JP5386792B2 - 粘着剤組成物及びこれを用いた粘着シート - Google Patents
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Description
さらに、粘着剤層に粘着付与剤を含む粘着シートでは、上述の温度範囲において粘着付与剤が軟化点に達することで、粘着剤層の流動性が助長され、その結果、粘着力をさらに増大させてしまう懸念があり、FPC補強用裏打ち材として用いることは好ましくない。
(a):ヒドロキシル基を有する、アルキル基の炭素数が4〜20のアルキル(メタ)アクリレート系単量体3〜15重量%。
(b):(a)以外のアルキル(メタ)アクリレート系単量体85〜97重量%。
〔但し、ヒドロキシル基含有アクリル系樹脂(A)を構成する単量体の合計を100重量%とする。〕
本発明の粘着剤組成物に用いられるヒドロキシル基含有アクリル系樹脂(A)の重量平均分子量は、45万〜150万であるが、75万〜130万であることが好ましい。ヒドロキシル基含有アクリル系樹脂(A)の重量平均分子量が45万未満の場合には、架橋剤を使用しても凝集力が不足して、被着体に貼り付け後の加熱処理、熱圧処理あるいは湿熱処理により粘着力が上昇し、良好な再剥離性が得られない。また、ヒドロキシル基含有アクリル系樹脂(A)の重量平均分子量が150万より大きい場合には、粘着剤層の弾性が高くなりすぎ、被着体との密着性が低下し、貼り付け作業時に粘着剤層が被着体表面に十分にクリープすることができず、実用十分な粘着力が得られない。
(a):ヒドロキシル基を有する、アルキル基の炭素数が4〜20のアルキル(メタ)アクリレート系単量体3〜15重量%。
(b):(a)以外のアルキル(メタ)アクリレート系単量体85〜97重量%。
〔但し、ヒドロキシル基含有アクリル系樹脂(A)を構成する単量体の合計を100重量%とする。〕
さらにまた、単量体(a)以外のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート系単量体を単量体(b)として用いることもできる。このような単量体としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性(メタ)アクリレート類、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート類、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート類等が挙げられる。
アゾ系化合物の例としては、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1'−アゾビス(シクロヘキサン1−カルボニトリル)、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)、ジメチル2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、4,4'−アゾビス(4−シアノバレリック酸)、2,2'−アゾビス(2−ヒドロキシメチルプロピオニトリル)、2,2'−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]等が挙げられる。
これらの重合開始剤は、単独で、若しくは2種類以上組み合わせて用いることができる。
溶液重合の場合には、重合溶媒として、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、トルエン、アセトン、ヘキサン、メチルエチルケトン等が用いられる。これらの重合溶媒は、2種類以上混合して用いても良い。
反応温度は40〜150℃、好ましくは50〜110℃、反応時間は3〜30時間、好ましくは5〜20時間である。
一般的に、上述のエステル化合物は可塑剤とも呼ばれるが、可塑剤の可塑化機構は、可塑剤分子の極性部分が高分子鎖の極性部分に強く配向し、高分子鎖の極性点同士の相互作用を遮断することにより高分子鎖間の間隔を広げ、分子鎖の運動を容易にすることにより、溶融温度あるいは溶融粘度の低下や柔軟性・弾性などが付与されるものと考えられている。例えば、トリメリット酸エステルは芳香環とエステル結合を含む極性部分と、メチレン鎖やメチル基等からなる非極性部分に分けられる。このような可塑剤分子中の極性部分が、高分子鎖の極性部分に強く配向して、可塑化効果が現れるものと考えられている。以上のような機構から、極性部分に比べて非極性部分が小さい構造の可塑剤では、高分子鎖の間隔を充分に広げることができず十分な可塑化効果は期待できない。一方で、非極性部分が大きすぎると可塑剤と高分子鎖の極性部分との結合力が不足し、相分離(不相溶)やブリーディングなどの問題が生じる。
エステル化合物の式量もしくは数平均分子量が300未満であると、粘着剤層中に保持されにくく、加熱処理中に揮発したり、粘着剤層表面へブリードアウトしやすくなり、被着体汚染を生じやすくなってしまう。一方、式量もしくは数平均分子量が1500を越えると、ヒドロキシル基含有アクリル系樹脂(A)との相溶性が悪くなりやすく、粘着剤層表面にブリードアウトして被着体表面を汚染しやすくなるのに加え、粘着剤層の粘着力を制御するのが困難になってしまう。
なお、本発明は、前記の推定によって限定されるものではない。
本発明の粘着シートは、シート状の基材上に、本発明の粘着剤組成物から形成される粘着剤層を有する粘着シートであり、粘着剤層をシート状の基材に積層し、さらに粘着剤層の上に剥離基材を積層したもの、あるいは、粘着剤層をシート状の基材に積層し、該基材の背面に剥離処理を施し、ロール状にしたもの等の態様がある。基材の背面の剥離処理は、シリコーン系離形剤は汚染の原因となることから、フッ素系、ワックス系、ポリエチレン系等の離形剤を用いて行うことが好ましい。
剥離基材は、例えばポリエチレンテレフタレート、2軸延伸ポリプロピレン、ポリエチレン等のフィルムの少なくとも片面に離形剤層が積層されたものであり、特に限定されるものではないが、シリコーン系離形剤は汚染の原因となることから、フッ素系、ワックス系、ポリエチレン系等の離形剤が用いられているものが好ましい。
ここに、「微粘着シート」とは、例えばポリエチレンテレフタレート等からなるシート状基材とアクリル系粘着剤層とから形成される粘着シートであって、非常に低い粘着力を発現する粘着シートのことをいう。
粘着力保持率が70%未満の場合は、加熱処理され、粘着シートが剥離された被着体表面に汚染物が付着していると判断でき、実際のFPC製造工程において、粘着シート剥離後に被着体表面に固定用の接着剤を用いる場合、接着剤の接着力が低下しやすい。一方、加熱粘着力保持率が70%以上の場合は、固定用接着剤の実用十分な接着力が得ることができる。
なお、本発明でいう「160℃加熱処理」とは、粘着シートと被着体とを貼り合わせ、160℃雰囲気下に1時間放置した後、23℃−50%RH雰囲気下で30分以上放冷することをいう。
(合成例1)
攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下装置、窒素導入管を備えた反応容器に、n−ブチルアクリレート37.8部、2−エチルヘキシルアクリレート37.9部、メチルアクリレート19.3部、4−ヒドロキシブチルアクリレート5.0部、アセトン150部を仕込み、攪拌しながら反応器中の空気を窒素置換し、還流するまで昇温して保持した。次いで2,2'−アゾビスイソブチロニトリル0.07部を加え、合計7時間反応させた。反応終了後、トルエンを250部添加して希釈して室温まで冷却し、固形分19%のアクリル系共重合体1の溶液を得た。アクリル系共重合体1の重量平均分子量は112万であった。
表1に示すように、単量体(a)、単量体(b)の種類および量を変えたこと以外は、合成例1と同様にして、アクリル系共重合体2〜6及び8〜10の溶液を得た。分析値を表1に示す。なお、合成例8は、重合反応中にゲル化が過度に進行し、アクリル系共重合体の溶液を得ることができなかった。
攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下装置、窒素導入管を備えた反応容器に、表1に示す単量体(a)、単量体(b)、酢酸エチル100部を仕込み、攪拌しながら反応器中の空気を窒素置換し、還流するまで昇温して保持した。次いで2,2'−アゾビスイソブチロニトリル0.25部加え、合計8時間反応させた。反応終了後、トルエンを50部添加して希釈して室温まで冷却し、固形分40%のアクリル系共重合体7、11、12の溶液を得た。分析値を表1に示す。
MA:メチルアクリレート
MMA:メチルメタクリレート
BA:n−ブチルアクリレート
2EHA:2−エチルヘキシルアクリレート
HEA:2−ヒドロキシエチルアクリレート
HPA:2−ヒドロキシプロピルアクリレート
HBA:4−ヒドロキシブチルアクリレート
HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート
装置:東ソー社製 HCL8820GPC
カラム:東ソー社製 TSKgel GMHXL3本を連結して使用。
溶媒:テトラヒドロフラン
流速:0.5ml/min
温度:40℃
試料濃度:0.1wt%
試料注入量:100μl
合成例1で得られたアクリル系共重合体1溶液の固形分100部に対して、架橋剤としてヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体(住化バイエル社製「スミジュールN-3300」)を8.1部(NCO/OH比が1.2)添加し、更に、エステル化合物としてトリメリット酸オクチルエステル(「アデカサイザーC−8」旭電化工業社製、式量=547)を10部添加して良く攪拌し、粘着剤溶液を得た。
得られた粘着剤溶液を、コンマコーターで乾燥膜厚10μmとなるように、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布し、乾燥させ、粘着剤層を形成しつつ、巻き取り時に剥離基材(サンエー化研社製「RFP40(YP−9)」)を粘着剤層にラミネートして、シート状基材/粘着剤層/剥離基材からなる粘着シートを得た。この粘着シートを23℃50%RHの雰囲気下で7日間熟成させた。
(実施例2)
エステル化合物としてトリメリット酸n−オクチルエステル(「アデカサイザーC−880」旭電化工業社製、式量=547)を10部用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着シートを作製し、23℃50%RHの雰囲気下で7日間熟成させた。
(実施例3)
エステル化合物としてアジピン酸ポリエステル化合物(「アデカサイザーPN−160」 旭電化工業社製、数平均分子量=856)を10部用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着シートを作製し、23℃50%RHの雰囲気下で7日間熟成させた。
(実施例4)
エステル化合物としてフタル酸ポリエステル化合物(「アデカサイザーPN−77」旭電化工業社製、数平均分子量=506)を10部用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着シートを作製し、23℃50%RHの雰囲気下で7日間熟成させた。
(実施例5)
エステル化合物としてフタル酸ジオクチル(式量=391)を10部用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着シートを作製し、23℃50%RHの雰囲気下で7日間熟成させた。
(実施例6)
エステル化合物としてエポキシ化脂肪酸アルキルエステル化合物(「アデカサイザーD−178」旭電化工業社製、数平均分子量=412)を10部用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着シートを作製し、23℃50%RHの雰囲気下で7日間熟成させた。
合成例1で得られたアクリル系共重合体1溶液の代わりに、合成例2で得られたアクリル系共重合体2溶液を用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着シートを作製し、23℃50%RHの雰囲気下で7日間熟成させた。
(実施例8)
合成例1で得られたアクリル系共重合体1溶液の代わりに、合成例2で得られたアクリル系共重合体2溶液を用いたこと以外は、実施例2と同様にして粘着シートを作製し、23℃50%RHの雰囲気下で7日間熟成させた。
(実施例9)
合成例1で得られたアクリル系共重合体1溶液の代わりに、合成例2で得られたアクリル系共重合体2溶液を用いたこと以外は、実施例3と同様にして粘着シートを作製し、23℃50%RHの雰囲気下で7日間熟成させた。
(実施例10)
合成例1で得られたアクリル系共重合体1溶液の代わりに、合成例2で得られたアクリル系共重合体2溶液を用いたこと以外は、実施例4と同様にして粘着シートを作製し、23℃50%RHの雰囲気下で7日間熟成させた。
(実施例11)
合成例1で得られたアクリル系共重合体1溶液の代わりに、合成例2で得られたアクリル系共重合体2溶液を用いたこと以外は、実施例5と同様にして粘着シートを作製し、23℃50%RHの雰囲気下で7日間熟成させた。
(実施例12)
合成例1で得られたアクリル系共重合体1溶液の代わりに、合成例2で得られたアクリル系共重合体2溶液を用いたこと以外は、実施例6と同様にして粘着シートを作製し、23℃50%RHの雰囲気下で7日間熟成させた。
合成例1で得られたアクリル系共重合体1溶液の代わりに、合成例3で得られたアクリル系共重合体3溶液を用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着シートを作製し、23℃50%RHの雰囲気下で7日間熟成させた。
(実施例14)
合成例1で得られたアクリル系共重合体1溶液の代わりに、合成例4で得られたアクリル系共重合体4溶液を用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着シートを作製し、23℃50%RHの雰囲気下で7日間熟成させた。
(実施例15)
合成例1で得られたアクリル系共重合体1溶液の代わりに、合成例5で得られたアクリル系共重合体5溶液を用い、「スミジュールN-3300」の配合量を4.8部に変更した(NCO/OH比が1.2)こと以外は、実施例1と同様にして粘着シートを作製し、23℃50%RHの雰囲気下で7日間熟成させた。
(実施例16)
合成例1で得られたアクリル系共重合体1溶液の代わりに、合成例6で得られたアクリル系共重合体6溶液を用い、「スミジュールN-3300」の配合量を11.6部に変更した(NCO/OH比が1.2)こと以外は、実施例1と同様にして粘着シートを作製し、23℃50%RHの雰囲気下で7日間熟成させた。
(実施例17)
合成例1で得られたアクリル系共重合体1溶液の代わりに、合成例7で得られたアクリル系共重合体7溶液を用いた(NCO/OH比が1.2)こと以外は、実施例1と同様にして粘着シートを作製し、23℃50%RHの雰囲気下で7日間熟成させた。
「スミジュールN-3300」の配合量を3.7部に変更した(NCO/OH比が0.6)こと以外は、実施例1と同様にして粘着シートを作製し、23℃50%RHの雰囲気下で7日間熟成させた。
(実施例19)
「スミジュールN-3300」の配合量を5.4部に変更した(NCO/OH比が0.8)こと以外は、実施例1と同様にして粘着シートを作製し、23℃50%RHの雰囲気下で7日間熟成させた。
(実施例20)
「スミジュールN-3300」の代わりに、ヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体(住化バイエル社製「スミジュール HT」)13.5部(NCO/OH比が1.2)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着シートを作製し、23℃50%RHの雰囲気下で7日間熟成させた。
(実施例21)
「スミジュールN-3300」の代わりに、キシレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体(三井武田ケミカル社製「タケネート D−110N」)11.4部(NCO/OH比が1.2)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着シートを作製し、23℃50%RHの雰囲気下で7日間熟成させた。
(実施例22)
「アデカサイザーC−8」の配合量を5部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして粘着シートを作製し、23℃50%RHの雰囲気下で7日間熟成させた。
(実施例23)
「アデカサイザーC−8」の配合量を15部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして粘着シートを作製し、23℃50%RHの雰囲気下で7日間熟成させた。
合成例1で得られたアクリル系共重合体1溶液の固形分100部に対して、架橋剤として「スミジュールN-3300」を8.1部(NCO/OH比が1.2)添加して良く攪拌し、粘着剤溶液を得た。
得られた粘着剤溶液を、コンマコーターで乾燥膜厚10μmとなるように、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布し、乾燥させ、粘着剤層を形成しつつ、巻き取り時に剥離基材「RFP40(YP−9)」を粘着剤層にラミネートして、シート状基材/粘着剤層/剥離基材からなる粘着シートを得た。この粘着シートを23℃50%RHの雰囲気下で7日間熟成させた。
(比較例2)
合成例1で得られたアクリル系共重合体1溶液の代わりに、合成例9で得られたアクリル系共重合体9溶液を用い、「スミジュールN-3300」の配合量を12.5部に変更した(NCO/OH比が1.2)こと以外は、実施例1と同様にして粘着シートを作製し、23℃50%RHの雰囲気下で7日間熟成させた。
(比較例3)
合成例1で得られたアクリル系共重合体1溶液の代わりに、合成例10で得られたアクリル系共重合体10溶液を用い、「スミジュールN-3300」の配合量を1.6部に変更した(NCO/OH比が1.2)こと以外は、実施例1と同様にして粘着シートを作製し、23℃50%RHの雰囲気下で7日間熟成させた。
(比較例4)
合成例1で得られたアクリル系共重合体1溶液の代わりに、合成例11で得られたアクリル系共重合体11溶液を用い、「スミジュールN-3300」の配合量を17.8部に変更した(NCO/OH比が1.2)こと以外は、実施例1と同様にして粘着シートを作製し、23℃50%RHの雰囲気下で7日間熟成させた。
合成例1で得られたアクリル系共重合体1溶液の代わりに、合成例12で得られたアクリル系共重合体12溶液を用いた(NCO/OH比が1.2)こと以外は、実施例1と同様にして粘着シートを作製し、23℃50%RHの雰囲気下で7日間熟成させた。
(比較例6)
「スミジュールN-3300」の配合量を1.3部に変更した(NCO/OH比が0.2)こと以外は、実施例1と同様にして粘着シートを作製し、23℃50%RHの雰囲気下で7日間熟成させた。
(比較例7)
「スミジュールN-3300」の配合量を13.4部に変更した(NCO/OH比が2.0)こと以外は、実施例1と同様にして粘着シートを作製し、23℃50%RHの雰囲気下で7日間熟成させた。
(比較例8)
「スミジュールN-3300」の代わりに、エポキシ系架橋剤としてN,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン(「テトラッド−X」三菱瓦斯化学社製)6.3部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着シートを作製し、23℃50%RHの雰囲気下で7日間熟成させた。
エステル化合物として数平均分子量=1823のアジピン酸ポリエステル化合物(「アデカサイザーHPN−3130」旭電化工業社製)を10部用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着シートを作製し、23℃50%RHの雰囲気下で7日間熟成させた。
(比較例10)
エステル化合物として数平均分子量=3814のアジピン酸ポリエステル化合物(「モノサイザーW−4000」大日本インキ化学工業社製)を10部用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着シートを作製し、23℃50%RHの雰囲気下で7日間熟成させた。
(比較例11)
「アデカサイザーC−8」の配合量を1部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして粘着シートを作製し、23℃50%RHの雰囲気下で7日間熟成させた。
(比較例12)
「アデカサイザーC−8」の配合量を40部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして粘着シートを作製し、23℃50%RHの雰囲気下で7日間熟成させた。
装置:昭和電工社製 Showdex GPC−101
カラム:昭和電工社製 Showdex KF−806L2本、KF−804L、KF−802各1本、計4本を連結して使用。
溶媒:テトラヒドロフラン
流速:1.00ml/min
温度:40℃
試料濃度:0.1wt%
試料注入量:200μl
1)初期粘着力
各試料を幅25mm、長さ220mmの大きさに裁断して剥離基材を剥がし、水の接触角が35°の表面状態の、プラズマ処理を施したポリイミドフィルム(「カプトン100H」東レ・デュポン社製)を被着体として、JIS Z0237に則り23℃50RH%雰囲気中で貼り付け、重さ2kgのゴムロールを1往復して圧着しテストピースとした。
20分放置後、試料貼り合せ面を引裂くように引張速度300mm/分で剥離試験を行って測定した。
2)加熱処理後
各試料を幅25mm、長さ220mmの大きさに裁断して剥離基材を剥がし、水の接触角が35°の表面状態の、プラズマ処理を施したポリイミドフィルム(「カプトン100H」)を被着体として、JIS Z0237に則り23℃50RH%雰囲気中で貼り付け、重さ2kgのゴムロールを1往復して圧着しテストピースとした。
テストピースを160℃オーブン中で1時間加熱した後、23℃50%RH雰囲気下で30分以上放置し、試料貼り合せ面を引裂くように引張速度300mm/分で剥離試験を行って測定した。
各試料を幅30mm、長さ250mmの大きさに裁断して剥離紙を剥がし、水の接触角が35°の表面状態である、プラズマ処理を施したポリイミドフィルム(「カプトン100H」)に、JIS Z0237に則り23℃50RH%雰囲気中で貼り付け、重さ2kgのゴムロールを1往復して圧着し、160℃オーブン中で1時間加熱した後、23℃50%RH雰囲気下で30分以上放置し、試料貼り合せ面を引裂くように剥離し た。
粘着シートが剥離された被着体面上に、幅25mm、長さ220mmに裁断した微粘着テープを23℃50RH%雰囲気中で新たに貼り付け、重さ2kgのゴムロールを1往復して圧着しテストピースとした。20分放置後、試料貼り合せ面を引裂くように引張速度300mm/分で剥離試験を行って粘着力(粘着力A)を測定した。
また、これとは別に、上記微粘着テープを幅25mm、長さ220mmの大きさに裁断し、水の接触角が35°の表面状態である、プラズマ処理を施したポリイミドフィルム(「カプトン100H」)に、JIS Z0237に則り23℃50RH%雰囲気中で貼り付け、重さ2kgのゴムロールを1往復して圧着しテストピースとした。20分放置後、試料貼り合せ面を引裂くように引張速度300mm/分で剥離試験を行って粘着力(粘着力B)を測定した。
上記条件で測定した粘着力Aおよび粘着力Bを用いて、下記計算式[I]で粘着力保持率を算出した。
粘着力保持率(%)=(粘着力A/粘着力B)×100 [I]
Claims (3)
- 重量平均分子量が45万〜150万のヒドロキシル基含有アクリル系樹脂(A)と、イソシアネート系架橋剤(B)とを、前記ヒドロキシル基含有アクリル系樹脂(A)中の水酸基量に対するイソシアネート系架橋剤(B)中のイソシアネート基量が0.6〜1.6倍(モル比)となる範囲で含み、さらに、前記ヒドロキシル基含有アクリル系樹脂(A)100重量部に対して、ヒドロキシル基含有アクリル系樹脂(A)及びイソシアネート系架橋剤(B)と非反応性であり、式量もしくは数平均分子量が300以上1500以下のエステル化合物である可塑剤を3〜20重量部含む粘着剤組成物であり、
前記エステル化合物である可塑剤が、フタル酸誘導体、トリメリット酸誘導体、ピロメッリト酸誘導体、アジピン酸誘導体、アゼライン酸誘導体、セバシン酸誘導体、ドデカン−2−酸誘導体、マレイン酸誘導体、フマル酸誘導体、クエン酸誘導体、オレイン酸誘導体、リシノール酸誘導体、ステアリン酸誘導体、スルホン酸誘導体、リン酸誘導体、グリコール誘導体、グリセリン誘導体、パラフィン誘導体およびエポキシ誘導体からなる群より選択されるいずれかであって、
前記ヒドロキシル基含有アクリル系樹脂(A)が下記単量体(a)、(b)を含む単量体混合物を共重合してなる共重合体であることを特徴とする粘着剤組成物。
(a):ヒドロキシル基を有する、アルキル基の炭素数が4〜20のアルキル(メタ)アクリレート系単量体3〜15重量%。
(b):(a)以外のアルキル(メタ)アクリレート系単量体85〜97重量%。
〔但し、ヒドロキシル基含有アクリル系樹脂(A)を構成する単量体の合計を100重量%とする。〕 - シート状基材及び請求項1に記載の粘着剤組成物から形成される粘着剤層を有する粘着シート。
- 水の接触角が20°以上40°以下の表面状態のポリイミドフィルムに対する、160℃加熱処理後の粘着力が0.05N/25mm以上1N/25mm以下であることを特徴とする請求項2に記載の粘着シート。
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