JP6578889B2 - 反応器、蓄熱システム - Google Patents
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Description
化学蓄熱システム10(蓄熱システムの一例)は、図1及び図2に示されるように、蒸発凝縮器12(媒体器の一例)と、化学蓄熱反応器20(反応器の一例)と、連通路14と、を備えている。以下、蒸発凝縮器12、化学蓄熱反応器20及び連通路14の具体的な構成について説明する。
蒸発凝縮器12は、貯留した水を蒸発させて化学蓄熱反応器20に水蒸気(反応媒体の一例)を供給する蒸発部、化学蓄熱反応器20から受け取った水蒸気を凝縮する凝縮部、及び水蒸気が凝縮されることで生成された水を貯留する貯留部、としての各機能を備えている。具体的には、蒸発凝縮器12は、一例として、以下のように構成される。
連通路14は、蒸発凝縮器12の内部と化学蓄熱反応器20の内部とを連通する通路であり、一端部が蒸発凝縮器12に接続され、他端部が化学蓄熱反応器20に接続されている。
化学蓄熱反応器20は、図3及び図4に示されるように、反応容器22と、反応容器22内に配置され複数の部材が積層されて構成された積層体30と、を備えている。以下、反応容器22及び積層体30の具体的な構成について説明する。
反応容器22は、ステンレス鋼板等で形成され、上下方向を軸方向とする円筒状の本体部22Aと、本体部22Aの上端を閉止する板状の上蓋部材22Bと、本体部22Aの下端を閉止する板状の下蓋部材22Cと、備えている。そして、本体部22Aと上蓋部材22B、及び本体部22Aと下蓋部材22Cとが溶接されることで、本体部22Aと上蓋部材22Bとの間、及び本体部22Aと下蓋部材22Cとの間がシールされている。
積層体30は、図5及び図6に示されるように、一対のエンドプレート90、91と、一対のエンドプレート90、91の間に配置された一対の熱交換器50、51と、一対の熱交換器50、51の間に配置された一対の蓄熱材32、33と、を備えている。また、積層体30は、一対の蓄熱材32、33の間に配置された一対のフィルタ34、35と、一対のフィルタ34、35の間に配置された蒸気流路形成部材40(流路形成部の一例)と、蓄熱材32、33を囲む枠状の拘束枠60、61と、を備えている。
エンドプレート90、91は、図7に示されるように、積層方向から見て矩形状の本体部92と、本体部92の四隅から突出する4個の突出部94と、を備えている。4個の突出部94のそれぞれには、上下方向に貫通する貫通孔94Aが形成されている。
蓄熱材32、33には、一例として、アルカリ土類金属の酸化物の1つである酸化カルシウム(CaO)の成形体が用いられている。この成形体は、例えば、酸化カルシウム粉体(粒状体)をバインダ(例えば粘土鉱物等)と混練し、焼成することで、図8に示されるように、直方体状に形成されている。
この式に蓄熱量、発熱量Qを併せて示すと、
CaO + H2O → Ca(OH)2 + Q
Ca(OH)2 + Q → CaO + H2O
となる。
熱交換器50は、図6に示されるように、蓄熱材32の下側(片側)に積層されており、蓄熱材32との間で熱交換する構成とされている。熱交換器51は、蓄熱材33の上側(片側)に積層されており、蓄熱材33との間で熱交換する構成とされている。
蒸気流路形成部材40は、図5及び図6に示されるように、蓄熱材32に対する熱交換器50とは反対側であって、蓄熱材33に対する熱交換器51とは反対側に、積層されている。この蒸気流路形成部材40は、蓄熱材32、33へ供給される水蒸気、又は蓄熱材32、33から排出される水蒸気が流通する流路が形成された部材である。具体的には、蒸気流路形成部材40は、図12(A)に示されるように、フレーム部材46と、フレーム部材46に取り付けられると共に平面視にて矩形状の4個の流路部材48と、を備えている。
フィルタ34、35は、図5及び図6に示されるように、蒸気流路形成部材40と蓄熱材32との間及び蒸気流路形成部材40と蓄熱材33との間のそれぞれで挟まれている。フィルタ34、35は、貫通孔が多数形成されたエッチングフィルタで構成されている。
拘束枠60、61は、図6及び図8に示されるように、積層体30の積層方向(上下方向)に見て蓄熱材32、33を囲む枠状とされている。拘束枠60、61は、蓄熱材32、33の上端から下端までの上下方向の長さを有しており、蓄熱材32、33の上端から下端までの範囲で蓄熱材32、33を囲んでいる。
次に、化学蓄熱システム10の作用について説明する。
積層体30は、例えば、以下のように組み立てられる(形成される)。すなわち、図6に示されるように、下側から、エンドプレート90、熱交換器50、蓄熱材32を含む拘束枠60、フィルタ34、蒸気流路形成部材40、フィルタ35、蓄熱材33を含む拘束枠61、熱交換器51、エンドプレート91の順で重ねる(積層する)。このとき、熱交換器50、51の本体部52における積層方向の一部が、枠状の制限部68、69の内側に収容された状態で、積層体30の各部材が重ねられる。
図15及び図16に示されるように、拘束枠60は、本体部165と、張出部167と、を有する構成であってもよい。本体部165は、制限部68の上側に配置され、制限部68の上端に接続されて制限部68と一体に形成された枠状の部分である。張出部167は、本体部165の内壁に形成され、制限部68よりも拘束枠60(本体部165)の内周側へ向けて張り出した部分である。この張出部167の下端面(積層方向の端面の一例)は、熱交換器50の拘束枠60側の表面に接触している。
図18に示されるように、熱交換器50のフランジ部54の外周面54Sが、制限部68の外周面68Sよりも制限部68の内側に位置する構成であってもよい。外周面54Sが外周面68Sよりも制限部68の内側に位置することで、フランジ部54を含めた熱交換器50の外寸は、拘束枠60の外寸よりも小さくされている。
図19に示されるように、熱交換器50は、フランジ部54が形成されていない構成であってもよい。この構成では、例えば、制限部68の下端面は、熱交換器50の下面と同一面上に配置されている。
図21に示されるように、フランジ部54が、熱交換器50、51の上下方向中央部に形成されていてもよい。なお、熱交換器51においても同様に構成することができる。
図22に示されるように、制限部68は、第一対向部68A、68Cを有せず、第二対向部68B、68Dのみを有する構成であってもよい。すなわち、制限部68としては、第一対向部68A、68C及び第二対向部68B、68Dの少なくとも一つを有していればよい。また、第一対向部68A、68C及び第二対向部68B、68Dは、熱交換器50、51の当たる側面の横幅よりも小さくてもよい。
本実施形態では、積層体30は、一対の熱交換器50、51と、一対の蓄熱材32、33と、一対のフィルタ34、35と、蒸気流路形成部材40と、拘束枠60、61と、を備えていたが、これに限られない。積層体30は、少なくとも、1つの熱交換器と、1つの蓄熱材と、1つの拘束枠と、を有していればよい。
12 蒸発凝縮器(媒体器の一例)
20 化学蓄熱反応器(反応器の一例)
32、33 蓄熱材
40 蒸気流路形成部材(流路形成部の一例)
52 本体部(熱交換部の一例)
54 フランジ部(接触部の一例)
60、61 拘束枠
68、69 制限部
167 張出部
Claims (8)
- 反応媒体と結合して発熱する、又は反応媒体が脱離して蓄熱する蓄熱材と、
前記蓄熱材の片側に積層され、前記蓄熱材との間で熱交換する熱交換部と、
前記熱交換部と前記蓄熱材との積層方向に見て前記蓄熱材を囲む拘束枠と、
前記蓄熱材よりも前記熱交換部側へ前記積層方向に沿って延出するように前記拘束枠に形成され、前記積層方向に直交する直交方向の少なくとも一方向で前記熱交換部に当たって当該一方向への前記熱交換部の移動を制限する制限部と、
を備え、
前記拘束枠は、
前記制限部よりも前記拘束枠の内周側へ向けて張り出し、且つ前記積層方向の端面が前記熱交換部に接触する張出部を有する
反応器。 - 前記直交方向に沿って前記熱交換部から外側に張り出すように前記熱交換部に形成され、前記制限部の延出方向の先端面に接触する接触部、
を備える請求項1に記載の反応器。 - 前記接触部を含めた前記熱交換部は、前記積層方向に見て、前記拘束枠の外周側へはみ出さない
請求項2に記載の反応器。 - 前記制限部の延出方向の先端部は、前記熱交換部よりも当該延出方向にはみ出さない
請求項1〜3のいずれか1項に記載の反応器。 - 前記制限部は、前記一方向及びその反対方向で前記熱交換部に当たって、当該一方向及び当該反対方向への前記熱交換部の移動を制限する
請求項1〜4のいずれか1項に記載の反応器。 - 前記制限部は、前記積層方向及び前記一方向に対して直交する方向及びその反対方向で前記熱交換部に当たって、当該直交する方向及び当該反対方向への前記熱交換部の移動を制限する
請求項5に記載の反応器。 - 前記制限部は、前記積層方向に見て枠状に形成されている
請求項6に記載の反応器。 - 請求項1〜7のいずれか1項に記載の反応器と、
前記反応器と連通し、前記反応器への反応媒体の供給及び前記反応器からの反応媒体の受け取りのうち少なくとも一方を行う媒体器と、
を有する蓄熱システム。
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