JP2014160572A - 正極合材及び全固体型リチウム硫黄電池 - Google Patents

正極合材及び全固体型リチウム硫黄電池 Download PDF

Info

Publication number
JP2014160572A
JP2014160572A JP2013030526A JP2013030526A JP2014160572A JP 2014160572 A JP2014160572 A JP 2014160572A JP 2013030526 A JP2013030526 A JP 2013030526A JP 2013030526 A JP2013030526 A JP 2013030526A JP 2014160572 A JP2014160572 A JP 2014160572A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
positive electrode
sulfur
electrode mixture
solid electrolyte
solid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013030526A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6061139B2 (ja
Inventor
Yutaka Nagata
裕 永田
Yasuo Chigusa
康男 千種
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nagase Chemtex Corp
Original Assignee
Nagase Chemtex Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nagase Chemtex Corp filed Critical Nagase Chemtex Corp
Priority to JP2013030526A priority Critical patent/JP6061139B2/ja
Publication of JP2014160572A publication Critical patent/JP2014160572A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6061139B2 publication Critical patent/JP6061139B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Secondary Cells (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

【課題】本発明は、優れた充放電容量を有する全固体型リチウム硫黄電池の正極合材層に好適に用いることができる正極合材、及び当該正極合材を含む正極合材層を備えた全固体型リチウム硫黄電池を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の正極合材は、硫黄又はその放電生成物(A)、硫黄界面反応向上剤(B)、導電材(C)及び固体電解質(D)を含み、全固体型リチウム硫黄電池の正極合材層に用いられることを特徴とする。また、本発明の全固体型リチウム硫黄電池は、上記正極合材を含む正極合材層、固体電解質層、負極及び集電体を備えることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、正極合材及び全固体型リチウム硫黄電池に関する。
硫黄は、理論容量が約1672mAh/gと非常に高いことが知られており、硫黄を正極活物質として使用したリチウム硫黄電池の研究が盛んに行われている。
リチウム硫黄電池は、電解質として液体電解質を用いた液体型リチウム硫黄電池と、固体電解質を用いた全固体型リチウム硫黄電池とに大別されるが、液体型リチウム硫黄電池では、リチウムイオンと硫黄との反応により生成した多硫化リチウムが電解質溶液中に溶け出し、電池の充放電容量や寿命に悪影響を与えることが問題となっていた。
一方、全固体型リチウム硫黄電池は、硫化リチウムが電解質溶液に溶け出す問題が生じないため、電池の充放電容量の維持や長寿命化に適している。また、可燃性の有機溶媒を含まないために液漏れや発火のおそれがなく安全性を確保できる点や、セパレータが不要である点等、全固体型リチウム硫黄電池の持つ優れた特性に注目が集まっている。
全固体型リチウム硫黄電池の正極合材層中では、下記式(1)に示す可逆反応のうち、放電時には右向きの反応が、充電時には左向きの反応が、それぞれ優位に進行している。
S+2Li+2e ⇔ LiS (1)
しかしながら、全固体型リチウム硫黄電池では、負極、固体電解質層及び正極合材層が実質的に溶媒を含有せず、また、正極活物質として正極合材層に含まれる硫黄が電気絶縁性であるため、正極合材層における電子伝導性及びリチウムイオン伝導性が非常に低い。このため、充放電に際して上記式(1)に示す反応の反応性が乏しく、十分な充放電容量を確保することができないという課題があった。
この課題を解決する方法として、正極合材に含まれる固体電解質(イオン伝導性物質)として、導電率の高い固体電解質を用いることが提案されている(特許文献1)。導電率の高い固体電解質を用いることにより、リチウムイオンが負極から固体電解質層を介して正極合材層中の反応界面まで移動する際の抵抗が小さくなり、充放電特性が向上すると考えられている。
特開2012−160415号公報
しかしながら、従来の正極合材を用いて全固体型リチウム硫黄電池を作製しても、その充放電容量が未だ不十分であり、硫黄の持つ優れた物性を活かしきれていない課題があった。
本発明者らは、全固体型リチウム硫黄電池とした場合の充放電容量を改善すべく正極合材について鋭意検討したところ、正極合材にて、所定の特性を有する硫黄界面反応向上剤を高い導電性を有する固体電解質と組み合わせて使用することにより、硫黄、電子及びリチウムイオンが反応界面で反応する際の抵抗が低下し、上記式(1)で示す反応の反応性が向上する結果、全固体型リチウム硫黄電池の充放電容量を向上させることができるとの新たな知見を得て、本発明を完成した。
即ち、本発明の正極合材は、硫黄又はその放電生成物(A)、P、又はPがLiSとPの総量に対してモル比で30%以上であるLiSとPとの複合化物である、硫黄界面反応向上剤(B)、導電材(C)、並びにLiSとMとの複合化物(ここで、Mは、P、Si、Ge、B及びAlからなる群より選択される元素のうち少なくとも一つであり、x及びyは、独立して、Mの種類に応じて決定される化学量論比を与える整数を表わす)であって、その組成比(モル比)がLiS:M=70:30〜85:15であり、0.1mS/cm以上の導電率を有する固体電解質(D)(但し、PがLiSとPの総量に対してモル比で30%であるLiSとPとの複合化物は除く)を含み、全固体型リチウム硫黄電池の正極合材層に用いられることを特徴とする。
本発明の正極合材は、上記硫黄又はその放電生成物(A)、上記硫黄界面反応向上剤(B)及び上記導電材(C)を混合する第1混合処理の後で、上記固体電解質(D)を添加し、さらに混合する第2混合処理を行うことで得られるものであることが好ましい。
また、本発明の正極合材において、上記固体電解質(D)の含有量は、上記硫黄又はその放電生成物(A)100重量部に対して、5〜100重量部であることが好ましい。
さらに、本発明の正極合材において、上記第1混合処理は公転速度100〜600rpm、0.1〜15時間の条件下で遊星型ボールミルを用いて行われ、上記第2混合処理は公転速度50〜500rpm、0.1〜15時間の条件下で遊星型ボールミルを用いて行われることが好ましい。
また、上記固体電解質(D)は、LiS:P=75:25〜85:15であるLiSとPとの複合化物、またはLiS:P:GeS=70〜80:20〜10:10〜0であるLiSとPとGeSとの複合化物であることが好ましい。
さらに、上記固体電解質(D)は、リチウム塩をさらに含んでいてもよい。
また、本発明の正極合材の製造方法は、以下の工程を含むことを特徴とする:
(1)硫黄又はその放電生成物(A)、P、又はPがLiSとPの総量に対してモル比で30%以上であるLiSとPとの複合化物である、硫黄界面反応向上剤(B)、及び導電材(C)を混合する工程;並びに
(2)工程(1)で得られた混合物に、LiSとMとの複合化物(ここで、Mは、P、Si、Ge、B及びAlからなる群より選択される元素のうち少なくとも一つであり、x及びyは、独立して、Mの種類に応じて決定される化学量論比を与える整数を表わす)であって、その組成比(モル比)がLiS:M=70:30〜85:15であり、0.1mS/cm以上の導電率を有する固体電解質(但し、PがLiSとPの総量に対してモル比で30%であるLiSとPとの複合化物は除く)を添加し、さらに混合する工程。
本発明の正極合材の製造方法では、上記固体電解質(D)の含有量は、上記硫黄又はその放電生成物(A)100重量部に対して、5〜100重量部であることが好ましい。
また、本発明の正極合材の製造方法では、上記工程(1)の混合が公転速度100〜600rpm、0.1〜15時間の条件下で遊星型ボールミルを用いて行われ、上記工程(2)の混合が公転速度50〜500rpm、0.1〜15時間の条件下で遊星型ボールミルを用いて行われることが好ましい。
さらに、本発明の正極合材の製造方法では、上記固体電解質(D)がLiS:P=75:25〜85:15であるLiSとPとの複合化物、またはLiS:P:GeS=70〜80:20〜10:10〜0であるLiSとPとGeSとの複合化物であることが好ましい。
また、本発明の正極合材の製造方法では、上記固体電解質(D)がリチウム塩をさらに含んでいてもよい。
さらに、本発明の全固体型リチウム硫黄電池は、上記正極合材を含む正極合材層、固体電解質層、負極及び集電体を備えることを特徴とする。
本発明の正極合材では、P、又はPがLiSとPの総量に対してモル比で30%以上であるLiSとPとの複合化物である、硫黄界面反応向上剤(B)を高い導電性を有する固体電解質(D)と組み合わせて使用するため、全固体型リチウム硫黄電池の正極合材層として用いた場合に、硫黄、電子及びリチウムイオンが反応界面で反応する際の抵抗が小さく、充放電特性に優れた全固体型リチウム硫黄電池を提供することができる。
また、本発明の全固体型リチウム硫黄電池は、本発明の正極合材を含む正極合材層を備えるため、充放電特性に優れる特徴を有する。
1.正極合材
まず、本発明の正極合材について説明する。
本発明の正極合材は、硫黄又はその放電生成物(A)、P、又はPがLiSとPの総量に対してモル比で30%以上であるLiSとPとの複合化物である、硫黄界面反応向上剤(B)、導電材(C)、並びにLiSとMとの複合化物(ここで、Mは、P、Si、Ge、B及びAlからなる群より選択される元素のうち少なくとも一つであり、x及びyは、独立して、Mの種類に応じて決定される化学量論比を与える整数を表わす)であって、その組成比(モル比)がLiS:M=70:30〜85:15であり、0.1mS/cm以上の導電率を有する固体電解質(D)(但し、PがLiSとPの総量に対してモル比で30%であるLiSとPとの複合化物は除く)を含み、全固体型リチウム硫黄電池の正極合材層に用いられることを特徴とする。
1−1.硫黄又はその放電生成物(A)
本発明の正極合材は、上記硫黄又はその放電生成物(A)を正極活物質として含有する。
上記硫黄としては、単体の硫黄等を用いることができる。
また、上記硫黄の放電生成物としては特に限定されないが、例えば、Li、Li、Li等の多硫化リチウムや、硫化リチウム(LiS)等を用いることができる。これらの化合物は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよく、また、単体の硫黄と併用してもよい。
上記硫黄又はその放電生成物(A)の含有量は、特に限定されないが、正極合材に対し、10〜90重量%であることが好ましく、25〜80重量%であることがより好ましい。
上記硫黄又はその放電生成物(A)の含有量が10重量%未満であると、十分な充放電容量が得られないことがあり、90重量%を超えると、硫黄界面反応向上剤(B)、導電材(C)及び固体電解質(D)の正極合材に占める割合が小さくなり、充放電効率が低下することがある。
1−2.硫黄界面反応向上剤(B)
本発明の正極合材は、硫黄界面反応向上剤(B)を含有する。
本発明において、硫黄界面反応向上剤(B)とは、正極合材中で、硫黄、電子及びリチウムイオンが反応界面で反応する際の抵抗を低下させる役割を担うものである。硫黄界面反応向上剤(B)を正極合材に配合することで、硫黄、電子及びリチウムイオンが反応界面で反応する際の抵抗が低下することとなり、正極合材にて後述の固体電解質(D)と組み合わせて使用することで、全固体型リチウム硫黄電池とした場合の充放電容量を向上させることができる。
上記硫黄界面反応向上剤(B)は、硫黄、電子及びリチウムイオンが反応界面で反応する際の抵抗を低下させることができるものであれば特に限定されず、その具体例としては、P、もしくはPがLiSとPの総量に対してモル比で30%以上であるLiSとPとの複合化物等を挙げることができる。これらの化合物は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明において、「複合化物」とは、単に所定の成分が混合されたものではなく、所定の成分が混合されたものに機械的、熱的又は化学的なエネルギーが加えられ、当該所定の成分の全部又は一部に化学反応が生じたものをいう。
また、本明細書において、「複合化する」とは、単に所定の成分を混合することではなく、所定の成分を混合したものに機械的、熱的又は化学的なエネルギーを加えることにより、当該所定の成分の全部又は一部に化学反応を生じさせることをいう。
上記LiSとPとの複合化物としては、PがLiSとPの総量に対してモル比で30%以上であれば特に限定されるものではない。
上記LiSとPとの複合化物を得る方法としては、例えば、遊星ボールミルを用いて、自転速度150〜500rpm、公転速度200〜1000rpm(自転と逆回転)で0.5〜10時間処理する方法等が挙げられる。
ここで、LiSとPとが複合化したものか、又はLiSとPとが単に混合しただけのものかは、ラマン分光法により確認することができる。LiSとPとが複合化した場合、ラマン分光法による測定において、単に混合したものと比べて、P由来の300cm−1付近のピークが消失するか、又は400cm−1付近の主ピークに対して相対的に小さくなるが、このことを指標に、LiSとPとが複合化したか否かを判断することができる。
上記正極合材における硫黄界面反応向上剤(B)の含有量は特に限定されないが、正極合材中の硫黄又はその放電生成物(A)100重量部に対して、10〜200重量部であることが好ましく、20〜100重量部であることがより好ましい。
上記含有量が10重量部未満であると、硫黄、電子及びリチウムイオンが反応界面で反応する際の抵抗を十分に低下させることができず、充放電容量が不十分なことがあり、また、200重量部を超えると、硫黄又はその放電生成物(A)、導電材(C)及び固体電解質(D)の正極合材に占める割合が小さくなり、正極合材当たりの充放電容量を低下させることがある。
1−3.導電材(C)
本発明の正極合材は、導電材(C)を電子伝導体として含有する。
上記導電材(C)としては特に限定されないが、例えば、アセチレンブラック、活性炭、中空シェル構造を有するカーボンブラック(以下、ケッチェンブラック(商標)ともいう)、ファーネスブラック、カーボンナノチューブ、グラフェン等が挙げられる。
これらの中では、導電性に優れ、かつ、BET比表面積が大きいことから、アセチレンブラック、ケッチェンブラック及び活性炭が好ましい。
上記中空シェル構造を有するカーボンブラックとは、導電性カーボンブラックの一種であり、空隙率は60〜80%程度の中空シェル状の構造を持つものをいう。ここで「中空シェル構造」とは、黒鉛結晶が薄く寄り集まって粒子形態の外殻を形成し、外殻の内側に空隙を有する構造をいう。上記中空シェル構造を有するカーボンブラックとしては、例えば、ケッチェンブラック(ライオン社製)等が挙げられる。
上記導電材(C)のBET比表面積は、特に限定されないが、10m/g以上であることが好ましく、100m/g以上であることがより好ましい。
上記BET比表面積が10m/g未満であると、正極合材内の電子伝導性が不十分となり、充放電効率が低下することがある。
本明細書において、BET比表面積とは、Brenauer−Emmet−Telle(BET)法により求めた比表面積をいい、具体的には、導電性カーボンのサンプルを液体窒素温度下において、サンプルに窒素ガスを吸着して得られる窒素吸着等温線を用いて求めた比表面積をいう。
上記BET比表面積を求めるための測定装置としては、例えば、自動比表面積/細孔分布測定装置(日本ベル株式会社製、BELSORP−mini II)を用いることができる。
上記導電材(C)の含有量は特に限定されないが、正極合材中の硫黄又はその放電生成物(A)100重量部に対して、5〜200重量部であることが好ましく、10〜100重量部であることがより好ましい。
上記導電材(C)の含有量が5重量部未満であると、正極へ移動可能な電子の量が減少し十分な放電容量が得られないことがあり、200重量部を超えると、イオン伝導性物質(A)及び硫黄又はその放電生成物(B)の正極合材に占める割合が小さくなり、充放電効率が低下することがある。
1−4.固体電解質(D)
本発明の正極合材は、LiSとMとの複合化物(ここで、Mは、P、Si、Ge、B及びAlからなる群より選択される元素のうち少なくとも一つであり、x及びyは、独立して、Mの種類に応じて決定される化学量論比を与える整数を表わす)であって、その組成比(モル比)がLiS:M=70:30〜85:15であり、0.1mS/cm以上の導電率を有する固体電解質(D)(但し、PがLiSとPの総量に対してモル比で30%であるLiSとPとの複合化物は除く)を固体電解質として含有する。本発明の正極合材において、上記固体電解質(D)を上記硫黄界面反応向上剤と組み合わせて使用することで、全固体型リチウム硫黄電池とした場合の充放電容量をさらに向上させることができる。
また、上記固体電解質(D)は、後述する固体電解質層の作製にも用いられる。
上記固体電解質(D)としては、導電率が0.1mS/cm以上であるものであれば特に限定されないが、LiSとMとの複合化物(ここで、Mは、P、Si、Ge、B及びAlからなる群より選択される元素のうち少なくとも一つであり、x及びyは、独立して、Mの種類に応じて決定される化学量論比を与える整数を表わす)であって、その組成比(モル比)がLiS:M=70:30〜85:15であるもの(但し、PがLiSとPの総量に対してモル比で30%であるLiSとPとの複合化物は除く)を好ましく使用することができる。本発明の正極合材では、全固体型リチウム硫黄電池とした場合の充放電容量をより向上させる観点から、上記固体電解質(D)として、LiS:P=75:25〜85:15であるLiSとPとの複合化物、又はLiS:P:GeS=70〜80:20〜10:10〜0であるLiSとPとGeSとの複合化物がより好ましく使用される。
これらの固体電解質(D)は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記LiSとMとの複合化物を得る方法としては、例えば、遊星ボールミルを用いて、自転速度150〜500rpm、公転速度200〜1000rpm(自転と逆回転)で0.5〜10時間処理する方法等が挙げられる。
ここで、LiSとMとが複合化したものか、又はLiSとMとが単に混合しただけのものかは、ラマン分光法により確認することができる。例えば、LiSとPとが複合化した場合、ラマン分光法による測定において、単に混合したものと比べて、P由来の300cm−1付近のピークが消失するか、又は400cm−1付近の主ピークに対して相対的に小さくなるが、このことを指標に、LiSとPとが複合化したか否かを判断することができる。
固体電解質(D)は、リチウム塩又はリチウム窒化物をさらに含んでいてもよい。
上記リチウム塩としては特に限定されないが、例えば、LiPO、LiSiO、LiO、LiI、LiN、LiBH等を挙げることができる。
また、上記リチウム窒化物としては特に限定されないが、例えば、LiN等が挙げられる。
固体電解質(D)にリチウム塩又はリチウム窒化物を含めることで、固体電解質(D)の導電率をさらに高め、全固体型リチウム硫黄電池とした場合の充放電容量をより向上させることができる場合があるからである。
上記固体電解質(D)の含有量は、特に限定されないが、正極合材中の硫黄又はその放電生成物(A)100重量部に対して、5〜100重量部であることが好ましく、10〜80重量部であることがより好ましい。
1−5.任意に添加し得る成分
本発明の正極合材は、必要に応じて、バインダー、溶媒等の任意成分を含んでいてもよい。
1−5−1.バインダー
本発明で使用し得るバインダーとしては、特に限定されないが、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂等を挙げることができ、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレンブタジエンゴム、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE樹脂)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、フッ化ビニリデン−ペンタフルオロプロピレン共重合体、プロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体等が挙げられる。これらのバインダーは、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記バインダーの含有量は、特に限定されないが、上記正極合材中に、0.01〜10重量%含有されていることが好ましい。
1−5−2.溶媒
本発明で使用し得る溶媒としては、特に限定されないが、例えば、N,N―ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチレントリアミン等のアミン系溶媒、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、酢酸メチル等のエステル系溶媒、ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリドン等のアミド系溶媒、トルエン、キシレン、n−ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素系溶媒等が挙げられる。これらの溶媒は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記溶媒の含有量は、特に限定されないが、上記正極合材中に、10〜99重量%含有されていることが好ましい。
上記溶媒を含有する正極合材を用いることにより、正極合材層の作製を容易にすることができる。上記溶媒は、正極合材層を作製する際、乾燥により除去される。
本発明の正極合材は、上記硫黄又はその放電生成物(A)、上記硫黄界面反応向上剤(B)、上記導電材(C)及び上記固体電解質(D)、必要に応じてバインダー、溶媒等の任意成分を含んでいれば特に限定されるものではないが、上記硫黄又はその放電生成物(A)、上記硫黄界面反応向上剤(B)、上記導電材(C)及び上記固体電解質(D)の4成分について、上記硫黄又はその放電生成物(A)、上記硫黄界面反応向上剤(B)及び上記導電材(C)を混合する第1混合処理の後で、上記固体電解質(D)を添加し、さらに混合する第2混合処理を行うことにより得られたものであることが好ましい。
この理由は、2段階で混合することにより、第1混合処理にて上記硫黄界面反応向上剤(B)を上記硫黄又はその放電生成物(A)の近傍に配置し、さらに第2混合処理にて高い導電率を有する固体電解質(D)を当該第1混合処理により得られた混合物の表面及びその周辺に配置することにより、全固体型リチウム硫黄電池とした場合の充放電容量をさらに向上させることができるからである。
上記任意成分は、第1混合処理の間又は後で添加してもよいし、第2混合処理の間又は後で添加してもよい。
これらを混合する手段としては、特に限定されないが、例えば、遊星ボールミル(フリッチュ社製)、ハイブリダイゼーションシステム(奈良機械製作所社製)、コスモス(川崎重工業社製)、メカノフュージョンシステム(ホソカワミクロン社製)、メカノミル(岡田精工社製)、シータコンポーザ(徳寿工作所社製)、ナノソニックミル(井上製作所社製)、ニーダー(井上製作所社製)、スーパーマスコロイダー(増幸産業社製)、ナノメック・リアクター(テクノアイ社製)、コーネルデスパ(浅田鉄工所社製)、プラネタリミキサ(浅田鉄工所社製)等を用いて混合する方法が挙げられる。
遊星ボールミルを用いて混合する場合、上記第1混合処理は、公転速度100〜600rpm、0.1〜15時間の条件下で行われることが好ましく、また、上記第2混合処理は、公転速度50〜500rpm、0.1〜15時間の条件下で行うことが好ましい。
この理由は、第1混合処理において、上述の条件の場合と比べ弱いエネルギーしか加えられない条件の場合、上記硫黄又はその放電生成物(A)と上記硫黄界面反応向上剤(B)との間の接点が十分に確保できないために、全固体型リチウム硫黄電池とした場合のこれらの成分の間での反応性が低下する場合があり、逆に、上述の条件の場合と比べ強いエネルギーが加えられる条件の場合、当該混合処理の際に、上記硫黄又はその放電生成物(A)と上記硫黄界面反応向上剤(B)とが意図せず反応してしまう場合があるためである。また、第2混合処理においても、上述の条件の場合と比べ弱いエネルギーしか加えられない条件の場合、上記硫黄又はその放電生成物(A)及び上記硫黄界面反応向上剤(B)と、固体電解質(D)との間の接点が十分に確保できず、リチウムイオンの移動が不十分となる結果、全固体型リチウム硫黄電池とした場合の充放電容量が低下する場合があり、逆に、上述の条件の場合と比べ強いエネルギーが加えられる条件の場合、上記硫黄界面反応向上剤(B)と固体電解質(D)の各組成が均等化し、導電率が低下する結果、全固体型リチウム硫黄電池とした場合の特性に悪影響を及ぼす場合があるからである。
2.正極合材の製造方法
本発明の正極合材は、上記硫黄又はその放電生成物(A)、上記硫黄界面反応向上剤(B)、上記導電材(C)及び上記固体電解質(D)、必要に応じてバインダー、溶媒等の任意成分を混合することにより得ることができる。
本発明の正極合材の製造方法は、以下の工程を含むことが好ましい:
(1)硫黄又はその放電生成物(A)、P、又はPがLiSとPの総量に対してモル比で30%以上であるLiSとPとの複合化物である、硫黄界面反応向上剤(B)、及び導電材(C)を混合する工程;並びに
(2)工程(1)で得られた混合物に、LiSとMとの複合化物(ここで、Mは、P、Si、Ge、B及びAlからなる群より選択される元素のうち少なくとも一つであり、x及びyは、独立して、Mの種類に応じて決定される化学量論比を与える整数を表わす)であって、その組成比(モル比)がLiS:M=70:30〜85:15であり、0.1mS/cm以上の導電率を有する固体電解質(但し、PがLiSとPの総量に対してモル比で30%であるLiSとPとの複合化物は除く)を添加し、さらに混合する工程。
この理由は、2段階で混合することにより、第1混合処理にて上記硫黄界面反応向上剤(B)を上記硫黄又はその放電生成物(A)の近傍に配置し、さらに第2混合処理にて高い導電率を有する固体電解質(D)を当該第1混合処理により得られた混合物の表面及びその周辺に配置することにより、全固体型リチウム硫黄電池とした場合の充放電容量をさらに向上させることができるからである。
上記任意成分は、上記工程(1)の間又は後で添加してもよいし、上記工程(2)の間又は後で添加してもよい。
上記工程(1)及び工程(2)にて各成分を混合する手段としては、特に限定されないが、例えば、遊星ボールミル(フリッチュ社製)、ハイブリダイゼーションシステム(奈良機械製作所社製)、コスモス(川崎重工業社製)、メカノフュージョンシステム(ホソカワミクロン社製)、メカノミル(岡田精工社製)、シータコンポーザ(徳寿工作所社製)、ナノソニックミル(井上製作所社製)、ニーダー(井上製作所社製)、スーパーマスコロイダー(増幸産業社製)、ナノメック・リアクター(テクノアイ社製)、コーネルデスパ(浅田鉄工所社製)、プラネタリミキサ(浅田鉄工所社製)等を用いて混合する方法が挙げられる。
遊星ボールミルを用いて混合する場合、上記第1混合処理は、公転速度50〜600rpm、0.1〜15時間の条件下で行われることが好ましく、また、上記第2混合処理は、公転速度50〜600rpm、0.1〜15時間の条件下で行うことが好ましい。
この理由は、上記工程(1)の混合において、上述の条件の場合と比べ弱いエネルギーしか加えられない条件の場合、上記硫黄又はその放電生成物(A)と上記硫黄界面反応向上剤(B)との間の接点が十分に確保できないために、全固体型リチウム硫黄電池とした場合のこれらの成分の間での反応性が低下する傾向にあり、逆に、上述の条件の場合と比べ強いエネルギーが加えられる条件の場合、当該混合処理の際に、上記硫黄又はその放電生成物(A)と上記硫黄界面反応向上剤(B)とが意図せず反応してしまう場合がある。また、上記工程(2)の混合においても、上述の条件の場合と比べ弱いエネルギーしか加えられない条件の場合、上記硫黄又はその放電生成物(A)及び上記硫黄界面反応向上剤(B)と、固体電解質(D)との間の接点が十分に確保できず、リチウムイオンの移動が不十分となる結果、全固体型リチウム硫黄電池とした場合の充放電容量が低下する場合があり、逆に、上述の条件の場合と比べ強いエネルギーが加えられる条件の場合、上記硫黄界面反応向上剤(B)と固体電解質(D)の各組成が均等化し、導電率が低下する結果、全固体型リチウム硫黄電池とした場合の特性に悪影響を及ぼす場合があるからである。
上記正極合材の作製では、上記第1混合処理及び/又は上記第2混合処理を行った後で、加熱処理を行ってもよい。
この理由は、加熱処理により、正極合材に含まれる各成分の接触界面を強固となる結果、反応界面での抵抗をさらに低減することができるからである。
上記加熱処理は、特に限定されないが、例えば、アルゴン、窒素、空気等の雰囲気下、80〜250℃、好ましくは100〜200℃の条件で、1秒間〜10時間の条件で行ってもよい。
上記加熱処理は、従来公知の加熱手段を用いて行えばよく、具体的には、例えば、定温乾燥機、送風乾燥機、減圧乾燥機、赤外線乾燥機等を用いて行えばよい。
3.全固体型リチウム硫黄電池
次に、本発明の全固体型リチウム硫黄電池について説明する。
本発明の全固体型リチウム硫黄電池は、本発明の正極合材を含む正極合材層、固体電解質層、負極及び集電体を備えた全固体型リチウム硫黄電池である。
本明細書において、「全固体型」とは、電解質として高分子固体電解質及び/又は無機固体電解質を用いたものであり、負極、固体電解質層及び正極合材層に実質的に溶媒を含有しないものをいう。
なお、本明細書において、「実質的に溶媒を含有しない」とは、溶媒が微量に残存してもよいことを意味する。
以下、集電体(負極集電体、正極集電体)、負極、固体電解質層、正極合材層のそれぞれについて順に説明する。
3−1.集電体
上記集電体としては、特に限定されないが、例えば、Al、Cu、Ni、ステンレス等を用いることができる。
負極集電体としては、リチウムと合金を作り難い点、及び、薄膜に加工しやすい点から、Cuを用いることが好ましい。また、正極集電体としては、薄膜に加工しやすく、安価であるという点でAlを用いることが好ましい。
3−2.負極
上記負極としては、リチウムイオンを吸蔵放出する材料を負極活物質として含んでいるものであれば、特に限定されるものではない。ここで、リチウムイオンを吸蔵放出する材料としては、例えば、金属リチウム、リチウム合金、金属酸化物、金属硫化物、リチウムイオンを吸蔵放出する炭素質物質等が挙げられる。
上記リチウム合金としては、例えば、アルミニウム、シリコン、スズ、マグネシウム、インジウム、カルシウム等とリチウムとの合金等が挙げられる。
上記金属酸化物としては、例えば、スズ酸化物、ケイ素酸化物、リチウムチタン酸化物、ニオブ酸化物、タングステン酸化物等が挙げられる。
上記金属硫化物としては、例えば、スズ硫化物やチタン硫化物等が挙げられる。
上記リチウムイオンを吸蔵放出する炭素質物質としては、例えば、黒鉛、コークス、メソフェーズピッチ系炭素繊維、球状炭素、樹脂焼成炭素等が挙げられる。
上記負極を得る方法としては、特に限定されないが、上記リチウムイオンを吸蔵放出する材料をプレスする方法、上記リチウムイオンを吸蔵放出する材料と溶媒とを含む負極前駆体分散液を負極集電体に塗布、乾燥後プレスする方法等が挙げられる。
上記負極前駆体分散液に含まれる溶媒としては、上述の正極合材に用いられるものと同様のものを用いることができる。
なお、溶媒は負極前駆体分散液の塗布を助けるために使用され、塗布後は乾燥により除去される。
3−3.固体電解質層
上記固体電解質層としては、高分子固体電解質及び/又は無機固体電解質からなるものが挙げられる。
上記無機固体電解質からなる固体電解質層は、例えば、上記固体電解質(D)を加圧成形する方法、上記固体電解質(D)を溶媒に分散させた後塗布・乾燥させる方法等により得ることができる。
上記固体電解質(D)を加圧成形する方法としては、特に限定されないが、例えば、負極集電体と正極集電体とで固体電解質(D)を挟み込んでプレスする方法、加圧成形機の治具でプレスする方法等が挙げられる。
上記固体電解質(D)を溶媒に分散させた後塗布・乾燥させる方法により固体電解質層を得る場合には、乾燥後の固体電解質層を上記と同様の方法でプレスしてもよい。
上記固体電解質(D)を分散させる溶媒としては、上述の正極合材に用いられるものと同様のものを用いることができる。
これらの方法により固体電解質層を得る際、固体電解質層の界面抵抗の低減、及び、緻密性の向上を目的に、任意のタイミングで加熱処理を行ってもよい。
また、上記高分子固体電解質からなる固体電解質層としては、例えば、過塩素酸リチウムやリチウムビストリフルオロメタンスルホニルアミド等のリチウム塩を含むポリエチレンオキシド系ポリマー等が挙げられる。
3−4.正極合材層
上記正極合材層は、例えば、正極集電体に上記正極合材を担持させる方法、上記正極合材を加圧成形する方法等により得ることができる。
正極集電体に上記正極合材を担持させる方法としては、特に限定されないが、例えば、正極合材を加圧成形する方法、有機溶媒等を用いてペースト化した正極合材を正極集電体に塗布、乾燥後プレスするなどして固着する方法等が挙げられる。
正極合材を加圧成形する方法としては、特に限定されないが、例えば、固体電解質層と正極集電体との間に正極合材を挟み込んでプレスする方法、加圧成形機の治具でプレスする方法等が挙げられる。
正極合材を正極集電体に塗布する方法としては、特に限定されないが、例えば、スリットダイ塗工法、スクリーン塗工法、カーテン塗工法、ナイフ塗工法、グラビア塗工法、静電スプレー法等が挙げられる。
これらの方法により正極合材層を得る際、正極合材層の界面抵抗の低減、及び、緻密性の向上を目的に、任意のタイミングで加熱処理を行ってもよい。
上記全固体型リチウム硫黄電池は、上述の負極集電体、負極、固体電解質層、正極合材層、正極集電体のほか、セパレータ等を有していてもよい。
上記全固体型リチウム硫黄電池の形状は、特に限定されないが、例えば、コイン型、ボタン型、シート型、積層型、円筒型、偏平型、角型等が挙げられる。
4.全固体型リチウム硫黄電池の作製方法
上記全固体型リチウム硫黄電池の作製方法は、特に限定されないが、例えば、以下の方法等が挙げられる。
まず、負極集電体と正極集電体とで固体電解質を挟み込んでプレスし、固体電解質層を作製する。次に、固体電解質層の片側に正極合材を堆積し、その両端を集電体(固体電解質層側に負極集電体、正極合材側に正極集電体)で挟み込んでプレスし、固体電解質層の一方の面に正極合材層と正極集電体とを積層し、固体電解質層のもう一方の面に負極集電体を積層する。最後に、一旦、負極集電体を取り除き、固体電解質層の正極合材層側と反対側に負極を入れ、さらに、負極側に負極集電体を入れてプレスし、固体電解質層の他方の面に負極と負極集電体とを積層する。また、上記のように一層ずつプレスしてもよいし、二層以上を堆積させて、複数層をまとめてプレスして積層させてもよい。このような方法により、全固体型リチウム硫黄電池を作製することができる。
5.全固体型リチウム硫黄電池の用途
上記全固体型リチウム硫黄電池の用途としては、特に限定されないが、例えば、ハイブリッド自動車や電気自動車等、高いエネルギー密度が要求される電気製品に好適に用いることができる。
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
1.測定方法
後述する実施例及び比較例において、固体電解質の導電率は、以下の方法により測定した。
1−1.導電率の測定方法
ポリカーボネート製の円筒管治具(内径10mmΦ、外径23mmΦ、高さ20mm)の下側からSUS304製の円筒治具(10mmΦ、高さ10mm)(以下、集電体2ともいう)を差し込み、ポリカーボネート製の円筒管治具の上側から固体電解質100mgを入れて、さらにSUS304製の円筒治具(10mmΦ、高さ15mm)(以下、集電体1ともいう)をポリカーボネート製の円筒管治具の上側から差し込んで固体電解質を挟み込み、200MPaの圧力で3分間プレスすることにより直径10mmΦ、厚さ約0.8mmの固体電解質層を形成することで導電率測定用の試料を作製した。
この試料をソーラトロン社製、セルテストシステム1400にて交流インピーダンス測定により抵抗値を測定し、固体電解質層の厚みと直径から導電率を算出した(印加電圧50mV、測定周波数1〜1,000,000Hz)。
2.正極合材の作製
(実施例1)
LiS(フルウチ化学株式会社製)とP(アルドリッチ社製)を65:35のモル比となるように秤量し、乳鉢で混合したものを遊星ボールミルにて、自転速度250rpm、公転速度500rpm(自転と逆回転)で10時間処理することで複合化し、LiS:P=65:35の組成比(モル比)を有する複合化物(硫黄界面反応向上剤)を得た。
この硫黄界面反応向上剤と、硫黄(正極活物質;アルドリッチ社製)、ケッチェンブラック(導電材;比表面積1200m/g、ライオン株式会社製、EC600JD)とを用い、その組成比(重量比)が40:40:10となるように硫黄界面反応向上剤120mg、正極活物質120mg、導電材30mgを秤量し、遊星ボールミル(Frilsch社製premium line P−7、公転半径0.07m、自転半径0.0235m、自転と公転の比=−2)にて5mmのジルコニアボール約40gとともに45mlのポットにて公転速度370rpmで2時間複合化し、正極合材の前駆体を得た。
次に、LiS(フルウチ化学株式会社製)とP(アルドリッチ社製)を80:20のモル比となるように秤量し、乳鉢で混合したものを遊星ボールミルにて、自転速度250rpm、公転速度500rpm(自転と逆回転)で10時間処理することにより、LiS:P=80:20の組成比(モル比)を有する複合化物を得た(固体電解質;導電率0.48mS/cm)。
得られた正極合材の前駆体と、固体電解質を用い、その組成比(重量比)が90:10となるように、前駆体180mg、固体電解質20mgを秤量し、遊星ボールミル(Frilsch社製premium line P−7、公転半径0.07m、自転半径0.0235m、自転と公転の比=−2)にて5mmのジルコニアボール約40gとともに45mlのポットにて公転速度250rpmで30分間混合することにより、全固体型リチウム硫黄電池用の正極合材を得た。
(実施例2)
実施例1にて得られた硫黄界面反応向上剤と、硫黄(正極活物質;アルドリッチ社製)、アセチレンブラック(導電材;比表面積70m/g、アルドリッチ社製)を用い、その組成比(重量比)が30:25:25となるように硫黄界面反応向上剤90mg、正極活物質75mg、導電材75mgを秤量し、遊星ボールミル(Frilsch社製premium line P−7、公転半径0.07m、自転半径0.0235m、自転と公転の比=−2)にて5mmのジルコニアボール約40gとともに45mlのポットにて公転速度370rpmで2時間複合化し、正極合材の前駆体を得た。
得られた前駆体と、実施例1にて得られた固体電解質を用い、その組成比(重量比)が80:20となるように、前駆体160mg、固体電解質40mgを秤量し、遊星ボールミル(Frilsch社製premium line P−7、公転半径0.07m、自転半径0.0235m、自転と公転の比=−2)にて5mmのジルコニアボール約40gとともに45mlのポットにて公転速度250rpmで30分間混合することにより、全固体型リチウム硫黄電池用の正極合材を得た。
(実施例3)
固体電解質としてLiSとPを75:25の組成比(モル比)で複合化したもの(導電率:0.30mS/cm)を用いたこと以外、実施例2と同様の操作により正極合材を得た。
(比較例1)
固体電解質(実施例1にて作製)、硫黄(正極活物質;アルドリッチ社製)、及びケッチェンブラック(導電材;比表面積1200m/g、ライオン株式会社製、EC600JD)を用い、その組成比(重量比)が50:40:10となるように固体電解質100mg、正極活物質80mg、導電材20mgを秤量し、遊星ボールミル(Frilsch社製premium line P−7、公転半径0.07m、自転半径0.0235m、自転と公転の比=−2)にて5mmのジルコニアボール約40gとともに45mlのポットにて公転速度370rpmで2時間混合することにより、全固体型リチウム硫黄電池用の正極合材を得た。
(比較例2)
固体電解質(実施例1にて作製)、硫黄(正極活物質;アルドリッチ社製)、及びアセチレンブラック(導電材;比表面積70m/g、アルドリッチ社製)を用い、その組成比(重量比)が50:25:25となるように固体電解質100mg、正極活物質50mg、導電材50mgを秤量した以外は、比較例1と同様の操作により正極合材を得た。
(実施例4)
LiS(フルウチ化学株式会社製)とP(アルドリッチ社製)を50:50のモル比となるように秤量し、乳鉢で混合したものを遊星ボールミルにて、自転速度250rpm、公転速度500rpm(自転と逆回転)で10時間処理することで複合化し、LiS:P=50:50の組成比(モル比)を有する複合化物(硫黄界面反応向上剤)を得た。
この硫黄界面反応向上剤と、硫黄(正極活物質;アルドリッチ社製)、ケッチェンブラック(導電材;比表面積1200m/g、ライオン株式会社製、EC600JD)とを用い、その組成比(重量比)が30:50:10となるように硫黄界面反応向上剤72mg、正極活物質120mg、導電材24mgを秤量し、遊星ボールミル(Frilsch社製premium line P−7、公転半径0.07m、自転半径0.0235m、自転と公転の比=−2)にて5mmのジルコニアボール約40gとともに45mlのポットにて公転速度370rpmで2時間複合化し、正極合材の前駆体を得た。
得られた正極合材の前駆体と、固体電解質(実施例1にて作製)を用い、その組成比(重量比)が90:10となるように、前駆体180mg、固体電解質20mgを秤量し、遊星ボールミル(Frilsch社製premium line P−7、公転半径0.07m、自転半径0.0235m、自転と公転の比=−2)にて5mmのジルコニアボール約40gとともに45mlのポットにて公転速度300rpmで30分間混合することにより、全固体型リチウム硫黄電池用の正極合材を得た。
(実施例5)
硫黄界面反応向上剤としてLiS(フルウチ化学株式会社製)とP(アルドリッチ社製)を40:60のモル比となるように調整した以外、実施例4と同様の操作により正極合材を得た。
(実施例6)
硫黄界面反応向上剤としてLiS(フルウチ化学株式会社製)とP(アルドリッチ社製)を30:70のモル比となるように調整した以外、実施例4と同様の操作により正極合材を得た。
(実施例7)
硫黄界面反応向上剤としてLiS(フルウチ化学株式会社製)とP(アルドリッチ社製)を20:80のモル比となるように調整した以外、実施例4と同様の操作により正極合材を得た。
(実施例8)
硫黄界面反応向上剤としてLiS(フルウチ化学株式会社製)とP(アルドリッチ社製)を10:90のモル比となるように調整した以外、実施例4と同様の操作により正極合材を得た。
(実施例9)
硫黄界面反応向上剤としてP(アルドリッチ社製)を用いた以外、実施例4と同様の操作により正極合材を得た。
(実施例10)
固体電解質としてLiS(フルウチ化学株式会社製)とP(アルドリッチ社製)とGeSを5:1:1のモル比となるように秤量し、乳鉢で混合したものを遊星ボールミルにて、自転速度250rpm、公転速度500rpm(自転と逆回転)で10時間処理し、さらにアルゴン雰囲気下で510℃で8時間加熱することにより、LiS:P:GeS=5:1:1の組成比(モル比)を有する複合化物を得た(固体電解質;導電率5.8mS/cm)。この固体電解質を用いた以外、実施例9と同様の操作により正極合材を得た。
(比較例3)
固体電解質(実施例1にて作製)、硫黄(正極活物質;アルドリッチ社製)、及びケッチェンブラック(導電材;比表面積1200m/g、ライオン株式会社製、EC600JD)を用い、その組成比(重量比)が40:50:10となるように固体電解質80mg、正極活物質100mg、導電材20mgを秤量した以外、比較例1と同様の操作により正極合材を得た。
3.全固体型リチウム硫黄電池の作製
ポリカーボネート製の円筒管治具(内径10mmΦ、外径23mmΦ、高さ20mm)の下側から負極集電体としてSUS304製の円筒治具(10mmΦ、高さ10mm)を差し込み、ポリカーボネート製の円筒管治具の上側から固体電解質(80LiS−20Pを240℃で1時間焼成した複合化物)70mgを入れて、さらに正極集電体としてSUS304製の円筒治具(10mmΦ、高さ15mm)をポリカーボネート製の円筒管治具の上側から差し込んで固体電解質を挟み込み、200MPaの圧力で3分間プレスすることにより直径10mmΦ、厚さ約0.6mmの固体電解質層を形成した。
次に、上側から差し込んだSUS304製の円筒治具(正極集電体)を一旦抜き取り、ポリカーボネート製の円筒管内の固体電解質層の上に実施例1〜10及び比較例1〜3で作製した正極合材を硫黄重量として3.75mgとなるように入れ、再び上側からSUS304製の円筒治具(正極集電体)を差し込み、200MPaの圧力で3分間プレスすることで、直径10mmΦ、厚さ約0.1mmの正極合材層を形成した。
次いで、下側から差し込んだSUS304製の円筒治具(負極集電体)を抜き取り、負極として厚さ0.25mmのリチウムシート(フルウチ化学社製)を穴あけポンチで直径8mmΦに打ち抜いたものと厚さ0.3mmのインジウムシート(フルウチ化学社製)を穴あけポンチで直径9mmΦに打ち抜いたものを重ねてポリカーボネート製の円筒管治具の下側から入れて、再び下側からSUS304製の円筒治具(負極集電体)を差し込み、80MPaの圧力で3分間プレスすることでリチウム−インジウム合金負極を形成した。
以上のようにして、下側から順に、負極集電体、リチウム−インジウム合金負極、固体電解質層、正極合材層、正極集電体が積層された全固体型リチウム硫黄電池を作製した。
4.全固体型リチウム硫黄電池の評価
(充放電試験)
作製した全固体型リチウム硫黄電池を用い、充放電装置(ACD−M01A、アスカ電子株式会社製)にて0.64mA/cmの電流密度で充放電を繰り返した。10サイクル目の正極合材当たりの容量を表1に示す。
Figure 2014160572
5.結果と考察
上記実験例及び比較例より、硫黄界面反応向上剤(B)及び固体電解質(D)を組み合わせた正極合材を全固体型リチウム硫黄電池の正極合材層に用いることにより、充放電容量に優れた全固体型リチウム硫黄電池を得ることができることが明らかとなった。

Claims (12)

  1. 以下の(A)〜(D)を含む、全固体型リチウム硫黄電池の正極合材層に用いられることを特徴とする正極合材:
    (A)硫黄又はその放電生成物;
    (B)P、又はPがLiSとPの総量に対してモル比で30%以上であるLiSとPとの複合化物である、硫黄界面反応向上剤;
    (C)導電材;並びに
    (D)LiSとMとの複合化物(ここで、Mは、P、Si、Ge、B及びAlからなる群より選択される元素のうち少なくとも一つであり、x及びyは、独立して、Mの種類に応じて決定される化学量論比を与える整数を表わす)であって、その組成比(モル比)がLiS:M=70:30〜85:15であり、0.1mS/cm以上の導電率を有する固体電解質(但し、PがLiSとPの総量に対してモル比で30%であるLiSとPとの複合化物は除く)。
  2. 前記硫黄又はその放電生成物(A)、前記硫黄界面反応向上剤(B)及び前記導電材(C)を混合する第1混合処理の後で、前記固体電解質(D)を添加し、さらに混合する第2混合処理を行うことで得られる、請求項1に記載の正極合材。
  3. 前記固体電解質(D)の含有量が、前記硫黄又はその放電生成物(A)100重量部に対して、5〜100重量部である、請求項2に記載の正極合材。
  4. 前記第1混合処理が公転速度100〜600rpm、0.1〜15時間の条件下で遊星型ボールミルを用いて行われ、前記第2混合処理が公転速度50〜500rpm、0.1〜15時間の条件下で遊星型ボールミルを用いて行われる、請求項2又は3に記載の正極合材。
  5. 前記固体電解質(D)が、LiS:P=75:25〜85:15であるLiSとPとの複合化物、又はLiS:P:GeS=70〜80:20〜10:10〜0であるLiSとPとGeSとの複合化物である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の正極合材。
  6. 前記固体電解質(D)がLiPO,LiSiO、LiO、LiI、LiBH及びLiNからなる群より選択される少なくとも1つのリチウム塩をさらに含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の正極合材。
  7. 以下の工程を含む、全固体型リチウム硫黄電池の正極合材層に用いられることを特徴とする正極合材の製造方法:
    (1)硫黄又はその放電生成物(A)、P、又はPがLiSとPの総量に対してモル比で30%以上であるLiSとPとの複合化物である、硫黄界面反応向上剤(B)、及び導電材(C)を混合する工程;並びに
    (2)工程(1)で得られた混合物に、LiSとMとの複合化物(ここで、Mは、P、Si、Ge、B及びAlからなる群より選択される元素のうち少なくとも一つであり、x及びyは、独立して、Mの種類に応じて決定される化学量論比を与える整数を表わす)であって、その組成比(モル比)がLiS:M=70:30〜85:15であり、0.1mS/cm以上の導電率を有する固体電解質(但し、PがLiSとPの総量に対してモル比で30%であるLiSとPとの複合化物は除く)を添加し、さらに混合する工程。
  8. 前記固体電解質(D)の含有量が、前記硫黄又はその放電生成物(A)100重量部に対して、5〜100重量部である、請求項7に記載の製造方法。
  9. 前記工程(1)の混合が公転速度100〜600rpm、0.1〜15時間の条件下で遊星型ボールミルを用いて行われ、前記工程(2)の混合が公転速度50〜500rpm、0.1〜15時間の条件下で遊星型ボールミルを用いて行われる、請求項7又は8に記載の製造方法。
  10. 前記固体電解質(D)が、LiS:P=75:25〜85:15であるLiSとPとの複合化物、又はLiS:P:GeS=70〜80:20〜10:10〜0であるLiSとPとGeSとの複合化物である、請求項7〜9のいずれか1項に記載の製造方法。
  11. 前記固体電解質(D)がLiPO,LiSiO、LiO、LiI、LiBH及びLiNからなる群より選択される少なくとも1つのリチウム塩をさらに含む、請求項7〜10のいずれか1項に記載の製造方法。
  12. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の正極合材を含む正極合材層、固体電解質層、負極及び集電体を備える全固体型リチウム硫黄電池。
JP2013030526A 2013-02-20 2013-02-20 全固体型リチウム硫黄電池の正極合材の製造方法 Active JP6061139B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013030526A JP6061139B2 (ja) 2013-02-20 2013-02-20 全固体型リチウム硫黄電池の正極合材の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013030526A JP6061139B2 (ja) 2013-02-20 2013-02-20 全固体型リチウム硫黄電池の正極合材の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014160572A true JP2014160572A (ja) 2014-09-04
JP6061139B2 JP6061139B2 (ja) 2017-01-18

Family

ID=51612133

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013030526A Active JP6061139B2 (ja) 2013-02-20 2013-02-20 全固体型リチウム硫黄電池の正極合材の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6061139B2 (ja)

Cited By (28)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015030053A1 (ja) * 2013-09-02 2015-03-05 三菱瓦斯化学株式会社 全固体電池および電極活物質の製造方法
WO2015030052A1 (ja) * 2013-09-02 2015-03-05 三菱瓦斯化学株式会社 全固体電池
JP2015079622A (ja) * 2013-10-16 2015-04-23 ナガセケムテックス株式会社 正極合材及びその製造方法、並びに、全固体型リチウム硫黄電池
JP2015079623A (ja) * 2013-10-16 2015-04-23 ナガセケムテックス株式会社 正極合材及び全固体型ナトリウム硫黄電池
JP2016213184A (ja) * 2015-05-11 2016-12-15 出光興産株式会社 電極合材の製造方法
JP2018060680A (ja) * 2016-10-05 2018-04-12 トヨタ自動車株式会社 全固体リチウム硫黄電池用正極
JP2019503037A (ja) * 2015-11-24 2019-01-31 シオン・パワー・コーポレーション イオン伝導性化合物およびそれに関連する使用
EP3442058A1 (en) 2017-08-09 2019-02-13 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Cathode mixture and method for producing the same
KR20190016904A (ko) 2017-08-09 2019-02-19 도요타 지도샤(주) 정극합재 및 그 제조방법
CN109449414A (zh) * 2018-11-01 2019-03-08 江西中汽瑞华新能源科技有限公司 一种锂离子电池正极复合材料以及含该材料的全固态电池
CN109585913A (zh) * 2018-11-29 2019-04-05 东南大学 硼氢化锂与二硫化钼复合体系固态电解质材料及其制备方法和应用
JP2019117788A (ja) * 2017-12-27 2019-07-18 現代自動車株式会社Hyundai Motor Company 窒素が添加された全固体電池用硫化物界固体電解質
CN110556522A (zh) * 2018-06-01 2019-12-10 丰田自动车株式会社 正极合剂、全固体电池和正极合剂的制造方法
CN110556573A (zh) * 2018-06-01 2019-12-10 丰田自动车株式会社 全固体电池
CN110556572A (zh) * 2018-06-01 2019-12-10 丰田自动车株式会社 正极合剂及其制造方法
JP2019212615A (ja) * 2018-06-01 2019-12-12 トヨタ自動車株式会社 正極合材、全固体電池、正極合材の製造方法および全固体電池の製造方法
US10714786B2 (en) 2016-12-19 2020-07-14 Hyundai Motor Company Positive electrode active material, method of manufacturing the same and all-solid battery including the same
US20200303689A1 (en) * 2019-03-22 2020-09-24 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Case and method for manufacturing the same, method for inserting stacked body, and cell stack
CN111952551A (zh) * 2019-05-17 2020-11-17 康宁股份有限公司 用于固态锂硫电池的改进复合正极及其制备方法
CN112158868A (zh) * 2020-09-29 2021-01-01 四川大学 一种纳米氧化物/锂硼氢氨化物高电导率固体电解质材料及其制备方法
US11075375B2 (en) 2018-06-01 2021-07-27 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Cathode mixture, all solid state battery, method for producing cathode mixture, and method for producing all solid state battery
US11251501B2 (en) 2017-05-24 2022-02-15 Sion Power Corporation Lithium metal sulfide and lithium metal sulfide argyrodite ionically conductive compounds and related uses
US11329276B2 (en) 2018-11-27 2022-05-10 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Cathode mixture, all solid state battery, and method for producing cathode mixture
KR20220136147A (ko) 2021-03-31 2022-10-07 도요타 지도샤(주) 전고체전지
JP2022158610A (ja) * 2021-04-02 2022-10-17 トヨタ自動車株式会社 全固体リチウム硫黄電池用正極
WO2022230163A1 (ja) * 2021-04-30 2022-11-03 日産自動車株式会社 電気デバイス用正極材料並びにこれを用いた電気デバイス用正極および電気デバイス
WO2024043289A1 (ja) * 2022-08-24 2024-02-29 出光興産株式会社 正極合材、正極合材の製造方法及びリチウムイオン電池
WO2024048476A1 (ja) * 2022-08-30 2024-03-07 三井金属鉱業株式会社 複合材料の製造方法及び複合材料

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6878059B2 (ja) * 2017-03-15 2021-05-26 トヨタ自動車株式会社 硫化物固体電解質及びその製造方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011181260A (ja) * 2010-02-26 2011-09-15 Osaka Prefecture Univ 全固体リチウム二次電池用正極及びその製造方法
JP2012104270A (ja) * 2010-11-08 2012-05-31 Toyota Motor Corp 全固体電池
WO2012086196A1 (ja) * 2010-12-24 2012-06-28 出光興産株式会社 リチウムイオン電池用正極材料及びリチウムイオン電池
JP2012204114A (ja) * 2011-03-25 2012-10-22 Idemitsu Kosan Co Ltd リチウム二次電池電極用スラリー組成物及びそれを用いた電池

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011181260A (ja) * 2010-02-26 2011-09-15 Osaka Prefecture Univ 全固体リチウム二次電池用正極及びその製造方法
JP2012104270A (ja) * 2010-11-08 2012-05-31 Toyota Motor Corp 全固体電池
WO2012086196A1 (ja) * 2010-12-24 2012-06-28 出光興産株式会社 リチウムイオン電池用正極材料及びリチウムイオン電池
JP2012204114A (ja) * 2011-03-25 2012-10-22 Idemitsu Kosan Co Ltd リチウム二次電池電極用スラリー組成物及びそれを用いた電池

Cited By (58)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10147937B2 (en) 2013-09-02 2018-12-04 Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc. Solid-state battery and method for manufacturing electrode active material
WO2015030053A1 (ja) * 2013-09-02 2015-03-05 三菱瓦斯化学株式会社 全固体電池および電極活物質の製造方法
JPWO2015030053A1 (ja) * 2013-09-02 2017-03-02 三菱瓦斯化学株式会社 全固体電池および電極活物質の製造方法
US10038192B2 (en) 2013-09-02 2018-07-31 Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc. Solid-state battery
CN105556731B (zh) * 2013-09-02 2018-10-02 三菱瓦斯化学株式会社 全固体电池
CN105556731A (zh) * 2013-09-02 2016-05-04 三菱瓦斯化学株式会社 全固体电池
WO2015030052A1 (ja) * 2013-09-02 2015-03-05 三菱瓦斯化学株式会社 全固体電池
JPWO2015030052A1 (ja) * 2013-09-02 2017-03-02 三菱瓦斯化学株式会社 全固体電池
JP2015079622A (ja) * 2013-10-16 2015-04-23 ナガセケムテックス株式会社 正極合材及びその製造方法、並びに、全固体型リチウム硫黄電池
WO2015056564A1 (ja) * 2013-10-16 2015-04-23 ナガセケムテックス株式会社 正極合材及びその製造方法、並びに、全固体型リチウム硫黄電池
JP2015079623A (ja) * 2013-10-16 2015-04-23 ナガセケムテックス株式会社 正極合材及び全固体型ナトリウム硫黄電池
US10283758B2 (en) 2013-10-16 2019-05-07 Nagase Chemtex Corporation Positive-electrode mixture, manufacturing method therefor, and all-solid-state lithium-sulfur battery
JP2016213184A (ja) * 2015-05-11 2016-12-15 出光興産株式会社 電極合材の製造方法
JP2019503037A (ja) * 2015-11-24 2019-01-31 シオン・パワー・コーポレーション イオン伝導性化合物およびそれに関連する使用
JP2022043045A (ja) * 2015-11-24 2022-03-15 シオン・パワー・コーポレーション イオン伝導性化合物およびそれに関連する使用
JP2018060680A (ja) * 2016-10-05 2018-04-12 トヨタ自動車株式会社 全固体リチウム硫黄電池用正極
US11088390B2 (en) 2016-12-19 2021-08-10 Hyundai Motor Company Positive electrode active material, method of manufacturing the same and all-solid battery including the same
US10714786B2 (en) 2016-12-19 2020-07-14 Hyundai Motor Company Positive electrode active material, method of manufacturing the same and all-solid battery including the same
US11251501B2 (en) 2017-05-24 2022-02-15 Sion Power Corporation Lithium metal sulfide and lithium metal sulfide argyrodite ionically conductive compounds and related uses
KR102127993B1 (ko) * 2017-08-09 2020-06-29 도요타 지도샤(주) 정극합재 및 그 제조방법
CN109390568A (zh) * 2017-08-09 2019-02-26 丰田自动车株式会社 正极混合材料以及其制造方法
US11437612B2 (en) 2017-08-09 2022-09-06 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Cathode mixture and method for producing the same
CN109390568B (zh) * 2017-08-09 2022-03-22 丰田自动车株式会社 正极混合材料以及其制造方法
EP3442058A1 (en) 2017-08-09 2019-02-13 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Cathode mixture and method for producing the same
KR20190016904A (ko) 2017-08-09 2019-02-19 도요타 지도샤(주) 정극합재 및 그 제조방법
JP7271053B2 (ja) 2017-12-27 2023-05-11 現代自動車株式会社 窒素が添加された全固体電池用硫化物界固体電解質
US11637313B2 (en) 2017-12-27 2023-04-25 Hyundai Motor Company Nitrogen-doped sulfide-based solid electrolyte for all-solid batteries
US11631891B2 (en) 2017-12-27 2023-04-18 Hyundai Motor Company Nitrogen-doped sulfide-based solid electrolyte for all-solid batteries
US11575154B2 (en) 2017-12-27 2023-02-07 Hyundai Motor Company Nitrogen-doped sulfide-based solid electrolyte for all-solid batteries
JP2019117788A (ja) * 2017-12-27 2019-07-18 現代自動車株式会社Hyundai Motor Company 窒素が添加された全固体電池用硫化物界固体電解質
JP7156157B2 (ja) 2018-06-01 2022-10-19 トヨタ自動車株式会社 正極合材、全固体電池、正極合材の製造方法および全固体電池の製造方法
JP2019212444A (ja) * 2018-06-01 2019-12-12 トヨタ自動車株式会社 正極合材、全固体電池および正極合材の製造方法
KR102213823B1 (ko) * 2018-06-01 2021-02-08 도요타 지도샤(주) 정극합재, 전고체전지 및 정극합재의 제조방법
US11075375B2 (en) 2018-06-01 2021-07-27 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Cathode mixture, all solid state battery, method for producing cathode mixture, and method for producing all solid state battery
CN110556522A (zh) * 2018-06-01 2019-12-10 丰田自动车株式会社 正极合剂、全固体电池和正极合剂的制造方法
CN110556573A (zh) * 2018-06-01 2019-12-10 丰田自动车株式会社 全固体电池
CN110556572A (zh) * 2018-06-01 2019-12-10 丰田自动车株式会社 正极合剂及其制造方法
JP7017123B2 (ja) 2018-06-01 2022-02-08 トヨタ自動車株式会社 正極合材、全固体電池および正極合材の製造方法
KR20190137691A (ko) * 2018-06-01 2019-12-11 도요타 지도샤(주) 정극합재, 전고체전지 및 정극합재의 제조방법
US11495790B2 (en) 2018-06-01 2022-11-08 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Cathode mixture and method for producing the same
JP2019212615A (ja) * 2018-06-01 2019-12-12 トヨタ自動車株式会社 正極合材、全固体電池、正極合材の製造方法および全固体電池の製造方法
CN110556572B (zh) * 2018-06-01 2022-09-20 丰田自动车株式会社 正极合剂及其制造方法
CN110556522B (zh) * 2018-06-01 2022-08-30 丰田自动车株式会社 正极合剂、全固体电池和正极合剂的制造方法
CN109449414A (zh) * 2018-11-01 2019-03-08 江西中汽瑞华新能源科技有限公司 一种锂离子电池正极复合材料以及含该材料的全固态电池
US11329276B2 (en) 2018-11-27 2022-05-10 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Cathode mixture, all solid state battery, and method for producing cathode mixture
CN109585913B (zh) * 2018-11-29 2021-08-24 东南大学 硼氢化锂与二硫化钼复合体系固态电解质材料及其制备方法和应用
CN109585913A (zh) * 2018-11-29 2019-04-05 东南大学 硼氢化锂与二硫化钼复合体系固态电解质材料及其制备方法和应用
US20200303689A1 (en) * 2019-03-22 2020-09-24 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Case and method for manufacturing the same, method for inserting stacked body, and cell stack
US11695152B2 (en) * 2019-03-22 2023-07-04 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Case and method for manufacturing the same, method for inserting stacked body, and cell stack
CN111952551A (zh) * 2019-05-17 2020-11-17 康宁股份有限公司 用于固态锂硫电池的改进复合正极及其制备方法
CN112158868B (zh) * 2020-09-29 2021-09-17 四川大学 一种纳米氧化物/锂硼氢氨化物高电导率固体电解质材料及其制备方法
CN112158868A (zh) * 2020-09-29 2021-01-01 四川大学 一种纳米氧化物/锂硼氢氨化物高电导率固体电解质材料及其制备方法
KR20220136147A (ko) 2021-03-31 2022-10-07 도요타 지도샤(주) 전고체전지
JP2022158610A (ja) * 2021-04-02 2022-10-17 トヨタ自動車株式会社 全固体リチウム硫黄電池用正極
JP7416007B2 (ja) 2021-04-02 2024-01-17 トヨタ自動車株式会社 全固体リチウム硫黄電池用正極
WO2022230163A1 (ja) * 2021-04-30 2022-11-03 日産自動車株式会社 電気デバイス用正極材料並びにこれを用いた電気デバイス用正極および電気デバイス
WO2024043289A1 (ja) * 2022-08-24 2024-02-29 出光興産株式会社 正極合材、正極合材の製造方法及びリチウムイオン電池
WO2024048476A1 (ja) * 2022-08-30 2024-03-07 三井金属鉱業株式会社 複合材料の製造方法及び複合材料

Also Published As

Publication number Publication date
JP6061139B2 (ja) 2017-01-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6061139B2 (ja) 全固体型リチウム硫黄電池の正極合材の製造方法
JP6380883B2 (ja) 正極合材及びその製造方法、並びに、全固体型リチウム硫黄電池
JP5445809B1 (ja) 正極合材及び全固体型リチウム硫黄電池
WO2014203575A1 (ja) 正極合材及び全固体型リチウム硫黄電池
JP6108267B2 (ja) 正極合材及び全固体型リチウム硫黄電池
JP6531887B2 (ja) 正極合材及び全固体型リチウム硫黄電池
JP6531888B2 (ja) 正極合材及び全固体型リチウム硫黄電池
JP6160950B2 (ja) 薄膜硫黄被覆導電性カーボン、正極合材及び全固体型リチウム硫黄電池
JP6531886B2 (ja) 正極合材及び全固体型リチウム硫黄電池
JP5774444B2 (ja) リチウムイオン二次電池用負極活物質およびその製造方法ならびにリチウムイオン二次電池
JP6292436B2 (ja) 正極合材及び全固体型リチウム硫黄電池
JP6249213B2 (ja) 薄膜硫黄被覆活性炭、正極合材及び全固体型リチウム硫黄電池
JP2022133785A (ja) 硫化物固体電解質の製造方法
WO2021251031A1 (ja) 複合化全固体型リチウム硫黄電池用正極合材
JP6380884B2 (ja) 正極合材及び全固体型ナトリウム硫黄電池
JP6278301B2 (ja) 薄膜硫黄被覆活性炭の製造方法、薄膜硫黄被覆活性炭、正極合材及び全固体型リチウム硫黄電池

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20151105

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160805

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160830

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160913

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20160913

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20161108

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20161130

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6061139

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250