JP2023046646A - 離型フィルム及び成型品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】良好な離型性、埋め込み性、及び成型品の外観を両立するとともに、波打ちが抑制できる離型フィルムを提供する。【解決手段】離型フィルム10は、離型面11を構成する離型層1と、離型層1上に積層されたクッション層3と、を有し、離型層1の厚みが1~10μmであり、クッション層3の厚みが90~120μmであり、クッション層3が、示差走査型熱量測定法(DSC)による融点が80℃以下である物質と、当該融点が200℃以上の物質とを含む樹脂組成物から構成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、離型フィルム及び成型品の製造方法に関する。
離型フィルムは、一般的に、成型品を製造する際や異なる材料を貼り合わせた積層体を製造する際に使用される。例えば、回路が露出したフレキシブルフィルム(以下「回路露出フィルム」とも称する)の回路面上に、接着剤を介してカバーレイフィルム(以下「CLフィルム」とも称する)を配置し、熱プレスすることによって、フレキシブルプリント回路基板(以下「FPC」とも称する)を作製する際に、当該カバーレイフィルムと熱プレス板との間に離型フィルムが配置される。
これまで、ポリメチルペンテン樹脂等の様々な樹脂からなる離型フィルムが提案されている(特許文献1)。たとえば、特許文献1には、表面塗装、接着層およびクッション層を含み、表面層がポリ4-メチル-1-メチルペンテン樹脂を含む離型フィルムが記載されている。
国際公開第2006/120983号
近年、回路基板の微細化、薄膜化が進み、また、ロールツーロール(RtoR)方法等の製造方法の自動化も進んでいる。そこで、成型品の良好な外観をより安定的に得るため、離型フィルムにおいては、これまで求められた離型性、追従性などの各種特性に加え、新たな特性が求められるようになっている。
本発明者は、より良好な外観の成型品をえるべく検討を行ったところ、フレキシブルプリント回路基板の回路面において回路が配置されず比較的広い開口領域があると、当該開口領域を覆うカバーレイフィルムにおいて“波打ち”が発生する傾向があることを知見した。そして、特定の構成を備える離型フィルムを用いることで、比較的広い開口領域があってもカバーレイフィルムの波打ちを抑制し、外観が良好な成型品が得られることを見出し、本発明を完成させた。
本発明によれば、
離型面を構成する離型層と、前記離型層上に積層されたクッション層と、を有する離型フィルムであって、
前記離型層の厚みが1~10μmであり、
前記クッション層の厚みが90~120μmであり、
前記クッション層が、示差走査型熱量測定法(DSC)による融点が80℃以下である物質と、当該融点が200℃以上の物質とを含む樹脂組成物から構成されている、離型フィルムが提供される。
本発明によれば、良好な離型性、埋め込み性、及び成型品の外観を両立するとともに、波打ちが抑制できる離型フィルムを提供できる。
本実施形態に係る離型フィルムの縦断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。また、本明細書中、数値範囲の説明における「a~b」との表記は、特に断らない限り、a以上b以下のことを表す。例えば、「1~5質量%」とは「1質量%以上5質量%以下」を意味する。
<離型フィルム>
図1は、本実施形態に係る離型フィルムの断面図である。
図1に示すように、離型フィルム10は、離型層1と、クッション層3と、離型層2とが、厚み方向にこの順で積層した積層構造を有する。また、離型層1は、離型フィルム10の一方の面に配され離型面11を構成し、離型層2は、離型フィルム10の他方の面に配され離型面21を構成している。
なお、図1では、離型フィルム10が両面に離型層を備える例について説明したが、離型フィルムはこれに限られない。
本実施形態において、離型フィルム10は、回路等を備えた成型対象物に対し、離型層1側が接するように配置される。すなわち、成型対象物に接する側の面を、離型フィルム10の離型面11とし、成型対象物に接する側の面とは反対側の面を、離型フィルム10の離型面21とする。
また、離型フィルム10を配置する前段階における上記成型対象物の表面は、通常、半硬化状態にある熱硬化性樹脂を含む材料によって形成されている。
離型フィルム10は、上記半硬化状態にある熱硬化性樹脂を含む材料によって形成された成型対象物の表面上に配置して用いる。そして、成型対象物の表面に離型フィルム10を配置した状態で、加熱プレスを行うことで、所望の成型品を得ることができる。
本実施形態の離型フィルム10は、離型層1の厚みが1~10μmであり、クッション層3の厚みが90~120μmであり、クッション層3が、示差走査型熱量測定法(DSC)による融点が80℃以下である物質と、当該融点が200℃以上の物質とを含む樹脂組成物から構成されている。これにより、例えば、フレキシブルプリント回路基板の回路面において回路が配置されず比較的広い開口領域があっても、当該開口領域を覆うカバーレイフィルムにおいて“波打ち”が発生することを抑制できる。その結果、離型フィルム10を用いて得られた成型品の外観をより良好にできる。かかる理由は明らかではないが、クッション層3が、融点が80℃以下である物質と、当該融点が200℃以上の物質とを含むことで、熱プレス時において、80℃以下である物質が素早く軟化して追従性、クッション性が得られるとともに、200℃以上の物質により熱プレス時においても硬度を保持して良好な離型性が得られると推測される。これに、離型層1とクッション層3の厚みを制御することで、離型フィルム10全体から得られるクッション性、弾性、埋め込み性などの特性バランスが、波打ち抑制に効果的に寄与すると考えられる。
なお、カバーレイフィルムの“波打ち”とは、シワとは異なるものであり、うねり、起伏、滑らかな凹凸などであって、目視により観察できるものを意図する。また、算術平均高さ(Sa)が0.05μm以上のものをいう。なお、SaはISO 25178に準じて測定することができる。
[ループスティフネス]
実施形態において、離型フィルム10は、23℃、50%RH、幅10mm、周長120mm、押込距離20mmの条件で測定されるMD方向のループスティフネス値が45~90mNであることが好ましく、50~80mNであることがより好ましく、55~75mNであることがさらに好ましい。
当該ループスティフネス値を上記下限値以上とすることにより、離型フィルム10全体において良好な硬さ、剛性が得られる結果、波打ちを効果的に抑制できる。
一方、ループスティフネス値を上記上限値以下とすることにより、良好な離型性を保持しつつ、埋め込み性が得られやすくなる。
[弾性率等]
本実施形態において、離型フィルム10は、動的粘弾性測定装置(引張りモード、周波数1Hz、昇温速度5℃/min)で測定される150℃での貯蔵弾性率が、30MPa以上70MPa以下であることが好ましく、40MPa以上60MPa以下であることがより好ましい。
当該150℃での貯蔵弾性率を上記下限値以上とすることにより、離型フィルム10を用いて熱プレスをおこなったとしても、離型フィルム10全体において良好な硬さ、剛性が得られる結果、離型性を向上することができる。また、波打ちを効果的に抑制できる。
一方、当該150℃での貯蔵弾性率を上記上限値以下とすることにより、離型フィルム10を用いて熱プレスをおこなった時の良好な離型性を保持しつつ、埋め込み性が得られやすくなる。
本実施形態において、離型フィルム10は、動的粘弾性測定装置(引張りモード、周波数1Hz、昇温速度5℃/min)で測定される150℃での損失弾性率が、4MPa以上20MPa以下であることが好ましく、5MPa以上15MPa以下であることがより好ましい。
当該150℃での損失弾性率を上記下限値以上とすることにより、離型フィルム10を用いて熱プレスをおこなったとしても、離型フィルム全体において良好な粘性が得られる結果、離型性を保持しつつ、埋め込み性も得られるようになる。また、波打ちを効果的に抑制できる。
一方、当該150℃での損失弾性率を上記上限値以下とすることにより、熱プレス時の良好な埋め込み性を保持しつつ、離型性が得られやすくなる。
本実施形態において、離型フィルム10は、動的粘弾性測定装置(引張りモード、周波数1Hz、昇温速度5℃/min)で測定される150℃でのtanδが、0.05以上0.3以下であることが好ましく、0.1以上0.2以下であることがより好ましい。また、波打ちを効果的に抑制できる。
当該150℃でのtanδを上記下限値以上とすることにより、離型フィルム10を用いて熱プレスをおこなったとしても、離型フィルム全体において適度な粘弾性が得られる結果、離型性と埋め込み性のバランスを高めることができる。また、波打ちを効果的に抑制できる。
本実施形態の離型フィルム10の上記ループスティフネス、貯蔵弾性率、損失弾性率は、公知の方法で調整することができるが、例えば、離型フィルム10の全体の厚み、離型層1およびクッション層3の厚み、離型層1およびクッション層3を構成する材料の組み合わせ等を制御することによって調整することができる。
[厚み]
離型フィルム10の全体の厚みは、好ましくは50μm以上250μm以下であり、より好ましくは80μm以上200μm以下であり、さらに好ましくは100μm以上160μm以下である。こうすることで、成型品の作製時にプレス圧を離型フィルム10に対してムラなく均一に印加することが可能となる。
以下、各層について詳述する。
・離型層1(第1の離型層)
離型層1は、離型フィルム10を用いて加熱プレスを行う際に、成型対象物に接する面(離型面11)を形成する層である。
離型層1は熱可塑性樹脂組成物を用いて形成される。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート樹脂(PTT)、ポリヘキサメチレンテレフタレート樹脂(PHT)等のポリアルキレンテレフタレート樹脂、ポリ4-メチル1-ペンテン樹脂(TPX(登録商標):以下、ポリメチルペンテン樹脂ともいう。)、シンジオタクチックポリスチレン樹脂(SPS)、ポリプロピレン樹脂(PP)及び他の成分を共重合した共重合体樹脂が挙げられる。これらは、1種または2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも、離型層1の離型性を向上させる観点から、ポリメチルペンテン樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、シンジオタクチックポリスチレン樹脂およびポリプロピレン樹脂からなる群より選択される1種または2種以上を用いることが好ましい。
離型層1の厚みを薄くしても剛性を保持して良好な離型性を得る観点から、ポリメチルペンテン樹脂またはポリブチレンテレフタレート樹脂であることがより好ましい。
離型層1の熱可塑性樹脂組成物は、上記の熱可塑性樹脂のほか、酸化防止剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤、染料および顔料等着色剤、安定剤等の添加剤、フッ素樹脂、シリコンゴム等の耐衝撃性付与剤、酸化チタン、炭酸カルシウム、タルク等の無機充填剤を含有させてもよい。
本実施形態において、離型層1は粒子を含んでもよい。これにより、離型性および適度な強度が得られ、また、離型フィルム10のシワや気泡が発生することを抑制し良好な外観が得られる。
粒子の平均粒径d50は、好ましくは3μm以上、より好ましくは5μm以上であり、さらに好ましくは8μm以上である。一方、粒子の平均粒径d50は、好ましくは35μm以下、より好ましくは25μm以下であり、さらに好ましくは18μm以下である。
粒子の平均粒径d50を上記下限値以上とすることで、離型フィルム10の剛性を向上させるとともに、表面粗化したFPCとの離型性を向上させることができる。一方、粒子の平均粒径d50を上記上限値以下とすることで、離型性と追従性とのバランスを良好にし、仕上がり外観が良好な成型品を作製することができる。
粒子は、離型フィルム10の剛性を向上させる観点から、無機粒子であることが好ましい。
無機粒子としては、結晶性シリカ、非晶性シリカ、および溶融シリカなどのシリカ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、アルミナ、窒化アルミニウム、ほう酸アルミウイスカ、窒化ホウ素、アンチモン酸化物、Eガラス、Dガラス、Sガラス、およびゼオライトからなる群から得られる1種または2種以上を用いてなる粒子が挙げられる。無機粒子は、1種類のみの粒子を単独で使用してもよいし、異なる種類の粒子を併用してもよい。無機粒子は、樹脂との密着性を向上させる目的でシランカップリング剤など用いて表面処理を行ってもよいし、分散性を向上させる目的で無機粒子に有機被膜処理を行ったコアシェル型粒子を用いてもよい。
離型フィルムの剛性を向上させる観点から、結晶性シリカ、非晶性シリカ、および溶融シリカなどのシリカであることが好ましく、球状の溶融シリカであることがより好ましい。
離型層1全量に対する粒子の含有量は、0.1質量%以上30質量%以下であることが好ましく、1質量%以上20質量%以下であることがより好ましく、5質量%以上15質量%以下であることがさらに好ましい。
離型層1の粒子の含有量を上記下限値以上とすることにより、良好な離型性が得られやすくなり、一方、離型層1の粒子の含有量を上記上限値以下とすることにより、離型フィルム10の適度な強度を確保し、良好な離型性を保持しつつ、コストダウンを図ることができる。
また、離型層1の厚みは、1~10μmであり、適度な強度を得る観点から、好ましくは2μm以上であり、より好ましくは3μm以上であり、ことさらに好ましくは4μm以上である。一方、離型性を確保し、成型品に対する埋め込み性を向上させる観点から、離型層1の厚みは、好ましくは9μm以下であり、より好ましくは8μm以下である。
また、離型層1の厚みを上記下限値以上とすることにより、良好な離型性が得られやすくなり、一方、離型層1の厚みを上記上限値以下とすることにより、良好な埋め込み性、追従性が得られやすくなるとともに、コストダウンを図ることができる。また、波打ち抑制効果を安定的に得られる。
離型層1の厚み(μm)は、離型フィルム10全体の厚み(μm)に対して、15%以下であり、12%以下が好ましく、10%以下がより好ましい。これにより、後述するクッション層3へ熱が伝わりやすくなり、クッション層3による追従性が素早く得られやすくなり、接着剤の流れ出しを高度に抑制できる。また、波打ち抑制効果を安定的に得られる。一方、離型層1の厚み(μm)は、離型フィルム10全体の厚みに対して、4%以上が好ましく、5%以上がより好ましい。これにより、離型フィルム10の良好な離型性が保持できる。
・離型層2
離型層2は、離型フィルム10を用いて加熱プレスを行う際に、プレス熱板と接する面(離型面21)を形成する層である。
離型層2は熱可塑性樹脂組成物を用いて形成される。
離型層2で用いられる熱可塑性樹脂は、上記離型層1で説明したのと同様の熱可塑性樹脂を用いることができる。離型層1と離型層2で用いられる熱可塑性樹脂は、同じであってもよく、異なっていてもよい。また、離型層2は、離型層1と同様の材料を用いて形成されてもよく、異なっていてもよい。
本実施形態において、離型層2は粒子を含んでもよい。粒子の平均粒径d50は、好ましくは3μm以上、より好ましくは5μm以上であり、さらに好ましくは8μm以上である。一方、粒子の平均粒径d50は、好ましくは35μm以下、より好ましくは25μm以下であり、さらに好ましくは18μm以下である。
粒子の平均粒径d50を上記下限値以上とすることで、離型フィルム10の剛性を向上させるとともに、加熱プレス時の熱板に対する離型性を向上させることができる。一方、粒子の平均粒径d50を上記上限値以下とすることで、離型性と追従性とのバランスを良好にし、仕上がり外観が良好な成型品を作製することができる。
離型層2全量に対する粒子の含有量は、0.1質量%以上30質量%以下であることが好ましく、1質量%以上20質量%以下であることがより好ましく、5質量%以上15質量%以下であることがさらに好ましい。
離型層2の粒子の含有量を上記下限値以上とすることにより、加熱プレス時の熱板に対する良好な離型性が得られやすくなり、一方、離型層2の粒子の含有量を上記上限値以下とすることにより、良好な離型性を保持しつつ、コストダウンを図ることができる。
なお、離型層2に含まれる粒子は、上記の離型層1に含まれる粒子と同様の粒子とすることができる。なお、離型層1に含まれる粒子と、離型層2に含まれる粒子は、同じ材料または粒径からなる粒子であってもよく、異なる材料または粒径からなる粒子であってもよい。
離型層2の厚みは、適度な強度を得る観点から、好ましくは10μm以上であり、より好ましくは15μm以上である。一方、成型品に対する埋め込み性を向上させる観点から、離型層2の厚みは、好ましくは60μm以下であり、より好ましくは50μm以下である。
・クッション層3
クッション層3は、離型層1と離型層2との間に介在する。クッション層3は、良好な追従性を付与しつつ、離型フィルム10全体に適度なコシを付与するものである。
クッション層3は、差走査型熱量測定法(DSC)による融点が80℃以下である物質(a)と、当該融点が200℃以上の物質(b)とを含む樹脂組成物から構成されている。
また、クッション層3を構成する樹脂組成物は、上記の物質(a)、(b)以外の物質を含んでもよい。
なお、本実施形態の離型フィルム10において、クッション層3に含まれる物質の融点は、例えば、離型フィルム10からクッション層3を剥離してクッション層3のみを取り出して測定することができる。
融点が80℃以下である物質(a)としては、例えば、エチレン系コポリマーが挙げられる。これにより、離型フィルム10を用いて熱プレスをおこなった際、離型フィルム10が素早く回路露出フィルムに追従し、圧着できるようになる。その結果、離型フィルム10と回路露出フィルムとの間に配置された接着剤が加熱プレスにより流れ広がる前に、離型フィルム10が回路露出フィルムに圧着されるため、接着剤の流れ出しを抑制することができる。これにより埋め込み性を向上できる。また、波打ち抑制効果を安定的に得られる。
上記のエチレン系コポリマーとしては、例えば、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)、エチレン-メチルメタクリレート共重合体(EMMA)、エチレン-エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン-メチルアクリレート共重合体(EMA)、エチレン-エチルアクリレート-無水マレイン酸共重合体(E-EA-MAH)、エチレン-アクリレート共重合体(EAA)、エチレン-メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレンシクロオレフィン共重合体(COC)、及びアイオノマー樹脂(ION)の中から選ばれる1種または2種以上が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
融点が200℃以上の物質(b)としては、例えば、ポリメチルペンテン樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、並びに、ポリフェニレンスルフィド(PPS)等のエンジニアリングプラスチックス系樹脂等であって融点が200℃以上のもの等が挙げられる。これにより、離型フィルム10を用いて熱プレスをおこなった際、適度な剛性を保持することができ、波打ちを効果的に抑制できる。また、離型フィルム10全体の良好な離型性を保持できる。
本実施形態のクッション層3を構成する樹脂組成物において、物質(a)の含有量が、クッション層3の全量に対して、40質量%以上、80質量%以下となることが好ましく、50質量%以上、70質量%以下となることがより好ましい。
物質(a)の含有量を、上記下限値以上とすることにより、離型フィルム10を用いて熱プレスをおこなったとしても、離型フィルム10が素早く回路露出フィルムに追従でき、接着剤の流れ出しを抑制することができる。一方、物質(a)の含有量を、上記上限値以下とすることにより、加熱プレス時によりクッション層3自体が流れ出すことを抑制し、適度な強度を保持できる。
また、物質(b)の含有量が、クッション層3の全量に対して、10質量%以上、30質量%以下となることが好ましく、15質量%以上、25質量%以下となることがより好ましい。
物質(b)の含有量を、上記下限値以上とすることにより、波打ちを効果的に抑制しつつ、離型性を保持できる。一方、物質(b)の含有量を、上記上限値以下とすることにより、波打ちを抑制しつつ、追従性を良好にできる。
本実施形態のクッション層3は、上記の物質(a)、(b)以外の物質を含んでもよい。例えば、ポリエチレン、ポリプロプレン等のα-オレフィン系重合体;プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、メチルペンテン等を重合体成分として有するα-オレフィン系共重合体;エンジニアリングプラスチックス系樹脂等であって、融点が80℃以下または200℃以上でないものが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なかでも、クッション層3に適度な強度や弾性を付与し、波打ち抑制効果を得る観点から、ポリプロプレン等のα-オレフィン系重合体を含むことが好ましい。
クッション層3を構成する樹脂組成物として、具体的には、たとえば、エチレンとエチレン-メチルメタクリレート共重合体(EMMA)との混合物、ポリプロピレン(PP)とエチレン-メチルメタクリレート共重合体(EMMA)との混合物、ポリブチレンテレフタレート(PBT)とポリプロピレン(PP)とエチレン-メチルメタクリレート共重合体(EMMA)との混合物、ポリプロピレン(PP)とエチレン-メチルアクリレート共重合体(EMA)とポリメチルペンテン樹脂との混合物、ならびに、ポリプロピレン(PP)とエチレン-メタクリル酸共重合体(EMAA)とポリメチルペンテン樹脂との混合物などが挙げられる。
なかでも、クッション層3に適度な強度や弾性を付与し、良好な離型性を保持する観点から、ポリプロプレンまたはポリ4-メチル1-ペンテン樹脂またはポリブチレンテレフタレート(PBT)を少なくとも含む樹脂組成物が好ましい。
クッション層3の樹脂組成物は、さらにゴム成分を含んでもよい。ゴム成分としては、例えば、スチレン-ブタジエン共重合体、スチレン-イソプレン共重合体等のスチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、アミド系エラストマー、ポリエステル系エラストマー等の熱可塑性エラストマー材料、天然ゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、シリコンゴム等のゴム材料等が挙げられる。
クッション層3の樹脂組成物には、酸化防止剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤、染料および顔料等の着色剤、安定剤等の添加剤、フッ素樹脂、シリコンゴム等の耐衝撃性付与剤、酸化チタン、炭酸カルシウム、タルク等の無機充填剤を含有させてもよい。
クッション層3の厚み(μm)は、離型層1の厚み(μm)に対して、9~120倍であることが好ましく、10~50倍であることがより好ましい。
クッション層3の厚さを上記下限値以上とすることにより、離型フィルム10の良好なクッション性が素早く得られ、接着剤の流れ出しを抑制でき、追従性が良好になる。また、波打ちを抑制しやすくなる。一方、クッション層3の厚さを上記上限値以下とすることにより、離型性を良好に維持でき、加熱プレスによりクッション層3自体が流れ出すことを抑制できる。また、安定的に波打ちを抑制できる。
また、クッション層3の厚みは、90μm以上120μm以下である。
クッション層3の厚さを上記下限値以上とすることにより、離型フィルム10のクッション性が素早く得られ、接着剤の流れ出しを抑制でき、追従性が良好になる。また、波打ちを抑制しやすくなる。一方、クッション層3の厚さを上記上限値以下とすることにより、離型性を良好に維持できる。また、安定的に波打ちを抑制できる。
クッション層3を形成する方法としては、例えば、上記の樹脂組成物を用いた空冷または水冷インフレーション押出法、Tダイ押出法等の公知の方法が挙げられる。
<離型フィルム10の製造方法>
離型フィルム10は、共押出法、押出ラミネート法、ドライラミネート法、インフレーション法等公知の方法を用いて作製することができる。また、離型フィルム10は、離型層1と、クッション層3と、離型層2との各層を、別々に製造してからラミネーター等により接合してもよいが、空冷式または水冷式共押出インフレーション法、共押出Tダイ法で成膜することが好ましい。なかでも、共押出Tダイ法で成膜する方法が各層の厚さ制御に優れる点で特に好ましい。また、離型層1と、クッション層3と、離型層2とをそのまま接合してもよいし、接着層を介して接合してもよい。
<成型品の製造方法>
次に、本実施形態の成型品の製造方法について説明する。
本実施形態の成型品の製造方法は、上記離型フィルム10を用いたものであって、
離型フィルム19の離型面11が対象物側になるように、対象物上に離型フィルム10を配置する工程(工程1)と、
離型フィルム10が配置された対象物に対し、加熱プレスを行う工程(工程2)と、を含み、
離型フィルム10を配置する工程1において、対象物の離型フィルム10が配置される面が、熱硬化性樹脂を含む材料によって形成されている。
また、離型フィルム10を配置する工程1の後、離型フィルム10の第2の離型層の離型面(離型層2の離型面)上に資材を配置する工程(工程3)をさらに含んでもよい。
本実施形態において、工程1は、公知の方法を用いることができ、たとえば、離型フィルム10をロールツーロール方式で搬送し、成型品を製造してもよい。ロールツーロール方式では、ロールから繰り出した離型フィルム10を、対象物と熱プレス板との間に搬送し、熱プレス接着して成型品を作成した後、剥離し、再びロールに巻き取ることが行われる。この場合、成型品から離型フィルム10を剥離する角度が低角度となる傾向にある。そのため、離型フィルム10には、より大きな力が加わるため、より高い離型性が求められることとなる。これに対し、本実施形態においては、離型フィルム10を用いているため、より高い離型性を発揮し、ロールツーロール方式を用いた場合であっても、離型性と埋め込み性のバランスを向上でき、さらには波打ちも抑制し、外観が良好な成型品を得ることができる。
本実施形態において、工程2の加熱プレス温度は、公知の方法とすることができ、例えば、160℃~200℃である。
かかる本実施形態の成型品の製造方法を、たとえば、フレキシブルプリント回路基板を作製する際に使用する例について説明する。
この場合、離型フィルム10は、フレキシブルフィルム上に形成された回路を保護するため、当該回路に対してカバーレイフィルムを加熱プレスして密着させる際に、カバーレイとプレス機との間に介在させて使用する。
具体的には、離型フィルム10は、例えば、フレキシブルプリント配線基板の製造工程の一つであるカバーレイプレスラミネート工程において用いられる。より詳細には、離型フィルム10は、回路露出フィルムへのカバーレイフィルム接着時にカバーレイフィルムを回路パターンの凹凸部に密着させるためにカバーレイフィルムを包むように配置され、回路露出フィルム及びカバーレイフィルムと共にプレス機により加熱加圧される。
この時、クッション性の向上のために、紙、ゴム、フッ素樹脂シート、ガラスペーパー等、またはこれらを組合せた資材を離型フィルム10とプレス機の間に挿入した上で加熱加圧することもできる。
また、本実施形態の離型フィルム10は、上述した成型品を作製するために以下の方法で使用してもよい。
まず、熱硬化性樹脂を含む材料によって形成されている対象物の表面に対して、上記本実施形態に係る離型フィルム10の離型層1における離型面11を配置する。次に、離型フィルム10の離型層2における離型面21上に、紙、ゴム、フッ素樹脂シート、ガラスペーパー等、またはこれらを組合せた資材を配置する。その後、離型フィルム10を配置した対象物に対し、金型内でプレス処理を行う。ここで、上述した熱硬化性樹脂は、半硬化状態であっても、硬化状態であってもよいが、半硬化状態であると、当該離型フィルム10の作用効果が一層顕著なものとなる。特に、熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂を含む樹脂組成物である場合には、当該エポキシ樹脂が、硬化反応の中間の段階にあること、すなわち、Bステージ状態にあることが好ましい。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
本実施形態において、離型フィルム10は、離型層1と、クッション層3と、離型層2とが厚み方向にこの順で積層してなる積層構造を有したものについて説明したが、これに限られない。
例えば、離型フィルムは、接着層、ガスバリア層等を有する4層、5層等の4層以上の構成であってもよい。この場合、接着層、ガスバリア層としては、特に限定されず、公知のものを用いることができる。
以下、本発明を実施例および比較例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<材料>
離型フィルムの材料としては、以下の物を用いた。
(離型層)
・TPX-1:ポリメチルペンテン樹脂「DX231」(軟化温度179℃)、三井化学社製
・TPX-2:ポリメチルペンテン樹脂「RT31」(軟化温度167℃)、三井化学社製
・PBT:ポリブチレンテレフタレート「1100-630S」、長春石油化学社製
・溶融シリカ:球状、平均粒径d50が11.7μm、「SC10-32F」、新日鉄住金マテリアルズ社製
(クッション層)
・変性ポリエチレン樹脂:エチレン-メチルアクリレート共重合体(EMA)樹脂、「EB140F」、日本ポリエチレン社製、融点73℃
・低密度ポリエチレン(LDPE):「R500」宇部丸善ポリエチレン社製、融点110℃
・ポリプロピレン樹脂:「E111G」、プライムポリマー社製、融点160℃
・TPX-1:ポリメチルペンテン樹脂「DX231」、三井化学社製
・TPX-2:ポリメチルペンテン樹脂「RT31」、三井化学社製
<実施例1>
第1の離型層を形成する熱可塑性樹脂組成物として、TPX(登録商標)90重量部と、溶融シリカ10重量部を用いた。
クッション層として、変性ポリエチレン樹脂を60重量部、ポリプロピレン樹脂を20重量部、およびTPX-2を20重量部含む樹脂組成物を用いた。
第2の離型層(副離型層)を形成する熱可塑性樹脂組成物として、第1の離型層と同じものを用いた。
それぞれの材料を用いて、第1の離型層、クッション層、第2の離型層を、押出Tダイ法によって、厚み方向にこの順で積層し、それぞれの厚さが表1に示す厚さ(μm)となるように成形し、離型フィルムを得た。
<実施例2>
離型層およびクッション層のTPX-1の代わりにいずれもPBTを用いた以外は、実施例1と同様にして、離型フィルムを得た。
<実施例3>
表1に示す層厚み(μm)に変更した以外は、実施例1と同様にして、離型フィルムを得た。
<実施例4>
表1に示す層厚み(μm)に変更した以外は、実施例1と同様にして、離型フィルムを得た。
<比較例1>
表1に示す層厚み(μm)に変更した以外は、実施例1と同様にして、離型フィルムを得た。
<比較例2>
表1に示す層厚み(μm)に変更した以外は、実施例1と同様にして、離型フィルムを得た。
<比較例3>
クッション層として、変性ポリエチレン樹脂「EB140F」を、低密度ポリエチレン「R500」に変更した以外は、実施例1と同様にして、離型フィルムを得た。
<比較例4>
表1に示す層厚み(μm)に変更した以外は、実施例1と同様にして、離型フィルムを得た。
<比較例5>
クッション層として、TPX-2をポリプロピレン樹脂「E111G」に変更した以外は、実施例1と同様にして、離型フィルムを得た。
<比較例6>
離型層のTPX-1の代わりにTPX-2を用いた。クッション層は、変性ポリエチレン樹脂「EB140F」60重量部、ポリプロピレン樹脂「E111G」10重量部、TPX-2を30重量部を含む樹脂組成物を用いた。また、表1に示す層厚み(μm)に変更した以外は、実施例1と同様にして、離型フィルムを得た。
実施例および比較例で得られた各離型フィルムおよび成型品を用いて、以下の測定・評価を行った。結果を表1に示す。
<測定>
・示差走査型熱量測定法(DSC)による融点の測定:DSC(示差走査熱量計、SII社製 DSC6220)を用いて得られた、DSC曲線の最大吸熱ピークの温度を融点とした。
・粒子(溶融シリカ)の平均粒径d50:レーザー回折式粒度分布測定装置(Malvern社製、マスターサイザー2000)を用い、溶媒を水として粒子を分散させて粒度測定を行って得られた結果より、累積頻度が50%となる粒子径の値を平均粒径d50として算出した。なお、単位は、μmである。
・貯蔵弾性率、損失弾性率、Tanδ:
MD方向に、幅4mm、長さ20mmに成形した離型フィルムを、動的粘弾性測定装置で、引張りモード、周波数1Hz、昇温速度5℃/minで測定したときの、150℃での貯蔵弾性率(MPa)、損失弾性率(MPa)、Tanδをそれぞれ求めた。
・ループスティフネス:
ループスティフネステスター(東洋精機株式会社社製)を用いて、試験片サイズ:幅10mm×180mm、または幅15mm×180mm(離型フィルムの製膜時の流れ方向)、ループ長さ:120mm、押し込み量:20mmの条件で経時的にスティフネス強度を測定し、その間における最大値を「ループスティフネス試験により測定された値」(mN/cm)とした。
<評価>
・埋め込み性(接着剤のしみだし形状):
まず、有沢製作所製のカバーレイ(CEAM0515)に1mm角の開口部を作成した。次に、フレキシブル配線板用銅張積板の表面に対して、接着剤がコーティングされている側の面が接触するように上記開口部を有するカバーレイを仮止めした試験片を作製した。次いで、離型フィルムにおける第1の離型層の第1の離型面が、上記試験片のカバーレイを有する側の面と対向するように、上記離型フィルムと、上記試験片とを重ねあわせた後、真空条件下150℃、2MPa、真空引き20秒、2分間の熱プレス処理を施し、成型品を得た。このようにして得られた成型品について、カバーレイに形成した開口部内に、該カバーテープの表面にコーティングされている接着剤が上記開口部の外縁部からしみ出した形状(接着剤のしみだし形状)を観察し、以下の基準に基づいて埋め込み性を評価した。
◎:接着剤のしみだし形状の凹凸差が、40μm未満であった。
○:接着剤のしみだし形状の凹凸差が、40μm以上、70μm未満であった。
△:接着剤のしみだし形状の凹凸差が、70μm以上、100μm未満であった。
×:接着剤のしみだし形状の凹凸差が、100μm以上であった。
・離型性(第1の離型層の離型面11の離型性):
L/Sが100/100μmの電気配線が形成された絶縁基板(FPC)表面に対し、接着剤がコーティングされている側の面が接触するように開口部を有するカバーレイを仮止めした試験片を作製した。次いで、離型フィルムにおける第1の離型層の第1の離型面が、上記試験片のカバーレイを有する側の面と対向するように、上記離型フィルムと、上記試験片とを重ねあわせた後、真空条件下150℃、2MPa、真空引き20秒、2分間の熱プレス処理を施し、成型品を得た。
引っ張り試験機(エーアンドデイ社製Force gauge AD-4932A-50N)を用いて、180°方向に約1000mm/分の速度で、離型面とサンプルの剥離力を測定した。測定はプレス直後に実施し、以下の基準に基づいて離型性を評価した。評価結果を表1に示す。
◎:0.5N以下
○:0.5N超1.0N未満
×:1.0N以上
・波打ちの評価
15mm×15mmのエッチング部(銅なし部)が13mm間隔で格子状に形成されたポリイミド厚さ12.5μm、銅箔厚さ18μmの3層フレキシブル銅張積層板(FCCL)を用意した。
当該FCCLと、ポリイミドフィルムとエポキシ樹脂系接着剤層からなる有沢製作所製のカバーレイ(CEAM0515)を重ね合わせ仮止めした試験片を作成した。
次に、ロールツーロールプレス機の所定の位置に、カバーレイフィルム側が上面となるように当該試験片をセットした。
続けて、ロールツーロール方式で離型フィルムを300mm/sで搬送しつつ、150℃、140秒、11MPaの条件で離型フィルムを試験片に加熱プレスしたのち、200mm/sで搬送しつつ、前記試験片と当該離型フィルムとを引き剥がした。
その後、銅箔の打ち抜き部に張られたカバーレイフィルムを目視およびバートスキャンVS1000(日立ハイテック株式会社製)で表面粗さSa(μm)を測定し、以下の基準で評価した。
なお、表面粗さは、ISO25178に準じて測定した。
・基準
〇:波打ちがない。Sa値が0.04μm未満。
△:波打ちがややみられる。Sa値が0.04μm以上0.05μm未満。
×:波打ちが多くみられる。Sa値が0.05μm以上。
・外観シワ:
L/Sが100/100μmの電気配線が形成された絶縁基板(FPC)表面に対し、接着剤がコーティングされている側の面が接触するように開口部を有するカバーレイを仮止めした試験片を作製した。次いで、離型フィルムを試験片に150℃、11MPa、120secの条件でロールツーロールプレス機にて加圧貼付して、加圧直後に200mm/sで搬送しつつ、前記試験片と当該離型フィルムとを引き剥がした。試験片表面について、JPCA規格の「7.5.7.2項しわ」に準じて測定した。
◎:シワ発生率 1.0%未満
○:シワ発生率 1.0%以上、2.0%未満
×:シワ発生率 2.0%以上
Figure 2023046646000002
10 離型フィルム
1 第1の離型層
2 第2の離型層
3 クッション層
11 離型面
21 離型面

Claims (12)

  1. 離型面を構成する離型層と、前記離型層上に積層されたクッション層と、を有する離型フィルムであって、
    前記離型層の厚みが1~10μmであり、
    前記クッション層の厚みが90~120μmであり、
    前記クッション層が、示差走査型熱量測定法(DSC)による融点が80℃以下である物質と、当該融点が200℃以上の物質とを含む樹脂組成物から構成されている、離型フィルム。
  2. 請求項1に記載の離型フィルムであって、
    23℃、50%RH、幅10mm、周長120mm、押込距離20mmの条件で測定されるMD方向のループスティフネス値が45~90mNである、離型フィルム。
  3. 請求項1または2に記載の離型フィルムであって、
    前記離型フィルムは、動的粘弾性測定装置(引張りモード、周波数1Hz、昇温速度5℃/min)で測定される150℃での貯蔵弾性率が、30MPa以上70MPa以下である、離型フィルム。
  4. 請求項1乃至3いずれか一項に記載の離型フィルムであって、
    前記離型フィルムは、動的粘弾性測定装置(引張りモード、周波数1Hz、昇温速度5℃/min)で測定される150℃での損失弾性率が、4MPa以上20MPa以下である、離型フィルム。
  5. 請求項1乃至4いずれか一項に記載の離型フィルムであって、
    前記離型フィルムは、動的粘弾性測定装置(引張りモード、周波数1Hz、昇温速度5℃/min)で測定される150℃でのtanδが、0.05以上0.3以下である離型フィルム。
  6. 請求項1乃至5いずれか一項に記載の離型フィルムであって、
    前記離型層は、ポリエステル樹脂、ポリ4-メチル1-ペンテン樹脂、ポリアミド樹脂、およびポリプロピレン樹脂の中から選ばれる1種または2種以上を含む、離型フィルム。
  7. 請求項1乃至6いずれか一項に記載の離型フィルムであって、
    前記クッション層は、エチレン系コポリマー、α-オレフィン系重合体、α-オレフィン系共重合体、エンジニアリングプラスチックス系樹脂、およびポリメチルペンテン樹脂の中から選ばれる1種または2種以上を含む、離型フィルム。
  8. 請求項1乃至7いずれか一項に記載の離型フィルムであって、
    前記離型フィルムの厚みが50~250μmである、離型フィルム。
  9. 請求項1乃至8いずれか一項に記載の離型フィルムであって、
    ロールツーロール方式に適用される、離型フィルム。
  10. 請求項1乃至9いずれか一項に記載の離型フィルムの前記一方の離型面が対象物側になるように、前記対象物上に前記離型フィルムを配置する工程と、
    前記離型フィルムが配置された前記対象物に対し、加熱プレスを行う工程と、
    を含み、
    前記離型フィルムを配置する前記工程において、前記対象物の前記離型フィルムが配置される面が、熱硬化性樹脂を含む材料によって形成されている、成型品の製造方法。
  11. 請求項10に記載の成型品の製造方法であって、
    前記離型フィルムを配置する前記工程の後、前記離型フィルムの第2の離型層の離型面上に資材を配置する工程をさらに含む、成型品の製造方法。
  12. 請求項10または11に記載の成型品の製造方法であって、
    前記成型品が、フレキシブル回路基板である、成型品の製造方法。
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