JP6150536B2 - マスキング用粘着フィルム、およびこの粘着フィルムの使用方法 - Google Patents
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Description
なお、以下においては、本発明のマスキング用粘着フィルムを単に「粘着フィルム」と称することがあり、本発明のマスキング用粘着フィルムにおける粘着フィルム用粘着剤組成物を「本発明の粘着フィルム用粘着剤組成物」と称することがある。また、本発明における「粘着フィルム」とは、粘着シート、粘着フィルム、粘着テープを概念的に包含するものである。
なお、以下では、高温条件下で粘着フィルムを使用した後、被着体から剥離した際に汚染が生じ難い特性を「耐熱性」または「耐熱再剥離性」と称することがある。
なお、本明細書において、(メタ)アクリルとはアクリルあるいはメタクリルを、(メタ)アクリロイルとはアクリロイルあるいはメタクリロイルを、(メタ)アクリレートとはアクリレートあるいはメタクリレートをそれぞれ意味するものである。
かかるホモポリマーとした際のガラス転移温度(Tg)が−20℃以上であるモノマーとしては、メチル(メタ)アクリレートが好ましく、耐熱再剥離性に優れ、粘着力も高い点で、特に好ましくはメチルメタクリレートである。
なお、本発明においては(メタ)アクリル酸エステル系モノマー(a1)として(メタ)アクリル酸アルキルエステルを用いるものであり、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a1)と表記されるものである。
かかる(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a1)の含有量が少なすぎると粘着力が低下する傾向がある。
かかる(メタ)アクリルアミド系モノマー(a2)の含有量が少なすぎると、高温条件下で使用した後、被着体から剥離した際に、糊残りが生じる傾向がある。一方、含有量が多すぎると、重合時にゲル化し易くなる傾向がある。
これらの中でも、(メタ)アクリル酸エステル系モノマー(a1)および(メタ)アクリルアミド系モノマー(a2)との共重合性の点で、アミノアルキル(メタ)アクリレート系モノマー(a3−1)、アミノアルキル(メタ)アクリルアミド系モノマー(a3−2)を用いることが好ましい。
かかるアミノ基含有モノマー(a3)の含有量が多すぎると、重合時に分子量が低下したり、粘着剤が着色したりする傾向がある。
なお、アミノ基含有モノマー(a3)として、アミノアルキル(メタ)アクリレート系モノマー(a3−1)およびアミノアルキル(メタ)アクリルアミド系モノマー(a3−2)を併用する場合には、両モノマーの総量が上記範囲内であることが好ましい。
一般式(1)で示される(メタ)アクリルアミド系モノマー(a2)に対するアミノ基含有モノマー(a3)の含有量が多すぎると重合時に分子量が低下したり、粘着剤が着色したりする傾向があり、少なすぎるとエージング時間が長時間必要になる傾向がある。
これらの中でも、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレートを用いることが好ましい。
また、水酸基含有モノマーを2種以上併用することが、架橋構造を密にすることができ耐熱性が向上する点で好ましく、特に好ましくは2−ヒドロキシエチルアクリレートと4−ヒドロキシブチルアクリレートを併用することである。
これら官能基含有モノマー(a4)は、単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
かかる官能基含有モノマー(a4)の含有量が多すぎると粘着力が低下する傾向があり、少なすぎると架橋度が低下し耐被着体汚染性が低下する傾向がある。
かかるその他共重合性モノマー(a5)の含有量が多すぎると耐熱性が低下したり、粘着力が低下する傾向がある。
Tga:モノマーAのホモポリマーのガラス転移温度(K) Wa:モノマーAの重量分率
Tgb:モノマーBのホモポリマーのガラス転移温度(K) Wb:モノマーBの重量分率
Tgn:モノマーNのホモポリマーのガラス転移温度(K) Wn:モノマーNの重量分率
(Wa+Wb+・・・+Wn=1)
上記エージング処理は、粘着物性のバランスをとるために行なうものであり、エージングの条件としては、温度は通常、0〜150℃、好ましくは10〜100℃、特に好ましくは20〜80℃、時間は通常、30日以下、好ましくは14日以下、特に好ましくは7日以下であり、具体的には、例えば23℃で3〜10日間、40℃で1〜7日間等の条件で行なうことができる。
粘着フィルムの被着対象である被着体としては、下記に示す材料の基材が例示される。
ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート共重合体、エステルアクリレート等のポリエステル系樹脂;
ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、クロルスルフォン化ポリエチレン、エチレンプロピレンゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−イソブチルアクリレート共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、アイノノマー、ポリプロピレン、ポリアロマーポリブチレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂;
ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリ4フッ化エチレン、エチレン−4フッ化エチレン共重合体等のポリフッ化エチレン系樹脂;
ポリスチレン、ポリαメチルスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン−アクリレート共重合体;
ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル等のポリアルキル(メタ)アクリレートやメチルメタクリレート−スチレン共重合体、メチルメタクリレート−α−メチルスチレン共重合体等のアクリル系樹脂;
ポリ塩化ビニル、可塑化ポリ塩化ビニル、ABS変性ポリ塩化ビニル、後塩素化ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニル−アクリル樹脂アロイ、塩化ビニル−プロピレン共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデン等のポリ塩化ビニル重合体およびその誘導体;
ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルフォルマール、ポリビニルブチラール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ビニロン等のポリ酢酸ビニル、およびその誘導体;
ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルメチルケトン;
ポリホルムアルデヒド、アセタールコポリマー、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、塩素化ポリエーテル、フェノキシ樹脂、ポリフェニレンオキサオド等のポリエーテル;
ポリテロラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、クロロトリフルオロエチレン−フッ化ビニリデン共重合体等のフッ化樹脂;
ポリカーボネート、ポリカーボネートABSアロイ;
ナイロン、ナイロン−6、ナイロン−6,6、ナイロン−6/6,6共重合体、ナイロン−6,10、ナイロン−6,12、ナイロン−11、ナイロン−12等のナイロン(ポリアミド)類;
ブタジエン−スチレン共重合体、ブタジエン系プラスチック;
ポリイミドおよびその誘導体、ポリスルホン、ポリフェニレンサルファイド、高アクリルニトリル共重合体;
けい素樹脂、半無機および無機高分子;
フェノール樹脂、フェノール−フルフラール樹脂、変性フェノール樹脂等のフェノール樹脂およびその誘導体;
フラン樹脂、キシレン樹脂、アニリン樹脂、アセトンホルムアルデヒド樹脂等のホルマリン樹脂;
不飽和ポリエステルとアルキッド樹脂;
ビスフェノール型エポキシ樹脂、エポキシ樹脂複合材料、脂環エポキシ樹脂、エポキシノボラック、ビフェニル型エポキシ樹脂、エポキシアクリレート等のエポキシ樹脂;
ポリウレタン、発泡ウレタン、ウレタンアクリレート等のポリウレタン;
ジアリルフタレート樹脂、トリアリルシアヌレート樹脂、ポリアリルスルホン、アリルジグリコールカーボネート、ポリアリルエーテル、ポリアリレート等のアリル樹脂;
セルロース系プラスチック、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、エチルセルロース、ニトロセルロースとセルロイド等のセルロース系樹脂。
温度計、攪拌機、滴下ロートおよび還流冷却器を備えた反応器内に、酢酸エチル80部を仕込み、撹拌しながら昇温し、78℃になったら、ブチルアクリレート(BA)83.2部、メチルメタクリレート(MMA)10部、2−ヒドロキエチルアクリレート(HEA)5部、N−(n−ブトキシメチル)アクリルアミド(BMAA)1.8部とアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.042部を混合溶解させた混合物を2時間にわたって滴下した。更に、重合途中に、酢酸エチル10部にAIBN0.04部を溶解させた重合触媒液を逐次追加しながら前記温度で還流下7時間重合させた後、酢酸エチルとトルエンで希釈して、アクリル系樹脂の40%溶液を得た。
参考例1と同様にして、表1に示す組成のアクリル系樹脂を調製し、更に架橋剤を配合した後、粘着フィルムを得た。なお、表1中、iBMAAはN−(iso−ブトキシメチル)アクリルアミド、MMAAはN−(メトキシメチル)アクリルアミド、DMAEAはアクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、DMAPAAはN,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、HEMAは2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ACMOはアクリロイルモルホリン、AAmはアクリルアミドをそれぞれ表わす。
得られた粘着フィルムについてゲル分率を算出した。すなわち、試験片を200メッシュのSUS製金網で包み、トルエン中に23℃×24時間浸漬し、金網中に残存した不溶解の粘着剤成分の重量百分率をゲル分率とした。ただし、基材の重量は差し引いておく。
被着体としてステンレス板(SUS304BA板)に、25mm×100mmの上記粘着フィルムを23℃、相対湿度50%の雰囲気下にて2kgゴムローラー2往復で加圧貼付し、同雰囲気下で30分放置した後、剥離速度300mm/minで180度剥離強度(N/25mm)を測定した。
得られた粘着フィルムを用いて25mm×100mmの大きさの試験片を作製し(切り出し)、この試験片を被着体(SUS304BA板)に2kgローラーを2往復させる方法で圧着し、表1に記載の温度と時間で放置し23℃に戻した。さらに23℃、相対湿度50%雰囲気下で2時間放置した後、剥離速度300mm/minで180度剥離後の被着体表面の様子を観察し、以下の基準で評価した。
○:全く汚染が確認されなかった。
△:僅かに汚染が確認された。
×:明らかに汚染が確認された。
温度計、攪拌機、滴下ロートおよび還流冷却器を備えた反応器内に、酢酸エチル80部を仕込み、撹拌しながら昇温し、78℃になったら、ブチルアクリレート(BA)83部、メチルメタクリレート(MMA)10部、2−ヒドロキエチルアクリレート(HEA)5部、N−(n−ブトキシメチル)アクリルアミド(BMAA)1.8部、アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル(DMAEA)0.2部とアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.042部を混合溶解させた混合物を2時間にわたって滴下した。更に、重合途中に、酢酸エチル10部にAIBN0.04部を溶解させた重合触媒液を逐次追加しながら前記温度で還流下7時間重合させた後、酢酸エチルとトルエンで希釈して、アクリル系樹脂の40%溶液を得た。
実施例9と同様にして、表2に示す組成のアクリル系樹脂を調製し、粘着フィルムを得た。
得られた粘着フィルムについて、表2に記載の条件下に放置した後、ゲル分率を算出した。すなわち、表2に記載の条件下に放置した試験片を200メッシュのSUS製金網で包み、トルエン中に23℃×24時間浸漬し、金網中に残存した不溶解の粘着剤成分の重量百分率をゲル分率とした。ただし、基材の重量は差し引いておく。
Claims (5)
- 共重合成分[I]中における(メタ)アクリルアミド系モノマー(a2)の含有量が0.1〜30重量%であることを特徴とする請求項1に記載のマスキング用粘着フィルム。
- 架橋剤(B)を更に含有する粘着フィルム用粘着剤組成物が架橋されてなることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載のマスキング用粘着フィルム。
- 請求項1〜4いずれかに記載のマスキング用粘着フィルムを被着体表面に貼り付け、120℃以上の加熱工程に付した後、そのマスキング用粘着フィルムを被着体表面から剥離することを特徴とするマスキング用粘着フィルムの使用方法。
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