JP5578872B2 - 再剥離性粘着剤組成物、これを用いた再剥離性粘着シート、この粘着シートを用いた積層体、電子部品の製造方法及びこの製造方法を用いて得られた電子部品 - Google Patents

再剥離性粘着剤組成物、これを用いた再剥離性粘着シート、この粘着シートを用いた積層体、電子部品の製造方法及びこの製造方法を用いて得られた電子部品 Download PDF

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Description

本発明は、積層セラミックコンデンサ、積層バリスタ等の電子部品の製造において使用するものであり、特に高多層化セラミックコンデンサの製造に好適に使用することができる再剥離性粘着剤組成物、これを用いた再剥離性粘着シート、この粘着シートを用いた積層体、電子部品の製造方法及びこの製造方法を用いて得られた電子部品に関する。
近年、電子機器の小型高密度化に伴い、電子部品も小型高性能化が求められ、積層セラミックコンデンサ、積層バリスタ、積層圧電素子、積層チップインダクタ等に代表される積層セラミック電子部品も同様に、小型、大容量化が求められている。
積層セラミックコンデンサの製造工程として以下の方法を例示することができる。
(1)グリーンシートの形成工程、(2)内部電極用導体層の形成工程、(3)積層工程、(4)プレス工程、(5)切断工程、(6)焼成工程、(7)外部電極用導体層の形成工程等からなる方法である。
上記(3)積層工程では、PETフィルムや粘着シートの上にグリーンシートを積層させることが一般的に行われており、これはグリーンシートの位置精度を確保するために使用され、高弾性率であることが必要とされる。この特性は、上記(4)プレス工程においても必要とされる。一方、(5)切断工程では、切断時にはグリーンシート(積層体)をしっかり固定させておき、切断された切断片が飛散しないようにする必要がある。つまり、低弾性率であることが必要とされる。更に近年、切断精度向上を目的に高温下でグリーンシート(積層体)を柔らかくして切断しており、このような高温下でもグリーンシート(積層体)をしっかり固定させる粘着シートが必要とされる。
このように積層工程と切断工程とでは、粘着シートに求められる特性が大きく異なることから、両工程で1つのシートを共通して使用することはできなかった。なぜなら、上記(3)積層工程又は(4)プレス工程において使用される粘着シートを上記(5)切断工程で使用した場合には、グリーンシート(積層体)をしっかり固定させておくことができなくなるからであり、逆に上記(5)切断工程で使用される粘着シートを上記(3)積層工程又は(4)プレス工程において使用した場合には、グリーンシートの位置精度を確保することができないためである。このため、積層工程を経て得られたグリーンシート(積層体)をPETフィルム又は粘着シートから粘着剤の糊残り等を起こすことなく剥離した後、この積層体を別の粘着シートの上に配置させ切断工程に供し、糊残り等を起こすことなく剥離させ積層セラミックコンデンサは製造されていた。このため、少なくとも2種類の粘着シート類を使用せざるを得ず作業性及び生産性の面でいまだ満足できるものではなかった。
この課題を解決する手段として、基材の少なくとも一方の面に熱膨張性微小球と層状ケイ酸塩を含有させた粘着層を設けることにより粘着剤の凝集力を高め粘着層を高弾性率化した熱剥離型 粘着シートが提案されている(例えば特許文献1参照)。
一方、昨今では、前述のセラミックコンデンサの大容量化を実現するため更なるグリーンシートの高多層化(薄膜化)が求められている。高多層化を実現しようとするとグリーンシート間の剥離(デラミネーション)が発生しやすくなるため、高温・高圧下でグリーンシートをプレスする必要性が生じている。
このような場合、前記熱剥離型粘着シートを高多層化セラミックコンデンサ製造用に高温・高圧下で使用するとデラミネーションは起こさないものの粘着層の凝集力が不十分であるため粘着層が染み出してしまい、その結果、グリーンシートもしくは積層体に汚染及び変形が発生するという課題もある。
特開2008−266455号公報
本発明の目的は、高多層化セラミックコンデンサの製造等で必要とされる高温・高圧下でのプレス工程において加工体に対する染み出し等の不具合がないことに加えて、高温下での切断工程においても被加工体を強固に保持することができ、更に、前記各工程又は両工程の終了後は粘着剤の糊残り等を起こすことなく、速やかに加工体から剥離することのできる再剥離性粘着剤組成物およびこれを用いた再剥離性粘着シートを提供する。
本発明の他の目的は、上記再剥離性粘着シートを用いた積層体、電子部品の製造方法及びこの方法により得られた電子部品を提供することにある。
本発明者らは、かかる課題を解決する為に鋭意検討を行った結果、特定のアクリル系樹脂と硬化剤、刺激によりラジカル重合して架橋する架橋成分、重合開始剤からなる粘着剤組成物により、前記課題を満足することができる再剥離性粘着剤組成物、これを用いた再剥離性粘着シート、この粘着シートを用いた積層体、電子部品の製造方法及びこの方法により得られた電子部品が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、以下の再剥離性粘着組成物およびこれを用いた再剥離性粘着シート、この粘着シート用いた積層体、電子部品の製造方法及びこの方法により得られた電子部品を提供するものである。
[1](A)粘着性高分子、(B)イソシアネート系架橋剤、(C)刺激によりラジカル重合して架橋する架橋成分及び(D)重合開始剤を含有する再剥離性粘着剤組成物において、該(A)成分のガラス転移温度(Tg)が20℃〜40℃の範囲にあり、かつその構成成分が(A1)主成分となる構成モノマーとして炭素数1〜4のアルキル基がエステル結合されたアクリル酸又はメタクリル酸エステルモノマーである共重合体であり、質量平均分子量(Mw)が10万〜50万、ガラス転移温度(Tg)が20℃〜50℃の範囲にあるアクリル系樹脂、(A2)主成分となる構成モノマーとして炭素数1〜8のアルキル基がエステル結合されたアクリル酸又はメタクリル酸エステルモノマーである共重合体であり、質量平均分子量(Mw)が10万〜50万、ガラス転移温度(Tg)が−40℃〜10℃の範囲にあるアクリル系樹脂、(A3)少なくとも一部の構成モノマーとして炭素数6〜8のアルキル基がエステル結合されたアクリル酸又はメタクリル酸エステルモノマーである重合体であり、そのアルキル基の極性が前記(A1)成分及び(A2)成分に比して低く、質量平均分子量(Mw)が5万以上、組み合わされる(A1)、(A2)成分のうち質量平均分子量が小さい方の質量平均分子量以下であるアクリル系樹脂、からなることを特徴とする再剥離性粘着剤組成物。
[2]前記(C)成分がポリウレタンオリゴマーであり、前記(A)成分100質量部に対して、該(C)成分の配合量が10〜40質量部であることを特徴とする[1]に記載の再剥離性粘着剤組成物。
[3]前記(D)成分が熱重合開始剤及び/又は光重合開始剤であることを特徴とする[1]に記載の再剥離性粘着剤組成物。
[4]フィルム状ないしシート状の基材を備え、その少なくとも一方の表面に、[1]〜[3]いずれかに記載の再剥離性粘着剤組成物を含む粘着層を設けた再剥離性粘着シート。
[5][4]に記載の再剥離性粘着シート上で電極を印刷したグリーンシートを積層してプレスし、積層体を得ることを特徴とする積層体の製造方法。
[6][4]に記載の再剥離性粘着シートに、電極を印刷したグリーンシートを積層してプレスし得られた積層体を貼り合わせ、該積層体を切断してチップ状電子部品を得ることを特徴とする電子部品の製造方法。
[7][4]に記載の再剥離性粘着シート上で電極を印刷したグリーンシートを積層してプレスし積層体を得た後に、該粘着シートを剥離することなく該積層体を切断してチップ状電子部品を得ることを特徴とする電子部品の製造方法。
[8][5]〜[7]のいずれかに記載の方法により製造された電子部品。
本発明の再剥離性粘着剤組成物は、高温・高圧環境下でのプレス工程においても粘着剤が染み出すことがないことに加え、高温下での切断工程においても一定の粘着力を発揮することができる。このため、この粘着剤組成物を利用した再剥離性粘着シートは、高多層化セラミックコンデンサ等の電子部品の製造工程用粘着シートとして好適に使用することができる。具体的には、グリーンシートを高温・高圧下でプレスした場合にグリーンシート間でデラミネーションを起こすことがなく積層体を得ることができ、更に粘着剤の染み出しがないのでグリーンシート又は積層体自体を汚染することがないことに加え、積層体の変形を防止することができる。これらの効果に加えてこの積層体を切断する際にも一定の粘着力を保持しているので、切断片が剥がれることなく高精度の加工をすることができる。また、前記各工程または両工程の終了後、この粘着シートを切断片に糊残りを生じさせることなく、容易に剥離することができるという効果も有する。
以下、本発明の再剥離性粘着剤組成物及びこれを利用した再剥離性粘着シート、更にこの粘着シートを使用する電子部品の製造方法、この製造方法により得られた電子部品の各形態について具体的に説明するが、本発明は以下の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施の形態に対し、適宜変更、改良等が加えられたものも本発明の範囲のものである。
[再剥離性粘着剤組成物]
本発明の再剥離性粘着剤組成物は、(A)粘着性高分子樹脂、(B)イソシアネート系架橋剤、(C)刺激によりラジカル重合して架橋する架橋成分及び(D)重合開始剤を必須成分とするものである。
本明細書において、アクリル酸又はメタクリル酸を「(メタ)アクリル酸」と、アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルを「(メタ)アクリル酸エステル」と記す場合があり、「高温」とは60〜100℃の温度を指し、「高温領域」とは60〜100℃の温度領域を示すものである。
[A成分]
前記(A)成分のガラス転移温度は20℃〜40℃の範囲である。20℃未満である場合には、例えば、後述する高多層化積層コンデンサの製造におけるプレス工程において粘着剤が染み出し、加工体を汚染するからである。40℃を超えた場合には、後述する高多層化積層コンデンサの製造におけるプレス・切断工程で、被加工体に対する粘着力を十分に確保できないからである。
前記(A)成分は、(A1)主成分となる構成モノマーとして炭素数1〜4のアルキル基がエステル結合されたアクリル酸又はメタクリル酸エステルモノマーである共重合体であり、質量平均分子量(Mw)が10万〜50万、ガラス転移温度(Tg)が20℃〜50℃の範囲にあるアクリル系樹脂、(A2)主成分となる構成モノマーとして炭素数1〜8のアルキル基がエステル結合されたアクリル酸又はメタクリル酸エステルモノマーである共重合体であり、質量平均分子量(Mw)が10万〜50万、ガラス転移温度(Tg)が−40℃〜10℃の範囲にあるアクリル系樹脂、(A3)少なくとも一部の構成モノマーが炭素数6〜8のアルキル基がエステル結合されたアクリル酸又はメタクリル酸エステルモノマーである重合体であり、そのアルキル基の極性が前記(A1)成分及び(A2)成分に比して低く、質量平均分子量(Mw)が5万以上、組み合わされる(A1)、(A2)成分のうち質量平均分子量が小さい方の質量平均分子量以下であるアクリル系樹脂、からなるものである。
[(A1)成分]
本発明に用いられる(A1)成分は、20〜50℃の範囲にガラス転移温度を有するアクリル系樹脂である。ガラス転移温度が20℃未満である場合には、後述する高多層化セラミックコンデンサの製造におけるプレス工程時に粘着剤が染み出す場合があり、50℃を超える場合には、プレス・切断工程の使用条件である高温領域における粘着力を十分に発現させることができなくなるからである。
前記(A1)成分は、前記炭素数1〜4のアルキル基がエステル結合された(メタ)アクリル酸エステルと任意的な他のモノマー成分とを共重合することにより、ガラス転移温度を上記のような温度範囲とすることができる。
炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、1−プロピル基(n−プロピル基)、1−メチルエチル基(iso−プロピル基)、1−ブチル基(n−ブチル基)、2−メチルプロピル基(iso−ブチル基)、1−メチルプロピル基(sec−ブチル基)、1,1−ジメチルエチル基(tert−ブチル基)等が挙げられる。従って、炭素数1〜4のアルキル基がエステル結合された(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、(メタ)アクリル酸のメチルエステル、エチルエステル、1−プロピルエステル(n−プロピルエステル)、1−メチルエチルエステル(iso−プロピルエステル)、1−ブチルエステル(n−ブチルエステル)、2−メチルプロピルエステル(iso−ブチルエステル)、1−メチルプロピルエステル(sec−ブチルエステル)、1,1−ジメチルエチルエステル(tert−ブチルエステル)等
が挙げられる。
前記(メタ)アクリル酸エステルと共重合可能な任意的な他のモノマー成分としては、アクリロニトリル、アクリルアミド、(メタ)アクリル酸、炭素数5以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルエステル等のアクリル系モノマーの他、スチレン、酢酸ビニル及びN−ビニルピロリドン等が挙げられる。また、この任意的な他のモノマー成分として、(B)成分と反応し得る官能基(以下、「反応性官能基」と記す)を有するものであることが好ましい。
反応性官能基は、カルボキシル基、水酸基、又はアミノ基等が知られているが、常温での粘着性を低くすることができ、加工後における再剥離性に優れるという特徴を与える点において、水酸基であることが好ましい。反応性官能基として水酸基を有するアクリル系モノマーとしては、例えば、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸3−ヒドロキシプロピル、アクリル酸4−ヒドロキシブチル、メタクリル酸4−ヒド ロキシブチル等が挙げられる。
モノマー成分中の炭素数1〜4のアルキル基がエステル結合された(メタ)アクリル酸エステルの割合は、50質量%以上であり、55質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることが更に好ましい。モノマー成分中の他のモノマー成分の配合割合は、50質量%未満、45質量%未満であることが好ましく、30質量%未満であることが更に好ましい。
(A1)成分の質量平均分子量(「Mw」と略記される場合がある)は10万〜50万の範囲である。質量平均分子量が上記範囲未満の場合には、高温領域において粘着力が低下する点で好ましくなく、質量平均分子量が上記範囲を超える場合には、相溶性が低下するからである。
尚、質量平均分子量(Mw)は、前記(A1)成分を重合する際に、連鎖移動剤の種類と量、モノマーと重合開始剤のモル比等を適切に制御することによって、上記の範囲内に調整することができる。また、市販の粘着性高分子の中から所望の質量平均分子量を有するものを適宜選択して使 用することもできる。
前記(A1)成分は、例えば、既述のアクリル系モノマー(必要に応じて非アクリル系モノマー)をラジカル重合させる方法等によって得ることができる。重合の方法は特に限定されず、従来公知の重合法、例えば、乳化重合法、溶液重合法、塊状重合法、懸濁重合法、又は光重合法等を好適 に用いることができる。
[(A2)成分]
本発明に用いられる(A2)成分は、−40℃〜10℃の温度範囲にガラス転移温度を有するアクリル系樹脂である。この温度範囲にすることにより、常温下での被加工体又は加工体に対する密着性を確保することができる。
前記(A2)成分は、前記炭素数1〜8のアルキル基がエステル結合された(メタ)アクリル酸エステルと任意的な他のモノマー成分とを共重合することにより、ガラス転移温度を上記のような温度範囲とすることができる。
炭素数1〜8のアルキル基としては、前記(A1)成分において記載したものに加えて、ペンチル基、1―ヘキシル基、1−ヘプチル基、1−オクチル基、イソオクチル基、2−エチルヘキシル基等が挙げられる。従って、炭素数1〜8のアルキル基がエステル結合された(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、前記(A1)成分において記載したものに加えて、ペンチルエステル、ヘキシルエステル、ヘプチルエステル、オクチルエステル、イソオクチルエステル、2−エチルヘキシルエステル等が挙げられる。
前記(A2)成分と重合可能な任意的な他のモノマー成分としては前記(A1)成分において記載したものを挙げることができる。更に反応性官能基に関しても前記(A1)成分に記載したものを同様に用いることができる。
モノマー成分中の炭素数1〜8のアルキル基がエステル結合された(メタ)アクリル酸エステルの割合は、50質量%以上であり、55質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることが更に好ましい。モノマー成分中の他のモノマー成分の配合割合は、50質量%未満、45質量%未満であることが好ましく、30質量%未満であることが更に好ましい。
また、前記(A2)成分の質量平均分子量は10万〜50万の範囲内にあるアクリル系樹脂である。
尚、(A2)成分の質量平均分子量(Mw)は、前記(A1)成分と同様の方法により、上記の範囲内に調整することができる。また、(A2)成分は前記(A1)成分の項で述べた製造方法(重合方法) に準じて製造することができる。
前記(A2)成分の配合割合は、前記(A1)100質量部あたり10〜50質量部であることが好ましい。10質量部未満であると常温での被加工体に対する密着性が不足するため好ましくなく、50質量部を超えた場合には、後述する高多層化セラミックコンデンサ製造におけるプレス工程において、高温・高圧下で被加工体を加工する際に粘着層の染み出しを抑えることができないため好ましくない。
[(A3)成分]
本発明に用いられる(A3)成分は、少なくとも一部の構成モノマーとして炭素数が6〜8のアルキル基がエステル結合された(メタ)アクリル酸エステルモノマーである重合体である。炭素数を6以上とすることにより(A1)成分と比較して極性を低くさせることができ後述する高多層化セラミックコンデンサの製造における加工体との親和性を低下させ、加工後の再剥離性を向上させることができる。
炭素数6〜8のアルキル基としては、1−ヘキシル基(n−ヘキシル基)、1−ヘプチル基(n−ヘプチル基)、1−オクチル基(n−オクチル基)、6−メチルヘプチル基(iso−オクチル基)、2−エチルヘキシル基等が挙げられる。従って、炭素数6〜8のアルキル基がエステル結合されたアクリル酸又はメタクリル酸エステルモノマーとしては、アクリル酸又はメタクリル酸の1−ヘキシルエステル(n−ヘキシルエステル)、1−ヘプチルエステル(n−ヘプチルエステル)、1−オクチルエステル(n−オクチルエステル)、6−メチルヘプチルエステル(iso−オクチルエステル)、2−エチルヘキシルエステル等が挙げられる。中でも、安価で入手が容易な2−エチルヘキシルエステルを用いることが好ましい。炭素数6〜8のアルキル基がエステル結合された(メタ)アクリル酸エステルモノマーは、その効果を確保するべく、全構成モノマーに対して40質量%以上、好ましくは50〜98質量%の範囲で含まれていることが好ましい。
前記(A3)成分を形成するモノマー成分は、上記の炭素数6〜8のアルキル基がエステル結合された(メタ)アクリル酸エステルモノマー成分に加えて、他のモノマー成分を含んでもよい。この成分としては、前記(A1)成分の任意的な他のモノマー成分と同様のものが挙げられる。また、この成分としては、反応性官能基を有するモノマーも好ましい。反応性官能基及び反応性官能基を有するモノマーとしては、前記(A1)成分の任意的な他のモノマー成分として挙げられたものと同様のものを挙げることができる。この成分の他の粘着性高分子を形成する全モノマー成分に対する割合は、0〜50質量%、好ましくは1〜40質量%である。
前記(A3)成分は−80℃〜−40℃の温度領域(以下、「低温領域」と記す)にガラス転移温度を有することが好ましく、この温度範囲に入るようにモノマーの組合せを選択することが好ましい。
前記(A3)成分の質量平均分子量(Mw)は5万以上であり、かつ、組み合わされる(A1)、(A2)成分のうち質量平均分子量が小さい方の質量平均分子量以下である。この範囲に制御することにより、加工後、後述する本発明の粘着シートを加工体から糊残りを起こすことなく容易に剥離することができる。質量平均分子量(Mw)が5万未満の場合には、前記(A3)成分が加工体に移行し易く電子部品の電気的特性に悪影響を及ぼす場合がある。併用する(A1)成分及び(A2)成分のうち質量平均分子量が小さい方の質量平均分子量を超えると、粘着層の表面に(A3)成分を分布させることが困難となるため、加工体から剥離する際の糊残りを有効に防止することができなくなる場合がある。
尚、(A3)成分の質量平均分子量(Mw)は、前記(A1)成分と同様の方法により、上記の範囲内に調整することができる。また、(A3)成分は前記(A1)成分の項で述べた製造方法(重合方法)に準じて製造することができる。
前記(A3)成分の配合割合は、前記(A1)100質量部あたり0.5〜10質量部であることが好ましい。0.5質量部未満であると加工体に対する剥離性が低下するため好ましくなく、10質量部を超えた場合には、高温下で被加工体を加工する際に被加工体に対する密着性が低下するため好ましくない。被加工体に対する剥離性と高温下での密着性の観点から更に好ましくは1〜5質量部の範囲である。
[(B)成分]
本発明において使用される(B)成分とは、先に説明した(A)成分の間を架橋して架橋高分子を形成し得る物質を意味する。(B)成分が前記(A)成分の反応性官能基と反応して架橋高分子を形成することで、高温領域における充分な粘着力と加熱後の優れた剥離性を発揮させることが可能となる。
前記(B)成分としては、従来公知のイソシアネート系架橋剤、例えば、多価イソシアネート化合物、及びそのオリゴマーやプレポリマー等を好適に用いることができる。多価イソシアネート化合物としては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート、3−メチルジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−2,4’−ジイソシアネート、リジンイソシアネート等が挙げられる。これらの中でも、ヘキサメチレンジイソシアネートの三量体(例えば、商品名:タケネートD−170N、三井武田ケミカル(株)製等)を好適に用いることができる。これらは優れた再剥離性と耐熱性を付与することができるという効果を奏する点において好ましい。尚、(B)成分は、 単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記(B)成分の配合割合は前記(A)成分100質量部あたり0.1〜2質量部の割合であることが好ましい。0.1質量部未満であると架橋が不十分となるため粘着剤の染み出しや転写等を起こす場合があるため好ましくなく、2質量部を超えた場合には被加工体又は加工体に対する高温時の密着性を確保できなくなるため好ましくない。加工体への粘着剤の転写防止と高温時の密着性維持の観点から0.2〜0.5質量部の範囲であることがより好ましい。
[(C)成分]
本発明で用いられる前記(C)成分としては、例えば、熱や光重合性の多官能オリゴマーまたはモノマーを挙げることができる。多官能オリゴマーまたはモノマーが重合することにより、粘着層の凝集力が向上し粘着力が低下し、加工体に対する剥離性が向上することになる。
上記多官能オリゴマーまたはモノマーとしては、分子量が1万以下であるものが好ましく、より好ましくは加熱または光の照射による粘着層の三次元網状化が効率よくなされるように、その質量平均分子量が5000以下であり、かつ、その分子内のラジカル重合性の不飽和結合の数の下限が2個、上限が20個のものである。また、粘度(60℃)は200〜3,000cpsであることが好ましい。より好ましい多官能オリゴマーまたはモノマーとしては、ポリアクリレートオリゴマー、ポリエーテルオリゴマー、ポリエステルオリゴマー、ポリウレタンオリゴマー等が挙げられる。この中で、粘着剤の染み出し低減と高温下での被加工体に対する密着性の観点からポリウレタンオリゴマーが好ましく、反応性の制御のしやすさから脂肪族ポリウレタンオリゴマーがより好ましい。これらの多官能オリゴマーまたはモノマーは、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ポリアクリレートオリゴマーとしては、例えば、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、オリゴエステル(メタ)アクリレート等 が挙げられる。
ポリエーテルオリゴマーとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、および、それらの片末端もしくは両末端が、メチル、フェニル、(メタ)アクリ レート等のブロック剤で封鎖されている封鎖物等が挙げられる。
ポリエステルオリゴマーとしては、例えば、ε−カプロラクトン、および、それらの片末端もしくは両末端が、メチル、フェニル、(メタ)アクリレート等のブロック剤で封鎖されている封鎖物等が挙げられる。
ポリウレタンオリゴマーとしては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリブタジエンポリオール等のマクロポリオールと、ポリイソシアネートモノマーとの反応生成物等のウレタンポリオール、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、フェニルグリシジルエーテルアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、グリセリンジメタクリレート等のヒドロキシ(メタ)アクリレートモノマーと、メチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等のポリイソシアネートモノマー、あるいは、上記したウレタンポリオールとの反応生成物等のウレタンアクリレート等が挙げられる。
前記(C)成分の配合割合は前記(A)成分100質量部あたり10〜40質量部であることが好ましい。10質量部未満であると常温での被加工体に対する密着力が不足し、40質量部を超えた場合には、高温下で被加工体を加工する際に被加工体に対する密着性を維持することができなくなるため好ましくない。
[D成分]
前記(D)成分としては、熱重合開始剤と光重合開始剤等を挙げることができる。
これらを使用することにより、熱又は光による刺激を与えた際に前記(C)成分をラジカル重合させることができるので、本発明の粘着剤組成物の凝集力を高めることができ、糊残りを起こすことなく加工体から容易に剥離させることが可能となる。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記熱重合開始剤としては、熱により分解し、重合硬化を開始する活性ラジカルを発生するものが挙げられ、その使用目的に応じて選択されるものである。このような熱重合開始剤としては、例えば、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエール、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、パラメンタンハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−2−メチルシクロヘキサン、1,1−ジ−t−ブチルペルオキシシクロヘキサン等が挙げられる。これらの熱重合開始剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
後述する高多層化セラミックコンデンサの製造において本発明の再剥離性粘着剤組成物を使用する場合には、同工程中のプレス工程と切断工程において60〜100℃下で加工がおこなわれることを考慮して熱重合開始剤を選択する必要がある。このため、1分間半減期温度が130℃以上のものを使用することが好ましく、例えば、ナイパーBW、パーヘキサMC(以上いずれも日油社製)、カヤエステルHTP−65W(薬アクゾ社製)等が好適である。
前記光重合開始剤としては、例えば、250〜800nmの波長の光を照射することにより活性化されるものが挙げられ、このような光重合開始剤としては、例えば、メトキシアセトフェノン等のアセトフェノン誘導体化合物;ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル系化合物;ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジエチルケタール等のケタール誘導体化合物;フォスフィンオキシド誘導体化合物;ビス(η5−シクロペンタジエニル)チタノセン誘導体化合物、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、クロロチオキサントン、トデシルチオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシメチルフェニルプロパン等の光ラジカル重合開始剤が挙げられる。これらの光重合開始剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記熱又は光重合開始剤の配合割合は前記(C)成分100質量部あたり3〜30質量部であることが好ましい。3質量部未満であるとラジカル重合が十分に進行しなくなる場合があり、加工体に対する剥離性が低下するため好ましくなく、30質量部を超えた場合には未反応の重合開始剤が残存することとなり、加工体を汚染する原因となるため好ましくない。加工体に対する剥離性と汚染防止の観点から更に好ましくは3〜10質量部の範囲である。
前記(A)、(B)、(C)及び(D)成分を上記のような割合で含有せしめることにより、23℃における粘着力(初期粘着力)よりも60〜100℃における粘着力(高温時粘着力)を高くすることができ、かつ、刺激を与えることにより(C)成分の架橋が促進され、粘着力(刺激後粘着力)を十分に低くすることができる再剥離性粘着剤組成物を得ることができる。特に、高多層化セラミックコンデンサ等の製造にあっては、JISZ0237で規定される180°剥離力の測定において被着体としてポリエステルフィルムを使用した場合に初期粘着力が0.2N/25mm以上、後述するプレス工程後の23℃における粘着力が0.2N/25mm以上、高温時粘着力が2.5N/25mm以上、刺激後粘着力が0.1N/25mm以下の再剥離性粘着剤組成物を好適に用いることできる。初期粘着力が0.2N/25mm未満である場合には、グリーンシートの積層時に位置ずれを起き、プレス工程後の23℃における粘着力が0.2N/25mm未満である場合にはプレス工程から切断工程の間で積層体が脱落するからである。また、高温時粘着力が2.5N/25mm未満であると切断時に加工体の脱落(チップ飛び)等の不具合が生じるからである。これに加えて刺激後粘着力が0.1N/25mmを超えた場合には粘着シートから剥離する際に加工体が破損するため好ましくない。
[再剥離性粘着シート]
本発明の再剥離性粘着剤組成物は、フィルム状ないしシート状の基材を備え、その少なくとも一方の表面に、本発明の再剥離性粘着剤組成物を含む粘着層を設けたものである。但し、本発明の再剥離性粘着剤組成物そのものをフィルム状ないしシート状に形成して再剥離性粘着シートと することも可能である。
本発明の再剥離性粘着シートは、その構成要素として、基材と、粘着層とを備える。以下、各要素 ごとに説明する。
[基材]
本発明にいう「基材」とは、粘着層を支持するための部材であって、フィルム状ないしシート状を呈するものである。本明細書において「フィルム状ないしシート状」というときは、薄膜状ないし薄板 状の形状を意味し、通常は4〜250μmのものが用いられる。
基材の構成材料については特に限定されず、従来、粘着シート用の基材として用いられてきた材料の中から、再剥離性粘着シートの用途に応じて適宜選択することができる。具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース、セロハン、ポリイミド、ポリアミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、芳香族ポリアミド、若しくはポリスルホン等の合成樹脂、ガラス、金属、又はセラミック等の中から選択することができる。尚、基材は透明であっても、着色せしめたものであってもよい。着色は、基材の構成材料に各種顔料や染料を配合する方法等により行うことができる。また、基材の表面は平滑であるものに限定されず、そ の表面がマット状に加工されているものであってもよい。
基材は、その構成材料中に、従来公知の添加剤、具体的には、耐熱安定剤、耐酸化安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤等を含有するものであってもよい。また、粘着層との密着性を向上させることを目的として、表面処理を施したものを用いることが好ましい。表面処理としては、例えばコロナ放電処理・グロー放電処理等の放電処理、プラズマ処理、火炎処理、オゾン処理、紫外線処理・電子線処理・放射線処理等の電離活性線処理、サンドマット処理・アンカー処理・ヘアライン処理、エンボス加工等の粗面化処理、化学薬品処理、易接着層塗布処理等が挙げられる。
[粘着層]
本発明にいう「粘着層」とは、基材の少なくとも一方の表面を被覆するように形成された層であり、本発明の再剥離性粘着剤組成物を含むものである。
粘着層の厚さはその使用目的に応じ適宜選択されるものであるが、一般に2〜100μmとすることが好ましい。2μm未満の場合には、被加工体に対する充分な粘着力が得られなくなる場合がある点において好ましくなく、100μmを超える場合には乾燥不良を起こすおそれがある点において好ましくない。被加工体に対する密着性と乾燥不良を防止する点から5〜60μmとすることが更に好ましく、10〜30μmとすることが特に好ましい。
本発明において、高温・高圧下でのプレス工程が必要とされる使用目的である場合には粘着剤の染み出しを防ぐ観点から2〜30μmとすることが好ましい。
粘着層中、前記(A3)成分又は該(A3)成分が前記(B)成分により架橋された架橋高分子が基材側よりも粘着層表面側に高濃度となるように分布している濃度勾配が形成されていることが好ましい。また、このような濃度勾配を実現するために前記架橋高分子からなる層を前記粘着層表面又は前記(A1)成分、(A2)成分、(B)成分、(C)成分及び(D)成分からなる粘着層表面に設けてもよい。
上記のような構成をとることにより、被加工体との親和性が低い成分を被加工体との接触面側に高濃度で分布させることができ、糊残りをより効果的に防止することができる。
本発明の再剥離性粘着シートは、例えば、本発明の再剥離性粘着剤組成物の各構成成分を適当な溶剤に溶解し、或いは分散させて、固形分濃度を10〜50質量%程度の粘着層形成塗工液とし、この粘着層形成塗工液を常法に従って、基材の少なくとも一方の表面を被覆するように塗布し、これを乾燥する方法により得ることができる。尚、本発明の再剥離性粘着剤組成物そのものをフィルム状ないしシート状に形成して再剥離性粘着シートとする場合には、基材に代えて離型性を 有するフィルムを用いればよい。
この際、粘着層形成塗工液には、従来慣用されている各種添加剤、例えば、重合反応禁止剤、架橋促進剤、酸化防止剤、安定剤、粘度調整剤、粘着付与樹脂、又は有機ないしは無機の充填剤等を添加してもよい。
前記架橋促進剤としては、例えば、トリエチルアミン系、ナフテン酸コバルト系、スズ系の架橋促進剤が挙げられ、特に、塩化第一スズ、テトラ−n−ブチルスズ、水酸化トリメチルスズ、塩化ジメチルスズ、ジラウリン酸ジ−n−ブチルスズ等のスズ系架橋促進剤を使用することが好ましい。架橋促進剤を使用することでより低温・短時間で架橋することが可能となる。この他、酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤等を、粘着付与樹脂としては、テルペン系樹脂等を、有機充填剤としては、アクリル系ないしウレタン系の球状微粒子等を、無機充填剤としては、シリカ、炭酸カルシウム、アルミナ等を好適に用いることができる。
塗布の方法については特に制限はなく、ワイヤーバー、アプリケーター、刷毛、スプレー、ローラー、グラビアコーター、ダイコーター、リップコーター、コンマコーター、ナイフコーター、リバースコ−ター、スピンコーター等を用いた従来公知の塗布方法を利用することができる。尚、粘着層形成塗工液を塗布する基材や離型性を有するフィルム(以下、「基材等」と記す)の面には、必要に応じて予め表面処理を施しておいてもよい。
乾燥方法についても特に制限はなく、熱風乾燥、減圧乾燥等の従来公知の乾燥方法を利用することができる。乾燥条件については、粘着剤の種類や粘着層形成塗工液で使用した溶剤の種類、粘着層の膜厚等に応じて適宜設定すればよいが、60〜200℃程度の温度で乾燥を行うことが一般的である。
[電子部品の製造方法]
電子部品を製造する方法としては、電子部品の前駆体である被加工体を再剥離性粘着シートに仮固定し、その仮固定された被加工体に加工を施した後、再剥離性粘着シートを剥離して加工体を得る工程を備えた電子部品の製造方法があり、この際使用される再剥離性粘着シートとして、 本発明の再剥離性粘着シートを用いることができる。
前記電子部品の製造方法は、再剥離性粘着シートとして本発明の再剥離性粘着シートを用いる点に特徴があり、その他の点については従来の方法と同様である。例えば、積層セラミックコンデンサを製造する場合であれば、通常、以下のような工程で行われる。(1)グリーンシートの形成工程、(2)内部電極用導体層の形成工程、(3)積層工程、(4)プレス工程、(5)切断工程、(6)焼成工程、(7)外部電極用導体層の形成工程等からなる方法である。
尚、上記の各工程で、(4)プレス工程においては、被加工体がグリーンシートを加工体が積層体を示すことになり、(5)切断工程においては、被加工体が積層体を加工体が切断片を示すことになる。
(1)グリーンシートの形成工程においては、セラミック粉末、分散媒、バインダ等を含むスラリーをドクターブレード法、カレンダー法等を利用して薄板化し、グリーンシートを得る。
(2)内部電極用導体層の形成工程においては、(1)の工程で得られたグリーンシートの表面に金属電極(内部電極)が導電ペースト等により印刷される。
(3)積層工程においては、内部電極が印刷されたグリーンシートを本発明の再剥離性粘着シートの上に位置ズレのないように重ね合わせる。
(4)プレス工程においては、グリーンシートを一体化させ、積層セラミックコンデンサの前駆体である、層間に金属電極(内部電極)が配置された、グリーンシート積層体(以下、単に「積層体」と記す)を得る。ここで、高多層化セラミックコンデンサの製造に当たっては、5〜200MPaの圧力下で加工されることが好ましい。5MPa未満である場合にはデラミネーションが起こる場合があるため好ましくなく、200MPaを超える場合にはグリーンシートが積層時に割れる場合があるため好ましくない。デラミネーションの防止と割れ防止の観点から20〜100MPaの範囲がより好ましい。尚、前記高多層化セラミックコンデンサを製造するためには、デラミネーションの発生を防ぐため、前記圧力に加えて高温下で加工されることが必要である。
次いで、120℃〜150℃に加熱又は光照射することにより、粘着剤の凝集力を高め、積層体を本発明の再剥離性粘着シートより剥離させる。
(5)切断工程においては、本発明の再剥離性粘着シートに(4)の工程で得られた積層体を貼り合わせて固定し、80〜100℃程度の温度下、ギロチン刃等の切断装置により、仮固定された積層体を賽の目状に切断して小片化するダイシング加工を施した後、熱または光による刺激により、粘着剤の凝集力を高めた後23℃付近まで冷却し、本発明の再剥離性粘着シートを剥離して多数の切断片(「ワーク」と称される場合もある)を得る。
尚、(4)の工程の内、積層体を120℃〜150℃に加熱又は光照射する工程を省略することで、前記積層体を本発明の再剥離性粘着シートより剥離させることなく(5)の工程を連続して行うことができる。
(6)焼成工程、(7)外部電極用導体層においては、前記(5)の工程で得られた切断片を1000〜1300℃雰囲気下で、この切断片を焼成し、その表面に金属電極(外部電極)が印刷される。この結果、最終製品である積層セラミックコンデンサを得ることができる。
このように、本発明の電子部品の製造方法として、被加工体が、層間に金属電極が配置されたグリーンシート積層体の前駆体であるグリーンシートであり、加工が、被加工体を一体化してグリーンシート積層体を形成するためのプレス加工である場合に好適に用いることができる。また、被加工体がグリーンシート積層体であり、加工が、被加工体を賽の目状に切断して小片化するダイシング加工である場合にも好適に用いることができる。但し、本発明の電子部品の製造方法は、積層セラミックコンデンサの製造のみならず、被加工体を仮固定した状態で加工を施す電子部品の製造一般に適用することができる。具体的には、積層セラミックコンデンサの他、積層セラミックインダクタ、抵抗器、フェライト、センサ素子、サーミスタ、バリスタ、圧電セラミック、シリコンウェハ等、種々の電子部品の製造に好適に用いることができる。
以下、本発明の再剥離性粘着剤組成物、及び再剥離性粘着シートにつき実施例を用いて具体的に説明するが、本発明の再剥離性粘着剤組成物、及び再剥離性粘着シートはこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。尚、実施例1〜9、比較例1〜6(比較例4を除く)の再剥離性粘着剤組成物、及び再剥離性粘着シートについては、相溶性、初期粘着力、プレス後の粘着力(23℃)、プレス後の粘着力(80℃)、刺激後粘着力、刺激後の糊残り性、プレス工程時の染み出し性の各項目について評価した。比較例4については、相溶性のみ評価した。これらの項目については、以下の方法により評価した。
[相溶性]
片面に再剥離性粘着剤組成物を含有する再剥離性粘着層を有する再剥離性粘着シートに厚さ25μmのポリエステルフィルムを圧着し、次いで、40℃の温度雰囲気下で3日間放置した。3日間放置後の粘着シートの状態を目視にて観察し、相溶性を評価した。具体的には、粘着層塗膜の透明性が維持されている場合を「○」、粘着層塗膜が白濁している場合を「×」として評価した。
[初期粘着力]
片面に再剥離性粘着剤組成物を含有する再剥離性粘着層を有する再剥離性粘着シートを、幅25mm、長さ250mmに切断して試験片とし、この試験片に対して、厚さ25μmのポリエステルフィルムを、押圧力2kg、速度300mm/分の条件でゴムローラーを一往復させることにより圧着して20分間放置した後、引張試験機により、厚さ25μmのポリエステルフィルムを引張速度300mm/分で、180°方向に引き剥がした際の粘着力(剥離力)を測定する。これらの工程は全て温度23℃、湿度65%RHの条件下で行った。
[プレス後の粘着力(23℃、80℃)]
片面に再剥離性粘着剤組成物を含有する再剥離性粘着層を有する再剥離性粘着シートに、厚さ25μmのポリエステルフィルムを圧着し、そのシートをプレス機にて80℃×30MPaの条件下で15分間圧着した。プレス機よりシートを取り出し、室温に放冷後、幅25mm、長さ250mmに切断して試験片とした。次いで、23℃、80℃の各温度雰囲気下で引張試験機により、厚さ25μmのポリエステルフィルムを引張速度300mm/分、180°方向に引き剥がした際の粘着力(剥離力)を測定する。
[刺激後粘着力]
後述する粘着層形成塗工液中に熱重合開始剤が含有されている場合には、前記[プレス後の粘着力(23℃、80℃)]で測定に供する前の試験片を120℃×10分間加熱する。この試験片を引張試験機により、厚さ25μmのポリエステルフィルムを引張速度300mm/分で、180°方向に引き剥がした際の粘着力(剥離力)を測定する。
後述する粘着層形成塗工液中に光重合開始剤が含有されている場合には、前記[プレス後の粘着力(23℃、80℃)]で測定に供する前の試験片を600mJ/cmの条件で光照射する。この試験片を引張試験機により、厚さ25μmのポリエステルフィルムを引張速度300mm/分で、180°方向に引き剥がした際の粘着力(剥離力)を測定する。
[刺激後の糊残り性]
前記[刺激後粘着力]の測定後の試験片の状態を目視により観察し、その糊残り性を評価した。具体的には、粘着シートを剥離した場合に糊残りがない場合を「○」、糊残りを生じた場合を「×」として評価した。
[プレス工程時の染み出し性]
前記[プレス後の粘着力(23℃、80℃)]の測定における試験片に切り出す前のシートの粘着層の染み出し具合を以下の基準により評価した。

:粘着層の染み出しが200μm未満のもの

:粘着層の染み出しが200〜400μmの範囲にあるもの
× :粘着層の染み出しが400μmを超えるもの
実施例、及び比較例(比較例6を除く)においては、以下に示す高分子、オリゴマー、モノマー及び架橋剤を使用した。
(A1−1成分)
質量平均分子量42万、ガラス転移温度27℃のアクリル系樹脂である。構成モノマーとして、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルを含むものである。
(A1−2成分)
質量平均分子量35万、ガラス転移温度40℃のアクリル系樹脂である。構成モノマーとして、メタクリル酸メチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルを含むものである。
(A1−3成分)
質量平均分子量3万、ガラス転移温度30℃のアクリル系樹脂である。構成モノマーとしてメタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルを含むものである。
(A1−4成分)
質量平均分子量100万、ガラス転移温度30℃のアクリル系樹脂である。構成モノマーとしてメタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルを含むものである。
(A2−1成分)
質量平均分子量32万、ガラス転移温度7.5℃のアクリル系樹脂である。構成モノマーとして、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルを含むものである。
(A2−2成分)
質量平均分子量40万、ガラス転移温度−1.1℃のアクリル系樹脂である。構成モノマーとしてアクリル酸エチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルを含むものである。
(A2−3成分)
質量平均分子量5万、ガラス転移温度101℃のアクリル系樹脂である。構成モノマーとしてメタクリル酸メチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルを含むものである。
(A3−1成分)
質量平均分子量20万、ガラス転移温度−65℃のアクリル系樹脂である。構成モノマーとして、ア クリル酸2エチルヘキシルを含むものである。
(A3−2成分)
質量平均分子量15万、ガラス転移温度−42℃のアクリル系樹脂である。構成モノマーとして、酢酸ビニル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチルを含むものである。
(B−1成分)
イソアシアネート系の架橋剤であり、その構成成分は、ヘキサメチレンジイソシアネートの三量体である(商品名:タケネートD−170N、三井武田ケミカル社製、NCO:20.7%)。
(C−1成分)
脂肪族ポリウレタンオリゴマー(官能基数6、質量平均分子量1,100、粘度(60℃)1,400cps)である。
(C−2成分)
脂肪族ポリウレタンオリゴマー(官能基数6、 質量平均分子量1,200、粘度(60℃) 350cps)である。
(D−1成分)
ベンゾイルパーオキサイド(商品名:ナイパーBW、日油社製、一分間半減期温度:130℃)である。
(D−2成分)
ベンジルジメチルケタール(商品名:イルガキュア651、チバ・ジャパン社製)である。
(他の架橋剤)
エポキシ系架橋剤(商品名:TETRAD−C、三菱ガス化学社製)である。
(実施例1)
粘着性高分子として、表1に記載のA1−1成分とA2−1成分とA3−1成分を表1に記載の部数で添加し、架橋剤として、表1に記載のB1成分を表1に記載の部数を添加し、刺激によりラジカル重合して架橋する架橋成分として、表1に記載のC1成分を表1の記載の部数で添加し、重合開始剤として表1に記載のD1成分を表1に記載の部数を添加し、架橋促進剤を表1に記載の部数で添加し、更にトルエンを固形分比が23% となるように添加し粘着層形成塗工液を得た。
次いで、この粘着層形成塗工液を、基材となる厚さ100μmのポリエステルフィルムの表面に、乾燥後の膜厚が20μmとなるように常法に従って塗布し、これを100℃で1分間乾燥することによって粘着層を形成した。この粘着層の表面に、厚さ40μmの片面シリコン処理ポリプロピレンフィルムを剥離ライナーとして貼着し、40℃の温度条件下、3日間養生することによって、再剥離性粘着シートを得た。その再剥離性粘着シートについて、相溶性、初期粘着力、プレス後の粘着力、刺激後粘着力、刺激後の糊残り性、プレス工程時の染み出し性を評価した結果を表1に示す。
(実施例2〜9)
表1に記載の各成分を表1に記載の部数で添加した以外は全て実施例1と同様にして粘着層形成塗工液を得た。
(比較例1〜5)
表2に記載の各成分を表2に記載の部数で添加した以外は全て実施例1と同様にして粘着層形成塗工液及びこれを用いて再剥離性粘着シートを作製した。このものの物性を表2に示す。尚、比較例4については、相溶性が悪く再剥離性粘着シートを作製することができなかった。尚、表2中に「―」の記載のあるものは、未評価であることを示す。
(比較例6)
比較例6においては、以下に示すゴム状有機弾性層と熱剥離性粘着層を形成した後、熱剥離型粘着シートを作製した。具体的には以下の通りである。
(ゴム状有機弾性層)
アクリル系共重合体(アクリル酸ブチル:アクリル酸=100重量部:5重量部)100重量部、イソシアネート系架橋剤(商品名:コロネートL、日本ポリウレタン社製)3重量部をトルエンに溶解し、厚さ100μmのポリエステルフィルム上に、乾燥後の厚さが15μmとなるように塗布し、ゴム状有機弾性層を形成した。
(熱剥離性粘着層)
アクリル系共重合体(アクリル酸ブチル:アクリル酸=100重量部:5重量部)100重量部、エポキシ系架橋剤(商品名:TETRAD−C、三菱ガス化学社製)0.5重量部、テルペンフェノール樹脂(商品名:YSポリスターT130、ヤスハラケミカル社製)10重量部、熱膨張性微小球(商品名:マイクロスフェアーF50D、松本油脂製薬社製)50重量部、及び層状珪酸塩(商品名:合成スメクタイトMAE、コープケミカル社製)50重量部をトルエンに均一に混合、溶解して塗工液を調製し、セパレータ上に乾燥後の厚みが40μmとなるように塗布し、熱剥離性粘着層を形成した。
(熱剥離型粘着シート)
上記ゴム状有機弾性層と熱剥離性粘着層とを貼り合わせ、熱剥離型粘着シートを得た。
このものの物性を表3に示す。
Figure 0005578872
Figure 0005578872
Figure 0005578872
(評価)
実施例1〜9においては、何れも相溶性に優れ、初期粘着力は何れも0.2N/25mm以上の値を示し、更にプレス工程後の粘着力(23℃)が0.2N/25mm以上の値を示しているため、高多層化セラミックコンデンサの製造工程における積層工程と切断工程の間で積層体が脱落することなく搬送することができる。また、プレス工程後の粘着力(80℃)が2.5N/25mm以上の値を示しているため、高多層化セラミックコンデンサの製造工程における切断工程において積層体を十分保持することもできる。更に刺激後粘着力が0.1N/25mm以下であるため、刺激を与えた後に切断片を容易に剥離することができることも分かる。
尚、実施例1、7の結果より、重合開始剤として熱及び光重合開始剤の何れも使用可能であることも分かる。
一方、比較例1においては、前記(A)成分のガラス転移温度が13.4℃と低いため、プレス工程時の染み出し性が不十分であることが分かる。
比較例2においては、前記(A)成分のガラス転移温度が53℃と高いため、初期粘着力、プレス工程後の粘着力(23℃)が低い結果となり、積層体を十分に保持することができないことが分かる。
比較例3においては、アクリル樹脂の質量平均分子量が低いため、プレス後粘着力(80℃)の値が低い結果となり、高多層化セラミックコンデンサの製造工程における切断工程において、積層体を保持することができないことが分かる。
比較例4においては、アクリル樹脂の質量平均分子量が大きいため、相溶性が悪く、良好な粘着シートを作成できないことが分かる。
比較例5においては、刺激後の糊残り性が悪いため、高多層化セラミックコンデンサの製造用に使用できないことも分かる。
比較例6においては、プレス後粘着力(80℃)の値が低いため、高多層化セラミックコンデンサの製造工程における積層工程と切断工程間において、積層体を保持することができないことが分かる。また、刺激後粘着力の測定において粘着層が切断片に転写してしまい切断片への汚染があることも分かる。
本発明の再剥離性粘着剤組成物及び再剥離性粘着シートは、高温・高圧下においても粘着剤の染み出しがないことに加え、高温領域においては被加工体を確実に固定し、しかも加工体から剥離したいときは、刺激を与えることにより確実に剥離可能であるので、各種プリント基板、TABの製造や、高多層化セラミックコンデンサをはじめとする積層セラミックコンデンサの他、積層セラミックインダクタ、抵抗器、フェライト、センサ素子、サーミスタ、バリスタ、圧電セラミック、シリコンウェハ等、種々の電子部品の製造に好適に用いることができる。

Claims (8)

  1. (A)粘着性高分子、(B)イソシアネート系架橋剤、(C)刺激によりラジカル重合して架橋する架橋成分及び(D)重合開始剤を含有する再剥離性粘着剤組成物において、
    該(A)成分のガラス転移温度(Tg)が20℃〜40℃の範囲にあり、かつその構成成分が
    (A1)主成分となる構成モノマーとして炭素数1〜4のアルキル基がエステル結合されたアクリル酸又はメタクリル酸エステルモノマーである共重合体であり、質量平均分子量(Mw)が10万〜50万、ガラス転移温度(Tg)が20℃〜50℃の範囲にあるアクリル系樹脂、
    (A2)主成分となる構成モノマーとして炭素数1〜8のアルキル基がエステル結合されたアクリル酸又はメタクリル酸エステルモノマーである共重合体であり、質量平均分子量(Mw)が10万〜50万、ガラス転移温度(Tg)が−40℃〜10℃の範囲にあるアクリル系樹脂、
    (A3)少なくとも一部の構成モノマーとして炭素数6〜8のアルキル基がエステル結合されたアクリル酸又はメタクリル酸エステルモノマーである重合体であり、そのアルキル基の極性が前記(A1) 成分及び(A2)成分に比して低く、質量平均分子量(Mw)が5万以上、組み合わされる(A1)、(A2)成分のうち質量平均分子量が小さい方の質量平均分子量以下であるアクリル系樹脂、からなることを特徴とする再剥離性粘着剤組成物。
  2. 前記(C)成分がポリウレタンオリゴマーであり、前記(A)成分100質量部に対して、該(C)成分の配合量が10〜40質量部であることを特徴とする請求項1に記載の再剥離性粘着剤組成物。
  3. 前記(D)成分が熱重合開始剤及び/又は光重合開始剤であることを特徴とする請求項1に記載の再剥離性粘着剤組成物。
  4. フィルム状ないしシート状の基材を備え、その少なくとも一方の表面に、請求項1〜3いずれかに記載の再剥離性粘着剤組成物を含む粘着層を設けた再剥離性粘着シート。
  5. 請求項4に記載の再剥離性粘着シート上で電極を印刷したグリーンシートを積層してプレスし、積層体を得ることを特徴とする積層体の製造方法。
  6. 請求項4に記載の再剥離性粘着シートに、電極を印刷したグリーンシートを積層してプレスし得られた積層体を貼り合わせ、該積層体を切断してチップ状電子部品を得ることを特徴とする電子部品の製造方法。
  7. 請求項4に記載の再剥離性粘着シート上で電極を印刷したグリーンシートを積層してプレスし積層体を得た後に、該粘着シートを剥離することなく該積層体を切断してチップ状電子部品を得ることを特徴とする電子部品の製造方法。
  8. 請求項5〜7のいずれかに記載の方法により製造された電子部品。


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