JP2005212453A - 離型フィルム及び離型フィルムの製造方法 - Google Patents

離型フィルム及び離型フィルムの製造方法 Download PDF

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JP2005212453A
JP2005212453A JP2004025824A JP2004025824A JP2005212453A JP 2005212453 A JP2005212453 A JP 2005212453A JP 2004025824 A JP2004025824 A JP 2004025824A JP 2004025824 A JP2004025824 A JP 2004025824A JP 2005212453 A JP2005212453 A JP 2005212453A
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Hirotake Matsumoto
弘丈 松本
Hitoshi Shirato
斉 白土
Hidekazu Inoue
秀和 井上
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

【課題】 高温での柔軟性、凹凸への追従性、耐熱性、非汚染性に優れ、特に離型性に優
れ、かつ、使用後の廃棄が容易な離型フィルム及び離型フィルムの製造方法を提供する。
【解決手段】 プリント配線基板、フレキシブルプリント配線基板又は多層プリント配線
板の製造工程において用いる離型フィルムであって、少なくとも一方の表面に、極性基を
主鎖中に有する樹脂をマトリックスとし、かつ、ハロゲンの含有率が5重量%以下である
樹脂組成物からなる離型層を有し、前記離型層は、前記離型層同士を170℃、3MPa
の条件で30分間圧着させたときに、ASTM D1893に準拠する方法により測定し
たブロッキング力が0.02N/cm以下である離型フィルム。
【選択図】 なし

Description

本発明は、高温での柔軟性、凹凸への追従性、耐熱性、非汚染性に優れ、特に離型性に優
れ、かつ、使用後の廃棄が容易な離型フィルム及び離型フィルムの製造方法に関する。
プリント配線基板、フレキシブルプリント配線基板、多層プリント配線板等の製造工程に
おいて、プリプレグ又は耐熱フィルムを介して銅張積層板又は銅箔を熱プレスする際に離
型フィルムが使用されている。また、フレキシブルプリント基板の製造工程において、電
気回路を形成したフレキシブルプリント基板本体に、熱硬化型接着剤又は熱硬化性接着シ
ートによってカバーレイフィルム又は補強板を熱プレス接着する際に、カバーレイフィル
ムとプレス熱板とが接着するのを防止するために、離型フィルムを用いる方法が広く行わ
れている。
これらの用途に用いられる離型フィルムとしては、特許文献1や特許文献2に開示されて
いるような、フッ素系フィルム、シリコン塗布ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポ
リメチルペンテンフィルム、ポリプロピレンフィルム等が用いられてきた。
近年、環境問題や安全性に対する社会的要請の高まりから、これらの離型フィルムに対し
ては、熱プレス成形に耐える耐熱性、プリント配線基板や熱プレス板に対する離型性とい
った機能に加えて、廃棄処理の容易性が求められるようになってきた。更に、熱プレス成
形時の製品歩留まり向上のため、銅回路に対する非汚染性も重要となってきている。
しかし、従来から離型フィルムとして用いられているフッ素系フィルムは、耐熱性、離型
性、非汚染性には優れているが、高価である上、使用後の廃棄焼却処理において燃焼しに
くく、かつ、有毒ガスを発生するという問題点があった。また、シリコン塗布ポリエチレ
ンテレフタレートフィルム、ポリメチルペンテンフィルムは、シリコンや構成成分に含ま
れる低分子量体の移行によってプリント配線基板、とりわけ銅回路の汚染を引き起こし、
品質を損なうおそれがあった。また、ポリプロピレンフィルムは耐熱性に劣り離型性が不
充分であった。
また、特許文献3には、少なくとも1種の熱可塑性樹脂及び/又は熱硬化性樹脂からなる
樹脂100重量部、層状珪酸塩0.1〜100重量部を含有する樹脂組成物からなる層を
少なくとも1層有する離型フィルムが記載されている。この離型フィルムは、フッ素系フ
ィルムのように有毒ガスを発生することがなく、シリコン塗布ポリエチレンテレフタレー
トフィルム、ポリメチルペンテンフィルムのように低分子量体の移行による汚染を引き起
こすこともなく、しかも、耐熱性、離型性に極めて優れている。しかしながら、凹凸に対
する追従性の点では不充分であり、熱プレス時に、複雑な電気回路が形成され表面に凹凸
を有するプリント配線基板、フレキシブルプリント配線基板、多層プリント配線板、フレ
キシブルプリント基板に対して充分には追従できないことがあるという問題があった。ま
た、層状珪酸塩にはアウトガスの原因となる低分子量物質が必然的に付着していることか
ら、この低分子量物質に起因するアウトガスがわずかながらも発生し、基板を汚染するこ
とがあるという問題もあった。
特開平2−175247号公報 特開平5−283862号公報 特開2003−313313号公報
本発明は、上記現状に鑑み、高温での柔軟性、凹凸への追従性、耐熱性、非汚染性に優れ
、特に離型性に優れ、かつ、使用後の廃棄が容易な離型フィルム及び離型フィルムの製造
方法を提供することを目的とする。
本発明は、プリント配線基板、フレキシブルプリント配線基板又は多層プリント配線板の
製造工程において用いる離型フィルムであって、少なくとも一方の表面に、極性基を主鎖
中に有する樹脂をマトリックスとし、かつ、ハロゲンの含有率が5重量%以下である樹脂
組成物からなる離型層を有し、前記離型層は、前記離型層同士を170℃、3MPaの条
件で30分間圧着させたときに、ASTM D1893に準拠する方法により測定したブ
ロッキング力が0.02N/cm以下である離型フィルムである。
なお、本明細書においてフィルムとは、フィルムばかりではなく、シートをも意味する。
以下に本発明を詳述する。
本発明の離型フィルムは、プリント配線基板、フレキシブルプリント配線基板又は多層プ
リント配線板の製造工程において用いる離型フィルムである。即ち、本発明の離型フィル
ムは、例えば、プリント配線基板、フレキシブルプリント配線基板又は多層プリント配線
板の製造工程において、プリプレグ又は耐熱フィルムを介して銅張積層板又は銅箔を熱プ
レス成形する際に用いることができる。また、本発明の離型フィルムは、例えば、フレキ
シブルプリント基板の製造工程において、熱プレス成形によりカバーレイフィルム又は補
強板を熱硬化性接着剤又は熱硬化性接着シートで接着する際に用いることができる。
本発明の離型フィルムは、少なくとも、極性基を主鎖中に有する樹脂をマトリックスとし
、かつ、ハロゲンの含有率が5重量%以下である樹脂組成物からなる離型層を有する。
上記離型層を構成する樹脂組成物は、ハロゲンの含有率が5重量%以下である。このよう
な樹脂組成物からなる離型層を有する本発明の離型フィルムは、焼却してもハロゲンを含
む有害な物質をほとんど生成することがない。好ましくは3重量%以下であり、より好ま
しくは1重量%以下である。1重量%未満であると、欧州での実質的なノンハロゲン物質
認定が得られる。なお、ハロゲンの含有率は、通常のハロゲン分析計を用いることにより
測定できる。
上記離型層を構成する樹脂組成物は、極性基を主鎖中に有する樹脂をマトリックスとする
。このような樹脂をマトリックスとすることにより、本発明の離型フィルムは、優れた機
械的性能、とりわけ、通常熱プレスを行う170℃程度の温度域において優れた機械的性
能を発現することができる。
上記極性基を主鎖中に有する樹脂における極性基としては特に限定されないが、例えば、
エステル基、アミド基、イミド基、エーテル基、チオエーテル基、カルボニル基、水酸基
、アミノ基、カルボキシル基等が挙げられる。
上記極性基を主鎖中に有する樹脂としては特に限定されず、例えば、ポリエステル化合物
、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミド化合物、ポリイ
ミド化合物等が挙げられる。これらの極性基を主鎖中に有する樹脂は単独で用いられても
よく、2種以上が併用されてもよい。なかでも、ヘテロ原子を分子中に含まないため焼却
処理時の環境負荷が軽減され、経済的にも有利であることから以下に述べる結晶性芳香族
ポリエステルが好適である。
上記結晶性芳香族ポリエステルは、芳香族ジカルボン酸又はそのエステル形成性誘導体と
、低分子量脂肪族ジオールとを反応させることにより得ることができる。また、上記結晶
性芳香族ポリエステルは、芳香族ジカルボン酸又はそのエステル形成性誘導体と、低分子
量ジオール及び高分子量ジオールとを反応させることによっても得ることができる(この
ようにして得られた結晶性芳香族ポリエステルを、以下、ポリエーテル骨格を主鎖中に有
する結晶性芳香族ポリエステルともいう)。更に、上記結晶性芳香族ポリエステルは、芳
香族ジカルボン酸又はそのエステル形成性誘導体と、低分子量脂肪族ジオールとを反応さ
せることによって得られる結晶性芳香族ポリエステルをカプロラクトンモノマーに溶解さ
せた後、カプロラクトンを開環重合させることによっても得ることができる(このように
して得られた結晶性芳香族ポリエステルを、以下、ポリカプロラクトン骨格を主鎖中に有
する結晶性芳香族ポリエステルともいう)。なかでも、ポリエーテル骨格を主鎖中に有す
る結晶性芳香族ポリエステル及び/又はポリカプロラクトン骨格を主鎖中に有する結晶性
芳香族ポリエステルからなる離型フィルムは、芳香族ジカルボン酸又はそのエステル形成
性誘導体と、低分子量脂肪族ジオールを反応させることにより得ることができる結晶性芳
香族ポリエステルをからなる離型フィルムに比べて、耐熱性を維持しながら、柔軟性及び
離型性が優れたものとなる。
上記芳香族ジカルボン酸又はそのエステル形成性誘導体としては、例えば、テレフタル酸
、イソフタル酸、オルトフタル酸、ナフタリンジカルボン酸、パラフェニレンジカルボン
酸、テレフタル酸ジメチル、イソフタル酸ジメチル、オルトフタル酸ジメチル、ナフタリ
ンジカルボン酸ジメチル、パラフェニレンジカルボン酸ジメチル等が挙げられる。これら
は単独で用いられてもよく、2種類以上が併用されてもよい。
上記低分子量脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパン
ジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、
1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。これらは単独で用いられてもよく
、2種類以上が併用されてもよい。
上記高分子量ジオールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリ
コール、ポリテトラメチレングリコール、ポリヘキサメチレングリコール等が挙げられる
。これらは単独で用いられてもよく、2種類以上が併用されてもよい。
上記構成成分からなる結晶性芳香族ポリエステルとしては、例えば、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリエチ
レンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、テレフタル酸ブタンジオールポリテトラ
メチレングリコール共重合体、テレフタル酸ブタンジオール−ポリカプロラクトン共重合
体等が挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、2種類以上が併用されてもよい。
上記結晶性芳香族ポリエステルは、結晶成分としてブチレンテレフタレートを少なくとも
含むことが好ましい。ブチレンテレフタレート成分が含まれることにより、上記結晶性芳
香族ポリエステルは、非汚染性及び結晶性に特に優れたものとなる。
上記結晶性芳香族ポリエステルがブチレンテレフタレート成分を結晶成分として含む場合
には、本発明の離型フィルムは、結晶融解熱量が40J/g以上であることが好ましい。
40J/g未満であると、熱プレス成形に耐え得る耐熱性を発現することができないこと
があり、また、170℃における寸法変化率も大きくなり、熱プレス成形時に回路パター
ンを損なうおそれがある。より好ましくは50J/g以上である。結晶性を向上させ高い
結晶融解熱量とするためには、結晶核剤等の結晶化を促進する添加剤を上記樹脂組成物に
加えても良く、更に本発明の離型フィルムを製造する際に、溶融成形時の冷却温度を、上
記芳香族ポリエステルのガラス転移温度以上に設定するのが好ましく、70〜150℃に
設定することが更に好ましい。なお、上記結晶融解熱量は、示差走査熱量測定により測定
することができる。
上記結晶性芳香族ポリエステルとしては、芳香族ジカルボン酸又はそのエステル形成性誘
導体と低分子量脂肪族ジオールとを反応させて得られる結晶性芳香族ポリエステルに、ポ
リエーテル骨格を主鎖中に有する結晶性芳香族ポリエステル及び/又はポリカプロラクト
ン骨格を主鎖中に有する結晶性芳香族ポリエステルを混合した混合樹脂であることが好ま
しい。このような混合樹脂は、ポリエーテル骨格及び/又はポリカプロラクトン骨格を主
鎖中に含有しない結晶性芳香族ポリエステルからなるマトリックス中に、ポリエーテル骨
格及び/又はポリカプロラクトン骨格を主鎖中に含有する結晶性芳香族ポリエステルが微
小に分散することにより、耐熱性を維持しながら、優れた柔軟性を得ることができる。こ
の混合樹脂からなる本発明の離型フィルムは、耐熱性及び離型性と、回路パターンやスル
ーホール等の基板上の凹凸形状への追従性とのバランスが非常に優れるものとなる。
上記結晶性芳香族ポリエステルとしては、ガラス転移温度が0〜100℃であることが好
ましい。100℃を超えるとと、熱プレス成形時に要求される離型性が低下するとともに
、柔軟性を発現することができず、回路パターンやスルーホール等の基板上の凹凸形状へ
の追従性が低下することがあり、0℃未満であると、熱プレス成形時の離型性が低下する
とともに、離型フィルムの取り扱い性が低下することがある。なお、本明細書においてガ
ラス転移温度とは、動的粘弾性測定で得られる損失正接(tanδ)の極大のうちミクロ
ブラウン運動に起因する極大が現れる温度を意味する。上記ガラス転移温度は、粘弾性ス
ペクトロメーター等を用いた従来公知の方法により測定することができる。
上記離型層を構成する樹脂組成物は、安定剤を含有してもよい。上記安定剤としては特に
限定されず、例えば、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、3,9−ビス{2−〔3−(3−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−プロピオニロキシ〕−1,1−ジメチルエ
チル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン等のヒンダードフ
ェノール系酸化防止剤;トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル) ホスファイト、ト
リラウリルホスファイト、2−t−ブチル−α−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)−p−クメニルビス(p−ノニルフェニル) ホスファイト、ジミリスチル3,3
’−チオジプロピオネート、ジステアリル3,3’−チオジプロピオネート、ペンタエリ
スチリルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、ジトリデシル3,3’−チオ
ジプロピオネート等の熱安定剤等が挙げられる。
上記離型層を構成する樹脂組成物は、実用性を損なわない範囲で、繊維、無機充填剤、難
燃剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、無機物、高級脂肪酸塩等の添加剤を含有してもよい。
上記繊維としては特に限定されず、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、ボロン繊維、炭化珪
素繊維、アルミナ繊維、アモルファス繊維、シリコン・チタン・炭素系繊維等の無機繊維
;アラミド繊維等の有機繊維等が挙げられる。
上記無機充填剤としては特に限定されず、例えば、炭酸カルシウム、酸化チタン、マイカ
、タルク等が挙げられる。
上記難燃剤としては特に限定されず、例えば、ヘキサブロモシクロドデカン、トリス−(
2,3−ジクロロプロピル) ホスフェート、ペンタブロモフェニルアリルエーテル等が
挙げられる。
上記紫外線吸収剤としては特に限定されず、例えば、p−t−ブチルフェニルサリシレー
ト、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2
’−カルボキシベンゾフェノン、2,4,5−トリヒドロキシブチロフェノン等が挙げら
れる。
上記帯電防止剤としては特に限定されず、例えば、N,N−ビス(ヒドロキシエチル)ア
ルキルアミン、アルキルアリルスルホネート、アルキルスルファネート等が挙げられる。
上記無機物としては、例えば、硫酸バリウム、アルミナ、酸化珪素等が挙げられる。
上記高級脂肪酸塩としては、例えば、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸バリウム、
パルミチン酸ナトリウム等が挙げられる。
上記離型層は、単層構造であってもよく、多層構造であってもよい。上記離型層が多層構
造である場合、芳香族ジカルボン酸又はそのエステル形成性誘導体と低分子量脂肪族ジオ
ールとを反応させて得られる結晶性芳香族ポリエステルを表層とし、高温での柔軟性に優
れかつ上記結晶性芳香族ポリエステルとの界面接着性に優れた樹脂組成物、例えば、テレ
フタル酸ブタンジオールポリテトラメチレングリコール共重合体、ポリエチレン−1,4
−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート等の非晶性ポリエチレンテレフタレート、
ポリアミド−ポリテトラメチレングリコール共重合体、又は、スチレン系熱可塑性エラス
トマーを中層とすることにより、プレス成形時の離型性を維持しながら柔軟性を付与する
ことができ、離型性と、回路パターンやスルーホール等の基板上の凹凸形状への追従性と
のバランスが非常に優れた離型フィルムを得ることができる。
上記離型層が2層構造である場合には、一方の層の170℃における貯蔵弾性率が他方の
層の170℃における貯蔵弾性率よりも低いことが好ましい。また、上記離型層が3層以
上の多層構造である場合には、中間層のうち少なくとも1層の170℃における貯蔵弾性
率が表面層の170℃における貯蔵弾性率よりも低いことが好ましい。このような構造を
とることにより、プレス成形時の離型性を維持しながら柔軟性を付与することができ、離
型性と回路パターンやスルーホール等の基板上の凹凸形状への追従性とのバランスが非常
に優れた離型フィルムとして用いることができる。
上記離型層の表面は、平滑性を有することが好ましいが、ハンドリングに必要なスリップ
性、アンチブロッキング性等が付与されていてもよく、また、熱プレス成形時の空気抜け
を目的として、少なくとも片面に適度のエンボス模様が設けられてもよい。
上記離型層は、耐熱性、寸法安定性と、特に離型性を向上させる目的で熱処理が施されて
いることが好ましい。上記離型層を溶融成形法により製造した場合、Tダイから溶融状態
で出て冷却ロールで冷却固定されるときに、充分に結晶化していない不完全結晶が離型層
の表面に残存することがある。このような不完全結晶が離型層の表面に存在すると、離型
層の表面分子が高い分子運動性を保つことから、離型性が劣ると考えられる。熱処理を施
してこれらの不完全結晶を結晶化させることにより、離型層の表面分子の分子運動性を抑
え、離型性を向上させることができる。
上記熱処理の方法としては特に限定されないが、例えば、一定の処理温度に加熱したロー
ルの間を通過させる方法が、溶融成形法からの連続的な工程で処理を行えることから好ま
しい。
上記熱処理の温度としては、離型層を構成する樹脂のガラス転移温度以上かつ融点以下で
あれば特に限定されないが、好ましい下限は120℃、好ましい上限は200℃である。
120℃未満であると、熱処理による離型性の向上効果がほとんど得られないことがあり
、200℃を超えると、熱処理時に離型層が変形しやすくなり、製造できないことがある
。より好ましい下限は170℃、より好ましい上限は190℃である。
また、上記離型層の離型性の向上には、摩擦処理を施すことも有効である。摩擦処理を施
すことにより、上記不完全結晶が摩擦エネルギーにより再結晶化して強固な結晶を形成す
ることから、離型層の表面分子の分子運動性を抑え、離型性を向上させることができると
考えられる。
上記摩擦処理の方法としては特に限定されず、例えば、金属ロール等の回転物やガーゼ等
の布を用いて上記離型層の表面を摩擦する方法が挙げられる。上記摩擦処理の摩擦の方向
も特に限定されず、離型層の長手方向に平行又は垂直のいずれであってもかまわない。
なお、上記摩擦処理の目的が上述の表面分子の結晶化にあることから、摩擦処理の前後に
おいて離型層の表面粗さが変化するほどの摩擦を加える必要はない。
上記離型層は、上述の構成からなることにより、極めて優れた機械的性能を発揮すること
ができる。即ち、上記離型層は、離型層同士を170℃、3MPaの条件で30分間圧着
させたときにASTM D1893に準拠する方法により測定したブロッキング力が0.
02N/cm以下であり、通常熱プレスを行う170℃において、貯蔵弾性率が20〜2
00MPaであり、100%伸び荷重が49〜490mN/mmであり、引張破断伸びが
500%以上であり、かつ、170℃において荷重3MPaで60分間加圧した場合の寸
法変化率が1.5%以下である。このような機械的性能を発揮できることにより、本発明
の離型フィルムは、プリント配線基板、フレキシブルプリント配線基板又は多層プリント
配線板の製造工程において用いる離型フィルムとして極めて好適である。
離型層同士を170℃、3MPaの条件で30分間圧着させたときにASTM D189
3に準拠する方法により測定したブロッキング力が0.02N/cmを超えると、本発明
の離型フィルムを用いてプリント配線基板、フレキシブルプリント配線基板又は多層プリ
ント配線板の製造工程において離型フィルムとして用いたときに、熱プレス後に離型フィ
ルムを剥離する際の剥離抵抗が大きくなり、作業性が劣ったり、場合によってせ回路を破
損してしまったりする。
このように良好な剥離性は、とりわけ上記離型層に熱処理又は摩擦処理を加えたときに顕
著に発現する。
上記離型層は、ポリイミド及び/又は金属箔と重ね合わせて、170℃において3MPa
で60分間加圧されたときに、上記ポリイミド及び/又は金属箔に対して高い離型性を有
する。なお、上記離型性を有するとは、加圧処理後にポリイミド及び/又は金属箔とシー
ト又はフィルムとの間に発生する剥離力が低く、引き剥がし時にポリイミド及び/又は金
属箔やシート又はフィルムが破損しないことを意味する。
170℃における貯蔵弾性率が20MPa未満であると、熱プレス成形に耐え得る耐熱性
を発現することができないことがあり、200MPaを超えると、熱プレス成形時にシー
トが充分変形しないため、回路パターン、スルーホール等基板上の凹凸形状への追従性が
低下し、例えばフレキシブルプリント基板におけるカバーレイフィルムの回路パターンへ
の均一な密着性が低下することがある。より好ましい上限は150MPa、更に好ましい
上限は100MPaである。なお、上記貯蔵弾性率は、通常行われる動的粘弾性測定によ
り測定でき、粘弾性スペクトロメーターによって測定することができる。
170℃における100%伸び荷重が49mN/mm未満であると、離型フィルムとして
用いた場合に、熱プレス成形に耐えうる耐熱性を発現することができないことがあり、4
90mN/mmを超えると、熱プレス成形時に充分に変形しないため、回路パターンやス
ルーホール等基板上の凹凸形状への追従性が低下し、例えば、フレキシブルプリント基板
におけるカバーレイフィルムの回路パターンへの均一な密着性が低下する。なお、上記1
00%伸び荷重とは、一般的な引張試験においてひずみが100%に達したときの荷重で
あり、JIS K 7127に準拠した方法により測定することができる。
170℃における引張破断伸びが500%未満であると、熱プレス成形時に基板上の凹凸
形状への追従時に裂けてしまうことがあり、基板を汚染する恐れがある。より好ましくは
800%以上である。なお、本発明における破断伸びはJIS K 7127に準拠した
方法により測定することができる。
170℃において荷重3MPaで60分間加圧した場合の寸法変化率が1.5%を超える
と、熱プレス成形時に回路パターンを損なう恐れがある。より好ましくは1.0%以下で
ある。
上記離型層は、更に、23℃程度の室温域においても極めて優れた機械的性能を発揮する
。即ち、上記離型層は、通常の作業を行う23℃において、貯蔵弾性率が1000〜50
00MPaであり、引裂強度が98N/mm以上である。このような機械的性能を発揮で
きることにより、本発明の離型フィルムは、取り扱い性に極めて優れ、プリント配線基板
、フレキシブルプリント配線基板又は多層プリント配線板の製造工程において熱プレス成
形する際に用いる離型フィルムや、フレキシブルプリント基板の製造工程において、熱プ
レス成形によりカバーレイフィルム又は補強板を熱硬化性接着剤又は熱硬化性接着シート
で接着する際に用いる離型フィルムとして極めて好適である。
23℃における貯蔵弾性率が1000MPa未満であると、室温での機械強度が低下する
ため、プレス成形後の引き剥がし工程において強度が不足し、室温でのシート又はフィル
ムのハンドリング性も低下することがあり、5000MPaを超えると、プレス成形時の
凹凸形状への追従性に悪影響を与える。
23℃における引裂強度が98N/mm未満であると、離型フィルムとして用いた場合に
、プレス成形後の引き剥がし工程において強度が不足し、回路への樹脂付着が発生するこ
とがある。このような回路への樹脂付着は導電性を著しく損ない、プリント基板全体が不
良品となってしまう。なお上記引裂強度は、JIS K 7128 C法(直角形引裂法
)に準拠する方法により測定することができる。
上記離型層の厚さの好ましい下限は5μm、上限は200μmである。5μm未満である
と、強度が不足することがあり、200μmを超えると熱プレス成型時の熱伝導率が悪く
なることがある。より好ましい下限は10μm、上限は100μmである。
上記離型層は、溶融成形法により作製することができる。上記溶融成形法としては特に限
定されず、例えば、空冷又は水冷インフレーション押出法、Tダイ押出法等の従来公知の
熱可塑性樹脂フィルムの成膜方法があげられる。また、上記離型層が多層構造を有する場
合には、例えば、共押出Tダイ法等により製造することができる。更に、上述のように、
溶融成形法により得られたフィルム状成形体に熱処理又は摩擦処理を施すことにより、特
に高い離型性を実現した離型層を得ることができる。
極性基を主鎖中に有する樹脂をマトリックスとし、かつ、ハロゲンの含有率が5重量%以
下である樹脂組成物を溶融成形法によりフィルム状成形体に成形する工程と、前記フィル
ム状成形体を前記極性基を主鎖中に有する樹脂のガラス転移温度以上かつ融点以下の温度
で熱処理する工程とを有する離型フィルムの製造方法もまた、本発明の1つである。
極性基を主鎖中に有する樹脂をマトリックスとし、かつ、ハロゲンの含有率が5重量%以
下である樹脂組成物を溶融成形法によりフィルム状成形体に成形する工程と、前記フィル
ム状成形体の表面を摩擦処理する工程とを有する離型フィルムの製造方法もまた、本発明
の1つである。
本発明の離型フィルムは、上記離型層のみからなるものであってもよいし、上記離型層の
他に、樹脂フィルム層を有していてもよい。上記離型層が樹脂フィルム層の少なくとも片
面に積層された本発明の離型フィルムは、熱プレス成形の際に圧力を均一にかけるための
クッション性や強度を有する。
上記樹脂フィルム層を構成する樹脂としては特に限定されないが、使用後の廃棄の容易さ
から、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン−メチルメタクリレー
ト共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のオレフィン系樹脂が好ましい。これらは
単独で用いられてもよく、2種類以上が併用されてもよい。また、上記離型層との接着性
を向上させるために、酸変性ポリオレフィン、グリシジル変性ポリオレフィン等の変性ポ
リオレフィンや、上記離型層を構成する樹脂等を含有してもよい。また、上記樹脂フィル
ム層を構成する樹脂の融点は、プリプレグや熱硬化性接着剤のスルーホールへのしみだし
を抑制し、回路パターンへの均一な密着性を得るため、50〜130℃であることが好ま
しい。更に、上記樹脂フィルム層を構成する樹脂の170℃における複素粘性率は、回路
パターンへの均一な密着性を得るため、100〜10000Pa・sであることが好まし
い。
上記樹脂フィルム層を有する本発明の離型フィルムは、全体としての軟化温度が40〜1
20℃であることが好ましい。この範囲内であると、プリプレグや熱硬化性接着剤のスル
ーホールへのしみだしを抑制し、回路パターンへの均一な密着性を得ることができる。な
お、上記軟化温度の測定はJIS K7196に準拠して行うことができる。
上記樹脂フィルム層を有する本発明の離型フィルムを製造する方法としては特に限定され
ず、例えば、水冷式又は空冷式共押出インフレーション法;共押出Tダイ法で製膜する方
法;予め作製した上記離型層上に樹脂フィルム層を構成する樹脂組成物を押出ラミネーシ
ョン法にて積層する方法;予め別々に作製した上記離型層と樹脂フィルム層等とをドライ
ラミネーションする方法等が挙げられる。なかでも、共押出Tダイ法で製膜する方法が各
層の厚み制御に優れる点から好ましい。
本発明の離型フィルムは、170℃、10分間加熱した場合のアウトガス発生量が200
ppm以下であることが好ましい。上記離型層を有することにより、本発明の離型フィル
ムは、離型フィルムとして要求される高温での柔軟性、凹凸への追従性、耐熱性、離型性
等を満たしたうえで、アウトガスの発生を最小限に抑え、高い非汚染性を実現することが
できる。なお、上記アウトガス発生量は、ダイナミックヘッドスペース法ガスクロマトグ
ラフィー分析等の従来公知の方法により測定することができる。
本発明の離型フィルムは、高温での柔軟性、凹凸への追従性、耐熱性、非汚染性に優れ、
特に離型性に優れ、かつ、使用後の廃棄が容易にできることから、プリント配線基板、フ
レキシブルプリント配線基板又は多層プリント配線板の製造工程において用いる離型フィ
ルムとして極めて好適である。即ち、本発明の離型フィルムは、例えば、プリント配線基
板、フレキシブルプリント配線基板又は多層プリント配線板の製造工程において、プリプ
レグ又は耐熱フィルムを介して銅張積層板又は銅箔を熱プレス成形する際に用いることが
できる。また、本発明の離型フィルムは、例えば、フレキシブルプリント基板の製造工程
において、熱プレス成形によりカバーレイフィルム又は補強板を熱硬化性接着剤又は熱硬
化性接着シートで接着する際に用いることができる。
本発明の離型フィルムは、更に、ガラスクロス、炭素繊維、又は、アラミド繊維とエポキ
シ樹脂とからなるプリプレグをオートクレーブ中で硬化させて製造される釣竿、ゴルフク
ラブ・シャフト等のスポーツ用品や航空機の部品を製造する際の離型フィルム、ポリウレ
タンフォーム、セラミックシート、電気絶縁板等を製造する際の離型フィルムとしても有
用である。
本発明によれば、高温での柔軟性、凹凸への追従性、耐熱性、非汚染性に優れ、特に離型
性に優れ、かつ、使用後の廃棄が容易な離型フィルム及び離型フィルムの製造方法を提供
することができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定
されるものではない。
(実施例1)
樹脂組成物としてハイトレル2751(東レ・デュポン社製:ハロゲン含有率0重量%、
ガラス転移温度53℃)を用い、押出機を用いて250℃で溶融可塑化しTダイスより押
出成形した後、引き続き170℃に加熱した直径300mmの2本ロールの間をライン速
度10m/分の速度で通過させて熱処理を行い、厚さ50μmの離型フィルムを得た。
(実施例2)
樹脂組成物としてハイトレル2751(東レ・デュポン社製:ハロゲン含有率0重量%、
ガラス転移温度53℃)を用い、押出機を用いて250℃で溶融可塑化しTダイスより押
出成形した後、引き続きライン速度10m/分の速度で送り出しながら、フィルムのライ
ン方向とは逆方向に90m/分の速度で回転するガーゼを巻き付けた回転ロールと接触さ
せることにより摩擦処理を行い、厚さ50μmの離型フィルムを得た。
(比較例1)
樹脂組成物としてハイトレル2751(東レ・デュポン社製:ハロゲン含有率0重量%、
ガラス転移温度53℃)を用い、押出機を用いて250℃で溶融可塑化しTダイスより押
出成形して、厚さ50μmの離型フィルムを得た。
(比較例2)
樹脂組成物としてノバテックPP FB3GT(日本ポリケム社製:ハロゲン含有率0重
量%)を用い、押出機で250℃で溶融可塑化しTダイスより押出成形して、厚さ50μ
mの離型フィルムを得た。
(比較例3)
離型フィルムとして、厚み50μmのポリメチルペンテンからなるオピュランX−88B
(三井化学製:ハロゲン含有率0重量%)を用いた。
(比較例4)
熱可塑性樹脂としてハイトレル5557(東レ・デュポン社製:ハロゲン含有率0重量%
、ガラス転移温度−17℃)100重量部、ジステアリルジメチル4級アンモニウム塩で
有機化処理が施された天然モンモリロナイト(豊順洋行社製、New S−Ben D)
7.7重量部を押出機に投入し、230℃で溶融可塑化しTダイスより押出成形して厚さ
50μmの離型フィルムを得た。
実施例1、2及び比較例1〜4で作製した離型フィルムについて、下記の方法により結晶
融解熱量、貯蔵弾性率、引張破断伸び、寸法変化率、ブロッキング力及びアウトガス発生
量を測定した。
また、これらの離型フィルムを用いて以下の方法によりフレキシブルプリント基板の作製
を行い、剥離性、密着性と、作製後のフレキシブルプリント基板の電極汚染、回路変形を
目視により評価した。
結果を表1及び表2に示した。
(1)結晶融解熱量の測定
示差走査熱量計(TAインスツルメント製DSC 2920)を用い、昇温速度5℃毎分
で測定を行った。
(2)貯蔵弾性率の測定
粘弾性スペクトロメーター(レオメトリックサイエンティフィックエフイー社製、RSA
−11)を用い、昇温速度5℃/分、周波数10Hz、ひずみ0.05%で測定を行い、
23℃及び170℃における貯蔵弾性率を測定した。
(3)引張破断伸びの測定
JIS K 7127に準拠し、2号型の打ち抜き試験片について、170℃、試験速度
500mm毎分で測定を行った。
(4)引裂強度の測定
JIS K 7128 C法に準拠し、直角形引裂試験打ち抜き片について、23℃、試
験速度500mm毎分で測定を行った。
(5)100%伸び荷重の測定
JIS K 7127に準拠し、2号型の打ち抜き試験片について、170℃、試験速度
500mm毎分で測定を行った。
(6)寸法変化率の測定
離型フィルムの表面に、押出成形の方向(MD方向)及びそれに対して直角方向(TD方
向)に100mm間隔の標線をそれぞれ記入した。離型フィルムを170℃、荷重3MP
aで60分間プレスを行った後、標線間距離の測定を行い、32セットの平均値をLMD
、LTDとした。下記式により各方向における寸法変
化率を算出した。
MD方向の寸法変化率(%)=(LMD−100)/100×100
TD方向の寸法変化率(%)=(LTD−100)/100×100
(7)ブロッキング力の測定
離型層同士を170℃、3MPaの条件で30分間圧着させて試験片を得た。得られた試
験片についてASTM D1893に準拠した方法により、23℃、試験速度200mm
/分の条件で測定を行った。
(8)アウトガス発生量の測定
熱脱着装置としてパーキンエルマー社製ATD−400を用い、ダイナミックヘッドスペ
ース法により25mL毎分の不活性ガス気流下、170℃、10分間の加熱でフィルムか
ら発生するガスを補集した。これを、無極性キャピラリーカラムを接続した日本電子製A
utomassII−15を用いて分離し、検出されたピーク総面積のトルエン換算量を
フィルム重量で規格化し、これをアウトガス発生量とした。
(9)フレキシブルプリント基板の作製
まず、低密度ポリエチレン樹脂(日本ポリケム社製:ノバテックLD LE425)を押
出機で230℃に加熱して溶融可塑化し、Tダイスより押出成形して、厚さ100μmの
樹脂フィルムを得た。次いで、厚さ25μmのポリイミドフィルム(デュポン製:カプト
ン)をベースフィルムとし、ベースフィルム上に厚さ35μmの銅箔が厚さ20μmのエ
ポキシ系接着剤層で接着された銅張り積層板を得た。更に、厚さ25μmのポリイミドフ
ィルム(デュポン社製:カプトン)上に、流動開始温度80℃のエポキシ系接着剤を厚さ
20μmで塗布してカバーレイフィルムを得た。
得られた離型フィルム、銅張り積層板、カバーレイフィルム、離型フィルム、及び、樹脂
フィルムをこの順に重ね合わせたものを1セットとして、32セットを熱プレスに載置し
、プレス温度170℃、プレス圧3MPa、プレス時間45分間の条件で熱プレス成形し
た後、プレス圧を開放し、樹脂フィルムを取り除き、離型フィルムを引き剥がして、フレ
キシブルプリント基板を得た。このときの剥離性、密着性と、作製後のフレキシブルプリ
ント基板の電極汚染、回路変形を目視により評価した。
Figure 2005212453
Figure 2005212453
本発明によれば、高温での柔軟性、凹凸への追従性、耐熱性、非汚染性に優れ、特に離型
性に優れ、かつ、使用後の廃棄が容易な離型フィルム及び離型フィルムの製造方法を提供
することができる。

Claims (5)

  1. プリント配線基板、フレキシブルプリント配線基板又は多層プリント配線板の製造工程に
    おいて用いる離型フィルムであって、
    少なくとも一方の表面に、極性基を主鎖中に有する樹脂をマトリックスとし、かつ、ハロ
    ゲンの含有率が5重量%以下である樹脂組成物からなる離型層を有し、
    前記離型層は、前記離型層同士を170℃、3MPaの条件で30分間圧着させたときに
    、ASTM D1893に準拠する方法により測定したブロッキング力が0.02N/c
    m以下である
    ことを特徴とする離型フィルム。
  2. 極性基を主鎖中に有する樹脂は、結晶性芳香族ポリエステルであることを特徴とする請求
    項1記載の離型フィルム。
  3. 結晶性芳香族ポリエステルは、結晶成分としてブチレンテレフタレートを少なくとも含む
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の離型フィルム。
  4. 極性基を主鎖中に有する樹脂をマトリックスとし、かつ、ハロゲンの含有率が5重量%以
    下である樹脂組成物を溶融成形法によりフィルム状成形体に成形する工程と、前記フィル
    ム状成形体を前記極性基を主鎖中に有する樹脂のガラス転移温度以上かつ融点以下の温度
    で熱処理する工程とを有することを特徴とする離型フィルムの製造方法。
  5. 極性基を主鎖中に有する樹脂をマトリックスとし、かつ、ハロゲンの含有率が5重量%以
    下である樹脂組成物を溶融成形法によりフィルム状成形体に成形する工程と、前記フィル
    ム状成形体の表面を摩擦処理する工程とを有することを特徴とする離型フィルムの製造方
    法。
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