JP6428413B2 - 化学蓄熱反応器、化学蓄熱システム - Google Patents

化学蓄熱反応器、化学蓄熱システム Download PDF

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Description

本発明は、化学蓄熱反応器、及び化学蓄熱システムに関する。
特許文献1に記載の積層体は、蓄熱材反応部と、蓄熱材反応部に重ねられている熱交換部とを含んで構成される。そして、この積層体は、積層方向において一対のエンドプレートによって挟まれている。また、夫々のエンドプレートは、矩形状とされ、エンドプレートの四隅には、貫通孔が夫々形成されている。さらに、一方のエンドプレートに形成された貫通孔と他方のエンドプレートに形成された貫通孔にボルトを挿入してボルトの先端部にナットを締め込むことで、一対のエンドプレートに挟まれた積層体に拘束力が生じるようになっている。
特開2014−126293号公報
一方のエンドプレートの四隅と他方のエンドプレートの四隅とをボルト及びナットを介して連結させて積層体に拘束力を生じさせるようになっている。このため、積層体の中央側の部分に生じる拘束力は、積層体の四隅の部分に生じる拘束力と比して小さかった。これにより、蓄熱材反応部に備えられた蓄熱材成形体が膨張した際に、積層体(積層ユニット)が部分的に変形してしまうことがあった。
本願発明の課題は、蓄熱材成形体が膨張した際に、積層ユニットが部分的に変形するのを抑制することである。
本発明の請求項1に係る化学蓄熱反応器は、反応媒体と結合して発熱又は反応媒体が脱離して蓄熱する蓄熱材成形体を備える蓄熱材反応部と、前記蓄熱材反応部に積層され、前記蓄熱材反応部への熱供給及び前記蓄熱材反応部からの熱回収のうち少なくとも一方を行う熱交換部と、を有する積層体を備え、積層方向の上面、下面、互いに反対側を向く一対の第一側面、及び互いに反対側を向くと共に前記第一側面に対して交差する一対の第二側面が形成されている積層ユニットと、前記上面、前記下面、及び一対の前記第一側面を外側から囲み、前記蓄熱材成形体が膨張する前の状態で、一対の前記第一側面と接触しており、前記蓄熱材成形体が膨張した際に、夫々の面に接して前記積層ユニットを拘束する第一拘束部材と、前記上面、前記下面、及び一対の前記第二側面を外側から囲み、前記蓄熱材成形体が膨張する前の状態で、一対の前記第二側面と接触しており、前記蓄熱材成形体が膨張した際に、夫々の面に接して前記積層ユニットを拘束する第二拘束部材と、を備えることを特徴とする。
上記構成によれば、第一拘束部材が、積層ユニットの上面、下面、及び一対の第一側面を外側から囲み、積層ユニットを拘束している。さらに、第二拘束部材が、積層ユニットの上面、下面、及び一対の第二側面を外側から囲み、積層ユニットを拘束している。
このように、第一拘束部材及び第二拘束部材によって、積層ユニットの6面が拘束されている。このため、蓄熱材成形体が膨張した際に、積層ユニットが部分的に変形するのを抑制することができる。
本発明の請求項2に係る化学蓄熱反応器は、請求項1に記載の化学蓄熱反応器において、前記第一拘束部材と前記第二拘束部材との異なる部材は、前記上面の中央側の部分、及び前記下面の中央側の部分で少なくとも一部が重なっていることを特徴とする。
上記構成によれば、第一拘束部材と第二拘束部材とは、上面の中央側の部分及び下面の中央側の部分で重なっている。積層ユニットの上面の中央側の部分、及び下面の中央側の部分に部分的に膨らむ力が作用しても、第一拘束部材及び第二拘束部材が、この力に対抗する。このため、積層ユニットの上面の中央側の部分、及び下面の中央側の部分が部分的に膨らむのを抑制することができる。
本発明の請求項3に係る化学蓄熱反応器は、請求項1又は請求項2に記載の化学蓄熱反応器において、前記第一拘束部材の周長が単位温度当たりに長くなる長さは、前記積層ユニットにおいて前記第一拘束部材によって拘束される部分の周長が単位温度当たりに長くなる長さと比して同等又は小さく、かつ、第二拘束部材の周長が単位温度当たりに長くなる長さは、前記積層ユニットにおいて前記第二拘束部材によって拘束される部分の周長が単位温度当たりに長くなる長さと比して同等又は小さいことを特徴とする。
上記構成によれば、蓄熱材成形体が反応媒体と結合して膨張するに従って、積層ユニットに対する第一拘束部材の拘束力及び積層ユニットに対する第二拘束部材による拘束力を強くすることができる。
本発明の請求項4に係る化学蓄熱反応器は、請求項1〜3の何れか1項に記載の化学蓄熱反応器において、前記第一拘束部材及び前記第二拘束部材の少なくとも一方は、前記積層ユニットを拘束する前の状態で、前記積層ユニットの各面に沿った矩形状の枠体とされていることを特徴とする。
上記構成によれば、第一拘束部材及び第二拘束部材の少なくとも一方は、積層ユニットを拘束する前の状態で、積層ユニットの各面に沿った矩形状の枠体とされている。このため、矩形状の枠体の角部と積層ユニットの角部とを合わせることで、効果的に積層ユニットを拘束することができる。
本発明の請求項5に係る化学蓄熱反応器は、請求項1〜4の何れか1項に記載の化学蓄熱反応器において、前記蓄熱材反応部は、前記熱交換部に積層され、前記蓄熱材成形体を備える蓄熱材層と、前記蓄熱材層に対して前記熱交換部の反対側で前記蓄熱材層に積層され、前記蓄熱材層へ供給される反応媒体及び前記蓄熱材層から排出される反応媒体が流れる反応媒体拡散層と、前記蓄熱材層と前記反応媒体拡散層とに挟まれ、前記蓄熱材成形体を構成する蓄熱材が前記反応媒体拡散層側に移動するのを制限し、前記反応媒体拡散層と前記蓄熱材層との間で反応媒体が移動するのを許容する蓄熱材拘束層と、を備え、前記蓄熱材層と前記蓄熱材拘束層と前記反応媒体拡散層とは、非接合状態で積層されていることを特徴とする。
上記構成によれば、蓄熱材反応部を構成する蓄熱材層、蓄熱材拘束層、及び反応媒体拡散層は、非接合状態で重ねられる。しかし、第一拘束部材及び第二拘束部材を用いることで、夫々の層が積層方向に対して交差する方向にずれてしまうのを抑制することができる。
本発明の請求項6に係る化学蓄熱システムは、請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の化学蓄熱反応器と、前記化学蓄熱反応器の容器に連結され、前記容器内への反応媒体の供給及び前記容器内からの反応媒体の受け取りのうち少なくとも一方を行う媒体器と、を有することを特徴とする。
上記構成によれば、化学蓄熱システムは、請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の化学蓄熱反応器を備えているため、蓄熱材成形体が膨張した際に、積層ユニットが部分的に変形するのが抑制される。このため、化学蓄熱システムの耐久性を向上させることができる。
本発明によれば、蓄熱材成形体が膨張した際に、積層ユニットが部分的に変形するのを抑制することができる。
本実施形態に係る化学蓄熱反応器に備えられた積層ユニットを示した斜視図である。 本実施形態に係る化学蓄熱反応器に備えられた積層ユニットを示した斜視図である。 本実施形態に係る化学蓄熱反応器に備えられた積層ユニットを示した斜視図である。 本実施形態に係る化学蓄熱反応器に備えられた積層ユニットを示した一部分解斜視図である。 本実施形態に係る化学蓄熱反応器に備えられた積層ユニットを示した一部分解斜視図である。 本実施形態に係る化学蓄熱反応器に備えられた積層ユニットを示した側面図である。 本実施形態に係る化学蓄熱反応器に備えられた反応ユニットを示した分解斜視図である。 (A)(B)本実施形態に係る化学蓄熱反応器に備えられた蓄熱層を示した分解斜視図、及び斜視図である。 (A)(B)本実施形態に係る化学蓄熱反応器に備えられた反応媒体拡散層を示した斜視図、及び正面図である。 (A)(B)本実施形態に係る化学蓄熱反応器に備えられた熱流動部を示した斜視図、及び平面図である。 本実施形態に係る反応器(化学蓄熱反応器)に用いられた蓄熱材成形体の反応平衡線及び水の気液平衡線を温度と平衡圧との関係で示す線図である。 本実施形態に係る化学蓄熱反応器に備えられた反応ユニットを示した断面図である。 本実施形態に係る化学蓄熱反応器を示した分解斜視図である。 本実施形態に係る化学蓄熱反応器を示した斜視図である。 (A)(B)本実施形態に係る化学蓄熱システムを示した構成図である。 本実施形態に係る化学蓄熱反応器に備えられた積層ユニットに対する比較形態に係る積層ユニットを示した斜視図である。
本発明の実施形態に係る化学蓄熱反応器及び化学蓄熱システムの一例について図1〜図16を用いて説明する。なお、図中に示す矢印Hは装置上下方向(鉛直方向)を示し、矢印Wは装置幅方向(水平方向)を示し、矢印Dは装置奥行方向(水平方向)を示す。
(全体構成)
図15(A)(B)に示されるように、本実施形態に係る化学蓄熱システム10は、水の蒸発、水蒸気(反応媒体の一例)の凝縮が行われる媒体器の一例としての蒸発凝縮器12と、化学蓄熱反応器の一例としての反応器20と、蒸発凝縮器12の内部と反応器20との内部を連通する連通路14と、を含んで構成されている。
〔蒸発凝縮器〕
蒸発凝縮器12は、貯留した水を蒸発させて反応器20に供給する(水蒸気を生成する)蒸発部、反応器20から受け取った水蒸気を凝縮する凝縮部、及び水蒸気が凝縮された水を貯留する貯留部、としての各機能を備えている。
また、蒸発凝縮器12は、内部に水が貯留される容器16を備えており、この容器16内には、水蒸気を凝縮、又は水を蒸発するのに用いる冷媒流路17が備えられている。そして、凝縮時には低温媒体、蒸発時には中温媒体が、冷媒流路17を流れるようになっている。
冷媒流路17は、容器16内における少なくとも気相部16Aを含む部分で熱交換を行うように配置されている。
〔連通路〕
連通路14は、蒸発凝縮器12(容器16)と反応器20(後述する反応容器22)との連通、非連通を切り替えるための開閉弁19を備えている。そして、容器16、反応容器22、連通路14、及び開閉弁19は、互いの接続部位が気密に構成されており、これらの内部空間が予め真空脱気されている。
〔反応器〕
反応器20は、図14に示されるように、容器の一例としての反応容器22と、反応容器22内に配置されて発熱又は蓄熱する蓄熱材反応部30と、蓄熱材反応部30に積層されている熱交換部の一例としての熱流動部50と備えている。そして、蓄熱材反応部30と熱流動部50とを含んで積層体60が構成され、この積層体60は、反応容器22内に複数設けられている。
[反応容器]
反応容器22は、ステンレス鋼板等で形成され、装置上下方向に延びる円筒状の本体部22Aと、本体部22Aの上端を閉止する円盤状の上蓋部材22Bと、本体部22Aの下端を閉止する円盤状の下蓋部材22Cと備えている。そして、本体部22Aと上蓋部材22B、及び本体部22Aと下蓋部材22Cとが溶接されることで、本体部22Aと上蓋部材22Bとの間、及び本体部22Aと下蓋部材22Cとの間がシールされている。
これにより、反応容器22の内部は反応容器22の外部と隔離され、反応容器22の内部が真空脱気されている。そして、反応容器22の内部は、水蒸気(反応媒体の一例)が流れる反応媒体流動部26とされている。
[蓄熱材反応部:全体構成]
夫々の蓄熱材反応部30は、反応容器22の内部に封入され、図7に示されるように、蓄熱材層32と、蓄熱材層32に上方側から積層された蓄熱材拘束層34と、蓄熱材拘束層34に上方側から積層された反応媒体拡散層36とを備えている。
そして、蓄熱材層32、蓄熱材拘束層34、及び反応媒体拡散層36は、装置上下方向から見て同様の矩形状とされ、装置上下方向に並んで非接合状態(溶接などで固定されていない状態)で積層されている(所謂積層構造)。
[蓄熱材反応部:蓄熱材層]
蓄熱材層32は、図8(A)(B)に示されるように、複数(本実施形態では9個)の蓄熱材成形体40から構成される蓄熱材ユニット42と、蓄熱材ユニット42が取り付けられる枠状のフレーム部材44とを備えている。
蓄熱材成形体40の厚さは30〔mm〕とされ、装置上下方向(板厚方向)から見て、蓄熱材成形体40は、一辺が100〔mm〕の正方形状とされている。
蓄熱材成形体40には、一例として、アルカリ土類金属の酸化物の1つである酸化カルシウム(CaO:蓄熱材の一例)の成形体が用いられている。この成形体は、例えば、酸化カルシウム粉体をバインダ(例えば粘土鉱物等)と混練し、焼成することで、略矩形ブロック状に形成されている。
ここで、蓄熱材成形体40は、水和に伴って放熱(発熱)し、脱水に伴って蓄熱(吸熱)するものであり、以下に示す反応で放熱、蓄熱を可逆的に繰り返し得る構成とされている。
CaO + H2O ⇔ Ca(OH)2
この式に蓄熱量、発熱量Qを併せて示すと、
CaO + H2O → Ca(OH)2 + Q
Ca(OH)2 + Q → CaO + H2O
となる。
なお、一例として、蓄熱材成形体40の1kg当たりの蓄熱容量は、1.86[MJ/kg]とされている。
また、本実施形態において、蓄熱材成形体40を構成する蓄熱材の粒径とは、蓄熱材が粉体の場合はその平均粒径、粒状の場合は造粒前の粉体の平均粒径とする。これは、粒が崩壊する場合、前工程の状態に戻ると推定されるためである。
また、フレーム部材44は、装置上下方向から見て矩形枠状とされており、蓄熱材ユニット42は、フレーム部材44内に配置されるようになっている。これにより、蓄熱材ユニット42における水平方向(板厚方向に対して直交する直交方向)の動きは、フレーム部材44によって拘束されるようになっている。そして。フレーム部材44の装置上下方向の寸法(厚み寸法)は、水和反応に伴って蓄熱材成形体40が膨張した際の密度が、予め決められた蓄熱材成形体40の設定密度になるように決められている。
[蓄熱材反応部:蓄熱材拘束層]
蓄熱材拘束層34は、図7に示されるように、反応媒体拡散層36と蓄熱材層32との間に挟まれ、φ200〔μm〕の貫通孔が多数形成されたエッチングフィルターである。
そして、蓄熱材拘束層34は、蓄熱材成形体40(図8参照)を構成する蓄熱材の平均粒径より小さいろ過精度を有している。これにより、蓄熱材拘束層34では、蓄熱材成形体40を構成する蓄熱材の平均粒径より小さい流路を水蒸気が通過するのを許容する一方、平均粒径よりも大きい蓄熱材の通過を制限するようになっている。
なお、ろ過精度とは、ろ過効率が50〜98%となる粒子径のことであり、ろ過効率とは、ある粒子径の粒子に対する除去効率である。
[蓄熱材反応部:反応媒体拡散層]
反応媒体拡散層36は、図9(A)に示されるように、矩形状の天板37と、天板37に固定される複数の流路部材38とを有している。流路部材38は、水蒸気が流れる装置幅行方向に延び、装置奥行方向に間隔を空けて並んでいる(図9(B)参照)。
夫々の流路部材38は、図9(B)に示されるように、天板37に対して下方側に配置され、装置幅方向から見て蓄熱材拘束層34(図7参照)側が開放されたU字状とされている。そして、上壁38Bが天板37の下面に溶接されている。
これにより、流路部材38の内側、及び隣り合う流路部材38の間に、蓄熱材層32へ供給される水蒸気、又は蓄熱材層32から排出される水蒸気が装置幅方向に沿って流れるようになっている。本実施形態では、流路幅(図9(B)に示すW1)は、一例として5〜6〔mm〕とされている。
〔熱流動部〕
熱流動部50は、図7に示されるように、下方側から蓄熱材反応部30に積層されている。
熱流動部50は、図10(A)(B)に示されるように、装置上下方向から見て矩形状の本体部52と、装置上下方向から見て装置奥行方向の手前側(図10(B)の下側)に本体部52から突出する一対の突出部54、56とを備えている。
一対の突出部54、58は、装置幅方向に並んで配置され、一対の突出部54、56には、装置上下方向に貫通する貫通孔54A、56Aが夫々形成されている。一方、本体部52の内部には、熱媒体が流れる流路52Aが、本体部52の側壁に沿うように、装置上下方向から見てU字状に形成されている。
また、流路52Aの一端と、突出部54の貫通孔54Aとを連通させる連通管53と、流路52Aの他端と、突出部56の貫通孔56Aとを連通させる連通管55とが設けられている。そして、この流路52Aは、後述する熱媒体流路70を通じて反応容器22の外部に配置された熱源200又は熱利用対象物202(図15参照)と連通されている。
また、反応器20には、図3に示されるように、積層体60が、積層体60の積層方向(本実施形態では装置上下方向)に3個積層されている。そして、3個の積層体60によって積層ユニット90が構成されている。さらに、反応器20には、積層ユニット90を、拘束する拘束機構80が設けられている。
〔拘束機構〕
拘束機構80は、図1に示されるように、外側から積層ユニット90を拘束する第一拘束部材82、及び第二拘束部材84を備えている。なお、第一拘束部材82、及び第二拘束部材84については、詳細を後述する。
〔熱媒体流路〕
熱媒体流路70は、図13に示されるように、パイプ状とされ、反応容器22を構成する上蓋部材22Bを貫通するように装置上下方向に延びて2本設けられている。一方の熱媒体流路70Aは、熱媒体を反応容器22の外部から反応容器22の内部に流入させるために用いられ、他方の熱媒体流路70Bは、熱媒体を反応容器22の内部から反応容器22の外部に流出させるために用いられる。
そして、熱媒体流路70Aの周面には貫通孔(図示省略)が形成され、熱媒体流路70Aは、熱流動部50の突出部54に形成された貫通孔54A(図10参照)に挿入されるようになっている。同様に、熱媒体流路70Bの周面には貫通孔(図示省略)が形成され、熱媒体流路70Bは、熱流動部50の突出部56に形成された貫通孔56A(図10参照)に挿入されるようになっている。これにより、熱媒体流路70と熱流動部50に形成された流路52A(図10参照)とが連通するようになっている。
〔他の部材〕
図13、図14に示されるように、拘束機構80を用いて拘束され、貫通孔54A、56Aに熱媒体流路70A,70Bが挿入された積層ユニット90を下方から支持する円柱状の4個(図13では3個、図14では2個のみ示す)の支持部材72が設けられている。この構成により、下方側に配置された熱流動部50において、断熱効果を得ることができるようになっている。
一方、反応容器22の外部に配置された部分の熱媒体流路70には、図15に示されるように、熱媒体流路70の連通先を熱源200とするか、熱利用対象物202とするかを切り替える切替部材76が備えられている。
(化学蓄熱システムの作用)
次に、化学蓄熱システム10の作用について説明する。
化学蓄熱システム10において反応器20に蓄熱された熱を蓄熱材層32から発熱(放熱)する際には、図15(B)に示されるように、切替部材76により熱媒体流路70の連通先が熱利用対象物202に切り替えられる。さらに、開閉弁19を開放し、この状態で、蒸発凝縮器12の冷媒流路17に中温媒体を流し、液相部16Bの水を蒸発させる。そして、生成された水蒸気が連通路14内を矢印D方向に移動して、反応容器22内に供給される。
続いて、反応容器22内では、供給された水蒸気が反応媒体流動部26を通り、図12に示されるように、反応媒体拡散層36を流れる。そして、水蒸気Wが蓄熱材拘束層34を通過して蓄熱材層32と接触することにより、蓄熱材層32の蓄熱材成形体40は、水和反応を生じつつ発熱(放熱)する。この熱は、熱流動部50の流路52A内を流れる熱媒体によって、熱利用対象物202に輸送される。
一方、化学蓄熱システム10において蓄熱材層32の蓄熱材成形体40に熱を蓄熱する際には、図15(A)に示されるように、切替部材76により熱媒体流路70の連通先が熱源200に切り替えられる。さらに、開閉弁19を開放し、この状態で、熱流動部50の流路52A内(図12参照)に熱源200によって加熱された熱媒体が流れる。
図12に示されるように、流路52Aを流れる熱媒体の熱によって蓄熱材成形体40が脱水反応を生じ、この熱が蓄熱材成形体40に蓄熱される。
さらに、蓄熱材成形体40から離脱された水蒸気Wは、蓄熱材拘束層34から反応媒体拡散層36に流れ込む。反応媒体拡散層36に流れ込んだ水蒸気Wは、反応媒体流動部26を通り、図15(A)に示されるように、連通路14を矢印E方向に流れて蒸発凝縮器12内に流れ込む。
そして、蒸発凝縮器12の気相部16Aにおいて、冷媒流路17を流通する冷媒によって水蒸気が冷却され、凝縮された水が容器16の液相部16Bに貯留される。
以上説明した蓄熱材成形体40の蓄熱、放熱について、図11に示す化学蓄熱システム10のサイクル(一例)を参照しつつ補足する。図11には、PT線図に示された圧力平衡点における化学蓄熱システム10のサイクルが示されている。この図において、上側の等圧線が脱水(蓄熱)反応を示し、下側の等圧線が水和(発熱)反応を示している。
このサイクルでは、例えば、蓄熱材成形体40の温度が410℃で蓄熱された場合、水蒸気は、50℃が平衡温度となる。そして、化学蓄熱システム10では、水蒸気は蒸発凝縮器12(図15参照)において冷媒流路17の冷媒との熱交換によって50℃以下に冷却され、凝縮されて水になる。
一方、冷媒流路17に中温媒体を流すことで、蒸気圧の水蒸気が発生する。例えば、図11のサイクルにおいて、5℃で水蒸気を発生させる場合、蓄熱材成形体は315℃で放熱することが解る。このように、内部が真空脱気されている化学蓄熱システム10では、5℃付近の低温熱源から熱を汲み上げて、315℃もの高温を得ることができる。
(要部構成)
次に、積層ユニット90を拘束する第一拘束部材82、及び第二拘束部材84について説明する。
〔第一拘束部材〕
第一拘束部材82は、3個設けられ、装置奥行方向から見て、積層ユニット90を外側から囲み、拘束するようになっている(図1参照)。つまり、第一拘束部材82は、積層ユニット90の装置上下方向(積層方向)の上面90A、下面90B、及び 互いに反対側を向く一対の第一側面90Cを外側から囲み、積層ユニット90を拘束するようになっている。本実施形態では、第一拘束部材82は、一例として、厚さ2〔mm〕のステンレス鋼板を用いて形成され、幅が4〔mm〕とされている。このように、第一拘束部材82の幅は、流路部材38の流路幅(図9(B)に示すW1)より狭くされている。
そして、夫々の第一拘束部材82は、図4に示されるように、積層ユニット90を拘束する前の状態で、積層ユニット90の各面に沿った形状とされている。つまり、の第一拘束部材82は、積層ユニット90の各面と対向する部分から構成されており、矩形状の枠体とされている。
また、第一拘束部材82による装置上下方向の拘束長さ(図中L1)は、蒸気が供給される前の状態の積層ユニット90の装置上下方向の長さ(図中L10)に対して、0.5〜1.0〔mm〕程度長くされている。さらに、第一拘束部材82による装置幅方向の拘束長さ(図中L2)は、蒸気が供給される前の状態の積層ユニット90の装置幅方向の長さ(図中L20)と同等の長さとされている。
これにより、第一拘束部材82を用いて、蒸気が供給される前の状態の積層ユニット90を外側から囲むと、装置上下方向において積層ユニット90と第一拘束部材82との間には、隙間が生じるようになっている。また、装置幅方向において積層ユニット90と第一拘束部材82とは接触するようになっている。
さらに、第一拘束部材82の周長が単位温度当たりに長くなる長さは、積層ユニット90において第一拘束部材82によって拘束される部分の周長が単位温度当たりに長くなる長さと比して同等又は小さくされている。つまり、このような関係となるように、各部を構成する部材の材質が決められている。
例えば、第一拘束部材82及び後述する第二拘束部材84は、ステンレス鋼板を用いて形成され、反応媒体拡散層36は、ステンレス鋼板を用いて形成され、蓄熱材ユニット42のフレーム部材44はステンレス鋼板を用いて形成され、熱流動部50の本体部52は、ステンレス鋼板を用いて形成されている。
また、第一拘束部材82が積層ユニット90を拘束した状態で、図6に示されるように、装置幅方向から見て、第一拘束部材82は、反応媒体拡散層36の流路部材38の縦板38Aを跨ぐように配置されている。
〔第二拘束部材〕
第二拘束部材84は、装置幅方向から見て、積層ユニット90を外側から囲み、拘束するようになっている(図1参照)。つまり、第二拘束部材84は、積層ユニット90の上面90A、下面90B、及び 互いに反対側を向くと共に第一側面90Cに対して交差する一対の第二側面90Dを外側から囲み、積層ユニット90を拘束するようになっている。本実施形態では、第二拘束部材84は、一例として、厚さ2〔mm〕のステンレス鋼板を用いて形成され、幅が12〔mm〕とされている。
そして、第二拘束部材84は、図4に示されるように、積層ユニット90を拘束する前の状態で、装置奥行方向に分割されている。具体的には、第二拘束部材84は、装置奥行方向の手前側(図中左側)の分割部材84Aと、装置奥行方向の奥側(図中右側)の分割部材84Bとに分割されている。
分割部材84A、85Aは、装置幅方向から見て、互いに対向する側が開放された形状とされている。
そして、分割部材84Aの両端側の部分には、短辺が開放された台形状の溝部86が夫々形成され、分割部材84Bの両端側の部分には、溝部86と係合する台形状の凸部88が夫々形成されている。これにより、分割部材84Aの夫々の溝部86と、分割部材84Bの夫々の凸部88とを係合させることで、第二拘束部材84は、積層ユニット90の各面に沿った形状とされるようになっている。つまり、分割部材84Aの溝部86と分割部材84Bの凸部88とが係合した第二拘束部材84は、積層ユニット90の各面と対向した部分から構成され、矩形状の枠体とされている。
また、枠体とされた第二拘束部材84による装置上下方向の拘束長さ(図中L3)は、蒸気が供給される前の状態の積層ユニット90の装置上下方向の長さ(図中L10)に対して、0.5〜1.0〔mm〕程度長くされている。さらに、枠体とされた第二拘束部材84による装置奥行方向の拘束長さ(図6のL4)は、蒸気が供給される前の状態の積層ユニット90の装置奥行方向の長さ(図中L40)と同等の長さとされている。
これにより、第二拘束部材84を用いて、蒸気が供給される前の状態の積層ユニット90を外側から囲むと、装置上下方向において積層ユニット90と第二拘束部材84との間には、隙間が生じるようになっている。また、装置奥行方向において積層ユニット90と第二拘束部材84とは接触するようになっている。
さらに、枠体とされた第二拘束部材84の周長が単位温度当たりに長くなる長さは、積層ユニット90において第二拘束部材84によって拘束される部分の周長が単位温度当たりに長くなる長さと比して同等又は小さくされている。
また、第二拘束部材84が積層ユニット90を拘束した状態で、図5に示されるように、第二拘束部材84の分割部材84Aは、熱流動部50の突出部54と突出部56との間に配置されるようになっている。
(要部構成の作用)
次に、要部構成の作用について説明する。
先ず、作業者(図示省略)が、第一拘束部材82、及び第二拘束部材84を蒸気が供給される前の状態の積層ユニット90に装着する作業について説明する。
作業者は、図4、図5に示されるように、分割部材84A及び分割部材84Bを装置奥行方向から積層ユニット90に接近させ、分割部材84Aの夫々の溝部86と、分割部材84Bの夫々の凸部88とを係合させる。これにより、第二拘束部材84が、積層ユニット90の上面90A、下面90B、及び一対の第二側面90Dを外側から囲む。
さらに、作業者は、図1、図5に示されるように、第一拘束部材82を装置奥行方向から積層ユニット90に接近させ、第一拘束部材82の内部に積層ユニット90を挿入する。これにより、第一拘束部材82が、積層ユニット90の上面90A、下面90B、及び一対の第一側面90Cを外側から囲む。
そして、積層ユニット90が第一拘束部材82及び第二拘束部材84とで拘束された状態では、第一拘束部材82と第二拘束部材84とは、図1、図2に示されるように、積層ユニット90の上面90Aの中央側の部分及び下面90Bの中央側の部分で重なっている。
なお、上面90A、下面90Bの中央側の部分とは、上面90A、下面90Bの一辺及び他辺を3等分して、一辺及び他辺において中央側の部分(図3に示す斜線部)である。
次に、水和反応に伴って蓄熱材成形体40が膨張した際の第一拘束部材82及び第二拘束部材84による積層ユニット90に対する拘束について、比較形態に係る拘束機構100による積層ユニット90に対する拘束と比較しつつ説明する。
先ず、比較形態に係る拘束機構100の構成について説明する。
拘束機構100は、図16に示されるように、積層ユニット90を装置上下方向から挟み込む一対のエンドプレート102と、ボルト104と、ナット106とを備えている。
エンドプレート102は、装置上下方向から見て矩形状の本体部102Aと、本体部102Aの四隅から突出する4個の突出部102Bとを備えている。そして、本体部102Aの外形は、装置上下方向から見て積層ユニット90の外形と同様の形状とされている。また、夫々の突出部102Bには、装置上下方向に貫通する貫通孔(図示省略)が形成されている。
そして、上方側のエンドプレート102の突出部102Bに形成された夫々の貫通孔にボルト104を貫通させ、さらに夫々のボルト104の先端側の部分を下方側のエンドプレート102の突出部102Bに形成された夫々の貫通孔に貫通させる。さらに、ボルト104の先端部にナットを締め込む。これにより、拘束機構100が、積層ユニット90を拘束するようになっている。
拘束機構100によって積層ユニット90が拘束された状態で、積層ユニット90が反応容器22(図14参照)内に配置される。そして、水和反応に伴って蓄熱材成形体40(図8参照)が膨張すると、装置上下方向においては、積層ユニット90の上面90A(図3参照)の中央側の部分、及び下面90B(図3参照)の中央側の部分に膨らむ力が作用する(図3の二点鎖線参照)。蓄熱材成形体40の外周がフレーム部材44によって拘束されているからである。一方、装置幅方向、及び装置奥行方向においては、フレーム部材44が蓄熱材成形体40によって押圧されることで装置上下方向において積層ユニット90の中央側の部分に外側に膨らむ力が作用する(図3の二点鎖線参照)。
これにより、エンドプレート102についてもエンドプレート102の中央側の部分が盛り上がってしまう。これは、一対のエンドプレート102が四隅でボルト104、及びナット106を介して互いに連結されている。このため、積層ユニット90の上面90A及び下面90Bの中央側の部分に対する拘束力が、積層ユニット90の上面90A及び下面90Bの四隅の部分に対する拘束力より弱くなっているからである。
また、装置幅方向、及び装置奥行方向においては、積層ユニット90は、拘束されていないため、装置上下方向において積層ユニット90の中央側の部分が外側に膨らんでしまう。
一方、図1に示されるように、第一拘束部材82及び第二拘束部材84によって積層ユニット90が拘束された状態で、積層ユニット90が反応容器22(図14参照)内に配置される。そして、水和反応に伴って蓄熱材成形体40(図8参照)が膨張すると、前述したように、装置上下方向においては、積層ユニット90の上面90Aの中央側の部分、及び下面90Bの中央側の部分が膨らもうとする。一方、装置幅方向、及び装置奥行方向においては、装置上下方向において積層ユニット90の中央側の部分が外側に膨らもうとする。
そうすると、装置上下方向において生じていた第一拘束部材82と積層ユニット90との隙間、及び第二拘束部材84と積層ユニット90との隙間が無くなり、第一拘束部材82及び第二拘束部材84と積層ユニット90とが接触する。そして、第一拘束部材82及び第二拘束部材84によって積層ユニット90が拘束される。
また、前述したように、第一拘束部材82の周長が単位温度当たりに長くなる長さは、積層ユニット90において第一拘束部材82によって拘束される部分の周長が単位温度当たりに長くなる長さと比して同等又は小さくされている。さらに、枠体とされた第二拘束部材84の周長が単位温度当たりに長くなる長さは、積層ユニット90において第二拘束部材84によって拘束される部分の周長が単位温度当たりに長くなる長さと比して同等又は小さくされている。これらにより、蓄熱材成形体40(図8参照)が蒸気と結合して膨張するに従って、積層ユニット90に対する第一拘束部材82の拘束力、及び積層ユニット90に対する第二拘束部材84による拘束力が強くなる。
(まとめ)
ここで、第一拘束部材82は、前述したように、積層ユニット90の上面90A、下面90B、及び一対の第一側面90Cを外側から囲み、積層ユニット90を拘束している。また、第二拘束部材84は、前述したように、積層ユニット90の上面90A、下面90B、及び一対の第二側面90Dを外側から囲み、積層ユニット90を拘束している。
このように、第一拘束部材82及び第二拘束部材84によって、積層ユニット90の6面が拘束されている。このため、第一拘束部材82及び第二拘束部材84を用いることで、比較形態に係る拘束機構100を用いる場合と比して、蓄熱材成形体40が膨張した際に、積層ユニット90が部分的に変形するのを抑制することができる。
また、積層ユニット90が6面から拘束されていることで、比較形態に係る拘束機構100を用いる場合と比して、蓄熱材成形体40が膨張した際に、積層ユニット90が捻じれてしまうのを抑制することができる。この捻じれは、装置上下方向を軸とする捻じれである。
また、積層ユニット90の部分的な変形、及び積層ユニット90の捻じれが抑制されることで、蓄熱材成形体40を漏れなく封止することができる。
また、積層ユニット90の部分的な変形、及び積層ユニット90の捻じれが抑制されることで、比較形態に係る拘束機構100を用いる場合と比して、蓄熱材反応部30と熱流動部50との間での熱交換効率が低下するのを抑制することができる。
また、第一拘束部材82及び第二拘束部材84を用いることで、積層ユニット90が膨らもうとする力を第一拘束部材82及び第二拘束部材84の張力(周方向拘束力)に変換して積層ユニット90が拘束される。このため、第一拘束部材82及び第二拘束部材84の薄板化することができる(軽量化することができる)。
また、第一拘束部材82を用いて、蒸気が供給される前の状態の積層ユニット90を外側から囲むと、装置上下方向において積層ユニット90と第一拘束部材82との間には、隙間が生じている。また、第二拘束部材84を用いて、蒸気が供給される前の状態の積層ユニット90を外側から囲むと、装置上下方向において積層ユニット90と第二拘束部材84との間には、隙間が生じている。このため、第一拘束部材82及び第二拘束部材84を容易に積層ユニット90に装着することができる。
また、蓄熱材成形体40が膨張するに従って、積層ユニット90に対する第一拘束部材82の拘束力、及び積層ユニット90に対する第二拘束部材84による拘束力が強くなる。このため、蓄熱材成形体40が膨張するに従って、積層ユニット90に対する拘束力が弱くなる場合と比して、第一拘束部材82及び第二拘束部材84によって積層ユニット90を効果的に拘束することができる。
また、積層ユニット90が第一拘束部材82及び第二拘束部材84とで拘束された状態で、第一拘束部材82と第二拘束部材84とは、積層ユニット90の上面90Aの中央側の部分及び下面90Bの中央側の部分で重なっている(図1、図2参照)。このため、積層ユニット90の上面90Aの中央側の部分、及び下面90Bの中央側の部分が部分的に膨らもうとしても、第一拘束部材82及び第二拘束部材84が、この力に対抗する。このため、比較形態に係る拘束機構100を用いる場合と比して、積層ユニット90の上面90Aの中央側の部分、及び下面90Bの中央側の部分が部分的に膨らむのを抑制することができる。
また、第一拘束部材82は、積層ユニット90を拘束する前の状態で、積層ユニット90の各面に沿った矩形状の枠体とされている。第一拘束部材82が積層ユニット90を拘束した状態で、第一拘束部材82の角部と積層ユニット90の角部とを合わせることで、積層ユニット90を効果的に拘束することができる。
また、蓄熱材反応部30を構成する蓄熱材層32、蓄熱材拘束層34、及び反応媒体拡散層36は、非接合状態で積層されている。このため、夫々の層を独立して管理(交換・メンテナンス)することができる。さらに、第一拘束部材82及び第二拘束部材84を用いることで、夫々の層が装置幅方向、及び装置奥行方向にずれてしまうのを抑制することができる。
また、第一拘束部材82の幅は、反応媒体拡散層36の流路の流路幅より狭くされ、さらに、第一拘束部材82が積層ユニット90を拘束した状態で、第一拘束部材82は、反応媒体拡散層36の流路部材38の縦板38Aを跨ぐように配置されている(図6参照)。これにより、反応媒体拡散層36において特定の流路の開口面積が狭くなるのを抑制することができる。
また、化学蓄熱システム10においては、蓄熱材成形体40が膨張した際に、積層ユニット90が部分的に変形するのが抑制される。このため、化学蓄熱システム10の耐久性を向上させることができる。
なお、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態をとることが可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、上記実施形態では、3個の積層体60によって積層ユニット90が構成されたが、1個、2個でもよく、4個以上であってもよい。
また、上記実施形態では、分割部材84Aの溝部86と分割部材84Bの凸部88とを係合させて第二拘束部材84としたが、一対の分割部材を溶接して第二拘束部材としてもよい。
また、上記実施形態では、特に説明しなかったが、蓄熱材として、アルカリ金属塩化物、アルカリ土類金属塩化物、アルカリ金属臭化物、アルカリ土類金属臭化物におけるアンモニア反応系を用い、反応媒体として、アンモニアを用いてもよい。この構成では、容器の内部圧力が加圧状態とされる。
また、上記実施形態では、特に説明しなかったが、高温作動時における熱媒体を、高温熱媒体、又は無機混合熱媒体を利用してもよい。これにより、熱効率を向上させることができる。
また、上記実施形態では、特に説明しなかったが、蓄熱材として、ゼオライト、活性炭、メソポーラスシリカを含む多孔吸着材を用いてもよい。
10 化学蓄熱システム
12 蒸発凝縮器(媒体器の一例)
20 反応器(化学蓄熱反応器の一例)
22 反応容器(容器の一例)
26 反応媒体流動部
30 蓄熱材反応部
32 蓄熱材層
34 蓄熱材拘束層
36 反応媒体拡散層
40 蓄熱材成形体
50 熱流動部(熱交換部の一例)
60 積層体
82 第一拘束部材
84 第二拘束部材
90 積層ユニット
90A 上面
90B 下面
90C 第一側面
90D 第二側面

Claims (6)

  1. 反応媒体と結合して発熱又は反応媒体が脱離して蓄熱する蓄熱材成形体を備える蓄熱材反応部と、前記蓄熱材反応部に積層され、前記蓄熱材反応部への熱供給及び前記蓄熱材反応部からの熱回収のうち少なくとも一方を行う熱交換部と、を有する積層体を備え、積層方向の上面、下面、互いに反対側を向く一対の第一側面、及び互いに反対側を向くと共に前記第一側面に対して交差する一対の第二側面が形成されている積層ユニットと、
    前記上面、前記下面、及び一対の前記第一側面を外側から囲み、前記蓄熱材成形体が膨張する前の状態で、一対の前記第一側面と接触しており、前記蓄熱材成形体が膨張した際に、夫々の面に接して前記積層ユニットを拘束する第一拘束部材と、
    前記上面、前記下面、及び一対の前記第二側面を外側から囲み、前記蓄熱材成形体が膨張する前の状態で、一対の前記第二側面と接触しており、前記蓄熱材成形体が膨張した際に、夫々の面に接して前記積層ユニットを拘束する第二拘束部材と、
    を備える化学蓄熱反応器。
  2. 前記第一拘束部材と前記第二拘束部材との異なる部材は、前記上面の中央側の部分、及び前記下面の中央側の部分で少なくとも一部が重なっている請求項1に記載の化学蓄熱反応器。
  3. 前記第一拘束部材の周長が単位温度当たりに長くなる長さは、前記積層ユニットにおいて前記第一拘束部材によって拘束される部分の周長が単位温度当たりに長くなる長さと比して同等又は小さく、かつ、第二拘束部材の周長が単位温度当たりに長くなる長さは、前記積層ユニットにおいて前記第二拘束部材によって拘束される部分の周長が単位温度当たりに長くなる長さと比して同等又は小さい請求項1又は2に記載の化学蓄熱反応器。
  4. 前記第一拘束部材及び前記第二拘束部材の少なくとも一方は、前記積層ユニットを拘束する前の状態で、前記積層ユニットの各面に沿った矩形状の枠体とされている請求項1〜3の何れか1項に記載の化学蓄熱反応器。
  5. 前記蓄熱材反応部は、
    前記熱交換部に積層され、前記蓄熱材成形体を備える蓄熱材層と、
    前記蓄熱材層に対して前記熱交換部の反対側で前記蓄熱材層に積層され、前記蓄熱材層へ供給される反応媒体及び前記蓄熱材層から排出される反応媒体が流れる反応媒体拡散層と、
    前記蓄熱材層と前記反応媒体拡散層とに挟まれ、前記蓄熱材成形体を構成する蓄熱材が前記反応媒体拡散層側に移動するのを制限し、前記反応媒体拡散層と前記蓄熱材層との間で反応媒体が移動するのを許容する蓄熱材拘束層と、を備え、
    前記蓄熱材層と前記蓄熱材拘束層と前記反応媒体拡散層とは、非接合状態で積層されている請求項1〜4に記載の化学蓄熱反応器。
  6. 請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の化学蓄熱反応器と、
    前記化学蓄熱反応器の容器に連結され、前記容器内への反応媒体の供給及び前記容器内からの反応媒体の受け取りのうち少なくとも一方を行う媒体器と、
    を有する化学蓄熱システム。
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