JP7246994B2 - プリント配線基板製造プロセス用離型フィルム、及びその用途 - Google Patents
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Description
従来から、離型性の観点から、FPC製造プロセス用離型フィルムとしては、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体、およびポリフッ化ビニルなどのフッ素系重合体のフィルム、ポリメチルペンテンのフィルム、ポリブチレンテレフタレートのフィルムなどが使用されている。
例えば特許文献1には、特定組成の4-メチル-1-ペンテン系共重合体から形成される層を含み、且つ特定の厚み構成と熱収縮率とを有するフィルムが提案されている。
加えて近年、FPC製造プロセスの生産性向上のため、自動化に適したロールトゥロール方式が採用されるようになってきている。この方式においては、シワが発生し易い傾向にあり耐シワ性も従来技術よりも一層高いレベルのものが求められている。
すなわち、プリント配線基板上の回路パターンも微細化、及び生産性の向上、という近年のますます増大する要求に応えるため、プリント配線基板製造プロセス用離型フィルムには、従来技術よりも更に高いレベルの追従性、耐シワ性、及び離型性を兼ね備えることが求められるに至っている。
すなわち本発明及びその各態様は、下記[1]から[8]に記載のとおりである。
少なくとも離型層(A)と中間層(B)とを含む、プリント配線基板製造プロセス用離型フィルムであって、
離型層(A)の厚みが15μm以下であり、
中間層(B)の180℃における引張弾性率が11MPa以上であることを特徴とする、上記プリント配線基板製造プロセス用離型フィルム。
[2]
フレキシブルプリント配線基板の製造に用いられる、[1]に記載のプリント配線基板製造プロセス用離型フィルム。
[3]
中間層(B)の厚みが30μm以上である、[1]又は[2]に記載のプリント配線基板製造プロセス用離型フィルム。
[4]
離型層(A)の表面の水に対する接触角が60°から130°である、[1]から[3]のいずれか一項に記載のプリント配線基板製造プロセス用離型フィルム。
[5]
離型層(A)が、4-メチル-1-ペンテン(共)重合体、フッ素樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種の樹脂を含有する、[1]から[4]のいずれか一項に記載のプリント配線基板製造プロセス用離型フィルム。
[6]
更に離型層(A’)を有し、離型層(A)/中間層(B)/離型層(A’)の層構成を有する、[1]から[5]のいずれか一項に記載のプリント配線基板製造プロセス用離型フィルム。
[7]
ライン幅及びスペース幅の少なくとも一方が100μm以下である配線部を有するプリント配線基板の製造プロセスに用いられる、[1]から[6]のいずれか一項に記載のプリント配線基板製造プロセス用離型フィルム。
[8]
ロールトゥロール方式によるプリント配線基板製造プロセスに用いられる、[1]から[7]のいずれか一項に記載のプリント配線基板製造プロセス用離型フィルム。
離型層(A)の厚みが15μm以下であり、
中間層(B)は180℃における引張弾性率が11MPa以上であることを特徴とする、プリント配線基板製造プロセス用の離型フィルムである。
すなわち、本発明のプリント配線基板製造プロセス用の離型フィルム(以下、単に「離型フィルム」ともいう)は、離型性を有する離型層(A)、及び該離型層を支持する中間層(B)、を含む積層フィルムである。
本発明のプロセス用離型フィルムを構成する離型層(A)には、従来よりプロセス用離型フィルムに、又はその表面の離型層に使用されている、各種の材料を使用することができる。また、それら各種の材料と同等の離型性を有する材料を使用することもできる。
離型性の観点から、離型層(A)の水に対する接触角は、60°から130°であることが好ましく、90°から130°であることがより好ましく、95°から120°であることが更に好ましく、より好ましくは98°から115°であることが特に好ましく、100°から110°であることが一層好ましい。
離型性に優れること、入手の容易さなどから、離型層(A)は、フッ素樹脂、4-メチル-1-ペンテン(共)重合体、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリスチレン系樹脂等を含有することが好ましく、4-メチル-1-ペンテン(共)重合体、フッ素樹脂、ポリブチレンテレフタレートからなる群より選ばれる少なくとも一種の樹脂を含有することが特に好ましい。
チル-1-ペンテンに可とう性を付与し得る。炭素原子数2~20のオレフィンの例には、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-デセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-ヘプタデセン、1-オクタデセン、1-エイコセン等が含まれる。これらのオレフィンは、1種のみを用いてもよいし、2種以上を組み合せて用いてもよい。
離型層(A)に用いることができるポリブチレンテレフタレート樹脂としては、例えば、東レ社から、商品名トレコン1200M、トレコン1100M等として、三菱エンジニアリングプラスチック社から、商品名ノバデュラン5010CS、ノバデュラン5020等として、製造・販売されている。
ポリスチレン系樹脂は、アイソタクチックポリスチレンであってもシンジオタクチックポリスチレンであってもよいが、透明性、入手の容易さなどの観点からはアイソタクチックポリスチレンが好ましく、離型性、耐熱性などの観点からは、シンジオタクチックポリスチレンが好ましい。ポリスチレンは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
離型層(A)の厚みには特に下限は存在しないが、製膜、積層の容易性や、破損の防止等の観点から、通常は2μm以上とすることが便宜であり、3μm以上であることが好ましく、4μm以上であることがより好ましい。
また、厚みとの関係においては、離型層(A)の厚みと弾性率との積が所定範囲内であることが好ましい。より具体的には、一層良好な追従性を得る観点から、離型層(A)の厚みと180℃での弾性率との積は、1000Pa・m以下であることが好ましく、900Pa・m以下であることがより好ましい。一方、フィルム自体の剛性を確保し、一層良好な耐シワ性を得る観点から、離型層(A)の厚みと180℃での弾性率との積は、200Pa・m以上であることが好ましく、250Pa・m以上であることがより好ましい。
離型層(A)に結晶性をもたらすため、例えばフッ素樹脂においてはテトラフルオロエチレンから導かれる構成単位を少なくとも含むことが好ましく、4-メチル-1-ペンテン(共)重合体においては4-メチル-1-ペンテンから導かれる構成単位を少なくとも含むことが好ましく、ポリスチレン系樹脂においてはシンジオタクチックポリスチレンを少なくとも含むことが好ましい。離型層(A)を構成する樹脂に結晶成分が含まれることにより、樹脂封止工程等においてシワが発生し難く、シワが成形品に転写されて外観不良を生じることを抑制するのに好適である。
本発明のプロセス用離型フィルムは、離型層(A)及び中間層(B)に加えて、更に離型層(A’)を有していてもよい。すなわち、本発明のプロセス用離型フィルムは、離型層(A)と、中間層(B)と、離型層(A’)とをこの順で含む積層フィルムであるプロセス用離型フィルムであってもよい。
離型層(A’)を構成する好ましい樹脂の詳細は、離型層(A)に関して上記で説明したものと同様である。
離型層(A’)の好ましい融点、弾性率、弾性率と厚みとの積、結晶融解熱量、等の好ましい物性も、離型層(A)に関して上記で説明したものと同様である。離型層(A’)への好ましい添加成分、及び添加量、並びに好ましい表面処理等も、離型層(A)に関して上記で説明したものと同様である。
反りの防止や、いずれの面も同様の離型性を有することによる取り扱いの容易さ等の観点からは、離型層(A)と離型層(A’)とは同一または略同一の構成であることが好ましく、離型層(A)と離型層(A’)とを使用するプロセスとの関係でそれぞれ最適に設計する観点、例えば、離型層(A)をプリント配線基板からの離型性に優れたものとし、離型層(A’)を熱盤からの剥離性に優れたものとする等の観点からは、離型層(A)と離型層(A’)とを異なる構成のものとすることが好ましい。
離型層(A)と離型層(A’)とを異なる構成のものとする場合には、離型層(A)と離型層(A’)とを同一の材料であって厚み等の構成が異なるものとしてもよいし、材料もそれ以外の構成も異なるものとしてもよい。
本発明のプロセス用離型フィルムを構成する中間層(B)は、離型層(A)(及び場合により離型層(A’))を支持し、かつプリント配線基板製造時における、電気回路を形成した基材とこれを保護するカバーレイとを貼り合わせる際におけるシワ発生を抑制する機能を有する。
中間層(B)に使用される樹脂は、プリント配線基板製造時、特にFPC製造時、の加圧加熱時に衝撃力を緩和するためのクッション機能を示す樹脂である。
本発明のプロセス用離型フィルムにおいては、中間層(B)の180℃における引張弾性率が11MPa以上である。中間層(B)の180℃における引張弾性率が11MPa以上であることによって、本発明のプロセス用離型フィルムは、比較的薄い離型層(A)を用いながら、高い耐シワ性を維持することができる。すなわち、本発明のプロセス用離型フィルムは、比較的薄い離型層(A)によってもたらされる高い追従性と、中間層(B)が有する所定の引張弾性率によってもたらされる高い耐シワ性とを両立した、実用上高い価値を有するプロセス用離型フィルムである。中間層(B)の180℃における引張弾性率は、13MPa以上であることが好ましく、15MPaを超えることが特に好ましい。
中間層(B)の180℃における引張弾性率は、40MPa以下であることがより好ましく、25MPa以下であることが特に好ましい。
中間層(B)に上記所定の引張弾性率を付与する観点から、高分子樹脂の全部又は一部は、結晶成分を有する結晶性樹脂であることが好ましい。当該結晶性樹脂として、例えばポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリプロピレン樹脂等を用いることができるが、これらには限定されない。
より具体的には、ポリオレフィン樹脂としては、それぞれ共重合体であってもよい、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ4-メチル-1-ペンテン等、又はそれらの組み合わせを、ポリエステル樹脂としては、エチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等、又はそれらの組み合わせを、ポリアミド樹脂としてはポリアミド6、ポリアミド66等又はそれらの組み合わせを用いることが好ましい。
ポリエチレン、ポリプロピレン、及び4-メチル-1-ペンテン(共)重合体のブレンドにおいては、追従性の観点から、ポリエチレンの量は、ポリエチレン、ポリプロピレン、及び4-メチル-1-ペンテン(共)重合体の合計100質量部に対して、10質量部以上であることが好ましく、20質量部以上であることがより好ましく、30質量部以上であることが更に好ましく、また80質量部以下であることが好ましく、60質量部以下であることがより好ましく、50質量部以下であることが更に好ましい。
ポリエチレン、ポリプロピレン、及び4-メチル-1-ペンテン(共)重合体のブレンドにおいては、密着性や相容性また耐シワ性の観点から、ポリプロピレンの量は、ポリエチレン、ポリプロピレン、及び4-メチル-1-ペンテン(共)重合体の合計100質量部に対して、1質量部以上であることが好ましく、3質量部以上であることがより好ましく、5質量部以上であることが更に好ましく、また60質量部以下であることが好ましく、50質量部以下であることがより好ましく、40質量部以下であることが更に好ましい。
上記ポリエチレン及びポリプロピレンは、両方を使用することを要するものではなく、いずれか一方のみを使用してもよい。
この実施形態においては、中間層(B)を、一般により硬質である離型層(A)で被覆したことによって、プリント配線基板製造時、特にFPC製造時、の離型フィルムを介してFPCを加熱加圧する工程で離型フィルムの中間層(B)が外部へはみ出してFPC等を汚染したり、プレス熱盤にはみ出した樹脂が付着したりすることを、効果的に防止できる。
また、厚みとの関係においては、中間層(B)の厚みと弾性率との積が所定範囲内であることが好ましい。より具体的には、中間層(B)の厚みと180℃での弾性率との積が、1100Pa・m以上であることが好ましく、1200Pa・m以上であることがより好ましく、1250Pa・m以上であることが特に好ましく、また2600Pa・m以下であることが好ましく、2300Pa・mであることが特に好ましい。
本発明のプロセス用離型フィルムは、本発明の目的に反しない限りにおいて、離型層(A)、及び中間層(B)(並びに存在する場合には離型層(A’))以外の層を有していてもよい。例えば、離型層(A)(又は離型層(A’)と中間層(B)との間に、必要に応じて接着層を有してもよい。接着層に用いる材料は、離型層(A)と中間層(B)とを強固に接着でき、樹脂封止工程や離型工程においても剥離しないものであれば、特に制限されない。
本発明のプロセス用離型フィルムの総厚みには特に制限は無いが、高いレベルの追従性、耐シワ性を兼ね備える観点から、例えば35μm以上であることが好ましく、50μm以上であることがより好ましく、80μm以上であることが更に好ましい。また、たとえばロールトゥロールプロセスにおける巻取り、巻き出しの際のハンドリング性や、フィルムの廃棄量を抑制する観点から、例えば320μm以下であることが好ましく、200μm以下であることがより好ましく、150μm以下であることが更に好ましい。
本発明のプロセス用離型フィルムは、任意の方法で製造されうる。例えば、1)離型層(A)と中間層(B)を共押出成形して積層することにより、プロセス用離型フィルムを製造する方法(共押出し形成法)、2)中間層(B)となるフィルム上に、離型層(A)や接着層となる樹脂の溶融樹脂を塗布・乾燥したり、または離型層(A)や接着層となる樹脂を溶剤に溶解させた樹脂溶液を塗布・乾燥したりして、プロセス用離型フィルムを製造する方法(塗布法)、3)予め離型層(A)となるフィルムと、中間層(B)となるフィルムとを製造しておき、これらのフィルムを積層(ラミネート)することにより、プロセス用離型フィルムを製造する方法(ラミネート法)などがある。
ドライラミネート法では、接着剤を用いて各樹脂フィルムを積層する。接着剤としては、ドライラミネート用の接着剤として公知のものを使用できる。例えばポリ酢酸ビニル系接着剤;アクリル酸エステル(アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2-エチルヘキシルエステル等)の単独重合体もしくは共重合体、またはアクリル酸エステルと他の単量体(メタクリル酸メチル、アクリロニトリル、スチレン等)との共重合体等からなるポリアクリル酸エステル系接着剤;シアノアクリレ-ト系接着剤;エチレンと他の単量体(酢酸ビニル、アクリル酸エチル、アクリル酸、メタクリル酸等)との共重合体等からなるエチレン共重合体系接着剤;セルロ-ス系接着剤;ポリエステル系接着剤;ポリアミド系接着剤;ポリイミド系接着剤;尿素樹脂またはメラミン樹脂等からなるアミノ樹脂系接着剤;フェノ-ル樹脂系接着剤;エポキシ系接着剤;ポリオール(ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール等)とイソシアネートおよび/またはイソシアヌレートと架橋させるポリウレタン系接着剤;反応型(メタ)アクリル系接着剤;クロロプレンゴム、ニトリルゴム、スチレン-ブタジエンゴム等からなるゴム系接着剤;シリコーン系接着剤;アルカリ金属シリケ-ト、低融点ガラス等からなる無機系接着剤;その他等の接着剤を使用できる。3)の方法で積層する樹脂フィルムは、市販のものを用いてもよく、公
知の製造方法により製造したものを用いてもよい。樹脂フィルムには、コロナ処理、大気圧プラズマ処理、真空プラズマ処理、プライマー塗工処理等の表面処理が施されてもよい。樹脂フィルムの製造方法としては、特に限定されず、公知の製造方法を利用できる。
動的粘弾性測定装置(例えば、TA instruments社製 RSA-GII)により引張弾性率E’を測定し、180℃でのその値を180℃における引張弾性率とする。
具体的には、サンプルサイズを幅5mm、チャック間の長さ(MD(フィルム長手)方向)を20mmとし、周波数1Hz、昇温速度3℃/minの測定条件で
30℃から200℃まで測定して得られた引張弾性率E’のデータを基に、180℃における引張弾性率を求める。
フィルム中の層について180℃における引張弾性率を測定する場合のサンプルは、以下の基準に従うものである。
製造過程で単層の状態で取り出すことが出来る層の場合は、当該単層の状態で取り出したものを用いて測定する。
共押出し成形法等で製造されるため製造過程で単層の状態が存在しない層の場合は、別途同様の条件(成形温度等)で積層体における当該層と同じ厚みの単層フィルムを作製し、その別途作製した単層フィルムを用いて測定する。但し、積層体における当該層が薄いため同じ厚みの単層フィルムを作製できない場合(具体的には30μm厚み以下の場合)には、同様の条件で50μm厚みの単層フィルムを作製して、それを用いて測定する。
本発明のプロセス用離型フィルムは、プリント配線基板を構成する、金属配線パターンが形成された回路基材と、カバーレイフィルムとを、加熱加圧して積層する工程において、カバーレイフィルムと加熱加圧のための熱盤等との間に配置して使用することができる。本発明のプロセス用離型フィルムを用いることで、熱盤等からの離型不良、カバーレイフィルム上の接着剤のはみ出し等を効果的に防止することができる。
上記カバーレイフィルム上の接着剤は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれであってもよいが、当該技術分野においては熱硬化性樹脂が広く用いられており、特にエポキシ系の熱硬化性樹脂を用いることが好ましい。
上記製造プロセスとしては、FPC用回路基材とカバーレイフィルムとの積層一体化工程が最も代表的であるが、これに限定されるものではなく、本発明のプロセス用離型フィルムは、可撓性ではないプリント配線基板の製造プロセス等にも適用することができる。
柔軟性樹脂基材351上に金属配線パターン352が形成された回路基材35と、柔軟性樹脂基材361上に接着剤層362が形成されたカバーレイフィルム36とが、金属配線パターン352と接着剤層362とが対向する様に貼り合わされる(図3)。この際、接着剤層362が加熱加圧によって流動化し、金属配線パターン352の層における空間を埋めるように流動し、柔軟性樹脂基材351と柔軟性樹脂基材361との間を充填して両基材間を接着することで、貼り合わせが実現される(図4)。
なお、カバーレイフィルム36には開口部パターンが設けられている。この結果、図3に示すよう、金属配線パターン352の一部は、当該開口部と対向し、貼り合わせ後も、開口部から露出するので、外部からアクセス可能であり、たとえば外部との導通を確保する電極として使用される。
この結果、接着剤層362が加熱加圧によって流動化し、金属配線パターン352の層における空間を埋めるように流動する。更に流動が進むと、柔軟性樹脂基材351と柔軟性樹脂基材361との間の空間は接着剤で充填されるので、基材351と基材361とが接着され、回路基材35とカバーレイフィルム36との貼り合わせが実現される。
この際、カバーレイフィルム36に開口部が形成された部分においては、柔軟性樹脂基材361上に接着剤層362が存在しないので、離型フィルム31aが、金属配線パターン352及び柔軟性樹脂基材351との間の空間を埋めるように変形する。
本発明のプロセス用離型フィルムは追従性に優れるので、この際に、柔軟性樹脂基材351、金属配線パターン352、柔軟性樹脂基材361、及び接着剤層362が形成する段差形状に忠実に追従し、段差形状により形成された空間を充填することができるという優れた技術的効果を示す。
図6(a)は、重ね合わせ工程(I)における状態を示したものであり、金属配線パターン652が樹脂基板651上に形成された回路基材(A)上に、接着剤層662及び樹脂基板661で構成されたカバーレイ(B)が重ねあわされている。
カバーレイフィルムは開口部の周縁部であり、開口部66bと非開口部66aとが図4(a)中に示されており、開口部66bには、金属配線パターン652が露出している。
その後、張り合わせ工程(II)において、接着剤層662が加熱加圧によって流動化し、金属配線パターン652の層における空間を充填する様に流動する。
カバーレイに開口部が設けられる目的の代表的なものは、金属配線パターンを電極として使用するためにこれと導通を得ることである。このとき、流出した接着剤が、開口部における金属配線パターン652上で硬化すれば、当該金属配線パターン652への導通の妨げとなり得るので、プリント配線基板の歩留まりの低下等をもたらす懸念がある。
金属配線パターンのライン幅、スペース幅が小さいほど、言い換えれば集積度が高いほど、流出した接着剤の影響は大きく、また充填すべき凹凸形状も微細複雑になるので、接着剤の流出が起こりやすくなる。したがって、その様な高集積度のプリント基板を製造する際に、追従性に優れた本発明の離型フィルムは特に好適である。
この際、本発明のプロセス用離型フィルム31aの離型性が良好なので、貼り合わされた回路基材35及びカバーレイフィルム36に過大な又は不必要な応力が加えられることなく、取り出しを行なうことができるので、貼り合わされた回路基材35及びカバーレイフィルム36の破損等が有効に抑制される。特に複雑な段差形状を有するカバーレイフィルム36の開口部において、設計どおりの形状、パターンを維持することが容易となる。
より具体的には、例えば、図6に示すように、回路基材65及び当該回路基材65に予め貼り合わされた枚葉式のカバーレイフィルム66が一体化されたものをロールから巻き出して供給するとともに、貼り合わされた回路基材65及びカバーレイフィルム66をロールに巻き取ることで、高い生産性でFPCを製造することができる。
その際、プロセス用離型フィルム61a及び61bも、ロールから巻き出して供給するとともに、使用後にロールに巻き取り回収することが好ましい。
回路基材65とカバーレイフィルム66との貼り合わせは、上述のプロセスと同様に、2つの熱盤(67a及び67b)を用いて加熱加圧することで行うことができる。たとえば、上述の図3から図5を用いて説明したのと同様のプロセスで貼り合わせを行なった後に、紙面横方向の熱盤の寸法と略同じ距離だけ、回路基材65、カバーレイフィルム66、並びにプロセス用離型フィルム61a及び61bを送り、同様の貼り合わせを行なうことができる。
この様な貼り合わせと送りとを交互に繰り返すことで、高い生産性で、回路基材とカバーレイフィルムとが貼り合わされたFPCを製造することができる。
されるものではない。
(180℃における弾性率)
動的粘弾性測定装置(TA instruments社製 RSA-GII)により引張弾性率E’を測定し、180℃でのその値を180℃における引張弾性率とした。
具体的には、サンプルサイズを幅5mm、チャック間の長さ(MD(フィルム長手)方向)を20mmとし、周波数1Hz、昇温速度3℃/minの測定条件で30℃から200℃まで測定して得られた引張弾性率E’のデータを基に、180℃における引張弾性率E’を求めた。
(測定サンプル)
製造過程で単層の状態で取り出すことが出来る層の場合は、当該単層の状態で取り出したものを用いて測定した。
共押出し成形法等で製造されるため製造過程で単層の状態が存在しない層の場合は、別途同様の条件(成形温度等)で積層体における当該層と同じ厚みの単層フィルムを作製し、その別途作製した単層フィルムを用いて測定した。ただし、積層体における当該層が薄いため同じ厚みの単層フィルムを作製できない場合(具体的には30μm厚み以下の場合)には、同様の条件で50μm厚みの単層フィルムを作製して、それを用いて測定した。
JIS R3257に準拠して、接触角測定器(Kyowa Inter face Science社製、FACECA-W)を用いて離型層(A)の表面の水接触角を測定した。
図7に示す構成の装置を用い、金属配線パターンが形成されたFPC用回路基材75の両側に枚葉式のカバーレイフィルム76が仮ラミネートされたものの両側に実施例/比較例の離型フィルム71a若しくは71b、及びガラスクロス78a若しくは78bをこの順で重ね合わせ、熱盤77aと77bを用いて(但し片側の熱盤(77b)には厚さ2mmの耐熱シリコーンゴム板と厚さ1mmの鉄板が焼き付けられ積層されたゴム板が設置されている)、温度:180℃、圧力:10MPa、加熱加圧時間:130秒(予圧:10秒、本圧:120秒)で加熱加圧して貼り合わせを行なった。
1)回路基材75は、厚み25μmのポリイミドフィルム上に、厚み22μmの銅配線が形成されたものを使用し、銅配線部のライン幅/スペース幅は、それぞれ40μm及び60μmであった。
2)カバーレイフィルム76は、厚み12.5μmのポリイミドフィルム上に、厚み25μmの接着剤層が 形成されたものを使用した(ニッカン工業株式会社製、商品名:CISV1225DB)。
このカバーレイフィルム76には回路基材75の端子部分に相当する部分(開口部)が複数打ち抜かれて開口部が形成されていた。カバーレイフィルム76の開口部のサイズは4mm×7mmであった。
3)回路基材75と2枚のカバーレイフィルム76との重ね合わせにあたっては、カバーレイフィルム76の接着剤層が回路基材75側を向くように配置し、その結果回路基材75上の銅配線部には、一方のカバーレイフィルム76の接着剤層が対向する配置となった。カバーレイフィルム76と離型フィルム71aとの重ねあわせにあたっては、前者のポリイミドフィルム層と、後者の離型層とが対向するように配置した。
加熱加圧後、直ちに離型フィルムを剥離し、離型フィルムの離型性を、以下の基準で評価した。
○:FPCから容易に剥離可能
△:FPCからやや重いが剥離可能
×:FPCに貼りつき容易には剥離不可
上記離型性の評価におけるものと同様の装置、フィルムの組み合わせで、加熱加圧後のFPCの銅配線上への接着剤の流れ出し量を、光学顕微鏡で観察し、段差追従性を以下の基準で評価した。
○:開口部への流れ出しが20μm未満
△:開口部への流れ出しが20μm以上25μm以下
×:開口部への流れ出しが25μmを超える
図8に示す構成の装置を用い、いずれもロールから巻き出された金属配線パターンが形成されたFPC用回路基材85(枚葉式のカバーレイフィルム86は事前に両面に仮ラミネート済)、及び実施例/比較例の離型フィルム81a及び81b、ガラスクロス88a及び88bを、図8に示す順で重ね合わせ、フィルム幅270mm、熱盤サイズ:600mm(流れ方向)、送り量:470mm、引張張力:1kg、温度:180℃、圧力:10MPa、加熱加圧時間:50秒(予圧:5秒、本圧:45秒)で加熱加圧して貼り合わせを行なった。
カバーレイフィルム86は事前に回路基材85の両面に仮ラミネートし巻き取ったものを使用した。仮ラミネートの条件は、温度:40℃、圧力:0.01MPa、加熱加圧時間:7秒とした。
1)回路基材85は、25μm厚みのポリイミドフィルム上に、12μm厚みの銅配線が形成されたものであり、銅配線部のライン幅/スペース幅は、それぞれ40μm及び60μmであった。
回路基材85の1単位あたりのサイズは、幅250mm、流れ方向の長さ400mmであり、この1単位毎に、同じ基板パターンが繰り返される構造をもつロール状の長尺回路基材となっていた。
2)カバーレイフィルム86は、12.5μm厚みのポリイミドフィルム上に、25μm厚みの接着剤層が形成されたものを使用した。
カバーレイフィルム86にはFPCの端子部分に相当する部分(開口部)が複数打ち抜かれていた。カバーレイフィルム86の開口部のサイズは4mm×13mmであった。
カバーレイフィルム86の幅は250mm、流れ方向の長さは380mmであった。
3)回路基材85と2枚のカバーレイフィルム86との重ね合わせにあたっては、カバーレイフィルム86の接着剤層が回路基材85側を向くように配置し、その結果、回路基材85の銅配線には、一方のカバーレイフィルム86の接着剤層とが対向する様な配置となった。カバーレイフィルム86と離型フィルム81aとの重ねあわせにあたっては、前者のポリイミドフィルム層と、後者の離型層とが対向するように配置した。
1回の加熱加圧後、ロール状の回路基材85、及び実施例/比較例の離型フィルム81a及び81b、ガラスクロス88a及び88bを送り量:470mm巻き出し、2回目の加熱加圧、3回目の加熱加圧・・・と、同様な加熱加圧を繰り返し、計5回の加熱加圧し貼り合わせを行った後に、回路基材85/カバーレイ積層体から離型フィルム81aを剥離し、巻き取られた離型フィルム81a上の回路基材85の計5回の加熱加圧された範囲内(フィルム長手方向にて計470mm×5回=2350mm)についてシワの数を計測し、耐シワ性を以下の基準で評価した。
○:シワが25本未満
×:シワが25本以上
4-メチル-1-ペンテン共重合樹脂(三井化学株式会社製、製品名:TPX、銘柄名:DX818)」60質量部、ポリプロピレン樹脂(プライムポリマー株式会社製、製品名:F300SP)8質量部、及び低密度ポリエチレン樹脂(三井・デュポン ポリケミカル株式会社製、ミラソンF9673P)32質量部をブレンドして樹脂組成物を作製し、中間層(B)用の樹脂として使用した。
4-メチル-1-ペンテン共重合樹脂(三井化学株式会社製、製品名:TPX、銘柄名:DX818)」を、離型層(A)及び離型層(A’)用の樹脂として使用した。
スクリュ径40mmの押出機3台を有する3層T-ダイフィルム成形機にて、各押出機に上記各樹脂を仕込み、成形温度280℃、チルロール温度70℃、エアーチャンバー静圧15mmH2Oの条件下、両外面が離型層(A)及び(A‘)、その間が中間層(B)である2種3層構成の積層フィルムを得た。
エンボス処理を、ロールトゥロールで加熱した予熱ロール温度40℃で接触させた後、表面粗さRaが4μmのエンボスロールで、エンボスロール温度130℃、エンボス線圧50kg/cmでフィルム両面にエンボス加工を行ない、フィルムの表面粗さRaが3μmである実施例1の離型フィルムを得た(以下、各実施例/比較例においても、離型フィルムの表面粗さRaは、3μmであった。)。離型フィルムの構成を表1に示す。
実施例1の離型フィルムを用いて、FPC用回路基材と枚葉式のカバーレイフィルムとの積層を行い、離型性、段差追従性、及び耐シワ性を評価した。結果を表2に示す。
中間層(B)に使用する樹脂組成物のブレンド比を、4-メチル-1-ペンテン共重合樹脂(三井化学株式会社製、製品名:TPX、銘柄名:DX818)」50質量部、ポリプロピレン樹脂(プライムポリマー株式会社製、製品名:F300SP)10質量部、及び低密度ポリエチレン樹脂(三井・デュポン ポリケミカル株式会社製、ミラソンF9673P)40質量部に変更したことを除くほか実施例1と同様にして、実施例2の離型フィルムを作製した。
実施例2の離型フィルムを用いて、FPC用回路基材と枚葉式のカバーレイフィルムとの積層を行い、離型性、段差追従性、及び耐シワ性を評価した。結果を表2に示す。
離型層(A)及び(A’)の厚みを6μmに変更し、中間層(B)の厚みを110μmに変更したことを除くほか実施例2と同様にして、実施例3の離型フィルムを作製した。 離型フィルムの構成を表1に示す。
実施例3の離型フィルムを用いて、FPC用回路基材と枚葉式のカバーレイフィルムとの積層を行い、離型性、段差追従性、及び耐シワ性を評価した。結果を表2に示す。
中間層(B)の厚みを80μmに変更したことを除くほか、実施例2と同様にして、実施例4の離型フィルムを作製した。
離型フィルムの構成を表1に示す。
実施例4の離型フィルムを用いて、FPC用回路基材と枚葉式のカバーレイフィルムとの積層を行い、離型性、段差追従性、及び耐シワ性を評価した。結果を表2に示す。
離型層(A)及び離型層(A’)に使用する樹脂を4-メチル-1-ペンテン共重合樹脂(三井化学株式会社製、製品名:TPX、銘柄名:MX022)に変更したことを除くほか実施例2と同様にして、実施例5の離型フィルムを作製した。
離型層(A)及び離型層(A’)の180℃における引張弾性率は20MPa、水の接触角は105°であった。
離型フィルムの構成を表1に示す。
実施例5の離型フィルムを用いて、FPC用回路基材と枚葉式のカバーレイフィルムとの積層を行い、離型性、段差追従性、及び耐シワ性を評価した。結果を表2に示す。
離型層(A)及び離型層(A’)の厚みを5μmに変更し、中間層(B)の厚みを110μmに変更したことを除くほか実施例5と同様にして、実施例6の離型フィルムを作製した。
離型フィルムの構成を表1に示す。
実施例6の離型フィルムを用いて、FPC用回路基材と枚葉式のカバーレイフィルムとの積層を行い、離型性、段差追従性、及び耐シワ性を評価した。結果を表2に示す。
離型層(A)及び離型層(A’)に使用する樹脂をポリブチレンテレフタレート樹脂(東レ株式会社製、製品名:トレコン、銘柄名:1200M)に変更したことを除くほか実施例5と同様にして、実施例7の離型フィルムを作製した。
離型フィルムの構成を表1に示す。
実施例7の離型フィルムを用いて、FPC用回路基材と枚葉式のカバーレイフィルムとの積層を行い、離型性、段差追従性、及び耐シワ性を評価した。結果を表2に示す。
中間層(B)に使用する樹脂組成物中の4-メチル-1-ペンテン共重合樹脂を、ポリブチレンテレフタレート樹脂(東レ株式会社製、製品名:トレコン、銘柄名:1200M)に変更したことを除くほか実施例7と同様にして、実施例8の離型フィルムを作製した。
離型フィルムの構成を表1に示す。
実施例8の離型フィルムを用いて、FPC用回路基材と枚葉式のカバーレイフィルムとの積層を行い、離型性、段差追従性、及び耐シワ性を評価した。結果を表2に示す。
中間層(B)に使用する樹脂組成物中の各樹脂の配合量を表1に示すとおりに変更したことを除くほか実施例8と同様にして、実施例9の離型フィルムを作製した。
離型フィルムの構成を表1に示す
実施例9の離型フィルムを用いて、FPC用回路基材と枚葉式のカバーレイフィルムとの積層を行い、離型性、段差追従性、及び耐シワ性を評価した。結果を表2に示す。
離型層(A)及び(A’)の厚みを15μmに変更し、中間層(B)の厚みを90μmに変更したことを除くほか実施例2と同様にして、参考例1の離型フィルムを作製した。 離型フィルムの構成を表1に示す。
参考例1の離型フィルムを用いて、FPC用回路基材と枚葉式のカバーレイフィルムとの積層を行い、離型性、段差追従性、及び耐シワ性を評価した。結果を表2に示す。
4-メチル-1-ペンテン共重合樹脂(三井化学株式会社製、製品名:TPX、銘柄名:DX818)」30質量部、ポリプロピレン樹脂(プライムポリマー株式会社製、製品名:F300SP)14質量部、及び低密度ポリエチレン樹脂(三井・デュポン ポリケミカル株式会社製、ミラソンF9673P)56質量部をブレンドして樹脂組成物を作製し、厚み70μmに成膜して、中間層用の樹脂として使用した。
4-メチル-1-ペンテン共重合樹脂(三井化学株式会社製、製品名:TPX、銘柄名:DX818)」を、離型層用の樹脂として使用した。
スクリュ径40mmの押出機3台を有する3層T-ダイフィルム成形機にて、各押出機に上記各樹脂を仕込み、成形温度280℃、チルロール温度70℃、エアーチャンバー静圧15mmH2Oの条件下、両外面が離型層、その間が中間層(B)である2種3層構成の積層フィルムを得た。エンボス処理を、ロールトゥロールで加熱した予熱ロール温度40℃で接触させた後、表面粗さRaが4μmのエンボスロールで、エンボスロール温度130℃、エンボス線圧50kg/cmで行ない、比較例1の離型フィルムを得た。離型フィルムの構成を表1に示す。
比較例1の離型フィルムを用いて、FPC用回路基材と枚葉式のカバーレイフィルムとの積層を行い、離型性、段差追従性、及び耐シワ性を評価した。結果を表2に示す。
離型層に使用する樹脂を4-メチル-1-ペンテン共重合樹脂(三井化学株式会社製、製品名:TPX、銘柄名:MX022)に変更したことを除くほか比較例1と同様にして、比較例2の離型フィルムを作製した。
離型フィルムの構成を表1に示す。
比較例2の離型フィルムを用いて、FPC用回路基材と枚葉式のカバーレイフィルムとの積層を行い、離型性、段差追従性、及び耐シワ性を評価した。結果を表2に示す。
中間層に使用する樹脂組成物のブレンド比を、4-メチル-1-ペンテン共重合樹脂(三井化学株式会社製、製品名:TPX、銘柄名:DX818)」50質量部、ポリプロピレン樹脂(プライムポリマー株式会社製、製品名:F300SP)10質量部、及び低密度ポリエチレン樹脂(三井・デュポン ポリケミカル株式会社製、ミラソンF9673P)40質量部に変更したことを除くほか比較例1と同様にして、比較例3の離型フィルムを作製した。
離型フィルムの構成を表1に示す。
比較例3の離型フィルムを用いて、FPC用回路基材と枚葉式のカバーレイフィルムとの積層を行い、離型性、段差追従性、及び耐シワ性を評価した。結果を表2に示す。
中間層に使用する樹脂組成物のブレンド比を、4-メチル-1-ペンテン共重合樹脂(三井化学株式会社製、製品名:TPX、銘柄名:DX818)」35質量部、ポリプロピレン樹脂(プライムポリマー株式会社製、製品名:F300SP)13質量部、及び低密度ポリエチレン樹脂(三井・デュポン ポリケミカル株式会社製、ミラソンF9673P)52質量部に変更したことを除くほか実施例1と同様にして、比較例4の離型フィルムを作製した。
離型フィルムの構成を表1に示す。
比較例4の離型フィルムを用いて、FPC用回路基材と枚葉式のカバーレイフィルムとの積層を行い、離型性、段差追従性、及び耐シワ性を評価した。結果を表2に示す。
中間層に使用する樹脂組成物のブレンド比を、4-メチル-1-ペンテン共重合樹脂(三井化学株式会社製、製品名:TPX、銘柄名:DX818)」30質量部、ポリプロピレン樹脂(プライムポリマー株式会社製、製品名:F300SP)14質量部、及び低密度ポリエチレン樹脂(三井・デュポン ポリケミカル株式会社製、ミラソンF9673P)56質量部に変更したことを除くほか実施例1と同様にして、比較例5の離型フィルムを作製した。
離型フィルムの構成を表1に示す。
比較例5の離型フィルムを用いて、FPC用回路基材と枚葉式のカバーレイフィルムとの積層を行い、離型性、段差追従性、及び耐シワ性を評価した。結果を表2に示す。
離型層の厚みを20μmに変更し、中間層の厚みを80μmに変更したことを除くほか比較例5と同様にして、比較例6の離型フィルムを作製した。
離型フィルムの構成を表1に示す。
比較例4の離型フィルムを用いて、FPC用回路基材と枚葉式のカバーレイフィルムとの積層を行い、離型性、段差追従性、及び耐シワ性を評価した。結果を表2に示す。
12、22: 中間層(B)
13、23a: 離型層(A)
23b: 離型層(A´)
35、75、85: 回路基材
351、651: 柔軟性樹脂基材
352、652: 金属配線パターン
36、76、86: 枚葉式のカバーレイフィルム
361、661: 柔軟性樹脂基材
362、662: 接着剤層
37a、37b、77a、77b、87a、87b: 熱盤
78a、78b、88a、88b: ガラスクロス
662’: 接着剤層の流れ出し
66a:非開口部
66b:開口部
Claims (7)
- 少なくとも離型層(A)と中間層(B)とを含む、プリント配線基板製造プロセス用離型フィルムであって、
離型層(A)の厚みが10μm以下であり、
中間層(B)の180℃における引張弾性率が11MPa以上であり、
離型層(A)が、4-メチル-1-ペンテン(共)重合体、及びポリブチレンテレフタレート樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種の樹脂を含有することを特徴とする、上記プリント配線基板製造プロセス用離型フィルム。 - フレキシブルプリント配線基板の製造に用いられる、請求項1に記載のプリント配線基板製造プロセス用離型フィルム。
- 中間層(B)の厚みが30μm以上である、請求項1又は2に記載のプリント配線基板製造プロセス用離型フィルム。
- 離型層(A)の表面の水に対する接触角が60°から130°である、請求項1から3のいずれか一項に記載のプリント配線基板製造プロセス用離型フィルム。
- 更に離型層(A’)を有し、離型層(A)/中間層(B)/離型層(A’)の層構成を有する、請求項1から4のいずれか一項に記載のプリント配線基板製造プロセス用離型フィルム。
- ライン幅及びスペース幅の少なくとも一方が100μm以下である配線部を有するプリント配線基板の製造プロセスに用いられる、請求項1から5のいずれか一項に記載のプリント配線基板製造プロセス用離型フィルム。
- ロールトゥロール方式によるプリント配線基板製造プロセスに用いられる、請求項1から6のいずれか一項に記載のプリント配線基板製造プロセス用離型フィルム。
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