JP6627529B2 - 化学蓄熱反応器、及び化学蓄熱システム - Google Patents

化学蓄熱反応器、及び化学蓄熱システム Download PDF

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Description

本発明は、化学反応によって蓄熱する化学蓄熱反応器、及び化学蓄熱システムに関する。
特許文献1に記載の構成では、蓄熱材を収容した蓄熱材層、フィルタ、反応媒体拡散層、及び熱交換部が積層されることで化学蓄熱反応器の積層体が形成されている。
特開2014−126293号公報
しかし、特許文献1に記載の構成では、蓄熱材層が積層方向と交差する方向にずれた場合、蓄熱材層の粉体化した蓄熱材が漏れ出る虞があった。
本願発明の課題は、化学蓄熱反応器、及び化学蓄熱システムにおいて、蓄熱材層のずれを抑制し、粉体化した蓄熱材が漏れ出ることを抑制することである。
請求項1に記載の化学蓄熱反応器は、反応媒体と結合することで膨張し発熱又は反応媒体が脱離して蓄熱する蓄熱材が拘束枠の内部に配置されている蓄熱材層と、前記蓄熱材層の一方側に配置され、前記蓄熱材へ供給される又は前記蓄熱材から排出される反応媒体が流れる反応媒体拡散層と、前記蓄熱材層と前記反応媒体拡散層との間に前記拘束枠と接触するように配置され、前記反応媒体の通過を許容し、前記蓄熱材の通過を阻止する複数の細孔が形成されたフィルタと、前記蓄熱材層において前記フィルタとは反対側に積層され、前記拘束枠と接触し、前記蓄熱材への熱供給及び前記蓄熱材からの熱回収のうち少なくとも一方を行う熱交換部と、前記拘束枠において、前記反応媒体拡散層、前記フィルタ、前記蓄熱材層、及び前記熱交換部を積層している方向に貫通する貫通孔と、積層された前記反応媒体拡散層、前記フィルタ、前記蓄熱材層、及び前記熱交換部の積層方向両側に配置される一対の挟持部材と、一端が前記一対の挟持部材の一方に接続され、他端が前記一対の挟持部材の他方に接続され、中間部が前記貫通孔を貫通して前記蓄熱材層の積層方向と交差する方向の移動を阻止する拘束部材と、を備える。
請求項1に記載の化学蓄熱反応器は、蓄熱材層と、反応媒体拡散層と、フィルタと、熱交換部とを含んで構成されており、蓄熱材層がフィルタと熱交換部との間に配置されている。蓄熱材層は、拘束枠に拘束部材が貫通しているため、積層方向の移動が阻止される。これにより、化学蓄熱反応器は、蓄熱材層が積層方向と交差する方向にずれて蓄熱材が拘束枠の外側へ漏れ出ることが抑制される。
このようにして、蓄熱材層から蓄熱材が漏れ出ることが抑えられるので、高出力、即ち、発熱量の多い高性能な化学蓄熱反応器を維持できる。
また、請求項1に記載の化学蓄熱反応器は、積層された反応媒体拡散層、フィルタ、蓄熱材層、及び熱交換部の積層方向両側に挟持部材が配置され、拘束部材の一端が一対の挟持部材の一方に接続し、拘束部材の他端が一対の挟持部材の他方に接続することで、一対の挟持部材で、反応媒体拡散層、フィルタ、蓄熱材層、及び熱交換部を積層方向に拘束することができる。
これにより、蓄熱材が反応媒体と結合して蓄熱材に膨張力が生じた場合であっても、該膨張力による反応媒体拡散層、フィルタ、蓄熱材層、及び熱交換部の変形を抑えることができる。そして、このように反応媒体拡散層、フィルタ、蓄熱材層、及び熱交換部の変形が抑えられることで、部材間に積層方向の隙間が生じることがなく、蓄熱材が漏れ出ることが抑えられ、高出力、即ち、発熱量の多い化学蓄熱反応器となる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の化学蓄熱反応器において、前記挟持部材は、前記拘束部材と固着されている。
請求項2に記載の化学蓄熱反応器では、挟持部材と拘束部材とが固着されているので、挟持部材と拘束部材との接合強度を増すことができる。これにより、反応媒体拡散層、フィルタ、蓄熱材層、及び熱交換部の積層方向の拘束がより確実なものとなり、反応媒体拡散層、フィルタ、蓄熱材層、及び熱交換部の変形をより確実に抑えることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の化学蓄熱反応器において、前記拘束部材は、前記貫通孔に対して積層方向に移動可能に挿入されている。
請求項3に記載の化学蓄熱反応器では、拘束部材は、貫通孔に対して積層方向に移動可能に挿入される構成であるため、蓄熱材層を積層する場合に自由度があり、拘束部材を貫通孔に挿入するだけで容易に組み付けを行うことができる。これにより、製造する際の工数がかからず、製造コストを低減することができる。
請求項4に記載の化学蓄熱システムは、請求項1〜3の何れか1項に記載の化学蓄熱反応器と、前記化学蓄熱反応器の前記反応媒体拡散層への反応媒体の供給及び前記反応媒体拡散層からの反応媒体の受け取りのうち少なくとも一方を行う蒸発凝縮器と、を有する。
請求項4に記載の化学蓄熱システムは、請求項1〜3の何れか1項に記載の化学蓄熱反応器を備えているため、蓄熱材層のずれを抑制し、粉体化した蓄熱材が漏れ出ることを抑制することができる。これにより、化学蓄熱システムの熱損失を抑制することができる。
本発明の化学蓄熱反応器、及び化学蓄熱システムによれば、蓄熱材層のずれを抑制し、粉体化した蓄熱材が漏れ出ることを抑制することができる。また、本発明の化学蓄熱システムによれば、熱損失を抑制することができる。
(A)、(B)は、第1実施形態に係る化学蓄熱システムを示した構成図である。 第1実施形態に係る反応器を示した斜視図である。 第1実施形態に係る反応器に備えられた積層体を示した分解斜視図である。 (A)は、第1実施形態に係る反応器に備えられた蓄熱材層を示した分解斜視図であり、(B)は蓄熱材層を示した斜視図である。 (A)は第1実施形態に係る反応器に備えられた反応媒体拡散層を示した斜視図であり、(B)は反応媒体拡散層を示した正面図である。 (A)は第1実施形態に係る反応器に備えられた熱流動部を示した斜視図であり、(B)は熱流動部を示した平面図である。 第1実施形態に係る反応器に備えられた積層ユニット等を示した一部を分解した斜視図である。 第1実施形態に係る反応器に備えられた積層ユニット等を示した斜視図である。 第1実施形態に係る反応器に備えられた積層ユニット等を示した縦断面図(図8の9−9線断面図)である。 第2実施形態に係る反応器に備えられた積層体を示した分解斜視図である。 第3実施形態に係る反応器に備えられた積層体を示した分解斜視図である。 第4実施形態に係る反応器に備えられた積層ユニット等を示した斜視図である。 第5実施形態に係る反応器に備えられた積層ユニット等を示した一部を分解した斜視図である。 第6実施形態に係る反応器に備えられた積層ユニット等を示した分解斜視図である。
[第1実施形態]
図1乃至図9にしたがって、本発明の第1実施形態に係る化学蓄熱システム10を説明する。なお、図中に示す矢印Hは装置上下方向(鉛直方向)を示し、矢印Wは装置幅方向(水平方向)を示し、矢印Dは装置奥行方向(水平方向)を示す。
(全体構成)
図1(A)、(B)に示すように、本実施形態に係る化学蓄熱システム10は、水の蒸発、水蒸気(反応媒体の一例)Wの凝縮が行われる蒸発凝縮器12と、化学蓄熱反応器の一例としての反応器20と、蒸発凝縮器12と反応器20とを連通する連通路14とを含んで構成されている。
(蒸発凝縮器)
蒸発凝縮器12は、貯留した水を蒸発させて反応器20に供給する(水蒸気Wを生成する)蒸発部、反応器20から受け取った水蒸気Wを凝縮する凝縮部、及び水蒸気Wが凝縮された水を貯留する貯留部、としての各機能を備えている。
また、蒸発凝縮器12は、内部に水が貯留される容器16を備えており、この容器16内には、水蒸気Wを凝縮する、又は水を蒸発するのに用いる熱媒流路17の一部が配置されている。さらに、熱媒流路17は、容器16内における少なくとも気相部16Aを含む部分で熱交換を行うように配置されている。そして、凝縮時には低温媒体、蒸発時には中温媒体が、熱媒流路17を流れるようになっている。
(連通路)
連通路14は、蒸発凝縮器12(容器16)と反応器20(後述する反応容器22)との連通、非連通を切り替えるための開閉弁19を備えている。そして、容器16、反応容器22、連通路14、及び開閉弁19は、互いの接続部位が気密に構成されており、これらの内部空間が予め真空脱気されている。
(反応器)
反応器20は、図2、及び図7に示すように、反応容器22と、反応容器22の内部に配置されて発熱又は蓄熱する蓄熱材反応部30と、蓄熱材反応部30に積層されている熱交換部の一例としての熱流動部50と備えている。そして、蓄熱材反応部30と熱流動部50とを含んで積層体60が構成され、この積層体60は、反応容器22内に複数積層されており、本実施形態では、積層体60を複数積層したものを積層ユニット90と呼んでいる。
(反応容器)
図2に示すように、反応容器22は、直方体状とされ、上方側が開放される箱状の本体部22Aと、蓋部材22Bとを備えている。そして、反応容器22の内部は、水蒸気(反応媒体の一例)が流れる反応媒体流動部26とされ、前述したように内部が真空脱気されている。
(積層ユニットにおける蓄熱材反応部の全体構成)
蓄熱材反応部30は、反応容器22の内部に封入され、図3に示すように、蓄熱材層32と、蓄熱材層32に上方側から積層されるフィルタ34と、フィルタ34に上方側から積層される反応媒体拡散層36とを備えている。
そして、蓄熱材層32、フィルタ34、及び反応媒体拡散層36は、装置上下方向から見て矩形状とされ、本実施形態においては、装置上下方向に並んで非接合状態(溶接などで固定されていない状態)で積層されている(所謂積層構造)。
(蓄熱材反応部の蓄熱材層の構成)
蓄熱材層32は、図4(A)、(B)に示されるように、ブロック状の蓄熱材成形体40と、蓄熱材成形体40が内部に配置される枠状の拘束枠の一例としてのフレーム部材44とを備えている。
蓄熱材成形体40には、一例として、アルカリ土類金属の酸化物の1つである酸化カルシウム(CaO:蓄熱材の一例)の成形体が用いられている。この成形体は、例えば、酸化カルシウム粉体をバインダ(例えば粘土鉱物等)と混練し、焼成することで、略矩形ブロック状に形成されている。
ここで、蓄熱材成形体40は、水和に伴って膨張して放熱(発熱)し、脱水に伴って蓄熱(吸熱)するものであり、以下に示す反応で放熱、蓄熱を可逆的に繰り返し得る構成とされている。
CaO + H2O ⇔ Ca(OH)2
この式に蓄熱量、発熱量Qを併せて示すと、
CaO + H2O → Ca(OH)2 + Q
Ca(OH)2 + Q → CaO + H2O
となる。
なお、一例として、蓄熱材成形体40の1kg当たりの蓄熱容量は、1.86[MJ/kg]とされている。
また、本実施形態において、蓄熱材成形体40を構成する蓄熱材の粒径とは、蓄熱材が粉体の場合はその平均粒径、粒状の場合は造粒前の粉体の平均粒径とする。これは、粒が崩壊する場合、前工程の状態に戻ると推定されるためである。
また、フレーム部材44は、装置上下方向から見て矩形枠状とされており、蓄熱材成形体40は、フレーム部材44内に配置されるようになっている。これにより、蓄熱材成形体40における水平方向(板厚方向に対して直交する直交方向)の動きは、フレーム部材44によって拘束されるようになっている。そして。フレーム部材44の装置上下方向の寸法(厚み寸法)は、水和反応に伴って蓄熱材成形体40が膨張した際の密度が、予め決められた蓄熱材成形体40の設定密度になるように決められている。
(蓄熱材反応部、フィルタ)
フィルタ34は、図3に示すように、反応媒体拡散層36と蓄熱材層32との間に挟まれ、一例としてφ200〔μm〕の微小貫通孔(図示せず)が、フィルタ全面に多数形成されたエッチングフィルターである。
そして、フィルタ34は、蓄熱材成形体40(図4参照)を構成する蓄熱材の平均粒径より小さいろ過精度を有している。これにより、フィルタ34は、蓄熱材成形体40を構成する蓄熱材の平均粒径より小さい流路を水蒸気が通過するのを許容する一方、平均粒径よりも大きい蓄熱材の通過を制限するようになっている。
なお、ろ過精度とは、ろ過効率が50〜98%となる粒子径のことであり、ろ過効率とは、ある粒子径の粒子に対する除去効率である。
(蓄熱材反応部の反応媒体拡散層)
反応媒体拡散層36は、図5(A)に示すように、矩形状の天板37と、天板37に固定される複数の流路部材38とを備えている。流路部材38は、水蒸気が流れる装置幅行方向に延び、装置奥行方向に間隔をあけて並んでいる(図5(B)参照)。
夫々の流路部材38は、図5(B)に示すように、天板37に対して下方側に配置され、装置幅方向から見てフィルタ34(図3参照)側が開放されたU字状とされている。そして、上壁38Bが天板37の下面に溶接されている。
これにより、流路部材38の内側、及び隣り合う流路部材38の間に、蓄熱材層32の
蓄熱材成形体40へ供給される水蒸気、又は蓄熱材層32の蓄熱材成形体40から排出される水蒸気が装置幅方向に沿って流れるようになっている。
(熱流動部)
熱流動部50は、図3に示すように、下方側から蓄熱材反応部30に積層されている。熱流動部50は、図6(A)、(B)に示すように、装置上下方向から見て矩形状の本体部52を備えている。また、本体部52の内部には、熱媒体が流れる流路54が、本体部52の側壁に沿うように形成されている。そして、流路54の両方の流路端54A、54Bは、本体部52において、装置奥行方向の手前側を向いた側面52Aで開放されている。また、一方の流路端54Aと、他方の流路端54Bとは、装置幅方向に並んでいる。
図7に示すように、蓄熱材反応部30と熱流動部50とを含む積層体60は、略直方体状とされ、反応器20には、積層体60が、積層体60の積層方向(本実施形態では装置上下方向)に3個積層されている。そして、本実施形態では、3個の積層体60によって積層ユニット90が構成されている。
(熱媒体流路)
熱媒が流れる熱媒体流路70は、図1、及び図7に示すように、反応容器22を構成する蓋部材22Bを貫通するように装置上下方向に延びる一対の配管70A、70Bと、配管70A、70Bと熱流動部50の流路54とを連通させる複数の連通部材70Cとを備えている。
具体的には、連通部材70Cが、間隔をあけて配管70A、70Bに取り付けられている。そして、夫々の連通部材70Cが、図示せぬ固定具を用いて、流路端54A、54Bに取り付けられることで、配管70A、70Bと熱流動部50の流路54とが連通するようになっている。
(他の部材)
図7〜図9に示すように、積層ユニット90は、積層ユニット90を構成する反応媒体拡散層36、フィルタ34、蓄熱材層32、及び熱流動部50の装置上下方向(積層方向)、及び水平方向(積層方向と交差する方向)の位置ずれを拘束する位置ずれ抑制機構198を備えている。
また、図2に示すように、積層ユニット90の下側には、積層ユニット90を下方から支持する円柱状の4個(図2では2個のみ示す)の支持部材72が設けられている。
(位置ずれ抑制機構)
位置ずれ抑制機構198は、蓄熱材層32の面方向、言い換えれば、積層方向と交差する方向(水平方向)のずれ、即ち、フィルタ34と熱流動部50との積層方向と交差する方向の相対的なずれを抑制するものである。図3、図7〜図9に示すように、本実施形態の位置ずれ抑制機構198は、積層ユニット90の積層方向に延びる断面矩形状とされた角柱状の拘束部材200を4本備えている。拘束部材200は、金属等の耐熱性の高い部材で形成されている。
図3に示すように、蓄熱材層32には、フレーム部材44の四隅付近に拘束部材200を積層ユニット90の積層方向に挿通させる貫通孔204が形成されており、図3、及び図9に示すように、各拘束部材200は、各蓄熱材層32の貫通孔204を貫通している。なお、拘束部材200は、貫通孔204に対して積層方向に移動可能に挿入されている。
図7〜図9に示すように、積層ユニット90の積層方向両側には、矩形の挟持プレート106が配置されている。拘束部材200の長手方向両端には、挟持プレート106に形成された孔210を貫通したボルト212が捩じ込まれる螺子孔(雌螺子)214が形成されている。拘束部材200の上端は上側の挟持プレート106の下面に当接しており、該挟持プレート106に形成された孔210を貫通したボルト212が螺子孔214に捩じ込まれることで、拘束部材200が上側の挟持プレート106に固定されている。
そして、拘束部材200の下端は下側の挟持プレート106の上面に当接しており、該挟持プレート106に形成された孔210を貫通したボルト212が螺子孔214に捩じ込まれることで、拘束部材200が下側の挟持プレート106に固定されている。
積層ユニット90はこのようにして一対の挟持プレート106で積層方向に挟持されており、積層ユニット90で積層されている各部材について、蓄熱材成形体40が膨張した際に、積層方向の間隔が変化しまうのが抑制されるようになっている。したがって、積層ユニット90を構成している各部材間に隙間が生じることが抑えられる。なお、積層方向の間隔とは、積層方向のピッチであって、一の部材の中央部と、一の部材の隣りに配置されている部材の中央部との距離である。
さらに、挟持プレート106に固定された拘束部材200が、蓄熱材層32の貫通孔204を積層方向に貫通しているので、各蓄熱材層32は、拘束部材200の長手方向と交差する方向である水平方向、言い換えれば、積層方向と交差する方向に相対移動できないように拘束される。
なお、反応媒体拡散層36、フィルタ34、及び熱流動部50は、積層ユニット90の四隅に配置された拘束部材200によって装置幅方向(矢印W方向)から挟持固定されている。
(化学蓄熱システムの作用、効果)
次に、化学蓄熱システム10の作用、効果について説明する。
化学蓄熱システム10において反応器20に蓄熱された熱を蓄熱材層32から発熱(放熱)させる際には、図1(B)に示すように、切替部材76により熱媒体流路70の連通先が熱利用対象物96に切り替えられる。さらに、開閉弁19を開放し、この状態で、蒸発凝縮器12の熱媒流路17に中温媒体を流し、液相部16Bの水を蒸発させる。そして、生成された水蒸気Wが連通路14内を矢印D方向に移動して、反応容器22内に供給される。
続いて、反応容器22内では、供給された水蒸気Wが反応媒体流動部26を通り、反応媒体拡散層36を流れる。そして、水蒸気Wがフィルタ34を通過して蓄熱材層32の蓄熱材成形体40と接触することにより、蓄熱材層32の蓄熱材成形体40は、水和反応を生じつつ発熱(放熱)する。この熱は、熱流動部50の流路54内を流れる熱媒体によって、熱利用対象物96に輸送される。
一方、化学蓄熱システム10において蓄熱材層32の蓄熱材成形体40に熱を蓄熱させる際には、図1(A)に示すように、切替部材76により熱媒体流路70の連通先が熱源94に切り替えられる。さらに、開閉弁19を開放し、この状態で、熱流動部50の流路54内に熱源94によって加熱された熱媒体が流れる。そして、流路54を流れる熱媒体の熱によって蓄熱材成形体40が脱水反応を生じ、この熱が蓄熱材成形体40に蓄熱される。
さらに、蓄熱材成形体40から離脱された水蒸気Wは、フィルタ34から反応媒体拡散層36に流れ込む。反応媒体拡散層36に流れ込んだ水蒸気Wは、反応媒体流動部26を通り、図1(A)に示すように、連通路14を矢印E方向に流れて蒸発凝縮器12内に流れ込む。
そして、蒸発凝縮器12の気相部16Aにおいて、熱媒流路17を流れる冷媒によって水蒸気Wが冷却され、凝縮された水が容器16の液相部16Bに貯留される。
本実施形態の積層ユニット90は、一対の挟持プレート106で挟持されているため、蓄熱材成形体40が膨張した際に、各部材の積層方向の間隔が変化しまうのを抑制することができ、蓄熱材反応部30と熱流動部50との間での熱交換効率が低下するのを抑制することができる。
さらに、積層ユニット90においては、一対の挟持プレート106に固定された拘束部材200が、蓄熱材層32のフレーム部材44に形成された貫通孔204を貫通して、各々の蓄熱材層32の水平方向にずれを抑制しているため、仮に蓄熱材が粉体化しても、蓄熱材層32の水平方向のずれに起因する蓄熱材の漏れは抑制される。
また、フレーム部材44に形成された貫通孔204に拘束部材200を貫通させているので、拘束部材200がフレーム部材44の補強となる。したがって、フレーム部材44が蓄熱材成形体40から膨張力を受けた際、拘束部材200を貫通させない場合に比較して、フレーム部材44の水平方向の変形を抑えることができる。
蓄熱材層32から蓄熱材が漏れ出て、蓄熱材の密度や蓄熱材の量が減ると、蓄熱材反応部30と熱流動部50との間での熱交換効率が低下してしまう虞がある。しかしながら、本実施形態のように蓄熱材層32のずれを抑制して、蓄熱材の漏れを抑制することで、蓄熱材反応部30と熱流動部50との間での熱交換効率が低下するのを抑制することができる。
このように、本実施形態の反応器20において、熱交換効率が低下するのが抑制され、熱損失を抑制することができるので、本実施形態の化学蓄熱システム10は、効率的な高性能なものとなる。
本実施形態の反応器20を組み立てる際には、例えば、挟持プレート106の上に拘束部材200を配置して固定した後、熱流動部50、蓄熱材層32、フィルタ34、及び反応媒体拡散層36を積層し、最後に挟持プレート106を載せて拘束部材200に固定することで、簡単に組み立てを行うことができる。また、蓄熱材層32の貫通孔204に拘束部材200を挿入するだけで、蓄熱材層32が水平方向にずれないように蓄熱材層32を簡単に拘束することができる。
[第2実施形態]
次に、図10にしたがって、本発明の第2実施形態について説明する。なお、前述した実施形態と同一部材等については、同一符号を付してその説明を省略し、前述した実施形態と異なる部分を主に説明する。
第1実施形態の位置ずれ抑制機構198では、拘束部材200を4本用いたが、本実施形態では、図10に示すように拘束部材200を2本用いている。蓄熱材層32のフレーム部材44には、装置幅方向(矢印W方向)の両側の辺の長手方向中央部分に、拘束部材200を挿通させる貫通孔204が形成されている。
図示を省略するが、本実施形態においても、拘束部材200の上端が上側の挟持プレート106の下面に当接しており、該挟持プレート106に形成された孔210を貫通したボルト212が螺子孔214に捩じ込まれることで、拘束部材200が上側の挟持プレート106に固定されている。
そして、拘束部材200の下端は下側の挟持プレート106の上面に当接しており、該挟持プレート106に形成された孔210を貫通したボルト212が螺子孔214に捩じ込まれることで、拘束部材200が下側の挟持プレート106に固定されている。
このように、本実施形態の積層ユニット90においても、一対の挟持プレート106に固定された拘束部材200が、蓄熱材層32の貫通孔204を貫通しているので、各々の蓄熱材層32は、水平方向にずれることが抑制される。
なお、作用については、第1実施形態と同様であり、仮に蓄熱材が粉体化しても、蓄熱材層32のずれに起因する蓄熱材の漏れは抑制される。
[第3実施形態]
次に、図11にしたがって、本発明の第3実施形態について説明する。なお、前述した実施形態と同一部材等については、同一符号を付してその説明を省略し、前述した実施形態と異なる部分を主に説明する。
第1実施形態の位置ずれ抑制機構198では、拘束部材200をフレーム部材44の四隅付近に配置したが、本実施形態では図11に示すように、フレーム部材44の各辺の長手方向中央部分に形成された貫通孔204に拘束部材200が貫通している。
図示を省略するが、本実施形態においても、拘束部材200の上端が上側の挟持プレート106の下面に当接しており、該挟持プレート106に形成された孔210を貫通したボルト212が螺子孔214に捩じ込まれることで、拘束部材200が上側の挟持プレート106に固定されている。
そして、拘束部材200の下端は下側の挟持プレート106の上面に当接しており、該挟持プレート106に形成された孔210を貫通したボルト212が螺子孔214に捩じ込まれることで、拘束部材200が下側の挟持プレート106に固定されている。
このように、本実施形態においても、一対の挟持プレート106に固定された拘束部材200が、蓄熱材層32の貫通孔204を貫通しているので、各々の蓄熱材層32は、水平方向にずれることが抑制される。
なお、作用については、第1実施形態と同様であり、仮に蓄熱材が粉体化しても、蓄熱材層32のずれに起因する蓄熱材の漏れは抑制される。
[第4実施形態]
次に、図12にしたがって、本発明の第4実施形態について説明する。なお、前述した実施形態と同一部材等については、同一符号を付してその説明を省略し、前述した実施形態と異なる部分を主に説明する。
前述した第1実施形態では、ボルト212を用いて拘束部材200を挟持プレート106に取り付けたが、本実施形態では、拘束部材200の下端が下側の挟持プレート106に溶接206で固着され、拘束部材200の上端が上側の挟持プレート106に溶接206で固着されている。これにより、拘束部材200と下側の挟持プレート106との接続部分の接合強度を高めることが出来ると共に、拘束部材200と上側の挟持プレート106との接続部分の接合強度を高めることが出来る。
[第5実施形態]
次に、図13にしたがって、本発明の第5実施形態について説明する。なお、前述した実施形態と同一部材等については、同一符号を付してその説明を省略し、前述した実施形態と異なる部分を主に説明する。
前述した第4実施形態では、拘束部材200の上端が挟持プレート106に溶接されていたが、本実施形態では、拘束部材200の上端がボルト212で固定されているものである。これにより、積層ユニット90を分解可能としている。
[第6実施形態]
次に、図14にしたがって、本発明の第6実施形態について説明する。なお、前述した実施形態と同一部材等については、同一符号を付してその説明を省略し、前述した実施形態と異なる部分を主に説明する。
第1実施形態では、挟持プレート106、積層体60を構成している蓄熱材層32、フィルタ34、反応媒体拡散層36、及び熱流動部50の形状が装置上下方向から見て矩形状であったが、本実施形態では、図14に示すように円形状とされている。
本実施形態の位置ずれ抑制機構198は、円柱状の拘束部材216を3本備えている。拘束部材216の両端には、挟持プレート106に固定するためのボルト212が捩じ込まれる螺子孔218が形成されている。
蓄熱材層32のフレーム部材44には、拘束部材216を挿入する3個の貫通孔220が、周方向に等間隔で形成されている。
本実施形態においても複数の積層体60を積層しているが、図14では、代表して一組の積層体60のみを図示しており、他の積層体60の図示は省略している。
本実施形態では、3本の拘束部材216がフレーム部材44の貫通孔220を貫通しており、これにより、蓄熱材層32の水平方向のずれが抑制されている。
また、フィルタ34、反応媒体拡散層36、及び熱流動部50の外周部分は、3本の拘束部材216に接触しており、フィルタ34、反応媒体拡散層36、及び熱流動部50の水平方向のずれが抑制されている。
なお、本実施形態の作用、効果については、第1実施形態と同様である。
[その他の実施形態]
なお、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明は係る実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態をとることが可能であることは当業者にとって明らかである。
12 蒸発凝縮器
20 反応器(化学蓄熱反応器の一例)
32 蓄熱材層
34 フィルタ
36 反応媒体拡散層
40 蓄熱材成形体(蓄熱材)
44 フレーム部材(拘束枠の一例)
50 熱流動部(熱交換部の一例)
106 挟持プレート(挟持部材)
200 拘束部材
204 貫通孔
216 拘束部材
220 貫通孔
W 反応媒体

Claims (4)

  1. 反応媒体と結合することで膨張し発熱又は反応媒体が脱離して蓄熱する蓄熱材が拘束枠の内部に配置されている蓄熱材層と、
    前記蓄熱材層の一方側に配置され、前記蓄熱材へ供給される又は前記蓄熱材から排出される反応媒体が流れる反応媒体拡散層と、
    前記蓄熱材層と前記反応媒体拡散層との間に前記拘束枠と接触するように配置され、前記反応媒体の通過を許容し、前記蓄熱材の通過を阻止する複数の細孔が形成されたフィルタと、
    前記蓄熱材層において前記フィルタとは反対側に積層され、前記拘束枠と接触し、前記蓄熱材への熱供給及び前記蓄熱材からの熱回収のうち少なくとも一方を行う熱交換部と、
    前記拘束枠において、前記反応媒体拡散層、前記フィルタ、前記蓄熱材層、及び前記熱交換部を積層している方向に貫通する貫通孔と、
    積層された前記反応媒体拡散層、前記フィルタ、前記蓄熱材層、及び前記熱交換部の積層方向両側に配置される一対の挟持部材と、
    一端が前記一対の挟持部材の一方に接続され、他端が前記一対の挟持部材の他方に接続され、中間部が前記貫通孔を貫通して前記蓄熱材層の積層方向と交差する方向の移動を阻止する拘束部材と、
    を備える化学蓄熱反応器。
  2. 前記挟持部材は、前記拘束部材と固着されている、請求項1に記載の化学蓄熱反応器。
  3. 前記拘束部材は、前記貫通孔に対して積層方向に移動可能に挿入されている、請求項1または請求項2に記載の化学蓄熱反応器。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載の化学蓄熱反応器と、
    前記化学蓄熱反応器の前記反応媒体拡散層への反応媒体の供給及び前記反応媒体拡散層からの反応媒体の受け取りのうち少なくとも一方を行う蒸発凝縮器と、
    を有する化学蓄熱システム。
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