JP7246998B2 - プリント基板の製造方法、プリント基板製造装置、及びプリント基板 - Google Patents
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本発明の製造方法は、その材料フィルムがロールから巻き出され、製造されたフレキシブルプリント基板がロールに巻き取られる、いわゆるロール・トゥ・ロール方式でのフレキシブルプリント基板の製造に、特に好適に使用される。
加えて近年、プリント基板製造プロセスの生産性向上のため、自動化に適したロールトゥロール方式が採用されるようになってきている(例えば、引用文献1参照)。この方式においては、シワが発生し易い傾向にあり、プリント基板製造プロセスにおけるシワ抑制も従来技術よりも一層高いレベルのものが求められている。
すなわち、プリント配線基板上の回路パターンの微細化、及び生産性の向上、という近年のますます増大する要求に応えるため、特にフレキシブルプリント基板の製造プロセスにおいては、従来技術よりも更に高いレベルで、離型性、接着剤の流出防止、及び離型フィルムのシワ発生の防止、を兼ね備えることが求められるに至っている。
すなわち本発明、並びにその好適な態様及び実施形態は、下記[1]から[14]に記載のとおりである。
樹脂基材(A1)上に金属配線パターン(A2)が形成された回路基材(A)と、
樹脂基材(B1)上に接着剤層(B2)が形成されたカバーレイフィルム(B)と、
厚さ15μm以下の離型層(C1)と中間層(C2)とを含むプロセス用離型フィルム(C)と、
をこの順で重ね合わせる工程(I)と、
重ね合わされた回路基材(A)とカバーレイフィルム(B)とを加熱加圧して貼り合わせる工程であって、少なくともカバーレイフィルム(B)側についてはプロセス用離型フィルム(C)を介して加熱加圧を行なうことで、回路基材(A)とカバーレイフィルム(B)とが貼り合わされる工程(II)と、
貼り合わされた回路基材(A)とカバーレイフィルム(B)から、プロセス用離型フィルム(C)を剥離する工程(III)とを有する、
プリント基板の製造方法。
[2]
製造されるプリント基板がフレキシブルプリント基板である、[1]に記載のプリント基板の製造方法。
[3]
工程(I)の前に、回路基材(A)、カバーレイフィルム(B)、及びプロセス用離型フィルム(C)の少なくとも一部が、ロールから巻き出され、
工程(III)の後に、貼り合わされた回路基材(A)とカバーレイフィルム(B)が、ロールに巻き取られる、
[2]に記載のプリント基板の製造方法。
[4]
カバーレイフィルム(B)が仮ラミネートされた回路基材(A)が1のロールから巻き出され、プロセス用離型フィルム(B)が他の1のロールから巻きだされる、[3]に記載のプリント基板の製造方法。
[5]
金属配線パターン(A2)が、ライン幅及びスペース幅の少なくとも一方が100μm以下である部分を有する、
[1]から[4]のいずれか一項に記載のプリント基板の製造方法。
[6]
カバーレイフィルム(B)が開口部を有し、貼り合わされた回路基材(A)とカバーレイフィルム(B)において、開口部を通じて金属配線パターン(A2)が露出する、
[1]から[5]のいずれか一項に記載のプリント基板の製造方法。
[7]
工程(I)において、更にプロセス用離型フィルム(C’)が、プロセス用離型フィルム(C’)/回路基材(A)/カバーレイフィルム(B)/プロセス用離型フィルム(C)の順で重ね合わされ、
工程(II)において、加熱加圧がプロセス用離型フィルム(C’)を介しても行なわれ、
工程(III)、貼り合わされた回路基材(A)とカバーレイフィルム(B)から、プロセス用離型フィルム(C’)も剥離される、
[1]から[6]のいずれか一項に記載のプリント基板の製造方法。
[8]
樹脂基材(A1)が、ポリイミド樹脂又はポリエステル樹脂を含有する、[1]から[7]のいずれか一項に記載のプリント基板の製造方法。
[9]
樹脂基材(B1)が、ポリイミド樹脂又はポリエステル樹脂を含有する、[1]から[8のいずれか一項に記載のプリント基板の製造方法。
[10]
接着剤層(B2)が、エポキシ系、アクリル系、ポリエステル系、又はイミド系の接着剤を含有する、[1]から[9]のいずれか一項に記載のプリント基板の製造方法。
[11]
離型層(C1)の表面の水に対する接触角が60°から130°である、[1]から[10]のいずれか一項に記載のプリント基板の製造方法。
[12]
中間層(C2)の180℃で測定される引張弾性率が11MPa以上である、[1]から[11]のいずれか一項に記載のプリント基板の製造方法。
[13]
樹脂基材(A1)上に金属配線パターン(A2)が形成された回路基材(A)と、
樹脂基材(B1)上に接着剤層(B2)が形成されたカバーレイフィルム(B)と、
離型層(C1)と中間層(C2)とを含むプロセス用離型フィルム(C)と、
をこの順で重ね合わせる手段と、
プロセス用離型フィルム(C)を介して加熱加圧を行なうことで、重ね合わされた回路基材(A)とカバーレイフィルム(B)とを加熱加圧して貼り合わせる手段と、
貼り合わされた回路基材(A)とカバーレイフィルム(B)から、プロセス用離型フィルム(C)を剥離する手段とを有する、
プリント基板の製造装置。
[14]
フレキシブルプリント基板の製造に用いられる、[13]に記載のプリント基板の製造装置。
[15]
回路基材(A)を連続的に供給する巻き出し手段、カバーレイフィルム(B)を連続的に供給する巻き出し手段、及びプロセス用離型フィルム(C)を連続的に供給する巻き出し手段の少なくとも一部、並びに貼り合わされた回路基材(A)とカバーレイフィルム(B)を連続的に巻き取る巻き取り手段、を更に有する、
[14]に記載のプリント基板の製造装置。
[16]
[1]から[12]のいずれか一項に記載のプリント基板の製造方法によって製造されたプリント基板。
[17]
[16]に記載のプリント基板を有する、電気電子機器、輸送機械、又は生産機械。
樹脂基材(B1)上に接着剤層(B2)が形成されたカバーレイフィルム(B)と、
厚さ15μm以下の離型層(C1)と中間層(C2)とを含むプロセス用離型フィルム(C)と、
をこの順で重ね合わせる工程(I)と、
重ね合わされた回路基材(A)とカバーレイフィルム(B)とを加熱加圧して貼り合わせる工程であって、少なくともカバーレイフィルム(B)側についてはプロセス用離型フィルム(C)を介して加熱加圧を行なうことで、回路基材(A)とカバーレイフィルム(B)とが貼り合わされる工程(II)と、
貼り合わされた回路基材(A)とカバーレイフィルム(B)から、プロセス用離型フィルム(C)を剥離する工程(III)とを有する、
プリント基板の製造方法、である。
以下、図面を参照しながら、本発明のプリントの基板製造方法について説明する。
図1から3中、樹脂基材151は樹脂基材(A1)に相当し、その上に形成された金属配線パターン152は金属配線パターン(A2)に相当し、これらで構成される回路基材15は、回路基材(A)に相当する。
また図1から3中、樹脂基材161は樹脂基材(B1)に相当し、その上に形成された接着剤層162は接着剤層(B2)に相当し、これらで構成されるカバーレイフィルム16にはカバーレイフィルム(B)に相当する。カバーレイフィルム中には開口部が形成されており、金属配線パターン152の一部を、開口部を通じて上方からアクセス可能な様に露出させることができる。
更に図1から3中、プロセス用離型フィルム11a及び11bは、それぞれプロセス用離型フィルム(C)及び(C’)に相当し、図示されない離型層(C1)と中間層(C2)とを含んでいる。プロセス用離型フィルム(C)は、ロールから巻き出されて使用され、その後ロールに巻き取られることが好ましいが、本発明の製造方法はその様な態様に限定されるものではない。
以下、各工程をより具体的に説明する。
本実施形態の製造方法中の重ね合わせ工程(I)においては、まず図1示すように、樹脂基材151上に金属配線パターン152が形成された回路基材15と、樹脂基材161上に接着剤層162が形成されたカバーレイフィルム16とが、金属配線パターン152と接着剤層162とが対向する様に重ねあわされる。
重ね合わされた回路基材15及びカバーレイフィルム16は、貼り合わせのための熱及び圧力を供給する熱盤17aと熱盤17bとの間に配置される。その際、重ね合わされた回路基材15及びカバーレイフィルム16の両面と、熱盤との間に、プロセス用離型フィルム11b及び11aが、それぞれ配置される。
次に、図2に示すように、熱盤17a及び熱盤17bを用いて、プロセス用離型フィルム11a及び11bを介して、重ね合わされた回路基材15及びカバーレイフィルム16を加熱加圧する。
この結果、接着剤層162が加熱加圧によって流動化し、金属配線パターン152の層における空間を埋めるように流動する。更に流動が進むと、樹脂基材151と樹脂基材161との間の空間は接着剤で充填されるので、基材151と基材161とが接着され、回路基材15とカバーレイフィルム16との貼り合わせが実現される。
加熱加圧における温度は、160℃以上であることが好ましく、170℃以上であることが特に好ましい。一方、200℃以下であることが好ましく、190℃以下であることが特に好ましい。
また、圧力は、8MPa以上であることが好ましく、9MPa以上であることが特に好ましい。一方、12MPa以下であることが好ましく、11MPa以下であることが特に好ましい。
本発明の製造方法においては、追従性に優れるプロセス用離型フィルム11aを用いるので、この際に、樹脂基材151、金属配線パターン152、樹脂基材161、及び接着剤層162が形成する段差形状に忠実に追従し、段差形状により形成された空間を充填することができるという優れた技術的効果を示す(図2)。
より具体的には、図4は、上記実施態様におけるカバーレイフィルム開口部付近を示す斜視図である。
図4(a)は、重ね合わせ工程(I)における状態を示したものであり、金属配線パターン452が樹脂基材451上に形成された回路基材(A)上に、接着剤層462及び樹脂基材461で構成されたカバーレイ(B)が重ねあわされている。
カバーレイフィルムは開口部の周縁部であり、開口部46bと非開口部46aとが図4(a)中に示されており、開口部46bには、金属配線パターン452が露出している。
その後、張り合わせ工程(II)において、接着剤層462が加熱加圧によって流動化し、金属配線パターン452の層における空間を充填する様に流動する。
図4(b)は充填が理想的に行なわれた場合を示すもので、非開口部46aにおける空間が接着剤層462で充填される一方で、開口部46bに接着剤の流れ出しは認められず、金属配線パターン452が開口部46b全面にわたってアクセス可能となっている。
一方、4(c)は充填が必ずしも適切に実施できなかった場合を示すもので、開口部46bにおいて、金属配線パターン452上を流出した接着剤462’が覆っている。
カバーレイに開口部が設けられる目的の代表的なものは、金属配線パターンを電極として使用するためにこれと導通を得ることである。このとき、流出した接着剤が、開口部における金属配線パターン452上で硬化すれば、当該金属配線パターン452への導通の妨げとなり得るので、プリント配線基板の歩留まりの低下等をもたらす懸念がある。
金属配線パターンのライン幅、スペース幅が小さいほど、言い換えれば集積度が高いほど、流出した接着剤の影響は大きく、また充填すべき凹凸形状も微細複雑になるので、接着剤の流出が起こりやすくなる。したがって、その様な高集積度のプリント基板を製造する際に、本発明の製造方法は特に好適である。
接着剤層162が熱硬化性樹脂からなる場合、加熱により熱可塑性樹脂が硬化したならば、図3に示すように熱盤17a及び17bの間隔を広げ、貼り合わされた回路基材15及びカバーレイフィルム16を取り出す。
この際、本発明の製造方法では、離型性が良好なプロセス用離型フィルムを用いるのでで、貼り合わされた回路基材15及びカバーレイフィルム16に過大な又は不必要な応力が加えられることなく、取り出しを行なうことができるので、貼り合わされた回路基材15及びカバーレイフィルム16の破損等が有効に抑制される。特に複雑な段差形状を有するカバーレイフィルム16の開口部において、設計どおりの形状、パターンを維持することが容易となる。
より具体的には、例えば、図6に示すように、枚葉状のカバーレイフィルム66を予め仮ラミネートして一体化した回路基材65をロールから巻き出して供給するとともに、回路基材65及びカバーレイフィルム66を貼り合わせたプリント基板をロールに巻き取ることで、高い生産性でFPCを製造することができる。このとき、カバーレイフィルム66として枚葉状のカバーレイフィルムを使用して、これを回路基材65に仮ラミネートすると、巻取り時に回路基材との位置合わせのずれ等を生じにくいので好ましい。
その際、プロセス用離型フィルム61a及び61bも、ロールから巻き出して供給するとともに、使用後にロールに巻き取り回収することが好ましい。
なお、図6においては、カバーレイ66が、回路基材65の両面に仮ラミネートされているが、カバーレイを回路基材の片面のみに仮ラミネートしてもよく、あるいはカバーレイを仮ラミネートせずに、回路基材とは別のロールから供給することもできる。
回路基材65とカバーレイフィルム66との貼り合わせは、図1から3を参照して説明したプロセスと同様に、2つの熱盤(67a及び67b)を用いて加熱加圧することで行うことができる。例えば、上述の図1から図3を用いて説明したのと同様のプロセスで貼り合わせを行なった後に、紙面横方向の熱盤の寸法と略同じ距離だけ、回路基材85、カバーレイフィルム66、並びにプロセス用離型フィルム61a及び61bを送り、同様の貼り合わせを行なうことができる。
この様な貼り合わせと送りとを交互に繰り返すことで、高い生産性で、回路基材とカバーレイフィルムとが貼り合わされたFPCを製造することができる。
以下、本発明の製造方法において使用される回路基材(A)、カバーレイフィルム(B)、及びプロセス用離型フィルム(C)の詳細について説明する。
本発明の製造方法で使用する回路基材(A)は、樹脂基材(A1)上に金属配線パターン(A2)が形成された構造を有する。樹脂基材(A1)は可撓性を有することが好ましく、すなわち柔軟性樹脂基材であることが好ましい。
ここで、樹脂基材(A1)の材料には特に制限はなく、金属配線パターン(A2)間の絶縁を確保でき、かつ用途との関係で必要な可撓性/形状を有する材料であれば、適宜使用することが可能である。中でも、可撓性を有すると共に耐薬品性及び耐熱性を有する材料を好ましく用いることができる。
樹脂基材(A1)の具体的な材料としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド等を挙げることができ、特に、ポリエステル、及びポリイミドが、コスト、及び耐熱性等のバランスの点で好ましい。
樹脂基材(A1)の厚みには特に制限は無いが、強度確保等の観点から、12μm以上であることが好ましく、20μm以上であることが特に好ましい。一方、可撓性、ロール・トゥ・ロールプロセスへの適合性、コスト等の観点から、75μm以下であることが好ましく、50μm以下であることが特に好ましい。
金属配線パターン(A2)は、樹脂基材(A1)上に形成された導電体層をフォトリソグラフィー等によりパターニングして形成することができる。
金属配線パターン(A2)の材質にも特に限定は無いが、導電性及び加工性に優れた金属を使用することが好ましく、導電性、加工性、安定性等の観点から、銅を使用することが特に好ましい。金属配線パターン(A2)上には、電気メッキ等によるメッキ層を形成することができる。
金属配線パターン(A2)のライン幅にも特に制限は無いが、集積度向上等の観点から100μm以下であることが好ましく、90μm以下であることが特に好ましい。一方、導電性やプロセスの容易さ等の観点から、10μm以上であることが好ましく、20μm以上であることが特に好ましい。
金属配線パターン(A2)のスペース幅にも特に制限は無いが、集積度向上等の観点から100μm以下であることが好ましく、90μm以下であることが特に好ましい。一方、導電性やプロセスの容易さ等の観点から、10μm以上であることが好ましく、20μm以上であることが特に好ましい。
カバーレイフィルム(B)を構成する樹脂基材(B1)には特に制限はないが、例えば、回路基材(A)を構成する樹脂基材(A1)に用いたものと同一あるいは類似の材料及び厚みを有するポリエステルフィルム又はポリイミドフィルムを用いることができる。
樹脂基材(A1)同様に、樹脂基材(B1)も可撓性を有することが好ましく、すなわち柔軟性樹脂基材であることが好ましい。
カバーレイフィルム(B)を構成する接着剤層(B2)にも特に制限はないが、エポキシ系、アクリル系、ポリエステル系、又はイミド系の接着剤を使用することが好ましく、特にエポキシ系の接着剤を使用することが好ましい。
接着剤層(B2)の厚みには特に制限は無いが、金属配線パターンの厚みや金属配線との接着性等の観点から、10μm以上であることが好ましく、15μm以上であることが特に好ましい。一方、金属配線上への流出防止等の観点から、40μm以下であることが好ましく、35μm以下であることが特に好ましい。
カバーレイフィルム(B)には開口部を設けることが好ましく、回路基材(A)との積層後に、当該開口部を通じて金属配線パターン(A2)との導通を確保できる事が好ましい。
本発明の製造方法で使用されるプロセス用離型フィルム(C)は、少なくとも離型層(C1)と中間層(C2)とを含む、プロセス用離型フィルムであって、離型層(A)の厚みが15μm以下であるプロセス用離型フィルムである。また、中間層(C2)の180℃における引張弾性率は、11MPa以上であることが好ましい。
すなわち、プロセス用離型フィルム(C)(以下、単に「離型フィルム」ともいう)は、離型性を有する離型層(C1)、及び該離型層を支持する中間層(C2)、を含む積層フィルムの構成を有する。
プロセス用離型フィルム(C)を構成する離型層(C1)には、従来よりプロセス用離型フィルムに、又はその表面の離型層に使用されている、各種の材料を使用することができる。また、それら各種の材料と同等の離型性を有する材料を使用することもできる。
離型性の観点から、離型層(C1)の水に対する接触角は、60°から130°であることが好ましく、90°から130°であることがより好ましく、95°から120°であることが更に好ましく、より好ましくは98°から115°であることが特に好ましく、100°から110°であることが一層好ましい。
離型性に優れること、入手の容易さなどから、離型層(C1)は、フッ素樹脂、4-メチル-1-ペンテン(共)重合体、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリスチレン系樹脂等を含有することが好ましく、4-メチル-1-ペンテン(共)重合体、フッ素樹脂、ポリブチレンテレフタレートからなる群より選ばれる少なくとも一種の樹脂を含有することが特に好ましい。
チル-1-ペンテンに可とう性を付与し得る。炭素原子数2~20のオレフィンの例には、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-デセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-ヘプタデセン、1-オクタデセン、1-エイコセン等が含まれる。これらのオレフィンは、1種のみを用いてもよいし、2種以上を組み合せて用いてもよい。
離型層(C1)に用いることができるポリブチレンテレフタレート樹脂としては、例えば、東レ社から、商品名トレコン1200M、トレコン1100M等として、三菱エンジニアリングプラスチック社から、商品名ノバデュラン5010CS、ノバデュラン5020等として、製造・販売されている。
ポリスチレン系樹脂は、アイソタクチックポリスチレンであってもシンジオタクチックポリスチレンであってもよいが、透明性、入手の容易さなどの観点からはアイソタクチックポリスチレンが好ましく、離型性、耐熱性などの観点からは、シンジオタクチックポリスチレンが好ましい。ポリスチレンは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
離型層(C1)の厚みには特に下限は存在しないが、製膜、積層の容易性や、破損の防止等の観点から、通常は2μm以上とすることが便宜であり、3μm以上であることが好ましく、4μm以上であることがより好ましい。
また、厚みとの関係においては、離型層(C1)の厚みと弾性率との積が所定範囲内であることが好ましい。より具体的には、一層良好な追従性を得る観点から、離型層(C1)の厚みと180℃での弾性率との積は、1000Pa・m以下であることが好ましく、900Pa・m以下であることがより好ましい。一方、フィルム自体の剛性を確保し、一層良好な耐シワ性を得る観点から、離型層(C1)の厚みと180℃での弾性率との積は、200Pa・m以上であることが好ましく、250Pa・m以上であることがより好ましい。
離型層(C1)に結晶性をもたらすため、例えばフッ素樹脂においてはテトラフルオロエチレンから導かれる構成単位を少なくとも含むことが好ましく、4-メチル-1-ペンテン(共)重合体においては4-メチル-1-ペンテンから導かれる構成単位を少なくとも含むことが好ましく、ポリスチレン系樹脂においてはシンジオタクチックポリスチレンを少なくとも含むことが好ましい。離型層(C1)を構成する樹脂に結晶成分が含まれることにより、樹脂封止工程等においてシワが発生し難く、シワが成形品に転写されて外観不良を生じることを抑制するのに好適である。
本発明の製造方法で使用されるプロセス用離型フィルム(C)は、離型層(C1)及び中間層(C2)に加えて、更に離型層(C3)を有していてもよい。すなわち、プロセス用離型フィルム(C)は、離型層(C1)と、中間層(C2)と、離型層(C3)とをこの順で含む積層フィルムであるプロセス用離型フィルムであってもよい。
離型層(C3)を構成する好ましい樹脂の詳細は、離型層(C1)に関して上記で説明したものと同様である。
離型層(C3)の好ましい融点、弾性率、弾性率と厚みとの積、結晶融解熱量、等の好ましい物性も、離型層(C1)に関して上記で説明したものと同様である。離型層(C3’)への好ましい添加成分、及び添加量、並びに好ましい表面処理等も、離型層(C1)に関して上記で説明したものと同様である。
反りの防止や、いずれの面も同様の離型性を有することによる取り扱いの容易さ等の観点からは、離型層(C1)と離型層(C3)とは同一または略同一の構成であることが好ましく、離型層(C1)と離型層(C3)とを使用するプロセスとの関係でそれぞれ最適に設計する観点、例えば、離型層(C1)をプリント配線基板からの離型性に優れたものとし、離型層(C3)を熱盤からの剥離性に優れたものとする等の観点からは、離型層(C1)と離型層(C3)とを異なる構成のものとすることもできる。
離型層(C1)と離型層(C3)とを異なる構成のものとする場合には、離型層(C1)と離型層(C3)とを同一の材料であって厚み等の構成が異なるものとしてもよいし、材料もそれ以外の構成も異なるものとしてもよい。
本発明の製造方法で使用されるプロセス用離型フィルム(C)を構成する中間層(C2)は、離型層(C1)(及び場合により離型層(C3))を支持し、かつプリント配線基板製造時における、電気回路を形成した基材とこれを保護するカバーレイとを貼り合わせの際のシワ発生を抑制する機能を有する。
中間層(C2)に使用される樹脂は、プリント配線基板製造時、特にFPC製造時、の加圧加熱時に衝撃力を緩和するためのクッション機能を示す樹脂であることが好ましい。
プロセス用離型フィルム(C)においては、中間層(C2)の180℃における引張弾性率が11MPa以上であることが好ましい。中間層(C2)の180℃における引張弾性率が11MPa以上であることによって、この実施形態のプロセス用離型フィルムは、比較的薄い離型層(C1)を用いながら、高い耐シワ性を維持することができる。すなわち、この実施形態のプロセス用離型フィルムを用いることで、比較的薄い離型層(C1)によってもたらされる高い追従性と、中間層(C2)が有する所定の引張弾性率によってもたらされる高い耐シワ性とを、一層高いレベルで両立した製造方法が実現される。中間層(C2)の180℃における引張弾性率は、13MPa以上であることが好ましく、15MPaを超えることが特に好ましい。
中間層(C2)の180℃における引張弾性率は、40MPa以下であることがより好ましく、25MPa以下であることが特に好ましい。
中間層(C2)に上記好ましい引張弾性率を付与する観点から、高分子樹脂の全部又は一部は、結晶成分を有する結晶性樹脂であることが好ましい。当該結晶性樹脂として、例えばポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリプロピレン樹脂等を用いることができるが、これらには限定されない。
より具体的には、ポリオレフィン樹脂としては、それぞれ共重合体であってもよい、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ4-メチル-1-ペンテン等、又はそれらの組み合わせを、ポリエステル樹脂としては、エチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等、又はそれらの組み合わせを、ポリアミド樹脂としてはポリアミド6、ポリアミド66等又はそれらの組み合わせを用いることが好ましい。
ポリエチレン、ポリプロピレン、及び4-メチル-1-ペンテン(共)重合体のブレンドにおいては、追従性の観点から、ポリエチレンの量は、ポリエチレン、ポリプロピレン、及び4-メチル-1-ペンテン(共)重合体の合計100質量部に対して、10質量部以上であることが好ましく、20質量部以上であることがより好ましく、30質量部以上であることが更に好ましく、また80質量部以下であることが好ましく、60質量部以下であることがより好ましく、50質量部以下であることが更に好ましい。
ポリエチレン、ポリプロピレン、及び4-メチル-1-ペンテン(共)重合体のブレンドにおいては、密着性や相容性また耐シワ性の観点から、ポリプロピレンの量は、ポリエチレン、ポリプロピレン、及び4-メチル-1-ペンテン(共)重合体の合計100質量部に対して、1質量部以上であることが好ましく、3質量部以上であることがより好ましく、5質量部以上であることが更に好ましく、また60質量部以下であることが好ましく、50質量部以下であることがより好ましく、40質量部以下であることが更に好ましい。
上記ポリエチレン及びポリプロピレンは、両方を使用することを要するものではなく、いずれか一方のみを使用してもよい。
本実施形態のプリント基板製造プロセスにおいては、特にFPC製造時、の加熱加圧工程において中間層(C2)を形成する樹脂(b2)が離型フィルムの積層体から外側のFPC等の銅箔上へはみ出したりすることを容易に抑制することができる。たとえはみ出したとしても該樹脂の銅箔等への付着力は弱いので、FPC等の汚染を抑制することも容易である。
またこの実施形態の離型フィルムはポリイミドフィルム等の樹脂基材(A1)と金属配線パターン(A2)との段差に追従する密着性(追従性)が一層良好なので、接着剤層(B2)からの接着剤の配線パターン(A2)上への流出を、一層効果的に防止することができる。
この実施形態においては、中間層(C2)を、一般により硬質である離型層(C1)で被覆したことによって、プリント基板製造時に離型フィルム(C)を介してプリント基板を加熱加圧する工程で離型フィルム(C)の中間層(C2)が外部へはみ出してプリント基板等を汚染したり、プレス熱盤にはみ出した樹脂が付着したりすることを、効果的に防止できる。
また、厚みとの関係においては、中間層(C2)の厚みと弾性率との積が所定範囲内であることが好ましい。より具体的には、中間層(C2)の厚みと180℃での弾性率との積が、1100Pa・m以上であることが好ましく、1200Pa・m以上であることがより好ましく、1250Pa・m以上であることが特に好ましく、また2600Pa・m以下であることが好ましく、2300Pa・mであることが特に好ましい。
本発明の製造方法で用いるプロセス用離型フィルム(C)は、本発明の目的に反しない限りにおいて、離型層(C1)、及び中間層(C2)(並びに存在する場合には離型層(C3))以外の層を有していてもよい。例えば、離型層(C1)(又は離型層(C3)と中間層(C2)との間に、必要に応じて接着層を有してもよい。接着層に用いる材料は、離型層(C1)又は(C3)と中間層(C2)とを強固に接着でき、樹脂封止工程や離型工程においても剥離しないものであれば、特に制限されない。
動的粘弾性測定装置(例えば、TA instruments社製 RSA-GII)により引張弾性率E’を測定し、180℃でのその値を180℃における引張弾性率とする。具体的には、サンプルサイズを幅5mm、チャック間の長さ(MD(フィルム長手)方向)を20mmとし、周波数1Hz、昇温速度3℃/minの測定条件で30℃から200℃まで測定して得られた引張弾性率E’のデータを基に、180℃における引張弾性率を求める。
フィルム中の層について180℃における引張弾性率を測定する場合のサンプルは、以下の基準に従うものである。
製造過程で単層の状態で取り出すことが出来る層の場合は、当該単層の状態で取り出したものを用いて測定する。
共押出し成形法等で製造されるため製造過程で単層の状態が存在しない層の場合は、別途同様の条件(成形温度等)で積層体における当該層と同じ厚みの単層フィルムを作製し、その別途作製した単層フィルムを用いて測定する。但し、積層体における当該層が薄いため同じ厚みの単層フィルムを作製できない場合(具体的には30μm厚み以下の場合)には、同様の条件で50μm厚みの単層フィルムを作製して、それを用いて測定する。
プロセス用離型フィルム(C’)は、プロセス用離型フィルム(C)と同じものを用いてもよいが、特に限定されない。
本発明の一態様であるプリント基板の製造装置は、
樹脂基材(A1)上に金属配線パターン(A2)が形成された回路基材(A)と、
樹脂基材(B1)上に接着剤層(B2)が形成されたカバーレイフィルム(B)と、
離型層(C1)と中間層(C2)とを含むプロセス用離型フィルム(C)と、
をこの順で重ね合わせる手段と、
プロセス用離型フィルム(C)を介して加熱加圧を行なうことで、重ね合わされた回路基材(A)とカバーレイフィルム(B)とを加熱加圧して貼り合わせる手段と、
貼り合わされた回路基材(A)とカバーレイフィルム(B)から、プロセス用離型フィルム(C)を剥離する手段とを有する、
プリント基板の製造装置である。
本態様のプリント基板の製造装置を用いることで、高密度実装用のフレキシブルプリント基板等のプリント基板を、接着剤の流出による端子における導通不良や、好ましくはシワによる外観の不良などを抑制しながら、高い生産性で製造することが出来る。
本態様のプリント基板の製造装置は、回路基材(A)を連続的に供給する巻き出し手段、カバーレイフィルム(B)を連続的に供給する巻き出し手段、及びプロセス用離型フィルム(C)を連続的に供給する巻き出し手段の少なくとも一部、並びに貼り合わされた回路基材(A)とカバーレイフィルム(B)を連続的に巻き取る巻き取り手段、を更に有する、いわゆるロール・トゥ・ロール方式の製造装置であることが好ましい。
本実施形態のロール・トゥ・ロール方式の製造装置は、フレキシブルプリント基板等を高い生産性で製造できる一方で、上記構成を有することにより、フレキシブルプリント基板等を、接着剤の流出による端子における導通不良や、好ましくはシワによる外観の不良などを抑制しながら製造することができる。
されるものではない。
(180℃における弾性率)
動的粘弾性測定装置(TA instruments社製 RSA-GII)により引張弾性率E’を測定し、180℃でのその値を180℃における引張弾性率とした。具体的には、サンプルサイズを幅5mm、チャック間の長さ(MD(フィルム長手)方向)を20mmとし、周波数1Hz、昇温速度3℃/minの測定条件で30℃から200℃まで測定して得られた引張弾性率E’のデータを基に、180℃における引張弾性率E’を求めた。
(測定サンプル)
製造過程で単層の状態で取り出すことが出来る層の場合は、当該単層の状態で取り出したものを用いて測定した。
共押出し成形法等で製造されるため製造過程で単層の状態が存在しない層の場合は、別途同様の条件(成形温度等)で積層体における当該層と同じ厚みの単層フィルムを作製し、その別途作製した単層フィルムを用いて測定した。ただし、積層体における当該層が薄いため同じ厚みの単層フィルムを作製できない場合(具体的には30μm厚み以下の場合)には、同様の条件で50μm厚みの単層フィルムを作製して、それを用いて測定した。
JIS R3257に準拠して、接触角測定器(Kyowa Inter face Science社製、FACECA-W)を用いて離型層(A)の表面の水接触角を測定した。
図5に示す構成の装置を用い、金属配線パターンが形成されたFPC用回路基材55、の両側に枚葉式のカバーレイフィルム56が仮ラミネートされたものの両側に離型フィルム51a若しくは52b、及びガラス布58a若しくは58bをこの順で重ね合わせ、熱盤57aと57bを用いて(但し片側の熱盤(57b)には厚さ2mmの耐熱シリコーンゴム板と厚さ1mmの鉄板が焼き付けられ積層されたゴム板が設置されている)、温度:180℃、圧力:10MPa、加熱加圧時間:130秒(予圧:10秒、本圧:120秒)で加熱加圧して貼り合わせを行い、フレキシブルプリント基板を作製した。
1)回路基材55は、樹脂基材(A1)である厚み25μmのポリイミドフィルム上に、金属配線パターン(A2)である厚み22μmの銅配線が形成されたものを使用し、銅配線部のライン幅/スペース幅は、それぞれ40μm及び60μmであった。
2)カバーレイフィルム56は、樹脂基材(B1)である厚み12.5μmのポリイミドフィルム上に、厚み25μmの接着剤層(B2)が 形成されたものを使用した(ニッカン工業株式会社製、商品名:CISV1225DB)。
このカバーレイフィルム56には回路基材55の端子部分に相当する部分(開口部)が複数打ち抜かれていた。カバーレイフィルム56の開口部のサイズは4mm×7mmであった。
3)回路基材55と2枚のカバーレイフィルム56との重ね合わせにあたっては、前者の銅配線(A2)と後者のうち1枚の接着剤層(B2)とが対向する様に配置し、カバーレイフィルム56と離型フィルム51aとの重ねあわせにあたっては、前者のポリイミドフィルム層(B1)と、後者の離型層とが対向するように配置した。
加熱加圧後、直ちに離型フィルムを剥離し、離型フィルムの離型性を、以下の基準で評価した。
○:FPCから容易に剥離可能
△:FPCからやや重いが剥離可能
×:FPCに貼りつき容易には剥離不可
上記離型性の評価におけるものと同様の装置、フィルムの組み合わせで、加熱加圧後のFPCの銅配線(A2)上への接着剤の流れ出し量を、光学顕微鏡で観察し、流れ出しが防止できたかどうかを、を以下の基準で評価した。
○:開口部への流れ出しが20μm未満
△:開口部への流れ出しが20μm以上25μm以下
×:開口部への流れ出しが25μmを超える
図6に示す構成の装置を用い、いずれもロールから巻き出された金属配線パターンが形成されたFPC用回路基材65(枚葉式のカバーレイフィルム66は事前に仮ラミネート済)、及び離型フィルム61a及び61b、ガラスクロス68a及び68bを、図6に示す順で重ね合わせ、フィルム幅270mm、熱盤サイズ:600mm(流れ方向)、送り量:470mm、引張張力:1kg、温度:180℃、圧力:10MPa、加熱加圧時間:50秒(予圧:5秒、本圧:45秒)で加熱加圧して貼り合わせを行い、フレキシブルプリント基板を製造した。
上述の様に、カバーレイフィルム66は事前に回路基材65の両面に仮ラミネートし巻き取ったものを使用した。仮ラミネートの条件は、温度:40℃、圧力:0.01MPa、加熱加圧時間:7秒とした。
1)回路基材65は、樹脂基材(A1)である25μm厚みのポリイミドフィルム上に、金属配線パターン(A2)である12μm厚みの銅配線が形成されたものであり、銅配線部のライン幅/スペース幅は、それぞれ40μm及び60μmであった。
回路基材65の1単位あたりのサイズは、幅250mm、流れ方向の長さ400mmであり、この1単位毎に、同じ基板パターンが繰り返される構造をもつロール状の長尺プリント配線基板となっていた。
2)カバーレイフィルム66は、樹脂基材(B1)である12.5μm厚みのポリイミドフィルム上に、25μm厚みの接着剤層(B2)が形成されたものを使用した(ニッカン工業株式会社製、商品名:CISV1225DB)。
カバーレイフィルム66にはFPCの端子部分に相当する部分(開口部)が複数打ち抜かれていた。カバーレイフィルム66の開口部のサイズは4mm×13mmであった。
カバーレイフィルム66の幅は250mm、流れ方向の長さは380mmであった。
3)回路基材65と2枚のカバーレイフィルム66との重ね合わせにあたっては、前者の銅配線(A2)と後者のうち1枚の接着剤層(B2)とが対向する様に配置し、カバーレイフィルム66と離型フィルム61aとの重ねあわせにあたっては、前者のポリイミドフィルム層(B1)と、後者の離型層とが対向するように配置した。
1回の加熱加圧後、ロール状の回路基材65、及び離型フィルム61a及び61b、ガラスクロス68a及び68bを送り量:470mm巻き出し、2回目の加熱加圧、3回目の加熱加圧・・・と、同様な加熱加圧を繰り返し、計5回の加熱加圧し貼り合わせを行った後に、配線基板65/カバーレイ66積層体から離型フィルム61aを剥離し、巻き取られた離型フィルム61a上の回路基材65の計5回の加熱加圧された範囲内(フィルム長手方向にて計470mm×5回=2350mm)についてシワの数を計測し、耐シワ性を以下の基準で評価した。
○:シワが25本未満
×:シワが25本以上
4-メチル-1-ペンテン共重合樹脂(三井化学株式会社製、製品名:TPX、銘柄名:DX818)」60質量部、ポリプロピレン樹脂(プライムポリマー株式会社製、製品名:F300SP)8質量部、及び低密度ポリエチレン樹脂(三井・デュポン ポリケミカル株式会社製、ミラソンF9673P)32質量部をブレンドして樹脂組成物を作製し、中間層(C2)用の樹脂として使用した。
4-メチル-1-ペンテン共重合樹脂(三井化学株式会社製、製品名:TPX、銘柄名:DX818)」を、離型層(C1)及び離型層C3)用の樹脂として使用した。
スクリュ径40mmの押出機3台を有する3層T-ダイフィルム成形機にて、各押出機に上記各樹脂を仕込み、成形温度280℃、チルロール温度70℃、エアーチャンバー静圧15mmH2Oの条件下、両外面が離型層(C1)及び(C3)、その間が中間層(C2)である2種3層構成の積層フィルムを得た。エンボス処理を、ロールトゥロールで加熱した予熱ロール温度40℃で接触させた後、表面粗さRaが4μmのエンボスロールで、エンボスロール温度130℃、エンボス線圧50kg/cmでフィルム両面にエンボス加工を行ない、フィルムの表面粗さRaが3μmである実施例1で使用する離型フィルムを得た。(以下、各実施例/比較例においても、離型フィルムの表面粗さRaは、3μmであった。)離型フィルムの構成を表1に示す。
この離型フィルム(C)を用いて、上記評価方法に従いFPC用の回路基材(A)と枚葉式のカバーレイフィルム(B)との積層を行ってフレキシブルプリント基板を作製し、離型性、接着剤流出、及び耐シワ性を評価した。結果を表2に示す。
中間層(C2)に使用する樹脂組成物のブレンド比を、4-メチル-1-ペンテン共重合樹脂(三井化学株式会社製、製品名:TPX、銘柄名:DX818)」50質量部、ポリプロピレン樹脂(プライムポリマー株式会社製、製品名:F300SP)10質量部、及び低密度ポリエチレン樹脂(三井・デュポン ポリケミカル株式会社製、ミラソンF9673P)40質量部に変更したことを除くほか実施例1と同様にして、実施例2で使用する離型フィルム(C)を作製した。離型フィルムの構成を表1に示す。
この離型フィルム(C)を用いて、上記評価方法に従いFPC用の回路基材(A)と枚葉式のカバーレイフィルム(B)との積層を行ってフレキシブルプリント基板を作製し、離型性、接着剤流出、及び耐シワ性を評価した。結果を表2に示す。
離型層(C1)及び(C3)の厚みを6μmに変更し、中間層(B)の厚みを110μmに変更したことを除くほか実施例2と同様にして、実施例3で使用する離型フィルム(C)を作製した。離型フィルム(C)の構成を表1に示す。
この離型フィルム(C)を用いて、上記評価方法に従いFPC用の回路基材(A)と枚葉式のカバーレイフィルム(B)との積層を行ってフレキシブルプリント基板を作製し、離型性、接着剤流出、及び耐シワ性を評価した。結果を表2に示す。
中間層(C2)の厚みを80μmに変更したことを除くほか、実施例2と同様にして、実施例4で使用する離型フィルム(C)を作製した。
離型フィルム(C)の構成を表1に示す。
この離型フィルム(C)を用いて、上記評価方法に従いFPC用の回路基材(A)と枚葉式のカバーレイフィルム(B)との積層を行ってフレキシブルプリント基板を作製し、離型性、接着剤流出、及び耐シワ性を評価した。結果を表2に示す。
離型層(C1)及び離型層(C3)に使用する樹脂を4-メチル-1-ペンテン共重合樹脂(三井化学株式会社製、製品名:TPX、銘柄名:MX022)に変更したことを除くほか実施例2と同様にして、実施例5で使用する離型フィルム(C)を作製した。
離型層(C1)及び離型層(C3)の180℃における引張弾性率は20MPa、水の接触角は105°であった。
離型フィルム(C)の構成を表1に示す。
この離型フィルム(C)を用いて、上記評価方法に従いFPC用の回路基材(A)と枚葉式のカバーレイフィルム(B)との積層を行ってフレキシブルプリント基板を作製し、離型性、接着剤流出、及び耐シワ性を評価した。結果を表2に示す。
離型層(C1)及び離型層(C3)の厚みを5μmに変更し、中間層(C2)の厚みを110μmに変更したことを除くほか実施例5と同様にして、実施例6で使用する離型フィルム(C)を作製した。
離型フィルムの構成を表1に示す。
この離型フィルム(C)を用いて、上記評価方法に従いFPC用の回路基材(A)と枚葉式のカバーレイフィルム(B)との積層を行ってフレキシブルプリント基板を作製し、離型性、接着剤流出、及び耐シワ性を評価した。結果を表2に示す。
離型層(C1)及び離型層(C3)に使用する樹脂をポリブチレンテレフタレート樹脂(東レ株式会社製、製品名:トレコン、銘柄名:1200M)に変更したことを除くほか実施例5と同様にして、実施例7で使用する離型フィルム(C)を作製した。
離型フィルムの構成を表1に示す。
この離型フィルム(C)を用いて、上記評価方法に従いFPC用の回路基材(A)と枚葉式のカバーレイフィルム(B)との積層を行ってフレキシブルプリント基板を作製し、離型性、接着剤流出、及び耐シワ性を評価した。結果を表2に示す。
中間層(C2)に使用する樹脂組成物中の4-メチル-1-ペンテン共重合樹脂を、ポリブチレンテレフタレート樹脂(東レ株式会社製、製品名:トレコン、銘柄名:1200M)に変更したことを除くほか実施例7と同様にして、実施例8で使用する離型フィルム(C)を作製した。
離型フィルムの構成を表1に示す。
この離型フィルム(C)を用いて、上記評価方法に従いFPC用の回路基材(A)と枚葉式のカバーレイフィルム(B)との積層を行ってフレキシブルプリント基板を作製し、離型性、接着剤流出、及び耐シワ性を評価した。結果を表2に示す。
中間層(C2)に使用する樹脂組成物中の各樹脂の配合量を表1に示すとおりに変更したことを除くほか実施例8と同様にして、実施例9で使用する離型フィルム(C)を作製した。
離型フィルム(C)の構成を表1に示す
この離型フィルム(C)を用いて、上記評価方法に従いFPC用の回路基材(A)と枚葉式のカバーレイフィルム(B)との積層を行ってフレキシブルプリント基板を作製し、離型性、接着剤流出、及び耐シワ性を評価した。結果を表2に示す。
離型層(C1)及び(C3)の厚みを15μmに変更し、中間層(C2)の厚みを90μmに変更したことを除くほか実施例2と同様にして、参考例3で使用する離型フィルム(C)を作製した。
離型フィルム(C)の構成を表1に示す。
この離型フィルム(C)を用いて、上記評価方法に従い、FPC用の回路基材(A)と枚葉式のカバーレイフィルム(B)との積層を行ってフレキシブルプリント基板を作製し、離型性、接着剤流出、及び耐シワ性を評価した。結果を表2に示す。
4-メチル-1-ペンテン共重合樹脂(三井化学株式会社製、製品名:TPX、銘柄名:DX818)」30質量部、ポリプロピレン樹脂(プライムポリマー株式会社製、製品名:F300SP)14質量部、及び低密度ポリエチレン樹脂(三井・デュポン ポリケミカル株式会社製、ミラソンF9673P)56質量部をブレンドして樹脂組成物を作製し、70μm厚みに成膜して、中間層(C2)用の樹脂として使用した。
4-メチル-1-ペンテン共重合樹脂(三井化学株式会社製、製品名:TPX、銘柄名:DX818)」を、離型層用の樹脂として使用した。
スクリュ径40mmの押出機3台を有する3層T-ダイフィルム成形機にて、各押出機に上記各樹脂を仕込み、成形温度280℃、チルロール温度70℃、エアーチャンバー静圧15mmH2Oの条件下、両外面が離型層、その間が中間層(C2)である2種3層構成の積層フィルムを得た。エンボス処理を、ロールトゥロールで加熱した予熱ロール温度40℃で接触させた後、表面粗さRaが4μmのエンボスロールで、エンボスロール温度130℃、エンボス線圧50kg/cmで行ない、フィルムの表面粗さRaが3μmである、比較例1で使用する離型フィルムを得た。離型フィルムの構成を表1に示す。
この離型フィルムを用いて、上記評価方法に従いFPC用の回路基材(A)と枚葉式のカバーレイフィルムム(B)との積層を行ってフレキシブルプリント基板を作製し、離型性、接着剤流出、及び耐シワ性を評価した。結果を表2に示す。
離型層に使用する樹脂を4-メチル-1-ペンテン共重合樹脂(三井化学株式会社製、製品名:TPX、銘柄名:MX022)に変更したことを除くほか比較例1と同様にして、比較例2で使用する離型フィルムを作製した。
離型フィルムの構成を表1に示す。
この離型フィルムを用いて、上記評価方法に従いFPC用の回路基材(A)と枚葉式のカバーレイフィルム(B)との積層を行ってフレキシブルプリント基板を作製し、離型性、接着剤流出、及び耐シワ性を評価した。結果を表2に示す。
中間層(C2)に使用する樹脂組成物のブレンド比を、4-メチル-1-ペンテン共重合樹脂(三井化学株式会社製、製品名:TPX、銘柄名:DX818)」50質量部、ポリプロピレン樹脂(プライムポリマー株式会社製、製品名:F300SP)10質量部、及び低密度ポリエチレン樹脂(三井・デュポン ポリケミカル株式会社製、ミラソンF9673P)40質量部に変更したことを除くほか比較例1と同様にして、比較例3で使用する離型フィルムを作製した。
離型フィルムの構成を表1に示す。
この離型フィルムを用いて、上記評価方法に従いFPC用の回路基材(A)と枚葉式のカバーレイフィルム(B)との積層を行ってフレキシブルプリント基板を作製し、離型性、接着剤流出、及び耐シワ性を評価した。結果を表2に示す。
中間層(C2)に使用する樹脂組成物のブレンド比を、4-メチル-1-ペンテン共重合樹脂(三井化学株式会社製、製品名:TPX、銘柄名:DX818)」35質量部、ポリプロピレン樹脂(プライムポリマー株式会社製、製品名:F300SP)13質量部、及び低密度ポリエチレン樹脂(三井・デュポン ポリケミカル株式会社製、ミラソンF9673P)52質量部に変更したことを除くほか実施例1と同様にして、実施例11で使用する離型フィルムを作製した。
離型フィルムの構成を表1に示す。
この離型フィルムを用いて、上記評価方法に従いFPC用の回路基材(A)と枚葉式のカバーレイフィルム(B)との積層を行ってフレキシブルプリント基板を作製し、離型性、接着剤流出、及び耐シワ性を評価した。結果を表2に示す。
中間層(C2)に使用する樹脂組成物のブレンド比を、4-メチル-1-ペンテン共重合樹脂(三井化学株式会社製、製品名:TPX、銘柄名:DX818)」30質量部、ポリプロピレン樹脂(プライムポリマー株式会社製、製品名:F300SP)14質量部、及び低密度ポリエチレン樹脂(三井・デュポン ポリケミカル株式会社製、ミラソンF9673P)56質量部に変更したことを除くほか実施例1と同様にして、実施例12で使用する離型フィルムを作製した。
離型フィルムの構成を表1に示す。
この離型フィルムを用いて、上記評価方法に従いFPC用の回路基材(A)と枚葉式のカバーレイフィルム(B)との積層を行ってフレキシブルプリント基板を作製し、離型性、接着剤流出、及び耐シワ性を評価した。結果を表2に示す。
離型層の厚みを20μmに変更し、中間層(C2)の厚みを80μmに変更したことを除くほか実施例12と同様にして、比較例4で使用する離型フィルムを作製した。
離型フィルムの構成を表1に示す。
この離型フィルムを用いて、上記評価方法に従いFPC用の回路基材(A)と枚葉式のカバーレイフィルム(B)との積層を行ってフレキシブルプリント基板を作製し、離型性、接着剤流出、及び耐シワ性を評価した。結果を表2に示す。
11b、51b、61b: プロセス用離型フィルム(C’)
15、55、65: 回路基材(A)
151、451: 樹脂基材(A1)
152、452: 金属配線パターン(A2)
16、56、66: カバーレイフィルム(B)
46a:非開口部
46b:開口部
161、461:樹脂基材(B1)
162、462:接着剤層(B2)
462’:接着剤の流れ出し
17a、17b、57a、57b、67a、67b: 熱盤
58a、58b、68a、68b: ガラスクロス
Claims (12)
- 樹脂基材(A1)上に金属配線パターン(A2)が形成された回路基材(A)と、
樹脂基材(B1)上に接着剤層(B2)が形成されたカバーレイフィルム(B)と、
厚さ10μm以下の離型層(C1)と中間層(C2)とを含むプロセス用離型フィルム(C)と、
をこの順で重ね合わせる工程(I)と、
重ね合わされた回路基材(A)とカバーレイフィルム(B)とを加熱加圧して貼り合わせる工程であって、少なくともカバーレイフィルム(B)側についてはプロセス用離型フィルム(C)を介して加熱加圧を行なうことで、回路基材(A)とカバーレイフィルム(B)とが貼り合わされる工程(II)と、
貼り合わされた回路基材(A)とカバーレイフィルム(B)から、プロセス用離型フィルム(C)を剥離する工程(III)とを有し、
離型層(C1)が、4-メチル-1-ペンテン(共)重合体、及びポリブチレンテレフタレート樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種の樹脂を含有する、
プリント基板の製造方法。 - 製造されるプリント基板がフレキシブルプリント基板である、請求項1に記載のプリント基板の製造方法。
- 工程(I)の前に、回路基材(A)、カバーレイフィルム(B)、及びプロセス用離型フィルム(C)の少なくとも一部が、ロールから巻き出され、
工程(III)の後に、貼り合わされた回路基材(A)とカバーレイフィルム(B)が、ロールに巻き取られる、
請求項2に記載のプリント基板の製造方法。 - カバーレイフィルム(B)が仮ラミネートされた回路基材(A)が1のロールから巻き出され、プロセス用離型フィルム(B)が他の1のロールから巻きだされる、請求項3に記載のプリント基板の製造方法。
- 金属配線パターン(A2)が、ライン幅及びスペース幅の少なくとも一方が100μm以下である部分を有する、
請求項1から4のいずれか一項に記載のプリント基板の製造方法。 - 中間層(C2)の180℃で測定される引張弾性率が11MPa以上である、請求項1から5のいずれか一項に記載のプリント基板の製造方法。
- 工程(I)において、更にプロセス用離型フィルム(C’)が、プロセス用離型フィルム(C’)/回路基材(A)/カバーレイフィルム(B)/プロセス用離型フィルム(C)の順で重ね合わされ、
工程(II)において、加熱加圧がプロセス用離型フィルム(C’)を介しても行なわれ、
工程(III)、貼り合わされた回路基材(A)とカバーレイフィルム(B)から、プロセス用離型フィルム(C’)も剥離される、
請求項1から6のいずれか一項に記載のプリント基板の製造方法。 - 樹脂基材(A1)上に金属配線パターン(A2)が形成された回路基材(A)と、
樹脂基材(B1)上に接着剤層(B2)が形成されたカバーレイフィルム(B)と、
離型層(C1)と中間層(C2)とを含むプロセス用離型フィルム(C)と、
をこの順で重ね合わせる手段と、
プロセス用離型フィルム(C)を介して加熱加圧を行なうことで、重ね合わされた回路基材(A)とカバーレイフィルム(B)とを加熱加圧して貼り合わせる手段と、
貼り合わされた回路基材(A)とカバーレイフィルム(B)から、プロセス用離型フィルム(C)を剥離する手段とを有し、
離型層(C1)の厚みが10μm以下であり、離型層(C1)が4-メチル-1-ペンテン(共)重合体、及びポリブチレンテレフタレート樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種の樹脂を含有する、
プリント基板の製造装置。 - フレキシブルプリント基板の製造に用いられる、請求項8に記載のプリント基板の製造装置。
- 回路基材(A)を連続的に供給する巻き出し手段、カバーレイフィルム(B)を連続的に供給する巻き出し手段、及びプロセス用離型フィルム(C)を連続的に供給する巻き出し手段の少なくとも一部、並びに貼り合わされた回路基材(A)とカバーレイフィルム(B)を連続的に巻き取る巻き取り手段、を更に有する、
請求項9に記載のプリント基板の製造装置。 - 請求項1から7のいずれか一項に記載のプリント基板の製造方法によって製造されたプリント基板。
- 請求項11に記載のプリント基板を有する、電気電子機器、輸送機械、又は生産機械。
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