JP2007098861A - 多層離型フィルム及び多層離型フィルムの製造方法 - Google Patents

多層離型フィルム及び多層離型フィルムの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】耐熱性、離型性を有しつつ、カールの発生、ボイドの発生、接着剤の流れ出し及びフィルム端面でのクッション層樹脂の染み出しを抑制することが可能な多層離型フィルムを提供する。
【解決手段】少なくとも、示差走査熱量計を用いて測定した融点が200℃以上である結晶性芳香族ポリエステル樹脂からなる離型層と、示差走査熱量計を用いて測定した融点が70〜130℃であるポリオレフィン系樹脂からなるクッション層とからなる多層離型フィルムであって、前記クッション層は、前記離型層とは反対側の表面に、前記ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、層状珪酸塩を0.1〜100重量部含有する表面層を有する多層離型フィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は、耐熱性、離型性を有しつつ、製造時及び熱プレス成形時におけるカールの発生、熱プレス成形時におけるボイドの発生、接着剤の流れ出し及びフィルム端面でのクッション層樹脂の染み出しを抑制することが可能であり、更には、使用後の廃棄が容易な多層離型フィルム及び該多層離型フィルムの製造方法に関する。
プリント基板、フレキシブルプリント配線基板、多層プリント配線板等の製造工程において、プリプレグ又は耐熱フィルムを介して銅張積層板又は銅箔を熱プレスする際に離型フィルムが使用されている。また、フレキシブルプリント基板の製造工程において、電気回路を形成したフレキシブルプリント基板本体に、熱硬化型接着剤又は熱硬化性接着シートによってカバーレイフィルム又は補強板を熱プレス接着する際に、カバーレイフィルムとプレス熱板とが接着するのを防止するために、離型フィルムが広く使用されている。
従来、離型フィルムとしては、特許文献1や特許文献2に開示されているような、フッ素系フィルム、シリコーン塗布ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルム等が用いられてきた。
しかし、フッ素系フィルムは、耐熱性、離型性、非汚染性には優れているが、高価であるうえ、使用後の廃棄焼却処理において燃焼しにくく、かつ、有毒ガスを発生するという問題があった。
また、シリコーン塗布ポリエチレンテレフタレートフィルムは、シリコーンに含まれる低分子量体の移行によってプリント配線基板、とりわけ銅回路の汚染を引き起こし、品質を損なうおそれがあった。また、ポリプロピレンフィルムは、耐熱性に劣り、離型性が不充分であるという問題があった。
また、熱プレス成形工程においては、基板表面の凹凸に対して離型フィルムが追従することが必要とされるが、従来の離型フィルムは追従性に劣ることから、熱プレス成形時にフレキシブルプリント基板中にボイドが発生したり、電極部にカバーレイフィルムの接着剤が染み出し、電極部のめっき処理の障害となったりする等の問題があった。
離型フィルムとしては、例えば、クッション層の両面に離型層を施した3層タイプの離型フィルムが挙げられる。このような3層タイプの離型フィルムを用いて熱プレス成形を行うと、クッション層により優れた追従性を発揮できるとともに、成形後には、プレス機及びプリント基板からの剥離が容易であるという利点がある。
しかしながら、3層タイプの離型フィルムは製造コストがかかるという問題点や、プレス時に流れるクッション層の逃げ場がないため、染み出しが発生し、基板等を汚染してしまうという問題があった。
これに対して、クッション層と離型層とからなる2層タイプの離型フィルムも用いられている。このような2層タイプの離型フィルムを用いて熱プレス成形を行う際には、プリント基板面に離型層を接し、プレス機とクッション層との間に紙等を挟むことで、プレス機とクッション層との剥離を容易にするとともに、プレス時に流れ出るクッション層を紙により吸収させることができ、染み出しの発生による基板の汚染を防止することができる。
しかしながら、従来の2層タイプの離型フィルムでは、製造過程や熱プレス成形時にカールが起こりやすいという問題があった。
特開平2−175247号公報 特開平5−283862号公報
本発明は、上記現状に鑑み、耐熱性、離型性を有しつつ、製造時及び熱プレス成形時におけるカールの発生、熱プレス成形時におけるボイドの発生、接着剤の流れ出し及びフィルム端面でのクッション層樹脂の染み出しを抑制することが可能であり、更には、使用後の廃棄が容易な多層離型フィルム及び該多層離型フィルムの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、少なくとも、示差走査熱量計を用いて測定した融点が200℃以上である結晶性芳香族ポリエステル樹脂からなる離型層と、示差走査熱量計を用いて測定した融点が70〜130℃であるポリオレフィン系樹脂からなるクッション層とからなる多層離型フィルムであって、前記クッション層は、前記離型層とは反対側の表面に、前記ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、層状珪酸塩を0.1〜100重量部含有する表面層を有する多層離型フィルムである。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、鋭意検討の結果、少なくとも、一定の範囲の融点を有する樹脂からなる離型層とクッション層とからなる多層離型フィルムにおいて、クッション層のうち離型層とは反対側の最表面に一定量の層状珪酸塩を含有する表面層を設けることにより、耐熱性、離型性、基板表面への追従性を有しつつ、製造時及び熱プレス成形時におけるカールの発生、熱プレス成形時におけるボイドの発生、接着剤の流れ出し及びフィルム端面でのクッション層樹脂の染み出しを抑制することができるということを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の多層離型フィルムは、示差走査熱量計を用いて測定した融点が200℃以上である結晶性芳香族ポリエステル樹脂からなる離型層を有する。
上記離型層にこのような融点の高い樹脂を用いることにより、上記離型層は、熱プレス成形工程においても、溶融することなく離型性を有するとともに、上記離型層が破壊されることを防止することができる。
また、このような樹脂を用いることにより、使用後に焼却しても有毒ガスを発生しないことから、本発明の多層離型フィルムの廃棄焼却処理が容易となる。
上記結晶性芳香族ポリエステル樹脂は、示差走査熱量計を用いて測定した融点の下限が200℃である。熱プレス成形時は、通常200℃未満で行われることから、融点が200℃未満であると、上記熱プレス成形工程において、離型層が融解し、多層離型フィルムの耐熱性が低下する。好ましい下限は220℃である。融点の上限としては特に限定されないが、溶融成型する場合は加熱設備のコストの理由から、好ましい上限は400℃である。
なお、上記示差走査熱量計としては特に限定されず、例えば、DSC 2920(TAインスツルメント社製)等を用いることができる。
上記結晶性芳香族ポリエステル樹脂としては特に限定されず、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、テレフタル酸ブタンジオールポリテトラメチレングリコール共重合体等が挙げられる。これらは単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。なかでも、非汚染性及び結晶性に優れることから、ポリブチレンテレフタレートが好適に用いられる。
上記離型層には、安定剤を含有させてもよい。
上記安定剤としては特に限定されず、例えば、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、3,9−ビス{2−〔3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−プロピオニロキシ〕−1,1−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン等のヒンダードフェノール系酸化防止剤;トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリラウリルホスファイト、2−t−ブチル−α−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−p−クメニルビス(p−ノニルフェニル)ホスファイト、ジミリスチル3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル3,3’−チオジプロピオネート、ペンタエリスチリルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、ジトリデシル3,3’−チオジプロピオネート等の熱安定剤等が挙げられる。
上記離型層は、本発明の効果を損なわない範囲で、繊維、無機充填剤、難燃剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、無機物、高級脂肪酸塩等の添加剤を含有してもよい。
上記繊維としては特に限定されず、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、ボロン繊維、炭化珪素繊維、アルミナ繊維、アモルファス繊維、シリコン・チタン・炭素系繊維等の無機繊維;アラミド繊維等の有機繊維等が挙げられる。
上記無機充填剤としては特に限定されず、例えば、炭酸カルシウム、酸化チタン、マイカ、タルク等が挙げられる。
上記難燃剤としては特に限定されず、例えば、ヘキサブロモシクロドデカン、トリス−(2,3−ジクロロプロピル)ホスフェート、ペンタブロモフェニルアリルエーテル等が挙げられる。
上記紫外線吸収剤としては特に限定されず、例えば、p−t−ブチルフェニルサリシレート、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン、2,4,5−トリヒドロキシブチロフェノン等が挙げられる。
上記帯電防止剤としては特に限定されず、例えば、N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アルキルアミン、アルキルアリルスルホネート、アルキルスルファネート等が挙げられる。
上記無機物としては特に限定されず、例えば、硫酸バリウム、アルミナ、酸化珪素等が挙げられる。
上記高級脂肪酸塩としては特に限定されず、例えば、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸バリウム、パルミチン酸ナトリウム等が挙げられる。
上記離型層は、その性質を改質するために、熱可塑性樹脂、ゴム成分を含有してもよい。
上記熱可塑性樹脂としては特に限定されず、例えば、ポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリスルフォン、ポリエステル等が挙げられる。
上記ゴム成分としては特に限定されず、例えば、天然ゴム、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリブタジエン、ポリイソプレン、アクリルニトリル−ブタジエン共重合体、エチレン−プロピレン共重合体(EPM、EPDM)、ポリクロロプレン、ブチルゴム、アクリルゴム、シリコンゴム、ウレタンゴム、オレフィン系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマー、塩ビ系熱可塑性エラストマー、エステル系熱可塑性エラストマー、アミド系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
また、上記離型層は、アスペクト比の大きい無機化合物を含有してもよい。アスペクト比の大きい無機化合物を含有することにより、得られる本発明の多層離型フィルムは、高温での離型性が向上し、更にフィルムに含まれる添加剤や低分子量物がフィルム表面へブリードアウトすることを抑制することができ、熱プレス成形時のクリーン性が向上する。
上記アスペクト比の大きい無機化合物としては特に限定されず、例えば、層状珪酸塩;ハイドロタルサイト等の層状複水和物等が挙げられる。
上記離型層の厚さとしては特に限定されないが、好ましい下限は5μm、好ましい上限は40μmである。5μm未満であると、厚さが薄すぎ、離型層の強度が損なわれることから、熱プレス成形工程や多層離型フィルムの剥離工程において、離型層が破壊されることがあり、40μmを超えると、多層離型フィルムのコシが強くなりすぎ、柔軟性が損なわれるため、形状追従性が低下することがある。より好ましい下限は10μm、より好ましい上限は20μmである。
上記離型層の表面は、平滑性を有することが好ましいが、ハンドリングに必要なスリップ性、アンチブロッキング性、熱プレス成形時の空気抜けを目的として、少なくとも片面に適度のエンボス模様や微細な凹凸が設けられてもよい。
上記処理の方法としては特に限定されず、例えば、エンボス模様が施された金属ロール等やガーゼ等の布やブラシ等を用いて上記離型層の表面を摩擦する方法が挙げられる。
上記離型層は、耐熱性、寸法安定性、離型性を向上させるために、熱処理や摩擦処理を行ってもよい。
上記熱処理の方法としては特に限定されないが、例えば、一定の処理温度に加熱したロールの間を通過させる方法やヒーターによる加熱等が好ましい。
上記熱処理の温度としては、離型層を構成する樹脂のガラス転移温度以上かつ融点以下であれば特に限定されないが、好ましい下限は120℃、好ましい上限は200℃である。120℃未満であると、熱処理による離型性の向上効果がほとんど得られないことがあり、200℃を超えると、熱処理時に離型層が変形しやすくなり、製造できないことがある。より好ましい下限は170℃、より好ましい上限は190℃である。
上記摩擦処理の方法としては特に限定されず、例えば、金属ロール等やガーゼ等の布やブラシ等を用いて上記離型層の表面を摩擦する方法等が挙げられる。
本発明の多層離型フィルムは、示差走査熱量計を用いて測定した融点が70〜130℃であるポリオレフィン系樹脂からなるクッション層を有する。
上記クッション層に、融点が上記範囲内の樹脂を用いることで、接着剤が溶融を開始する温度付近で軟化を開始し、フレキシブルプリント基板表面の凹凸に対する追従性を向上させたり、カバーレイの接着剤の流れ出し等を防止したりすることが可能となる。
また、クッション層の樹脂が粘着性を持つと、成形中の金属ロール等に粘着し、巻きついてしまうことがあるため、従来、この巻きつきを防止するために、金属ロール表面をフッ素系樹脂やシリコーン等で処理し、金属ロールに離型性を持たせる等の処理が必要であったが、本発明においては、上記クッション層に粘着性を持たない樹脂を用いることで、自ずと巻きつきが防止されるため、高価な金属ロール表面処理を必要としない。
上記ポリオレフィン系樹脂は、示差走査熱量計を用いて測定した融点の下限が70℃、上限が130℃である。70℃未満であると、熱プレス成形工程において、プレス圧力をフレキシブルプリント基板に均一に荷重するというクッション層の機能を充分に果たせなくなり、また、フィルムを保管中の雰囲気温度が、状況によっては50〜60℃となることがあるが、その場合にクッション層樹脂が、その雰囲気温度によって溶融して染み出し、ブロッキングを起こしてしまうことがある。130℃を超えると、カバーレイの接着剤が溶解を開始する温度域において、上記クッション層が充分に軟化せず、接着剤の流れ出しの問題が起こる。好ましい下限は80℃、好ましい上限は100℃である。
上記ポリオレフィン系樹脂としては特に限定されず、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体等が挙げられる。なかでも、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体が好ましい。
また、上記クッション層には、上記離型層の場合と同様に、繊維、無機充填剤、難燃剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、無機物、高級脂肪酸塩等の添加剤を含有させてもよい。
上記クッション層の厚さとしては特に限定されないが、好ましい下限は30μm、好ましい上限は150μmである。30μm未満であると、厚さが薄すぎ、熱プレス成形時においてクッション層を構成する樹脂が軟化した場合に、部分的にクッション層が存在しない箇所が発生し、プレス圧力をフレキシブルプリント基板に均一に荷重することができないことがあり、150μmを超えると、多層離型フィルムのコシが強くなりすぎ、柔軟性が損なわれるため、形状追従性が低下することがある。また、必要以上に厚いため、余分な部分がフィルム端面から染み出してしまい不具合となることがある。より好ましい下限は60μm、より好ましい上限は100μmである。
上記クッション層は、上記離型層とは反対側の表面に、上記ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、層状珪酸塩を0.1〜100重量部含有する表面層を有する。
上記クッション層が、層状珪酸塩を含有する表面層を有することにより、クッション層表面の線膨張係数と、上記離型層の線膨張係数との差を小さくすることができることから、多層離型フィルムの製造時及び熱プレス成形時等の加熱によっても該多層離型フィルムがカールすることがない。
以下、上記クッション層のうち、表面層以外の部分をクッション層本体ともいう。
上記表面層において、上記層状珪酸塩の含有量の下限は、上記ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して0.1重量部、上限は100重量部である。0.1重量部未満であると、層状珪酸塩の効果が充分に得られず、100重量部を超えると、得られる多層離型フィルムが脆くなり、実用に耐えられなくなる。
上記表面層を形成する樹脂としては、上記クッション層本体と同じポリオレフィン系樹脂を用いてもよいし、異なるポリオレフィン系樹脂を用いてもよい。
上記層状珪酸塩としては特に限定されず、例えば、モンモリロナイト、ヘクトライト、サポナイト、バイデライト、スティブンサイト及びノントロナイト等のスメクタイト系粘土鉱物、膨潤性マイカ、バーミキュライト、ハロイサイト等が挙げられる。なかでも、モンモリロナイト、ヘクトライト、膨潤性マイカからなる群より選択される少なくとも1種が好適に用いられる。
また、市販のものとしては、例えば、ソマシフMEA(コープケミカル社製)等が挙げられる。
上記表面層にこのような層状珪酸塩を含有させることにより、上記クッション層表面の線膨張係数を低下させることができる。この結果、上記離型層と上記クッション層表面との線膨張係数が近似し、多層離型フィルムの製造時及び熱プレス成形時等の加熱によっても該多層離型フィルムがカールすることがない。
上記クッション層のうち、上記表面層の厚さとしては特に限定されないが、好ましい下限は上記離型層の厚さの0.5倍、好ましい上限は上記離型層の厚さの2倍である。0.5倍未満であると、本発明の多層離型フィルムの製造工程及び熱プレス成形時に該多層離型フィルムがカールすることがあり、2倍を超えた場合も本発明の多層離型フィルムの製造工程及び熱プレス成形時に該多層離型フィルムがカールすることがある。より好ましい下限は上記離型層の厚さの0.8倍、より好ましい上限は上記離型層の厚さの1.5倍である。
本発明の多層離型フィルムは、170℃において荷重3MPaで60分間加圧した場合の寸法変化率が1.5%以下であることが好ましい。1.5%を超えると、熱プレス成形時に回路パターンを損なうおそれがある。より好ましくは1.0以下である。更には、フィルムの巾方向(以下、TDともいう)と長さ方向(以下、MDともいう)の寸法変化率が同方向・同等程度であることが好ましい。一方(例えば、MD)が収縮し、他方(例えば、TD)が伸長という縦横の寸法変化が異なるような場合、熱プレス成形時に回路パターンを損なうおそれがある。
本発明の多層離型フィルムを製造する方法としては特に限定されず、例えば、水冷式又は空冷式共押出インフレーション法;共押出Tダイ法で製膜する方法、予め作製した離型層上にクッション層本体を構成する樹脂及びクッション層の表面層を構成する樹脂組成物を押出ラミネーション法にて積層する方法;予め別々に作製した離型層、クッション層をドライラミネーションする方法等が挙げられる。なかでも、各層の厚み制御に優れることや、各層の製膜装置及び各層の貼り合わせ装置等の必要がないことから、共押出Tダイ法で製膜する方法が好ましい。
具体的には、例えば、少なくとも、結晶性芳香族ポリエステル樹脂と、ポリオレフィン系樹脂と、ポリオレフィン系樹脂と層状珪酸塩とを有する樹脂組成物とをそれぞれ溶融状態にして金型内で合流させて共押出法によりフィルム状とする工程1と、前記フィルム状のものに延伸処理を施すことなく巻き取る工程2とを経ることにより本発明の多層離型フィルムを製造することができる。
このような多層離型フィルムの製造方法もまた、本発明の1つである。
本発明の多層離型フィルムの製造方法においては、上記離型層と上記クッション層の表面との線膨張係数の差がほとんどないことから、効率的な方法である共押出法により製造してもカールを生じることがない。
本発明の多層離型フィルムが熱プレス成形時の加熱によりカールするのを防ぐために、また、上述した寸法変化率を1.5%以下にするために、上記工程2においては、フィルム状のものに延伸処理を施すことなく、巻き取ることがよい。
本発明によれば、耐熱性、離型性を有しつつ、製造時及び熱プレス成形時におけるカールの発生、熱プレス成形時におけるボイドの発生、接着剤の流れ出し及びフィルム端面でのクッション層樹脂の染み出しを抑制することが可能であり、更には、使用後の廃棄が容易な多層離型フィルム及び該多層離型フィルムの製造方法を提供することができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
(1)多層離型フィルムの作製
離型層用の結晶性芳香族ポリエステル樹脂としてポリブチレンテレフタレート(ノバデュラン5010R5、三菱エンジニアリングプラスチックス社製、融点224℃)、クッション層本体用のポリオレフィン系樹脂として直鎖状低密度ポリエチレン(PF1140G、ダウ社製、融点94℃)、及び、クッション層の表面層用のポリオレフィン系樹脂としてポリプロピレン(PC600S、サンアロマー社製、融点130℃)100重量部に層状珪酸塩としてソマシフMEA(コープケミカル社製)5重量部を含有させたものをそれぞれ250℃、180℃、200℃の押出機により溶融状態にし、これらを250℃の多層金型より共押出成形して、離型層の厚さ20μm、クッション層の厚さ100μm(うち、表面層の厚さ20μm)の多層離型フィルムを得た。
なお、融点は、示差走査熱量計(DSC 2920、TAインスツルメント社製)を用いて測定した。
(2)フレキシブルプリント基板の作製
銅張り積層板、カバーレイフィルム、得られた多層離型フィルムをこの順に重ね合わせたものを1セットとして、32セットを熱プレスに載置し、更に、最表面の多層離型フィルムとプレス機との間に紙を挟み、プレス温度170℃、プレス圧300N/cm、プレス時間60分間の条件で熱プレス成形した後、プレス圧を開放し、多層離型フィルムを引き剥がして、フレキシブルプリント基板を得た。
なお、銅張り積層板としては、厚さ25μmのポリイミドフィルム(デュポン社、カプトン)をベースフィルムとし、ベースフィルム上に厚さ35μm、幅50μmの銅箔が厚さ25μmのポリイミドフィルム(デュポン社製、カプトン)上に、流動開始温度80℃のエポキシ系接着を用いた。
(実施例2)
離型層用の結晶性芳香族ポリエステル樹脂としてポリブチレンテレフタレート(ノバデュラン5010R5、三菱エンジニアリングプラスチックス社製、融点224℃)、クッション層本体用のポリオレフィン系樹脂として直鎖状低密度ポリエチレン(PF1140G、ダウ社製、融点94℃)、及び、クッション層の表面層用のポリオレフィン系樹脂としてポリプロピレン(PC600S、サンアロマー社製、融点130℃)100重量部に層状珪酸塩としてソマシフMEA(コープケミカル社製)5重量部を含有させたものの3種類を160℃、30分間、15kgf/cmの圧力をかけてプレスすることにより離型層の厚さ20μm、クッション層の厚さ100μm(うち、表面層の厚さ20μm)の多層離型フィルムを得た。
得られた多層離型フィルムを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてフレキシブルプリント基板を作製した。
(比較例1)
層状珪酸塩を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にして多層離型フィルム及びフレキシブルプリント基板を作製した。
(比較例2)
層状珪酸塩を添加しなかったこと以外は、実施例2と同様にして多層離型フィルム及びフレキシブルプリント基板を作製した。
<評価>
実施例1〜2及び比較例1〜2で得られた多層離型フィルム及びフレキシブルプリント基板について以下の評価を行った。結果を表1に示した。
(1)カールの発生の有無
得られた多層離型フィルムを1時間室温で放置し、カールの発生の有無を目視にて確認し、以下の基準により評価した。
○:カールが発生しなかった。
×:カールが発生した。
(2)追従性の評価(ボイド発生の有無)
得られたフレキシブルプリント基板の空気の残存部分(ボイド)の有無を顕微鏡にて確認し、以下の基準により評価した。
○:ボイドが見られなかった。
×:ボイドが見られた。
(3)離型層の強度の評価
剥離した多層離型フィルムの離型層の損傷の有無を目視にて確認し、以下の基準により評価した。
○:離型層に損傷は見られなかった。
×:離型層が破壊されていた。
(4)接着剤の流れ出し量
得られたフレキシブルプリント基板の電極部分を目視(顕微鏡観察)にて確認し、以下の基準により評価した。
○:100μm未満
△:100〜120μm
×:120μm以上
(5)フィルム端面の染み出し量
フレキシブルプリント基板作製時におけるフィルム端面からの樹脂の染み出しの長さを測定し、以下の基準により評価した。
○:5mm未満
△:5〜15mm
×:15mm以上
Figure 2007098861
本発明によれば、耐熱性、離型性を有しつつ、製造時及び熱プレス成形時におけるカールの発生、熱プレス成形時におけるボイドの発生、接着剤の流れ出し及びフィルム端面でのクッション層樹脂の染み出しを抑制することが可能であり、更には、使用後の廃棄が容易な多層離型フィルム及び該多層離型フィルムの製造方法を提供することができる。

Claims (2)

  1. 少なくとも、示差走査熱量計を用いて測定した融点が200℃以上である結晶性芳香族ポリエステル樹脂からなる離型層と、示差走査熱量計を用いて測定した融点が70〜130℃であるポリオレフィン系樹脂からなるクッション層とからなる多層離型フィルムであって、
    前記クッション層は、前記離型層とは反対側の表面に、前記ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、層状珪酸塩を0.1〜100重量部含有する表面層を有する
    ことを特徴とする多層離型フィルム。
  2. 請求項1記載の多層離型フィルムの製造方法であって、
    少なくとも、結晶性芳香族ポリエステル樹脂と、ポリオレフィン系樹脂と、ポリオレフィン系樹脂と層状珪酸塩とを有する樹脂組成物とをそれぞれ溶融状態にして金型内で合流させて共押出法によりフィルム状とする工程1と、
    前記フィルム状のものに延伸処理を施すことなく巻き取る工程2とからなる
    ことを特徴とする多層離型フィルムの製造方法。
JP2005294042A 2005-10-06 2005-10-06 多層離型フィルム及び多層離型フィルムの製造方法 Expired - Fee Related JP4598644B2 (ja)

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