JP4890539B2 - 熱プレス用離型シート及びそれを用いたフレキシブルプリント配線板の製造方法 - Google Patents

熱プレス用離型シート及びそれを用いたフレキシブルプリント配線板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、離型シート、特に加熱プレス加工を施す際に被加工物と熱板との間に配置し、熱や圧力を被加工物に均一に与えることが可能な離型シート、及びそれを用いたフレキシブルプリント配線板の製造方法に関する。
従来から、物品の表面に補強や装飾を目的として補強材や装飾品などを貼り付けることが行なわれている。例えば、ICカードのIC表面を保護する目的で透明な保護フィルムを貼り付けたり、フレキシブルプリント配線板の製造工程等が挙げられる。これらの加工は、主に加熱プレスが行なわれるケースが多く、特に貼り付ける際に熱硬化性樹脂からなる接着剤を用いる場合は特に高温、例えば180℃以上の温度での加熱プレスが行なわれる。また、加熱プレスは前述した貼付け時のみではなく、金型等を用いた金型成形等、特定の形状に加工する際にも行なわれている。
前記加熱プレス工程においては、通常、被加工物と熱板との間に離型シートを配置することがなされている。この離型シートは金型や熱板から被加工物を容易に剥離でき、また、金型や熱板による被加工物への傷付きを防止し、しかも被加工物に均一な加熱と圧力を与えるために用いられるものであって、例えば、紙やプラスチックフィルム等が用いられている(特許文献1〜8を参照)。
このように離型シートの主な用途としては、プリント配線板の製造工程が挙げられ、特にフレキシブルプリント配線板の製造工程で用いられている。フレキシブルプリント配線板は、可撓性絶縁基板の一方の表面に金属薄膜からなる配線パターンが形成された配線基板である。フレキシブルプリント配線板は、従来のリジッドなプリント基板とは異なり、柔軟性、屈曲性に富み、変形が容易で、狭いスペースにも収納可能といった優れた特徴を有しており、携帯電話、携帯情報端末、ノートパソコン、デジタルビデオカメラといった小型化・高密度化が要求される小型電子機器の回路基板等として広範に用いられている。
このようなフレキシブルプリント配線板を製造する方法としては、いわゆる前工程と称されるものであるが、例えば可撓性絶縁基板の一方の表面に金属薄膜が形成された金属張積層板(銅張積層板(CCL:Copper Clad Laminated)等)を出発材料とし、これに選択的エッチング処理を施すことにより、金属薄膜の不要部分を除去して配線パターンが形成される。
次いで、後工程と称されるものであるが、前工程で形成した配線パターンの切断や剥離の防止、絶縁性の確保のためにカバーレイフィルムによる加工が施される。この後、プリント配線板の外部に接続するために挿入するエッジコネクタ端子、又は接触部分の接触面にめっき処理が行われる。この処理は端子めっきと称され、一般に電解めっきによる方法が厚さの制御がしやすく様々な金属をめっきすることができるため広く行われている。
従来は、融点の低い共晶はんだの電解めっきが行われてきたが、環境問題への配慮から鉛を使用しない方法が提案されている。高い信頼性を必要とする場合にはニッケルを下地とした硬質金電解めっきが行われている。
しかしながら、金属張積層板は、柔軟性、屈曲性に富むものであるが故に、そのままの状態ではハンドリング強度が十分ではなく選択的エッチング処理等を行うことが困難である。従って、金属張積層板の金属薄膜が形成されていない表面にポリエステル等の樹脂からなるシートを裏打ち材として貼着し、一時的にハンドリング強度を向上させた状態で選択的エッチング処理による配線パターンの形成、カバーレイ加工、端子メッキ処理した後、金属張積層板から裏打ち材を剥離することによって、フレキシブルプリント配線板を得る方法が多く採用されている。
フレキシブルプリント配線板は薄くて柔らかいために、そのままでは重い部品を搭載することや、プリント基板用のカードエッジコネクタへ挿入することができないために接着剤付補強板を貼り付けることが行われている。この接着剤には感圧性粘着剤タイプと熱硬化性接着剤タイプがその使用目的に応じて使用されている。感圧性粘着剤タイプは耐溶剤性があまり良くなく、クリープ特性のために高い接続信頼性を必要とする場合には使用することができない。このため、高い信頼性が必要である場合には熱硬化性接着剤タイプが使用されている。
フレキシブルプリント配線板に熱硬化性接着剤付の補強板を貼り付ける際には、熱プレスにより熱硬化性樹脂を硬化させる方法が通常行われている。回路パターンや補強板の凹凸を吸収し、接着を完全にするために凹凸追従性のあるシート(熱プレス用離型シート)が使用される。
従来、凹凸追従性のあるシートとしては紙、繊維補強したシリコーンゴム製シート、低温熱可融性熱可塑性樹脂からなる厚手フィルムの両面に薄手の耐熱性フィルムを積層接着させたシート(特許文献1参照)、エチレンとメチルメタクリレートの共重合樹脂からなる中間層の上下層にポリプロピレン又はポリメチルペンテンが用いられたフィルム(特許文献2参照)、ポリオレフィンの両面にポリメチルペンテン樹脂からなる層を形成したフィルム(特許文献3及び7参照)、ポリ4−メチル−1−ペンテンフィルムを用いた離型シート(特許文献4及び5参照)等が使用されている。しかし、これらの離型シートでは、熱プレス後にフレキシブルプリント基板との離型性が十分でなかったり、熱プレス時にシートからの溶出物によって、銅等の導電体により形成された回路面や端子めっきによる金メッキ処理面が変色をきたし、接続信頼性が低下する問題が生じていた。これらの問題を解決するために金属板の表面にポリシロキサンをコーティングしてなるプリント基板積層用離型シート(特許文献6参照)や特定の脂環式オレフィン系樹脂からなる離型フィルムを樹脂フィルムの少なくとも片面に積層された積層体からなる離型シート(特許文献8参照)が提案されているが、未だ満足するものではなかった。
特開平1−276694号公報 特開平2−24139号公報 特開平2−175247号公報 特開平2−238911号公報 特開平3−73588号公報 特開平5−147055号公報 特開2000−263724号公報 特開2001−233968号公報
本発明は、離型シート、特に加熱プレス加工を施す際に被加工物と熱板との間に配置し、熱や圧力を被加工物に均一に与えることが可能な離型シート、及びそれを用いたフレキシブルプリント配線板の製造方法であって、特に熱プレス時にシートからの溶出物によって、熱プレス後のフレキシブルプリント配線板における金メッキ処理面の変色度の少ない熱プレス用離型シートを提供することを目的としてなされたものである。
また、本発明は、前記のような優れた性能を有する熱プレス用離型シートを開発すべく鋭意研究を重ねた結果、耐熱性プラスチックフィルムの少なくとも一方の面に、熱プレス時にシートからの溶出物を防御するために、特定の性状を有する樹脂層を設けてなる離型シートにより、その目的を達成することを見出し、この知見に基づき本発明をなすに至った。即ち、本発明によれば以下に示す熱プレス用離型シートが提供される。
[1]耐熱性プラスチックからなるフィルムと、前記フィルムの少なくとも一方の面に、アクリル系樹脂と架橋剤との反応物であるとともに、ガラス転移温度(Tg)が−50〜20℃であって離型性を有する樹脂層と、を有する熱プレス用離型シート。
[2]前記樹脂層の厚みが、0.1〜10μmである前記[1]に記載の熱プレス用離型シート。
]下記変色度試験による変色度が0〜3.0の範囲内にある前記[1]または[2]に記載の熱プレス用離型シート。
(1)金メッキシート(その厚みが3μmのニッケル下地層の上に金メッキ層が0.15μmの厚みで積層されているもの、表面粗さRa=0.24μm)の金メッキ処理面のL表色系による明度指数、クロマティネクス指数を測定する。
(2)前記金メッキシート上に、樹脂層側が金メッキ処理面と接触するように熱プレス用離型シートを載せ、温度が180℃で圧力30kg/cmの条件下で1時間加熱圧着する。放冷後、熱プレス用離型シートを金メッキシートから分離し、金メッキ処理面の明度指数、クロマティネクス指数を測定する。
(3)熱プレス前後の金メッキ処理面の変色度JIS Z 8730に規定するL表色系による色差に準拠して算出する。
]フレキシブルプリント配線板を製造する方法であって、熱板を用いて熱プレスすることによりフレキシブルプリント配線板の配線形成面とは反対側の面に熱硬化性接着剤付補強板を貼付させる貼付工程において、前記[1]〜[]のいずれかに記載の熱プレス用離型シートを、少なくとも前記熱板と前記フレキシブルプリント配線板の前記配線形成面との間に介在させるフレキシブルプリント配線板の製造方法。
]フレキシブルプリント配線板を製造する方法であって、熱板を用いて熱プレスすることによりフレキシブルプリント配線板の配線形成面にカバーレイフィルムを貼付させる貼付工程において、前記[1]〜[]のいずれかに記載の熱プレス用離型シートを、少なくとも前記熱板と前記カバーレイフィルムとの間に介在させるフレキシブルプリント配線板の製造方法。
本発明の熱プレス用離型シートは、熱プレス後に容易に剥離可能な離型シートであり、金メッキ面に積層し熱プレス等の加工を行なっても金メッキ面の変色度が少ないシートを提供するものである。即ち、熱プレス後にフレキシブルプリント配線板に損傷等を与えず、かつ、樹脂付着等の汚染を生じさせることなく、更には熱プレス時にシートからの溶出物によって銅等の導電体から形成された回路パターンや端子めっきによる金メッキ処理面が変色をきたし、接続信頼性が低下することなく、被着体から容易に剥離可能であるという効果を奏するものである。
以下、本発明の実施の最良の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施の形態に対し適宜変更、改良等が加えられたものも本発明の範囲に入ることが理解されるべきである。
本発明の熱プレス用離型シートは、耐熱性プラスチックからなるフィルムと、フィルムの少なくとも一方の面に、ガラス転移温度(Tg)が−50〜20℃である樹脂層とを有するシートである。以下、その詳細について説明する。
本発明の熱プレス用離型シートを構成する耐熱性プラスチックからなるフィルムは、ハンドリング性やクッション性及び被加工物の表面に凹凸がある場合、熱プレス時にその凹凸との追従性を得るために必要である。特に追従性は、被加工物に対し、均一な加熱と加圧を可能とし、これにより精度の高い加工、例えばカバーレイフィルムを表面の凹凸に対し気泡なく貼り付けたり、位置ズレや浮きのない補強板の貼り付けが可能となる。このようなフィルムとしては、その融点が210℃以上のものが好ましい。このようなフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース、ポリイミド、ポリアミド、ポリエーテルスルホン、芳香族ポリアミド、ポリスルホン等の合成樹脂(耐熱プラスチック)製フィルムである。その中でも、耐熱性、耐薬品性、凹凸追従性の観点から、ポリブチレンテレフタレートが好適である。なお、フィルムは透明であっても、これを構成する材質に各種顔料や染料を配合して着色したものであってもよく、また、その表面がマット状に加工されていてもよい。フィルムの厚みは、熱プレス時のクッション性等を損なわない範囲で使用することが可能で、通常、10〜150μmの範囲である。ハンドリング性を考慮に入れると更に25〜100μmであることが好ましい。
また、本発明の熱プレス用離型シートを構成するフィルムには、公知の添加剤、具体的には、耐熱安定剤、耐酸化安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤等を含有させことができる。また、フィルムと樹脂層との密着性を向上させるために、フィルムに表面処理を施すこと、及び/又はフィルムと樹脂層との間に接着性を有する中間層を設けることが好ましい。フィルムに施す表面処理としては、例えば、コロナ放電処理・グロー放電処理等の放電処理、プラズマ処理、火炎処理、オゾン処理、紫外線処理・電子線処理・放射線処理等の電離活性線処理、サンドマット処理・ヘアライン処理等の粗面化処理、化学薬品処理、易接着層塗布処理等を挙げることができる。
本発明の熱プレス用離型シートは、少なくとも前記耐熱性プラスチックからなるフィルムと、このフィルム上に直接、又は所望により設けられる中間層を介して、樹脂層とを有する、いわゆる積層構造を有するシートである。樹脂層のガラス転移温度(Tg)は、−50℃〜20℃である。ガラス転移温度が−50℃より低いと、熱プレス後にシートを剥離する際に樹脂付着を生じやすくなり、金メッキ処理面の変色の一つの原因となる。一方、ガラス転移温度が20℃より高いと、熱プレス後に熱プレス用離型シートがフレキシブルプリント配線板に貼り付いてしまい、剥離させることが困難となるために好ましくない。なお、熱プレス後の離型シートとフレキシブルプリント配線板とを分離する際、フレキシブルプリント配線板への樹脂付着と離型性を考慮すると、本発明の熱プレス用離型シートの樹脂層を形成する樹脂のTgは、−30〜15℃であることが好ましく、−10℃〜10℃であることが更に好ましい。
なお、本発明にいう「ガラス転移温度」とは、熱プレス用離型シートから剥離させた樹脂層について示差走査熱量測定(DSC)することにより得られた値(℃)をいう。なお、ガラス転移温度の測定方法の詳細については後述する。
本発明において、熱プレス用離型シートの樹脂層は、前記ガラス転移温度を有するものであれば、特に制限されず、種々のものが使用し得る。但し、フレキシブルプリント配線板からの離型性の観点から、アクリル系樹脂と架橋剤との反応物であることが好ましい。
樹脂層を形成する樹脂として用いられることのあるアクリル系樹脂は、架橋剤と反応し得るものである。具体的には、アクリル酸アルキルエステル及び/又はメタクリル酸アルキルエステルと、架橋剤と反応し得る官能基を有する単量体との共重合体を挙げることができる。このアクリル酸アルキルエステル、及びメタクリル酸アルキルエステルを構成するアルキルエステルとしては、例えば、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、イソプロピルエステル、ブチルエステル、イソブチルエステル、s−ブチルエステル、t−ブチルエステル、ペンチルエステル、ヘキシルエステル、ヘプチルエステル、オクチルエステル、イソオクチルエステル、2−エチルヘキシルエステル、イソデシルエステル、ドデシルエステル、トリデシルエステル、ペンタデシルエステル、オクタデシルエステル、ノナデシルエステル、エイコシルエステル等が挙げられる。架橋剤と反応し得る官能基を有する単量体としては、その官能基がカルボキシル基であるアクリル酸、メタクリル酸、カルボキシエチルアクリレート、カルボキシペンチルアクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、及びクロトン酸が挙げられ、また、その官能基がヒドロキシル基であるアクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸ヒドロキシブチル、メタクリル酸ヒドロキシブチル、アクリル酸ヒドロキシヘキシル、メタクリル酸ヒドロキシヘキシル、アクリル酸ヒドロキシオクチル、メタクリル酸ヒドロキシオクチル、アクリル酸ヒドロキシデシル、メタクリル酸ヒドロキシデシル、アクリル酸ヒドロキシラウリル、及びメタクリル酸ヒドロキシラウリル等が挙げられる。
更に、所望により上述してきた単量体以外の単量体を併用してもよい。具体的には、スチレン、酢酸ビニル、アクリロニトリル、アクリルアミド、ポリエチレングリコールアクリレート、N−ビニルピロリドン、及びテトラフルフリルアクリレート等が挙げられる。
この樹脂層を形成する樹脂は、前述のアクリル酸アルキルエステル及び/又はメタクリル酸アルキルエステルの単量体と、架橋剤と反応し得る官能基を有する単量体とをラジカル共重合させることによって得ることができる。この場合の共重合法はよく知られており、乳化重合法、溶液重合法、塊状重合法、懸濁重合法、及び光重合法等が挙げられる。
本発明の熱プレス用離型シートにおいては、樹脂層を形成する樹脂は架橋剤で架橋されていることが好ましい。ここで、架橋剤は用いられる樹脂に合せて適宜選択すればよく、イソシアネート系架橋剤、金属キレート架橋剤、又はエポキシ系架橋剤等が好適に用いられるが、熱プレス工程後のフレキシブルプリント配線板からの離型性、及び樹脂付着防止の面から、イソシアネート系架橋剤を用いることが好ましい。イソシアネート系架橋剤としては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4−ジイソシアネート、3−メチルジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−2,4−ジイソシアネート、リジンイソシアネート等が挙げられる。中でも、ヘキサメチレンジイソシアネートの三量体(例えば、商品名:タケネートD−170N、三井化学ポリウレタン(株)製等)を好適に用いることができる。この架橋剤は、優れた離型性と耐熱性を付与することができるという効果を奏する点において好ましい。なお、「架橋剤」は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、本発明の熱プレス用離型シートにおいては、前記樹脂と前記架橋剤との反応物のガラス転移温度(Tg)が−50〜20℃となるように前記樹脂と前記架橋剤を適宜配合すればよいが、通常、100質量部の樹脂に対し、架橋剤を0.1〜5.0質量部配合させることが好ましい。100質量部の樹脂に対する、架橋剤の配合量が0.1質量部よりも少ないと、フレキシブルプリント配線板に樹脂付着等が発生したり、フレキシブルプリント配線板との離型性が損なわれたりする場合がある。一方、5.0質量部を超えると、常温付近でのフレキシブルプリント配線板との密着性が低下する場合がある。フレキシブルプリント配線板への汚染防止、及び離型性の面から、架橋剤の配合割合は、100質量部の樹脂に対して0.2〜3.0質量部であることが更に好ましい。
次に、本発明の熱プレス用離型シートを作製する方法について概説する。まず、耐熱性プラスチックからなるフィルムの面上に樹脂層を形成するには、前記した成分を適当な溶剤に溶解又は分散させて、固形分濃度が20〜50質量%程度の樹脂層形成塗工液を調製する。次いで、この樹脂層形成塗工液を、フィルムの面上に直接常法に従って塗布した後、乾燥することにより樹脂層を形成すれば、熱プレス用離型シートを作製することができる。形成する樹脂層の厚みは、0.1〜10μmとすることが好ましい。樹脂層が10μmよりも厚いと、熱プレス後のフレキシブルプリント配線板からの離型シート分離時に凝集破壊が起こり易くなるため、良好な離型性が得られなくなる場合がある。一方、0.1μmよりも薄いと、熱プレス時にシートからの溶出物を防御し難くなるために、銅等の導電体からなる回路パターンや金メッキ処理面の変色を防止し難くなるからである。フレキシブルプリント配線板からの離型性と銅等の導電体から形成された回路パターンや金メッキ処理面の変色度を考慮すると、樹脂層の厚みは、0.5〜8μmであることが更に好ましい。
樹脂層形成塗工液には、従来慣用されている各種添加剤、例えば、架橋促進剤、酸化防止剤、安定剤、粘度調整剤、又は有機若しくは無機の充填剤等を添加してもよい。架橋促進剤としては、例えば、トリエチルアミン系、ナフテン酸コバルト系、スズ系の架橋促進剤が挙げられ、特に、塩化第一スズ、テトラ−n−ブチルスズ、水酸化トリメチルスズ、塩化ジメチルスズ、ラウリン酸ジ−n−ブチルスズ等のスズ系架橋促進剤を使用することが好ましい。この他、酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤等を、粘着付与樹脂としては、テルペン系樹脂等を、有機充填剤としては、アクリル系ないしウレタン系の球状微粒子等を、無機充填剤としては、シリカ、炭酸カルシウム、アルミナ等を好適に用いることができる。
また、本発明の離型シートは、前述のように耐熱性フィルムの片面又は両面に所望により中間層を設け、ガラス転移温度(Tg)が−50〜20℃の範囲にある樹脂層を設けたものであるが、この他、従来から用いられている離型シートと同様、ポリオレフィンやポリエチレン等の樹脂からなる中間樹脂層の両面に本発明の離型シートの樹脂層が外側になるように積層した積層体や前記中間樹脂層の片面に樹脂層が外側になるように離型シート積層し、他の面に従来から用いられているポリプロピレンやポリメチルペンテン等からなる樹脂フィルムや本発明の耐熱性フィルムで用いられるフィルムを積層したものも積層体を離型シートとして用いることもできる。これらのものは、中間樹脂層を用いない離型シートに比べ、更にクッション性を得られるものである。
次に、上述の熱プレス用離型シートを使用した、本発明のフレキシブルプリント配線板の製造方法について説明する。本発明のフレキシブルプリント配線板の製造方法は、熱板を用いて熱プレスすることによりフレキシブルプリント配線板の配線形成面とは反対側の面に熱硬化性接着剤付補強板を貼付させる貼付工程において、前述の熱プレス用離型シートを、少なくとも前記熱板と前記フレキシブルプリント配線板の前記配線形成面との間に介在させる製造方法である。以下、その詳細について説明する。
熱硬化性接着剤付補強板は、その使用用途に応じて適宜選択されるものであるが、補強板と、この補強板の少なくとも一方の表面上に配設された熱硬化性接着剤からなる層を有するものである。補強板を構成する材料としては、例えば、紙フェノール、ガラスエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられる。熱硬化性接着剤付補強板は、この補強板に熱硬化性接着剤を積層させること等によって得ることができる。
熱硬化性接着剤付補強板を所定の大きさに裁断し、フレキシブルプリント配線板の配線形成面の反対面(裏面)の所定の位置に載置する。ここで、熱硬化性接着剤付厚い補強板を使用するために、その段差を吸収できないときには、ダミー板(上述した所定の位置に相当する部分が中抜きされている板)を使用することが通常行われる。
次いで、熱板とフレキシブルプリント配線板の配線形成面との間、必要に応じて、更に熱板と熱硬化性接着剤付補強板との間に、本発明の熱プレス用離型シートを介在させる。但し、熱プレス用離型シートが耐熱性フィルムの片面にのみ樹脂層を設けた構成の場合、樹脂層側を、配線形成面と接触させた状態で介在させる必要がる。なお、熱板と熱硬化性接着剤付補強板との間にも熱プレス用離型シートを介在させる場合も前記と同様、片面にのみ樹脂層を設けた離型シートの場合には、熱プレス用離型シートの樹脂層側を、熱硬化性接着剤付補強板と接触させた状態で介在させる。次に、熱プレス機を使用して熱硬化性接着剤を硬化させて、補強板を接着させる。ダミー板を使用している場合には、室温に放冷後、ダミー板を取りはずすことにより、補強板の貼り付いたフレキシブルプリント配線板が製造される。
熱硬化性樹脂を硬化させるには、通常、160〜200℃、15〜40kg/cmの温度・圧力条件下で、30分〜2時間程度熱プレスをかければよい。
次に本発明の離型シートを用いた他のフレキシブルプリント配線板の製造方法について説明する。フレキシブルプリント配線板の製造において、銅等の導電物質からなる導電体層を選択的エッチング処理した後、形成された回路パターンを被覆するように熱硬化性樹脂からなるカバーレイフィルムを貼着した後、160℃以上の高温条件下で熱板により加圧し、カバーレイフィルムの接着剤を熱硬化させることによる配線保護層を形成する。この時、熱板とカバーレイフィルムとの間に少なくとも樹脂層がカバーレイ側となるように離型シートを積層後、加熱・加圧する。このカバーレイフィルムは、回路パターン等の凹凸に追従し、気泡等を含まないように貼り付ける必要があるため、この時用いられる離型シートは、表面凹凸への追従性が良好なものが好ましい。
本明細書における変色度はJISZ8730に規定するL表色系による色差を意味する。本発明における熱プレス用離型シートにおいては、その変色度が0〜3.0以下であることが好ましい。フレキシブルプリント配線板の接続信頼性を考慮すると0〜1.5であることが好ましい。
次に、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。なお、熱プレス用離型シートの物性値の測定方法、及び評価方法を以下に示す。
[ガラス転移温度]
なお、本発明にいう「ガラス転移温度」とは、熱プレス用離型シートの樹脂層のみを剥離させ、示差走査熱量測定(DSC)により得られた値(℃)をいう。測定は、示差走査熱量計(ブルカー・エイエックスエス(株)製、製品名DSC3200S)を使用して昇温スピード10℃/minで行った。
[剥離性]
金メッキシート(ニッケル下地層3μmの上に金メッキ層が0.15μm積層されているもの、表面粗さRa=0.24μm)を使用し、金メッキ処理面に熱プレス用離型シートの樹脂層側を貼り付けた後、180℃,30Kg/cmの条件で1時間熱プレスを行った後に放冷後、室温(23℃)にて、熱プレス用離型シートが被着体から剥離しているか否かを評価した。評価基準は、熱プレス用離型シートが容易に金メッキシートより剥離した場合を○、熱プレス用離型シートに力を加え、剥離した場合を△、金メッキシートより剥離困難である場合を×とした。
[汚染性]
前述の「剥離性」の評価において、熱プレス用離型シートを剥離した金メッキシートの金メッキ処理面の汚染性をマイクロスコープ((株)キーエンス製、製品名 VH−80−000)にて50倍に拡大して評価した。評価基準は、樹脂付着が認められない場合を○、金メッキ処理面に糊残りが認められた場合を×とした。
[変色度]
金メッキシート(ニッケル下地層3μmの上に金メッキ層が0.15μm積層されているもの、表面粗さRa=0.24)における金メッキ処理面のL表色系による明度指数、クロマティネクス指数を測定する。ついで本発明の熱プレス用離型シートを樹脂層側が金メッキシートの金メッキ面と接触するように載せ、温度が180℃で圧力が30Kg/cmの条件下で1時間加熱圧着する。放冷後、熱プレス用離型シートを剥離し、金メッキ処理面の明度指数、クロマティネクス指数を測定する。熱プレス前後の金メッキ処理面の変色度をJIS Z 8730に規定するL表色系による式差に準拠して算出する。
(実施例1)
アクリル系樹脂A(ガラス転移温度−8℃、重量平均分子量32万、構成モノマーとして、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル及びメタクリル酸2−ヒドロキシエチルを含む)60質量部、アクリル系樹脂B(ガラス転移温度−60℃、重量平均分子量90万、構成モノマーとして、アクリル酸2−エチルヘキシル及びメタクリル酸2−ヒドロキシエチルを含む)10質量部、アクリル系樹脂C(ガラス転移温度18℃、重量平均分子量40万、構成モノマーとして、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル及びメタクリル酸2−ヒドロキシエチルを含む)40質量部、イソシアネート系架橋剤(商品名:タケネートD−170N、不揮発分20%、三井化学ポリウレタン(株)製等)5質量部、酸化防止剤(商品名アデカスタブAO−330、不揮発分10%、旭電化工業(株)製)、2質量部、ラウリン酸ジ−n−ブチルスズ(不揮発分1%、和光純薬工業(株)製)2質量部及びメチルエチルケトン300質量部を均一に混合、溶解し、樹脂形成塗工液を調製した。この樹脂形成塗工液を、厚さ50μmのポリブチレンテレフタレートシート上にベーカー式アプリケーターにて塗布し、130℃にて十分乾燥することにより、厚さ1μmの樹脂層が形成された熱プレス用離型シートを作製した。この熱プレス用離型シートの物性値の測定結果、及び各種特性の評価結果を表1に示す。
(実施例2)
アクリル系樹脂Bを2質量部とした以外は全て実施例1と同様にして熱プレス用離型シートを作製した。この熱プレス用離型シートの物性値の測定結果、及び各種特性の評価結果を表1に示す。
(実施例3)
アクリル系樹脂C30質量部、アクリル系樹脂D(ガラス転移温度−42℃、重量平均分子量40万、構成単位としてアクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル及び酢酸ビニルを含む)70質量部、実施例1で使用した架橋剤を15質量部に変更した以外は全て実施例1と同様にして熱プレス用離型シートを作製した。この熱プレス用離型シートの物性値の測定結果、及び各種特性の評価結果を表1に示す。
(実施例4)
基材をポリエチレンテレフタレートに変更した以外は全て実施例1と同様にして熱プレス用シートを作製した。この熱プレス用離型シートの物性値の測定結果、及び各種特性の評価結果を表1に示す。
(実施例5)
樹脂層の膜厚を3μmに変更した以外は実施例1と同様にして熱プレス用離型シートを作製した。この熱プレス用離型シートの物性値の測定結果、及び各種特性の評価結果を表1に示す。
(実施例6)
樹脂層の膜厚を7μmに変更した以外は実施例1と同様にして熱プレス用離型シートを作製した。この熱プレス用離型シートの物性値の測定結果、及び各種特性の評価結果を表1に示す。
(比較例1)
アクリル系樹脂A、アクリル系樹脂Cを使用せずにアクリル系樹脂Bを100質量部使用した以外は全て実施例1と同様にして熱プレス用離型シートを作製した。この熱プレス用離型シートの物性値の測定結果、及び各種特性の評価結果を表1に示す。
(比較例2)
アクリル系樹脂E(ガラス転移温度22℃、重量平均分子量30万、構成成分としてメタクリル酸メチルとアクリル酸ブチルを含む)であるものを使用した以外は全て比較例1と同様にして熱プレス用離型シートを作製した。この熱プレス用離型シートの物性値の測定結果、及び各種特性の評価結果を表1に示す。
(比較例3)
熱プレス用離型シートとしてポリオレフィンの両面にポリメチルペンテンを共押出ししたフィルムを使用し、この熱プレス用離型シートの各種特性の評価結果を表2に示す。
(比較例4)
熱プレス用離型シートとして50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを使用し、この熱プレス用離型シートの各種特性の評価結果を表2に示す。
(比較例5)
熱プレス用離型シートとして50μmのポリブチレンテレフタレートフィルムを使用し、この熱プレス用離型シートの各種特性の評価結果を表2に示す。
Figure 0004890539
Figure 0004890539
表1及び表2の結果から、実施例1〜6のものは、いずれも変色度が1.8以下と低く、しかも金メッキ処理面からの剥離性に優れ、また汚染しにくいものであることが分かる。それに比べ比較例1〜5のものは、金メッキ処理面からの剥離性や汚染性、変色度のいずれか又は両方の性能が満足できるものでないことが分かる。表2で示すように従来から使用されているポリエチレンテレフタレートフィルムやポリブチレンテレフタレートフィルムは本発明の熱プレス用離型シートよりも離型性もしくは汚染性が劣ることが理解される。この結果から、実施例1〜6のものは、従来フレキシブルプリント配線板の製造工程で用いられている離型シートに代わる材料となることが考えられる。
[汚染性(Cu)]
銅張り積層板のポリイミド面に裏打ちシート(ソマール(株)製 ソマタックPS−105WA)をJIS Z0237に準拠する方法により貼り付けた後、銅表面に実施例1及び比較例3〜5に記載の各熱プレス用離型シートの樹脂面を貼り合わせる。このシートを180℃、30Kg/cmの条件で1時間熱プレスを行った後に放冷後、室温(23℃)にて銅張り積層板と熱プレス用離型シートとを分離した際の銅表面の汚染性をマイクロスコープ((株)キーエンス製、製品名 VH−8000)にて50倍に拡大して評価した。評価基準は、樹脂付着が認められない場合を○、銅表面に樹脂成分の付着が認められた場合を×とした。
Figure 0004890539
表3の結果から、実施例1の離型シートは、比較例3〜5に比べ銅表面を汚染しないものであることが分かる。このことから、本発明の離型シートは従来フレキシブルプリント配線板の製造工程において用いられる離型シートの変わりに使用した際も、銅表面を汚染せず有効に用いられることが分かる。
本発明の熱プレス用離型シートは、フレキシブルプリント配線板の熱硬化性接着剤付補強板の貼付工程において、熱プレス後に、樹脂付着を起こさずに剥離することができるとともに、金メッキ処理面の変色度が従来のものよりも小さいために、フレキシブルプリント配線板の接続信頼性の向上に寄与し得るものである。

Claims (5)

  1. 耐熱性プラスチックからなるフィルムと、
    前記フィルムの少なくとも一方の面に、アクリル系樹脂と架橋剤との反応物であるとともに、ガラス転移温度(Tg)が−50〜20℃であって離型性を有する樹脂層と、を有する熱プレス用離型シート。
  2. 前記樹脂層の厚みが、0.1〜10μmである請求項1に記載の熱プレス用離型シート。
  3. 下記変色度試験による変色度が0〜3.0の範囲内にある請求項1または2に記載の熱プレス用離型シート。
    変色度試験:
    (1)金メッキシート(その厚みが3μmのニッケル下地層の上に金メッキ層が0.15μmの厚みで積層されているもの、表面粗さRa=0.24μm)の金メッキ処理面のL表色系による明度指数、クロマティネクス指数を測定する。
    (2)前記金メッキシート上に、樹脂層側が金メッキ処理面と接触するように熱プレス用離型シートを載せ、温度が180℃で圧力30kg/cmの条件下で1時間加熱圧着する。放冷後、熱プレス用離型シートを金メッキシートから分離し、金メッキ処理面の明度指数、クロマティネクス指数を測定する。
    (3)熱プレス前後の金メッキ処理面の変色度JIS Z 8730に規定するL表色系による色差に準拠して算出する。
  4. フレキシブルプリント配線板を製造する方法であって、
    熱板を用いて熱プレスすることによりフレキシブルプリント配線板の配線形成面とは反対側の面に熱硬化性接着剤付補強板を貼付させる貼付工程において、請求項1〜のいずれか一項に記載の熱プレス用離型シートを、少なくとも前記熱板と前記フレキシブルプリント配線板の前記配線形成面との間に介在させるフレキシブルプリント配線板の製造方法。
  5. フレキシブルプリント配線板を製造する方法であって、
    熱板を用いて熱プレスすることによりフレキシブルプリント配線板の配線形成面にカバーレイフィルムを貼付させる貼付工程において、請求項1〜のいずれか一項に記載の熱プレス用離型シートを、少なくとも前記熱板と前記カバーレイフィルムとの間に介在させるフレキシブルプリント配線板の製造方法。
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