JP2014156677A - 変性セルロースナノファイバー、樹脂組成物および成形体 - Google Patents

変性セルロースナノファイバー、樹脂組成物および成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】耐熱性に優れた変性セルロースナノファイバー、これを用いた複合樹脂組成物および成形体の提供。
【解決手段】セルロースナノファイバーと、下記一般式(1)で示される化合物とを反応させてなる変性セルロースナノファイバー。(R(RM(OR…(1)[式中、R及びRはそれぞれ独立に有機基であり;Rは炭素数1〜6のアルキル基、又はアリール基であり;Mは、Al、La、Nb、Sn、Ta、Ti、Zn、又はZrであり;a及びbはそれぞれ独立に0〜2の整数であり、cは1以上の整数であり、a+b+c=Mの価数である。]
【選択図】なし

Description

本発明は、変性セルロースナノファイバー、樹脂組成物および成形体に関する。
従来、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、エラストマー、ゴム等の樹脂に補強材を配合することが行われている。近年、補強材としてセルロースナノファイバーを用いることが提案されている(たとえば特許文献1)。
セルロースナノファイバーは、そのままでは樹脂への分散性が悪く、補強効果が充分に発揮されないことがある。そのため、前述の特許文献1等では、セルロースナノファイバーの水酸基を、エーテル化剤、エステル化剤等により化学修飾することが提案されている。該化学修飾により水酸基を減じることで、セルロースナノファイバー間の水素結合による強い密着を防ぐことができ、樹脂への分散性が向上するとされている。
特開2011−184816号公報
しかし、従来のセルロースナノファイバーは、耐熱性が低い問題がある。たとえば熱可塑性樹脂にセルロースナノファイバーを配合した樹脂組成物を成形して成形体を製造する場合、成形時に熱可塑性樹脂の融点以上の温度に加熱することが行われるが、熱可塑性樹脂の融点が高い(たとえば250℃以上)場合、成形時の加熱によりセルロースナノファイバーが酸化劣化する問題がある。また、得られる成形品に熱分解による着色が見られるなどの問題もある。そのため、従来のセルロースナノファイバーは、高融点の熱可塑性樹脂の補強材としては適さない。
特許文献1には、セルロースナノファイバーの水酸基を化学修飾することで樹脂への分散性が向上するほか、耐熱性も向上するとされている。しかし本発明者らの検討によれば、その効果は充分とはいえず、未だ改善の余地がある。また、修飾剤によってはセルロースナノファイバーの特性を損なうこともある。たとえば修飾剤としてシリルエーテル化剤を用いた場合、得られる変性セルロースナノファイバーの透明性が低下することがある。
したがって、従来のセルロースナノファイバーやその水酸基を化学修飾した変性セルロースナノファイバーは用途に制限が多いのが現状である。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、耐熱性に優れた変性セルロースナノファイバー、これを用いた複合樹脂組成物および成形体を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明は、以下の態様を有する。
[1]セルロースナノファイバーと、下記一般式(1)で示される化合物とを反応させてなる変性セルロースナノファイバー。
(R(RM(OR …(1)
[式中、R及びRはそれぞれ独立に有機基であり;Rは炭素数1〜6のアルキル基、又はアリール基であり;Mは、Al、La、Nb、Sn、Ta、Ti、Zn、又はZrであり;a及びbはそれぞれ独立に0〜2の整数であり、cは1以上の整数であり、a+b+c=Mの価数である。]
[2]前記セルロースナノファイバーの平均重合度が600〜30000であり、アスペクト比が20〜10000であり、平均直径が1〜800nmである[1]記載の変性セルロースナノファイバー。
[3]前記セルロースナノファイバーの、2θの範囲を0〜30°とするX線回折パターンが、14°≦2θ≦18°に1つ又は2つのピークを有し、20°≦2θ≦24°に1つ又は2つのピークを有し、他にはピークを有さない[1]又は[2]記載の変性セルロースナノファイバー。
[4][1]〜[3]のいずれか一項に記載の変性セルロースナノファイバーを樹脂中に含有する樹脂組成物。
[5]前記樹脂が、融点250℃以上の熱可塑性樹脂である[4]に記載の樹脂組成物。
[6][4]又は[5]に記載の樹脂組成物を成形した成形体。
本発明によれば、耐熱性に優れた変性セルロースナノファイバー、これを用いた樹脂組成物および成形体を提供できる。
本発明において好ましく用いられるセルロースナノファイバーの、2θの範囲を0〜30°とするX線回折パターン(14°≦2θ≦18°に1つ又は2つのピークを有し、20°≦2θ≦24°に1つ又は2つのピークを有し、他にはピークを有さない例)を示すグラフである。
<変性セルロースナノファイバー>
本発明の第一の態様の変性セルロースナノファイバーは、セルロースナノファイバーと、下記一般式(1)で示される化合物(以下、化合物(1)という。)とを反応させてなるものである。
(R(RM(OR …(1)
[式中、R及びRはそれぞれ独立に有機基であり;Rは炭素数1〜6のアルキル基、又はアリール基であり;Mは、Al、La、Nb、Sn、Ta、Ti、Zn、又はZrであり;a及びbはそれぞれ独立に0〜2の整数であり、cは1以上の整数であり、a+b+c=Mの価数である。]
[化合物(1)]
前記一般式(1)中、R及びRにおける有機基としては、特に限定されないが、たとえばアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルケニル基、アリール基、ハロゲン化アリール基、シクロアルキル基、アシル基、環状エーテル基、これらの2種以上の組み合わせからなる基等が挙げられる。ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基におけるハロゲンとしては、フッ素、塩素等が挙げられる。
前記有機基の具体例としては、メチル基、エチル基、イソブチル基、トリフルオロメチル基、ビニル基、フェニル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、アセチル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、スチリル基、エポキシプロピル基、オキセタニル基等が挙げられる。これらの中でも、樹脂との相溶性等の点で、アルキル基、アリール基が好ましく、アルキル基、フェニル基が特に好ましい。
式中、RとRは同一でも異なってもよい。aが2の場合、式中の2個のRは同一である。bが2の場合、式中の2個のRは同一である。
は炭素数1〜6のアルキル基、又はアリール基である。アリール基としては、フェニル基が挙げられる。
Mは、Al、La、Nb、Sn、Ta、Ti、Zn、又はZrである。セルロースナノファイバーとの反応の制御のしやすさから、Al、Ti、Zrが好ましい。
化合物(1)の具体例としては、たとえば、アルミニウムイソプロポキシド、トリメトキシチタン、テトラメトキシチタン、トリエトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラプロポキシチタン、チタニウムメタクリレートトリイソプロポキシド、ジエチルジエトキシチタン、フェニルトリメトキシチタン、フェニルトリエトキシチタン、テトラメトキシジルコニア、テトラエトキシジルコニア、テトラプロポキシジルコニア、テトラブトキシジルコニア、メチルトリメトキシジルコニア、メチルトリエトキシジルコニア、メチルトリブトキシジルコニア、フェニルトリメトキシジルコニア、フェニルトリエトキシジルコニア等が挙げられる。
化合物(1)としては、一般的に市販されているものを使用できる。
[セルロースナノファイバー]
セルロースナノファイバーは、平均直径がナノメートルオーダー(1μm未満)のファイバー状のセルロースである。セルロースナノファイバーは、例えば粒状のセルロースなどに比べて、表面積が大きく、樹脂に対する補強効果に優れる。
セルロースナノファイバーとしては、未修飾の水酸基を有するものであれば特に限定されず、市販品を用いても公知の製造方法により製造したものを用いてもよい。セルロースファイバーの好ましい製造方法については後で詳細に説明する。
セルロースナノファイバーは、平均重合度が600〜30000であることが好ましく、600〜5000であることがより好ましく、800〜5000であることがさらに好ましい。平均重合度が600以上であれば、得られる変性セルロースナノファイバーが耐熱性に優れたものとなる。また、該変性セルロースナノファイバーを樹脂中に含有させたときに充分な補強効果が得られる。平均重合度が30000以下であれば、得られる変性セルロースナノファイバーと樹脂との混練時に粘性が高くならず、樹脂組成物を調製しやすい。
セルロースナノファイバーは、アスペクト比が20〜10000であることが好ましく、20〜2000であることがより好ましい。アスペクト比が20以上であれば、分子同士の絡まりや網目構造が強固となり、得られる変性セルロースナノファイバーを樹脂中に含有させたときに優れた補強効果が得られ、10000以下であれば、得られる変性セルロースナノファイバーを含有する樹脂組成物の成形性が良好である。
本明細書において「アスペクト比」とは、平均繊維長と平均直径の比(平均繊維長/平均直径)を意味する。セルロースナノファイバーの平均直径及び平均繊維長は、走査電子顕微鏡(SEM)により測定できる。
セルロースナノファイバーは、平均直径が1〜800nmであることが好ましく、1〜300nmであることがより好ましく、1〜100nmであることがさらに好ましい。平均直径が1nm以上の場合、セルロースナノファイバーの製造にコストがかからず、800nm以下の場合、アスペクト比が低下しにくい。そのため平均直径が上記範囲内であれば安価で充分な補強効果が得られる。
セルロースナノファイバーとしては、特に、上記の平均重合度、アスペクト比及び平均直径を全て満たすものが好ましい。すなわち、平均重合度が600以上30000以下であり、アスペクト比が20〜10000であり、平均直径が1〜800nmであるものが好ましい。このようなセルロースナノファイバーは耐熱性が高い。そのため、得られる変性セルロースナノファイバーの耐熱性も高くなる。また、強度が高く、補強材としての補強効果に優れる。
セルロースナノファイバーは、X線回折パターンにおいてIβ型の結晶ピークを有するものが好ましい。
天然の植物細胞壁から得られるセルロースI型は、Iα型結晶とIβ型結晶の複合結晶であり、木材、木綿などの高等植物由来セルロースはIβ型結晶成分が多いが、バクテリアセルロースの場合はIα型結晶成分が多い。
Iβ型の結晶ピークを有するセルロースナノファイバーは、Iβ型の結晶ピークを有さないセルロースファイバー、例えばIα型の結晶ピークを有するセルロースナノファイバーに比べて、結晶化度が高く、これを用いて得られる変性セルロースナノファイバーが、補強効果に優れたものとなる。
セルロースナノファイバーとしては、Iβ型の結晶ピークのみを有するものが好ましい。Iβ型の結晶ピークのみを有するとは、当該セルロースナノファイバーの、2θの範囲を0〜30°とするX線回折パターンが、図1に示すように、14°≦2θ≦18°に1つ又は2つのピークを有し、20°≦2θ≦24°に1つのピークを有し、他にはピークを有さないことを示す。
セルロースナノファイバーのX線回折パターンは、粉末X線回折装置(例えば粉末X線回折装置Rigaku Ultima IV(リガク社製))を用いて分析できる。
セルロースファイバーは、イオン液体を用いて得られたものであることが好ましい。セルロースファイバーの製造方法については後で詳細に説明するが、含セルロース原料に解繊処理等を施してセルロースファイバーを製造する際にイオン液体を用いることで、機械的せん断のみにより解繊処理する場合等に比べて、セルロースナノファイバーにダメージを与えにくい。そのため、解繊処理による平均重合度、アスペクト比、結晶化度などの低下が生じにくく、例えば600以上の平均重合度を有するセルロースナノファイバーを容易に得ることができる。そのため、イオン液体を用いて得られたセルロースナノファイバーを用いることで、補強効果に優れた変性セルロースナノファイバーを得やすい。
本発明の変性セルロースナノファイバーは、上述したセルロースナノファイバーと化合物(1)とを反応させてなるものである。
セルロースナノファイバーと化合物(1)との反応は、詳しくは後で説明するが、化合物(1)を加水分解し、化合物(1)の加水分解物とセルロースナノファイバーとを反応させることにより行われる。
化合物(1)を加水分解すると、M−ORがM−OHとなる。このM−OHと、セルロースナノファイバーの水酸基とが反応(脱水縮合反応)して−O−M−O−結合が形成され、変性セルロースナノファイバーが得られる。
したがって、本発明の変性セルロースナノファイバーは、セルロースナノファイバーの水酸基が化合物(1)に由来する修飾基で修飾されたものである。水酸基が修飾基で修飾されたとは、水酸基の水素原子が修飾基で置換されていることを示す。
なお、化合物(1)が有するORが1個である場合、化合物(1)に由来する修飾基は−M(R(Rであり、得られる変性セルロースナノファイバーは、水酸基の水素原子が−M(R(Rで置換された構造となる。
しかし、化合物(1)が有するORが2個以上である場合、ORの一部が、加水分解せずORのまま修飾基中に残存したり、加水分解によりOHとなった状態で修飾基中に残存したり、該OHがセルロースナノファイバーの他の水酸基と反応して架橋を形成したり、他の化合物(1)分子由来のM−OHと反応することが考えられる。そのため、ORを2個以上有する化合物(1)を用いる場合、得られる変性セルロースナノファイバーやその水酸基を修飾する化合物(1)由来の修飾基の構造は必ずしも明確ではない。
本発明の変性セルロースナノファイバーの修飾率(変性セルロースナノファイバー中の、修飾基で修飾されている水酸基と修飾されていない水酸基との合計のうち、修飾されている水酸基の割合)は、0.1〜50%であることが好ましく、10〜20%であることがより好ましい。この範囲内であると、耐熱性、分散性等の向上効果に優れる。修飾率が0.1%未満であると、耐熱性が不充分になったり、樹脂中への分散性が低くなり補強効果が低下するおそれがある。50%を超えるとセルロースナノファイバー間の水素結合が少なくなり、補強効果が低下するおそれがある。
修飾率は、元素分析により得られた炭素、水素、酸素の元素割合から算出できる。
本発明の変性セルロースナノファイバーの熱分解温度は、330℃以上が好ましく、370℃以上がより好ましい。熱分解温度が330℃以上であると、充分な耐熱性を有するといえ、たとえば融点250℃以上の高融点の熱可塑性樹脂に配合し、得られた樹脂組成物を成形して成形体を製造する際に、変性セルロースナノファイバーが酸化劣化する問題や、得られる成形品が熱分解により着色する等の問題が生じにくい。
変性セルロースナノファイバーの熱分解温度は、反応させる化合物(1)の量、反応させるセルロースナノファイバーの種類、化合物(1)の式中のRあるいはRの有機基の種類などによって調整できる。たとえば、反応させる化合物(1)の量が多いほど、つまり変性セルロースナノファイバーの修飾率が高いほど、熱分解温度が高くなる傾向がある。また、反応させるセルロースナノファイバー自体の熱分解温度が高いほど、得られる変性セルロースナノファイバーの熱分解温度も高くなる。
なお、水酸基が修飾されていないセルロースナノファイバーの熱分解温度は、結晶性、平均重合度等によっても異なるが、通常、250〜280℃程度である。
[変性セルロースナノファイバーの製造方法]
本発明の変性セルロースナノファイバーは、セルロースナノファイバーと化合物(1)とを反応させることにより製造できる。
セルロースナノファイバーと化合物(1)との反応は、化合物(1)を加水分解させ、化合物(1)の加水分解物とセルロースナノファイバーとを反応させることにより行われる。
上記反応において、セルロースナノファイバー、化合物(1)はそれぞれ、1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。たとえばセルロースナノファイバーとして、結晶化度、結晶構造等が異なる2種以上を併用してもよい。
セルロースナノファイバーと反応させる化合物(1)の量は、製造する変性セルロースナノファイバーの所望の修飾率に応じて設定される。
セルロースナノファイバーと化合物(1)とは、具体的には、化合物(1)と、化合物(1)を溶解する溶媒と、セルロースナノファイバーとを混合することによって反応させることができる。この場合、溶媒中で、化合物(1)の加水分解反応と、生じた加水分解物とセルロースナノファイバーとの反応(脱水縮合反応)とが進行する。あるいは予め化合物(1)と溶媒とを混合して加水分解を行ったあと、この加水分解物を含む溶液にセルロースナノファイバーを添加することによって反応させてもよい。
溶媒としては、たとえばメタノール、エタノール等の低級アルコール、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルフォキシド等が挙げられる。必要に応じてこれらの溶媒に水を添加してもよい。
上記反応の際に、加水分解反応や縮合反応を促進するための触媒として、塩基または酸を添加してもよい。塩基または酸の具体例としては、塩酸、硝酸、酢酸、アンモニア化合物等が挙げられる。
上記の反応の後、得られた反応液をろ過することにより、反応液中の変性セルロースファイバーを回収できる。回収後、必要に応じて、水分等を除去するために、乾燥処理を行ってもよい。
[セルロースナノファイバーの製造方法]
セルロースナノファイバーは、公知の方法により製造できる。例えば、含セルロース原料に、機械的せん断、化学的処理等の解繊処理を施すことにより製造できる。
含セルロース原料としては、特に限定されないが、リンター、綿、麻などの天然セルロース原料;クラフトパルプ、サルファイトパルプなどの木材化学処理パルプ;セミケミカルパルプ;古紙またはその再生パルプ等が挙げられる。コスト面、品質面、環境面から、木材化学処理パルプ、木材化学処理パルプが好ましく、平均重合度の高いリンターがより好ましい。含セルロース原料の形状は特に限定されないが、機械的せん断の容易さ、化学的処理における溶媒の浸透促進の観点から、含セルロース原料を適宜粉砕してから用いることが好ましい。
解繊処理には、機械的せん断、化学的処理のいずれも利用できる。化学的処理としては、N−メチルモルフォリン−N−オキシド(NMMO)法、銅アンモニア溶液法、イオン液体法等が挙げられる。
セルロースファイバーの製造方法としては、イオン液体を用いる方法が好ましい。この方法によれば、結晶化度が高く、アスペクト比の大きいセルロースナノファイバーの作製が可能となる。かかるセルロースナノファイバーは補強効果が高く、これを含有する樹脂組成物を成形した成形体の機械的強度向上効果に優れる。例えばアスペクト比が大きいセルロースファイバーは、分子同士の絡まりや網目構造が強固となるため、成形体に優れた機械的強度を付与する。
イオン液体を用いたセルロースファイバーの製造方法は、イオン液体を含む溶液(以下、処理液)中で含セルロース原料を解繊処理する工程を含む。
具体的には、処理液に含セルロース原料を添加し、撹拌すると、含セルロース原料が膨潤、溶解してセルロースファイバーが得られる。このときの処理液中のイオン液体の種類や濃度、撹拌条件、処理時間等を調節することで、セルロースファイバーの解繊度、結晶化度等を調節することができる。解繊度が高いほど、処理液中に含まれるセルロースファイバーの直径が小さくなる。
処理液に用いるイオン液体としては、例えば、下記一般式(2)で表されるものが挙げられる。
Figure 2014156677
[式中、R11は炭素数1〜4のアルキル基であり、R12は炭素数1〜4のアルキル基またはアリル基であり、Xはハロゲン、擬ハロゲン、炭素数1〜4のカルボキシレート、またはチオシアネートである。]
前記式(2)で表されるイオン液体としては、塩化1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム、臭化1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム、塩化1−アリル−3−メチルイミダゾリウム、臭化1−アリル−3−メチルイミダゾリウム、臭化1−プロピル−3−メチルイミダゾリウム等が挙げられる。
イオン液体のみで含セルロース原料を解繊処理することも出来るが、溶解力が高すぎで微細繊維まで溶解してしまうおそれがある場合、処理液としては、イオン液体と有機溶剤を含有する溶液を使用することが好ましい。
イオン液体に添加する有機溶剤は、イオン液体との相溶性、セルロースとの親和性、イオン液体との混合後のセルロースファイバーの溶解性、粘度などを考慮し適宜選択すればよいが、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルフォキサイド、アセトニトリル、メタノール、エタノールから選ばれる少なくとも1種が好ましい。これらの有機溶剤の共存により、セルロースの微細繊維間へのイオン液体の浸透が促進される。またイオン液体による微細繊維の結晶構造の破壊を防ぐことが出来る。
前記処理液中のイオン液体の含有量は、含セルロース原料、イオン液体、有機溶剤の種類に依存するため適宜調整すればよいが、膨潤、溶解能力の観点から、20質量%以上が好ましい。特に、含セルロース原料に対する溶解力の高い有機溶剤を用いる場合には30質量%以上がより好ましい。メタノールなどのアルコール溶媒では、含セルロース原料に対する溶解力は低いため、イオン液体の含有量は50質量%以上であることが好ましく、より好ましくは70質量%以上である。
前記処理液に対する含セルロース原料の添加量は、添加前の処理液の質量を100質量%とした場合、0.5〜30質量%の範囲にあることが好ましい。経済的な効率の観点から0.5質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましい。解繊度の均一性の観点から30質量%以下が好ましく、20質量%がより好ましい。
解繊処理の処理温度は特に限定するものではなく、含セルロース原料を膨潤し微細繊維間の結合物を軟化・溶解できるための適切な温度を選択すればよいが、通常は20〜120℃がよい。20℃未満であると、処理速度が低い、処理液の粘度が高い等により解繊効果が低くなるおそれがある。そのため、解繊の工程が別途必要になってくる。120℃を超えると、ナノファイバーまで溶解してしまい、ナノファイバーにダメージを与える、ナノファイバーの収率が低くなる等のおそれがある。
上記のようにして解繊処理を行った後の処理液は、そのまま化合物(1)との反応に供することができる。また、処理液をろ過する等により、処理液中のセルロースファイバーを回収し、これを化合物(1)との反応に供してもよい。
[作用・効果]
本発明の変性セルロースナノファイバーは、特定の金属元素Mを含む修飾基で水酸基が修飾されていることで、上記のように、原料として用いたセルロースナノファイバーに比べて熱分解温度が高く、耐熱性に優れたものとなっている。
そのため、本発明の変性セルロースナノファイバーを樹脂中に含有させることで、得られる樹脂組成物やこれを成形した成形体の耐熱性を向上させることができる。
また、本発明の変性セルロースナノファイバーは、たとえば融点250℃以上の高融点の熱可塑性樹脂に配合し、得られた樹脂組成物を成形して成形体を製造する際に、該熱可塑性樹脂の融点以上の温度に加熱しても、酸化劣化しにくい。また、得られる成形品に、熱分解により着色する等の問題が生じにくい。
本発明の変性セルロースナノファイバーは、水酸基が化合物(1)由来の修飾基で修飾されていることで、強度も向上している。さらに、該修飾によって、化合物(1)との反応前のセルロースナノファイバーに比べ、ファイバー表面に存在している水酸基が減少しているため、ファイバー同士が水素結合により強く密着することが抑制されている。そのため、樹脂への分散性が高く、樹脂中に分散させたときに補強効果が発揮されやすい。
そのため、本発明の変性セルロースナノファイバーは、補強材としての補強効果に優れる。本発明の変性セルロースナノファイバーを樹脂中に配合することで、得られる樹脂組成物やこれを成形した成形体の耐熱性だけでなく、機械的強度も向上させることができる。
<樹脂組成物>
本発明の第二の態様の樹脂組成物は、本発明の第一の態様の変性セルロースナノファイバーを樹脂中に含有するものである。
樹脂組成物に含まれる変性セルロースナノファイバーは1種でも2種以上でもよい。たとえば結晶化度、結晶構造、修飾基の種類や修飾率等が異なる2種以上の変性セルロースナノファイバーを併用してもよい。
樹脂組成物中の変性セルロースナノファイバーの含有量は、樹脂組成物の総質量(100質量%)に対し、1〜50質量%が好ましく、2〜30質量%がより好ましく、3〜20質量%がさらに好ましい。樹脂組成物中の変性セルロースナノファイバーの含有量が1質量%以上であれば、耐熱性の向上効果が充分に得られる。また、補強効果が充分にに得られ、樹脂組成物を成形した成形体の強度が向上する。樹脂組成物中の変性セルロースナノファイバーの含有量が50質量%以下であれば、流動性の低下が抑えられ成形しやすい。
樹脂組成物における樹脂の種類としては、特に限定されず、たとえば熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、エラストマー、ゴム等を用いることができる。これらの中でも、樹脂としては、熱可塑性樹脂が好ましい。
熱可塑性樹脂として具体的には、ABS樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリアミド、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアセタール、変性ポリフェニレンオキサイド、変性ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリアリレート、ポリアリルエーテルニトリルなどが挙げられる。
熱可塑性樹脂はいずれか1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
熱可塑性樹脂としては、特に、本発明の有用性の点で、融点が250℃以上のものが好ましく、融点が270℃以上のものがより好ましい。
本発明の変性セルロースナノファイバーは、上述したように、水酸基が化合物(1)由来の修飾基で修飾されていることで、耐熱性が向上しており、融点250℃以上の高融点の熱可塑性樹脂に配合しても、得られた樹脂組成物を成形する際の熱により酸化劣化しにくい。また、得られる成形品に、熱分解により着色する等の問題が生じにくい。
熱可塑性樹脂の融点の上限は、変性セルロースナノファイバーの熱分解温度よりも低ければ特に限定されないが、上記の酸化劣化や着色を防止する観点で、300℃以下がより好ましく、280℃以下がより好ましい。
熱可塑性樹脂の融点は、示差走査熱量分析DSCにより測定される。
本発明の複合樹脂組成物は、樹脂および変性セルロースナノファイバー以外の他の成分を含有してもよい。該他の成分としては、樹脂組成物の添加剤として公知のものが使用でき、たとえば、フィラー、難燃助剤、難燃剤、酸化防止剤、離形剤、着色剤、分散剤等が挙げられる。
フィラーとしては、例えばカーボン繊維、ガラスファイバー、クレー、酸化チタン、シリカ、タルク、炭酸カルシウム、チタン酸カリウム、マイカ、モンモリロナイト、硫酸バリウム、バルーンフィラー、ビーズフィラー、カーボンナノチューブなどを使用できる。
難燃剤としては、ハロゲン系難燃剤、窒素系難燃剤、金属水酸化物、リン系難燃剤、有機アルカリ金属塩、有機アルカリ土類金属塩、シリコーン系難燃剤、膨張性黒鉛などを使用できる。
難燃助剤としては、ポリフルオロオレフィン、酸化アンチモンなどを使用できる。
酸化防止剤としては、リン系酸化防止剤やフェノール系酸化防止剤などを使用できる。
離型剤としては、高級アルコール、カルボン酸エステル、ポリオレフィンワックス及びポリアルキレングリコールなどを使用できる。
着色剤としては、カーボンブラックやフタロシアニンブルーなど、任意の着色剤を使用できる。
分散剤としては、変性セルロースナノファイバーが樹脂に分散できるものであればよく、アニオン性、カチオン性、ノニオン性又は両性の界面活性剤、高分子型分散剤を使用でき、これらを併用してもよい。
[作用・効果]
本発明の変性セルロースナノファイバーは、上述したように、耐熱性が高く、補強効果に優れる。そのため、これを含有する本発明の樹脂組成物は、耐熱性および強度に優れる。したがって、本発明の樹脂組成物は、耐熱性および強度が要求される用途にも使用できる。
また、本発明の変性セルロースナノファイバーは、樹脂中での分散性に優れる。また、化合物(1)を修飾剤として用いていることで、アルコキシシランのようなシリルエーテル化剤を用いる場合に比べて、変性セルロースナノファイバー自体の透明性も高い。そのため、本発明の樹脂組成物は、透明性の高い変性セルロースナノファイバーが高い均一性で分散することで、透明性に優れたものとなっている。したがって、本発明の樹脂組成物は、透明性が要求される用途にも使用できる。
<成形体>
本発明の成形体は、本発明の樹脂組成物を成形したものである。
樹脂組成物の成形方法は特に限定されず、樹脂組成物に含まれる樹脂の種類等に応じて、従来公知の各種成形方法が利用できる。成形方法としては、例えば射出成形法、射出圧縮成形法、押出成形法、ブロー成形法、プレス成形法、真空成形法及び発泡成形法などが挙げられる。
成形体の用途としては特に制限されないが、たとえば医療機器、OA機器、音響機器、映像機器、自動車関連部品等が挙げられる。成形体の用途としては、高い耐熱性と強度が要求される点で、医療機器、映像機器、自動車関連部品が好ましい。
[作用・効果]
本発明の成形体は、本発明の樹脂組成物を成形したものであり、本発明の樹脂組成物と同様、耐熱性および強度に優れる。したがって、本発明の成形体は、耐熱性および強度が要求される用途にも使用できる。
また、本発明の成形体は、本発明の樹脂組成物と同様、透明性に優れる。したがって、本発明の成形体は、耐熱性および強度が要求される用途にも使用できる。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
各実施例及び各比較例で用いた測定方法および評価方法を以下に示す。
(1)セルロースナノファイバーの平均重合度の測定:
セルロースファイバーの平均重合度は、粘度法(参考文献:Macromolecules,18,2394−2401,1985)により求めた。
(2)セルロースファイバーの平均直径、アスペクト比の測定:
セルロースナノファイバーの平均直径(数平均繊維径)及び平均繊維長(数平均繊維長)は、SEM解析により評価した。詳細には、セルロースファイバーが分散したセルロースナノファイバーゲルをウェーハ上にキャストしてSEM観察し、得られた1枚の画像当たり20本以上の繊維について繊維径と繊維長の値を読み取り、これを少なくとも3枚の重複しない領域の画像について行い、最低30本の繊維径と繊維長の情報を得た。得られた繊維径のデータから平均直径を算出した。また、繊維長のデータから平均長さを算出し、平均繊維長と平均直径との比からアスペクト比(平均繊維長/平均直径)を算出した。
(3)熱分解温度の測定:
熱重量・示差熱分析装置(TG−DTA)によって、室温から昇温させたとき、熱分解による重量減少が始まる温度を熱分解温度とした。
(4)樹脂組成物の耐熱性の評価:
樹脂組成物を270℃、1分間の条件でホットプレスしたときの、熱分解による着色の有無を観察した。色の変化がないか、あってもわずか(薄い黄色)であるものを○、黄色乃至茶色に着色したものを「×」とした。
[実施例1]
ろ紙をハサミで3mm角に切断したもの2gを200mLのフラスコに入れ、さらにN,N−ジメチルアセトアミド50mLと、塩化1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム(イオン液体)60gとを加え、攪拌して解繊処理を行った。その後、フラスコ内の処理液をろ過してセルロースナノファイバーを回収した。回収したセルロースナノファイバーをメタノールで洗浄した後、エタノールに分散させてセルロースナノファイバーゲルを得た。得られたセルロースナノファイバーの平均重合度は800、アスペクト比は106、平均直径は100nmであった。
次に、エタノール1.5mLと、メチルトリメトキシチタン1gとを混合し、そこに、前記セルロースナノファイバーゲル20gと、トリエタノールアミン10gとを添加して、室温で1時間攪拌した。その後、得られた反応液をろ過し、ろ取された固形分をエタノールで洗浄することにより、変性セルロースナノファイバーを得た。
得られた変性セルロースナノファイバーの熱分解温度を前記の手順で測定した。結果を表1に示す。
[実施例2]
メチルトリメトキシチタンの代わりにメチルトリメトキシジルコニア2.5gを使用した以外は実施例1と同様にして変性セルロースナノファイバーを得た。
得られた変性セルロースナノファイバーの熱分解温度を前記の手順で測定した。結果を表1に示す。
[実施例3]
メチルトリメトキシチタンの代わりにアルミニウムイソプロポキシド5.0gを使用した以外は実施例1と同様にして変性セルロースナノファイバーを得た。
得られた変性セルロースナノファイバーの熱分解温度を前記の手順で測定した。結果を表1に示す。
[比較例1]
市販の微結晶セルロース(メルク株式会社製、平均重合度:250、アスペクト比:10、直径:1〜10μmのものが混在)をそのまま比較例1とした。
この微結晶セルロースの熱分解温度を前記の手順で測定した。結果を表1に示す。
Figure 2014156677
上記結果に示すとおり、実施例1〜3の変性セルロースナノファイバーは、比較例1の微結晶セルロースに比べて、熱分解温度が20℃以上高く、耐熱性に優れていた。
[実施例4]
実施例1で得た変性セルロースナノファイバーの乾燥したもの2gと、N,N−ジメチルアセトアミド100gとを均一に混合し、さらに融点260℃のポリカーボネートを18g加えて均一に溶解させた。その後、80℃で乾燥してN,N−ジメチルアセトアミドを揮発除去して樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物の耐熱性を前記の手順で評価した。結果を表2に示す。
[実施例5]
実施例1で得た変性セルロースナノファイバーの乾燥したもの2gと、N−メチル−2−ピロリドン100gとを均一に混合し、さらに融点265℃のナイロン66を18g加え、120℃に加温して均一に溶解させた。その後、室温まで冷却し、80℃で乾燥してN−メチル−2−ピロリドンを揮発除去して樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物の耐熱性を前記の手順で評価した。結果を表2に示す。
[比較例2]
微結晶セルロース(メルク株式会社製、平均重合度:250、アスペクト比:10、直径:1〜10μmのものが混在)2gと、ジクロロメタン100gとを均一に混合し、さらに融点260℃のポリカーボネートを18g加えて均一に溶解させた。その後、60℃で乾燥してジクロロメタンを揮発除去して樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物の耐熱性を前記の手順で評価した。結果を表2に示す。
[比較例3]
ろ紙をハサミで3mm角に切断したもの2gを200mLのフラスコに入れ、さらにN,N−ジメチルアセトアミド50mLと、塩化1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム(イオン液体)60gとを加え、攪拌して解繊処理を行った。その後、フラスコ内の処理液をろ過してセルロースナノファイバーを回収した。回収したセルロースナノファイバーをメタノールで洗浄した後、エタノールに分散させてセルロースナノファイバーゲルを得た。得られたセルロースナノファイバー2gと、ジクロロメタン100gとを均一に混合し、さらに融点260℃のポリカーボネートを18g加えて均一に溶解させた。その後、60℃で乾燥してジクロロメタンを揮発除去して樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物の耐熱性を前記の手順で評価した。結果を表2に示す。
Figure 2014156677
上記結果に示すとおり、実施例4〜5の樹脂組成物は、ホットプレスしたときに熱分解による着色が見られず、耐熱性に優れていた。
一方、補強材として微結晶セルロースを用いた比較例1、未変性のセルロースナノファイバーを用いた比較例2では、着色が見られた。

Claims (6)

  1. セルロースナノファイバーと、下記一般式(1)で示される化合物とを反応させてなる変性セルロースナノファイバー。
    (R(RM(OR …(1)
    [式中、R及びRはそれぞれ独立に有機基であり;Rは炭素数1〜6のアルキル基、又はアリール基であり;Mは、Al、La、Nb、Sn、Ta、Ti、Zn、又はZrであり;a及びbはそれぞれ独立に0〜2の整数であり、cは1以上の整数であり、a+b+c=Mの価数である。]
  2. 前記セルロースナノファイバーの平均重合度が600〜30000であり、アスペクト比が20〜10000であり、平均直径が1〜800nmである請求項1に記載の変性セルロースナノファイバー。
  3. 前記セルロースナノファイバーの、2θの範囲を0〜30°とするX線回折パターンが、14°≦2θ≦18°に1つ又は2つのピークを有し、20°≦2θ≦24°に1つ又は2つのピークを有し、他にはピークを有さない請求項1又は2に記載の変性セルロースナノファイバー。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の変性セルロースナノファイバーを樹脂中に含有する樹脂組成物。
  5. 前記樹脂が、融点250℃以上の熱可塑性樹脂である請求項4に記載の樹脂組成物。
  6. 請求項4又は5に記載の樹脂組成物を成形した成形体。
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