JP5270989B2 - プリント配線基板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、プリント配線基板の製造方法に関する。さらに詳しくは、各種電子部品との接着強度に優れたプリント配線基板の製造方法に関する。
近年、電子機器の発展に伴いプリント配線基板が多く用いられている。プリント配線基板は電子部品を固定して配線するための電子機器の主要な部品の一つであり、リジッド基板、フレキシブルプリント基板、リジッドフレキシブル基板などがある。
例えば、フレキシブルプリント基板(以下、「FPC」ともいう)を製造する際には、回路パターンが形成された基板上にカバーレイフィルムを積層する工程、および得られた積層体を熱プレス板で挟んで、加熱および加圧する熱プレス成形工程が通常は設けられている。
上記熱プレス成形工程の際には、カバーレイフィルムと熱プレス板とが接着することを避けるために、その中間に、通常はポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリフッ化ビニルなどのフッ素系フィルムや、ポリメチルペンテンフィルムなどの離型フィルムが用いられている。
ここで、通常のFPCにおいては、異方導電性フィルム(以下、「ACF」ともいう)などを介して電子部品を実装するため、回路パターンの接続部が露出した状態となっている。しかしながら、回路パターンの接続部を除いた部位をカバーレイフィルムによって被覆して加熱および加圧すると、カバーレイフィルムが有する熱硬化性接着剤からなる接着剤層が溶出して該接続部を被覆してしまい、その後の電気的接続不良を引き起こすことがある。
上記問題に対しては、上記熱プレス成形工程において、良好な離型性とクッション性とを有する離型フィルムを用いることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。ここでクッション性とは、カバーレイフィルムやFPC表面の凸凹に追従することで、カバーレイフィルムの端面から熱硬化性接着剤が回路パターンの接続部上に流れ出すことを防止する性質を指すものである。
また、離形性に優れたフィルムとして、4−メチル−1−ペンテン系重合体、特定のリン含有酸化防止剤、および特定のヒンダードフェノール系酸化防止剤を特定の比率で含有する重合体組成物からなる離型フィルムも提案されている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、上記熱プレス成形工程において上記特許文献1および2に記載の離型フィルムを用いたとしても、該離型フィルムを剥離した後に行われるプリント配線基板の実装工程において、接続部とACFなどとの接着強度は充分ではなく、さらなる改善が望まれている。
国際公開2006−120983号公報パンフレット 特開2006−094909号公報
本発明の課題は、離型フィルムを剥離した後に行われる、回路パターンの接続部と電子部品とをACFなどを介して電気的に接続するプリント配線基板の実装工程において、接
続部とACFなどとの接着強度を向上させることが可能なプリント配線基板の製造方法を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意検討を行った。その結果、オレフィン系重合体に硫黄系耐熱安定剤を特定の量で配合したオレフィン系重合体組成物からなるフィルムを離型フィルムとして用いることにより上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は以下の[1]〜[5]に関する。
[1]回路パターンが形成された基板を含む基材に対し、該基材と熱プレス板との間に離型フィルムを介在させて熱プレスを行う熱プレス成形工程を有するプリント配線基板の製造方法であって、前記熱プレス成形工程において、該離型フィルムとして、少なくとも一方の表面層が、オレフィン系重合体(A)と硫黄系耐熱安定剤(B)とを含有するオレフィン系重合体組成物であって、該オレフィン系重合体(A)100重量部に対する該硫黄系耐熱安定剤(B)の含有量が0.5重量部以上であるオレフィン系重合体組成物からなる層であるフィルムを用い、かつ該オレフィン系重合体組成物からなる層と、該基材が有する、回路パターンの一部が基材表面に露出した接続部とが当接するように、該離型フィルムを熱プレス板と基材との間に介在させることを特徴とするプリント配線基板の製造方法。
[2]回路パターンが形成された基板を含む基材にカバーレイフィルムを積層して積層体を形成する工程、および該積層体と熱プレス板との間に離型フィルムを介在させて熱プレスを行う熱プレス成形工程を有するプリント配線基板の製造方法であって、前記熱プレス成形工程において、該離型フィルムとして、少なくとも一方の表面層が、オレフィン系重合体(A)と硫黄系耐熱安定剤(B)とを含有するオレフィン系重合体組成物であって、該オレフィン系重合体(A)100重量部に対する該硫黄系耐熱安定剤(B)の含有量が0.5重量部以上であるオレフィン系重合体組成物からなる層であるフィルムを用い、かつ該オレフィン系重合体組成物からなる層と、該積層体が有する、回路パターンの一部が積層体表面に露出した接続部とが当接するように、該離型フィルムを熱プレス板と積層体との間に介在させることを特徴とするプリント配線基板の製造方法。
[3]回路パターンが形成された基板を含む基材に補強板を積層して積層体を形成する工程、および該積層体と熱プレス板との間に離型フィルムを介在させて熱プレスを行う熱プレス成形工程を有するプリント配線基板の製造方法であって、前記熱プレス成形工程において、該離型フィルムとして、少なくとも一方の表面層が、オレフィン系重合体(A)と硫黄系耐熱安定剤(B)とを含有するオレフィン系重合体組成物であって、該オレフィン系重合体(A)100重量部に対する該硫黄系耐熱安定剤(B)の含有量が0.5重量部以上であるオレフィン系重合体組成物からなる層であるフィルムを用い、かつ該オレフィン系重合体組成物からなる層と、該積層体が有する、回路パターンの一部が積層体表面に露出した接続部とが当接するように、該離型フィルムを熱プレス板と積層体との間に介在させることを特徴とするプリント配線基板の製造方法。
[4]前記オレフィン系重合体(A)100重量部に対する前記硫黄系耐熱安定剤(B)の含有量が、0.5〜5.0重量部であることを特徴とする前記[1]〜[3]の何れかに記載のプリント配線基板の製造方法。
[5]前記オレフィン系重合体(A)が、4−メチル−1−ペンテン系重合体であることを特徴とする前記[1]〜[4]の何れかに記載のプリント配線基板の製造方法。
本発明によれば、離型フィルムを剥離した後に行われる、回路パターンの接続部と電子部品とをACFなどを介して電気的に接続するプリント配線基板の実装工程において、接続部とACFなどとの接着強度を向上させることが可能なプリント配線基板を提供することができる。
次に本発明のプリント配線基板の製造方法について詳細に説明する。
本発明の第1のプリント配線基板の製造方法は、回路パターンが形成された基板を含む基材に対し、該基材と熱プレス板との間に離型フィルムを介在させて熱プレスを行う熱プレス成形工程を有するプリント配線基板の製造方法であって、前記熱プレス成形工程において、該離型フィルムとして、少なくとも一方の表面層が、オレフィン系重合体(A)と硫黄系耐熱安定剤(B)とを含有するオレフィン系重合体組成物であって、該オレフィン系重合体(A)100重量部に対する該硫黄系耐熱安定剤(B)の含有量が0.5重量部以上であるオレフィン系重合体組成物からなる層であるフィルムを用い、かつ該オレフィン系重合体組成物からなる層と、該基材が有する、回路パターンの一部が基材表面に露出した接続部とが当接するように、該離型フィルムを熱プレス板と基材との間に介在させることを特徴とする。
また、本発明の第2、第3のプリント配線基板の製造方法は、上記熱プレス工程を実施する前に、(1)回路パターンが形成された基板を含む基材にカバーレイフィルムを積層して積層体を形成する工程、または(2)回路パターンが形成された基板を含む基材に補強板を積層して積層体を形成する工程が設けられている。
上記工程(1)または(2)を設けることにより、回路パターンが形成された基板を含む基材に、カバーレイフィルムまたは補強板を積層して、カバーレイフィルムまたは補強板を有するプリント配線基板を製造することができる。
なお、本発明の第1のプリント配線基板の製造方法においては上記基材の回路パターンが露出した部位を、第2、第3のプリント配線基板の製造方法においては上記積層体の回路パターンが露出した部位を接続部(但し、接続部は回路パターン周囲の露出した基板表面をも含むものである。)と称しており、該接続部は電子部品を実装する際にプリント配線基板と電子部品とを電気的に接続する部位となる。また、本発明において、電子部品などが実装されたプリント配線基板を「実装済み基板」ともいう。
〔第1のプリント配線基板の製造方法〕
本発明の第1のプリント配線基板の製造方法は、回路パターンが形成された基板を含む基材に対し、該基材と熱プレス板との間に離型フィルム(詳細は後述する)を介在させて熱プレスを行う熱プレス成形工程を有する。
上記製造方法においては、上記離型フィルムが有するオレフィン系重合体組成物からなる層と、上記基材が有する、回路パターンの一部が基材表面に露出した接続部とが当接するように、上記離型フィルムを熱プレス板と基材との間に介在させることを特徴とする。
上記基材は、回路パターンが形成された基板を含むものであれば特に限定されず、例えば、回路パターンが形成された基板のみからなる配線基板であってもよく、回路パターンが形成された基板が複数積層されたいわゆる多層配線基板であってもよい。また、回路パターンが形成された基板を最外層に有し、該回路パターンの一部が基材表面に露出した積層物であってもよい。
上記基板としては、例えばリジッドプリント基板が挙げられ、具体的にはエポキシ系樹
脂とガラス繊維とを含む複合材料からなる絶縁性のエポキシガラス繊維樹脂基板が挙げられる。
上記回路パターンは、例えば銅などの金属からなり、所定のパターンを構成している。ここで、上記回路パターンは上記基板上に直接形成されていてもよく、接着剤を介して形成されていてもよい。上記回路パターンの形成方法としては特に限定されず、銅箔などの金属箔を基板に接着した後、該金属箔をエッチングすることにより形成してもよく、メッキ法によって形成してもよい。
<熱プレス成形工程>
本工程は、上記基材と熱プレス板との間に離型フィルムを介在させて熱プレスを行う工程である。本工程では、前記離型フィルムとして、少なくとも一方の表面層が、上記オレフィン系重合体組成物からなる層であるフィルム(詳細は後述する)を用い、かつ該オレフィン系重合体組成物からなる層と、該基材が有する、回路パターンの一部が基材表面に露出した接続部とが当接するように、該離型フィルムを熱プレス板と基材との間に介在させる。
ここで、熱プレス成形工程における熱プレス条件は、製造されるプリント配線基板の種類、大きさなどによって適宜選択される。また、熱プレス工程は、長時間にわたって実施される場合には、基材の劣化や材料の変質を考慮して、真空下で実施されることが好ましい。
以上の熱プレス成形工程を実施した後、上記離型フィルムを上記基材から剥離する。このようにして得られたプリント配線基板は、回路パターンの接続部とACFなどとの接着性に優れるという特性を有するため、ACFなどを介して電子部品を強固に実装することができる。
〔第2のプリント配線基板の製造方法〕
本発明の第2のプリント配線基板の製造方法は、回路パターンが形成された基板を含む基材にカバーレイフィルムを積層して積層体を形成する工程(積層工程)、および該積層体と熱プレス板との間に離型フィルム(詳細は後述する)を介在させて熱プレスを行う熱プレス成形工程を有する。
上記製造方法においては、上記離型フィルムが有するオレフィン系重合体組成物からなる層と、上記積層体が有する、回路パターンの一部が積層体表面に露出した接続部とが当接するように、上記離型フィルムを熱プレス板と積層体との間に介在させることを特徴とする。
以下、上記各工程を説明する際に図面を参照することがあるが、本発明の第2のプリント配線基板の製造方法の実施形態はこれによって何ら限定されるものではない。
<積層工程>
本工程は、回路パターン20が形成された基板10を含む基材00にカバーレイフィルム45を積層する工程である。さらに詳しくは、回路パターン20が形成された基板10を含む基材00上に、熱硬化性接着剤からなる接着剤層30とカバーレイ層40とを有するカバーレイフィルム45を該接着剤層30を介して積層して、該回路パターン20が露出した接続部21と該回路パターン20が該カバーレイフィルム45によって被覆された被覆部22とを有する積層体50を形成する工程である(図1(a)、(b)参照)。
上記積層体50は、図1(b)に示されるように、基板10および該基板10上に形成された回路パターン20を含む基材00と、熱硬化性接着剤からなる接着剤層30および
カバーレイ層40を有するカバーレイフィルム45とから構成され、該回路パターン20の一部は該カバーレイフィルム45によって被覆されずに露出した状態となっている。
本発明においては、上述のように回路パターン20の露出した部位を接続部21と称しており(但し、接続部21は回路パターン20周囲の露出した基板10表面をも含むものである。)、該接続部21は電子部品を実装する際にプリント配線基板と電子部品とを電気的に接続する部位となる。
上記基材は、回路パターンが形成された基板を含むものであれば特に限定されず、例えば、回路パターンが形成された基板のみからなる配線基板であってもよく、回路パターンが形成された基板が複数積層されたいわゆる多層配線基板であってもよい。また、回路パターンが形成された基板を最外層に有し、該回路パターンの一部が基材表面に露出した積層物であってもよい。なお、図1に示す例では、上記基材は回路パターンが形成された基板のみからなる配線基板である。
上記基板は、製造されるプリント配線基板の種類によって適宜選択され、例えば、フレキシブルプリント基板、リジッドフレキシブルプリント基板が挙げられる。フレキシブルプリント基板としては、電気絶縁性および可撓性を有する樹脂基板であれば特に限定されず、例えば、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホンからなる基板が挙げられる。また、リジッドフレキシブルプリント基板としては、電気絶縁性を有する樹脂基板であれば特に限定されない。
上記回路パターンは、例えば銅などの金属からなり、所定のパターンを構成している。ここで、上記回路パターンは上記基板上に直接形成されていてもよく、接着剤を介して形成されていてもよい。上記回路パターンの形成方法としては特に限定されず、銅箔などの金属箔を基板に接着した後、該金属箔をエッチングすることにより形成してもよく、メッキ法によって形成してもよい。なお、図1に示す例では、回路パターンは基板の片面にのみ形成されているが、基板の両面に形成されていてもよい。
上記カバーレイフィルムは、熱硬化性接着剤からなる接着剤層とカバーレイ層とを有する。このようなカバーレイフィルムは、前記熱硬化性接着剤を、カバーレイ層を形成するフィルムの一方の面に塗布して製造される。なお、前記熱硬化性接着剤をカバーレイ層に塗布する方法としては、従来公知の方法を用いることができる。
上記熱硬化性接着剤は、プリント配線基板の製造において基材とカバーレイ層との接着に通常用いられる接着剤であれば特に限定されず、例えば、エポキシ樹脂が挙げられる。
上記カバーレイ層を形成するフィルムは、可撓性を有する樹脂材料からなるフィルムであれば特に限定されず、例えば、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレートなどからなるフィルムが挙げられる。
上記カバーレイフィルムの形状は、回路パターンの接続部が露出するように積層体を形成できれば特に限定されない。例えば、回路パターンの接続部が露出するように、予め所定位置に開口部が形成されたカバーレイフィルムを用いてもよく、また、複数のカバーレイフィルムを貼付してもよい。
上記カバーレイフィルムにおけるカバーレイ層の厚みは、通常は1〜50μm、好ましくは5〜30μmである。また、上記接着剤層の厚みは、通常は1〜50μm、好ましくは5〜40μmである。
<熱プレス成形工程>
本工程は、上記積層体50と熱プレス板70との間に離型フィルム60を介在させて熱プレスを行う工程である(図2(c)参照)。本工程では、前記離型フィルム60として、少なくとも一方の表面層が、上記オレフィン系重合体組成物からなる層61であるフィルム(詳細は後述する)を用い、かつ該オレフィン系重合体組成物からなる層61と、該積層体50が有する、回路パターンの一部が積層体表面に露出した接続部21とが当接するように、該離型フィルム60を熱プレス板70と積層体50との間に介在させる。
ここで、例えばFPCを製造する場合には、熱プレス成形工程における熱プレス条件は、該FPCの大きさ、上記熱硬化性接着剤の硬化性などによって適宜選択されるが、熱プレス板の加熱温度が好ましくは100〜200℃、より好ましくは140〜190℃であり、プレス圧が好ましくは1〜10MPa、より好ましくは3〜6MPaであり、プレス時間が好ましくは0.1〜120分、より好ましくは0.2〜90分である。また、熱プレス工程は、長時間にわたって実施される場合には、基材の劣化や材料の変質を考慮して、真空下で実施されることが好ましい。
熱プレス成形工程が上記条件のもとに実施されると、離型フィルムを回路パターンの接続部に充分接触させることができる。また、離型フィルムが回路パターンの凹凸形状に追従することができ、回路パターンの接続部上に上記接着剤層が溶出することなくプリント配線基板を製造することができる。このため、回路パターンの接続部と、各種電子部品との接着強度を向上させることができる。
以上の熱プレス成形工程を実施した後、上記離型フィルム60を積層体50から剥離することによって、接続部21を除く回路パターン20がカバーレイフィルムによって被覆されたプリント配線基板80を得ることができる(図3(d)参照)。前記プリント配線基板80は、回路パターン20の接続部21とACF90などとの接着性に優れるという特性を有するため、ACF90などを介して電子部品100を強固に実装することができる(図3(e)参照)。
〔第3のプリント配線基板の製造方法〕
本発明の第3のプリント配線基板の製造方法は、回路パターンが形成された基板を含む基材に補強板を積層して積層体を形成する工程(積層工程)、および該積層体と熱プレス板との間に離型フィルム(詳細は後述する)を介在させて熱プレスを行う熱プレス成形工程を有する。
上記製造方法においては、上記離型フィルムが有するオレフィン系重合体組成物からなる層と、上記積層体が有する、回路パターンの一部が積層体表面に露出した接続部とが当接するように、上記離型フィルムを熱プレス板と積層体との間に介在させることを特徴とする。
<積層工程>
本工程は、回路パターン20が形成された基板10を含む基材00に補強板46を積層する工程である。ここで、前記補強板46は、基材00の回路パターン20が露出した面とは反対側の面に積層してもよく(図4(a)参照)、回路パターン20が露出した面であって回路パターン20が形成されていない部位に部分的に積層してもよい(図4(b)参照)。
上記基材、基板および回路パターンなどは、第2のプリント配線基板の製造方法で記載した基材、基板および回路パターンを用いることができ、その形成方法も上述のとおりである。
上記補強板としては、例えばアルミ板やポリイミドに、エポキシ樹脂などの熱硬化性接着剤層が設けられている2層構造のものなどが挙げられる。前記補強板は従来公知の方法によって上記基材に積層することができる。
上記補強板の形状は上記基材の形状に応じて適宜選択される。例えば、回路パターンが露出した面であって回路パターンが形成されていない部位に部分的に積層する場合にあっては、回路パターンが形成された部位が露出するように、予め所定位置に開口部が形成された補強板を用いてもよく、また、複数の補強板を貼付してもよい。
上記補強板の厚みは、通常は0.05〜0.5mm、好ましくは0.1〜0.3mmである。
<熱プレス成形工程>
本工程は、上記積層体と熱プレス板との間に離型フィルムを介在させて熱プレスを行う工程であり、上記第2のプリント配線基板の製造方法で説明した条件に従って実施することができる。
〔電子部品などの実装工程〕
本工程は、上記プリント配線基板80の接続部21と電子部品100とを、異方導電性フィルム(ACF)90や異方導電性ペースト(ACP)を介して電気的に接続して、プリント配線基板80に電子部品100を実装する工程である。本工程を実施することにより、実装済み基板110を製造することができる(図3(d)、(e)参照)。
また、本工程では、上記プリント配線基板の接続部と、他のプリント配線基板の接続部とを、ACFやACPを介して電気的に接続することにより、多層配線基板を製造することもできる。
上記ACFとしては、プリント配線基板の実装において通常用いられるものであれば特に限定されず、例えば、FP16613(ソニーケミカルズ(株)製)が挙げられ、上記ACPについてもプリント配線基板の実装において通常用いられるものであれば特に限定されない。
また、プリント配線基板に実装される上記電子部品としては特に限定されず、例えば、集積回路、抵抗器、コンデンサーが挙げられる。
上記実装工程において、電子部品の実装は通常はボンディングツールを用いて加熱および加圧して行われる。熱プレス条件は、実装される電子部品およびプリント配線基板の種類、大きさなどによって適宜選択されるが、ボンディングツールの加熱温度が好ましくは150〜300℃、より好ましくは170〜230℃であり、プレス圧が好ましくは1〜10MPa、より好ましくは2〜8MPaであり、プレス時間が好ましくは5〜180秒、より好ましくは10〜60秒である。
以下では、本発明で用いられる離型フィルムについて、詳細に説明する。本発明において、下記離型フィルムを用いることにより、上記特性を有するプリント配線基板および実装済み基板を製造することができる。
〔離型フィルム〕
本発明で用いられる離型フィルムは、少なくとも一方の表面層が、以下に説明するオレフィン系重合体組成物からなる層である。前記離型フィルムは、単層フィルムでもよく、また、前記条件を満たす多層フィルムであってもよい。本発明において離型フィルムは、上記熱プレス成形工程において、上記基材または積層体と熱プレス板とが接着しないよう
に分離する目的で用いられる。
−オレフィン系重合体組成物−
上記オレフィン系重合体組成物は、オレフィン系重合体(A)と硫黄系耐熱安定剤(B)とを含有する組成物であって、該硫黄系耐熱安定剤(B)の含有量が特定の範囲にあることを特徴とする。
<オレフィン系重合体(A)>
オレフィン系重合体(A)としては、例えば、α−オレフィンの単独重合体、少なくとも2種のα−オレフィンの共重合体、α−オレフィンと該α−オレフィンと共重合可能な他の単量体との共重合体が挙げられる。
上記α−オレフィンとしては、炭素原子数2〜20のα−オレフィン、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン、1−ペンテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−イコセンが挙げられる。
上記α−オレフィンと共重合可能な他の単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸などの不飽和カルボン酸;アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルなどの不飽和カルボン酸エステル;マレイン酸などの多塩基性不飽和カルボン酸;該多塩基性不飽和カルボン酸の酸無水物;1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、ジシクロペンタジエンなどの共役ジエン;ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、1,9−デカジエン、シクロオクタジエン、ノルボルナジエン、メチレンノルボルネン、エチリデンノルボルネン、7−メチル−1,6−オクタジエンなどの非共役ジエンが挙げられる。
オレフィン系重合体(A)の具体例としては、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・1−ブテン共重合体などのエチレン系重合体;プロピレン系重合体;ブテン系重合体;第3級炭素を側鎖に有するα−オレフィン系重合体が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なお、本発明においてオレフィン系重合体とは、該オレフィンに由来する構成単位の含有量が50重量%を超える重合体をいう。
これらの中では、得られる離型フィルムの離型性および耐熱性が優れることから、第3級炭素を側鎖に有するα−オレフィン系重合体およびプロピレン系重合体が好ましく用いられ、第3級炭素を側鎖に有するα−オレフィン系重合体が特に好ましく用いられる。
≪第3級炭素を側鎖に有するα−オレフィン系重合体≫
上記第3級炭素を側鎖に有するα−オレフィン系重合体は、第3級炭素を側鎖に有するα−オレフィンに由来する構成単位を有する重合体であり、剛性および弾性率が良好なフィルムが得られることから、第3級炭素を側鎖に有するα−オレフィンの単独重合体、および第3級炭素を側鎖に有するα−オレフィンとそれ以外の上記の炭素原子数2〜20のα−オレフィンとのランダム共重合体が好ましく、該ランダム共重合体がより好ましい。
上記第3級炭素を側鎖に有するα−オレフィン系重合体において、第3級炭素を側鎖に有するα−オレフィンに由来する構成単位の含有量は、好ましくは80重量%以上、より好ましくは90〜99.9重量%、さらに好ましくは95〜99.9重量%、特に好ましくは97〜99.9重量%であり、第3級炭素を側鎖に有するα−オレフィン以外の炭素原子数2〜20のα−オレフィンに由来する構成単位の含有量は、好ましくは20重量%
以下、より好ましくは0.1〜10重量%、さらに好ましくは0.1〜5重量%、特に好ましくは0.1〜3重量%である。上記第3級炭素を側鎖に有するα−オレフィン系重合体において、該α−オレフィンに由来する構成単位の含有量が前記範囲にあると、上記オレフィン系重合体組成物を用いることにより弾性率の高いフィルムを得ることができる。
上記第3級炭素を側鎖に有するα−オレフィン系重合体としては、例えば、4−メチル−1−ペンテン系重合体、3−メチル−1−ブテン系重合体、4−メチル−1−ヘキセン系重合体、5−メチル−1−ヘキセン系重合体、5−メチル−1−ヘプテン系重合体が挙げられる。これらの中では、得られる離型フィルムの離型性および耐熱性が優れることから、4−メチル−1−ペンテン系重合体が好ましく用いられる。
上記4−メチル−1−ペンテン系重合体が、4−メチル−1−ペンテンとそれ以外の上記の炭素原子数2〜20のα−オレフィンとのランダム共重合体である場合には、剛性および弾性率が良好なフィルムが得られることから、上記の炭素原子数2〜20のα−オレフィンの中では、1−ヘキセン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセンが好ましく、1−デセンが特に好ましい。また、これらのα−オレフィンは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、上記4−メチル−1−ペンテン系重合体の示差走査熱量計によって測定される融点(Tm)は、好ましくは200℃以上、さらに好ましくは220〜245℃、さらに好ましくは225〜245℃である。4−メチル−1−ペンテン系重合体の融点が前記範囲にあると、上記オレフィン系重合体組成物を用いることにより耐熱性に優れ、また弾性率の高いフィルムを得ることができる。
上記4−メチル−1−ペンテン系重合体などの、第3級炭素を側鎖に有するα−オレフィン系重合体は、従来公知の方法で製造することができ、重合触媒や重合方法も特に制限されない。
重合触媒としては、例えば、チーグラー型触媒(担持または非担持ハロゲン含有チタン化合物とアルミニウム化合物との組み合わせに基づく触媒)、フィリップス型触媒(担持酸化クロムに基づく触媒)、カミンスキー型触媒(担持または非担持メタロセン型化合物と、有機アルミニウム化合物、特にアルモキサンとの組み合わせに基づく触媒)が挙げられる。
重合方法としては、上記重合触媒の存在下でのスラリー重合方法、気相流動床重合法、溶液重合法、または圧力が20MPa以上、重合温度が100℃以上での高圧バルク重合法などの公知の重合方法が挙げられる。
具体的には、特開昭61−113604号公報、特開2003−105022号公報に記載されているように、重合触媒の存在下に、4−メチル−1−ペンテンを単独で、または4−メチル−1−ペンテンとそれ以外の炭素原子数2〜20のα−オレフィンとを共重合することで、4−メチル−1−ペンテン系重合体を得ることができる。また、4−メチル−1−ペンテン系重合体以外の第3級炭素を側鎖に有するα−オレフィン系重合体も、前記方法に準じて得ることができる。
≪プロピレン系重合体≫
上記プロピレン系重合体は、剛性および弾性率が良好な離型フィルムが得られることから、プロピレンの単独重合体、およびプロピレンとプロピレン以外の上記の炭素原子数2〜20のα−オレフィンとのランダムまたはブロック共重合体(以下、「プロピレン・α−オレフィン共重合体」ともいう)であることが好ましい。
上記プロピレン単独重合体としては、例えば、立体規則性が高く高結晶性のプロピレン単独重合体、立体規則性が低く非晶性または低結晶性のプロピレン単独重合体が挙げられる。これらの中では、耐熱性に優れるという点から、立体規則性が高く高結晶性のプロピレン単独重合体が好ましい。
また、上記プロピレン・α−オレフィン共重合体の場合には、上記の炭素原子数2〜20のα−オレフィンの中では、エチレン、ブテンが好ましく、エチレンが特に好ましい。また、これらのα−オレフィンは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記プロピレン・α−オレフィン共重合体において、プロピレンに由来する構成単位の含有量は、好ましくは85〜99.9重量%、より好ましくは95〜99.9重量%であり、プロピレン以外の炭素原子数2〜20のα−オレフィンに由来する構成単位の含有量は、好ましくは0.1〜15重量%、より好ましくは0.1〜5重量%である。
また、上記プロピレン系重合体の示差走査熱量計によって測定される融点(Tm)は、好ましくは140℃以上、より好ましくは150〜170℃、さらに好ましくは160〜170℃である。プロピレン系重合体の融点が前記範囲にあると、耐熱性に優れた離型フィルムが得られる。
上記プロピレン系重合体は、従来公知の方法で製造することができ、重合触媒や重合方法も特に制限されず、プロピレンを単独重合、またはプロピレンとそれ以外の炭素原子数2〜20のα−オレフィンとを共重合することにより得ることができる。
重合触媒としては、例えば、周期律表第IV族の遷移金属を用いるメタロセン化合物と、メチルアルミノキサンまたはアルキルアルミニウムもしくはアルキルアルミニウムハライドとからなるメタロセン触媒、バナジウム系触媒、三塩化チタンまたは四塩化チタンを塩化マグネシウムなどのマグネシウム化合物に担持させたチタン系触媒、アニオン重合触媒、ラジカル重合触媒が挙げられる。
重合方法としては、スラリー重合、バルク重合、気相重合、液相重合などの何れの方法でもよい。こうした重合は、バッチ式、セミバッチ式、連続式による何れの方式を採用してもよく、また、単段重合あるいは多段重合の何れの方式を採用してもよい。なお、かかる多段重合においては、上記プロピレン系重合体は、気相重合または液相重合で製造してもよく、気相重合と液相重合とを組み合わせて製造してもよい。また、重合中、水素を導入することにより分子量を調節してもよい。
上記オレフィン系重合体組成物において、硫黄系耐熱安定剤(B)を除いた組成物全体に対するオレフィン系重合体(A)の含有量は、好ましくは70〜100重量%、より好ましくは80〜100重量%である。オレフィン系重合体(A)の含有量が前記範囲にあると、離型性に優れたフィルムを得ることができる。
<硫黄系耐熱安定剤(B)>
硫黄系耐熱安定剤(B)とは、分子中に硫黄原子を含有し、過酸化物分解機能を有する有機化合物をいう。硫黄系耐熱安定剤(B)としては、例えば、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミドなどの硫黄含有アミド類;テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、ジベンゾチアジルジスルフィド、ジオクタデシルジスルフィドなどのジスルフィド類;ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、エチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジ−
n−ブチルジチオカルバミン酸亜鉛などのジチオカルバミン酸亜鉛類;2−メルカプトベンゾチアゾールのシクロヘキシルアミン塩、2−(N,N−ジエチルチオカルバモイルチオ)ベンゾチアゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール、N,N'−ジフェニルチオ
ウレア、下記式(1)で表される基を有する硫黄系耐熱安定剤、下記式(2)で表される硫黄系耐熱安定剤が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中では、下記式(1)で表される基を有する硫黄系耐熱安定剤を用いることが好ましく、特に下記式(1)で表される基を有する硫黄系耐熱安定剤として、下記式(1')で表される硫黄系耐熱安定剤を用いることが好ましい。
1−S−R2−COO− ・・・(1)
式(1)中、R1は炭素原子数が好ましくは3〜20、より好ましくは5〜20の炭化水
素基を表す。また、R2は炭素原子数が好ましくは1〜5、より好ましくは1〜3の二価
の炭化水素基を表す。
(R1−S−R2−COO−CH2−)4C ・・・(1')
式(1')中、R1およびR2はそれぞれ式(1)におけるR1およびR2と同じ意味を表す
。なお、炭素原子に結合している4個の硫黄含有基は、同一でも異なっていてもよい。
上記式(1')で表される硫黄系耐熱安定剤としては、例えば、ペンタ(エリスリチル
−テトラ−β−メルカプトラウリル)プロピオネートが挙げられる。
S(−R4−COOR32 ・・・(2)
式(2)中、R3は炭素原子数が好ましくは12〜18のアルキル基を表し、R3中には硫黄原子が含まれていてもよい。また、R4はアルキルを有してもよい二価の芳香族基、ア
ルキル基を有してもよい二価の脂環族アルキル基、二価のアルキル基または単結合を表す。
上記式(2)で表される化合物としては、例えば、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネート、ジトリデシルチオジプロピオネート、ミリスチルステアリルチオジプロピオネート、ジラウリルチオジ−1,1'−メチルブチレート、ジステアリルチオジブチレートが挙げられる。これらの
中では、ジラウリルチオジプロピオネートが好ましい。
上記オレフィン系重合体組成物において、オレフィン系重合体(A)100重量部に対する硫黄系耐熱安定剤(B)の含有量は、0.5重量部以上、好ましくは0.5〜5.0重量部、より好ましくは0.5〜1.0重量部である。
本発明において、プリント配線基板を製造する際に行われる熱プレス成形工程において、硫黄系耐熱安定剤(B)を上記の量で配合した組成物からなる離型フィルムとして用いることにより、硫黄系耐熱安定剤(B)または該安定剤(B)の反応物(過酸化物など)が回路パターンの接続部上に適量移行し、この移行物が接続部とACFなどとの接着性の向上に寄与していると推定される。このため、硫黄系耐熱安定剤(B)以外の、例えばヒンダードフェノール系やリン系の耐熱安定剤のみを同程度量添加しても本発明ほどの接着性の向上は見られない。
<その他の耐熱安定剤>
上記オレフィン系重合体組成物には、硫黄系耐熱安定剤(B)とともに、本発明の目的を損なわない範囲でその他の耐熱安定剤を配合してもよい。前記その他の耐熱安定剤としては、例えば、フェノール系耐熱安定剤、リン系耐熱安定剤が挙げられる。
上記フェノール系耐熱安定剤としては、例えば、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製、イルガノックス1010)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製、イルガノックス1076)、ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製、イルガノックス259)、3,9−ビス{2−〔3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニロキシ〕−1,1−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5・5]ウンデカン(住友化学製、スミライザーGA80)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールが挙げられる。
これらの中では、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、3,
9−ビス{2−〔3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニロキシ〕−1,1−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5・5]ウンデカン、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールが好ましく、
ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert-ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート]、ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、3,9−ビス{2−〔3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニロキシ〕−1,1−ジメチルエチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5・5]ウンデカン、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールが特に好ましい。
また、上記フェノール系耐熱安定剤の示差走査熱量計によって測定される融点は、好ましくは20〜160℃、より好ましくは30〜150℃、さらに好ましくは40〜140℃である。フェノール系耐熱安定剤の融点が前記範囲にあると、得られる離型フィルムから発生する移行物を少なくすることができる。
上記フェノール系耐熱安定剤の配合量は、オレフィン系重合体(A)100重量部に対して、好ましくは0.01〜0.15重量部、より好ましくは0.02〜0.15重量部、さらに好ましくは0.03〜0.12重量部である。フェノール系耐熱安定剤の配合量が前記範囲にあると、フィルム成形時にオレフィン系重合体(A)の熱分解を低く抑えることができるため、機械的強度に優れた離型フィルムが得られ、かつ、離型フィルムから発生する移行物を少なくすることができる。
上記リン系耐熱安定剤としては、例えば、2,2'−メチレンビス(4,6−ジ−te
rt−ブチルフェニル)オクチルフォスファイト(ADEKA製、アデカスタブHP−10)、ビス[2,4−ビス(1,1−ジメチルエチル)−6−メチルフェニル]エチルエステル亜リン酸塩(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製、イルガフォス38)、ビス−(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製、イルガフォス126)、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製、商品名:イルガフォス168)、ジステアリル[(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル]ホスフォネート(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製、イルガフォス1093)、ジエチル{[(3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロ
キシフェニル)メチル]ホスフォネート}(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製、イルガムド295)、6−〔3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチル)プロポキシ〕−2,4,8,10−テトラ−tert−ブチルジベンズ〔d,f〕〔1,3,2〕−ジオキサホスフェピン(住友化学製、スミライザーGP)、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトール ジフォスファイト(GE製、ウエス
トン624)が挙げられる。
上記リン系耐熱安定剤の配合量は、オレフィン系重合体(A)100重量部に対して、好ましくは0.01〜0.5重量部、より好ましくは0.02〜0.4重量部、さらに好ましくは0.03〜0.3重量部である。リン系耐熱安定剤の配合量が前記範囲にあると、機械的強度に優れた離型フィルムが得られ、かつ、離型フィルムから発生する移行物を少なくすることができる。
<その他の添加物>
上記オレフィン系重合体組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素系樹脂、ポリフェニレンスルフィド、ポリエステルなどの熱可塑性樹脂;ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなどの塩酸吸収剤、耐候安定剤、発錆防止剤、耐銅害安定剤、帯電防止剤、スリップ剤、顔料、染料などのオレフィン系重合体に配合される公知の添加剤を配合してもよい。
<オレフィン系重合体組成物の調製>
上記オレフィン系重合体組成物は、上述の各成分を種々公知の方法、例えば、Vブレンダー、リボンブレンダー、ヘンシェルヘキサー、タンブラーブレンダーで混合して、または該ブレンダーで混合した後、単軸押出機、副軸押出機、ニーダー、バンバリーミキサーなどで溶融混練して造粒または粉砕して得ることができる。
−離型フィルムの構成(単層フィルム)−
本発明で用いられる離型フィルムは、単層フィルムの場合には、上記オレフィン系重合体組成物を種々公知の方法、例えば、単軸押出機、副軸押出機、インフレーション成形などの方法で成形して得ることができる。また、このようにして得られたフィルムを延伸することにより、さらに機械的強度が付与された離型フィルムが得られる。
上記単層フィルムの厚みは、通常は20〜300μm、好ましくは20〜200μmである。離型フィルムの厚みが前記範囲にあれば、フィルムの生産性に優れ、フィルム成形時にピンホールなどを生じることなく、充分な強度を有するフィルムを得ることができる。
−離型フィルムの構成(多層フィルム)−
本発明で用いられる離型フィルムは、多層フィルムの場合には、表面層(α)/必要に応じて設けられる1層以上の中間層/表面層(β)からなり、少なくとも表面層(α)が上記オレフィン系重合体組成物からなる層である。特に、表裏の区別が不要であるため、表面層(α)および(β)が上記オレフィン系重合体組成物からなる層であることが好ましい。
上記多層フィルムを構成する、上記オレフィン系重合体組成物からなる層以外の表面層および中間層は、高い耐熱性を有する熱可塑性樹脂からなることが好ましい。前記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などのポリエステル;ポリアミド−6、ポリアミド−6,6、ポリアミド11、ポリアミド12などのポリアミド;エチレン・アクリル酸エステル共重合体;ポリメチルペンテン;フッ素系樹脂が挙げられる。また、前記熱可塑性樹脂の市販品とし
ては、例えば、ノバデュラン(商品名、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製)、アラミン(商品名、東レ(株)製)、TPX(商品名、三井化学(株)製)が挙げられる。また、これらの熱可塑性樹脂は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、耐熱安定剤、耐候安定剤、発錆防止剤、耐銅害安定剤、帯電防止剤などのポリオレフィン系重合体に配合される公知の添加剤を配合してもよい。なお、上記熱可塑性樹脂および添加剤の混合方法としては、ドライブレンドや押出機による溶融ブレンドなどの公知の方法が挙げられる。
上記多層フィルムは、離型フィルムとして好適に用いることができることから、融点が特定の範囲にある耐熱性樹脂(1)および軟質樹脂(2)を含有する樹脂組成物からなるクッション層を中間層として有することが好ましい。
ここで、クッション層とは、カバーレイフィルムや回路パターンが形成された基板を含む基材表面の凸凹に追従することで、カバーレイフィルムが有する接着剤層が回路パターンの接続部上に溶出すること(はみ出すこと)を防止する、いわゆるクッション性を有する層をいう。
また、一般にその他の樹脂との接着性が弱いオレフィン系重合体(A)を含む上記オレフィン系重合体組成物からなる層と、クッション層との接着性を向上させるために、これらの層間に接着剤層を設けてもよい。このような接着剤としては、例えば、国際公開2006−120983号公報パンフレット(8〜12頁)に記載の樹脂組成物が好ましく用いられる。
<クッション層>
上記クッション層は、融点が190℃以上の耐熱性樹脂(1)、および融点が170℃以下の軟質樹脂(2)を含有する樹脂組成物からなる。また、本発明の目的を損なわない範囲で、融点が170℃を超えて190℃未満である熱可塑性樹脂、耐熱安定剤、耐候安定剤、発錆防止剤、耐銅害安定剤、帯電防止剤などのポリオレフィンに配合される公知の添加剤を配合してもよい。
上記樹脂組成物において、耐熱性樹脂(1)の含有量は、好ましくは10〜50重量%、より好ましくは10〜45重量%、さらに好ましくは15〜40重量%である。また、軟質樹脂(2)の含有量は、好ましくは50〜90重量%、より好ましくは55〜90重量%、さらに好ましくは60〜85重量%である。なお、前記耐熱性樹脂および軟質樹脂と、上記添加剤との合計を100重量%とする。
また、上記樹脂組成物の、ASTM D1238に準じ、荷重2.16kg、温度230℃で測定されるメルトフローレート(MFR)は、通常は0.4〜10g/10分、好ましくは0.4〜9g/10分、より好ましくは0.4〜5g/10分、さらに好ましくは0.5〜4g/10分、特に好ましくは0.5〜3g/10分である。
上記樹脂組成物からなるクッション層を有する多層フィルムを、上記熱プレス成形工程において離型フィルムとして用いることで、カバーレイフィルムが有する接着剤層や、該多層フィルム自体が有する接着剤層のはみ出しを防止できるとともに、クッション層自体のはみ出しも防止することができる。
≪耐熱性樹脂(1)≫
耐熱性樹脂(1)は、示差走査熱量計によって測定される融点が190℃以上、好まし
くは190〜250℃、さらに好ましくは200〜250℃の樹脂である。融点が190℃以上であると、上記熱プレス成形工程において該樹脂が溶出することなく、クッション層のはみ出しを低減することができる。また、融点が250℃以下であると、押出機を用いて溶融混練することにより、耐熱性樹脂(1)と軟質樹脂(2)との分散性が良好な樹脂組成物を得ることができる。
また、耐熱性樹脂(1)の、ASTM D1238に準じ、荷重5kg、温度260℃で測定されるメルトフローレート(MFR)は、通常は0.5〜200g/10分、好ましくは1〜150g/10分、より好ましくは10〜100g/10分である。
上記の条件を満たす耐熱性樹脂(1)としては、例えば、上述のオレフィン系重合体組成物で例示した4−メチル−1−ペンテン系重合体;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などのポリエステル;ポリアミド−6、ポリアミド−6,6、ポリアミド11、ポリアミド12などのポリアミドが挙げられる。これらの樹脂は市場から容易に入手することができ、例えば、ノバデュラン(商品名、三菱エンプラ(株)製)、アミラン(商品名、東レ(株)製)が挙げられる。また、これらの耐熱性樹脂(1)は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
≪軟質樹脂(2)≫
軟質樹脂(2)は、融点が170℃以下、好ましくは70〜170℃、さらに好ましくは80〜165℃、特に好ましくは90〜130℃の樹脂である。軟質樹脂(2)は融点が低く、上記熱プレス成形工程において該樹脂(2)が容易に変形して、回路パターンが形成された基板を含む基材表面の凹凸に追従し、カバーレイフィルムが有する接着剤層が回路パターンの接続部上に溶出することを防止する、いわゆるクッション機能を有する樹脂である。
軟質樹脂(2)の融点が170℃以下であれば、上記熱プレス成形工程において該樹脂(2)が容易に変形して回路パターンが形成された基板を含む基材表面の凹凸に追従することができる。また、融点が70℃以上であれば、軟質樹脂(2)が多量に溶出することがなく、クッション層のはみ出しを少なくできる。
また、軟質樹脂(2)の、ASTM D1238に準じ、荷重2.16kg、温度230℃で測定されるメルトフローレート(MFR)は、通常は0.8〜25g/10分、好ましくは1〜20g/10分、より好ましくは1〜15g/10分である。
上記の条件を満たす軟質樹脂(2)としては、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、プロピレンの単独重合体、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・プロピレン・ブテン共重合体、ブテンの単独重合体、エチレン・ブテン共重合体、プロピレン・ブテン共重合体が挙げられる。また、耐熱性樹脂(1)としてポリエステルやポリアミドを用いる場合、該樹脂(1)との相溶性を良くするために、これらの軟質樹脂を不飽和カルボン酸やその誘導体によりグラフト変性した樹脂を用いてもよい。
また、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、エチレン・メタクリル酸エステル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体、およびこれらの部分イオン架橋物が挙げられる。
これらの中では、温度130℃付近で溶融することから、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン(エチレンに由来する構成単位の含有量が80重量%以上の、エチレンと炭素原子数3〜10のα−オレフィンとの共重合体)、プロピレンの単独重合体、プ
ロピレン・ブテン共重合体、および無水マレイン酸でグラフト変性したポリエチレンが好ましい。
これらの軟質樹脂(2)は市場から容易に入手することができ、例えば、エバフレックス(商品名、三井デュポンポリケミカル(株)製)、ニュクレル、エバテート、スミテート(商品名、住友化学(株)製)が挙げられる。また、これらの軟質樹脂(2)は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
≪多層フィルムの製造≫
上記多層フィルムは、Tダイ装置を用いた共押出成形法、加熱プレス法や溶媒キャスト法で各層を単層で製膜し、これを積層して加熱圧着する方法などの公知の方法によって製造できる。これらの中では、各層の膜厚を均一にでき、また幅広の多層フィルムが得られる点で、Tダイ装置を用いた共押出成形法が好ましい。
上記多層フィルムは、その全厚みが通常は20〜300μm、好ましくは20〜200μmであり、上記オレフィン系重合体組成物からなる層の厚み(表面層(α)および(β)がともに該組成物からなる層である場合には、それぞれの層の厚み)が通常は5〜50μm、好ましくは10〜30μmである。また、中間層としてクッション層を設ける場合には、その厚みが通常は10〜200μm、好ましくは10〜140μmである。多層フィルムの全厚みおよび各層の厚みが前記範囲にあると、適度なクッション性を有し、成形時にピンホールなどを生じることなく、充分な強度を有する多層フィルムを得ることができる。
次に本発明のプリント配線基板の製造方法について実施例を示してさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、以下の実施例では、離型フィルムを剥離した後に行われる電子部品の実装工程において、プリント配線基板とACFとの接着強度が向上するという本発明の効果を端的に示すため、ポリイミドフィルムからなる基材とACFとの接着強度を評価した。
<融点(Tm)>
オレフィン系重合体(A)の融点(Tm)は以下のようにして測定した。
示差走査熱量計(DSC)(パーキンエルマー社製、PYRIS−I型)を用い、試料5mgを窒素雰囲気下、280℃で5分間加熱して溶融させた後、20℃/分の降温速度で室温まで冷却して結晶化させ、室温にて10分間保った後、10℃/分の昇温速度で加熱した際の試料の吸熱曲線を求め、そのピーク温度を試料の融点とした。
[実施例1]
(1)オレフィン系重合体組成物の製造
オレフィン系重合体(A)として4−メチル−1−ペンテン・1−デセン共重合体粉末(1−デセン由来の構成単位の含有量=3.0重量%、融点230℃)100重量部、硫黄系耐熱安定剤(B)としてペンタ(エリスリチル−テトラ−β−メルカプトラウリル)プロピオネート(シプロ化成(株)、商品名:シーノックス412S)0.5重量部、その他の耐熱安定剤としてテトラキス(メチレン−3(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)メタン(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)、商品名:イルガノックス1010)0.12重量部、およびステアリン酸亜鉛(堺化学(株)、SZ−2000)0.03重量部を混合し、タンブラーにて20分間攪拌した。得られた混合物を2軸押出機を用いて280℃の条件で溶融混練し、オレフィン系重合体組成物からなるペレットを得た。
(2)離型フィルムの製造
上記ペレットを用いて、下記条件により離型フィルムを製造した。
押出機:サーモプラスティックス工業(株)社製、30mmφ
シリンダー温度:C1/C2/C3/C4/DA/D1/D2=300/310/310/310/310/310/310(℃)
冷却ロール温度:60℃
引取速度:7m/分
膜厚:50μm
(3)基材と離型フィルムとの積層
プリント配線基板としてネオフレックス(登録商標)NFX−2ABEPFE(25T、三井化学(株)製、構成:銅箔/ポリイミド/銅箔)を用い、これを40ポーメ・35℃に設定された塩化第二鉄水溶液中に10分間浸漬することで銅箔層を完全にエッチングオフし、ポリイミドフィルムを得た。
次いで、上記ポリイミドフィルムと上記離型フィルムとを積層し、温度200℃、圧力5MPaの条件で90分間熱プレスを行い、積層物を得た。
(4)電子部品の実装
上記積層物から上記離型フィルムを剥離し、次いでポリイミドフィルムを短冊状に切り出した。この短冊状ポリイミドフィルムとダミーチップとを、ACF(ソニーケミカル(株)製、FP16613 7.5mm幅)を介して、温度80℃にて10秒間仮圧着し、さらに、温度230℃、荷重15kg/cm2(1.47MPa)の条件で10秒間熱圧
着を行い、チップが実装されたプリント配線基板(実装済み基板)を製造した。
(5)電子部品の実装性の評価
上記実装済み基板に対して、23℃、100mm/minにて90°ピール試験を行い、ポリイミドフィルムとACFとの接着強度を測定した。結果を表1に示す。
[実施例2]
実施例1において、ペンタ(エリスリチル−テトラ−β−メルカプトラウリル)プロピオネートの配合量を1.0重量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして、実装済み基板を製造した。前記実装済み基板に対して、実施例1と同様にして電子部品の実装性の評価を行った。結果を表1に示す。
[比較例1]
実施例1において、ペンタ(エリスリチル−テトラ−β−メルカプトラウリル)プロピオネートの配合量を0.2重量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして、実装済み基板を製造した。前記実装済み基板に対して、実施例1と同様にして電子部品の実装性の評価を行った。結果を表1に示す。
[比較例2]
実施例1において、硫黄系耐熱安定剤(B)に代えてリン系耐熱安定剤としてトリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)、商品名:イルガフォス168)0.5重量部を配合したこと以外は実施例1と同様にして、実装済み基板を製造した。前記実装済み基板に対して、実施例1と同様にして電子部品の実装性の評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 0005270989
本発明の第2のプリント配線基板の製造方法における、積層工程を示す説明図である。 本発明の第2のプリント配線基板の製造方法における、熱プレス成型工程を示す説明図である。 プリント配線基板の実装工程を示す説明図である。 本発明の第3のプリント配線基板の製造方法における、補強板を基材へ積層する態様を示す説明図である。
符号の説明
00・・・基材
10・・・基板
20・・・回路パターン
21・・・接続部
22・・・被覆部
30・・・熱硬化性接着剤からなる接着剤層
40・・・カバーレイ層
45・・・カバーレイフィルム
46・・・補強板
50・・・積層体
60・・・離型フィルム
61・・・オレフィン系重合体組成物からなる層
70・・・熱プレス板
80・・・プリント配線基板
90・・・異方導電性フィルム(ACF)
100・・・電子部品
110・・・実装済み基板

Claims (4)

  1. 回路パターンが形成された基板を含む基材に対し、該基材と熱プレス板との間に離型フィルムを介在させて熱プレスを行う熱プレス成形工程を有するプリント配線基板の製造方法であって、
    前記熱プレス成形工程において、該離型フィルムとして、少なくとも一方の表面層が、オレフィン系重合体(A)と硫黄系耐熱安定剤(B)とを含有するオレフィン系重合体組成物であって、該オレフィン系重合体(A)が、4−メチル−1−ペンテン系重合体であり、該オレフィン系重合体(A)100重量部に対する該硫黄系耐熱安定剤(B)の含有量が0.5重量部以上であるオレフィン系重合体組成物からなる層であるフィルムを用い、かつ
    該オレフィン系重合体組成物からなる層と、該基材が有する、回路パターンの一部が基材表面に露出した接続部とが当接するように、該離型フィルムを熱プレス板と基材との間に介在させることを特徴とするプリント配線基板の製造方法。
  2. 回路パターンが形成された基板を含む基材にカバーレイフィルムを積層して積層体を形成する工程、および該積層体と熱プレス板との間に離型フィルムを介在させて熱プレスを行う熱プレス成形工程を有するプリント配線基板の製造方法であって、
    前記熱プレス成形工程において、該離型フィルムとして、少なくとも一方の表面層が、オレフィン系重合体(A)と硫黄系耐熱安定剤(B)とを含有するオレフィン系重合体組成物であって、該オレフィン系重合体(A)が、4−メチル−1−ペンテン系重合体であり、該オレフィン系重合体(A)100重量部に対する該硫黄系耐熱安定剤(B)の含有量が0.5重量部以上であるオレフィン系重合体組成物からなる層であるフィルムを用い、かつ
    該オレフィン系重合体組成物からなる層と、該積層体が有する、回路パターンの一部が積層体表面に露出した接続部とが当接するように、該離型フィルムを熱プレス板と積層体との間に介在させることを特徴とするプリント配線基板の製造方法。
  3. 回路パターンが形成された基板を含む基材に補強板を積層して積層体を形成する工程、および該積層体と熱プレス板との間に離型フィルムを介在させて熱プレスを行う熱プレス成形工程を有するプリント配線基板の製造方法であって、
    前記熱プレス成形工程において、該離型フィルムとして、少なくとも一方の表面層が、オレフィン系重合体(A)と硫黄系耐熱安定剤(B)とを含有するオレフィン系重合体組成物であって、該オレフィン系重合体(A)が、4−メチル−1−ペンテン系重合体であり、該オレフィン系重合体(A)100重量部に対する該硫黄系耐熱安定剤(B)の含有量が0.5重量部以上であるオレフィン系重合体組成物からなる層であるフィルムを用い、かつ
    該オレフィン系重合体組成物からなる層と、該積層体が有する、回路パターンの一部が積層体表面に露出した接続部とが当接するように、該離型フィルムを熱プレス板と積層体との間に介在させることを特徴とするプリント配線基板の製造方法。
  4. 前記オレフィン系重合体(A)100重量部に対する前記硫黄系耐熱安定剤(B)の含有量が、0.5〜5.0重量部であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のプリント配線基板の製造方法。
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