JP2014208467A - 熱プレス用離型シート及びこれを用いたフレキシブルプリント配線基板の製造方法 - Google Patents

熱プレス用離型シート及びこれを用いたフレキシブルプリント配線基板の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2014208467A
JP2014208467A JP2014061673A JP2014061673A JP2014208467A JP 2014208467 A JP2014208467 A JP 2014208467A JP 2014061673 A JP2014061673 A JP 2014061673A JP 2014061673 A JP2014061673 A JP 2014061673A JP 2014208467 A JP2014208467 A JP 2014208467A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
release sheet
hot press
adhesive layer
wiring board
flexible printed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014061673A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6712838B2 (ja
Inventor
美咲 上原
Misaki Uehara
美咲 上原
真紀 中山
Masanori Nakayama
真紀 中山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Somar Corp
Original Assignee
Somar Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Somar Corp filed Critical Somar Corp
Priority to JP2014061673A priority Critical patent/JP6712838B2/ja
Publication of JP2014208467A publication Critical patent/JP2014208467A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6712838B2 publication Critical patent/JP6712838B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C33/00Moulds or cores; Details thereof or accessories therefor
    • B29C33/56Coatings, e.g. enameled or galvanised; Releasing, lubricating or separating agents
    • B29C33/68Release sheets
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C43/00Compression moulding, i.e. applying external pressure to flow the moulding material; Apparatus therefor
    • B29C43/32Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B15/00Layered products comprising a layer of metal
    • B32B15/04Layered products comprising a layer of metal comprising metal as the main or only constituent of a layer, which is next to another layer of the same or of a different material
    • B32B15/08Layered products comprising a layer of metal comprising metal as the main or only constituent of a layer, which is next to another layer of the same or of a different material of synthetic resin
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B27/00Layered products comprising a layer of synthetic resin
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B27/00Layered products comprising a layer of synthetic resin
    • B32B27/16Layered products comprising a layer of synthetic resin specially treated, e.g. irradiated
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B27/00Layered products comprising a layer of synthetic resin
    • B32B27/30Layered products comprising a layer of synthetic resin comprising vinyl (co)polymers; comprising acrylic (co)polymers
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09JADHESIVES; NON-MECHANICAL ASPECTS OF ADHESIVE PROCESSES IN GENERAL; ADHESIVE PROCESSES NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE; USE OF MATERIALS AS ADHESIVES
    • C09J11/00Features of adhesives not provided for in group C09J9/00, e.g. additives
    • C09J11/02Non-macromolecular additives
    • C09J11/06Non-macromolecular additives organic
    • C09J7/02
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K1/00Printed circuits
    • H05K1/02Details
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K3/00Apparatus or processes for manufacturing printed circuits
    • H05K3/22Secondary treatment of printed circuits
    • H05K3/28Applying non-metallic protective coatings

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Non-Metallic Protective Coatings For Printed Circuits (AREA)
  • Adhesive Tapes (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Structure Of Printed Boards (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)

Abstract

【課題】 本発明は、2層CCL構造のフレキシブルプリント配線基板の製造時において、熱プレス加工を施した後にも糊残りが生じることなく簡単に剥離することができる熱プレス用離型シートを提供する。【解決手段】 本発明の熱プレス用離型シートは、基材フィルムの一方の面に粘着層を有する熱プレス用離型シートであって、粘着層はガラス転移温度が10℃から45℃であり、かつ少なくとも(A)アクリル樹脂と(B)架橋剤とから形成されてなるものであり、(A)アクリル樹脂は、少なくとも(A−1)エチルメタクリレート、(A−2)官能基を有し炭素数が2〜8のアルキル基を有する(メタ)アクリレート及び(A−3)エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーとの共重合体である。【選択図】 なし

Description

本発明は、フレキシブルプリント配線基板の製造時において、熱プレス加工を施した後に簡単に剥離することができる熱プレス用離型シートに関する。
フレキシブルプリント配線基板は、ポリイミドなどの合成樹脂フィルム(以下、ポリイミドフィルムを例として説明する)の少なくとも片面に銅箔などの金属材料(以下、銅箔を例として説明する)で導体の回路パターンを形成することにより構成されており、可撓性を有するため種々の電子機器や光学機器に幅広く用いられている。
このようなフレキシブルプリント配線基板は、電子機器や光学機器を作製する過程において、該配線基板への溶剤汚染、異物混入、傷の発生などを抑制するために電気・電子部品を実装する前に、(1)銅箔部分にカバーレイフィルムを貼付して熱プレスをすることによりカバーレイフィルムの接着層を硬化させて回路パターンを保護している。
また、フレキシブルプリント配線基板は薄くて柔らかいために、そのままでは重い部品を搭載することや、プリント基板用のカードエッジコネクタへ挿入することができないために、(2)フレキシブルプリント配線基板の回路パターンを有する面とは反対面に熱硬化性接着剤付補強板を貼り付け、熱板を用いて熱プレスすることにより補強板の接着剤を硬化させている。
このように熱板を用いて熱プレス加工する際には、(1)熱板とカバーレイフィルムとの間又は(2)熱板とフレキシブルプリント配線基板の回路パターンを有する面との間に熱プレス用離型シートを介在させることにより、熱板によるフレキシブルプリント配線基板の回路パターンを有する面への傷付きや異物混入を防止し、回路パターンや補強板の凹凸を吸収してフレキシブルプリント配線基板に均一な加熱と圧力を与えるために用いられている。
しかしながら、このような熱プレス用離型シートは、熱プレス加工後に剥離が十分ではなくカバーレイフィルム又はフレキシブルプリント配線基板の回路パターンを有する面に糊残りしてしまうものや、熱プレス時に当該熱プレス用離型シートからの溶出物によって、銅等の導電体により形成された回路面や端子めっきによる金メッキ処理面が変色をきたし、接続信頼性が低下する問題が生じていた。
このような問題を解決するものとして、基材フィルムの少なくとも一方の面に、アクリル系樹脂と架橋剤との反応物であり、ガラス転移温度(Tg)が−50〜20℃である樹脂層を有する熱プレス用離型シートが提案されている(特許文献1)。
特許第4890539号公報(請求項1)
ところでフレキシブルプリント配線基板を構成している金属張積層板は、その構成から3層金属張積層板(以下、3層銅張積層板を例として説明し、3層CCLという。CCLはCopper Clad Laminateの略。)と2層金属張積層板(以下、2層CCLという)とに大別され、品質、特性が安定しており安価であることから従来は3層CCLが主流であった。しかしながら、近年、これらの電子機器や光学機器の軽量化、小型化、薄型化、高密度化が進んでおり、フレキシブルプリント配線基板の厚みもより薄いものが求められており、2層CCLの需要が増えてきている。
3層CCLは、ポリイミドフィルムと回路パターンを形成した銅箔とが接着剤層を介して貼り合わせたものであるため、該フィルム上の銅箔の無い部分は接着剤層で覆われており、熱プレス加工後に従来の熱プレス用離型シートを剥離する際には、この接着剤層から熱プレス用離型シートの粘着層を剥がすこととなり比較的軽い力で剥離することができる。
一方、2層CCLは、銅箔にポリイミドワニスをコーティングするキャスティングタイプ、ポリイミドフィルムと銅箔とをポリイミド系接着剤で貼り合わせるラミネートタイプ、ポリイミドフィルムに金属を蒸着、あるいはスパッタリングした後に銅メッキをするスパッタタイプの3種類があるが、いずれのタイプも熱プレス加工後に熱プレス用離型シートを剥離する際には、ポリイミド表面から熱プレス用離型シートの粘着層を剥がすこととなり、該ポリイミド表面は3層CCLの接着剤層と比べて材質が異なるため、熱プレス加工後は剥離力が上昇してしまいポリイミド表面に糊残りが生じたり、2層CCLに変形が生じたりするという問題が発生している。
このような糊残りを回避するため本発明者らは従来の熱プレス用離型シートの粘着層の厚みを薄くしたところ、熱プレス加工後、被着体(回路パターンを有する2層CCL)の糊残りを解消することはできたが、粘着層が回路パターンを有する面の金属材料の凹凸を有する部分やカバーレイフィルムが貼付された凹凸を有する部分に追従することができなかったため、熱プレス時に合成樹脂フィルム(ポリイミドフィルム及び/又はカバーレイフィルム)から発生したアウトガスから金属材料を保護することができず、金属材料が変色するという問題が生じてしまった。なお、ここでいう金属材料とは、回路パターンを有する面の銅箔部分及びエッジコネクタ端子又は接触部分の接触面に施した金めっき部分をいう。このように当該金属材料が変色すると接続信頼性が低下するため好ましくない。
また、熱プレス時に熱プレス用離型シートからの溶出物、例えば粘着層に含まれる低分子量成分によって、当該金属材料が変色を生じるものであってはならない。
そこで本発明は、2層CCL構造のフレキシブルプリント配線基板の製造時において、熱プレス加工を施した後にもフレキシブルプリント配線基板に糊残りが生じることなく簡単に剥離することができ、かつ熱プレス時に合成樹脂フィルム(ポリイミドフィルム及び/又はカバーレイフィルム)から発生したアウトガスや、熱プレス用離型シートからの溶出物によりフレキシブルプリント配線基板の金属材料が変色しにくい熱プレス用離型シートを提供することを目的とする。
本発明の熱プレス用離型シートは、基材フィルムの一方の面に粘着層を有する熱プレス用離型シートであって、前記粘着層はガラス転移温度が10℃から45℃であり、かつ少なくとも(A)アクリル樹脂と(B)架橋剤とから形成されてなるものであり、前記(A)アクリル樹脂は、少なくとも(A−1)エチルメタクリレート、(A−2)官能基を有し炭素数が2〜8のアルキル基を有する(メタ)アクリレート及び(A−3)エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーとの共重合体であることを特徴とするものである。
また好ましくは、前記(A−2)成分の官能基が、水酸基及びアミノ基から選ばれる少なくとも1種以上であることを特徴とするものである。
また好ましくは、前記(A−2)成分が、2−ヒドロキシエチルメタクリレート及び2−ヒドロキシエチルアクリレートから選ばれる少なくとも1種以上であることを特徴とするものである。
また本発明の熱プレス用離型シートは、前記(A−3)成分のエチレン性不飽和二重結合を有するモノマーは、エチルアクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、アクリロニトリル及び酢酸ビニルから選ばれる少なくとも1種以上であることを特徴とするものである。
また本発明の熱プレス用離型シートは、(B)成分の架橋剤が、イソシアネート系架橋剤であることを特徴とするものである。
また好ましくは、(B)成分のイソシアネート系架橋剤が、反応性官能基を3つ以上有するものであることを特徴とするものである。
また本発明の熱プレス用離型シートは、(A)アクリル樹脂は、(A−1)成分が30質量%以上65質量%以下、(A−2)成分が0.1質量%以上10質量%以下と(A−3)成分が25質量%以上65質量%以下である共重合体であることを特徴とするものである。
また本発明の熱プレス用離型シートは、粘着層が、(C)成分として、ガラス転移温度が−70℃から−30℃である樹脂を含有することを特徴とするものである。
また好ましくは、(C)成分が、酢酸ビニル及び/又は2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートをモノマーとして含有する樹脂、及びウレタン樹脂から選ばれる少なくとも1種以上であることを特徴とするものである。
また本発明の熱プレス用離型シートは、粘着層における(C)成分の含有量が前記粘着層全体の50質量%以下であることを特徴とするものである。
また本発明の熱プレス用離型シートは、粘着層の厚みが4〜40μmであることを特徴とするものである。
また本発明の熱プレス用離型シートは、基材フィルムの一方の面に粘着層を有する熱プレス用離型シートであって、2層金属張積層板構造のフレキシブルプリント配線基板の回路パターンを有する面と、当該熱プレス用離型シートの粘着層を有する面とを貼り合せ、温度180℃、圧力5N/mm2の条件で30分間の熱プレスを行った後、JIS Z0237:2009に準拠した測定法で、
(a)フレキシブルプリント配線基板に用いられる合成樹脂からなるフィルムに対する剥離力が1.5N/25mm以下であり、
(b)フレキシブルプリント配線基板に用いられる回路パターンを形成する金属材料に対する剥離力が、1N/25mm以下であり、
(c)下記変色度試験による変色度が0〜3の範囲内にあることを特徴とするものである。
変色度試験:
(c−1)2層金属張積層板の金属材料を有する面のL***表色系による明度指数、クロマティネクス指数を測定し、
(c−2)2層金属張積層板の金属材料を有する面と当該熱プレス用離型シートの粘着層を有する面と貼り合せ、180℃、1N/mm2の条件下で1時間加熱圧着した。放冷後、当該熱プレス用離型シートを剥離し、2層金属張積層板の金属材料を有する面のL***表色系による明度指数、クロマティネクス指数を測定し、
(c−3)熱プレス前後の金属材料を有する面の変色度を、JIS Z8730に規定するL***表色系による色差に準拠して算出する。
また本発明のフレキシブルプリント配線基板の製造方法は、2層金属張積層板構造のフレキシブルプリント配線基板を製造する方法であって、熱板を用いて熱プレスすることによりフレキシブルプリント配線基板の回路パターンを有する面にカバーレイフィルムを貼付させる貼付工程において、上記熱プレス用離型シートを、少なくとも前記熱板と前記カバーレイフィルムとの間に当該熱プレス用離型シートの粘着層が前記カバーレイフィルムと対面するように介在させるものである。
また本発明のフレキシブルプリント配線基板の製造方法は、2層金属張積層板構造のフレキシブルプリント配線基板を製造する方法であって、熱板を用いて熱プレスすることによりフレキシブルプリント配線基板の回路パターンを有する面とは反対面に熱硬化性接着剤付補強板を貼付させる貼付工程において、上記熱プレス用離型シートを、少なくとも前記熱板と前記フレキシブルプリント配線基板の回路パターンを有する面との間に、該熱プレス用離型シートの粘着層が前記フレキシブルプリント配線基板の回路パターンを有する面と対面するように介在させるものである。
なお、本発明でいう「ガラス転移温度」とは、熱プレス用離型シートから剥離させた粘着層を示差走査熱量測定(DSC)することにより得られた値(℃)をいう。
本発明の熱プレス用離型シートによれば、2層CCL構造のフレキシブルプリント配線基板の製造時において、熱プレス加工を施した後にもフレキシブルプリント配線基板に糊残りが生じることなく簡単に剥離することができ、かつ熱プレス時に合成樹脂フィルム(ポリイミドフィルム及び/又はカバーレイフィルム)から発生したアウトガスや、熱プレス用離型シートからの溶出物によりフレキシブルプリント配線基板の金属材料が変色しにくい。
また、本発明のフレキシブルプリント配線基板の製造方法によれば、熱プレス加工を施した後にもフレキシブルプリント配線基板に糊残りが生じることなく、かつ熱プレス時に合成樹脂フィルム(ポリイミドフィルム及び/又はカバーレイフィルム)から発生したアウトガスや、熱プレス用離型シートからの溶出物によりフレキシブルプリント配線基板の金属材料が変色しにくいフレキシブルプリント配線基板を得ることができる。
本発明の熱プレス用離型シートは、基材フィルムの一方の面に粘着層を有するものであって、前記粘着層が特定のモノマーを共重合体させたアクリル樹脂と特定の架橋剤とから形成されてなるものである。以下、本発明の熱プレス用離型シートの実施の形態について説明する。
本発明で用いられる基材フィルムとしては、特に制限されるものではないが、融点が210℃以上のものが好ましく用いられる。このようなフィルムとしては例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース、ポリイミド、ポリアミド、ポリエーテルスルホン、芳香族ポリアミド、ポリスルホン、アクリル、ポリ塩化ビニル、フッ素樹脂などの合成樹脂フィルムである。その中でも、耐熱性、耐薬品性、凹凸追従性の観点から、ポリエチレンテレフタレートが好適である。なお、フィルムは透明であっても、これを構成する材質に各種顔料や染料を配合して着色したものであってもよく、また、その表面がマット状に加工されていてもよい。フィルムの厚みは、特に限定されるものではないが、熱プレス時のクッション性などを損なわないという観点から、2μm〜150μm、さらに取扱性の観点から5μm〜100μmが好ましく、さらには10μm〜75μmが好ましい。
このような基材フィルムは、本発明の効果を阻害しない範囲であれば、耐熱安定剤、耐酸化安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤などの公知の添加剤を含有させることができる。また、基材フィルムと後述する粘着層との密着性を向上させるために、基材フィルムの表面にプラズマ処理、コロナ放電処理、火炎処理、オゾン処理、紫外線照射処理、電子線照射処理、放射線照射処理、酸処理、アルカリ処理、化学薬品処理、サンドブラスト処理、エンボス処理、下引き易接着層塗布形成などの易接着処理を施しても良い。
また、基材フィルムの前記粘着層を設けた面とは反対側の面には、必要に応じて、帯電防止処理、剥離処理、隠蔽処理、エンボス処理などの表面処理を施しても良い。特に剥離処理として、シリコーン系、フッ素系、アルキド系の離型剤を塗布しても良い。
次に、粘着層について説明する。粘着層のガラス転移温度は下限として10℃以上、好ましくは15℃以上であり、上限として45℃以下、好ましくは30℃以下である。ガラス転移温度が下限よりも低いと、凝集破壊がおきやすく糊残りしやすくなり、ガラス転移温度が上限よりも高いと基材フィルムとの密着性が低くなっていくため糊残りしやすくなる。
また、前記粘着層は、少なくとも(A)アクリル樹脂と(B)架橋剤とから形成されてなるものである。
前記(A)アクリル樹脂は、少なくとも(A−1)エチルメタクリレート、(A−2)官能基を有し炭素数が2〜8のアルキル基を有する(メタ)アクリレート及び(A−3)エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーとの共重合体であり、粘着層の厚みを薄くすることなく、2層金属張積層板構造のフレキシブルプリント配線基板の回路パターンを有する面に貼付し熱プレスを行った後でも、フレキシブルプリント配線基板に糊残りが生じることなく剥離することができるという観点から(A−1)エチルメタクリレートを用いることが必須である。このように(A−1)エチルメタクリレートを用いることにより、粘着層の厚みを薄くしなくてもフレキシブルプリント配線基板に糊残りが生じることなく剥離することができ、回路パターンを有する面の金属材料の凹凸を有する部分やカバーレイフィルムが貼付された凹凸を有する部分に粘着層を十分に追従させることができるため、熱プレス時にフレキシブルプリント配線基板の合成樹脂フィルム(ポリイミドフィルム及び/又はカバーレイフィルム)から出るアウトガスによって金属材料が変色するのを防止することができる。なお、カバーレイフィルムとしては、ポリイミドフィルムにエポキシ樹脂が積層されたものがあげられる。
また、粘着層の凝集力を向上させ、被着体に糊残りを生じさせないようにするという観点から(A−2)官能基を有し炭素数が2〜8のアルキル基を有する(メタ)アクリレートを用いることが必須であり、前記官能基としては、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、アセトアセトキシエチル基、エポキシ基などがあげられるが、金属材料を腐食させにくいという観点から水酸基及びアミノ基から選ばれる少なくとも1種以上であることが好ましい。このような官能基を有する(A−2)成分のモノマーとしては、例えば、水酸基を有するモノマーとして2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、N−メチロールアクリルアミド、アリルアルコール、p−ヒドロキシスチレンなど、カルボキシル基を有するモノマーとしてβ−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸など、アミノ基を含有するモノマーとしてアミノメチル(メタ)アクリレート、メチルアミノメチル(メタ)アクリレート、メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、メチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、アクリルアミドなど、アセトアセトキシエチル基を含有するモノマーとしてアセトアセトキシエチル(メタ)アクリレートなど、エポキシ基を含有するモノマーとしてグリシジル(メタ)アクリレートなどがあげられ、なかでも水酸基を有するモノマーである2−ヒドロキシエチルメタアクリレート及び2−ヒドロキシエチルアクリレートから選ばれる少なくとも1種以上を用いることによって、より粘着層の凝集力を向上させ、より被着体に糊残りを生じさせないようにすることができる。
次に(A−3)エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーとしては、プリント配線基板からの剥離力を調整するとともに、粘着層のガラス転移温度を適正な範囲に調整しやすくすることができるという観点で用いられ、このようなモノマーとしては、炭素数が2〜8のアルキル基を有する(メタ)アクリレート例えば、エチルアクリレート、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ビニルエーテル、スチレン、(メタ)アクリロニトリルなどがあげられ、なかでもエチルアクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、アクリロニトリル、メチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート及び酢酸ビニルから選ばれる少なくとも1種以上を用いることによって、よりプリント配線基板からの剥離力を調整しやすくするとともに、より粘着層のガラス転移温度を適正な範囲に調整しやすくすることができる。剥離力が重くなりすぎると熱プレス加工後に熱プレス用離型シートを剥離した際に金属材料が変形しやすくなるとともに、合成樹脂フィルムや回路パターンを形成する金属材料に対し糊残りを生じさせやすくなる。
以上のような(A)アクリル樹脂を構成する(A−1)成分、(A−2)成分、(A−3)成分は、粘着層としたときのガラス転移温度が10℃から45℃の範囲内となるように配合しなければならないが、金属材料の変色を防止しつつ、糊残りが生じないよう粘着層の凝集力を高め、かつ2層金属張積層板構造のフレキシブルプリント配線基板からの剥離力を調整するという観点から、(A−1)成分は下限として30質量%以上、さらには35質量%以上であり、上限として65質量%以下、さらには55質量%以下とし、(A−2)成分は、下限として0.1質量%以上、さらには1質量%以上であり、上限として10質量%以下、さらには5質量%以下とし、(A−3)成分は、下限として25質量%以上、さらには35質量%以上であり、上限として65質量%以下、さらには60質量%以下とすることが好ましい。
次に、(B)成分の架橋剤は、(A)アクリル樹脂中の官能基と反応して架橋させるために用いるものであり、例えば、イソシアネート系架橋剤、金属キレート架橋剤、エポキシ系架橋剤、メラミン系架橋剤、尿素系架橋剤などがあげられる。なかでも、金属材料への腐食しにくさ、基材フィルムとの密着性、熱プレス加工後のフレキシブルプリント配線基板への糊残り防止性及び剥離力の調整のしやすさという観点から、イソシアネート系架橋剤が好ましく用いられる。イソシアネート系架橋剤としては、トリレンジイソシアネート系、ジフェニルメタンジイソシアネート系、ナフタレンジイソシアネート系、キシリレンジイソシアネート系、イソホロンジイソシアネート系、ヘキサメチレンジイソシアネート系、メチルジフェニルメタンジイソシアネート系、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート系、リジンイソシアネート系などがあげられるが、なかでも官能基を3つ以上有するものであることが好ましい。官能基を3つ以上有するイソシアネート系架橋剤を用いることにより、基材フィルムへの密着性がより良好となり、また架橋密度が高くなるため、熱プレス時に熱プレス用離型シートからの溶出物、例えば粘着層に含まれる低分子量成分が金属材料に転写することによって生じる金属材料の変色をより抑制することができる。このようなイソシアネート系架橋剤としては、イソホロンジイソシアネート系、ヘキサメチレンジイソシアネート系などがあげられる。
また、粘着層は、上述した(A)成分及び(B)成分に加えて、(C)成分として、他の樹脂を含有させても良く、プリント配線基板からの剥離力を調整するとともに、粘着層のガラス転移温度を適正な範囲に調整しやすくすることができるという観点から、ガラス転移温度が−70℃から−30℃である樹脂を含有させることが好ましい。このような(C)成分のガラス転移温度が−70℃から−30℃である樹脂としては、酢酸ビニル及び/又は2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートをモノマーとして含有する樹脂、及びウレタン樹脂などがあげられ、これらから選ばれる少なくとも1種以上を用いることによって、よりプリント配線基板からの剥離力を調整するとともに、粘着層のガラス転移温度を適正な範囲に調整しやすくすることができる。
前記粘着層における(C)成分を加えたときの(C)成分の含有量は、本発明の効果を阻害しない範囲であれば特に限定されるものではないが、(A)アクリル樹脂の性能を阻害せず、かつプリント配線基板からの剥離力を調整することができるという観点から、粘着層全体の50質量%以下とすることが好ましく、さらには30質量%以下とすることが好ましい。(C)成分が多くなりすぎると2層金属張積層板構造のフレキシブルプリント配線基板に対し剥離力が重くなっていく方向となるため、より厚みの薄い基板とした場合に、基板から熱プレス加工後に熱プレス用離型シートを剥離した際に当該基板が変形しやすくなるため、(C)成分はこのような範囲とすることが好ましい。
また、このような粘着層には、本発明のプレス用離型シートとしての機能を損なわない範囲であれば、反応促進剤、界面活性剤、顔料、滑剤、着色剤、帯電防止剤、難燃剤、抗菌剤、防カビ剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、レベリング剤、流動調整剤、消泡剤などの種々の添加剤を含ませることができる。
粘着層の厚みは回路パターンの凹凸の深さや形状によって異なってくるので一概にいえないが、下限としては4μm以上、好ましくは8μm以上であり、上限としては40μm以下、好ましくは20μm以下である。粘着層の厚みを4μm以上とすることにより、2層CCL構造のフレキシブルプリント配線基板の回路パターンの凹凸に追従しやすくアウトガスの発生をより抑制することができるため金属材料の変色を防止しやすくすることができ、40μm以下とすることにより、粘着層に含まれる低分子量成分が金属材料に転写することによって生じる金属材料の変色をより抑制することができるとともに、取扱性及び生産性を向上することができる。
本発明のプレス用離型シートの作製方法は、上述した(A)アクリル樹脂、(B)架橋剤、所望により用いられる(C)他の樹脂及び添加剤を、必要に応じて希釈溶剤に溶解又は分散して塗布液とし、この塗布液をバーコーティング法などの従来公知の塗布方法によって、上述した基材フィルムの一方の面に塗布、乾燥、必要に応じキュアリングすることによって作製される。
また、本発明の熱プレス用離型シートは、基材フィルムの一方の面に粘着層を有する熱プレス用離型シートであって、2層CCL構造のフレキシブルプリント配線基板の回路パターンを有する面と、当該熱プレス用離型シートの粘着層を有する面とを貼り合せ、温度180℃、圧力5N/mm2の条件で30分間の熱プレスを行った後、JIS Z0237:2009に準拠した測定法で、(a)フレキシブルプリント配線基板に用いられる合成樹脂からなるフィルムに対する剥離力が1.5N/25mm以下、好ましくは1N/25mm以下であり、(b)フレキシブルプリント配線基板に用いられる回路パターンを形成する金属材料に対する剥離力が、1N/25mm以下、好ましくは0.5N/25mm以下である。
さらに本発明の熱プレス用離型シートは、(c)変色度試験による変色度が0〜3の範囲内であり、変色度試験とは(c−1)2層CCLの金属材料を有する面のL***表色系による明度指数、クロマティネクス指数を測定し、(c−2)2層CCLの金属材料を有する面と当該熱プレス用離型シートの粘着層を有する面と貼り合せ、180℃、1N/mm2の条件下で1時間加熱圧着する。放冷後、当該熱プレス用離型シートを剥離し、2層CCLの金属材料を有する面のL***表色系による明度指数、クロマティネクス指数を測定し、(c−3)JIS Z8730に規定するL***表色系による色差に準拠して算出し、熱プレス前後の金属材料を有する面の変色度を算出するものである。
上記(a)及び(b)をこのような範囲とすることにより、2層CCL構造のフレキシブルプリント配線基板の製造時において、熱プレス加工を施した後にもよりフレキシブルプリント配線基板に糊残りが生じることなく、より簡単に剥離することができる。また(c)をこのような範囲とすることにより、2層CCL構造のフレキシブルプリント配線基板の製造時において、熱プレス時に金属材料が変色するのをより防止することができる。
次に、本発明のフレキシブルプリント配線基板の製造方法について説明する。本発明のフレキシブルプリント配線基板の製造方法は、2層金属張積層板構造のフレキシブルプリント配線基板を製造する方法であって、熱板を用いて熱プレスすることによりフレキシブルプリント配線基板の回路パターンを有する面にカバーレイフィルムを貼付させる貼付工程において、上述した本発明の熱プレス用離型シートを、少なくとも前記熱板と前記カバーレイフィルムとの間に当該熱プレス用離型シートの粘着層が前記カバーレイフィルムと対面するように介在させたものである。
また、本発明のフレキシブルプリント配線基板の製造方法の他の製造方法として、2層CCL構造のフレキシブルプリント配線基板を製造する方法であって、熱板を用いて熱プレスすることによりフレキシブルプリント配線基板の回路パターンを有する面とは反対面に熱硬化性接着剤付補強板を貼付させる貼付工程において、上述した本発明の熱プレス用離型シートを、少なくとも前記熱板と前記フレキシブルプリント配線基板の回路パターンを有する面との間に該熱プレス用離型シートの粘着層が前記フレキシブルプリント配線基板の回路パターンを有する面と対面するよう介在させたものである。
このように本発明の熱プレス用離型シートを用いて2層CCL構造のフレキシブルプリント配線基板を製造することにより、熱プレス加工を施した後にもフレキシブルプリント配線基板に糊残りが生じることなく、かつ熱プレス時に合成樹脂フィルムから発生したアウトガスや、熱プレス用離型シートからの溶出物により金属材料が変色しないフレキシブルプリント配線基板を得ることができる。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明する。なお、本実施例において「部」、「%」は、特に示さない限り質量基準である。
[実施例及び比較例]
1.(A)アクリル樹脂の合成
攪拌機、コンデンサー、温度計および窒素導入管を備えた反応容器に酢酸エチルを溶媒として、表1〜2に示すモノマー成分及びアゾビスイソブチロニトリル0.15部を配合し、均一になるまで撹拌後、流量100ml/分にて60分間バブリングを実施し、反応系中の溶存酸素を脱気した。次にそれを1時間かけて80℃まで昇温し、昇温後4時間重合させた。その後1時間かけて90℃まで昇温し、更に90℃にて1時間保持後、室温まで冷却した。次にトルエンを加え、アクリル樹脂溶液中の固形分が25%になるように調整した。重合したアクリル樹脂の重量平均分子量(ポリスチレン換算)をGPCで測定したところ、20万〜40万の範囲であった。
なお、表1〜3中、「Tg」はガラス転移温度、「EMA」はエチルメタクリレート、「2−HEMA」は2−ヒドロキシエチルメタクリレート、「AA」はアクリル酸、「HEA」はヒドロキシエチルアクリレート、「DMAEMA」はジメチルアミノエチルメタクリレート、「EA」はエチルアクリレート、「AN」はアクリロニトリル、「BMA」はブチルメタクリレート、「MA」はメチルアクリレート、「BA」はブチルアクリレート、「MMA」はメチルメタクリレート、「酢ビ」は酢酸ビニル、「2−EHA」は2−エチルヘキシルアクリレート、「HDI」はヘキサメチレンジイソシアネート系架橋剤(官能基3つ)、「IPDI」はイソホロンジイソシアネート系架橋剤(官能基3つ)、「B※1」はヘキサメチレンジイソシアネートビューレット型架橋剤(官能基2つ)、「B※2」はエポキシ系架橋剤(テトラッドC:三菱ガス化学社製)、「C※1」は2−エチルヘキシルアクリレート、酢酸ビニルモノマー及びヒドロキシエチルメタクリレートを63.7:35:1.3で共重合させた共重合体(ガラス転移温度−42℃)、「C※2」は2−エチルヘキシルアクリレート及び2−ヒドロキシエチルメタクリレートを97:3で共重合させた共重合体(ガラス転移温度−65℃)、「C※3」はウレタン樹脂(US−902A:一方社油脂工業社製)(ガラス転移温度−58℃)を表す。
2.熱プレス用離型シートを作製
表1〜2の組成の(A)アクリル樹脂、(B)架橋剤、及び必要に応じて(C)他の樹脂にメチルイソブチルケトンを加えて撹拌して実施例及び比較例の粘着層用塗布液を作製した。次に、厚み25μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(ダイアホイルT−100:三菱樹脂社製)の一方の面に、上述の実施例及び比較例の粘着層用塗布液を乾燥後の厚みが表3に示す値となるように塗布し、180℃加熱で1分間乾燥した後、厚み30μmのシリコーンフリーセパレータ(延伸ポリプロピレン、アルファンSSD−101:王子エフテックス社製)の片面にラミネートした。このフィルムを40℃の環境で4日間キュアリングした後、シリコーンフリーセパレータを剥離除去して、実施例及び比較例の熱プレス用離型シートを作製した。
次に、実施例及び比較例の熱プレス用離型シートについて、(1)粘着層のガラス転移温度、(2)熱プレス加工後のポリイミドフィルムに対する剥離力、(3)熱プレス加工後の銅箔に対する剥離力、(4)熱プレス用離型シート剥離後のポリイミドフィルムに対する糊残り、(5)熱プレス用離型シート剥離後の2層CCLの変形、(6)低分子量成分による銅箔の変色、(7)アウトガスによる銅箔の変色について下記の方法で測定及び評価をした。結果を表3に示す。
(1)ガラス転移温度の測定
実施例及び比較例の熱プレス用離型シートの粘着層のみを剥離させ、示差走査熱量計(DSC3200S:ブルカー・エイエックスエス社製)を使用して、昇温スピード10℃/分で測定を行った。
(2)熱プレス加工後のポリイミドフィルムに対する剥離力
実施例及び比較例の熱プレス離型シートを、幅25mm、長さ250mmに切断して試験片とし、この試験片を、2層CCL(ESPANEX SC18−25−00CE:新日鉄住金化学社製)の銅箔部分を取り除いた部分(ポリイミドフィルム、表面粗さRa=約0.28μm)に対して、粘着層が当該ポリイミドフィルムと接触するように配置させ熱ラミネーション(80℃、0.3MPa、1.5m/分)で圧着した。この評価サンプルを所定の条件(180℃、30分、5N/mm2)にて熱プレスを行った後、温度23℃、湿度65%RHの条件下で冷却し、JIS Z0237:2009に準拠した測定法で、熱プレス離型シートをポリイミドフィルムから剥離することにより、剥離力を測定した。
(3)熱プレス加工後の銅箔に対する剥離力
実施例及び比較例の熱プレス離型シートを、上記(2)と同様の大きさに切断して試験片とし、この試験片を、上記(2)と同様の2層CCLの銅箔面に対して、上記(2)と同条件で熱ラミネーション及び熱プレスを行った後、上記(2)と同条件下で冷却し、JIS Z0237:2009に準拠した測定法で、熱プレス離型シートを2層CCLの銅箔面から剥離することにより剥離力を測定した。
(4)熱プレス用離型シート剥離後のポリイミドフィルムに対する糊残り
上記(2)の熱プレス加工後のポリイミドフィルムに対する剥離力の測定の際に、ポリイミドフィルムに糊残りを生じていないかどうかマイクロスコープ(VHX−1000:キーエンス社製)にて50倍に拡大して確認した。評価は、マイクロスコープで糊残りが確認されないものを○、目視では分からないがマイクロスコープでわずかに確認されたものを△、目視で明らかに糊残りしているものを×とした。
(5)熱プレス用離型シート剥離後の2層CCLの変形
上記(3)の熱プレス加工後の銅箔に対する剥離力の測定の際に、2層CCLに変形が生じてないか目視にて評価した。評価は、2層CCLが変形していないものを○、2層CCLが変形したものを×とした。
(6)低分子量成分による銅箔の変色
上記(2)と同様の2層CCLの銅箔面について、粘着層に含まれる低分子量成分が金属材料に転写することによって生じる金属材料の変色について評価を行った。評価は、分光測色計(CM−5:コニカミノルタセンシング社製)を用いて、L***表色系による明度指数、クロマティネクス指数を測定した。次いで実施例及び比較例の熱プレス用離型シートを粘着層が2層CCLの銅箔面と接触するように配置させ、180℃、1N/mm2の条件下で1時間加熱圧着した。放冷後、当該熱プレス用離型シートを剥離し、銅箔面の明度指数、クロマティネクス指数を測定した。熱プレス前後の銅箔面の変色度をJIS Z8730に規定するL***表色系による式差に準拠して算出した。
(7)アウトガスによる銅箔の変色
上記(2)と同様の2層CCLに回路形成をしたものの回路部分の約1/3にカバーレイフィルムを貼り、残り約2/3はカバーレイフィルムを貼らない状態としたサンプルを作製した。その際、カバーレイフィルムの貼られていない回路部分の銅箔面は幅235μm、長さ1000μm〜1300μmとし、250μmの間隔で配置してなるものとした。次いで、その上に実施例4〜6及び比較例3〜5の熱プレス用離型シートを該熱プレス用離型シートの粘着層が接触するようにそれぞれ配置させ、上記(2)と同条件で熱ラミネーションして圧着した。
次に、上記(2)と同条件で熱プレスを行い冷却した。その後、熱プレス用離型シートを剥離し、カバーレイフィルムが貼られていない方の回路部分の銅箔面とポリイミドフィルム面の境目の変色について、マイクロスコープ(倍率200倍、VHX−1000:キーエンス社製)を用いて測定し、評価した。
評価は、銅箔面の長い方の長さを100としたとき、変色が生じた長さの割合が0%以上5%未満のものを◎、5%以上15%未満のものを○、15%以上30%未満のものを△、30%以上のものを×とした。
表3に示すように、実施例の熱プレス用離型シートは、粘着層のガラス転移温度が10℃から45℃であり、かつ(A−1)エチルメタクリレート、(A−2)官能基を有し炭素数が2〜8のアルキル基を有する(メタ)アクリレート及び(A−3)エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーとの共重合体である(A)アクリル樹脂と(B)架橋剤とから形成されてなる粘着層を基材の一方の面に有するものであった。その結果、いずれの熱プレス用離型シートも熱プレス加工後の2層CCL構造のフレキシブルプリント配線基板に糊残りが生じることなく、変形が生じるものではなかった。さらに粘着層に含まれる低分子量成分が金属材料に転写することによって生じる金属材料の変色や、熱プレス時にポリイミドフィルム及び/又はカバーレイフィルムから発生したアウトガスにより金属材料の変色が生じにくいものであった。また、実施例は2層CCLのポリイミドフィルムに対する剥離力は、1.5N/25mm以下、銅箔部分に対する剥離力は1N/25mm以下と低いものとなった。
一方、比較例1の熱プレス用離型シートは、粘着層は(A−1)、(A−2)、(A−3)成分を含有する(A)アクリル樹脂を用いていたが、ガラス転移温度が8℃と下限よりも低いものであった。その結果、熱プレス加工後の2層CCLのポリイミドフィルムに対する剥離力は、1.5N/25mmを超え、銅箔部分に対する剥離力は1N/25mmを超えるものとなり、熱プレス用離型シート剥離後、ポリイミドフィルムに糊残りは生じなかったものの、2層CCLは変形するものとなった。
次に、比較例2の熱プレス用離型シートは、粘着層は(A)アクリル樹脂として(A−1)成分を含んでいるが、(A−2)、(A−3)成分を含有していないものであり、ガラス転移温度が55℃と上限よりも高いものであった。その結果、熱プレス加工後の2層CCLのポリイミドフィルム及び銅箔部分に対し粘着層が界面破壊をおこし全面に転写してしまうものとなった。これにより熱プレス加工後の2層CCLのポリイミドフィルムに対する剥離力及び銅箔部分に対する剥離力、粘着層の低分子量成分による銅箔の変色及びアウトガスによる銅箔の変色については、測定不能となり、また、2層CCLの変形についても評価不能となった。
また、比較例3〜5と実施例4〜6を比較すると、比較例3〜5は、粘着層が(A)アクリル樹脂としてエチルメタクリレートを用いていないものであり、ガラス転移温度が7℃と下限よりも低いものであり、それぞれ厚みの異なるものとした。その結果、実施例4〜6は全ての評価項目を満足するものであったが、比較例3〜5は全ての項目を満足するものではなかった。以下に比較例3〜5と実施例4〜6をそれぞれ具体的に比較する。
まず、比較例3と実施例4を比較すると、比較例3は粘着層の厚みが5μmであり厚みの薄いものであったが、熱プレス加工後の2層CCLのポリイミドフィルムに対し糊残りの生じるものとなり、実施例4と比べて劣るものとなった。比較例3は熱プレス加工後の2層CCLのポリイミドフィルムに対する剥離力は1.5N/25mmを超え、また、銅箔部分に対する剥離力は1N/25mmを超えるものとなり、実施例4と比べて劣るものとなった。また、比較例3は熱プレス用離型シート剥離後の2層CCLは変形してしまい実施例4と比べて劣るものとなった。さらに、比較例3及び実施例4は粘着層に含まれる低分子量成分が金属材料に転写することによって生じる金属材料の変色については生じないものであったが、比較例3は熱プレス時にポリイミドフィルム及び/又はカバーレイフィルムから発生したアウトガスにより金属材料に変色が生じるものとなり実施例4と比べて劣るものとなった。
次に、比較例4と実施例6を比較すると、比較例4の熱プレス用離型シートは、厚みが10μmと実施例6と同じ厚みにしたものであった。その結果、比較例4は熱プレス加工後の2層CCLのポリイミドフィルムに対し糊残りの生じるものとなり実施例6と比べて劣るものとなった。また、比較例4は熱プレス加工後の2層CCLのポリイミドフィルムに対する剥離力は1.5N/25mmを超え、また、銅箔部分に対する剥離力は1N/25mmを超えるものとなり、実施例6と比べて劣るものとなった。また、比較例4は熱プレス用離型シート剥離後の2層CCLは変形してしまい実施例6と比べて劣るものとなった。さらに、比較例4は粘着層の厚みが比較的薄いため粘着層に含まれる低分子量成分が金属材料に転写することによって生じる金属材料の変色については生じないものであったが、比較例4は熱プレス時にポリイミドフィルム及び/又はカバーレイフィルムから発生したアウトガスにより金属材料に変色が生じるものとなり実施例6と比べて劣るものとなった。
次に、比較例5と実施例5を比較すると、比較例5の熱プレス用離型シートは、厚みが40μmと実施例5と同じ厚みにしたものであった。その結果、熱プレス加工後の2層CCLのポリイミドフィルムに対し粘着層が界面破壊をおこし全面に転写してしまうものとなった。これにより熱プレス用離型シート剥離後の2層CCLの変形、粘着層に含まれる低分子量成分が金属材料に転写することによって生じる金属材料の変色及び熱プレス時にポリイミドフィルム及び/又はカバーレイフィルムから発生したアウトガスによって生じる金属材料に変色については評価不能となった。
また、比較例6の熱プレス用離型シートは、粘着層は(A)アクリル樹脂として(A−1)、(A−2)(A−3)成分を含有したものを用いていたが、(B)架橋剤を用いていなかったため、熱プレス加工後の2層CCLのポリイミドフィルム及び銅箔部分に対しては粘着層が界面破壊をおこし全面に転写してしまうものとなり、熱プレス用離型シート剥離後2層CCLは変形については評価不能となり、熱プレス加工後の2層CCLのポリイミドフィルム及び銅箔部分に対し糊残りのするものとなった。また、粘着層に含まれる低分子量成分が金属材料に転写することによって生じる金属材料の変色については、粘着層が転写してしまったっため測定不能となった。
次に、実施例の熱プレス用離型シートについて比較する。
まず、実施例1と実施例6〜16とを比較すると、実施例6〜16の熱プレス用離型シートは、粘着層のガラス転移温度が15℃〜30℃であるのに対し、実施例1はガラス転移温度が11℃と低めであるため、実施例6〜16の熱プレス用離型シートの方が実施例1よりも、熱プレス加工後の2層CCLのポリイミドフィルムに対する剥離力及び銅箔部分に対する剥離力も優れたものとなった。ただし、実施例1のものも実用に十分耐えうるものであった。
次に、実施例3と実施例6〜16とを比較すると、実施例3の熱プレス用離型シートは、粘着層のガラス転移温度が41℃高めであったため、実施例6〜16の熱プレス用離型シートの方が実施例3よりも、基材フィルムへの密着性がより良好となり、熱プレス加工後の2層CCLのポリイミドフィルムに対しより糊残りしにくいものとなった。ただし、実施例3のものも実用に十分耐えうるものであった。
また、実施例12と実施例6〜11、14〜16とを比較すると、実施例6〜11、14〜16の熱プレス用離型シートは、粘着層に(B)官能基を3つ以上有するイソシアネート系架橋剤を用いているため、粘着層に(B)官能基を2つ有するイソシアネート系架橋剤を用いている実施例12の熱プレス用離型シートと比べて、架橋密度が高く粘着層に含まれる低分子量成分が金属材料に転写することによって生じる金属材料の変色が生じにくいものとなった。ただし、実施例12のものも実用に十分耐えうるものであった。
また、実施例13と実施例6〜11、14〜16とを比較すると、実施例6〜11、14〜16の熱プレス用離型シートは、粘着層に(A−2)成分としてカルボキシル基を有するアクリル酸、(B)エポキシ系架橋剤を用いている実施例13の熱プレス用離型シートと比べて、金属材料への腐食をおこしにくいため、より銅箔の変色が起こりにくいものとなった。ただし、実施例13のものも実用に十分耐えうるものであった。
また、実施例15と実施例6〜13とを比較すると、実施例6〜13の熱プレス用離型シートは、粘着層における(C)成分の含有量が粘着層全体の15質量%で含有されているため、(C)成分の含有量が粘着層全体の52質量%で含有されている実施例15の熱プレス用離型シートと比べて、熱プレス加工後の2層CCLのポリイミドフィルムに対する剥離力及び銅箔部分に対する剥離力もより優れたものとなった。ただし、実施例15のものも実用に十分耐えうるものであった。
また、実施例16と実施例6〜13とを比較すると、実施例6〜13の熱プレス用離型シートは、(C)成分を含有していない実施例16の熱プレス用離型シートと比べて、熱プレス加工後の2層CCLのポリイミドフィルムに対する剥離力及び銅箔部分に対する剥離力もより優れたものとなった。ただし、実施例16のものも実用に十分耐えうるものであった。
また、熱板を用いて熱プレスすることにより2層金属張積層板構造のフレキシブルプリント配線基板の回路パターンを有する面にカバーレイフィルムを貼付させる貼付工程において、実施例6の熱プレス用離型シートを、前記熱板と前記カバーレイフィルムとの間に当該熱プレス用離型シートの粘着層が前記カバーレイフィルムと対面するように介在させて、フレキシブルプリント配線基板の製造をおこなったところ、熱プレス時にアウトガスにより金属材料が変色せず、かつ熱プレス加工を施した後にもフレキシブルプリント配線基板に糊残りが生じることなく簡単に剥離することができた。

Claims (14)

  1. 基材フィルムの一方の面に粘着層を有する熱プレス用離型シートであって、前記粘着層はガラス転移温度が10℃から45℃であり、かつ少なくとも(A)アクリル樹脂と(B)架橋剤とから形成されてなるものであり、前記(A)アクリル樹脂は、少なくとも(A−1)エチルメタクリレート、(A−2)官能基を有し炭素数が2〜8のアルキル基を有する(メタ)アクリレート及び(A−3)エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーとの共重合体であることを特徴とする熱プレス用離型シート。
  2. 前記(A−2)成分の官能基が、水酸基及びアミノ基から選ばれる少なくとも1種以上であることを特徴とする請求項1記載の熱プレス用離型シート。
  3. 前記(A−2)成分が、2−ヒドロキシエチルメタクリレート及び2−ヒドロキシエチルアクリレートから選ばれる少なくとも1種以上であることを特徴とする請求項2記載の熱プレス用離型シート。
  4. 前記(A−3)成分のエチレン性不飽和二重結合を有するモノマーが、エチルアクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、アクリロニトリル及び酢酸ビニルから選ばれる少なくとも1種以上であることを特徴とする請求項1から3いずれか1項記載の熱プレス用離型シート。
  5. 前記(B)成分の架橋剤が、イソシアネート系架橋剤であることを特徴とする請求項1から4いずれか1項記載の熱プレス用離型シート。
  6. 前記(B)成分のイソシアネート系架橋剤が、反応性官能基を3つ以上有するものであることを特徴とする請求項5記載の熱プレス用離型シート。
  7. 前記(A)アクリル樹脂は、(A−1)成分が30質量%以上65質量%以下、(A−2)成分が0.1質量%以上10質量%以下と(A−3)成分が25質量%以上65質量%以下である共重合体であることを特徴とする請求項1から6いずれか1項記載の熱プレス用離型シート。
  8. 前記粘着層は、(C)成分として、ガラス転移温度が−70℃から−30℃である樹脂を含有することを特徴とする請求項1から7いずれか1項記載の熱プレス用離型シート。
  9. 前記(C)成分は、酢酸ビニル及び/又は2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートをモノマーとして含有する樹脂、及びウレタン樹脂から選ばれる少なくとも1種以上であることを特徴とする請求項8記載の熱プレス用離型シート。
  10. 前記粘着層における前記(C)成分の含有量は、前記粘着層の50質量%以下であることを特徴とする請求項8又は9記載の熱プレス用離型シート。
  11. 前記粘着層は、厚みが4〜40μmであることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項記載の熱プレス用離型シート。
  12. 基材フィルムの一方の面に粘着層を有する熱プレス用離型シートであって、2層金属張積層板構造のフレキシブルプリント配線基板の回路パターンを有する面と、当該熱プレス用離型シートの粘着層を有する面とを貼り合せ、温度180℃、圧力5N/mm2の条件で30分間の熱プレスを行った後、JIS Z0237:2009に準拠した測定法で、
    (a)フレキシブルプリント配線基板に用いられる合成樹脂からなるフィルムに対する剥離力が1.5N/25mm以下であり、
    (b)フレキシブルプリント配線基板に用いられる回路パターンを形成する金属材料に対する剥離力が、1N/25mm以下であり、
    (c)下記変色度試験による変色度が0〜3の範囲内にあることを特徴とする熱プレス用離型シート。
    変色度試験:
    (c−1)2層金属張積層板の金属材料を有する面のL***表色系による明度指数、クロマティネクス指数を測定し、
    (c−2)2層金属張積層板の金属材料を有する面と当該熱プレス用離型シートの粘着層を有する面と貼り合せ、180℃、1N/mm2の条件下で1時間加熱圧着する。放冷後、当該熱プレス用離型シートを剥離し、2層金属張積層板の金属材料を有する面のL***表色系による明度指数、クロマティネクス指数を測定し、
    (c−3)熱プレス前後の金属材料を有する面の変色度を、JIS Z8730に規定するL***表色系による色差に準拠して算出する。
  13. 2層金属張積層板構造のフレキシブルプリント配線基板を製造する方法であって、熱板を用いて熱プレスすることによりフレキシブルプリント配線基板の回路パターンを有する面にカバーレイフィルムを貼付させる貼付工程において、請求項1から12いずれか1項記載の熱プレス用離型シートを、少なくとも前記熱板と前記カバーレイフィルムとの間に当該熱プレス用離型シートの粘着層が前記カバーレイフィルムと対面するように介在させるフレキシブルプリント配線基板の製造方法。
  14. 2層金属張積層板構造のフレキシブルプリント配線基板を製造する方法であって、熱板を用いて熱プレスすることによりフレキシブルプリント配線基板の回路パターンを有する面とは反対面に熱硬化性接着剤付補強板を貼付させる貼付工程において、請求項1から12のいずれか1項記載の熱プレス用離型シートを、少なくとも前記熱板と前記フレキシブルプリント配線基板の回路パターンを有する面との間に、該熱プレス用離型シートの粘着層が前記フレキシブルプリント配線基板の回路パターンを有する面と対面するように介在させるフレキシブルプリント配線基板の製造方法。
JP2014061673A 2013-03-27 2014-03-25 熱プレス用離型シート及びこれを用いたフレキシブルプリント配線基板の製造方法 Active JP6712838B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014061673A JP6712838B2 (ja) 2013-03-27 2014-03-25 熱プレス用離型シート及びこれを用いたフレキシブルプリント配線基板の製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013067518 2013-03-27
JP2013067518 2013-03-27
JP2014061673A JP6712838B2 (ja) 2013-03-27 2014-03-25 熱プレス用離型シート及びこれを用いたフレキシブルプリント配線基板の製造方法

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020024904A Division JP7162627B2 (ja) 2013-03-27 2020-02-18 熱プレス用離型シート及びこれを用いたフレキシブルプリント配線基板の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014208467A true JP2014208467A (ja) 2014-11-06
JP6712838B2 JP6712838B2 (ja) 2020-06-24

Family

ID=51903042

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014061673A Active JP6712838B2 (ja) 2013-03-27 2014-03-25 熱プレス用離型シート及びこれを用いたフレキシブルプリント配線基板の製造方法
JP2020024904A Active JP7162627B2 (ja) 2013-03-27 2020-02-18 熱プレス用離型シート及びこれを用いたフレキシブルプリント配線基板の製造方法

Family Applications After (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020024904A Active JP7162627B2 (ja) 2013-03-27 2020-02-18 熱プレス用離型シート及びこれを用いたフレキシブルプリント配線基板の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (2) JP6712838B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016065189A (ja) * 2014-09-26 2016-04-28 ソマール株式会社 めっき用マスキングフィルム
JP2016065190A (ja) * 2014-09-26 2016-04-28 ソマール株式会社 配線基板製造工程用バックアップフィルム
JP2020041129A (ja) * 2017-09-28 2020-03-19 日東電工株式会社 補強フィルムおよび補強フィルム付きデバイスの製造方法
JP2020152840A (ja) * 2019-03-20 2020-09-24 日本カーバイド工業株式会社 耐熱性粘着シート用粘着剤組成物、及び、耐熱性粘着シート
WO2022009591A1 (ja) * 2020-07-08 2022-01-13 株式会社東京セロレーベル 離型フィルム
US11541639B2 (en) 2017-10-12 2023-01-03 Avery Dennison Corporation Low outgassing clean adhesive

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0770539A (ja) * 1993-09-03 1995-03-14 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd カバーレイ用接着剤及びカバーレイフィルム
JP3381211B2 (ja) * 1994-05-12 2003-02-24 日立化成ポリマー株式会社 フレキシブル配線板用接着剤組成物
JP4890539B2 (ja) * 2006-04-19 2012-03-07 ソマール株式会社 熱プレス用離型シート及びそれを用いたフレキシブルプリント配線板の製造方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4437638B2 (ja) * 2002-08-09 2010-03-24 日本カーバイド工業株式会社 再剥離型表面保護シート用粘着剤組成物及び再剥離型表面保護シート
JP2004143217A (ja) 2002-10-22 2004-05-20 Three M Innovative Properties Co 熱硬化性接着剤組成物

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0770539A (ja) * 1993-09-03 1995-03-14 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd カバーレイ用接着剤及びカバーレイフィルム
JP3381211B2 (ja) * 1994-05-12 2003-02-24 日立化成ポリマー株式会社 フレキシブル配線板用接着剤組成物
JP4890539B2 (ja) * 2006-04-19 2012-03-07 ソマール株式会社 熱プレス用離型シート及びそれを用いたフレキシブルプリント配線板の製造方法

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016065189A (ja) * 2014-09-26 2016-04-28 ソマール株式会社 めっき用マスキングフィルム
JP2016065190A (ja) * 2014-09-26 2016-04-28 ソマール株式会社 配線基板製造工程用バックアップフィルム
JP2020041129A (ja) * 2017-09-28 2020-03-19 日東電工株式会社 補強フィルムおよび補強フィルム付きデバイスの製造方法
CN111876092A (zh) * 2017-09-28 2020-11-03 日东电工株式会社 增强薄膜
CN111876092B (zh) * 2017-09-28 2022-05-27 日东电工株式会社 增强薄膜
US11945984B2 (en) 2017-09-28 2024-04-02 Nitto Denko Corporation Reinforcing film
US11541639B2 (en) 2017-10-12 2023-01-03 Avery Dennison Corporation Low outgassing clean adhesive
JP2020152840A (ja) * 2019-03-20 2020-09-24 日本カーバイド工業株式会社 耐熱性粘着シート用粘着剤組成物、及び、耐熱性粘着シート
JP7343107B2 (ja) 2019-03-20 2023-09-12 日本カーバイド工業株式会社 耐熱性粘着シート用粘着剤組成物、及び、耐熱性粘着シート
WO2022009591A1 (ja) * 2020-07-08 2022-01-13 株式会社東京セロレーベル 離型フィルム
JP2022015278A (ja) * 2020-07-08 2022-01-21 株式会社東京セロレーベル 離型フィルム
JP7038430B2 (ja) 2020-07-08 2022-03-18 株式会社東京セロレーベル 離型フィルム

Also Published As

Publication number Publication date
JP6712838B2 (ja) 2020-06-24
JP2020104518A (ja) 2020-07-09
JP7162627B2 (ja) 2022-10-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7162627B2 (ja) 熱プレス用離型シート及びこれを用いたフレキシブルプリント配線基板の製造方法
JP5554503B2 (ja) 再剥離性工程フィルム
JP4890539B2 (ja) 熱プレス用離型シート及びそれを用いたフレキシブルプリント配線板の製造方法
JP5209306B2 (ja) 粘接着剤及び粘接着シート
JP4918166B1 (ja) 両面粘着シート、剥離シート付き両面粘着シート、その製造方法および透明積層体
WO2021193724A1 (ja) 粘着剤組成物、粘着剤および粘着シート
US20060069200A1 (en) Acrylic adhesive composition and acrylic adhesive sheet
JPWO2016027787A1 (ja) 粘着剤組成物、これを架橋させてなる粘着剤、マスキングフィルム用粘着剤、耐熱粘着フィルム用粘着剤、マスキング用耐熱粘着フィルム、およびその使用方法
JP4880877B2 (ja) フレキシブルプリント配線基板の製造方法及び該製造方法に用いる再剥離性剥離材付き工程フィルム
US20060069201A1 (en) Acrylic flame retardant adhesive composition and acrylic flame retardant adhesive sheet
TW201831632A (zh) 黏著劑組成物及其利用
JP2006022313A (ja) 粘着剤組成物及びこれを用いた粘着シート
JP6157133B2 (ja) マスキングフィルム用粘着剤組成物、これを架橋させてなるマスキングフィルム用粘着剤、およびこの粘着剤を有するマスキングフィルム
JP4690185B2 (ja) 水蒸気バリア性透明積層体
KR100730985B1 (ko) 커버레이필름용 접착제 조성물
JP6418872B2 (ja) 配線基板製造工程用バックアップフィルム
JP5898505B2 (ja) 硬質平面板貼合用樹脂シート、積層体及び表示体
JP4667759B2 (ja) フレキシブルプリント配線基板用再剥離性工程フィルム及びその貼合方法
JP2010018676A (ja) 難燃性接着剤組成物、ならびにそれを用いた接着シート、カバーレイフィルムおよびフレキシブル銅張積層板
JP7047851B2 (ja) 粘着剤組成物及びその利用
KR102081077B1 (ko) 내열 점착제 조성물 및 이를 이용한 점착필름
JP6418871B2 (ja) めっき用マスキングフィルム
JP5348867B2 (ja) 粘接着剤および粘接着シート
JP2011061215A (ja) フレキシブルプリント配線基板用再剥離性工程フィルムの製造方法及び貼合方法
JP7447565B2 (ja) 粘接着剤組成物、粘接着剤、粘接着シート及び積層体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170314

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180131

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180306

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180426

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180606

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180724

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20180816

C60 Trial request (containing other claim documents, opposition documents)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C60

Effective date: 20181106

C22 Notice of designation (change) of administrative judge

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C22

Effective date: 20190402

C13 Notice of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C13

Effective date: 20200115

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200218

C23 Notice of termination of proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C23

Effective date: 20200415

C03 Trial/appeal decision taken

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C03

Effective date: 20200520

C30A Notification sent

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C3012

Effective date: 20200520

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200602

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6712838

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250