JP7298194B2 - 離型フィルムおよび成型品の製造方法 - Google Patents
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Description
一方の面に、第1の熱可塑性樹脂材料からなる第1の離型層と、
当該第1の離型層上に形成されたクッション層と、を有する離型フィルムであって、
前記クッション層が、示差走査型熱量測定法(DSC)による融点が80℃以下であるエチレン系コポリマーを含み、
前記第1の離型層の厚み(μm)が、前記離型フィルム全体の厚みに対して、15%以下である、離型フィルム
が提供される。
前記離型フィルムが配置された前記対象物に対し、加熱プレスを行う工程と、
を含み、
前記離型フィルムを配置する前記工程において、前記対象物の前記離型フィルムが配置される面が、熱硬化性樹脂を含む材料によって形成されている、成型品の製造方法が提供される。
図1は、本実施形態に係る離型フィルムの断面図である。
図1に示すように、離型フィルム10は、第1の熱可塑性樹脂を含む離型層1と、クッション層3と、第2の熱可塑性樹脂を含む離型層2とが、厚み方向にこの順で積層した積層構造を有する。
また、離型層1は、離型フィルム10の一方の面に配されており、離型層2は、離型フィルム10の他方の面に配されている。
離型フィルム10は、上記半硬化状態にある熱硬化性樹脂を含む材料によって形成された成型対象物の表面上に配置して用いる。そして、成型対象物の表面に離型フィルム10を配置した状態で、加熱プレスを行うことで、所望の成型品を得ることができる。
離型層1は、離型フィルム10を用いて加熱プレスを行う際に、成型対象物に接する面(第1の離型面)を形成する層である。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート樹脂(PTT)、ポリヘキサメチレンテレフタレート樹脂(PHT)等のポリアルキレンテレフタレート樹脂、ポリ4-メチル1-ペンテン樹脂(TPX(登録商標):以下、ポリメチルペンテン樹脂ともいう。)、シンジオタクチックポリスチレン樹脂(SPS)、ポリプロピレン樹脂(PP)及び他の成分を共重合した共重合体樹脂が挙げられる。これらは、1種または2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも、離型層1の離型性を向上させる観点から、ポリメチルペンテン樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、シンジオタクチックポリスチレン樹脂およびポリプロピレン樹脂からなる群より選択される1種または2種以上を用いることが好ましく、ポリメチルペンテン樹脂であることがより好ましい。
粒子の平均粒径d50は、好ましくは3μm以上、より好ましくは5μm以上であり、さらに好ましくは8μm以上である。一方、粒子の平均粒径d50は、好ましくは35μm以下、より好ましくは25μm以下であり、さらに好ましくは18μm以下である。
粒子の平均粒径d50を上記下限値以上とすることで、離型フィルム10の剛性を向上させるとともに、表面粗化したFPCとの離型性を向上させることができる。一方、粒子の平均粒径d50を上記上限値以下とすることで、離型性と追従性とのバランスを良好にし、仕上がり外観が良好な成型品を作製することができる。
無機粒子としては、結晶性シリカ、非晶性シリカ、および溶融シリカなどのシリカ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、アルミナ、窒化アルミニウム、ほう酸アルミウイスカ、窒化ホウ素、アンチモン酸化物、Eガラス、Dガラス、Sガラス、およびゼオライトからなる群から得られる1種または2種以上を用いてなる粒子が挙げられる。無機粒子は、1種類のみの粒子を単独で使用してもよいし、異なる種類の粒子を併用してもよい。無機粒子は、樹脂との密着性を向上させる目的でシランカップリング剤など用いて表面処理を行ってもよいし、分散性を向上させる目的で無機粒子に有機被膜処理を行ったコアシェル型粒子を用いてもよい。
離型フィルムの剛性を向上させる観点から、結晶性シリカ、非晶性シリカ、および溶融シリカなどのシリカであることが好ましく、球状の溶融シリカであることがより好ましい。
離型層1の粒子の含有量を上記下限値以上とすることにより、良好な離型性が得られやすくなり、一方、離型層1の粒子の含有量を上記上限値以下とすることにより、良好な離型性を保持しつつ、コストダウンを図ることができる。
離型層1の厚みを上記下限値以上とすることにより、良好な離型性が得られやすくなり、一方、離型層1の厚みを上記上限値以下とすることにより、良好な追従性が得られやすくなるとともに、コストダウンを図ることができる。
十点平均粗さRzを上記下限値以上とすることにより、離型性を高めることができる。一方、十点平均粗さRzを上記上限値以下とすることにより、追従性を良好に保持することができるようになる。
なお、十点平均粗さRzは、JIS B 0601(1994)に準じて測定することができる。
離型層2は、離型フィルム10を用いて加熱プレスを行う際に、プレス熱板と接する面(第2の離型面)を形成する層である。
粒子の平均粒径d50を上記下限値以上とすることで、離型フィルム10の剛性を向上させるとともに、加熱プレス時の熱板に対する離型性を向上させることができる。一方、粒子の平均粒径d50を上記上限値以下とすることで、離型性と追従性とのバランスを良好にし、仕上がり外観が良好な成型品を作製することができる。
離型層2の粒子の含有量を上記下限値以上とすることにより、加熱プレス時の熱板に対する良好な離型性が得られやすくなり、一方、離型層2の粒子の含有量を上記上限値以下とすることにより、良好な離型性を保持しつつ、コストダウンを図ることができる。
クッション層3は、離型層1と離型層2との間に介在する。クッション層3は、良好な追従性を付与しつつ、離型フィルム10全体に適度なコシを付与するものである。
エチレン系コポリマーの含有量を、上記下限値以上とすることにより、加熱プレス時に離型フィルム10が素早く回路露出フィルムに追従でき、接着剤の流れ出しを抑制することができる。
一方、エチレン系コポリマーの含有量を、上記上限値以下とすることにより、加熱プレス時によりクッション層3自体が流れ出すことを抑制し、適度な強度を保持できる。
なかでも、クッション層3に適度な強度や弾性を付与し、良好な離型性を保持する観点から、ポリプロプレン、ポリメチルペンテン樹脂を含むことが好ましい。
なかでも、クッション層3に適度な強度や弾性を付与し、良好な離型性を保持する観点から、ポリプロプレンまたはポリ4-メチル1-ペンテン樹脂またはポリブチレンテレフタレート(PBT)を少なくとも含む混合物が好ましい。
クッション層3の厚さを上記下限値以上とすることにより、離型フィルム10の良好なクッション性が素早く得られ、接着剤の流れ出しを抑制でき、追従性が良好になる。一方、クッション層3の厚さを上記上限値以下とすることにより、離型性を良好に維持でき、加熱プレスによりクッション層3自体が流れ出すことを抑制できる。
クッション層3の厚さを上記下限値以上とすることにより、離型フィルム10のクッション性が素早く得られ、接着剤の流れ出しを抑制でき、追従性が良好になる。一方、クッション層3の厚さを上記上限値以下とすることにより、離型性を良好に維持できる。
離型フィルム10は、共押出法、押出ラミネート法、ドライラミネート法、インフレーション法等公知の方法を用いて作製することができる。また、離型フィルム10は、離型層1と、クッション層3と、離型層2との各層を、別々に製造してからラミネーター等により接合してもよいが、空冷式または水冷式共押出インフレーション法、共押出Tダイ法で成膜することが好ましい。なかでも、共押出Tダイ法で成膜する方法が各層の厚さ制御に優れる点で特に好ましい。また、離型層1と、クッション層3と、離型層2とをそのまま接合してもよいし、接着層を介して接合してもよい。
次に、本実施形態の成型品の製造方法について説明する。
本実施形態の成型品の製造方法は、上述した離型フィルム10の一方の離型面(離型層1の離型面)が対象物側になるように、対象物上に離型フィルム10を配置する工程と、離型フィルム10が配置された対象物に対し、加熱プレスを行う工程と、を含み、離型フィルム10を配置する前記工程において、対象物の離型フィルム10が配置される面が、熱硬化性樹脂を含む材料によって形成されているものである。
また、離型フィルム10を配置する前記工程の後、離型フィルム10の第2の離型層の離型面(離型層2の離型面)上に資材を配置する工程をさらに含んでもよい。
なお、加熱プレスの条件は、公知の方法を用いることができる。
この場合、離型フィルム10は、フレキシブルフィルム上に形成された回路を保護するため、当該回路に対してカバーレイフィルムを加熱プレスして密着させる際に、カバーレイとプレス機との間に介在させて使用する。
具体的には、離型フィルム10は、例えば、フレキシブルプリント配線基板の製造工程の一つであるカバーレイプレスラミネート工程において用いられる。より詳細には、離型フィルム10は、回路露出フィルムへのカバーレイフィルム接着時にカバーレイフィルムを回路パターンの凹凸部に密着させるためにカバーレイフィルムを包むように配置され、回路露出フィルム及びカバーレイフィルムと共にプレス機により加熱加圧される。
この時、クッション性の向上のために、紙、ゴム、フッ素樹脂シート、ガラスペーパー等、またはこれらを組合せた資材を離型フィルム10とプレス機の間に挿入した上で加熱加圧することもできる。
まず、熱硬化性樹脂を含む材料によって形成されている対象物の表面に対して、上記本実施形態に係る離型フィルム10の離型層1における第1の離型面を配置する。次に、離型フィルム10の離型層2における第2の離型面上に、紙、ゴム、フッ素樹脂シート、ガラスペーパー等、またはこれらを組合せた資材を配置する。その後、離型フィルム10を配置した対象物に対し、金型内でプレス処理を行う。ここで、上述した熱硬化性樹脂は、半硬化状態であっても、硬化状態であってもよいが、半硬化状態であると、当該離型フィルム10の作用効果が一層顕著なものとなる。特に、熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂を含む樹脂組成物である場合には、当該エポキシ樹脂が、硬化反応の中間の段階にあること、すなわち、Bステージ状態にあることが好ましい。
例えば、離型フィルムは、接着層、ガスバリア層等を有する4層、5層等の4層以上の構成であってもよい。この場合、接着層、ガスバリア層としては、特に限定されず、公知のものを用いることができる。
以下、参考形態の例を付記する。
1.一方の面に、第1の熱可塑性樹脂材料からなる第1の離型層と、
当該第1の離型層上に形成されたクッション層と、を有する離型フィルムであって、
前記クッション層が、示差走査型熱量測定法(DSC)による融点が80℃以下であるエチレン系コポリマーを含み、
前記第1の離型層の厚み(μm)が、前記離型フィルム全体の厚みに対して、15%以下である、離型フィルム。
2.前記第1の離型層の厚み(μm)に対する、前記クッション層の厚み(μm)が、3以上、10以下である、1.に記載の離型フィルム。
3.前記エチレン系コポリマーの含有量が、前記クッション層の全量に対して、40質量%以上、80質量%以下である、1.または2.に記載の離型フィルム。
4.前記第1の離型層の十点平均粗さRzが1μm以上、10μm以下である、1.乃至3.いずれか一つに記載の離型フィルム。
5.前記第1の離型層が、ポリ4-メチル1-ペンテン樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、シンジオタクチックポリスチレン樹脂およびポリプロピレン樹脂からなる群より選択される1種または2種以上を含む、1.乃至4.いずれか一つに記載の離型フィルム。6.他方の面に、第2の熱可塑性樹脂材料からなる第2の離型層をさらに備える、1.乃至5.いずれか一つに記載の離型フィルム。
7.前記第1の離型層および/または前記第2の離型層が、平均粒径d50が3μm以上35μm以下である粒子を含有する、1.乃至6.いずれか一つに記載の離型フィルム。
8.1.乃至7.のいずれか一つに記載の離型フィルムの前記一方の離型面が対象物側になるように、前記対象物上に前記離型フィルムを配置する工程と、
前記離型フィルムが配置された前記対象物に対し、加熱プレスを行う工程と、
を含み、
前記離型フィルムを配置する前記工程において、前記対象物の前記離型フィルムが配置される面が、熱硬化性樹脂を含む材料によって形成されている、成型品の製造方法。
9.前記離型フィルムを配置する前記工程の後、前記離型フィルムの第2の離型層の離型面上に資材を配置する工程をさらに含む、8.に記載の成型品の製造方法。
第1の離型層を形成する熱可塑性樹脂組成物として、ポリメチルペンテン樹脂(TPX(登録商標)、三井化学社製、RT31)90重量部と、平均粒径d50が、11.7μmの球状の無機粒子である溶融シリカ(新日鉄住金マテリアルズ社製、SC10-32F)10重量部を用いた。
クッション層として、変性ポリエチレン樹脂(エチレン-メチルアクリレート共重合体(EMA)樹脂)(日本ポリエチレン社製、EB140F)60重量部、ポリプロピレン樹脂(プライムポリマー社製、E111G)10重量部、ポリメチルペンテン樹脂(TPX(登録商標)、三井化学社製、RT31)30重量部を含む樹脂組成物を用いた。
第2の離型層を形成する熱可塑性樹脂組成物として、第1の離型層と同じものを用いた。
それぞれの材料を用いて、第1の離型層、クッション層、第2の離型層を、押出Tダイ法によって、厚み方向にこの順で積層し、それぞれの厚さが表1に示す厚さ(μm)となるように成形し、離型フィルムを得た。
表1に示す層厚み比率に変更した以外は、実施例1と同様にして、離型フィルムを得た。
表1に示す層厚み比率に変更した以外は、実施例1と同様にして、離型フィルムを得た。
第1の離型層、および第2の離型層の無機粒子含有量をいずれも6重量部とし、表1に示す層厚み比率に変更した以外は、実施例1と同様にして、離型フィルムを得た。
クッション層のEMA(プライムポリマー社製、EB140F)をEMA(日本ポリエチレン社製、EB050S)とし、表1に示す層厚み比率に変更した以外は、実施例1と同様にして、離型フィルムを得た。
クッション層のEMA(プライムポリマー社製、EB140F)をEVA(NUC社製、NUC3888)とし、表1に示す層厚み比率に変更した以外は、実施例1と同様にして、離型フィルムを得た。
クッション層として、EMA(プライムポリマー社製、EB140F)を50重量部、ポリプロピレン樹脂(プライムポリマー社製、E111G)を20重量部、ポリメチルペンテン樹脂(TPX(登録商標)、三井化学社製、RT31)を30重量部とし、表1に示す層厚み比率に変更した以外は、実施例1と同様にして、離型フィルムを得た。
クッション層として、EMA(プライムポリマー社製、EB140F)を70重量部、ポリプロピレン樹脂(プライムポリマー社製、E111G)を10重量部、ポリメチルペンテン樹脂(TPX(登録商標)、三井化学社製、RT31)を20重量部とし、表1に示す層厚み比率に変更した以外は、実施例1と同様にして、離型フィルムを得た。
クッション層として、EMA(プライムポリマー社製、EB140F)を80重量部、ポリメチルペンテン樹脂(TPX(登録商標)、三井化学社製、RT31)を20重量部とし、表1に示す層厚み比率に変更した以外は、実施例1と同様にして、離型フィルムを得た。
第1の離型層を形成する熱可塑性樹脂組成物として、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)(長春石油化学社製、1100-211S)90重量部と、平均粒径d50が、11.7μmの球状の無機粒子である溶融シリカ(新日鉄住金マテリアルズ社製、SC10-32F)10重量部を用いた。
クッション層として、変性ポリエチレン樹脂(エチレン―メチルアクリレート共重合体(EMA)樹脂)(日本ポリエチレン社製、EB140F)60重量部、ポリプロピレン樹脂(プライムポリマー社製、E111G)10重量部、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)(長春石油化学社製、1100-211S)30重量部を含む樹脂組成物を用いた。
第2の離型層を形成する熱可塑性樹脂組成物として、第1の離型層と同じものを用いた。
それぞれの材料を用いて、第1の離型層、クッション層、第2の離型層を、押出Tダイ法によって、厚み方向にこの順で積層し、それぞれの厚さが表1に示す厚さ(μm)となるように成形し、離型フィルムを得た。
クッション層のEMA(プライムポリマー社製、EB140F)をEMMA(住友化学社製、WD106)とし、表1に示す層厚み比率に変更した以外は、実施例1と同様にして、離型フィルムを得た。
クッション層のEMA(プライムポリマー社製、EB140F)をEMA(三井・デュポンポリケミカル社製、EMA1125)とし、表1に示す層厚み比率に変更した以外は、実施例1と同様にして、離型フィルムを得た。
表1に示す層比率に変更した以外は、実施例1と同様にして、離型フィルムを得た。
・示差走査型熱量測定法(DSC)による融点の測定:DSC(示差走査熱量計、SII社製 DSC6220)を用いて得られた、エチレン系コポリマーのDSC曲線の最大吸熱ピークの温度を融点とした。
1.離型性(第1の離型層の第1の離型面の離型性):
回路基板に対して、離型フィルムにおける第1の離型面が対向するように上下に貼り合わせ、大気圧プレス機を用い、150℃、3.5MPaの圧力で、3分間の熱プレスを行うことにより、試験片を作製した。その後、得られた試験片をプレス機から取り出し、引張試験機(エーアンドデイ社製Force gauge AD-4932A-50N)を用いて、180°方向に約1000mm/分の速度で応力を加えて離型フィルムを剥離し、第1の離型面の回路基板への樹脂残りを観察し、以下の基準に基づいて離型性を評価した。
○:回路基板への樹脂残りが無く、離型フィルムを剥離できた。
×:剥離時にフィルムが破断し、回路基板に樹脂残りが発生した。
離型フィルム(大きさ70mm×70mm)と厚さ50μmの銅箔(大きさ100mm×100mm)を重ね合わせ、更に、その両外側からステンレス板で挟みこみ、加熱プレス機にセットした。150℃、3.5MPa、3分間の条件で加熱プレスし、プレス圧を解放し冷却した後、離型フィルムの端部から染み出したクッション層成分の長さ(離型フィルム端部からの最大距離)を離型フィルム面上部から光学顕微鏡で観察し測定し、以下の基準に基づいてクッション層はみだしを評価した。
○:クッション層のはみだしが0.5mm未満。
△:クッション層のはみだしが0.5mm以上、0.7mm未満。
×:クッション層のはみだしが0.7mm以上。
まず、有沢製作所製のカバーレイ(CEAM0515)に1mm角の開口部を作成した。次に、フレキシブル配線板用銅張積板の表面に対して、接着剤がコーティングされている側の面が接触するように上記開口部を有するカバーレイを仮止めした試験片を作製した。次いで、離型フィルムにおける第1の離型層の第1の離型面が、上記試験片のカバーレイを有する側の面と対向するように、上記離型フィルムと、上記試験片とを重ねあわせた後、150℃、3.5MPa、3分間の熱プレス処理を施し、成型品を得た。得られた成型品について、カバーレイに形成した開口部内に、該カバーテープの表面にコーティングされている接着剤が上記開口部の外縁部からしみ出した形状(接着剤のしみだし形状)を観察し、以下の基準に基づいて追従性を評価した。
○:接着剤のしみだし形状の凹凸差が、40μm未満であった。
×:接着剤のしみだし形状の凹凸差が、40μm以上であった。
フレキシブル配線板用銅張積板の表面に対して、有沢製作所製のカバーレイ(CMタイプ)の接着剤がコーティングされている側の面が接触するように上記カバーレイを仮止めした試験片を作製した。次いで、離型フィルムにおける第1の離型層の第1の離型面が、上記試験片のカバーレイを有する側の面と対向するように、上記離型フィルムと、上記試験片とを重ねあわせた後、150℃、3.5MPa、3分間の熱プレス処理を施し、成型品を得た。FPCの外観について、JPCA規格の「7.5.7.2項しわ」に準拠した方法で単位面積当たりのシワ発生率を測定した。得られた測定値については、以下の基準で評価した。
○:シワ発生率が1.0%未満であった。
△:シワ発生率が1.0%以上、1.5%未満であった。
×:シワ発生率が1.5%以上であった。
1 第1の離型層
2 第2の離型層
3 クッション層
Claims (11)
- 一方の面に、第1の熱可塑性樹脂材料からなる第1の離型層と、
当該第1の離型層上に形成されたクッション層と、を有する離型フィルムであって、
前記クッション層が、示差走査型熱量測定法(DSC)による融点が80℃以下であるエチレン系コポリマーを含み、
当該エチレン系コポリマーが、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)、エチレン-メチルメタクリレート共重合体(EMMA)、エチレン-エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン-メチルアクリレート共重合体(EMA)、エチレン-エチルアクリレート-無水マレイン酸共重合体(E-EA-MAH)、エチレン-アクリレート共重合体(EAA)、エチレン-メタクリル酸共重合体(EMAA)、およびエチレンシクロオレフィン共重合体(COC)の中から選ばれる1種または2種以上であり、
前記第1の離型層の厚み(μm)が、前記離型フィルム全体の厚み(μm)に対して、15%以下である、離型フィルム。 - 前記第1の離型層の厚み(μm)に対する、前記クッション層の厚み(μm)が、3以上、10以下である、請求項1に記載の離型フィルム。
- 前記エチレン系コポリマーの含有量が、前記クッション層の全量に対して、40質量%以上、80質量%以下である、請求項1または2に記載の離型フィルム。
- 前記第1の離型層の十点平均粗さRzが1μm以上、10μm以下である、請求項1乃至3いずれか一項に記載の離型フィルム。
- 前記第1の離型層が、ポリ4-メチル1-ペンテン樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、シンジオタクチックポリスチレン樹脂およびポリプロピレン樹脂からなる群より選択される1種または2種以上を含む、請求項1乃至4いずれか一項に記載の離型フィルム。
- 他方の面に、第2の熱可塑性樹脂材料からなる第2の離型層をさらに備える、請求項1乃至5いずれか一項に記載の離型フィルム。
- 前記第2の離型層が、平均粒径d50が3μm以上35μm以下である粒子を含有する、請求項6に記載の離型フィルム。
- 前記第1の離型層が、平均粒径d50が3μm以上35μm以下である粒子を含有する、請求項1乃至7いずれか一項に記載の離型フィルム。
- 前記第1の離型層の厚み(μm)が、前記離型フィルム全体の厚みに対して、4%以上15%以下である、請求項1乃至8いずれか一項に記載の離型フィルム。
- 請求項1乃至9のいずれか一項に記載の離型フィルムの前記一方の離型面が対象物側になるように、前記対象物上に前記離型フィルムを配置する工程と、
前記離型フィルムが配置された前記対象物に対し、加熱プレスを行う工程と、
を含み、
前記離型フィルムを配置する前記工程において、前記対象物の前記離型フィルムが配置される面が、熱硬化性樹脂を含む材料によって形成されている、成型品の製造方法。 - 前記離型フィルムを配置する前記工程の後、前記離型フィルムの第2の離型層の離型面上に資材を配置する工程をさらに含む、請求項10に記載の成型品の製造方法。
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