JP7306228B2 - 積層フィルム、フレキシブルプリント基板工程用積層フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、フレキシブルプリント基板(以下、FPCと記すことがある。)工程用フィルムであって、カバーレイフィルムをラミネートする際の離型フィルムとして用いることが可能な、FPC工程用積層フィルムに関する。
FPCの製造工程では、回路パターンを作製した後に、該回路パターンを保護すべく、接続端子以外の部分にカバーレイフィルムが接着される。カバーレイフィルムを接着する工程では、絶縁フィルムであるポリイミドフィルムに熱硬化樹脂が付着したカバーレイフィルムを回路面にプレスラミネートする方法が知られている。プレスラミネートする際には、カバーレイフィルムの熱硬化樹脂を回路面に追従させ、硬化が完了するまで150~200℃程度で加圧する必要がある。
この時、カバーレイフィルムの端部から熱硬化樹脂が流出して回路が汚染されるのを防止することを目的として、基板の凹凸に沿ってカバーレイフィルムに均一に圧力を付与すべく、カバーレイフィルムの上に離型フィルムが必要となる。この離型フィルムは、カバーレイフィルムの硬化後は剥がすため、絶縁フィルムや基板からの離型性が必要である。また、カバーレイフィルム端部からの熱硬化樹脂の流失防止のため、回路の凹凸に追従する成型賦形性が必要であり、さらに、プレス温度に耐えられる耐熱性が必要である。
上記離型フィルムには、離型性、成型性、耐熱性に優れるポリメチルペンテン(PMP)から成るフィルムが知られているが、PMPは価格が高いため、特許文献1には、PMPまたはポリプロピレン/エチレンメチルメタルリレート共重合体(EMMA)/PMPまたはポリプロピレンからなる積層フィルムが記載されている。しかし、表裏層と中間層との接着性が悪かった。
また、特許文献2では、PMP/EVA、PE、または、EMMA/PPからなる積層フィルムが記載されている。しかし、上記同様に表層と中間層との接着性が悪かった。また、特許文献1、2には層間に接着性樹脂層を介してもよいと記載されており、その場合は、接着性は改良されるが、いずれの積層フィルムにおいても、プレス温度におけるEMMAの流動性が高いため、EMMAがはみ出し絶縁フィルムに貼りつき、剥がす際に糸引きなど、回路基板を汚染することがあった。
特許文献1:特開平02-024139号公報
特許文献2:特開2003-237004号公報
本発明の課題は、上記実情に鑑みなされたものであり、成型賦形性、離型性、層間密着性に優れ、プレス温度域での不具合が発生しないFPC工程用積層フィルムを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、以下の本発明を完成させるに至った。
第1の本発明は、少なくとも一方の表面層としてポリメチルペンテン系樹脂を主成分とする離型層(A層)と前記離型層(A層)に隣接するスチレン単位が50wt%未満のスチレン系エラストマーを主成分とする隣接層(B層)の少なくとも2層を有する積層フィルムである。
第1の本発明において、前記隣接層(B層)の160℃における貯蔵弾性率G′が2.0×10Pa以上であることが好ましい。
第1の本発明において、前記離型層(A層)とは反対側の表面層に熱可塑性樹脂を主成分として含む層(C層)をさらに有することが好ましい。
第1の本発明において、前記熱可塑性樹脂を主成分として含む層(C層)の融点が150℃以上であることが好ましい。
第1の本発明において、前記熱可塑性樹脂が、ポリメチルペンテン系樹脂、または、ポリプロピレン系樹脂、あるいは、これらの混合物であることが好ましい。
第2の本発明は、第1の本発明の積層フィルムであって、フレキシブルプリント基板のプレスラミネート工程で使用されるフレキシブルプリント基板工程用積層フィルムである。
本発明の積層フィルムは、成型賦形性、離型性、層間密着性に優れ、隣接層のはみ出しがないので汚染性がなく、FPC工程用積層フィルムとして好適に用いることができる。
以下、本発明の実施形態の一例としての積層フィルム、および、FPC工程用積層フィルムについて説明する。ただし、本発明の範囲が以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
なお、数値範囲を示す「a~b」の記述は、特にことわらない限り「a以上b以下」を意味すると共に、「好ましくはaより大きい」及び「好ましくはbより小さい」の意を包含するものである。
また、本明細書における数値範囲の上限値及び下限値は、本発明が特定する数値範囲内から僅かに外れる場合であっても、当該数値範囲内と同様の作用効果を備えている限り本発明の均等範囲に包含するものとする。
<積層フィルム>
本発明の積層フィルムは、少なくとも一方の表面層としてポリメチルペンテン系樹脂を主成分とする離型層(A層)と前記離型層(A層)に隣接するスチレン単位が50wt%未満のスチレン系エラストマーを主成分とする隣接層(B層)の少なくとも2層を有する。
(離型層(A層))
本発明の積層フィルムにおいて、離型層(A層)は、ポリメチルペンテン系樹脂を主成分とする層である。ここで、主成分とは、A層を基準(100質量%)として、ポリメチルペンテン系樹脂を50質量%超、好ましくは70質量%以上、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは100質量%含むことを意味する。
また、FPCに対する離型性を付与する点から、離型層(A層)は、積層フィルムの少なくとも一方、つまり、FPCに接する側の表面層を構成していればよい。また、離型層(A層)が、積層フィルムの双方の表面層を構成している場合は、プレス板に対する離型性をも付与することが可能となる。
離型層(A層)に用いられるポリメチルペンテン系樹脂は、ポリメチルペンテン(PMP)、またはポリメチルペンテンとα-オレフィンとの共重合体であり、ポリメチルペンテン(PMP)とは、以下の式(1)で示される重合体である。
Figure 0007306228000001
(式(1)中、nは、1以上の自然数を示す。)
ポリメチルペンテンとα-オレフィンとの共重合体の共重合の比率は特に限定されないが、耐熱性の点から、αオレフィンの比率は好ましくは50質量%以下、より好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下であり、特に好ましいのはポリメチルペンテン(単独重合体)である。
上記αオレフィンの種類については特に限定されないが、例えば、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-へキセン、1-へプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、3-メチル-1-ブテン、2-メチル-プロピレン等が例示される。
ポリメチルペンテン系樹脂のメルトフローレイト(MFR、260℃、5kg)は、0.5g/10分以上100g/10分未満が好ましく、1g/10分以上70g/10分未満がより好ましい。MFRを上記範囲内とすることで製膜性が確保できる。
ポリメチルペンテン系樹脂の融点(ASTM03418)は、200℃以上が好ましく、205℃以上がより好ましく、210℃以上がさらに好ましい。融点を200℃以上とすることでプレスラミネートの際に必要とする耐熱性を付与することができる。融点の上限値は特に限定しないが、製膜性の付与、および一般的なポリメチルペンテン系樹脂の融点から240℃以下が好ましい。
本発明における離型層(A層)には、成形賦形性、層間密着性改良のため、ポリメチルペンテン系樹脂以外の熱可塑性樹脂が含まれていてもよく、該A層に含まれていてもよい熱可塑性樹脂としては、分散性の点からポリオレフィン系樹脂が好ましい。ポリオレフィン系樹脂としては低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ホモポリプロピレン(hPP)、ブロックポリプロピレン(bPP)、ランダムポリプロピレン(rPP)などが挙げられる。
(隣接層(B層))
隣接層(B層)は、離型層(A層)に隣接する層であり、スチレン単位が50wt%未満のスチレン系エラストマーを主成分とする層である。ここで、「隣接する」とは、A層とB層とが隣り合っていることを意味し、A層とB層の間に、例えば接着剤層が存在していてもよいが、本発明では、B層がA層との接着性を示すので、接着剤層を介さずとも層間密着性を付与することができる。
「主成分」の定義は、A層におけるものと同様である。
スチレン系エラストマーは、スチレン単位が50wt%未満であれば特に限定されないが、スチレンとオレフィンとの共重合体であることが好ましい。例えば、スチレン-ブタジエン共重合体、スチレン-イソブチレン共重合体、スチレン-イソプレン共重合体、スチレン-ブタジエン-スチレン共重合体(SBS)、スチレン-イソプレンースチレン共重合体(SIS)、およびこれらの水素添加された共重合体や酸変性された共重合体が挙げられる。また、それらの共重合体の構造は特に限定されないが、ブロック共重合体、ランダム共重合体、トリブロック共重合体などが挙げられる。
隣接層(B層)には、スチレン系エラストマーが主成分であれば、上記スチレン系エラストマーを単独で用いてもよく、2種以上をブレンドして用いても良い。
上記スチレン系エラストマーの中でも離型層(A層)との密着性から、スチレン-ブタジエン共重合体、スチレン-イソブチレン共重合体、スチレン-イソプレン共重合体、スチレン-ブタジエン-スチレン共重合体(SBS)、および、スチレン-イソプレンースチレン共重合体(SIS)の水素添加された共重合体がより好ましい。例えば、スチレン-エチレン-ブチレン-スチレン共重合体(SEBS)、スチレン‐エチレン‐プロピレン‐スチレン共重合体(SEPS)、ならびに、1,2-ブタジエンをブタジエン成分として含む水素添加されたスチレン-ブタジエン共重合体(HSBR)などが挙げられる。
本発明におけるスチレン系エラストマーは、スチレン単位が50wt%未満であれば構わないが、スチレン単位の下限値は1wt%以上が好ましく、3wt%以上がより好ましく、5wt%以上がさらに好ましい。一方、上限値は45wt%未満が好ましい。スチレン含有量が上記下限値以上だとプレスラミネートの際のプレス温度域での隣接層(B層)のはみ出しを抑制することが容易になり、上記上限値未満とすることで、離型層(A層)との層間密着性が充分となり、製膜性も良好となる。
隣接層(B層)の160℃、1Hzの条件で測定された貯蔵弾性率G´は2.0×10Pa以上が好ましく、3.0×10Pa以上がより好ましく、4.0×10Pa以上がさらに好ましい。貯蔵弾性率G´を2.0×10Pa以上とすることで、プレスラミネートの際に隣接層(B層)がはみ出し、基板を汚染することが起きにくくなる。上限値は特に限定しないが、製膜性の点から1.0×10Pa未満が好ましい。
隣接層(B層)に用いるスチレン系エラストマーのメルトフローレイト(MFR 240℃、2.16kg)は、0.1g/10分以上50g/10分未満が好ましく、0.3g/10分以上45g/10分未満がより好ましく、0.5g/10分以上40g/10分未満がさらに好ましい。MFRを上記範囲内とすることで製膜性が確保できる。
(層厚)
本発明の積層フィルムの離型層(A層)の層厚は、5μm以上が好ましく、6μm以上がより好ましい。離型層を5μm以上とすることで、製膜が安定し、厚み精度が保たれ、積層フィルムとしたときの耐熱性、成形賦形性が付与できる。上限値は特に限定されないが、コスト、成形賦形性の点から100μm未満が好ましい。
隣接層(B層)は、5μm以上100μm未満が好ましく、10μm以上90μm未満がより好ましく、15μm80μm未満がさらに好ましい。隣接層は5μm以上とすることで製膜が安定し、厚み精度が保たれ、100μm未満とすることで積層フィルムとしての剛性が保たれる。
本発明の積層フィルムの総厚は20μm以上200μm未満が好ましく、25μm以上180μm未満がより好ましく、上限は160μm未満がさらに好ましい。総厚を20μm以上にすることで積層フィルムとしての剛性が保たれハンドリング性が確保でき、200μm未満とすることで、成形賦形性が付与できる。
(熱可塑性樹脂を主成分として含む層(C層))
本発明の積層フィルムは、離型層(A層)、隣接層(B層)の他に、離型層(A層)とは反対面の表面層に熱可塑性樹脂を主成分とする層(C層)を有していてもよい。C層の融点は150℃以上が好ましく、155℃以上がより好ましい。C層の融点を150℃以上とすることでプレスラミネートの際に必要とする耐熱性を付与することができる。
なお、主成分の定義は、A層におけるものと同様である。
C層を構成する熱可塑性樹脂としては、離型層(A層)と同じポリメチルペンテン系樹脂を使用してもよく、その他にポリプロピレン系樹脂を使用してもよい。ポリプロピレン系樹脂としては、ホモポリプロピレン(hPP)、ブロックポリプロピレン(bPP)、ランダムポリプロピレン(rPP)等が挙げられる。これらは単独でも二種以上をブレンドして使用してもよい。中でも、耐熱性の点からポリメチルペンテン系樹脂、hPP、bPPが好ましい。
(層間密着性)
本発明の積層フィルムの離型層(A層)と隣接層(B層)との剥離強度は、300gf/15mm幅以上が好ましく、350gf/15mm幅以上がより好ましく、400gf/15mm幅以上がさらに好ましい。剥離強度が300gf/15mm幅以上であれば、プレス工程後に絶縁フィルムからはがす際に離型フィルムの層間剥離を防ぐことができる。
隣接層(B層)と熱可塑性樹脂を主成分として含む層(C層)との剥離強度についても同様である。
(その他の成分)
本発明の積層フィルムは、その効果を著しく阻害しない範囲内で、適宜、必要とする層に対して、成形加工性、生産性等の諸性質を改良・調整する目的で、シリカ、タルク、カオリン、炭酸カルシウム等の無機粒子、酸化チタン、カーボンブラック等の顔料、難燃剤、耐候性安定剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、溶融粘度改良剤、架橋剤、滑剤、核剤、可塑剤、老化防止剤などの添加剤を添加できる。
(その他の層)
本発明の積層フィルムの層構成としては、A層/B層、A層/B層/A層、A層/B層/C層が挙げられる。また、その効果を著しく阻害しない範囲で、A層、B層、C層以外のその他の層を有してもよい。
例えば、B層とC層との間に他の熱可塑性樹脂からなるD層を有しても良い。D層は、1層でも複数層でもよい。D層を構成する材料としては、隣接層(B層)と同じスチレン系エラストマーを用いてもよく、異なるスチレン系エラストマーや、その他、ポリオレフィン系樹脂(PO)、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂などを用いてもよい。
D層に用いるポリオレフィン系樹脂としては、高密度ポリエチレン(HDPE)、アイオノマー樹脂、ホモポリプロピレン(hPP)、ブロックポリプロピレン(bPP)、ランダムポリプロピレン(rPP)などのポリプロピレン系樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は単体で使用してもよく、2種以上をブレンドしても良く、他のポリオレフィン系樹脂を併用しても用いても構わないが主成分として用いることが好ましい。「主成分」の定義は、A層におけるものと同様である。さらに、隣接層(B層)やC層との密着性向上の観点から、エチレン-α-オレフィン共重合体、エチレン-アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン-アクリル酸メチル共重合体(EMA)、エチレン-アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン‐メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン‐メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)などを添加して用いてもよい。
<積層フィルム製膜方法>
本発明の積層フィルムは、公知の方法を用いて作製することができる。例えば、押出ラミネーション法、共押出インフレーション法、共押出Tダイ法等を用いることができ、特に、フィルムの層数が多い場合でも製膜工程は変わらない点や厚み制御が比較的容易である点で共押出Tダイ法を用いることが好ましい。
<フレキシブルプリント基板工程用積層フィルム>
本発明の積層フィルムは、離型層(A層)の離型性、隣接層(B層)の成型賦形性や離型層(A層)との層間密着性を生かして、フレキシブルプリント基板(FPC)工程用フィルムとして使用できる。カバーレイフィルムをラミネートする工程において、隣接層(B層)のはみ出しによるフレキシブルプリント基板(FPC)を汚染する不具合を防ぐことができる。
以下、本発明の積層フィルムの効果を明確にするために、実施例に基づいてより詳細に説明する。なお、本発明の積層フィルムは、以下の実施例及び比較例によって何ら限定されるものではない。
<積層フィルムの製膜>
下記に記載の原料を用い、共押出Tダイ法により、各例に記した層構成で積層フィルムを作製した。
(離型層(A層))
・PMP1:三井化学社製(MX004 融点230℃、260℃MFR25g/10分)
・PMP2:三井化学社製(MX002 融点225℃、260℃MFR21g/10分)
・PMP3:三井化学社製(RT31 融点234℃、260℃MFR21g/10分)
(隣接層(B層))
・SR1: クラレ社製SEPS(セプトン2063、スチレン量13wt%、240℃MFR7.0g/10分、160℃貯蔵弾性率G´=7.7×10Pa)
・SR2:旭化成社製SEBS(タフテックH1221、スチレン量12wt%、240℃MFR7.2g/10分、160℃貯蔵弾性率G´=6.3×10Pa)
・SR3:旭化成社製SEBS(タフテックH1041、スチレン量30wt%、240℃MFR7.7g/10分、160℃貯蔵弾性率G´=11.1×10Pa)
・SR4:JSR社製HSBR(ダイナロン1320P、スチレン量10wt%、240℃MFR5.5g/10分、160℃貯蔵弾性率G´=5.5×10Pa)
・SR5:旭化成社製SEBS(タフテックH1043、スチレン量67wt%、240℃MFR3.4g/10分、160℃貯蔵弾性率G´=16.4×10Pa)
・TPO:日本ポリプロ社製(WELNEX RFX4V 240℃MFR6.7g/10分、160℃貯蔵弾性率G´=8.8×10Pa)
・EVA:三井・ダウポリケミカル社製(エバフレックスV5714C、240℃MFR8.4g/10分、160℃貯蔵弾性率G´=1.4×10Pa)
・EMMA:住友化学社製(アクリフトWD203-1、240℃MFR6.8g/10分、160℃貯蔵弾性率G´=1.3×10Pa)
・酸変性PO:三井化学社製(アドマーQF500、240℃MFR3.9g/10分、160℃貯蔵弾性率G´=1.9×10Pa)
(C層)
・hPP:日本ポリプロ社製(FB3HAT 融点℃160℃、240℃MFR12g/10分)
・PMP1:三井化学社製(MX004 融点230℃、260℃MFR25g/10分)
(実施例1)
離型層(A層)にPMP1、隣接層(B層)にSR1、C層にhPPを用いた。各層の樹脂を、単軸押出機を用いて250℃に設定した積層口により共押出成形し、各層の厚さが離型層(A層)25μm、隣接層(B層)40μm、C層15μmの総厚さ80μmの積層フィルムを得た。評価結果を表1に示す。
(実施例2)
隣接層(B層)をSR2に変更した以外は、実施例1と同様の方法で評価用の積層フィルムを得た。評価結果を表1に示す。
(実施例3)
隣接層(B層)をSR3に変更した以外は、実施例1と同様の方法で評価用の積層フィルムを得た。評価結果を表1に示す。
(実施例4)
隣接層(B層)をSR4に変更した以外は、実施例1と同様の方法で評価用の積層フィルムを得た。評価結果を表1に示す。
(実施例5)
離型層(A層)をPMP2に変更した以外は、実施例4と同様の方法で評価用の積層フィルムを得た。評価結果を表1に示す。
(実施例6)
離型層(A層)をPMP3に変更した以外は、実施例4と同様の方法で評価用の積層フィルムを得た。評価結果を表1に示す。
(実施例7)
C層にPMP1に変更した以外は、実施例2と同様の方法で評価用の積層フィルムを得た。評価結果を表1に示す。
(比較例1)
隣接層(B層)をSR5に変更した以外は、実施例1と同様の方法で評価用の積層フィルムを製膜したが、積層ムラにより穴あきが見られ、積層フィルムを得ることができなかったため、プレス適正および層間密着性の評価は行わなかった。
(比較例2)
隣接層(B層)をTPOに変更した以外は、実施例1と同様の方法で評価用の積層フィルムを得た。評価結果を表1に示す。
(比較例3)
隣接層(B層)をEVAに変更した以外は、実施例1と同様の方法で評価用の積層フィルムを得た。評価結果を表1に示す。
(比較例4)
隣接層(B層)をEMMAに変更した以外は、実施例1と同様の方法で評価用の積層フィルムを得た。評価結果を表1に示す。
(比較例5)
隣接層(B層)を酸変性POに変更した以外は、実施例1と同様の方法で評価用の積層フィルムを得た。評価結果を表1に示す。
<積層フィルムの評価>
ポリイミドフィルム(宇部興産社製、ユーピレックス50μm品)の上にドーナツ型(直径100mm、内径25mm、厚さ2mm)のスペーサーを置き、その上に各実施例および比較例で作製した評価用フィルムを重ねて真空プレスを行った。評価はn=5で行い、真空プレスは温度160℃、真空引き30秒、加圧100kPa、加圧時間5分の条件で行った。
(成形賦形性)
前記の条件で行った真空プレス後の評価用フィルムのドーナツ型の中心(内径25mm部分)の凹み対する追従性を以下の基準で評価した。
〇:評価用フィルムは、n=5全てにおいて、スペーサーの凹みに対して良好な追従性であり、スペーサーの底部の角が出ている。
△:評価用フィルムは、n=5の一部において、スペーサーの凹みに対して追従性が悪いため、厚さ2mmのスペーサーの底までフィルムが到達せず、角が出ていない。
×:評価用フィルムは、n=5全てにおいて、スペーサーの凹みに対して追従性が悪いため、厚さ2mmのスペーサーの底までフィルムが到達せず、角が出ていない。
(隣接層(B層)による汚染性)
前記の条件で行った真空プレス後の評価用フィルム端部の状態(n=5)を以下の基準で評価した。隣接層(B層)のはみ出しの有無を目視にて、糸引きは発生頻度で評価した。
〇:評価用フィルム端部の隣接層(B層)のはみ出しがなく(はみ出しがあっても0.2mm未満)、ポリイミドフィルムからはがす際に、糸引きの発生頻度が20%以下
△:評価用フィルム端部の隣接層(B層)のはみ出しがあり(はみ出しが0.2mm以上)、ポリイミドフィルムからはがす際に、糸引の発生頻度が20%を超え80%未満
×:評価用フィルム端部の隣接層(B層)のはみ出しがあり(はみ出しが0.2mm以上)、評価用フィルムをポリイミドフィルムからはがす際に、糸引きの発生頻度が80%以上
(層間密着性)
得られた評価用フィルムを用いて、離型層(A層)と隣接層(B層)との間、あるいは、隣接層(B層)とC層との間、それぞれを剥離する際の剥離強度を測定した。剥離強度はオートグラフ機(エー・アンド・デイ社製、MCT-2150)を使用して、剥離速度200mm/分の条件で測定した。
○:剥離強度測定時に離型層(A層)またはC層が破断するか、剥離強度が300gf/15mm幅以上
×:剥離強度が300gf/15mm幅未満
Figure 0007306228000002
表1に示すように、実施例1~7は、製膜性、成型賦形性、層間密着性に優れ、隣接層(B層)による汚染もなく、フレキシブルプリント基板の工程用フィルムとして好適に用いることが可能であった。一方、比較例1では隣接層(B層)を構成するスチレン系エラストマーのスチレン量が多く、製膜が困難であった。
比較例2,3,4は、B層が所定のスチレン系エラストマーを主成分とした層ではなく、160℃における貯蔵弾性率が低いため隣接層(B層)のはみ出しによる汚染や糸引きが見られ、比較例2、4、5では離型層(A層)との層間密着性が悪く、フレキシブルプリント基板の工程用フィルムとしてとして使用できなかった。
以上より、本発明の積層フィルムは、製膜性、離型性、成形賦形性、層間密着性に優れ、隣接層(B層)による汚染が抑制されていることが分かった。
本発明の積層フィルムは、フレキシブルプリント基板の工程用フィルムであって、カバーレイフィルムをラミネートする際の離型フィルムとして好適に利用することが可能である。

Claims (9)

  1. 少なくとも一方の表面層としてポリメチルペンテン系樹脂を主成分とする離型層(A層)と前記離型層(A層)に隣接するスチレン単位が30wt%以下のスチレン系エラストマーを主成分とする隣接層(B層)の少なくとも2層を有する積層フィルム。
  2. 前記隣接層(B層)の160℃における貯蔵弾性率G′が2.0×10Pa以上である請求項1に記載の積層フィルム。
  3. 前記離型層(A層)とは反対側の表面層に熱可塑性樹脂を主成分として含む層(C層)をさらに有する、請求項1または2に記載の積層フィルム。
  4. 前記熱可塑性樹脂を主成分として含む層(C層)の融点が150℃以上である、請求項3に記載の積層フィルム。
  5. 前記熱可塑性樹脂が、ポリメチルペンテン系樹脂、または、ポリプロピレン系樹脂、あるいは、これらの混合物である、請求項3または4に記載の積層フィルム。
  6. 前記熱可塑性樹脂が、ポリプロピレン系樹脂である、請求項3または4に記載の積層フィルム。
  7. 請求項1~請求項のいずれか1項に記載の積層フィルムであって、フレキシブルプリント基板のプレスラミネート工程で使用されるフレキシブルプリント基板工程用積層フィルム。
  8. 一方の表面層としてポリメチルペンテン系樹脂を主成分とする離型層(A層)、前記離型層(A層)に隣接するスチレン単位が50wt%以下のスチレン系エラストマーを主成分とする隣接層(B層)、および、前記離型層(A層)とは反対側の表面層としてポリプロピレン系樹脂を主成分として含む層(C層)の少なくとも3層を有する、積層フィルム。
  9. 請求項8に記載の積層フィルムであって、フレキシブルプリント基板のプレスラミネート工程で使用されるフレキシブルプリント基板工程用積層フィルム。
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