JP2022136666A - 粘接着剤組成物、及びそれを用いてなる粘接着剤、粘接着シート、ならびに積層体 - Google Patents

粘接着剤組成物、及びそれを用いてなる粘接着剤、粘接着シート、ならびに積層体 Download PDF

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Abstract

【課題】硬化前は適度な粘着力を有し、硬化後においては接着力に優れ、更には湿熱環境下におかれた後でも高い接着力を維持できる粘接着剤を得ることが可能な粘接着剤組成物を提供する。【解決手段】本発明の粘接着剤組成物は、アクリル系樹脂(A)、25℃で液状のエポキシ系化合物(B)(ただし、(A)を除く)、シランカップリング剤(C)、エポキシ系化合物用硬化剤(D)を含有する粘接着剤組成物であって、アクリル系樹脂(A)のガラス転移温度が-45~60℃であり、エポキシ系化合物(B)の含有量がアクリル系樹脂(A)100重量部に対して5~100重量部であり、シランカップリング剤(C)がメルカプト基を有するシランカップリング剤(C1)であることを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、粘接着剤組成物に関し、更に詳しくは、常温では粘着性を有し、被着体に貼着後、加熱により硬化して強固に接着する粘接着剤に関する。そして、本発明は、硬化後、湿熱環境下に長時間曝されても接着強度の低下が小さい粘接着剤、粘接着シート及び積層体に関する。
従来、エポキシ系化合物を用いた液状の接着剤が、金属やプラスチックの接着用途に用いられている。また最近では、常態下では粘着性を有し、被着体に貼着した後は加熱により硬化して強固に接着するといった、粘着剤と接着剤の両方の性質を併せ持つ粘接着剤として、アクリル系樹脂、エポキシ樹脂及びエポキシ硬化剤を用いた熱硬化型感圧接着性組成物も提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
また湿熱環境下での密着低下を抑制する目的で、アクリル系樹脂にシランカップリング剤を用いた粘着剤が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2020-100806号公報 特開2020-83998号公報 特開2012-171991号公報
しかしながら、上記特許文献1、2の開示技術では、硬化後のせん断強度には優れるものの、湿熱環境下での接着強度の低下を抑制する性能(耐湿熱性)に劣るものであった。
さらに特許文献1、2に記載された粘接着剤に特許文献3のシランカップリング剤を単に組み合わせたとしても依然として湿熱環境に暴露する前後の接着力の変化を抑制できるものではなかった。
そこで、本発明ではこのような背景下において、硬化前は適度な粘着性を有し、部材を貼り合わせてから熱硬化した際の接着力に優れ、更には湿熱環境下におかれた後でも、高い接着力を維持できる粘接着剤を得ることが可能な粘接着剤組成物を提供するものである。
しかるに、本発明者らはかかる事情に鑑み鋭意研究を重ねた結果、特定のガラス転移温度(Tg)を有するアクリル系樹脂に、液状のエポキシ系化合物を特定量使用し、更にメルカプト基を有するシランカップリング剤を用いることにより、硬化前の常温状態の粘接着剤であっても優れた粘着性能を有し、硬化後は強力な接着力を発揮し、更には湿熱環境下に曝された後でも高い接着力を維持できる粘接着剤を得られることを見出した。
すなわち、本発明の要旨は、次の通りである。
<1>
アクリル系樹脂(A)、25℃で液状のエポキシ系化合物(B)(ただし、(A)を除く)、シランカップリング剤(C)、エポキシ系化合物用硬化剤(D)を含有する粘接着剤組成物であって、
アクリル系樹脂(A)のガラス転移温度が-45~60℃であり、
エポキシ系化合物(B)の含有量がアクリル系樹脂(A)100重量部に対して5~100重量部であり、
シランカップリング剤(C)がメルカプト基を有するシランカップリング剤(C1)であることを特徴とする粘接着剤組成物。
<2>
前記アクリル系樹脂(A)の重量平均分子量が10万以上であることを特徴とする<1>記載の粘接着剤組成物。
<3>
前記エポキシ系化合物(B)が、1分子中にエポキシ基を少なくとも2個以上有するエポキシ系化合物を含むことを特徴とする<1>または<2>記載の粘接着剤組成物。
<4>
前記シランカップリング剤(C)の含有量が、アクリル系樹脂(A)100重量部に対して、0.01~3重量部であることを特徴とする<1>~<3>のいずれかに記載の粘接着剤組成物。
<5>
前記エポキシ系化合物用硬化剤(D)が粉体硬化剤であることを特徴とする<1>~<4>のいずれかに記載の粘接着剤組成物。
<6>
更にアクリル系樹脂用架橋剤(E)を含有することを特徴とする<1>~<5>のいずれかに記載の粘接着剤組成物。
<7>
<1>~<6>のいずれかに記載の粘接着剤組成物が架橋されてなることを特徴とする粘接着剤。
<8>
100~250℃の加熱により硬化されることを特徴とする<7>記載の粘接着剤。
<9>
<7>または<8>に記載の粘接着剤からなる粘接着剤層を有することを特徴とする粘接着シート。
<10>
<7>または<8>に記載の粘接着剤からなる粘接着剤層と他の部材とが積層されていることを特徴とする積層体。
本発明の粘接着剤組成物は、硬化前は粘着性(タック)があり適度な粘着力を有し、硬化後においては接着力に優れ、更には耐湿熱環境下におかれた後でも高い接着力を維持できる粘接着剤を得ることができるものである。
したがって、本発明の粘接着剤層は、種々の用途、例えば、建材用、車載部品用、電子部品用、放熱シート用、フレキシブル基板(FPC)製造用、半導体製造工程用、部材封止用、航空部品用、スポーツ用品用等の粘接着用途に好適に用いることができる。
以下に、本発明を詳細に説明する。
なお、本発明において、「(メタ)アクリル」とはアクリルあるいはメタクリルを、「(メタ)アクリロイル」とはアクリロイルあるいはメタクリロイルを、「(メタ)アクリレート」とはアクリレートあるいはメタクリレートをそれぞれ意味するものである。
また、「アクリル系樹脂」とは、少なくとも1種の(メタ)アクリレート系モノマーを含む重合成分を重合して得られる樹脂である。
本発明において、「粘接着剤」とは、硬化前は常温(23℃)で粘着性(タック)を有し、熱等のトリガーによって硬化し接着強度が上昇する接着材料をいう。
なお、本発明において、「硬化」とは加熱によるエポキシ系化合物の硬化を表し、後述の「架橋」とはアクリル系樹脂の架橋、とりわけ架橋剤との反応による架橋を表すこととする。
本発明の粘接着剤組成物は、アクリル系樹脂(A)、25℃で液状のエポキシ系化合物(B)、メルカプト系シランカップリング剤(C)及び、エポキシ系化合物用硬化剤(D)を含有するものである。
以下、順番に、かかる構成成分について説明する。
<アクリル系樹脂(A)>
本発明におけるアクリル系樹脂(A)はガラス転移温度(Tg)が-45~60℃であることが必要である。
Tgが上記範囲より低すぎると、硬化後の接着力が得られず、高すぎると常温でのタックが低下する。
アクリル系樹脂(A)とは、少なくとも1種の(メタ)アクリル系モノマーを含む重合成分を重合して得られる樹脂であり、例えば、(メタ)アクリル系モノマーを主成分とし、場合により、他の各種の重合性モノマーを含有する重合成分を重合して得られるアクリル系樹脂が挙げられる。
なお、(メタ)アクリル系モノマーを「主成分とする」とは、重合成分全体に対して(メタ)アクリル系モノマーを通常40重量%以上、好ましくは50重量%以上、より好ましくは60重量%以上含有することを意味する。上限値は通常100重量%である。
上記(メタ)アクリル系モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸またはその誘導体、(メタ)アクリルアミドまたはその誘導体等が挙げられる。
上記(メタ)アクリル酸の誘導体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、2-メチル-2-ニトロプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、s-ブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、n-ペンチル(メタ)アクリレート、t-ペンチル(メタ)アクリレート、3-ペンチル(メタ)アクリレート、2,2-ジメチルブチル(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、4-メチル-2-プロピルペンチル(メタ)アクリレート、n-オクタデシル(メタ)アクリレート等のアルキル基含有(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、上記(メタ)アクリル酸の誘導体の他の例として、例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート等のシクロアルキル(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート等のアラルキル(メタ)アクリレート;ビフェニルオキシエチル(メタ)アクリレート等のビフェニルオキシ構造含有(メタ)アクリレート;2-イソボルニル(メタ)アクリレート、2-ノルボルニルメチル(メタ)アクリレート、5-ノルボルネン-2-イル-メチル(メタ)アクリレート、3-メチル-2-ノルボルニルメチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレ-ト、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレ-ト、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレ-ト等の多環式(メタ)アクリレート;2-メトキシエチル(メタ)アクリレート、2-エトキシエチル(メタ)アクリレート、3-メトキシブチル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、アルキルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のアルコキシ基またはフェノキシ基含有(メタ)アクリレート;等が挙げられる。
更に、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、8-ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、10-ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、12-ヒドロキシラウリル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、[4-(ヒドロキシメチル)シクロヘキシル]メチルアクリレート、シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリレート;グリシジル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル等のエポキシ基含有(メタ)アクリレート;2,2,2-トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,2-トリフルオロエチルエチル(メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロプロピル(メタ)アクリレート、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、ヘプタデカフルオロデシル(メタ)アクリレート、3-クロロ-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のハロゲン含有(メタ)アクリレート;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート;3-オキセタニルメチル(メタ)アクリレート、3-メチル-オキセタニルメチル(メタ)アクリレート、3-エチル-オキセタニルメチル(メタ)アクリレート、3-ブチル-オキセタニルメチル(メタ)アクリレート、3-ヘキシル-オキセタニルメチル(メタ)アクリレート等のオキセタン基含有(メタ)アクリレート;等が挙げられる。
上記(メタ)アクリルアミドの誘導体としては、例えば、N-メチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、N-イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N-ブチル(メタ)アクリルアミド、N-ヘキシル(メタ)アクリルアミド等のN-アルキル基含有(メタ)アクリルアミド誘導体;N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N-ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N-メチロール-N-プロパン(メタ)アクリルアミド等のN-ヒドロキシアルキル基含有(メタ)アクリルアミド誘導体;アミノメチル(メタ)アクリルアミド、アミノエチル(メタ)アクリルアミド等のN-アミノアルキル基含有(メタ)アクリルアミド誘導体;N-メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-エトキシメチル(メタ)アクリルアミド等のN-アルコキシ基含有(メタ)アクリルアミド誘導体;メルカプトメチル(メタ)アクリルアミド、メルカプトエチル(メタ)アクリルアミド等のN-メルカプトアルキル基含有(メタ)アクリルアミド誘導体;N-アクリロイルモルホリン、N-アクリロイルピペリジン、N-メタクリロイルピペリジン、N-アクリロイルピロリジン等の複素環含有(メタ)アクリルアミド誘導体:等が挙げられる。
これらの(メタ)アクリル系モノマーは、1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの(メタ)アクリル系モノマーの中でも、(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好適に用いられる。(メタ)アクリル酸アルキルエステルにおけるアルキル基の炭素数は、通常1~20であり、好ましくは1~12、より好ましくは1~8である。アルキル基の炭素数は小さい方が後述するエポキシ系化合物(B)との相溶性に優れる点で好ましい。
また、これらの(メタ)アクリル系モノマーのうち、アクリロイル基を有するモノマーを、アクリル系樹脂(A)の重合成分全体に対して25重量%以上含有させることが好ましく、35重量%以上含有させることがより好ましい。なお、アクリル系樹脂(A)の重合成分全体に対するアクリロイル基を有するモノマーの含有量の上限は100重量%である。アクリロイル基を有するモノマーの含有割合を多くすることによって、硬化前の粘着性を損なうことなく、粘接着剤層形成後の転写性が優れたものとなり、取り扱い性が良好となる。
このようなアクリロイル基を有するモノマーとしては、前述の各種の(メタ)アクリル系モノマーのうち、アクリル酸またはその誘導体、アクリルアミドまたはその誘導体等を選択して用いることができる。
上記アクリロイル基を有するモノマーとして、例えば、アクリル酸誘導体を用いる場合、ガラス転移温度が高く、アクリル系樹脂(A)の分子量を高めやすい点で、ホモポリマーを調製した際のガラス転移温度が0℃以上のアクリル酸誘導体が好ましい。特に、重合性の点でメチルアクリレートが好適である。
上記アクリロイル基を有するモノマーとして、例えば、アクリルアミド誘導体を用いる場合、ガラス転移温度が高く、エポキシ系化合物(B)との相溶性に優れている点で、ジアルキルアクリルアミドやN-アクリロイルモルホリンが好適である。特に、ホモポリマーを調製した際のガラス転移温度が0℃以上のアクリルアミド誘導体を用いることが、得られるアクリル系樹脂(A)のガラス転移温度を高く維持できる点や被着体との密着性を高められる点で好適である。
アクリル系樹脂(A)を構成する重合成分は、(メタ)アクリル系モノマー以外の重合性モノマー(以下「その他の重合性モノマー」という。)を含有していてもよい。
上記その他の重合性モノマーとしては、例えば、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、グルタコン酸、イタコン酸、アクリルアミド-N-グリコール酸、ケイ皮酸等の不飽和カルボン酸;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステルモノマー;スチレン、α-メチルスチレン等の芳香環を含有するモノマー;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アルキルビニルエーテル、ビニルトルエン、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、イタコン酸ジアルキルエステル、フマル酸ジアルキルエステル、アリルアルコール、アクリルクロライド、メチルビニルケトン、アリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルアリルビニルケトン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
アクリル系樹脂(A)を構成する重合成分は、とりわけ、官能基含有モノマーを含有することが好ましい。かかる官能基含有モノマーとして、水酸基含有モノマー及びカルボキシ基含有モノマーから選ばれる少なくとも1種の官能基含有モノマーを含有することが好ましい。中でも、後述するアクリル系樹脂用架橋剤(E)との反応性を考慮すると、(メタ)アクリロイル基を含有する水酸基含有モノマー及びカルボキシ基含有モノマーから選ばれる少なくとも1種の官能基含有モノマーが好ましい。(メタ)アクリロイル基を含有する水酸基含有モノマーとしては、例えば、2-ヒドロキシエチルアクリレート、4-ヒドロキシブチルアクリレート等のヒドロキシアルキルアクリレート等が挙げられ、これらの中でも、特に、2-ヒドロシキエチル(メタ)アクリレートが好ましい。(メタ)アクリロイル基を含有するカルボキシ基含有モノマーとしては、(メタ)アクリル酸が好ましい。
かかる官能基含有モノマーの含有量は、アクリル系樹脂(A)を構成する重合成分全体に対して、0.1~30重量%であることが好ましく、1~25重量%であることがより好ましく、3~20重量%であることが更に好ましい。上記官能基含有モノマーが少なす
ぎると、粘接着剤層を形成したときの凝集力が低下する傾向になり、タックやリワーク性が低下する傾向がある。また、逆に多すぎると、粘接着剤層の保存安定性が低下したり、ポットライフが短くなったりする傾向がある。
またカルボキシ基は0~3重量%であることが好ましく、0.01~2重量%であることが好ましく、0.05~1重量%であることが好ましい。多すぎると、粘接着剤とした時の保存安定性が低下する傾向があり、少なすぎると硬化後の接着強度が低くなる傾向にある。
アクリル系樹脂(A)の重合方法としては、溶液ラジカル重合、懸濁重合、塊状重合、乳化重合等の従来公知の方法を用いることができる。例えば、有機溶媒中に、適宜選択してなる重合成分、重合開始剤を混合あるいは滴下し、所定の重合条件にて重合する方法等が挙げられ、中でも、溶液ラジカル重合、塊状重合が好ましく、安定にアクリル系樹脂が得られる点で、溶液ラジカル重合が特に好ましい。
上記重合反応に用いられる有機溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ヘキサン等の脂肪族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の脂肪族アルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;等が挙げられる。これらの有機溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの有機溶媒の中でも、重合反応のしやすさ、連鎖移動の効果、粘接着剤組成物の塗工時の乾燥のしやすさ、安全上の点から、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類が好ましい。
また、かかる溶液ラジカル重合に用いられる重合開始剤としては、例えば、通常のラジカル重合開始剤である2,2'-アゾビスイソブチロニトリル、2,2'-アゾビス-2-メチルブチロニトリル、4,4'-アゾビス(4-シアノ吉草酸)、2,2'-アゾビス(メチルプロピオン酸)等のアゾ系開始剤;ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ジ-t-ブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物;等が挙げられ、使用するモノマーに合わせて適宜選択して用いることができる。これらの重合開始剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
このようにして、本発明で用いられるアクリル系樹脂(A)が得られる。
アクリル系樹脂(A)の重量平均分子量(Mw)は、10万以上が好ましく、更に10万~150万であることが好ましく、より好ましくは15万~100万、殊に好ましくは20万~80万である。かかる重量平均分子量が小さすぎると、得られる粘接着剤層の靱性や凝集力が低下し、硬化前の粘着性能やリワーク性が低下する傾向がある。また、かかる重量平均分子量が大きすぎると、粘度が高くなりすぎて重合時にスケーリングが多くなったり、エポキシ系化合物(B)との相溶性やハンドリング性が低下したりする傾向がある。
また、アクリル系樹脂(A)の分散度[重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)]は、10以下であることが好ましく、より好ましくは7以下である。かかる分散度が高すぎると凝集力が低下する傾向がある。なお、分散度の下限は通常1である。
アクリル系樹脂(A)の重量平均分子量は、標準ポリスチレン分子量換算による重量平均分子量であり、高速液体クロマトグラフ(日本ウォーターズ社製、「Waters 2695(本体)」と「Waters 2414(検出器)」)に、カラム:Shodex GPC KF-806L(排除限界分子量:2×107、分離範囲:100~2×107、理論段数:10000段/本、充填剤材質:スチレン-ジビニルベンゼン共重合体、充填剤粒径:10μm)を3本直列に接続して用いることにより測定することができ、数平均分子量も同様の方法で測定することができる。また分散度は、上記重量平均分子量と数平均分子量の測定値より求めることができる。
アクリル系樹脂(A)のガラス転移温度(Tg)は、-45~60℃であることが必要であり、より好ましくは-35℃~45℃、更に好ましくは-20~35℃、特に好ましくは-10~30℃である。かかるガラス転移温度が低すぎると、硬化後の接着強度が低下する傾向にあり、高すぎると硬化前のタックが低くなる傾向がある。
なお、ガラス転移温度は下記のFoxの式より算出されるものである。
Figure 2022136666000001
Tg:重合体のガラス転移温度(K)
Tga:モノマーAのホモポリマーのガラス転移温度(K)
Wa:モノマーAの重量分率
Tgb:モノマーBのホモポリマーのガラス転移温度(K)
Wb:モノマーBの重量分率
Tgn:モノマーNのホモポリマーのガラス転移温度(K)
Wn:モノマーNの重量分率
(Wa+Wb+・・・+Wn=1)
即ち、アクリル系樹脂を構成するそれぞれのモノマーのホモポリマーとした際のガラス転移温度及び重量分率をFoxの式に当てはめて算出した値である。
なお、アクリル系樹脂を構成するモノマーのホモポリマーとした際のガラス転移温度は、通常、示差走査熱量計(DSC)により測定されるものであり、JIS K7121-1987や、JIS K 6240に準拠した方法で測定することができる。
アクリル系樹脂(A)の屈折率は、通常1.440~1.600である。かかる屈折率は積層する部材との屈折率差を小さくすることが、部材界面での光損失が小さくなり好ましい。
なお、上記屈折率は、薄膜にしたアクリル系樹脂(A)を、屈折率測定装置(アタゴ社製「アッベ屈折計1T」)を用いてNaD線、23℃で測定した値である。
<25℃で液状のエポキシ系化合物(B)>
本発明で用いられるエポキシ系化合物(B)とは、エポキシ基を分子内に1個以上有する化合物である。ただし、アクリル系樹脂(A)を除く。
本発明で用いられるエポキシ系化合物(B)は25℃で液状であることが必要である。
本発明で液状とは流動性がある状態を指し、好ましくは粘度20000mPa・s/25℃以下、より好ましくは粘度15000mPa・s/25℃以下、更に好ましくは粘度13000mPa・s/25℃以下、特に好ましくは10000mPa・s/25℃以下である。下限値は、通常0.1mPa・s/25℃である。
エポキシ系化合物(B)は、1分子中にエポキシ基を1個以上有するものであり、エポキシ基数を2個以上有することが好ましく、更に好ましくは2~6個である。エポキシ基の数が多すぎると耐湿熱性が低下する傾向にある。
分子中に1個のエポキシ基を有する単官能エポキシ系化合物としては、例えば、アルキルグリシジルエーテル、アルコキシグリシジルエーテル、フェノールグリシジルエーテル、EO(エチレンオキサイド)変性フェノールグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル等が挙げられる。
分子中に2個のエポキシ基を有する2官能エポキシ系化合物としては、例えば、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ジグリシジルテレフタラート、ジグリシジル-o-フタレート、ジグリシジルレソルシノールエーテル、ビスフェノールA型ジグリシジル化合物及びその水添物、ビスフェノールF型ジグリシジル化合物及びその水添物、ビフェニル型ジグリシジル化合物及びその誘導体等が挙げられる。
分子中に3個以上のエポキシ基を有する多官能エポキシ系化合物として、例えば、グリセロールトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、イソシアヌル酸トリグリシジル及びその誘導体、ペンタエリスリトールトリグリシジルエーテル等の3官能エポキシ系化合物;ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、ジグリセロールテトラグリシジルエーテル、ジトリメチロールプロパンテトラグリシジルエーテル等の4官能エポキシ系化合物;ポリグリセロールペンタグリシジルエーテル、ペンタエリストールペンタグリシジルエーテル、ジペンタエリストールペンタグリシジルエーテル等の5官能エポキシ系化合物;ソルビトールヘキサグリシジルエーテル:ジペンタエリストールヘキサグリシジルエーテル等の6官能エポキシ系化合物;ポリグリシジルエーテル、フェノールノボラック型エポキシ系化合物、クレゾールノボラック型エポキシ系化合物;等が挙げられる。
またオリゴマー型エポキシ系化合物やポリマー型エポキシ系化合物等のエポキシ当量の大きい化合物としては以下のような製品が挙げられる。
DIC社製:EXA-4850-150、EXA-4850-1000、TSR-960、
三菱ケミカル社製:jER YX-7700、jER YX-7400、jER828、jER871、jER890、jER YX8034、jER YX7105、
ADEKA社製:EP-4100TX、EP-5100-75X、EP-4000、EP-7001、EPU-6、EPR-2000、ED-502等が挙げられる。
エポキシ系化合物(B)のエポキシ当量としては、150~5000g/molが好ましく、より好ましくは200~3000g/mol、特に好ましくは250~1500g/mol、更に好ましくは300~1000g/molである。かかるエポキシ当量が上記範囲にあれば、硬化後の接着力と湿熱試験後の接着力のバランスに優れる傾向にある。
本発明において、エポキシ系化合物(B)の重量平均分子量は、好ましくは300~5000であり、より好ましくは350~4000、特に好ましくは400~2000である。かかる分子量が小さすぎると、加熱硬化時に揮発し、気泡が発生しやすい点やリワーク性が低下する傾向があり、大きすぎると粘度が高くなりやすく、粘接着剤層とした際のタックが低下する傾向にある。
本発明において、エポキシ系化合物(B)の含有量は、上記アクリル系樹脂(A)100重量部に対して、5~100重量部であることが必要であり、より好ましくは7.5~80重量部、特に好ましくは10~60重量部、更に好ましくは10~50重量部である。アクリル系樹脂(A)に対するエポキシ系化合物(B)の含有量が少なすぎると、硬化前の粘接着剤層のタックや粘着力が低下する傾向にあり、多すぎると粘接着剤層の保存安定性が低下する傾向にある。また、かかる含有量が多すぎても、少なすぎても硬化後湿熱環境下に長時間曝されると接着性が低下する傾向がある。
かかるエポキシ系化合物(B)としては、例えば、分子内に1個のエポキシ基を有する単官能エポキシ系化合物、2個以上のエポキシ基を有する多官能エポキシ系化合物が挙げられる。これらの化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
<メルカプト基を有するシランカップリング剤(C)>
本発明で用いられるシランカップリング剤(C)は、アルコキシシリル基とその他の官能基を有するシラン化合物の総称である。
本発明におけるシランカップリング剤(C)はメルカプト基を有することが必要である。
シランカップリング剤(C)における、アルコキシシリル基の含有割合は5~70重量%であることが好ましく、より好ましくは10~60重量%、特に好ましくは15~50重量%である。
またシランカップリング剤(C)のメルカプト当量としては、150~3000g/molが好ましく、より好ましくは200~1500g/mol、特に好ましくは300~1000g/molである。
かかるシランカップリング剤(C)は、モノマー型であってもいいし、一部が加水分解縮合したオリゴマー型であってもいい。これらの中でも乾燥時や熱硬化時の揮発が少ない点、粘接着剤層に気泡が発生しにくく耐湿熱性が良好な点でオリゴマー型や分子量が500以上のシランカップリング剤が好ましい。
本発明で用いられるシランカップリング剤(C)の市販品としては、以下のような製品が挙げられる。
モノマー型として、例えば、信越化学工業社製の、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン「KBM-802」、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン「KBM-803」、
オリゴマー型として、例えば、信越化学工業社製の、「X-41-1810」、「X-41-1805」、「X-41-1818」、「X-12-1154」等が挙げられる。
ほかにも、例えば、モメンティブ社製の「CoatOSil T-Cure」、「e-free 189 Silane」等が挙げられる。
本発明で用いられるシランカップリング剤(C)の含有量はアクリル系樹脂(A)100重量部に対して、0.01~5重量部が好ましく、特に0.01~3重量部が好ましく、更に0.05~2重量部が好ましく、殊には0.1~1.5重量部が好ましい。かかる含有量が少なすぎると耐湿熱性が低下する傾向にあり、多すぎると硬化直後の接着力が低下する傾向にある。
<エポキシ系化合物用硬化剤(D)>
本発明で用いられるエポキシ系化合物用硬化剤(D)は、上記エポキシ系化合物(B)の硬化剤として用いられ、エポキシ基と反応しうる官能基を有する化合物である。
かかるエポキシ系化合物用硬化剤(D)としては、例えば、アミン類、ポリアミド類、イミダゾール類、ポリメルカプタン硬化剤、酸無水物類、等が挙げられる。これらは、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。そして、上記エポキシ系化合物用硬化剤(D)の中でも、特に、粘接着剤とした際の保存安定性や硬化性に優れる点で、アミン系硬化剤が好ましく、ジシアンジアミドや有機酸ヒドラジドがより好ましく、有機酸ヒドラジドの中でも、とりわけ、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジドが硬化速度に優れる点で好ましい。
上記エポキシ系化合物用硬化剤(D)は、液体または、固体のものが挙げられ、中でも粘接着剤とした時の保存安定性の点、粘接着剤組成物のポットライフの点で、固体であることが好ましく、更には、塗膜が平滑性となり硬化する際に部材との接着面積が増加し硬化後の接着強度が高くなる点で、粉体であることが好ましい。また、粘接着剤中、かかる粉体が分散状態で含有されていることが好ましい。エポキシ系化合物用硬化剤(D)として粉体を用いる場合、粉体の粒径は、粘接着剤層を形成する際の膜厚に対し、その膜厚の1.2倍以下となるように設定することが好ましく、1倍以下であることが更に好ましい。
上記エポキシ系化合物用硬化剤(D)の含有割合は、前記エポキシ系化合物(B)100重量部に対して1~100重量部であることが好ましく、中でも、3~80重量部であることがより好ましく、5~50重量部であることが特に好ましい。
またはエポキシ系化合物(B)のエポキシ基量(mol)の合計に対して、エポキシ系化合物用硬化剤(D)の官能基量(mol)が0.5~2倍が好ましく、更には0.6~1.5倍、0.8~1.2倍が更に好ましい。
上記エポキシ系化合物用硬化剤(D)の、エポキシ系化合物(B)に対する含有割合が上記の範囲よりも少なすぎると、硬化速度が遅くなったり、硬化温度が高くなったりする傾向があり、多すぎると、硬化後の塗膜強度が低下したり、粘接着剤とした際の保存安定性が低下する傾向にある。
<アクリル系樹脂用架橋剤(E)>
本発明の粘接着剤組成物は、上記のアクリル系樹脂(A)、エポキシ系化合物(B)、シランカップリング剤(C)、エポキシ系化合物用硬化剤(D)を含有するものであるが、更に、アクリル系樹脂(A)を架橋するアクリル系樹脂用架橋剤(E)(以下、「架橋剤(E)」と略記することがある。)を含有することが好ましい。架橋剤(E)を含有することで、粘接着剤組成物を架橋させることができ、粘接着剤の凝集力を高め、リワーク性を向上させる点において好適である。なお、アクリル系樹脂(A)はエポキシ系化合物(B)によっても架橋されるが、熱硬化前にアクリル系樹脂(A)を架橋するという点で、本発明における架橋剤(E)はエポキシ系化合物(B)を含まないものとする。
アクリル系樹脂用架橋剤(E)としては、公知の架橋剤を用いることができ、例えば、イソシアネート系架橋剤、アジリジン系架橋剤、メラミン系架橋剤、アルデヒド系架橋剤、金属キレート系架橋剤等が挙げられ、中でもイソシアネート系架橋剤が好ましい。
これら架橋剤(E)は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記イソシアネート系架橋剤としては、例えば、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート等のトリレンジイソシアネート系化合物;1,3-キシリレンジイソシアネート、1,4-キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等のキシリレンジイソシアネート系化合物;1,5-ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート等の芳香族イソシアネート系化合物;ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、及びこれらのイソシアネート系化合物とトリメチロールプロパン等のポリオール化合物とのアダクト体、これらポリイソシアネート化合物のビュレット体やイソシアヌレート体等が挙げられる。
上記アジリジン系架橋剤としては、例えば、テトラメチロールメタン-トリ-β-アジリジニルプロピオネート、トリメチロールプロパン-トリ-β-アジリジニルプロピオネート、N,N'-ジフェニルメタン-4,4'-ビス(1-アジリジンカルボキシアミド)、N,N'-ヘキサメチレン-1,6-ビス(1-アジリジンカルボキシアミド)等が挙げられる。
上記メラミン系架橋剤としては、例えば、へキサメトキシメチルメラミン、ヘキサエトキシメチルメラミン、ヘキサプロポキシメチルメラミン、ヘキサブトキシメチルメラミン、ヘキサペンチルオキシメチルメラミン、ヘキサヘキシルオキシメチルメラミン、メラミン樹脂等が挙げられる。
上記アルデヒド系架橋剤としては、例えば、グリオキザール、マロンジアルデヒド、スクシンジアルデヒド、マレインジアルデヒド、グルタルジアルデヒド、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド等が挙げられる。
上記金属キレート系架橋剤としては、例えば、アルミニウム、鉄、銅、亜鉛、スズ、チタン、ニッケル、アンチモン、マグネシウム、パナジウム、クロム、ジルコニウム等の多価金属のアセチルアセトンやアセトアセチルエステル配位化合物等が挙げられる。
本発明で用いられる架橋剤(E)の含有量は、アクリル系樹脂(A)100重量部に対して0~20重量部であることが好ましく、より好ましくは0.1~15重量部、特に好ましくは0.5~10重量部、更に好ましくは1~5重量部である。かかる架橋剤(E)の含有量が多すぎると、粘接着剤層を形成した際のタックが低下する傾向があり、少なすぎると粘接着剤層が高温に曝された際に熱分解による劣化が起こりやすくなる傾向がある。
<任意成分>
本発明においては、上記各成分の他に、任意成分として、例えば、カーボンや金属等の導電剤;金属粒子やガラス粒子等の無機フィラー;ウレタン樹脂、ロジン、ロジンエステル、水添ロジンエステル、フェノール樹脂、脂肪族系石油樹脂、脂環族系石油樹脂、スチレン系樹脂等の粘着付与剤;充填剤;酸化防止剤;紫外線吸収剤;イオン性化合物、過酸化物、ウレタン化触媒等の架橋促進剤;アセチルアセトン等の架橋遅延剤;等の各種添加剤を含有することもできる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、本発明の粘接着剤組成物は、上記任意成分の他にも、粘接着剤組成物の構成成分の製造原料等に含まれる不純物等が本発明の効果を損なわない範囲で含有していてもよい。
<粘接着剤組成物>
本発明の粘接着剤組成物は、上記アクリル系樹脂(A)、エポキシ系化合物(B)、シランカップリング剤(C)、エポキシ系化合物用硬化剤(D)、必要に応じて架橋剤(E)やその他の成分を混合することにより得ることができる。
これらの成分の混合方法については、特に限定されるものではなく、各成分を一括で混合する方法や、任意の成分を混合した後、残りの成分を一括または順次混合する方法等、種々の方法を採用することができる。
〔粘接着剤、粘接着シート、及び積層体〕
本発明の粘接着剤組成物は、溶剤が含まれている場合は乾燥することで粘接着剤とすることができる。また、この粘接着剤を含有する粘接着剤層をプラスチックフィルム等の基材に積層形成することにより、基材/粘接着剤層の積層構造を有する粘接着シートを得ることができる。更に、この粘接着剤層を被着体上に積層することにより、被着体/粘接着剤層の積層構造を有する積層体を得ることができる。なお、以下では基材と被着体を総括して「部材」ともいう。
上記粘接着シートとしては、基材に粘接着剤層が積層された粘接着シートの他に、粘接着剤層の両面にセパレータ(剥離シート)を積層した基材レスの両面粘接着シートがあり、取り扱い易さの点で両面粘接着シートが好適である。
上記粘接着シートの製造方法としては、例えば、基材上に粘接着剤組成物を塗工し、乾燥させることで製造することができる。また架橋剤(E)を用いた場合は、乾燥後に粘接着剤層にセパレータを貼合し、常温(加温しない状態)でのエージング及びエポキシ系化合物(B)が硬化しない程度の加温状態でのエージングの少なくとも一方によるエージング処理を行う方法等が挙げられる。なお、粘接着剤組成物をセパレータに塗工し、乾燥させた後、当該セパレータと剥離力の異なる他のセパレータを貼合し、エージング処理を行なうことにより、基材レスの両面粘接着シートを製造することができる。
上記エージング処理は、架橋剤(E)を用いた際に、アクリル系樹脂(A)と架橋剤(E)とを化学架橋させて、粘接着剤に適度な凝集力を発現させるために行なう処理であり、エージングの条件としては、例えば、温度が通常は室温(20±10℃)~40℃、時間が通常は1~30日間であり、具体的には、例えば23℃で1~20日間、40℃で1~7日間等の条件が挙げられる。
なお、架橋剤(E)を用いない場合には、エージング処理は必ずしも必要ではない。
上記粘接着剤組成物の塗工に際しては、この粘接着剤組成物を溶剤で希釈して塗工することが好ましく、粘接着剤組成物における固形分濃度は、好ましくは5~65重量%、より好ましくは20~55重量%である。
また、上記溶剤としては、粘接着剤組成物を溶解または分散させるものであれば特に限定されない。例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等のエステル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤;トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤;メタノール、エタノール、プロピルアルコール等のアルコール系溶剤;等を用いることができる。これらの中でも、溶解性、乾燥性、価格等の点から酢酸エチルが好適に用いられる。
上記希釈された粘接着剤組成物の粘度は、500~30000mPa・s/25℃が好ましく、1000~10000mPa・s/25℃がより好ましい。粘度が低すぎると比重の重い成分を用いた場合、その成分が沈降し易くなり、粘接着剤組成物中の成分の濃度が不均一となる傾向がある。
上記粘接着剤組成物の塗工方法としては、例えば、ロールコーティング、ダイコーティング、グラビアコーティング、コンマコーティング、スクリーン印刷等の方法が挙げられる。
粘接着シートにおける粘接着剤層の厚みは、好ましくは5~250μm、より好ましくは25~200μm、更に好ましくは50~175μmである。上記粘接着剤層が薄すぎると、厚み精度が低下したり接着力が低くなったりする傾向があり、上記粘接着剤層が厚すぎると、粘接着シートをロール状にした際に端部から粘接着剤層がはみ出してロールを汚染する傾向がある。
粘接着剤層のゲル分率は、部材との密着性、リワーク性、硬化前の粘着性の点から、好ましくは0~99重量%、より好ましくは20~95重量%、更に好ましくは30~80重量%である。粘接着剤層のゲル分率が高すぎると、粘接着シートを部材に貼り合わせる際に、粘接着剤層と部材界面との充分な密着性が得られず硬化後の接着強度が低下する傾向がある。なお、ゲル分率の下限値は通常0重量%である。
上記ゲル分率は、架橋度(硬化度合い)の目安となるもので、例えば、以下の方法にて算出される。まず、基材の表面に粘接着剤層が積層されている粘接着シートから粘接着剤をピッキングにより採取し、当該粘接着剤を200メッシュのSUS製金網で包み、23℃に調整した酢酸エチル中に24時間浸漬する。酢酸エチル浸漬の前後における粘接着剤の重量をそれぞれ測定し、両重量の差を金網中に残存した不溶解の粘接着剤の重量とする。酢酸エチル浸漬前における粘接着剤の重量に対する、金網中に残存した不溶解の粘接着剤の重量百分率をゲル分率とする。
本発明においては、上記粘接着剤が所定温度の加熱により硬化する機能を有するので、粘接着シートにおける粘接着剤層の接着力が上昇して、粘接着シートが被着体に固着する。
粘接着剤を硬化する際の加熱温度は、好ましくは100~250℃であり、より好ましくは120~200℃、更に好ましくは130~185℃である。かかる温度が低すぎると、硬化時間が長くなり、作業性が低下する傾向があり、かかる温度が高すぎると、エポキシ系化合物(B)が揮発したり発火したりする傾向がある。また、加熱時間は、好ましくは5~240分間であり、より好ましくは30~180分間、更に好ましくは45~120分間である。かかる時間が短すぎると硬化が不充分となり接着強度が低下する傾向があり、長すぎると作業性が低下したり貼り合わせる部材が熱により劣化する傾向がある。
セパレータの表面上に粘接着剤層が積層された粘接着シートは、当該セパレータを剥離し、目的とする被着体面に、この粘接着剤層を粘着させるだけで、簡単に粘接着剤層を転写することができるので、非常に作業効率がよい。
更に、上記粘接着剤層を介して他の部材を積層させてなる積層体、即ち、被着体/粘接着剤層/他の部材の積層構造を有する積層体は、粘接着剤層が硬化前に高い粘着性を有し、硬化後に高い接着強度を発現することから、他の部材が容易にずれたり被着体から剥離したりし難い。したがって、本発明の粘接着剤を用いることにより、接着の信頼性が高く、外観上も優れた品質の積層体が得られる。
本発明の粘接着剤組成物は、硬化前は常温にてセパレータから部材に貼り合わせることができ(転写性)、塗膜外観及びリワーク性に優れ、硬化後においては被着体に対して接着性に優れ、更には耐湿熱性にも優れた粘接着剤を形成することができる。
したがって、本発明の粘接着剤組成物は、種々の粘接着用途、例えば、建材用、車載部品用、電子部品用、半導体製造工程用、部材封止用、航空部品用、スポーツ用品用等の種々の粘接着用途に好適に用いることができる。
本発明においては、特にフレキシブルプリント配線板(FPC)の用途、例えば、FPCと補強板とを接着する用途に有用であり、FPCと補強板とを接着する用途においては、被着体への貼り付けに加熱貼付(熱ラミ)を用いる必要もなく、被着体に対して常温での貼り付けが可能であり、リワーク性も良好であり、熱硬化後の接着信頼性に優れており非常に有用である。
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、例中、「部」、「%」とあるのは、重量基準を意味する。
また、下記実施例中におけるアクリル系樹脂の重量平均分子量、分散度、ガラス転移温度、その他の諸物性は前述の方法にしたがって測定した。
まず、実施例に先立って下記の成分を用意した。
<アクリル系樹脂(A)>
アクリル系樹脂(A)の原料として、以下のものを用意した。アクリル系樹脂(A)の重合成分及びアクリル系樹脂の諸物性について、後記の表1に示す。
[アクリル系樹脂(A-1)の調製]
還流冷却器、撹拌器、窒素ガスの吹き込み口及び温度計を備えた4ツ口丸底フラスコに、酢酸エチル80部、メチルエチルケトン6部、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を0.036部仕込み、加熱して内温が沸点に到達した後、メチルアクリレート(MA)40部、メチルメタクリレート(MMA)10部、n-ブチルメタクリレート(BMA)44.9部、2-ヒドロキシエチルアクリレート(2HEA)5部、アクリル酸(AAc)0.1部、酢酸エチル4部、重合開始剤(AIBN)0.036部の混合溶液を、沸騰状態を維持したまま2時間にわたって滴下した。その後、反応を継続しながら、重合開始剤(AIBN)0.05部を2度追加し、7時間反応させた後、酢酸エチルで希釈して、アクリル系樹脂(A-1)溶液(固形分濃度42.2%、粘度5200mPa・s/25℃)を得た。得られたアクリル系樹脂(A-1)の重量平均分子量(Mw)は24.6万、分散度(Mw/Mn)は2.4、ガラス転移温度(Tg)は19.7℃であった。
[アクリル系樹脂(A-2)の調製]
還流冷却器、撹拌器、窒素ガスの吹き込み口及び温度計を備えた4ツ口丸底フラスコに、酢酸エチル88.8部、メチルエチルケトン1.3部、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を0.025部仕込み、加熱して内温が沸点に到達した後、n-ブチルアクリレート(BA)76.8部、メチルメタクリレート(MA)20部、2-ヒドロキシエチルアクリレート(2HEA)3部、アクリル酸(AAc)0.2部、酢酸エチル5部、重合開始剤(AIBN)0.038部の混合溶液を、沸騰状態を維持したまま2時間にわたって滴下した。その後、反応を継続しながら、重合開始剤(AIBN)0.038部、アゾビスジメチルバレロニトリル(ADVN)0.038部を順次追加し、7時間反応させた後、酢酸エチルで希釈して、アクリル系樹脂(A-2)溶液(固形分濃度39.6.%、粘度7000mPa・s/25℃)を得た。得られたアクリル系樹脂(A-2)の重量平均分子量(Mw)は70万、分散度(Mw/Mn)は4.7、ガラス転移温度(Tg)は-44℃であった。
[アクリル系樹脂(A’-1)の調製]
還流冷却器、撹拌器、窒素ガスの吹き込み口及び温度計を備えた4ツ口丸底フラスコに、酢酸エチル90部、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を0.025部仕込み、加熱して内温が沸点に到達した後、n-ブチルアクリレート(BA)96.8部、2-ヒドロキシエチルアクリレート(2HEA)3部、アクリル酸(AAc)0.2部、酢酸エチル5部、重合開始剤(AIBN)0.038部の混合溶液を、沸騰状態を維持したまま2時間にわたって滴下した。その後、反応を継続しながら、重合開始剤(AIBN)0.038部、アゾビスジメチルバレロニトリル(ADVN)0.038部を順次追加し、7時間反応させた後、酢酸エチルで希釈して、アクリル系樹脂(A’-1)溶液(固形分濃度39.2%、粘度2500mPa・s/25℃)を得た。得られたアクリル系樹脂(A’-1)の重量平均分子量(Mw)は65万、分散度(Mw/Mn)は5.4、ガラス転移温度(Tg)は-55℃であった。
<エポキシ系化合物(B)>
エポキシ系化合物(B)として以下のものを用意した。
(B-1):jER YX7400(三菱ケミカル社製、粘度200mPa・s/25℃、エポキシ当量440g/mol、1分子中のエポキシ基2個)
(B-2):jER 828(三菱ケミカル社製、粘度13500mPa・s/25℃、エポキシ当量189g/mol、Mw370、1分子中のエポキシ基2個)
<シランカップリング剤(C)>
シランカップリング剤(C)として以下のものを用意した。
(C-1):E-freeJ189(メルカプト基を有するシランカップリング剤、モメンティブ社製)
(C-2):X-41-1810(メルカプト基を有するシランカップリング剤、信越化学工業社製)
(C’-1):KR-516(エポキシ基を有するシランカップリング剤、信越化学工業社製)
<エポキシ系化合物用硬化剤(D)>
エポキシ系化合物用硬化剤(D)として以下のものを用意した。
(D-1):アジピン酸ジヒドラジド(ADH-S、大塚化学社製、粉体)
<アクリル系樹脂用架橋剤(E)>
アクリル系樹脂用架橋剤(E)として以下のものを用意した。
(E-1):コロネートL55E(トリメチロールプロパンとトリレンジイソシアネートのアダクト体、東ソー社製)
<実施例1~4、比較例1~6>
上記の成分を後記の表2にしたがって配合し、酢酸エチルを用いて固形分濃度を30~60%の範囲に調整することにより、粘接着剤組成物を得た。
得られた粘接着剤組成物を、以下に示す手順にしたがって粘接着シートを作製した。その後、この粘接着シートを用いて、評価を行った。
各項目の評価方法と評価基準は下記のとおりである。また、これらの結果を後記の表2に併せて示す。
<粘接着シートの作製>
粘接着剤組成物を、厚み38μmの重剥離シリコンセパレータ(三井化学東セロ社製、「SPPET03 38BU」)に、乾燥後の厚みが50μmとなるようにコンマコータを用いて塗工し、100℃×3分間乾燥し、粘接着剤層を形成した。当該粘接着剤層の表面に厚み38μmの軽剥離シリコンセパレータ(三井化学東セロ社製、「SPPET01 38BU」)を貼り合わせた後、40℃で3日間エージングを施し粘接着シートを作製した(軽剥離シリコンセパレータ/粘接着剤層/重剥離シリコンセパレータの積層体)。
[熱硬化前の粘着力]
上記作製した粘接着シートの軽剥離シリコンセパレータを剥離し、粘接着剤層側をポリイミドフィルム(東レ・デュポン社製、「カプトン200H」)に常温下で貼り合わせ、フィルム基材付き粘接着シートを得た。得られたフィルム基材付き粘接着シートから重剥離シリコンセパレータを剥離し、粘接着剤層側をSUS304-BA板に常温下で1kgローラーを2往復して貼り付け、30分後にフィルム基材付き粘接着シートをAUTO Graph AG-X Plus(島津製作所社製)を用いて、剥離速度300mm/分、剥離角度180°の条件で接着強度(N/25mm)を測定した。
[熱硬化後の初期接着力]
上記作製した粘接着シートの軽剥離シリコンセパレータを剥離し、粘接着剤層側をポリイミドフィルム(東レ・デュポン社製、「カプトン200H」)に常温下で貼り合わせ、フィルム基材付き粘接着シートを得た。得られたフィルム基材付き粘接着シートを25mm幅に切り出した後、重剥離シリコンセパレータを剥離し、粘接着剤層側をSUS304-BA板に常温下で1kgローラーを2往復して貼り付けた後、160℃で1時間加熱硬化させた。その後23℃×50%RH環境下で調温し、AUTO Graph AG-X Plus(島津製作所社製)を用いて、剥離速度300mm/分、剥離角度180°の条件で剥離し、熱硬化後の初期接着力(N/25mm)を測定し、下記の基準で評価した。
(熱硬化後の初期接着力評価基準)
◎ ・・ 30N/25mm以上
〇 ・・ 20N/25mm以上、30N/25mm未満
× ・・ 20N/25mm未満
[湿熱試験後の接着力]
熱硬化後の初期接着力と同様にして得た試験片(SUS304-BA/粘接着剤層/ポリイミドフィルム)を85℃×85%RH環境下に500時間静置した後、初期接着力と同様の試験方法で湿熱試験後の接着力(N/25mm)を測定し、さらに下記の式により接着力の維持率を算出し、下記の基準で評価した。
(湿熱試験後の接着力評価基準)
◎ ・・ 30N/25mm以上
〇 ・・ 20N/25mm以上、30N/25mm未満
× ・・ 20N/25mm未満
(維持率評価基準)
接着力の維持率(%)=湿熱試験後の接着力/初期接着力×100
◎ ・・ 80%以上
〇 ・・ 65%以上、80%未満
△ ・・ 50%以上、65%未満
× ・・ 50%未満
[常温転写性]
上記作製した粘接着シートの軽剥離シリコンセパレータを剥離し、粘接着剤層側をポリイミドフィルム(東レ・デュポン社製、「カプトン200H」)に常温下で貼り合わせ、フィルム基材付き粘接着シートを得た。得られたフィルム基材付き粘接着シートから重剥離シリコンセパレータを剥離した際に粘接着剤層がポリイミドフィルムへ転写されているかどうかを目視で確認し、以下の基準で評価した。
(評価基準)
○・・・転写されている
×・・・転写されていない
Figure 2022136666000002
Figure 2022136666000003
上記結果より、本発明特定の、アクリル系樹脂(A)とエポキシ系化合物(B)とシランカップリング剤(C)とを含有する粘接着剤組成物を用いた実施例1~4においては、接着力の低下が湿熱試験前後で小さく、耐久性に優れている粘接着剤が得られた。
これに対して、エポキシ系化合物(B)を含有するものの、アクリル系樹脂(A)のTgが本発明の特定範囲から外れ、さらにシランカップリング剤(C)を含有していない比較例1及び2は硬化後の接着力性、耐湿熱性に劣っており、本発明特定のアクリル系樹脂(A)とエポキシ系化合物(B)とを含有するものの、シランカップリング剤(C)を含有していない比較例3及び4は耐湿熱性に劣っており、本発明特定のアクリル系樹脂(A)とエポキシ系化合物(B)を含有するものの、メルカプト系シランカップリング剤(C)を含有しない比較例5及び6では接着力の維持率に劣るものであった。
かかる結果より、特定のガラス転移温度(Tg)を有するアクリル系樹脂に、液状のエポキシ系化合物を特定量使用し、更にメルカプト系シランカップリング剤を用いることにより耐湿熱性に優れた粘接着剤を得ることができるものである。
本発明の粘接着剤組成物は、硬化前はタックがあり適度な粘着力を有し、硬化後においては高い接着力と耐湿熱性にすぐれた粘接着剤を形成することができる。したがって、本発明の粘接着剤組成物は、種々の粘接着用途、例えば、建材用、車載部品用、電子部品用、半導体製造工程用、部材封止用、航空部品用、スポーツ用品用等の種々の粘接着用途に好適に用いることができ、とりわけ、FPCと補強板とを接着する用途にも有用である。

Claims (10)

  1. アクリル系樹脂(A)、25℃で液状のエポキシ系化合物(B)(ただし、(A)を除く)、シランカップリング剤(C)、エポキシ系化合物用硬化剤(D)を含有する粘接着剤組成物であって、
    アクリル系樹脂(A)のガラス転移温度が-45~60℃であり、
    エポキシ系化合物(B)の含有量がアクリル系樹脂(A)100重量部に対して5~100重量部であり、
    シランカップリング剤(C)がメルカプト基を有するシランカップリング剤(C1)であることを特徴とする粘接着剤組成物。
  2. 前記アクリル系樹脂(A)の重量平均分子量が10万以上であることを特徴とする請求項1記載の粘接着剤組成物。
  3. 前記エポキシ系化合物(B)が、1分子中にエポキシ基を少なくとも2個以上有するエポキシ系化合物を含むことを特徴とする請求項1または2記載の粘接着剤組成物。
  4. 前記シランカップリング剤(C)の含有量が、アクリル系樹脂(A)100重量部に対して、0.01~3重量部であることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の粘接着剤組成物。
  5. 前記エポキシ系化合物用硬化剤(D)が粉体硬化剤であることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の粘接着剤組成物。
  6. 更にアクリル系樹脂用架橋剤(E)を含有することを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の粘接着剤組成物。
  7. 請求項1~6のいずれか一項に記載の粘接着剤組成物が架橋されてなることを特徴とする粘接着剤。
  8. 100~250℃の加熱により硬化されることを特徴とする請求項7記載の粘接着剤。
  9. 請求項7または8に記載の粘接着剤からなる粘接着剤層を有することを特徴とする粘接着シート。
  10. 請求項7または8に記載の粘接着剤からなる粘接着剤層と他の部材とが積層されていることを特徴とする積層体。
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