JP2017161202A - 化学蓄熱反応器、及び化学蓄熱システム - Google Patents

化学蓄熱反応器、及び化学蓄熱システム Download PDF

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Abstract

【課題】化学蓄熱反応器において、蓄熱密度を高くし、且つ軽量化を図る。【解決手段】反応器の容器に収納される積層ユニット24は、蓄熱材層、フィルタ、反応媒体拡散層からなる蓄熱材反応部30が熱流動部50と熱流動部50との間に配置され、熱流動部50と熱流動部50とが、蓄熱材層、フィルタ、及び反応媒体拡散層の中央部を貫通する第1拘束部材92で連結されている。【選択図】図3

Description

本発明は、化学反応によって蓄熱する化学蓄熱反応器、及び化学蓄熱システムに関する。
特許文献1に記載の構成では、蓄熱材層、フィルタ、反応媒体拡散層、及び熱交換部が積層されることで化学蓄熱反応器の積層体が形成されており、その積層体が複数個積層された積層ユニットが容器内に収容されている。
積層ユニットの側面の外側には、熱交換部に外部から熱媒体を供給する配管等の熱媒流路が設けられている。また、蓄熱材で生じた積層方向の膨張力によってフィルタ、反応媒体拡散層、及び熱交換部が変形しないように積層ユニットの外側に配置した拘束部材で蓄熱材層、フィルタ、反応媒体拡散層、及び熱交換部を拘束している。
特開2014−126293号公報
ところで、積層ユニットの側面の外側に、熱交換部に外部から熱媒体を供給する配管等の熱媒流路を設けると、積層ユニットの側面から配管等の熱媒流路が突出することになるため、熱媒流路が容器内面に当たらないようにするためには容器を大型化する必要があり、容器の内容積が大きくなる。容器の内容積が大きくなると、容器の内容積に占める蓄熱材の蓄熱量である蓄熱密度が低下する。
また、積層体に、熱媒流路と拘束部材とを取り付ける必要があるため、部品点数が多く、重量が増加する。
本願発明の課題は、化学蓄熱反応器、及び化学蓄熱システムにおいて、蓄熱密度を高くし、且つ軽量化を図ることである。
請求項1に記載の化学蓄熱反応器は、反応媒体と結合することで膨張し発熱又は反応媒体が脱離して蓄熱する蓄熱材が内部に配置されている蓄熱材層、前記蓄熱材層の一方側に配置され、反応媒体が流れる反応媒体拡散層、前記蓄熱材層と前記反応媒体拡散層との間に配置され、複数の細孔が形成されたフィルタ、及び前記蓄熱材層の前記フィルタとは反対側に積層され、内部に熱媒体が流れる空間を有する第1の熱交換部を含んで構成される積層体と、前記積層体に対して、前記第1の熱交換部とは反対側に配置されて前記第1の熱交換部との間で前記蓄熱材層、前記反応媒体拡散層、及び前記フィルタを挟持し、内部に熱媒体が流れる空間を有し、前記熱媒体によって前記蓄熱材への熱供給及び前記蓄熱材からの熱回収のうち少なくとも一方を行う第2の熱交換部と、を含んで構成される積層ユニットと、前記積層ユニットを内部に収容する容器と、積層された前記蓄熱材層、前記反応媒体拡散層、及び前記フィルタを貫通して前記第1の熱交換部と前記第2の熱交換部とを連結し、内部に前記第1の熱交換部の内部空間と前記第2の熱交換部の内部空間とを連通すると共に、前記第1の熱交換部の内部空間と前記第2の熱交換部の内部空間に対して前記積層体の外部から前記熱媒体を出入りさせる熱媒流路を備えた第1拘束部材と、を備える。
請求項1の積層ユニットでは、第1の熱交換部と第2の熱交換部との間に、蓄熱材層、反応媒体拡散層、フィルタが配置されている。蓄熱材層の蓄熱材が膨張した際、蓄熱材の膨張力が積層方向に伝達される。しかし、蓄熱材の積層方向両側方向に位置する第1の熱交換部と第2の熱交換部とが第1拘束部材で連結されているので、第1拘束部材の積層方向の引っ張り強度を利用して、第1の熱交換部と第2の熱交換部とが積層方向に離間すること、即ち、第1の熱交換部と第2の熱交換部との間隔が広くなることが抑制される。また、第1の熱交換部と第2の熱交換部との間に配置されるフィルタ、反応媒体拡散層等の変形も、これらの積層方向両側に配置される第1の熱交換部と第2の熱交換部とで抑制される。
また、請求項1の積層ユニットでは、第1拘束部材が積層ユニットの側面の外側に配置されておらず、蓄熱材層、反応媒体拡散層、及びフィルタを貫通しているので、積層ユニットの側面と容器内面との間隔を狭くすることができ、積層ユニットを収容する容器を小さくして、容器の内容積を小さくすることができる。これにより、容器の内容積に占める蓄熱材の蓄熱量である蓄熱密度を高くすることができる。
さらに、請求項1の積層ユニットでは、第1拘束部材が、第1の熱交換部と第2の熱交換部に対して外部から熱媒体を供給する熱媒流路としての機能と、蓄熱材層、フィルタ、反応媒体拡散層を熱交換部で拘束するための拘束部材としての機能とを有しているため、熱媒流路と拘束部材とを別々の部品で構成する場合に比較して部品点数が少なくなり、軽量化を図ることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の化学蓄熱反応器において、前記第1拘束部材は、前記積層体の中心部を貫通している、
蓄熱層の蓄熱材は、積層方向から見て、中心部の膨張力が大きくなる傾向にある。請求項2に記載の化学蓄熱反応器では、第1拘束部材が、積層体の中心部を貫通しており、蓄熱材層における蓄熱材の膨張力が大きくなる部分に対応して配置されるので、蓄熱材に隣接する部材の変形を効果的に抑えることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の化学蓄熱反応器において、積層方向と交差する方向に離間した複数の前記第1拘束部材を有している。
請求項3に記載の化学蓄熱反応器では、膨張力の大きく掛る部分が複数箇所以上あるような場合に、膨張力の大きく掛るそれぞれの部分に対応して第1拘束部材を配置することができ、蓄熱材の膨張力による変形を効率的に抑えることができる。
また、複数の第1拘束部材によって、熱媒体と蓄熱材との間で熱の授受を行うことができるので、第1拘束部材が1個の場合に比較して、迅速かつ効率的に熱の授受を行うことがきる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の化学蓄熱反応器において、前記積層ユニットの積層方向に向けて延びると共に前記積層ユニットの外面に沿って配置され、前記第1の熱交換部、前記第2の熱交換部、前記蓄熱材層、前記反応媒体拡散層、及び前記フィルタの積層方向とは交差する方向に移動を拘束する第2拘束部材を有する。
請求項4に記載の化学蓄熱反応器では、熱媒流路付き第1の拘束部材に加え、第2の拘束部材を備えているので、蓄熱材の膨張力による変形をより抑えることができる。なお、第2の拘束部材は、補助的に設けられているので、例えば、薄い帯状の部材で形成することができ、積層ユニットの側面から外側に突出する寸法を小さく抑えることができる。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の化学蓄熱反応器において、前記第1拘束部材と前記第2拘束部材とが接合されている。
請求項5に記載の化学蓄熱反応器では、第1拘束部材と第2拘束部材とを接合しているので、第1拘束部材と第2拘束部材とを接合しない場合に比較して、蓄熱材の膨張力による変形をより抑えることができる。
請求項6に記載の化学蓄熱システムは、請求項1〜5の何れか1項に記載の化学蓄熱反応器と、前記化学蓄熱反応器の前記反応媒体拡散層への反応媒体の供給及び前記反応媒体拡散層からの反応媒体の受け取りのうち少なくとも一方を行う蒸発凝縮器と、を有する。
請求項6に記載の化学蓄熱システムは、請求項1〜5の何れか1項に記載の化学蓄熱反応器を備えているため、高蓄熱密度と軽量化が可能となる。
本発明の化学蓄熱反応器、及び化学蓄熱システムによれば、高蓄熱密度と軽量化が可能となる。
(A)、(B)は、第1実施形態に係る化学蓄熱システムを示した構成図である。 第1実施形態に係る反応器を示した斜視図である。 第1実施形態に係る反応器に備えられた積層ユニットを示した斜視図である。 第1実施形態に係る反応器に備えられた積層体を示した分解斜視図である。 (A)は第1実施形態に係る反応器に備えられた反応媒体拡散層を示した斜視図であり、(B)は反応媒体拡散層を示した側面図である。 第1実施形態に係る反応器に備えられた熱流動部を示した斜視図である。 (A)は図6に示した熱流動部の本体部を示した平面図であり、(B)は本体部の断面図(図7(A)の7B−7B線断面図)であり、(C)は、変形例に係る本体部を示す断面図である。 (A)は熱流動部と熱流動部とを第1拘束部材で接合した状態を示す斜視図であり、(B)はその平面図であり、(C)はその側面図である。 熱流動部と熱流動部とを第1拘束部材で接合した状態を示す縦断面図である。 (A)〜(E)は、蓄熱材層、及び反応媒体拡散層の組立手順を示す説明図である。 第2の実施形態に係る積層ユニットを示す斜視図である。 (A)は第3の実施形態に係る熱流動部と熱流動部とを第1拘束部材で接合した状態を示す斜視図であり、(B)はその平面図である。 (A)は第4の実施形態に係る熱流動部を示す平面図であり、(B)は熱流動部の本体部を示す平面図であり、(C)は熱流動部を示す斜視図である。 第5の実施形態に係る熱流動部と熱流動部とを第1拘束部材で接合した状態を示す斜視図である。 (A)は第5の実施形態に係る熱流動部を示す平面図であり、(B)は第5実施形態に係る熱流動部の本体部の内部を示す平面図である。
[第1実施形態]
図1乃至図10にしたがって、本発明の第1実施形態に係る化学蓄熱システム10を説明する。なお、図中に示す矢印Hは装置上下方向(鉛直方向、積層方向)を示し、矢印Wは装置幅方向(水平方向)を示し、矢印Dは装置奥行方向(水平方向)を示す。
(全体構成)
図1(A)、(B)に示すように、本実施形態に係る化学蓄熱システム10は、水を蒸発させる蒸発器と水蒸気(反応媒体の一例)Wを凝縮させる凝縮器とが一体化された蒸発凝縮器12と、化学蓄熱反応器の一例としての反応器20と、蒸発凝縮器12と反応器20とを連通する連通路14とを含んで構成されている。
(蒸発凝縮器)
蒸発凝縮器12は、貯留した水を蒸発させて反応器20に供給する(水蒸気Wを生成する)蒸発部、反応器20から受け取った水蒸気Wを凝縮する凝縮部、及び水蒸気Wが凝縮された水を貯留する貯留部、としての各機能を備えている。
また、蒸発凝縮器12は、内部に水が貯留される容器16を備えており、この容器16内には、水蒸気Wを凝縮する、又は水を蒸発するのに用いる熱媒流路17の一部が配置されている。さらに、熱媒流路17は、容器16内における少なくとも気相部16Aを含む部分で熱交換を行うように配置されている。そして、凝縮時には低温媒体、蒸発時には中温媒体が、熱媒流路17を流れるようになっている。
(連通路)
連通路14は、蒸発凝縮器12(容器16)と反応器20(後述する反応容器22)との連通、非連通を切り替えるための開閉弁19を備えている。そして、容器16、反応容器22、連通路14、及び開閉弁19は、互いの接続部位が気密に構成されており、これらの内部空間が予め真空脱気されている。
(反応器)
反応器20は、図2に示すように、反応容器22を備え、反応容器22の内部に図3に示す積層ユニット24が収容されている。
(反応容器)
図2に示すように、反応容器22は、直方体状とされ、上方側が開放される箱状の本体部22Aと、蓋部材22Bとを備えている。そして、反応容器22の内部は、水蒸気(反応媒体の一例)が流れる反応媒体流動部26とされ、前述したように内部が真空脱気されている。
(積層ユニットにおける蓄熱材反応部の全体構成)
図3に示すように、積層ユニット24は、発熱又は蓄熱する蓄熱材反応部30と蓄熱材反応部30の下側に積層された熱流動部50とを含んで構成される積層体51が、装置上下方向に複数個(本実施形態では3個)積層されており、最上部の積層体51の上側にも熱流動部50が積層されている。
図4に示すように、蓄熱材反応部30は、蓄熱材層32と、蓄熱材層32に上方側から積層されるフィルタ34と、フィルタ34に上方側から積層される反応媒体拡散層36とを備えている。
そして、蓄熱材層32、フィルタ34、及び反応媒体拡散層36は、装置上下方向から見て同様の矩形状(本実施形態では正方形)とされ、本実施形態においては、装置上下方向に並んで非接合状態(溶接などで固定されていない状態)で積層されている(所謂積層構造)。
(蓄熱材反応部の蓄熱材層の構成)
蓄熱材層32は、ブロック状に形成された複数個の蓄熱成形体40と、金属材料で形成され、蓄熱成形体40が内部に配置される枠状の拘束枠の一例としてのフレーム部材44とを備えている。
蓄熱成形体40には、一例として、アルカリ土類金属の酸化物の1つである酸化カルシウム(CaO:蓄熱材の一例)の成形体が用いられている。この成形体は、例えば、酸化カルシウム粉体をバインダ(例えば粘土鉱物等)と混練し、焼成することで、略矩形ブロック状に形成されている。
ここで、蓄熱成形体40は、水和に伴って膨張して放熱(発熱)し、脱水に伴って蓄熱(吸熱)するものであり、以下に示す反応で放熱、蓄熱を可逆的に繰り返し得る構成とされている。
CaO + H2O ⇔ Ca(OH)2
この式に蓄熱量、発熱量Qを併せて示すと、
CaO + H2O → Ca(OH)2 + Q
Ca(OH)2 + Q → CaO + H2O
となる。
なお、一例として、蓄熱成形体40の1kg当たりの蓄熱容量は、1.86[MJ/kg]とされている。
また、本実施形態において、蓄熱成形体40を構成する蓄熱材の粒径とは、蓄熱材が粉体の場合はその平均粒径、粒状の場合は造粒前の粉体の平均粒径とする。これは、粒が崩壊する場合、前工程の状態に戻ると推定されるためである。
フレーム部材44は、装置上下方向から見て矩形枠状とされており、コ字状の第1部材44Aと、第1部材44Aの両端部を連結する第2部材44Bとを含んで構成されている。第2部材44Bは、第1部材44Aに対してボルト45で着脱可能に取り付けられている。
本実施形態では、フレーム部材44の内部に、24個の蓄熱成形体40が、フレーム部材44の中央部分を除いて密に配置されるようになっている。なお、蓄熱成形体40の配置されないフレーム部材44の中央部分には、後述する第1拘束部材92が配置される。これにより、蓄熱成形体40における水平方向(板厚方向に対して直交する直交方向)の動きは、フレーム部材44、及び第1拘束部材92によって拘束されるようになっている。そして。フレーム部材44の装置上下方向の寸法(厚み寸法)は、水和反応に伴って蓄熱成形体40が膨張した際の密度が、予め決められた蓄熱成形体40の設定密度になるように決められている。
(蓄熱材反応部、フィルタ)
フィルタ34は、反応媒体拡散層36と蓄熱材層32との間に挟まれ、一例としてφ200〔μm〕の微小貫通孔(図示せず)が、フィルタ全面に多数形成された金属材料からなるエッチングフィルターである。
そして、フィルタ34は、蓄熱成形体40を構成する蓄熱材の平均粒径より小さいろ過精度を有している。これにより、フィルタ34は、蓄熱成形体40を構成する蓄熱材の平均粒径より小さい流路を水蒸気が通過するのを許容する一方、平均粒径よりも大きい蓄熱材の通過を制限するようになっている。
ろ過精度とは、ろ過効率が50〜98%となる粒子径のことであり、ろ過効率とは、ある粒子径の粒子に対する除去効率である。
フィルタ34は、後述する第1拘束部材92を貫通させるための矩形孔35が中央に形成されており、また、2つのフィルタ片34Aに装置幅方向(矢印W方向)中央部から装置幅方向に2分割可能となっている。
(蓄熱材反応部の反応媒体拡散層)
反応媒体拡散層36は、図5(A)に示すように、金属材料からなる矩形状の天板37と、天板37に固定される金属材料からなる複数の流路部材38とを備えている。流路部材38は、水蒸気が流れる装置幅行方向に延び、装置奥行方向に間隔をあけて並んでいる(図5(B)参照)。
夫々の流路部材38は、図5(B)に示すように、天板37に対して下方側に配置され、装置幅方向(矢印W方向)から見てフィルタ34(図4参照)側が開放されたU字状とされている。そして、上壁38Bが天板37の下面に溶接されている。
これにより、流路部材38の内側、及び隣り合う流路部材38の間に、蓄熱材層32の
蓄熱成形体40へ供給される水蒸気、又は蓄熱材層32の蓄熱成形体40から排出される水蒸気が装置幅方向に沿って流れるようになっている。
反応媒体拡散層36は、後述する第1拘束部材92を貫通させるための矩形孔39が中央に形成されており、また、2つの反応媒体拡散層片36Aに装置奥行方向(矢印D方向)中央部から装置奥行方向に2分割可能となっている。
(熱流動部)
熱流動部50は、図6、及び図7(A),(B)に示すように、上方が開口した略箱形状とされ、装置上下方向から見て矩形状の本体部52と、本体部52の開口部を覆い本体部52の内部を密閉する蓋部材54とを含んで構成されている。
図7(A),(B)に示すように、本体部52の内部は、装置幅方向(矢印W方向)の中央に形成され、装置奥行方向(矢印D方向)に延びる仕切り壁56を介して一方側の第1熱媒体通過室58と、他方側の第2熱媒体通過室60とに区画されている。
本体部52の底部、即ち、第1熱媒体通過室58の底部、及び第2熱媒体通過室60の底部には、仕切り壁56と平行に配置された複数の放熱フィン62が、装置幅方向に間隔を開けて溶接されている。放熱フィン62は、装置幅方向から見て上方側(蓋部材側)が開放された略U字状とされている。
また、本体部52の底部には、仕切り壁56に最も近い放熱フィン62と、仕切り壁56との間に、仕切り壁56と平行に第1隔壁64が形成されている。さらに、本体部52の底部には、仕切り壁56の長手方向中央部分と、第1隔壁64の長手方向中央部分とを連結する第2隔壁66が形成されている。
ここで、第1熱媒体通過室58において、仕切り壁56と第1隔壁64との間で、且つ第2隔壁66の矢印D方向側は、第1流路68とされ、仕切り壁56と第1隔壁64との間で、且つ第2隔壁66の矢印D方向とは反対方向側は、第2流路70とされている。
一方、第2熱媒体通過室60において、仕切り壁56と第1隔壁64との間で、且つ第2隔壁66の矢印D方向側は、第3流路72とされ、仕切り壁56と第1隔壁64との間で、且つ第2隔壁66の矢印D方向とは反対方向側は、第4流路74とされている。
本体部52の底部には、第1流路68の本体部中央側の端部に連通する本体側第1の開口部76と、第2流路70の本体部中央側の端部に連通する本体側第2の開口部78と、第3流路72の本体部中央側の端部に連通する本体側第3の開口部80と、第4流路74の本体部中央側の端部に連通する本体側第4の開口部82が形成されている。
図6に示すように、蓋部材54の中央には、本体側第1の開口部76(図6では図示せず)と対向する位置に蓋部材側第1の開口部84と、本体側第2の開口部78(図6では図示せず)と対向する位置に蓋部材側第2の開口部86と、本体側第3の開口部80(図6では図示せず)と対向する位置に蓋部材側第3の開口部88と、本体側第4の開口部82(図6では図示せず)と対向する位置に蓋部材側第4の開口部90とが形成されている。
なお、熱流動部50は、金属材料で形成され、蓄熱成形体40からの圧力によって変形しないように、フィルタ34、反応媒体拡散層36よりも高い曲げ剛性を有している。
(第1拘束部材)
図3、図8、及び図9に示すように、これら複数の熱流動部50は、中央部分が金属材料で形成された角柱状の第1拘束部材92で連結されている。また、最上部の熱流動部50においては、蓋部材54の中央部分に第1拘束部材92が取り付けられている。図9に示すように、第1拘束部材92は、本体部52、及び蓋部材54に溶接(又はろう付け)55により接合されている。即ち、複数の熱流動部50と第1拘束部材92とは一体化しており、熱流動部50と熱流動部50との間隔が一定に保たれている。そして、一定の間隔に保たれた熱流動部50と熱流動部50との間に、蓄熱材反応部30(蓄熱材層32、フィルタ34、反応媒体拡散層36)が配置されている。
図6、図8、及び図9に示すように、角柱状に形成された第1拘束部材92には、本体側第1の開口部76と蓋部材側第1の開口部84とに連通する第1熱媒流路94、本体側第2の開口部78と蓋部材側第2の開口部86とに連通する第2熱媒流路96、本体側第3の開口部80と蓋部材側第3の開口部88とに連通する第3熱媒流路98、本体側第4の開口部82と蓋部材側第4の開口部90とに連通する第4熱媒流路100が、軸方向(装置上下方向)に沿って形成されている。
(第2拘束部材)
図3に示すように、積層ユニット24には、縦に配置された無端のベルト状に形成された4本の第2拘束部材102が積層ユニット24を囲むように巻回されている。第2拘束部材102は、ステンレススチール等の金属薄板で形成されている。
4本の第2拘束部材102の内の2本は、装置上下方向(矢印H方向)、及び装置奥行方向(矢印D方向)を周方向とし、他の2本は、装置上下方向(矢印H方向)、及び装置幅方向(矢印W方向)を周方向としており、各第2拘束部材102は、積層ユニット24の上面、下面、及び側面に接触している。
(他の部材)
図1に示すように、反応容器22の外部には、熱流動部50の連通先を熱源104とするか、熱利用対象物106とするかを切り替える切替部材108が備えられている。
図1、及び図2に示すように、積層ユニット24の最上部の熱流動部50の上部に接合された第1拘束部材92は、反応容器22の蓋部材22Bを貫通し、蓋部材22Bの上方に突出している。蓋部材22Bの上方に突出した第1拘束部材92と切替部材108とは複数本の配管を介して接続されている。
ここで、熱源104からの熱媒体を、切替部材108、第1拘束部材92の第2熱媒流路96、及び第3熱媒流路98を介して熱流動部50の内部に流入させ、熱流動部50を通過した後の熱媒体を、第1拘束部材92の第1熱媒流路94、及び第4熱媒流路100を介して熱源104へ戻すことができる。
また、切替部材108の切り替えにより、熱利用対象物106からの熱媒体を、切替部材108、第1拘束部材92の第2熱媒流路96、及び第3熱媒流路98を介して熱流動部50の内部に流入させ、熱流動部50を通過した後の熱媒体を、第1拘束部材92の第1熱媒流路94、及び第4熱媒流路100を介して熱利用対象物106へ戻すことができる。
(積層ユニットの組立手順)
以下に、積層ユニット24の組立手順の概要を説明する。
(1) 先ず、熱流動部50に第1拘束部材92を溶接55で接合し、図8に示すように、複数の熱流動部50を第1拘束部材92で連結して一体化する。
(2) 次に、図10(A)〜(C)に示すように、熱流動部50の上で、蓄熱材層32の組み立てを行う。先ず、図10(A)に示すように、熱流動部50の上にコ字状の第2部材44Bを配置すると共に、ブロック状の蓄熱成形体40を順に配置し、図10(B)に示すように、第2部材44Bの内側に蓄熱成形体40を敷き詰める。その後、第1部材44Aの側方の開口部分を塞ぐように第2部材44Bを配置し、図10(C)に示すように、第2部材44Bをボルト45で第1部材44Aに固定する。このようにして、熱流動部50の上に蓄熱材層32が組み付けられる。なお、蓄熱材層32の中央部に第1拘束部材92が貫通しているので、蓄熱材層32が熱流動部50に対して水平方向にずれることは無い。
(3) 次に、図10(D)に示すように、蓄熱材層32の上に、2つのフィルタ片34Aを向かい合わせて配置する。なお、一方のフィルタ片34Aと他方のフィルタ片34Aとを向かい合わせて当接させ後、一方のフィルタ片34Aと他方のフィルタ片34Aとの当接部分の外周縁を点状に溶接又はろう付けすることで、一方のフィルタ片34Aと他方のフィルタ片34Aとの分離を抑制することができる。
(4) 次に、図10(E)に示すように、フィルタ34の上に、2つの反応媒体拡散層片36Aを向かい合わせて配置する。なお、一方の反応媒体拡散層片36Aと他方の反応媒体拡散層片36Aとを向かい合わせて当接させ後、一方の反応媒体拡散層片36Aと他方の反応媒体拡散層片36Aとの当接部分の外周縁を点状に溶接又はろう付けすることで、一方の反応媒体拡散層片36Aと他方の反応媒体拡散層片36Aとの分離を抑制することができる。
これにより、熱流動部50と熱流動部50との間に、蓄熱材層32、フィルタ34、及び反応媒体拡散層36からなる蓄熱材反応部30が組み付けられる。
(4) その後、図3に示すように、積層ユニット24を囲むように4本の第2拘束部材102を巻回する。
(化学蓄熱システムの作用、効果)
次に、化学蓄熱システム10の作用、効果について説明する。
化学蓄熱システム10において反応器20に蓄熱された熱を蓄熱材層32から発熱(放熱)させる際には、図1(B)に示すように、切替部材108により第1拘束部材92の各通路の連通先が熱利用対象物106に切り替えられる。さらに、開閉弁19を開放し、この状態で、蒸発凝縮器12の熱媒流路17に中温媒体を流し、液相部16Bの水を蒸発させる。そして、生成された水蒸気Wが連通路14内を矢印D方向に移動して、反応容器22内に供給される。
続いて、反応容器22内では、供給された水蒸気Wが反応媒体流動部26を通り、反応媒体拡散層36を流れる。そして、水蒸気Wがフィルタ34を通過して蓄熱材層32の蓄熱成形体40と接触することにより、蓄熱材層32の蓄熱成形体40は、水和反応を生じつつ発熱(放熱)する。この熱は、熱流動部50の内部を流れる熱媒体によって、熱利用対象物106に輸送される。
図7、及び図9に示すように、熱流動部50の内部では、第1熱媒体通過室58の内部と第2熱媒体通過室60の内部において、熱媒体が矢印A方向に流れる。熱流動部50の内部には放熱フィン62が設けられており、熱媒体はこの放熱フィン62の間を通過するので、蓄熱成形体40の熱を効率的に熱媒体に伝達することができる。
一方、化学蓄熱システム10において蓄熱材層32の蓄熱成形体40に熱を蓄熱させる際には、図1(A)に示すように、切替部材108により第1拘束部材92の各通路の連通先が熱源104に切り替えられる。さらに、開閉弁19を開放し、この状態で、熱流動部50の内部に、熱源104によって加熱された熱媒体が流れる。
この場合においても、熱流動部50の内部では、第1熱媒体通過室58の内部と第2熱媒体通過室60の内部において、熱源104によって加熱された熱媒体が矢印A方向に流れ、熱媒体の熱を効率的に蓄熱成形体40に伝達することができる。
そして、熱流動部50の第1熱媒体通過室58と第2熱媒体通過室60を流れる熱媒体の熱によって蓄熱成形体40が脱水反応を生じ、この熱が蓄熱成形体40に蓄熱される。
さらに、蓄熱成形体40から離脱された水蒸気Wは、フィルタ34から反応媒体拡散層36に流れ込む。反応媒体拡散層36に流れ込んだ水蒸気Wは、反応媒体流動部26を通り、図1(A)に示すように、連通路14を矢印E方向に流れて蒸発凝縮器12内に流れ込む。
そして、蒸発凝縮器12の気相部16Aにおいて、熱媒流路17を流れる冷媒によって水蒸気Wが冷却され、凝縮された水が容器16の液相部16Bに貯留される。
本実施形態の積層ユニット24においては、第1拘束部材92で連結された熱流動部50と熱流動部50との間に蓄熱材層32、フィルタ34、及び反応媒体拡散層36が挟持されている。これにより、蓄熱成形体40が水蒸気Wと接触して膨張した際に、熱流動部50の高い曲げ剛性と、第1拘束部材92の積層方向の引っ張り強度とを利用して、熱流動部50と熱流動部50との間に積層されている各部材の変形や積層方向の間隔が変化しまうのを抑制し、蓄熱材反応部30と熱流動部50との間での熱交換効率が低下するのを抑制することができる。
また、第1拘束部材92は、熱流動部50と熱流動部50との間に配置されている蓄熱材層32、フィルタ34、及び反応媒体拡散層36の中央部を貫通しているので、これら蓄熱材層32、フィルタ34、及び反応媒体拡散層36の水平方向、即ち、装置幅方向(矢印W方向)、及び装置奥行方向(矢印D方向)のずれを抑制することができる。このため、仮に蓄熱材が粉体化しても、蓄熱材層32の水平方向のずれに起因する蓄熱材の漏れは抑制される。
蓄熱材層32から蓄熱材が漏れ出て、蓄熱材の密度や蓄熱材の量が減ると、蓄熱材反応部30と熱流動部50との間での熱交換効率が低下してしまう虞がある。しかしながら、本実施形態のように蓄熱材層32のずれを抑制して、蓄熱材の漏れを抑制することで、蓄熱材反応部30と熱流動部50との間での熱交換効率が低下するのを抑制することができる。
ここで、蓄熱材層32の内部に配置される蓄熱成形体40において、膨張した際の膨張力が、積層方向から見た中央部で大きくなるが、大きな膨張力の作用する積層ユニット24の中央部に第1拘束部材92が配置されているので、膨張力による変形を効率的に抑制することができる。
なお、積層ユニット24においては、第2拘束部材102が積層ユニット24を囲むように巻回されており、膨張力による外周側(中央部から離れた位置)の変形を補助的に抑制している。なお、第2拘束部材102は必要に応じて設ければよく、無くてもよい。
本実施形態の積層ユニット24においては、第1拘束部材92が積層ユニット24の側面の外側に配置されておらず、積層ユニット24の中心部を貫通しており、外側に巻回されている第2拘束部材102は金属薄板で形成されているので、積層ユニット24の側面と反応容器22の内面との間隔を狭くすることができ、反応容器22を小さくして、反応容器22の内容積を小さくすることができる。これにより、反応容器22の内容積に占める蓄熱材の蓄熱量である蓄熱密度を高くすることができる。
さらに、本実施形態の積層ユニット24においては、第1拘束部材92が、熱流動部50に対して外部から熱媒体を供給する熱媒流路としての機能と、蓄熱材層32、フィルタ34、反応媒体拡散層36を熱流動部50で拘束するための拘束部材としての機能とを有しているため、熱媒流路と拘束部材とを別々の部材で作成する必要がなく、部品点数を少なくして、軽量化を図ることができる。また、積層ユニット24の部品点数を少なくすることで、積層ユニット24の熱容量を小さくすることができ、蓄熱材と反応媒体とが反応する反応時間を短縮することができ、高性能な反応器20を実現できる。
[第2実施形態]
次に、図11にしたがって、本発明の第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同一部材等については、同一符号を付してその説明を省略し、第1実施形態と異なる部分を主に説明する。
図11に示すように、本実施形態の積層ユニット24では、両端部を第1拘束部材92の側面に溶接112により接合した2本の第2拘束部材110が、積層ユニット24を囲むように巻回されている。本実施形態の第2拘束部材110も、ステンレススチール等の金属薄板で形成されている。
ここで、2本の第2拘束部材110の内の1本は、上下方向(矢印H方向)、及び装置奥行方向(矢印D方向)を周方向とし、他の1本は、上下方向(矢印H方向)、及び装置幅方向(矢印W方向)を周方向としており、各第2拘束部材110は、積層ユニット24の上面、下面、及び側面に接触している。
また、本実施形態の第2拘束部材110は、その両端部が第1拘束部材92の側面に溶接112により接合されているので、接合しない場合に比較して変形の抑制効果を高めることができる。
[第3実施形態]
次に、図12にしたがって、本発明の第3実施形態について説明する。なお、前述した実施形態と同一部材等については、同一符号を付してその説明を省略し、前述した実施形態と異なる部分を主に説明する。
第1の実施形態では、熱流動部50の中央部に第1拘束部材92を接合したが、例えば、図12に示すように、熱流動部50の形状が長方形である場合には、熱流動部50の長手方向に複数(本実施形態で2個)の第1拘束部材92を接合してもよい。なお、本実施形態の熱流動部50は、正方形であった第1の実施形態の熱流動部50を2個一組にして長方形状となるように一体化したものである。
なお、図示は省略するが、蓄熱材層32、フィルタ34、及び反応媒体拡散層36は、熱流動部50の形状に合わせて長方形に形成されている。
熱流動部50において、蓄熱材の膨張力の大きくなる部分がある方向に分布したり、複数個所になる場合には、熱流動部50に第1拘束部材92を複数接合し、変形を抑制することが好ましい。
[第4実施形態]
次に、図13にしたがって、本発明の第4実施形態について説明する。なお、前述した実施形態と同一部材等については、同一符号を付してその説明を省略し、前述した実施形態と異なる部分を主に説明する。
図13に示すように、本実施形態の熱流動部50には、本体側第1の開口部76、本体側第3の開口部80、蓋部材側第1の開口部84、及び蓋部材側第3の開口部88とに連通する第1熱媒流路116、本体側第2の開口部78、本体側第4の開口部82、蓋部材側第2の開口部86、及び蓋部材側第4の開口部90とに連通する第2熱媒流路118が、軸方向(装置上下方向)に沿って形成された第1拘束部材114が接合されている。
本実施形態では、第1熱媒流路116から熱流動部50に熱媒体が流入し、第2熱媒流路118から熱媒体が排出されるようになっており、図12(B)に示すように、熱流動部50の内部において、矢印B方向に熱媒体を流すことができる。
なお、その他の作用、効果は第1の実施形態と同様である。
[第5実施形態]
次に、図14、及び図15にしたがって、本発明の第5実施形態について説明する。なお、前述した実施形態と同一部材等については、同一符号を付してその説明を省略し、前述した実施形態と異なる部分を主に説明する。
第1の実施形態の熱流動部50の形状は、矩形であったが、図14、及び図15に示すように、本実施形態の熱流動部120は、円形である。また、第1の実施形態の第1拘束部材92は、角柱状であったが、図14に示すように、本実施形態の第1拘束部材122は、円柱状である。
本実施形態の熱流動部120は、上方が開口し、装置上下方向から見て円形状の本体部124と、本体部124の開口部を覆い本体部124の内部を密閉する蓋部材126とを含んで構成されている。
図15(B)に示すように、本体部124の底部には、中心部に隔壁128が形成されており、隔壁128の矢印W方向側に半円状の本体側第1の開口部130が、隔壁128の矢印W方向とは反対側に本体部側第2の開口部132が形成されている。
また、本体部124の底部には、中心部を通り、かつ装置幅方向に延びる仮想中心線FCLに沿って、隔壁128の矢印W方向側に通路134が形成され、隔壁128の矢印W方向側と反対側に通路136が形成されている。
さらに、本体部124の底部には、仮想中心線FCLを境にして通路134、及び通路136の矢印D方向側、及び矢印D方向側と反対側に、本体部124の中心部を曲率半径の中心とした複数の円弧状のフィン138が形成されている。
図15(A)に示すように、蓋部材126には、本体部124の本体側第1の開口部130と対向する位置に、蓋側第1の開口部140が形成され、本体部側第2の開口部132と対向する位置に、蓋側第2の開口部142が形成されている。
図14、及び図15(A)に示すように、本実施形態の第1拘束部材122には、本体側第1の開口部130と蓋側第1の開口部140に連通する第1熱媒流路144、及び本体部側第2の開口部132と蓋側第2の開口部142とに連通する第2熱媒流路146が軸方向に沿って形成されている。
なお、図示は省略するが、熱流動部120と熱流動部120との間には、円形の蓄熱材層32、フィルタ34、及び反応媒体拡散層36が配置されている。
本実施形態では、熱流動部120に対して、第1拘束部材122の第1熱媒流路144から熱媒体が流入し、第2熱媒流路146から熱媒体が排出される。図15(B)に示すように、熱流動部120の内部では、熱媒体が通路134を矢印C方向に流れた後、フィン138とフィン138との間を流れ、最後に、通路136を矢印C方向に流れるようになっている。
なお、その他の作用、効果は第1の実施形態と同様である。
[その他の実施形態]
なお、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明は係る実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態をとることが可能であることは当業者にとって明らかである。
上記実施形態の熱流動部50の本体部52では、図7(B)に示すように、第1熱媒体通過室58の底部、及び第2熱媒体通過室60の底部に、複数の放熱フィン62が溶接されていたが、放熱フィン62は、図7(C)に示すように、第1熱媒体通過室58の底部、及び第2熱媒体通過室60の底部に対して一体的に形成(例えば、本体部52の切削加工により)されていてもよい。
20 反応器(化学蓄熱反応器の一例)
22 反応容器
24 積層ユニット
32 蓄熱材層
34 フィルタ
36 反応媒体拡散層
40 蓄熱材成形体(蓄熱材)
44 フレーム部材(拘束枠)
50 熱流動部(第1の熱交換部、第2の熱交換部)
51 積層体
92 第1拘束部材
94 第1熱媒流路(熱媒流路)
96 第2熱媒流路(熱媒流路)
98 第3熱媒流路(熱媒流路)
100 第4熱媒流路(熱媒流路)
102 第2拘束部材
114 第1拘束部材
116 第1熱媒流路(熱媒流路)
118 第2熱媒流路(熱媒流路)
120 熱流動部
122 第1拘束部材
144 第1熱媒流路
146 第2熱媒流路
W 水蒸気(反応媒体)

Claims (6)

  1. 反応媒体と結合することで膨張し発熱又は反応媒体が脱離して蓄熱する蓄熱材が内部に配置されている蓄熱材層、前記蓄熱材層の一方側に配置され、反応媒体が流れる反応媒体拡散層、前記蓄熱材層と前記反応媒体拡散層との間に配置され、複数の細孔が形成されたフィルタ、及び前記蓄熱材層の前記フィルタとは反対側に積層され、内部に熱媒体が流れる空間を有する第1の熱交換部を含んで構成される積層体と、前記積層体に対して、前記第1の熱交換部とは反対側に配置されて前記第1の熱交換部との間で前記蓄熱材層、前記反応媒体拡散層、及び前記フィルタを挟持し、内部に熱媒体が流れる空間を有し、前記熱媒体によって前記蓄熱材への熱供給及び前記蓄熱材からの熱回収のうち少なくとも一方を行う第2の熱交換部と、を含んで構成される積層ユニットと、
    前記積層ユニットを内部に収容する容器と、
    積層された前記蓄熱材層、前記反応媒体拡散層、及び前記フィルタを貫通して前記第1の熱交換部と前記第2の熱交換部とを連結し、内部に前記第1の熱交換部の内部空間と前記第2の熱交換部の内部空間とを連通すると共に、前記第1の熱交換部の内部空間と前記第2の熱交換部の内部空間に対して前記積層体の外部から前記熱媒体を出入りさせる熱媒流路を備えた第1拘束部材と、
    を備える化学蓄熱反応器。
  2. 前記第1拘束部材は、前記積層体の中心部を貫通している、請求項1に記載の化学蓄熱反応器。
  3. 積層方向と交差する方向に離間した複数の前記第1拘束部材を有している、請求項1または請求項2に記載の化学蓄熱反応器。
  4. 前記積層ユニットの積層方向に向けて延びると共に前記積層ユニットの外面に沿って配置され、前記第1の熱交換部、前記第2の熱交換部、前記蓄熱材層、前記反応媒体拡散層、及び前記フィルタの積層方向とは交差する方向に移動を拘束する第2拘束部材を有する、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の化学蓄熱反応器。
  5. 前記第1拘束部材と前記第2拘束部材とが接合されている、請求項4に記載の化学蓄熱反応器。
  6. 請求項1〜5の何れか1項に記載の化学蓄熱反応器と、
    前記化学蓄熱反応器の前記反応媒体拡散層への反応媒体の供給及び前記反応媒体拡散層からの反応媒体の受け取りのうち少なくとも一方を行う蒸発凝縮器と、
    を有する化学蓄熱システム。
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