JP6257128B2 - 耐熱粘着フィルム用粘着剤組成物、これを架橋させてなる耐熱粘着フィルム用粘着剤、およびこの粘着剤の用途 - Google Patents
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Description
なお、本明細書において、(メタ)アクリルとはアクリルあるいはメタクリルを、(メタ)アクリロイルとはアクリロイルあるいはメタクリロイルを、(メタ)アクリレートとはアクリレートあるいはメタクリレートをそれぞれ意味するものである。また、「フィルム」とは、シート、フィルム、テープを概念的に包含するものである。
(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノプロピル等のN,N−ジアルキルアミノアルキルの(メタ)アクリル酸エステル等の二置換アミノ基含有(メタ)アクリル酸エステル;
N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド、これらアミノ基含有単量体の四級化塩など;
p−アミノスチレン等のアミノ基含有スチレン類;
3−(ジメチルアミノ)スチレン、ジメチルアミノメチルスチレン等のジアルキルアミノ基を有するスチレン類;N,N−ジメチルアミノエチルビニルエーテル、N,N−ジエチルアミノエチルビニルエーテル等のジアルキルアミノアルキルビニルエーテル類;
アリルアミン、4−ジイソプロピルアミノ−1−ブテン、トランス−2−ブテン−1,4−ジアミン、2−ビニル−4,6−ジアミノ−1,3,5−トリアジン等が用いられる。
N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジイソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ(n−ブチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジイソブチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ(s−ブチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ(t−ブチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジペンチル(メタ)アクリルアミド, N ,N−ジヘキシル(メタ) アクリルアミド, N,N−ジヘプチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジオクチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアリル(メタ)アクリルアミド、N,N−エチルメチルアクリルアミド等のN,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド:
N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド:
N−ビニルアセトアミド、N−ビニルホルムアミド、(メタ)アクリルアミドエチルエチレンウレア、(メタ)アクリルアミドt−ブチルスルホン酸等の置換アミド基含有単量体;
N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロールプロパン(メタ)アクリルアミド等のヒドロキシル基含有(メタ)アクリルアミド;
N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−(n―ブトキシメチル)(メタ)アクリルアミド等のアルコキシ基含有(メタ)アクリルアミド;
これらアミド基含有単量体の四級化塩などが挙げられる。
N−アリルモルフォリン等のN−アリル系単量体;
N−(メタ)アクリロイルモルホリン、N−(メタ)アクリロイルピロリドン、N−(メタ)アクリロイルピペリジン、N−(メタ)アクリロイルピロリジン, N−(メタ)アクリロイルアジリジン, N−(メタ)アクリロイルアジリジン、アジリジニルエチル(メタ)アクリレート等のN−(メタ)アクリロイル系単量体;
上記単量体にハロゲン化アルキル、ハロゲン化ベンジル、アルキル若しくはアリールスルホン酸又は硫酸ジアルキル等の公知の四級化剤を作用させて得られる窒素系複素環含有単量体の四級化塩;4−メチル−5−ビニルチアゾールなどが挙げられる。
N−メチルイタコンイミド、N−エチルイタコンイミド、N−ブチルイタコンイミド、N−オクチルイタコンイミド、N−2−エチルヘキシルイタコンイミド、N−シクロヘキシルイタコンイミド、N−ラウリルイタコンイミド、イタコンイミド等のイタコンイミド系単量体;
N−(メタ)アクリロイルオキシメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクルロイル−6−オキシヘキサメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−8−オキシオクタメチレンスクシンイミド等のスクシンイミド系単量体などが挙げられる。
更に好ましくは、他のモノマーとの共重合性及び架橋促進効果、さらには原材料として入手しやすさの点で、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアミノエチルメタクリレートである。
かかる窒素原子含有モノマー(a1)の含有割合が多すぎると重合時に分子量が低下したり、粘着剤が着色する傾向があり、少なすぎると触媒効果が十分に得られにくい傾向がある。
かかるホモポリマーとした際のガラス転移温度(Tg)が−20℃以上であるモノマーとしては、メチル(メタ)アクリレートが好ましく、耐熱再剥離性に優れ、粘着力も高い点で、特に好ましくはメチルアクリレートである。
かかる(メタ)アクリル酸エステル系モノマー(a2)の含有割合が少なすぎると粘着力が低下する傾向がある。
これらの中でも、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレートを用いることが好ましい。
また、水酸基含有モノマーを2種以上併用することが、架橋構造を密にすることができ耐熱性が向上する点で好ましく、特に好ましくは2−ヒドロキシエチルアクリレートと4−ヒドロキシブチルアクリレートを併用することである。
これら官能基含有モノマー(a3)は、単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
かかる官能基含有モノマー(a3)の含有割合が多すぎると粘着力が低下する傾向があり、少なすぎると架橋度が低下し耐被着体汚染性が低下する傾向がある。
かかるその他の重合性モノマー(a4)の含有割合が多すぎると耐熱性が低下したり、粘着力が低下する傾向がある。
例えば、(メタ)アクリル酸エステル系モノマー(a2)を2種以上併用する場合において、ホモポリマーとしたときのガラス転移温度(Tg)が0℃以上となるモノマーを、モノマー(a2)全体に対して15〜80重量%含んでいることが好ましく、20〜75重量%含んでいることがさらに好ましい。
Tga:モノマーAのホモポリマーのガラス転移温度(K) Wa :モノマーAの重量分率
Tgb:モノマーBのホモポリマーのガラス転移温度(K) Wb :モノマーBの重量分率
Tgn:モノマーNのホモポリマーのガラス転移温度(K) Wn :モノマーNの重量分率
(Wa+Wb+・・・+Wn=1)
上記エージング処理は、粘着物性のバランスをとるために行なうものであり、エージングの条件としては、温度は通常、0〜150℃、好ましくは10〜100℃、特に好ましくは20〜80℃、時間は通常、30日未満、好ましくは14日未満、特に好ましくは7日未満であり、具体的には、例えば23℃で3〜10日間、40℃で1〜7日間等の条件で行なうことができる。
耐熱粘着フィルムの被着対象である被着体としては、下記に示す材料の基材が例示される。
ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート共重合体、エステルアクリレート等のポリエステル系樹脂;
ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、クロルスルフォン化ポリエチレン、エチレンプロピレンゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−イソブチルアクリレート共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、アイノノマー、ポリプロピレン、ポリアロマーポリブチレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂;
ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリ4フッ化エチレン、エチレン−4フッ化エチレン共重合体等のポリフッ化エチレン系樹脂;
ポリスチレン、ポリαメチルスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン−アクリレート共重合体;
ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル等のポリアルキル(メタ)アクリレートやメチルメタクリレート−スチレン共重合体、メチルメタクリレート−α−メチルスチレン共重合体等のアクリル系樹脂;
ポリ塩化ビニル、可塑化ポリ塩化ビニル、ABS変性ポリ塩化ビニル、後塩素化ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニル−アクリル樹脂アロイ、塩化ビニル−プロピレン共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデン等のポリ塩化ビニル重合体およびその誘導体;
ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルフォルマール、ポリビニルブチラール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ビニロン等のポリ酢酸ビニル、およびその誘導体;
ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルメチルケトン;
ポリホルムアルデヒド、アセタールコポリマー、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、塩素化ポリエーテル、フェノキシ樹脂、ポリフェニレンオキサオド等のポリエーテル;
ポリテロラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、クロロトリフルオロエチレン−フッ化ビニリデン共重合体等のフッ化樹脂;
ポリカーボネート、ポリカーボネートABSアロイ;ナイロン、ナイロン−6、ナイロン−6,6、ナイロン−6/6,6共重合体、ナイロン−6,10、ナイロン−6,12、ナイロン−11、ナイロン−12等のナイロン(ポリアミド)類;
ブタジエン−スチレン共重合体、ブタジエン系プラスチック;
ポリイミドおよびその誘導体、ポリスルホン、ポリフェニレンサルファイド、高アクリルニトリル共重合体;
けい素樹脂、半無機および無機高分子;
フェノール樹脂、フェノール−フルフラール樹脂、変性フェノール樹脂等のフェノール樹脂およびその誘導体;
フラン樹脂、キシレン樹脂、アニリン樹脂、アセトンホルムアルデヒド樹脂等のホルマリン樹脂;
不飽和ポリエステルとアルキッド樹脂;
ビスフェノール型エポキシ樹脂、エポキシ樹脂複合材料、脂環エポキシ樹脂、エポキシノボラック、ビフェニル型エポキシ樹脂、エポキシアクリレート等のエポキシ樹脂;
ポリウレタン、発泡ウレタン、ウレタンアクリレート等のポリウレタン;
ジアリルフタレート樹脂、トリアリルシアヌレート樹脂、ポリアリルスルホン、アリルジグリコールカーボネート、ポリアリルエーテル、ポリアリレート等のアリル樹脂;
セルロース系プラスチック、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、エチルセルロース、ニトロセルロースとセルロイド等のセルロース系樹脂。
本発明のマスキング用耐熱粘着フィルムは、高温で使用した後、被着体から剥離した際に汚染が生じ難く、また粘着性能も十分に高いので、被着体表面の一時的保護に有効である。
<実施例用製造例>
〔製造例A−1〕
温度計、攪拌機、滴下ロート及び還流冷却器を備えた反応器内に、酢酸エチル50部を仕込み、撹拌しながら昇温し、78℃になったら、ブチルアクリレート(a2:BA)64.8部、メチルメタクリレート(a2:MMA)30部、4−ヒドロキシブチルアクリレート(a3:4HBA)4部、ジメチルアミノエチルアクリレート(a1:DMAEA)0.2部とアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.036部を混合溶解させた混合物を2時間にわたって滴下した。更に、重合途中に、4−ヒドロキシブチルアクリレート(a3:4HBA)1部、酢酸エチル14.8部にAIBN0.08部を溶解させた重合触媒液を逐次追加しながら7時間重合させた後、酢酸エチルとトルエンで希釈して、アクリル系樹脂(A−1)の40%溶液を得た。
温度計、攪拌機、滴下ロート及び還流冷却器を備えた反応器内に、酢酸エチル50部を仕込み、撹拌しながら昇温し、78℃になったら、ブチルアクリレート(a2:BA)64.8部、メチルメタクリレート(a2:MMA)30部、2−ヒドロキシエチルアクリレート(a3:2HEA)4部、ジメチルアミノエチルアクリレート(a1:DMAEA)0.2部とアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.036部を混合溶解させた混合物を2時間にわたって滴下した。更に、重合途中に、2−ヒドロキシエチルアクリレート(a3:2HEA)1部、酢酸エチル14.8部にAIBN0.08部を溶解させた重合触媒液を逐次追加しながら7時間重合させた後、酢酸エチルとトルエンで希釈して、アクリル系樹脂(A−2)の40%溶液を得た。
温度計、攪拌機、滴下ロート及び還流冷却器を備えた反応器内に、酢酸エチル50部を仕込み、撹拌しながら昇温し、78℃になったら、ブチルアクリレート(a2:BA)64.8部、メチルメタクリレート(a2:MMA)30部、2−ヒドロキエチルメタクリレート(a3:2HEMA)4部、ジメチルアミノエチルアクリレート(a1:DMAEA)0.2部とアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.036部を混合溶解させた混合物を2時間にわたって滴下した。更に、重合途中に、2−ヒドロキエチルメタクリレート(a3:2HEMA)1部、酢酸エチル14.8部にAIBN0.08部を溶解させた重合触媒液を逐次追加しながら7時間重合させた後、酢酸エチルとトルエンで希釈して、アクリル系樹脂(A−3)の40%溶液を得た。
温度計、攪拌機、滴下ロート及び還流冷却器を備えた反応器内に、酢酸エチル50部を仕込み、撹拌しながら昇温し、78℃になったら、ブチルアクリレート(a2:BA)74.8部、メチルメタクリレート(a2:MMA)20部、2−ヒドロキエチルメタクリレート(a3:2HEMA)4部、ジメチルアミノエチルアクリレート(a1:DMAEA)0.2部とアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.036部を混合溶解させた混合物を2時間にわたって滴下した。更に、重合途中に、2−ヒドロキエチルメタクリレート(a3:2HEMA)1部、酢酸エチル14.8部にAIBN0.08部を溶解させた重合触媒液を逐次追加しながら7時間重合させた後、酢酸エチルとトルエンで希釈して、アクリル系樹脂(A−4)の40%溶液を得た。
温度計、攪拌機、滴下ロート及び還流冷却器を備えた反応器内に、酢酸エチル130部を仕込み、撹拌しながら昇温し、78℃になったら、ブチルアクリレート(a2:BA)40部、メチルアクリレート(a2:MA)54.8部、2−ヒドロキエチルメタクリレート(a3:2HEMA)4部、ジメチルアミノエチルアクリレート(a1:DMAEA)0.2部とアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.06部を混合溶解させた混合物を2時間にわたって滴下した。更に、重合途中に、2−ヒドロキエチルメタクリレート(a3:2HEMA)1部、酢酸エチル12部にAIBN0.11部を溶解させた重合触媒液を逐次追加しながら7時間重合させた後、酢酸エチルとトルエンで希釈して、アクリル系樹脂(A−5)の40%溶液を得た。
温度計、攪拌機、滴下ロート及び還流冷却器を備えた反応器内に、酢酸エチル50部を仕込み、撹拌しながら昇温し、78℃になったら、ブチルアクリレート(a2:BA)64.8部、メチルメタクリレート(a2:MMA)30部、2−ヒドロキエチルメタクリレート(a3:2HEMA)4部、ジメチルアミノエチルアクリレート(a1:DMAEA)0.2部とアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.036部を混合溶解させた混合物を2時間にわたって滴下した。更に、重合途中に、4−ヒドロキシブチルアクリレート(a3:4HBA)1部、酢酸エチル14.8部にAIBN0.08部を溶解させた重合触媒液を逐次追加しながら7時間重合させた後、酢酸エチルとトルエンで希釈して、アクリル系樹脂(A−6)の40%溶液を得た。
温度計、攪拌機、滴下ロート及び還流冷却器を備えた反応器内に、酢酸エチル90部を仕込み、撹拌しながら昇温し、78℃になったら、ブチルアクリレート(a2:BA)40部、メチルアクリレート(a2:MA)54.8部、2−ヒドロキエチルアクリレート(a3:2HEA)4部、ジメチルアミノエチルアクリレート(a1:DMAEA)0.2部とアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.06部を混合溶解させた混合物を2時間にわたって滴下した。更に、重合途中に、4−ヒドロキシブチルアクリレート(a3:4HBA)1部、酢酸エチル12部にAIBN0.11部を溶解させた重合触媒液を逐次追加しながら7時間重合させた後、酢酸エチルとトルエンで希釈して、アクリル系樹脂(A−7)の40%溶液を得た。
温度計、攪拌機、滴下ロート及び還流冷却器を備えた反応器内に、酢酸エチル50部を仕込み、撹拌しながら昇温し、78℃になったら、ブチルアクリレート(a2:BA)64.8部、メチルメタクリレート(a2:MMA)30部、2−ヒドロキシエチルアクリレート(a3:2HEA)4部、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド(a1:DMAPAA)0.2部とアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.036部を混合溶解させた混合物を2時間にわたって滴下した。更に、重合途中に、2−ヒドロキシエチルアクリレート(a3:2HEA)1部、酢酸エチル14.8部にAIBN0.08部を溶解させた重合触媒液を逐次追加しながら7時間重合させた後、酢酸エチルとトルエンで希釈して、アクリル系樹脂(A−8)の40%溶液を得た。
温度計、攪拌機、滴下ロート及び還流冷却器を備えた反応器内に、酢酸エチル50部を仕込み、撹拌しながら昇温し、78℃になったら、ブチルアクリレート(a2:BA)64.8部、メチルメタクリレート(a2:MMA)30部、2−ヒドロキシエチルアクリレート(a3:2HEA)4部、ジメチルアクリルアミド(a1:DMAA)0.2部とアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.036部を混合溶解させた混合物を2時間にわたって滴下した。更に、重合途中に、2−ヒドロキシエチルアクリレート(a3:2HEA)1部、酢酸エチル14.8部にAIBN0.08部を溶解させた重合触媒液を逐次追加しながら7時間重合させた後、酢酸エチルとトルエンで希釈して、アクリル系樹脂(A−9)の40%溶液を得た。
温度計、攪拌機、滴下ロート及び還流冷却器を備えた反応器内に、酢酸エチル50部を仕込み、撹拌しながら昇温し、78℃になったら、ブチルアクリレート(a2:BA)64.8部、メチルメタクリレート(a2:MMA)30部、2−ヒドロキシエチルアクリレート(a3:2HEA)4部、ジエチルアミノエチルメタクリレート(a1:DEAEMA)0.2部とアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.036部を混合溶解させた混合物を2時間にわたって滴下した。更に、重合途中に、2−ヒドロキシエチルアクリレート(a3:2HEA)1部、酢酸エチル14.8部にAIBN0.08部を溶解させた重合触媒液を逐次追加しながら7時間重合させた後、酢酸エチルとトルエンで希釈して、アクリル系樹脂(A−10)の40%溶液を得た。
温度計、攪拌機、滴下ロート及び還流冷却器を備えた反応器内に、酢酸エチル50部を仕込み、撹拌しながら昇温し、78℃になったら、ブチルアクリレート(a2:BA)64.8部、メチルメタクリレート(a2:MMA)30部、2−ヒドロキシエチルアクリレート(a3:2HEA)4部、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド(a1:DMAPAA)0.2部とアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.036部を混合溶解させた混合物を2時間にわたって滴下した。更に、重合途中に、4−ヒドロキシブチルアクリレート(a3:4HBA)1部、酢酸エチル14.8部にAIBN0.08部を溶解させた重合触媒液を逐次追加しながら7時間重合させた後、酢酸エチルとトルエンで希釈して、アクリル系樹脂(A−11)の40%溶液を得た。
温度計、攪拌機、滴下ロート及び還流冷却器を備えた反応器内に、酢酸エチル50部を仕込み、撹拌しながら昇温し、78℃になったら、ブチルアクリレート(a2:BA)64.5部、メチルメタクリレート(a2:MMA)30部、2−ヒドロキシエチルアクリレート(a3:2HEA)4部、ジメチルアミノエチルアクリレート(a1:DMAEA)0.5部とアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.036部を混合溶解させた混合物を2時間にわたって滴下した。更に、重合途中に、2−ヒドロキシエチルアクリレート(a3:2HEA)1部、酢酸エチル14.8部にAIBN0.08部を溶解させた重合触媒液を逐次追加しながら7時間重合させた後、酢酸エチルとトルエンで希釈して、アクリル系樹脂(A−12)の40%溶液を得た。
温度計、攪拌機、滴下ロート及び還流冷却器を備えた反応器内に、酢酸エチル50部を仕込み、撹拌しながら昇温し、78℃になったら、ブチルアクリレート(a2:BA)62.8部、メチルメタクリレート(a2:MMA)30部、2−ヒドロキシエチルアクリレート(a3:2HEA)6部、ジメチルアミノエチルアクリレート(a1:DMAEA)0.2部とアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.036部を混合溶解させた混合物を2時間にわたって滴下した。更に、重合途中に、2−ヒドロキシエチルアクリレート(a3:2HEA)1部、酢酸エチル14.8部にAIBN0.08部を溶解させた重合触媒液を逐次追加しながら7時間重合させた後、酢酸エチルとトルエンで希釈して、アクリル系樹脂(A−13)の40%溶液を得た。
DMAPAA:ジメチルアミノプロピルアクリルアミド(a1)
DMAA:ジメチルアクリルアミド(a1)
DEAEMA:ジエチルアミノエチルメタクリレート(a1)
BA:ブチルアクリレート(a2)
MMA:メチルメタクリレート(a2)
MA:メチルアクリレート(a2)
2HEA:2−ヒドロキシエチルアクリレート(a3)
2HEMA:2−ヒドロキエチルメタクリレート(a3)
4HBA:4−ヒドロキシブチルアクリレート(a3)
〔製造例A’−1〕
温度計、攪拌機、滴下ロート及び還流冷却器を備えた反応器内に、酢酸エチル50部を仕込み、撹拌しながら昇温し、78℃になったら、ブチルアクリレート(a2:BA)65部、メチルメタクリレート(a2:MMA)30部、4−ヒドロキシブチルアクリレート(a3:4HBA)4部とアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.036部を混合溶解させた混合物を2時間にわたって滴下した。更に、重合途中に、4−ヒドロキシブチルアクリレート(a3:4HBA)1部、酢酸エチル14.8部にAIBN0.08部を溶解させた重合触媒液を逐次追加しながら7時間重合させた後、酢酸エチルとトルエンで希釈して、アクリル系樹脂(A’−1)の40%溶液を得た。
温度計、攪拌機、滴下ロート及び還流冷却器を備えた反応器内に、酢酸エチル50部を仕込み、撹拌しながら昇温し、78℃になったら、ブチルアクリレート(a2:BA)65部、メチルメタクリレート(a2:MMA)30部、2−ヒドロキシエチルアクリレート(a3:2HEA)4部とアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.036部を混合溶解させた混合物を2時間にわたって滴下した。更に、重合途中に、2−ヒドロキシエチルアクリレート(a3:2HEA)1部、酢酸エチル14.8部にAIBN0.08部を溶解させた重合触媒液を逐次追加しながら7時間重合させた後、酢酸エチルとトルエンで希釈して、アクリル系樹脂(A’−2)の40%溶液を得た。
温度計、攪拌機、滴下ロート及び還流冷却器を備えた反応器内に、酢酸エチル50部を仕込み、撹拌しながら昇温し、78℃になったら、ブチルアクリレート(a2:BA)65部、メチルメタクリレート(a2:MMA)30部、2−ヒドロキエチルメタクリレート(a3:2HEMA)4部とアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.036部を混合溶解させた混合物を2時間にわたって滴下した。更に、重合途中に、2−ヒドロキエチルメタクリレート(a3:2HEMA)1部、酢酸エチル14.8部にAIBN0.08部を溶解させた重合触媒液を逐次追加しながら7時間重合させた後、酢酸エチルとトルエンで希釈して、アクリル系樹脂(A’−3)の40%溶液を得た。
温度計、攪拌機、滴下ロート及び還流冷却器を備えた反応器内に、酢酸エチル80部を仕込み、撹拌しながら昇温し、78℃になったら、ブチルアクリレート(a2:BA)94.8部、4−ヒドロキシブチルアクリレート(a3:4HBA)4部、ジメチルアミノエチルアクリレート(a1:DMAEA)0.2部とアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.06部を混合溶解させた混合物を2時間にわたって滴下した。更に、重合途中に、4−ヒドロキシブチルアクリレート(a3:4HBA)1部、酢酸エチル12部にAIBN0.11部を溶解させた重合触媒液を逐次追加しながら7時間重合させた後、酢酸エチルとトルエンで希釈して、アクリル系樹脂(A’−4)の40%溶液を得た。
温度計、攪拌機、滴下ロート及び還流冷却器を備えた反応器内に、酢酸エチル43部、アセトン15部を仕込み、撹拌しながら昇温し、68℃になったら、2−エチルヘキシルアクリレート(a2:2EHA)94.8部、4−ヒドロキシブチルアクリレート(a3:4HBA)4部、ジメチルアミノエチルアクリレート(a1:DMAEA)0.2部とアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.03部を混合溶解させた混合物を2時間にわたって滴下した。更に、重合途中に、4−ヒドロキシブチルアクリレート(a3:4HBA)1部、酢酸エチル20部にAIBN0.096部を溶解させた重合触媒液を逐次追加しながら7時間重合させた後、酢酸エチルとトルエンで希釈して、アクリル系樹脂(A’−5)の40%溶液を得た。
温度計、攪拌機、滴下ロート及び還流冷却器を備えた反応器内に、酢酸エチル80部を仕込み、撹拌しながら昇温し、78℃になったら、ブチルアクリレート(a2:BA)95部、4−ヒドロキシブチルアクリレート(a3:4HBA)4部とアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.06部を混合溶解させた混合物を2時間にわたって滴下した。更に、重合途中に、4−ヒドロキシブチルアクリレート(a3:4HBA)1部、酢酸エチル12部にAIBN0.11部を溶解させた重合触媒液を逐次追加しながら7時間重合させた後、酢酸エチルで希釈して、アクリル系樹脂(A’−6)の40%溶液を得た。
BA:ブチルアクリレート(a2)
2EHA:2−エチルヘキシルアクリレート(a2)
MMA:メチルメタクリレート(a2)
2HEA:2−ヒドロキシエチルアクリレート(a3)
2HEMA:2−ヒドロキエチルメタクリレート(a3)
4HBA:4−ヒドロキシブチルアクリレート(a3)
・架橋剤(B−1)
イソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン工業(株)製、「コロネートHX」)
・架橋剤(B−2)
イソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン工業(株)製、「コロネートL55E」)
上記で得られたアクリル系樹脂溶液に架橋剤を配合し、更に、酢酸エチルを用いて、実施例1〜9、11〜16、および比較例1〜6では固形分濃度33.3%、実施例10では固形分濃度20%に希釈した後、乾燥後の厚さが約25μmになるように、基材としてのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚さ38μm)に塗布し、100℃で2分間乾燥させた。その後、塗工面に、離型処理されたPETフィルムを貼着して保護し、温度40℃の雰囲気下で7日間養生し、耐熱粘着フィルムを得た。
なお、離型処理されたPETフィルムは各種測定試験を実施する際に引き剥がした。
得られた耐熱粘着フィルムの架橋反応について、赤外分光法を用いて残イソシアネート基のピークを確認した。測定機器は、サーモエレクトロン株式会社製FT−IR Nicolet380FT−IRを用いた。ATR法でスキャン回数は32回で測定した。イソシアネート基の吸収ピークである2200〜2300cm−1のピークの有無と大きさで評価した。
○:全くピークが確認されなかった。
△:僅かにピークが確認された。
×:明らかにピークが確認された。
得られた耐熱粘着フィルムについてゲル分率を算出した。すなわち、試験片を200メッシュのSUS製金網で包み、トルエン中に23℃×24時間浸漬し、金網中に残存した不溶解の粘着剤成分の重量百分率をゲル分率とした。ただし、基材の重量は差し引いておく。
得られた耐熱粘着フィルムを用いて25mm×100mmの大きさの試験片を作製し(切り出し)、この試験片を被着体(SUS304BA板)に2kgローラーを2往復させる方法で圧着し、下記表5及び6に記載の温度と時間で放置し23℃に戻した。さらに23℃、相対湿度50%雰囲気下で2時間放置した後、剥離速度300mm/minで180度剥離後の被着体表面の様子を観察し、以下の基準で評価した。
○:全く汚染が確認されなかった。
△:僅かに汚染が確認された。
×:明らかに汚染が確認された。
被着体としてステンレス板(SUS304BA板)に、25mm×100mmの上記耐熱粘着フィルムを23℃、相対湿度50%の雰囲気下にて2kgゴムローラー2往復で加圧貼付し、同雰囲気下で30分放置した後、剥離速度300mm/minで180度剥離強度(N/25mm)を測定し、以下の基準で評価した。
(評価)
◎: 0.5N/25mm以上
○: 0.05N/25mm以上、0.5N/25mm未満
△: 0.01N/25mm以上、0.05N/25mm未満
×: 0.01N/25mm未満
Claims (6)
- 窒素原子含有モノマー(a1)を含有するモノマー成分〔I〕を重合して得られ、かつガラス転移温度が−40℃以上、10℃以下であり、重量平均分子量が10万〜250万、分散度が15以下であるアクリル系樹脂(A)を含有してなり、
モノマー成分〔I〕が窒素原子含有モノマー(a1)以外の(メタ)アクリル酸エステル系モノマー(a2)および官能基含有モノマー(a3)をさらに含有し、
窒素原子含有モノマー(a1)以外の官能基含有モノマー(a3)として水酸基含有モノマーを含有し、
モノマー成分〔I〕中における窒素原子含有モノマー(a1)の含有割合が0.01〜2重量%、窒素原子含有モノマー(a1)以外の(メタ)アクリル酸エステル系モノマー(a2)の含有割合が20〜98重量%、官能基含有モノマー(a3)の含有割合が2〜30重量%であり、
重合が溶液ラジカル重合であり、
アクリル系樹脂(A)100重量部に対して、架橋剤(B)としてイソシアネート系架橋剤を0.5〜40重量部含有し、
有機溶剤を含有することを特徴とする耐熱粘着フィルム用粘着剤組成物。 - 組成物の酸価が5mgKOH/g以下であることを特徴とする請求項1に記載の耐熱粘着フィルム用粘着剤組成物。
- 請求項1または2に記載の耐熱粘着フィルム用粘着剤組成物が架橋されてなることを特徴とする耐熱粘着フィルム用粘着剤。
- 請求項3に記載の耐熱粘着フィルム用粘着剤を含有する粘着剤層をフィルム上に有することを特徴とする耐熱粘着フィルム。
- 請求項3に記載の耐熱粘着フィルム用粘着剤を含有する粘着剤層をフィルム上に有することを特徴とするマスキング用耐熱粘着フィルム。
- 請求項5に記載のマスキング用耐熱粘着フィルムを被着体表面に貼り付け、170℃以上の加熱工程に付した後、そのマスキング用耐熱粘着フィルムを被着体表面から剥離することを特徴とするマスキング用耐熱粘着フィルムの使用方法。
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