JP2020033424A - 粘着剤組成物、これを架橋させてなる粘着剤および粘着フィルム - Google Patents
粘着剤組成物、これを架橋させてなる粘着剤および粘着フィルム Download PDFInfo
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Abstract
【課題】高温下で使用した後、被着体から剥離した際に汚染が生じ難く、また粘着性能も十分に高く、さらにフィルム製造時のエージング期間も短いため、経済的に効率が良い粘着フィルムに用いられる粘着剤組成物及び粘着剤、それを用いた粘着フィルムを提供する。【解決手段】(メタ)アクリル酸エステルモノマー、水酸基含有モノマー、カルボキシル基含有モノマーを重合して得られるアクリル系樹脂とイソシアネート系架橋剤を含有する粘着フィルム用粘着剤組成物において、前記(メタ)アクリル酸エステルモノマーのアルキル基の炭素数が1〜3である(メタ)アルキル酸エステルモノマーを少なくとも一つ含み、カルボキシル基含有モノマー量を0.01重量部以上5重量部未満とする。【選択図】なし
Description
本発明は、粘着フィルム用粘着剤組成物、これを架橋させてなる粘着剤および粘着フィルムに関し、詳細には、粘着性、再剥離性、汚染性の低減に優れ、高温条件下で使用した後の粘着力の上昇が少なく、小さな力で剥離でき、さらに被着体から剥離した際に汚染が生じ難い、マスキング用耐熱粘着フィルムなどに用いることができる粘着剤組成物、これを架橋させてなる粘着剤、該粘着剤を用いたマスキングフィルム用粘着フィルムに関する。
アクリル系粘着剤層を有する粘着テープは高温環境下における熱劣化が少ないので、例えば金属を被着体とする、航空機・自動車・鉄道車両・船舶・電気・電子分野等の工業用途において多用されている。昨今では、より高温の環境下に粘着テープがさらされる場合がある。したがって、アクリル系粘着剤の耐熱性をより向上させることが求められている。
例えば、金属被着体の加熱処理をおこなう場合、粘着テープでマスキングする場合、または加工・搬送中に傷が付き易い表面を保護するような場合は、使用中の粘着テープは被着体に対してある程度の粘着性があり、かつ熱処理工程後の粘着テープは容易に剥離できること、加えて被着体自体の汚染性を少なくすることが求められている。
例えば、金属被着体の加熱処理をおこなう場合、粘着テープでマスキングする場合、または加工・搬送中に傷が付き易い表面を保護するような場合は、使用中の粘着テープは被着体に対してある程度の粘着性があり、かつ熱処理工程後の粘着テープは容易に剥離できること、加えて被着体自体の汚染性を少なくすることが求められている。
特許文献1には、重量平均分子量が45万〜150万のヒドロキシル基含有アクリル系樹脂と、イソシアネート系架橋剤とを、前記ヒドロキシル基含有アクリル系樹脂中の水酸基量に対するイソシアネート系架橋剤中のイソシアネート基量が0.6〜1.6倍(モル比)となる範囲で含み、さらに、前記ヒドロキシル基含有アクリル系樹脂100重量部に対して、ヒドロキシル基含有アクリル系樹脂及びイソシアネート系架橋剤と非反応性であり、式量もしくは数平均分子量が300以上1500以下のエステル化合物を3〜20重量部含む粘着剤組成物が開示されている。
特許文献2には、初期粘着性に優れ、耐熱性、高温で保持した後の再剥離性に優れた、2種以上の水酸基含有アクリレートモノマーとカルボシキル基含有アクリレートモノマーを単量体とする(メタ)アクリル系ポリマー、およびエポキシ系架橋剤を含有する粘着性組成物が開示されている。
しかしながら、特許文献1の技術では、数平均分子量が300以上1500以下という
低分子量の化合物が用いられているので、その化合物自体が被着体汚染の原因物質になる
可能性があり、また粘着剤層が高温下において凝集力低下を引き起こし、被着体表面に粘
着剤が残る可能性もある。
低分子量の化合物が用いられているので、その化合物自体が被着体汚染の原因物質になる
可能性があり、また粘着剤層が高温下において凝集力低下を引き起こし、被着体表面に粘
着剤が残る可能性もある。
また、特許文献2の技術では、粘着組成物の架橋速度が遅く、十分な粘着力を発現するまでにエージング処理時間が長く掛かり、金属被着体への粘着力が充分ではなく経済的に効率が良くないという問題もある。加えて、イソシアネート系架橋剤を用いると塗工前に粘着剤組成物がゲル化してしまう傾向にあり、基材への塗布が困難になると、説明されている。
粘着フィルムは、例えば、FPC基板等の回路基板を一時的に表面保護するための一時表面保護(マスキング)用粘着フィルムとして、または製造工程中で製品を一時的に保持・補強のために固定するための仮固定用粘着フィルムとして、利用することができるが、それ以外に例えば、輸送機器の構造部材や外装部品等として用いられる金属被着体に好ましく適用され得る。具体例としては、自動車(乗用車、トラック、バス、オート三輪、トラクター、雪上車、ブルドーザー、水陸両用車等を包含する。)、鉄道車両(新幹線等の電車、ディーゼル車、リニアモーターカー、ケーブルカー、モノレール、トロリーバス等を包含する。)、航空機(飛行機、ヘリコプター、エアクッション艇等を包含する。)、船舶(大型船舶、小型船舶、水上スクーター等を包含する。)等が挙げられる。一好適例として、航空機の構造部材用のアルミニウム部材(典型的にはジュラルミン部材)に好ましく用いられ得る。また、金属被着体以外の例えば、ガラスや石、建材用途でも利用可能である。
また、加熱工程を経る場合、加熱前後で適度な粘着力を有し、つまり加熱後粘着力上昇が抑えられており、例えば初期粘着力と比較して3倍以内であれば作業性が容易である。かつ充分な耐熱性を有し、つまり剥離後被着体への汚染性が無い(糊残りが無い)ことが作業を行う上で有用で、その様な粘着フィルム用粘着剤組成物が求められていた。
また、加熱工程を経る場合、加熱前後で適度な粘着力を有し、つまり加熱後粘着力上昇が抑えられており、例えば初期粘着力と比較して3倍以内であれば作業性が容易である。かつ充分な耐熱性を有し、つまり剥離後被着体への汚染性が無い(糊残りが無い)ことが作業を行う上で有用で、その様な粘着フィルム用粘着剤組成物が求められていた。
そこで、本発明では、このような背景下において、粘着性能も十分に高く、高温下で使用した後、再剥離性が高く、被着体表面から剥離した際に汚染が生じ難く、またさらにフィルム製造時のエージング期間も短いため経済的に効率が良い粘着フィルムに用いられる粘着剤組成物及び粘着剤、それを用いた粘着フィルムの提供を目的とする。
本発明者らは、粘着剤層を形成するアクリル系樹脂(A)のモノマー成分として、特定の(メタ)アクリル酸エステルモノマー、水酸基含有モノマー、カルボキシル基含有モノマーを用いて、カルボキシル基含有モノマーを特定少量とし、イソシアネート架橋剤(B)を用いることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明の完成に到達した。
すなわち、本発明の要旨は、アルキル基の炭素数が1〜3の(メタ)アクリル酸エステルモノマー、水酸基含有モノマー、カルボキシル基含有モノマーを重合して得られたアクリル系樹脂(A)とイソシアネート系架橋剤(B)を含有する粘着フィルム用粘着剤組成物であって、カルボキシル基含有モノマーのアクリル系樹脂中(A)の含有量が0.01重量%以上5重量%未満である粘着フィルム用粘着組成物及び粘着剤、それを用いた粘着フィルムに関するものである。
なお、本発明における「粘着フィルム」とは、粘着シート、粘着フィルム、粘着テープを概念的に包含するものである。
本発明の粘着フィルム用粘着剤組成物が粘着性、再剥離性、汚染性の低減に優れる理由は明らかでないが、一般的な粘着剤に用いられているアルキル酸エステルモノマーであるブチルアクリレートや2−エチルヘキシルアクリレートに比べ、アルキル基の炭素数が1〜3である(メタ)アルキル酸エステルモノマーを用いることで、比較的ガラス転移温度(Tg)を高く制御することができ、更に水酸基含有モノマーとイソシアネート系架橋剤を含有することで強固な3次元架橋構造ができ、粘着フィルムにおける粘着剤層の凝集力を高めることができると思われる。さらに、特定少量のカルボシキシル基含有モノマーを含有することで塗工性が高く、粘着力を低下させることなく、高温処理後の再剥離性、汚染性の低減という二つの特徴が両立できるものと考えられる。
本発明の粘着フィルム用粘着剤組成物およびこれを架橋させてなる耐熱フィルム用粘着剤によれば、初期の粘着性能も十分に高く、加熱工程後、被着体表面から剥離した際に汚染が生じ難く、また粘着力が極端に強くなることもなく、さらにフィルム製造時のエージング期間も短いといった効果を有するものとなり、そのため経済的に効率良くマスキング用粘着フィルムなどの粘着フィルムを製造することができる。また、本発明のマスキング用粘着フィルムの使用方法によれば、170℃以上の加熱工程に対して被着体表面が保護され、被着体表面から剥離することができる。
以下、本発明を詳細に説明するが、これらは望ましい実施態様の一例を示すものである。 なお、本明細書において、(メタ)アクリルとはアクリルあるいはメタクリルを、(メタ)アクリロイルとはアクリロイルあるいはメタクリロイルを、(メタ)アクリレートとはアクリレートあるいはメタクリレートをそれぞれ意味するものである。
本発明の粘着フィルム用粘着剤組成物はアルキル基の炭素数が1〜3の(メタ)アクリル酸エステルモノマーを含むモノマーを重合してなるアクリル系樹脂(A)を含有してなるものである。アルキル基の炭素数が1〜3の(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、iso−プロピル(メタ)アクリレートが挙げられる。中でも耐熱工程後の汚染性が少ないという点でメチル(メタ)アクリレートが好ましい。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。
上記(メタ)アクリル酸エステルモノマーの含有割合は、アクリル系樹脂(A)を構成するモノマー単位の合計量100重量部に対して5〜50重量部%であることが好ましく、特には7〜40重量部、更には10〜35重量部であることが好ましい。かかる含有量が少なすぎると、耐熱工程後で糊残りによる汚染が発生しやすくなる傾向があり、多すぎると、粘着剤自体の粘度が高くなり、作業性が悪くなる傾向がある。
本発明の粘着フィルム用粘着剤組成物は水酸基含有モノマーを含むモノマーを重合してなるアクリル系樹脂(A)を含有してなるものである。水酸基含有モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、5−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、8−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートモノマー、カプロラクトン変性2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等のカプロラクトン変性モノマー、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクトキシポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール−モノ(メタ)アクリレート、ラウロキシポリエチレングリコール−モノ(メタ)アクリレート、ステアロキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のオキシアルキレン変性モノ(メタ)アクリレート系モノマー;その他、2−アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタル酸、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリルアミド等の1級水酸基含有(メタ)アクリレートモノマー;2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−クロロ2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の2級水酸基含有(メタ)アクリレートモノマー;2,2−ジメチル2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の3級水酸基含有(メタ)アクリレートモノマーが挙げられる。これらは単独で用いてもよいが、粘着剤の凝集力が向上しやすくなる点で2種以上を併用することが好ましい。
なかでも、架橋剤と反応し易いという点で、1級水酸基含有(メタ)アクリレートモノマーが好ましく、更にはヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートモノマーが好ましく、特には2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが好ましく、高温加熱後でも適度な粘着力を示す点で2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートと4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートを併用することが好ましい。
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートと4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートの含有比率としては2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート:4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが0.1:10〜10:0.1(重量)が好ましく、より好ましくは1:10〜10:1、更に好ましくは5:5〜10:1、特に好ましくは5:1〜10:1である。4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートの比率が多すぎると高温下で粘着フィルムに被着体から浮きが生じやすくなるとなる傾向があり、少なすぎると耐熱工程後に糊残りが多くなる傾向がある。
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートと4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートの含有比率としては2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート:4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが0.1:10〜10:0.1(重量)が好ましく、より好ましくは1:10〜10:1、更に好ましくは5:5〜10:1、特に好ましくは5:1〜10:1である。4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートの比率が多すぎると高温下で粘着フィルムに被着体から浮きが生じやすくなるとなる傾向があり、少なすぎると耐熱工程後に糊残りが多くなる傾向がある。
なお、本発明で使用する水酸基含有モノマーの含有割合は、アクリル系樹脂(A)を構成するモノマー単位の合計量100重量部に対して0.1〜30重量部であることが好ましく、特には1〜20重量部、更には5〜10重量部であることが好ましい。かかる含有量が少なすぎると、耐汚染性が低下する傾向があり、多すぎると、粘着力が低下する傾向がある。
本発明の粘着フィルム用粘着剤組成物はカルボキシル基含有モノマーを含むモノマーを重合してなるアクリル系樹脂(A)を含有してなるものである。カルボキシル基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸のダイマー酸等が挙げられ、中でも架橋密度向上の点で(メタ)アクリル酸が好ましい。
カルボキシル基含有モノマーの含有割合は、アクリル系樹脂(A)を構成するモノマー単位の合計量100重量部に対して0.01重量部以上5重量部未満である。より好ましくは0.07〜4重量部、更に好ましくは0.08〜2重量部、特に好ましくは0.08重量部以上1重量部未満である。かかる含有割合が多すぎると塗工の際にゲル化して塗工不可となり、少なすぎると耐汚染性が低下する。
本発明のアクリル系樹脂(A)は本発明の効果を阻害しない範囲で、その他の共重合性モノマーが重合されていてもよい。その他の共重合性モノマーとしては、例えば、脂環構造含有モノマー、芳香族モノマー、アルコキシ基含有モノマー、アミノ基含有モノマー、アミド基含有モノマー等が挙げられる。その他の共重合性モノマーの含有割合はアクリル系樹脂(A)を構成するモノマー単位の合計量100重量部に対して5重量部未満であることが好ましい。
上記脂環構造含有モノマーとしては、例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニルアクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、2−アダマンチル(メタ)アクリレート等の脂環構造を有する(メタ)アクリレートが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
上記芳香族モノマーとしては、例えば、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリプロピレングリコール−(メタ)アクリレート等の芳香環を一つ有する(メタ)アクリレート;フェノキシベンジル(メタ)アクリレート、エトキシ化o−フェニルフェノール(メタ)アクリレート等の芳香環を二つ有する(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
上記アルコキシ基含有モノマーとしては、例えば、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシアルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
上記アミノ基含有モノマーとしては、例えば、アミノメチル(メタ)アクリレート、アミノエチル(メタ)アクリレート等の1級アミノ基含有(メタ)アクリレートモノマー;
t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の2級アミノ基含有(メタ)アクリレートモノマー;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の3級アミノ基含有(メタ)アクリレートモノマー等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
上記アミノ基含有モノマーとしては、例えば、アミノメチル(メタ)アクリレート、アミノエチル(メタ)アクリレート等の1級アミノ基含有(メタ)アクリレートモノマー;
t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の2級アミノ基含有(メタ)アクリレートモノマー;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の3級アミノ基含有(メタ)アクリレートモノマー等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
上記アミド基含有モノマーとしては、(メタ)アクリルアミド;メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、プロポキシメチル(メタ)アクリルアミド、イソプロポキシメチル(メタ)アクリルアミド、n−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等のアルコキシアルキル(メタ)アクリルアミド系モノマー;ジメチル(メタ)アクリルアミド、ジエチル(メタ)アクリルアミド等のジアルキル(メタ)アクリルアミド系モノマー;等が挙げられる。 これらは単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
上記アクリル系樹脂(A)の重合方法としては、溶液ラジカル重合、懸濁重合、塊状重合、乳化重合等の従来公知の方法を用いることができ、例えば、有機溶媒中に、適宜選択してなる共重合成分、重合開始剤を混合あるいは滴下し所定の重合条件にて重合する方法等があり、なかでも、溶液ラジカル重合、塊状重合が好ましく、特に好ましくは安定にアクリル系樹脂が得られる点で溶液ラジカル重合である。
上記重合反応に用いられる有機溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ヘキサン等の脂肪族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の脂肪族アルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類等があげられる。これらの有機溶媒の中でも、重合反応のしやすさや連鎖移動の効果や粘着剤塗工時の乾燥のしやすさ、安全上から、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸ブチル、トルエン、メチルイソブチルケトンが好ましく、特に好ましくは、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトンである。
また、かかるラジカル重合に用いられる重合開始剤としては、例えば、通常のラジカル重合開始剤である2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2’−アゾビス(メチルプロピオン酸)等のアゾ系開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロリルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物等が挙げられ、使用するモノマーに合わせて適宜選択して用いることができる。これらの重合開始剤は、単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。
かくして本発明で用いられるアクリル系樹脂(A)が得られる。
上記アクリル系樹脂(A)の重量平均分子量は、20万〜250万であることが好ましく、特に好ましくは30万〜150万、更に好ましくは50万〜100万である。かかる重量平均分子量が低すぎると適度な粘着力が得られず、粘着層の耐熱性が低下し、耐熱後の被着体汚染が増大する傾向があり、高すぎると、希釈溶剤を大量に必要とし、塗工性やコストの面で不利となる傾向がある。
また、アクリル系樹脂(A)の分散度(重量平均分子量/数平均分子量)は、15以下であることが好ましく、特に好ましくは10以下、更に好ましくは6以下である。かかる分散度が高すぎると凝集力が低下し耐熱性が低下する傾向がある。なお、分散度の下限は通常1である。
なお、上記のアクリル系樹脂(A)の重量平均分子量は、標準ポリスチレン分子量換算による重量平均分子量であり、高速液体クロマトグラフィー(日本Waters社製、「Waters 2695(本体)」と「Waters 2414(検出器)」)に、カラム:Shodex GPC KF−806L(排除限界分子量:2×107、分離範囲:100〜2×107、理論段数:10,000段/本、充填剤材質:スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、充填剤粒径:10μm)の3本直列を用いることにより測定されるものであり、数平均分子量も同様の方法で測定することができる。また分散度は重量平均分子量と数平均分子量より求められる。
上記アクリル系樹脂(A)のガラス転移温度(Tg)は、−100〜25℃であることが好ましく、特に好ましくは−60〜0℃、更に好ましくは−55〜−20℃である。かかるガラス転移温度が高すぎるとタックが低下して貼り合わせし難くなったり、離形フィルムや被着体からリワークする際にジッピングが発生したりする傾向があり、低すぎると耐熱性が低下する傾向がある。
なお、ガラス転移温度は下記のFoxの式より算出されるものである。
Tg:共重合体のガラス転移温度(K)
Tga:モノマーAのホモポリマーのガラス転移温度(K) Wa:モノマーAの重量分率
Tgb:モノマーBのホモポリマーのガラス転移温度(K) Wb:モノマーBの重量分率
Tgn:モノマーNのホモポリマーのガラス転移温度(K) Wn:モノマーNの重量分率
(Wa+Wb+・・・+Wn=1)
即ち、アクリル系樹脂(A)を構成するそれぞれのモノマーのホモポリマーとした際のガラス転移温度および重量分率をFoxの式に当てはめて算出した値である。
なお、アクリル系樹脂を構成するモノマーのホモポリマーとした際のガラス転移温度は、通常、示差走査熱量計(DSC)により測定されるものであり、JIS K7121−1987や、JIS K 6240に準拠した方法で測定することができる。
Tg:共重合体のガラス転移温度(K)
Tga:モノマーAのホモポリマーのガラス転移温度(K) Wa:モノマーAの重量分率
Tgb:モノマーBのホモポリマーのガラス転移温度(K) Wb:モノマーBの重量分率
Tgn:モノマーNのホモポリマーのガラス転移温度(K) Wn:モノマーNの重量分率
(Wa+Wb+・・・+Wn=1)
即ち、アクリル系樹脂(A)を構成するそれぞれのモノマーのホモポリマーとした際のガラス転移温度および重量分率をFoxの式に当てはめて算出した値である。
なお、アクリル系樹脂を構成するモノマーのホモポリマーとした際のガラス転移温度は、通常、示差走査熱量計(DSC)により測定されるものであり、JIS K7121−1987や、JIS K 6240に準拠した方法で測定することができる。
本発明の粘着組成物にはイソシアネート系架橋剤(B)の少なくとも一種を含有する。イソシアネート系架橋剤(B)を含有することで粘着組成物の架橋速度が速くなり、フィルム製造時のエージング期間も短くなることで経済的に効率良く粘着フィルムを得ることができる。
上記イソシアネート系架橋剤(B)としては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート等のトリレンジイソシアネート系化合物;1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等のキシリレンジイソシアネート系化合物;1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート等の芳香族イソシアネート系化合物;ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、およびこれらのイソシアネート系化合物とトリメチロールプロパン等のポリオール化合物とのアダクト体、これらポリイソシアネート化合物のビュレット体やイソシアヌレート体等が挙げられる。これらは、単独で使用しても良いし、2種以上を併用してもよい。なかでも、反応性が高く、耐熱性が向上し、被着体汚染が少ない点からトリレンジイソシアネート系架橋剤が好ましく、更には2,4−トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンとのアダクト体が好ましい。
上記イソシアネート系架橋剤(B)の含有量は、アクリル系樹脂(A)100重量部に対して、0.05〜10重量部であることが好ましく、さらに好ましくは0.1〜5重量部、特に好ましくは0.2〜3重量部である。かかるイソシアネート系架橋剤(B)の含有量が少なすぎると、粘着剤の凝集力が低下し、耐熱汚染性が低下する傾向があり、多すぎると、未反応の架橋剤が残ることによって被着体への汚染性が生じやすくなる傾向がある。
本発明においては、本発明の効果を失わない範囲で、イソシアネート系架橋剤(B)以外の架橋剤を含有してもよく、例えば、エポシキ系架橋剤、金属キレート系架橋剤、アジリジン系架橋剤、メラミン系架橋剤、アルデヒド系架橋剤、アミン系架橋剤などを含有してもよい。
本発明の粘着フィルム用粘着剤組成物は、本発明の効果を損なわない範囲において、さらに酸化防止剤、可塑剤、充填剤、帯電防止剤、顔料、希釈剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、粘着付与樹脂等の添加剤をさらに含有していてもよく、これらの添加剤は1種または2種以上を併用して用いてもよく、特に酸化防止剤は粘着剤層の安定性を保つのに有効である。なお、添加剤の他にも、粘着剤組成物の構成成分の製造原料等に含まれる不純物等が少量含有されたものであっても良い。
本発明の粘着フィルム用粘着剤組成物が架橋されてなる粘着フィルム用粘着剤のゲル分率は、通常、40〜100%、好ましくは60〜100%、特に好ましくは80〜100%、さらに好ましくは90〜100%、殊に好ましくは95〜100%である。ゲル分率が低すぎると粘着剤の凝集力が低下し、糊残りを生じて、被着体汚染の原因となる傾向がある。
なお、粘着剤のゲル分率を上記範囲に調整するにあたっては、例えば、架橋剤の種類と量を調整すること、組成物中の水酸基の組成比を調整すること等により達成される。また、かかる架橋剤と官能基量との割合は、それぞれの相互作用によりゲル分率が変化するので、それぞれバランスをとることが必要になる。
上記ゲル分率は、架橋度の目安となるもので、例えば、以下の方法にて算出される。すなわち、基材となる高分子シート(例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム等)に粘着剤層が形成されてなる粘着シート(セパレーターを設けていないもの)を200メッシュのSUS製金網で包み、トルエン中に23℃×24時間浸漬し、金網中に残存した不溶解の粘着剤成分の重量百分率をゲル分率とする。ただし、基材の重量は差し引いて算出する。
本発明の粘着フィルム用粘着剤組成物が架橋されてなる粘着フィルム用粘着剤の初期粘着力としては、3N/25mm以上が好ましく、特に好ましくは4N/25mm以上、更に好ましくは5N/25mm以上である。本発明の粘着フィルムを使用する際、加熱工程後に粘着力が低下しないことが好ましく、逆に大きくなり過ぎると剥離できなかったり、剥離時に破れたり、糊残りによる汚染が生じる為、大きくなり過ぎないことが好ましい。初期粘着力に対して、加熱工程後の粘着力は0.8〜5倍が好ましく、より好ましくは0.9〜4倍、特に好ましくは1〜3倍である。なお、粘着力は、後述の実施例中の〔粘着力〕の試験方法に従って得られた180度剥離粘着力(N/25mm)である。
本発明においては、上記粘着フィルム用粘着剤組成物が架橋されてなる粘着剤層を基材であるフィルム上に積層形成することにより、本発明の粘着フィルムを得ることができる。粘着剤層を積層形成する基材としては、例えば、金属、ポリエステル系樹脂、ポリフッ化エチレン系樹脂、ポリイミドおよびその誘導体、エポキシ樹脂等からなる単層または積層構造のフィルムが挙げられるが、耐熱性や実際の使用上の利便性の面から、ポリイミドフィルムが好ましく、ポリエステル系フィルムがより好ましい。粘着フィルムには、粘着剤層の基材とは反対側の面に、さらに離型フィルムを設けることが好ましい。粘着フィルムを実用に供する際には、上記離型フィルムを剥離して用いられる。上記離型フィルムとしては、シリコン系の離型フィルム、オレフィン系の離型フィルム、フッ素系の離型フィルム、長鎖アルキル系離型フィルム、アルキッド系の離型フィルムを用いることができる。
上記の粘着フィルムを製造するに際して、本発明の粘着フィルム用粘着剤組成物を架橋させる方法については、〔1〕基材上に、粘着フィルム用粘着剤組成物を塗布、乾燥した後、離型フィルムを貼合し、エージング処理を行なう方法、〔2〕離型フィルム上に、粘着フィルム用粘着剤組成物を塗布し、乾燥した後、基材を貼合し、エージング処理を行なう方法が挙げられる。これらの中でも、〔2〕の方法が基材を痛めない点、作業性や安定製造の点で好ましい。
上記エージング処理は、粘着物性のバランスをとるために行なうものであり、エージングの条件としては、温度は通常、0〜150℃、好ましくは10〜100℃、特に好ましくは20〜80℃、時間は通常、30日未満、好ましくは14日未満、特に好ましくは7日未満であり、具体的には、例えば23℃で3〜10日間、40℃で1〜7日間等の条件で行なうことができる。架橋剤としてイソシアネート系架橋剤(B)を用いることでエージング期間を短くすることができ、効率良く粘着フィルムを製造することができる。
粘着フィルム用粘着剤組成物の塗布に際しては、この粘着剤組成物を溶剤に希釈して塗布することが好ましく、希釈濃度としては、好ましくは5〜60重量%、特に好ましくは10〜50重量%である。また、上記溶剤としては、粘着フィルム用粘着剤組成物を溶解させるものであれば特に限定されることなく、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等のエステル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤、メタノール、エタノール、プロピルアルコール等のアルコール系溶剤を用いることができる。これらの中でも、溶解性、乾燥性、価格等の点から酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、トルエンが好適に用いられる。
また、上記粘着剤組成物の塗布に関しては、ロールコーティング、ダイコーティング、グラビアコーティング、コンマコーティング、スクリーン印刷等の慣用の方法により行なうことができる。
粘着フィルムにおける粘着剤層の厚みは、好ましくは5〜300μm、特に好ましくは5〜60μm、さらに好ましくは10〜30μmである。この粘着剤層が薄すぎると粘着物性が安定しにくい傾向があり、厚すぎると粘着フィルム全体が厚すぎて、使い勝手が悪くなる傾向がある。
本発明の粘着フィルムは、例えば、FPC基板等の回路基板を一時的に表面保護するための一時表面保護(マスキング)用粘着フィルムとして、または製造工程中で製品を一時的に保持・補強のために固定するための仮固定用粘着フィルムとして、利用することができる。
またそれ以外に、金属被着体へ利用ができることから、例えば、輸送機器の構造部材や外装部品等として用いられる金属被着体に好ましく適用され得る。具体例としては、自動車(乗用車、トラック、バス、オート三輪、トラクター、雪上車、ブルドーザー、水陸両用車等を包含する。)、鉄道車両(新幹線等の電車、ディーゼル車、リニアモーターカー、ケーブルカー、モノレール、トロリーバス等を包含する。)、航空機(飛行機、ヘリコプター、エアクッション艇等を包含する。)、船舶(大型船舶、小型船舶、水上スクーター等を包含する。)等が挙げられる。一好適例として、航空機の構造部材用のアルミニウム部材(典型的にはジュラルミン部材)に好ましく用いられ得る。
粘着フィルムの被着対象である被着体としては、下記に示す材料の基材が例示される。
またそれ以外に、金属被着体へ利用ができることから、例えば、輸送機器の構造部材や外装部品等として用いられる金属被着体に好ましく適用され得る。具体例としては、自動車(乗用車、トラック、バス、オート三輪、トラクター、雪上車、ブルドーザー、水陸両用車等を包含する。)、鉄道車両(新幹線等の電車、ディーゼル車、リニアモーターカー、ケーブルカー、モノレール、トロリーバス等を包含する。)、航空機(飛行機、ヘリコプター、エアクッション艇等を包含する。)、船舶(大型船舶、小型船舶、水上スクーター等を包含する。)等が挙げられる。一好適例として、航空機の構造部材用のアルミニウム部材(典型的にはジュラルミン部材)に好ましく用いられ得る。
粘着フィルムの被着対象である被着体としては、下記に示す材料の基材が例示される。
アルミニウム、銅、鉄、ステンレス、マグネシウム、ニッケル、チタン等の金属板あるいは金属箔;
大理石、御影石、人造石、テラゾー、セラミックタイル等の石材;
ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート共重合体、エステルアクリレート等のポリエステル系樹脂;
ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、クロルスルフォン化ポリエチレン、エチレンプロピレンゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−イソブチルアクリレート共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、アイノノマー、ポリプロピレン、ポリアロマーポリブチレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂;
ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリ4フッ化エチレン、エチレン−4フッ化エチレン共重合体等のポリフッ化エチレン系樹脂;
ポリスチレン、ポリαメチルスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン−アクリレート共重合体;
ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル等のポリアルキル(メタ)アクリレートやメチルメタクリレート−スチレン共重合体、メチルメタクリレート−α−メチルスチレン共重合体等のアクリル系樹脂;
ポリ塩化ビニル、可塑化ポリ塩化ビニル、ABS変性ポリ塩化ビニル、後塩素化ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニル−アクリル樹脂アロイ、塩化ビニル−プロピレン共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデン等のポリ塩化ビニル重合体およびその誘導体;
ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルフォルマール、ポリビニルブチラール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ビニロン等のポリ酢酸ビニル、およびその誘導体;
ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルメチルケトン;
ポリホルムアルデヒド、アセタールコポリマー、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、塩素化ポリエーテル、フェノキシ樹脂、ポリフェニレンオキサオド等のポリエーテル;
ポリテロラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、クロロトリフルオロエチレン−フッ化ビニリデン共重合体等のフッ化樹脂;
ポリカーボネート、ポリカーボネートABSアロイ;ナイロン、ナイロン−6、ナイロン−6,6、ナイロン−6/6,6共重合体、ナイロン−6,10、ナイロン−6,12、ナイロン−11、ナイロン−12等のナイロン(ポリアミド)類;
ブタジエン−スチレン共重合体、ブタジエン系プラスチック;
ポリイミドおよびその誘導体、ポリスルホン、ポリフェニレンサルファイド、高アクリルニトリル共重合体;
けい素樹脂、半無機および無機高分子;
フェノール樹脂、フェノール−フルフラール樹脂、変性フェノール樹脂等のフェノール樹脂およびその誘導体;
フラン樹脂、キシレン樹脂、アニリン樹脂、アセトンホルムアルデヒド樹脂等のホルマリン樹脂;
不飽和ポリエステルとアルキッド樹脂;
ビスフェノール型エポキシ樹脂、エポキシ樹脂複合材料、脂環エポキシ樹脂、エポキシノボラック、ビフェニル型エポキシ樹脂、エポキシアクリレート等のエポキシ樹脂;
ポリウレタン、発泡ウレタン、ウレタンアクリレート等のポリウレタン;
ジアリルフタレート樹脂、トリアリルシアヌレート樹脂、ポリアリルスルホン、アリルジグリコールカーボネート、ポリアリルエーテル、ポリアリレート等のアリル樹脂;
セルロース系プラスチック、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、エチルセルロース、ニトロセルロースとセルロイド等のセルロース系樹脂。
大理石、御影石、人造石、テラゾー、セラミックタイル等の石材;
ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート共重合体、エステルアクリレート等のポリエステル系樹脂;
ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、クロルスルフォン化ポリエチレン、エチレンプロピレンゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−イソブチルアクリレート共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、アイノノマー、ポリプロピレン、ポリアロマーポリブチレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂;
ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリ4フッ化エチレン、エチレン−4フッ化エチレン共重合体等のポリフッ化エチレン系樹脂;
ポリスチレン、ポリαメチルスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン−アクリレート共重合体;
ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル等のポリアルキル(メタ)アクリレートやメチルメタクリレート−スチレン共重合体、メチルメタクリレート−α−メチルスチレン共重合体等のアクリル系樹脂;
ポリ塩化ビニル、可塑化ポリ塩化ビニル、ABS変性ポリ塩化ビニル、後塩素化ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニル−アクリル樹脂アロイ、塩化ビニル−プロピレン共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデン等のポリ塩化ビニル重合体およびその誘導体;
ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルフォルマール、ポリビニルブチラール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ビニロン等のポリ酢酸ビニル、およびその誘導体;
ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルメチルケトン;
ポリホルムアルデヒド、アセタールコポリマー、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、塩素化ポリエーテル、フェノキシ樹脂、ポリフェニレンオキサオド等のポリエーテル;
ポリテロラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、クロロトリフルオロエチレン−フッ化ビニリデン共重合体等のフッ化樹脂;
ポリカーボネート、ポリカーボネートABSアロイ;ナイロン、ナイロン−6、ナイロン−6,6、ナイロン−6/6,6共重合体、ナイロン−6,10、ナイロン−6,12、ナイロン−11、ナイロン−12等のナイロン(ポリアミド)類;
ブタジエン−スチレン共重合体、ブタジエン系プラスチック;
ポリイミドおよびその誘導体、ポリスルホン、ポリフェニレンサルファイド、高アクリルニトリル共重合体;
けい素樹脂、半無機および無機高分子;
フェノール樹脂、フェノール−フルフラール樹脂、変性フェノール樹脂等のフェノール樹脂およびその誘導体;
フラン樹脂、キシレン樹脂、アニリン樹脂、アセトンホルムアルデヒド樹脂等のホルマリン樹脂;
不飽和ポリエステルとアルキッド樹脂;
ビスフェノール型エポキシ樹脂、エポキシ樹脂複合材料、脂環エポキシ樹脂、エポキシノボラック、ビフェニル型エポキシ樹脂、エポキシアクリレート等のエポキシ樹脂;
ポリウレタン、発泡ウレタン、ウレタンアクリレート等のポリウレタン;
ジアリルフタレート樹脂、トリアリルシアヌレート樹脂、ポリアリルスルホン、アリルジグリコールカーボネート、ポリアリルエーテル、ポリアリレート等のアリル樹脂;
セルロース系プラスチック、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、エチルセルロース、ニトロセルロースとセルロイド等のセルロース系樹脂。
特に、耐熱性を有する材料として、アルミニウム、銅、鉄、ステンレス、マグネシウム、ニッケル、チタン等の金属板あるいは金属箔等;大理石、御影石、人造石、テラゾー、セラミックタイル等の石材;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート共重合体、エステルアクリレート等のポリエステル系樹脂;ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリ4フッ化エチレン、エチレン−4フッ化エチレン共重合体等のポリフッ化エチレン系樹脂;ポリイミドおよびその誘導体;ビスフェノール型エポキシ樹脂、エポキシ樹脂複合材料、脂環エポキシ樹脂、エポキシノボラック、ビフェニル型エポキシ樹脂、エポキシアクリレート等のエポキシ樹脂などが挙げられる。
本発明の粘着フィルム用粘着剤組成物を用いて得られる粘着フィルムの用途としては耐熱粘着フィルム用に好ましく用いられ、例えばプリント基板、特にフレキシブルプリント基板等の工程用キャリアフィルム;加熱工程のあるフィルムや箔のカール、シワ、汚染防止の為の保護フィルム;プリント基板ハンダメッキ用保護フィルム;耐熱トランス等の絶縁及び耐熱保護用フィルム;電子回路基板のハンダリフロー工程中のマスキング用フィルム;各種の仮固定や部品保護用フィルム;スルーホールのシール用フィルム等の用途が挙げられ、耐熱を要するマスキング用途や仮固定用途全般に広く用いることが可能である。
例えば、輸送機器の構造部材や外装部品等として用いられる金属被着体に好ましく適用され得る。具体例としては、自動車(乗用車、トラック、バス、オート三輪、トラクター、雪上車、ブルドーザー、水陸両用車等を包含する。)、鉄道車両(新幹線等の電車、ディーゼル車、リニアモーターカー、ケーブルカー、モノレール、トロリーバス等を包含する。)、航空機(飛行機、ヘリコプター、エアクッション艇等を包含する。)、船舶(大型船舶、小型船舶、水上スクーター等を包含する。)等が挙げられる。一好適例として、航空機の構造部材用のアルミニウム部材(典型的にはジュラルミン部材)に好ましく用いられる。
例えば、輸送機器の構造部材や外装部品等として用いられる金属被着体に好ましく適用され得る。具体例としては、自動車(乗用車、トラック、バス、オート三輪、トラクター、雪上車、ブルドーザー、水陸両用車等を包含する。)、鉄道車両(新幹線等の電車、ディーゼル車、リニアモーターカー、ケーブルカー、モノレール、トロリーバス等を包含する。)、航空機(飛行機、ヘリコプター、エアクッション艇等を包含する。)、船舶(大型船舶、小型船舶、水上スクーター等を包含する。)等が挙げられる。一好適例として、航空機の構造部材用のアルミニウム部材(典型的にはジュラルミン部材)に好ましく用いられる。
本発明の粘着フィルムのうち、マスキング用粘着フィルムの使用方法について説明する。まず、本発明のマスキング用粘着フィルムを上記被着体の表面に貼り付ける。貼り付ける手段としては、例えば、ゴムローラーなどが挙げられる。次に、粘着フィルムが貼り付けられた被着体を170℃以上、好ましくは175℃以上、特に好ましくは180℃以上の加熱工程に付す。加熱工程が終了した後、その耐熱マスキング用粘着フィルムを被着体表面から剥離する。
本発明のマスキング用粘着フィルムは、高温で使用した後、被着体から剥離した際に汚染が生じ難く、また粘着性能も十分に高いので、被着体表面の一時的保護に有効である。
本発明のマスキング用粘着フィルムは、高温で使用した後、被着体から剥離した際に汚染が生じ難く、また粘着性能も十分に高いので、被着体表面の一時的保護に有効である。
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。なお、例中「部」、「%」とあるのは、重量基準を意味する。
まず、下記のようにして各種アクリル系樹脂(A)を調製した。なお、アクリル系樹脂(A)の重量平均分子量、分散度、ガラス転移温度、粘度の測定に関しては、前述の方法にしたがって測定した。
[アクリル系樹脂(A)の製造方法]
<実施例用製造例>
〔製造例1〕
温度計、攪拌機、滴下ロート及び還流冷却器を備えた反応器内に、酢酸エチル46部、アセトン10部を仕込み、撹拌しながら昇温し、73℃になったらメチルアクリレート(MA)31.6部、2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)60.3部、2−ヒドロキシエチルアクリレート(2HEA)7部、アクリル酸(AA)0.1部、アゾビスジメチルバレロニトリル(ADVN)0.06部、酢酸エチル4部を混合溶解させた混合液を2時間にわたって滴下した。更に、重合途中に、酢酸エチル6.7部に4−ヒドロキシブチルアクリレート(4HBA)1部を混合させた混合溶液、酢酸エチル6.7部にADVN0.04部を混合させた混合溶液、最後に酢酸エチル6.7部にADVN0.04部を混合させた混合溶液を逐次追加しながら前記温度で還流下8.0時間還流させた後、酢酸エチルで希釈してアクリル系樹脂(A)(アクリル樹脂A−1)の40%溶液を得た。
得られたアクリル系樹脂(A−1)は、重量平均分子量71万、分散度4.3、ガラス転移温度(Fox式より算出)−46.3℃であった。
<実施例用製造例>
〔製造例1〕
温度計、攪拌機、滴下ロート及び還流冷却器を備えた反応器内に、酢酸エチル46部、アセトン10部を仕込み、撹拌しながら昇温し、73℃になったらメチルアクリレート(MA)31.6部、2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)60.3部、2−ヒドロキシエチルアクリレート(2HEA)7部、アクリル酸(AA)0.1部、アゾビスジメチルバレロニトリル(ADVN)0.06部、酢酸エチル4部を混合溶解させた混合液を2時間にわたって滴下した。更に、重合途中に、酢酸エチル6.7部に4−ヒドロキシブチルアクリレート(4HBA)1部を混合させた混合溶液、酢酸エチル6.7部にADVN0.04部を混合させた混合溶液、最後に酢酸エチル6.7部にADVN0.04部を混合させた混合溶液を逐次追加しながら前記温度で還流下8.0時間還流させた後、酢酸エチルで希釈してアクリル系樹脂(A)(アクリル樹脂A−1)の40%溶液を得た。
得られたアクリル系樹脂(A−1)は、重量平均分子量71万、分散度4.3、ガラス転移温度(Fox式より算出)−46.3℃であった。
〔製造例2〕
上記アクリル系樹脂(A−1)において、4−ヒドロキシブチルアクリレート(4HBA)を2−ヒドロキシエチルアクリレート(2HEA)に変更した以外は同様にして、アクリル系樹脂(A)(アクリル樹脂A−2)の40%溶液を得た。
得られたアクリル系樹脂(A−2)のガラス転移温度(Fox式より算出)は−46.1℃であった。
上記アクリル系樹脂(A−1)において、4−ヒドロキシブチルアクリレート(4HBA)を2−ヒドロキシエチルアクリレート(2HEA)に変更した以外は同様にして、アクリル系樹脂(A)(アクリル樹脂A−2)の40%溶液を得た。
得られたアクリル系樹脂(A−2)のガラス転移温度(Fox式より算出)は−46.1℃であった。
〔製造例3〕
上記アクリル系樹脂(A−1)において、メチルアクリレート(MA)31.5部、2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)59.5部、アクリル酸(AA)1部に変更した以外は同様にして、アクリル系樹脂(A)(アクリル樹脂A−3)の40%溶液を得た。
得られたアクリル系樹脂(A−3)のガラス転移温度は(Fox式より算出)は−45.3℃であった。
上記アクリル系樹脂(A−1)において、メチルアクリレート(MA)31.5部、2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)59.5部、アクリル酸(AA)1部に変更した以外は同様にして、アクリル系樹脂(A)(アクリル樹脂A−3)の40%溶液を得た。
得られたアクリル系樹脂(A−3)のガラス転移温度は(Fox式より算出)は−45.3℃であった。
〔製造例4〕
上記アクリル系樹脂(A−1)において、メチルアクリレート(MA)32部、2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)57部、アクリル酸(AA)3部に変更した以外は同様にして、アクリル系樹脂(A)(アクリル樹脂A−4)の40%溶液を得た。
得られたアクリル系樹脂(A−4)のガラス転移温度は(Fox式より算出)は−42.5℃であった。
上記アクリル系樹脂(A−1)において、メチルアクリレート(MA)32部、2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)57部、アクリル酸(AA)3部に変更した以外は同様にして、アクリル系樹脂(A)(アクリル樹脂A−4)の40%溶液を得た。
得られたアクリル系樹脂(A−4)のガラス転移温度は(Fox式より算出)は−42.5℃であった。
〔製造例5〕
上記アクリル系樹脂(A−4)において、アクリル酸(AA)5部に変更した以外は同様にして、アクリル系樹脂(A)(アクリル樹脂A−5)の40%溶液を得た。
得られたアクリル系樹脂(A−5)のガラス転移温度は(Fox式より算出)は−40.1℃であった。
上記アクリル系樹脂(A−4)において、アクリル酸(AA)5部に変更した以外は同様にして、アクリル系樹脂(A)(アクリル樹脂A−5)の40%溶液を得た。
得られたアクリル系樹脂(A−5)のガラス転移温度は(Fox式より算出)は−40.1℃であった。
〔製造例6〕
上記アクリル系樹脂(A−1)において、メチルアクリレート(MA)をn−ブチルアクリレート(BA)に変更した以外は同様にして、アクリル系樹脂(A)(アクリル樹脂A−6)の40%溶液を得た。
得られたアクリル系樹脂(A−6)のガラス転移温度は(Fox式より算出)は−62.1℃であった。
上記アクリル系樹脂(A−1)において、メチルアクリレート(MA)をn−ブチルアクリレート(BA)に変更した以外は同様にして、アクリル系樹脂(A)(アクリル樹脂A−6)の40%溶液を得た。
得られたアクリル系樹脂(A−6)のガラス転移温度は(Fox式より算出)は−62.1℃であった。
〔製造例7〕
上記アクリル系樹脂(A−1)において、メチルアクリレート(MA)20部、2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)60部、2−ヒドロキシエチルアクリレート(2HEA)4部、4−ヒドロキシブチルアクリレート(4HBA)6部、アクリル酸(AA)10部に変更した以外は同様にして、アクリル系樹脂(A)(アクリル樹脂A−7)の40%溶液を得た。
得られたアクリル系樹脂(A−6)のガラス転移温度は(Fox式より算出)は−42.3℃であった。
上記アクリル系樹脂(A−1)において、メチルアクリレート(MA)20部、2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)60部、2−ヒドロキシエチルアクリレート(2HEA)4部、4−ヒドロキシブチルアクリレート(4HBA)6部、アクリル酸(AA)10部に変更した以外は同様にして、アクリル系樹脂(A)(アクリル樹脂A−7)の40%溶液を得た。
得られたアクリル系樹脂(A−6)のガラス転移温度は(Fox式より算出)は−42.3℃であった。
実施例、比較例用製造例1〜8における各モノマー成分の含有率を下記の表1にまとめた。
架橋剤としては、以下のものを使用した。
・ イソシアネート系架橋剤(B)(日本ポリウレタン工業(株)製、「コロネートL−55E」)
・ エポキシ系架橋剤(B‘)(三菱ガス化学(株)製、「テトラッド−C」)
・ イソシアネート系架橋剤(B)(日本ポリウレタン工業(株)製、「コロネートL−55E」)
・ エポキシ系架橋剤(B‘)(三菱ガス化学(株)製、「テトラッド−C」)
<実施例1>
上記で得られたアクリル系樹脂(A−1)の固形分100部に対して、架橋剤(B−1)(日本ポリウレタン工業(株)製のイソシアネート系架橋剤、「コロネートL−55E」)を2重量部配合し、更に、酢酸エチルを用いて、固形分濃度35%に希釈した後、乾燥後の厚さが約25μmになるように、基材としてのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚さ38μm)に塗布し、100℃で2分間乾燥させた。その後、塗工面に、離型処理されたPETフィルムを貼着して保護し、温度40℃の雰囲気下で7日間養生し、粘着フィルムを得た。
上記で得られたアクリル系樹脂(A−1)の固形分100部に対して、架橋剤(B−1)(日本ポリウレタン工業(株)製のイソシアネート系架橋剤、「コロネートL−55E」)を2重量部配合し、更に、酢酸エチルを用いて、固形分濃度35%に希釈した後、乾燥後の厚さが約25μmになるように、基材としてのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚さ38μm)に塗布し、100℃で2分間乾燥させた。その後、塗工面に、離型処理されたPETフィルムを貼着して保護し、温度40℃の雰囲気下で7日間養生し、粘着フィルムを得た。
<実施例2>
上記の実施例1において粘着剤層の厚みを50μmとなるように塗工した以外は同様にして粘着フィルムを得た。
上記の実施例1において粘着剤層の厚みを50μmとなるように塗工した以外は同様にして粘着フィルムを得た。
<実施例3〜5、比較例1〜4>
表1に記載したアクリル系樹脂(A−1,A−2、A−3、A−4、A−5、A−6、A−7)を用いて、実施例3〜5および比較例1〜2は、イソシアネート架橋剤(B)を、アクリル系樹脂溶液の固形分100部に対して2重量部配合した。比較例3〜4は、エポキシ系架橋剤(B‘)を、アクリル系樹脂(A−1、A−7)溶液の固形分100部に対して4重量部配合した。それ以外は実施例1と同様にして粘着フィルムを得た。
表1に記載したアクリル系樹脂(A−1,A−2、A−3、A−4、A−5、A−6、A−7)を用いて、実施例3〜5および比較例1〜2は、イソシアネート架橋剤(B)を、アクリル系樹脂溶液の固形分100部に対して2重量部配合した。比較例3〜4は、エポキシ系架橋剤(B‘)を、アクリル系樹脂(A−1、A−7)溶液の固形分100部に対して4重量部配合した。それ以外は実施例1と同様にして粘着フィルムを得た。
実施例、比較例で得られた粘着フィルムについて、以下の評価を行ない、それぞれ表1にまとめた。なお、離型処理されたPETフィルムは各種測定試験を実施する際に引き剥がした。
〔ゲル分率〕
得られた粘着フィルムについてゲル分率を算出した。すなわち、試験片を200メッシュのSUS製金網で包み、トルエン中に23℃×24時間浸漬し、金網中に残存した不溶解の粘着剤成分の重量百分率をゲル分率とした。ただし、基材の重量は差し引いておく。
得られた粘着フィルムについてゲル分率を算出した。すなわち、試験片を200メッシュのSUS製金網で包み、トルエン中に23℃×24時間浸漬し、金網中に残存した不溶解の粘着剤成分の重量百分率をゲル分率とした。ただし、基材の重量は差し引いておく。
〔塗工性〕
アクリル系(A)樹脂溶液に架橋剤を配合し、固形分濃度35%に希釈した後、乾燥後の厚さが約25μmになるように、基材としてのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚さ38μm)に塗布し、100℃で2分間の乾燥工程を行う。その塗工の際に、平面な塗工ができるかどうか評価した。
○:塗工筋等がない平面な塗工が可能である。
△:平面な塗工が難しく、塗工筋がある。
×:ゲル化して塗工不可
アクリル系(A)樹脂溶液に架橋剤を配合し、固形分濃度35%に希釈した後、乾燥後の厚さが約25μmになるように、基材としてのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚さ38μm)に塗布し、100℃で2分間の乾燥工程を行う。その塗工の際に、平面な塗工ができるかどうか評価した。
○:塗工筋等がない平面な塗工が可能である。
△:平面な塗工が難しく、塗工筋がある。
×:ゲル化して塗工不可
〔初期粘着力〕
上記で得られた粘着フィルムを幅25mm、長さ150mmにカットして試験片を作製した。次いで、被着体としてステンレス板(SUS304BA板、エンジニアリングテストサービス、JIS規格適合品)の試験板を使用し、23℃、相対湿度50%の雰囲気下にて2kgゴムローラー2往復で加圧貼付し、同雰囲気下で30分放置した後、JIS Z 0237に準じて、剥離速度300mm/minで180度剥離粘着力(N/25mm)を測定した。
上記で得られた粘着フィルムを幅25mm、長さ150mmにカットして試験片を作製した。次いで、被着体としてステンレス板(SUS304BA板、エンジニアリングテストサービス、JIS規格適合品)の試験板を使用し、23℃、相対湿度50%の雰囲気下にて2kgゴムローラー2往復で加圧貼付し、同雰囲気下で30分放置した後、JIS Z 0237に準じて、剥離速度300mm/minで180度剥離粘着力(N/25mm)を測定した。
〔加熱工程後の粘着力〕
上記で得られた粘着フィルムを40℃で7日間エージング処理した後、粘着フィルムを幅25mm、長さ150mmにカットして試験片を作製した。次いで、被着体としてステンレス板(SUS304BA板、JIS規格適合品)の試験板を使用し、23℃、相対湿度50%の雰囲気下にて2kgゴムローラー2往復で加圧貼付し、同雰囲気下で30分放置した。続いて、200℃のオーブンに2時間静置し、その後23℃、相対湿度50%の雰囲気下で、2時間放置した後、JIS Z 0237に準じて、剥離速度300mm/minで180度剥離粘着力(N/25mm)を測定した。
上記で得られた粘着フィルムを40℃で7日間エージング処理した後、粘着フィルムを幅25mm、長さ150mmにカットして試験片を作製した。次いで、被着体としてステンレス板(SUS304BA板、JIS規格適合品)の試験板を使用し、23℃、相対湿度50%の雰囲気下にて2kgゴムローラー2往復で加圧貼付し、同雰囲気下で30分放置した。続いて、200℃のオーブンに2時間静置し、その後23℃、相対湿度50%の雰囲気下で、2時間放置した後、JIS Z 0237に準じて、剥離速度300mm/minで180度剥離粘着力(N/25mm)を測定した。
〔汚染性評価〕
上述した試験片を、200℃で2時間加熱後の粘着力試験において、加熱後の粘着テープを剥離した際、SUSBA板上の汚染性(糊残り)の有無を目視にて観察し、以下の基準で評価した。
◎:全く汚染が確認されなかった。
○:ほとんど汚染が確認されなかった。
△:僅かに汚染が確認された。
×:明らかに汚染が確認された。
上述した試験片を、200℃で2時間加熱後の粘着力試験において、加熱後の粘着テープを剥離した際、SUSBA板上の汚染性(糊残り)の有無を目視にて観察し、以下の基準で評価した。
◎:全く汚染が確認されなかった。
○:ほとんど汚染が確認されなかった。
△:僅かに汚染が確認された。
×:明らかに汚染が確認された。
表1に示すように、実施例1〜5の粘着フィルムでは、初期粘着性能も十分に高く、また、200℃の加熱工程後の粘着力の上昇も3倍以内に抑えられていた。その範囲にあれば、剥離の作業が容易と感じられる粘着力である。また加熱工程後、被着体表面から剥離した際に汚染が生じ難かった。
一方、比較例1、比較例4のカルボキシル基含有モノマー量の多いアクリル系樹脂(A−5,A−7)では塗工性が極端に低下したり、粘着フィルムの加熱工程後に被着体への汚染があることが分かる。アルキル基の炭素数が3より大きいアクリル酸エステルモノマーを用いた比較例2では充分な初期粘着力が発現せず、架橋剤としてエポキシ系架橋剤(B‘)を用いた比較例3では所定のエージング時間ではゲル分率が充分に向上せず、加熱工程後に被着体への汚染があることが分かる。
本発明の粘着フィルム用粘着剤組成物は、耐熱を要するマスキング用途や仮固定用
途全般に広く用いられる粘着フィルム、特にマスキング用粘着フィルムに好適に
用いることができる。
途全般に広く用いられる粘着フィルム、特にマスキング用粘着フィルムに好適に
用いることができる。
Claims (9)
- (メタ)アクリル酸エステルモノマー、水酸基含有モノマー、カルボキシル基含有モノマーを重合して得られるアクリル系樹脂(A)とイソシアネート系架橋剤(B)を含有する粘着フィルム用粘着剤組成物であって、前記(メタ)アクリル酸エステルモノマーのアルキル基の炭素数が1〜3である(メタ)アルキル酸エステルモノマーを少なくとも一つ含み、前記アクリル系樹脂(A)を構成するモノマー単位の合計量100重量部に対する、カルボキシル基含有モノマー量が0.01重量部以上5重量部未満であることを特徴とする粘着フィルム用粘着剤組成物。
- 前記水酸基含有モノマーが2種以上の水酸基含有モノマーである請求項1の粘着フィルム用粘着剤組成物。
- 前記水酸基含有モノマーの1種が4−ヒドロキシブチルアクリレートである請求項1または2の粘着フィルム用粘着剤組成物。
- アクリル系樹脂(A)を構成するモノマー単位の合計量100重量部に対する、4−ヒドロキシブチルアクリレートの含有量が0.1〜15重量部である請求項3の粘着フィルム用粘着剤組成物。
- 前記水酸基含有モノマーとして少なくとも4−ヒドロキシブチルアクリレートと2−ヒドロキシエチルアクリレートを含み、4−ヒドロキシブチルアクリレートと2−ヒドロキシエチルアクリレートの比率が、4−ヒドロキシブチルアクリレート:2−ヒドロキシエチルアクリレートが0.1:10〜10:0.1(重量)である請求項3または4の粘着フィルム用粘着剤組成物
- 粘着フィルム用粘着剤組成物が耐熱粘着フィルム用である請求項1~5いずれかに記載の粘着フィルム用粘着剤組成物。
- 請求項1〜6いずれかに記載の粘着フィルム用粘着剤組成物が架橋されてなる粘着フィルム用粘着剤。
- 請求項の7記載の粘着フィルム用粘着剤を含有する粘着剤層をフィルム上に有する粘着フィルム。
- 請求項の7記載の粘着フィルム用粘着剤を含有する粘着剤層をフィルム上に有するマスキング用粘着フィルム。
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JP2018159601A JP2020033424A (ja) | 2018-08-28 | 2018-08-28 | 粘着剤組成物、これを架橋させてなる粘着剤および粘着フィルム |
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CN115820183A (zh) * | 2022-12-23 | 2023-03-21 | 深圳市道尔科技有限公司 | 一种耐高温高强度、高导热胶的制备方法 |
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2018
- 2018-08-28 JP JP2018159601A patent/JP2020033424A/ja active Pending
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CN115820183B (zh) * | 2022-12-23 | 2023-06-27 | 深圳市道尔科技有限公司 | 一种耐高温高强度、高导热胶的制备方法 |
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