JP6418872B2 - 配線基板製造工程用バックアップフィルム - Google Patents

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Description

本発明は、配線基板の製造工程において、配線基板に貼付するバックアップフィルムに関し、特にフレキシブル配線基板の製造工程において、露光からめっき処理まで1枚のバックアップフィルムで製造することができる配線基板製造工程用バックアップフィルムに関する。
図1に、2枚のバックアップフィルムを用いて配線基板の回路パターン上に部分的にめっき層を形成する従来の工程の一例を示す。図1Aは、第1のバックアップフィルムの断面模式図の一例であり、図1Hは、第2のバックアップフィルムの断面模式図の一例である。
まず、配線基板であるフレキシブルプリント基板(以下、FPCという場合がある)20にドライフィルムレジスト5と第1のバックアップフィルム10を60℃〜120℃の温度で熱ラミネーションをして貼り合わせる(図1B)。
次いで、露光、現像し、銅箔面4の不必要箇所となる部分のドライフィルムレジスト5を除去する(図1C)。
その後、40℃〜60℃で3分〜10分間、硫酸銅と過酸化水素を混合した液体を用いてエッチングし、前記銅箔面4の不必要箇所を除去する(図1D)。FPC20上に残ったドライフィルムレジスト5を強アルカリ液で除去し、常温で水洗する(図1E)。
そして、めっき層を設ける部分に穴の開いたカバーレイフィルム6をFPC20上に置き150℃〜180℃で3分〜60分間、熱プレスを行って貼着する(図1F)。
次に、前記FPC20から第1のバックアップフィルム10を剥離、除去し(図1G)、第2のバックアップフィルム10’(図1H)を常温ラミネーションにより貼付する(図1I)。なお、第2のバックアップフィルム10’の粘着層2’は紫外線剥離型の粘着層であり、常温ラミネーションの際にはFPC20にしっかり貼着し、紫外線照射後は常温での剥離力が軽くなるものである。
次いで、上記のようにして得られた第2のバックアップフィルム10’を貼付したFPC20をめっき液が通常60℃〜90℃程度であるめっき槽7に入れて、電解めっきや無電解めっきを行うことにより、FPC20上のカバーレイフィルム6が貼られていない銅箔面4部分にめっき層8が形成される(図1J)。図1Jのめっき工程終了後、FPC20をめっき槽8から取り出し、水洗し、60℃〜120℃で乾燥後、室温まで放冷する(図示せず)。冷却したFPC20から第2のバックアップフィルム10’を紫外線等のエネルギー線を照射することによって剥離することにより、FPC20の所望の箇所にめっき層7が形成された製品が得られる(図1K)。
以上のように、従来の配線基板に貼付するバックアップフィルムは、配線基板の製造工程において、配線基板に貼り付けた後、露光、エッチング、熱プレスまでの工程が終了すると、当該バックアップフィルム(第1のバックアアップフィルム)を剥離、除去し、次にめっき工程に入る前に高温で高い粘着力を有する2枚目のバックアップフィルム(第2のバックアップフィルム)を配線基板に貼付し、めっき処理、水洗、乾燥を行った後、紫外線等を照射して常温での剥離力を軽くして剥離、除去される(特許文献1)。
このようにめっき工程の前に第1のバックアップフィルムを貼り替える理由としては、めっき処理を行う際のめっき液の温度が高温(通常60℃〜90℃程度)であり、このような高温状態でも配線基板から剥離しないよう、バックアップフィルムの粘着層は高温での高い粘着力を有することが必要とされる。
しかしながら、このように高温で高い粘着力を有する粘着層は、常温においても比較的高い粘着力を有するものである。このように、めっき処理後の常温で高い粘着力を有するバックアップフィルムを用いると、当該バックアップフィルムを配線基板から剥離、除去する際に、きれいに剥離、除去できなかったり、配線基板を傷つけてしまうといった問題が生じる。
このような理由から、めっき処理工程に耐え得る高温での高い粘着力を有し、めっき処理後の常温で紫外線を照射することによって簡単に剥離することができる紫外線硬化型の粘着層を有するバックアアップフィルムが第2のバックアップフィルムとして用いられている。
しかしながら、このようにバックアップフィルムを貼り替える作業は煩雑であり、1枚で全ての工程を網羅することのできるバックアップフィルムが望まれている。
再公表特許WO01/004228(3ページ10行目〜4ページ1行目)
そこで、上述したような紫外線剥離型の粘着層を有する第2のバックアップフィルムを最初の工程から使用することが考えられるが、第2のバックアップフィルムを最初の工程から使用した場合、熱プレスの工程で150℃〜180℃の熱が加わることとなり、紫外線剥離型の粘着層はこのような温度に耐え得ることができず、全工程終了後、配線基板から剥離、除去する際に糊残りが生じるものとなってしまう。
また、上述した第1のバックアップフィルムを全工程で用いた場合は、めっき処理工程において、当該バックアップフィルムが配線基板から剥離してしまうという問題が生じる。
また、高温での粘着力を向上させた粘着層を有するバックアップフィルムを全工程で用いた場合は、めっき処理後、配線基板から剥離除去する際に剥離力が重くなりすぎ、配線基板から剥離できない、配線基板を傷つけてしまう等の問題が生じる。
以上のような理由から、従来は、配線基板の製造工程において、第1のバックアップフィルムを用いて熱プレス工程まで行い、めっき処理工程の前に第1のバックアップフィルムを剥離、除去した後、第2のバックアップフィルムを貼付するという貼り替え工程が必要なものであり、煩雑であった。
そこで本発明は、1枚のバックアップフィルムで全工程を網羅することができ、かつ使用後、常温で簡単に剥離、除去することができる配線基板製造工程用バックアップフィルムを提供することを目的とする。
そこで、本発明者は鋭意検討を行ったところ、特定の成分の粘着層を用いることによって上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の配線基板製造工程用バックアップフィルムは、基材フィルムの一方の面に粘着層を有するものであって、前記粘着層はガラス転移温度が10℃から35℃であり、かつ少なくとも(A)アクリル樹脂と(B)架橋剤とから形成されてなるものであり、
前記(A)アクリル樹脂は、少なくとも(A−1)エチルメタクリレート、(A−2)前記(B)と反応する官能基としての水酸基とともに炭素数が2〜8のアルキル基を有する(メタ)アクリレート及び(A−3)エチレン性不飽和二重結合を有するモノマー(ただし、(A−1)及び(A−2)に該当するものを除く)を含む成分からなる共重合体であることを特徴とするものである。
好ましくは、(A)成分は、(A−1)成分を30〜75質量%、(A−2)成分を0.1〜10質量%、(A−3)成分を15〜65質量%、含有するものである。
また好ましくは、本発明の配線基板製造工程用バックアップフィルムは、粘着層が、さらに(C)成分として、ガラス転移温度が−70℃から−30℃である樹脂を含有することを特徴とするものである。
さらに好ましくは、(C)成分が、炭素数2〜8の(メタ)アクリレート(官能基を含有するものを除く)、アクリロニトリル、酢酸ビニル及び(B)と反応する官能基含有する(メタ)アクリレートから選ばれる種以上のモノマー由来成分を含む樹脂((A)成分に該当するものを除く)であることを特徴とするものである。
また本発明の配線基板製造工程用バックアップフィルムは、粘着層における(C)成分の含有量が前記粘着層全体の30質量%以上、80質量%以下であることを特徴とするものである。
なお、本発明でいう「ガラス転移温度」とは、配線基板製造工程用バックアップフィルムから剥離させた粘着層を示差走査熱量測定(DSC)することにより得られた値(℃)をいう。
本発明によれば、1枚のバックアップフィルムで全工程を網羅することができ、かつ使用後、常温で簡単に剥離除去することができる配線基板製造工程用バックアップフィルムが得られる。
2枚のバックアップフィルムを用いて配線基板の回路パターン上に部分的にめっき層を形成する従来の工程の一例を示す模式図である。
本発明の配線基板製造工程用バックアップフィルムは、基材フィルムの一方の面に粘着層を有するものであって、
前記粘着層はガラス転移温度が10℃から35℃であり、かつ少なくとも(A)アクリル樹脂と(B)架橋剤とから形成されてなるものであり、
前記(A)アクリル樹脂は、少なくとも(A−1)エチルメタクリレート、(A−2)前記(B)と反応する官能基としての水酸基とともに炭素数が2〜8のアルキル基を有する(メタ)アクリレート及び(A−3)エチレン性不飽和二重結合を有するモノマー(ただし、(A−1)及び(A−2)に該当するものを除く)を含む成分からなる共重合体であることを特徴とするものである。
以下、本発明の配線基板製造工程用バックアップフィルムの実施の形態について詳細に説明する。
本発明で用いられる基材フィルムとしては、特に制限されるものではなく、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース、ポリイミド、ポリアミド、ポリエーテルスルホン、芳香族ポリアミド、ポリスルホン、アクリル、ポリ塩化ビニル、フッ素樹脂などの合成樹脂やガラス、金属、セラミックをフィルム状にしたものを用いることができる。
なかでも、コスト面や取扱性の観点から、合成樹脂フィルムを用いることが好ましく、バックアップ性をより向上させることができるという観点から、ポリエチレンテレフタレート及びポリエチレンナフタレートを用いることが好ましい。さらには、熱プレス後のFPCからのカールを抑制するという観点から、150℃における熱収縮率が0.5%未満であるものを用いることが好ましい。
なお、基材フィルムは透明であっても、これを構成する材料に各種顔料や染料を配合して着色したものであってもよく、また、その表面がマット状に加工されていてもよい。さらには、これらの合成樹脂フィルムを2層以上組み合わせて積層したものであってもよい。基材フィルムの厚みは、配線基板を保持できる程度の厚みがあればよく、用いる材質によって異なり、また配線基板の種類によっても異なってくるため一概にいえないが、上述した合成樹脂フィルムを用いる場合には、12〜250μmが好ましく、さらには25〜125μmが好ましい。
このような基材フィルムは、本発明の効果を阻害しない範囲であれば、耐熱安定剤、耐酸化安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤などの公知の添加剤を含有させることができる。また、基材フィルムと後述する粘着層との密着性を向上させるために、基材フィルムの表面にプラズマ処理、コロナ放電処理、火炎処理、オゾン処理、紫外線照射処理、電子線照射処理、放射線照射処理、酸処理、アルカリ処理、化学薬品処理、サンドブラスト処理、エンボス処理、下引き易接着層塗布形成などの易接着処理を施しても良い。
また、基材フィルムの前記粘着層を設けた面とは反対側の面には、必要に応じて、帯電防止処理、剥離処理、隠蔽処理、エンボス処理などの表面処理を施しても良い。特に剥離処理として、シリコーン系、フッ素系、アルキド系の離型剤を塗布しても良い。
次に、粘着層について説明する。粘着層のガラス転移温度は、下限として10℃以上、好ましくは20℃以上であり、上限として35℃以下、好ましくは30℃以下である。ガラス転移温度の下限を10℃以上とすることにより、高温での密着力の低下を抑制し、めっき液の浸み込みを防止することができる。また、ガラス転移温度の上限を35℃以下とすることにより、60℃〜120℃での熱ラミネーネーションすることにより配線基板に十分に密着させることができる。
また、このようなガラス転移温度を持つ粘着層は、さらに−40℃以上0℃以下の範囲に、より好ましくは−35℃以上−10℃以下の範囲に、もう一つガラス転移温度を有することが好ましい。
このような範囲にもう一つガラス転移温度を有することにより、高温での密着力の低下をより抑制することができ、めっき液の浸み込みをより防止することができる。また、常温での粘着力をさらに十分なものとすることができるため、エッチングや水洗等の比較的低温の液処理においても、配線基板から当該配線基板製造工程用バックアップフィルムが剥がれてしまうことを防止することができる。
また粘着層は、少なくとも(A)アクリル樹脂と(B)架橋剤とから形成されてなるものである。本発明で用いる(A)アクリル樹脂は、少なくとも(A−1)エチルメタクリレート、(A−2)(B)と反応する官能基としての水酸基とともに炭素数が2〜8のアルキル基を有する(メタ)アクリレート及び(A−3)エチレン性不飽和二重結合を有するモノマー(ただし、(A−1)及び(A−2)に該当するものを除く)を含む成分からなる共重合体である。
まず、(A−1)エチルメタクリレートは、常温(約15℃〜25℃、水洗工程)、中温(約40℃〜60℃、エッチング工程)、高温(約60℃〜90℃めっき工程)での広い温度範囲(約15℃〜90℃)において粘着力を維持し、水、エッチング液、めっき液等の処理液(以下、単に処理液という場合がある)の浸み込みを防ぐという観点から用いられる。
また、粘着層の凝集力を調整し、広い温度範囲(約15℃〜90℃)における粘着力及び加熱後の常温での剥離力を調整するという観点から、(A−2)後述の(B)と反応する官能基としての水酸基とともに炭素数が2〜8のアルキル基を有する(メタ)アクリレートが用いられる。このような水酸基を有するモノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、N−メチロールアクリルアミド、アリルアルコール、p−ヒドロキシスチレンなどがあげられる。なかでも2−ヒドロキシエチルメタクリレート及び2−ヒドロキシエチルアクリレートから選ばれる少なくとも1種以上を用いることによって、より粘着層の凝集力を調整しやすくすることができ、より広い温度範囲における粘着力及び加熱後の常温での剥離力を調整しやすくすることができる。また、(A−2)成分を含むことにより、被着体に糊残りを生じさせにくくすることができる。
また、(A−3)エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーは、被着体からの加熱後の常温での剥離力を調整するとともに、粘着層のガラス転移温度を適正な範囲に調整しやすくすることができるという観点から用いられる。このようなモノマーとしては、上述した(A−1)及び(A−2)の両成分以外の、炭素数が2〜8のアルキル基を有する(メタ)アクリレート例えば、エチルアクリレート、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ビニルエーテル、スチレン、(メタ)アクリロニトリルなどがあげられる。なかでもエチルアクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、アクリロニトリル、メチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート及び酢酸ビニルから選ばれる少なくとも1種以上を用いることによって、より被着体からの加熱後の常温での剥離力を調整しやすくするとともに、より粘着層のガラス転移温度を適正な範囲に調整しやすくすることができる。
以上のような(A)アクリル樹脂を構成する(A−1)成分、(A−2)成分及び(A−3)成分は、粘着層としたときのガラス転移温度が10℃から35℃になるように配合しなければならないが、広い温度範囲(約15℃〜90℃)における粘着力及び加熱後の常温でのより良好な剥離力を得る、またより糊残りしにくいという観点から、(A−1)成分は下限として30質量%以上、さらには40質量%以上であり、上限として75質量%以下、さらには65質量%以下とし、(A−2)成分は、下限として0.1質量%以上、さらには1質量%以上であり、上限として10質量%以下、さらには5質量%以下とし、(A−3)成分は、下限として15質量%以上、さらには25質量%以上であり、上限として65質量%以下、さらには50質量%以下とすることが好ましい。
次に、(B)成分の架橋剤は、(A)アクリル樹脂中の官能基と反応して架橋させるために用いるものであり、例えば、イソシアネート系架橋剤、金属キレート架橋剤、エポキシ系架橋剤、メラミン系架橋剤、尿素系架橋剤などがあげられる。なかでも、基材フィルムとの密着性、被着体への糊残り防止性及び剥離力の調整のしやすさという観点から、イソシアネート系架橋剤が好ましく用いられる。
イソシアネート系架橋剤としては、トリレンジイソシアネート系、ジフェニルメタンジイソシアネート系、ナフタレンジイソシアネート系、キシリレンジイソシアネート系、イソホロンジイソシアネート系、ヘキサメチレンジイソシアネート系、メチルジフェニルメタンジイソシアネート系、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート系、リジンイソシアネート系などがあげられるが、なかでも官能基を3つ以上有するものであることが好ましい。官能基を3つ以上有するイソシアネート系架橋剤を用いることにより、基材フィルムへの密着性がより良好となり、また架橋密度が高くなるため、より糊残りしにくい粘着層とすることができる。このようなイソシアネート系架橋剤としては、トリレンジイソシアネート系、イソホロンジイソシアネート系、ヘキサメチレンジイソシアネート系などがあげられる。
また、粘着層は、上述した(A)成分及び(B)成分に加えて、(C)成分として、他の樹脂を含有させても良く、被着体からの剥離力を調整するとともに、粘着層のガラス転移温度を適正な範囲に調整しやすくすることができるという観点から、ガラス転移温度が−70℃から−30℃である樹脂を含有させることが好ましい。このような(C)成分のガラス転移温度が−70℃から−30℃である樹脂としては、炭素数2〜8の(メタ)アクリレート(官能基を含有するものを除く)、アクリロニトリル、酢酸ビニル及び前記(B)と反応する官能基含有する(メタ)アクリレートから選ばれる種以上のモノマー由来成分を含む樹脂((A)成分に該当するものを除く)などがあげられ、このような樹脂を用いることによって、より被着体からの剥離力を調整するとともに、粘着層のガラス転移温度を適正な範囲に調整しやすくすることができる。
前記粘着層に(C)成分を加えたときの前記粘着層における(C)成分の含有量は、本発明の効果を阻害しない範囲であれば特に限定されるものではないが、(A)アクリル樹脂の性能を阻害せず、かつ被着体からの剥離力を調整しやすくすることができるという観点から、下限として粘着層全体の30質量%以上、さらには40質量%以上とすることが好ましく、上限として粘着層全体の80質量%以下、さらには70質量%以下とすることが好ましい。(C)成分が多くなりすぎると、高温での粘着性が低下していき、めっき液が浸み込みやすくなっていくため、(C)成分はこのような範囲とすることが好ましい。
また、このような粘着層には、本発明の配線基板製造工程用バックアップフィルムとしての機能を損なわない範囲であれば、反応促進剤、界面活性剤、顔料、滑剤、着色剤、帯電防止剤、難燃剤、抗菌剤、防カビ剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、レベリング剤、流動調整剤、消泡剤などの種々の添加剤を含ませることができる。
粘着層の厚みは配線基板の形状や配線基板製造工程における搬送路によって異なってくるので一概にいえないが、下限としては2μm以上、さらには6μm以上が好ましく、上限としては80μm以下、さらには40μm以下が好ましい。粘着層の厚みを2μm以上とすることにより、配線基板と十分密着させることができ、搬送路の屈曲部分でも剥離せずに搬送することができる。また、80μm以下とすることにより、取扱性及び生産性を向上することができる。
本発明の配線基板製造工程用バックアップフィルムは、上述した(A)アクリル樹脂、(B)架橋剤、所望により用いられる(C)他の樹脂及び添加剤を、必要に応じて希釈溶剤に溶解又は分散して塗布液とし、この塗布液をバーコーティング法などの従来公知の塗布方法によって、上述した基材フィルムの一方の面又は両方の面に塗布、乾燥、必要に応じキュアリングすることによって作製することができる。また当該塗布液をセパレータに塗布、乾燥した後、基材と貼り合わせて作製することもできる。
本発明の配線基板製造工程用バックアップフィルムは、取扱性の観点から粘着層を有する面にセパレータを設けることが好ましい。このようなセパレータとしては、特に限定されず紙や合成紙、ポリエチレンラミネート紙、プラスチックフィルム等を使用することができる。プラスチックフィルムとしては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンナフタレート、ポリスチレン、ポリアリレート、アセチルセルロース、ポリアミド、ポリイミド、ポリ塩化ビニル、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体、(メタ)アクリル酸エステル樹脂、フッ素系樹脂等からなる各種の合成樹脂フィルム等があげられる。
上記セパレータは、粘着層との離型性を向上させるため、粘着層と接する面にポリエチレンワックスやシリコーン離型剤を塗布し離型処理を施したものであっても良い。また、粘着層に凹凸を転写する目的でセパレータ表面に凹凸を施したもの、例えば、セパレータ表面にマット剤を含有した樹脂層を設けたり、セパレータ表面をサンドマット処理したり、セパレータ自身をエンボス処理したものを用いても良い。
以上のような、本発明の配線基板製造工程用バックアップフィルムは、(a)配線基板に用いられる合成樹脂フィルムと、当該配線基板製造工程用バックアップフィルムの粘着層を有する面とが向き合うように配置して110℃で熱ラミネートし、JIS Z0237:2009に準拠した測定法での23℃、50℃、80℃における粘着力が何れも0.1N/25mm以上、さらには0.2N/25mm以上に調整することが好ましい。
また、(b)上記と同様の合成樹脂フィルムと、当該配線基板製造工程用バックアップフィルムとを上記と同様に配置して熱ラミネートし、150℃の環境下に2時間静置後、温度23℃の環境下に30分間静置させた後、上記と同様の測定法で測定した剥離力(粘着力)が、2N/25mm以下、さらには1N/25mm以下に調整することが好ましい。
上記(a)及び(b)をこのような範囲とすることにより、常温(約15℃〜25℃)における水洗工程、約40℃〜60℃におけるエッチング工程、高温(約60℃〜90℃)におけるめっき工程の何れにおいても、処理液の浸入を防止して被着体を保持することができ、かつめっき工程終了後には、常温において配線基板にダメージを与えることなく剥離することができる。
以上のような本発明の配線基板製造工程用バックアップフィルムによれば、常温から高温までの広い温度範囲で配線基板への密着性が良好であり、エッチング液やめっき液の浸み込み防止性に優れ、常温での剥離性が良好であるため、1枚のバックアップフィルムで全工程を網羅することができ、かつ使用後、常温で簡単に剥離除去することができる。
なお、以上の説明では配線基板がフレキシブル配線基板である場合を例に、配線基板製造工程用バックアップフィルムは基材フィルムの一方の面に粘着層を有するものについて説明したが、本発明はこれに限られることはなく、基材フィルムの両方の面に粘着層を有する製造工程用バックアップフィルムであっても良い。この場合配線基板はフレキシブル配線基板に限らず、金属基板やセラミック基板などを両面同時に加工するために使用することができる。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明する。なお、本実施例において「部」、「%」は、特に示さない限り質量基準である。
[実施例及び比較例]
1.(A)アクリル樹脂の合成
攪拌機、コンデンサー、温度計および窒素導入管を備えた反応容器に酢酸エチルを溶媒として、表1に示すモノマー成分及びアゾビスイソブチロニトリル0.15部を配合し、均一になるまで撹拌後、流量100ml/分にて60分間バブリングを実施し、反応系中の溶存酸素を脱気した。次にそれを1時間かけて80℃まで昇温し、昇温後4時間重合させた。その後1時間かけて90℃まで昇温し、更に90℃にて1時間保持後、室温まで冷却した。次にトルエンを加え、アクリル樹脂溶液中の固形分が25%になるように調整した。重合したアクリル樹脂の重量平均分子量(ポリスチレン換算)をゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定したところ、30万〜50万の範囲であった。
なお、表1〜4中、「Tg」はガラス転移温度、「EMA」はエチルメタクリレート、「2−HEMA」は2−ヒドロキシエチルメタクリレート、「2−HEA」は2−ヒドロキシエチルアクリレート、「BMA」はブチルメタクリレート、「EA」はエチルアクリレート、「BA」はブチルアクリレート、「MA」はメチルアクリレート、「2−EHMA」は2−エチルヘキシルメタクリレート、「2−EHA」は2−エチルヘキシルアクリレート、「AN」はアクリロニトリル、「VA」は酢酸ビニル、「HDI系」はヘキサメチレンジイソシアネート系架橋剤(官能基3つ)、「IPDI系」はイソホロンジイソシアネート系架橋剤(官能基3つ)、「(B)※1」はヘキサメチレンジイソシアネートビューレット型架橋剤(官能基2つ)、「BA/EA/BMA/AN/2−HEMA」はブチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルメタクリレート、アクリロニトリル及び2−ヒドロキシエチルメタクリレートを55:20:18.7:5:1.3で含有させた共重合体(ガラス転移温度−32℃、Mw80万)、「2−EHA/2−HEMA/VA」は2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート及び酢酸ビニルを63.7:1.3:35で含有させた共重合体(ガラス転移温度−42℃)を表す。
2.配線基板製造工程用バックアップフィルムの作製
表2〜4の(A)アクリル樹脂、(B)架橋剤、及び必要に応じて(C)他の樹脂にメチルエチルケトンを加えて撹拌して実施例及び比較例の粘着層用塗布液を作製した。
次に、厚み50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(ルミラーT−60:東レ社製)の一方の面に、上述の実施例及び比較例の粘着層用塗布液を乾燥後の厚みが表3に示す値となるように塗布し、180℃加熱で1分間乾燥した後、厚み30μmのOPPフィルム(アルファンSSD−101:王子エフテック社製)の非コロナ面にラミネートした。このフィルムを40℃の環境で4日間キュアリングした後、OPPフィルムを剥離除去して、実施例及び比較例の配線基板製造工程用バックアップフィルムを作製した。
次に、実施例及び比較例の配線基板製造工程用バックアップフィルムについて、(1)粘着層のガラス転移温度、(2)各温度における粘着力、(3)加熱後、常温での剥離力、(4)水の浸み込み防止性(5)エッチング液の浸み込み防止性、(6)めっき液の浸み込み防止性、(7)糊残り性について下記の方法で測定及び評価をした。
(1)ガラス転移温度の測定
実施例及び比較例の配線基板製造工程用バックアップフィルムの粘着層のみを剥離させ、示差走査熱量計(DSC3200S:ブルカー・エイエックスエス社製)を使用して、昇温スピード10℃/分で測定を行った。
(2)各温度における粘着力
実施例及び比較例の配線基板製造工程用バックアップフィルムを、幅25mm、長さ250mmに切断し、ポリイミドフィルム(カプトン100V:東レデュポン社製)に対して、粘着層が当該ポリイミドフィルムと接触するように配置させ、ラミネーター(LAMIC−1:ソマール社製)を用いて、ラミネーティングロールの加熱温度が110℃、シリンダー圧力500kPa、搬送(熱圧着)速度1.5m/分で圧着した。
この評価サンプルをそれぞれ23℃(常温)、50℃(中温)、85℃(高温)のホットプレート上に置き、JIS Z0237:2009に準拠した測定法で、ポリイミドフィルムを配線基板製造工程用バックアップフィルムから剥離することにより、粘着力を測定した。
(3)加熱後、常温での剥離力
実施例及び比較例の配線基板製造工程用バックアップフィルムを、上記(2)と同様の大きさに切断し、上記(2)と同様に粘着層がポリイミドフィルムと接触するように配置させ熱ラミネーションで圧着した。この評価サンプルをオーブンにて150℃、2時間加熱後、温度23℃(常温)、湿度65%RHの条件下で冷却し、JIS Z0237:2009に準拠した測定法で、配線基板製造工程用バックアップフィルムをポリイミドフィルムから剥離することにより、剥離力を測定した。
(4)水の浸み込み防止性
実施例及び比較例の配線基板製造工程用バックアップフィルムを、幅25mm、長さ250mmに切断し、2層CCL(ESPANEX SC18−25−00CE:新日鉄住金化学社製)に対して、粘着層が当該ポリイミド面と接触するように配置させ、ラミネーター(LAMIC−1:ソマール社製)を用いて、ラミネーティングロールの加熱温度が110℃、シリンダー圧力500kPa、搬送(熱圧着)速度1.5m/分で圧着した。
次いで、当該配線基板製造工程用バックアップフィルムを23℃の水に1時間浸漬した後、目視にて観察し評価した。
評価は、浮きや剥がれが全く見られないものを○、端部に浮きが生じたもの又は剥がれが生じたものを×とした。
(5)エッチング液の浸み込み防止性
実施例及び比較例の配線基板製造工程用バックアップフィルムを、(4)と同様にして粘着層がポリイミド面と接触するように圧着した。
次いで、当該配線基板製造工程用バックアップフィルムを50℃の10重量%水酸化ナトリウム水溶液に3分間浸漬した後、水洗、乾燥を行い、目視にて観察し評価した。
評価は、端部に浮きがなく、エッチング液の浸み込みが全く見られないものを○、端部に浮きが生じており、エッチング液の浸み込みが見られるもの、又は配線基板から剥がれてしまったものを×とした。
(6)めっき液の浸み込み防止性
上記(5)の評価後の配線基板を、粘着シートを下側にして、150℃、押圧力1MPaの条件で60分間プレスし、次いで、当該配線基板製造工程用バックアップフィルムを85℃の無電解ニッケルめっき液(エンプレートNI−426:メルテックス社製)に1時間浸漬した後、水洗、乾燥を行い、目視にて観察し評価した。
評価は、端部に浮きがなく、めっき液の浸み込みが全く見られないものを○、端部に浮きが生じており、めっき液の浸み込みが見られるもの、又は配線基板から剥がれてしまったものを×とした。
(7)糊残り性
上記(6)の評価後の配線基板からバックアップフィルムを剥がし、配線基板の表面を、目視及びマイクロスコープ(VHX−1000:キーエンス社製)を用いて150倍で観察し、評価した。
評価は、目視及びマイクロスコープで糊残りが確認できなかったものを○、目視では確認できなかったが、マイクロスコープで確認できたものを△、目視であきらかに糊残りが確認できたものを×とした。
表1、2に示すように、実施例1〜3の配線基板製造工程用バックアップフィルムは、粘着層のガラス転移温度が10℃から35℃であり、かつ少なくとも(A−1)エチルメタクリレート、(A−2)水酸基を有し炭素数が2〜8のアルキル基を有する(メタ)アクリレート及び(A−3)エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーを含む成分からなる共重合体である(A)アクリル樹脂と(B)架橋剤とから形成されてなる粘着層を基材の一方の面に有するものであった。
その結果、いずれの配線基板製造工程用バックアップフィルムも広い温度範囲(常温(23℃)、中温(50℃)、高温(85℃))における粘着力及び加熱後の常温(23℃)での剥離力が良好であり、水、エッチング液、めっき液等の処理液の浸み込み防止性に優れたものであった。また、加熱後の剥離力も2N/mm以下と良好なものであった。
一方、比較例1の配線基板製造工程用バックアップフィルムは、(A−1)成分、(A−2)成分及び(A−3)成分を有する(A)アクリル樹脂を用いていたが、ガラス転移温度が8℃と下限よりも低いものであった。その結果、高温での粘着力が0.1N/25mm未満と低いものとなり、めっき液の浸み込み防止性も低いものとなった。
また、比較例2の配線基板製造工程用バックアップフィルムは、(A−1)成分、(A−2)成分及び(A−3)成分を有する(A)アクリル樹脂を用いていたが、ガラス転移温度が41℃と上限よりも高いものであった。その結果、常温での粘着力が0.1N/25mm未満と低いものとなり、水の浸み込み防止性も低いものとなった。
これら実施例1〜3、及び比較例1、2の結果から、(A)アクリル樹脂として(A−1)成分、(A−2)成分及び(A−3)成分を有するものを用いたとしても、ガラス転移温度が、適正な範囲にないものは実用に適さないことが確認された。
次に表1、3に示すように、比較例3、4の配線基板製造工程用バックアップフィルムは、(A)’アクリル樹脂として(A−2)成分、(A−3)成分を含有しているが、(A−1)成分を含有していないものであった。その結果、比較例3は、広い温度範囲における粘着力が実施例1よりも低いものとなった。特に、高温での粘着力が0.1N/25mm未満と低いものとなり、めっき液の浸み込み防止性も低いものとなった。
また、比較例4は、粘着層のガラス転移温度も、本発明の下限値よりも低いものであった。その結果、加熱後の常温での剥離力が2N/mmを超えるものとなり、加熱後の常温での剥離力が重いものとなった。
これら実施例1及び比較例3、4の結果から、(A)アクリル樹脂として(A−1)成分を含有しないものは、実用に適さないことが確認された。
次に、実施例の配線基板製造工程用バックアップフィルムについて比較する。
表1、4に示すように、実施例1と実施例4を比較すると、実施例1が(C)成分を含有するものであるのに対し、実施例4は、(A−1)成分、(A−2)成分及び(A−3)成分を有する(A)アクリル樹脂を用いているが、(C)成分を含有していないものである。その結果、実施例1及び実施例4の両方とも、広い温度範囲(常温(23℃)、中温(50℃)、高温(85℃))における粘着力及び加熱後の常温(23℃)での剥離力が良好なものであり、水、エッチング液、めっき液等の処理液の浸み込み防止性に優れたものであった。ただし、(C)成分を含有する実施例1の方が実施例4よりも常温(23℃)及び中温(50℃)での粘着力の高いものとすることができた。これは、実施例1が(C)成分を含有することにより、粘着力を調整しやすかったためと考えられる。ただし、実施例4も実用上問題のないものであった。
次に、表1、4に示すように、実施例1、5と実施例6を比較すると、実施例1、5は、(B)架橋剤として、反応性官能基数が3のイソシアネート系架橋剤を用いており、反応性官能基数が2のイソシアネート系架橋剤を用いた実施例6よりも、加熱後の常温での剥離力が軽いものとなった。また、糊残り性についても、実施例1、5の方が実施例6よりも優れていることが確認された。これは、実施例6よりも実施例1、5の粘着層の方が凝集力に優れているためと考えられる。ただし、実施例6も実用上問題のないものであった。
また、表1、2に示すように、実施例1〜3及び比較例1の配線基板製造工程用バックアップフィルムを比較すると、(A)アクリル樹脂1〜4における(A−1)成分の含有量は、順に63質量%、37質量%、60質量%、28質量%であり、実施例1、3、及び実施例2、比較例1の順、すなわち(A−1)成分の含有量の多い順に、広い温度範囲(常温(23℃)、中温(50℃)、高温(85℃))における粘着力及び加熱後の常温(23℃)での剥離力が良好なものとなった。
次に、参考例として、紫外線剥離型の粘着層を有する従来の第2のバックアップフィルム(ソマタック125UV−C:ソマール社製)を用いて、上記(1)〜(7)と同様の評価をおこなった。なお、(3)加熱後、常温での剥離力の測定については、紫外線を照射した後に測定をした。その結果、参考例のものは、加熱後、常温で剥離した際に糊残りが発生し、実用に耐えないものであった。
1、1’・・基材フィルム
2・・・・・粘着層
2’・・・・紫外線剥離型の粘着層
3・・・・・ポリイミド面
4・・・・・銅箔面
5・・・・・ドライフィルムレジスト
6・・・・・カバーレイフィルム
7・・・・・めっき槽
8・・・・・めっき層
10・・・・第1のバックアップフィルム
10’・・・第2のバックアップフィルム
20・・・フレキシブルプリント基板(FPC)

Claims (4)

  1. 基材フィルムの少なくとも一方の面に粘着層を有する配線基板製造工程用バックアップフィルムであって、
    前記粘着層はガラス転移温度が10℃から35℃であり、かつ少なくとも(A)アクリル樹脂と(B)架橋剤とから形成されてなるものであり、
    前記(A)アクリル樹脂は、少なくとも(A−1)エチルメタクリレート、(A−2)前記(B)と反応する官能基としての水酸基とともに炭素数が2〜8のアルキル基を有する(メタ)アクリレート及び(A−3)エチレン性不飽和二重結合を有するモノマー(ただし、(A−1)及び(A−2)に該当するものを除く)を含む成分からなる共重合体であることを特徴とする配線基板製造工程用バックアップフィルム。
  2. (A)成分は、(A−1)成分を30〜75質量%、(A−2)成分を0.1〜10質量%、(A−3)成分を15〜65質量%、含有する請求項1記載の配線基板製造工程用バックアップフィルム。
  3. 前記粘着層は、さらに(C)成分として、ガラス転移温度が−70℃から−30℃である樹脂を含有し、前記(C)成分は、炭素数2〜8の(メタ)アクリレート(官能基を含有するものを除く)、アクリロニトリル、酢酸ビニル及び前記(B)と反応する官能基含有する(メタ)アクリレートから選ばれる種以上のモノマー由来成分を含む樹脂((A)成分に該当するものを除く)であることを特徴とする請求項1又は2記載の配線基板製造工程用バックアップフィルム
  4. 前記粘着層における前記(C)成分の含有量は、前記粘着層の30質量%以上、80質量%以下であることを特徴とする請求項2又は3記載の配線基板製造工程用バックアップフィルム。
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