミノ酸、場合によってAIB;
    (c)9、10、12、16、20、又は37−43位の任意の位置の、アシル化アミノ酸又はアルキル化アミノ酸、場合によって前記アシル又はアルキル基はスペーサーを介して前記アミノ酸に結合されてある;
    (d)20位のアルファアルファ二置換アミノ酸;及び
    (e)配列番号:1と対比して10までのまた別のアミノ酸の改変;
    ここで、グルカゴンアナローグが親水性成分を欠くとき、前記グルカゴンアナローグは、少なくとも0.1%のGIPパーセンテージポテンシーを示し、ここでGIPレセプターと対比してヒトGLP-1レセプターに対して100倍未満の選択性を有する。
  2. α,α-二置換アミノ酸がR1及びR2を含み、その各々がアルファ炭素と結合し、R1及びR2の各々が、場合によってヒドロキシル、アミド、チオール、ハロで置換されてあるC1−C4アルキルから成る群からそれぞれ別個に選択されるか、又はR1及びR2は、それらが結合しているアルファ炭素と一緒になって環を形成する、請求項1に記載のグルカゴンアナローグ。
  3. 20位のα,α-二置換アミノ酸がAIBである、請求項2に記載のグルカゴンアナローグ。
  4. 16位のアミノ酸が、AIB以外のアルファヘリックス安定化アミノ酸である、請求項1から3のいずれか1項に記載のグルカゴンアナローグ。
  5. 16位のアミノ酸が荷電アミノ酸、場合によって陰性荷電アミノ酸又は陽性荷電アミノ酸である、請求項4に記載のグルカゴンアナローグ。
  6. 荷電アミノ酸がGlu又はLysである、請求項5に記載のグルカゴンアナローグ。
  7. 以下の(a)−(e)を含む、グルカゴン(配列番号:1)のアナローグ:
    (a)1位のイミダゾール側鎖を含むアミノ酸、
    (b)2位のDPP-IV保護アミノ酸、場合によってAIB;
    (c)9、10、12、16、20、又は37−43位の任意の位置の、アシル化アミノ酸又はアルキル化アミノ酸、場合によって前記アシル又はアルキル基はスペーサーを介して前記アミノ酸に結合されてある;
    (d)16−21位の1つ以上の位置のアルファヘリックス安定化アミノ酸、場合によって16位にアルファヘリックス安定化アミノ酸を含む場合、前記アナローグは20位にアルファヘリックス安定化アミノ酸を含まない;及び
    (e)配列番号:1と対比して10までのまた別のアミノ酸の改変;
    ここで、グルカゴンアナローグが親水性成分を欠くとき、前記グルカゴンアナローグは、少なくとも0.1%のGIPパーセンテージポテンシーを示し、ここでGIPレセプターと対比してヒトGLP-1レセプターに対して100倍未満の選択性を有する。
  8. 16位のアルファヘリックス安定化アミノ酸を含み、場合によって前記アルファヘリックス安定化アミノ酸が陰性荷電アミノ酸又はアルファアルファ二置換アミノ酸である、請求項7に記載のグルカゴンアナローグ。
  9. 陰性荷電アミノ酸がGluである、請求項8に記載のグルカゴンアナローグ。
  10. α,α-二置換アミノ酸がR1及びR2を含み、その各々がアルファ炭素と結合し、R1及びR2の各々が、場合によってヒドロキシル、アミド、チオール、ハロで置換されてあるC1−C4アルキルから成る群からそれぞれ別個に選択されるか、又はR1及びR2は、それらが結合しているアルファ炭素と一緒になって環を形成する、請求項8に記載のグルカゴンアナローグ。
  11. α,α-二置換アミノ酸がAIBである、請求項10に記載のグルカゴンアナローグ。
  12. 18位の小さな脂肪族アミノ酸、場合によってAla及び17位のArgを含む、請求項7から11のいずれか1項に記載のグルカゴンアナローグ。
  13. 配列番号:1と比較してアナローグが20位で改変されない、請求項7から12のいずれか1項に記載のグルカゴンアナローグ。
  14. (i)C-末端から29位のアミノ酸に1から21のアミノ酸の伸長を含むか、又は(ii)アシル化アミノ酸又はアルキル化アミノ酸が10、12又は16位に位置する、請求項1から13のいずれかに記載のグルカゴンアナローグ。
  15. 1位のアミノ酸がHis又はHis誘導体である、請求項1から14のいずれか1項に記載のグルカゴンアナローグ。
  16. 2位のアミノ酸がアルファアルファ二置換アミノ酸である、請求項1から15のいずれか1項に記載のグルカゴンアナローグ。
  17. α,α-二置換アミノ酸がR1及びR2を含み、その各々がアルファ炭素と結合し、R1及びR2の各々が、場合によってヒドロキシル、アミド、チオール、ハロで置換されてあるC1−C4アルキルから成る群からそれぞれ別個に選択されるか、又はR1及びR2は、それらが結合しているアルファ炭素と一緒になって環を形成する、請求項16に記載のグルカゴンアナローグ。
  18. 2位のα,α-二置換アミノ酸がAIBである、請求項17に記載のグルカゴンアナローグ。
  19. C-末端から29位のアミノ酸に1から21のアミノ酸の伸長を含む、請求項1から18のいずれかに記載のグルカゴンアナローグ。
  20. 29位のアミノ酸がGlyである、請求項19に記載のグルカゴンアナローグ。
  21. 伸長がTrpケージ構造を形成するアミノ酸配列を含む、請求項19又は20に記載のグルカゴンアナローグ。
  22. 伸長がGPSSGAPPPS(配列番号:5)のアミノ酸配列又はその保存的置換配列を含む、請求項21に記載のグルカゴンアナローグ。
  23. 伸長が少なくとも1つの荷電アミノ酸を含む、請求項19又は20に記載のグルカゴンアナローグ。
  24. 伸長がX1-X2のアミノ酸配列を含み、ここでX1が荷電アミノ酸であり、さらにX2が小さな脂肪族アミノ酸である、請求項23に記載のグルカゴンアナローグ。
  25. X1が陽性荷電アミノ酸である、請求項24に記載のグルカゴンアナローグ。
  26. X1がArgである、請求項25に記載のグルカゴンアナローグ。
  27. 伸長がArg-Glyを含む、請求項26に記載のグルカゴンアナローグ。
  28. (i)本来のものではないアシル又はアルキル基を含むアミノ酸が10位に位置するか、又は(ii)グルカゴンアナローグが、C-末端から29位のアミノ酸に1から21のアミノ酸の伸長及び37−43位のいずれか、場合によって40位のアシル化アミノ酸又はアルキル化アミノ酸を含む、請求項14を除く請求項1から27のいずれかに記載のグルカゴンアナローグ。
  29. アシル化アミノ酸又はアルキル化アミノ酸が14位に存在する、請求項1から27に記載のグルカゴンアナローグ。
  30. アシル基又はアルキル基が、式I(場合によってLys)、式II(場合によってCys)、又は式III(場合によってSer)の構造を含むアミノ酸に結合され、式I、II及びIIIの各々が以下である、請求項1から29のいずれかに記載のグルカゴンアナローグ:
    Figure 2014507402
    [式I]
    式中、nは1から4であり;
    Figure 2014507402
    [式II]
    式中、nは1から4であり;及び
    Figure 2014507402
    [式III]
    式中、nは1から4である。
  31. アシル基又はアルキル基のアミノ酸がアミノ-Phe又はTyrと結合される、請求項1から29に記載のグルカゴンアナローグ。
  32. アシル基又はアルキル基が、長さが3から10原子のスペーサーを介してアミノ酸と結合される、請求項1から31のいずれかに記載のグルカゴンアナローグ。
  33. スペーサーが一アミノ酸又はジペプチドである、請求項1から32のいずれかに記載のグルカゴンアナローグ。
  34. スペーサーが1つ又は2つの酸性アミノ酸残基を含む、請求項33のグルカゴンアナローグ。
  35. アシル化アミノ酸又はアルキル化アミノ酸がスペーサーを介してアシル基又はアルキル基と結合され、スペーサーとアシル基の全長が約14から約28原子の長さである、請求項1から34のいずれかに記載のグルカゴンアナローグ。
  36. アシル化アミノ酸又はアルキル化アミノ酸がC12からC18脂肪アシル基に結合される、請求項1から35のいずれかに記載のグルカゴンアナローグ。
  37. アシル基がC14又はC16脂肪アシル基である、請求項36に記載のグルカゴンアナローグ。
  38. C-末端から27位のアミノ酸までに少なくとも1つの荷電アミノ酸を含む、請求項1から37のいずれかに記載のグルカゴンアナローグ。
  39. 28位に荷電アミノ酸を含む、請求項38に記載のグルカゴンアナローグ。
  40. 荷電アミノ酸が陰性荷電アミノ酸である、請求項38又は39に記載のグルカゴンアナローグ。
  41. 陰性荷電アミノ酸がAspである、請求項40に記載のグルカゴンアナローグ。
  42. 荷電アミノ酸が陽性荷電アミノ酸である、請求項38又は39に記載のグルカゴンアナローグ。
  43. 陽性荷電アミノ酸が下記の式Iのアミノ酸である、請求項42に記載のグルカゴンアナローグ:
    Figure 2014507402
    [式I]
    式中、nは1から4である。
  44. 28位の式Iのアミノ酸がLysである、請求項43に記載のグルカゴンアナローグ。
  45. 27位、29位、又は27位及び29位の両方にアミノ酸改変を含む、請求項1から44のいずれかに記載のグルカゴンアナローグ。
  46. 27位のアミノ酸がLeu、Nle、Val又はLysである、請求項45に記載のグルカゴンアナローグ。
  47. 29位のアミノ酸がGly又はThrである、請求項45又は46に記載のグルカゴンアナローグ。
  48. 以下の1つ以上を含む、請求項1から47のいずれかに記載のグルカゴンアナローグ:
    i.1位のDPP-IV保護アミノ酸;
    ii.3位の酸性アミノ酸、場合によってGlu;
    iii.7位のIle;
    iv.12位のIle又はArg;
    v.15位の酸性アミノ酸、場合によってGlu;
    vi.18位の脂肪族アミノ酸、場合によってAla;
    vii.21位の酸性アミノ酸、場合によってGlu;
    viii.24位のAsn、Ala、又はAIB;
    ix.27位の脂肪族アミノ酸、場合によってAla又はLeu又はNle;
    x.28位の酸性アミノ酸、場合によってGlu、又は脂肪族アミノ酸、場合によってAla;
    xi.29位の脂肪族アミノ酸、場合によってAla;
    xii.C-末端のアミド化。
  49. 配列番号:184−199のいずれかのアミノ酸配列を含む、請求項1から48のいずれかに記載のグルカゴンアナローグ。
  50. 配列番号:28、29、31、37−41、79、80、89、90、95、130、145−152、155−167、171、176、177、180、203−207、212及び230のいずれかを含む、請求項1から48のいずれか1項に記載のグルカゴンアナローグ。
  51. 配列番号:28、37、89、95、130、171及び180のいずれかのアミノ酸配列を含む、請求項50に記載のグルカゴンアナローグ。
  52. 以下の配列を含むペプチド:
    (a)配列番号:184
    HX2X3GTFTSDX10SKYLDX16RX18AX20X21FVQWLX27X28X29GPSSGX35PPPS(配列番号:184)
    式中、
    X2はAIBであり;
    X3はGln又はGlnアナローグであり;
    X10はTyr又はC12からC18のアシル又はアルキル基に共有結合したアミノ酸であり;
    X16は任意のアミノ酸、場合によってGly、Pro及びSer以外の任意のアミノ酸であり;
    X18はArg又はAlaであり;
    X20は陰性荷電アミノ酸又は中性荷電アミノ酸、場合によってAIB又はGlnであり;
    X21は酸性アミノ酸、場合によってAsp又はGluであり;
    X27はLeu、Ala、Nle、又はMetであり;
    X28はAla又は酸性アミノ酸(場合によってAsp又はGlu)であり;
    X29はAla又はGlyであり;
    X35はAla又は塩基性アミノ酸(場合によってArg又はLys)であり;
    ここで、X28が酸性アミノ酸であるとき、X35は塩基性アミノ酸であり;
    ここで、X10がTyrであるとき、ペプチドは、C12からC18のアシル又はアルキル基に共有結合したアミノ酸を40位に含み、さらに場合によってペプチドは41位にGlyを含み、
    ここで、ペプチドのC-末端アミノ酸はアミド化されるか;又は
    (b)配列番号:184と対比して3つまでのアミノ酸改変を有する配列番号:184、
    ここで、前記ペプチドは、ヒトGIPレセプター、ヒトGLP-1レセプター及びヒトグルカゴンレセプターの各々でアゴニスト活性を示す。
  53. X10がTyrであり、ペプチドが、C12からC18のアシル又はアルキル基に共有結合したアミノ酸を40位に含み、さらにペプチドが場合によって41位にGlyを含む、請求項52に記載のペプチド。
  54. X10がC12−C18のアシル又はアルキル基に共有結合したアミノ酸である、請求項52又は53に記載のペプチド。
  55. X20がGlnである、請求項52から54のいずれか1項に記載のペプチド。
  56. 16位のアミノ酸が陰性荷電アミノ酸、場合によってGluである、請求項55に記載のペプチド。
  57. X18がAlaである、請求項56に記載のペプチド。
  58. X20がAIBである、請求項52から54のいずれか1項に記載のペプチド。
  59. X16がAIB以外の任意のアミノ酸である、請求項58に記載のペプチド。
  60. (i)X28が酸性アミノ酸、場合によってAsp又はGluであり、さらにX35が塩基性アミノ酸、場合によってArg又はLysであり、(ii)X27、X28及びX29のただ1つがAlaであり、(iii)ペプチドがアミド化されたGlyをC-末端に含む、請求項52から59のいずれか1項に記載のペプチド。
  61. 3つまでのアミノ酸改変が保存的置換である、請求項52から60のいずれか1項に記載のペプチド。
  62. 以下の配列を含むペプチド:
    (a)配列番号:185
    HX2QGTFTSDX10SKYLDX16RX18AX20X21FVQWLX27X28X29GPSSGAPPPS(配列番号:185)
    式中、
    X2はAIBであり;
    X10はTyr又はC12からC18のアシル又はアルキル基に共有結合したアミノ酸であり;
    X16はGlu、アルファアルファ二置換アミノ酸、Lysであるか、又は
    X18はArg又はAlaであり;
    X20はAIB又はGlnであり;
    X21はAsp又はGluであり;
    X27はLeu、Nle、又はMetであり;
    X28はAla、Asp又はGluであり;
    X29はGly又はThrであり;さらに
    ここで、X10がTyrであるとき、ペプチドは、C12からC18のアシル又はアルキル基に共有結合したアミノ酸を40位に含み、さらに場合によってペプチドは41位にGlyを含み、
    ここで、ペプチドのC-末端アミノ酸はアミド化されるか、又は
    (b)配列番号:185と対比して3つまでのアミノ酸改変を有する配列番号:185の配列、ここで、前記ペプチドは、ヒトGIPレセプター、ヒトGLP-1レセプター及びヒトグルカゴンレセプターの各々でアゴニスト活性を示す。
  63. 3つまでのアミノ酸改変が保存的置換である、請求項62に記載のペプチド。
  64. 以下を含むペプチド:
    (a)配列番号:186
    HX2X3GTFTSDX10SKYLDX16RX18AX20X21FVQWLX27X28X29(配列番号:186)
    式中、
    X2はAIBであり;
    X3はGln又はGlnアナローグであり;
    X10はTyr又はC10からC26のアシル又はアルキル基と共有結合したアミノ酸であり;
    X16は任意のアミノ酸、場合によってGly、Pro及びSer以外の任意のアミノ酸であり;
    X18はArg又はAlaであり;
    X20は陰性荷電アミノ酸又は中性荷電アミノ酸、場合によってAIB又はGlnであり;
    X21は酸性アミノ酸、場合によってAsp又はGluであり;
    X27はLeu、Ala、Nle、又はMetであり;
    X28はAla又は酸性アミノ酸(場合によってAsp又はGlu)であり;
    X29はAla、Gly又はThrであり;さらに
    ここで、ペプチドは、C10からC26のアシル又はアルキル基に共有結合したアミノ酸を場合によって10位に含み、さらにペプチドのC-末端アミノ酸はアミド化されるか、又は
    (b)配列番号:186と対比して3つまでのアミノ酸改変を有する配列番号:186、
    ここで、前記ペプチドは、ヒトGIPレセプター、ヒトGLP-1レセプター及びヒトグルカゴンレセプターの各々でアゴニスト活性を示す。
  65. X20がAIBである、請求項64に記載のペプチド。
  66. X29がThrであり、さらにペプチドがGPSSGAPPPS(配列番号:5)を含まない、請求項65に記載のペプチド。
  67. X16がAIB以外のアミノ酸である、請求項65又は66に記載のペプチド。
  68. X20がGlnである、請求項64に記載のペプチド。
  69. 16位のアミノ酸が陰性荷電アミノ酸、場合によってGluである、請求項68に記載のペプチド。
  70. X18がAlaである、請求項69に記載のペプチド。
  71. C-末端から29位のアミノ酸に1から21のアミノ酸の伸長を含む、請求項66を除く請求項64から70のいずれか1項に記載のペプチド。
  72. 29位のアミノ酸がGlyである、請求項71に記載のペプチド。
  73. 伸長が、アミノ酸配列GPSSGAPPPS(配列番号:5)又はその保存的置換配列を含むか、或いは伸長が配列X1-X2を含み、ここでX1は荷電アミノ酸でありX2は小さな脂肪族アミノ酸であり、場合によってX1は陽性荷電アミノ酸である、請求項71または72に記載のペプチド。
  74. 陽性荷電アミノ酸がArgである、請求項73に記載のペプチド。
  75. 伸長がArg-Glyを含むか、又は前記から成る、請求項74に記載のペプチド。
  76. 伸長が、Lys又はLys-Glyがその後に続くアミノ酸配列GPSSGAPPPS(配列番号:5)を含み、ここで前記LysがC10からC26のアシル基に共有結合される、請求項73に記載のペプチド。
  77. 配列番号:186を含み、X2がAIBであり、X3がGlnであり、X10がC10からC26のアシル基又はアルキル基と共有結合されてあるアミノ酸であり、X18がArg又はAlaであり、X20がAIB又はGlnであり、X21がAsp又はGluであり、X29がGlyであり、さらにC-末端のアミノ酸がアミド化され、ここで29位のGlyが、Lys又はLys-Glyがその後に続くアミノ酸配列GPSSGAPPPSと融合され、ここでLysがC10−C26アシル基に共有結合される、請求項64に記載のペプチド。
  78. 3つまでのアミノ酸改変が保存的置換である、請求項64から77のいずれか1項に記載のペプチド。
  79. 以下を含むペプチド:
    (a)配列番号:187の配列
    HX2QGTFTSDX10SKYLDX16RX18AX20X21FVQWLX27X28X29(配列番号:187)
    式中、
    X2はAIBであり;
    X10はTyr又はC10からC26のアシル又はアルキル基と共有結合したアミノ酸であり;
    X16はGlu、アルファアルファ二置換アミノ酸、又はLysであり;
    X18はArg又はAlaであり;
    X20は陰性荷電アミノ酸又は中性荷電アミノ酸、場合によってAIB又はGlnであり;
    X21はAsp又はGluであり;
    X27はLeu、Ala、Nle、又はMetであり;
    X28はAla、Asp又はGluであり;
    X29はGly又はThrであり;さらに
    ここで、ペプチドは、C12からC18のアシル又はアルキル基に共有結合されたアミノ酸を場合によって10位に含み、さらにペプチドのC-末端アミノ酸はアミド化されるか;又は
    (b)配列番号:187と対比して3つまでのアミノ酸改変を有する配列番号:187、
    ここで、前記ペプチドは、ヒトGIPレセプター、ヒトGLP-1レセプター及びヒトグルカゴンレセプターの各々でアゴニスト活性を示す。
  80. 3つまでのアミノ酸改変が保存的置換である、請求項80に記載のペプチド。
  81. 配列番号:188の配列、又は配列番号:188と対比して3つまでのアミノ酸改変を有する配列番号:188の配列を含むペプチドであって、前記ペプチドが、ヒトGIPレセプター及びヒトGLP-1レセプターの各々でアゴニスト活性を示す、前記ペプチド。
  82. 配列番号:189の配列、又は配列番号:189と対比して3つまでのアミノ酸改変を有する配列番号:189の配列を含むペプチドであって、前記ペプチドが、ヒトGIPレセプター及びヒトGLP-1レセプターの各々でアゴニスト活性を示す、前記ペプチド。
  83. 配列番号:190の配列、又は配列番号:190と対比して3つまでのアミノ酸改変を有する配列番号:190の配列を含むペプチドであって、前記ペプチドが、ヒトGIPレセプター及びヒトGLP-1レセプターの各々でアゴニスト活性を示す、前記ペプチド。
  84. 配列番号:191の配列、又は配列番号:191と対比して3つまでのアミノ酸改変を有する配列番号:191の配列を含むペプチドであって、前記ペプチドが、ヒトGIPレセプター及びヒトGLP-1レセプターの各々でアゴニスト活性を示す、前記ペプチド。
  85. 配列番号:192の配列、又は配列番号:192と対比して3つまでのアミノ酸改変を有する配列番号:192の配列を含むペプチドであって、前記ペプチドがヒトGIPレセプター及びヒトGLP-1レセプターの各々でアゴニスト活性を示し、さらに場合によって前記ペプチドがヒトグルカゴンレセプターでアゴニスト活性を示す、前記ペプチド。
  86. 配列番号:193の配列、又は配列番号:193と対比して3つまでのアミノ酸改変を有する配列番号:193の配列を含むペプチドであって、前記ペプチドがヒトGIPレセプター及びヒトGLP-1レセプターの各々でアゴニスト活性を示し、場合によって前記ペプチドがヒトグルカゴンレセプターでアゴニスト活性を示す、前記ペプチド。
  87. 配列番号:194の配列、又は配列番号:194と対比して3つまでのアミノ酸改変を有する配列番号:194の配列を含むペプチドであって、前記ペプチドがヒトGIPレセプター及びヒトGLP-1レセプターの各々でアゴニスト活性を示し、場合によって前記ペプチドがヒトグルカゴンレセプターでアゴニスト活性を示す、前記ペプチド。
  88. 配列番号:195の配列、又は配列番号:195と対比して3つまでのアミノ酸改変を有する配列番号:195の配列を含むペプチドであって、前記ペプチドがヒトGIPレセプター及びヒトGLP-1レセプターの各々でアゴニスト活性を示し、場合によって前記ペプチドがヒトグルカゴンレセプターでアゴニスト活性を示す、前記ペプチド。
  89. C12−C18脂肪アシル基又はアルキル基が、場合によってスペーサーを介して結合される、C14からC16脂肪アシル基又はアルキル基である、請求項52から88のいずれか1項に記載のペプチド。
  90. C12からC18のアシル基又はアルキル基に共有結合されるアミノ酸が、C12からC18のアシル基又はアルキル基に共有結合されたLys又はアミノ-Phe又はTyr又はCysである、請求項52から89のいずれか1項に記載のペプチド。
  91. スペーサーが一アミノ酸又はジペプチドであり、場合によってスペーサーが1つ又は2つの酸性アミノ酸残基を含む、請求項52から90のいずれか1項に記載のペプチド。
  92. 配列番号:28の配列を含むペプチド。
  93. 配列番号:37の配列を含むペプチド。
  94. 配列番号:89の配列を含むペプチド。
  95. 配列番号:171の配列を含むペプチド。
  96. 配列番号:180の配列を含むペプチド。
  97. 以下の(a)−(d)を含む、GIPアゴニスト活性を有するグルカゴン(配列番号:1)のアナローグ:
    (a)1位のイミダゾール側鎖を含むアミノ酸、
    (b)16位に下記の式IVのアミノ酸、
    Figure 2014507402
    [式IV]
    式中、nは1から7であり、R1及びR2の各々はそれぞれ別個に、H、C1−C18アルキル、(C1−C18アルキル)OH、(C1−C18アルキル)NH2、(C1−C18アルキル)SH、(C0−C4アルキル)(C3−C6)シクロアルキル、(C0−C4アルキル)(C2−C5複素環式)、(C0−C4アルキル)(C6−C10アリール)R7、及び(C1−C4アルキル)(C3−C9ヘテロアリール)から成る群から選択され、R7はH又はOHであり、場合によって式IVのアミノ酸の側鎖は遊離アミノ基を含み、
    (c)20位のα,α二置換アミノ酸、
    (d)配列番号:1と対比してまた別の10までのアミノ酸改変、
    ここで、アナローグが親水性成分を欠くとき、グルカゴンアナローグは、GIPレセプターにおいて本来のGIPの少なくとも0.1%の活性を示し、前記グルカゴンアナローグは、GIPレセプターと対比してヒトGLP-1レセプターに対して100倍未満の選択性を有する。
  98. 1位のアミノ酸がHis又はHis誘導体である、請求項97に記載のグルカゴンアナローグ。
  99. (b)の式IVのアミノ酸がホモLys、Lys、Orn又は2,4-ジアミノ酪酸(Dab)である、請求項97又は98に記載のグルカゴンアナローグ。
  100. α,α-二置換アミノ酸がR1及びR2を含み、その各々がアルファ炭素と結合し、R1及びR2の各々が、場合によってヒドロキシル、アミド、チオール、ハロで置換されてあるC1−C4アルキルから成る群からそれぞれ別個に選択されるか、又はR1及びR2は、それらが結合しているアルファ炭素と一緒になって環を形成する、請求項97から99のいずれかに記載のグルカゴンアナローグ。
  101. 20位のα,α-二置換がAIBである、請求項100に記載のグルカゴンアナローグ。
  102. 以下の1つ以上を含む、請求項97から101のいずれかに記載のグルカゴンアナローグ:
    a.2位のDPP-IV保護アミノ酸、場合によってAIB又はD-Ser;
    b.12位の大きな脂肪族の非極性アミノ酸、場合によってIle;
    c.17位のArg以外のアミノ酸、場合によってGln;
    d.18位の小さな脂肪族アミノ酸、場合によってAla;
    e.21位のAsp以外のアミノ酸、場合によってGlu;
    f.24位のGln以外のアミノ酸、場合によってAsn又はAla;
    g.27位のMet以外のアミノ酸、場合によってLeu;
    h.28位のAsn以外のアミノ酸、場合によってAla;
    i.29位のThr以外のアミノ酸、場合によってGly;
    j.C-末端から29位のアミノ酸に1から21のアミノ酸の伸長;及び
    k.配列番号:48、52、53及び74のいずれかに示すアミノ酸配列。
  103. 親の配列と対比して3つまでのアミノ酸改変を有する親配列を含むアナローグであって、親配列が、配列番号:27−33、35−41、43−46、76−80、83−87、89、90、94−100、102−112、120−124及び127−131のいずれか、又は配列番号:48、52、53、及び74のいずれか、又は配列番号:50、51、54、56、58−60、62−66、68−70、72、73、75、81、82、88、92、114−119、125、126及び133のいずれかであり、アミノ酸の改変が以下から成る群から選択される、前記アナローグ:
    a.2位のDPP-IV保護アミノ酸、場合によってAIB又はD-Ser;
    b.12位の大きな脂肪族の非極性アミノ酸、場合によってIle;
    c.17位のArg以外のアミノ酸、場合によってGln;
    d.18位の小さな脂肪族アミノ酸、場合によってAla;
    e.21位のAsp以外のアミノ酸、場合によってGlu;
    f.24位のGln以外のアミノ酸、場合によってAsn又はAla;
    g.27位のMet以外のアミノ酸、場合によってLeu;
    h.28位のAsn以外のアミノ酸、場合によってAla;
    i.29位のThr以外のアミノ酸、場合によってGly;
    j.C-末端から29位のアミノ酸に1から21のアミノ酸の伸長;及び
    k.配列番号:48、52、53及び74のいずれかに示すアミノ酸配列。
  104. グルカゴンアナローグが、GIPレセプターと対比してヒトGLP-1レセプターに対して100倍未満の選択性を有する、請求項1から103のいずれか1項に記載のグルカゴンアナローグ又はペプチド。
  105. GIPレセプターにおけるグルカゴンアナローグのEC50が、GLP-1レセプターにおけるそのEC50の約50倍以内である、請求項1から104のいずれか1項に記載のグルカゴンアナローグ又はペプチド。
  106. GIPレセプターにおけるグルカゴンアナローグのEC50が、GLP-1レセプターにおけるそのEC50の約40倍以内である、請求項1から105のいずれか1項に記載のグルカゴンアナローグ又はペプチド。
  107. GIPレセプターにおけるグルカゴンアナローグのEC50が、GLP-1レセプターにおけるそのEC50の約30倍以内である、請求項1から106のいずれか1項に記載のグルカゴンアナローグ又はペプチド。
  108. GIPレセプターにおけるグルカゴンアナローグのEC50が、GLP-1レセプターにおけるそのEC50の約20倍以内である、請求項1から107のいずれか1項に記載のグルカゴンアナローグ又はペプチド。
  109. GIPレセプターにおけるグルカゴンアナローグのEC50が、GLP-1レセプターにおけるそのEC50の約10倍以内である、請求項1から108のいずれか1項に記載のグルカゴンアナローグ又はペプチド。
  110. GIPレセプターにおけるグルカゴンアナローグのEC50が、GLP-1レセプターにおけるそのEC50の約5倍以内である、請求項1から109のいずれか1項に記載のグルカゴンアナローグ又はペプチド。
  111. グルカゴンアナローグが少なくとも1%のGIPパーセンテージポテンシーを示す、請求項1から110のいずれか1項に記載のグルカゴンアナローグ又はペプチド。
  112. GIPパーセンテージポテンシーが少なくとも10%である、請求項111に記載のグルカゴンアナローグ又はペプチド。
  113. GIPパーセンテージポテンシーが15%より高いか又は20%より高い、請求項112に記載のグルカゴンアナローグ又はペプチド。
  114. GIPパーセンテージポテンシーが少なくとも50%である、請求項113に記載のグルカゴンアナローグ又はペプチド。
  115. GIPパーセンテージポテンシーが100%より高いか又は約100%である、請求項114に記載のグルカゴンアナローグ又はペプチド。
  116. グルカゴンアナローグが少なくとも1%のGLP-1パーセンテージポテンシーを示す、請求項1から115のいずれか1項に記載のグルカゴンアナローグ又はペプチド。
  117. GLP-1パーセンテージポテンシーが少なくとも10%である、請求項116に記載のグルカゴンアナローグ又はペプチド。
  118. GLP-1パーセンテージポテンシーが少なくとも50%である、請求項117に記載のグルカゴンアナローグ又はペプチド。
  119. GLP-1パーセンテージポテンシーが100%より高いか又は約100%である、請求項118に記載のグルカゴンアナローグ又はペプチド。
  120. GIPパーセンテージポテンシーがGLP-1パーセンテージポテンシーよりも10倍以内高いか又は低い、請求項1から119のいずれか1項に記載のグルカゴンアナローグ又はペプチド。
  121. グルカゴンパーセンテージポテンシーが少なくとも1%である、請求項1から120のいずれか1項に記載のグルカゴンアナローグ又はペプチド。
  122. グルカゴンパーセンテージポテンシーが少なくとも10%である、請求項121に記載のグルカゴンアナローグ又はペプチド。
  123. グルカゴンパーセンテージポテンシーが少なくとも50%である、請求項122に記載のグルカゴンアナローグ又はペプチド。
  124. グルカゴンパーセンテージポテンシーが100%より高いか又は約100%である、請求項123に記載のグルカゴンアナローグ又はペプチド。
  125. GIPパーセンテージポテンシーが、グルカゴンパーセンテージポテンシーよりも10倍以内高いか又は低い、請求項1から124のいずれか1項に記載のグルカゴンアナローグ又はペプチド。
  126. 請求項1から125のいずれか1項に記載のグルカゴンアナローグ又はペプチドの2つ以上を含むダイマー又はマルチマー。
  127. 請求項1から126のいずれか1項に記載のグルカゴンアナローグ又はペプチド及び連結成分を含む連結物。
  128. グルカゴンアナローグが異種ペプチドアナローグと融合される、請求項127に記載の連結物。
  129. 請求項1から128のいずれか1項に記載のグルカゴンアナローグ若しくはペプチド、請求項126に記載のダイマー若しくはマルチマー、請求項127若しくは128に記載の連結物、又は前記の組合せ、及び医薬的に許容できる担体、希釈剤又は賦形剤を含む、医薬組成物。
  130. 請求項129に記載の医薬組成物を、体重増加の低下又は体重減少の誘発に有効な量でその必要がある患者に投与する工程を含む、その必要がある対象者で体重増加を低下させるか又は体重減少を誘発する方法。
  131. 有効な量が、その必要がある対象者で肥満を治療するためである、請求項130に記載の方法。
  132. 請求項129に記載の医薬組成物を、血中グルコースレベルを低下させるために有効な量でその必要がある患者に投与する工程を含む、糖尿病を治療する方法。
  133. 請求項129に記載の医薬組成物を、腸管の一時的麻痺を誘発するために有効な量でその必要がある患者に投与する工程を含む、その必要がある対象者で腸管の一時的麻痺を誘発する方法。
  134. 糖尿病治療、体重増加の低下若しくは体重減少の誘発、又は腸管の一時的麻痺の誘発のための医薬の製造における、請求項1から133のいずれか1項に記載のグルカゴンアナローグ若しくはペプチド、請求項126に記載のダイマー若しくはマルチマー、請求項127若しくは128に記載の連結物、又は前記の組合せの使用。
  135. 糖尿病若しくは肥満の治療、体重増加の低下若しくは体重減少の誘発、又は腸管の一時的麻痺の誘発のための、請求項1から134のいずれか1項に記載のグルカゴンアナローグ若しくはペプチド、請求項126に記載のダイマー若しくはマルチマー、請求項127若しくは128に記載の連結物、又は前記の組合せの使用。
  136. 本明細書に記載のペプチド、場合によってグルカゴンアナローグ。
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