JP2020090643A - 粘着剤組成物、粘着シート、粘着シートの製造方法、製品、および製品の製造方法 - Google Patents

粘着剤組成物、粘着シート、粘着シートの製造方法、製品、および製品の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 高温での接着力上昇を抑制または防止可能であり、かつ、被着体汚染を抑制または防止可能である粘着剤組成物を提供する。【解決手段】 前記目的を達成するために、本発明の粘着剤組成物は、下記成分(A)および(B)を含み、下記成分(A)100質量部に対する下記成分(B)の含有率が1〜60質量部であることを特徴とする。(A)下記単量体(a1)、下記単量体(a2)、および下記単量体(a3)を含む単量体混合物の共重合体であり、前記単量体混合物は、その全質量を100質量部として、下記単量体(a1)の含有量が1〜10質量部、下記単量体(a2)の含有量が1〜10質量部であり、かつ前記共重合体の重量平均分子量が30万〜200万である共重合体(a1)3級アミノ基を有する単量体(a2)水酸基を有する単量体(a3)アクリル酸アルキルエステルおよびメタクリル酸アルキルエステルの少なくとも一方(B)酸価が30mgKOH/g以上である粘着付与樹脂【選択図】なし

Description

本発明は、粘着剤組成物、粘着シート、粘着シートの製造方法、製品、および製品の製造方法に関する。
粘着剤組成物およびそれを用いた粘着シートは、産業上の種々の分野において広範に用いられている。粘着剤組成物としては、例えば、アクリル樹脂系粘着剤組成物が広く用いられている(特許文献1〜4等)。
特開2008−169307号公報 特開2007−126606号公報 特開2018−123224号公報 特開2018−80341号公報
粘着剤組成物は、高温条件下に長時間放置すると、接着力(粘着力)が大幅に上昇する場合がある。そのような場合、粘着剤組成物が被着体(被接着物)から剥がれずに、被着体を汚染するおそれがある。
そこで、本発明は、高温での接着力上昇を抑制または防止可能であり、かつ、被着体汚染を抑制または防止可能である粘着剤組成物、粘着シート、粘着シートの製造方法、製品、および製品の製造方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明の粘着剤組成物は、
下記成分(A)および(B)を含み、
下記成分(A)100質量部に対する下記成分(B)の含有率が1〜60質量部であることを特徴とする。

(A)下記単量体(a1)、下記単量体(a2)、および下記単量体(a3)を含む単量体混合物の共重合体であり、前記単量体混合物は、その全質量を100質量部として、下記単量体(a1)の含有量が1〜10質量部、下記単量体(a2)の含有量が1〜10質量部であり、かつ前記共重合体の重量平均分子量が30万〜200万である共重合体
(a1)3級アミノ基を有する単量体
(a2)水酸基を有する単量体
(a3)アクリル酸アルキルエステルおよびメタクリル酸アルキルエステルの少なくとも一方

(B)酸価が30mgKOH/g以上である粘着付与樹脂
本発明の粘着シートは、基材の少なくとも一方の面に粘着層を有し、前記粘着層が、本発明の粘着剤組成物を含むことを特徴とする。
本発明における第1の粘着シートの製造方法は、剥離フィルム上に、本発明の粘着剤組成物を塗工する工程と、前記塗工後、前記剥離フィルム上において前記粘着剤組成物を加熱して前記粘着層を形成する工程と、前記剥離フィルム上に形成した前記粘着層を、前記基材に貼り合わせる工程とを含む、本発明の粘着シートを製造する方法である。
本発明における第2の粘着シートの製造方法は、前記基材の、前記粘着層が形成される粘着層形成面に、請求項1から4のいずれか一項に記載の粘着剤組成物を塗工する工程と、前記塗工後、前記粘着層形成面上において前記粘着剤組成物を加熱して前記粘着層を形成する工程とを含む、本発明の粘着シートを製造する方法である。なお、以下において、本発明における前記第1の粘着シートの製造方法と、本発明における前記第2の粘着シートの製造方法とを、まとめて「本発明の粘着シートの製造方法」という場合がある。
本発明の製品は、保護シートが貼付された製品であって、前記保護シートが本発明の粘着シートであることを特徴とする。
本発明の製品の製造方法は、被着体に本発明の粘着シートを貼付する粘着シート貼付工程と、前記被着体から前記粘着シートを剥離する粘着シート剥離工程とを含む、前記被着体を用いた製品の製造方法である。
本発明によれば、高温での接着力上昇を抑制または防止可能であり、かつ、被着体汚染を抑制または防止可能である粘着剤組成物、粘着シート、粘着シートの製造方法、製品、および製品の製造方法を提供することができる。
以下、本発明について、例を挙げて説明する。ただし、本発明は、以下の説明により限定されない。
本発明の粘着剤組成物は、例えば、さらに架橋剤(C)を含み、前記架橋剤(C)がポリイソシアネートであってもよい。
本発明の粘着剤組成物は、例えば、前記成分(B)の酸基量に対する前記成分(A)の3級アミノ基量の比が、モル比で0.5以上であってもよい。
本発明の粘着剤組成物は、例えば、前記単量体(a3)が、アルキル炭素数4〜12のアクリル酸アルキルエステルを含んでいてもよい。
本発明の粘着剤組成物は、例えば、前記成分(B)が、重量平均分子量1000〜50000のアクリル樹脂であり、かつ、カルボキシ基を有していてもよい。
本発明の粘着剤組成物は、例えば、基材の少なくとも一方の面に粘着層を形成して粘着シートを製造するための粘着剤組成物であってもよい。また、本発明の粘着シートにおいて、前記基材は、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリオレフィン等の基材であってもよい。
本発明の粘着シートは、例えば、被着体表面に貼付し、前記被着体の保護シートまたは補強シートとして用いる粘着シートであってもよい。この場合において、本発明の粘着シートは、例えば、加熱条件下で用いる粘着シートであってもよい。また、例えば、前記被着体が、電子部材または電子基板の材料であってもよく、前記電子基板が、フレキシブルプリント配線基板であってもよい。
本発明の製品の製造方法は、例えば、さらに、被着体加熱工程を含み、前記被着体加熱工程は、前記粘着シート貼付工程後、前記粘着シート剥離工程に先立ち、前記粘着シートが貼付された前記被着体を加熱する工程であってもよい。
本発明の製品の製造方法は、例えば、前記製品が、電子部材または電子基板であってもよい。前記電子基板は、例えば、フレキシブルプリント配線基板であってもよい。
本発明において、「粘着力」と「接着力」とは同義であり、特に区別はないものとする。
本発明において、「脂肪族基」は、特に限定されず、例えば、飽和でも不飽和でもよく、環状構造を含んでいなくても含んでいてもよい。前記脂肪族基は、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基等が挙げられる。
本発明において、「アルキル」は、例えば、直鎖状または分枝状のアルキルを含む。前記アルキルの炭素数は、特に制限されず、例えば、1〜30であり、好ましくは、1〜18、3〜16または4〜12である。前記アルキルは、特に限定されないが、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基およびtert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基等が挙げられる。アルキル基から誘導される基や原子団(アルコキシ基等)についても同様である。アルキル基を構造中に含む基(アルキルアミノ基、アルコキシ基等)、または、アルキル基から誘導される基(ハロアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アミノアルキル基、アルカノイル基等)においても同様である。
本発明において、「アルケニル」は、例えば、直鎖状または分枝状のアルケニルを含む。前記アルケニルは、前記アルキルにおいて、1個または複数の二重結合を有するもの等が挙げられる。前記アルケニルの炭素数は、特に制限されず、例えば、前記アルキルと同様であり、好ましくは2〜12または2〜8である。前記アルケニルは、例えば、ビニル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1,3−ブタジエニル、3−メチル−2−ブテニル等が挙げられる。
本発明において、「アルキニル」は、例えば、直鎖状または分枝状のアルキニルを含む。前記アルキニルは、前記アルキルにおいて、1個または複数の三重結合を有するもの等が挙げられる。前記アルキニルの炭素数は、特に制限されず、例えば、前記アルキルと同様であり、好ましくは2〜12または2〜8である。前記アルキニルは、例えば、エチニル、プロピニル、ブチニル等が挙げられる。前記アルキニルは、例えば、さらに、1個または複数の二重結合を有してもよい。
本発明において、「芳香環」または「芳香族基」は、例えば、アリールおよびアリールアルキルを含む。また、「環状構造」は、例えば、前記芳香環、シクロアルキル、シクロアルケニルを含む。
本発明において、「アリール」は、例えば、単環芳香族炭化水素基および多環芳香族炭化水素基を含む。前記単環芳香族炭化水素基は、例えば、フェニル等が挙げられる。前記多環芳香族炭化水素基は、例えば、1−ナフチル、2−ナフチル、1−アントリル、2−アントリル、9−アントリル、1−フェナントリル、2−フェナントリル、3−フェナントリル、4−フェナントリル、9−フェナントリル等が挙げられる。好ましくは、例えば、フェニル、1−ナフチルおよび2−ナフチル等のナフチル等が挙げられる。
本発明において、「シクロアルキル」は、例えば、環状飽和炭化水素基であり、炭素数は、特に限定されないが、例えば、3〜24または3〜15である。前記シクロアルキルは、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル等が挙げられ、好ましくは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、橋かけ環式炭化水素基等が挙げられる。
本発明において、「シクロアルケニル」は、例えば、環状の不飽和脂肪族炭化水素基を含み、炭素数は、例えば、3〜24または3〜7である。前記環状の不飽和脂肪族炭化水素基は、例えば、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル等が挙げられ、好ましくは、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル等である。前記シクロアルケニルは、例えば、環中に不飽和結合を有する橋かけ環式炭化水素基およびスピロ炭化水素基も含む。
本発明において、「アリールアルキル」は、例えば、ベンジル、2−フェネチル、およびナフタレニルメチル等が挙げられ、「シクロアルキルアルキル」は、例えば、シクロヘキシルメチル、アダマンチルメチル等が挙げられ、「ヒドロキシアルキル」は、例えば、ヒドロキシメチルおよび2−ヒドロキシエチル等が挙げられる。
本発明において、「アルコキシ」は、例えば、前記アルキル−O−基を含み、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、およびn−ブトキシ等が挙げられ、「アルコキシアルキル」は、例えば、メトキシメチル等が挙げられ、「アミノアルキル」は、例えば、2−アミノエチル等が挙げられる。
また、本発明において、置換基等に異性体が存在する場合は、特に断らない限り、どの異性体でもよい。例えば、「ナフチル基」という場合は、1-ナフチル基でも2-ナフチル基でもよく、「プロピル基」という場合は、n-プロピル基でもイソプロピル基でもよい。
また、本発明の粘着シートは、前述のとおり、基材の少なくとも一方の面に粘着層が形成された粘着シートであって、前記粘着層が、本発明の粘着剤組成物から形成された粘着層であることを特徴とする。本発明の粘着シートは前記粘着剤層の基材と接していない面に剥離フィルを有していても良い。本発明の粘着シートは、製品に添付することにより、前記製品の保護シートとして用いられる粘着シートであることが好ましい。
本発明の粘着シートの製造方法は、前述のとおり、前記第1の製造方法と、前記第2の製造方法とがある。前記第1の製造方法は、前述のとおり、本発明の粘着剤組成物を剥離フィルム上に塗工し、加熱して粘着層を形成した後に基材と貼り合わせる。前記第2の製造方法は、前述のとおり、本発明の粘着剤組成物を基材上に直接塗工し、加熱して粘着層を形成する。前記基材は、例えば、フィルム等であってもよい。前記基材の材質も特に限定されないが、例えば、前述のとおりである。前記加熱工程においては、例えば、前記粘着剤組成物含有層の乾燥により、前記粘着層が形成される。前記粘着剤組成物塗工工程において、本発明の粘着剤組成物が架橋剤(C)を含まない場合は、本発明の粘着剤組成物を、架橋剤(C)とともに塗工等して前記粘着剤組成物含有層を形成することが好ましい。
以下、本発明の実施形態について、さらに具体的に説明する。ただし、本発明は、以下の実施形態に限定されない。
[1.粘着剤組成物]
前述のとおり、本発明の粘着剤組成物は、
下記成分(A)および(B)を含み、
下記成分(A)100質量部に対する下記成分(B)の含有率が1〜60質量部であることを特徴とする。

(A)下記単量体(a1)、下記単量体(a2)、および下記単量体(a3)を含む単量体混合物の共重合体であり、前記単量体混合物は、その全質量を100質量部として、下記単量体(a1)の含有量が1〜10質量部、下記単量体(a2)の含有量が1〜10質量部であり、かつ前記共重合体の重量平均分子量が30万〜200万である共重合体
(a1)3級アミノ基を有する単量体
(a2)水酸基を有する単量体
(a3)アクリル酸アルキルエステルおよびメタクリル酸アルキルエステルの少なくとも一方

(B)酸価が30mgKOH/g以上である粘着付与樹脂
本発明の粘着剤組成物によれば、例えば、被着体の接着に必要な接着力を発現しつつ、被着体に貼り付けた状態における高温での接着力の上昇を抑制または防止することができる。この効果が発現する理由は不明であるが、例えば、以下のように推測される。第一に、被着体への濡れ性の向上が考えられる。すなわち、まず、高温で接着力が上昇する原因の一つとして、加熱により粘着剤組成物と被着体との接触面積が増大することが考えられる。これに対し、本発明の粘着剤組成物では、成分(A)(以下「共重合体(A)」という場合がある。)の3級アミノ基と成分(B)(以下「粘着付与樹脂(B)」という場合がある。)の酸基との相互作用により、前記アミノ基がない場合と比較して、被着体への濡れ性が向上すると考えられる。濡れ性が向上すると、加熱前の状態で被着体との接着面積が十分に確保されるため、加熱による接着面積の変化が小さくなり、高温での接着力の上昇を抑制または防止できると推測される。第二に、高温環境下における共重合体(A)と粘着付与樹脂(B)との相溶性向上が考えられる。すなわち、まず、粘着付与樹脂は粘着剤組成物層の被着体との界面付近に存在することで接着力を向上させると考えられる。本発明の粘着剤組成物では、例えば、加熱前には粘着付与樹脂(B)が前記界面近傍に存在して接着力を増大させると考えられる。これに対し、加熱後の高温環境下を経ると、共重合体(A)の3級アミノ基と粘着付与樹脂(B)の酸基との相互作用で両者が相溶化し、加熱後の接着力が低下することで、見かけ上の接着力上昇が抑制されると推測される。
本発明の粘着剤組成物によれば、例えば、幅広い範囲の初期接着力を発現しつつ、高温下放置後の接着力の変化を抑制または防止することが可能である。より詳しくは、本発明の粘着剤組成物によれば、例えば、被着体の保持に必要な接着力を幅広い範囲で設計でき、加熱する工程を経ても接着力の上昇が小さく、被着体からの再剥離が容易で、剥離後に被着体を汚染することがない。
粘着剤組成物に必要とされる接着力は用途によって異なる。用途によっては、被着体どうしが剥がれない(脱落しない)ように、ある程度強い接着力(初期接着力)が求められる場合がある。一方、高温下放置後に粘着剤組成物またはそれを用いた粘着シート等を被着体から再剥離可能とするためには、高温での接着力上昇が抑制または防止されていることが好ましい。高温での接着力上昇が大きいと、再剥離可能とするためには、初期接着力を下げざるを得ない。これに対し、本発明の粘着剤組成物では、前述のとおり、高温での接着力上昇が抑制または防止されていることで、接着力を幅広い範囲で設計できる。
以下、本発明の粘着剤組成物の各成分、本発明の粘着剤組成物の製造方法等において、例を挙げて具体的に説明する。
[1−1.成分(A)]
成分(A)(共重合体(A))は、前述のとおり、その全質量を100質量部として、下記単量体(a1)を1〜10質量部、下記単量体(a2)を1〜10質量部、および下記単量体(a3)を含む単量体混合物の共重合体であり、かつ重量平均分子量が30万〜200万である。
(a1)3級アミノ基を有する単量体
(a2)水酸基を有する単量体
(a3)アクリル酸アルキルエステルおよびメタクリル酸アルキルエステルの少なくとも一方
成分(A)の重量平均分子量は、前述のとおり30万〜200万である。成分(A)の重量平均分子量が低すぎると、粘着剤の凝集力が低下し、剥離後に被着体を汚染しやすくなるという問題がある。成分(A)の重量平均分子量が高すぎると、成分(B)との相溶性が低下したり、粘着剤組成物の塗工性が低下したりするという問題がある。成分(A)の重量平均分子量は、例えば、50万〜160万、または80万〜120万であってもよい。なお、本発明において、重量平均分子量の測定方法は、特に限定されないが、例えば、後述の実施例に記載の方法により測定できる。
成分(A)のガラス転移温度は、特に限定されないが、例えば、−80℃以上、または−70℃以上であってもよく、例えば、0℃以下、または−10℃以下であってもよい。成分(A)のガラス転移温度が高いことで、例えば、耐熱性が高まる傾向がある。また、成分(A)のガラス転移温度が低いことで、例えば、接着力が低くなる傾向がある。なお、本発明において、ガラス転移温度の測定方法は、特に限定されず、例えば、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定することができるが、各モノマーのホモポリマーのガラス転移温度が既知であれば、下記のFox式より算出することができる。モノマーのホモポリマーのガラス転移温度は、例えば、Polymer Handbook Fourth edition(Wiley−Interscience 2003)に記載の値を用いることができる。
Figure 2020090643
Tg:共重合体のガラス転移温度(K)
Tg1:モノマー1のホモポリマーのガラス転移温度(K)
Tg2:モノマー2のホモポリマーのガラス転移温度(K)
Tgn:モノマーnのホモポリマーのガラス転移温度(K)
W1:モノマー混合物中のモノマー1の重量分率
W2:モノマー混合物中のモノマー2の重量分率
Wn:モノマー混合物中のモノマーnの重量分率
[1−1−1.単量体(a1)]
単量体(a1)は、3級アミノ基を有する単量体である。成分(A)における前記単量体混合物中、単量体(a1)の含有率は、前述のとおり、前記単量体混合物の全質量を100質量部として、1〜10質量部である。単量体(a1)の含有率が1質量部未満であると、高温での粘着剤組成物の接着力上昇が大きくなる。なお、以下において、高温で粘着剤組成物の接着力上昇が抑制または防止されていることを「接着力安定性」という。すなわち、高温で粘着剤組成物の接着力上昇が抑制または防止されている場合は、接着力安定性が高いことになる。逆に、高温での粘着剤組成物の接着力上昇が大きい場合は、接着力安定性が低いことになる。単量体(a1)の含有率が10質量部を超えると、成分(A)の重量平均分子量を大きくすることが困難であるため、粘着剤組成物の耐熱性が低下する。単量体(a1)の含有率は、例えば、前記単量体混合物中の2〜5質量部であってもよい。
単量体(a1)は、前記単量体混合物中の他の成分と共重合可能であれば特に限定されない。前記他の成分と共重合可能な単量体(a1)は、例えば、炭素−炭素不飽和結合(例えば、炭素−炭素二重結合)を有する単量体が挙げられ、より具体的には、例えば、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、(メタ)アクリルアミド、ビニルエーテル等が挙げられる。前記アクリル酸エステルとしては、例えば、アクリル酸アルキルエステルにおけるアルキル基の1以上の水素原子が、3級アミノ基で置換された誘導体でもよい。前記メタクリル酸エステルとしては、例えば、メタクリル酸アルキルエステルにおけるアルキル基の1以上の水素原子が、3級アミノ基で置換された誘導体でもよい。前記(メタ)アクリルアミドとしてはアミド基の窒素上にアルキル基を有し、そのアルキル基の1以上の水素原子が3級アミノ基で置換された誘導体であってもよい。前記、ビニルエーテルとしてはアルキルビニルエーテルのアルキル基の1以上の水素原子が3級アミノ基で置換された誘導体であってもよい。また、単量体(a1)における3級アミノ基も特に限定されないが、例えば、ジアルキルアミノ基であってもよい。単量体(a1)の具体例としては、特に限定されないが、例えば、メタクリル酸エステルとしてはメタクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、メタクリル酸N,N−ジエチルアミノエチル、アクリル酸エステルとしてはアクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、アクリル酸N,N−ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリルアミドとしてはN,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、ビニルエーテルとしてはN,N−ジメチルアミノエチルビニルエーテル、N,N−ジエチルアミノエチルビニルエーテル等が挙げられる。また、単量体(a1)は、一種類のみ用いても複数種類併用してもよい。
また、単量体(a1)の3級アミノ基量の測定方法は、特に限定されないが、例えば、下記の方法により測定できる。また、成分(A)(共重合体(A))自体の3級アミノ基量の測定方法も、特に限定されないが、例えば、下記の方法により測定できる。

(3級アミノ基量の測定方法)
無水酢酸にて、成分(A)の1級アミノ基および2級アミノ基をアセチル化し、アセチル化されない3級アミンを過塩素酸の酢酸溶液で電位差滴定を行う。成分(A)の全量の中和に要した過塩素酸のモル数を3級アミノ基量(mol)とする。
[1−1−2.単量体(a2)]
単量体(a2)は、水酸基を有する単量体である。成分(A)における前記単量体混合物中、単量体(a2)の含有率は、前述のとおり、前記単量体混合物の全質量を100質量部として、1〜10質量部である。単量体(a2)の含有率が1質量部未満であると、成分(A)の架橋密度が小さくなるため、粘着剤組成物の耐熱性が不足し、被着体汚染が起こりやすい。単量体(a2)の含有率が10質量部を超えると、高温での粘着剤組成物の接着力上昇が大きくなる傾向がある。単量体(a2)の含有率は、例えば、前記単量体混合物中の2〜5質量部であってもよい。
単量体(a2)における水酸基は、特に限定されず、例えば、アルコール性水酸基でもフェノール性水酸基でもよいが、アルコール性水酸基が好ましい。単量体(a2)は、前記単量体混合物中の他の成分と共重合可能であれば特に限定されない。前記他の成分と共重合可能な単量体(a2)は、例えば、炭素−炭素不飽和結合(例えば、炭素−炭素二重結合)を有する単量体が挙げられ、より具体的には、例えば、アクリル酸誘導体、メタクリル酸誘導体等が挙げられる。前記アクリル酸誘導体としては、例えば、アクリル酸アルキルエステルにおけるアルキル基の1以上の水素原子が、水酸基で置換された誘導体でもよい。前記メタクリル酸誘導体としては、例えば、メタクリル酸アルキルエステルにおけるアルキル基の1以上の水素原子が、水酸基で置換された誘導体でもよい。
単量体(a2)の具体例としては、特に限定されないが、例えば、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸4−ヒドロキシブチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸3−ヒドロキシブチル、アクリル酸8−ヒドロキシオクチル、アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸4−ヒドロキシブチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸3−ヒドロキシブチル、メタクリル酸8−ヒドロキシオクチル、メタクリル酸6−ヒドロキシヘキシル等が挙げられる。また、単量体(a2)は、一種類のみ用いても複数種類併用してもよい。
[1−1−3.単量体(a3)]
単量体(a3)は、アクリル酸アルキルエステルおよびメタクリル酸アルキルエステルの少なくとも一方である。単量体(a3)において、アルキル基の炭素数(アルキル炭素数)は、特に限定されないが、適切な接着力を発現する観点から、4〜12が好ましい。成分(A)における前記単量体混合物中、単量体(a3)の含有率は、特に限定されないが、例えば、前記単量体混合物の全質量を100質量部として、60〜98質量部、または80〜98質量部であってもよい。単量体(a3)の具体例としては、特に限定されないが、例えば、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸ペンチル、アクリル酸イソペンチル、アクリル酸ネオペンチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸ヘプチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、アクリル酸イソデシル、アクリル酸ウンデシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸ペンチル、メタクリル酸イソペンチル、メタクリル酸ネオペンチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸ヘプチル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸イソオクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ノニル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸イソデシル、メタクリル酸ウンデシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ステアリル等が挙げられる。また、単量体(a3)は、一種類のみ用いても複数種類併用してもよい。
[1−1−4.任意成分]
さらに、成分(A)における前記単量体混合物は、単量体(a1)〜(a3)以外の単量体を任意成分として含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。前記任意成分は、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステルや(メタ)アクリル酸イソボルニルなどの非芳香族性環含有(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸アリールエステル[(メタ)アクリル酸フェニルなど]、(メタ)アクリル酸アリールオキシアルキルエステル[(メタ)アクリル酸フェノキシエチルなど]や(メタ)アクリル酸アリールアルキルエステル[(メタ)アクリル酸ベンジルエステル]等の芳香族性環含有(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸メチルグリシジルなどのエポキシ基含有アクリル系モノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル系モノマー;スチレン、α−メチルスチレンなどのスチレン系モノマー;エチレン、プロピレン、イソプレン、ブタジエンなどのオレフィン系モノマー;ビニルエーテルなどのビニルエーテル系モノマー;ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ビニル(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、エポキシアクリレート、などの多官能モノマーが挙げられる。成分(A)における前記単量体混合物が前記溶剤以外の任意成分を含む場合、その含有率は、特に限定されないが、例えば、、前記単量体混合物の全質量を100質量部として、0〜20質量部、または0〜10質量部であってもよい。
[1−1−5.成分(A)の製造方法]
成分(A)の製造方法は、特に限定されず、例えば、成分(A)の共重合成分全てを重合させて製造できる。前記重合方法も特に限定されず、例えば、公知の重合方法と同様またはそれに準じてもよい。前記重合方法としては、例えば、溶液重合法、塊状重合法、懸濁重合法等があげられる。重合に際して用いられる重合開始剤等は、特に限定されず、公知のものの中から適宜選択して使用することができる。より具体的には、前記重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)等のアゾ系重合開始剤;ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジクミルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン等の過酸化物系重合開始剤などがあげられる。なお、溶液重合の場合は、油溶性の重合開始剤を用いることが好ましい。重合開始剤は、1種類のみ用いても2種類以上併用してもよい。重合開始剤の使用量は、特に限定されず、例えば、一般的な使用量またはそれに準じてもよい。
成分(A)の製造を溶液重合法で行う場合、用いる溶剤には各種の一般的な溶剤を用いることができる。このような溶剤としては、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル類;トルエン、ベンゼン等の芳香族炭化水素類;n−ヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素類;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類などの有機溶剤があげられ、1種類のみ用いても2種類以上併用してもよい。前記溶液重合法において、共重合成分の濃度、反応時間、反応温度等も特に限定されず、例えば、一般的な溶液重合法を参考にして適宜設定できる。また、前記共重合成分の濃度、反応時間、反応温度等を適宜調整することで、成分(A)の重量平均分子量を調節できる。例えば、前記共重合成分の濃度を低く、または反応時間を短く、または反応温度を高くすると、成分(A)の重量平均分子量が小さくなりやすい。また、例えば、前記共重合成分の濃度を高く、または反応時間を長く、または反応温度を低くすると、成分(A)の重量平均分子量が大きくなりやすい。
また、成分(A)は、例えば、成分(A)の溶液の状態で得ることができる。具体的には、例えば、成分(A)を前記溶液重合法等で製造した場合、成分(A)を、前記溶剤の溶液の状態で得ることができる。このような場合、例えば、前記溶剤を除去せずに、溶液の状態のままで本発明の粘着剤組成物の製造に用いてもよい。
[1−2.成分(B)]
成分(B)(粘着付与樹脂(B))は、前述のとおり、酸価が30mgKOH/g以上である粘着付与樹脂である。
粘着付与樹脂(B)の酸価は、前述のとおり30mgKOH/g以上である。酸価が小さいと、高温での粘着剤組成物の接着力安定性が不足する。粘着付与樹脂(B)の酸価は、例えば、40mgKOH/g以上または50mgKOH/g以上でもよい。前記酸化の上限値は、特に限定されないが、例えば、200mgKOH/g以下または140mgKOH/g以下でもよい。
本発明において、粘着付与樹脂(B)の酸価は、酸塩基滴定により測定できる。具体的には、粘着付与樹脂(B)1gを中和するために要した水酸化カリウムのmg数を粘着付与樹脂(B)の酸価[mgKOH/g]とする。また、粘着付与樹脂(B)の酸基量についても、同様の方法により測定できる。具体的には、例えば、粘着付与樹脂(B)の全量を中和するために要した水酸化カリウムのモル数を、粘着付与樹脂(B)の酸基量(mol)とする。
粘着付与樹脂(B)のガラス転移温度は、特に限定されないが、例えば、−70℃以上、または−60℃以上であってもよく、例えば、120℃以下、または100℃以下であってもよい。
粘着付与樹脂(B)は、特に限定されないが、例えば、アクリル樹脂、ロジン樹脂等が挙げられる。粘着付与樹脂(B)は、前述のとおり、重量平均分子量1000〜50000のアクリル樹脂であり、かつ、カルボキシ基を有することが好ましい。粘着付与樹脂(B)の重量平均分子量が小さすぎなければ、高温での粘着剤組成物の接着力安定性が高くなりやすい。粘着付与樹脂(B)の重量平均分子量が大きすぎなければ、粘着付与樹脂(B)と粘着剤組成物の他の成分との相溶性が良いため、被着体の汚染が生じにくい。粘着付与樹脂(B)の重量平均分子量は、特に限定されないが、例えば、1000〜50000、1500〜40000、または2000〜30000であってもよい。
なお、本発明において、「アクリル樹脂」は、アクリル酸、メタクリル酸およびこれらの誘導体のうち少なくとも一種類を含む単量体成分の重合体または共重合体をいう。前記誘導体としては、例えば、アクリルアミド、アクリロニトリル等が挙げられる。
粘着付与樹脂(B)が、カルボキシ基を有するアクリル樹脂である場合、前記アクリル樹脂は、例えば、カルボキシ基を有する単量体と、アクリル酸アルキルエステルおよびメタクリル酸アルキルエステルの少なくとも一方とを含む単量体混合物の共重合体であってもよい。
前記カルボキシ基を有する単量体は、前記単量体混合物中の他の成分と共重合可能であれば特に限定されず、具体的には、例えば、炭素−炭素不飽和結合(例えば、炭素−炭素二重結合)を有する単量体が挙げられる。前記単量体混合物中における前記カルボキシ基を有する単量体の含有率は、特に限定されず、例えば、粘着付与樹脂(B)の酸価が適切になるように、または、成分(A)中の3級アミノ基量との関係、成分(A)との相溶性等を考慮して適切に設定すればよい。前記単量体混合物中における前記カルボキシ基を有する単量体の含有率は、例えば、5〜20質量%である。前記カルボキシ基を有する単量体は、1分子中にカルボキシ基を1つのみ有していてもよいし、複数有していてもよい。また、前記カルボキシ基を有する単量体には、例えば、加水分解等によりカルボキシ基を生じる単量体(例えば、酸無水物等)も含まれる。アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、シトラコン酸、無水イタコン酸、無水マレイン酸等が挙げられる。また、前記カルボキシ基を有する単量体は、一種類のみ用いても複数種類併用してもよい。
また、前記単量体混合物がアクリル酸アルキルエステルおよびメタクリル酸アルキルエステルの少なくとも一方を含むことで、例えば、成分(A)と粘着付与樹脂(B)との相溶性が高くなる。前記アクリル酸アルキルエステルおよびメタクリル酸アルキルエステルの少なくとも一方において、アルキル炭素数は、特に限定されないが、例えば4〜12である。前記単量体混合物中における、前記アクリル酸アルキルエステルおよびメタクリル酸アルキルエステルの少なくとも一方の含有率は、特に限定されないが、例えば、60〜95質量%である。前記アクリル酸アルキルエステルおよびメタクリル酸アルキルエステルの少なくとも一方の具体例も特に限定されないが、例えば、成分(A)で説明したアクリル酸アルキルエステルおよびメタクリル酸アルキルエステルの少なくとも一方と同様でもよいし、一種類のみ用いても複数種類併用してもよい。
また、粘着付与樹脂(B)の製造方法も特に限定されないが、例えば、成分(A)で説明した重合法と同様の重合法であってもよい。
本発明の粘着剤組成物中における粘着付与樹脂(B)の含有率は、前述のとおり、成分(A)100質量部に対して1〜60質量部である。粘着付与樹脂(B)の含有率が小さすぎると、高温での接着力安定性が低下する。また粘着付与樹脂(B)の含有率が大きすぎると、高温での被着体汚染が生じやすくなる。
また、本発明の粘着剤組成物において、粘着付与樹脂(B)の酸基量に対する成分(A)の3級アミノ基量の比は、特に限定されないが、例えば、モル比で0.5以上または1.0以上であってもよく、上限は、例えば8.0以下である。粘着付与樹脂(B)の酸基量に対する成分(A)の3級アミノ基量の比が0.5以上であると、高温での接着力安定性が向上し、被着体の汚染が生じにくくなる。粘着付与樹脂(B)の酸基量に対する成分(A)の3級アミノ基量の比は、成分(A)および粘着付与樹脂(B)の官能基量、成分(A)と粘着付与樹脂(B)との相溶性等を考慮して適宜設定すればよい。
本発明の粘着剤組成物において、前述のとおり、粘着付与樹脂(B)の酸基量に対する成分(A)の3級アミノ基量のモル比、すなわち「共重合体(A)の3級アミノ基量(mol)/粘着付与樹脂(B)の酸基量(mol)」の測定方法は、特に限定されない。例えば、本発明の粘着剤組成物自体に対し、前述の測定方法により共重合体(A)の3級アミノ基量(mol)および粘着付与樹脂(B)の酸基量(mol)を測定し、算出してもよい。このとき、必要に応じ、共重合体(A)および粘着付与樹脂(B)を分離してから測定してもよい。また、「共重合体(A)の3級アミノ基量(mol)/粘着付与樹脂(B)の酸基量(mol)」は、例えば、下記数式(1)にしたがって算出することもできる。下記数式(1)において、単量体量および単量体の分子量が不明な場合は、例えば、本発明の粘着剤組成物から共重合体(A)を分離し、構造解析して算出することができる。
Figure 2020090643
[1−3.架橋剤(C)]
本発明の粘着剤組成物は、前述のとおり、さらに、架橋剤(C)を含み、前記架橋剤(C)がポリイソシアネートであってもよい。なお、本発明において、「ポリイソシアネート」は、前述のとおり、1分子中に、イソシアネート基(イソシアナト基ともいう)すなわち(−N=C=O)を複数(2または3以上)有する有機化合物(多官能イソシアネート)をいう。
本発明の粘着剤組成物が、架橋剤(C)として前記ポリイソシアネートを含む場合、その含有量は、特に限定されないが、例えば、共重合体(A)の水酸基モル量に対して、前記ポリイソシアネートのイソシアネート基が0.5〜5倍または1〜3倍のモル量であってもよい。
架橋剤(C)において、前記ポリイソシアネートとしては、特に限定されないが、粘着剤組成物の粘着物性が制御しやすく、共重合体(A)の水酸基との反応性がよいポリイソシアネートが好ましい。前記ポリイソシアネート(有機ポリイソシアネート化合物)としては、特に限定されないが、例えば、公知の芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート等が挙げられる。また、前記ポリイソシアネートは、一種類のみ用いても複数種類併用してもよい。
前記芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−トルイジンジイソシアネート、2,4,6−トリイソシアネートトルエン、1,3,5−トリイソシアネートベンゼン、ジアニシジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネート等が挙げられる。
前記脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
前記芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、ω,ω’−ジイソシアネート−1,3−ジメチルベンゼン、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジメチルベンゼン、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジエチルベンゼン、1,4−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1,3−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。
前記脂環族ポリイソシアネートとしては、例えば、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等が挙げられる。
また、一部の上記ポリイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、水と反応したビュウレット体、イソシアヌレート環を有する三量体等も併用することができる。
前記ポリイソシアネートとしては、脂肪族イソシアネートが好ましく、特に、ヘキサメチレンジイソシアネートが好ましい。
前記ポリイソシアネートは、例えば、トリメチロールプロパンアダクト体、水と反応したビュウレット体、イソシアヌレート環を有する三量体等でもよい。
[1−4:他の成分]
本発明の粘着剤組成物は、前述のとおり、成分(A)および(B)を含む。成分(C)(架橋剤(C))は、前述のとおり、含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。また、本発明の粘着剤組成物は、成分(A)〜(C)以外の他の成分を含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。例えば、本発明の粘着剤組成物は、前記他の成分として、さらに、溶媒、可塑剤、酸化防止剤、架橋促進剤、架橋防止剤、充填剤、着色剤、消泡剤、光安定剤、レベリング剤等を含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。それらの種類等は、特に限定されないが、例えば、一般的な粘着剤組成物と同様またはそれに準じてもよい。
前記溶剤の具体例としては、特に限定されないが、例えば、成分(A)の溶液重合法で例示した溶剤と同様でもよく、一種類のみ用いても複数種類併用してもよい。また、例えば、前記溶液重合法で用いた溶剤をそのまま用いてもよい。また、本発明の粘着剤組成物において、前記溶剤の含有率(前記溶剤以外の成分の濃度)は、特に限定されず、適宜設定すればよい。
前記酸化防止剤は特に限定されないが、例えば、フェノール系酸化防止剤であっても良い。酸化防止剤の具体例としては、特に限定されないが、例えば、6,6’−ジ−tert−ブチル−4,4’−ブチリデンジ−m−クレゾール、オクタデシル3−(3,5−ジ−t−ブチル−4ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2’−ジメチル−2,2’−(2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン−3,9−ジイル)ジプロパン−1,1’−ジイル=ビス[3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロパノアート]、1,3,5−トリス(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシベンジル)イソシアヌル酸、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼンが挙げられる。また、前記酸化防止剤は、1種類のみ用いても複数種類併用しても良い。
前記可塑剤としては、特に限定されないが、例えば、フタル酸エステル類、脂肪族二塩基酸エステル類、トリメリット酸エステル類、ピロメリット酸エステル類が挙げられる。また、前記可塑剤は、1種類のみ用いても複数種併用しても良い。
[2.粘着剤組成物の製造方法]
本発明の粘着剤組成物の製造方法は、特に限定されないが、例えば、本発明の粘着剤組成物における各成分を単に混合するのみでもよい。また、成分(A)は、例えば、前述のとおり、溶液重合法等において、成分(A)の溶液の状態で得ることができる。このような場合、例えば、前述のとおり、前記溶剤を除去せずに、溶液の状態のままで本発明の粘着剤組成物の製造に用いてもよい。また、さらに溶剤を追加して希釈してもよいし、しなくてもよい。
[3.粘着シートおよびその製造方法、用途等]
つぎに、本発明の粘着シートおよびその製造方法、用途等について、例を挙げて説明する。
本発明の粘着シートは、前述のとおり、基材の少なくとも一方の面に粘着層を有し、前記粘着層が、本発明の粘着剤組成物を含むことを特徴とする。その製造方法は、特に限定されないが、例えば、本発明の製造方法(本発明の粘着シートの製造方法)により製造することができる。
本発明の粘着シートの製造方法は、前述のとおり、前記第1の製造方法と、前記第2の製造方法とがある。前記第1の製造方法は、前述のとおり、本発明の粘着剤組成物を剥離フィルム上に塗工し、加熱して粘着層を形成した後に基材と貼り合わせる。前記第2の製造方法は、前述のとおり、本発明の粘着剤組成物を基材上に直接塗工し、加熱して粘着層を形成する。ただし、本発明の粘着シートを製造する方法は、前述のとおり、本発明におけるこれら2つの製造方法のみには限定されず任意であり、どのような方法で製造してもよい。
前記基材は、特に限定されず、例えば、プラスチック、紙、金属箔などが挙げられるが、プラスチックが好ましい。前記プラスチックとしては、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PI(ポリイミド)、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PC(ポリカーボネート)等が挙げられる。
前記基材の形状も特に限定されず、例えば、シート、フィルム、発泡体等が挙げられる。前記基材は、製造後の粘着シートの取扱いやすさ、保存のしやすさ等の観点から、例えば、巻き取り可能な長尺のテープ状であることが好ましい。
また、前記基材は、例えば、必要に応じて、前記基材の粘着層形成面に、易接着処理を施した基材であってもよい。前記易接着処理は、特に限定されないが、具体的には、例えば、コロナ放電を処理する方法、アンカーコート剤を塗布する方法等が挙げられる。
また、前記剥離フィルムも特に限定されず、例えば、一般的に用いられている剥離フィルムと同様またはそれに準じてもよい。前記剥離フィルムは、例えば、すぐに粘着層から剥離してもよい。また、前記剥離フィルムは、例えば、粘着シートの使用直前まで粘着層に貼り合わせたままでもよく、使用直前に前記粘着層から剥離してもよい。
本発明の粘着剤組成物が、架橋剤(C)を含まない場合は、例えば、架橋剤(C)を混合した後に基材または剥離フィルム等に塗工することが好ましい。架橋剤(C)がポリイソシアネートを含む場合、前記ポリイソシアネートとしては、特に限定されないが、例えば前述のとおりであり、一種類のみ用いても複数種類併用してもよい。また、架橋剤(C)の使用量については、例えば、前述のとおりである。さらに、本発明の粘着剤組成物と架橋剤(C)とを混合しやすくする目的、または前記基材もしくは前記剥離フィルムに塗工しやすくする目的等で、塗工に先立ち、さらに溶媒を混合してもよい。前記溶媒の種類等は、特に限定されないが、例えば、前記「2.粘着剤組成物の製造方法」で例示した溶媒と同様であり、一種類のみ用いても複数種類併用してもよい。
塗工方法は、特に限定されず、公知の方法でもよい。前記塗工方法としては、例えば、ロールコーター法、コンマコーター法、ダイコーター法、リバースコーター法、シルクスクリーン法、グラビアコーター法等が挙げられる。
また、基材または剥離フィルム等に対する前記粘着剤組成物の塗工量(塗布量)は、特に限定されないが、製造される粘着シートにおける粘着層の厚みが、例えば、1〜50μm、2〜30または5〜20μmとなるようにする。
さらに、基材または剥離フィルム等への塗工後、塗工した粘着剤組成物を加熱する。この加熱工程により、例えば、前記粘着剤組成物が乾燥し(溶媒が揮発し)、粘着層が形成される。なお、以下において、前記加熱工程を、後述する第2の加熱工程と区別するために「第1の加熱工程」ということがある。前記加熱工程(第1の加熱工程)における加熱温度は、特に限定されないが、例えば、60℃以上、60℃を超える温度、90℃以上、または90℃を超える温度である。前記加熱温度の上限値は、特に限定されないが、例えば、120℃以下である。
また、前記加熱工程(第1の加熱工程)における加熱時間は、特に限定されないが、例えば、塗工した前記粘着剤組成物の乾燥(溶媒の除去)が十分であり、かつ、前記基材が熱により損傷しない程度の時間が好ましい。具体的な前記加熱時間は、前記溶媒および前記基材の種類等にもよるが、例えば30〜240秒、または60〜180秒である。
さらに、本発明による粘着シートの製造方法において、前記加熱工程(第1の加熱工程)後に、前記加熱工程よりも低い温度で加熱する第2の加熱工程を含むことが好ましい。前記第2の加熱工程は、行っても行わなくてもよいが、これを行うことにより、安定的な粘着物性を得ることができる。前記第2の加熱工程において起こる現象は不明であるが、例えば、粘着層の硬化(架橋)がさらに進行していると推測される。ただし、この推測は、本発明を何ら限定しない。前記第2の加熱工程における加熱温度は、特に限定されないが、例えば30〜50℃、または35〜45℃である。また、前記第2の加熱工程における加熱時間は、特に限定されないが、例えば24〜120hr、または48〜96hrである。
本発明の粘着シートの用途は、特に限定されないが、例えば、前述のとおり、製品に添付することにより、前記製品の保護シートとして用いられる粘着シートであることが好ましい。より具体的には、例えば、電子計算機(コンピュータ)、画像表示装置等に用いる電子基板、半導体、電子部材、ディスプレイ部材等の電子機器の保護シートとして、前記電子計算機、画像表示装置等の製造工程で、熱、衝撃、汚れ等の防止用の保護シートとして用いることができる。また、前記電子基板、半導体、電子部材、ディスプレイ部材等の電子機器の製造工程でも、同様に、熱、衝撃、汚れ等の防止用の保護シートとして用いることができる。
前記電子計算機、画像表示装置、電子機器等の製造工程で保護シート(表面保護用粘着シート)を用いた場合、加熱による(高温条件下での)粘着剤組成物の接着力上昇により、粘着剤組成物が被着体の接着面に残って再剥離できず、被着体を汚染してしまうおそれがある。また、例えば、被着体の強度が弱い場合、粘着剤組成物の接着力上昇により被着体自体を破損してしまうおそれがある。具体的には、例えば、被着体が薄型の基板である場合、粘着剤組成物の接着力上昇により、保護シート剥離時に基板が曲がってしまうおそれがある。このような場合、例えば、加熱前に粘着シートを剥離し、加熱後に再度粘着シートを貼付する方法がある。しかし、この方法は、工程が煩雑となり効率が低下する。これに対し、本発明の粘着シートによれば、例えば、高温での接着力上昇が抑制または防止されていることで、粘着シートを添付したまま加熱処理可能であり、加熱後にも容易に再剥離ができる。
本発明の粘着シートを保護シートとして用いる場合、その使用方法は、特に限定されないが、例えば、前述のとおり、被着体に粘着シートを添付したまま加熱処理することも可能である。それ以外の点においても、本発明の粘着シートを保護シートとして用いる方法は特に限定されず、例えば、一般的な粘着シートまたは保護シートの使用方法と同様またはそれに準じてもよい。
本発明の粘着シートを保護シートとして用いてフレキシブル配線基板(FPC)を製造する場合は、例えば、以下のようにしてもよい。まず、銅張り積層板(CCL)のポリイミド面に、補強用裏打ち材として、本発明の粘着シートを張り合わせることにより、CCLを補強する。このとき、例えば、自動搬送用のガイド穴加工を施してもよい。つぎに、粘着シートを貼着していない銅箔面に加工を施す。すなわち、まず、銅箔面に感光材(レジスト)を塗布しパターン露光して現像を行う。この後、現像によって、露光されず硬化しなかった可溶レジストを除去し、露出した銅箔面の銅箔をエッチングする。エッチングが終了したら、露光して硬化した非可溶部のレジストを除去する。これにより、所望のパターンに露光された銅箔部のみが残り、それ以外の銅箔部分が除去されることで回路を形成することができる。回路を形成後、露出した銅箔面にカバーレイを積層させ絶縁層を形成し、メッキ等の表面処理を行う。これら一連の製造工程を経た後、本発明の粘着シートを剥がし、回路が形成されたCCLを得ることができる。こうして得られた回路形成されたCCLに、補強材やソルダーレジスト、電磁波シールド等その他補材の積層、打抜き加工等を行うことでフレキシブル配線基板を製造することができる。なお、この回路形成後の打抜き加工時の補強材としても本発明の粘着シートを用いることができる。これらの製造工程は、例えば、シート状による加工、またはロール状による加工のいずれであってもよい。
また、本発明の粘着シートは、例えば、はんだのリフロー工程における保護シート、酸化インジウムスズ(ITO)電極形成工程における保護シート等としても使用可能である。例えば、ITO電極形成工程においては、積層板上にITO電極層を形成したのち、本発明の粘着シートを保護シートとして貼付し、貼付したまま加熱(アニール処理)してもよい。なお、ITO電極は、透明電極として、例えば、タッチパネルのスマートフォン等の携帯情報端末に使用されるタッチパネルの構成部材に用いることができる。
さらに、本発明の粘着シートの用途は、これらに限定されず、例えば、一般的な粘着シート、粘着フィルム、粘着テープ等と同様の用途に広く使用可能である。本発明の粘着シートは、例えば、湿熱下に暴露されても剥離後に被着体を汚染することがなく、濡れ性に優れ、かつ、粘着剤組成物と基材との密着性に優れるため、前述のとおり広い用途に使用できる。また、本発明の粘着剤組成物の用途も、特に本発明の粘着シートのみに限定されず、例えば、一般的な粘着剤組成物と同様の用途に広く使用可能である。
以下、本発明の実施例について説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、以下の実施例および比較例において、物質の部数は、特に断らない限り、重量部(質量部)を表す。
まず、以下の製造例A1〜A6のとおり、アクリル樹脂を製造した。製造例A1〜A5で製造したアクリル樹脂A1〜A5は、本発明の粘着剤組成物における成分(A)(共重合体(A))に該当する。製造例A6で製造したアクリル樹脂A6は、3級アミノ基を有さず、本発明の粘着剤組成物における成分(A)(共重合体(A))に該当しない。
[製造例A1]
攪拌機、温度計、滴下漏斗および還流冷却器を備えた反応器に、モノマー成分として、メタクリル酸ジメチルアミノエチル(単量体(a1))3.9重量部、アクリル酸4−ヒドロキシブチル(単量体(a2))2.5重量部、およびアクリル酸n−ブチル(単量体(a3))93.6重量部を投入した。つぎに、この反応器に重合溶媒(溶剤)として酢酸エチル78重量部を投入し、窒素雰囲気下で撹拌しながら70〜75℃まで昇温した。その後、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.02重量部を酢酸エチル3重量部に溶解させて添加し、70〜75℃で5時間溶液重合を行った。さらにその後、還流状態になるまで昇温し、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.1重量部を酢酸エチル3重量部に溶解させて添加し、還流下で2時間反応させた。反応後、固形分濃度が27重量%となるまで酢酸エチルで希釈し、粘度2800mP・sのアクリル樹脂A1の溶液を得た。
[製造例A2]
モノマー成分をメタクリル酸ジメチルアミノエチル(単量体(a1))1.95重量部、アクリル酸4−ヒドロキシブチル(単量体(a2))2.5重量部、およびアクリル酸n−ブチル(単量体(a3))95.55重量部に変更した以外は製造例A1と同様の操作により、重合反応(溶液重合)を行った。反応後、固形分濃度が26重量%となるまで酢酸エチルで希釈し、粘度5800mP・sのアクリル樹脂A2の溶液を得た。
[製造例A3]
攪拌機、温度計、滴下漏斗および還流冷却器を備えた反応器に、モノマー成分としてメタクリル酸ジメチルアミノエチル(単量体(a1))1.95重量部、アクリル酸4−ヒドロキシブチル(単量体(a2))2.5重量部、アクリル酸2−エチルヘキシル(単量体(a3))95.55重量部、および重合溶媒として酢酸エチル51重量部を加え、窒素雰囲気下で撹拌しながら70〜75℃まで昇温した。その後、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.02重量部を酢酸エチル3重量部に溶解させて添加し、70〜75℃で5時間溶液重合を行った。さらにその後、酢酸エチルを30部添加し、還流状態になるまで昇温後、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.1重量部を酢酸エチル3重量部に溶解させて添加し、還流下で2時間反応させた。反応後、固形分濃度が39重量%となるまで酢酸エチルで希釈し、粘度2400mP・sのアクリル樹脂A3の溶液を得た。
[製造例A4]
モノマー成分をメタクリル酸ジメチルアミノエチル(単量体(a1))3.9重量部、アクリル酸4−ヒドロキシブチル(単量体(a2))2.5重量部、およびアクリル酸2−エチルヘキシル(単量体(a3))93.6重量部に変更し、重合溶媒としての酢酸エチルを43重量部に変更した以外は製造例A3と同様の操作により、重合反応(溶液重合)を行った。反応後、固形分濃度が42重量%となるまで酢酸エチルで希釈し、粘度3600mP・sのアクリル樹脂A4の溶液を得た。
[製造例A5]
モノマー成分をメタクリル酸ジメチルアミノエチル(単量体(a1))3.9重量部、アクリル酸4−ヒドロキシブチル(単量体(a2))2.5重量部、アクリル2−エチルヘキシル(単量体(a3))46.8重量部、およびアクリル酸ラウリル(単量体(a3))46.8重量部に変更した以外は製造例A4と同様の操作により、重合反応(溶液重合)を行った。反応後、固形分濃度が45重量%となるまで酢酸エチルで希釈し、粘度4000mP・sのアクリル樹脂A5の溶液を得た。
[製造例A6]
モノマー成分をアクリルn−ブチル97重量部、およびアクリル酸4−ヒドロキシブチル2.5重量部に変更した以外は製造例A1と同様の操作により、重合反応(溶液重合)を行った。反応後、固形分濃度が28重量%となるまで酢酸エチルで希釈し、粘度4500mP・sのアクリル樹脂A6の溶液を得た。
製造例A1〜A6で製造したアクリル樹脂の重量平均分子量、ガラス転移温度、および原料モノマー組成を、下記表1にまとめて示す。なお、重量平均分子量は下記の測定方法により測定した値であり、ガラス転移温度は前記Fox式による計算値である。
(重量平均分子量の測定方法)
下記の条件のゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC法)で測定した。
装置:Waters製Alliance e2695
カラム構成:Waters製HSPgel RT MB−H(適用分子量 5,000−10,000,000)×2本、RT2.0(適用分子量 500−10,000)×1本
カラム温度:40℃
移動相:テトラヒドロフラン
試料濃度:0.3wt%
標準物質:標準ポリスチレン

なお、測定する試料に応じて、カラムへの試料の吸着を防ぐために、必要に応じて移動相に適量のトリエチルアミンを加えた。
さらに、以下の製造例B1〜B5により、アクリル樹脂B1〜B5を製造した。これらアクリル樹脂B1〜B5は、本発明の粘着剤組成物における成分(B)(粘着付与樹脂(B))に該当する。
[製造例B1]
攪拌機、温度計、滴下漏斗および還流冷却器を備えた反応器に重合溶媒として酢酸エチル54重量部を投入し、還流状態になるまで昇温した。そこに、モノマー成分であるアクリル酸n−ブチル91重量部、アクリル酸9重量部、連鎖移動剤であるn−ドデシルメルカプタン15重量部および重合開始剤である2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.15重量部からなる混合溶液を2時間かけて滴下した。滴下終了から4時間還流下で反応させ、固形分濃度が54重量%である低分子量アクリル樹脂B1の溶液を得た。
[製造例B2]
n−ドデシルメルカプタンの量を5重量部に変更したこと以外は製造例B1と同様の操作を行い、固形分濃度が54重量%である低分子量アクリル樹脂B2の溶液を得た。
[製造例B3]
攪拌機、温度計、滴下漏斗および還流冷却器を備えた反応器に重合溶媒として酢酸エチル400重量部を投入し、還流状態になるまで昇温した。そこに、モノマー成分であるアクリル酸n−ブチル91重量部、アクリル酸9重量部、および重合開始剤である2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.6重量部からなる混合溶液を2時間かけて滴下した。滴下終了から4時間還流下で反応させたのち、酢酸エチルを揮発させて除去し、固形分濃度が58重量%である低分子量アクリル樹脂B3の溶液を得た。
[製造例B4]
モノマー成分をアクリル酸n−ブチル82重量部およびアクリル酸12重量部に変更し、連鎖移動剤をn−ドデシルメルカプタンを20重量部に変更したこと以外は製造例B1と同様の操作を行い、固形分濃度が54重量%である低分子量アクリル樹脂B4の溶液を得た。
[製造例B5]
モノマー成分をアクリル酸2−エチルヘキシル91重量部およびアクリル酸9重量部に変更したこと以外は製造例B1と同様の操作を行い、固形分濃度が54重量%の低分子量アクリル樹脂B5の溶液を得た。
製造例B1〜B5で製造したアクリル樹脂(粘着付与樹脂)の重量平均分子量、ガラス転移温度、酸価および原料モノマー組成を、下記表1にまとめて示す。なお、重量平均分子量およびガラス転移温度の測定方法は、製造例A1〜A6と同様である。また、酸価の測定方法は、前述のとおりである。
さらに、以下のようにして粘着剤組成物(粘着剤組成物)および粘着テープ(粘着シート)を製造した。
[実施例1]
アクリル樹脂A1(共重合体(A))溶液370重量部(アクリル樹脂A1として100重量部に相当)に対し、粘着付与樹脂(B)として低分子量アクリル樹脂B1を20重量部、イソシアネート系架橋剤(旭化成ケミカルズ株式会社製、商品名「デュラネートTKA−100」)3.3重量部、酸化防止剤(株式会社ADEKA製、商品名「アデカスタブAO−60」)0.65重量部を配合し、粘着剤組成物(粘着剤組成物)を調製した。次に、基材として、表面に離型処理されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(パナック株式会社社製、商品名「NP−50B」、厚み:50μm)を準備した。その離型処理面上に、乾燥後の厚さが約10μmとなるように前記粘着剤組成物を塗工し、100℃で2分間乾燥させた。その後、ポリイミドフィルム(東レ・デュポン株式会社社製、商品名「カプトン200H」、厚み:25μm)をラミネートし、40℃で2日エージングを行うことで、粘着テープ(粘着シート)を得た。
[実施例2〜実施例16、比較例1〜4]
粘着剤組成物の組成(各成分の種類および配合量)を下記表3および表4のとおりに変更した以外は実施例1と同様にして粘着剤組成物(粘着剤組成物)および粘着テープ(粘着シート)を製造した。なお、比較例1は、本発明の粘着剤組成物における成分(A)(共重合体(A))を用いず、これに代えて、3級アミノ基を有さない共重合体(製造例A6で製造したアクリル樹脂A6)を用いた。比較例2は、粘着付与樹脂を用いなかった。比較例3は、本発明の粘着剤組成物における成分(B)(粘着付与樹脂(B))を用いず、これに代えて酸価が30mgKOH/g未満である粘着付与樹脂を用いた。比較例4は、本発明の粘着剤組成物における成分(B)(粘着付与樹脂(B))を上限値である60重量部より多く用いた。また、下記表3および表4において、市販品の分子量(重量平均分子量を意味する)、ガラス転移温度および酸価は、前記市販品の仕様書の記載どおりである。
[評価方法]
実施例1〜15および比較例1〜3の粘着テープについて、下記の方法で初期接着力、耐熱後接着力(高温条件下に放置後の接着力)、耐熱後接着力安定性(高温での接着力上昇の抑制)、耐熱後被着体汚染(高温条件下に放置後の被着体汚染)について評価した。なお、これらの評価結果を、下記表3および表4にまとめて示す。
(初期接着力)
23℃×湿度50%RHの環境下で、前記各実施例および比較例の粘着テープを25mm幅にカットし、これを試験片とした。この試験片を被着体(ポリイミドフィルム)に2kgローラー3往復の荷重で貼り合わせた。1時間養生後、前記試験片の一端をオートグラフで180°方向に300mm/分の速度で引き剥がしたときの剥離力(N/25mm)を初期接着力とした。
(耐熱後接着力)
23℃×湿度50%RHの環境下で、前記実施例および比較例の粘着テープを25mm幅にカットし、これを試験片とした。この試験片を被着体(ポリイミドフィルム)に2kgローラー3往復の荷重で貼り合わせた。1時間養生後、180℃の熱風乾燥機内に1時間放置したのち、23℃×湿度50%RHの環境下で、1時間静置した。その後前記試験片の一端をオートグラフで180°方向に300mm/分の速度で引き剥がしたときの剥離力(N/25mm)を耐熱後接着力とした。なお、下記「耐熱後接着力安定性」において説明するとおり、耐熱後接着力値は、初期接着力値と比較して過度に大きくないことが好ましい。
(耐熱後接着力安定性)
前述のとおり測定した初期接着力および耐熱後接着力の測定値から、前記各実施例および比較例の粘着テープにおける(耐熱後接着力)/(初期接着力)の比を算出した。この比が小さいほど、耐熱後接着力安定性が高いと定義した。この耐熱後接着力安定性が高いことは、高温での接着力上昇が抑制されていることの指標になる。耐熱後接着力安定性は、下記のとおりA〜Cの三段階で評価し、評価がAおよびBの試験片を、耐熱後接着力安定性が良好であると判定した。

(耐熱後接着力)/(初期接着力)の比が1.2未満:A
(耐熱後接着力)/(初期接着力)の比が1.2以上1.5未満:B
(耐熱後接着力)/(初期接着力)の比が1.5以上:C
(耐熱後被着体汚染)
前述の耐熱後接着力試験を行った後に試験片を剥離し、その後被着体の汚染を目視で確認し、下記のようにA〜Cの三段階で評価した。評価がAおよびBの試験片を、被着体を汚染しがたい良品であると判定した。

被着体に汚染、糊残りが見られない:A
被着体に汚染、糊残りがわずかに見られる:B
被着体に汚染、糊残りが見られる:C
Figure 2020090643
Figure 2020090643
Figure 2020090643
Figure 2020090643
前記表3および表4に示したとおり、実施例1〜16の粘着剤組成物を用いた粘着テープ(粘着シート)は、いずれも、耐熱後接着力安定性が良好であった。このことは、高温での接着力上昇が抑制されていることを意味する。また、実施例1〜16の粘着テープは、いずれも、耐熱後接着耐汚染の特性が優れていた。このことは、高温条件下に放置後でも被着体汚染が抑制されていることを意味する。すなわち、実施例1〜16の粘着剤組成物および粘着テープは、高温での接着力上昇を抑制または防止可能であり、かつ、被着体汚染を抑制または防止可能であった。さらに、前記表3および表4に示したとおり、実施例1〜16の粘着剤組成物によれば、初期接着力を広い範囲で設計可能であった。例えば、共重合体(A)として製造例A5のアクリル樹脂を用いた場合は、初期接着力を低くすることが可能であった(実施例11および12)。
これに対し、共重合体が3級アミノ基を有しない比較例1、粘着付与樹脂を含まない比較例2、および粘着付与樹脂の酸価が30mgKOH/g未満である比較例3は、いずれも、耐熱後接着力安定性が良くなかった。すなわち、これら比較例は、高温条件下に放置後(加熱後)の接着力上昇が大きかった。また、共重合体(A)100質量部に対して、粘着付与樹脂(B)を60重量部より多く用いた比較例4は、耐熱試験後の被着体に汚染が見られた。
以上、説明したとおり、本発明によれば、高温での接着力上昇を抑制または防止可能であり、かつ、被着体汚染を抑制または防止可能である粘着剤組成物、粘着シート、粘着シートの製造方法、製品、および製品の製造方法を提供することができる。本発明の粘着シートは、例えば、製品の保護シート、または製品の製造工程における保護シートとして使用可能である。ただし、本発明の用途はこれに限定されず、広範な用途に使用可能である。

Claims (17)

  1. 下記成分(A)および(B)を含み、
    下記成分(A)100質量部に対する下記成分(B)の含有率が1〜60質量部であることを特徴とする粘着剤組成物。

    (A)下記単量体(a1)、下記単量体(a2)、および下記単量体(a3)を含む単量体混合物の共重合体であり、前記単量体混合物は、その全質量を100質量部として、下記単量体(a1)の含有量が1〜10質量部、下記単量体(a2)の含有量が1〜10質量部であり、かつ前記共重合体の重量平均分子量が30万〜200万である共重合体
    (a1)3級アミノ基を有する単量体
    (a2)水酸基を有する単量体
    (a3)アクリル酸アルキルエステルおよびメタクリル酸アルキルエステルの少なくとも一方

    (B)酸価が30mgKOH/g以上である粘着付与樹脂
  2. さらに架橋剤(C)を含み、前記架橋剤(C)がポリイソシアネートである請求項1記載の粘着剤組成物。
  3. 前記成分(B)の酸基量に対する前記成分(A)の3級アミノ基量の比が、モル比で0.5以上である請求項1または2記載の粘着剤組成物。
  4. 前記単量体(a3)が、アルキル炭素数4〜12のアクリル酸アルキルエステルを含む請求項1から3記載の粘着剤組成物。
  5. 前記成分(B)が、重量平均分子量1000〜50000のアクリル樹脂であり、かつ、カルボキシ基を有する請求項1から4のいずれか一項に記載の粘着剤組成物。
  6. 基材の少なくとも一方の面に粘着層を有し、
    前記粘着層が、請求項1から5のいずれか一項に記載の粘着剤組成物を含むことを特徴とする粘着シート。
  7. 被着体表面に貼付し、前記被着体の保護シートまたは補強シートとして用いる請求項6記載の粘着シート。
  8. 加熱条件下で用いる請求項7記載の粘着シート。
  9. 前記被着体が、電子部材または電子基板の材料である請求項7または8記載の粘着シート。
  10. 前記電子基板が、フレキシブルプリント配線基板である請求項9記載の粘着シート。
  11. 剥離フィルム上に、請求項1から5のいずれか一項に記載の粘着剤組成物を塗工する工程と、
    前記塗工後、前記剥離フィルム上において前記粘着剤組成物を加熱して前記粘着層を形成する工程と、
    前記剥離フィルム上に形成した前記粘着層を、前記基材に貼り合わせる工程とを含む、
    請求項6から10のいずれか一項に記載の粘着シートの製造方法。
  12. 前記基材の、前記粘着層が形成される粘着層形成面に、請求項1から4のいずれか一項に記載の粘着剤組成物を塗工する工程と、
    前記塗工後、前記粘着層形成面上において前記粘着剤組成物を加熱して前記粘着層を形成する工程とを含む、
    請求項6から10のいずれか一項に記載の粘着シートの製造方法。
  13. 保護シートが貼付された製品であって、
    前記保護シートが請求項6から10のいずれか一項に記載の粘着シートであることを特徴とする製品。
  14. 被着体に請求項6から10のいずれか一項に記載の粘着シートを貼付する粘着シート貼付工程と、
    前記被着体から前記粘着シートを剥離する粘着シート剥離工程とを含む、
    前記被着体を用いた製品の製造方法。
  15. さらに、被着体加熱工程を含み、
    前記被着体加熱工程は、前記粘着シート貼付工程後、前記粘着シート剥離工程に先立ち、前記粘着シートが貼付された前記被着体を加熱する工程である請求項14記載の製品の製造方法。
  16. 前記製品が、電子部材または電子基板である請求項14または15記載の製品の製造方法。
  17. 前記電子基板が、フレキシブルプリント配線基板である請求項16記載の製品の製造方法。
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