JP2014126293A - 化学蓄熱反応器、化学蓄熱システム - Google Patents

化学蓄熱反応器、化学蓄熱システム Download PDF

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Abstract

【課題】蓄熱材成形体の膨張力が、化学蓄熱反応器を構成する容器に直接作用するのを抑制することができる化学蓄熱反応器及び化学蓄熱システムを得る。
【解決手段】蓄熱材反応部30は、反応容器22の内部に反応媒体流動部26に囲まれるように封入されている。つまり、反応容器22の内周面と蓄熱材反応部30との間に、反応媒体流動部26が存在している。このため、蓄熱材成形体40の膨張力が、反応容器22に直接作用するのを抑制することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、化学反応によって蓄熱する化学蓄熱反応器及び化学蓄熱システムに関する。
特許文献1に記載の構成では、化学蓄熱反応器と熱媒流路とが積層されている。そして、化学蓄熱反応器の容器の内部には、容器の壁面に接触するように蓄熱材成形体が配置されている。
この蓄熱材成形体は、発熱の際の水和反応により膨張し、蓄熱の際の脱水反応により収縮することで、膨張、収縮を繰り返すようになっている。
特開2012−211713号公報
蓄熱材成形体が膨張、収縮を繰り返すことで、容器に繰り返し蓄熱材成形体の膨張力が作用する。また、容器は、容器自体の蓄熱量を減らすために薄い板材を用い、この板材を溶接で継ぎ合わせることで形成されている。
このため、容器に作用した蓄熱材成形体の膨張力により、容器の溶接部等に亀裂が生じることが考えられる。そして、この亀裂を抑制するため、容器の板厚を厚くすることが考えられるが、容器自体の熱容量が増えてしまう。
本発明の課題は、蓄熱材成形体の膨張力が、化学蓄熱反応器を構成する容器に直接作用するのを抑制することである。
本発明の請求項1に係る化学蓄熱反応器は、反応媒体と結合して発熱又は反応媒体が脱離して蓄熱する蓄熱材成形体を備える蓄熱材反応部と、前記蓄熱材反応部に接するように重ねられ、前記蓄熱材反応部への熱供給及び前記蓄熱材反応部からの熱回収の内少なくとも一方を行う熱交換部と、前記蓄熱材反応部及び前記熱交換部が内部に封入されると共に、封入された前記蓄熱材反応部との間に前記蓄熱材反応部に供給される反応媒体又は前記蓄熱材反応部から排出される反応媒体が流れる反応媒体流動部が形成される容器と、を備えることを特徴とする。
上記構成によれば、容器の内部には、蓄熱材反応部及び熱交換部が封入されている。そして、容器に封入された蓄熱材反応部と容器との間には、蓄熱材成形体と反応するための反応媒体が流れる反応媒体流動部が形成されている。
このため、反応媒体との化学反応によって生じる蓄熱材成形体の膨張力が、容器に直接作用するのを抑制することができる。
本発明の請求項2に係る化学蓄熱反応器は、請求項1に記載の化学蓄熱反応器において、前記蓄熱材反応部は、前記熱交換部に重ねられ、前記蓄熱材成形体を備える蓄熱材層と、前記蓄熱材層に対して前記熱交換部の反対側で前記蓄熱材層に重ねられ、前記反応媒体流動部と連通し、前記蓄熱材層へ供給される反応媒体及び前記蓄熱材層から排出される反応媒体が流れる反応媒体拡散層と、前記蓄熱材層と前記反応媒体拡散層とに挟まれ、前記蓄熱材層を構成する蓄熱材が前記反応媒体拡散層側に移動するのを制限し、前記反応媒体拡散層と前記蓄熱材層との間で反応媒体が移動するのを許容する蓄熱材拘束層と、備え、前記蓄熱材層と前記蓄熱材拘束層と前記反応媒体拡散層とは、非接合状態で重ねられていることを特徴とする。
上記構成によれば、蓄熱材反応部を構成する蓄熱材層と蓄熱材拘束層と反応媒体拡散層とは、非接合状態で重ねられる。このため、夫々の層を独立して管理することができる。
本発明の請求項3に係る化学蓄熱反応器は、請求項2に記載の化学蓄熱反応器において、前記反応媒体拡散層は層厚方向から見て矩形状とされ、前記反応媒体拡散層の四方向のうち少なくとも一方の端面から前記反応媒体流動部の反応媒体が流出又は流入可能とされることを特徴とする。
上記構成によれば、反応媒体拡散層の四方向のうち少なくとも一方の端面から反応媒体流動部の反応媒体が流出又は流入可能とされている。このため、一方向の端面からだけ反応媒体が流出又は流入する場合と比して、水蒸気拡散距離(水蒸気の流路の長さ)が長くなるのを抑制することができる。
本発明の請求項4に係る化学蓄熱反応器は、請求項1〜3の何れか1項に記載の化学蓄熱反応器において、前記熱交換部には、前記蓄熱材反応部への熱供給及び前記蓄熱材反応部からの熱回収を行うのに用いる熱媒体が流れ、前記容器の外部に配置された熱源及び熱利用対象物と、前記熱交換部とは、前記熱交換部から出発して前記反応媒体流動部を通り、前記容器の壁面を貫通して前記容器の外部に達する熱媒体通路によって連通されていることを特徴とする。
上記構成によれば、容器の外部に配置された熱源及び熱利用対象物と、熱交換部とは、熱交換部から出発して容器の壁面を貫通して容器の外部に達する熱媒体通路によって連通されている。このように、容器の外部で、熱源及び熱利用対象物と熱媒体流路とが連結されている。
このため、蓄熱時における熱源と熱交換部との連通、及び発熱時(放熱時)における熱利用対象物と熱交換部との連通を効果的に実現することができる。
本発明の請求項5に係る化学蓄熱反応器は、請求項1〜4の何れか1項に記載の化学蓄熱反応器において、前記熱交換部と前記蓄熱材反応部とで反応ユニットが構成され、複数の前記反応ユニットが、前記容器内で重ねられていることを特徴とする。
上記構成によれば、熱交換部と蓄熱材反応部とで構成される反応ユニットが、容器内で複数重ねられている。これにより、反応ユニットの増減が容易となり、蓄熱能力を容易に増減することができる。
本発明の請求項6に係る化学蓄熱システムは、請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の化学蓄熱反応器と、前記化学蓄熱反応器の容器に連結され、前記容器内への反応媒体の供給及び前記容器内からの反応媒体の受け取りの内少なくとも一方を行う媒体器と、を有することを特徴とする。
上記構成によれば、化学蓄熱システムは、請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の化学蓄熱反応器を備えているため、反応媒体との化学反応によって生じる蓄熱材反応部の膨張力が、容器に直接作用するのが抑制される。このため、化学蓄熱システムの耐久性を向上させることができる。
本発明によれば、蓄熱材反応部の膨張力が、化学蓄熱反応器を構成する容器に直接作用するのを抑制することができる。
第1実施形態に係る反応器(化学蓄熱反応器)を示した斜視図である。 第1実施形態に係る反応器(化学蓄熱反応器)を示した分解斜視図である。 第1実施形態に係る反応器(化学蓄熱反応器)を示した分解斜視図である。 第1実施形態に係る反応器(化学蓄熱反応器)に用いられた反応容器の内部を示した分解斜視図である。 (A)(B)第1実施形態に係る反応器(化学蓄熱反応器)に用いられたエンドプレート、熱流動部、及び蓄熱材反応部等を示した斜視図である。 (A)(B)第1実施形態に係る反応器(化学蓄熱反応器)の蓄熱材反応部に用いられた蓄熱材層を示した分解斜視図及び斜視図である。 (A)(B)第1実施形態に係る反応器(化学蓄熱反応器)の蓄熱材反応部に用いられた反応媒体拡散層を示した分解斜視図及び反応媒体拡散層を構成する部材を示した斜視図である。 (A)(B)第1実施形態に係る反応器(化学蓄熱反応器)の蓄熱材反応部に用いられた反応媒体拡散層を示した斜視図及び平面図である。 第1実施形態に係る反応器(化学蓄熱反応器)に用いられた熱流動部を示した平面図である。 第1実施形態に係る反応器(化学蓄熱反応器)の蓄熱材反応部を示した断面図である。 第1実施形態に係る反応器(化学蓄熱反応器)を示した平面図である。 (A)(B)第1実施形態に係る化学蓄熱システムを示した概略構成図である。 第1実施形態に係る反応器(化学蓄熱反応器)に用いられた蓄熱材成形体の反応平衡線及び水の気液平衡線を温度と平衡圧との関係で示す線図である。 第2実施形態に係る反応器(化学蓄熱反応器)に用いられた反応容器の内部を示した分解斜視図である。 第3実施形態に係る反応器(化学蓄熱反応器)に用いられた反応容器の内部を示した分解斜視図である。 (A)(B)各実施形態に係る反応器(化学蓄熱反応器)の変形例を示した平面図である。
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態に係る化学蓄熱反応器及び化学蓄熱システムの一例について図1〜図13を用いて説明する。なお、図中における矢印UPは、鉛直方向の上方を示す。
(全体構成)
図12(A)(B)に示されるように、第1実施形態に係る化学蓄熱システム10は、水の蒸発、水蒸気(反応媒体の一例)の凝縮が行われる媒体器の一例としての蒸発凝縮器12と、化学蓄熱反応器の一例としての反応器20と、蒸発凝縮器12の内部と反応器20との内部を連通する連通路14と、を含んで構成されている。
〔蒸発凝縮器〕
蒸発凝縮器12は、貯留した水を蒸発させて反応器20に供給する(水蒸気を生成する)蒸発部、反応器20から受け取った水蒸気を凝縮する凝縮部、及び水蒸気が凝縮された水を貯留する貯留部、としての各機能を備えている。
また、蒸発凝縮器12は、内部に水が貯留される容器16を備えており、この容器16内には、水蒸気を凝縮するのに用いる冷媒流路17及び水を蒸発するのに用いるヒータ18が備えられている。
冷媒流路17は、容器16内における少なくとも気相部16Aを含む部分で熱交換を行うように配置されており、ヒータ18は、容器16内における少なくとも液相部(貯留部)16Bを含む部分で通電により加熱を行うように配置されている。
〔連通路〕
連通路14は、蒸発凝縮器12(容器16)と反応器20(後述する反応容器22)との連通、非連通を切り替えるための開閉弁19を備えている。そして、容器16、反応容器22、連通路14、及び開閉弁19は、互いの接続部位が気密に構成されており、これらの内部空間が予め真空脱気されている。
〔反応器〕
反応器20は、図1に示されるように、容器の一例としての反応容器22と、反応容器22内に配置されて発熱又は蓄熱する蓄熱材反応部30と、熱媒体が流れる熱交換部の一例としての熱流動部50と、備えている。
[反応容器]
反応容器22は、ステンレス鋼板等で形成され、鉛直方向に延びる円筒状の本体部22Aと、本体部22Aの上端を閉止する円盤状の上蓋部材22Bと、本体部22Aの下端を閉止する円盤状の下蓋部材22Cと、備えている。そして、本体部22Aと上蓋部材22B、及び本体部22Aと下蓋部材22Cとが溶接されることで、本体部22Aと上蓋部材22Bとの間、及び本体部22Aと下蓋部材22Cとの間がシールされている。
これにより、反応容器22の内部は反応容器22の外部と隔離され、反応容器22の内部が真空脱気されている。そして、反応容器22の内部は、水蒸気(反応媒体の一例)が流れる反応媒体流動部26とされている。
[蓄熱材反応部:全体構成]
蓄熱材反応部30は、反応容器22の内部に反応媒体流動部26に囲まれるように封入され(図11参照)、図4に示されるように、一対の蓄熱材層32と、一対の蓄熱材層32の間に配置された一対の蓄熱材拘束層34と、一対の蓄熱材拘束層34の間に配置された反応媒体拡散層36と、を備えている。
そして、蓄熱材層32、蓄熱材拘束層34、及び反応媒体拡散層36は、鉛直方向から見て同様の矩形状とされ、鉛直方向に並んで非接合状態(溶接などで固定されていない状態)で重ねられている(所謂積層構造)。
[蓄熱材反応部:蓄熱材層]
蓄熱材層32は、図6(A)(B)に示されるように、複数(本実施形態では16個)の蓄熱材成形体40から構成される蓄熱材ユニット42と、蓄熱材ユニット42が取り付けられるフレーム部材44と、を備えている。
蓄熱材成形体40の厚さは30〔mm〕とされ、鉛直方向(板厚方向)から見て、蓄熱材成形体40は、一辺が100〔mm〕の正方形状とされている。なお、各図においては、蓄熱材成形体40の厚さを誇張して記載している。
蓄熱材成形体40には、一例として、アルカリ土類金属の酸化物の1つである酸化カルシウム(CaO:蓄熱材の一例)の成形体が用いられている。この成形体は、例えば、酸化カルシウム粉体をバインダ(例えば粘土鉱物等)と混練し、焼成することで、略矩形ブロック状に形成されている。
ここで、蓄熱材成形体40は、水和に伴って放熱(発熱)し、脱水に伴って蓄熱(吸熱)するものであり、以下に示す反応で放熱、蓄熱を可逆的に繰り返し得る構成とされている。
CaO + H2O ⇔ Ca(OH)2
この式に蓄熱量、発熱量Qを併せて示すと、
CaO + H2O → Ca(OH)2 + Q
Ca(OH)2 + Q → CaO + H2O
となる。
なお、一例として、蓄熱材成形体40の1kg当たりの蓄熱容量は、1.86[MJ/kg]とされている。
また、本実施形態において、蓄熱材成形体40を構成する蓄熱材の粒径とは、蓄熱材が粉体の場合はその平均粒径、粒状の場合は造粒前の粉体の平均粒径とする。これは、粒が崩壊する場合、前工程の状態に戻ると推定されるためである。
一方、16個の蓄熱材成形体40から構成される蓄熱材ユニット42は、鉛直方向(板厚方向)から見て、一辺が400〔mm〕の正方形状とされ、蓄熱材層32は、4個の蓄熱材ユニット42を備えている。
また、4個の蓄熱材ユニット42が取り付けられるフレーム部材44は、鉛直方向から見て矩形枠状とされる外形フレーム44Aと、隣り合う蓄熱材ユニット42が配置される空間を仕切る十字状の仕切フレーム44Bと、を備えている。これにより、蓄熱材ユニット42における水平方向(板厚方向に対して直交する直交方向)の動きは、外形フレーム44A及び仕切フレーム44Bによって拘束されるようになっている。
そして。外形フレーム44A及び仕切フレーム44Bの鉛直方向の寸法(厚み寸法)は、水和反応に伴って蓄熱材成形体40が膨張した際の密度が、予め決められた蓄熱材成形体40の設定密度になるように決められている。
[蓄熱材反応部:蓄熱材拘束層]
蓄熱材拘束層34は、図4に示されるように、反応媒体拡散層36と蓄熱材層32との間に挟まれ、φ200〔μm〕の貫通孔が多数形成されたエッチングフィルターである。
そして、蓄熱材拘束層34は、蓄熱材成形体40(図6参照)を構成する蓄熱材の平均粒径より小さいろ過精度を有している。これにより、蓄熱材拘束層34では、蓄熱材成形体40を構成する蓄熱材の平均粒径より小さい流路を水蒸気が通過するのを許容する一方、平均粒径よりも大きい蓄熱材の通過を制限するようになっている。
なお、ろ過精度とは、ろ過効率が50〜98%となる粒子径のことであり、ろ過効率とは、ある粒子径の粒子に対する除去効率である。
[蓄熱材反応部:反応媒体拡散層]
反応媒体拡散層36は、図4に示されるように、一対の蓄熱材拘束層34に挟まれ、反応媒体流動部26(図1参照)と連通しており、蓄熱材層32へ供給される水蒸気、又は蓄熱材層32から排出される水蒸気が流れるようになっている。
反応媒体拡散層36は、図7(A)に示されるように、フレーム部材46と、フレーム部材46に取り付けられると共に鉛直方向から見て矩形状の4個の流路部材48と、を備えている。
フレーム部材46は、鉛直方向から見て矩形枠状とされる共に鉛直方向に離間した一対の外形フレーム46Aと、隣り合う流路部材48を仕切る十字状の仕切フレーム46Bと、を備えている。そして、仕切フレーム46Bは断面矩形状とされ、鉛直方向から見て十字状の仕切フレーム46Bの端部の上面及び下面に、一対の外形フレーム46Aが固定されている。これにより、4個の流路部材48が取り付けられる矩形状の取付スペース46Cが形成されている。
この流路部材48は、凹凸を繰り返す断面が矩形波状とされた波板(図7(B)参照)から形成されており、凹凸部が延びる流路方向が、鉛直方向から見てフレーム部材46の対角線に沿うようになっている(図8(B)参照)。そして、流路部材48の流路がフレーム部材46の角部に向かって開放されている。これにより、流路方向に沿って流れる水蒸気が上方に開放される上方流路48Aと、水蒸気が下方に開放される下方流路48Bとが形成されている(図10参照)。
そして、反応媒体拡散層36は、図8(A)(B)に示されるように、反応媒体拡散層36の四方向の端面から反応媒体流動部26の水蒸気が流出又は流入可能とされている。
〔熱流動部〕
一対の熱流動部50は、図4に示されるように、蓄熱材反応部30を上方及び下方から挟むように備えられている。換言すれば、熱流動部50は、蓄熱材反応部30に重ねられ、蓄熱材反応部30の隣に配置されている。
熱流動部50は、図9に示されるように、鉛直方向から見て矩形状の本体部52と、鉛直方向から見て先端側が互いに離れるように本体部52から突出する一対の突出部54、56と、を備えている。
一対の突出部54、56には、突出部54、56を鉛直方向に貫通する貫通孔54A、56Aが形成されている。一方、本体部52の内部には、熱媒体が流れる波状の流路52Aが形成され、流路52Aの一端は、貫通孔54Aの周面に開放され、流路52Aの他端は、貫通孔56Aの周面に開放されている。そして、この流路52Aは、後述する熱媒体通路の一例としての熱媒体流路70を通じて反応容器22の外部に配置された熱源200又は熱利用対象物202(図12参照)と連通されている。
また、一対の熱流動部50を、鉛直方向から挟むように、図4に示されるように、一対のエンドプレート60が備えられている。
〔エンドプレート〕
エンドプレート60は、図5(A)に示されるように、鉛直方向から見て矩形状の本体部62と、本体部62の四隅から突出する4個の突出部64とを備えている。そして、夫々の突出部64には、鉛直方向に貫通する貫通孔64Aが形成されている。
そして、図5(A)(B)に示されるように、蓄熱材反応部30が一対の熱流動部50によって挟み込まれた状態で、一対のエンドプレート60で一対の熱流動部50を挟み込むようになっている。
そして、この状態で、上方に配置されたエンドプレート60の突出部64に形成された夫々の貫通孔64Aにボルト66を貫通させ、さらに夫々のボルト66の先端側を下方に配置されたエンドプレート60の突出部64に形成された夫々の貫通孔64Aに貫通させる。また、ボルト66の先端部にナットを締め込むことで、一対のエンドプレート60に挟まれた一対の熱流動部50及び蓄熱材反応部30に鉛直方向の拘束力が生じるようになっている。
〔熱媒体流路〕
熱媒体流路70は、図3に示されるように、パイプ状とされ、反応容器22を構成する上蓋部材22Bを貫通するように鉛直方向に延びて2個備えられている。一方の熱媒体流路70Aは、熱媒体を反応容器22の外部から反応容器22の内部に流入させるために用いられ、他方の熱媒体流路70Bは、熱媒体を反応容器22の内部から反応容器22の外部に流出させるために用いられる。
そして、図2に示されるように、熱媒体流路70Aの周面には貫通孔(図示省略)が形成され、図2に示されるように、熱媒体流路70Aは、一対の熱流動部50に形成された貫通孔56Aに挿入されるようになっている。同様に、熱媒体流路70Bの周面には貫通孔(図示省略)が形成され、熱媒体流路70Bは、一対の熱流動部50に形成された貫通孔54Aに挿入されるようになっている。これにより、熱媒体流路70と熱流動部50に形成された流路52A(図9参照)とが連通されるようになっている。この構成により、各熱流動部50が流れる熱媒体の流れは、並列流れとなるようになっている。
〔他の部材〕
図1、図2に示されるように、エンドプレート60を用いて拘束され、貫通孔54A、56Aに熱媒体流路70A,70Bが挿入された蓄熱材反応部30及び熱流動部50を下方から支持する円柱状の4個(図1では2個、図2では3個のみ示す)の支持部材72が備えられている。この構成により、下側に配置された熱流動部50の下方において、断熱効果を得ることができるようになっている。
一方、反応容器22の外部に配置された部分の熱媒体流路70には、図12に示されるように、熱媒体流路70の連通先を熱源200とするか、熱利用対象物202とするかを切り替える切替部材76が備えられている。
(化学蓄熱システムの作用)
次に、化学蓄熱システム10の作用について説明する。
化学蓄熱システム10において反応器20に蓄熱された熱を蓄熱材層32から発熱(放熱)する際には、図12(B)に示されるように、切替部材76により熱媒体流路70の連通先が熱利用対象物202に切り替えられる。さらに、開閉弁19を開放し、この状態で、蒸発凝縮器12のヒータ18により液相部16Bの水を蒸発させる。そして、生成された水蒸気が連通路14内を矢印D方向に移動して、反応容器22内に供給される。
続いて、反応容器22内では、供給された水蒸気が反応媒体流動部26を通り、図10に示されるように、反応媒体拡散層36の複数の上方流路48A及び下方流路48Bを流れる。そして、上方流路48A内の水蒸気Wが上側の蓄熱材拘束層34を通過して蓄熱材層32と接触することにより、蓄熱材層32の蓄熱材成形体40は、水和反応を生じつつ発熱(放熱)する。この熱は、上側の熱流動部50の流路52A内を流れる熱媒体によって、熱利用対象物202に輸送される。
同様に、下方流路48B内の水蒸気Wが下側の蓄熱材拘束層34を通過して蓄熱材層32に拡散することにより、蓄熱材層32の蓄熱材成形体40は、水和反応を生じつつ発熱(放熱)する。この熱は、下側の熱流動部50の流路52A内を流れる熱媒体によって、熱利用対象物202に輸送される。
一方、化学蓄熱システム10において蓄熱材層32の蓄熱材成形体40に熱を蓄熱する際には、図12(A)に示されるように、切替部材76により熱媒体流路70の連通先が熱源200に切り替えられる。さらに、開閉弁19を開放し、この状態で、熱流動部50の流路52A内(図10参照)に熱源200によって加熱された熱媒体が流れる。
図10に示されるように、流路52Aを流れる熱媒体の熱によって蓄熱材成形体40が脱水反応を生じ、この熱が蓄熱材成形体40に蓄熱される。
さらに、蓄熱材成形体40から離脱された水蒸気Wは、蓄熱材拘束層34から反応媒体拡散層36の複数の上方流路48A及び下方流路48Bに流れ込む。上方流路48A及び下方流路48Bに流れ込んだ水蒸気Wは、反応媒体流動部26を通り、図12(A)に示されるように、連通路14を矢印E方向に流れて蒸発凝縮器12内に流れ込む。
そして、蒸発凝縮器12の気相部16Aにおいて、冷媒流路17を流通する冷媒によって水蒸気が冷却され、凝縮された水が容器16の液相部16Bに貯留される。
以上説明した蓄熱材成形体40の蓄熱、放熱について、図13に示す化学蓄熱システム10のサイクル(一例)を参照しつつ補足する。図13には、PT線図に示された圧力平衡点における化学蓄熱システム10のサイクルが示されている。この図において、上側の等圧線が脱水(蓄熱)反応を示し、下側の等圧線が水和(発熱)反応を示している。
このサイクルでは、例えば、蓄熱材成形体40の温度が410℃で蓄熱された場合、水蒸気は、50℃が平衡温度となる。そして、化学蓄熱システム10では、水蒸気は蒸発凝縮器12(図12参照)において冷媒流路17の冷媒との熱交換によって50℃以下に冷却され、凝縮されて水になる。
一方、ヒータ18(図12参照)により加熱を行うことで、ヒータ18の温度に応じた蒸気圧の水蒸気が発生する。例えば、図13のサイクルにおいて、5℃で水蒸気を発生させる場合、蓄熱材成形体は315℃で放熱することが解る。このように、内部が真空脱気されている化学蓄熱システム10では、5℃付近の低温熱源から熱を汲み上げて、315℃もの高温を得ることができる。
(反応器の作用)
次に、反応器20の作用について説明する。
反応器20の蓄熱材反応部30は、図1、図11に示されるように、反応容器22の内部に反応媒体流動部26に囲まれるように封入されている。一方、従来の構成では、蓄熱材反応部30だけを小さい容器に押し込むようになっている。つまり、本実施形態に係る構成では、従来の構成のように、蓄熱材反応部30を容器に押し込む必要がなくなるため、蓄熱材成形体と容器の壁面とが接触するのを抑制することができる。
また、水和反応によって生じる蓄熱材成形体40の膨張力は、従来の構成では、蓄熱材反応部が押し込められた容器に作用する。このため、従来の構成の容器に亀裂等の損傷が生じ、容器のシール性が確保されないことが考えられる。
しかし、本実施形態では、蓄熱材反応部30は、反応容器22の内部に反応媒体流動部26に囲まれるように封入されているため、蓄熱材成形体40の膨張力が、反応容器22に直接作用するのを抑制することができる。
また、蓄熱材成形体40の膨張力が反応容器22に直接作用するのが抑制されることで、反応容器22に亀裂等の損傷が生じるのが抑制されるため、反応容器22内のシール性を確保することができる。
特に、大型の反応器20では、蓄熱材成形体40の膨張力が大きくなるが、本実施形態の構成を採用することにより、大型の反応器20でも反応容器22内のシール性を確保することができる。さらに、反応器20の大容量化、大型化(大面積化)による反応容器22における接合部の強度等に対する制約を緩和することができる。
また、従来の構成のように蓄熱材成形体の膨張力が、容器に直接作用する構成では、容器の接合部のシール性を確保するため、頑強な接合部の構造が必要とされ、容器の質量増加が避けられなかった。しかし、蓄熱材成形体40の膨張力が反応容器22に直接作用するのが抑制されることで、従来の構造と比して、反応容器22の質量を低減することができる。
また、反応容器22の重量が低減されるため、発熱時に反応容器22に奪われる熱量が低減され、反応媒体流動部26を流れる水蒸気の温度が低下するのを抑制することができる。
また、蓄熱材反応部30が、反応容器22の内部に反応媒体流動部26に囲まれるように封入されているため、積層構造を伴う蓄熱材反応部30のシール性の確保を不要にすることができる。
また、積層構造を伴う蓄熱材反応部30のシール性の確保が不要となることで、蓄熱材反応部30を構成する蓄熱材層32、蓄熱材拘束層34、及び反応媒体拡散層36を非接合構造(積層拘束構造)で重ねる(積層する)ことができる。
また、蓄熱材層32、蓄熱材拘束層34、及び反応媒体拡散層36を非接合構造とすることで、夫々の層を容易に分離することができるため、夫々の層を独立して管理することができる。
また、反応容器22の内部に反応媒体流動部26に囲まれるように蓄熱材反応部30を封入し、さらに、蓄熱材層32、蓄熱材拘束層34、及び反応媒体拡散層36を非接合構造とすることで、従来のように蓄熱材反応部を容器に押し込む構成と比して、各部材の寸法精度を緩和することができる。
また、反応容器22によって反応媒体流動部26を外部と分離することで、水蒸気(反応媒体)の独立性(単一組成化)を担保することができる。
また、反応容器22の内部は真空脱気されており減圧反応系とされているが、反応容器22内のシール性が確保されているため、反応媒体流動部26に反応容器22の外部の異物が侵入するのを抑制することができる。
また、反応媒体流動部26に外部から異物が侵入するのが抑制されることで、反応媒体流動部26には、水蒸気のみが存在する(異物が存在しない)。これにより、反応媒体流動部26に囲まれる蓄熱材反応部30からの熱ロスを最小化することができる。特に、本実施形態のように、減圧反応系においては、反応媒体流動部26における水蒸気が希薄であることから非常に高い断熱効果を得ることができる。
また、蓄熱材ユニット42の蓄熱材成形体40における水平方向の動きは、外形フレーム44A及び仕切フレーム44Bによって拘束され、蓄熱材成形体40における鉛直方向の動きは、熱流動部50及び蓄熱材拘束層34を介してエンドプレート60により拘束されている。このため、蓄熱材成形体40の体積膨張に対し、6面拘束状態を維持することができる。
また、蓄熱材層32の外形フレーム44Aの鉛直方向の寸法を、蓄熱材成形体40が膨張した際の密度が、予め決められた蓄熱材成形体40の膨張時の設定密度になるように決めることで、反応性と耐久性とを両立した、蓄熱材層32を得ることができる。
また、反応媒体拡散層36においては、反応媒体拡散層36の四方向の端面から水蒸気の流出又は流入が可能とされているため、仮に反応器20を大型化した場合であっても、一方向の端面からだけ水蒸気が流出又は流入する場合と比して、水蒸気拡散距離(水蒸気の流路の長さ)が長くなるのを抑制することができる。
また、反応媒体拡散層36に断面が凹凸を繰り返す矩形波状とされた流路部材48を用いることで、反応媒体拡散層36の開口断面積を確保することができ、さらに、水蒸気の拡散抵抗を低減することができる。
また、化学蓄熱システム10は、反応器20を備えているため、蓄熱材成形体40の膨張力が、容器22に直接作用するのが抑制される。これにより、化学蓄熱システム10の耐久性を向上させることができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る化学蓄熱反応器及び化学蓄熱システムの一例について図14を用いて説明する。なお、第1実施形態と同一部材については、同一符号を付してその説明を省略する。また、第1実施形態と異なる部分のみ説明し、他の部分の説明は省略する。
第2実施形態の反応器80では、図14に示されるように、一対の熱流動部50と蓄熱材反応部30とで反応ユニット82が構成されており、複数(本実施形態では3個)の反応ユニット82が、容器(図示省略)内で重ねられている。なお、蓄熱材反応部30と蓄熱材反応部30とに挟まれる熱流動部50については、隣接する反応ユニット82の共通構成部材とされている。
さらに、各熱流動部50を連通させる連結流路84は、熱媒体流路70を延長することで形成され、反応媒体流動部26に配置されている。
また、最下方に配置される反応ユニット82をモジュール化(一体化)し、重ねられるユニットについては、反応ユニット82から下端の熱流動部50を除いたものをモジュール化することで、反応ユニット82の増減が容易となり、蓄熱能力を容易に増減することができる。
また、モジュール化することで、不具合などに対する交換、修理をモジュール毎に簡便に行うことができる。
その他の作用については、第1実施形態と同様である。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態に係る化学蓄熱反応器及び化学蓄熱システムの一例について図15を用いて説明する。なお、第2実施形態と同一部材については、同一符号を付してその説明を省略する。また、第2実施形態と異なる部分のみ説明し、他の部分の説明は省略する。
第3実施形態の反応器90では、図15に示されるように、熱流動部50の突出部54、56には、貫通孔が形成されておらず、さらに、各熱流動部50を連通する連結流路94は、各突出部54、56間を連結するフレキシブルチューブ(弾性変形可能なチューブ)とされている。
そして、熱媒体流路70は、最も上側に配置された連結流路94の端部に連結されている。
このように、連結流路94にフレキシブルチューブを用いることで、各反応ユニット82に備えられた蓄熱材成形体40の膨張により連結流路94が損傷するのを抑制することができる。
その他の作用については、第2実施形態と同様である。
なお、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態をとることが可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、上記実施形態では、熱交換部の一例としての熱媒体が流れる熱流動部50を用いて説明したが、蓄熱材成形体40に熱を供給する際に、電気ヒータ等を用いてもよい。
また、上記実施形態では、一対のエンドプレート60の四隅をボルトで拘束したが、これに加えて、一対のエンドプレートの中央部をボルトで拘束してもよい。特に、反応器20が大型化された場合に、中央部のボルトは有効である。
また、上記実施形態では、反応容器22を円筒状としたが、特に円筒に限定されることなく、図16(A)(B)に示されるように、多角形状等であってもよい。
また、上記実施形態では、特に説明しなかったが、蓄熱材として、アルカリ金属塩化物、アルカリ土類金属塩化物、アルカリ金属臭化物、アルカリ土類金属臭化物におけるアンモニア反応系を用い、反応媒体として、アンモニアを用いてもよい。この構成では、容器の内部圧力が加圧状態とされる。
また、上記実施形態では、特に説明しなかったが、高温作動時における熱媒体を、高温熱媒体、又は無機混合熱媒体を利用してもよい。これにより、熱効率を向上させることができる。
また、上記実施形態では、特に説明しなかったが、蓄熱材として、ゼオライト、活性炭、メソポーラスシリカを含む多孔吸着材を用いてもよい。
また、上記第2、第3実施形態では、一対の熱流動部50と蓄熱材反応部30とで反応ユニット82が構成されたが、一個の熱流動部50、一個の蓄熱材層32、一個の蓄熱材拘束層34、及び一個の反応媒体拡散層36で一個の反応ユニットを構成してもよい。
また、上記実施形態では、熱媒体流路70について、流入側と流出側とを特定したが、連結する対象物に伴って流入側と流出側と変えてもよい。
また、上記実施形態では、特に説明しなかったが、流路部材48及びフレーム部材46の壁面に貫通孔を形成させ、水蒸気の移動をこの貫通孔を用いて行ってもよい。
また、上記実施形態では、本体部22Aと上蓋部材22B、及び本体部22Aと下蓋部材22Cを溶接も用いて接合したが、他の方法を用いて接合してもよい。
また、上記実施形態では、反応媒体拡散層36の四方向の端面から水蒸気の流出又は流入が可能としたが、少なくとも一方向であればよく、また、二方向以上であってもよい。二方向以上の場合には、一方向の端面からだけ反応媒体が流出又は流入する場合と比して、水蒸気拡散距離(水蒸気の流路の長さ)が長くなるのを抑制することができる。
10 化学蓄熱システム
12 蒸発凝縮器(媒体器の一例)
20 反応器(化学蓄熱反応器の一例)
22 反応容器(容器の一例)
26 反応媒体流動部
30 蓄熱材反応部
32 蓄熱材層
34 蓄熱材拘束層
36 反応媒体拡散層
40 蓄熱材成形体
50 熱流動部(熱交換部の一例)
70 熱媒体流路(熱媒体通路の一例)
80 反応器(化学蓄熱反応器の一例)
82 反応ユニット
90 反応器(化学蓄熱反応器の一例)
200 熱源
202 熱利用対象物

Claims (6)

  1. 反応媒体と結合して発熱又は反応媒体が脱離して蓄熱する蓄熱材成形体を備える蓄熱材反応部と、
    前記蓄熱材反応部に接するように重ねられ、前記蓄熱材反応部への熱供給及び前記蓄熱材反応部からの熱回収の内少なくとも一方を行う熱交換部と、
    前記蓄熱材反応部及び前記熱交換部が内部に封入されると共に、封入された前記蓄熱材反応部との間に前記蓄熱材反応部に供給される反応媒体又は前記蓄熱材反応部から排出される反応媒体が流れる反応媒体流動部が形成される容器と、
    を備える化学蓄熱反応器。
  2. 前記蓄熱材反応部は、
    前記熱交換部に重ねられ、前記蓄熱材成形体を備える蓄熱材層と、
    前記蓄熱材層に対して前記熱交換部の反対側で前記蓄熱材層に重ねられ、前記反応媒体流動部と連通し、前記蓄熱材層へ供給される反応媒体及び前記蓄熱材層から排出される反応媒体が流れる反応媒体拡散層と、
    前記蓄熱材層と前記反応媒体拡散層とに挟まれ、前記蓄熱材層を構成する蓄熱材が前記反応媒体拡散層側に移動するのを制限し、前記反応媒体拡散層と前記蓄熱材層との間で反応媒体が移動するのを許容する蓄熱材拘束層と、備え、
    前記蓄熱材層と前記蓄熱材拘束層と前記反応媒体拡散層とは、非接合状態で重ねられている請求項1に記載の化学蓄熱反応器。
  3. 前記反応媒体拡散層は層厚方向から見て矩形状とされ、前記反応媒体拡散層の四方向のうち少なくとも一方の端面から前記反応媒体流動部の反応媒体が流出又は流入可能とされる請求項2に記載の化学蓄熱反応器。
  4. 前記熱交換部には、前記蓄熱材反応部への熱供給及び前記蓄熱材反応部からの熱回収を行うのに用いる熱媒体が流れ、
    前記容器の外部に配置された熱源及び熱利用対象物と、前記熱交換部とは、前記熱交換部から出発して前記反応媒体流動部を通り、前記容器の壁面を貫通して前記容器の外部に達する熱媒体通路によって連通されている請求項1〜3の何れか1項に記載の化学蓄熱反応器。
  5. 前記熱交換部と前記蓄熱材反応部とで反応ユニットが構成され、
    複数の前記反応ユニットが、前記容器内で重ねられている請求項1〜4の何れか1項に記載の化学蓄熱反応器。
  6. 請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の化学蓄熱反応器と、
    前記化学蓄熱反応器の容器に連結され、前記容器内への反応媒体の供給及び前記容器内からの反応媒体の受け取りの内少なくとも一方を行う媒体器と、
    を有する化学蓄熱システム。
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