JP2014221558A - 離型フィルム - Google Patents
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(1)クッション層と、離型層とを有する離型フィルムであって、前記クッション層は、第1樹脂層と、第2樹脂層とを有し、前記第1樹脂層のビカット軟化点X(℃)と、前記第2樹脂層のビカット軟化点Y(℃)とが異なることを特徴とする離型フィルム。
(2)前記第1樹脂層のビカット軟化点X(℃)と、前記第2樹脂層のビカット軟化点Y(℃)が、X<Yを満たす(1)に記載の離型フィルム。
(3)前記第1樹脂層のビカット軟化点X(℃)と、前記第2樹脂層のビカット軟化点Y(℃)が、Y−X>50を満たす(1)または(2)に記載の離型フィルム。
(4)前記第1樹脂層のビカット軟化点X(℃)が80以上である(1)〜(3)のいずれかに記載の離型フィルム。
(5)前記第2樹脂層の厚さは、離型フィルム全体の5%以上、50%以下である(1)〜(4)のいずれかに記載の離型フィルム。
(6)前記第2樹脂層が、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミドおよびポリエーテルの群からなる1つ以上の樹脂を含む(1)〜(5)のいずれかに記載の離型フィルム。
(7)前記クッション層が、第1樹脂層を2層含む(1)〜(6)のいずれかに記載の離型フィルム。
(8)前記離型層がポリオレフィン、ポリエステル、およびポリスチレンのいずれかを主成分とする(1)〜(7)のいずれかに記載の離型フィルム。
(9)前記離型層に含まれるポリオレフィンが1.4メチルペンテンである(8)に記載の離型フィルム。
(10)前記離型層に含まれるポリエステルがポリブチレンテレフタレートである(8)または(9)に記載の離型フィルム。
(11)前記離型層に含まれるポリスチレンがシンジオタックチックポリスチレンである(8)〜(10)のいずれかに記載の離型フィルム。
(12)第1の離型層、クッション層、第2の離型層をこの順に有する離型フィルムであって、前記クッション層が、前記第2樹脂層の両面に、前記第1樹脂層を有する(7)〜(11)のいずれかに記載の離型フィルム。
まず、本発明の離型フィルムの第1実施形態について説明する。
第1実施形態のクッション層20は、第1樹脂層2と、第2樹脂層3とを有する。ここで、第1樹脂層2のビカット軟化点X(℃)と、第2樹脂層3のビカット軟化点Y(℃)とが異なることが必要である。XとYが異なることにより、回路基板を作製する際の加熱プレスにおいて、回路露出フィルムへの埋め込み性と、加圧プレス後の離型性を両立し得ることができる。
第1の離型層1は、回路露出フィルム等に対して良好な離型性を有する樹脂(以下、「離型層形成樹脂」と称する)から形成される。そのような離型層形成樹脂としては、例えば、ポリオレフィン、ポリエステル、およびポリスチレンが好ましく、加圧プレス後の離型性をさらに向上させることができる。さらに、ポリオレフィンとして、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)(以下「TPX(登録商標)樹脂」と称する)を主成分とする樹脂、ポリスチレンとして、シンジオタクチック構造を有するポリスチレン系樹脂(以下「SPS樹脂」と称する)を主成分とする樹脂、ポリエステルとしてポリブチレンテレフタレート樹脂を主成分とする樹脂、ポリエーテルエステルブロック共重合体を主成分とする樹脂が挙げられる。
TPX樹脂を主成分とする樹脂には、TPX樹脂が90重量%以上含有されているのが好ましく、95重量%以上含有されているのが好ましい。なお、離型層210はTPX樹脂のみから形成されてもかまわない。なお、TPX樹脂は、三井化学(株)から商品名TPX(登録商標)として市販されている。
SPS樹脂を主成分とする樹脂は、出光興産(株)から商品名ザレック(登録商標)(XAREC(登録商標))として市販されている。SPS樹脂を主成分とする離型層形成樹脂におけるSPS樹脂の含有率は、70重量%以上90重量%以下であるが、85重量%以上90重量%以下であるのが好ましい。
ポリブチレンテレフタレートを主成分とする樹脂には、ポリブチレンテレフタレートが80重量%以上含有されているのが好ましく、95重量%以上含有されているのが好ましい。なお、第1の離型層1はポリブチレンテレフタレートのみから形成されてもかまわない。
ポリエーテルエステルブロック共重合体を主成分とする樹脂には、ポリエーテルエステルブロック共重合体が90重量%以上含有されているのが好ましく、95重量%以上含有されているのが好ましい。なお、第1の離型層1はポリエーテルエステルブロック共重合体のみから形成されてもかまわない。
離型層形成樹脂を構成するTPX樹脂、SPS樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエーテルエステルブロック共重合体以外の樹脂としては、例えば、エラストマー樹脂や、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)等が挙げられる。なお、これらの樹脂は単独で、または、二種以上を組み合わせて用いることができる。
離型性形成樹脂には、各種の添加剤、例えば、アンチブロッキング剤、酸化防止剤、核剤、帯電防止剤、プロセスオイル、可塑剤、離型剤、難燃剤、難燃助剤、顔料等が配合されてもかまわない。
第1の離型層1の厚みは、10〜100μm 、好ましくは15〜50μmである。離型層がこれより薄いとプレスラミネート後、離型層が破れ、FPC と離型フィルムの分離の際に、FPC側に離型層樹脂が残る傾向がある。一方、前記の範囲より厚いと、埋め込み性が低下し、対形状追従性に劣りカバーレイに付着している接着剤のフロー量が多くなる傾向がある。
本実施の形態に係る離型フィルム20は、共押出法や押出ラミネート法等の方法で製造することができる。
第2実施形態の離型フィルム10は、図3に示すように、第1の離型層1と、第1樹脂層2および第2樹脂層3を有するクッション層20と、第2の離型層4とが、この順に積層されている。なお、以下の説明では、説明の便宜上、図3の上側を「上」、下側を「下」という。
第3実施形態の離型フィルム10は、図4に示すように、第1の離型層1と、第2樹脂層3の上面に第1樹脂層2を、下面に第1樹脂層5を有するクッション層20と、第2の離型層4とが、この順に積層されている。なお、以下の説明では、説明の便宜上、図4の上側を「上」、下側を「下」という。
本発明の実施の形態に係る離型フィルム100は、回路露出フィルムへのCLフィルム接着時にCLフィルムを回路パターンの凹凸部に密着させるためにCLフィルムを包むように配置され、回路露出フィルム及びCLフィルムと共にプレス装置により加圧される。具体的には、離型フィルム100は、図5に示されるように、回路露出フィルムとCLフィルムとが接着剤により仮止めされたもの340を、離型層が対向するように挟み込んだ後、テフロン(登録商標)シート330、ゴムクッション320及びステンレス板310で順次挟み込まれ、熱盤300でプレスされる(図5の白抜矢印参照)。なお、その熱盤300による加熱方法としては、図6に示される通りである。つまり、熱盤300は、加圧を開始してから20秒〜1分で常温から185℃まで昇温された後、2分間その温度に維持される。その後、熱盤300は、20秒〜1分かけて185℃から常温まで冷却される。なお、このときのプレス圧力は、2〜20MPaで適宜調節される。
以下、実施例を示して本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら制限されるものではない。
1.離型フィルムの製造
(1)離型層の原料
第1の離型層および第2の離型層の原料として、TPX樹脂(三井化学(株)社製のTPX(登録商標)MX002)を用いた。
クッション層における第1樹脂層の原料として、エチレン−メタアクリル酸メチル共重合体(メタアクリル酸メチル誘導単位含有量:5重量%)(住友化学(株)製のアクリフト(登録商標)WD106)(以下「EMMA」と称する)を、第2樹脂層の原料として、ポリプロピレン(住友化学(株)製、ノーブレン(登録商標)(以下「PP」と称する)用いた。EMMAのビカット軟化点は80℃、PPのビカット軟化点は160℃であった。
共押出法を利用して、第1樹脂層、第2樹脂層、第1樹脂層の順に構成されたクッション層、およびクッション層の表裏に第1の離型層、第2の離型層を有する離型フィルムを作製した。
実際に、CLフィルムが接着剤を介して仮止めされた回路露出フィルムを、第1の離型層が回路露出フィルムに対向するように上記離型フィルムで両側から包み込み、熱盤プレスにより図6に示される加熱パターンで加熱プレスした。その結果、回路露出フィルムとCLフィルムとの間の接着剤が回路パターンへ流出した量(以下CL接着剤染み出し量)は、70μmであり、離型フィルムの良好な埋め込み性を示した(表1参照)。また、加熱プレス後の離型フィルムの剥離不良も発生せず、良好な結果となった(表1参照)。なお前記CL接着剤染み出し量が少ないものほど、良好な埋め込み性を示すものとなる。本試験においては、CL接着剤染み出し量が90μm未満のものを埋め込み性に優れるものでありA判定とした。一方CL接着剤染み出し量が90μm以上のものを埋め込み性に劣るものでありB判定とした。離型性の評価は、離型時に離型フィルムが容易に剥離できた場合は離型性が良好としてA判定とし、離型時に離型フィルムが、金型にとられる場合は離型性が不十分としてB判定とした。また、シワの評価は加熱プレス後の離型フィルムを観察し、シワが観察されない場合はシワの抑制が良好としてA判定とし、シワが観察された場合はシワの抑制が不十分としてB判定とした。
離型フィルムの構成を表1に示すように変更したほかは、実施例1と同様に離型フィルムを作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
離型フィルムの構成を表1に示すように変更したほかは、実施例1と同様に離型フィルムを作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
離型フィルムの構成を第2樹脂層をポリブチレンテレフタレート(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製のノバデュラン(登録商標)5020)(以下、「PBT1」と称する)に変更したほかは、実施例1と同様の層構成の離型フィルムを作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
離型フィルムの構成を第2樹脂層を6−ナイロン(宇部興産(株)製のUBEナイロン(登録商標)1022B)(以下、「PA」と称する)に変更したほかは、実施例1と同様の層構成の離型フィルムを作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
離型層の原料としてポリブチレンテレフタレート/ポリテトラメチレングリコールブロック共重合体(ポリブチレンテレフタレート構成単位/ポリテトラメチレングリコール構成単位 90重量部/10重量部)(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製のノバデュラン(登録商標)5505S)(以下「PBT2」と称する)を用いて、離型フィルムの厚み構成を表1に示すようにした以外は、実施例1と同様に離型フィルムを作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
離型層の原料としてSPS樹脂(出光興産(株)社製のザレック(登録商標)S107)を用い、離型フィルムの構成を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
離型層の原料としてSPSを用い、第2樹脂層をポリカーボネート(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製のユーピロン(登録商標)E―2000)(以下「PC」と称する)に変更し、離型フィルムの構成を表2に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを作製し、評価を行った。結果を表2に示す。
離型層の原料としてSPSを用い、第2樹脂層をPBT1に変更し、離型フィルムの構成を表2に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを作製し、評価を行った。結果を表2に示す。
離型フィルムの構成を表1に示すようにクッション層を44μmとなるEMMA一層に変更したほかは、実施例1と同様に離型フィルムを作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
離型フィルムの構成を表1に示すようにクッション層を44μmとなるPP一層に変更したほかは、実施例1と同様に離型フィルムを作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
離型フィルムの構成を表2に示すように離型層を20μmとなるSPSに、クッション層を44μmとなるEMMA一層に変更したほかは、実施例1と同様に離型フィルムを作製し、評価を行った。結果を表2に示す。
離型フィルムの構成を表2に示すように離型層を20μmとなるSPSに、クッション層を44μmとなるPP一層に変更したほかは、実施例1と同様に離型フィルムを作製し、評価を行った。結果を表2に示す。
2 第1樹脂層
3 第2樹脂層
4 第2の離型層
5 第1樹脂層
10 離型フィルム
20 クッション層
100 離型フィルム
200 離型フィルム
300 熱盤
310 ステンレス板
320 ゴムクッション
330 テフロン(登録商標)シート
340 回路露出フィルムとCLフィルムとが接着剤により仮止めされたもの
510 ダイス
520 タッチロール
530 第1ロール
540 第2ロール
Claims (12)
- クッション層と、離型層とを有する離型フィルムであって、
前記クッション層は、第1樹脂層と、第2樹脂層とを有し、
前記第1樹脂層のビカット軟化点X(℃)と、前記第2樹脂層のビカット軟化点Y(℃)とが異なることを特徴とする離型フィルム。 - 前記第1樹脂層のビカット軟化点X(℃)と、前記第2樹脂層のビカット軟化点Y(℃)が、X<Yを満たす請求項1に記載の離型フィルム。
- 前記第1樹脂層のビカット軟化点X(℃)と、前記第2樹脂層のビカット軟化点Y(℃)が、Y−X>50を満たす請求項1または2に記載の離型フィルム。
- 前記第1樹脂層のビカット軟化点X(℃)が80以上である請求項1〜3のいずれかに記載の離型フィルム。
- 前記第2樹脂層の厚さは、離型フィルム全体の5%以上、50%以下である請求項1〜4のいずれかに記載の離型フィルム。
- 前記第2樹脂層が、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミドおよびポリエーテルの群からなる1つ以上の樹脂を含む請求項1〜5のいずれかに記載の離型フィルム。
- 前記クッション層が、第1樹脂層を2層含む請求項1〜6のいずれかに記載の離型フィルム。
- 前記離型層がポリオレフィン、ポリエステル、およびポリスチレンのいずれかを主成分とする請求項1〜7のいずれかに記載の離型フィルム。
- 前記離型層に含まれるポリオレフィンが1.4メチルペンテンである請求項8に記載の離型フィルム。
- 前記離型層に含まれるポリエステルがポリブチレンテレフタレートである請求項8または9に記載の離型フィルム。
- 前記離型層に含まれるポリスチレンがシンジオタックチックポリスチレンである請求項8〜10のいずれかに記載の離型フィルム
- 第1の離型層、クッション層、第2の離型層をこの順に有する離型フィルムであって、前記クッション層が、前記第2樹脂層の両面に、前記第1樹脂層を有する請求項7〜11のいずれかに記載の離型フィルム。
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