JP6838450B2 - 化学蓄熱反応器 - Google Patents

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Description

本発明は、化学反応によって蓄熱する化学蓄熱反応器に関する。
特許文献1、2に記載の化学蓄熱反応器では、枠部の内部に蓄熱材を収容した蓄熱材層、フィルター、反応媒体拡散層、及び熱交換部が積層されることで化学蓄熱反応器の積層体が形成されており、その積層体が複数個積層されて一体化された積層ユニットが容器内に収容されている。
特開2014−185782号公報 特開2014−185783号公報
蓄熱層は、粒子状の蓄熱材を固めたものであるが、蓄熱層は、放熱、及び蓄熱の際に膨張、及び収縮を繰り返すため、長期の使用により崩れて粉体化する場合がある。また、蓄熱層を収容した枠部は、熱交換部の上に載置されており、積層された各部材は、バンド状の拘束部材で拘束されているが、拘束部材の拘束力が弱い場合、長期の使用により拘束部材に伸びが生じた場合等に、枠部と熱交換部との間に隙間が生じ、この隙間から粉体状となった蓄熱材が外に漏れる懸念がある。
本願発明の課題は、化学蓄熱反応器において、粉体化した蓄熱材の漏れを抑制することにある。
請求項1に記載の化学蓄熱反応器は、反応媒体と結合することで発熱又は反応媒体が脱離して蓄熱する蓄熱材を内側に収容する枠部と、前記枠部の下側に配置され内部に流れる熱媒体によって前記蓄熱材への熱供給及び前記蓄熱材からの熱回収を行う熱交換部と、前記蓄熱材の上側に配置され反応媒体が流れる反応媒体拡散層と、前記蓄熱材と前記反応媒体拡散層との間に配置され複数の孔が形成されたフィルターとを積層して構成される積層体が複数積層され、前記積層体が拘束部材で拘束された積層ユニットと、少なくとも前記蓄熱材の外周側の底面部を覆う底壁部、及び少なくとも前記蓄熱材の側部の下側を覆う側壁部を備えて前記フィルターと対向する側が解放され、前記枠部と前記熱交換部との間から前記枠部の外部への前記蓄熱材の漏れを抑制するカバーと、を備えている
請求項1に記載の化学蓄熱反応器では、蓄熱材と反応媒体拡散層とがフィルターを介して隣接しているので、蓄熱材を放熱させる場合には、反応媒体拡散層に反応媒体を流す。反応媒体が、フィルターを通過して蓄熱材と結合することで、蓄熱材が放熱する。一方、蓄熱材に蓄熱を行う場合には、熱交換器に熱媒体を流す。これにより、熱交換器の熱が蓄熱材に伝達され、蓄熱材が加熱されると、反応媒体が脱離して蓄熱が行われる。
ここで、蓄熱材を収容した枠部は、熱交換器の上に配置されて積層されており、少なくとも蓄熱材の外周側の底面部を覆う底壁部、及び少なくとも蓄熱材の側部の下側を覆う側壁部を備えてフィルターと対向する側が解放されたカバーで蓄熱材の外面を覆っている。このため、仮に、枠部と熱交換器との間に隙間が生じ、蓄熱材が粉体化しても、粉体化した蓄熱材はカバーに阻まれ、該隙間を介して外部に漏れ出ることが抑制される。
化学蓄熱反応器では、蓄熱材の蓄熱、及び放熱を繰り返し行い、蓄熱材が放熱する際には、蓄熱材が膨張するため、積層体を拘束部材で拘束する必要があるが、拘束部材の製造には公差が存在し、また、熱交換器と枠部とは接触させて積層する構造のため、枠部と熱交換器との間に隙間が生じる場合があり、カバーが無い場合には、該隙間から粉体化した蓄熱材が漏れることが考えられるが、カバーがあれば粉体化した蓄熱材の漏れを抑制することができる。なお、粉体化した蓄熱材が落下して下側の反応媒体拡散層を覆い、反応媒体が反応媒体拡散層を流れなくなると、反応媒体拡散層に隣接する蓄熱材の放熱反応が阻害され、化学蓄熱反応器の性能低下を招く虞があるが、粉体化した蓄熱材の漏れを抑制することができるため、高性能な化学蓄熱反応器を維持できる。さらに、粉体化した蓄熱材が漏れると、反応媒体を付与した際に、枠部に収容した蓄熱材よりも、漏れた蓄熱材から放熱反応が始まってしまうため、化学蓄熱反応器として初期放熱の遅れを生じてしまうが、蓄熱材の漏れを抑制することができるため、初期放熱の遅れを抑制することができる。
なお、蓄熱材の膨張により、カバーは枠部と熱交換器とに押し付けられるため、カバーと枠部との間、及びカバーと熱交換器との間から、粉体化した蓄熱材が漏れ出ることが抑制される。
また、カバー蓄熱材の外周側の底面部を覆うようにすれば、蓄熱材の底面部全体を覆う場合に比較して、熱交換器と蓄熱材との間の接触抵抗は大きくならない。そのため、カバーがあっても、熱交換器と蓄熱材との間の熱交換量の低下を抑制することができる。
また、蓄熱材が膨張して拘束部材が弾性変形し、枠部と熱交換器との間に隙間が形成されたとしても、該隙間はカバーで塞ぐことができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の化学蓄熱反応器において、前記カバーの高さ寸法は、前記枠部の高さ寸法よりも小さく設定されている。
請求項2に記載の化学蓄熱反応器では、カバーの高さ寸法が枠部の高さ寸法よりも小さく設定されているので、枠部、熱交換部、反応媒体拡散層、及びフィルターを積層する際にカバーが枠部の上面よりも上側に突出することがなく、枠部の上に配置されるフィルターによってカバーの上部が押されてカバーが変形することが抑制される。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の化学蓄熱反応器において、前記枠部の高さ寸法をA、前記蓄熱材の高さ寸法をB、前記カバーの前記蓄熱材の底面部側の厚みをCとしたときに、A≧B+Cを満足する。
請求項3に記載の化学蓄熱反応器では、A≧B+Cを満足することで、枠部、熱交換部、反応媒体拡散層、及びフィルターを積層する際に、蓄熱材が枠部の上面から突出することがなく、枠部の上面とフィルターとの間に隙間が生じないように、枠部の上面にフィルターを配置することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の化学蓄熱反応器において、前記カバーは、孔の形成されていない板材、または前記蓄熱材が通過しない微小孔が形成されている板材で形成されている。
請求項4に記載の化学蓄熱反応器では、カバーが、孔の形成されていない板材、または蓄熱材が通過しない微小孔が形成されている板材で形成されているため、蓄熱材がカバー自体を通過することを抑制することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の化学蓄熱反応器において、前記カバーは、前記枠部、及び前記熱交換部の少なくとも一方に接合されている。
請求項5に記載の化学蓄熱反応器では、カバーを、予め枠部、及び熱交換部の少なくとも一方に接合しておくことで、部材を積層する積層工程での作業が容易になる。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の化学蓄熱反応器において、前記カバーは、前記蓄熱材の底面部を全て覆っている。
請求項6に記載の化学蓄熱反応器では、カバーで蓄熱材の底面部を全て覆っているので、拘束部材の変形が大きく、枠部と熱交換部との間の隙間が大きくなった場合であっても、底面部の全面を覆っていない場合に比較して、蓄熱材の外部への漏れをより確実に抑制することができる。
本発明の化学蓄熱反応器によれば、粉体化した蓄熱材の漏れを抑制することができる、という優れた効果を有する。
(A)、(B)は、第1実施形態に係る化学蓄熱システムを示した構成図である。 第1実施形態に係る反応器に備えられた積層ユニットを示した斜視図である。 積層体を示す分解斜視図である。 (A)は熱流動部を示した斜視図であり、(B)は熱流動部を示した分解斜視図であり、(C)は枠部の下面側を示した斜視図である。 カバー及び蓄熱成形体を挿入した枠部を示す下面側から見た斜視図である。 (A)は平板部の本体部を示した平面図であり、(B)は図6(A)に示した平面部の6(B)−6(B)線断面図である。 (A)は反応媒体拡散層を示した斜視図であり、(B)は7(A)に示した反応媒体拡散層の7(B)−7(B)線断面図である。 第1実施形態に係る反応器に備えられた積層ユニットを示す縦断面図である。 枠部の周辺を示す拡大断面図である。 カバーを枠部材に接合した例を示す断面図である。 カバーを熱交換部に接合した例を示す断面図である。 (A)は、カバーの形成前の部材を示す斜視図であり、(B)はカバーの完成品を示す斜視図である。 (A)は、カバーの形成前の部材を示す斜視図であり、(B)はカバーの完成品を示す斜視図である。 他の実施形態に係るカバーを示す斜視図である。 更に他の実施形態に係るカバーを示す斜視図である。
図1乃至図9にしたがって、本発明の一実施形態に係る化学蓄熱システム10を説明する。なお、図中に示す矢印Hは装置上下方向(鉛直方向、積層方向)を示し、矢印Wは装置幅方向(水平方向)を示し、矢印Dは装置奥行方向(水平方向)を示す。
(全体構成)
図1(A)、(B)に示すように、本実施形態に係る化学蓄熱システム10は、水を蒸発させる蒸発器と水蒸気(反応媒体の一例)Wを凝縮させる凝縮器とが一体化された蒸発凝縮器12と、化学蓄熱反応器の一例としての反応器20と、蒸発凝縮器12と反応器20とを連通する連通路14とを含んで構成されている。
(蒸発凝縮器)
蒸発凝縮器12は、貯留した水を蒸発させて反応器20に供給する(水蒸気Wを生成する)蒸発部、反応器20から受け取った水蒸気Wを凝縮する凝縮部、及び水蒸気Wが凝縮された水を貯留する貯留部、としての各機能を備えている。
また、蒸発凝縮器12は、内部に水が貯留される容器16を備えており、この容器16内には、水蒸気Wを凝縮する、又は水を蒸発するのに用いる熱媒流路17の一部が配置されている。さらに、熱媒流路17は、容器16内における少なくとも気相部16Aを含む部分で熱交換を行うように配置されている。そして、凝縮時には低温媒体、蒸発時には中温媒体が、熱媒流路17を流れるようになっている。
(連通路)
連通路14は、蒸発凝縮器12(容器16)と反応器20(後述する反応容器22)との連通、非連通を切り替えるための開閉弁19を備えている。そして、容器16、反応容器22、連通路14、及び開閉弁19は、互いの接続部位が気密に構成されており、これらの内部空間が予め真空脱気されている。
(反応器)
反応器20は、反応容器22を備え、反応容器22の内部に図2に示す積層ユニット24が収容されている。
(反応容器)
図1に示すように、反応容器22は、直方体状とされ、上方側が開放される箱状の本体部22Aと、蓋部材22Bとを備えている。そして、反応容器22の内部は、水蒸気(反応媒体の一例)が流れる反応媒体流動部26とされ、前述したように内部が真空脱気されている。
(積層ユニットの全体構成)
図2に示すように、積層ユニット24は、積層体51が装置上下方向に複数個(本実施形態では3個)積層されている。なお、積層ユニット24の積層方向両側には、矩形の挟持プレート98が配置されており、積層ユニット24は、金属製のバンドである拘束部材58で巻回されて各部材が分離したり、各部材間に隙間ができたり、各部材がずれないように拘束されている。
図3に示すように、積層体51は、熱流動部50と、熱流動部50に上方側から積層されるフィルター34と、フィルター34に上方側から積層される反応媒体拡散層36とを含んで構成されている。
そして、フィルター34、反応媒体拡散層36、及び熱流動部50は、装置上下方向から見て同様の矩形状(本実施形態では正方形)とされ、本実施形態においては、装置上下方向に並んで非接合状態(溶接などで固定されていない状態)で積層されている(所謂積層構造)。
(熱流動部)
図4に示すように、熱流動部50は、金属製の平板状に形成された熱交換部42と、蓄熱成形体40、及びカバー110を収容した金属製の枠部44とを含んで構成されている。
熱交換部42は、上方が開口した略箱形状とされ、装置上下方向から見て矩形状の本体部52と、本体部52の開口部を覆い本体部52の内部を密閉する蓋部材54とを含んで構成されている。なお、蓋部材54で閉塞された本体部52の内部に熱媒体が流れるようになっている。
図6(A),(B)に示すように、本体部52の底部には、矩形波状に形成された金属板からなる放熱フィン62がろう付け、または溶接にて接合されている。
図4に示すように、蓋部材54には、装置奥行方向(矢印D方向)の一方側にスリット状の第1の開口部76が形成され、他方側にスリット状の第2の開口部78が形成されている。なお、本体部52と蓋部材54とは、ろう付け、または溶接にて接合されている。
枠部44には、装置奥行方向(矢印D方向)の一方側の下面に、装置幅方向に延びると共に下側に向けて開口する第1凹部45が形成されており、装置奥行方向(矢印D方向)の他方側の下面に、装置幅方向に延びると共に下側に向けて開口する第2凹部46が形成されている。
枠部44には、装置奥行方向の一方側の側面に第1凹部45と連通する第1連通口47が形成され、装置奥行方向の他方側の側面に第2凹部46と連通する第2連通口48が形成されている。枠部44は、第1凹部45、及び第2凹部46を下側に向けて蓋部材54の上面にろう付け、または溶接にて接合されている。
図2、及び図8に示すように、積層ユニット24の装置奥行方向の一方側の側部には、上下方向に延びる第1角パイプ64が配置され、積層ユニット24の装置奥行方向の他方側の側部には、上下方向に延びる第2角パイプ66が配置されている。
第1角パイプ64、及び第2角パイプ66は、枠部44の側部にろう付け、または溶接等で接合されている。第1角パイプ64には、枠部44の第1連通口47に連通する第1孔64Aが形成され、第2角パイプ66には、枠部44の第2連通口48に連通する第2孔66Aが形成されている。
第1角パイプ64の下端、及び第2角パイプ66の下端は夫々閉塞されており、第1角パイプ64の上端は配管70Aに接続され、第2角パイプ66の上端は配管70Bに接続されている。
これにより、本実施形態の熱流動部50は、例えば、熱源104(又は熱利用対象物106)から熱媒体を供給すると、熱媒体は、図8に矢印Aで示すように、第1角パイプ64、第1孔64A、第1連通口47、第1凹部45、第1の開口部76、本体部52の内部、第2の開口部78、第2凹部46、第2連通口48、第2孔66A、及び第2角パイプ66を流れて熱源104(熱利用対象物106)へ戻される。この熱流動部50は、熱媒体が流れる熱交換部42が熱交換器として機能していると共に、熱媒体が流れる枠部44も熱交換器として機能している。
(蓄熱材反応部の蓄熱材層の構成)
図3、及び図4に示すように、枠部44の内側には、蓄熱成形体40が配置されている。蓄熱成形体40には、一例として、アルカリ土類金属の酸化物の1つである酸化カルシウム(CaO:蓄熱材の一例)の成形体が用いられている。この成形体は、例えば、酸化カルシウム粉体をバインダ(例えば粘土鉱物等)と混練し、焼成することで、略矩形ブロック状に形成されている。
ここで、蓄熱成形体40は、水和に伴って膨張して放熱(発熱)し、脱水に伴って蓄熱(吸熱)するものであり、以下に示す反応で放熱、蓄熱を可逆的に繰り返し得る構成とされている。
CaO + HO ⇔ Ca(OH)
この式に蓄熱量、発熱量Qを併せて示すと、
CaO + HO → Ca(OH) + Q
Ca(OH) + Q → CaO + H
となる。
なお、一例として、蓄熱成形体40の1kg当たりの蓄熱容量は、1.86[MJ/kg]とされている。
また、本実施形態において、蓄熱成形体40を構成する蓄熱材の粒径とは、蓄熱材が粉体の場合はその平均粒径、粒状の場合は造粒前の粉体の平均粒径とする。これは、粒が崩壊する場合、前工程の状態に戻ると推定されるためである。
図4、5、8に示すように、熱交換部42の上に載置される蓄熱成形体40は、下側の一部分がカバー110で覆われている。本実施形態のカバー110は、ステンレススチール等の金属板で形成されている。なお、カバー110に用いる金属板は、孔の形成されていない金属板に限らず、孔の形成されている金属板を用いることもできる。但し、孔の形成されている金属板を用いる場合、金属板に形成されている孔は、蓄熱材を通過させない径の小さなものである必要がある。
カバー110は、矩形の枠状に形成された底壁部112を備えており、底壁部112の外周部分には、上方に向けて延びる側壁部114が底壁部112と一体的に設けられている。これにより、蓄熱成形体40は、少なくとも外周側の底面部、及び少なくとも側部の下側の一部分がカバー110で覆われることになる。
図4に示すように、カバー110の高さ寸法hは、枠部44の高さ寸法A以下に設定されている。また、蓄熱成形体40の高さ寸法をB、カバー110の金属板の厚み寸法をC(図示せず)としたときに、A≧B+Cを満足することが好ましい。これにより、熱交換部42の上に蓄熱成形体40を収容した枠部44を搭載した際に、蓄熱成形体40が、枠部44の上面から突出しないようにできる。
カバー110の高さ寸法hは、枠部44と熱交換部42との間に形成されると予想される後述する隙間S(図9参照)よりも余裕を持って大きく設定しておくことが好ましい。
なお、蓄熱成形体40を構成する蓄熱材の粒子がカバー110と枠部44との間から通過しないように、カバー110の外周面(側壁部114)と枠部44の内周面とはできる限り密着させることが好ましい。但し、枠部44の内部にカバー110を挿入できるように、カバー110の外寸と、枠部44の内寸とを決める必要がある。
また、カバー110は、蓄熱成形体40を構成する蓄熱材の粒子の通過を阻止できればよく、カバー110を構成する金属板は薄い方が好ましい。
(蓄熱材反応部、フィルター)
フィルター34は、熱流動部50と反応媒体拡散層36との間に挟まれ、一例としてφ200〔μm〕の微小貫通孔(図示せず)が、フィルター全面に多数形成された金属材料からなるエッチングフィルターである。
そして、フィルター34は、蓄熱成形体40を構成する蓄熱材の平均粒径より小さいろ過精度を有している。これにより、フィルター34は、蓄熱成形体40を構成する蓄熱材の平均粒径より小さい流路を水蒸気が通過するのを許容する一方、平均粒径よりも大きい蓄熱材の通過を制限するようになっている。
ろ過精度とは、ろ過効率が50〜98%となる粒子径のことであり、ろ過効率とは、ある粒子径の粒子に対する除去効率である。
(蓄熱材反応部の反応媒体拡散層)
反応媒体拡散層36は、図7(A)に示すように、金属材料からなる矩形状の天板37と、天板37に固定される金属材料からなる複数の流路部材38とを備えている。流路部材38は、水蒸気が流れる装置幅方向に延び、装置奥行方向に間隔をあけて並んでいる(図7(B)参照)。
夫々の流路部材38は、図7(B)に示すように、天板37に対して下方側に配置され、装置幅方向(矢印W方向)から見てフィルター34(図3参照)側が開放されたU字状とされている。そして、上壁38Bが天板37の下面に溶接されている。
これにより、流路部材38の内側、及び隣り合う流路部材38の間に、蓄熱成形体40へ供給される水蒸気、又は蓄熱成形体40から排出される水蒸気が装置幅方向に沿って流れるようになっている。
(他の部材)
図1に示すように、反応容器22の外部には、熱流動部50の連通先を熱源104とするか、熱利用対象物106とするかを切り替える切替部材108が備えられている。切替部材108と第1角パイプ64,及び第2角パイプ66とは、配管70A,及び70Bを介して接続されている。
これにより、熱源104からの熱媒体を、切替部材108、配管70A、及び第1角パイプ64を介して熱流動部50の内部に流入させ、熱流動部50を通過した後の熱媒体を、第2角パイプ66、及び配管70Bを介して熱源104へ戻すことができる。
また、切替部材108の切り替えにより、熱利用対象物106からの熱媒体を、切替部材108、配管70A、及び第1角パイプ64を介して熱流動部50の内部に流入させ、熱流動部50を通過した後の熱媒体を、第2角パイプ66、及び配管70Bを介して熱利用対象物106へ戻すことができる。
(化学蓄熱システムの作用、効果)
次に、化学蓄熱システム10の作用、効果について説明する。
化学蓄熱システム10において反応器20に蓄熱された熱を蓄熱成形体40から発熱(放熱)させる際には、図1(B)に示すように、切替部材108により配管70A,70Bの各通路の連通先が熱利用対象物106に切り替えられる。さらに、開閉弁19を開放し、この状態で、蒸発凝縮器12の熱媒流路17に中温媒体を流し、液相部16Bの水を蒸発させる。そして、生成された水蒸気Wが連通路14内を矢印D方向に移動して、反応容器22内に供給される。
続いて、反応容器22内では、供給された水蒸気Wが反応媒体流動部26を通り、反応媒体拡散層36を流れる。そして、水蒸気Wがフィルター34を通過して蓄熱成形体40と接触することにより、蓄熱成形体40は、水和反応を生じつつ発熱(放熱)する。この熱は、熱流動部50の内部を流れる熱媒体によって、熱利用対象物106に輸送される。
図8の矢印Aで示すように、熱媒体は、枠部44、及び熱交換部42の内部を流れるので、蓄熱成形体40の下面、及び側面から熱を受けることができ、蓄熱成形体40の熱を効率的に熱媒体に伝達することができる。
一方、化学蓄熱システム10において蓄熱成形体40に熱を蓄熱させる際には、図1(A)に示すように、切替部材108により配管70A,70Bの各通路の連通先が熱源104に切り替えられる。さらに、開閉弁19を開放し、この状態で、熱流動部50の内部に、熱源104によって加熱された熱媒体が流れる。
この場合においても、熱流動部50の内部では、図8の矢印Aで示すように、熱媒体が、枠部44、及び熱交換部42の内部を流れるので、蓄熱成形体40の下面、及び側面へ熱を伝達することができ、熱媒体の熱を効率的に蓄熱成形体40に伝達することができる。
そして、熱流動部50を流れる熱媒体の熱によって蓄熱成形体40が脱水反応を生じ、この熱が蓄熱成形体40に蓄熱される。なお、蓄熱成形体40から離脱された水蒸気Wは、フィルター34から反応媒体拡散層36に流れ込む。反応媒体拡散層36に流れ込んだ水蒸気Wは、反応媒体流動部26を通り、図1(A)に示すように、連通路14を矢印E方向に流れて蒸発凝縮器12内に流れ込む。そして、蒸発凝縮器12の気相部16Aにおいて、熱媒流路17を流れる冷媒によって水蒸気Wが冷却され、凝縮された水が容器16の液相部16Bに貯留される。
ところで、蓄熱成形体40は、当初は、略矩形ブロック状に形成されているが、膨張、収縮が長期に渡って繰り返されることで一部分が崩れて粉体化する場合がある。また、本実施形態の積層ユニット24は、金属製のバンドである拘束部材58で巻回されて各部材が分離したり、各部材間に隙間ができたり、各部材がずれないように拘束されている。しかしながら、蓄熱成形体40は放熱時に膨張するため、膨張時の力によって拘束部材58に力がかかるため、蓄熱成形体40の膨張、収縮が長期に渡って繰り返されると、拘束部材58に伸びが生じ、その結果、図9に示すように、枠部44と熱交換部42との間に隙間Sが生じる場合がある。
しかしながら、本実施形態の積層ユニット24では、蓄熱成形体40と隙間Sとの間にカバー110が介在しているので、仮に蓄熱成形体40が粉体化しても、蓄熱材の粒子はカバー110に阻まれて隙間Sから外部へ漏れ出ることが抑制される。したがって、枠部44の内部に収容した蓄熱成形体40の量が減って蓄熱、及び放熱の性能が低下することが抑制され、反応器20の性能を長期に渡って維持できる。
なお、カバー110が無い場合には、漏れ出た蓄熱材が反応容器22の底部に溜まって下側の反応媒体拡散層36の端部を覆い、反応媒体が反応媒体拡散層36を流れなくなり、最下部の蓄熱成形体40の放熱反応が阻害され、化学蓄熱反応器の性能低下を招く虞があるが、本実施形態では、粉体化した蓄熱材の漏れを抑制することができるため、高性能な反応器20を維持できる。さらに、粉体化した蓄熱材が漏れると、反応媒体を付与した際に、枠部44に収容した蓄熱成形体40よりも、漏れた蓄熱材から放熱反応が始まってしまうため、反応器20として初期放熱の遅れを生じてしまうが、蓄熱材の漏れを抑制することができるため、反応器20の初期放熱の遅れを抑制することができる。
[その他の実施形態]
なお、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明は係る実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態をとることが可能であることは当業者にとって明らかである。
上記実施形態では、枠部44の内部にカバー110が挿入された状態でカバー110が固定されていなかったが、本発明はこれに限らず、予め図10に示すように、カバー110の側壁部114を枠部44にろう付け、または溶接にて接合しておいてもよく、図11に示すように、カバー110の底壁部112を熱交換部42の蓋部材54にろう付け、または溶接にて接合しておいてもよい。
カバー110は、例えば、図12(A)に示すように、金属板からなる矩形の枠状の底壁部112と、長方形の側壁部114とをプレス成形等で形成し、図12(B)に示すように、底壁部112と側壁部114とをろう付け(または溶接)116にて接合することで形成することができる。
また、カバー110は、例えば、図13(A)に示すように、枠状の底壁部112と、長方形の側壁部114とが繋がった形状の部材118をプレス成形等で形成し、図13(B)に示すように、側壁部114を折り曲げて側壁部114の端部同士をろう付け(または溶接)120にて接合することで形成することもできる。また、図示はしないが、カバー110は、金属板をプレスにて絞り加工することで形成することもできる。
上記実施形態のカバー110の底壁部112は枠状であったが、図14に示すように、カバー110は、蓄熱成形体40の下面全体を覆う矩形の底面部122を有するものであってもよい。これにより、蓄熱材の粒子の漏れを抑制する効果を更に高めることができる。
また、上記実施形態のカバー100は、底壁部112、または底面部122の周囲に側壁部114が設けられていたが、図15に示す矩形の平板形状のカバー124であってもよい。図15に示すカバー124は、枠部44と同じ外形寸法に形成されており、枠部44の下面にろう付け、または溶接にて接合されている。なお、カバー124には、枠部44の第1凹部45、及び第2凹部46と対向する位置に、熱媒体が通過するスリット状の開口部126、及び開口部128が形成されている。
なお、カバー110には、フィルター34と同じ金属板を用いることも可能である。
20 反応器(化学蓄熱反応器の一例)
24 積層ユニット
34 フィルター
36 反応媒体拡散層
40 蓄熱材成形体(蓄熱材)
42 熱交換部
44 枠部
51 積層体
110 カバー
112 底壁部
114 側壁部

Claims (6)

  1. 反応媒体と結合することで発熱又は反応媒体が脱離して蓄熱する蓄熱材を内側に収容する枠部と、前記枠部の下側に配置され内部に流れる熱媒体によって前記蓄熱材への熱供給及び前記蓄熱材からの熱回収を行う熱交換部と、前記蓄熱材の上側に配置され反応媒体が流れる反応媒体拡散層と、前記蓄熱材と前記反応媒体拡散層との間に配置され複数の孔が形成されたフィルターとを積層して構成される積層体が複数積層され、前記積層体が拘束部材で拘束された積層ユニットと、
    少なくとも前記蓄熱材の外周側の底面部を覆う底壁部、及び少なくとも前記蓄熱材の側部の下側を覆う側壁部を備えて前記フィルターと対向する側が解放され、前記枠部と前記熱交換部との間から前記枠部の外部への前記蓄熱材の漏れを抑制するカバーと、
    を備えている、化学蓄熱反応器。
  2. 前記カバーの高さ寸法は、前記枠部の高さ寸法よりも小さく設定されている、請求項1に記載の化学蓄熱反応器。
  3. 前記枠部の高さ寸法をA、前記蓄熱材の高さ寸法をB、前記カバーの前記蓄熱材の底面部側の厚みをCとしたときに、
    A≧B+Cを満足する、請求項2に記載の化学蓄熱反応器。
  4. 前記カバーは、孔の形成されていない板材、または前記蓄熱材が通過しない微小孔が形成されている板材で形成されている、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の化学蓄熱反応器。
  5. 前記カバーは、前記枠部、及び前記熱交換部の少なくとも一方に接合されている、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の化学蓄熱反応器。
  6. 前記カバーは、前記蓄熱材の底面部を全て覆っている、請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の化学蓄熱反応器。
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