JP7331505B2 - 粘接着剤層、粘接着シート及び積層体 - Google Patents

粘接着剤層、粘接着シート及び積層体 Download PDF

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Description

本発明は、粘接着剤組成物からなる粘接着剤層に関し、更に詳しくは、常態下では粘着性を有し、被着体に貼着後、加熱により硬化して強固に接着する粘接着剤層に関する。そして、本発明は、被着体との貼着の際の粘着力及び保持力に優れ、更に、硬化後の剪断強度にも優れ、また、経時での保存安定性にも優れた粘接着剤層、粘接着シート及び積層体に関する。
従来、エポキシ系化合物を用いた液状の接着剤が、金属やプラスチックの接着用途に用いられている。また最近では、常態下では粘着性を有し、被着体に貼着した後は加熱により硬化して強固に接着するといった、粘着剤と接着剤の両方の性質を併せ持つ粘接着剤として、アクリル系樹脂、エポキシ樹脂及びエポキシ硬化剤を用いた熱硬化型感圧接着性組成物も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
更に、硬化後において、高い剪断強度を有するためにはカルボキシ基含有樹脂を用いることが有効であり、例えば、アクリロニトリル・ブタジエン・メタクリル酸を共重合した樹脂とエポキシ樹脂とエポキシ系硬化剤を用いた粘接着剤が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2013-203795号公報 特開2019-081902号公報
しかしながら、上記特許文献1の開示技術では、硬化後の接着剤層の変形を抑制できる程度には硬くなるものの、剪断強度には劣るものであった。
また、上記特許文献2に開示されている粘接着剤は、硬化後の剪断強度は高いものの、粘接着剤層が形成された後、長期間保存した後に使用する場合においては、硬化後の剪断強度が著しく低下してしまうという問題が残るものであった。これは、長期間保存している間にエポキシ系化合物が、カルボキシ基含有樹脂中のカルボキシ基と徐々に反応してしまい、部材を貼り合わせる前に硬くなってしまうことで、部材への濡れが不足してしまうことが要因と考えられる。
そこで、本発明ではこのような背景下において、長期間保存した後に使用する場合であっても、部材を貼り合わせた際の粘着力及び保持力に優れ、更に、硬化後の剪断強度にも優れた粘接着剤層を提供するものである。
しかるに、本発明者らはかかる事情に鑑み鋭意研究を重ねた結果、アクリル系樹脂、エポキシ系化合物及びエポキシ系化合物の硬化剤を含有する粘接着剤組成物からなる粘接着剤層において、アクリル系樹脂としてカルボキシ基含有アクリル系樹脂を用い、更に、粘接着剤層の経時後のゲル分率の差をより小さくすることにより、長期間保存した後に使用する場合であっても、部材を貼り合わせた際の粘着力及び保持力に優れ、更に、硬化後の剪断強度にも優れた粘接着剤層を得ることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は、カルボキシ基含有アクリル系樹脂(A)、エポキシ系化合物(B)及び上記エポキシ系化合物(B)の硬化剤(C)を含有する粘接着剤組成物[I]から形成される粘接着剤層であり、40℃、ドライ雰囲気下で、4週間静置した後のゲル分率(G2)と静置前のゲル分率(G1)の差〔(G2)-(G1)〕が30%以下である粘接着剤層を第1の要旨とする。
また、本発明は、上記第1の要旨である粘接着剤層を有する粘接着シートを第2の要旨とし、同じく上記第1の要旨である粘接着剤層と他の部材とが積層されている積層体を第3の要旨とする。
なお、本発明において、「硬化」とは加熱によるエポキシ系化合物の硬化を表し、後述の「架橋」とはアクリル系樹脂の架橋、とりわけ架橋剤との反応による架橋を表すこととする。
本発明の粘接着剤層は、部材を貼り合わせた際の粘着力及び保持力に優れ、更に、硬化後の剪断強度にも優れている。また、長期間保存した後に使用する場合であっても、硬化後の剪断強度に優れた粘接着剤層である。したがって、本発明の粘接着剤層は、種々の用途、例えば、建材用、車載部品用、電子部品用、半導体製造工程用、部材封止用、航空部品用、スポーツ用品用等の粘接着用途に好適に用いることができる。
以下に、本発明を詳細に説明する。
なお、本発明において、「(メタ)アクリル」とはアクリルあるいはメタクリルを、「(メタ)アクリロイル」とはアクリロイルあるいはメタクリロイルを、「(メタ)アクリレート」とはアクリレートあるいはメタクリレートをそれぞれ意味するものである。
また、「アクリル系樹脂」とは、少なくとも1種の(メタ)アクリレート系モノマーを含む重合成分を重合して得られる樹脂である。
そして、本発明において、「ガラス転移温度」とは、示差走査熱量計(TAインスツルメント社製、DSC Q2000)を用いて測定される値である。なお、測定温度範囲は-85~200℃、温度上昇速度は5℃/分である。
本発明の粘接着剤層は、カルボキシ基含有アクリル系樹脂(A)、エポキシ系化合物(B)及び上記エポキシ系化合物(B)の硬化剤(C)を含有する粘接着剤組成物[I]によって形成されるものであり、特定の条件下で静置した際の前後のゲル分率の差が所定の範囲内となるものである。以下、上記(A)、(B)、(C)を順に説明する。
<カルボキシ基含有アクリル系樹脂(A)>
上記カルボキシ基含有アクリル系樹脂(A)〔以下、「アクリル系樹脂(A)」と称することがある〕としては、(メタ)アクリル系モノマーを主成分とし、更にカルボキシ含有モノマー(a1)、必要に応じて、他の各種の重合性モノマーを含有する重合成分を重合してなるアクリル系樹脂があげられる。
なお、「主成分とする」とは、重合成分全体に対して通常40重量%以上、好ましくは50重量%以上、更に好ましくは60重量%以上含有することを意味する。
上記(メタ)アクリル系モノマーとしては、(メタ)アクリル酸の誘導体、(メタ)アクリルアミドまたはその誘導体等が挙げられる。
上記(メタ)アクリル酸の誘導体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、2-メチル-2-ニトロプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、s-ブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、n-ペンチル(メタ)アクリレート、t-ペンチル(メタ)アクリレート、3-ペンチル(メタ)アクリレート、2,2-ジメチルブチル(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、4-メチル-2-プロピルペンチル(メタ)アクリレート、n-オクタデシル(メタ)アクリレート等のアルキル基含有(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、上記(メタ)アクリル酸の誘導体の他の例として、例えば、
シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート等のシクロアルキル(メタ)アクリレート;
ベンジル(メタ)アクリレート等のアラルキル(メタ)アクリレート;
ビフェニルオキシエチル(メタ)アクリレート等のビフェニルオキシ構造含有(メタ)アクリレート;
2-イソボルニル(メタ)アクリレート、2-ノルボルニルメチル(メタ)アクリレート、5-ノルボルネン-2-イル-メチル(メタ)アクリレート、3-メチル-2-ノルボルニルメチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレ-ト、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレ-ト、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレ-ト等の多環式(メタ)アクリレート;
2-メトキシエチル(メタ)アクリレート、2-エトキシエチル(メタ)アクリレート、2-メトキシメトキシエチル(メタ)アクリレート、3-メトキシブチル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、アルキルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のアルコキシ基またはフェノキシ基含有(メタ)アクリレート;
等が挙げられる。
更に、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、8-ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、10-ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、12-ヒドロキシラウリル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートや、[4-(ヒドロキシメチル)シクロヘキシル]メチルアクリレート、シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリレート;
グリシジル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル等のエポキシ基含有(メタ)アクリレート;
2,2,2-トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,2-トリフルオロエチルエチル(メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロプロピル(メタ)アクリレート、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、ヘプタデカフルオロデシル(メタ)アクリレート、3-クロロ-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のハロゲン含有(メタ)アクリレート;
ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート;
3-オキセタニルメチル(メタ)アクリレート、3-メチル-オキセタニルメチル(メタ)アクリレート、3-エチル-オキセタニルメチル(メタ)アクリレート、3-ブチル-オキセタニルメチル(メタ)アクリレート、3-ヘキシル-オキセタニルメチル(メタ)アクリレート等のオキセタン基含有(メタ)アクリレート;
等が挙げられる。
また、前記(メタ)アクリルアミドの誘導体としては、例えば、
N-メチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、N-イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N-ブチル(メタ)アクリルアミド、N-ヘキシル(メタ)アクリルアミド等のN-アルキル基含有(メタ)アクリルアミド誘導体;
N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N-ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N-メチロール-N-プロパン(メタ)アクリルアミド等のN-ヒドロキシアルキル基含有(メタ)アクリルアミド誘導体;
アミノメチル(メタ)アクリルアミド、アミノエチル(メタ)アクリルアミド等のN-アミノアルキル基含有(メタ)アクリルアミド誘導体;
N-メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-エトキシメチル(メタ)アクリルアミド等のN-アルコキシ基含有(メタ)アクリルアミド誘導体;
メルカプトメチル(メタ)アクリルアミド、メルカプトエチル(メタ)アクリルアミド等のN-メルカプトアルキル基含有(メタ)アクリルアミド誘導体;
N-アクリロイルモルホリン、N-アクリロイルピペリジン、N-メタクリロイルピペリジン、N-アクリロイルピロリジン等の複素環含有(メタ)アクリルアミド誘導体:
等が挙げられる。
これらの(メタ)アクリル系モノマーは、単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。そして、中でも、(メタ)アクリル酸のアルキルエステルであるモノマーが好適に用いられるのであり、特に、炭素数1~20のアルキル(メタ)アクリレートが好ましい。更には、炭素数が1~12のものが好ましく、1~8のものがより好ましく、特には1~4のものが好ましい。炭素数が小さい方が、後述するエポキシ系化合物(B)との相溶性に優れるからである。
また、これらの(メタ)アクリル系モノマーのうち、アクリロイル基を有するモノマーを、アクリル系樹脂(A)の重合成分全体に対して25重量%以上含有させることが好ましく、より好ましくは35重量%以上である。上記アクリロイル基を有するモノマーの含有割合を多くすることにより、硬化前の粘着特性を損なうことなく、粘接着剤層形成後の転写性が優れたものとなり、取り扱い性が良好となる。
なお、「転写性」とは、粘接着剤層を離型フィルム上に形成した後、接着する部材面に貼合し、密着させた後、離型フィルムを剥離する際、粘接着剤層が部材に転写できなかったり泣き別れたりすることなく綺麗に部材に転写できる性能をいう。また、上記「泣き別れ」とは、所望の界面において剥離させることができず、所望の界面以外の界面において剥離が生じてしまう現象をいう。
このようなアクリロイル基を有するモノマーとしては、前述の、各種の(メタ)アクリル系モノマーのうち、アクリル酸の誘導体、アクリルアミドまたはその誘導体等の、アクリロイル基を含有するモノマーを選択して用いることができる。
上述のようにアクリル系樹脂(A)は、重合成分としてカルボキシ基含有モノマー(a1)を含むものである。
上記カルボキシ基含有モノマー(a1)としては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、グルタコン酸、イタコン酸、アクリルアミド-N-グリコール酸、ケイ皮酸等の不飽和カルボン酸が挙げられる。これらは単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも、(メタ)アクリル酸が好ましく、アクリル酸が特に好ましい。
重合成分における上記カルボキシ基含有モノマー(a1)の含有割合は、硬化後の剪断強度に優れる点から、共重合成分全体に対して0.01~30重量%であることが好ましく、より好ましくは0.03~10重量%であり、特に好ましくは0.05~5重量%である。カルボキシ基含有モノマー(a1)の含有割合が少なすぎると、硬化後の剪断強度が低下する傾向があり、含有割合が多すぎると、エポキシ系化合物(B)と反応しやすくなり、長期保存した後の硬化後の剪断強度が低下する傾向がある。
また、アクリル系樹脂(A)に用いることのできる、(メタ)アクリル系モノマー、カルボキシ基含有モノマー(a1)以外の重合性モノマー(以下、「その他の重合性モノマー」という)としては、例えば、
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステルモノマー;
スチレン、α-メチルスチレン等の芳香環を含有するモノマー;
アクリロニトリル、メタクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アルキルビニルエーテル、ビニルトルエン、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、イタコン酸ジアルキルエステル、フマル酸ジアルキルエステル、アリルアルコール、アクリルクロライド、メチルビニルケトン、アリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルアリルビニルケトン;
等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
そして、アクリル系樹脂(A)の重合成分には、上記カルボキシ基含有モノマー(a1)の他に、上記カルボキシ基含有モノマー(a1)以外の官能基含有モノマーを含有することが好ましく、かかる官能基含有モノマーは、水酸基含有モノマーであることが好ましい。中でも、(メタ)アクリロイル基を含有する水酸基含有モノマーが好ましく、より好ましくはアクリロイル基を有する水酸基含有モノマーである。具体的には、2-ヒドロシキエチル(メタ)アクリレートが好ましく、2-ヒドロキシエチルアクリレートがより好ましい。
そして、上記カルボキシ基含有モノマー(a1)以外の官能基含有モノマーの含有量は、アクリル系樹脂(A)における重合成分全体に対して0.1~30重量%であることが好ましく、1~25重量%であることがより好ましく、3~20重量%であることが特に好ましい。上記官能基含有モノマーが少なすぎると、粘接着剤層としたときの凝集力が低下する傾向になり、逆に多すぎると、粘接着剤層の保存安定性が低下したり、ポットライフが短くなったりする傾向がある。
上記アクリル系樹脂(A)の重合方法としては、溶液ラジカル重合、懸濁重合、塊状重合、乳化重合等の従来公知の方法を用いることができる。例えば、有機溶媒中に、適宜選択してなる重合成分、重合開始剤を混合あるいは滴下し、所定の重合条件にて重合する方法等があり、中でも、溶液ラジカル重合、塊状重合が好ましく、安定にアクリル系樹脂が得られる点で、溶液ラジカル重合が特に好ましい。
上記重合反応に用いられる有機溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ヘキサン等の脂肪族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の脂肪族アルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類等が挙げられる。これらの有機溶媒は、単独でもしくは2種以上併用することができる。
これらの有機溶媒の中でも、重合反応のしやすさや連鎖移動の効果や粘接着剤組成物の塗工時の乾燥のしやすさ、安全上の点から、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類が好ましく、特には、酢酸エチルを含むことが好ましい。
また、かかるラジカル重合に用いられる重合開始剤としては、例えば、通常のラジカル重合開始剤である2,2'-アゾビスイソブチロニトリル、2,2'-アゾビス-2-メチルブチロニトリル、4,4'-アゾビス(4-シアノ吉草酸)、2,2'-アゾビス(メチルプロピオン酸)等のアゾ系開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ジ-t-ブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物等が挙げられ、使用するモノマーに合わせて適宜選択して用いることができる。これらの重合開始剤は、単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。
このようにして、本発明で用いられるカルボキシ基含有アクリル系樹脂(A)が得られる。
上記カルボキシ基含有アクリル系樹脂(A)は、硬化後の剪断強度に優れる点から、カルボキシ基含有モノマー(a1)由来の構造単位を0.01~30重量%含有することが好ましく、より好ましくは0.03~10重量%であり、特に好ましくは0.05~5重量%である。カルボキシ基含有モノマー(a1)の含有割合が少なすぎると、硬化後の剪断強度が低下する傾向があり、含有割合が多すぎると、エポキシ系化合物(B)と反応しやすくなり、長期保存した後の硬化後の剪断強度が低下する傾向がある。
上記アクリル系樹脂(A)の重量平均分子量(Mw)は、15万以上であることが好ましく、特に好ましくは15万~150万、更に好ましくは20万~100万、殊に好ましくは25万~80万である。かかる重量平均分子量が小さすぎると、得られる粘接着剤層の靱性や凝集力が低下する傾向があり、転写性や保持力、硬化後の剪断強度が低下する傾向がある。また、かかる重量平均分子量が大きすぎると、粘度が高くなりすぎて重合時にスケーリングが多くなったり、エポキシ系化合物(B)との相溶性が低下したり、ハンドリング性が低下したりする傾向がある。
また、アクリル系樹脂(A)の分散度[重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)]は、15以下であることが好ましく、特に好ましくは10以下、更に好ましくは5.5以下である。かかる分散度が高すぎると凝集力が低下する傾向がある。なお、分散度の下限は通常1である。
上記のアクリル系樹脂(A)の重量平均分子量は、標準ポリスチレン分子量換算による重量平均分子量であり、高速液体クロマトグラフ(日本Waters社製、「Waters 2695(本体)」と「Waters 2414(検出器)」)に、カラム:Shodex GPC KF-806L(排除限界分子量:2×107、分離範囲:100~2×107、理論段数:10,000段/本、充填剤材質:スチレン-ジビニルベンゼン共重合体、充填剤粒径:10μm)を3本直列に接続して用いることにより測定されるものであり、数平均分子量も同様の方法で測定することができる。また分散度は、上記重量平均分子量と数平均分子量の測定値より求めることができる。
上記アクリル系樹脂(A)のガラス転移温度(Tg)は、15℃以上であることが好ましい。より好ましくは15~200℃、特に好ましくは20~180℃である。かかるガラス転移温度が低すぎると、硬化後の剪断強度が低下する傾向にあり、高すぎると硬化前のタックが低くなる傾向がある。
上記アクリル系樹脂(A)の屈折率は、通常1.440~1.600である。かかる屈折率は積層する部材との屈折率差を小さくすることが、部材界面での光損失が小さくなり好ましい。
なお、上記屈折率は、薄膜にしたアクリル系樹脂(A)を、屈折率測定装置(アタゴ社製「アッベ屈折計1T」)を用いてNaD線、23℃で測定した値である。
<エポキシ系化合物(B)>
本発明で用いられるエポキシ系化合物(B)としては、単官能エポキシ系化合物、エポキシ基を2つ以上有する多官能エポキシ系化合物が挙げられる。これらの化合物は、単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。そして、硬化後の剪断強度が高くなる傾向がある点で、エポキシ基を2つ以上有するエポキシ系化合物を含むことが好ましい。
上記単官能エポキシ系化合物としては、アルキルグリシジルエーテル、アルコキシグリシジルエーテル、フェノールグリシジルエーテル、EO(エチレンオキサイド)変性フェノールグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル等が挙げられる。
また、上記多官能エポキシ系化合物のうち、2官能エポキシ系化合物としては、例えば、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ジグリシジルテレフタラート、ジグリシジル-o-フタレート、ジグリシジルレソルシノールエーテル、ビスフェノールA型ジグリシジル化合物及びその水添物、ビスフェノールF型ジグリシジル化合物及びその水添物、ビフェニル型ジグリシジル化合物及びその誘導体等が挙げられる。
更に、上記多官能エポキシ系化合物のうち、3官能以上のエポキシ化合物としては、例えば、グリセロールトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、イソシアヌル酸トリグリシジル及びその誘導体、ペンタエリスリトールトリグリシジルエーテル等の3官能エポキシ系化合物;
ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、ジグリセロールテトラグリシジルエーテル、ジトリメチロールプロパンテトラグリシジルエーテル等の4官能エポキシ系化合物;
ポリグリセロールペンタグリシジルエーテル、ペンタエリストールペンタグリシジルエーテル、ジペンタエリストールペンタグリシジルエーテル等の5官能エポキシ系化合物;
ソルビトールヘキサグリシジルエーテル、ジペンタエリストールヘキサグリシジルエーテル等の6官能エポキシ系化合物;
ポリグリシジルエーテル、フェノールノボラック型エポキシ系化合物、クレゾールノボラック型エポキシ系化合物等の、他の多官能エポキシ系化合物;
等が挙げられる。
これらのエポキシ系化合物(B)の中でも、特に、2官能以上のエポキシ系化合物が好ましく、3官能以上のエポキシ系化合物が更に好ましく、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルが特に好ましい。
上記エポキシ系化合物(B)のエポキシ当量は、通常50~300g/molであり、好ましくは100~200g/molである。エポキシ当量が低い場合は、硬化後の剪断強度が不充分となる傾向があり、エポキシ当量が高い場合は、長期保存した後の硬化後の剪断強度が不充分となる傾向がある。
上記エポキシ系化合物(B)は、硬化前の粘接着剤層の粘着力、保持力、タック等のバランスに優れる点で、25℃で液状であるエポキシ系化合物を含むことが好ましい。
そして、上記エポキシ系化合物(B)として、液状のエポキシ系化合物を用いる場合、その粘度は、100~30,000mPa・s/25℃であることが好ましく、中でも、120~15,000mPa・s/25℃であることがより好ましく、125~2,500mPa・s/25℃であることが特に好ましい。上記粘度が高すぎると、粘接着剤層とした際のタックが低下する傾向にあり、低すぎると粘接着剤層とした際の凝集力が低下する傾向にある。
また、上記エポキシ系化合物(B)の重量平均分子量(Mw)は、150~50,000が好ましく、250~30,000が更に好ましく、300~10,000が特に好ましい。分子量が低すぎると、高温で揮発したり白煙が発生したりする傾向にあり、高すぎるとアクリル系樹脂(A)との相溶性が低下する傾向にある。
なお、上記エポキシ系化合物(B)の重量平均分子量は、標準ポリスチレン分子量換算による重量平均分子量であり、高速液体クロマトグラフ(Waters社製、「ACQUITY APCシステム」)に、カラム:ACQUITY APC XT 450を1本、ACQUITY APC XT 200を1本、ACQUITY APC XT 45を2本、の計4本を直列にして用いることにより測定されるものである。
更に、上記エポキシ系化合物(B)の含有量は、前記アクリル系樹脂(A)100重量部に対して25~300重量部であることが好ましく、40~250重量部であることがより好ましく、特には、50~200重量部であることが好ましく、更には60~160重量部であることがより好ましい。アクリル系樹脂(A)に対するエポキシ系化合物(B)の含有割合が少なすぎると、粘接着剤層のタックが低下してハンドリング性が低下したり、部材を貼り合わせて硬化する際に密着性が低下したりする傾向にあり、多すぎると粘接着剤層の保持力が低下する傾向にある。
<エポキシ系化合物(B)の硬化剤(C)>
上記エポキシ系化合物(B)の硬化剤として用いられる硬化剤(C)は、エポキシ基と反応しうる活性基を有するものである。
上記硬化剤(C)としては、例えば、ジシアンジアミド;4,4'-ジアミノジフェニルスルホン;
2-n-ヘプタデシルイミダゾール等のイミダゾール系化合物;アジピン酸ジヒドラジド、ステアリン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、二塩基酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、ドデカンジオヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、サリチル酸ヒドラジド等の有機酸ヒドラジド系化合物;N,N-ジアルキル尿素誘導体やN,N-ジアルキルチオ尿素誘導体、ジメチルウレア類等の尿素系化合物;テトラヒドロ無水フタル酸等の酸無水物;セミカルバジド、シアノアセトアミド、ジアミノジフェニルメタン、3級アミン、ポリアミン、イソホロンジアミン、m-フェニレンジアミン等のアミン系化合物;3-アミノ-1,2,4-トリアゾール等のアミノトリアゾール;N-アミノエチルピペラジン;メラミン類;アセトグアナミンやベンゾグアナミン等のグアナミン類;グアニジン類;三フッ化ホウ素錯化合物、三塩化ホウ素錯化合物等のホウ素錯化合物;トリスジメチルアミノメチルフェノール等の液状フェノール;ポリチオール;トリフェニルホスフィン;ケチミン化合物;スルホニウム塩;オニウム塩;フェノールノボラック樹脂等を用いることができる。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの硬化剤(C)の中でも、保存安定性の点で、アミノ基を有し融点100~250℃の硬化剤が好ましく、アミノ基を有し融点150~230℃の硬化剤がより好ましく、アミノ基を有し融点160~200℃の硬化剤が特に好ましい。融点が低すぎると保存安定性が低下する傾向にあり、融点が高すぎると硬化時間が長くなり作業性が低下する傾向にある。
具体的には、組成物の接着強度、保存安定性、ポットライフ等の観点から、ジシアンジアミド、有機酸ヒドラジド系化合物が好ましく、アジピン酸ジヒドラジド、ドデカンジオジヒドラジドが特に好ましい。
また、上記硬化剤(C)は、粉体として調製されていることが好ましい。
ここで、本発明において「粉体」とは、25℃で固体であって、通常、レーザ回折・散乱法によって測定される平均粒径が0.01~500μmの粉状であるものをいう。中でも、上記平均粒径が0.1~350μmのものが好ましく、とりわけ、1~100μmのものがより好ましい。上記平均粒径が小さすぎると、粘接着剤組成物[I]の保存安定性が低下する傾向があり、上記平均粒径が大きすぎると、硬化速度が遅くなって作業性が低下する傾向がある。
なお、上記平均粒径の硬化剤(C)を選択する場合、粘接着剤層を形成する際の膜厚を考慮して選択することが好ましく、上記粘接着剤層の膜厚に対し、その1.2倍以下の平均粒径のものを選択することが好ましく、1倍以下のものであることが更に好ましい。粒径が膜厚に対して大きすぎると、粘接着剤層の凹凸が大きくなり、貼り合わせの際に空隙が生じやすくなったり、接触面積が低下したりして、粘着力が低下する傾向がある。
上記硬化剤(C)の含有量は、エポキシ系化合物(B)100重量部に対して10~50重量部であることが好ましく、より好ましくは15~45重量部、特に好ましくは20~40重量部である。上記硬化剤(C)のエポキシ系化合物(B)に対する含有割合が上記の範囲内であると、経時での保存安定性や硬化後の剪断強度にとりわけ優れたものとなる傾向がある。
また、上記硬化剤(C)は、アクリル系樹脂(A)、エポキシ化合物(B)及び硬化剤(C)の合計に対して15~30重量%含有することが好ましい。上記範囲であれば、硬化前の粘着力やタックに優れ、硬化後の剪断強度にも優れるものとなる。
本発明に用いられる粘接着剤組成物[I]は、上記必須成分であるカルボキシ基含有アクリル系樹脂(A)、エポキシ系化合物(B)及び上記エポキシ系化合物(B)の硬化剤(C)を含有するものであるが、これらとともに、更に、架橋剤(D)を含有することが、粘接着剤組成物[I]をより効率的に架橋させることができ、粘接着剤層の凝集力を高め、保持力を向上させるとともに、硬化後の剥離性が向上する点において、好適である。
上記架橋剤(D)は、カルボキシ基含有アクリル系樹脂(A)を架橋するものである。このような架橋剤(D)としては、公知の架橋剤を用いることができ、例えば、イソシアネート系架橋剤、アジリジン系架橋剤、メラミン系架橋剤、アルデヒド系架橋剤、金属キレート系架橋剤が挙げられる。なお、上記架橋剤(D)は、前記エポキシ系化合物(B)として用いられるものは除く。
上記イソシアネート系架橋剤としては、例えば、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート等のトリレンジイソシアネート系化合物;1,3-キシリレンジイソシアネート、1,4-キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等のキシリレンジイソシアネート系化合物;1,5-ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート等の芳香族イソシアネート系化合物;ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、及びこれらのイソシアネート系化合物とトリメチロールプロパン等のポリオール化合物とのアダクト体、これらポリイソシアネート化合物のビュレット体やイソシアヌレート体等が挙げられる。
また、上記アジリジン系架橋剤としては、例えば、テトラメチロールメタン-トリ-β-アジリジニルプロピオネート、トリメチロールプロパン-トリ-β-アジリジニルプロピオネート、N,N'-ジフェニルメタン-4,4'-ビス(1-アジリジンカルボキシアミド)、N,N'-ヘキサメチレン-1,6-ビス(1-アジリジンカルボキシアミド)等が挙げられる。
更に、上記メラミン系架橋剤としては、例えば、へキサメトキシメチルメラミン、ヘキサエトキシメチルメラミン、ヘキサプロポキシメチルメラミン、ヘキサブトキシメチルメラミン、ヘキサペンチルオキシメチルメラミン、ヘキサヘキシルオキシメチルメラミン、メラミン樹脂等が挙げられる。
また、上記アルデヒド系架橋剤としては、例えば、グリオキザール、マロンジアルデヒド、スクシンジアルデヒド、マレインジアルデヒド、グルタルジアルデヒド、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド等が挙げられる。
そして、上記金属キレート系架橋剤としては、例えば、アルミニウム、鉄、銅、亜鉛、スズ、チタン、ニッケル、アンチモン、マグネシウム、パナジウム、クロム、ジルコニウム等の多価金属のアセチルアセトンやアセトアセチルエステル配位化合物等が挙げられる。
上記架橋剤(D)は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。そして、上記架橋剤(D)の中でも、特に、部材との密着性を向上させる点やアクリル系樹脂(A)との反応性の点で、イソシアネート系架橋剤が好適に用いられ、その中でも、特に、保持力や粘着物性に優れる点で、トリレンジイソシアネート系化合物、ヘキサメチレンジイソシアネート、及びこれらのイソシアネート系化合物とトリメチロールプロパン等のポリオール化合物とのアダクト体が好ましく、トリレンジイソシアネート系化合物とトリメチロールプロパンとのアダクト体が特に好ましい。
上記架橋剤(D)を用いる場合、その含有量は、アクリル系樹脂(A)100重量部に対して0.01~15重量部であることが好ましく、より好ましくは0.1~10重量部、特に好ましくは1~5重量部である。上記架橋剤(D)のアクリル系樹脂(A)に対する含有割合が上記の範囲内であると、保持力や転写性にとりわけ優れる傾向がある。
本発明に用いられる粘接着剤組成物[I]には、任意成分として、上記架橋剤(D)以外にも、本発明の効果を損なわない範囲において、各種の任意成分を配合することができる。以下、それらの任意成分について説明する。
<その他の任意成分>
その他の任意成分としては、公知の添加剤、例えば、カーボンや金属等の導電剤;金属粒子やガラス粒子等の無機フィラー;ウレタン樹脂、ロジン、ロジンエステル、水添ロジンエステル、フェノール樹脂、脂肪族系石油樹脂、脂環族系石油樹脂、スチレン系樹脂等の粘着付与剤;充填剤;酸化防止剤;紫外線吸収剤;シランカップリング剤;イオン性化合物、過酸化物、ウレタン化触媒等の架橋促進剤;アセチルアセトン等の架橋遅延剤;等の各種添加剤が挙げられる。
また、上記添加剤の他にも、粘接着剤組成物[I]の構成成分の製造原料等に含まれる不純物等が少量含有されたものであってもよい。
本発明に用いられる粘接着剤組成物[I]は、上記アクリル系樹脂(A)、エポキシ系化合物(B)及び硬化剤(C)を必須成分とし、好ましくは架橋剤(D)、更に必要に応じてその他の任意成分を混合することにより得ることができる。
これらの成分の混合方法については、特に限定されるものではなく、各成分を一括で混合する方法や、任意の成分を混合した後、残りの成分を一括または順次混合する方法等、種々の方法を採用することができる。
本発明の粘接着剤層は、上記粘接着剤組成物[I]を層状に塗工する等して得ることができる。そして、この粘接着剤層をプラスチックフィルム等の基材に積層形成することにより、粘接着シートを得ることができる。
上記粘接着シートは、中でも、粘接着剤層の両面にセパレータ(剥離シート)を積層した基材レス両面シートであることが、取り扱いやすい点で好適である。
上記粘接着シートの製造方法としては、例えば、セパレータや基材上に、粘接着剤組成物[I]を塗工し、乾燥した後、セパレータ(セパレータに塗工した場合は剥離力の異なるセパレータ)を貼合して乾燥し、必要に応じてエージング処理を行う方法が挙げられる。
上記エージング処理は、アクリル系樹脂(A)と架橋剤(D)の化学架橋を行う場合、粘接着剤の粘着物性のバランスをとるために行うものであり、エージングの条件としては、温度は通常室温(20℃±10℃)~40℃、時間は通常1~30日間であり、具体的には、例えば23℃で1~20日間、40℃で1~7日間等の条件で行えばよい。
前記粘接着剤組成物[I]の塗工に際しては、アクリル系樹脂(A)の製造に用いた有機溶媒が粘接着剤組成物[I]に含まれることから、そのまま粘接着剤組成物[I]を塗工してもよいが、塗工性の点から、粘接着剤組成物[I]を溶剤で希釈して塗工することが好ましい。希釈濃度は、固形分濃度が、好ましくは5~65重量%、特に好ましくは20~55重量%となる濃度である。
また、上記溶剤としては、粘接着剤組成物を溶解させるものであれば特に限定されない。例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等のエステル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤、メタノール、エタノール、プロピルアルコール等のアルコール系溶剤を用いることができる。これらの中でも、溶解性、乾燥性、価格等の点から酢酸エチルが好適に用いられる。
上記希釈された粘接着剤組成物[I]の粘度は、500~15,000mPa・s/25℃が好ましく、1,000~10,000mPa・s/25℃がより好ましく、1,500~8,000mPa・s/25℃が特に好ましい。粘度が低すぎると比重の重い成分を用いた場合、その成分が沈降しやすくなり、高すぎると塗工時に筋が発生する傾向がある。
また、上記粘接着剤組成物[I]の塗工方法としては、例えば、ロールコーティング、ダイコーティング、グラビアコーティング、コンマコーティング、スクリーン印刷等の方法が挙げられる。
そして、得られる粘接着シートにおける粘接着剤層の厚みは、5~250μmが好ましく、特には25~200μmが好ましく、更には40~175μmが好ましい。上記粘接着剤層が薄すぎると、厚み精度が低下したり粘着力が低くなったりして、部材を貼り合わせる際に空隙ができてしまい、剪断強度が低下する傾向がある。また、上記粘接着剤層が厚すぎると、粘接着シートをロール状にした際に端から粘接着剤層がはみ出したりする傾向がある。
かくして、本発明の粘接着剤層が得られる。
本発明の粘接着剤層は、特定の条件下で静置した際の、静置後と静置前のゲル分率の差を所定の範囲に制御することを特徴とするものである。
上記方法により製造される粘接着剤層のゲル分率については、部材との密着性、リワーク性、保持力の点から20~70%であることが好ましい。そして、より好ましくは25~65%であり、特に好ましくは30~60%である。上記粘接着剤層のゲル分率が低すぎると、凝集力が低くなり粘接着剤を硬化させる際に、部材がずれてしまう傾向があり、高すぎると、部材を貼り合わせる際に粘接着剤層と部材界面との充分な密着性が得られず硬化後の剪断強度が低下する傾向がある。
上記ゲル分率は、架橋度合の目安となるもので、例えば、以下の方法にて算出される。
即ち、基材等の表面に粘接着剤層が形成されてなる粘接着シートから粘接着剤層をピッキングにより採取し、粘接着剤層を200メッシュのSUS製金網で包み、23℃に調整した酢酸エチル中に24時間浸漬することにより、酢酸エチル浸漬前の粘接着剤層の重量に対する、金網中に残存した不溶解の粘接着剤成分の重量百分率をゲル分率とする。
本発明の粘接着剤層は、恒温恒湿器内に40℃、ドライ雰囲気下で、4週間静置した後のゲル分率(G2)と静置前のゲル分率(G1)との差〔(G2)-(G1)〕が30%以下であることを特徴とするものである。上記〔(G2)-(G1)〕は、25%以下であることが好ましく、20%以下であることがより好ましい。〔(G2)-(G1)〕が大きすぎると、長期保存した後の硬化後の剪断強度が低下する。また、〔(G2)-(G1)〕の下限値は、通常0%である。なお、上記ドライ雰囲気下とは、湿度10~30%RHの環境下をいう。
通常、カルボキシ基含有アクリル系樹脂(A)とエポキシ系樹脂(B)を含む粘接着剤は、長期保存中にこれらが反応することによってゲル分率が上昇し、粘接着剤層の硬化が起こる。そして、上記硬化した粘接着剤層を部材へと貼りあわせる場合には、濡れが不足し、硬化後の剪断強度が不充分となる傾向がある。
本発明の粘接着剤層は、長期保存した後のゲル分率と長期保存前のゲル分率の差が少ないものである。すなわち、本発明の粘接着剤層は、長期保存中にエポキシ系化合物(B)とカルボキシ基含有アクリル系樹脂(A)との反応が抑制されていることを意味する。したがって、本発明の粘接着剤層は、長期保存した後に使用する場合であっても、部材を貼り合せた際の粘着力及び保持力に優れ、更に、硬化後の剪断強度にも優れる。
なお、長期保存とは、少なくとも10~40℃、20~80%RHで2週間以上保存することを意味する。
上記のようなゲル分率を有する本発明の粘接着剤層は、例えば、(1)アクリル系樹脂(A)に対する架橋剤(D)の含有割合を調整する方法、(2)アクリル系樹脂(A)に対するエポキシ系化合物(B)の含有割合を調整するする方法、等により得ることができる。なかでもアクリル系樹脂(A)の官能基や分子鎖を拘束し、室温~40℃程度の温度雰囲気下でエポキシ系化合物(B)との反応を抑制する点で(1)の方法が好ましい。
更に、上記(1)の方法においては、アクリル系樹脂(A)のカルボキシ基量と架橋剤(D)の官能基量を調整することが好ましい。具体的には、アクリル系樹脂(A)のカルボキシ基量(Xmol)に対する架橋剤(D)の官能基量(Ymol)の割合(Y/X)が、0.05以上であることが保存安定性の点で好ましく、特に好ましくは0.05~10、更に好ましくは0.1~5である。かかる割合が小さすぎると保存安定性が低下し、長期保存後の粘着シートの使用において剪断強度が低下する傾向がある。
本発明においては、上記粘接着剤層が加熱により硬化され、接着力が上昇することになる。上記加熱条件としては、加熱温度は、好ましくは100~250℃であり、更に好ましくは120~200℃、特に好ましくは130~185℃である。かかる温度が低すぎると硬化時間が長くなり、作業性が低下する傾向があり、高すぎるとエポキシ系化合物が揮発したり発火したりする傾向がある。また、加熱時間は、好ましくは5~180分間であり、更に好ましくは30~120分間、特に好ましくは45~90分間である。かかる時間が短すぎると剪断強度が低下する傾向があり、長すぎると作業性が低下する傾向がある。
そして、硬化前の剪断強度(MPa)に対する、硬化後の剪断強度(MPa)の比が、10以上であることが硬化前の粘着物性と硬化後の剪断強度及び耐久性のバランスの点から好ましく、更に好ましくは20以上、特に好ましくは100以上である。
本発明の粘接着剤層は、部材を貼り合わせた際の粘着力及び保持力に優れ、更に、硬化後の剪断強度にも優れており、また、長期間保存した後に使用する場合であっても、硬化後の剪断強度に優れるものである。したがって、種々の用途、例えば、建材用、車載部品用、電子部品用、半導体製造工程用、部材封止用、航空部品用、スポーツ用品用等の粘接着用途に好適に用いることができる。
この粘接着剤層を有する粘接着シートは、粘接着剤層の表面に被覆するセパレータを剥離し、目的とする部材面に、この粘接着剤層表面を粘着させるだけで、簡単に粘接着剤層を転写することができるため、非常に作業勝手がよい。
そして、上記粘接着剤層を介して他の部材を積層させてなる積層体は、上記粘接着剤層が硬化前に高い保持力を有し、硬化後に高い剪断強度を発現することから、容易にずれたり剥離したりすることがなく、優れた品質のものとなる。
以下、実施例をあげて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、例中、「部」、「%」とあるのは、重量基準を意味する。
<アクリル系樹脂(A)>
後記の表1に示すモノマー組成物に従い3種類のアクリル系樹脂(A-1、A-2、A’-1)を、従来公知の手順にしたがって調製した。なお、アクリル系樹脂(A-1)を例にとってその詳細を具体的に説明する。アクリル系樹脂(A-1、A-2、A’-1)の組成を表1に示す。
[アクリル系樹脂(A-1)の調製]
還流冷却器、撹拌器、窒素ガスの吹き込み口及び温度計を備えた4ツ口丸底フラスコに、酢酸エチル72部、メチルエチルケトン24部、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を0.036部仕込み、フラスコを加熱して内温が沸点に到達した後、メチルアクリレート(MA)74.5部、メチルメタクリレート(MMA)20部、2-ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)5部、アクリル酸(AAc)0.5部、酢酸エチル4部、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.036部の混合溶液を2時間にわたって滴下した。
その後反応を継続しながら、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を2度追加し、7時間反応させたあと、酢酸エチルにて希釈し、アクリル系樹脂(A)溶液[固形分濃度38.0%、粘度13,500mPa・s/25℃、アクリル系樹脂(A):重量平均分子量(Mw)40万、分散度(Mw/Mn)3.3、ガラス転移温度(Tg)21.5℃]を得た。
Figure 0007331505000001
<エポキシ系化合物(B)>
エポキシ系化合物(B)として、以下のものを用いた。
(B-1):トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル(長瀬ケムテックス社製、「デナコールEX-321」、エポキシ当量140g/mol、粘度130mPa・s(25℃)、全塩素量7.5)
<硬化剤(C)>
硬化剤(C)として、以下のものを用いた。
(C-1):アジピン酸ジヒドラジド(大塚化学社製、融点177~183℃)
(C-2):ドデカンジオジヒドラジド(大塚化学社製、融点188~192℃)
<架橋剤(D)>
架橋剤(D)として、以下のものを用いた。
(D-1):トリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンのアダクト体(東ソー社製、「コロネートL55E」)
<実施例1~4、比較例1~4>
上記の成分を、後記の下記表2にしたがって配合し、酢酸エチルを用いて固形分濃度を30~60%の範囲に調整することにより、粘接着剤組成物[I]を得た。
Figure 0007331505000002
得られた粘接着剤組成物[I]を用いて、以下に示す手順にしたがってサンプル用の粘接着シートPを作製した。
<サンプル:粘接着シートPの作製>
粘接着剤組成物[I]を、厚み38μmの重剥離シリコンセパレータ(三井東セロ社製、SP PET 03 38BU)に、乾燥後の厚みが50μmとなるようにコンマコータを用いて塗工し、100℃×3分間乾燥した。そして、乾燥した粘接着剤層の表面に、厚み38μmの軽剥離シリコンセパレータ(三井東セロ社製、SP PET 01 38BU)を貼り合わせた後、40℃で3日間エージング処理を行うことにより、粘接着シートPを作製した(軽剥離シリコンセパレータ/粘接着剤層/重剥離シリコンセパレータ)。
かかる粘接着シートPについて、下記の通り評価を行った。各評価結果を後記表3に示す。
<ゲル分率(%)>
〔初期ゲル分率(G1):40℃、ドライ雰囲気下で、4週間静置する前のゲル分率〕
上記粘接着シートPからシリコンセパレータを剥離して得られた粘接着剤層を200メッシュのSUS製金網で包み、23℃に調整した酢酸エチル中に24時間浸漬することにより、酢酸エチル浸漬前の粘接着剤層の重量に対する、金網中に残存した不溶解の粘接着剤成分の重量百分率をゲル分率とした。
〔保存後ゲル分率(G2):40℃、ドライ雰囲気下で、4週間静置した後のゲル分率〕
得られた粘接着シートPを、更に40℃、ドライ雰囲気(10%RH)下で、4週間静置した後、上記と同様の操作を行い、ゲル分率(G2)を求めた。
<粘着力>
得られた粘接着シートPの軽剥離シリコンセパレータを剥離し、PETフィルムに転写した後、重剥離シリコンセパレータを剥離して、貼着面積が25mm×25mmとなるように粘接着剤層側をステンレス板(SUS304BA板)に貼着し、23℃×50%RHの条件下にて、重量2kgのゴムローラーを2往復させて加圧貼付し、同雰囲気下で30分間静置した後、剥離速度300mm/minで180度剥離強度(N/25mm)を測定した。評価基準は下記の通りである。
(評価基準)
◎・・・3N/25mm以上
○・・・1.5N/25mm以上3N/25mm未満
△・・・1N/25mm以上1.5N/25mm未満
×・・・1N/25mm未満
<保持力>
得られた粘接着シートPの軽剥離シリコンセパレータを剥離し、PETフィルムに転写した後、重剥離シリコンセパレータを剥離して、貼着面積が25mm×25mmとなるように粘接着剤層側を研磨SUS板に貼着し、23℃×50%RHの条件下で30分間静置した後、40℃の条件下にて1kgの荷重をかけて、JIS Z 0237の保持力の測定法に準じて、落下するまでの時間または24時間後のズレを測定した。評価基準は下記の通りである。
(評価基準)
◎・・・24時間後のずれが25mm以内(落下なし)
○・・・落下するまでの時間が60分以上
×・・・落下するまでの時間が60分未満
<硬化後の剪断強度(MPa)>
〔初期剪断強度:40℃、ドライ雰囲気下で、4週間静置する前の粘接着シートPを硬化した後の剪断強度〕
上記粘接着シートPを25mm×12.5mmの大きさにカットし、粘接着剤層をSUS板に転写した。転写したSUS板と反対側に同じサイズのSUS板を貼り合わせ、貼り合わせた部分をクリップで止めて140℃で1時間硬化した後、23℃×50%RH条件下で、AUTO Graph AG-X Plus(Shimadzu社製)を用い、5mm/minの速度で、剪断強度(MPa)を測定した。評価基準は下記の通りである。
(評価基準)
◎・・・20MPa以上
○・・・15MPa以上20MPa未満
×・・・15MPa未満
〔保存後剪断強度:40℃、ドライ雰囲気下で、4週間静置した後の粘接着シートPを硬化した後の剪断強度〕
得られた粘接着シートPを、更に40℃、ドライ雰囲気下で、4週間静置した後、上記と同様の操作を行い、硬化後の剪断強度を測定した。評価基準は下記の通りである。
(評価基準)
◎・・・18MPa以上
○・・・14MPa以上、18MPa未満
×・・・14MPa未満
〔初期剪断強度に対する保存後剪断強度の維持率〕
上記で測定した初期剪断強度及び保存後剪断強度から、下式により維持率(%)を求めた。
維持率(%)=(保存後剪断強度/初期剪断強度)×100
評価基準は下記の通りである。
(評価基準)
◎・・・85%以上
○・・・70%以上、85%未満
×・・・70%未満
Figure 0007331505000003
上記の結果より、カルボキシ基含有アクリル系樹脂(A)、エポキシ系化合物(B)及び硬化剤(C)を含有する粘接着剤組成物から形成される粘接着剤層のゲル分率の差が所定の値以下である実施例においては、粘着力や保持力が良好であるうえに、経時後の粘接着シートであっても硬化後の剪断強度に優れた粘接着剤層を形成することができた。それに対して、ゲル分率の差が所定の値を超えたり、カルボキシ基を含有しないアクリル系樹脂で用いた比較例では、保持力、剪断強度、維持率のいずれかが低く、良好な粘接着剤層を形成することができなかった。
本発明の粘接着剤層は、硬化後に高い剪断強度を発現し、また、長期間保存した後に使用する場合であっても、硬化後に高い剪断強度を発現することから、種々の用途、例えば、建材用、車載部品用、電子部品用、半導体製造工程用、部材封止用、航空部品用、スポーツ用品用の粘接着用途に好適である。

Claims (9)

  1. カルボキシ基含有アクリル系樹脂(A)、エポキシ系化合物(B)、上記エポキシ系化合物(B)の硬化剤(C)及び架橋剤(D)を含有する粘接着剤組成物[I]から形成される粘接着剤層であり、
    上記エポキシ系化合物(B)の含有量が、カルボキシ基含有アクリル系樹脂(A)100重量部に対して25~300重量部であり、
    上記架橋剤(D)が、イソシアネート系架橋剤、アジリジン系架橋剤、メラミン系架橋剤、アルデヒド系架橋剤及び金属キレート系架橋剤からなる群から選択される少なくとも一つであり、上記架橋剤(D)の含有量がカルボキシ基含有アクリル系樹脂(A)100重量部に対して、0.01~15重量部であり、
    40℃、ドライ雰囲気下で、4週間静置した後のゲル分率(G2)と静置前のゲル分率(G1)の差〔(G2)-(G1)〕が30%以下、静置前のゲル分率(G1)が70%以下であることを特徴とする粘接着剤層。
  2. 上記カルボキシ基含有アクリル系樹脂(A)が、カルボキシ基含有モノマー(a1)由来の構造単位を0.01~30重量%含有するものであることを特徴とする請求項1記載の粘接着剤層。
  3. 上記エポキシ系化合物(B)が、25℃で液状のエポキシ系化合物であることを特徴とする請求項1または2記載の粘接着剤層。
  4. 上記硬化剤(C)が、アミノ基を有し融点100~250℃の硬化剤であることを特徴とする請求項1~のいずれか一項に記載の粘接着剤層。
  5. 上記硬化剤(C)の含有量が、エポキシ系化合物(B)100重量部に対して10~50重量部であることを特徴とする請求項1~のいずれか一項に記載の粘接着剤層。
  6. 100~250℃の加熱により硬化されることを特徴とする請求項1~のいずれか一項に記載の粘接着剤層。
  7. 硬化前の剪断強度(MPa)に対する、硬化後の剪断強度(MPa)の比が、10以上であることを特徴とする請求項記載の粘接着剤層。
  8. 請求項1~のいずれか一項に記載の粘接着剤層を有することを特徴とする粘接着シート。
  9. 請求項1~のいずれか一項に記載の粘接着剤層と他の部材とが積層されていることを特徴とする積層体。
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