JP6593153B2 - 化学蓄熱反応器、及び化学蓄熱システム - Google Patents
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Description
図1乃至図11にしたがって、本発明の第1実施形態に係る化学蓄熱システム10を説明する。なお、図中に示す矢印Hは装置上下方向(鉛直方向)を示し、矢印Wは装置幅方向(水平方向)を示し、矢印Dは装置奥行方向(水平方向)を示す。
図1(A)、(B)に示すように、本実施形態に係る化学蓄熱システム10は、水の蒸発、水蒸気(反応媒体の一例)Wの凝縮が行われる蒸発凝縮器12と、化学蓄熱反応器の一例としての反応器20と、蒸発凝縮器12と反応器20とを連通する連通路14とを含んで構成されている。
蒸発凝縮器12は、貯留した水を蒸発させて反応器20に供給する(水蒸気Wを生成する)蒸発部、反応器20から受け取った水蒸気Wを凝縮する凝縮部、及び水蒸気Wが凝縮された水を貯留する貯留部、としての各機能を備えている。
連通路14は、蒸発凝縮器12(容器16)と反応器20(後述する反応容器22)との連通、非連通を切り替えるための開閉弁19を備えている。そして、容器16、反応容器22、連通路14、及び開閉弁19は、互いの接続部位が気密に構成されており、これらの内部空間が予め真空脱気されている。
反応器20は、図2に示すように、反応容器22と、反応容器22の内部に配置されて発熱又は蓄熱する蓄熱材反応部30と、蓄熱材反応部30に積層されている熱交換部の一例としての熱流動部50と備えている。そして、蓄熱材反応部30と熱流動部50とを含んで積層体60が構成され、この積層体60は、反応容器22内に複数積層されており、本実施形態では、積層体60を複数積層したものを積層ユニット90と呼んでいる。
反応容器22は、直方体状とされ、上方側が開放される箱状の本体部22Aと、蓋部材22Bとを備えている。そして、反応容器22の内部は、水蒸気(反応媒体の一例)が流れる反応媒体流動部26とされ、前述したように内部が真空脱気されている。
蓄熱材反応部30は、反応容器22の内部に封入され、図3に示すように、蓄熱材層32と、蓄熱材層32に上方側から積層されるフィルタ34と、フィルタ34に上方側から積層される反応媒体拡散層36とを備えている。
蓄熱材層32は、図4(A)、(B)に示されるように、ブロック状の蓄熱材成形体40と、蓄熱材成形体40が内部に配置される枠状の拘束枠の一例としてのフレーム部材44とを備えている。
この式に蓄熱量、発熱量Qを併せて示すと、
CaO + H2O → Ca(OH)2 + Q
Ca(OH)2 + Q → CaO + H2O
となる。
フィルタ34は、図3に示すように、反応媒体拡散層36と蓄熱材層32との間に挟まれ、一例としてφ200〔μm〕の微小貫通孔(図示せず)が、フィルタ全面に多数形成されたエッチングフィルターである。
反応媒体拡散層36は、図5(A)に示すように、矩形状の天板37と、天板37に固定される複数の流路部材38とを備えている。流路部材38は、水蒸気が流れる装置幅行方向に延び、装置奥行方向に間隔をあけて並んでいる(図5(B)参照)。
蓄熱材成形体40へ供給される水蒸気、又は蓄熱材層32の蓄熱材成形体40から排出される水蒸気が装置幅方向に沿って流れるようになっている。
熱流動部50は、図3に示すように、下方側から蓄熱材反応部30に積層されている。熱流動部50は、図6(A)、(B)に示すように、装置上下方向から見て矩形状の本体部52を備えている。また、本体部52の内部には、熱媒体が流れる流路54が、本体部52の側壁に沿うように形成されている。そして、流路54の両方の流路端54A、54Bは、本体部52において、装置奥行方向の手前側を向いた側面52Aで開放されている。また、一方の流路端54Aと、他方の流路端54Bとは、装置幅方向に並んでいる。
熱媒が流れる熱媒体流路70は、図1、及び図8に示すように、反応容器22を構成する蓋部材22Bを貫通するように装置上下方向に延びる一対の配管70A、70Bと、配管70A、70Bと熱流動部50の流路54とを連通させる複数の連通部材70Cとを備えている。
図7、及び図8に示すように、積層ユニット90は、積層ユニット90を構成する反応媒体拡散層36、フィルタ34、蓄熱材層32、及び熱流動部50の装置上下方向の位置ずれを拘束する上下方向位置ずれ抑制機構100と、積層ユニット90の捻じれを抑制する捻じれ抑制機構140と、図3、及び図10に示す水平方向位置ずれ抑制機構(面方向位置ずれ抑制機構)198とを備えている。
図7、及び図8に示すように、上下方向位置ずれ抑制機構100は、装置上下方向(積層方向)に延びる4個の連結部材の一例としての柱部材102と、積層ユニット90を装置上下方向から挟む一対の挟持プレート106と、ボルト110とを備えている。
図9に示すように、捻じれ抑制機構140は、装置上下方向から見て、柱部材102を外側から囲み、柱部材102の相対位置関係の変化を制限する押付部材の一例としての拘束ベルト144を備えている。
水平方向位置ずれ抑制機構198は、フィルタ34の面方向、言い換えれば、積層方向と交差する方向(水平方向)のずれ、即ち、フィルタ34と蓄熱材層32との積層方向と交差する方向の相対的なずれを抑制するものである。図3、及び図10に示すように、水平方向位置ずれ抑制機構198は、積層ユニット90の積層体60を積層方向に貫通する断面矩形状とされた角柱状の拘束部材200を備えている。拘束部材200は、金属等の耐熱性の高い部材で形成されている。
フィルタ34には、四隅付近に拘束部材200を挿通させる矩形の貫通孔202が形成されている。
反応媒体拡散層36には、四隅付近に拘束部材200を挿通させる貫通孔206が形成されている。
また、熱流動部50には、四隅付近に拘束部材200を挿通させる貫通孔208が形成されている。
次に、化学蓄熱システム10の作用、効果について説明する。
化学蓄熱システム10において反応器20に蓄熱された熱を蓄熱材層32から発熱(放熱)させる際には、図1(B)に示すように、切替部材76により熱媒体流路70の連通先が熱利用対象物96に切り替えられる。さらに、開閉弁19を開放し、この状態で、蒸発凝縮器12の熱媒流路17に中温媒体を流し、液相部16Bの水を蒸発させる。そして、生成された水蒸気Wが連通路14内を矢印D方向に移動して、反応容器22内に供給される。
次に、図12、及び図13にしたがって、本発明の第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同一部材等については、同一符号を付してその説明を省略し、第1実施形態と異なる部分を主に説明する。
図12、及び図13に示すように、蓄熱材層32においては、フレーム部材44の中央部を横断する横断部44Bが設けられており、この横断部44Bの中央部に拘束部材216を挿通させる貫通孔218が形成されている。
なお、横断部44Bの厚さは、フレーム部材44の矩形の外周部分の厚さと同じ厚さであり、フレーム部材44、及び横断部44Bの上面は、積層したフィルタ34に密着する。
反応媒体拡散層36には、中央部に拘束部材216を挿通させる貫通孔224が形成されている。
また、熱流動部50には、中央部に拘束部材216を挿通させる貫通孔226が形成されている。
なお、その他の、作用効果は第1の実施形態と同様である。
次に、図14にしたがって、本発明の第3実施形態について説明する。なお、前述した実施形態と同一部材等については、同一符号を付してその説明を省略し、前述した実施形態と異なる部分を主に説明する。
拘束部材230の両端には、拘束部材230を挟持プレート106(図14では図示せず)に固定するためのボルト212(図14では図示せず)が捩じ込まれる螺子孔(雌螺子)232が形成されており、該挟持プレート106に形成された孔(図14では図示せず)を貫通したボルト212が螺子孔232に捩じ込まれることで、拘束部材230が挟持プレート106に固定される。
なお、その他の、作用効果は第1の実施形態と同様である。
次に、図15にしたがって、本発明の第4実施形態について説明する。なお、前述した実施形態と同一部材等については、同一符号を付してその説明を省略し、前述した実施形態と異なる部分を主に説明する。
次に、図16にしたがって、本発明の第5実施形態について説明する。なお、前述した実施形態と同一部材等については、同一符号を付してその説明を省略し、前述した実施形態と異なる部分を主に説明する。
次に、図17にしたがって、本発明の第6実施形態について説明する。なお、前述した実施形態と同一部材等については、同一符号を付してその説明を省略し、前述した実施形態と異なる部分を主に説明する。
他の作用については、第5実施形態と同様である。
次に、図20にしたがって、本発明の第7実施形態について説明する。なお、前述した実施形態と同一部材等については、同一符号を付してその説明を省略し、前述した実施形態と異なる部分を主に説明する。
次に、図21にしたがって、本発明の第8実施形態について説明する。なお、前述した実施形態と同一部材等については、同一符号を付してその説明を省略し、前述した実施形態と異なる部分を主に説明する。
次に、図22にしたがって、本発明の第9実施形態について説明する。なお、前述した実施形態と同一部材等については、同一符号を付してその説明を省略し、前述した実施形態と異なる部分を主に説明する。
次に、図23にしたがって、本発明の第10実施形態について説明する。なお、前述した実施形態と同一部材等については、同一符号を付してその説明を省略し、前述した実施形態と異なる部分を主に説明する。
なお、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明は係る実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態をとることが可能であることは当業者にとって明らかである。
32 蓄熱材層
34 フィルタ
36 反応媒体拡散層
40 蓄熱材成形体(蓄熱材)
44 フレーム部材(拘束枠の一例)
50 熱流動部(熱交換部の一例)
200 拘束部材
216 拘束部材
230 拘束部材
264 拘束部材
278 拘束部材
Claims (6)
- 反応媒体と結合することで膨張し発熱又は反応媒体が脱離して蓄熱する蓄熱材が拘束枠の内部に配置されている蓄熱材層と、
前記蓄熱材層の一方側に配置され、前記蓄熱材へ供給される又は前記蓄熱材から排出される反応媒体が流れる反応媒体拡散層と、
前記蓄熱材層と前記反応媒体拡散層との間に前記拘束枠と接触するように配置され、前記反応媒体の通過を許容し、前記蓄熱材の通過を阻止する複数の細孔が形成されたフィルタと、
前記蓄熱材層において前記フィルタとは反対側に積層され、前記拘束枠と接触し、前記蓄熱材への熱供給及び前記蓄熱材からの熱回収のうち少なくとも一方を行う熱交換部と、
前記フィルタにおいて、前記蓄熱材層と対向する位置に形成される第1の貫通孔と、
少なくとも前記蓄熱材層に連結され、前記第1の貫通孔を貫通して前記フィルタの面方向の移動を阻止する拘束部材と、
を備える化学蓄熱反応器。 - 前記熱交換部、及び前記拘束枠の少なくとも一方には、前記第1の貫通孔と対向する位置に、前記拘束部材が貫通する第2の貫通孔が形成されている、請求項1に記載の化学蓄熱反応器。
- 前記フィルタには、前記細孔の形成されていない無孔領域が、前記第1の貫通孔の周囲に設けられている、請求項1または請求項2に記載の化学蓄熱反応器。
- 前記フィルタは、前記拘束部材と接合されている、請求項1〜3の何れか1項に記載の化学蓄熱反応器。
- 前記フィルタにおいて、前記第1の貫通孔は前記蓄熱材と対向していない部分に形成されている、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の化学蓄熱反応器。
- 請求項1〜5の何れか1項に記載の化学蓄熱反応器と、
前記化学蓄熱反応器の前記反応媒体拡散層への反応媒体の供給及び前記反応媒体拡散層からの反応媒体の受け取りのうち少なくとも一方を行う蒸発凝縮器と、
を有する化学蓄熱システム。
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